(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023113668
(43)【公開日】2023-08-16
(54)【発明の名称】ペクチンとキサンタンガムとのブレンドを使用した、低糖及び無糖飲料における口当たりの調節
(51)【国際特許分類】
A23L 2/52 20060101AFI20230808BHJP
A23L 29/269 20160101ALI20230808BHJP
A23L 29/231 20160101ALI20230808BHJP
A23L 2/60 20060101ALI20230808BHJP
A23L 2/00 20060101ALI20230808BHJP
A23L 2/38 20210101ALI20230808BHJP
C12G 3/04 20190101ALI20230808BHJP
A23F 5/24 20060101ALI20230808BHJP
A23F 3/16 20060101ALI20230808BHJP
A23L 2/02 20060101ALI20230808BHJP
A23L 27/00 20160101ALI20230808BHJP
【FI】
A23L2/00 E
A23L29/269
A23L29/231
A23L2/52
A23L2/60
A23L2/00 T
A23L2/38 J
C12G3/04
A23F5/24
A23F3/16
A23L2/02 A
A23L2/02 E
A23L27/00 E
A23L27/00 101A
A23L27/00 101Z
A23L27/00 101B
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023079080
(22)【出願日】2023-05-12
(62)【分割の表示】P 2020524782の分割
【原出願日】2018-11-07
(31)【優先権主張番号】15/807,294
(32)【優先日】2017-11-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】591235706
【氏名又は名称】ペプシコ・インク
(74)【代理人】
【識別番号】100106518
【弁理士】
【氏名又は名称】松谷 道子
(74)【代理人】
【識別番号】100122301
【弁理士】
【氏名又は名称】冨田 憲史
(74)【代理人】
【識別番号】100157956
【弁理士】
【氏名又は名称】稲井 史生
(74)【代理人】
【識別番号】100170520
【弁理士】
【氏名又は名称】笹倉 真奈美
(72)【発明者】
【氏名】クシャル・ブリワニ
(72)【発明者】
【氏名】ウィリアム・マティランジ
(57)【要約】 (修正有)
【課題】ペクチンとキサンタンガムとのブレンドを含む、改善された口当たりを有する飲料組成物、及び飲料の口当たりを改善する方法を提供する。
【解決手段】飲料組成物であって、約50,000ダルトン(Da)~約400,000Daの範囲の平均分子量を有するペクチンと、約3,000,000Da~約35,000,000Da、約6,000,000Da~約10,000,000Daの範囲の平均分子量を有する第1のキサンタンガムと、非栄養甘味料と、水、を含み、ここで前記飲料が、約1.0cP~約1.5cPの範囲の粘度を有し、かつ約0.9~約1.4の範囲の摩擦係数を有する、飲料組成物とする。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
組成物であって、
(1)約50,000ダルトン(Da)~約400,000Daの範囲の平均分子量を有するペクチンと、
(2)約3,000,000Da~約35,000,000Daの範囲の平均分子量を有する第1のキサンタンガムと、を含む、組成物。
【請求項2】
前記ペクチンが、リンゴペクチン、柑橘類ペクチン、ブドウペクチン、及びニンジンペクチンからなる群から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記ペクチンが、リンゴペクチンである、請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
前記第1のキサンタンガムが、キサンタンXLM、キサンタンXMM、キサンタンXHM、キサンタンXDI、及びキサンタンXMASからなる群から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
前記第1のキサンタンガムが、キサンタンXMM及びキサンタンXMASからなる群から選択される、請求項4に記載の組成物。
【請求項6】
前記ペクチンが、約50%~約99%の範囲のエステル化度を有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
前記ペクチンが、約80%~約99%の範囲のエステル化度を有する、請求項6に記載の組成物。
【請求項8】
前記ペクチンが、約50ppm~約4000ppmの範囲の濃度で前記組成物中に存在する、請求項1に記載の組成物。
【請求項9】
前記ペクチンが、約50ppm~約1000ppmの範囲の濃度で前記組成物中に存在する、請求項8に記載の組成物。
【請求項10】
前記第1のキサンタンガムが、約0.01ppm~約3000ppmの範囲の濃度で前記組成物中に存在する、請求項1に記載の組成物。
【請求項11】
前記第1のキサンタンガムが、約0.01ppm~約1000ppmの範囲の濃度で前記組成物中に存在する、請求項1に記載の組成物。
【請求項12】
前記第1のキサンタンガムが、約6,000,000Da~約10,000,000Daの範囲の平均分子量を有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項13】
前記第1のキサンタンガムが、約25,000,000Da~約40,000,000Daの範囲の平均分子量を有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項14】
第2のキサンタンガムを更に含み、前記第2のキサンタンガムが、約25,000,000Da~約40,000,000Daの範囲の平均分子量を有する、請求項12に記載の組成物。
【請求項15】
前記ペクチンが、約50,000Da~約300,000Daの範囲の平均分子量を有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項16】
前記ペクチンが、約100,000Da~約200,000Daの範囲の平均分子量を有する、請求項15に記載の組成物。
【請求項17】
(1)約100ppm~約300ppmの前記ペクチンと、
(2)約0.01ppm~約100ppmの前記第1のキサンタンガムと、を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項18】
(1)約100ppm~約300ppmの前記ペクチンと、
(2)約0.01ppm~約100ppmの前記第1のキサンタンガムと、
(3)約0.01ppm~約100ppmの前記第2のキサンタンガムと、を含む、請求項14に記載の組成物。
【請求項19】
前記組成物が、約1.0~約1.5の範囲の粘度を有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項20】
前記組成物が、約0.9~約1.4の範囲の摩擦係数を有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項21】
約50,000Da~約400,000Daの範囲の平均分子量を有する第2のペクチンを更に含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項22】
前記組成物が飲料である、請求項1に記載の組成物。
【請求項23】
非栄養甘味料を更に含む、請求項22に記載の飲料。
【請求項24】
前記非栄養甘味料が、ステビオール配糖体、ラカンカ甘味料、ルブソシド、シアメノシド、モナチン、クルクリン、グリチルリチン酸、ネオヘスペリジン、ジヒドロカルコン、グリチルリチン、グリチフィリン、フロリジン、トリロバチン、フィロズルチン、ブラゼイン、ヘルナンズルチン、オスラジン、ポリポドシドA、バイユノシド、プテロカリオシドA及びB、ムクロジオシド、タウマチン、モネリン、マビンリンI及びII、フロミソシドI、ペリアンドリンI、アブルソシドA、並びにシクロカリオシドI、モグロシドIV、モグロシドV、又はこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項23に記載の飲料。
【請求項25】
前記非栄養甘味料が、ステビオール配糖体である、請求項24に記載の飲料。
【請求項26】
前記ステビオール配糖体が、ステビオシド、レバウジオシドA、レバウジオシドB、レバウジオシドC、レバウジオシドD、レバウジオシドE、レバウジオシドF、レバウジオシドG、レバウジオシドH、レバウジオシドI、レバウジオシドJ、レバウジオシドK、レバウジオシドL、レバウジオシドM、レバウジオシドN、レバウジオシドO、レバウジオシドP、レバウジオシドQ、ステビオールビオシド、ズルコシドA、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項25に記載の飲料。
【請求項27】
前記飲料が、炭酸飲料、非炭酸飲料、ファウンテン飲料、冷凍飲料、冷凍炭酸飲料、果汁、果汁風味ドリンク、果実風味ドリンク、コーラ飲料、スポーツドリンク、エネルギードリンク、強化/増強水ドリンク、風味水、大豆ドリンク、野菜ドリンク、穀物系ドリンク、麦芽飲料、発酵ドリンク、ヨーグルトドリンク、ケフィア、コーヒー飲料、茶飲料、乳製品飲料、スムージードリンク、カフェイン添加エネルギードリンク、又はアルコール飲料である、請求項22に記載の飲料。
【請求項28】
飲料の口当たりを改善するための方法であって、
(1)約50,000Da~約400,000Daの範囲の平均分子量を有するペクチンと、
(2)約3,000,000Da~約35,000,000Daの範囲の平均分子量を有する第1のキサンタンガムと、を前記飲料に添加することを含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、改善された口当たりを有する組成物、及び飲料中の口当たりを改善する方法、並びにそれを含有する食品及び飲料を対象とする。
【背景技術】
【0002】
スクロース又は高フルクトースコーンシロップ(high fructose corn syrup、HFCS)などの栄養甘味料は、甘味及び豊かな口当たりを飲料に付与する。しかしながら、砂糖が1つ以上の高甘味度の非栄養甘味料と完全に又は部分的に置き替えられる場合、口当たりの望ましくない変化がある。
【0003】
食品及び飲料製造業者は、味マスキング剤又は風味改変剤を使用して非栄養甘味料の口当たり及び風味プロファイルを改善しようと試みてきた。例えば、国際公開第01/11988号は、有効量の植物由来の高分子ポリフェノール材料を添加することにより、人工又は高甘味度甘味料組成物の口当たりを含む、官能的品質を変更又は改変する方法を開示している。
【0004】
国際公開第01/11988号の開示にもかかわらず、非栄養甘味料を含有する飲料及び食品の口当たりを改善するのに好適な組成物及び方法が未だに必要とされている。
【発明の概要】
【0005】
本開示は、ペクチンとキサンタンガムとのブレンドを含む、改善された口当たりを有する組成物、及び飲料中の口当たりを改善する方法を対象とする。組成物は、飲料、飲料濃縮物、及び食品を含む様々な製品で使用することができる。ある実施形態では、組成物は、飲料又は食品製品に添加され得る。
【0006】
いくつかの実施形態では、本開示は、約50,000ダルトン(Da)~約400,000Daの範囲の平均分子量を有するペクチン、及び約3,000,000Da~約35,000,000Daの範囲の平均分子量を有する第1のキサンタンガムを含む組成物を対象とする。いくつかの実施形態では、ペクチンは、リンゴペクチン、柑橘類ペクチン、ブドウペクチン、及びニンジンペクチンからなる群から選択される。特定の実施形態では、ペクチンはリンゴペクチンである。
【0007】
いくつかの実施形態では、第1のキサンタンガムは、キサンタンXLM、キサンタンXMM、キサンタンXHM、キサンタンXDI、及びキサンタンXMASからなる群から選択される。特定の実施形態では、第1のキサンタンガムは、キサンタンXMM及びキサンタンXMASからなる群から選択される。
【0008】
いくつかの実施形態では、ペクチンは、約50%~約99%の範囲のエステル化度を有する。他の実施形態では、ペクチンは、約80%~約99%の範囲のエステル化度を有する。
【0009】
いくつかの実施形態では、ペクチンは、約50ppm~約4000ppmの範囲の濃度で組成物中に存在する。他の実施形態では、ペクチンは、約50ppm~約1000ppmの範囲の濃度で組成物中に存在する。
【0010】
いくつかの実施形態では、第1のキサンタンガムは、約0.01ppm~約3000ppmの範囲の濃度で組成物中に存在する。他の実施形態では、第1のキサンタンガムは、約0.01ppm~約1000ppmの範囲の濃度で組成物中に存在する。
【0011】
いくつかの実施形態では、第1のキサンタンガムは、約6,000,000Da~約10,000,000Daの範囲の平均分子量を有する。他の実施形態では、第1のキサンタンガムは、約25,000,000Da~約40,000,000Daの範囲の平均分子量を有する。
【0012】
ある実施形態では、本開示の組成物は、第2のキサンタンガムを更に含み、第2のキサンタンガムは、約25,000,000Da~約40,000,000Daの範囲の平均分子量を有する。
【0013】
いくつかの実施形態では、ペクチンは、約50,000Da~約300,000Daの範囲の平均分子量を有する。他の実施形態では、ペクチンは、約100,000Da~約200,000Daの範囲の平均分子量を有する。
【0014】
いくつかの実施形態では、組成物は、約100ppm~約300ppmのペクチン、及び約0.01ppm~約100ppmの第1のキサンタンガムを含む。他の実施形態では、組成物は、約100ppm~約300ppmのペクチン、約0.01ppm~約100ppmの第1のキサンタンガム、及び約0.01ppm~約100ppmの第2のキサンタンガムを含む。
【0015】
いくつかの実施形態では、組成物は、約1.0~約1.5の範囲の粘度を有する。いくつかの実施形態では、組成物は、約0.9~約1.4の範囲の摩擦係数を有する。
【0016】
いくつかの実施形態では、組成物は、約50,000Da~約400,000Daの範囲の平均分子量を有する第2のペクチンを含む。
【0017】
いくつかの実施形態では、組成物は、飲料である。いくつかの実施形態では、飲料は、非栄養甘味料を含む。ある実施形態では、非栄養甘味料は、ステビオール配糖体、ラカンカ甘味料、ルブソシド、シアメノサイド、モナチン、クルクリン、グリチルリチン酸、ネオヘスペリジン、ジヒドロカルコン、グリチルリチン、グリチフィリン、フロリジン、トリロバチン、フィロズルチン、ブラゼイン、ヘルナンズルチン、オスラジン、ポリポドシドA、バイユノシド、プテロカリオシドA及びB、ムクロジオシド、タウマチン、モネリン、マビンリンI及びII、フロミソシドI、ペリアンドリンI、アブルソシドA、並びにシクロカリオシドI、モグロシドIV、モグロシドV、又はこれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0018】
いくつかの実施形態では、非栄養甘味料は、ステビオール配糖体を含む。特定の実施形態では、ステビオール配糖体は、ステビオシド、レバウジオシドA、レバウジオシドB、レバウジオシドC、レバウジオシドD、レバウジオシドE、レバウジオシドF、レバウジオシドG、レバウジオシドH、レバウジオシドI、レバウジオシドJ、レバウジオシドK、レバウジオシドL、レバウジオシドM、レバウジオシドN、レバウジオシドO、レバウジオシドP、レバウジオシドQ、ステビオールビオシド、ズルコシドA、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0019】
いくつかの実施形態では、飲料は、炭酸飲料、非炭酸飲料、ファウンテン飲料、冷凍飲料、冷凍炭酸飲料、果汁、果汁風味ドリンク、果実風味ドリンク、コーラ飲料、スポーツドリンク、エネルギードリンク、強化/増強水ドリンク、風味水、大豆ドリンク、野菜ドリンク、穀物系ドリンク、麦芽飲料、発酵ドリンク、ヨーグルトドリンク、ケフィア、コーヒー飲料、茶飲料、乳製品飲料、スムージードリンク、カフェイン添加エネルギードリンク、又はアルコール飲料である。
【0020】
いくつかの実施形態では、本開示は、約50,000Da~約400,000Daの範囲の平均分子量を有するペクチン、及び約3,000,000Da~約35,000,000Daの範囲の平均分子量を有する第1のキサンタンガムを飲料に添加することを含む、飲料の口当たりを改善するための方法を対象とする。
【図面の簡単な説明】
【0021】
前述の発明の概要並びに以下の実施形態の詳細な説明は、添付の図面と共に読むことでより理解できるであろう。説明のために、図面は、特定の実施形態を使用して記載し得る。ただし、本明細書に記載された化合物、配合物、組成物及び方法は、図面で検討され又は図面に記載された正確な実施形態には限定されないと、理解されたい。
【0022】
【
図1】本明細書に開示されるペクチンの一般的な構造を表す。
【0023】
【
図2】本明細書に開示されるキサンタンガムの一般構造を表す。
【0024】
【
図3】ダイエットコーラベースのサンプル並びに様々なペクチン及びキサンタンガムの粘度を示すグラフを表す。
【0025】
【
図4】ダイエットコーラベースのサンプル並びに様々なペクチン及びキサンタンガムの摩擦係数を示すグラフを表す。
【0026】
【
図5】異なる濃度のペクチン及びキサンタンガムを含有する水性サンプルの摩擦係数及び粘度を示す表である。
【0027】
【
図6】様々なペクチン及びキサンタンガムを含有する水性サンプルの摩擦型及び粘度型の属性を示すPCAプロットである。
【0028】
【
図7】様々なペクチン及びキサンタンガムを含有する水性サンプルの粘度を表す。
【0029】
【
図8】様々なペクチン及びキサンタンガムを含有する水性サンプルの摩擦係数を表す。
【0030】
【
図9】ペクチンとキサンタンガムとの組み合わせを含有する水性サンプルの摩擦型及び粘度型の属性を示すPCAプロットである。
【0031】
【
図10】個々のペクチン、個々のキサンタンガム、及びこれらの組み合わせの水性サンプルの粘度を表す。
【0032】
【
図11】個々のペクチン、個々のキサンタンガム、及びこれらの組み合わせの水性サンプルの摩擦係数を表す。
【0033】
【
図12】異なる濃度のリンゴペクチンの粘度及び摩擦係数の変化を示すグラフを表す。
【0034】
【
図13】異なる濃度の柑橘類ペクチンPEC90の粘度及び摩擦係数の変化を示すグラフを表す。
【0035】
【
図14】異なる濃度のキサンタンXMASの粘度及び摩擦係数の変化を示すグラフを表す。
【0036】
【
図15】異なる濃度のキサンタンXMMの粘度及び摩擦係数の変化を示すグラフを表す。
【0037】
【
図16】変動する濃度のリンゴペクチン(apple pectin、APec)、柑橘類ペクチン(citrus pectin、PEC90)、キサンタンXMAS、及びキサンタンXMMを含有するブレンドの粘度及び摩擦係数の予測的変化を示す、コンピュータモデリングによって生成されたグラフを表す。
【0038】
【
図17】変動する濃度のリンゴペクチン(APec)、柑橘類ペクチン(PEC90)、キサンタンXMAS、及びキサンタンXMMを含有するブレンドの粘度及び摩擦係数の予測的変化を示す、コンピュータモデリングによって生成されたグラフを表す。
【0039】
【
図18】変動する濃度のリンゴペクチン(APec)、柑橘類ペクチン(PEC90)、キサンタンXMAS、及びキサンタンXMMを含有するブレンドの粘度及び摩擦係数の予測的変化を示す、コンピュータモデリングによって生成されたグラフを表す。
【0040】
【
図19】変動する濃度のリンゴペクチン(APec)、柑橘類ペクチン(PEC90)、キサンタンXMAS、及びキサンタンXMMを含有するブレンドの粘度及び摩擦係数の予測的変化を示す、コンピュータモデリングによって生成されたグラフを表す。
【0041】
【
図20】リンゴペクチン(APec)、柑橘類ペクチン(PEC90)、キサンタンXMAS、及びキサンタンXMMを含有するブレンドを使用したトライボロジー実験の結果を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0042】
ステビオール配糖体を含む強力な非栄養甘味料は、望ましくない口当たり特性を有することが多い。これらの望ましくない口当たり特性は、水っぽい、薄い、風味の悪さの認知が挙げられるが、これらに限定されず、約50,000ダルトン(Da)~約400,000Daの範囲の平均分子量を有するペクチン、並びに約3,000,000Da~約35,000,000Daの範囲の平均分子量をそれぞれ有する第1及び任意に第2のキサンタンガムを含む組成物によって改善され得ることが予想外に発見された。
定義
【0043】
本明細書に開示される組成物及び方法の様々な実施形態が可能であり、本開示の恩恵を受ける当業者に明らかであろう。本開示では、「いくつかの実施形態」、「特定の実施形態」、「特定の実施形態」、及び同様の語句の言及は、それらの実施形態が、本明細書で記載される主題の非限定的な例示であることをそれぞれ意味する。
【0044】
冠詞「a」、「an」、及び「the」は、冠詞の文法的な目的語の1つ又は1つを超える(すなわち、少なくとも1つ)を指すために本明細書において使用される。例として、「化合物」は、1つの化合物又は2つ以上の化合物を意味する。
【0045】
用語「約(about)」は、本開示及び添付の特許請求の範囲を通じて、測定、試験などのような通常の不正確性及び変動性を考慮するために使用される。本明細書で使用されるとき、用語「約」は、記された値の±10%を意味し得る。一例として、「約30ppm」の化合物を含む組成物は、27ppmの化合物から33ppmの化合物を含み得る。
【0046】
用語「処理済み水」、「精製水」、「脱塩水」、「蒸留水」、及び「r-o水」は、概ね同義であると理解され、本質的に、全てのミネラル含有量が除去された水を指し、典型的には約500ppm以下の総溶解固形分、例えば、250ppmの総溶解固形分などを含有する。処理済み水を生成する方法は、当業者にとって既知であり、例えば、米国特許第7,052,725号に開示されるように、特に脱イオン、蒸留、ろ過、及び逆浸透(「r-o」)などが挙げられる。
【0047】
本明細書で使用されるとき、「味」とは、甘味の認知、甘味の認知の時間的効果、(開始及び持続時間)、苦味及び金属味などの異味、残留認知(後味)、並びにコク及び濃厚感などの触覚的認知の組み合わせを指す。
【0048】
本明細書で使用されるとき、「口当たり」とは、食品又は飲料によって生成された口内の身体的感覚を指し、重さ、厚さ、粘度、湿り度、滑らかさ、及び口内での広がりが挙げられるが、これらに限定されない。
【0049】
用語「栄養甘味料」とは、例えば、飲料の1人分8oz当たり約5カロリー超など、典型的な使用量で大きなカロリー量をもたらす甘味料を指す。
【0050】
本明細書で使用されるとき、「非栄養甘味料」は、栄養甘味料以外の全ての甘味料を指す。
【0051】
用語「濃縮物」は、本明細書全体をとおして使用され、飲料又は食品での使用に好適な組成物を指す。
【0052】
用語「ペクチン」は、果物及び野菜中に存在し、ラムノース側鎖を有するガラクツロン酸セグメントを有する多糖類を指す。例示的なペクチンとしては、リンゴペクチン、柑橘類ペクチン、ブドウペクチン、ニンジンペクチン、及びこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0053】
語句「エステル化度」(DE)は、ペクチン構造内のエステル化ガラクツロン酸単位の量又は百分率を指す。ガラクツロン酸エステルは、例えば、メチルエステル、エチルエステル、プロピルエステルなどであり得る。典型的な実施形態では、ガラクツロン酸エステルは、メチルエステルである。
【0054】
語句「キサンタンガム」は、2つのマンノース基の間にグルクロン酸(glucaronic acid)を含む側鎖を有する、β-(1,4)結合したグルカン主鎖を有する多糖類を指す。本明細書に開示されるキサンタンガムの一般構造を
図2に示す。
【0055】
語句「リンゴペクチン」は、リンゴから得たペクチンを指す。
【0056】
用語「柑橘類ペクチンDE60%」(PEC60)は、柑橘源から得たペクチンを指す。ペクチンは典型的には、約55%~約70%の範囲のエステル化度を有する。
【0057】
用語「柑橘類ペクチンDE90%」(PEC90)は、柑橘源から得たペクチンを指す。これらのペクチンは、典型的には、約85%超のエステル化度を有する。
組成物
【0058】
ある実施形態では、本開示は、ペクチン及び第1のキサンタンガムを含む組成物を提供する。ある実施形態では、組成物は、第2のキサンタンガムを更に含むことができる。いくつかの実施形態では、ペクチン及び第1のキサンタンガムを含む組成物並びに/又はペクチン、第1のキサンタンガム、及び第2のキサンタンガムを含む組成物は、水も含み得る。
【0059】
いくつかの実施形態では、組成物中のペクチンは、約10,000Da~約1,000,000Daの範囲の平均分子量を有し得る。他の実施形態では、ペクチンは、約20,000Da~約800,000Da、約30,000Da~約600,000Da、約40,000Da~約500,000Da、約50,000Da~約400,000Da、約50,000Da~約300,000Da、約60,000Da~約280,000Da、約70,000Da~約260,000Da、約80,000Da~約240,000Da、約90,000Da~約220,000Da、約100,000Da~約200,000Da、約110,000Da~約190,000Da、約120,000Da~約180,000Da、約130,000Da~約170,000Da、又は約140,000Da~約160,000Daの範囲の平均分子量を有し得る。特定の実施形態では、ペクチンは、約100,000Da、約110,000Da、約120,000Da、約130,000Da、約140,000Da、約150,000Da、約160,000Da、約170,000Da、約180,000Da、約190,000Da、又は約200,000Daの平均分子量を有する。
【0060】
いくつかの実施形態では、ペクチンは、約1ppm~約10,000ppmの範囲の量で組成物中に存在し得る。他の実施形態では、ペクチンは、約10ppm~約9000ppm、約20ppm~約8000ppm、約30ppm~約7000ppm、約40ppm~約6000ppm、約50ppm~約5000ppm、約50ppm~約4000ppm、約50ppm~約3000ppm、約50ppm~約2000ppm、約50ppm~約1000ppm、約60ppm~約900ppm、約70ppm~約800ppm、約80ppm~約700ppm、約90ppm~約600ppm、約100ppm~約500ppm、約100ppm~約400ppm、又は約100ppm~約300ppmの範囲の量で存在し得る。特定の実施形態では、ペクチンは、約50ppm、約60ppm、約70ppm、約80ppm、約90ppm、約100ppm、約110ppm、約120ppm、約130ppm、約140ppm、約150ppm、約160ppm、約170ppm、約180ppm、約190ppm、約200ppm、約210ppm、約220ppm、約230ppm、約240ppm、約250ppm、約260ppm、約270ppm、約280ppm、約290ppm、約300ppm、約310ppm、約320ppm、約330ppm、約340ppm、約350ppm、約400ppm、約450ppm、約500ppm、約600ppm、約700ppm、約800ppm、約900ppm、約1000ppm、約1100ppm、約1200ppm、約1300ppm、約1400ppm、約1500ppm、約1600ppm、約1700ppm、又は約1800ppmの量で存在し得る。
【0061】
いくつかの実施形態では、ペクチンは、約40%~約100%の範囲のエステル化度を有し得る。他の実施形態では、ペクチンは、約45%~約99%、約50%~約99%、約55%~約99%、約60%~約99%、約65%~約99%、約70%~約99%、約75%~約99%、約80%~約99%、又は約85%~約99%の範囲のエステル化度を有し得る。特定の実施形態では、ペクチンは、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%、約99%、又は約100%のエステル化度を有し得る。他の実施形態では、ペクチンは、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、又は少なくとも約99%のエステル化度を有し得る。
【0062】
組成物での使用に好適なペクチンの例は、ペクチンの任意の既知の供給源から選択することができ、リンゴペクチン、柑橘類ペクチン、ブドウペクチン、ニンジンペクチン、及びこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0063】
いくつかの実施形態では、ペクチンは、リンゴペクチンであってよく、約50%~約60%、特定の実施形態では、約55%又は約55.4%のエステル化度を有し得る。他の実施形態では、ペクチンは、柑橘類ペクチンであってよく、約50%~約60%、特定の実施形態では、約58%又は約58.4%のエステル化度を有し得る。更なる実施形態では、ペクチンは柑橘類ペクチンであってもよく、約90%のエステル化度を有し得る。
【0064】
例示的な市販のペクチンとしては、リンゴペクチン(SIGMA-ALDRICH、Prod.No.93854)、柑橘果皮ペクチン(SIGMA-ALDRICH、Prod.No.P9135)、60%のエステル化度を有する柑橘類ペクチン(SIGMA-ALDRICH、Prod.No.P9436)、及び90%のエステル化度を有する柑橘類ペクチン(SIGMA-ALDRICH、Prod.No.P9561)が挙げられるが、これらに限定されない。平均分子量及び構造的構成を含むこれらの市販のペクチンの更なる特性を、以下の表1に列挙する。表1に列挙した分子量は、実施例1に記載の手順に従って決定した。
表1
【表1】
【0065】
*表1の略語「DE」は、列挙されたペクチンのエステル化度を意味する。エステル化度は、当該技術分野において既知の任意の方法によって決定することができ、赤外線(IR)分光法を含むが、これに限定されない。例えば、エステル化度は、Voragen,A.G.J.,et al,Determination of the degree of methylation and acetylation of pectins by h.p.l.c.,Food Hydrocolloids,1(1),65-70(1986)に開示されている方法を使用することによって決定することができる。
【0066】
組成物中の第1及び任意の第2のキサンタンガムはそれぞれ、約1,000,000Da~約50,000,000Daの範囲の平均分子量を有し得る。他の実施形態では、第1及び任意の第2のキサンタンガムはそれぞれ、約2,000,000Da~約45,000,000Da、約3,000,000Da~約40,000,000Da、又は約3,000,000Da~約35,000,000Daの範囲の平均分子量を有し得る。
【0067】
いくつかの実施形態では、組成物中の第1及び任意の第2のキサンタンガムはそれぞれ、約1,000,000Da~約20,000,000Daの範囲の平均分子量を有し得る。他の実施形態では、第1及び任意の第2のキサンタンガムはそれぞれ、約2,000,000Da~約18,000,000Da、約3,000,000Da~約16,000,000Da、約4,000,000Da~約14,000,000Da、約5,000,000Da~約14,000,000Da、約6,000,000Da~約12,000,000Da、約6,000,000Da~約10,000,000Da、約7,000,000Da~約9,000,000Da、又は約8,000,000Da~約9,000,000Daの範囲の平均分子量を有し得る。特定の実施形態では、第1及び任意の第2のキサンタンガムはそれぞれ、約1,000,000Da、約2,000,000Da、約3,000,000Da、約4,000,000Da、約5,000,000Da、約5,500,000Da、約6,000,000Da、約6,500,000Da、約7,000,000Da、約7,500,000Da、約8,000,000Da、約8,500,000Da、約9,000,000Da、約9,500,000Da、又は約10,000,000Daの平均分子量を有し得る。
【0068】
いくつかの実施形態では、組成物中の第1及び任意の第2のキサンタンガムはそれぞれ、約10,000,000Da~約100,000,000Daの範囲の平均分子量を有し得る。他の実施形態では、第1及び任意の第2のキサンタンガムはそれぞれ、約15,000,000Da~約80,000,000Da、約20,000,000Da~約60,000,000Da、約25,000,000Da~約40,000,000Da、約30,000,000Da~約35,000,000Da、約31,000,000Da~約34,000,000Da、又は約32,000,000Da~約34,000,000Daの範囲の平均分子量を有し得る。特定の実施形態では、第1及び任意の第2のキサンタンガムはそれぞれ、約25,000,000Da、約26,000,000Da、約27,000,000Da、約28,000,000Da、約29,000,000Da、約30,000,000Da、約31,000,000Da、約32,000,000Da、約33,000,000Da、約34,000,000Da、約35,000,000Da、約36,000,000Da、約37,000,000Da、約38,000,000Da、約39,000,000Da、又は約40,000,000Daの平均分子量を有し得る。
【0069】
いくつかの実施形態では、第1及び任意の第2のキサンタンガムはそれぞれ、約0.01ppm~約10,000ppmの範囲の量で組成物中に存在し得る。他の実施形態では、第1及び任意の第2のキサンタンガムはそれぞれ、約0.01ppm~約9000ppm、約0.01ppm~約8000ppm、約0.01ppm~約7000ppm、約0.01ppm~約6000ppm、約0.01ppm~約5000ppm、約0.01ppm~約4000ppm、約0.01ppm~約3000ppm、約0.01ppm~約2000ppm、約0.01ppm~約1000ppm、約0.01ppm~約900ppm、約0.01ppm~約800ppm、約0.01ppm~約700ppm、約0.01ppm~約600ppm、約0.01ppm~約500ppm、約0.01ppm~約600ppm、約0.01ppm~約500ppm、約0.01ppm~約400ppm、約0.01ppm~約300ppm、約0.01ppm~約200ppm、又は約0.01ppm~約100ppmの範囲の量で存在し得る。特定の実施形態では、第1及び任意の第2のキサンタンガムはそれぞれ、約0.01ppm、約0.1ppm、約1ppm、約5ppm、約10ppm、約15ppm、約20ppm、約25ppm、約30ppm、約35ppm、約40ppm、約45ppm、約50ppm、約55ppm、約60ppm、約65ppm、約70ppm、約75ppm、約80ppm、約85ppm、約90ppm、約95ppm、約100ppm、約105ppm、約110ppm、約115ppm、約120ppm、約125ppm、約130ppm、約135ppm、約140ppm、約145ppm、約150ppm、約160ppm、約170ppm、約180ppm、約190ppm、約200ppm、約250ppm、約300ppm、約350ppm、約400ppm、約450ppm、約500ppm、約550ppm、又は約600ppmの量で存在し得る。
【0070】
第1及び任意の第2のキサンタンガムとしての使用に好適な例示的なキサンタンガムとしては、キサンタンXLM(SIGMA-ALDRICH、Prod.No.43708)、キサンタンXMM(SIGMA-ALDRICH、Prod.NoG1253)、キサンタンXHM(SIGMA-ALDRICH、Prod.No.42663)、キサンタンXDI(DANISCO、Prod.No.A43300)、キサンタンXMAS(DANISCO、Prod.No.A35300)、及びこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。これらのキサンタンガムの平均分子量、分岐、及び構造的構成を表2に列挙する。実施例1に記載の手順に従って、分子量を測定した。
表2
【表2】
【0071】
いくつかの実施形態では、第1のキサンタンガムは、キサンタンXMM、キサンタンXMAS、及びこれらの組み合わせから選択され得る。特定の実施形態では、第1のキサンタンガムは、キサンタンXMM又はキサンタンXMASであり得る。
【0072】
組成物中に存在する場合、第1のキサンタンガムとは異なる第2のキサンタンガムは、第1のキサンタンガムに明記した特性のうちのいずれかを有するキサンタンガムから選択することができる。
【0073】
いくつかの実施形態では、組成物は、約50ppm~約4000ppm、約50ppm~約1000ppm、又は約100ppm~約300ppmのペクチンと、約0.01ppm~約3000ppm、約0.01ppm~約1000ppm、又は約0.01ppm~約100ppmの第1のキサンタンガムと、を含み得る。特定の実施形態では、組成物は、約100ppm~約300ppmのペクチン、及び約0.01ppm~約100ppmの第1のキサンタンガムを含む。
【0074】
他の実施形態では、組成物は、約50ppm~約4000ppm、約50ppm~約1000ppm、又は約100ppm~約300ppmのペクチンと、約0.01ppm~約3000ppm、約0.01ppm~約1000ppm、又は約0.01ppm~約100ppmの第1のキサンタンガムと、約0.01ppm~約3000ppm、約0.01ppm~約1000ppm、又は約0.01ppm~約100ppmの第2のキサンタンガムと、を含み得る。特定の実施形態では、組成物は、約100ppm~約300ppmのペクチンと、約0.01ppm~約100ppmの第1のキサンタンガムと、約0.01ppm~約100ppmの第2のキサンタンガムと、を含む。
【0075】
いくつかの実施形態では、第2のキサンタンガムは、キサンタンXLM、キサンタンXMM、キサンタンXHM、キサンタンXDI、キサンタンXMAS、又は前述のうちのいずれかの組み合わせであり得る。他の実施形態では、第2のキサンタンガムは、キサンタンXMM、キサンタンXMAS、又はこれらの組み合わせであり得る。特定の実施形態では、第2のキサンタンガムは、キサンタンXMMであり得る。他の実施形態では、第2のキサンタンガムは、キサンタンXMASであり得る。
【0076】
いくつかの実施例では、組成物は水を含む。ある実施形態では、水は「処理済み水」である。
【0077】
いくつかの実施形態では、組成物が第1及び第2のペクチンのどちらも含むように、組成物は、第1のペクチンとは異なる第2のペクチンを含み得る。典型的には、第2のペクチンは、第1のペクチンに関して本明細書で以前に明記した範囲に当てはまる分子量を有する。同様に、第2のペクチンは、存在する場合、第1のペクチンに関して以前に明記した範囲内に含まれる濃度で組成物中に存在する。第2のペクチンは、ペクチンの任意の既知の供給源から選択することができ、リンゴペクチン、柑橘類ペクチン、ブドウペクチン、ニンジンペクチン、及びこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されず、第1のペクチンと異なる。特定の実施形態では、第2のペクチンは、リンゴペクチンであってよい。
【0078】
いくつかの実施形態では、第1のペクチン及び第2のペクチンは、それぞれ、約10:1~約1:10、約9:1~約1:9、約8:1~約1:8、約7:1~約1:7、約6:1~約1:6、約5:1~約1:5、約4:1~約1:4、約3:1~約1:3、又は約2:1~約1:2の範囲の重量対重量比で組成物中に存在し得る。特定の実施形態では、第1のペクチン及び第2のペクチンは、それぞれ、約10:1、約9:1、約8:1、約7:1、約6:1、約5:1、約4:1、約3:1、約2:1、約1:1、約1:2、約1:3、約1:4、約1:5、約1:6、約1:7、約1:8、約1:9、又は約1:10の重量対重量比で組成物中に存在する。
【0079】
一実施形態では、本開示は、第1のペクチンとしてリンゴペクチン及び第1のキサンタンガムとしてキサンタンXMMを含む組成物を提供する。いくつかの実施形態では、リンゴペクチンは、約80%~約99%の範囲のエステル化度を有する。特定の実施形態では、リンゴペクチンは、約100ppm~約300ppmの範囲の濃度で組成物中に存在し、キサンタンXMMは、約0.01ppm~約100ppmの範囲の濃度で組成物中に存在する。
【0080】
一実施形態では、本開示は、第1のペクチンとしてリンゴペクチン及び第1のキサンタンガムとしてキサンタンXMASを含む組成物を提供する。いくつかの実施形態では、リンゴペクチンは、約80%~約99%の範囲のエステル化度を有する。特定の実施形態では、リンゴペクチンは、約100ppm~約300ppmの範囲の濃度で組成物中に存在し、キサンタンXMASは、約0.01ppm~約100ppmの範囲の濃度で組成物中に存在する。
【0081】
一実施形態では、本開示は、第1のペクチンとしてリンゴペクチン、第1のキサンタンガムとしてキサンタンXMM、及び第2のキサンタンガムとしてキサンタンXMASを含む組成物を提供する。いくつかの実施形態では、リンゴペクチンは、約80%~約99%の範囲のエステル化度を有する。特定の実施形態では、リンゴペクチンは、約100ppm~約300ppmの範囲の濃度で組成物中に存在し、キサンタンXMMは、約0.01ppm~約100ppmの範囲の濃度で組成物中に存在し、キサンタンXMASは、約0.01ppm~約100ppmの範囲の濃度で組成物中に存在する。
粘性
【0082】
本明細書で記載される組成物は、約0.01~約5.0センチポアズ(centipose、「cP」)の範囲の粘度を有し得る。他の実施形態では、組成物は、約0.01cP~約5.0cP、約0.1cP~約4.0cP、約0.2cP~約3.5cP、約0.3cP~約3.0cP、約0.4cP~約2.8cP、約0.5cP~約2.6cP、約0.6cP~約2.4cP、約0.7cP~約2.2cP、約0.8cP~約2.0cP、約0.9cP~約2.0cP、約1.0cP~約2.0cP約1.0cP~約1.9cP、約1.0cP~約1.8cP、約1.0cP~約1.7cP、約1.0cP~約1.6cP、約1.0cP~約1.5cP、又は約1.1cP~約1.4cPの範囲の粘度を有し得る。特定の実施形態では、組成物は、約0.1cP、約0.2cP、約0.3cP、約0.4cP、約0.5cP、約0.6cP、約0.7cP、約0.8cP、約0.9cP、約1.0cP、約1.1cP、約1.2cP、約1.3cP、約1.4cP、約1.5cP、約1.6cP、約1.7cP、約1.8cP、約1.9cP、約2.0cP、約2.1cP、約2.2cP、約2.3cP、約2.4cP、約2.5cP、約2.6cP、約2.7cP、約2.8cP、約2.9cP、又は約3.0cPの粘度を有し得る。
【0083】
組成物の粘度は、任意のずり減粘又はずり増粘挙動を決定するため、剪断速度(1~100毎秒)の範囲にわたって一定温度(25℃)で円錐及び平板形状を有するANTON PAAR MCR 702レオメーターを使用して、測定を3回繰り返し、次に平均化して測定し得る。報告される粘度は、ニュートン流体のものであると想定され、異常値を除外した後の剪断速度範囲にわたる全ての値の平均である。
摩擦係数
【0084】
本明細書で記載される組成物は、約0.01~約5.0の範囲の摩擦係数を有し得る。他の実施形態では、組成物は、約0.01~約5.0、約0.1~約4.0、約0.2~約3.5、約0.3~約3.0、約0.4~約2.8、約0.5~約2.6、約0.6~約2.4、約0.7~約2.2、約0.8~約2.0、約0.9~約2.0、約0.9~約1.9、約0.9~約1.8、約0.9~約1.7、約0.9~約1.6、約0.9~約1.5、約0.9~約1.4、又は約1.0~約1.3の摩擦の範囲の係数を有し得る。特定の実施形態では、組成物は、約0.1、約0.2、約0.3、約0.4、約0.5、約0.6、約0.7、約0.8、約0.9、約1.0、約1.1、約1.2、約1.3、約1.4、約1.5、約1.6、約1.7、約1.8、約1.9、約2.0、約2.1、約2.2、約2.3、約2.4、約2.5、約2.6、約2.7、約2.8、約2.9、又は約3.0の摩擦係数を有し得る。
【0085】
摩擦係数は、PDMSボール及びPDMSディスクを取り付けたPCS INSTRUMENTS MTM2ミニトラクションマシンを使用して測定することができる。例えば、ポット充填剤を使用して、約12mLに必要なサンプルの量を低減することができる。装置は、摺動速度(1~600mm/s)の範囲にわたる摩擦係数を、50%の設定すべり率で測定する。測定は3回行われ、次に3回全ての実行にわたって平均化することができる。次に、x軸上のすべり速度(mm/秒)の対数に対して、y軸上の平均摩擦係数をプロットすることによって、摩擦グラフを生成することができる。
甘味料を含む組成物
【0086】
本開示の組成物は、非栄養甘味料を更に含むことができ、天然又は人工の非栄養甘味料であり得る。非栄養甘味料としては、ステビオール配糖体、ラカンカ甘味料、ルブソシド、シアメノシド、モナチン、クルクリン、グリチルリチン酸、ネオヘスペリジン、ジヒドロカルコン、グリチルリチン、グリチフィリン、フロリジン、トリロバチン、フィロズルチン、ブラゼイン、ヘルナンズルチン、オスラジン、ポリポドシドA、バイユノシド、プテロカリオシドA及びB、ムクロジオシド、タウマチン、モネリン、マビンリンI及びII、フロミソシドI、ペリアンドリンI、アブルソシドA、並びにシクロカリオシドI、モグロシドIV、モグロシドV、又はこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0087】
いくつかの実施形態では、組成物内の非栄養甘味料は、ステビオール配糖体を含み得る。いくつかの実施形態では、ステビオール配糖体は、ステビオシド、レバウジオシドA、レバウジオシドB、レバウジオシドC、レバウジオシドD、レバウジオシドE、レバウジオシドF、レバウジオシドG、レバウジオシドH、レバウジオシドI、レバウジオシドJ、レバウジオシドK、レバウジオシドL、レバウジオシドM、レバウジオシドN、レバウジオシドO、レバウジオシドP、レバウジオシドQ、ステビオールビオシド、ズルコシドA、又は前述のうちのいずれかの混合物であり得る。いくつかの実施形態では、ステビオール配糖体は、レバウジオシドA、レバウジオシドD、ステビオシド、レバウジオシドM、又はこれらの任意の組み合わせである。
【0088】
特定の実施形態では、組成物中のステビオール配糖体は、レバウジオシドAである。他の実施形態では、組成物中のステビオール配糖体は、レバウジオシドDである。他の実施形態では、組成物中のステビオール配糖体は、レバウジオシドMである。他の実施形態では、組成物中のステビオール配糖体は、レバウジオシドFである。他の実施形態では、組成物中のステビオール配糖体は、レバウジオシドA及びDの混合物である。なお更なる実施形態では、組成物中のステビオール配糖体は、レバウジオシドA、D、及びMの混合物である。なお更なる実施形態では、組成物中のステビオール配糖体は、ステビオシド、レバウジオシドA、及びレバウジオシドDの混合物である。更に別の実施形態では、ステビオール配糖体は、レバウジオシドD、M、及びステビオシドの混合物である。
【0089】
組成物中のステビオール配糖体の濃度は、約20ppm~約10,000ppmの範囲をとり得る。例えば、組成物が飲料である場合、後述するように、ステビオール配糖体濃度は、約20ppm~約600ppmの総ステビオール配糖体含有量の範囲をとり得る。
【0090】
他の実施形態では、例えば、組成物が飲料濃縮物である場合、また、本明細書の他の箇所で更に記載されるように、ステビオール配糖体濃度は、約1ppm~約4800ppm、約1ppm~約4500ppm、約1ppm~約4200ppm、約1ppm~約3900ppm、約1ppm~約3600ppm、約1ppm~約3300ppm、約1ppm~約3000ppm、約1ppm~約2700ppm、約1ppm~約2400ppm、約1ppm~約2100ppm、約1ppm~約1800ppm、約1ppm~約1500ppm、約1ppm~約1200ppm、約1ppm~約900ppm、約1ppm~約600ppm、又は約1ppm~約300ppmの範囲をとり得る。他の実施形態では、ステビオール配糖体濃度は、約20ppm~約1000ppm、約40ppm~約900ppm、約60ppm~約800ppm、約80ppm~約700ppm、又は約100ppm~約600ppmの範囲をとり得る。特定の実施形態では、ステビオール配糖体濃度は、約60ppm、約300ppm、約600ppm、約900ppm、約1200ppm、約1500ppm、約1800ppm、約2100ppm、約2400ppm、約2700ppm、約3000ppm、約3300ppm、約3600ppm、約3900ppm、約4200ppm、約4500ppm、又は約4800ppmであり得る。
【0091】
前述にかかわらず、組成物の意図される用途に応じて、組成物の適切なステビオール配糖体濃度を選択することは、当業者の技術の範囲内である。
【0092】
本明細書で記載される組成物は、典型的には栄養甘味料を含まないが、ある実施形態では、組成物は栄養甘味料を更に含むことができる。いくつかの実施形態では、栄養甘味料は、天然の栄養甘味料であり得る。組成物中に含まれ得る例示的な天然栄養甘味料としては、当該技術分野において既知のもののうちのいずれか、例えば、結晶質又は液体スクロース、フルクトース、グルコース、デキストロース、マルトース、トレハロース、フラクトオリゴ糖、リンゴ、チコリ、及びハチミツなどの天然源からのグルコース-フルクトースシロップを含む。高フルクトースコーンシロップ、転化糖、メープルシロップ、メープルシュガー、ハチミツ、黒砂糖糖蜜、甘蔗糖蜜(1番糖蜜、2番糖蜜、廃糖蜜など)、及びシュガービート糖蜜;サトウモロコシシロップ、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0093】
本明細書に開示される組成物での使用に好適な他の栄養甘味料としては、エリスリトール、ソルビトール、マンニトール、キシリトール、ラクチトール、イソマルト、マリトール、タガトース、トレハロース、ガラクトース、ラムノース、シクロデキストリン、リブロース、トレオース、アラビノース、キシロース、リキソース、アロース、アルトロース、マンノース、イドース、ラクトース、マルトース、イソトレハロース、ネオトレハロース、パラチノース又はイソマルトースなどの糖アルコール、エリトロース、デオキシリボース、グロース、タロース、エリトルロース、キシルロース、プシコース、ツラノース、セロビオース、グルコサミン、マンノサミン、フコース、フクロース、グルクロン酸、グルコン酸、グルコノラクトン、アベクォース、ガラクトサミン、キシロオリゴ糖(キシロトリオース、キシロビオースなど)、ゲンチオオリゴ糖(ゲンチオビオース、ゲンチオトリオース、ゲンチオテトラオースなど)、ガラクトオリゴ糖、ソルボース、ケトトリオース(ジヒドロキシアセトン(dehydroxyacetone))、アルドトリオース(グリセルアルデヒド)、ニゲロオリゴ糖、フラクトオリゴ糖(ケストース、ニストースなど)、マルトテトラオース、マルトトリオール、四糖類、マンナンオリゴ糖、マルトオリゴ糖(マルトトリオース、マルトテトラオース、マルトペンタオース、マルトヘキサオース、マルトヘプタオースなど)、デキストリン、ラクツロース、メリビオース、ラフィノース、ラムノース、リボース及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0094】
いくつかの実施形態では、栄養甘味料は、スクロース、高フルクトースコーンシロップ、又はこれらの組み合わせであり得る。
【0095】
また、組成物は、1つ以上の希少糖、例えば、D-アロース、D-プシコース(D-アルロースとしても既知である)、L-リボース、D-タガトース、L-グルコース、L-フコース、L-アラビノース、D-ツラノース、D-ロイクロース、及びこれらの混合物などが挙げられ得る。特定の実施形態では、組成物は、D-プシコースを含み得る。
【0096】
本開示の組成物は、可溶化剤又は増量剤などの他の追加成分も含有し得る。例示的な可溶化剤又は増量剤としては、マルトデキストリン、デキストロース-マルトデキストリンブレンド、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、及びこれらの組み合わせが挙げられる。
【0097】
本開示の組成物はまた、人工甘味料、甘味増強剤、及び/又は結合剤若しくは凝結防止剤を含有してもよい。
【0098】
例示的な人工甘味料としては、サッカリン、チクロ、アスパルテーム、ネオテーム、アドバンテーム、アセスルファムカリウム、スクラロース、及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0099】
好適な甘味増強剤は、当該技術分野において既知の甘味増強剤のうちの任意を含む。例示的な甘味増強剤としては、糖アルコール甘味増強剤(例えば、エリスリトール、ソルビトール、マンニトール、キシリトール、ラクチトール、イソマルト、マリトール、及びこれらの混合物)、又は希少糖甘味増強剤(D-プシコース、D-アロース、Lリボース、D-タガトース、Lグルコース、L-フコース、L-アラビノース、D-ツラノース、D-ロイクロース、及びこれらの混合物)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0100】
いくつかの実施形態では、甘味増強剤は、塩ベース(NaCl又はソルビン酸カリウムなど)又は安息香酸系甘味増強剤(安息香酸カリウムなど)である。
飲料
【0101】
ある実施形態では、本明細書で記載される組成物は、飲料であり得る。いくつかの実施形態では、飲料は、レディ・トゥ・ドリンク飲料である。いくつかの実施形態では、飲料は、1人分8oz当たり約200カロリー未満、1人分8oz当たり約150カロリー未満、1人分8oz当たり約100カロリー未満、1人分8oz当たり約70カロリー未満、1人分8oz当たり約50カロリー未満1人分8oz当たり約10カロリー未満、又は1人分8oz当たり約5カロリー未満を有し得る。
【0102】
いくつかの実施形態では、飲料は、約1ppm~約1000ppm、約1ppm~約950ppm、約1ppm~約900ppm、約1ppm~約850ppm、約1ppm~約800ppm、約1ppm~約750ppm、約1ppm~約700ppm、約1ppm~約650ppm、約1ppm~約600ppm、約1ppm~約550ppm、約1ppm~約500ppm、約1ppm~約450ppm、約1ppm~約400ppm、約1ppm~約350ppm、又は約1ppm~約300ppmの範囲の量でペクチンを含むことができる。他の実施形態では、飲料は、約1ppm~約1000ppm、約10ppm~約900ppm、約20ppm~約800ppm、約30ppm~約700ppm、約40ppm~約600ppm、約50ppm~約500ppm、約60ppm~約400ppm、約70ppm~約350ppm、約80ppm~約300ppm、約90ppm~約300ppm、又は約100ppm~約300ppmの範囲の量でペクチンを含み得る。特定の実施形態では、飲料は、約50ppm、約60ppm、約70ppm、約80ppm、約90ppm、約100ppm、約110ppm、約120ppm、約130ppm、約140ppm、約150ppm、約200ppm、約250ppm、約300ppm、約350ppm、約400ppm、約450ppm、約500ppm、約600ppm、約700ppm、約800ppm、約900ppm、又は約1000ppmの量でペクチンを含み得る。
【0103】
いくつかの実施形態では、飲料は、第1及び任意の第2のキサンタンガムを含むことができ、第1及び任意の第2のキサンタンガムのそれぞれが、約1ppm~約1000ppm、約1ppm~約900ppm、約1ppm~約800ppm、約1ppm~約700ppm、約1ppm~約600ppm、約1ppm~約500ppm、約1ppm~約450ppm、約1ppm~約400ppm、約1ppm~約350ppm、約1ppm~約300ppm、約1ppm~約250ppm、約1ppm~約200ppm、約1ppm~約150ppm、又は約1ppm~約100ppmの範囲の量で飲料中に存在し得る。特定の実施形態では、飲料は、それぞれ約10ppm、約15ppm、約20ppm、約25ppm、約30ppm、約35ppm、約40ppm、約45ppm、約50ppm、約55ppm、約60ppm、約65ppm、約70ppm、約75ppm、約80ppm、約85ppm、約90ppm、約95ppm、約100ppm、約150ppm、約200ppm、約250ppm、又は約300ppmの量で第1及び任意の第2のキサンタンガムを含み得る。
【0104】
ある実施形態では、飲料は、酸味料及び任意に風味剤を更に含む。
【0105】
好適な酸味料としては、リン酸、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、乳酸、ギ酸、アスコルビン酸、フマル酸、グルコン酸、コハク酸、マレイン酸、アジピン酸及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0106】
好適な風味剤としては、コーラ風味剤、紅茶風味剤、カラメル風味剤、コーヒー風味剤、柑橘風味剤(例えば、レモン風味剤、ライム風味剤、オレンジ風味剤、グレープフルーツ風味剤、マンダリンオレンジ風味剤、タンジェリン風味剤、タンジェロ風味剤、又は前述のうちのいずれかの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない)、ハーブ風味剤、ベリー香料(例えば、アセロラ、クマコケモモ、クロイチゴ、ブルーベリー、ボイゼンベリー、チェリー、チョークチェリー、ホロムイイチゴ、クランベリー、カラント(current)、デーツ、デューベリー、ニワトコ、グレープ、グーズベリー、ハックルベリー、ローガンベリー、オラリーベリー、マルベリー、レーズン、プレインベリー、プレーリーベリー、ラズベリー、サスカトーンベリー、サーモンベリー、シーバックソーンベリー、スローベリー、イチゴ、クロミキイチゴ、ソーンベリー、ワインベリー、ハイデルベリー、又は前述のうちのいずれかの組み合わせのうちの1つ以上に由来する風味剤など)、植物性風味剤(例えば、天然源に由来する植物風味を真似るように作製された、人工風味を伴う精油並びにナッツ、樹皮、根、及び葉の抽出物に由来する風味を含む、果実以外の植物の一部に由来する1つ以上の風味)、並びにこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0107】
ある実施形態では、上述のように、飲料は、非栄養甘味料を含み得る。特定の実施形態では、非栄養甘味料は、ステビオール配糖体、ラカンカ甘味料、ルブソシド、シアメノサイド、モナチン、クルクリン、グリチルリチン酸、ネオヘスペリジン、ジヒドロカルコン、グリチルリチン、グリチフィリン、フロリジン、トリロバチン、フィロズルチン、ブラゼイン、ヘルナンズルチン、オスラジン、ポリポドシドA、バイユノシド、プテロカリオシドA及びB、ムクロジオシド、タウマチン、モネリン、マビンリンI及びII、フロミソシドI、ペリアンドリンI、アブルソシドA、並びにシクロカリオシドI、モグロシドIV、モグロシドV、又はこれらの組み合わせからなる群から選択され得る。
【0108】
いくつかの実施形態では、飲料中の非栄養甘味料は、ステビオール配糖体であり得る。いくつかの実施形態では、ステビオール配糖体は、ステビオシド、レバウジオシドA、レバウジオシドB、レバウジオシドC、レバウジオシドD、レバウジオシドE、レバウジオシドF、レバウジオシドG、レバウジオシドH、レバウジオシドI、レバウジオシドJ、レバウジオシドK、レバウジオシドL、レバウジオシドM、レバウジオシドN、レバウジオシドO、レバウジオシドP、レバウジオシドQ、ステビオールビオシド、ズルコシドA、又は前述のうちのいずれかの混合物であり得る。いくつかの実施形態では、ステビオール配糖体は、レバウジオシドA、レバウジオシドD、ステビオシド、レバウジオシドM、又はこれらの任意の組み合わせである。
【0109】
特定の実施形態では、飲料中のステビオール配糖体は、レバウジオシドAである。他の実施形態では、飲料中のステビオール配糖体は、レバウジオシドDである。他の実施形態では、飲料中のステビオール配糖体は、レバウジオシドMである。他の実施形態では、飲料中のステビオール配糖体は、レバウジオシドFである。他の実施形態では、飲料中のステビオール配糖体は、レバウジオシドA及びDの混合物である。なお更なる実施形態では、飲料中のステビオール配糖体は、レバウジオシドA、D、及びMの混合物である。更なる実施形態では、飲料中のステビオール配糖体は、ステビオシド、レバウジオシドA、及びレバウジオシドDの混合物である。更に別の実施形態では、ステビオール配糖体は、レバウジオシドD、M、及びステビオシドの混合物である。
【0110】
ある実施形態では、非栄養甘味料は、使用される特定の非栄養甘味料及び飲料中の所望の甘味レベルに応じて、約1ppm~約800ppm、約1ppm~約750ppm、約1ppm~約700ppm、約1ppm~約650ppm、約1ppm~約600ppm、約1ppm~約550ppm、約1ppm~約500ppm、約1ppm~約450ppm、約1ppm~約400ppm、約1ppm~約350ppm、約1ppm~約300ppm、約1ppm~約250ppm、約1ppm~約200ppm、約1ppm~約150ppm、約1ppm~約100ppm、又は約1ppm~約50ppmの範囲の量で飲料中に存在し得る。特定の実施形態では、非栄養甘味料は、約1ppm、約10ppm、約50ppm、約100ppm、約150ppm、約200ppm、約250ppm、約300ppm、約350ppm、約400ppm、約450ppm、約500ppm、約550ppm、約600ppm、約650ppm、約700ppm、約750ppm、又は約800ppmの量で飲料中に存在し得る。
【0111】
ある実施形態では、飲料は、1つ以上の塩も含み得る。塩濃度は、少なくとも約100ppm~約1000ppm、又は約200ppm~約800ppmの範囲をとり得る。特定の実施形態では、塩は塩化ナトリウムであり得る。ある実施形態では、飲料組成物は、完全又は本質的に塩を含み得ない。
【0112】
いくつかの実施形態では、飲料は、カフェインを更に含むことができる。他の実施形態では、飲料は、カフェインを本質的に含み得ないか、又はカフェインを含まない。
【0113】
ある実施形態では、飲料は、酸化防止剤、食品グレードの酸及び食品グレードの塩基などの他の成分を更に含み得る。着色剤、保存料、二酸化炭素、緩衝塩などの他の飲料成分も存在し得る。
【0114】
好適な食品グレードの酸は、水溶性の有機酸及びその塩であり、例えば、リン酸、ソルビン酸、アスコルビン酸、安息香酸、クエン酸、酒石酸、プロピオン酸、酪酸、酢酸、コハク酸、グルタル酸、マレイン酸、リンゴ酸、吉草酸、カプロン酸、マロン酸、アコニット酸、ソルビン酸カリウム、安息香酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、アミノ酸、及びこれらの任意の組み合わせが挙げられる。このような酸は、食品又は飲料のpHを調整するのに好適である。
【0115】
好適な食品グレードの塩基は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、及び水酸化カルシウムである。このような塩基も、食品又は飲料のpHを調整するのに好適である。
【0116】
いくつかの実施形態では、飲料は、炭酸飲料、非炭酸飲料、ファウンテン飲料、冷凍飲料、冷凍炭酸飲料、果汁、果汁風味ドリンク、果実風味ドリンク、コーラ飲料、スポーツドリンク、エネルギードリンク、強化/増強水ドリンク、風味水、大豆ドリンク、野菜ドリンク、穀物系ドリンク、麦芽飲料、発酵ドリンク、ヨーグルトドリンク、ケフィア、コーヒー飲料、茶飲料、乳製品飲料、スムージードリンク、カフェイン添加エネルギードリンク、又はアルコール飲料であり得る。
【0117】
いくつかの実施形態では、飲料は、コーラ飲料であり得る。他の実施形態では、コーラ飲料は、コーラ香料と、ステビオール配糖体、ラカンカ甘味料、ルブソシド、シアメノサイド、モナチン、クルクリン、グリチルリチン酸、ネオヘスペリジン、ジヒドロカルコン、グリチルリチン、グリチフィリン、フロリジン、トリロバチン、フィロズルチン、ブラゼイン、ヘルナンズルチン、オスラジン、ポリポドシドA、バイユノシド、プテロカリオシドA及びB、ムクロジオシド、タウマチン、モネリン、マビンリンI及びII、フロミソシドI、ペリアンドリンI、アブルソシドA、並びにシクロカリオシドI、モグロシドIV、モグロシドV、又はこれらの組み合わせからなる群から選択される非栄養甘味料と、を含み得る。
【0118】
いくつかの実施形態では、非栄養甘味料は、ステビオール配糖体を含み得る。特定の実施形態では、ステビオール配糖体は、ステビオシド、レバウジオシドA、レバウジオシドB、レバウジオシドC、レバウジオシドD、レバウジオシドE、レバウジオシドF、レバウジオシドG、レバウジオシドH、レバウジオシドI、レバウジオシドJ、レバウジオシドK、レバウジオシドL、レバウジオシドM、レバウジオシドN、レバウジオシドO、レバウジオシドP、レバウジオシドQ、ステビオールビオシド、ズルコシドA、及びこれらの組み合わせからなる群から選択され得る。
【0119】
特定の実施形態では、飲料は、とりわけ水、甘味料、コーラナッツ抽出物及び/又は他の香料、カラメル色素、リン酸、任意にカフェイン、並びに任意に他の成分を含有する、炭酸コーラ飲料であり得る。付加的及び代替的な好適な成分は、本開示の恩恵を受ける当業者により認識されるであろう。
【0120】
二酸化炭素の形態での炭酸は、発泡のために付加され得る。飲料を炭酸化するための当該技術分野において既知である技術及び炭酸化装置のうちのいくつかを使用することができる。二酸化炭素は、飲料の味及び外観を向上させることができ、好ましくない細菌を抑制及び/又は破壊することで飲料の純度を保護する助けとなることができる。ある実施形態では、例えば、飲料は、約4.0体積までの二酸化炭素のCO2レベルを有し得る。他の実施形態では、例えば、約0.5~5.0体積の二酸化炭素を有し得る。本明細書で使用されるとき、二酸化炭素の1体積とは、60°F(16℃)及び1気圧における水などの、所定量の所定の液体によって吸収される二酸化炭素の量を指す。気体の体積は、それが溶解される液体が占めるのと同じ空間を占める。二酸化炭素含量は、所望の発泡のレベル及び飲料の味又は口当たりに対する二酸化炭素の影響に基づいて当業者によって選択され得る。
【0121】
飲料は、多数の異なる特定の配合物又は構成成分のうちのいずれかを有することができる。飲料の配合は、製品の意図とする市場区分、その所望の栄養特徴、風味プロファイルなどの要因に応じて変化させることができる。したがって、特定の飲料の配合物に、追加成分を添加し得る。追加成分としては、既に存在する任意の甘味料に加えて1つ以上の追加の甘味料、電解質、ビタミン、風味増強剤、炭酸ガス、保存料、又はこれらの任意の組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。これらの成分は、飲料組成物の味、口当たり、及び/又は栄養価を変化させるために、任意の飲料組成物に添加され得る。
【0122】
防腐剤を、特定の食品又は飲料に使用してもよい。本明細書で使用されるとき、用語「保存料」は、飲料組成物での使用に認可された、全ての好適な保存料を含み、安息香酸塩、例えば、安息香酸ナトリウム、安息香酸カルシウム、及び安息香酸カリウムなど、ソルビン酸塩、例えば、ソルビン酸ナトリウム、ソルビン酸カルシウム、及びソルビン酸カリウムなど、クエン酸塩、例えば、クエン酸ナトリウム及びクエン酸カリウムなど、ポリリン酸塩、例えば、ヘキサメタリン酸ナトリウム(sodium hexametaphosphate、SHMP)など、並びにこれらの混合物のような既知の化学保存料、並びに酸化防止剤、例えば、アスコルビン酸、EDTA、BHA、BHT、TBHQ、デヒドロ酢酸、ジメチルジカーボネート、エトキシキン、ヘプチルパラベン、及びこれらの組み合わせなどが挙げられるが、これらに限定されない。適用される法律及び規則の下で、命じられた最大濃度を超えない量で防腐剤を使用することができる。
飲料濃縮物
【0123】
ある実施形態では、本明細書で記載される組成物は、飲料濃縮物であり得る。いくつかの実施形態では、飲料濃縮物は、約1ppm~約7000ppm、約1ppm~約6500ppm、約1ppm~約6000ppm、約1ppm~約5500ppm、約1ppm~約5000ppm、約1ppm~約4500ppm、約1ppm~約4000ppm、約1ppm~約3500ppm、約1ppm~約3000ppm、約1ppm~約2500ppm、約1ppm~約2000ppm、約1ppm~約1500ppm、約1ppm~約1000ppm、約1ppm~約900ppm、約1ppm~約800ppm、約1ppm~約700ppm、約1ppm~約600ppm、又は約1ppm~約500ppmの範囲の量でペクチンを含み得る。他の実施形態では、飲料濃縮物は、約1ppm~約7000ppm、約100ppm~約6000ppm、約200ppm~約5000ppm、約300ppm~約4000ppm、約400ppm~約3000ppm、約300ppm~約2000ppm、約300ppm~約1900ppm、又は約300ppm~約1800ppmの範囲の量でペクチンを含み得る。特定の実施形態では、飲料濃縮物は、約100ppm、約200ppm、約300ppm、約400ppm、約500ppm、約600ppm、約700ppm、約800ppm、約900ppm、約1000ppm、約1200ppm、約1400ppm、約1600ppm、約1800ppm、又は約2000ppmの量でペクチンを含み得る。
【0124】
いくつかの実施形態では、飲料濃縮物は、第1及び任意の第2のキサンタンガムを含むことができ、第1及び任意の第2のキサンタンガムのそれぞれが、約1ppm~約2500ppm、約1ppm~約2000ppm、約1ppm~約1500ppm、約1ppm~約1000ppm、約1ppm~約950ppm、約1ppm~約900ppm、約1ppm~約850ppm、約1ppm~約800ppm、約1ppm~約750ppm、約1ppm~約700ppm、約1ppm~約650ppm、約1ppm~約600ppm、約1ppm~約550ppm、約1ppm~約500ppm、約1ppm~約450ppm、約1ppm~約400ppm、約1ppm~約350ppm、約1ppm~約300ppm、約1ppm~約250ppm、約1ppm~約200ppm、約1ppm~約150ppm、又は約1ppm~約100ppmの範囲の量で飲料濃縮物中に存在し得る。特定の実施形態では、飲料濃縮物は、それぞれ約50ppm、約100ppm、約150ppm、約200ppm、約250ppm、約300ppm、約350ppm、約400ppm、約450ppm、約500ppm、約550ppm、又は約600ppmの量で第1及び任意の第2のキサンタンガムを含み得る。
【0125】
飲料濃縮物のための追加及び代替の好適な成分は、当業者によって容易に認識され得る。例えば、1つ以上の塩が、約600ppm~約6000ppm、又は約1200ppm~約2400ppmの範囲の量で飲料濃縮物中に含まれ得る。ある実施形態では、飲料は、完全又は本質的に塩を含み得ない。
【0126】
いくつかの実施形態では、本明細書で記載される飲料、特に、いわゆる「レディ・トゥ・ドリンク飲料」は、特定の量の水を濃縮物に添加することによって、飲料濃縮物から調製することができる。例えば、レディ・トゥ・ドリンク飲料は、1部の濃縮物を約3~約7部の水と組み合わせることにより、飲料濃縮物から調製され得る。一実施形態では、レディ・トゥ・ドリンク飲料は、1部の濃縮物を5部の水と組み合わせることにより調製され得る。
【0127】
ある実施形態では、本開示はまた、飲料濃縮物を含むキットを含む。濃縮物に加えて、キットは、香料、酸、酸化防止剤など、濃縮物、又は(濃縮物から)飲料を調製するために必要な追加要素のうちのいずれかを含むことができ、濃縮物を希釈するのに必要とされ得る追加の水を除外するか、又は任意に含むことができる。キットは、飲料を調製するための取扱説明書を更に含むことができる。ある実施形態では、商業規模で飲料を調製するために、キットを、飲料瓶詰業者、又は飲料小売業者に提供することができる。小売業者に提供される際に、キットは、後混合デリバリーシステムを使用して飲料を調製するための取扱説明書、例えば、較正取扱説明書を含有することができる。
【0128】
本開示は、十分な量の飲料濃縮物を保管して、単回摂取又は複数回摂取の飲料を濃縮物から調製するために適した1つ以上のポッド、カートリッジ、又は他の容器を含むキットを更に含む。いくつかの実施形態では、キットは、1つ以上のポッド又はカートリッジを受け入れるのに適した飲料分配装置を更に含むことができ、ここで、ユーザにより起動されると、飲料分配装置は、1つのポッド又はカートリッジの内容物を、適切な体積の、水、任意選択的に炭酸化された水、又は他の希釈剤と組み合わせて、単回摂取又は複数回摂取の飲料を提供する。更に別の実施形態では、キットは、飲料分配装置の操作、装置の清掃、並びに使用済みポッド若しくはカートリッジの詰め替え、及び/又はリサイクルのための取扱説明書を含むことができる。ある実施形態では、飲料分配装置は、小売環境等の商業用設定での使用に好適であることができる。別の実施形態では、飲料分配装置は家庭用、又は「移動用」の使用に好適であることができる。家庭使用及び商業使用の両方で、単回又は複数回摂取の飲料を調製するための飲料濃縮物を保管するのに適しているポッド及びカートリッジ、並びに単回又は複数回摂取の飲料を調製するためのポッド及びカートリッジを受け入れるのに適している飲料分配装置は、当業者に既知である。
口当たりを改善するための方法
【0129】
別の実施形態では、本開示は、飲料の口当たりを改善する方法を提供する。いくつかの実施形態では、飲料の口当たりを改善するための方法は、飲料又は飲料濃縮物に、約10,000Da~約1,000,000Da、約20,000Da~約800,000Da、約30,000Da~約600,000Da、約40,000Da~約500,000Da、又は約50,000Da~約400,000Daの範囲の平均分子量を有するペクチンと、約1,000,000Da~約50,000,000Da、約2,000,000Da~約45,000,000Da、約3,000,000Da~約40,000,000Da、又は約3,000,000Da~約35,000,000Daの範囲の平均分子量をそれぞれ有する第1及び任意の第2のキサンタンガムと、を添加することを含む。特定の実施形態では、飲料の口当たりを改善するための方法は、飲料又は飲料濃縮物に、約50,000Da~約400,000Daの範囲の平均分子量を有するペクチンと、約3,000,000Da~約35,000,000Daの範囲の平均分子量をそれぞれ有する第1及び任意の第2のキサンタンガムを添加することを含む。
組成物の作製方法
【0130】
本開示の組成物は、当業者に既知の好適な方法を使用して調製することができる。例えば、ある実施形態では、組成物は、十分な量のペクチン、十分な量の第1のキサンタンガム、及び任意に水、又は他の適切な希釈剤に十分な量の第2のキサンタンガムを添加することによって調製することができる。成分(ペクチン、第1のキサンタンガム、及び任意に第2のキサンタンガム)の添加は、当該技術分野において既知の任意の適切な手段によって達成することができる。例えば、組成物は、任意の2つの成分を水又は他の適切な希釈剤に溶解して、次に、第3の成分を混合物に添加することによって調製することができる。あるいは、組成物は、成分のうちの1つを水又は他の適切な希釈剤に溶解し、次に、他の2つの成分を混合物に添加することによって調製することができる。
【0131】
様々な実施形態では、ペクチン、第1のキサンタンガム、及び任意的に第2のキサンタンガムを、水、又は他の適切な希釈剤に、同時に、又は個々に任意の順序で添加することができる。
【0132】
いくつかの実施形態では、ペクチン、第1のキサンタンガム、及び任意に第2のキサンタンガムは、様々な成分の溶解をもたらすために必要な任意の温度で、水又は他の適切な希釈剤に添加することができる。例えば、ペクチン、第1のキサンタンガム、及び任意に第2のキサンタンガムは、約15℃~約100℃、約18℃~約80℃、約18℃~約60℃、約18℃~約40℃、又は約18℃~約30℃の範囲の温度で、水又は他の適切な希釈剤に添加することができる。特定の実施形態では、ペクチン、第1のキサンタンガム、及び任意に第2のキサンタンガムを、約18℃、約19℃、約20℃、約21℃、約22℃、約23℃、約24℃、約25℃、約26℃、約27℃、約28℃、約29℃、又は約30℃の温度で、水又は他の適切な希釈剤に添加することができる。
【0133】
調製中、組成物は、高剪断力又は低剪断力で、特定した温度のいずれかにて混合し、必要に応じて、溶解を誘発又は補助することができる。本明細書に記載する結果を入手するために、所与の混合物の適切な剪断水準及び/又は温度を特定することは、当業者の技術の範囲内である。
食品
【0134】
本開示の組成物は、食品に使用することもできる。好適な食品としては、オートミール、シリアル、ベークされた食品、クッキー、クラッカー、ケーキ、ブラウニー、パン、スナック食品(例えば、スナックバーなど)、ポテト又はトルティーヤチップス、ポップコーン、餅、及び他の穀物系食品が挙げられるが、これらに限定されない。
【0135】
いくつかの実施形態では、本開示の組成物はまた、調理、ベーキングにおける使用(例えば、クッキー、ケーキ、パイ、ブラウニー、パン、グラノーラバーなどにおける使用など)、アイシングなどの甘味トッピングの調製及びゼリー、ジャム、砂糖漬け、オート麦系製品などにおける使用にも好適であり得る。同様に、アイスクリームなどの凍結乳製品、並びにホイップトッピングに使用するのにも好適である。
実施形態
【0136】
上記の様々な実施形態に加えて、本開示は、E1~E49と番号付与された以下の特定の実施形態を含む。この実施形態のリストは、例示的なリストとして提示され、適用は、これらの実施形態に限定されない。
【0137】
E1.約50,000Da~約400,000Daの範囲の平均分子量を有するペクチンと、約3,000,000Da~約35,000,000Daの範囲の平均分子量を有する第1のキサンタンガムと、を含む、組成物。
【0138】
E2.ペクチンが、リンゴペクチン、柑橘類ペクチン、ブドウペクチン、及びニンジンペクチンからなる群から選択される、E1に記載の組成物。
【0139】
E3.ペクチンが、リンゴペクチンである、E2に記載の組成物。
【0140】
E4.第1のキサンタンガムが、キサンタンXLM、キサンタンXMM、キサンタンXHM、キサンタンXDI、及びキサンタンXMASからなる群から選択される、E1に記載の組成物。
【0141】
E5.第1のキサンタンガムが、キサンタンXMM及びキサンタンXMASからなる群から選択される、E4に記載の組成物。
【0142】
E6.ペクチンが、約50%~約99%の範囲のエステル化度を有する、E1に記載の組成物。
【0143】
E7.ペクチンが、約80%~約99%の範囲のエステル化度を有する、E6に記載の組成物。
【0144】
E8.ペクチンが、少なくとも約85%のエステル化度を有する、E7に記載の組成物。
【0145】
E9.ペクチンが、約50ppm~約4000ppmの範囲の濃度で組成物中に存在する、E1に記載の組成物。
【0146】
E10.ペクチンが、約50ppm~約1000ppmの範囲の濃度で組成物中に存在する、E9に記載の組成物。
【0147】
E11.ペクチンが、約100ppm~約300ppmの範囲の濃度で組成物中に存在する、E10に記載の組成物。
【0148】
E12.第1のキサンタンガムが、約3000ppm未満の濃度で組成物中に存在する、E1に記載の組成物。
【0149】
E13.第1のキサンタンガムが、約1000ppm未満の濃度で組成物中に存在する、E1に記載の組成物。
【0150】
E14.第1のキサンタンガムが、約100ppm未満の濃度で組成物中に存在する、E1に記載の組成物。
【0151】
E15.第1のキサンタンガムが、約6,000,000Da~約10,000,000Daの範囲の平均分子量を有する、E1に記載の組成物。
【0152】
E16.第1のキサンタンガムが、約8,000,000Da~約9,000,000Daの範囲の平均分子量を有する、E1に記載の組成物。
【0153】
E17.第1のキサンタンガムが、約25,000,000Da~約40,000,000Daの範囲の平均分子量を有する、E1に記載の組成物。
【0154】
E18.第1のキサンタンガムが、約30,000,000Da~約35,000,000Daの範囲の平均分子量を有する、E1に記載の組成物。
【0155】
E19.第2のキサンタンガムが、約25,000,000Da~約40,000,000Daの範囲の平均分子量を有する、第2のキサンタンガムを更に含む、E15に記載の組成物。
【0156】
E20.第2のキサンタンガムが、約30,000,000Da~約35,000,000Daの範囲の平均分子量を有する、第2のキサンタンガムを更に含む、E16に記載の組成物。
【0157】
E21.ペクチンが、約50,000Da~約300,000Daの範囲の平均分子量を有する、E1に記載の組成物。
【0158】
E22.ペクチンが、約100,000Da~約200,000Daの範囲の平均分子量を有する、E21に記載の組成物。
【0159】
E23.ペクチンが、約100,000Da~約200,000Daの範囲の平均分子量を有する、E20に記載の組成物。
【0160】
E24.約100ppm~約300ppmのペクチンと、約100ppm未満の第1のキサンタンガムと、を含む、E1に記載の組成物。
【0161】
E25.約100ppm~約300ppmのペクチンと、約100ppm未満の第1のキサンタンガムと、約100ppm未満の第2のキサンタンガムと、を含む、E19に記載の組成物。
【0162】
E26.ペクチンが、リンゴペクチンである、E24に記載の組成物。
【0163】
E27.第1のキサンタンガムが、キサンタンXMM及びキサンタンXMASからなる群から選択される、E24に記載の組成物。
【0164】
E28.第1のキサンタンガム及び第2のキサンタンガムが、キサンタンXMM及びキサンタンXMASからなる群から選択される、E25に記載の組成物。
【0165】
E29.組成物が、約1.0~約1.5の範囲の粘度を有する、E1に記載の組成物。
【0166】
E30.組成物が、約1.1~約1.4の範囲の粘度を有する、E29に記載の組成物。
【0167】
E31.組成物が、約0.9~約1.4の範囲の摩擦係数を有する、E1に記載の組成物。
【0168】
E32.組成物が、約1.0~約1.3の範囲の摩擦係数を有する、E31に記載の組成物。
【0169】
E33.水を更に含む、E1に記載の組成物。
【0170】
E34.約50,000Da~約400,000Daの範囲の平均分子量を有する第2のペクチンを更に含む、E1に記載の組成物。
【0171】
E35.第2のペクチンが、リンゴペクチン、柑橘類ペクチン、ブドウペクチン、及びニンジンペクチンからなる群から選択される、E34に記載の組成物。
【0172】
E36.組成物が飲料である、E1に記載の組成物。
【0173】
E37.非栄養甘味料を更に含む、E36に記載の飲料。
【0174】
E38.非栄養甘味料が、ステビオール配糖体、ラカンカ甘味料、ルブソシド、シアメノシド、モナチン、クルクリン、グリチルリチン酸、ネオヘスペリジン、ジヒドロカルコン、グリチルリチン、グリチフィリン、フロリジン、トリロバチン、フィロズルチン、ブラゼイン、ヘルナンズルチン、オスラジン、ポリポドシドA、バイユノシド、プテロカリオシドA及びB、ムクロジオシド、タウマチン、モネリン、マビンリンI及びII、フロミソシドI、ペリアンドリンI、アブルソシドA、並びにシクロカリオシドI、モグロシドIV、モグロシドV、又はこれらの組み合わせからなる群から選択される、E37に記載の飲料。
【0175】
E39.非栄養甘味料が、ステビオール配糖体である、E38に記載の飲料。
【0176】
E40.ステビオール配糖体が、ステビオシド、レバウジオシドA、レバウジオシドB、レバウジオシドC、レバウジオシドD、レバウジオシドE、レバウジオシドF、レバウジオシドG、レバウジオシドH、レバウジオシドI、レバウジオシドJ、レバウジオシドK、レバウジオシドL、レバウジオシドM、レバウジオシドN、レバウジオシドO、レバウジオシドP、レバウジオシドQ、ステビオールビオシド、ズルコシドA、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、E39に記載の飲料。
【0177】
E41.飲料が、炭酸飲料、非炭酸飲料、ファウンテン飲料、冷凍炭酸飲料、果汁、果汁風味ドリンク、果実風味ドリンク、コーラ飲料、スポーツドリンク、エネルギードリンク、強化/増強水ドリンク、風味水、大豆ドリンク、野菜ドリンク、穀物系ドリンク、麦芽飲料、発酵ドリンク、ヨーグルトドリンク、ケフィア、コーヒー飲料、茶飲料、又は乳製品飲料である、E36に記載の飲料。
【0178】
E42.飲料がコーラ飲料である、E41に記載の飲料。
【0179】
E43.コーラ香料及び非栄養甘味料を更に含む、E42に記載の飲料。
【0180】
E44.非栄養甘味料が、ステビオール配糖体、ラカンカ甘味料、ルブソシド、シアメノシド、モナチン、クルクリン、グリチルリチン酸、ネオヘスペリジン、ジヒドロカルコン、グリチルリチン、グリチフィリン、フロリジン、トリロバチン、フィロズルチン、ブラゼイン、ヘルナンズルチン、オスラジン、ポリポドシドA、バイユノシド、プテロカリオシドA及びB、ムクロジオシド、タウマチン、モネリン、マビンリンI及びII、フロミソシドI、ペリアンドリンI、アブルソシドA、並びにシクロカリオシドI、モグロシドIV、モグロシドV、又はこれらの組み合わせからなる群から選択される、E43に記載の飲料。
【0181】
E45.飲料の口当たりを改善するための方法であって、約50,000Da~約400,000Daの範囲の平均分子量を有するペクチンと、約3,000,000Da~約35,000,000Daの範囲の平均分子量をそれぞれ有する第1及び任意の第2のキサンタンガムと、を飲料に添加することを含む、方法。
【実施例0182】
実施例1-個別のペクチン及びキサンタンガムの粘度及び摩擦係数
表3に列挙した4つの市販のペクチン及び5つの市販のキサンタンガムの分子量を、ゲル浸透クロマトグラフィー(gel permeation chromatography、GPC)を使用して決定した。GPC上のサンプルを分析するために、各ペクチン及び各キサンタンガムの0.1グラム(grams、g)を、70mLの0.1Mの硝酸ナトリウムに別々に添加した。各混合物を加熱して沸騰させ、完全に溶解するまで撹拌した。次に、各混合物を冷却し、各サンプルが100mLの総体積を有するまで、0.1Mの硝酸ナトリウムを添加した。各サンプルを0.2μmフィルター(Pall Life Sciences製GHP ACRODISK 25mmシリンジフィルター)を通してろ過し、適切な体積のサンプルをGPCに注入して、ペクチン又はキサンタンガムの分子量を決定した。分子量を表3に列挙する。
表3
【表3】
*表3の略語「DE」は、列挙されたペクチンのエステル化度を意味する。
【0183】
0.10175gのアセスルファムカリウム、0.6985gのスクラロース、0.04915gの無水クエン酸、及び0.46gの80%リン酸を750mLの処理済み水に添加し、混合物を撹拌することによって、ダイエットコーラベースのサンプルを調製した。0.1Mのクエン酸を使用してダイエットコーラベースのサンプルのpHを2.9に調整し、水を添加して、最終体積1000mLを作製した。
【0184】
次に、表3で特定された十分な量のペクチン又はキサンタンガムを、上記のように調製したダイエットコーラベースに添加して9個のサンプルを調製し、1000ppmのペクチン又はキサンタンガムの濃縮を達成した。
【0185】
コーン及びプレート形状を有するANTON PAAR MCR 702レオメーターを使用して、各サンプル及びダイエットコーラベースのサンプルの粘度を測定した。剪断減粘又はずり増粘挙動を決定するために、一定温度(25℃)で剪断速度(1~100毎秒)の範囲にわたって測定を行った。測定を3回繰り返した後、平均した。報告された粘度は、ニュートン流体のものであると仮定し、異常値を除外した後の剪断速度範囲にわたる全ての値の平均であった。各サンプル及びダイエットコーラベースのサンプルの粘度を
図3に示す。
【0186】
次に、各サンプル及びダイエットコーラベースのサンプルの摩擦係数は、PDMSボール及びPDMSディスクを装着したPCS INSTRUMENTS MTM2ミニトラクションマシンを使用して決定した。ポット充填剤を使用して、約12mLに必要なサンプルの量を減少させた。装置は、50%の設定すべり率で摺動速度(1~600mm/s)の範囲にわたる摩擦係数を測定した。測定を3回行い、値を3回全ての実行にわたって平均化して摩擦グラフを生成した。次に、x軸上の摺動速度(mm/秒)の対数に対するy軸上の摩擦係数(無次元)でデータをプロットした。各サンプル及びダイエットコーラベースのサンプルの摩擦係数を
図4に示す。
【0187】
図3及び
図4は、キサンタンガムが粘度に優勢な効果を有する一方で、ペクチンは摩擦に優勢な効果を有することを示す。
図4はまた、リンゴペクチンが、より高い摩擦係数を有し、したがって、柑橘類ペクチンよりも潤滑性が低いことを示す。
図4は、エステル化度(「DE」)がPEC60からPEC90に増加するにつれて、潤滑性が著しく増加することを更に意味する。
実施例2-個々のペクチン及びキサンタンガムの粘度及び摩擦効果を決定するための一部実施要因実験
【0188】
4つの市販のペクチン及び4つの市販のキサンタンガムについて、高度に凝縮した一部実施要因分解能IV計画実験を実施して、どのペクチン及び/又はキサンタンガムが、粘度及び摩擦係数に最も影響を及ぼすかを決定した。
図5の表に列挙された4つのペクチンのそれぞれ及び4つのキサンタンガムのそれぞれの濃縮物を、十分な量の各ペクチン又はキサンタンガムを水中に溶解することにより調製し、ペクチンの5000ppm溶液及びキサンタンガムの10,000ppm溶液を得た。次に、19のサンプルを、実施例1に記載の手順に従って調製した24mLのダイエットコーラベースに、十分な量のペクチン濃縮物又はキサンタンガム濃縮物を添加することにより調製し、
図5で明記した濃度を有するサンプルを得た。
【0189】
次に、実施例1に記載の手順に従って、サンプルの粘度及び摩擦係数をランダム化した順序で測定した。結果を
図5に示す。次に、摩擦係数値及び粘度値を、SARTORIUS STEDIM BIOTECH GMBH製BIOPAT MODDEソフトウェアに入力し、
図6に示すPCAプロット及び
図7に示す係数プロットを生成した。
【0190】
図6は、4つのペクチンのそれぞれ及び4つのキサンタンガムのそれぞれの摩擦型及び粘度型の属性を示す。垂直軸上で上昇傾向を示すデータポイントは、摩擦の増加を意味し、一方で、垂直軸上で下降傾向を示すデータポイントは、潤滑性の増加、又は摩擦の減少を意味する。同様に、水平軸上の左傾向を示すデータポイントは、粘度の増加を意味し、一方で、水平軸上の右傾向を示すデータポイントは、粘度の低下を意味する。したがって、
図6によると、キサンタンガムは、キサンタンXMASを除いて、摩擦に対して増加効果を有する粘性型属性を呈した。
図6はまた、4つのペクチンの全てが、少なくともいくつかの摩擦型属性を呈したことを示す。しかしながら、ペクチンの摩擦型属性は、エステル化度が増加するにつれて、低下した(すなわち、それらはより潤滑性になる)。例えば、より高いエステル化度を有するPEC90は、APec、PEC60、及びCPPecよりも潤滑効果を呈した。
【0191】
図7は、4つのペクチンのそれぞれ及び4つのキサンタンガムのそれぞれの粘度を示す。
図6と同様に、
図7は、キサンタンXMASを除いて、キサンタンガムが粘度型の属性を有したことを意味する。
【0192】
図8は、4つのペクチンのそれぞれ及び4つのキサンタンガムのそれぞれの摩擦係数を示す。
図6と同様に、
図8は、より高いエステル化度を有するペクチンが、より潤滑性である傾向があることを意味する。
実施例3-個々のペクチン及びキサンタンガムの混合物の粘度及び摩擦効果を決定するためのD-最適計画実験
【0193】
表4に列挙した混合物について、粘度及び摩擦効果を測定した。152.22gの高フルクトースコーンシロップ、0.6437gの80%リン酸、及び0.0723gの無水クエン酸を1000mLの処理済み水に添加して、撹拌することによって、レギュラーコーラベースのサンプルを調製した。実施例1に記載の手順に従って、ダイエットコーラベースのサンプルを調製した。0.087gのレバウジオシドA(rebaudioside A、Reb A 95)、0.2gの80%リン酸、及び28.55gのスクロースを1000mLの処理済み水に添加して、撹拌することによって、「ゴールド」コーラベースのサンプルを調製した。
【0194】
十分な量の各ペクチン又はキサンタンガムを水中に溶解することにより、表4に列挙されるペクチンのそれぞれ及びキサンタンガムのそれぞれの濃縮物を調製し、ペクチンの2000ppm溶液及びキサンタンガムの1000ppm溶液を得た。次に、十分な量のペクチン濃縮物又はキサンタンガム濃縮物を適切な量のダイエットコーラベースのサンプルに添加することにより、20個のサンプルを調製して、表4で明記した濃度を有する飲料サンプルを得た。
【0195】
次に、実施例1に記載の手順に従って、ベースのサンプル及び実験サンプルの粘度及び摩擦係数を測定した。結果を表4及び5並びに
図9~
図15に示す。
表4
【表4】
表5
【表5】
【0196】
図9は、高いエステル化度を有するペクチンが、より潤滑性であり、リンゴペクチンは、大きな粘度型又は摩擦型の属性を呈さないという点で、表4に列挙される濃度でより中性の特性を呈したことを示す。
図9はまた、キサンタンXMM及びキサンタンXMASのどちらも粘度型属性を呈することを示す。
図9は、試験されたブレンドが、より中性の特性を呈し、個々のペクチン及びキサンタンガムによって示される、より極端な粘度型及び摩擦型属性をマスクすることを更に示す。
【0197】
図10及び
図11は、高いエステル化度を有するペクチン(PEC90)の高い潤滑性特徴並びにキサンタンXMM及びキサンタンXMASの両方の大きな粘度型属性を示す。
【0198】
図12は、粘度型属性及び摩擦型属性が、リンゴペクチンの濃度が増加するにつれてわずかに変化することを示す。例えば、
図12は、リンゴペクチンの濃度が増加するにつれて、摩擦型属性がわずかに減少する一方、粘度型属性がわずかに増加することを意味する。
【0199】
図13は、柑橘類ペクチン(PEC90)の粘度型属性が、濃度が増加するとわずかに増加することを示す。しかしながら、
図13はまた、柑橘類ペクチン(PEC90)の濃度が増加するにつれて、摩擦型属性が著しく減少する(より潤滑性になる)ことを意味する。
【0200】
図14は、濃度の増加と共に、キサンタンXMASの粘度型属性が著しく増加し、一方、摩擦型属性は変化しないことを示す。
【0201】
図15は、濃度の増加と共に、キサンタンXMMの粘度型属性が増加するが、キサンタンXMASの
図13に示されるものよりもゆっくりとした速度で増加することを示す。
図15はまた、キサンタンXMMの濃度を増加させることが、摩擦型属性をわずかに増加させることを意味する。
実施例4-コンピュータモデリングを使用した予測的ブレンド
【0202】
SARTORIUS STEDIM BIOTECH GMBH製多変量データ分析(Multivariate data analysis、MVDA)バッチプロセスコンピュータモデリング用プログラムBIOPAT MODDE及びBIOPAT SIMCAを使用して、リンゴペクチン(APec)、柑橘類ペクチン(PEC90)、キサンタンXMAS、キサンタンXMM、及びこれらの組み合わせの粘度型及び摩擦型属性に対する濃度効果を予測した。各プログラムは、可能な限りレギュラーコーラに近い粘度及び摩擦値を有するブレンドをもたらす試行反復で、レギュラーコーラの粘度及び摩擦を目標に設定された。結果を
図16~
図19に示す。
【0203】
図16~
図19に示されるモデリング結果は、それらのそれぞれの濃度が増加するにつれ、キサンタンXMASの粘度型属性の急激な増加、及びキサンタンXMMの粘度型属性のより緩やかな増加を予測している。
図16~
図19はまた、柑橘類ペクチン(PEC90)の濃度が増加するにつれて、摩擦型属性の急激な減少を予測している。
【0204】
図16は、約115ppmのリンゴペクチン及び約62ppmのキサンタンXMMが、レギュラーコーラベースのサンプルと同様の摩擦係数(約0.9)及び粘度(約1.1cP)を有するダイエットコーラベースのサンプルをもたらすことを意味する。
図17は、300ppmのリンゴペクチンが、粘度が少し低くても、レギュラーコーラベースのサンプルの摩擦係数及び粘度と類似するのにそれ自体で十分であり得ることを予測している。逆に、
図18は、約100ppmのリンゴペクチン及び約33ppmのキサンタンXMASが、レギュラーコーラベースのサンプルよりも高い粘度を有するダイエットベースのサンプルをもたらすことを予測している。
図19は、約100ppmのリンゴペクチン及び約36ppmのキサンタンXMMは、レギュラーコーラベースのサンプルの摩擦係数及び粘度と類似することを予測している。
実施例5-ブレンドの検証
【0205】
レギュラー及び「ゴールド」コーラベースを、実施例3に記載の手順に従って調製した。ダイエットコーラベースを、実施例1に記載の手順に従って調製し、6等分に分割した。表6に列挙された濃度のペクチン及び/又はキサンタンガムの組み合わせを6つのダイエットコーラベース部分のうちの5つに添加して、試験用のサンプルを生成した。
表6
【表6】
【0206】
実施例13に記載の手順に従って、各コーラベース及び各サンプルについて粘度及び摩擦係数を測定した。結果を表7及び
図20に示す。
表7
【表7】
【0207】
図20は、Pa
*m単位における、所与のサンプルの摩擦係数(y軸)対その正規化された摺動速度(x軸)のプロットである。各試験したサンプルについての
図20のピーク摩擦係数を表7に列挙し、キサンタンXMM又はキサンタンXMASのいずれかを有するリンゴペクチンをブレンドすることが、レギュラーコーラベースと同様のダイエットコーラベースにおける摩擦係数及び粘度をもたらすことを意味する。したがって、ダイエットコーラベースのサンプルに添加されると、表6に列挙したペクチン及びキサンタンガムのブレンドは、レギュラーコーラベースのサンプルと同様の口当たり特徴を呈する。
前記非栄養甘味料が、ステビオール配糖体、ラカンカ甘味料、ルブソシド、シアメノシド、モナチン、クルクリン、グリチルリチン酸、ネオヘスペリジン、ジヒドロカルコン、グリチルリチン、グリチフィリン、フロリジン、トリロバチン、フィロズルチン、ブラゼイン、ヘルナンズルチン、オスラジン、ポリポドシドA、バイユノシド、プテロカリオシドA及びB、ムクロジオシド、タウマチン、モネリン、マビンリンI及びII、フロミソシドI、ペリアンドリンI、アブルソシドA、並びにシクロカリオシドI、モグロシドIV、モグロシドV、又はこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1に記載の飲料。
前記ステビオール配糖体が、ステビオシド、レバウジオシドA、レバウジオシドB、レバウジオシドC、レバウジオシドD、レバウジオシドE、レバウジオシドF、レバウジオシドG、レバウジオシドH、レバウジオシドI、レバウジオシドJ、レバウジオシドK、レバウジオシドL、レバウジオシドM、レバウジオシドN、レバウジオシドO、レバウジオシドP、レバウジオシドQ、ステビオールビオシド、ズルコシドA、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項17に記載の飲料。
前記飲料が、炭酸飲料、非炭酸飲料、ファウンテン飲料、冷凍飲料、冷凍炭酸飲料、果汁、果汁風味ドリンク、果実風味ドリンク、コーラ飲料、スポーツドリンク、エネルギードリンク、強化/増強水ドリンク、風味水、大豆ドリンク、野菜ドリンク、穀物系ドリンク、麦芽飲料、発酵ドリンク、ヨーグルトドリンク、ケフィア、コーヒー飲料、茶飲料、乳製品飲料、スムージードリンク、カフェイン添加エネルギードリンク、又はアルコール飲料である、請求項1に記載の飲料。