(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023113565
(43)【公開日】2023-08-16
(54)【発明の名称】車両および車両の制御方法
(51)【国際特許分類】
E05B 49/00 20060101AFI20230808BHJP
【FI】
E05B49/00 J
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022195570
(22)【出願日】2022-12-07
(31)【優先権主張番号】10-2022-0013974
(32)【優先日】2022-02-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ブルートゥース
(71)【出願人】
【識別番号】591251636
【氏名又は名称】現代自動車株式会社
【氏名又は名称原語表記】HYUNDAI MOTOR COMPANY
【住所又は居所原語表記】12, Heolleung-ro, Seocho-gu, Seoul, Republic of Korea
(71)【出願人】
【識別番号】500518050
【氏名又は名称】起亞株式会社
【氏名又は名称原語表記】KIA CORPORATION
【住所又は居所原語表記】12, Heolleung-ro, Seocho-gu, Seoul, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【弁理士】
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100196047
【弁理士】
【氏名又は名称】柳本 陽征
(72)【発明者】
【氏名】キム、シンジョン
【テーマコード(参考)】
2E250
【Fターム(参考)】
2E250AA21
2E250BB08
2E250BB36
2E250DD06
2E250FF25
2E250FF26
2E250FF27
2E250FF35
2E250FF36
2E250HH01
2E250JJ03
(57)【要約】 (修正有)
【課題】デジタルキーと車両のトランザクション(transaction)が終了した後、トランザクションの結果によりトランザクションを繰り返しまたは中断する車両および車両の制御方法を提供する。
【解決手段】デジタルキー200の認証をより円滑に遂行できる車両は、デジタルキーとNFC通信を遂行するリーダー100;および前記リーダー100を通じてデジタルキー200とのトランザクションが成功したことに基づいて車両の予め設定された機能を遂行する制御器150を含み、リーダー100は、前記トランザクションが成功したことに基づいてデジタルキー200の存在(presence)を検出するための第1モードで動作し、前記第1モードで動作中にはデジタルキー200が検出されても前記トランザクションを開始しないことができる。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
デジタルキーとNFC通信を遂行するリーダー;および
前記リーダーを通じて前記デジタルキーとのトランザクション(transaction)が成功したことに基づいて車両の予め設定された機能を遂行する制御器;を含み、
前記リーダーは、
前記トランザクションが成功したことに基づいて前記デジタルキーの存在(presence)を検出するための第1モードで動作し、前記第1モードで動作中には前記デジタルキーが検出されても前記トランザクションを開始しない、車両。
【請求項2】
前記リーダーは、
前記第1モードで動作中に、前記デジタルキーの存在を検出するためのポーリング信号(polling signal)を予め設定された周期ごとに伝送する、請求項1に記載の車両。
【請求項3】
前記リーダーは、
前記ポーリング信号に対応する応答信号を受信できないと、前記ポーリング信号を前記予め設定された周期よりさらに短い周期で伝送する、請求項2に記載の車両。
【請求項4】
前記リーダーは、
前記ポーリング信号を前記予め設定された周期よりさらに短い周期で伝送中に、前記ポーリング信号に対応する応答信号を受信したことに基づいて前記予め設定された周期ごとに前記ポーリング信号を伝送する、請求項3に記載の車両。
【請求項5】
前記リーダーは、
前記ポーリング信号を前記予め設定された周期よりさらに短い周期で伝送中に、前記ポーリング信号に対応する応答信号を受信できなかったことに基づいて前記トランザクションを待機する第2モードで動作する、請求項3に記載の車両。
【請求項6】
前記リーダーは、
予め設定された時間の間前記第1モードで動作したことに基づいて前記トランザクションを待機する第2モードで動作する、請求項1に記載の車両。
【請求項7】
前記リーダーは、
前記第2モードで動作中に電磁場の変化を感知したり、前記制御器から開始命令を受信したことに基づいて前記トランザクションを開始するための第3モードで動作する、請求項5または請求項6に記載の車両。
【請求項8】
前記リーダーは、
前記トランザクションが失敗したことに基づいて失敗回数を累積し、前記累積した失敗回数が予め設定された値より小さいことに基づいて前記トランザクションを開始するための第3モードで動作し、前記累積した失敗回数が前記予め設定された値と同一であることに基づいて前記第1モードで動作する、請求項1に記載の車両。
【請求項9】
前記リーダーはドアのハンドルに設けられ、
前記制御器は、
前記トランザクションが成功したことに基づいて前記ドアをロック(lock)またはアンロック(unlock)する、請求項1に記載の車両。
【請求項10】
前記制御器は、
前記リーダーは前記車両の内部に設けられ、
前記制御器は、
前記トランザクションが成功したことに基づいて前記車両の始動システムに始動権限を付与する、請求項1に記載の車両。
【請求項11】
デジタルキーとNFC通信を遂行するリーダーを含む車両の制御方法において、
前記車両の制御器が、前記リーダーを通じて前記デジタルキーとのトランザクションに成功したことに基づいて前記車両の予め設定された機能を遂行する段階;
前記リーダーが、前記トランザクションが成功したことに基づいて前記デジタルキーの存在を検出するための第1モードで動作する段階;および
前記リーダーが、前記第1モードで動作中には前記デジタルキーが検出されても前記トランザクションを開始しない段階;を含む、車両の制御方法。
【請求項12】
前記リーダーが前記第1モードで動作する段階は、
前記デジタルキーの存在を検出するためのポーリング信号(polling signal)を予め設定された周期ごとに伝送する段階;を含む、請求項11に記載の車両の制御方法。
【請求項13】
前記リーダーが前記第1モードで動作する段階は、
前記ポーリング信号に対応する応答信号を受信できないと、前記ポーリング信号を前記予め設定された周期よりさらに短い周期で伝送する段階;をさらに含む、請求項12に記載の車両の制御方法。
【請求項14】
前記リーダーが前記第1モードで動作する段階は、
前記ポーリング信号を前記予め設定された周期よりさらに短い周期で伝送中に、前記ポーリング信号に対応する応答信号を受信したことに基づいて前記予め設定された周期ごとに前記ポーリング信号を伝送する段階;をさらに含む、請求項13に記載の車両の制御方法。
【請求項15】
前記リーダーが、前記ポーリング信号を前記予め設定された周期よりさらに短い周期で伝送中に、前記ポーリング信号に対応する応答信号を受信できなかったことに基づいて前記トランザクションを待機する第2モードで動作する段階;をさらに含む、請求項13に記載の車両の制御方法。
【請求項16】
前記リーダーが、予め設定された時間の間前記第1モードで動作したことに基づいて前記トランザクションを待機する第2モードで動作する段階;をさらに含む、請求項11に記載の車両の制御方法。
【請求項17】
前記リーダーが、前記第2モードで動作中に電磁場の変化を感知したり、前記制御器から開始命令を受信したことに基づいて前記トランザクションを開始するための第3モードで動作する段階;をさらに含む、請求項15または請求項16に記載の車両の制御方法。
【請求項18】
前記リーダーが、前記トランザクションが失敗したことに基づいて失敗回数を累積し、前記累積した失敗回数が予め設定された値より小さいことに基づいて前記トランザクションを開始するための第3モードで動作し、前記累積した失敗回数が前記予め設定された値と同一であることに基づいて前記第1モードで動作する段階;をさらに含む、請求項11に記載の車両の制御方法。
【請求項19】
前記リーダーはドアのハンドルに設けられ、
前記車両の制御器が、前記リーダーと前記デジタルキーのトランザクションが成功したことに基づいて前記車両の予め設定された機能を遂行する段階は、
前記トランザクションが成功したことに基づいて前記ドアをロック(lock)またはアンロック(unlock)する段階;を含む、請求項11に記載の車両の制御方法。
【請求項20】
前記リーダーは前記車両の内部に設けられ、
前記車両の制御器が、前記リーダーと前記デジタルキーのトランザクションが成功したことに基づいて前記車両の予め設定された機能を遂行する段階は、
前記トランザクションが成功したことに基づいて前記車両の始動システムに始動権限を付与する段階;を含む、請求項11に記載の車両の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は車両および車両の制御方法に関し、さらに詳細にはデジタルキーの認証をより円滑に遂行できる車両および車両の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
NFC(Near Field Communication)通信は無線タグ(RFID)技術の一つであって、13.56MHzの周波数帯域を使う非接触式通信技術であり、通信距離が短いので相対的にセキュリティが優秀であり、安価の通信技術の一つである。
【0003】
NFC通信はデータの読み取りと書き込み機能をすべて使用できるため、決済のみならず情報の伝送および出入り規制の用途にも広く活用されている。
【0004】
前記のようなNFC通信の便利さにより、NFC通信は車両の出入りのための認証技術として活用されている。
【0005】
しかし、使用者がデジタルキーを車両に設けられたNFCリーダーに持続的にタギングする場合、意図していない車両の機能が実行されたり意図しようとする車両の機能が実行されないことがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本開示はデジタルキーと車両のトランザクションが終了した後、トランザクションの結果によりトランザクションを繰り返しまたは中断する車両および車両の制御方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前述した目的を達成するための一実施例に係る車両は、デジタルキーとNFC通信を遂行するリーダー;および前記リーダーを通じて前記デジタルキーとのトランザクション(transaction)が成功したことに基づいて車両の予め設定された機能を遂行する制御器;を含み、前記リーダーは、前記トランザクションが成功したことに基づいて前記デジタルキーの存在(presence)を検出するための第1モードで動作し、前記第1モードで動作中には前記デジタルキーが検出されても前記トランザクションを開始しないことができる。
【0008】
また、前記リーダーは、前記第1モードで動作中に、前記デジタルキーの存在を検出するためのポーリング信号(polling signal)を予め設定された周期ごとに伝送することができる。
【0009】
また、前記リーダーは、前記ポーリング信号に対応する応答信号を受信できないと、前記ポーリング信号を前記予め設定された周期よりさらに短い周期で伝送することができる。
【0010】
また、前記リーダーは、前記ポーリング信号を前記予め設定された周期よりさらに短い周期で伝送中に、前記ポーリング信号に対応する応答信号を受信したことに基づいて前記予め設定された周期ごとに前記ポーリング信号を伝送することができる。
【0011】
また、前記リーダーは、前記ポーリング信号を前記予め設定された周期よりさらに短い周期で伝送中に、前記ポーリング信号に対応する応答信号を受信できなかったことに基づいて前記トランザクションを待機する第2モードで動作することができる。
【0012】
また、前記リーダーは、予め設定された時間の間前記第1モードで動作したことに基づいて前記トランザクションを待機する第2モードで動作することができる。
【0013】
また、前記リーダーは、前記第2モードで動作中に電磁場の変化を感知したり、前記制御器から開始命令を受信したことに基づいて前記トランザクションを開始するための第3モードで動作することができる。
【0014】
また、前記リーダーは、前記トランザクションが失敗したことに基づいて失敗回数を累積し、前記累積した失敗回数が予め設定された値より小さいことに基づいて前記トランザクションを開始するための第3モードで動作し、前記累積した失敗回数が前記予め設定された値と同一であることに基づいて前記第1モードで動作することができる。
【0015】
また、前記リーダーはドアのハンドルに設けられ、前記制御器は、前記トランザクションが成功したことに基づいて前記ドアをロック(lock)またはアンロック(unlock)することができる。
【0016】
また、前記リーダーは前記車両の内部に設けられ、前記制御器は、前記トランザクションが成功したことに基づいて前記車両の始動システムに始動権限を付与することができる。
【0017】
前述した目的を達成するための一実施例に係る車両の制御方法は、デジタルキーとNFC通信を遂行するリーダーを含む車両の制御方法において、前記車両の制御器が、前記リーダーを通じて前記デジタルキーとのトランザクションに成功したことに基づいて前記車両の予め設定された機能を遂行する段階、前記リーダーが、前記トランザクションが成功したことに基づいて前記デジタルキーの存在を検出するための第1モードで動作する段階;および前記リーダーが、前記第1モードで動作中には前記デジタルキーが検出されても前記トランザクションを開始しない段階;を含むことができる。
【0018】
また、前記リーダーが前記第1モードで動作する段階は、前記デジタルキーの存在を検出するためのポーリング信号(polling signal)を予め設定された周期ごとに伝送する段階;を含むことができる。
【0019】
また、前記リーダーが前記第1モードで動作する段階は、前記ポーリング信号に対応する応答信号を受信できないと、前記ポーリング信号を前記予め設定された周期よりさらに短い周期で伝送する段階;をさらに含むことができる。
【0020】
また、前記リーダーが前記第1モードで動作する段階は、前記ポーリング信号を前記予め設定された周期よりさらに短い周期で伝送中に、前記ポーリング信号に対応する応答信号を受信したことに基づいて前記予め設定された周期ごとに前記ポーリング信号を伝送する段階;をさらに含むことができる。
【0021】
また、前記方法は、前記リーダーが、前記ポーリング信号を前記予め設定された周期よりさらに短い周期で伝送中に、前記ポーリング信号に対応する応答信号を受信できなかったことに基づいて前記トランザクションを待機する第2モードで動作する段階;をさらに含むことができる。
【0022】
また、前記方法は、前記リーダーが、予め設定された時間の間前記第1モードで動作したことに基づいて前記トランザクションを待機する第2モードで動作する段階;をさらに含むことができる。
【0023】
また、前記方法は、前記リーダーが、前記第2モードで動作中に電磁場の変化を感知したり、前記制御器から開始命令を受信したことに基づいて前記トランザクションを開始するための第3モードで動作する段階;をさらに含むことができる。
【0024】
また、前記方法は、前記リーダーが、前記トランザクションが失敗したことに基づいて失敗回数を累積し、前記累積した失敗回数が予め設定された値より小さいことに基づいて前記トランザクションを開始するための第3モードで動作し、前記累積した失敗回数が前記予め設定された値と同一であることに基づいて前記第1モードで動作する段階;をさらに含むことができる。
【0025】
また、前記リーダーはドアのハンドルに設けられ、前記車両の制御器が、前記リーダーと前記デジタルキーのトランザクションが成功したことに基づいて前記車両の予め設定された機能を遂行する段階は、前記トランザクションが成功したことに基づいて前記ドアをロック(lock)またはアンロック(unlock)する段階;を含むことができる。
【0026】
また、前記リーダーは前記車両の内部に設けられ、前記車両の制御器が、前記リーダーと前記デジタルキーのトランザクションが成功したことに基づいて前記車両の予め設定された機能を遂行する段階は、前記トランザクションが成功したことに基づいて前記車両の始動システムに始動権限を付与する段階;を含むことができる。
【発明の効果】
【0027】
本開示によると、トランザクションが失敗してもデジタルキーのアンタギング動作なしにトランザクションを再度試みることができる。
【0028】
また、本開示によると、トランザクションを成功したにもかかわらずデジタルキーを持続的にタギングする場合、トランザクションが連続実行されることを防止することができる。
【0029】
また、本開示によると、必要なトランザクションを遂行した後、リーダーを低電力モードに切り替えることによって電力消耗を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図2】一実施例に係る車両の構成を図示したブロック図である。
【
図3】デジタルキー、リーダーおよび制御器間の通信過程を図示した図面である。
【
図4】一実施例に係るリーダーの動作モードが変更される過程を図示したフローチャートである。
【
図5】デジタルキー検出モードで動作するリーダーがポーリング信号を伝送する多様な例を図示する。
【
図6】デジタルキー検出モードで動作するリーダーがポーリング信号を伝送する多様な例を図示する。
【
図7】デジタルキー検出モードで動作するリーダーがポーリング信号を伝送する多様な例を図示する。
【発明を実施するための形態】
【0031】
開示された発明の利点および特徴、そしてそれらを達成する方法および装置は、添付される図面と共に後述されている実施例を参照すると明確になるであろう。しかし、開示された発明は以下で開示される実施例に限定されるものではなく互いに異なる多様な形態で具現され得、ただし、開示された実施例は開示された発明の開示を完全なものとし、開示された発明が属する技術分野で通常の知識を有する者に発明の範疇を完全に知らせるために提供されるものであり、開示された発明は請求項の範疇によって定義されるのみである。
【0032】
開示された明細書で使われる用語について簡略に説明し、開示された発明について具体的に説明することにする。
【0033】
開示された発明で使われる用語は開示された発明での機能を考慮しつつ、できる限り現在広く使われる一般的な用語を選択したが、これは当分野に従事する技術者の意図または判例、新しい技術の出現などにより変わり得る。また、特定の場合は出願人が任意に選定した用語もあり、この場合、該当する発明の説明の部分で詳細にその意味を記載するであろう。したがって、開示された発明で使われる用語は単純な用語の名称ではなく、その用語が有する意味と開示された発明の全般にわたった内容に基づいて定義されるべきである。
【0034】
明細書全体で或る部分が何らかの構成要素を「含む」とする時、これは特に反対の記載がない限り他の構成要素を除くものではなく他の構成要素をさらに含み得ることを意味する。また、明細書で使われる「部」という用語はソフトウェア、FPGAまたはASICのようなハードウェア構成要素を意味し、「部」は何らかの役割を遂行する。しかし、「部」はソフトウェアまたはハードウェアに限定される意味ではない。「部」はアドレッシングできる保存媒体にあるように構成されてもよく、一つまたはそれ以上のプロセッサを再生させるように構成されてもよい。したがって、一例として「部」はソフトウェア構成要素、客体指向ソフトウェア構成要素、クラス構成要素およびタスク構成要素のような構成要素と、プロセス、関数、属性、プロシーザー、サブルーチン、プログラムコードのセグメント、ドライバ、ファームウェア、マイクロコード、回路、データ、データベース、データ構造、テーブル、アレイおよび変数を含む。構成要素と「部」内で提供される機能はさらに小さい数の構成要素および「部」で結合されたり追加的な構成要素と「部」にさらに分離され得る。
【0035】
以下では、添付した図面を参照して車両および車両の制御方法の実施例について、開示された発明が属する技術分野で通常の知識を有する者が容易に実施できるように詳細に説明する。そして、図面で開示された発明を明確に説明するために説明と関係ない部分は省略する。また、図面で同一の図面符号は同一の構成要素を示し、これに対する重複する説明は省略することにする。
【0036】
図1は一実施例に係る車両の外観を図示し、
図2は一実施例に係る車両の構成を図示したブロック図である。
【0037】
図1~
図2を参照すると、車両1はデジタルキー200と通信を遂行するリーダー100と、リーダー100を通じてデジタルキー200と間接的に通信を遂行する制御器150と、制御器150により制御される出入り始動システム160を含むことができる。
【0038】
多様な実施例により、デジタルキー200は近距離通信モジュールを含むことができる。
【0039】
例えば、デジタルキー200はNFC通信を遂行できるNFC通信モジュールを含むことができる。
【0040】
このようなデジタルキー200は、近距離通信モジュールを具備しているカード形態のカードキーを含むだけでなく、近距離通信モジュールを具備している多様な電子装置を含むことができる。
【0041】
例えば、デジタルキー200は使用者端末装置(例:スマートフォン)をさらに含むことができるが、近距離通信モジュールを具備している電子装置はこれに限定されるものではない。
【0042】
デジタルキー200は自体的に電源供給装置を具備してもよいが、自体電源供給装置なしにリーダー100から誘導された電力を使って車両1と通信を遂行できる。
【0043】
例えば、デジタルキー200がカードキーの形態で具現される場合、カード形態のデジタルキー200は自体電源供給装置なしにリーダー100から誘導された電力を使って車両1と通信を遂行できる。
【0044】
さらに他の例として、デジタルキー200がスマートフォンで具現される場合、デジタルキー200は自主的に電源供給装置を具備することができる。
【0045】
リーダー100はデジタルキー200と近距離通信(例:NFC通信)を遂行することによってデジタルキー200とデータを交換することができる。
【0046】
このためにリーダー100は、近距離通信モジュール(例:NFC通信モジュール)を含むことができる。
【0047】
近距離通信モジュールは近距離通信(例:NFC通信)を遂行できる通信アンテナと、通信アンテナから受信された信号および/または通信アンテナを通じて送信される信号を加工する整合部と、近距離通信モジュールの全般的な動作を制御するMCUと近距離通信の種類に対応する集積回路(例:NFC READER IC)を含むことができる。
【0048】
車両1は少なくとも一つのリーダー100を含むことができる。例えば、車両1はドアのハンドルに設けられる第1リーダーおよび/または車両1の内部に設けられる第2リーダーを含むことができる。
【0049】
多様な実施例により、車両1は車両1のトランクに設けられる第3リーダーをさらに含んでもよい。
【0050】
この時、第2リーダーはデジタルキー200(例:スマートフォン)を充電する充電機能を遂行することができる。
【0051】
使用者は車両1内部の使用者インターフェース部(例:AVN装置)を利用してデジタルキー200に各種権限を付与することができる。
【0052】
例えば、使用者は車両1内部に設けられた第2リーダーにデジタルキー200を配置し、使用者インターフェース部を通じてデジタルキー200に対する各種権限(例:出入り権限、始動権限など)を付与することができる。
【0053】
デジタルキー200はNFC通信を通じて第2リーダーから車両1の登録情報および/または権限情報の伝送を受けることができる。
【0054】
このために、デジタルキー200は少なくとも一つのメモリを含むことができる。
【0055】
リーダー100はISO 14443に定義されたNFC通信開始(NFC Initialize)過程とISO 7816に定義されたデータトランザクション(Data Transaction)過程を通じてデジタルキー200から必要なデータを受信することができる。
【0056】
リーダー100はデジタルキー200から受信されたデータを制御器150に伝達することができ、制御器150はデジタルキー200から受信されたデータに基づいてデジタルキー200の認証を遂行できる。
【0057】
この時、リーダー100はデジタルキー200から受信されたデータを車両通信ネットワーク(例:CAN通信)を通じて制御器150に伝達することができる。
【0058】
また、リーダー100は車両通信ネットワーク(例:CAN通信)を通じて制御器150から伝達を受けたデータを、データトランザクションを通じてデジタルキー200に伝達することができる。
【0059】
車両通信ネットワークはイーサネット(Ethernet)、モスト(MOST、Media Oriented Systems Transport)、フレックスレイ(Flexray)、カン(CAN、Controller Area Network)、リン(LIN、Local Interconnect Network)等を含むことができる。
【0060】
制御器150はリーダー100を通じて受信されたデジタルキー200のデータに基づいてデジタルキー200を認証することができ、デジタルキー200の認証が成功したことに基づいて車両1に関連した各種機能を遂行することができる。
【0061】
本明細書で、制御器150がデジタルキー200とのトランザクションに成功したとは、デジタルキー200の認証が成功したことを意味し得、制御器150がデジタルキー200とのトランザクションに失敗したとは、デジタルキー200の認証が失敗したか、デジタルキー200から追加的な認証情報が要求されることを意味し得る。
【0062】
デジタルキー200から追加的な認証情報が要求される場合、デジタルキー200は使用者端末(例:スマートフォン)で具現されたものであり得る。
【0063】
例えば、デジタルキー200がスマートフォンで具現される場合、制御器150はデジタルキー200に車両1登録情報の他にスマートフォンを通じての認証情報を要請することができる。
【0064】
スマートフォンを通じての認証情報としては、PIN情報および/または生体認証情報(例:顔認証、指紋認証、虹彩認証など)があり得る。
【0065】
使用者はデジタルキー200をリーダー100にタグ(tag)することでデジタルキー200を認証し、認証成功に関連した車両1の機能を実行することができる。
【0066】
例えば、使用者は車両1のドアをロック(lock)またはアンロック(unlock)するためにデジタルキー200をドアハンドルにタグすることができる。
【0067】
制御器150はドアがロック状態にある場合、ドアのハンドルにタグされたデジタルキー200とのトランザクションが成功したことに基づいてドアのロックを解除するように出入り始動システム160を制御することができる。
【0068】
また、制御器150はドアがロック解除状態にある場合、ドアのハンドルにタグされたデジタルキー200とのトランザクションに成功したことに基づいてドアをロックするように出入り始動システム160を制御することができる。
【0069】
出入り始動システム160はドアロック装置および/または始動システムを含むことができる。
【0070】
ドアロック装置は制御器150の制御信号に基づいてドアをロックまたはアンロックすることができる。始動システムは制御器150から始動権限が付与され得る。
【0071】
始動システムに始動権限が付与された場合、使用者が始動をオンさせるための始動ボタンを加圧したことに基づいて車両1の始動がオンされ得る。
【0072】
その反対に、始動システムに始動権限が付与されていない場合、使用者が始動ボタンを加圧しても車両1の始動がかからないこともある。
【0073】
制御器150は車両1の出入り始動機能に関連した動作を遂行するプログラムが保存された少なくとも一つのメモリと、保存されたプログラムを実行する少なくとも一つのプロセッサを含むことができる。
【0074】
制御器150が複数のメモリと複数のプロセッサを含む場合には複数のメモリと複数のプロセッサが一つのチップに集積されてもよく、物理的に分離されてもよい。各メモリはデータを一時的に記憶するためのSラム(Static Random Access Memory、S-RAM)、Dラム(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性メモリを含むことができる。また、各メモリは制御プログラムおよび制御データを長期間保存するためのロム(Read Only Memory)、イーピーロム(Erasable Programmable Read Only Memory:EPROM)、イーイーピーロム(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory:EEPROM)等の不揮発性メモリを含むことができる。各プロセッサは各種論理回路と演算回路を含むことができ、各メモリから提供されたプログラムによりデータを処理し、処理結果により制御信号を生成することができる。
【0075】
制御器150は車両1のエンジンが止まっている場合、車両1内部に設けられた第2リーダーにタグされたデジタルキー200とのトランザクションに成功したことに基づいてドアをロックするように出入り始動システム160を制御することができる。
【0076】
また、制御器150はトランクがロック状態にある場合、トランクに設けられた第3リーダーにタグされたデジタルキー200とのトランザクションが成功したことに基づいてトランクのロックを解除するように出入り始動システム160を制御することができる。
【0077】
以上では車両1の各種構成要素を説明したが、通常の技術範囲内で新しい構成が追加されたり説明された構成が省略され得る。
【0078】
図3はデジタルキー、リーダーおよび制御器間の通信過程を図示した図面であり、
図4は一実施例に係るリーダーの動作モードが変更される過程を図示したフローチャートである。
【0079】
図3~
図4を参照すると、予め設定された条件が満足される前までリーダー100は低電力モードで動作することができる(
図3のS1、
図4の1000)。
【0080】
一実施例で、低電力モードはデジタルキーとのトランザクション(transaction)を待機するモードと定義され得る。
【0081】
低電力モードはスリップモードと定義されてもよく、低電力モードでリーダー100は少ない電力を消耗しながらもデジタルキー200の近接および/または人体の近接まで感知することができる。
【0082】
例えば、リーダー100はデジタルキー200の近接および/または人体の近接による電磁場の変化を感知することができる。
【0083】
このために、リーダー100は低電力モードで通信アンテナを通じて受信されるアンテナ信号の振幅または位相を測定することができる。また、リーダー100は低電力静電式センサをさらに含むことができる。
【0084】
リーダー100は近距離通信(例:NFC通信)が要求されない状況では低電力モードで動作することによって車両1の電力消耗を防止することができる。
【0085】
リーダー100は電磁場の変化を感知したり制御器150から開始命令を受信したことに基づいて(
図3の1100のはい)、トランザクションモードで動作することができる(
図3の1200)。
【0086】
一例として、リーダー100は低電力モードで通信アンテナを通じて受信されるアンテナ信号の振幅または位相を測定して、電磁場の変化が感知された場合、低電力モードからトランザクションモードに切り替えられ得る。
【0087】
さらに他の例として、制御器150は車両1の近接センサ(例:超音波センサ)を通じて使用者の接近が感知されたり、車両1の無線通信モジュール(例:ブルートゥース通信モジュール、UWB通信モジュール)を通じて使用者端末の接近が感知されたり、車両1の接触センサ(例:タッチセンサ)を通じて車両1ハンドルに対する使用者の接触が感知されたことに基づいて、リーダー100をトランザクションモードに切り替えるための開始命令を送出することができる。
【0088】
トランザクションモードは、リーダー100がデジタルキー200とトランザクションを開始するためのモードであり、リーダー100がNFC通信を通じてデジタルキー200とデータをやり取りできるモードを意味する。一例として、トランザクションモードは正常ポーリングモードと定義され得る。
【0089】
トランザクションモードで、リーダー100はISO 14443に定義されたNFC通信開始(NFC Initialize)過程とISO 7816に定義されたデータトランザクション(Data Transaction)過程を通じてデジタルキー200から必要なデータを受信することができる。
【0090】
また、トランザクションモードで、リーダー100はデジタルキー200から受信されたデータを制御器150に伝達し、制御器150から受信したデータをデジタルキー200に伝達することができる。
【0091】
一例として、リーダー100はトランザクションモードでポーリング信号(polling signal)(S2)を送出することができ、ポーリング信号の伝送を受けたデジタルキー200はポーリング信号(S2)に対応する応答信号(S3)を送出することができる。
【0092】
リーダー100はデジタルキー200から応答信号(S3)の受信を受けたことに基づいてデジタルキー200の存在(presence)を確認することができる。
【0093】
リーダー100はデジタルキー200から応答信号(S3)の受信を受けたことに基づいてデジタルキー200と各種データを交換することができる(S4)。
【0094】
リーダー100とデジタルキー200が交換するデータはISO 14443に定義されたNFC通信開始(NFC Initialize)過程に対応するデータであり得る。
【0095】
例えば、デジタルキー200はリーダー100にユーアイディ(UID)データを伝送することができ、リーダー100はデジタルキー200のユーアイディに対する選択信号を伝送することができ、デジタルキー200はリーダー100の選択信号に対する応答信号(SAK;Select Acknowledgement)を伝送することができ、リーダー100はデジタルキー200にAPDU-C(Application Protocol Data Unit Command)信号を伝送することができ、デジタルキー200はAPDU-C信号に対する応答でAPDU-R(APDU Response)信号を伝送することができる。
【0096】
リーダー100はデジタルキー200から受信されたデータに基づいてデジタルキー200を識別することができる。例えば、リーダー100はデジタルキー200の種類(例:カードまたはスマートフォン)を識別することができる。
【0097】
リーダー100はNFC通信開始(NFC Initialize)過程に対応するデータの交換を完了したことに基づいて、制御器150をウェイクアップさせるウェイクアップ信号を伝送することができる(S5)。
【0098】
制御器150はリーダー100からウェイクアップ信号を受信したことに基づいてウェイクアップされ得、リーダー100はウェイクアップされた制御器150にデジタルキー200に対するデータを伝送することができる。
【0099】
NFC通信開始(NFC Initialize)過程以後に、制御器150はリーダー100を通じてデジタルキー200とトランザクションを実行することができる。
【0100】
例えば、制御器150は車両通信ネットワークを通じてリーダー100にデータを伝達でき、リーダー100は制御器150から伝達を受けたデータをNFC通信を通じてデジタルキー200に伝達することができる。
【0101】
また、デジタルキー200はNFC通信を通じてリーダー100にデータを伝達でき、リーダー100はデジタルキー200から伝達を受けたデータを車両通信ネットワークを通じて制御器150に伝達することができる。
【0102】
このように、制御器150とデジタルキー200は互いにデータを交換することができる(S6)。
【0103】
トランザクション過程で、制御器150はデジタルキー200にAPDU-C信号を伝送することができ、これに対する応答としてデジタルキー200は制御器150にAPDU-R信号を伝送することができる。
【0104】
制御器150はデジタルキー200から伝達されたデータに基づいてデジタルキー200を認証することができる。デジタルキー200から伝達されたデータは車両1に対応する暗号データを含むことができる。
【0105】
制御器150はデジタルキー200から伝達されたデータに車両1に対応する暗号データが含まれていることに基づいて、デジタルキー200とのトランザクションが成功したものと決定することができる。
【0106】
その反対に、制御器150はデジタルキー200から伝達されたデータに車両1に対応する暗号データが含まれていないことに基づいて、デジタルキー200とのトランザクションが失敗したものと決定することができる。
【0107】
制御器150はデジタルキー200とのトランザクションが成功したこと(S7のはい)に基づいてリーダー100にトランザクション成功メッセージ(S8)を伝送することができる。
【0108】
さらに他の例として、デジタルキー200とのトランザクションが成功したこと(S7のはい)に基づいてリーダー100をデジタルキー検出モードで動作させるための命令(S8)を伝送することができる。
【0109】
また、制御器150はデジタルキー200とのトランザクションが成功したこと(S7のはい)に基づいて車両1の予め設定された機能を遂行することができる。
【0110】
一例として、制御器150は第1リーダーを通じてデジタルキー200とのトランザクションが成功したことに基づいて車両1の始動システムに始動権限を付与することができる。
【0111】
さらに他の例として、制御器150は第2リーダーを通じてデジタルキー200とのトランザクションが成功したことに基づいてドアをロック(lock)またはアンロック(unlock)することができる。
【0112】
さらに他の例として、制御器150は第3リーダーを通じてデジタルキー200とのトランザクションが成功したことに基づいてトランクをロック(lock)またはアンロック(unlock)することができる。
【0113】
制御器150はデジタルキー200とのトランザクションが失敗したこと(S7のいいえ)に基づいてリーダー100にトランザクション失敗メッセージ(S9)を伝送することができる。
【0114】
前述した過程(S4~S6)において、デジタルキー200とリーダー100の間の距離が遠くなってデジタルキー200からデータを受信できない場合にはトランザクションが失敗したものと見なされ得る。
【0115】
さらに他の例として、デジタルキー200とのトランザクションが失敗したこと(S7のいいえ)に基づいてリーダー100を低電力モードまたはトランザクションモードで動作させるための命令(S9)を伝送することができる。
【0116】
一実施例で、リーダー100はトランザクションが成功したこと(1300のはい)に基づいてデジタルキー200の存在を検出するためのデジタルキー検出モードで動作することができる(1400)。
【0117】
一例として、リーダー100は制御器150からトランザクション成功メッセージを受信したり、リーダー100をデジタルキー検出モードで動作させるための命令を受信したことに基づいてデジタルキー検出モードで動作することができる。
【0118】
デジタルキー検出モードとは、近接したデジタルキー200の存在のみを検出しながら、トランザクションのための一連の過程(ISO 14443に定義されたNFC通信開始過程とISO 7816に定義されたデータトランザクション過程)を実行しないモードを意味する。
【0119】
すなわち、リーダー100はデジタルキー検出モードで動作中にはデジタルキー200が検出されてもトランザクションを開始しないことができる。
【0120】
図5~
図7は、デジタルキー検出モードで動作するリーダーがポーリング信号を伝送する多様な例を図示する。
【0121】
図5を参照すると、リーダー100はデジタルキー検出モードで動作中に、デジタルキー200の存在を検出するためのポーリング信号Pを予め設定された周期pd1ごとに伝送することができる。
【0122】
デジタルキー200がリーダー100にタグされている状態である場合、リーダー100はデジタルキー200からポーリング信号Pに対応する応答信号rを受信することができる。
【0123】
リーダー100がデジタルキー200からポーリング信号Pに対応する応答信号rを持続的に受信する場合、デジタルキー200がリーダー100にタグされているものと確認され得る。
【0124】
図3を参照すると、デジタルキー検出モードで動作するリーダー100はデジタルキー200から応答信号を受信しても(S3)、データ交換過程(S4)に進行しないことがある。
【0125】
すなわち、デジタルキー検出モードで動作するリーダー100は、制御器150をウェイクアップさせる信号を送信しないことがある。さらに他の例として、デジタルキー検出モードで動作するリーダー100は、制御器150にデジタルキー200が検出されたというメッセージを送信しないことがある。
【0126】
これに伴い、リーダー100はポーリング信号Pを周期的に送出し、ポーリング信号に対応する応答信号rを周期的に受信することができる。
【0127】
リーダー100は予め設定された時間d1の間デジタルキー検出モードで動作したこと(1500のはい)に基づいて低電力モードに切り替えられ得る。
【0128】
すなわち、リーダー100はデジタルキー検出モードで動作する時間をカウントし、カウントされた時間が予め設定された時間d1に到達したことに基づいてデジタルキー検出モードでの動作を中止し、低電力モードで動作することができる。
【0129】
この時、予め設定された時間d1は約5秒に設定され得るがこれに限定されるものではない。
【0130】
本開示によると、トランザクションが成功した以後、持続的にデジタルキー200がリーダー100にタグされていても、不要なトランザクションを再び開始しないので、使用者の便宜を図ることができる。
【0131】
図6および
図7を参照すると、デジタルキー検出モードで動作するリーダー100は、予め設定された周期pd1にしたがってポーリング信号Pを周期的に伝送してから、ポーリング信号Pに対応する応答信号rを受信できないと、ポーリング信号Pを予め設定された周期pd1より短い周期pd2で伝送することができる。
【0132】
例えば、リーダー100はポーリング信号Pを予め設定された周期pd1より短い周期pd2で予め設定された回数だけ伝送することができる。
【0133】
図6のように、リーダー100はポーリング信号Pを予め設定された周期pd1より短い周期pd2で伝送中にポーリング信号Pに対応する応答信号rを受信したことに基づいて、予め設定された周期pd1ごとにポーリング信号を伝送することができる。
【0134】
すなわち、リーダー100はポーリング信号Pに対応する応答信号rを受信できずにいてから、ポーリング信号Pに対応する応答信号rを受信することになると再び正常な周期pd1でポーリング信号Pを送出することができる。
【0135】
この場合にも同様に、リーダー100はデジタルキー検出モードで動作する時間をカウントし、カウントされた時間が予め設定された時間d1に到達したことに基づいてデジタルキー検出モードでの動作を中止し、低電力モードで動作することができる。
【0136】
反面、
図7のように、リーダー100はポーリング信号Pを予め設定された周期pd1より短い周期pd2で予め設定された回数だけ伝送中に応答信号を受信できなかったこと(1500のはい)に基づいて、デジタルキー検出モードでの動作を中止し、低電力モードで動作することができる。
【0137】
この場合、リーダー100は予め設定された時間d1より短い時間d2の間デジタルキー検出モードで動作することができる。
【0138】
本開示によると、デジタルキー200がリーダー100でアンタギングされたことが確実な場合には、リーダー100が即刻にデジタルキー検出モードを中断し低電力モードに切り替えられ得る。
【0139】
また、本開示によると、デジタルキー200がアンタギングされたことが確認される場合、予め設定された周期pd1より短い周期pd2でポーリング信号を送信することによって、デジタルキー200がリーダー100で確実にアンタギングされたかどうかを迅速に判断することができる。
【0140】
要約すれば、
図5のように、リーダー100にデジタルキー200が持続的にタグされている場合には、予め設定された時間d1が経過すればリーダー100は自動で低電力モードに切り替えられ得、
図6のように、リーダー100にデジタルキー200が持続的にタグされていてから瞬間的にアンタグされた後に再びタグされる場合にも、予め設定された時間d1が経過すればリーダー100は自動で低電力モードに切り替えられ得、
図7のように、リーダー100にデジタルキー200が持続的にタグされていてからアンタグされた場合、予め設定された時間d1が経過する以前でもリーダー100は自動で低電力モードに切り替えられ得る。
【0141】
本開示に係るデジタルキー検出モードによると、トランザクションが成功した後デジタルキー200が持続的にタグされていても、予め設定された時間d1の間トランザクションが開始されないため、不要なトランザクション成功による追加の機能の遂行を防止することができる。
【0142】
例えば、本開示によると、車両1のドアをアンロックしようとする使用者が持続的にデジタルキー200をリーダー100にタグさせることによって、車両1のドアが再びロックされる状況を防止することができる。
【0143】
一方、一実施例で、リーダー100はトランザクションが失敗したこと(1300のいいえ)に基づいて失敗回数を累積し、累積した失敗回数を予め設定された値と比較することができる(1600)。
【0144】
リーダー100は低電力モードで動作する場合、累積した失敗回数を初期化することができる。これに伴い、失敗回数は低電力モードのリーダー100がデジタルキー200と通信を開始した時点からカウントされ得る。
【0145】
この時、予め設定された値(n)は2で設定され得るが、これに限定されるものではない。
【0146】
リーダー100はトランザクションが失敗した場合、累積した失敗回数が予め設定された値と同一であれば(1600のはい)、デジタルキー検出モードで動作することができる(1400)。
【0147】
すなわち、トランザクションが予め設定された値(n)に対応する回数だけ失敗した場合に、リーダー100は使用者に、再びトランザクションを試みるためにデジタルキー200をアンタグした後にタグするように誘導することができる。
【0148】
反面、リーダー100はトランザクションが失敗した場合、累積した失敗回数が予め設定された値より小さいと(1600のいいえ)、トランザクションモードで動作することができる(1200)。
【0149】
すなわち、リーダー100はデジタルキー200とのトランザクションが(n-1)回失敗したとしても、もう一度トランザクションモードに切り替えてデジタルキー200とのトランザクションを試みることができる。
【0150】
例えば、予め設定された値が2で設定された場合、リーダー100はデジタルキー200とのトランザクションが1回失敗した場合、もう一度トランザクションのための一連の過程(ISO 14443に定義されたNFC通信開始過程とISO 7816に定義されたデータトランザクション過程)を実行することができる。
【0151】
本開示によると、使用者はデジタルキー200をリーダー100からアンタギングしなくても、持続的にタグすることで(n-1)回の間トランザクションを繰り返すことができる。
【0152】
一方、多様な実施例により、デジタルキー200がスマートフォンで具現される場合、制御器150はデジタルキー200に追加的な認証情報を要請することができる。
【0153】
例えば、デジタルキー200はスマートフォンに追加的な生体認証情報(例:指紋データ)を要請することができる。
【0154】
前記のような場合、使用者はデジタルキー200をリーダー100でアンタギングしないで指紋を入力することによって、より容易に本人認証を遂行できる。
【0155】
従来技術によると、デジタルキー200とのトランザクションが成功した場合、リーダー100がトランザクションモードで動作することになる。これに伴い、一度のトランザクションが成功した後にも使用者がデジタルキー200をリーダー100に持続的にタギングする場合、もう一度トランザクション過程が再開されて不要なトランザクション過程が進行される。
【0156】
反対の例として、従来技術によると、デジタルキー200とのトランザクションが失敗した場合、リーダー100が低電力モードで動作することになる。これに伴い、一度のトランザクションが失敗した後に使用者が再度認証のためにデジタルキー200をリーダー100に持続的にタギングする場合、トランザクション過程が再開されないため、使用者は再度認証のためにデジタルキー200をアンタギングした後もう一度タギングしなければならない。
【0157】
本開示によると、トランザクションが成功するか予め設定された回数以上だけトランザクションが失敗した場合、リーダー100をデジタルキー検出モードで動作させることによって、前記問題点を解決することができる。
【0158】
また、本開示によると、トランザクションが予め設定された回数より少ない回数だけ失敗した場合には、追加的なトランザクションの機会を付加することによって、前記問題点を解決することができる。
【0159】
また、本開示によると、必要なNFC通信が終了した以後には、リーダー100が低電力モードに切り替えられて電力消耗を防止することができる。
【0160】
一方、車両1の一部の構成要素は、ソフトウェアおよび/またはField Programmable Gate Array(FPGA)および特定用途向け半導体(ASIC、Application Specific Integrated Circuit)のようなハードウェア構成要素であり得る。
【0161】
一方、開示された実施例はコンピュータによって実行可能な命令語を保存する記録媒体の形態で具現され得る。命令語はプログラムコードの形態で保存され得、プロセッサによって実行された時、プログラムモジュールを生成して開示された実施例の動作を遂行できる。記録媒体はコンピュータで読み取り可能な記録媒体で具現され得る。
【0162】
コンピュータ読み取り可能な記録媒体としては、コンピュータによって解読され得る命令語が保存されたすべての種類の記録媒体を含む。例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、磁気テープ、磁気ディスク、フラッシュメモリ、光データ保存装置などがあり得る。
【0163】
以上、添付された図面を参照して開示された実施例を説明した。本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者は本発明の技術的思想や必須の特徴を変更せずとも、開示された実施例と異なる形態で本発明が実施され得ることが理解できるであろう。開示された実施例は例示的なものであり、限定的に解釈されてはならない。
【符号の説明】
【0164】
1:車両
100:リーダー
150:制御器
160:出入り始動システム
200:デジタルキー