(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023113671
(43)【公開日】2023-08-16
(54)【発明の名称】表示制御装置、及び表示制御方法
(51)【国際特許分類】
G08B 17/00 20060101AFI20230808BHJP
G08B 23/00 20060101ALI20230808BHJP
G08B 5/00 20060101ALI20230808BHJP
G09G 5/00 20060101ALI20230808BHJP
G09F 19/00 20060101ALI20230808BHJP
【FI】
G08B17/00 L
G08B23/00 510D
G08B5/00 S
G09G5/00 510B
G09G5/00 510H
G09G5/00 555D
G09G5/00 510Z
G09G5/00 510X
G09F19/00 Z
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023079273
(22)【出願日】2023-05-12
(62)【分割の表示】P 2019082749の分割
【原出願日】2019-04-24
(71)【出願人】
【識別番号】000003403
【氏名又は名称】ホーチキ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100161506
【弁理士】
【氏名又は名称】川渕 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100171446
【弁理士】
【氏名又は名称】高田 尚幸
(72)【発明者】
【氏名】菊池 浩生
(72)【発明者】
【氏名】樋口 豊
(57)【要約】 (修正有)
【課題】デジタルサイネージに広告が表示されている場合であっても、発信機の存在を認識し易くすることができる表示制御装置、表示制御方法を提供する。
【解決手段】広告表示システム1において、表示制御装置20は、受信機10と通信する通信部21と、通常時において、デジタルサイネージ30に、火災への対応とは関連しない画像を表示させる表示制御部23と、デジタルサイネージ30に表示された画像に対する操作を示す操作信号を取得する操作信号取得部であるNW通信部22と、を備える。表示制御部23は、デジタルサイネージ30に、火災の発生を示す火災信号を送信する操作に用いられる発信機画像を表示させ、通信部21は、操作信号取得部により発信機画像に対する操作信号が取得された場合、受信機10に火災信号を送信する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
受信機と通信する通信部と、
通常時において、デジタルサイネージに、火災への対応とは関連しない画像を表示させる表示制御部と、
前記デジタルサイネージに表示された画像に対する操作を示す操作信号を取得する操作信号取得部と、
を備え、
前記表示制御部は、前記デジタルサイネージに、火災の発生を示す火災信号を送信する操作に用いられる発信機画像を表示させ、
前記通信部は、前記操作信号取得部により前記発信機画像に対する前記操作信号が取得された場合、前記受信機に前記火災信号を送信する、
表示制御装置。
【請求項2】
建物を警備するための警備センターと通信する通信部と、
通常時において、デジタルサイネージに、広告画像を表示させる表示制御部と、
前記デジタルサイネージに表示された画像に対する操作を示す操作信号を取得する操作信号取得部と、
を備え、
前記表示制御部は、前記デジタルサイネージに、非常時における通報の操作に用いられる非常通報画像を表示させ、
前記通信部は、前記操作信号取得部により前記非常通報画像に対する前記操作信号が取得された場合、前記警備センターに前記通報を送信する、
表示制御装置。
【請求項3】
通信手段により、受信機と通信し、
表示制御手段により、通常時において、デジタルサイネージに、火災への対応とは関連しない画像を表示させ、
操作信号取得手段により、前記デジタルサイネージに表示された画像に対する操作を示す操作信号を取得する、
表示制御方法であって、
前記表示制御手段において、前記デジタルサイネージに、火災の発生を示す火災信号を送信する操作に用いられる発信機画像を表示させ、
前記通信手段において、前記操作信号取得手段により前記発信機画像に対する前記操作信号が取得された場合、前記受信機に前記火災信号を送信する、
表示制御方法。
【請求項4】
通信手段により、建物を警備するための警備センターと通信し、
表示制御手段により、通常時において、デジタルサイネージに、広告画像を表示させ、
操作信号取得手段により、前記デジタルサイネージに表示された画像に対する操作を示す操作信号を取得する、
表示制御方法であって、
前記表示制御手段において、前記デジタルサイネージに、非常時における通報の操作に用いられる非常通報画像を表示させ、
前記通信手段において、前記操作信号取得手段により前記非常通報画像に対する前記操作信号が取得された場合、前記警備センターに前記通報を送信する、
表示制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示制御装置、及び表示制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、建物に火災が発見された場合に備えて、火災の発生を知らせる発信機が設置されている。発信機は防災上重要な設備であるため、存在が認識し易くなるような工夫がなされている。例えば、発信機は人目に付きやすいよう赤で塗装されている。また、発信機には火災発見時に容易に操作できるよう比較的大型の押しボタン(発報ボタン)を設けられている。
一方、駅や商業施設等の建物では、人が多く集まることを利用して、壁面や柱にデジタルサイネージが設けられている。デジタルサイネージには、設置された地域に即したキャンペーンなどのリアルタイムな情報を人目に付くように表示することができるため、従来の紙広告等と比較して優れた広告効果を発揮している(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、デジタルサイネージが設けられている場所では、デジタルサイネージに表示される広告等の画像が目立つ一方で、発信機の存在が認識し難くなる問題があった。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、その目的は、デジタルサイネージに広告が表示されている場合であっても、発信機の存在を認識し易くすることができる表示制御装置、及び表示制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するために、本発明の一実施形態は、受信機と通信する通信部と、通常時において、デジタルサイネージに、火災への対応とは関連しない画像を表示させる表示制御部と、前記デジタルサイネージに表示された画像に対する操作を示す操作信号を取得する操作信号取得部と、を備え、前記表示制御部は、前記デジタルサイネージに、火災の発生を示す火災信号を送信する操作に用いられる発信機画像を表示させ、前記通信部は、前記操作信号取得部により前記発信機画像に対する前記操作信号が取得された場合、前記受信機に前記火災信号を送信する、表示制御装置である。
【0007】
また、本発明の一実施形態は、建物を警備するための警備センターと通信する通信部と、通常時において、デジタルサイネージに、広告画像を表示させる表示制御部と、前記デジタルサイネージに表示された画像に対する操作を示す操作信号を取得する操作信号取得部と、を備え、前記表示制御部は、前記デジタルサイネージに、非常時における通報の操作に用いられる非常通報画像を表示させ、前記通信部は、前記操作信号取得部により前記非常通報画像に対する前記操作信号が取得された場合、前記警備センターに前記通報を送信する、表示制御装置である。
【0008】
また、本発明の一実施形態は、通信手段により、受信機と通信し、表示制御手段により、通常時において、デジタルサイネージに、火災への対応とは関連しない画像を表示させ、操作信号取得手段により、前記デジタルサイネージに表示された画像に対する操作を示す操作信号を取得する、表示制御方法であって、前記表示制御手段において、前記デジタルサイネージに、火災の発生を示す火災信号を送信する操作に用いられる発信機画像を表示させ、前記通信手段において、前記操作信号取得手段により前記発信機画像に対する前記操作信号が取得された場合、前記受信機に前記火災信号を送信する、表示制御方法である。
【0009】
また、本発明の一実施形態は、通信手段により、建物を警備するための警備センターと通信し、表示制御手段により、通常時において、デジタルサイネージに、広告画像を表示させ、操作信号取得手段により、前記デジタルサイネージに表示された画像に対する操作を示す操作信号を取得する、表示制御方法であって、前記表示制御手段において、前記デジタルサイネージに、非常時における通報の操作に用いられる非常通報画像を表示させ、前記通信手段において、前記操作信号取得手段により前記非常通報画像に対する前記操作信号が取得された場合、前記警備センターに前記通報を送信する、表示制御方法である。
【発明の効果】
【0010】
以上説明したように、この発明によれば、デジタルサイネージに広告が表示されている場合であっても、発信機の存在を認識し易くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】第1の実施形態に係る表示制御装置20が適用される広告表示システム1の構成例を示すブロック図である。
【
図2】第1の実施形態に係るコンテンツ情報記憶部24に記憶される情報の構成例を示す図である。
【
図3】第1の実施形態に係るデジタルサイネージ情報記憶部25に記憶される情報の構成例を示す図である。
【
図4A】第1の実施形態に係るデジタルサイネージ30に表示される画像の例を示す図である。
【
図4B】第1の実施形態に係るデジタルサイネージ30に表示される画像の例を示す図である。
【
図4C】第1の実施形態に係るデジタルサイネージ30に表示される画像の例を示す図である。
【
図5】第1の実施形態に係る表示制御装置20の処理の流れを示すフローチャートである。
【
図6A】第1の実施形態の変形例1に係るデジタルサイネージ30に表示される画像の例を示す図である。
【
図6B】第1の実施形態の変形例1に係るデジタルサイネージ30に表示される画像の例を示す図である。
【
図6C】第1の実施形態の変形例1に係るデジタルサイネージ30に表示される画像の例を示す図である。
【
図7】第1の実施形態の変形例1に係る表示制御装置20の処理の流れを示すフローチャートである。
【
図8】第2の実施形態に係るデジタルサイネージ30Aに表示される画像の例を示す図である。
【
図9A】第2の実施形態の変形例1に係るデジタルサイネージ30Aに表示される画像の例を示す図である。
【
図9B】第2の実施形態の変形例1に係るデジタルサイネージ30Aに表示される画像の例を示す図である。
【
図9C】第2の実施形態の変形例1に係るデジタルサイネージ30Aに表示される画像の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。
【0013】
(第1の実施形態)
まず、第1の実施形態について説明する。
図1は、第1の実施形態に係る表示制御装置20が適用される広告表示システム1の構成例を示すブロック図である。広告表示システム1は、例えば、受信機10と、表示制御装置20と、複数のデジタルサイネージ30(デジタルサイネージ30-1、30-2、…、30-N)(但し、Nは任意の自然数)と、通信ネットワークNWを備える。受信機10と表示制御装置20とは、通信可能に接続する。表示制御装置20とデジタルサイネージ30とは、通信ネットワークNWを介して通信可能に接続する。
【0014】
受信機10は、火災に関する様々な信号を受信し、受信した信号に基づいて火災が発生したと断定した場合に、非常ベルを作動させる。これにより、避難や初期消火活動を促すことが可能である。
【0015】
受信機10は、例えば、建物に設けられた発信機や感知器(共に不図示)と通信可能に接続する。発信機は、人が火災を発見した際に発報ボタンを押すことで、火災が発見されたことを示す信号(以下、火災信号という)を送信する機器である。感知器は、煙濃度などを計測することにより火災の発生を感知し、火災を感知した場合に火災が感知されたことを示す信号(以下、感知信号という)を送信する機器である。
【0016】
受信機10は、火災信号又は感知信号に基づいて火災が発生したと断定した場合、火災が発生したことを報知する信号(報知信号)を、受信機10と接続する各種の機器や装置(以下、接続機器等という)に送信する。接続機器等には、感知器、発信機、ガス漏れ警報器、防火扉及び防煙ダンパー等の監視装置や制御装置、及び表示制御装置20が含まれる。受信機10は、例えば、火災が発生した場所に応じて、その場所の近くに設けられている接続機器等を選択し、選択した機器に報知信号を送信する。
【0017】
受信機10は、例えば、通信部11を備える。通信部11は、表示制御装置20と通信を行う。例えば、通信部11は、表示制御装置20に報知信号を送信する。なお、通信部11は、表示制御装置20以外の装置であって受信機10を接続する装置の全部又は一部との通信を行うように構成されていてもよい。
【0018】
デジタルサイネージ30は、例えば、駅や建物の壁などに設置され、デジタルコンテンツを表示する表示装置である。デジタルコンテンツは、デジタル技術を用いた画像や動画像である。デジタルサイネージ30は、表示制御装置20の制御に応じて、画像や映像を表示する。
【0019】
また、本実施形態のデジタルサイネージ30は、表示した画像に対する操作を示す信号(以下、操作信号という)を取得する機能を備える。表示した画像に対する操作とは、例えば、画像を視認する通行人等により行われる操作であって、例えば、画像を選択したり、拡大又は縮小したり、変更したりする操作である。
【0020】
以下では、デジタルサイネージ30がタッチパネル式の表示装置であり、画像に対する操作がタッチパネルのタッチ機能を用いて行われる場合を例に説明する。しかしながら、これに限定されることはない。デジタルサイネージ30は、少なくとも、操作信号を取得する機能を備えていればよい。操作信号は、例えば、デジタルサイネージ30と接続する操作ボタンやポインティングデバイスが操作されたことを示す信号であってもよいし、操作を指示する音声を音声認識した結果を示す信号であってもよい。また、以下では、画像に対する操作がタッチパネルへのタッチ操作である場合を例に説明するが、画像に対する操作は、タッチパネルへのスワイプ操作であってもよいし、ピンチインやピンチアウトの操作であってもよい。
【0021】
デジタルサイネージ30は、例えば、NW通信部31と、操作入力部32と、表示部33とを備える。NW通信部31は、通信ネットワークNWを介して表示制御装置20と通信を行う。NW通信部31は、表示制御装置20から表示部33に表示させる画像の情報を取得し、取得した情報を表示部33に出力する。NW通信部31は、操作入力部32から表示部33に表示させた画像に対する操作を示す信号(以下、操作信号という)を取得し、取得した操作信号を表示制御装置20に送信する。
【0022】
操作入力部32は、操作信号が入力されるタッチパネルのタッチ機能部である。操作入力部32は、例えば、デジタルサイネージ30の表示画面にタッチ操作がなされた場合、タッチ操作がなされた箇所を検知し、タッチ操作がなされた旨、及びタッチ操作がなされた箇所を示す情報を、NW通信部31を介して表示制御装置20に送信する。
【0023】
表示部33は、NW通信部31を介して取得した画像の情報に基づいて、画像を表示する。なお、デジタルサイネージ30自身が、記憶部(不図示)にデジタルコンテンツを記憶していてもよい。この場合、NW通信部31は、デジタルサイネージ30自身が保有するデジタルコンテンツを一意に識別する識別番号(ID)を受信機10から受信する。表示部33は、デジタルコンテンツの識別番号(ID)に対応する画像を表示する。
【0024】
表示制御装置20は、デジタルサイネージ30に表示させる画像を制御する。また、表示制御装置20は、受信機10と通信を行い、「非常時」においてデジタルサイネージ30を発信機として機能させる。
【0025】
本実施形態における「非常時」とは、火災に関する非常時であって、例えば、通行人等により火災が発見される等して後述する非常時画像G2に対する操作がなされた場合、或いは、受信機10により火災信号が受信される等して、表示制御装置20に報知信号が送信された場合である。また、以下の説明において、非常時でない場合を「通常時」と称する。
【0026】
表示制御装置20は、例えば、通信部21と、NW通信部22と、表示制御部23と、コンテンツ情報記憶部24と、デジタルサイネージ情報記憶部25とを備える。通信部21は、受信機10と通信を行う。例えば、通信部21は、受信機10から報知信号を受信する。NW通信部22は、デジタルサイネージ30と、通信ネットワークNWを介して通信を行う。例えば、NW通信部22は、デジタルサイネージ30から操作信号を受信する。
【0027】
表示制御部23は、通常時において、広告画像G1と共に、非常時画像G2をデジタルサイネージ30に表示させる(
図4A参照)。広告画像G1は、企業等の広告主から依頼された広告や宣伝の内容を示した画像である。非常時画像G2は、非常時に対応する処理に紐づく画像であって、例えば、非常時の処理を示すアイコン画像である。
【0028】
表示制御部23は、通常時において、広告画像G1が、非常時画像G2と比較して人目に付くように表示させる。例えば、表示制御部23は、非常時画像G2を、広告画像G1と比較して表示面積が小さい画像にて表示させる。表示制御部23は、広告画像G1を画面中央に大きく表示させ、非常時画像G2を画面の隅に小さく表示させるようにしてもよい。或いは、表示制御部23は、広告画像G1を静止画像にて表示させたか動画像にて表示させたかに関わらず、非常時画像G2を静止画像にて表示させるようにしてもよい。広告画像G1を人目に付くように表示させることより、表示制御部23は、通常時において、デジタルサイネージ30を従来の広告媒体として機能させる。
【0029】
表示制御部23は、非常時画像G2に対する操作が行われた場合、発信機画像G3をデジタルサイネージ30に表示させる(
図4B参照)。発信機画像G3は、受信機10に火災信号を送信する操作(以下、発報操作という)を行う際に用いられる画像であって、例えば、発信機の形状を模した画像である。
【0030】
表示制御部23は、発報操作が容易となるように、発信機画像G3を表示させる。例えば、表示制御部23は、発信機画像G3を画面中央に大きく表示させる。或いは、表示制御部23は、発信機画像G3の一部を点滅して表示させるようにしてもよい。例えば、表示制御部23は、発信機画像G3において、「火災報知器」などと記載された表示盤や、押しボタン(発報ボタン)に相当する部分を点滅させる。これにより、発報操作を行うための画像であることを強調させたり、操作の対象となる部分を強調させたりすることができ、通行人等による発報操作を容易とすることができる。
【0031】
ここで、デジタルサイネージによる広告の掲載においては、広告を表示させた時間に応じた料金を請求するシステムである場合が多い。また、デジタルサイネージ30の側を通り過ぎた際に非常時画像G2に触れるなどして、通行人が意図せず非常時画像G2を操作してしまう場合があり得る。このような場合、非常時でないにも関わらず、非常時画像G2が誤って操作されて発信機画像G3が画面中央に大きく表示されてしまう。広告画像G1が発信機画像G3の下に隠れて表示されない状態にしてしまうと、その間の料金を広告主に請求することができなくなってしまう。一方、実際に火災が発見されて非常時画像G2が操作された場合には、発報操作が容易となるように、発信機画像G3を目立たせて表示させる必要がある。
【0032】
この対策として、表示制御部23は、発信機画像G3を表示させる際、広告画像G1を視認可能に表示させる。例えば、表示制御部23は、画像の透明度が大きい発信機画像G3を表示させる。画像の透明度とは、画像が透けて見える度合いであり、例えば、透明度が大きいほど透けて見え、透明度が小さいほど透けて見えない画像となる。具体的に、表示制御部23は、広告画像G1の上に重ねるように、透明度が大きい発信機画像G3を表示させる。すなわち、表示制御部23は、発信機画像G3を透けて表示させることにより、発信機画像G3を表示させた場合であっても、その下に表示されている広告画像G1を視認可能とすることができる。
【0033】
もっとも、発信機画像G3を表示させる際に広告画像G1を視認可能に表示させるか否かは、広告主の意向に沿うことが望ましい。例えば、火災が発生したと断定された場合に広告画像G1の表示を継続するか自粛するかを広告主との間で予め決定しておくことが望ましい。このような視認可能に表示させるか否か等の広告画像G1の表示の方法を示す情報は、例えば、コンテンツ情報記憶部24に記憶される。
【0034】
例えば、表示制御部23は、非常時画像G2に対する操作が行われた場合、すなわちNW通信部22を介して操作信号が受信された場合、コンテンツ情報記憶部24を参照し、発信機画像G3を表示させる際に、広告画像G1を視認可能に表示させるか否かを判定する。広告画像G1を視認可能に表示させる場合、表示制御部23は、透明度の高い発信機画像G3を広告画像G1の上に重ねるように表示させ、広告画像G1を視認可能とする。一方、広告画像G1を視認可能に表示させない場合、表示制御部23は、広告画像G1の表示に代えて、発信機画像G3を表示させる。或いは、表示制御部23は、広告画像G1の上に、透明度がない(又は極めて小さい)発信機画像G3を重ねて表示させるようにしてもよい。
【0035】
表示制御部23は、受信機10からの報知信号が受信された場合、対応画像G4をデジタルサイネージ30に表示させる(
図4C参照)。対応画像G4は、火災の発生への対応を示す画像であって、例えば、避難に関する情報や、火災に関する情報を示す画像である。避難に関する情報を示す画像は、例えば、現在地からの避難の経路を図で示したり、落ち着いて避難することや、周りの人と協力して避難すること、煙を吸い込まないように低い姿勢をとること等、避難のポイントを文字や絵で示したり、避難場所に指定されている公園や学校などの名称を示したりする画像である。火災に関する情報は、火災の発生場所を示したり、消火器や消火栓の使用方法などを文字や絵で示したりする画像である。このような、デジタルサイネージ30の設置場所を現在地とした場合の避難経路等、デジタルサイネージ30の設置場所に関する情報は、例えば、デジタルサイネージ情報記憶部25に記憶される。
【0036】
表示制御部23は、火災への対応が周知されるように、対応画像G4を表示させる。例えば、表示制御部23は、対応画像G4を画面中央に大きく表示させる。或いは、表示制御部23は、対応画像G4の一部を点滅して表示させるようにしてもよい。例えば、表示制御部23は、対応画像G4において、現在地を点滅させたり、避難経路を点滅する矢印で表示させたりする。これにより、現在地、及び避難の経路を強調させることができ、火災への対応を周知させることができる。
【0037】
なお、表示制御部23は、対応画像G4を表示させる際に、広告画像G1を視認可能に表示させてもよい。しかしながら、火災が発生したと断定された場合にまで広告画像G1を表示し続けるのは好ましくないと考える広告主も多いと考えられる。このため、例えば、火災が発生したと断定された場合に広告画像G1の表示を継続するか自粛するかを広告主との間で予め決定しておくことが望ましい。このような、広告画像G1の表示の方法を示す情報は、例えば、コンテンツ情報記憶部24に記憶される。
【0038】
例えば、表示制御部23は、火災が発生したと断定された場合、すなわち受信機10からの報知信号が受信された場合、コンテンツ情報記憶部24を参照し、広告画像G1の表示を継続するか自粛するかを判定する。広告画像G1の表示を継続する場合、表示制御部23は、広告画像G1の上に重ねるように透明度の高い対応画像G4を表示させ、広告画像G1を視認可能とする。一方、広告画像G1の表示を自粛する場合、表示制御部23は、広告画像G1の表示に代えて、対応画像G4を表示させる。或いは、表示制御部23は、広告画像G1の上に、透明度がない(又は極めて小さい)対応画像G4を重ねて表示させるようにしてもよい。
【0039】
コンテンツ情報記憶部24は、コンテンツ情報を記憶する。コンテンツ情報は、デジタルコンテンツに関する情報であり、例えば、デジタルコンテンツの概要や表示の方法を示す情報である。例えば、コンテンツ情報は、デジタルコンテンツ毎に作成される。
【0040】
図2は、第1の実施形態に係るコンテンツ情報記憶部24に記憶される情報の構成例を示す図である。
図2に示すように、コンテンツ情報は、例えば、デジタルコンテンツの概要を示す情報として、コンテンツID、及び広告主ID等の項目を有する。コンテンツIDは、デジタルコンテンツを一意に識別する識別情報である。広告主IDは、コンテンツIDに対応する広告を依頼した広告主を一意に識別する識別情報である。また、コンテンツ情報は、デジタルコンテンツの表示の方法を示す情報として、例えば、発信機画像G3の表示方法、及び対応画像G4の表示方法等の項目を有する。発信機画像G3の表示方法は、発信機画像G3を表示させる際にどのように表示させるかを示す情報であり、例えば、広告画像G1を視認可能に表示させるか否かを示す情報である。対応画像G4の表示方法は、対応画像G4を表示させる際にどのように表示させるかを示す情報であり、例えば、広告画像G1を視認可能に表示させるか否かを示す情報である。
【0041】
デジタルサイネージ情報記憶部25は、デジタルサイネージ情報を記憶する。デジタルサイネージ情報は、デジタルサイネージ30に関する情報であり、例えば、デジタルサイネージ30の概要を示す情報や、設置場所に関する情報である。例えば、デジタルサイネージ情報は、表示制御装置20表示を制御するデジタルサイネージ30毎に作成される。
【0042】
図3は、第1の実施形態に係るデジタルサイネージ情報記憶部25に記憶される情報の構成例を示す図である。
図3に示すように、デジタルサイネージ情報は、例えば、デジタルサイネージ30の概要を示す情報として、デジタルサイネージID等の項目を有する。デジタルサイネージIDは、デジタルサイネージ30を一意に識別する識別情報である。また、デジタルサイネージ情報は、設置場所に関する情報として、設置場所情報、避難経路情報、及び避難場所情報等の項目を有する。設置場所情報は、デジタルサイネージ30が設置されている場所や地域を示す情報である。避難経路情報は、デジタルサイネージ30が設置されている場所から避難する経路を示す情報である。避難場所情報は、デジタルサイネージ30が設置されている場所や地域において避難場所として指定されている学校や公園などの施設や場所を示す情報である。
【0043】
ここで、デジタルサイネージ30に表示される画像の例を、
図4A~
図4Cを用いて説明する。
図4A~
図4Cは、第1の実施形態に係るデジタルサイネージ30に表示される画像の例を示す図である。
図4Aは、通常時においてデジタルサイネージ30に表示される画像の例を示している。
図4Bは、非常時画像G2が操作された場合にデジタルサイネージ30に表示される画像の例を示している。
図4Cは、受信機10からの報知信号が受信された場合においてデジタルサイネージ30に表示される画像の例を示している。
【0044】
図4Aに示すように、通常時において、表示制御部23は、デジタルサイネージ30に広告画像G1と共に非常時画像G2を表示させる。この例では、表示制御部23は、広告画像G1を画面中央に大きく表示させ、非常時画像G2を画面下部の右端に小さく表示させている。
【0045】
図4Bに示すように、非常時画像G2が操作された場合、表示制御部23は、デジタルサイネージ30に発信機画像G3を表示させる。この例では、表示制御部23は、広告画像G1の上に重ねるようにして、発信機画像G3を画面中央に大きく表示させている。また、表示制御部23は、広告画像G1が視認可能となるように、発信機画像G3の透明度を大きくして表示させている。また、表示制御部23は、例えば、画面上部に「非常時対応画面」等の文字列を表示させて、非常時画像G2に対する操作が行われたことを示すようにしてもよい。また、表示制御部23は、画面下部に「火災を発見したら押してください」等の文字列を表示させて、発信機画像G3に対する操作方法を案内(ガイダンス)するようにしてもよい。
【0046】
図4Cに示すように、受信機10からの報知信号が受信された場合、表示制御部23は、デジタルサイネージ30に対応画像G4を表示させる。この例では、表示制御部23は、デジタルサイネージ30が設置された場所(現在地)から避難する経路を示す避難経路図を画面中央に大きく表示させている。また、表示制御部23は、広告画像G1の表示に代えて(つまり、広告画像G1の表示させることなく)、対応画像G4表示させている。この例に示すように、表示制御部23は、例えば、画面上部に「○○〇で火災発生」等の文字列を表示させて、火災が発生したこと、及び火災が発生した場所を示すようにしてもよい。また、表示制御部23は、画面下部に「落ち着いて避難してください」等の文字列を表示させるようにしてもよい。また、表示制御部23は、火災の進行や、避難の状況などを示す情報をデジタルサイネージ30に表示させるようにしてもよい。
【0047】
図5は、第1の実施形態に係る表示制御装置20の処理の流れを示すフローチャートである。本フローチャートの前提として、通常時をスタートとする。
【0048】
ステップS10において、表示制御装置20は、広告画像G1と共に、非常時画像G2をデジタルサイネージ30に表示させる。
ステップS11において、表示制御装置20は、非常時画像G2が操作されたか否かを判定する。表示制御装置20は、デジタルサイネージ30から、非常時画像G2が表示された箇所においてタッチ操作がなされたことを示す操作情報を受信した場合、非常時画像G2が操作されたと判定する。表示制御装置20は、非常時画像G2が操作されたと判定する場合、ステップS12に進む。一方、表示制御装置20は、非常時画像G2が操作されていないと判定する場合、ステップS15に進む。
ステップS12において、表示制御装置20は、発信機画像G3をデジタルサイネージ30に表示させる。表示制御装置20は、例えば、コンテンツ情報記憶部24を参照し、現在表示させている広告画像G1のコンテンツ情報を取得する。表示制御装置20は、取得したコンテンツ情報に示される発信機画像G3の表示方法に応じて、発信機画像G3を表示させる。表示制御装置20は、例えば、広告画像G1が視認可能となるように、透明度を大きくした発信機画像G3を広告画像G1の上に重ねるように表示させる。
【0049】
ステップS13において、表示制御装置20は、発信機画像G3に対する操作(発報操作)がなされたか否かを判定する。表示制御装置20は、デジタルサイネージ30から、発信機画像G3が表示された箇所においてタッチ操作がなされたことを示す操作情報を受信した場合、発信機画像G3が操作されたと判定する。表示制御装置20は、発信機画像G3が操作されたと判定する場合、ステップS14に進む。一方、表示制御装置20は、発信機画像G3が操作されていないと判定する場合、ステップS13に戻る。
ステップS14において、表示制御装置20は、受信機10に火災信号を送信する。
【0050】
ステップS15において、表示制御装置20は、受信機10からの報知信号を受信したか否かを判定する。表示制御装置20は、受信機10からの報知信号を受信した場合、ステップS16に進む。一方、表示制御装置20は、受信機10からの報知信号を受信しない場合、ステップS10に戻る。
ステップS16において、表示制御装置20は、対応画像G4をデジタルサイネージ30に表示させる。表示制御装置20は、例えば、デジタルサイネージ情報記憶部25を参照し、デジタルサイネージ30のデジタルサイネージ情報を取得する。例えば、表示制御装置20は、取得したデジタルサイネージ情報に示される避難経路情報に応じて、対応画像G4としての避難経路図を表示させる。
【0051】
以上説明した通り、第1の実施形態の表示制御装置20は、通信部21とNW通信部22(操作信号取得部の一例)と表示制御部23を備える。通信部21は、受信機10と通信する。NW通信部22は、デジタルサイネージ30に表示された画像に対する操作を示す操作信号を取得する。表示制御部23は、デジタルサイネージ30に、広告画像G1と共に、非常時画像G2を表示させる。表示制御部23は、非常時画像G2に対する操作信号が取得された場合、発信機画像G3を表示させ、通信部21は、発信機画像G3に対する操作信号が取得された場合、受信機10に発報信号を送信する。
【0052】
これにより、第1の実施形態の表示制御装置20は、デジタルサイネージ30に広告画像G1が表示されている場合であっても、非常時画像G2が操作されることにより発信機画像G3を表示させることができるために、発信機の存在を認識し易くすることができる。
【0053】
また、第1の実施形態の表示制御装置20では、表示制御部23は、広告画像G1を視認可能に、発信機画像G3を表示させるため、発信機画像G3を表示させることによる広告効果の損失を抑制することが可能である。
【0054】
以上説明したように、第1の実施形態の表示制御装置20は、火災の発生を報知する報知信号が受信された場合、対応画像G4を表示させるため、火災が発生した場合に避難誘導や避難場所の周知等の必要な通知を行うことができるために、火災に適切に対応することができる。
【0055】
(第1の実施形態の変形例1)
次に、第1の実施形態の変形例1について説明する。本変形例では、感知器が作動した場合に実際に火災が発生しているか否かを判定する点において、上述した実施形態と相違する。以下では、上述した実施形態と相違する構成についてのみ説明し、上述した実施形態と同等の構成については同じ符号を付してその説明を省略する。
【0056】
一般に、人が発信機を押すという行為は、いたずらを除いて、現に人が火災の発生を確認していることから、直ちに火災が発生したと断定することができる。
これに対し、感知器による火災の感知は、誤作動である場合があることが知られている。感知器は、感知器の計測領域に流入した大気の煙濃度等を計測し、計測値が予め定めた閾値を超えた場合、自動的に感知信号を発信する構成を備えるものが一般的である。このため、感知器の設置場所によっては、煙草や線香の煙、或いはキッチンやバスルームから出る湯気等により、頻繁に誤動作を繰り返してしまう場合があり得るためである。このため、感知器が作動した場合に、直ちに火災が発生したと断定するのは運用上好ましくない。
【0057】
この対策として、本実施形態では、感知器が作動した場合に、実際に火災が発生しているか否かの判定を行う。具体的に、受信機10は、感知器から火災が感知されたことを示す感知信号を受信した場合、表示制御装置20に、火災が発生したかを通行人等に確認させる旨を指示する信号(以下、確認信号)を送信する。確認信号には、感知器により火災が感知されたこと、及び火災を感知した感知器の設置場所を示す情報が含まれる。
【0058】
本変形例において、表示制御装置20は、上述した実施形態と同様に、通信部21と、NW通信部22と、表示制御部23と、コンテンツ情報記憶部24を備える。
通信部21は、受信機10から確認信号を受信し、受信した確認信号に含まれる情報を表示制御部23に出力する。
表示制御部23は、確認信号に含まれる、火災を感知した感知器の設置場所を示す情報に基づいて、デジタルサイネージ情報記憶部25を参照する。表示制御部23は、デジタルサイネージ情報記憶部25に示されるデジタルサイネージ30の設置場所情報を取得し、取得した設置場所情報に基づいて火災を感知した感知器の設置場所の近傍に設置されているデジタルサイネージ30を抽出する。表示制御装置20は、抽出した火災を感知した感知器の設置場所の近傍に設置されているデジタルサイネージ30に、NW通信部22を介して画像の情報を送信することにより発信機画像G3を表示させる。
【0059】
なお、表示制御部23は、上述した実施形態と同様に、デジタルサイネージ30に発信機画像G3を表示させる際にコンテンツ情報記憶部24を参照し、予め定められた表示方法にて発信機画像G3を表示させるようにしてもよい。
【0060】
ここで、本変形例においてデジタルサイネージ30に表示される画像の例を、
図6A~
図6Cを用いて説明する。
図6A~
図6Cは、第1の実施形態の変形例1に係るデジタルサイネージ30に表示される画像の例を示す図である。
図6Aは、通常時においてデジタルサイネージ30に表示される画像の例を示している。
図6Bは、表示制御装置20が確認信号を受信した場合にデジタルサイネージ30に表示される画像の例を示している。
図6Cは、受信機10からの報知信号が受信された場合においてデジタルサイネージ30に表示される画像の例を示している。
図6Aは
図4Aと同様であり、
図6Cは
図4Cと同様であるため、その説明を省略する。
【0061】
図6Bに示すように、表示制御装置20が確認信号を受信した場合、表示制御部23は、デジタルサイネージ30に発信機画像G3を表示させる。この例では、表示制御部23は、広告画像G1の上に重ねるようにして、発信機画像G3を画面中央に大きく表示させている。また、表示制御部23は、広告画像G1が視認可能となるように、発信機画像G3の透明度を大きくして表示させている。また、表示制御部23は、例えば、画面上部に「この付近の感知器が作動しました」等の文字列を表示させて、感知器が火災を感知したことを示すようにしてもよい。また、表示制御部23は、
図4Bと同様に、画面下部に「火災を発見したら押してください」等の文字列を表示させて、発信機画像G3に対する操作方法を案内(ガイダンス)するようにしてもよい。
【0062】
図7は、第1の実施形態の変形例1に係る表示制御装置20の処理の流れを示すフローチャートである。本フローチャートのステップS20、S22~S26に示す処理は、
図5におけるフローチャートのステップS10、S12~S16に示す処理と同様であるため、その説明を省略する。
ステップS21において、表示制御装置20は、受信機10からの確認信号を受信したか否かを判定する。表示制御装置20は、受信機10からの確認信号を受信した場合、ステップS22に進む。一方、表示制御装置20は、受信機10からの確認信号を受信しない場合、ステップS20に戻る。
【0063】
以上説明したように、第1の実施形態の変形例1に係る表示制御装置20では、表示制御部23は、通信部21により火災に関する感知を示す感知信号が受信された場合、発信機画像G3を表示させる。このため、第1の実施形態の変形例1に係る表示制御装置20では、感知器が作動した場合に、付近のデジタルサイネージ30に発信機画像G3を表示させ、実際に火災が発生しているのかを通行人等に確認させることが可能となる。
【0064】
(第2の実施形態)
次に第2の実施形態について説明する。本実施形態では、デジタルサイネージ30の一部のみがタッチパネルである点において、上述した実施形態と相違する。一般的なデジタルサイネージには、タッチパネルではない表示機能のみを有するものが多い。本実施形態では、このような表示機能のみを有するデジタルサイネージに、タッチパネル付きの表示装置を追加することにより、非常時において発信機として機能させる。以下では、上述した実施形態と相違する構成について、表示制御装置20A、デジタルサイネージ30Aというように、符号の末尾に「A」の符号を追加して説明する。また、上述した実施形態と同じの構成についてはその説明を省略する。
【0065】
図8は、第2の実施形態に係るデジタルサイネージ30Aに表示される画像の例を示す図である。
図8では、通常時における表示の例を示している。
図8に示すように、デジタルサイネージ30Aは、表示部33Aとして、二つの表示画面(表示画面330、及び331)を有する。表示画面330は、タッチ機能を備えていない表示機能のみのディスプレイである。表示画面331は、タッチ機能(操作入力部32の一例)を備えるディスプレイである。デジタルサイネージ30Aは、例えば表示画面330と、表示画面331とを並べて設置し、あたかも一台の大きなディスプレイであるかのように一続きに表示させる。つまり、デジタルサイネージ30Aは、少なくとも一部にタッチ機能を有するマルチディスプレイである。なお、
図8の例では、デジタルサイネージ30Aが二つの表示画面を備える場合を示しているが、複数の表示画面により構成されてもよいのは勿論である。
【0066】
本実施形態の表示制御装置20Aは、表示制御部23Aを備える。
図8に示すように、表示制御部23Aは、通常時において、広告画像G1と共に非常時画像G2Aを表示画面330に表示させ、発信機画像G3を表示画面331に表示させる。非常時画像G2Aは、発信機画像G3の表示位置を示す画像である。この例では、非常時画像G2Aは、発信機画像G3の表示位置の方向を矢印で示す画像である。
【0067】
表示制御部23Aは、確認信号を取得した場合、非常時画像G2Aを、通常時の表示よりも目立たせるように表示させる。感知信号は、感知器により火災が感知された場合に、受信機10により、実際に火災が発生しているか否かを通行人等に確認させるために表示制御装置20Aに送信される信号である。
【0068】
例えば、表示制御部23Aは、確認信号を取得した場合、非常時画像G2Aを、広告画像G1の上に重ねるようにして画面中央に大きく表示させる。或いは、表示制御部23Aは、非常時画像G2Aを点滅させてもよいし、発信機画像G3に近づくように動く動画像にて表示させるようにしてもよい。また、表示制御部23Aは、広告画像G1の上に重ねるように非常時画像G2Aを表示させる場合において、広告画像G1が視認可能となるように、非常時画像G2Aの透明度を大きくして表示させるようにしてもよい。
【0069】
以上説明したように、第2の実施形態の広告表示システム1Aでは、デジタルサイネージ30Aが少なくとも一部にタッチ機能を有するマルチディスプレイである。操作入力部32は、通常時においてタッチ機能を有しない表示画面330に広告画像G1と非常時画像G2Aを表示させ、タッチ機能を有する表示画面331に発信機画像G3を表示させる。これにより、第2の実施形態の広告表示システム1では、デジタルサイネージ30Aを発信機として作動させることが可能である。また、表示制御部23Aは、確認信号を取得した場合、非常時画像G2Aを、通常時の表示よりも目立たせるように表示させる。これにより、実際に火災が発生しているか確認してほしい場面において、発信機の存在を通行人により強く認識させることができる。
【0070】
(第2の実施形態の変形例1)
次に、第2の実施形態の変形例1について説明する。本変形例では、広告画像G1を時分割にて切り替えて表示させる点において、上述した実施形態と異なる。一般に、人の目は、動くものに対し、その動きを目で追う性質がある。本変形例では、広告画像G1を順次切り替えて表示させ、広告画像G1を発信機画像G3が表示されている領域に近づく方向に移動させる。こうすることで、通行人に発信機の存在をより認識させるようにする。
【0071】
以下では、デジタルサイネージ30Aが、上述した第2の実施形態と同様なマルチディスプレイで構成される場合を例示して説明するが、これに限定されない。デジタルサイネージ30A(30)は第1の実施形態におけるタッチ機能を有する一つのディスプレイであってもよい。
【0072】
図9A~
図9Cは、第2の実施形態の変形例1に係るデジタルサイネージ30Aに表示される画像の例を示す図である。
図9A~
図9Cは、通常時において、デジタルサイネージ30Aに表示される画像の時系列変化を示している。
【0073】
図9Aに示す通り、表示制御部23Aは、デジタルサイネージ30の表示画面を複数の分割領域E(分割領域E1~E3)に分割して、分割領域Eそれぞれに画像を表示させる。
具体的に、表示制御部23Aは、複数の分割領域Eのうち、タッチ機能を有する表示画面331にある分割領域E2に発信機画像G3を表示させる。表示制御部23Aは、デジタルサイネージ30の表示画面のうち、分割領域E2とは異なる分割領域E1、及びE3に、互いに異なる二つの広告画像G11、G12を所定の時間区間で表示させる。ここで、分割領域E2は「第1領域」の一例である。分割領域E1、E3は「第2領域」の一例である。
図9Bに示す通り、表示制御部23Aは、
図9Aに示す表示をさせてから、所定の時間区間が経過すると、広告画像G1の表示を切り替える。具体的に、表示制御部23Aは、分割領域E1に広告画像G13を表示させ、分割領域E3に広告画像G11を表示させる。
図9Cに示す通り、表示制御部23Aは、
図9Bに示す表示をさせてから、所定の時間区間が経過すると、広告画像G1の表示を切り替える。具体的に、表示制御部23Aは、分割領域E1に広告画像G12を表示させ、分割領域E3に広告画像G13を表示させる。
【0074】
このように、表示制御部23Aは、
図9Aから
図9B、
図9Bから
図9C、
図9Cから
図9A…のように所定の時間区間ごとに表示を切り替える。つまり、表示制御部23Aは、広告画像G1の表示領域が、分割領域E2(発信機画像G3が表示されている領域)に近づく方向に移動するように順に表示させる。
【0075】
以上説明したように、第2の実施形態の変形例1に係る表示制御装置20Aでは、NW通信部22は、デジタルサイネージ30Aに、広告画像G1と発信機画像G3とを表示させる。表示制御部23は、発信機画像G3を表示させる分割領域E2とは異なる領域(分割領域E1、E3)の各々に、広告画像G1が分割領域E2に近づく方向に移動するように、順次、分割領域E1の表示領域を切り替える。これにより、通行人に発信機画像G3の存在をより強く認識させることが可能である。
【0076】
なお、上記では、広告画像G1の表示領域が、分割領域E2に近づく方向に移動するように切り替える場合を例示して説明したが、広告画像G1の表示領域が、分割領域E2から遠ざかる方向に移動するように切り替えてもよい。発信機画像G3に近づく、或いは遠ざかる方向の動線を、通行人に意識させることで、動線の終点、或いは始点にある発信機画像G3の存在が認識されやすくなる。
【0077】
なお、上述した少なくとも一つの実施形態では、通常時において、デジタルサイネージ30に、広告画像G1と非常時画像G2とを表示させる場合を例示して説明したが、通常時において、デジタルサイネージ30に、表示可能なコンテンツの一覧を示すメニューバー等を表示するようにしてもよい。メニューバーには、例えば、建物のフロアガイドや、キャンペーン情報、安売り情報などと共に、非常ボタンのメニューが選択可能に表示される。そして、例えば、通行人のタッチ操作により非常ボタンが選択されると、発信機画像G3や対応画像G4等がデジタルサイネージ30に表示される。
【0078】
また、上記では、通常時において、デジタルサイネージ30に広告画像G1が表示される場合を例に説明したが、これに限定されることはない。広告画像G1に代えて、或いは広告画像G1と共に、フロアガイドなどの案内図や、ニュースや天気予報などの情報を示す画像がデジタルサイネージ30に表示されてもよい。
【0079】
また、上記では、画面に対する操作としてタッチ操作が検出された場合に操作信号が出力される場合を例示して説明したが、これに限定されない。画面に対する操作における、いたずら防止、誤操作防止のため、画面に長押しや複数回(例えば三回)連続の操作が検出された場合に操作信号が出力されるようにしてもよい。
【0080】
また、発信機により火災信号が出力された場合、付近のデジタルサイネージ30に、近くの発信機が作動した旨を示す画像を表示させるようにしてもよい。
受信機10は、発信機から火災信号を受信した場合、表示制御装置20に、確認信号を送信する。確認信号には、発信機により火災信号が出力されたこと、及び火災信号を出力した発信機の設置場所を示す情報が含まれる。表示制御装置20は、受信機10から確認信号を受信し、受信した確認信号に含まれる発信機の設置場所を示す情報に基づいて、作動した発信機の付近に設置されているデジタルサイネージ30に発信機画像G3を表示させる。この場合、表示制御装置20は、デジタルサイネージ30の表示画面に「付近の発信機が作動しました」等のメッセージを、発信機画像G3と共に表示させるようにしてもよい。これにより、発信機により火災信号が場合に、実際に火災が発生しているのか否かを判定することができる。或いは、火災が発生している場合において、その火災がどこまで広がっているのかを判定することが可能となる。
【0081】
また、広告表示システム1において、表示制御装置20により複数のデジタルサイネージ30が制御される場合において、特定のデジタルサイネージ30から発報操作がなされた場合に、他のデジタルサイネージ30に、その旨を表示させるようにしてもよい。
表示制御装置20は、特定のデジタルサイネージ30から発報操作がなされたことを示す操作信号を受信した場合、受信機10に火災信号を送信する。また、表示制御装置20は、他のデジタルサイネージ30の発信機画像G3を表示させる。この場合、表示制御装置20は、デジタルサイネージ30の表示画面に「付近の発信機が作動しました」等のメッセージを、発信機画像G3と共に表示させるようにしてもよい。
また、表示制御装置20は、その特定のデジタルサイネージ30の設置場所情報に基づいて、その付近にあるデジタルサイネージ30に、発信機画像G3と共に表示させるようにしてもよい。ここでの付近にあるデジタルサイネージ30とは、例えば、特定のデジタルサイネージ30が設けられているフロア(火災階)と、そのすぐ上の階(直上階)である。これにより、通行人による火災の確認の結果(第二発報)を取得することができ、実際に火災が発生しているのか否か、或いは、火災の規模を判定することが可能となる。
【0082】
(実施形態の変形例2)
次に、実施形態の変形例について説明する。本変形例では、表示制御装置20(20A)を火災以外の防災や防犯に用いられるようにする。
例えば、表示制御装置20(20A)は、非常時画像G2が操作されたときに発信機画像G3に加えて、もしくは発信機画像G3に替えて、非常通報画像を表示する。非常通報画像は、非常時における通報の操作を行う際に用いられる画像であって、例えば、電話機や、電話機の受話器の形状を模した画像である。また、非常通報画像には「通報する」「押す」などの文字が付されていてもよい。
例えば、通行人により非常通報画面が操作されたとき、建物の警備センターや受信機10(以下、警備センター等という)に警報が通知される。警報は、例えば、非常時を知らせる旨、及び非常通報画面が操作されたデジタルサイネージ30の設置場所を示す情報が含まれる信号である。
また、非常通報画面が操作された際に、警報が行われると共に、建物の警備センター等のモニターに、デジタルサイネージ30の設置場所や、設置領域を含む範囲を撮像する監視カメラの画像を表示させるようにしてもよい。この場合、表示制御装置20(20A)は、例えば、監視カメラの画像を取得する画像取得部を備える。画像取得部は、非常通報画面が操作された場合、監視カメラの画像を取得し、取得した画像を、通信部21を介して建物の警備センター等に送信する。
また、非常通報画面が操作された際に、操作した通行人が、建物の警備センター等と通話ができるようにしてもよい。この場合、デジタルサイネージ30は、例えば、マイクとスピーカとを備える。表示制御装置20(20A)は、非常通報画面が操作された際に、デジタルサイネージ30のマイクに入った通行人の音声を取得し、取得した音声を建物の警備センター等に送信する。また、表示制御装置20(20A)は、建物の警備センター等から通知された警備員等の音声を取得し、取得した音声をデジタルサイネージ30に送信してデジタルサイネージ30のスピーカから出力させる。
【0083】
上述した実施形態における表示制御装置20、20Aの全部または一部をコンピュータで実現するようにしてもよい。その場合、この機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現してもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでもよい。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよく、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよく、FPGA等のプログラマブルロジックデバイスを用いて実現されるものであってもよい。
【0084】
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【符号の説明】
【0085】
1…広告表示システム
10…受信機
20…表示制御装置
21…通信部
22…NW通信部(操作信号取得部)
23…表示制御部
24…コンテンツ情報記憶部
25…デジタルサイネージ情報記憶部
30…デジタルサイネージ
31…NW通信部
32…操作入力部
33…表示部
G1…広告画像
G2…非常時画像
G3…発信機画像
G4…避難画像(対応画像)