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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023113568
(43)【公開日】2023-08-16
(54)【発明の名称】取付具
(51)【国際特許分類】
   A47F 5/00 20060101AFI20230808BHJP
【FI】
A47F5/00 E
A47F5/00 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022201203
(22)【出願日】2022-12-16
(31)【優先権主張番号】P 2022015586
(32)【優先日】2022-02-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000226426
【氏名又は名称】日研I&S株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001612
【氏名又は名称】弁理士法人きさらぎ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】河谷 和広
【テーマコード(参考)】
3B118
【Fターム(参考)】
3B118FA14
3B118FA15
3B118FA25
(57)【要約】
【課題】商品の取り出し及び補充を容易に行うことができるように商品陳列棚に対して商品落下防止具や商品内容表示具等の商品陳列補助具を取り付けることが可能な取付具に関する。
【解決手段】商品の陳列を補助する商品陳列補助部材を商品陳列棚に取り付けるための取付具であって、商品陳列棚の棚板の前端部に取り付け可能な取付部と、商品陳列補助部材を保持可能な保持部と、取付部及び保持部を接続する接続部とを備え、保持部は、接続部に対して摺動可能に接続されており、接続部は、取付部に対して回動可能に接続されており、取付具は、保持部を接続部に対して摺動させると共に接続部を取付部に対して回動させることにより、商品陳列補助部材を棚板に対する商品の出し入れ導線上から外れた位置に移動させることが可能に構成されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品の陳列を補助する商品陳列補助部材を商品陳列棚に取り付けるための取付具であって、
前記商品陳列棚の棚板の前端部に取り付け可能な取付部と、
前記商品陳列補助部材を保持可能な保持部と、
前記取付部及び前記保持部を接続する接続部と
を備え、
前記保持部は、前記接続部に対して摺動可能に接続されており、
前記接続部は、前記取付部に対して回動可能に接続されており、
前記取付具は、前記保持部を前記接続部に対して摺動させると共に前記接続部を前記取付部に対して回動させることにより、前記商品陳列補助部材を前記棚板に対する商品の出し入れ導線上から外れた位置に移動させることが可能に構成されている
ことを特徴とする取付具。
【請求項2】
前記保持部は、前記接続部に対して摺動することにより、前記商品陳列補助部材が前記棚板に取り付けられた取付状態と、該商品陳列補助部材が前記棚板から取り外された非取付状態とを変更可能に構成されており、
前記接続部は、前記商品陳列補助部材の前記非取付状態において、前記商品陳列補助部材が前記棚板に対する商品の出し入れ導線上に位置する第1の位置と、前記商品陳列補助部材が商品の出し入れ導線上から外れた第2の位置との間において変位可能に構成されている
ことを特徴とする請求項1に記載の取付具。
【請求項3】
前記保持部は、前記取付部に係合可能に構成されると共に、前記接続部に対して摺動することにより該係合が解除されるよう構成されており、
前記接続部は、前記保持部と前記取付部との係合が解除された状態において、前記商品陳列補助部材が前記棚板に対する商品の出し入れ導線上に位置する第1の位置と、前記商品陳列補助部材が商品の出し入れ導線上から外れた第2の位置との間において変位可能に構成されている
ことを特徴とする請求項1に記載の取付具。
【請求項4】
前記取付部と前記接続部とを接続可能な軸部を有し、
前記接続部は、前記軸部を中心として前記第1の位置と前記第2の位置との間を回動可能に構成されている
ことを特徴とする請求項2又は3に記載の取付具。
【請求項5】
前記接続部は、前記棚板と交差する上下方向に延在しており、
前記保持部は、前記接続部に対して直動する
ことを特徴とする請求項2又は3に記載の取付具。
【請求項6】
前記保持部は、第1保持部と、該第1保持部に対向する第2保持部とを有し、
前記第1保持部及び前記第2保持部は、前記商品陳列補助部材を挟持可能に構成されており、該挟持した状態において、前記商品陳列補助部材と共に前記接続部に対して摺動可能に構成されている
ことを特徴とする請求項2に記載の取付具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、商品の落下を防止する商品落下防止具や商品価格の表示等を行う商品内容表示具等の商品陳列補助具を商品陳列棚に取り付けるための取付具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、スーパーマーケット等の量販店において、図8に示すように、商品陳列棚の棚板2の前端部には、商品Pの落下を防止するための欄干等の商品落下防止具3(特許文献1及び2等)や、商品価格の表示等を行う商品内容表示具4といった、商品Pの陳列を補助するための商品陳列補助部材が設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015-058104号公報
【特許文献2】特開2006-239137号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、商品落下防止具3や商品内容表示具4は、商品陳列棚における商品Pの出し入れ口の一部を塞ぐようにして棚板2の前端部に取り付けられるため、商品Pを出し入れするための導線が阻害されて商品Pの取り出し及び補充を効率的に行えないという問題がある。
【0005】
また、特にスーパーマーケット等の量販店においては、バックヤードにおける在庫保管スペースの省スペース化や商品Pの補充効率の向上等を目的として、商品陳列棚の最上段の棚板2Aを商品Pのストック棚として利用することが多い。このように、最上段の棚板2Aをストック棚として利用する場合には、地震等により商品Pが転落すると特に被害が大きいため、高さの高い商品落下防止具3Aを用いることが望ましい。しかしながら、商品落下防止具3Aの高さを高くすると、商品Pの取り出し及び補充がより一層困難になるという問題がある。
【0006】
本発明は、商品の取り出し及び補充を容易に行うことができるように商品陳列棚に対して商品落下防止具や商品内容表示具等の商品陳列補助具を取り付けることが可能な取付具に関する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る取付具は、商品の陳列を補助する商品陳列補助部材を商品陳列棚に取り付けるための取付具であって、前記商品陳列棚の棚板の前端部に取り付け可能な取付部と、前記商品陳列補助部材を保持可能な保持部と、前記取付部及び前記保持部を接続する接続部とを備え、前記保持部は、前記接続部に対して摺動可能に接続されており、前記接続部は、前記取付部に対して回動可能に接続されており、前記取付具は、前記保持部を前記接続部に対して摺動させると共に前記接続部を前記取付部に対して回動させることにより、前記商品陳列補助部材を前記棚板に対する商品の出し入れ導線上から外れた位置に移動させることが可能に構成されていることを特徴とする。
【0008】
本発明の一態様に係る取付具において、前記保持部は、前記接続部に対して摺動することにより、前記商品陳列補助部材が前記棚板に取り付けられた取付状態と、該商品陳列補助部材が前記棚板から取り外された非取付状態とを変更可能に構成されており、前記接続部は、前記商品陳列補助部材の前記非取付状態において、前記商品陳列補助部材が前記棚板に対する商品の出し入れ導線上に位置する第1の位置と、前記商品陳列補助部材が商品の出し入れ導線上から外れた第2の位置との間において変位可能に構成されても良い。
【0009】
また、本発明の他の態様に係る取付具において、前記保持部は、前記取付部に係合可能に構成されると共に、前記接続部に対して摺動することにより該係合が解除されるよう構成されており、前記接続部は、前記保持部と前記取付部との係合が解除された状態において、前記商品陳列補助部材が前記棚板に対する商品の出し入れ導線上に位置する第1の位置と、前記商品陳列補助部材が商品の出し入れ導線上から外れた第2の位置との間において変位可能に構成されても良い。
【0010】
本発明に係る取付具において、前記取付部と前記接続部とを接続可能な軸部を有し、前記接続部は、前記軸部を中心として前記第1の位置と前記第2の位置との間を回動可能に構成されていることが好ましい。
【0011】
本発明に係る取付具において、前記接続部は、前記棚板と交差する上下方向に延在しており、前記保持部は、前記接続部に対して直動しても良い。
【0012】
本発明の一態様に係る取付具において、前記保持部は、第1保持部と、該第1保持部に対向する第2保持部とを有し、前記第1保持部及び前記第2保持部は、前記商品陳列補助部材を挟持可能に構成されており、該挟持した状態において、前記商品陳列補助部材と共に前記接続部に対して摺動可能に構成されていることが好ましい。
【発明の効果】
【0013】
本発明の取付具によれば、商品の取り出し及び補充を容易に行うことができるように商品陳列棚に対して商品落下防止具や商品内容表示具等の商品陳列補助具を取り付けることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1(a)は、第1実施形態に係る取付具を示す正面斜視図であり、図1(b)は、第1実施形態に係る取付具を示す背面斜視図である。
図2】第1実施形態に係る取付具を示す分解斜視図である。
図3】第1実施形態に係る取付具を示す分解斜視図である。
図4】第1実施形態に係る接続部が第1の位置に位置する状態を示す図である。
図5】第1実施形態に係る商品落下防止具の非取付状態を示す図である。
図6】第1実施形態に係る接続部が第2の位置に位置する状態を示す図である。
図7】第1実施形態に係る取付具が商品落下防止具と共に商品内容表示具を保持した状態を示す図であり、図7(a)は、第1実施形態に係る接続部が第1の位置に位置する状態を示す図であり、図7(b)は、商品落下防止具の非取付状態を示す図であり、図7(c)は、第1実施形態に係る接続部が第2の位置に位置する状態を示す図である。
図8】第2実施形態に係る取付具を示す正面斜視図である。
図9】第2実施形態に係る取付具を示す分解斜視図である。
図10】商品内容表示具に対する第2実施形態に係る取付具の取付例を示す図である。
図11】第2実施形態に係る取付具が商品内容表示具を保持した状態を示す図であり、図11(a)は、第2実施形態に係る接続部が第1の位置に位置する状態を示す図であり、図11(b)は、取付部と保持部の係合が解除された状態を示す図であり、図11(c)は、第2実施形態に係る接続部が第2の位置に位置する状態を示す図である。
図12】従来の商品陳列補助具の商品陳列棚への取り付け状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明を実施するための好適な実施形態について、図面を用いて説明する。なお、以下の実施形態は、各請求項に係る発明を限定するものではなく、また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。また、各実施形態においては、各構成要素の縮尺や寸法が誇張されて示されている場合や、一部の構成要素が省略されている場合がある。
【0016】
[第1実施形態に係る取付具の全体構成]
第1実施形態に係る取付具1は、概略的には、商品Pの落下を防止する商品落下防止具3を商品陳列棚に取り付けるための取付具である。具体的には、図1図3に示すように、取付具1は、商品陳列棚の棚板2(図4~6参照)の前端部に取り付け可能な取付部10と、商品落下防止具3(図4~6参照)を保持可能な保持部20と、取付部10及び保持部20と接続する接続部30とを備えている。
【0017】
[取付部の構成]
図1図3に示すように、取付部10は、該取付部10を棚板2の前端部に取り付けた状態において、棚板2の前端部に対向する前面部11と、該前面部11の上端から棚板2側に延在する上面部12と、前面部11の下端から棚板2側に延在する下面部13とを備えており、全体として棚板2側に開口する形状を有している。また、前面部11、上面部12及び下面部13は、それぞれ平板状に形成されており、前面部11と上面部12との接続部分及び前面部11と下面部13との接続部分は、それぞれ曲面状に形成されている。
【0018】
なお、以下、本明細書において、前面部11から上面部12及び下面部13が延在する方向を後方、これとは反対の方向を前方とする。また、以下、本明細書において、上下方向及び前後方向に直交する方向を横方向とする。
【0019】
図1図3に示すように、前面部11は、横方向に長く、上下方向に短い長さを有する矩形状に形成されている。また、前面部11は、上側前面部11aと、該上側前面部11aの下端から前方に延出する中間前面部11bと、該中間前面部11bの前端から下方に延出する下側前面部11cとを有しており、全体として階段状に形成されている。なお、下側前面部11cの上端部は、後述する接続部30の回動を規制する回動規制部14として機能するように構成されている。
【0020】
上側前面部11aには、該上側前面部11aの前面から前方に向けて突出し、上側前面部11aの上下方向に沿って延びる一対の縁部15が形成されている。一対の縁部15は、相互に離間して設けられており、その間に接続部30を収容可能に構成されている。また、一対の縁部15は、上側前面部11aのうち、上側前面部11aの長手方向一端部から一方の縁部15までの距離が短く、上側前面部11aの長手方向他端部から他方の縁部15までの距離が長くなるような位置に形成されている。
【0021】
また、前面部11は、一対の縁部15の幅内において、上側前面部11aの上下方向中心部近傍から下側前面部11cの上端部(回動規制部14)に亘って形成された孔部16を有している。また、前面部11は、上側前面部11aの後面に取付部10と接続部30とを接続可能な軸部17を有しており、該軸部17は、孔部16を介して上側前面部11aの後面に懸架されている。なお、第1実施形態において、軸部17は、前面部11、すなわち、取付部10に設けられているものとして説明したが、これに限定されず、軸部17が接続部30に設けられていても良いし、取付部10及び接続部30と独立して構成されていても良い。
【0022】
図1図3に示すように、上面部12は、長手方向の長さが前面部11の長手方向の長さと一致する矩形状に形成されており、該上面部12の後方部分が下方に折れ曲がって形成された差込部12aを有している。差込部12aは、棚板2の前端部に形成された細溝2a(図4図7参照)に差し込み可能に構成されている。
【0023】
また、上面部12は、差込部12aの前面から前方に向けて突出する係合突起部12bを有しており、係合突起部12bは、棚板2の前端部に係合可能に構成されている。具体的には、係合突起部12bは、差込部12aの長手方向に沿って延びる筋状かつ、断面略台形状に形成されており、差込部12aが棚板2の前端部に形成された細溝2a(図4図7参照)に差し込まれた状態において、棚板2の前端部と噛合可能に構成されている。
【0024】
図1図3に示すように、下面部13は、長手方向の長さが前面部11の長手方向の長さと一致する矩形状に形成されており、短手方向において、前面部11の中間前面部11bと略一致する長さを有している。また、下面部13は、上面部12との間に棚板2の前端部を挿入する際に、上面部12に対して離間する方向に向けて弾性変形し、上面部12との間に棚板2の前端部を挿入した状態において、上面部12に向けて復元し、該下面部13の弾性力によって、上面部12との間において棚板2の前端部を挟持するように構成されている。
【0025】
[保持部の構成]
図1図3に示すように、保持部20は、第1保持部20Aと、該第1保持部20Aに対向する第2保持部20Bとを有しており、該第1保持部20A及び該第2保持部20Bは、商品落下防止具3を挟持可能に構成されている。
【0026】
図1図3に示すように、第1保持部20Aは、横方向に長く、上下方向に短い長さを有する矩形状に形成された前壁部40と、該前壁部40の長手方向両端部から後方に延在する一対の側壁部41とを有しており、該前壁部40は、横方向において取付部10よりも長い長さで形成されている。
【0027】
また、第1保持部20Aは、前壁部40の後面において、該前壁部40の長手方向一端部近傍に形成され、一方の側壁部41の一部を構成する第1突出面部42と、前壁部40の長手方向他端部近傍に形成された第2突出面部43と、該第1突出面部42と該第2突出面部43との間に形成された挿通孔形成部44と、第1突出面部42と挿通孔形成部44との間に形成された一対の第1突出片部45及び一対の第2突出片部46とを有している。
【0028】
図1図3に示すように、第1突出面部42は、上下方向に長く、横方向に短い長さを有する矩形状に形成されており、上下方向において、前壁部40よりも長い長さを有している。また、第1突出面部42は、該第1突出面部42の後方に第2保持部20Bを第1保持部20Aに装着させるための第1装着部42aを有している。第1装着部42aは、L字状に形成されており、第1突出面部42の短手方向一端部と側壁部41とにそれぞれ接続されている。
【0029】
図1図3に示すように、第2突出面部43は、上下方向に長く、横方向に短い長さを有する略半円状に形成されており、上下方向において、前壁部40よりも長い長さを有している。また、第2突出面部43は、該第2突出面部43の後方に第2保持部20Bを第1保持部20Aに装着させるための第2装着部43aを有している。第2装着部43aは、枠状に形成されており、第2突出面部43の短手方向両端部にそれぞれ接続されている。
【0030】
また、第2突出面部43と側壁部41との間は、略U字状に切り欠かれており、第2突出面部43と、側壁部41と、第2保持部の後述する第2突出部55とで画定された空間内に商品落下防止具3の縦軸(図示せず)を挿通可能な第1挿通孔60を形成するように構成されている。
【0031】
図1図3に示すように、挿通孔形成部44は、前壁部40の中心部近傍から後方に突出して設けられており、該挿通孔形成部44と、第2突出面部43と、第2保持部20Bの後述する第1突出部54とで画定された空間内に商品落下防止具3の縦軸(図示せず)を挿通可能な第2挿通孔61を形成するように構成されている。このように、第1挿通孔60及び第2挿通孔61に商品落下防止具3の縦軸(図示せず)が挿入されることにより、商品落下防止具3に対する保持部20の横方向の移動を規制することができる。
【0032】
図3に示すように、一対の第1突出片部45は、第1突出面部42と挿通孔形成部44とからそれぞれ内側に突出して設けられている。図1図3に示すように、一対の第2突出片部46は、一対の第1突出片部45の幅内において、前壁部40から後方に突出して設けられている。
【0033】
図1~3に示すように、第2保持部20Bは、横方向に長く、上下方向に短い長さを有する矩形状に形成された基面部50を有しており、該基面部50は、横方向及び上下方向において、第1保持部20Aと一致する長さを有している。
【0034】
また、第2保持部20Bは、基面部50の長手方向に沿って延びる筋状の突起部51と、第1保持部20Aの第1装着部42aを挟持可能な第1挟持部52と、第1保持部20Aの第2装着部43aを挟持可能な第2挟持部53と、該第1挟持部52と第2挟持部53との間に設けられた第1突出部54と、第2挟持部53と基面部50の長手方向一端部との間に設けられた第2突出部55とを備えている。突起部51は、基面部50の上端部近傍に設けられており、第1挟持部52、第2挟持部53、第1突出部54及び第2突出部55は、基面部50の下端部近傍に設けられている。
【0035】
図1及び図2に示すように、突起部51は、断面略三角形状を有しており、商品内容表示具4(図7参照)と係合するように構成されている。第1挟持部52及び第2挟持部53は、基面部50の前面から前方に向けて突出して設けられており、該第1挟持部52及び該第2挟持部53が第1保持部20Aの第1装着部42a及び第2装着部43aをそれぞれ挟持することで、第2保持部20Bを第1保持部20Aに対して装着可能に構成されている。
【0036】
また、第2保持部20Bが第1保持部20Aに対して装着されることにより、第1保持部20Aと第2保持部20Bとの間において商品落下防止具3を挟持可能に構成されている。例えば、第1実施形態のような柵状の商品落下防止具3(図4図6参照)を挟持する場合、図4図6に示すように、柵の隙間部分に第2保持部20Bの第1挟持部52及び該第2挟持部53と、第1保持部20Aの第1装着部42a及び第2装着部43aとが位置するように第2保持部20Bを第1保持部20Aに対して装着させることで、商品落下防止具3を挟持することができる。
【0037】
図2に示すように、第1突出部54は、基面部50の前面から前方に向けて突出して設けられており、第2保持部20Bを第1保持部20Aに対して装着した状態において、第1保持部20Aの第1装着部42a及び第2装着部43aの間に収容可能な横方向の長さを有し、第1装着部42a及び第2装着部43aと略一致する上下方向の長さを有している。
【0038】
また、第1突出部54は、該第1突出部54の中心部近傍かつ下端から前方に向けて延出する延出部56を有している。延出部56は、接続部30の後述する第1接続部32に設けられた開口32cに挿入可能に構成されており、該挿入状態において、保持部20が接続部30に対して上方向に摺動した際に、後述する第1接続部32の上部32aの下端に係止することにより、該摺動を規制するように構成されている。
【0039】
図2に示すように、第2突出部55は、基面部50の前面から前方に向けて突出して設けられている。また、第2突出部55は、第2保持部20Bを第1保持部20Aに対して装着した状態において、第2突出面部43と他方の側壁部41との間の略U字状に切り欠かれた部分内に収容可能な大きさを有している。
【0040】
また、保持部20は、商品落下防止具3を棚板2の前端部に取り付けた取付状態及び棚板2の前端部から取り外された非取付状態に変更可能に構成されている。具体的には、保持部20は、接続部30の後述する第1接続部32に対して摺動可能に接続されており、該摺動することで取付状態と非取付状態とを変更可能に構成されている。
【0041】
より具体的には、保持部20は、第1保持部20Aの第1突出面部42と、挿通孔形成部44と、第1突出片部45と、第2突出片部46との間に形成された空間S内に接続部30の後述する第1接続部32を挿入することにより、接続部30の後述する第1接続部32に対して摺動可能に接続される。そして、保持部20は、第1保持部20A及び第2保持部20Bが商品落下防止具3を挟持した状態において、商品落下防止具3と共に接続部30の後述する第1接続部32に対して摺動可能に構成されている。また、保持部20は、好ましくは、接続部30に対して直動するように構成されている。
【0042】
なお、第1実施形態において、「取付状態」とは、商品落下防止具3を棚板2の前端部に取り付けた状態、すなわち、商品落下防止具3の支持軸3a(図4図7参照)が棚板2の前端部に設けられた取付孔2b(図4図7参照)に挿入されて、商品落下防止具3が棚板2に対して立設した状態をいう。また、第1実施形態において、「非取付状態」とは、商品落下防止具3が棚板2の前端部から取り外された状態、すなわち、商品落下防止具3の取付状態から保持部20を上方に摺動させて、商品落下防止具3が棚板2に対して立設しなくなった状態をいう。すなわち、第1実施形態においては、保持部20を接続部30に対して上方に摺動させることにより、取付状態にある商品落下防止具3を非取付状態に変更することができ、保持部20を接続部30に対して下方に摺動させることにより、非取付状態にある商品落下防止具3を取付状態に変更することができる。
【0043】
[接続部の構成]
図1~3に示すように、接続部30は、取付部10の上面部12に対向する平板部31と、該平板部31の後端から上方に向けて延出する第1接続部32と、平板部31の前端から下方に向けて延出する第2接続部33とを有しており、全体として棚板2と交差する上下方向(鉛直方向)に延在して形成されている。
【0044】
図1~3に示すように、第1接続部32は、上下方向(鉛直方向)に延在する平板状に形成されており、上下方向に長く、横方向に短い矩形状に形成されている。また、第1接続部32は、該第1接続部32を第1保持部20Aの第1突出面部42と、挿通孔形成部44と、第1突出片部45と、第2突出片部46との間に形成された空間S内に挿入されることにより、保持部20と接続可能に構成されている。
【0045】
また、第1接続部32は、上部32aと、該上部32aの短手方向両端部から下方に向けて延出する一対の側部32bとを有する枠状に形成されており、中心に開口32cが形成されている。また、第1接続部32は、側部32bの前面かつ下端部近傍に設けられた第1ガイド部32dと、上部32a及び側部32bの後面に設けられた第2ガイド部32eと、上部32aの後面に設けられた規制部32fとを有している。
【0046】
図1及び図2に示すように、第1ガイド部32dは、側部32bの短手方向両端部から前方に向けて突出した一対の片の間に形成されており、保持部20が商品落下防止具3の非取付状態から取付状態に変更する際に(保持部20が接続部30に対して下方に摺動する際に)、保持部20の第2突出片部46をガイドするように構成されている。
【0047】
図1及び図3に示すように、第2ガイド部32eは、上部32a及び側部32bの後面かつ短手方向外側端部において、該側部32bの下端部近傍から上部32aの上端部近傍に亘って肉薄に形成されることにより形成されており、第1接続部32と保持部20とを接続した状態において、保持部20の第1突出面部42と摺接し、第1接続部32に対する保持部20の摺動をガイドするように構成されている。図1及び図3に示すように、規制部32fは、上部32aの後面において肉薄に形成されていない部分であり、肉薄部位(第2ガイド部32e)との段差により、第1接続部32に対する保持部20の摺動を規制するように構成されている。
【0048】
図1~3に示すように、第2接続部33は、取付部10の一対の縁部15の幅内に収容可能な大きさを有しており、該第2接続部33の下方側が後方に折れ曲がって形成された係合部33aを有している。また、第2接続部33は、係合部33aが取付部10の軸部17と係合することにより、商品落下防止具3の非取付状態において、接続部30が後述する第1の位置と後述する第2の位置との間を回動可能となるよう取付部10に接続される。
【0049】
また、接続部30は、商品落下防止具3の非取付状態において、該商品落下防止具3を棚板2に対する商品Pの出し入れ導線上から外れた位置に移動させることが可能に構成されている。具体的には、接続部30は、商品落下防止具3の非取付状態において、該商品落下防止具3が棚板2に対する商品Pの出し入れ導線上に位置する第1の位置と、商品落下防止具3が商品Pの出し入れ導線上から外れた第2の位置との間において変位可能に構成されている。より具体的には、接続部30は、取付部10の軸部17を中心として第1の位置と第2の位置との間を回動可能に構成されている。
【0050】
なお、接続部30は、商品落下防止具3が取付状態にあるときは、商品落下防止具3の支持軸3a(図4図7参照)が棚板2の前端部に設けられた取付孔2b(図4図7参照)に挿入されているため、第1の位置から第2の位置へと向かう回動が規制される。
【0051】
なお、第1実施形態において、「第1の位置」とは、商品落下防止具3が棚板2に対する商品Pの出し入れ導線上に位置する位置、すなわち、商品落下防止具3がその機能(商品Pの落下防止)を発揮できるように棚板2の前端部に取り付けられた状態における接続部30の取付部10に対する位置をいう。また、第1実施形態において、「第2の位置」とは、商品落下防止具3が商品Pの出し入れ導線上から外れた位置、すなわち、接続部30が取付部10の軸部17を中心として回動することにより、商品落下防止具3が商品Pの出し入れ導線上から外れた位置をいう。
【0052】
また、第1実施形態において、取付部10は、合成樹脂等により一体成形に形成されており、棚板2の前端部に取り付ける際に破壊されない程度の強度を有している。また、第1保持部20A及び第2保持部20Bも同様に合成樹脂等により一体成形に形成されており、商品落下防止具3の重さによって破壊されない程度の強度を有している。さらに、接続部30も同様に、合成樹脂等により一体成形に形成されており、商品落下防止具3の重さによって破壊されない程度の強度を有している。
【0053】
[第1実施形態に係る取付具の使用方法]
次に、図4図7を用いて第1実施形態に係る取付具1の使用方法について説明する。図4は、第1の位置において商品落下防止具3が取付状態となっている状態を示す図である。また、図5は、商品落下防止具3が非取付状態となっている状態を示す図であり、図6は、商品落下防止具3の非取付状態において、第2の位置に位置する状態を示す図である。また、図7は、商品落下防止具3とともに商品内容表示具4を取り付けた状態を示す図である。
【0054】
第1実施形態に係る取付具1は、1つの棚板2の前端に、横方向に所定の間隔をおいて複数(例えば2つ又は3つ)取り付けて使用される。図4図6に示すように、取付具1は、取付部10の上面部12と下面部13とが棚板2の前端部を挟持することにより、該棚板2に取り付けられる。また、取付具1は、保持部20の第1保持部20A及び第2保持部20Bが商品落下防止具3を挟持することにより、商品落下防止具3を保持することができる。
【0055】
図4に示すように、接続部30が第1の位置に位置し、商品落下防止具3が取付状態にあるときは、商品落下防止具3が棚板2に対する商品Pの出し入れ導線上を塞ぐため、商品Pの落下を防止することができる。その後、棚板2に対して商品Pを出し入れする際に、取付部10に対して接続部30を回動させることにより、棚板2に対する商品Pの出し入れ導線が開放されて、商品Pの取り出し及び補充を行うことができる。
【0056】
具体的には、まず、図5に示すように、保持部20の第1保持部20A及び第2保持部20Bを接続部30の第1接続部32に対して上方に摺動(直動)させて、商品落下防止具3を取付状態から非取付状態に変更する。なお、図5には図示しないが、第1保持部20Aの第1突出片部45が接続部30の第1接続部32に設けられた規制部32fに係止し、第2保持部20Bの延出部56が接続部30の第1接続部32に設けられた上部32aの下端に係止することにより、接続部30の第1接続部32に対する摺動が規制されるため、第1接続部32に対して保持部20が抜け落ちるのを防止することができる。
【0057】
次に、図6に示すように、取付部10の軸部17を中心として、接続部30、保持部20及び商品落下防止具3を前方に回動させることにより、接続部30を第1の位置から第2の位置に変位させることができる。なお、接続部30が取付部10の回動規制部14(下側前面部11cの上端)に当接することにより、保持部20及び商品落下防止具3の過度な回動が規制される。
【0058】
そして、このように接続部30が第2の位置に位置し、棚板2に対する商品Pの出し入れ導線が開放された状態(商品Pの出し入れ導線が商品落下防止具3で塞がれていない状態)において、商品Pの取り出し及び補充が行われる。また、商品Pの取り出し及び補充が完了した後、接続部30を第2の位置から第1の位置に向かうように先ほどとは逆方向に回動させ、商品落下防止具3を非取付状態から取付状態に変更することで、商品落下防止具3を図4に示す状態に戻し、再度商品Pの落下を防止することができる。
【0059】
なお、第1実施形態に係る取付具1は、図7に示すように、商品落下防止具3と共に商品内容表示具4を保持することもできる。具体的には、図7(a)に示すように、保持部20の第1保持部20A及び第2保持部20Bが商品落下防止具3を挟持した状態において、商品落下防止具3と第2保持部20Bとの間に商品内容表示具4を差し込むことにより、該商品内容表示具4と第2保持部20Bの突起部51と係合し、商品内容表示具4を保持することができる。
【0060】
図7(a)に示すように、接続部30が第1の位置に位置し、商品落下防止具3が取付状態にあるときは、商品Pの落下を防止することができると共に、商品Pの内容を表示することができる。そして、図7(b)に示すように、保持部20の第1保持部20A及び第2保持部20Bを接続部30の第1接続部32に対して上方に摺動(直動)させて、商品落下防止具3を取付状態から非取付状態に変更した後、図7(c)に示すように、接続部30、保持部20、商品落下防止具3及び商品内容表示具4を前方に回動させることにより、接続部30を第1の位置から第2の位置に変位させることができる。
【0061】
そして、接続部30が第2の位置に位置し、棚板2に対する商品Pの出し入れ導線が開放された状態において、商品Pの取り出し及び補充が行われる。また、商品Pの取り出し及び補充が完了した後、接続部30を第2の位置から第1の位置に向かうように先ほどとは逆方向に回動させ、商品落下防止具3を非取付状態から取付状態に変更することで、図7(a)に示す状態に戻し、再度商品Pの落下を防止すると共に、商品Pの内容を表示することができる。
【0062】
[第1実施形態に係る取付具の利点]
このように、第1実施形態に係る取付具1は、商品Pの落下を防止する商品落下防止具3を商品陳列棚に取り付けるための取付具1であって、商品陳列棚の棚板2の前端部に取り付け可能な取付部10と、商品落下防止具3を保持可能であり、商品落下防止具3を棚板2の前端部に取り付けた取付状態及び棚板2の前端部から取り外された非取付状態に変更可能な保持部20と、取付部10及び保持部20を接続する接続部30とを備え、保持部20は、接続部30に対して摺動可能に接続されており、該摺動することで取付状態と非取付状態とを変更可能に構成されており、接続部30は、商品落下防止具3の非取付状態において、商品落下防止具3を棚板2に対する商品Pの出し入れ導線上から外れた位置に移動させることが可能に構成されている。
【0063】
このような構成を備える取付具1は、接続部30に対して保持部20を摺動させるだけで、商品落下防止具3を取付状態から非取付状態に変更し、接続部30により、商品落下防止具3を棚板2に対する商品Pの出し入れ導線上から外れた位置に移動させて、該商品Pの出し入れ導線を開放できるため、商品Pの取り出し及び補充を容易に行うことができるという顕著な利点を有する。
【0064】
また、第1実施形態に係る取付具1において、接続部30は、商品落下防止具3の非取付状態において、該商品落下防止具3が棚板2に対する商品Pの出し入れ導線上に位置する第1の位置と、商品落下防止具3が商品Pの出し入れ導線上から外れた第2の位置との間において変位可能に構成されている。このような構成を備える取付具1は、接続部30を第1の位置から第2の位置に変位させるだけで、棚板2に対する商品Pの出し入れ導線を開放できるため、商品Pの取り出し及び補充を容易に行うことができるという利点を有する。
【0065】
また、第1実施形態に係る取付具1において、接続部30は、商品落下防止具3の非取付状態において、第1の位置と第2の位置との間を回動可能となるよう取付部10に接続されている。また、第1実施形態に係る取付具1において、取付部10と接続部30とを接続可能な軸部17を有し、接続部30は、軸部17を中心として第1の位置と第2の位置との間を回動可能に構成されている。このような構成を備える取付具1は、取付部10に対して接続部30を回動させるという極めて単純な動作を行うだけで、棚板2に対する商品Pの出し入れ導線を開放できるため、商品Pの取り出し及び補充を容易に行うことができるという利点を有する。また、接続部30が該接続部30を取付部10に連結した状態を維持したまま、第1の位置と第2の位置との間を回動するため、商品落下防止具3の滑落を防止することができるという利点も有する。
【0066】
また、第1実施形態に係る取付具1において、接続部30は、棚板2と交差する上下方向に延在しており、保持部20は、接続部30に対して直動する。このような構成を備える取付具1は、保持部20が接続部30に対して直動するため、商品落下防止具3を取付状態から非取付状態に変更する際に、過度な力を必要とせず、簡単に持ち上げることができるという利点を有する。
【0067】
また、第1実施形態に係る取付具1において、保持部20は、第1保持部20Aと、該第1保持部20Aに対向する第2保持部20Bとを有し、第1保持部20A及び第2保持部20Bは、商品落下防止具3を挟持可能に構成されており、該挟持した状態において、商品落下防止具3と共に接続部30に対して摺動可能に構成されている。このような構成を備える取付具1は、第1保持部20A及び第2保持部20Bという2つの部材により商品落下防止具3を挟持するため、安定性が向上し、商品落下防止具3の滑落を防止することができるという利点を有する。
【0068】
[第2実施形態に係る取付具の全体構成]
次に、本発明の第2実施形態に係る取付具1´について、図8図11を用いて説明する。以下、第2実施形態に係る取付具1´の構成において、第1実施形態に係る取付具1と同様の構成については、同一の符号を用いることでその詳細な説明を省略する。
【0069】
第2実施形態に係る取付具1´は、概略的には、商品Pの商品価格の表示等を行う商品内容表示具4を商品陳列棚に取り付けるための取付具である。具体的には、図8及び図9に示すように、取付具1´は、商品陳列棚の棚板2(図11参照)の前端部に取り付け可能な取付部10´と、商品内容表示具4(図10及び図11参照)を保持可能な保持部20´と、取付部10´及び保持部20´と接続する接続部30´とを備えている。
【0070】
[取付部の構成]
取付部10´は、図8及び図9に示すように、第1実施形態と同様に、該取付部10´を棚板2の前端部に取り付けた状態において、棚板2の前端部に対向する前面部11´と、該前面部11´の上端から棚板2側に延在する上面部12と、前面部11´の下端から棚板2側に延在する下面部13とを備えており、全体として棚板2側に開口する形状を有している。なお、第2実施形態においても、第1実施形態と同様、前面部11´から上面部12及び下面部13が延在する方向を後方、これとは反対の方向を前方とし、上下方向及び前後方向に直交する方向を横方向とする。
【0071】
前面部11´は、図8及び図9に示すように、第1実施形態と同様に、上側前面部11aと、該上側前面部11aの下端から前方に延出する中間前面部11bと、該中間前面部11bの前端から下方に延出する下側前面部11cとを有している。一方、第2実施形態に係る前面部11´は、第1実施形態と異なり、中間前面部11bの前端から上方に延出するガイド壁部11dを更に有しており、全体として断面Y状に形成されている。また、下側前面部11cの上端部には、後述する接続部30´の回動を規制する回動規制部14が設けられている。上側前面部11aには、第1実施形態と同様に、接続部30´を収容可能に構成された一対の縁部15が形成されている。また、前面部11´は、第1実施形態と同様に、孔部16と、軸部17とを有している。
【0072】
ガイド壁部11dは、図8及び図9に示すように、中間前面部11b上に左右一対立設されている。一対のガイド壁部11dは、正面視において一対の縁部15の横方向外側に位置するよう、横方向に離間して設けられている。また、各ガイド壁部11dは、上側前面部11aとの間に保持部20´の後述する脚部24を挿脱させることが可能な間隔をおいて、上側前面部11aと対向して設けられている。
【0073】
上面部12は、図8及び図9に示すように、第1実施形態と同様に、棚板2の前端部に形成された細溝2aに差し込み可能に構成された差込部12aと、棚板2の前端部に係合可能に構成された係合突起部12bとを有している。また、下面部13は、第1実施形態と同様に、上面部12との間において棚板2の前端部を挟持するように構成されている。
【0074】
[保持部の構成]
保持部20´は、図8及び図9に示すように、横方向に長く、上下方向に短い長さを有する矩形板状に形成された基面部22と、基面部22の左右両側の下端から前方に向けて設けられた左右一対の脚部24と、基面部22の左右両側の下端から後方に向けて設けられた左右一対のガイドレール部26とを備えている。
【0075】
基面部22には、接続部30´の第1接続部32に設けられた開口32cに挿入可能に構成された延出部56が設けられている。延出部56は、第1実施形態と同様に、保持部20´が接続部30´に対して上方向に摺動した際に第1接続部32の上部32aの下端に係止することにより、接続部30´に対する保持部20´の上方への抜け出しを防止するよう構成されている。
【0076】
また、基面部22には、接続部30´の第1接続部32のガイド部32eと整合する位置に、左右一対の突出片部45が設けられている。各突出片部45は、接続部30´の第1接続部32のガイド部32eがスライド可能な間隔をおいて、基面部22と対向して設けられている。各突出片部45は、第1実施形態の第1突出片部45と同様に、基面部22との間において接続部30´の第1接続部32のガイド部32eの上下方向の移動をガイドするよう構成されている。また、各突出片部45は、第1実施形態の第1突出片部45と同様に、接続部30´の第1接続部32の規制部32fに係止することにより、接続部30´に対する保持部20´の上方への抜け出しを防止するよう構成されている。
【0077】
さらに、基面部22には、商品内容表示具4の裏面に当接することにより該商品内容表示具4を支持する支持片28が設けられている。支持片28は、一対の突出片部45よりも横方向外側に設けられた左右一対の上側支持片28aと、上側支持片28aの下方に平行に設けられた左右一対の下側支持片28bとを備えている。下側支持片28bは、上側支持片28aよりも大きい形状を有している。
【0078】
脚部24は、基面部22の下端から前方に向けて延びる水平部24aと、水平部24aの前端部から下方に向けて延びる鉛直部24bとを備えている。これら水平部24a及び鉛直部24bは、該水平部24aを取付部10´の上面部12上に当接させた状態において、鉛直部24bが取付部10´の上側前面部11aとガイド壁部11dとの間の溝(凹部空間)に挿入される形状及び大きさを有している。このような構成を備える脚部24により、保持部20´は、取付部10´に係合可能に構成されると共に、接続部30´に対して摺動することにより該係合が解除されるよう構成されている。
【0079】
ガイドレール部26は、基面部22の下端から後方方に向けて水平に延びる下側水平部26aと、下側水平部26aの後端部から上方に向けて延びる鉛直板部26bと、鉛直板部26bの上端部から前方に向けて延びる上側水平部26cとを備えている。鉛直板部26bは、基面部22の裏面と対向して設けられており、下側水平部26aは、鉛直板部26bと基面部22との間に商品内容表示具4の一部を挿通させることが可能な間隔が形成されるような形状及び大きさを有している。上側水平部26cは、基面部22の上方に設けられており、鉛直板部26bは、上側水平部26cと基面部22の上端との間に商品内容表示具4の一部を挿通させることが可能な間隔が形成されるような形状及び大きさを有している。このような構成により、ガイドレール部26は、図10に示すように、商品内容表示具4の横方向の端部からスライドさせることで該商品内容表示具4に取付可能に構成されている。
【0080】
なお、保持部20´は、商品内容表示具4を保持可能、かつ、接続部30´に対して摺動可能な構成であれば、上述した構成に限定されない。例えば、ガイドレール部26は、左右一対ではなく、単一の構成であっても良い。また、保持部20´は、商品内容表示具4の横方向の端部からスライドさせて取り付ける構成に限定されず、商品内容表示具4の一部を挟持することで取り付けられる構成であっても良い。
【0081】
[接続部の構成]
接続部30´は、図8及び図9に示すように、第1実施形態と同様に、平板部31と、第1接続部32と、第2接続部33とを有しており、全体として棚板2と交差する上下方向(鉛直方向)に延在して形成されている。第1接続部32は、第1実施形態と同様に、上部32aと一対の側部32bとを有する枠状に形成されており、中心に開口32cが形成されている。また、第1接続部32は、第1実施形態と同様に、第2ガイド部32eと規制部32fとを有している。平板部31及び第2接続部33は、第1実施形態と同様に構成されている。
【0082】
以上の構成を備える接続部30´は、保持部20´の脚部24が取付部10´に係合している状態においては、第1の位置から第2の位置へと向かう回動が規制されるよう構成されている。一方、接続部30´は、保持部20´の脚部24と取付部10´との係合が解除された状態において、第1の位置から第2の位置へと向かう回動が可能となるよう構成されている。なお、第2実施形態において、「第1の位置」とは、商品内容表示具4が棚板2に対する商品Pの出し入れ導線上に位置する位置、すなわち、商品内容表示具4がその機能(商品Pの商品価格の表示等)を発揮できるように取付具1´を介して棚板2の前端部に取り付けられた状態における、接続部30´の取付部10´に対する位置をいう。また、第2実施形態において、「第2の位置」とは、商品内容表示具4が商品Pの出し入れ導線上から外れた位置、すなわち、接続部30´が取付部10´の軸部17を中心として回動することにより、商品内容表示具4が商品Pの出し入れ導線上から外れた位置をいう。
【0083】
[第2実施形態に係る取付具の使用方法]
次に、図10及び図11を用いて第2実施形態に係る取付具1´の使用方法について説明する。
【0084】
第2実施形態に係る取付具1´は、図10に示すように、横方向に長尺な商品内容表示具4に、横方向に所定の間隔をおいて複数(例えば2つ又は3つ)取り付けると共に、図11に示すように、これら複数の取付具1´を1つの棚板2の前端に取り付けることで使用される。具体的には、取付具1´は、取付部10´の上面部12と下面部13とが棚板2の前端部を挟持することにより、該棚板2に取り付けられる。また、取付具1´は、保持部20´の基面部22とガイドレール部26との間に商品内容表示具4をスライド挿入させることにより、商品内容表示具4を保持することができる。
【0085】
取付具1´を介して商品内容表示具4を棚板2の前端に取り付けた状態において、通常、保持部20´の脚部24は取付部10´に係合し、接続部30´は第1の位置に位置している。これにより、商品内容表示具4は、図11(a)に示すように、その機能(商品Pの商品価格の表示等)を発揮可能となっている。その後、棚板2に対して商品Pを出し入れする際に、保持部20´を接続部30´に対して摺動させると共に接続部30´を取付部10´に対して回動させることにより、商品内容表示具4を棚板2に対する商品Pの出し入れ導線上から外れた位置に移動させて該出し入れ導線を開放させ、商品Pの取り出し及び補充を行うことができる。
【0086】
具体的には、まず、図11(b)に示すように、保持部20´を接続部30´の第1接続部32に対して上方に摺動(直動)させて、取付部10´の上側前面部11aとガイド壁部11dとの間の溝(凹部空間)から保持部20´の脚部24を離脱させる。すなわち、取付部10´と保持部20´との係合を解除する。この際、図11(b)には図示しないが、保持部20´の第1突出片部45が接続部30´の第1接続部32に設けられた規制部32fに係止すると共に、保持部20´の延出部56が接続部30´の第1接続部32に設けられた上部32aの下端に係止することにより、接続部30´の第1接続部32に対する摺動が規制されるため、第1接続部32に対して保持部20´が抜け落ちるのを防止することができる。
【0087】
次に、図11(c)に示すように、取付部10´の軸部17(図2参照)を中心として、接続部30´、保持部20´及び商品内容表示具4を前方に回動させることにより、接続部30´を第1の位置から第2の位置に変位させることができる。なお、接続部30´が取付部10´の回動規制部14(図2参照)に当接することにより、保持部20´及び商品内容表示具4の過度な回動が規制される。
【0088】
そして、このように接続部30´が第2の位置に位置し、棚板2に対する商品Pの出し入れ導線が開放された状態(商品Pの出し入れ導線が商品内容表示具4で塞がれていない状態)において、商品Pの取り出し及び補充が行われる。また、商品Pの取り出し及び補充が完了した後、接続部30´を第2の位置から第1の位置に向かうように先ほどとは逆方向に回動させ、取付部10´と保持部20´を再度係合させることにより、商品内容表示具4を図11(a)に示す通常状態に戻すことができる。
【0089】
[第2実施形態に係る取付具の利点]
以上説明した第2実施形態に係る取付具1´においても、第1実施形態に係る取付具1と同様に、保持部20´を接続部30´に対して摺動させると共に接続部30´を取付部10´に対して回動させるという簡単な操作により、商品Pの出し入れ導線を開放できるため、商品Pの取り出し及び補充を容易に行うことができる等の顕著な利点を有する。
【0090】
[変形例]
本発明に係る取付具は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術思想を逸脱しない範囲内において種々の改変を行なうことができる。
【0091】
例えば、上述した第1実施形態では、接続部30は、商品落下防止具3の非取付状態において、該商品落下防止具3が棚板2に対する商品Pの出し入れ導線上に位置する第1の位置と、商品落下防止具3が商品Pの出し入れ導線上から外れた第2の位置との間において変位可能に構成されているものとして説明したが、これに限定されるものではない。
【0092】
また、上述した第1実施形態では、接続部30は、商品落下防止具3の非取付状態において、第1の位置と第2の位置との間を回動可能となるよう取付部10に接続されるものとして説明したが、これに限定されず、接続部30が回動不能に取付部10に接続される構成であっても良い。
【0093】
さらに、上述した第1実施形態及び第2実施形態では、取付部10,10´と接続部30,30´とを接続可能な軸部17を有し、接続部30,30´は、軸部17を中心として第1の位置と第2の位置との間を回動可能に構成されているものとして説明したが、これに限定されず、種々の構成を採用可能である。
【0094】
また、上述した第1実施形態及び第2実施形態では、接続部30,30´は、棚板2と交差する上下方向に延在しており、保持部20,20´は、接続部30,30´に対して直動するものとして説明したが、これに限定されず、接続部30,30´が上下方向に延在しない構成であっても良いし、接続部30,30´に対して直動しない構成であっても良い。
【0095】
さらに、上述した第1実施形態では、保持部20は、第1保持部20Aと、該第1保持部20Aに対向する第2保持部20Bとを有し、第1保持部20A及び第2保持部20Bは、商品落下防止具3を挟持可能に構成されており、該挟持した状態において、商品落下防止具3と共に接続部30に対して摺動可能に構成されているものとして説明したが、これに限定されず、保持部20が第1保持部20A及び第2保持部20Bにより商品落下防止具3を挟持せず、1つの部材により商品落下防止具3を保持する態様であっても良い。
【0096】
上記のような変形例が本発明の範囲に含まれることは、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【符号の説明】
【0097】
1,1´:取付具
2 :棚板
2A :棚板
2a :細溝
2b :取付孔
3 :商品落下防止具
3a :支持軸
4 :商品内容表示具
10,10´:取付部
11,11´:前面部
11a :上側前面部
11b :中間前面部
11c :下側前面部
11d :ガイド壁部
12 :上面部
12a :差込部
12b :係合突起部
13 :下面部
14 :回動規制部
15 :縁部
16 :孔部
17 :軸部
20,20´:保持部
20A :第1保持部
20B :第2保持部
22 :基面部
24 :脚部
24a :水平部
24b :鉛直部
26 :ガイドレール部
26a :下側水平部
26b :鉛直板部
26c :上側水平部
28 :支持片
28a :上側支持片
28b :下側支持片
30,30´:接続部
31 :平板部
32 :第1接続部
32a :上部
32b :側部
32c :開口
32d :第1ガイド部
32e :第2ガイド部(ガイド部)
32f :規制部
33 :第2接続部
33a :係合部
40 :前壁部
41 :側壁部
42 :第1突出面部
42a :第1装着部
43 :第2突出面部
43a :第2装着部
44 :挿通孔形成部
45 :第1突出片部(突出片部)
46 :第2突出片部
50 :基面部
51 :突起部
52 :第1挟持部
53 :第2挟持部
54 :第1突出部
55 :第2突出部
56 :延出部
60 :第1挿通孔
61 :第2挿通孔
P :商品
S :空間

図1
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図12