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特開2023-113699ピロロベンゾジアゼピン二量体前駆体及びそのリガンド-リンカーコンジュゲート化合物
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  • 特開-ピロロベンゾジアゼピン二量体前駆体及びそのリガンド-リンカーコンジュゲート化合物 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023113699
(43)【公開日】2023-08-16
(54)【発明の名称】ピロロベンゾジアゼピン二量体前駆体及びそのリガンド-リンカーコンジュゲート化合物
(51)【国際特許分類】
   C07H 15/26 20060101AFI20230808BHJP
   A61K 31/551 20060101ALI20230808BHJP
   A61K 47/64 20170101ALI20230808BHJP
   A61P 9/10 20060101ALI20230808BHJP
   A61P 17/06 20060101ALI20230808BHJP
   A61P 19/00 20060101ALI20230808BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20230808BHJP
   A61P 35/02 20060101ALI20230808BHJP
【FI】
C07H15/26 CSP
A61K31/551
A61K47/64
A61P9/10
A61P17/06
A61P19/00
A61P35/00
A61P35/02
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023081396
(22)【出願日】2023-05-17
(62)【分割の表示】P 2019515212の分割
【原出願日】2018-03-29
(31)【優先権主張番号】10-2017-0039841
(32)【優先日】2017-03-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2018-0036895
(32)【優先日】2018-03-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】511071304
【氏名又は名称】レゴケム バイオサイエンシズ, インク.
【氏名又は名称原語表記】LEGOCHEM BIOSCIENCES, INC.
【住所又は居所原語表記】10,Gukjegwahak 10-ro,Yuseong-gu,Daejeon 34002 Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】弁理士法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ソン,ホ ユン
(72)【発明者】
【氏名】キム,スン ミン
(72)【発明者】
【氏名】キム,ヒョン レ
(72)【発明者】
【氏名】パーク,キュン ウン
(72)【発明者】
【氏名】チュン,チュル-ウン
(72)【発明者】
【氏名】パーク,ユン-へ
(72)【発明者】
【氏名】チョイ,ヒョ ジュン
(72)【発明者】
【氏名】リー,ス イン
(72)【発明者】
【氏名】ベク,ジュエル
(72)【発明者】
【氏名】リー,ヒュン ジュン
(72)【発明者】
【氏名】リー,ジュ ユン
(72)【発明者】
【氏名】オー,ジヘ
(72)【発明者】
【氏名】チェ,ジェイウク
(72)【発明者】
【氏名】オー,ヨン スー
(72)【発明者】
【氏名】キム,ヨン ジュ
(57)【要約】      (修正有)
【課題】がんなどの増殖性疾患を治療するためのピロロベンゾジアゼピン前駆体、及びそのリガンド-リンカーコンジュゲート化合物、それを含有する組成物、並びに、特に、抗がん剤としてのそれらの治療的使用を提供する。
【解決手段】ピロロベンゾジアゼピン二量体プロドラッグ、ピロロベンゾジアゼピン二量体プロドラッグの薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物、並びにピロロベンゾジアゼピン二量体プロドラッグ-リンカー化合物(例えば化合物28)を提供する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ピロロベンゾジアゼピン二量体プロドラッグ、又はピロロベンゾジアゼピン二量体プロドラッグの薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物であって、
-C(O)O*、-S(O)O*、-C(O)*、-C(O)NR*、-S(O)2NR*、-P(O)R'NR*、-S(O)NR*及び-PO2NR*からなる群から選択されるいずれか1つが、独立して、ピロロベンゾジアゼピン二量体のN10位及びN'10位のそれぞれと結合する
(式中、*は、リンカーが結合する部分を示し、
R及びR'は、それぞれ独立して、H、OH、N3、CN、NO2、SH、NH2、ONH2、NHNH2、ハロ、置換若しくは無置換のC1~8アルキル、置換若しくは無置換のC3~8シクロアルキル、置換若しくは無置換のC1~8アルコキシ、置換若しくは無置換のC1~8アルキルチオ、置換若しくは無置換のC3~20ヘテロアリール、置換若しくは無置換のC5~20アリール、又はモノ若しくはジC1~8アルキルアミノを示し、ここで、
C1~8アルキル、C3~8シクロアルキル、C1~8アルコキシ、C1~8アルキルチオ、C3~20ヘテロアリール及びC5~20アリールは、置換されている場合、H、OH、N3、CN、NO2、SH、NH2、ONH2、NNH2、ハロ、C1~6アルキル、C1~6アルコキシ及びC6~12アリールからなる群から選択される置換基で置換される)、
ピロロベンゾジアゼピン二量体プロドラッグ又はピロロベンゾジアゼピン二量体プロドラッグの薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物。
【請求項2】
ピロロベンゾジアゼピン二量体プロドラッグが、以下の化学式Ia又はIa'によって表される構造を有する、請求項1に記載のピロロベンゾジアゼピン二量体プロドラッグ、又はピロロベンゾジアゼピン二量体プロドラッグの薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物。
【化1】
[式中、
点線は、C1とC2との間又はC2とC3との間の任意の二重結合の存在を表し、
R1は、H、OH、=O、=CH2、CN、Rm、ORm、=CH-Rm'、=C(Rm')2、O-SO2-Rm、CO2Rm、CORm、ハロ及びジハロからなる群から選択され
(式中、Rm'は、Rm、CO2Rm、CORm、CHO、CO2H及びハロからなる群から選択され、
Rmは、置換又は無置換のC1~12アルキル、置換又は無置換のC2~12アルケニル、置換又は無置換のC2~12アルキニル、置換又は無置換のC5~20アリール、置換又は無置換のC5~20ヘテロアリール、置換又は無置換のC3~6シクロアルキル、置換又は無置換の3~7員のヘテロシクリル、置換又は無置換の3~7員のヘテロシクロアルキル及び置換又は無置換の5~7員のヘテロアリールからなる群から選択され、ここで、
C1~12アルキル、C1~12アルコキシ、C2~12アルケニル、C2~12アルキニル、C5~20アリール、C5~20ヘテロアリール、C3~6シクロアルキル、3~7員のヘテロシクリル、3~7員のヘテロシクロアルキル又は5~7員のヘテロアリールが、置換されている場合、
C1~12アルキル、C1~12アルコキシ、C2~12アルケニル、C2~12アルキニル、C5~20アリール、C5~20ヘテロアリール、C3~6シクロアルキル、3~7員のヘテロシクリル、3~7員のヘテロシクロアルキル又は5~7員のヘテロアリール中のそれぞれの水素原子は、それぞれ独立して、C1~12アルキル、C2~12アルケニル、C2~12アルキニル、C5~20アリール、C5~20ヘテロアリール、C3~6シクロアルキル、3~7員のヘテロシクリル、3~7員のヘテロシクロアルキル及び5~7員のヘテロアリールからなる群から選択されるいずれか1つ以上で置換される)、
R2、R3及びR5は、それぞれ独立して、H、Rm、OH、ORm、SH、SRm、NH2、NHRm、NRmRm'、NO2、Me3Sn及びハロからなる群から選択され
(式中、Rm及びRm'は、上記に定義の通りである)、
R4は、H、Rm、OH、ORm、SH、SRm、NH2、NHRm、NRmRm'、NO2、Me3Sn、ハロ、置換又は無置換のC1~6アルキル、置換又は無置換のC1~6アルコキシ、置換又は無置換のC2~6アルケニル、置換又は無置換のC2~6アルキニル、置換又は無置換のC3~6シクロアルキル、置換又は無置換の3~7員のヘテロシクロアルキル、置換又は無置換のC5~12アリール、置換又は無置換の5~7員のヘテロアリール、-CN、-NCO、-ORn、-OC(O)Rn、-OC(O)NRnRn'、-OS(O)Rn、-OS(O)2Rn、-SRn、-S(O)Rn、-S(O)2Rn、-S(O)NRnRn'、-S(O)2NRnRn'、-OS(O)NRnRn'、-OS(O)2NRnRn'、-NRnRn'、-NRnC(O)Ro、-NRnC(O)ORo、-NRnC(O)NRoRo'、-NRnS(O)Ro、-NRnS(O)2Ro、-NRnS(O)NRoRo'、-NRnS(O)2NRoRo'、-C(O)Rn、-C(O)ORn及び-C(O)NRnRn'からなる群から選択され、ここで、
C1~6アルキル、C1~6アルコキシ、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、C3~6シクロアルキル、3~7員のヘテロシクロアルキル、C5~12アリール及び5~7員のヘテロアリールが置換されている場合、C1~6アルキル、C1~6アルコキシ、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、C3~6シクロアルキル、3~7員のヘテロシクロアルキル、C5~12アリール及び5~7員のヘテロアリール中のそれぞれの水素原子は、それぞれ独立して、C1~6アルキル、C1~6アルコキシ、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、C3~6シクロアルキル、3~7員のヘテロシクロアルキル、C5~12アリール、5~7員のヘテロアリール、-ORp、-OC(O)Rp、-OC(O)NRpRp'、-OS(O)Rp、-OS(O)2Rp、-SRp、-S(O)Rp、-S(O)2Rp、-S(O)NRpRp'、-S(O)2NRpRp'、-OS(O)NRpRp'、-OS(O)2NRpRp'、-NRpRp'、-NRpC(O)Rq、-NRpC(O)ORq、-NRpC(O)NRqRq'、-NRpS(O)Rq、-NRpS(O)2Rq、-NRpS(O)NRqRq'、-NRpS(O)2NRqRq'、-C(O)Rp、-C(O)ORp又は-C(O)NRpRpで置換されていてもよく
(式中、Rn、Ro、Rp及びRqは、それぞれ独立して、H、C1~7アルキル、C2~7アルケニル、C2~7アルキニル、C3~13シクロアルキル、3~7員のヘテロシクロアルキル、C6~10アリール及び5~7員のヘテロアリールからなる群から選択される)、
-C(O)O*、-S(O)O*、-C(O)*、-C(O)NR*、-S(O)2NR*、-P(O)R'NR*、-S(O)NR*及び-PO2NR*からなる群から選択されるいずれか1つは、独立して、X及びX'のそれぞれと結合し
(式中、*は、リンカーが結合する部分を示し、
R及びR'は、それぞれ独立して、H、OH、N3、CN、NO2、SH、NH2、ONH2、NHNH2、ハロ、置換若しくは無置換のC1~8アルキル、置換若しくは無置換のC3~8シクロアルキル、置換若しくは無置換のC1~8アルコキシ、置換若しくは無置換のC1~8アルキルチオ、置換若しくは無置換のC3~20ヘテロアリール、置換若しくは無置換のC5~20アリール、又はモノ若しくはジC1~8アルキルアミノを示し、ここで、
C1~8アルキル、C3~8シクロアルキル、C1~8アルコキシ、C1~8アルキルチオ、C3~20ヘテロアリール及びC5~20アリールは、置換されている場合、H、OH、N3、CN、NO2、SH、NH2、ONH2、NNH2、ハロ、C1~6アルキル、C1~6アルコキシ及びC6~12アリールからなる群から選択される置換基で置換される)、
Y及びY'は、それぞれ独立して、O、S及びN(H)からなる群から選択され、
R6は、置換若しくは無置換の、飽和又は不飽和のC3~12炭化水素鎖を示し、ここで、
鎖は、1つ以上のヘテロ原子、NMe又は置換若しくは無置換の芳香環によって中断されていてもよく、
鎖又は芳香環は、鎖若しくは芳香環上のいずれか1つ以上の水素原子の位置で、-NH、-NRm、-NHC(O)Rm、-NHC(O)CH2-[OCH2CH2]n-R又は-[CH2CH2O]n-Rで置換されていてもよく、又は無置換でもよく
(式中、Rm及びRは、それぞれ、Rm及びRについて、上記に定義された通りであり、
nは、1~12の整数である)、及び
R7は、H、置換若しくは無置換のC1~6アルキル、置換若しくは無置換のC2~6アルケニル、置換若しくは無置換のC2~6アルキニル、置換若しくは無置換のC3~6シクロアルキル、置換若しくは無置換の3~7員のヘテロシクロアルキル、置換若しくは無置換のC6~10アリール、置換若しくは無置換の5~7員のヘテロアリール、-ORr、-OC(O)Rr、-OC(O)NRrRr'、-OS(O)Rr、-OS(O)2Rr、-SRr、-S(O)Rr、-S(O)2Rr、-S(O)NRrRr'、-S(O)2NRrRr'、-OS(O)NRrRr'、-OS(O)2NRrRr'、-NRrRr'、-NRrC(O)Rs、-NRrC(O)ORs、-NRrC(O)NRsRs'、-NRrS(O)Rs、-NRrS(O)2Rs、-NRrS(O)NRsRs'、-NRrS(O)2NRsRs、-C(O)Rr、-C(O)ORs又は-C(O)NRrRr'を示し、ここで、
C1~6アルキル、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、C3~6シクロアルキル、3~7員のヘテロシクロアルキル、C6~10アリール及び5~7員のヘテロアリールが置換されている場合、C1~6アルキル、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、C3~6シクロアルキル、3~7員のヘテロシクロアルキル、C6~10アリール及び5~7員のヘテロアリール中のそれぞれの水素原子は、それぞれ独立して、C1~6アルキル、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、C3~6シクロアルキル、3~7員のヘテロシクロアルキル、C6~10アリール、5~7員のヘテロアリール、-ORt、-OC(O)Rt、-OC(O)NRtRt'、-OS(O)Rt、-OS(O)2Rt、-SRt、-S(O)Rt、-S(O)2Rt、-S(O)NRtRt'、-S(O)2NRtRt'、-OS(O)NRtRt'、-OS(O)2NRtRt'、-NRtRt'、-NRtC(O)Ru、-NRtC(O)ORu、-NRtC(O)NRuRu'、-NRtS(O)Ru、-NRtS(O)2Ru、-NRtS(O)NRuRu'、-NRtS(O)2NRuRu'、-C(O)Rt、-C(O)ORt又は-C(O)NRtRt'で置換される
(式中、Rr、Rr'、Rs、Rs'、Rt、Rt'、Ru及びRu'は、それぞれ独立して、H、C1~7アルキル、C2~7アルケニル、C2~7アルキニル、C3~13シクロアルキル、3~7員のヘテロシクロアルキル、C5~10アリール及び5~7員のヘテロアリールからなる群から選択される)]、
【化2】
[式中、R1、R2、R3、R4、R6、R7及びXは、化学式Iaにおいて、上記に定義された通りであり、
R8は、H、ハロ、置換又は無置換のC1~6アルキル、置換又は無置換のC2~6アルケニル、置換又は無置換のC2~6アルキニル、置換又は無置換のC3~6ヘテロアルキル、置換又は無置換の3~7員のヘテロシクロアルキル、置換又は無置換のC5~10アリール、置換又は無置換の5~7員のヘテロアリール、-CN、-NO2、-NCO、-OH、ORm、-OC(O)Rm、-OC(O)NRmRm'、-OS(O)Rm、-OS(O)2Rm、-SRm、-S(O)Rm、-S(O)2Rm、-S(O)NRmRm'、-S(O)2NRmRm'、-OS(O)NRmRm'、-OS(O)2NRmRm'、-NRmRm'、-NRmC(O)Rm、-NRmC(O)ORn、-NRmC(O)NRnRn'、-NRmS(O)Rn、-NRmS(O)2Rn、-NRmS(O)NRnRn'、-NRmS(O)2NRnRn'、-C(O)Rm、-C(O)ORm及び-C(O)NRmRm'からなる群から選択され、ここで、
C1~6アルキル、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、C3~6ヘテロアルキル、3~7員のヘテロシクロアルキル、C5~10アリール又は5~7員のヘテロアリールが置換されている場合、C1~6アルキル、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、C3~6ヘテロアルキル、3~7員のヘテロシクロアルキル、C5~10アリール又は5~7員のヘテロアリール中のそれぞれの水素原子は、それぞれ独立して、C1~6アルキル、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、C3~6ヘテロアルキル、3~7員のヘテロシクロアルキル、C5~10アリール、5~7員のヘテロアリール、-ORm、-OC(O)Rm、-OC(O)NRmRm'、-OS(O)Rm、-OS(O)2Rm、-SRm、-S(O)Rm、-S(O)2Rm、-S(O)NRmRm'、-S(O)2NRmRm'、-OS(O)NRmRm'、-OS(O)2NRmRm'、-NRmRm'、-NRmC(O)Rn、-NRmC(O)ORn、-NRmC(O)NRnRn'、-NRmS(O)Rn、-NRmS(O)2Rn、-NRmS(O)NRnRn'、-NRmS(O)2NRnRn'、-C(O)Rm、-C(O)ORm又は-C(O)NRmRm'で置換され
(式中、Rm、Rm'、Rn及びRn'は、化学式Iaにおいて、上記に定義された通りである)、
Za及びZbは、それぞれ独立して、O、N又はSを示し、
R12a、R13a及びR14aは、それぞれ独立して、H、置換若しくは無置換のC1~6アルキル、置換若しくは無置換のC2~6アルケニル、置換若しくは無置換のC2~6アルキニル、置換若しくは無置換のC3~6シクロアルキル、置換若しくは無置換の3~7員のヘテロシクロアルキル、置換若しくは無置換のC5~10アリール、置換若しくは無置換の5~7員のヘテロアリール、-C(O)R15a、-C(O)OR15a又は-C(O)NR15aR15a'を示し
(式中、R15a及びR15a'は、Rmについて、定義された通りである)、
C1~6アルキル、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、C3~6シクロアルキル、3~7員のヘテロシクロアルキル、C5~10アリール及び5~7員のヘテロアリールが置換されている場合、C1~6アルキル、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、C3~6シクロアルキル、3~7員のヘテロシクロアルキル、C5~10アリール及び5~7員のヘテロアリール中のそれぞれの水素原子は、それぞれ独立して、C1~6アルキル、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、C3~6シクロアルキル、3~7員のヘテロシクリル、3~7員のヘテロシクロアルキル、C5~10アリール、5~7員のヘテロアリール、-ORo、-OC(O)Ro、-OC(O)NRoRo'、-OS(O)Ro、-OS(O)2Ro、-SRo、-S(O)Ro、-S(O)2Ro、-S(O)NRoRo'、-S(O)2NRoRo'、-OS(O)NRoRo'、-OS(O)2NRoRo'、-NRoRo'、-NRoC(O)Rp、-NRoC(O)ORp、-NRoC(O)NRpRp'、-NRoS(O)Rp、-NRoS(O)2Rp、-NRoS(O)NRpRp'、-NRoS(O)2NRpRp'、-C(O)Ro、-C(O)ORo又は-C(O)NRoRo'で置換され、 R13a及びR14aは、これらが結合する原子と結合して、3~7員のヘテロシクリル若しくは3~7員のヘテロシクロアルキルを形成してもよく、又はR13a及びR14aは、これらが結合する原子と結合して、3~7員のヘテロアリールを形成してもよく、ここで、
3~7員のヘテロシクリル、3~7員のヘテロシクロアルキル又は3~7員のヘテロアリール中に存在するそれぞれの水素原子は、それぞれ独立して、C1~6アルキル、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、C3~6シクロアルキル、3~7員のヘテロシクロアルキル、C5~10アリール、5~7員のヘテロアリール、-ORo、-OC(O)Ro、-OC(O)NRoRo'、-OS(O)Ro、-OS(O)2Ro、-SRo、-S(O)Ro、-S(O)2Ro、-S(O)NRoRo'、-S(O)2NRoRo'、-OS(O)NRoRo'、-OS(O)2NRoRo'、-NRoRo'、-NRoC(O)Rp、-NRoC(O)ORp、-NRoC(O)NRpRp'、-NRoS(O)Rp、-NRoS(O)2Rp、-NRoS(O)NRpRp'、-NRoS(O)2NRpRp'、-C(O)Ro、-C(O)ORo又は-C(O)NRoRo'で置換され
(式中、Rn、Rn'、Ro、Ro'、Rp及びRp'は、それぞれ独立して、H、C1~7アルキル、C2~7アルケニル、C2~7アルキニル、C3~13シクロアルキル、3~7員のヘテロシクロアルキル、C5~10アリール及び5~7員のヘテロアリールからなる群から選択される)、及び
R1 '、R2 '、R3 '、R4 '、R5 '、R7 '及びR8 'は、R1、R2、R3、R4、R5、R7及びR8について、それぞれ、定義された通りである]
【請求項3】
点線が、C2とC3との間の二重結合の存在を表す、請求項2に記載のピロロベンゾジアゼピン二量体プロドラッグ、又はピロロベンゾジアゼピン二量体プロドラッグの薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物。
【請求項4】
R1が、置換又は無置換のC1~6アルキル、置換又は無置換のC2~6アルケニル、置換又は無置換のC5~7アリール及び置換又は無置換のC3~6ヘテロアリールからなる群から選択される、請求項2に記載のピロロベンゾジアゼピン二量体プロドラッグ、又はピロロベンゾジアゼピン二量体プロドラッグの薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物。
【請求項5】
R2、R3及びR5が、それぞれ独立して、H又はOHを示す、請求項2に記載のピロロベンゾジアゼピン二量体プロドラッグ又はピロロベンゾジアゼピン二量体プロドラッグの薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物。
【請求項6】
R4が、C1~6アルコキシを示す、請求項2に記載のピロロベンゾジアゼピン二量体プロドラッグ、又はピロロベンゾジアゼピン二量体プロドラッグの薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物。
【請求項7】
R4が、メトキシ、エトキシ又はブトキシを示す、請求項2に記載のピロロベンゾジアゼピン二量体プロドラッグ、又はピロロベンゾジアゼピン二量体プロドラッグの薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物。
【請求項8】
X及びX'が、それぞれ独立して、-C(O)O*、-C(O)*及び-C(O)NR*からなる群から選択される
(式中、Rは、それぞれ独立して、H、OH、N3、CN、NO2、SH、NH2、ONH2、NNH2、ハロ、置換若しくは無置換のC1~8アルキル又は置換若しくは無置換のC1~8アルコキシを示し、ここで、C1~8アルキル又はC1~8アルコキシは、置換されている場合、H、OH、N3、CN、NO2、SH、NH2、ONH2、NNH2又はハロで置換される)、
請求項1に記載のピロロベンゾジアゼピン二量体プロドラッグ、又はピロロベンゾジアゼピン二量体プロドラッグの薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物。
【請求項9】
Y及びY'が、Oを示す、請求項2に記載のピロロベンゾジアゼピン二量体プロドラッグ、又はピロロベンゾジアゼピン二量体プロドラッグの薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物。
【請求項10】
R6が、置換若しくは無置換の、飽和又は不飽和のC3~8炭化水素鎖を示し、ここで、
鎖は、1つ以上のヘテロ原子、又は置換若しくは無置換の芳香環によって中断されていてもよく、ここで、
ヘテロ原子は、O、S又はN(H)であり、芳香環は、ベンゼン、ピリジン、イミダゾール又はピラゾールであり、
鎖又は芳香環は、鎖又は芳香環上のいずれか1つ以上の水素原子の位置で、-NHC(O)CH2-[OCH2CH2]n-R又は-[CH2CH2O]n-Rで置換されていてもよい
(式中、Rは、Rについて、請求項2に定義された通りであり、
nは、1~6の整数である)、
請求項2に記載のピロロベンゾジアゼピン二量体プロドラッグ、又はピロロベンゾジアゼピン二量体プロドラッグの薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物。
【請求項11】
以下の化学式IIaによって表される構造を有するコンジュゲート、又はコンジュゲートの薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物。
[化IIa]
Ligand-(L-D)n
[式中、
Ligandは、リガンドを示し、
Lは、リンカーを示し、
Dは、請求項1~10のいずれか1項に記載のピロロベンゾジアゼピン二量体プロドラッグを示し、
リンカーは、請求項1に記載のDのN10位、N10'位若しくはN10位及びN10'位で、Dと結合するか、又は
請求項2~10のいずれか1項に記載のDのX、X'若しくはX及びX'を介して、Dと結合し、
nは、1~20の整数である]
【請求項12】
リンカーが、請求項1に記載のDのN10位及びN10'位で、Dと結合するか、又は
請求項2~10のいずれか1項に記載のDのX及びX'を介して、Dと結合する、
請求項11に記載のコンジュゲート、又はコンジュゲートの薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物。
【請求項13】
nが、1~10の整数である、請求項11に記載のコンジュゲート、又はコンジュゲートの薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物。
【請求項14】
以下の化学式IIb又はIIb'によって表される構造を有するピロロベンゾジアゼピン二量体プロドラッグ-リンカー化合物、又はピロロベンゾジアゼピン二量体プロドラッグ-リンカー化合物の薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物。
【化3】
[式中、
点線、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、X、Y、R1'、R2'、R3'、R4'、R5'、R7'、X'、Y'、R8、Za、Zb、R12a、R13a、R14a、R8'、Za'、Zb'、R12a'、R13a'及びR14a'は、それぞれ、化学式Ia及び化学式Ia'によって表される化合物について、請求項2に定義された通りであり、
Xa及びXa'は、それぞれ独立して、結合又は置換若しくは無置換のC1~6アルキレンを示し、ここで、C1~6アルキレンは、置換されている場合、水素、C1~8アルキル又はC3~8シクロアルキルで置換され、
G及びG'は、グルクロニド基、ガラクトシド基、又はグルクロニド基若しくはガラクトシド基の任意の誘導体を示し、
Zは、H、C1~8アルキル、ハロ、NO2、CN、
【化4】
、及び-(CH2)m-OCH3からなる群から選択され
(式中、R8、R9及びR10は、それぞれ独立して、H、C1~8アルキル、C2~6アルケニル及びC1~6アルコキシからなる群から選択され、mは、0~12である)、
nは、1~3の整数であり、それぞれのZは、nが2以上の整数である場合、互いに、同一又は異なっていてもよく、
Wは、-C(O)-、-C(O)NR''-、-C(O)O-、-S(O)2NR''-、-P(O)R'''NR''-、-S(O)NR''-又は-PO2NR''を示し(式中、R''及びR'''は、それぞれ独立して、H、C1~8アルキル、C3~8シクロアルキル、C1~8アルコキシ、C1~8アルキルチオ、モノ若しくはジC1~8アルキルアミノ、C3~20ヘテロアリール又はC6~20アリールを示す)、
Lは、分枝単位、連結単位及び結合単位、又はこれらの単位の組み合わせからなる群から選択される1つ以上の単位を示し、ここで、
連結単位は、Wと結合単位、Wと分枝単位、分枝単位と別の分枝単位、又は分枝単位と結合単位を連結し、分枝単位は、連結単位とW、又は連結単位と別の連結単位を連結し、
分枝単位は、C2~100アルケニル(ここで、アルケニルの炭素原子は、N、O及びSからなる群から選択される1つ以上のヘテロ原子で置換されていてもよく、アルケニルは、1つ以上のC1~20アルキルで更に置換されていてもよい)、親水性アミノ酸、-C(O)-、-C(O)NR''''-、-C(O)O-、-(CH2)s-NHC(O)-(CH2)t-、-(CH2)u-C(O)NH-(CH2)v-、-(CH2)s-NHC(O)-(CH2)t-C(O)-、-(CH2)u-C(O)NH-(CH2)v-C(O)-、-S(O)2NR''''-、-P(O)R'''''NR''''-、-S(O)NR''''-又は-PO2NR''''-であり(式中、R''''及びR'''''は、それぞれ独立して、H、C1~8アルキル、C3~8シクロアルキル、C1~8アルコキシ、C1~8アルキルチオ、モノ若しくはジC1~8アルキルアミノ、C3~20ヘテロアリール又はC5~20アリールを示し、s、t、u及びvは、それぞれ独立して、0~10の整数を示す)、
連結単位は、-(CH2)r(V(CH2)p)q-であり(式中、rは、0~10の整数であり、pは、0~12の整数であり、qは、1~20の整数であり、Vは、単結合、-O-又は-S-を示す)、
結合単位は、
【化5】
であり(式中、L1は、単結合又はC2~30アルケニルを示し、R11は、H又はC1~10アルキルを示し、L2は、C2~30アルケニルを示す)、
Rvは、-NH2、N3、置換若しくは無置換のC1~12アルキル、C1~12アルキニル、C1~3アルコキシ、置換若しくは無置換のC3~20ヘテロアリール、C3~20ヘテロシクリル又は置換若しくは無置換のC5~20アリールを示し、ここで、
C1~12アルキル、C3~20ヘテロアリール、C3~20ヘテロシクリル又はC5~20アリールが置換されている場合、C3~20ヘテロアリール、C3~20ヘテロシクリル又はC5~20アリール中に存在する1つ以上の水素原子は、それぞれ独立して、OH、=O、ハロ、C1~6アルキル、C1~6アルコキシ、C2~6アルケニルオキシ、カルボキシ、C1~6アルコキシカルボニル、C1~6アルキルカルボニル、ホルミル、C3~8アリール、C5~12アリールオキシ、C5~12アリールカルボニル又はC3~6ヘテロアリールで置換される]
【請求項15】
Xa及びXa'が、それぞれ独立して、結合又はC1~3アルキルを示す、請求項14に記載のピロロベンゾジアゼピン二量体プロドラッグ-リンカー化合物、又はピロロベンゾジアゼピン二量体プロドラッグ-リンカー化合物の薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物。
【請求項16】
Zが、H、
【化6】
、及び-(CH2)m-OCH3からなる群から選択される
(式中、R8、R9及びR10は、それぞれ独立して、H、C1~3アルキル及びC1~3アルコキシからなる群から選択され、mは、1~6である)、
請求項14に記載のピロロベンゾジアゼピン二量体プロドラッグ-リンカー化合物、又はピロロベンゾジアゼピン二量体プロドラッグ-リンカー化合物の薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物。
【請求項17】
Wが、-C(O)-、-C(O)NR'''-又は-C(O)O-を示し(式中、R'''はH又はC1~8アルキルを示す)、
Lが、分枝単位、連結単位及び結合単位、又はこれらの単位の組み合わせからなる群から選択される1つ以上の単位を示し、ここで、
連結単位は、Wと結合単位、Wと分枝単位、分枝単位と別の分枝単位、又は分枝単位と結合単位を連結し、分枝単位は、連結単位とW、又は連結単位と別の連結単位を連結し、
分枝単位は、C2~8アルケニル(ここで、アルケニルの炭素原子は、N、O及びSからなる群から選択される1つ以上のヘテロ原子で置換されていてもよく、アルケニルは、1つ以上のC1~6アルキルで更に置換されていてもよい)、親水性アミノ酸、-C(O)-、-C(O)NR''''-、-C(O)O-、-(CH2)s-NHC(O)-(CH2)t-、-(CH2)u-C(O)NH-(CH2)v-、-(CH2)s-NHC(O)-(CH2)t-C(O)-又は-(CH2)u-C(O)NH-(CH2)v-C(O)-であり(式中、R''''は、H、C1~8アルキル、C3~8シクロアルキル、C1~8アルコキシ、C1~8アルキルチオ、モノ若しくはジC1~8アルキルアミノ、C3~20ヘテロアリール又はC5~20アリールを示し、s、t、u及びvは、それぞれ独立して、0~5の整数を示す)、
連結単位は、-(CH2)r(V(CH2)p)q-であり(式中、rは、0~10の整数であり、pは、0~12の整数であり、qは、1~20の整数であり、Vは、単結合又は-O-を示す)、
結合単位は、
【化7】
であり(式中、L1は、単結合又はC2~8アルケニルを示し、R11は、H又はC1~6アルキルを示し、L2は、C2~8アルケニルを示す)、及び
連結単位は、-(CH2)r(V(CH2)p)q-である
(式中、rは、0~8の整数であり、pは、1~12の整数であり、qは、1~10の整数であり、Vは、単結合又は-O-を示す)、
請求項14に記載のピロロベンゾジアゼピン二量体プロドラッグ-リンカー化合物、又はピロロベンゾジアゼピン二量体プロドラッグ-リンカー化合物の薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物。
【請求項18】
ピロロベンゾジアゼピン二量体プロドラッグ-リンカー化合物が、以下の化学構造を有する、請求項14に記載のピロロベンゾジアゼピン二量体プロドラッグ-リンカー化合物、又はピロロベンゾジアゼピン二量体プロドラッグ-リンカー化合物の薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物。
【化8】
【請求項19】
以下の化学式IIIa又はIIIbによって表される構造を有するピロロベンゾジアゼピン二量体プロドラッグ-リンカー-リガンドコンジュゲート、又はピロロベンゾジアゼピン二量体プロドラッグ-リンカー-リガンドコンジュゲートの薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物。
【化9】
[式中、
点線、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、X、Y、R1'、R2'、R3'、R4'、R5'、R7'、X'、Y'、R8、Za、Zb、R12a、R13a、R14a、R8'、Za'、Zb'、R12a'、R13a'及びR14a'は、それぞれ、化学式Ia及び化学式Ia'によって表される化合物について、請求項2に定義された通りであり、
Xa、G、Z、W、L、Xa'、G'及びZ'は、それぞれ、化学式IIbによって表される化合物について、請求項11に定義された通りであり、
Ligandは、抗原-結合部分を示す]
【請求項20】
Ligandが、タンパク質である、請求項19に記載のピロロベンゾジアゼピン二量体プロドラッグ-リンカー-リガンドコンジュゲート、又はピロロベンゾジアゼピン二量体プロドラッグ-リンカー-リガンドコンジュゲートの薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物。
【請求項21】
タンパク質が、イソプレノイドトランスフェラーゼによって認識され得る1つ以上のアミノ酸モチーフを有する、請求項20に記載のピロロベンゾジアゼピン二量体プロドラッグ-リンカー-リガンドコンジュゲート又はピロロベンゾジアゼピン二量体プロドラッグ-リンカー-リガンドコンジュゲートの薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物。
【請求項22】
イソプレノイドトランスフェラーゼが、FTアーゼ(ファルネシルタンパク質トランスフェラーゼ)又はGGTアーゼ(ゲラニルゲラニルトランスフェラーゼ)である、請求項21に記載のピロロベンゾジアゼピン二量体プロドラッグ-リンカー-リガンドコンジュゲート、又はピロロベンゾジアゼピン二量体プロドラッグ-リンカー-リガンドコンジュゲートの薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物。
【請求項23】
アミノ酸モチーフが、CYYX、XXCC、XCXC又はCXXである
(式中、Cは、システインを示し、Yは、脂肪族アミノ酸を示し、Xは、イソプレノイドトランスフェラーゼの基質特異性を決定するアミノ酸を示す)、
請求項21に記載のピロロベンゾジアゼピン二量体プロドラッグ-リンカー-リガンドコンジュゲート、又はピロロベンゾジアゼピン二量体プロドラッグ-リンカー-リガンドコンジュゲートの薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物。
【請求項24】
請求項19~23のいずれか1項に記載のピロロベンゾジアゼピン二量体プロドラッグ-リンカー-リガンドコンジュゲート、又はピロロベンゾジアゼピン二量体プロドラッグ-リンカー-リガンドコンジュゲートの薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物を含む、増殖性疾患を予防又は処置するための医薬組成物。
【請求項25】
増殖性疾患が、新生物、腫瘍、がん、白血病、乾癬、骨疾患、線維性疾患及びアテローム性動脈硬化症からなる群から選択される、請求項24に記載の増殖性疾患を予防又は処置するための医薬組成物。
【請求項26】
がんが、肺がん、小細胞肺がん、消化器がん、結腸直腸がん、大腸がん、乳がん、卵巣がん、前立腺がん、精巣がん、肝臓がん、腎臓がん、膀胱がん、膵臓がん、脳がん、肉腫、骨肉腫、カポジ肉腫及びメラノーマからなる群から選択される、請求項25に記載の増殖性疾患を予防又は処置するための医薬組成物。
【請求項27】
請求項19~23のいずれか1項に記載のピロロベンゾジアゼピン二量体プロドラッグ-リンカー-リガンドコンジュゲート、又はピロロベンゾジアゼピン二量体プロドラッグ-リンカー-リガンドコンジュゲートの薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物、及び
薬学的に許容される賦形剤
を含む、増殖性疾患を予防又は処置するための医薬組成物。
【請求項28】
請求項19~23のいずれか1項に記載のピロロベンゾジアゼピン二量体プロドラッグ-リンカー-リガンドコンジュゲート、又はピロロベンゾジアゼピン二量体プロドラッグ-リンカー-リガンドコンジュゲートの薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物、
1つ以上の共治療剤、及び
薬学的に許容される賦形剤
を含む、増殖性疾患を予防又は処置するための医薬組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ピロロベンゾジアゼピン二量体プロドラッグ、そのリガンド-リンカーコンジュゲート化合物、それらを含有する組成物、及び、特に、抗がん薬としてのそれらの治療的使用に関する。
【背景技術】
【0002】
ピロロベンゾジアゼピン(PBD)は、様々な放線菌によって産生される天然物質として知られており、抗生物質活性又は抗腫瘍活性を示す。ピロロベンゾジアゼピンは、細胞のDNAと共有結合する、配列選択的DNAアルキル化抗がん薬である。ピロロベンゾジアゼピンは、全身化学療法薬よりも著しく強力な抗がん活性を示すことが知られているDNA架橋剤であり、DNAヘリックスを破壊することなく、がん細胞の分裂を防ぐことができる。
【0003】
ピロロベンゾジアゼピンは、以下の一般構造を有する。
【0004】
【化1】
【0005】
ピロロベンゾジアゼピンは、芳香環A及びピロロ環Cにおける置換基の数、種類及び位置、並びに環Cの飽和度が異なる。環Bにおいて、イミン(N-C)、カルビノールアミン(NH-CH(OH))又はカルビノールアミンメチルエーテル(NH-CH(OMe))は、DNAのアルキル化の原因となる求電子中心である、N10-C11位に存在する。
【0006】
いくつかのピロロベンゾジアゼピン二量体は、急性骨髄性白血病(AML)の患者を処置するために、Seattle Geneticsによって開発されたSGN-CD123Aとして、急性骨髄性白血病(AML)疾患のためのdPBDコンジュゲートとして、フェーズI臨床試験中である。
【0007】
Kolltan Pharmaceuticals及びGenentech/Rocheが、細胞毒性薬として、ピロロベンゾジアゼピンとの抗体-薬物コンジュゲートを開発していることが知られている。加えて、Spirogenは、ピロロベンゾジアゼピンに基づく、急性骨髄性白血病のための治療剤技術を開発している。
【0008】
これに関連して、ピロロベンゾジアゼピン及びそのコンジュゲートに関する公開特許(MedImmune, LLC、特許文献1)、増殖性疾患の処置のための非対称ピロロベンゾジアゼピン二量体に関する公開特許(MedImmune, LLC、特許文献2)、ピロロベンゾジアゼピンに関する登録特許(MedImmune, LLC、特許文献3)、増殖性疾患の処置のためのピロロベンゾジアゼピンに関する登録特許(MedImmune, LLC、特許文献4)、ピロロベンゾジアゼピンに関する公開特許(MedImmune, LLC、特許文献5)、ピロロベンゾジアゼピンに関する登録特許(Spirogen、特許文献6)等がある。これらは、ピロロベンゾジアゼピン化合物の構造が、抗腫瘍活性を増強するために修飾されていること、又はこのような修飾された構造を有するピロロベンゾジアゼピン化合物を、抗がん活性を増強するために、抗体-薬物コンジュゲートの形態で投与することができることを、単に開示している。
【0009】
その一方で、ピロロベンゾジアゼピン二量体の形態にカルバメート連結させる形態を有する抗体-薬物コンジュゲートに関する技術、単量体の形態のピロロベンゾジアゼピン化合物が、プロドラッグの形態に変換された場合に、低い細胞毒性を示し、安定であることを開示した論文、及びN10-(4-ニトロベンジル)カルバメート保護されたピロロベンゾジアゼピンプロドラッグの調製及び活性に対する研究論文がある(非特許文献7、非特許文献8及び非特許文献9を参照のこと)。
【0010】
しかしながら、これらの技術の場合において、ピロロベンゾジアゼピンの合成の収率が低いので、スケールアップが容易ではなく、投与後の血液中でのピロロベンゾジアゼピンの不十分な安定性の課題は十分に解決されていないという点で限界がある。それ故に、ピロロベンゾジアゼピンの収率の向上が可能な製造方法、及び投与後の血液中でのピロロベンゾジアゼピンの安定性を向上させ、投与後のその毒性を減少させるために、プロドラッグを調製するための技術を開発する必要性がある。
【0011】
その一方で、抗体-薬物コンジュゲート(ADC)は、毒素又は薬物が、抗原と結合した抗体と結合し、次いで、毒性物質を細胞の内部で放出して、がん細胞等に死をもたらす、標的指向性の新たな技術である。これは、薬物を、健康な細胞への影響を最小限にしながら、標的のがん細胞に正確に移行させ、特定の条件下でのみ放出させ、このようにして、薬物が、抗体治療剤自体よりも優れた有効性を示し、副作用の危険性を、従来の抗がん薬と比較して、大きく低下させることができる、技術である。
【0012】
このような抗体-薬物コンジュゲートの基本構造は、「抗体-リンカー-低分子薬物(毒素)」で構成される。ここで、リンカーは、抗体を薬物と連結する機能的役割を有するだけでなく、体内で循環する際に、標的細胞に安定して到達して、薬物が細胞に入って、抗体-薬物解離現象によって(例えば、酵素による加水分解の結果として)離れ、このようにして、標的のがん細胞に対して効果を引き起こすことが必要である。言い換えれば、リンカーは、リンカーの安定性に依存して、抗体-薬物コンジュゲートの有効性及び全身毒性等の安全性に関して、非常に重要な役割を果たす(Discovery Medicine 2010年、10巻(53号):329~39頁)。
【0013】
本発明の発明者らは、血漿中でより安定で、体内を循環している場合でさえ安定で、それにより、薬物を、がん細胞で容易に放出することができ、薬物の有効性を示し、これについての特許が得られている、有効な自己崩壊性基を含有するリンカーを開発した(大韓民国登録特許第1,628,872号等)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】韓国特許出願公開第2013-0040835号(2013年4月24日公開)
【特許文献2】韓国特許出願公開第2011-0075542号(2011年6月30日公開)
【特許文献3】韓国登録特許第1,700,460号(2017年1月20日登録)
【特許文献4】韓国登録特許第1,687,054号(2016年12月9日登録)
【特許文献5】韓国特許出願公開第2015-0016245号(2015年2月11日公開)
【特許文献6】韓国登録特許第1,059,183号(2011年8月18日登録)
【特許文献7】PCT/US2016/063564号
【特許文献8】PCT/US2016/063595号
【特許文献9】韓国特許出願公開第2014-0035393号(2014年3月21日公開)
【特許文献10】WO2017/160569号(2017年9月21日公開)
【特許文献11】米国特許第8,697,688号(2014年4月15日登録)
【特許文献12】米国特許第9,713,647号(2017年7月25日登録)
【特許文献13】米国特許出願公開第2015-0283258号(2015年10月8日公開)
【非特許文献】
【0015】
【非特許文献1】Kemp Gary C et al., Synthesis and in vitro evaluation of SG3227, a pyrrolobenzodiazepine dimer antibody-drug conjugate payload based on sibiromycin, Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters Vol. 27 No. 5, 1154 - 1158 (2017)
【非特許文献2】Julia Mantaj et al., From Anthramycin to Pyrrolobenzodiazepine (PBD)-Containing Antibody-Drug Conjugates (ADCs), Angewandte Chemie International Edition Vol. 56 No. 2, 462 - 488 (2017)
【非特許文献3】Giddens Anna C. et al., Analogues of DNA minor groove cross-linking agents incorporating aminoCBI, an amino derivative of the duocarmycins: Synthesis, cytotoxicity, and potential as payloads for antibody-drug conjugates, Bioorganic & Medicinal Chemistry Vol. 24 No. 22, 6075 - 6081 (2016)
【非特許文献4】Hartley, JA, The development of pyrrolobenzodiazepines as antitumour agents, EXPERT OPIN INV DRUG, 20(6) 733 - 744 (2011)
【非特許文献5】Kamal Ahmed et al., Synthesis, anticancer activity and mitochondrial mediated apoptosis inducing ability of 2,5-diaryloxadiazole-pyrrolobenzodiazepine conjugates, Bioorganic & Medicinal Chemistry Vol. 18 No. 18, 6666 - 6677 (2010)
【非特許文献6】Guichard S.M et al., Influence of P-glycoprotein expression on in vitro cytotoxicity and in vivo antitumour activity of the novel pyrrolobenzodiazepine dimer SJG-136, European Journal of Cancer Vol. 41 No. 12, 1811 - 1818 (2005)
【非特許文献7】Zhang, Donglu et al, Linker Immolation Determines Cell Killing Activity of Disulfide-Linked Pyrrolobenzodiazepine Antibody-Drug Conjugates, ACS Medicinal Chemistry Letters, 7(11), 988-993 (2016)
【非特許文献8】Masterson, Luke A. et al., Synthesis and biological evaluation of novel pyrrolo[2,1-c][1,4]benzodiazepine prodrugs for use in antibody directed enzyme prodrug therapy, Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters, 16(2), 252-256 (2006)
【非特許文献9】Sangnou, M. J. et al., Design and synthesis of novel pyrrolobenzodiazepine (PBD) prodrugs for ADEPT and GDEPT, Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters, 10(18), 2083-2086 (2000)
【非特許文献10】Nature Rev. Cancer 2005, 5(5), pp. 405-12; Nature ChemicalBiology, 2010, 17, pp. 498-506; Lane KT, Bees LS, Structural Biology of Protein of Farnesyltransferase and Geranylgeranyltransferase Type I, Journal of Lipid Research, 47, pp. 681-699 (2006); Patrick J. Kasey, Miguel C. Seabra; Protein Prenyltransferases, The Journal of Biological Chemistry, Vol. 271, No. 10, Issue of March 8, pp. 5289-5292 (1996)
【非特許文献11】Benjamin P. Duckworth et al, ChemBioChem 2007, 8, 98; Uyen T. T. Nguyen et al, ChemBioChem 2007, 8, 408; Guillermo R. Labadie et al, J. Org. Chem. 2007, 72(24), 9291; James W. Wollack et al, ChemBioChem 2009, 10, 2934
【非特許文献12】Iran M. Bell, J. Med. Chem. 2004, 47(8), 1869
【非特許文献13】Berge, et al., J. Pharm. Sci., 66, 1-19 (1977)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
本発明において、ピロロベンゾジアゼピンの血液中での安定性を増強することが可能な新規構造を有し、投与後の血液中での不十分な安定性を示す、ピロロベンゾジアゼピン二量体プロドラッグを提供することを意図する。
【0017】
本発明において、血漿中でより安定で、体内を循環している場合でさえ安定で、それにより、薬物を、がん細胞で容易に放出することができ、最大の薬物の有効性を示す、自己崩壊性基を含有する、リンカー技術を組み合わせることによって、ピロロベンゾジアゼピン二量体プロドラッグが、安定して標的細胞に到達し、薬物の有効性を効果的に示し、毒性が、著しく低下した、薬物プロドラッグ-リンカー-リガンド系を提供することも意図する。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明は、ピロロベンゾジアゼピン二量体プロドラッグ、又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物に関する。
【0019】
より具体的には、本発明は、ピロロベンゾジアゼピン二量体プロドラッグ、又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物であって、
-C(O)O*、-S(O)O*、-C(O)*、-C(O)NR*、-S(O)2NR*、-P(O)R'NR*、-S(O)NR*及び-PO2NR*からなる群から選択されるいずれか1つが、独立して、ピロロベンゾジアゼピン二量体のN10位及びN'10位のそれぞれと結合する
(式中、*は、リンカーが結合する部分を示し、
R及びR'は、それぞれ独立して、H、OH、N3、CN、NO2、SH、NH2、ONH2、NHNH2、ハロ、置換若しくは無置換のC1~8アルキル、置換若しくは無置換のC3~8シクロアルキル、置換若しくは無置換のC1~8アルコキシ、置換若しくは無置換のC1~8アルキルチオ、置換若しくは無置換のC3~20ヘテロアリール、置換若しくは無置換のC5~20アリール、又はモノ若しくはジC1~8アルキルアミノを示し、ここで、
C1~8アルキル、C3~8シクロアルキル、C1~8アルコキシ、C1~8アルキルチオ、C3~20ヘテロアリール及びC5~20アリールは、置換されている場合、H、OH、N3、CN、NO2、SH、NH2、ONH2、NNH2、ハロ、C1~6アルキル、C1~6アルコキシ及びC6~12アリールからなる群から選択される置換基で置換される)、
ピロロベンゾジアゼピン二量体プロドラッグ又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物を提供する。
【0020】
本発明の態様において、ピロロベンゾジアゼピン二量体プロドラッグを提供する。ピロロベンゾジアゼピン二量体プロドラッグは、本発明によるプロドラッグの形態で投与される場合において、血液に曝露された時に、更なる反応によって、有効な薬物に変換されることが必要であり、したがって、予期せぬリンカーの分解の時に起こり得る副作用の発生を、前もって予防することができ、正常細胞に対する毒性が低下し、薬物がより安定であるという点で、従来のPBD薬と比較して有利である。
【0021】
加えて、抗体-薬物コンジュゲートの調製において、従来の方法によって調製される抗体-薬物コンジュゲートは、不純物の含有量が高く、露出したイミン基が求核剤によって攻撃され、このようにして、望まない構造を有する薬物が形成される可能性がある。しかしながら、本発明による方法によって調製される抗体-薬物コンジュゲートは、従来のPBD又はPBD二量体と比較して、その純度が高く、改善された物理的性質を示すので、容易に分離されるという利点を有する。
【0022】
本発明の態様において、ピロロベンゾジアゼピン二量体プロドラッグ、又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物において、ピロロベンゾジアゼピン二量体プロドラッグは、以下の化学式Ia又はIa'によって表される構造を有する
【0023】
【化2】
[式中、
点線は、C1とC2との間又はC2とC3との間の任意の二重結合の存在を表し、
R1は、H、OH、=O、=CH2、CN、Rm、ORm、=CH-Rm'、=C(Rm')2、O-SO2-Rm、CO2Rm、CORm、ハロ及びジハロからなる群から選択され
(式中、Rm'は、Rm、CO2Rm、CORm、CHO、CO2H及びハロからなる群から選択され、
Rmは、置換又は無置換のC1~12アルキル、置換又は無置換のC2~12アルケニル、置換又は無置換のC2~12アルキニル、置換又は無置換のC5~20アリール、置換又は無置換のC5~20ヘテロアリール、置換又は無置換のC3~6シクロアルキル、置換又は無置換の3~7員のヘテロシクリル、置換又は無置換の3~7員のヘテロシクロアルキル及び置換又は無置換の5~7員のヘテロアリールからなる群から選択され、ここで、
C1~12アルキル、C1~12アルコキシ、C2~12アルケニル、C2~12アルキニル、C5~20アリール、C5~20ヘテロアリール、C3~6シクロアルキル、3~7員のヘテロシクリル、3~7員のヘテロシクロアルキル又は5~7員のヘテロアリールが、置換されている場合、
C1~12アルキル、C1~12アルコキシ、C2~12アルケニル、C2~12アルキニル、C5~20アリール、C5~20ヘテロアリール、C3~6シクロアルキル、3~7員のヘテロシクリル、3~7員のヘテロシクロアルキル又は5~7員のヘテロアリール中のそれぞれの水素原子は、それぞれ独立して、C1~12アルキル、C2~12アルケニル、C2~12アルキニル、C5~20アリール、C5~20ヘテロアリール、C3~6シクロアルキル、3~7員のヘテロシクリル、3~7員のヘテロシクロアルキル及び5~7員のヘテロアリールからなる群から選択されるいずれか1つ以上で置換される)、
R2、R3及びR5は、それぞれ独立して、H、Rm、OH、ORm、SH、SRm、NH2、NHRm、NRmRm'、NO2、Me3Sn及びハロからなる群から選択され
(式中、Rm及びRm'は、上記に定義の通りである)、
R4は、H、Rm、OH、ORm、SH、SRm、NH2、NHRm、NRmRm'、NO2、Me3Sn、ハロ、置換又は無置換のC1~6アルキル、置換又は無置換のC1~6アルコキシ、置換又は無置換のC2~6アルケニル、置換又は無置換のC2~6アルキニル、置換又は無置換のC3~6シクロアルキル、置換又は無置換の3~7員のヘテロシクロアルキル、置換又は無置換のC5~12アリール、置換又は無置換の5~7員のヘテロアリール、-CN、-NCO、-ORn、-OC(O)Rn、-OC(O)NRnRn'、-OS(O)Rn、-OS(O)2Rn、-SRn、-S(O)Rn、-S(O)2Rn、-S(O)NRnRn'、-S(O)2NRnRn'、-OS(O)NRnRn'、-OS(O)2NRnRn'、-NRnRn'、-NRnC(O)Ro、-NRnC(O)ORo、-NRnC(O)NRoRo'、-NRnS(O)Ro、-NRnS(O)2Ro、-NRnS(O)NRoRo'、-NRnS(O)2NRoRo'、-C(O)Rn、-C(O)ORn及び-C(O)NRnRn'からなる群から選択され、ここで、
C1~6アルキル、C1~6アルコキシ、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、C3~6シクロアルキル、3~7員のヘテロシクロアルキル、C5~12アリール及び5~7員のヘテロアリールが置換されている場合、C1~6アルキル、C1~6アルコキシ、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、C3~6シクロアルキル、3~7員のヘテロシクロアルキル、C5~12アリール及び5~7員のヘテロアリール中のそれぞれの水素原子は、それぞれ独立して、C1~6アルキル、C1~6アルコキシ、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、C3~6シクロアルキル、3~7員のヘテロシクロアルキル、C5~12アリール、5~7員のヘテロアリール、-ORp、-OC(O)Rp、-OC(O)NRpRp'、-OS(O)Rp、-OS(O)2Rp、-SRp、-S(O)Rp、-S(O)2Rp、-S(O)NRpRp'、-S(O)2NRpRp'、-OS(O)NRpRp'、-OS(O)2NRpRp'、-NRpRp'、-NRpC(O)Rq、-NRpC(O)ORq、-NRpC(O)NRqRq'、-NRpS(O)Rq、-NRpS(O)2Rq、-NRpS(O)NRqRq'、-NRpS(O)2NRqRq'、-C(O)Rp、-C(O)ORp又は-C(O)NRpRpで置換されていてもよく
(式中、Rn、Ro、Rp及びRqは、それぞれ独立して、H、C1~7アルキル、C2~7アルケニル、C2~7アルキニル、C3~13シクロアルキル、3~7員のヘテロシクロアルキル、C6~10アリール及び5~7員のヘテロアリールからなる群から選択される)、
-C(O)O*、-S(O)O*、-C(O)*、-C(O)NR*、-S(O)2NR*、-P(O)R'NR*、-S(O)NR*及び-PO2NR*からなる群から選択されるいずれか1つは、独立して、X及びX'のそれぞれと結合し
(式中、*は、リンカーが結合する部分を示し、
R及びR'は、それぞれ独立して、H、OH、N3、CN、NO2、SH、NH2、ONH2、NHNH2、ハロ、置換若しくは無置換のC1~8アルキル、置換若しくは無置換のC3~8シクロアルキル、置換若しくは無置換のC1~8アルコキシ、置換若しくは無置換のC1~8アルキルチオ、置換若しくは無置換のC3~20ヘテロアリール、置換若しくは無置換のC5~20アリール、又はモノ若しくはジC1~8アルキルアミノを示し、ここで、
C1~8アルキル、C3~8シクロアルキル、C1~8アルコキシ、C1~8アルキルチオ、C3~20ヘテロアリール及びC5~20アリールは、置換されている場合、H、OH、N3、CN、NO2、SH、NH2、ONH2、NNH2、ハロ、C1~6アルキル、C1~6アルコキシ及びC6~12アリールからなる群から選択される置換基で置換される)、
Y及びY'は、それぞれ独立して、O、S及びN(H)からなる群から選択され、
R6は、置換若しくは無置換の、飽和又は不飽和のC3~12炭化水素鎖を示し、ここで、
鎖は、1つ以上のヘテロ原子、NMe又は置換若しくは無置換の芳香環によって中断されていてもよく、
鎖又は芳香環は、鎖若しくは芳香環上のいずれか1つ以上の水素原子の位置で、-NH、-NRm、-NHC(O)Rm、-NHC(O)CH2-[OCH2CH2]n-R又は-[CH2CH2O]n-Rで置換されていてもよく、又は無置換でもよく
(式中、Rm及びRは、それぞれ、Rm及びRについて、上記に定義された通りであり、
nは、1~12の整数である)、及び
R7は、H、置換若しくは無置換のC1~6アルキル、置換若しくは無置換のC2~6アルケニル、置換若しくは無置換のC2~6アルキニル、置換若しくは無置換のC3~6シクロアルキル、置換若しくは無置換の3~7員のヘテロシクロアルキル、置換若しくは無置換のC6~10アリール、置換若しくは無置換の5~7員のヘテロアリール、-ORr、-OC(O)Rr、-OC(O)NRrRr'、-OS(O)Rr、-OS(O)2Rr、-SRr、-S(O)Rr、-S(O)2Rr、-S(O)NRrRr'、-S(O)2NRrRr'、-OS(O)NRrRr'、-OS(O)2NRrRr'、-NRrRr'、-NRrC(O)Rs、-NRrC(O)ORs、-NRrC(O)NRsRs'、-NRrS(O)Rs、-NRrS(O)2Rs、-NRrS(O)NRsRs'、-NRrS(O)2NRsRs、-C(O)Rr、-C(O)ORs又は-C(O)NRrRr'を示し、ここで、
C1~6アルキル、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、C3~6シクロアルキル、3~7員のヘテロシクロアルキル、C6~10アリール及び5~7員のヘテロアリールが置換されている場合、C1~6アルキル、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、C3~6シクロアルキル、3~7員のヘテロシクロアルキル、C6~10アリール及び5~7員のヘテロアリール中のそれぞれの水素原子は、それぞれ独立して、C1~6アルキル、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、C3~6シクロアルキル、3~7員のヘテロシクロアルキル、C6~10アリール、5~7員のヘテロアリール、-ORt、-OC(O)Rt、-OC(O)NRtRt'、-OS(O)Rt、-OS(O)2Rt、-SRt、-S(O)Rt、-S(O)2Rt、-S(O)NRtRt'、-S(O)2NRtRt'、-OS(O)NRtRt'、-OS(O)2NRtRt'、-NRtRt'、-NRtC(O)Ru、-NRtC(O)ORu、-NRtC(O)NRuRu'、-NRtS(O)Ru、-NRtS(O)2Ru、-NRtS(O)NRuRu'、-NRtS(O)2NRuRu'、-C(O)Rt、-C(O)ORt又は-C(O)NRtRt'で置換される
(式中、Rr、Rr'、Rs、Rs'、Rt、Rt'、Ru及びRu'は、それぞれ独立して、H、C1~7アルキル、C2~7アルケニル、C2~7アルキニル、C3~13シクロアルキル、3~7員のヘテロシクロアルキル、C5~10アリール及び5~7員のヘテロアリールからなる群から選択される)]、
【0024】
【化3】
[式中、R1、R2、R3、R4、R6、R7及びXは、化学式Iaにおいて、上記に定義された通りであり、
R8は、H、ハロ、置換又は無置換のC1~6アルキル、置換又は無置換のC2~6アルケニル、置換又は無置換のC2~6アルキニル、置換又は無置換のC3~6ヘテロアルキル、置換又は無置換の3~7員のヘテロシクロアルキル、置換又は無置換のC5~10アリール、置換又は無置換の5~7員のヘテロアリール、-CN、-NO2、-NCO、-OH、ORm、-OC(O)Rm、-OC(O)NRmRm'、-OS(O)Rm、-OS(O)2Rm、-SRm、-S(O)Rm、-S(O)2Rm、-S(O)NRmRm'、-S(O)2NRmRm'、-OS(O)NRmRm'、-OS(O)2NRmRm'、-NRmRm'、-NRmC(O)Rm、-NRmC(O)ORn、-NRmC(O)NRnRn'、-NRmS(O)Rn、-NRmS(O)2Rn、-NRmS(O)NRnRn'、-NRmS(O)2NRnRn'、-C(O)Rm、-C(O)ORm及び-C(O)NRmRm'からなる群から選択され、ここで、
C1~6アルキル、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、C3~6ヘテロアルキル、3~7員のヘテロシクロアルキル、C5~10アリール又は5~7員のヘテロアリールが置換されている場合、C1~6アルキル、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、C3~6ヘテロアルキル、3~7員のヘテロシクロアルキル、C5~10アリール又は5~7員のヘテロアリール中のそれぞれの水素原子は、それぞれ独立して、C1~6アルキル、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、C3~6ヘテロアルキル、3~7員のヘテロシクロアルキル、C5~10アリール、5~7員のヘテロアリール、-ORm、-OC(O)Rm、-OC(O)NRmRm'、-OS(O)Rm、-OS(O)2Rm、-SRm、-S(O)Rm、-S(O)2Rm、-S(O)NRmRm'、-S(O)2NRmRm'、-OS(O)NRmRm'、-OS(O)2NRmRm'、-NRmRm'、-NRmC(O)Rn、-NRmC(O)ORn、-NRmC(O)NRnRn'、-NRmS(O)Rn、-NRmS(O)2Rn、-NRmS(O)NRnRn'、-NRmS(O)2NRnRn'、-C(O)Rm、-C(O)ORm又は-C(O)NRmRm'で置換され
(式中、Rm、Rm'、Rn及びRn'は、化学式Iaにおいて、上記に定義された通りである)、
Za及びZbは、それぞれ独立して、O、N又はSを示し、
R12a、R13a及びR14aは、それぞれ独立して、H、置換若しくは無置換のC1~6アルキル、置換若しくは無置換のC2~6アルケニル、置換若しくは無置換のC2~6アルキニル、置換若しくは無置換のC3~6シクロアルキル、置換若しくは無置換の3~7員のヘテロシクロアルキル、置換若しくは無置換のC5~10アリール、置換若しくは無置換の5~7員のヘテロアリール、-C(O)R15a、-C(O)OR15a又は-C(O)NR15aR15a'を示し
(式中、R15a及びR15a'は、Rmについて、定義された通りである)、
C1~6アルキル、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、C3~6シクロアルキル、3~7員のヘテロシクロアルキル、C5~10アリール及び5~7員のヘテロアリールが置換されている場合、C1~6アルキル、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、C3~6シクロアルキル、3~7員のヘテロシクロアルキル、C5~10アリール及び5~7員のヘテロアリール中のそれぞれの水素原子は、それぞれ独立して、C1~6アルキル、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、C3~6シクロアルキル、3~7員のヘテロシクリル、3~7員のヘテロシクロアルキル、C5~10アリール、5~7員のヘテロアリール、-ORo、-OC(O)Ro、-OC(O)NRoRo'、-OS(O)Ro、-OS(O)2Ro、-SRo、-S(O)Ro、-S(O)2Ro、-S(O)NRoRo'、-S(O)2NRoRo'、-OS(O)NRoRo'、-OS(O)2NRoRo'、-NRoRo'、-NRoC(O)Rp、-NRoC(O)ORp、-NRoC(O)NRpRp'、-NRoS(O)Rp、-NRoS(O)2Rp、-NRoS(O)NRpRp'、-NRoS(O)2NRpRp'、-C(O)Ro、-C(O)ORo又は-C(O)NRoRo'で置換され、 R13a及びR14aは、これらが結合する原子と結合して、3~7員のヘテロシクリル若しくは3~7員のヘテロシクロアルキルを形成してもよく、又はR13a及びR14aは、これらが結合する原子と結合して、3~7員のヘテロアリールを形成してもよく、ここで、
3~7員のヘテロシクリル、3~7員のヘテロシクロアルキル又は3~7員のヘテロアリール中に存在するそれぞれの水素原子は、それぞれ独立して、C1~6アルキル、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、C3~6シクロアルキル、3~7員のヘテロシクロアルキル、C5~10アリール、5~7員のヘテロアリール、-ORo、-OC(O)Ro、-OC(O)NRoRo'、-OS(O)Ro、-OS(O)2Ro、-SRo、-S(O)Ro、-S(O)2Ro、-S(O)NRoRo'、-S(O)2NRoRo'、-OS(O)NRoRo'、-OS(O)2NRoRo'、-NRoRo'、-NRoC(O)Rp、-NRoC(O)ORp、-NRoC(O)NRpRp'、-NRoS(O)Rp、-NRoS(O)2Rp、-NRoS(O)NRpRp'、-NRoS(O)2NRpRp'、-C(O)Ro、-C(O)ORo又は-C(O)NRoRo'で置換され
(式中、Rn、Rn'、Ro、Ro'、Rp及びRp'は、それぞれ独立して、H、C1~7アルキル、C2~7アルケニル、C2~7アルキニル、C3~13シクロアルキル、3~7員のヘテロシクロアルキル、C5~10アリール及び5~7員のヘテロアリールからなる群から選択される)、及び
R1 '、R2 '、R3 '、R4 '、R5 '、R7 '及びR8 'は、R1、R2、R3、R4、R5、R7及びR8について、それぞれ、定義された通りである]
【0025】
本発明の態様において、点線は、C2とC3との間の二重結合の存在を表す。
【0026】
本発明の態様において、R1は、置換又は無置換のC1~6アルキル、置換又は無置換のC2~6アルケニル、置換又は無置換のC5~7アリール及び置換又は無置換のC3~6ヘテロアリールからなる群から選択される。
【0027】
本発明の態様において、R2、R3及びR5は、それぞれ独立して、H又はOHを示す。
【0028】
本発明の態様において、R4は、C1~6アルコキシを示し、より具体的には、R4は、メトキシ、エトキシ又はブトキシを示す。
【0029】
本発明の態様において、X及びX'は、それぞれ独立して、-C(O)O*、-C(O)*及び-C(O)NR*からなる群から選択される
(式中、Rは、それぞれ独立して、H、OH、N3、CN、NO2、SH、NH2、ONH2、NNH2、ハロ、置換若しくは無置換のC1~8アルキル又は置換若しくは無置換のC1~8アルコキシを示し、ここで、C1~8アルキル又はC1~8アルコキシは、置換されている場合、H、OH、N3、CN、NO2、SH、NH2、ONH2、NNH2又はハロで置換される)。
【0030】
本発明の態様において、Y及びY'は、Oを示す。
【0031】
本発明の態様において、R6は、置換若しくは無置換の、飽和又は不飽和のC3~8炭化水素鎖を示し、ここで、
鎖は、1つ以上のヘテロ原子、又は置換若しくは無置換の芳香環によって中断されていてもよく、ここで、
ヘテロ原子は、O、S又はN(H)であり、芳香環は、ベンゼン、ピリジン、イミダゾール又はピラゾールであり、
鎖又は芳香環は、鎖又は芳香環上のいずれか1つ以上の水素原子の位置で、-NHC(O)CH2-[OCH2CH2]n-R又は-[CH2CH2O]n-Rで置換されていてもよい
(式中、Rは、Rについて、上記に定義された通りであり、
nは、1~6の整数である)。
【0032】
本発明の態様において、以下から選択されるピロロベンゾジアゼピン二量体プロドラッグ、又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物を提供する。
【0033】
【化4】
[式中、RO及びR'Oは、それぞれ、酸素の保護基を示し、互いに、同一又は異なっていてもよい]
【0034】
本発明において、以下の構造を有する化合物は、除く。
【0035】
【化5】
【0036】
本発明は、以下の化学式IIaによって表される構造を有するコンジュゲート、又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物も提供する。
【0037】
[化IIa]
Ligand-(L-D)n
[式中、
Ligandは、リガンドを示し、
Lは、リンカーを示し、
Dは、上記のピロロベンゾジアゼピン二量体プロドラッグを示し、リンカーは、上記のDのN10位、N10'位若しくはN10位及びN10'位で、Dと結合するか、又は上記のDのX、X'若しくはX及びX'を介して、Dと結合し、
nは、1~20の整数である]
【0038】
本発明の態様において、リンカーは、上記のDのN10位及びN10'位で、Dと結合するか、又は上記のDのX及びX'を介して、Dと結合する。
【0039】
本発明の態様において、nは、1~10の整数である。
【0040】
本発明は、以下の化学式IIb又はIIb'によって表される構造を有するピロロベンゾジアゼピン二量体プロドラッグ-リンカー化合物、又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物も提供する。
【0041】
【化6】
[式中、
点線、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、X、Y、R1'、R2'、R3'、R4'、R5'、R7'、X'、Y'、R8、Za、Zb、R12a、R13a、R14a、R8'、Za'、Zb'、R12a'、R13a'及びR14a'は、それぞれ、化学式Ia及び化学式Ia'によって表される化合物について、定義された通りであり、
Xa及びXa'は、それぞれ独立して、結合又は置換若しくは無置換のC1~6アルキレンを示し、ここで、C1~6アルキレンは、置換されている場合、水素、C1~8アルキル又はC3~8シクロアルキルで置換され、
G及びG'は、グルクロニド基、ガラクトシド基、又はグルクロニド基若しくはガラクトシド基の任意の誘導体を示し、
Zは、H、C1~8アルキル、ハロ、NO2、CN、
【0042】
【化7】
、及び-(CH2)m-OCH3からなる群から選択され
(式中、R8、R9及びR10は、それぞれ独立して、H、C1~8アルキル、C2~6アルケニル及びC1~6アルコキシからなる群から選択され、mは、0~12である)、
nは、1~3の整数であり、それぞれのZは、nが2以上の整数である場合、互いに、同一又は異なっていてもよく、
Wは、-C(O)-、-C(O)NR''-、-C(O)O-、-S(O)2NR''-、-P(O)R'''NR''-、-S(O)NR''-又は-PO2NR''を示し(式中、R''及びR'''は、それぞれ独立して、H、C1~8アルキル、C3~8シクロアルキル、C1~8アルコキシ、C1~8アルキルチオ、モノ若しくはジC1~8アルキルアミノ、C3~20ヘテロアリール又はC6~20アリールを示す)、
Lは、分枝単位、連結単位及び結合単位、又はこれらの単位の組み合わせからなる群から選択される1つ以上の単位を示し、ここで、
連結単位は、Wと結合単位、Wと分枝単位、分枝単位と別の分枝単位、又は分枝単位と結合単位を連結し、分枝単位は、連結単位とW、又は連結単位と別の連結単位を連結し、
分枝単位は、C2~100アルケニル(ここで、アルケニルの炭素原子は、N、O及びSからなる群から選択される1つ以上のヘテロ原子で置換されていてもよく、アルケニルは、1つ以上のC1~20アルキルで更に置換されていてもよい)、親水性アミノ酸、-C(O)-、-C(O)NR''''-、-C(O)O-、-(CH2)s-NHC(O)-(CH2)t-、-(CH2)u-C(O)NH-(CH2)v-、-(CH2)s-NHC(O)-(CH2)t-C(O)-、-(CH2)u-C(O)NH-(CH2)v-C(O)-、-S(O)2NR''''-、-P(O)R'''''NR''''-、-S(O)NR''''-又は-PO2NR''''-であり(式中、R''''及びR'''''は、それぞれ独立して、H、C1~8アルキル、C3~8シクロアルキル、C1~8アルコキシ、C1~8アルキルチオ、モノ若しくはジC1~8アルキルアミノ、C3~20ヘテロアリール又はC5~20アリールを示し、s、t、u及びvは、それぞれ独立して、0~10の整数を示す)、
連結単位は、-(CH2)r(V(CH2)p)q-であり(式中、rは、0~10の整数であり、pは、0~12の整数であり、qは、1~20の整数であり、Vは、単結合、-O-又はS-を示す)、
結合単位は、
【0043】
【化8】
であり(式中、L1は、単結合又はC2~30アルケニルを示し、R11は、H又はC1~10アルキルを示し、L2は、C2~30アルケニルを示す)、
Rvは、-NH2、N3、置換若しくは無置換のC1~12アルキル、C1~12アルキニル、C1~3アルコキシ、置換若しくは無置換のC3~20ヘテロアリール、C3~20ヘテロシクリル又は置換若しくは無置換のC5~20アリールを示し、ここで、
C1~12アルキル、C3~20ヘテロアリール、C3~20ヘテロシクリル又はC5~20アリールが置換されている場合、C3~20ヘテロアリール、C3~20ヘテロシクリル又はC5~20アリール中に存在する1つ以上の水素原子は、それぞれ独立して、OH、=O、ハロ、C1~6アルキル、C1~6アルコキシ、C2~6アルケニルオキシ、カルボキシ、C1~6アルコキシカルボニル、C1~6アルキルカルボニル、ホルミル、C3~8アリール、C5~12アリールオキシ、C5~12アリールカルボニル又はC3~6ヘテロアリールで置換される]
【0044】
本発明の態様において、Xa及びXa'は、それぞれ独立して、結合又はC1~3アルキルを示す。
【0045】
本発明の態様において、Zは、H、
【0046】
【化9】
、及び-(CH2)m-OCH3からなる群から選択される
(式中、R8、R9及びR10は、それぞれ独立して、H、C1~3アルキル及びC1~3アルコキシからなる群から選択され、mは、1~6である)。
【0047】
本発明の態様において、Wは、-C(O)-、-C(O)NR'''-又は-C(O)O-を示し(式中、R'''はH又はC1~8アルキルを示す)、
Lは、分枝単位、連結単位及び結合単位、又はこれらの単位の組み合わせからなる群から選択される1つ以上の単位を示し、ここで、
連結単位は、Wと結合単位、Wと分枝単位、分枝単位と別の分枝単位、又は分枝単位と結合単位を連結し、分枝単位は、連結単位とW、又は連結単位と別の連結単位を連結し、
分枝単位は、C2~8アルケニル(ここで、アルケニルの炭素原子は、N、O及びSからなる群から選択される1つ以上のヘテロ原子で置換されていてもよく、アルケニルは、1つ以上のC1~6アルキルで更に置換されていてもよい)、親水性アミノ酸、-C(O)-、-C(O)NR''''-、-C(O)O-、-(CH2)s-NHC(O)-(CH2)t-、-(CH2)u-C(O)NH-(CH2)v-、-(CH2)s-NHC(O)-(CH2)t-C(O)-又は-(CH2)u-C(O)NH-(CH2)v-C(O)-であり(式中、R''''は、H、C1~8アルキル、C3~8シクロアルキル、C1~8アルコキシ、C1~8アルキルチオ、モノ若しくはジC1~8アルキルアミノ、C3~20ヘテロアリール又はC5~20アリールを示し、s、t、u及びvは、それぞれ独立して、0~5の整数を示す)、
連結単位は、-(CH2)r(V(CH2)p)q-であり(式中、rは、0~10の整数であり、pは、0~12の整数であり、qは、1~20の整数であり、Vは、単結合又は-O-を示す)、
結合単位は、
【0048】
【化10】
であり(式中、L1は、単結合又はC2~8アルケニルを示し、R11は、H又はC1~6アルキルを示し、L2は、C2~8アルケニルを示す)、及び
連結単位は、-(CH2)r(V(CH2)p)q-である
(式中、rは、0~8の整数であり、pは、1~12の整数であり、qは、1~10の整数であり、Vは、単結合又は-O-を示す)。
【0049】
本発明の態様において、G及びG'は、それぞれ独立して、β-グルクロニド基、ガラクトシド基又はこれらの任意の誘導体を示していてもよい。
【0050】
本発明の態様において、以下の化学式IIcによって表される構造を有するピロロベンゾジアゼピン二量体プロドラッグ-リンカー化合物、又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物を提供する。
【0051】
【化11】
[式中、点線は、C1とC2との間又はC2とC3との間の任意の二重結合の存在を表し、
R1は、メチル、エチル、メチレン、メトキシ及び置換又は無置換のフェニルからなる群から選択され、ここで、フェニルは、置換されている場合、H、OH、ハロ、C1~6アルキル、C1~6アルコキシ及びC6~12アリールからなる群から選択される置換基で置換され、
mは、1から10の整数であり、
nは、1~10の整数である]
【0052】
本発明の態様において、上記の化学式IIc中のR1は、メチル、メチレンを示していてもよく、又はH、OH、ハロ、C1~6アルキル及びC1~6アルコキシからなる群から選択される置換基で置換されたフェニル、若しくは無置換のフェニルを示していてもよい。
【0053】
本発明の態様において、上記の化学式IIc中のmは、2~8の整数、具体的には、3~7の整数、より具体的には、4~6の整数であってもよい。
【0054】
本発明の態様において、上記の化学式IIc中のnは、2~8の整数、具体的には、3~7の整数、より具体的には、4~6の整数であってもよい。
【0055】
本発明は、以下の化学構造を有するピロロベンゾジアゼピン二量体プロドラッグ-リンカー化合物、又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物も提供する。しかしながら、以下のピロロベンゾジアゼピン二量体プロドラッグ-リンカー化合物は例示であり、当業者は、上記の範囲内の種々のピロロベンゾジアゼピン二量体-リンカー化合物を調製及び使用することができる。
【0056】
【化12】
【0057】
本発明は、以下の化学式IIIa又はIIIbによって表される構造を有するピロロベンゾジアゼピン二量体プロドラッグ-リンカー-リガンドコンジュゲート、又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物も提供する。
【0058】
【化13】
[式中、
点線、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、X、Y、R1'、R2'、R3'、R4'、R5'、R7'、X'、Y'、R8、Za、Zb、R12a、R13a、R14a、R8'、Za'、Zb'、R12a'、R13a'及びR14a'は、それぞれ、化学式Ia及び化学式Ia'によって表される化合物について、定義された通りであり、
Xa、G、Z、W、L、Xa'、G'及びZ'は、それぞれ、化学式IIbによって表される化合物について、定義された通りであり、
Ligandは、抗原-結合部分を示す]
【0059】
本発明の態様において、Ligandはタンパク質である。
【0060】
本発明の態様において、タンパク質は、オリゴペプチド、ポリペプチド、抗体、又は抗原ポリペプチドの断片若しくはレペボディである。
【0061】
本発明の態様において、タンパク質は、イソプレノイドトランスフェラーゼによって認識され得る1つ以上のアミノ酸モチーフを有する。言い換えれば、タンパク質のC末端(断片、アナログ又はその誘導体)は、イソプレノイドトランスフェラーゼによって認識され得るアミノ酸モチーフと結合していてもよい。
【0062】
本発明の態様において、アミノ酸、オリゴペプチド又はポリペプチドで構成されるスペーサー単位が、タンパク質とアミノ酸モチーフとの間に更に含まれていてもよい。
【0063】
本発明の態様において、タンパク質は、アミノ酸モチーフを介してリンカーと共有結合する。
【0064】
本発明の態様において、アミノ酸モチーフは、タンパク質のC末端と、又はタンパク質のC末端と共有結合する少なくとも1つのスペーサー単位と、共有結合していてもよい。タンパク質は、アミノ酸モチーフと、直接、共有結合していてもよく、又はスペーサー単位と共有結合することによってアミノ酸モチーフと連結されていてもよい。アミノ酸スペーサー単位は、1~20個のアミノ酸で構成され、グリシン単位は、これらの中でも好ましい。
【0065】
本発明の態様において、タンパク質のC末端は、抗体の軽鎖又は重鎖のものである。
【0066】
本発明の態様において、タンパク質は、モノクローナル抗体である。
【0067】
本発明の態様において、イソプレノイドトランスフェラーゼとしては、FTアーゼ(ファルネシルタンパク質トランスフェラーゼ)又はGGTアーゼ(ゲラニルゲラニルトランスフェラーゼ)が挙げられ、これらのそれぞれは、標的タンパク質のC末端のシステインへの、ファルネシル残基又はゲラニル-ゲラニル残基の転移に関与する。GGTアーゼは、GGTアーゼI及びGGTアーゼIIに分類され得る。FTアーゼ及びGGTアーゼIは、CAAXモチーフを認識することができる。
【0068】
本発明の態様において、アミノ酸モチーフは、CYYX、XXCC、XCXC又はCXXである(式中、Cは、システインを示し、Yは、脂肪族アミノ酸を示し、Xは、イソプレノイドトランスフェラーゼの基質特異性を決定するアミノ酸を示す)。
【0069】
本発明の態様において、アミノ酸モチーフを有するタンパク質は、A-HC-(G)ZCVIM、A-HC-(G)zCVLL、A-LC-(G)ZCVIM及びA-LC-(G)ZCVLLからなる群から選択される(式中、Aは、抗体を示し、HCは、重鎖を示し、LCは、軽鎖を示し、Gは、グリシン単位を示し、zは、0~20の整数を示す)。
【0070】
イソプレノイドトランスフェラーゼは、基質、及びイソ基質を認識することができる。イソ基質は、基質に対する修飾を有する基質アナログを指す。イソプレノイドトランスフェラーゼは、タンパク質のC末端で、特定のアミノ酸モチーフ(例えば、CAAXモチーフ)をアルキル化する(Benjamin P. Duckworthら、ChemBioChem 2007年、8巻、98頁; Uyen T. T. Nguyenら、ChemBioChem 2007年、8巻、408頁; Guillermo R. Labadieら、J. Org. Chem. 2007年、72巻(24号)、9291頁; James W. Wollackら、ChemBioChem 2009年、10巻、2934頁を参照のこと)。機能性タンパク質は、イソプレノイドトランスフェラーゼ及びイソ基質を使用して、C末端のシステインでのアルキル化によって、製造することができる。
【0071】
例えば、C末端のCAAXモチーフのシステイン残基は、イソプレノイドトランスフェラーゼを使用して、イソ基質と反応することができる。特定の場合において、AAXは、次いで、プロテアーゼによって除去することができる。得られたシステインは、次いで、カルボキシ末端で、酵素によって、メチル化することができる(Iran M. Bell、J. Med. Chem. 2004年、47巻(8号)、1869年を参照のこと)。
【0072】
本発明のタンパク質は、本技術分野において周知の、任意の分子生物学的方法又は細胞生物学的方法によって、調製することができる。例えば、一過性のトランスフェクション法を使用してもよい。イソプレノイドトランスフェラーゼによって認識され得る特異的なアミノ酸モチーフをコードする遺伝子配列を、C末端に特異的なアミノ酸モチーフを有するタンパク質(その断片又はアナログ)を発現させるために、標準的なPCR技術により、公知のプラスミドベクターに挿入することができる。この方法において、イソプレノイドトランスフェラーゼによって認識され得る1つ以上のアミノ酸モチーフを有するタンパク質が、発現し得る。
【0073】
本発明の態様において、タンパク質がモノクローナル抗体である場合、モノクローナル抗体の1つ以上の軽鎖、モノクローナル抗体の1つ以上の重鎖、又は軽鎖及び重鎖の両方が、イソプレノイドトランスフェラーゼによって認識され得るアミノ酸モチーフを有するアミノ酸部分を含んでいてもよく、当業者であれば、目的とする標的に選択的に結合するタンパク質(例えば、対象の標的細胞)を容易に選択することができる。
【0074】
本発明の態様において、タンパク質は、目的とする標的と特異的に結合する、抗体、又は抗原の断片を含んでいてもよい。
【0075】
本発明の態様において、アミノ酸モチーフは、CYYX、XXCC、XCXC又はCXXであり(式中、Cは、システインを示し、Yは、脂肪族アミノ酸を示し、Xは、イソプレノイドトランスフェラーゼの基質特異性を決定するアミノ酸を示す)、アミノ酸モチーフがCYYXであることがより好ましい。
【0076】
本発明は、上記のピロロベンゾジアゼピン二量体プロドラッグ-リンカー-リガンドコンジュゲート、又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物を含有する、増殖性疾患を予防又は処置するための医薬組成物も提供する。
【0077】
本発明は、上記のピロロベンゾジアゼピン二量体プロドラッグ-リンカー-リガンドコンジュゲート、又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物、及び薬学的に許容される賦形剤を含有する、増殖性疾患を予防又は処置するための医薬組成物も提供する。
【0078】
本発明は、上記のピロロベンゾジアゼピン二量体プロドラッグ-リンカー-リガンドコンジュゲート、又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物、1つ以上の共治療剤、及び薬学的に許容される賦形剤を含有する、増殖性疾患を予防又は処置するための医薬組成物も提供する。
【0079】
本発明の態様において、共治療剤は、増殖性疾患に対して、予防的効果、改善的効果若しくは治療的効果を示す薬剤、又は増殖性疾患のための治療剤の投与時に現れる有害な効果を低下させることができる薬剤、又は免疫増強効果を示す薬剤等であり得るが、これらに限定されない。これは、ピロロベンゾジアゼピンと一緒に配合剤の形態で適用される場合に治療的に有用な効果を示す、及び/又はピロロベンゾジアゼピンの安定性を更に改善する、及び/又はピロロベンゾジアゼピンを投与した場合に示され得る副作用を低下させる、及び/又は免疫の増強により治療的効果を最大化する効果を示す限り、任意の薬剤を組み合わせて適用してもよいことを意味する。
【0080】
本発明の態様において、増殖性疾患は、望ましくない過剰又は異常な細胞が、インビトロ若しくはインビボでの新生物又は過形成性の増殖等の望ましくない制御されないものである細胞増殖関連疾患を指す。増殖性疾患は、新生物、腫瘍、がん、白血病、乾癬、骨疾患、線維性疾患及びアテローム性動脈硬化症からなる群から選択され得る。新生物及び腫瘍の例としては、組織球腫、神経膠腫、星状細胞腫及び骨腫が挙げられ得る。
【0081】
本発明の態様において、がんは、肺がん、小細胞肺がん、消化器がん、結腸直腸がん、大腸がん、乳がん、卵巣がん、前立腺がん、精巣がん、肝臓がん、腎臓がん、膀胱がん、膵臓がん、脳がん、肉腫、骨肉腫、カポジ肉腫及びメラノーマからなる群から選択され得る。しかしながら、本発明は、ピロロベンゾジアゼピンが、治療的効果を示す、全ての癌腫に適用することができる。
【0082】
本発明は、増殖性疾患を有する対象において、増殖性疾患を処置する方法であって、ピロロベンゾジアゼピン二量体プロドラッグ-リンカー-リガンドコンジュゲート、又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物を、増殖性疾患の処置のために有効な量で、対象に投与することを含む、方法も提供する。
【0083】
本発明の態様において、上記の医薬組成物を、患者に投与することを含む、がんを処置する方法を提供する。
【0084】
本発明は、対象の標的部位で、PBD化合物を提供するために使用するのに適切である。本発明によるコンジュゲートは、任意のリンカー部分を有さず、PBD化合物の反応性に影響を及ぼし得るものを含有しない、活性なPBD化合物を放出する。
【0085】
[定義]
以下の定義は、本明細書において適用される。
【0086】
本明細書における「コンジュゲート」という用語は、細胞毒性化合物の1つ以上の分子と共有結合する、細胞結合剤を指す。ここで、「細胞結合剤」は、生物学的標的に対する親和性を有する分子であり、例えば、リガンド、タンパク質、抗体、具体的には、モノクローナル抗体、タンパク質若しくは抗体断片、ペプチド、オリゴヌクレオチド又はオリゴ糖であってもよく、結合剤は、生物学的標的に対する生物学的に活性な化合物を誘導するために機能する。本発明の態様において、コンジュゲートは、細胞表面抗原によって、腫瘍細胞を標的化するために、設計してもよい。抗原は、異常な細胞型において過剰発現又は発現する、細胞表面抗原であってもよい。具体的には、標的抗原は、増殖性細胞(例えば、腫瘍細胞)においてのみ、発現していてもよい。標的抗原は、通常、増殖性組織と正常組織との間で、異なる発現に基づいて、選択してもよい。本発明において、リガンドは、リンカーと結合する。
【0087】
本明細書において「抗体」という用語は、免疫グロブリン分子の可変領域に位置する少なくとも1つの抗原認識部位によって、標的、例えば、炭水化物、ポリヌクレオチド、脂質又はポリペプチドと、特異的に結合し得る、免疫グロブリン分子を指す。本明細書において使用される「抗体」という用語は、インタクトなポリクローナル又はモノクローナル抗体だけでなく、所定の抗原と特異的に結合する能力を保持するインタクトな抗体の任意の抗原結合部位(例えば、「抗原結合断片」)又はその単鎖、抗体を含む融合タンパク質、並びに抗原認識部位を含む免疫グロブリン分子の任意の他の修飾配列、例えば、限定されないが、Fab、Fab'、F(ab')2Fd断片、Fv断片、シングルドメイン抗体(dAb)断片、単離された相補性決定領域(CDR)、単鎖(scFv)及びシングルドメイン抗体(例えば、サメ及びラクダ抗体)、マキシボディ、ミニボディ、イントラボディ、ダイアボディ、トリアボディ、テトラボディ、v-NAR並びにbis-scFv(例えば、文献:Hollinger及びHudson、2005年、Nature Biotechnology 23巻(9号):1126~1136頁を参照のこと)を包含する。
【0088】
抗体としては、任意のクラスの抗体、例えば、IgG、IgA又はIgM(若しくはそのサブクラス)が挙げられ、抗体は、任意の特定のクラスのものである必要はない。抗体の重鎖の定常領域におけるアミノ酸配列に応じて、免疫グロブリンは、異なるクラスに割り当てられてもよい。免疫グロブリンには、5つの主要なクラス:IgA、IgD、IgE、IgG及びIgMがあり、これらのいくつかは、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA1及びIgA2等のサブクラス(アイソフォーム)に更に分類され得る。免疫グロブリンの異なるクラスに相当する重鎖(HC)定常領域は、それぞれ、アルファ、デルタ、イプシロン、ガンマ及びミューと呼ばれる。異なるクラスの免疫グロブリンのサブユニット構造及び三次元座標は周知である。本発明の抗体は、関連分野において周知の技術、例えば、組換え技術、ファージディスプレイ技術、合成技術、若しくはこれらの技術の組み合わせ、又は関連分野において容易に知られる他の技術によって、調製することができる。
【0089】
本明細書における「単離抗体」という用語は、異なる抗原特異性を有する他の抗体を実質的に含まない抗体を指し、これは、他の細胞物質及び/又は化学物質を実質的に含まなくてもよい。
【0090】
本明細書における「生物学的標的」という用語は、腫瘍、がん細胞、細胞外マトリックスの表面に位置する抗原を指す。
【0091】
本明細書における「リンカー」という用語は、細胞毒性化合物をリガンドと共有結合させる化合物を指す。本発明の態様において、PCT/US2016/063564号及びPCT/US2016/063595号に開示されたリンカーを使用してもよい。
【0092】
本明細書において「治療剤」という用語は、増殖性疾患、例えば、がん細胞又は活性化免疫細胞に対して、細胞毒性効果、細胞増殖阻害効果及び/又は免疫調節効果を発揮する薬剤を指す。治療剤の例としては、細胞毒性剤、化学療法剤、細胞増殖阻害剤及び免疫調節剤が挙げられ得る。
【0093】
本明細書における「化学療法剤」という用語は、がんの処置のために有用な化学化合物を指す。
【0094】
本明細書における「対象」という用語は、ヒト及び非ヒト動物、特に、哺乳動物を含むことを意図する。対象の例としては、ヒト対象を含んでいてもよく、対象は、例えば、本明細書に記載の障害、より具体的には、がんを有するヒト患者、又は正常な対象を含む概念である。「非ヒト動物」という用語は、全ての脊椎動物、例えば、非哺乳動物(例えば、ニワトリ、両生類及び爬虫類)、並びに哺乳動物、例えば、非ヒト霊長類、家畜及び/又は農業のために有用な動物(例えば、ヒツジ、イヌ、ネコ、ウシ、ブタ等)及びげっ歯類(例えば、マウス、ラット、ハムスター、モルモット等)を含む。特定の実施形態において、対象は、ヒト患者である。
【0095】
本明細書において「処置」又は「処置する」という用語は、治療的処置及び予防的(prophylactic)又は予防的(preventative)手段の両方を指す。処置を必要とする対象には、既に疾患を有する対象、及び疾患に罹りやすい対象、又は疾患から予防されるべき対象を含む。ここで、処置を必要とする疾患又は対象に関して使用される場合、この用語は、限定されないが、疾患の進行を阻害すること若しくは遅らせること、症状を予防すること、疾患及び/若しくは症状の重症度を減少させること、又は未処置の対象と比較して疾患の期間を減少させることを含む。
【0096】
本明細書において「投与」又は「投与する」という用語は、所望の効果を達成するための、任意の適切な経路による、化合物(複数可)の供給及び/又は接触及び/又は送達を指す。投与としては、限定されないが、経口、舌下、非経口的(例えば、静脈内、皮下、皮内、筋肉内、関節内、動脈内、髄腔内、胸骨内、脊髄内、病巣内又は頭蓋内注入)、経皮、局所、頬側、直腸、経膣、経鼻、点眼及び吸入投与、並びにインプラントによる投与が挙げられ得る。
【0097】
本明細書において「無置換又は置換の」という用語は、無置換であってもよく、又は置換されていてもよい親基を意味し、「置換の」という用語は、1つ以上の置換基を有する親基を意味し、「置換基」という用語は、親基と共有結合するか、又は親基と縮合する化学部分を意味する。
【0098】
本明細書において「ハロ」という用語は、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等を指す。
【0099】
本明細書において「アルキル」という用語は、脂肪族若しくは脂環式の、飽和又は不飽和(不飽和、完全に不飽和)の炭化水素化合物の炭素原子から水素原子を除去することによって得られる一価の部分を指し、飽和アルキルの例としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル及びヘプチルが挙げられ得、飽和直鎖アルキルの例としては、メチル、エチル、n-プロピル、n-ブチル、n-ペンチル(アミル)、n-ヘキシル及びn-ヘプチルが挙げられ得、飽和分枝鎖アルキルの例としては、イソプロピル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、イソペンチル及びネオペンチルが挙げられ得る。
【0100】
本明細書において「アルコキシ」という用語は、-OR(式中、Rはアルキル基である)を意味し、その例としては、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、イソプロポキシ、n-ブトキシ、sec-ブトキシ、イソブトキシ及びtert-ブトキシが挙げられ得る。
【0101】
本明細書において「アリール」という用語は、環原子を有する芳香族化合物の芳香環原子から水素原子を除去することによって得られる一価の部分を意味する。
【0102】
本明細書において「アルケニル」という用語は、1つ以上の炭素-炭素二重結合を有するアルキルであり、不飽和アルケニル基の例としては、エチニル(ビニル、-CH=CH2)、1-プロペニル(-CH=CH-CH3)、2-プロペニル、イソプロペニル、ブテニル、ペンテニル及びヘキセニルが挙げられ得る。
【0103】
本明細書において「アルキニル」という用語は、1つ以上の炭素-炭素三重結合を有するアルキル基であり、不飽和アルキニル基の例としては、エチニル及び2-プロピニルが挙げられ得る。
【0104】
本明細書において「カルボキシ」という用語は、-C(=O)OHを指す。
【0105】
本明細書において「ホルミル」という用語は、-C(=O)Hを指す。
【0106】
本明細書において「アリール」という用語は、芳香族化合物の芳香環原子から水素原子を除去することによって得られる一価の部分を指す。例えば、「C5~7アリール」は、芳香族化合物の芳香環原子から水素原子を除去することによって得られ、その部分が、5~7個の環原子を有する、一価の部分を意味し、「C5~10アリール」は、芳香族化合物の芳香環原子から水素原子を除去することによって得られ、その部分が、5~10個の環原子を有する、一価の部分を意味する。ここで、接頭辞(C5~7、C5~10等)は、炭素原子若しくはヘテロ原子が存在するか否かに関わらず、環原子の数又は環原子の数の範囲を指す。例えば、「C5~6アリール」は、5~6個の環原子を有するアリール基を指す。ここで、環原子は、「カルボアリール基」のように、全て炭素原子であってもよい。カルボアリール基の例としては、限定されないが、ベンゼン、ナフタレン、アズレン、アントラセン、フェナントレン、ナフタセン及びピレンに由来するものが挙げられ得る。少なくとも1つが芳香環である縮合環を含むアリール基の例としては、限定されないが、インダン、インデン、イソインデン、テトラリン、アセナフテン、フルオレン、フェナレン、アセフェナントレン及びアセアントレンに由来する基が挙げられ得る。或いは、環原子は、「ヘテロアリール基」のように、1個以上のヘテロ原子を含んでいてもよい。
【0107】
本明細書において「ヘテロアリール」という用語は、1個以上のヘテロ原子を含有するアリールを指し、その例としては、ピリジン、ピリミジン、ベンゾチオフェン、フリル、ジオキソラニル、ピロリル、オキサゾリル、ピリジル、ピリダジニル及びピリミジニルが挙げられ得、このより具体的な例としては、2つの縮合環を有し、ベンゾフラン、イソベンゾフラン、インドール、イソインドール、インドリジン、インドリン、イソインドリン、プリン(アデニン若しくはグアニン)、ベンズイミダゾール、インダゾール、ベンゾオキサゾール、ベンズイソオキサゾール、ベンゾジオキソール、ベンゾフラン、ベンゾトリアゾール、ベンゾチオフラン、ベンゾチアゾール又はベンゾチアジアゾールに由来するC9、2つの縮合環を有し、クロメン、イソクロメン、クロマン、イソクロマン、ベンゾジオキサン、キノリン、イソキノリン、キノリジン、ベンゾオキサジン、ベンゾジアジン、ピリドピリジン、キノキサリン、キナゾリン、シンノリン、フタラジン、ナフチリジン又はプテリジンに由来するC10、2つの縮合環を有し、ベンゾジアゼピンに由来するC11、3つの縮合環を有し、カルバゾール、ジベンゾフラン、ジベンゾチオフェン、カルボリン、ピリミジン又はピリドインドールに由来するC13、及び3つの縮合環を有し、アクリジン、キサンテン、チオキサンテン、オキサントレン、フェノキサチイン、フェナジン、フェノキサジン、フェノチアジン、チアントレン、フェナントリジン、フェナントロリン又はフェナジンに由来するC14が挙げられ得る。
【0108】
本明細書において「シクロアルキル」という用語は、環状基であるアルキル基を意味し、環状炭化水素化合物の脂環式環原子から水素原子を除去することによって得られる一価の部分を指す。シクロアルキル基の例としては、限定されないが、以下に由来するものが挙げられ得る:
飽和の単環炭化水素化合物:シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、メチルシクロプロパン、ジメチルシクロプロパン、メチルシクロブタン、ジメチルシクロブタン、メチルシクロペンタン、ジメチルシクロペンタン及びメチルシクロヘキサン;
不飽和の単環炭化水素化合物:シクロプロペン、シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘキセン、メチルシクロプロペン、ジメチルシクロプロペン、メチルシクロブテン、ジメチルシクロブテン、メチルシクロペンテン、ジメチルシクロペンテン及びメチルシクロヘキセン;並びに
飽和の複素環炭化水素化合物:ノルカラン、ノルピナン、ノルボルナン。
【0109】
本明細書において「ヘテロシクリル」という用語は、複素環化合物の環原子から水素原子を除去することによって得られる一価の部分を指す。
【0110】
本明細書において、接頭辞(例えば、C1~12及びC3~8)は、炭素原子若しくはヘテロ原子が存在するか否かに関わらず、環原子の数又は環原子の数の範囲を指す。例えば、本明細書において使用される「C3~6ヘテロシクリル」という用語は、3~6個の環原子を有するヘテロシクリル基を指す。
【0111】
単環ヘテロシクリル基の例としては、限定されないが、以下に由来するものが挙げられ得る:
N1:アジリジン、アゼチジン、ピロリジン、ピロリン、2H-又は3H-ピロール、ピペリジン、ジヒドロピリジン、テトラヒドロピリジン及びアゼピン;
N2:イミダゾリジン、ピラゾリジン、イミダゾリン、ピラゾリン及びピペラジン;
O1:オキシラン、オキセタン、オキソラン、オキソール、オキサン、ジヒドロピラン、ピラン及びオキセピン;
O2:ジオキソラン、ジオキサン及びジオキセパン;
O3:トリオキサン;
N1O1:テトラヒドロオキサゾール、ジヒドロオキサゾール、テトラヒドロイソオキサゾール、ジヒドロイソオキサゾール、モルホリン、テトラヒドロオキサジン、ジヒドロオキサジン及びオキサジン;
S1:チイラン、チエタン、チオラン、チアン及びチエパン;
N1S1:チアゾリン、チアゾリジン及びチオモルホリン;
N2O1:オキサジアジン;
O1S1:オキサチオール、オキサチアン;並びに
N1O1S1:オキサチアジン。
【0112】
本明細書において「プロドラッグ」という用語は、インビボでの生理学的条件下、酵素及び胃酸の作用によって(例えば、酵素酸化、還元及び/又は加水分解)、直接的又は間接的に、ピロロベンゾジアゼピン薬に変換され得る化合物を指す。
【0113】
本明細書において「薬学的に許容される塩」としては、薬学的に許容される遊離酸によって形成される酸付加塩を使用することができ、有機酸又は無機酸を、遊離酸として使用することができる。
【0114】
有機酸としては、限定されないが、クエン酸、酢酸、乳酸、酒石酸、マレイン酸、フマル酸、ギ酸、プロピオン酸、シュウ酸、トリフルオロ酢酸、安息香酸、グルコン酸、メタンスルホン酸、グリコール酸、コハク酸、4-トルエンスルホン酸、グルタミン酸及びアスパラギン酸が挙げられ得る。加えて、無機酸としては、限定されないが、塩酸、臭化水素酸、硫酸及びリン酸が挙げられ得る。
【0115】
例えば、化合物が、アニオンであるか、又はアニオンであり得る官能基(例えば、-COOHは、-COO-であり得る)を有する場合、塩は、適切なカチオンを用いて形成することができる。適切な無機カチオンの例としては、限定されないが、Na+及びK+等のアルカリ金属イオン、Ca2+及びMg2+等のアルカリ土類金属カチオン、並びにAl3+等の他のカチオンが挙げられ得る。適切な有機カチオンの例としては、限定されないが、アンモニウムイオン(即ち、NH4+)及び置換アンモニウムイオン(例えば、NH3R+、NH2R2 +、NHR3 +及びNR4 +)が挙げられ得る。
【0116】
いくつかの適切な置換アンモニウムイオンの例としては、以下に由来するものが挙げられ得る:アミノ酸、例えば、リジン及びアルギニン、並びにエチルアミン、ジエチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、トリエチルアミン、ブチルアミン、エチレンジアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、ピペラジン、ベンジルアミン、フェニルベンジルアミン、コリン、メグルミン及びトロメタミン。典型的な第四級アンモニウムイオンの例は、N(CH3)4 +である。
【0117】
化合物が、カチオンであるか、又はカチオンであり得る官能基(例えば、-NH2は、-NH3 +であり得る)を有する場合、塩は、適切なアニオンを用いて形成することができる。適切な無機アニオンの例としては、限定されないが、以下の無機酸に由来するものが挙げられ得る:塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、亜硫酸、硝酸、亜硝酸、リン酸及び亜リン酸。
【0118】
適切な有機アニオンの例としては、限定されないが、以下の有機酸に由来するものが挙げられ得る:2-アセトキシ安息香酸、酢酸、アスコルビン酸、アスパラギン酸、安息香酸、カンファースルホン酸、ケイ皮酸、クエン酸、エデト酸、エタンジスルホン酸、エタンスルホン酸、フマル酸、グルコヘプトン酸、グルコン酸、グルタミン酸、グリコール酸、ヒドロキシマレイン酸、ヒドロキシナフタレンカルボン酸、イセチオン酸、乳酸、ラクトビオン酸、ラウリン酸、マレイン酸、リンゴ酸、メタンスルホン酸、ムチン酸、オレイン酸、シュウ酸、パルミチン酸、パモ酸、パントテン酸、フェニル酢酸、フェニルスルホン酸、プロピオン酸、ピルビン酸、サリチル酸、ステアリン酸、コハク酸、スルファニル酸、酒石酸、トルエンスルホン酸及び吉草酸。適切なポリマー有機アニオンの例としては、限定されないが、以下のポリマー酸に由来するものが挙げられ得る:タンニン酸及びカルボキシメチルセルロース。
【0119】
本明細書において「溶媒和物」という用語は、本発明による化合物と溶媒分子との間の分子錯体を指し、溶媒和物の例としては、限定されないが、水、イソプロパノール、エタノール、メタノール、ジメチルスルホキシド、酢酸エチル、酢酸、エタノールアミン又はこれらの任意の混合溶媒と結合した、本発明による化合物が挙げられ得る。
【0120】
活性化合物の対応する溶媒和物を、調製、精製及び/又は操作することが、都合がよいか、又は望ましくあり得る。「溶媒和物」という用語は、本明細書において、溶質(例えば、活性化合物、活性化合物の塩)及び溶媒の錯体を指すために、従来の意味で使用される。溶媒が水である場合、溶媒和物は、好都合には、水和物、例えば、一水和物、二水和物及び三水和物と称され得る。
【0121】
本発明の医薬組成物は、薬学的に許容される担体を含有していてもよい。薬学的に許容される担体は、典型的には、徐々に代謝される高分子、例えば、タンパク質、多糖類、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、高分子アミノ酸、アミノ酸コポリマー及び脂質凝集体が挙げられ得、このような薬学的に許容される担体は、当業者によって、適切に選択及び使用され得る。
【0122】
薬学的に許容される担体を含有する組成物は、様々な経口又は非経口の形態であり得る。製剤を調製する場合において、製剤は、一般に使用される、希釈剤、又はフィラー、増量剤、結合剤、湿潤剤、崩壊剤若しくは界面活性剤等の賦形剤を使用して、調製してもよい。
【0123】
経口投与のための固形製剤としては、錠剤、丸剤、散剤、顆粒剤及びカプセル剤が挙げられ得る。このような固形製剤は、1つ以上の化合物を、少なくとも1つ以上の賦形剤、例えば、デンプン、炭酸カルシウム、スクロース又はラクトース、及びゼラチンと混合することによって、調製される。単純な賦形剤に加えて、ステアリン酸マグネシウム及びタルク等の滑沢剤を使用してもよい。
【0124】
経口投与のための液体製剤としては、懸濁剤、液剤、乳剤及びシロップ剤が挙げられ得る。一般的に使用される単純な希釈剤である水及び流動パラフィンに加えて、液体製剤は、様々な賦形剤、例えば、湿潤剤、甘味剤、香料及び保存剤を含有していてもよい。
【0125】
非経口投与のための製剤としては、無菌の水溶液、非水性溶液、懸濁剤、乳剤、凍結乾燥製剤及び坐剤が挙げられ得る。非水性溶媒及び懸濁化剤として、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、オリーブ油等の植物油、及びオレイン酸エチル等の注射可能エステルを使用してもよい。坐剤のための基剤として、ウイテプゾール、マクロゴール、ツイーン61、カカオ脂、ラウリン脂及びグリセロゼラチンを使用してもよい。
【0126】
医薬組成物は、注射剤、錠剤、丸剤、散剤、顆粒剤、カプセル剤、懸濁剤、液剤、乳剤、シロップ剤、無菌水溶液、非水性溶媒、懸濁剤、乳剤、凍結乾燥製剤及び坐剤からなる群から選択されるいずれか1つの製剤を有していてもよい。
【0127】
静脈内、皮膚又は皮下注射等のためには、有効成分は、パイロジェンフリーで、適切なpH、等張性及び安定性を有する、非経口投与のために許容される水溶液の形態であり得る。当業者は、等張の媒体、例えば、塩化ナトリウム水溶液、リンゲル液及び乳酸リンゲル液、並びに保存剤、安定剤、緩衝剤、抗酸化剤を使用して、適切な溶液を調製することができ、又は他の添加剤を、必要により、溶液中に含有していてもよい。注射のために適切な固体形態は、乳剤として、又はリポソーム中に封入されたポリペプチドの形態で、調製されてもよい。
【0128】
本明細書において使用される「有効量」又は「治療有効量」という語句は、意図する治療結果(投与量、並びに投与の期間及び手段について)を達成するために必要な量を指す。有効量は、対象に治療上の利益を与えるために必要な活性薬剤の少なくとも最小量であり、かつ毒性量より少ない。例えば、活性薬剤は、患者あたり、約100ng/kg~約100mg/kgの範囲、より典型的には、患者あたり、約1μg/kg~約10mg/kgの範囲の投与量で、投与され得る。活性化合物が、塩、エステル、アミド、プロドラッグ等である場合、投与量は、親化合物に基づいて計算され、したがって、実際の使用重量は、比例的に増加する。本発明によるピロロベンゾジアゼピン化合物は、限定されないが、単位投与形態あたり、0.1mg~3000mg、1mg~2000mg、又は10mg~1000mgの有効成分を含有するように、製剤化されてもよい。有効成分は、約0.05μM~100μM、1μM~50μM、又は5μM~30μMの活性化合物の最高血漿中濃度が得られるように、投与されてもよい。例えば、活性化合物は、生理食塩水中に0.1w/v%~5w/v%で有効成分を含有する溶液の静脈内注射によって、任意に投与されてもよい。
【0129】
医薬組成物中における活性化合物の濃度は、薬物の吸収、不活化及び放出速度、並びに当業者に公知の他の要因によって、決定され得る。投与量は、症状/疾患の重症度に応じて、変更し得る。加えて、特定の患者のための投与量及び投与レジメンは、患者の症状/疾患の程度、必要性、年齢、薬物に対する反応性等を総合的に考慮して、投与監督者の職業的判断に従って、調整され得る。本発明において説明する濃度範囲は、例示のみであって、特許請求の範囲に係る組成物の実施形態をこれらに限定することを意図するものではない。加えて、有効成分は、1回投与されてもよく、より少ない投与量を、分割して、数回で投与されてもよい。
【0130】
本発明による、プロドラッグ化合物又はプロドラッグ-リンカー化合物及びプロドラッグ-リンカー-リガンドコンジュゲート化合物は、増殖性疾患、特にがんを処置するために使用することができる。「増殖性疾患」という用語は、インビトロ若しくはインビボでの新生物又は過形成性の増殖等の、望ましくない過剰又は異常な細胞の、望ましくないか又は制御されていない細胞増殖を指す。増殖性疾患の例としては、新生物、腫瘍、がん、白血病、乾癬、骨疾患、線維性疾患及びアテローム性動脈硬化症が挙げられ得、増殖性疾患には、限定されないが、良性細胞、前がん性細胞又は悪性細胞の増殖を含み得る。がんは、限定されないが、肺がん、小細胞肺がん、消化器がん、結腸直腸がん、大腸がん、乳がん、卵巣がん、前立腺がん、精巣がん、肝臓がん、腎臓がん、膀胱がん、膵臓がん、脳がん、肉腫、骨肉腫、カポジ肉腫及びメラノーマであり得る。
【0131】
本明細書において特に定義がない限り、本発明に関連して使用される科学用語及び技術用語は、当業者によって一般的に理解されている意味を有する。
【0132】
本発明の態様において、本発明による、ピロロベンゾジアゼピンプロドラッグ、ピロロベンゾジアゼピンプロドラッグ-リンカー化合物、及びピロロベンゾジアゼピン-リンカー-リガンドコンジュゲートは、以下の手順に従って、合成することができる。
【0133】
ピロロベンゾジアゼピンプロドラッグの合成経路
【0134】
【化14】
【0135】
ピロロベンゾジアゼピンプロドラッグ-リンカー及びピロロベンゾジアゼピンプロドラッグ-リンカー-リガンドコンジュゲートの合成経路
本発明によるピロロベンゾジアゼピンプロドラッグ-リンカー化合物及びピロロベンゾジアゼピンプロドラッグ-リンカー-リガンドコンジュゲートは、本明細書に提示する技術により、当業者の知識を使用して、調製することができる。
【0136】
例えば、リンカーは、参照によってその全体が本明細書に組み込まれるPCT/US2016/063564号及びPCT/US2016/063595号に記載され得るが、本明細書に記載されていなくても、当業者による公知の参考文献に従っても、調製され得る。
【発明の効果】
【0137】
本発明による、ピロロベンゾジアゼピン二量体プロドラッグ、ピロロベンゾジアゼピン二量体プロドラッグ-リンカー、又はピロロベンゾジアゼピン二量体プロドラッグ-リンカー-リガンドコンジュゲートは、化合物自体の安定性、及び血漿中でのその安定性が優れ、本化合物が、毒性の所見に関して有利であるので、がんなどの増殖性疾患を標的とし、特定の処置を行い、薬物の有効性を最大化し、副作用の発生を最小化することが可能であるという点において、産業上有用である。
【図面の簡単な説明】
【0138】
図1】本発明による化合物番号28の合成プロセスの例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0139】
以下に、本発明を、実施例を参照して、より詳細に記載する。しかしながら、以下の実施例は、本発明の理解を助けることを意図するものであって、本発明の範囲を、これらに限定することを意図するものではない。
【実施例0140】
[実施例1]化合物4の調製
【0141】
【化15】
【0142】
化合物2の調製
塩化オキサリル(3.1mL、36.2mmol)をジクロロメタン(40mL)に溶解し、ジメチルスルホキシド(4.7mL、66.4mmol)を、窒素雰囲気下、-78℃で、そこに添加した。10分後、化合物1(10g、30.2mmol、化合物1は、J. Org. Chem.、2003年、68巻、3923~3931頁に記載の方法によって、調製した)のジクロロメタン(140mL)溶液を、混合物に徐々に添加し、反応溶液を1時間撹拌し、次いで、トリエチルアミン(16.7mL、120.6mmol)をそこに添加し、反応温度を、2時間かけて、徐々に0℃に上昇させた。反応溶液をジクロロメタン(200mL)で希釈し、有機層を、飽和塩化アンモニウム水溶液(200mL)及びブライン(200mL)で洗浄し、次いで、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。得られたものをろ過し、次いで、濃縮し、カラムクロマトグラフィーによって精製して、化合物2(9.5g、95%)を得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) (回転異性体) δ 4.39-4.26 (m, 1H), 4.03-3.80 (m, 2H), 3.69-3.64 (m, 1H), 3.63-3.51 (m, 1H), 2.70-2.60 (m, 1H), 2.43 (d, J = 17.6 Hz), 1.61-1.41 (m, 10H), 0.98-0.67 (m, 6H), 0.08-0.05 (s, 6H).
【0143】
化合物3の調製
臭化メチルトリフェニルホスホニウム(7.6g、21.2mmol)をテトラヒドロフラン(80mL)で希釈し、次いで、カリウムt-ブトキシド(THF中1M、21.2mL、21.2mmol)を、窒素雰囲気下、0℃で、そこに添加した。混合物を1時間撹拌し、次いで、化合物2(5.0g、15.2mmol)のテトラヒドロフラン(10mL)溶液を、そこに徐々に添加した。混合物を、反応温度を室温に徐々に上昇させながら、4時間撹拌した。飽和塩化アンモニウム水溶液(200mL)を反応溶液に添加し、次いで、混合物をジエチルエーテル(2×200mL)を使用する抽出に付した。合わせた有機層を、ブライン(200mL)で洗浄し、次いで、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。得られたものをろ過し、次いで、濃縮し、カラムクロマトグラフィーによって精製して、化合物3(4.27g、86%)を得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) (回転異性体) δ 4.97-4.91 (m, 2H), 4.09-3.93 (m, 2H), 3.84-3.80 (m, 1H), 3.65-3.61 (m, 1H), 3.59-3.34 (m, 1H), 2.64-2.55 (m, 2H), 1.69 (s, 9H), 0.87 (s, 9H), 0.03 (s, 6H).
【0144】
化合物4の調製
化合物3(15.5g、47.2mmol)を、ジクロロメタン(120mL)に溶解し、次いで、塩酸(4Nの1,4-ジオキサン溶液、82.6mL、330.4mmol)を、0℃で、そこに添加し、混合物を、窒素雰囲気下、2時間撹拌した。反応溶液を減圧下濃縮して、化合物4(6.53g、92%)を白色固体として得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) (回転異性体) δ 9.79 (br s, 1H), 9.17 (br s, 1H), 5.15 (d, J = 8 Hz, 1H), 4.91 (br s, 1H), 4.10 (m, 5H), 2.76-2.70 (m, 1H), 2.60-2.54 (m, 1H).
【0145】
[実施例2]化合物9の調製
【0146】
【化16】
【0147】
化合物6の調製
化合物5(10g、20.2mmol、化合物5は、J. Med. Chem.、2004年、47巻、1161~1174頁に記載の方法によって、調製した)をジクロロメタン(100mL)に溶解し、次いで、塩化オキサリル(6.1mL、70.8mmol)及びN,N-ジメチルホルムアミド(2滴)を、窒素雰囲気下、0℃で、そこに添加した。反応溶液を4時間撹拌し、次いで、温度を室温に上昇させ、反応溶液を、10時間撹拌し、減圧下濃縮し、真空乾燥した。得られた化合物をジクロロメタン(120mL)に溶解し、次いで、化合物4(6.2g、41.4mmol)及びトリエチルアミン(9.9mL、70.8mmol)を、窒素雰囲気下、0℃で、そこに添加した。反応温度を室温に上昇させ、混合物を3時間撹拌し、飽和塩化アンモニウム水溶液(200mL)を反応溶液に添加し、混合物を、ジクロロメタン(2×200mL)を使用する抽出に付した。合わせた有機層を、ブライン(200mL)で洗浄し、次いで、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。得られたものをろ過し、次いで、濃縮し、カラムクロマトグラフィーによって精製して、化合物6(12g、87%)を得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.71 (s, 2H), 6.80 (s, 2H), 5.13 (s, 2H), 4.88 (s, 2H), 4.61 (m, 2H), 4.17-4.14 (t, J = 6.2 Hz, 4H), 3.98 (s, 6H), 3.94-3.74 (m, 10H), 2.89-2.83 (m, 2H), 2.52-2.48(m, 2H), 2.04-1.96 (m, 4H), 1.77-1.71 (m, 2H).
【0148】
化合物7の調製
化合物6(6.4g、9.36mmol)をジクロロメタン(100mL)に溶解し、次いで、イミダゾール(2.5g、37.4mmol)及びt-ブチルジメチルシリルクロリド(3.5g、23.4mmol)を、窒素雰囲気下、0℃で、そこに添加した。反応溶液を2時間撹拌し、次いで、飽和塩化アンモニウム水溶液(100mL)を反応溶液に添加し、混合物を、ジクロロメタン(2×100mL)を使用する抽出に付した。合わせた有機層を、ブライン(200mL)で洗浄し、次いで、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。得られたものをろ過し、次いで、濃縮し、カラムクロマトグラフィーによって精製して、化合物7(6.88g、75%)を得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) (回転異性体) δ 7.70 (s, 1H), 6.76 (s, 2H), 4.99 (s, 2H), 4.83 (s, 2H), 4.59 (br s, 2H), 4.14, (t, 4H), 3.95 (s, 6H), 3.90 (d, 2H), 3.77-3.69 (m, 4H), 3.57 (q, J = 6.2 Hz, 1H), 3.31-3.29 (m, 1H), 2.82-2.67 (m, 4H), 1.99 (t, J = 7.2 Hz, 4H), 1.75-1.72 (m, 2H), 0.89 (s, 18H), 0.09 (s, 12H).
【0149】
化合物8の調製
化合物7(3.0g、3.29mmol)をエタノール(44mL)に溶解し、次いで、亜鉛末(12.9g、197mmol)及びギ酸(5%エタノール溶液、128mL)を、そこに添加した。反応溶液を室温で15分間撹拌し、次いで、セライトを通してろ過し、酢酸エチル(500mL)を、そこに添加した。有機層を、蒸留水(200mL)、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(200mL)及びブライン(200mL)で洗浄し、次いで、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。得られたものをろ過し、次いで、濃縮し、カラムクロマトグラフィーによって精製して、化合物8(2.76g、98%)を得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ 6.74 (s, 2H), 6.24 (s, 2H), 4.97 (s, 2H), 4.90 (s, 2H), 4.54 (br s, 2H), 4.33 (br s, 4H), 4.18 (br s, 1H), 4.14 (br s, 2H), 4.14-4.09 (m, 2H), 4.00 (t, J = 8 Hz, 4H), 3.77 (s, 6H), 3.62 (br s. 2H), 2.68 (s, 4H), 1.95-1.88 (m, 4H), 1.66-1.64 (m, 2H), 0.87 (s, 18H), 0.02 (s, 12H).
【0150】
化合物9の調製
化合物8(5.0g、5.86mmol)をジクロロメタン(300mL)に溶解し、次いで、ピリジン(0.94mL、11.7mmol)及びクロロギ酸アリル(0.62mL、5.86mmol)を、窒素雰囲気下、-78℃で、そこに添加した。反応溶液を1時間撹拌し、次いで、反応温度を室温に上昇させ、反応溶液を、濃縮し、次いで、カラムクロマトグラフィーによって精製して、化合物9(2.23g、41%)を得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.84 (s, 1H), 6.81 (s, 1H), 6.74 (s, 1H), 6.24 (s, 1H), 5.98-5.92 (m, 1H), 5.37, (dd, J = 17.6 Hz, J = 1.2 Hz, 1H), 5.25 (dd, J = 10.4 Hz, J = 1.2 Hz, 1H), 4.97 (br s, 2H), 4.90 (br s, 2H), 4.63-4.62 (m, 4H), 4.34 (br s, 2H), 4.21-4.18 (m, 2H), 4.10 (t, J = 6.4 Hz, 3H), 3.99 (t, J = 6.4 Hz, 3H), 3.83 (s, 3H), 3.77 (s, 3H), 3.63 (bs, 1H), 2.68 (br s, 4H), 1.97-1.89 (m, 4H), 1.69-1.61 (m, 2H), 0.87 (s, 18H), 0.02 (br s, 12H).
【0151】
[実施例3]化合物12の調製
【0152】
【化17】
【0153】
化合物11の調製
アセトニトリル(40mL)に、4-ヒドロキシベンズアルデヒド(475mg、3.89mmol)及び化合物10(1.7g、4.28mmol、化合物10は、韓国特許第1,628,872号に記載の方法によって、調製した)を溶解し、次いで、4Åのモレキュラーシーブ(4g)及び酸化銀(I)(3.6g、15.6mmol)を、そこに添加し、混合物を、窒素雰囲気下、室温で3時間撹拌した。反応溶液を、減圧下濃縮し、蒸留水(40mL)で希釈し、酢酸エチル(2×50mL)を使用する抽出に付した。抽出した有機層を、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、減圧下濃縮し、次いで、カラムクロマトグラフィーによって精製して、化合物11(1.3g、69%)を得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ 9.93 (s, 1H), 7.86 (d, J = 8 Hz, 2H), 7.11 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 5.38-5.29 (m, 4H), 4.25-4.23 (m, 1H), 3.71 (s, 3H), 2.06 (s, 9H).
【0154】
化合物12の調製
化合物11(1.3g、2.96mmol)をクロロホルム/イソプロパノール(50mL/10mL)に溶解し、次いで、シリカゲル(1.3g)及び水素化ホウ素ナトリウム(134mg、3.55mmol)を、窒素雰囲気下、0℃で、そこに添加し、次いで、混合物を2時間撹拌した。蒸留水(40mL)を反応溶液に添加し、混合物を酢酸エチル(2×50mL)を使用する抽出に付した。抽出した有機層を、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、減圧下濃縮し、次いで、カラムクロマトグラフィーによって精製して、化合物12(600mg、45%)を得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.31 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 6.99 (d, J = 8.4 Hz 2H), 5.35-5.26 (m, 3H), 5.13 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 4.64 (d, J = 5.6 Hz, 2H), 4.18-4.16 (m, 1H), 3.73 (s, 3H), 2.06-2.04 (m, 9H), 1.61 (t, J = 5.6 Hz, 1H).
【0155】
[実施例4]化合物15の調製
【0156】
【化18】
【0157】
化合物13の調製
メタノール(50mL)に、5-ホルミルサリチル酸(5.0g、30.1mmol)を溶解し、濃硫酸(2mL)を、そこに添加した。反応溶液を、24時間、加熱還流し、次いで、減圧下濃縮し、酢酸エチル(100mL)で希釈した。有機層を、蒸留水(100mL)、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(200mL)及びブライン(200mL)で洗浄し、次いで、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。得られたものをろ過し、次いで、濃縮し、真空乾燥して、化合物13(4.62g、85%)を白色固体として得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ 11.36 (s, 1H), 9.88 (s, 1H), 8.38 (d, J = 2.4 Hz, 1H), 8.00 (dd, J = 8.4 Hz, J = 2 Hz, 1H), 7.11 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 4.01 (s, 3H).
【0158】
化合物14の調製
化合物13(1.7g、9.38mmol)及び化合物10(4.1g、10.3mmol)をアセトニトリル(50mL)に溶解し、次いで、4Åのモレキュラーシーブ(4g)及び酸化銀(I)(8.7g、37.5mmol)を、そこに添加し、混合物を、窒素雰囲気下、室温で3時間撹拌した。反応溶液を、減圧下濃縮し、蒸留水(50mL)で希釈し、次いで、酢酸エチル(2×50mL)を使用する抽出に付した。抽出した有機層を、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、減圧下濃縮し、次いで、カラムクロマトグラフィーによって精製して、化合物14(2.85g、61%)を得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ 9.95 (s, 1H), 8.29 (d, J = 2 Hz, 1H), 8.01 (dd, J = 8.4 Hz, J = 2 Hz, 1H), 7.26 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 5.42-5.30 (m, 4H), 4.27 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 3.89 (s, 3H), 3.72 (s, 3H), 2.08 (s, 3H), 2.07 (s, 3H), 2.06 (s, 3H).
【0159】
化合物15の調製
化合物14(2.85g、5.74mmol)をクロロホルム:イソプロパノール(50mL/10mL)に溶解し、次いで、シリカゲル(2.8g)及び水素化ホウ素ナトリウム(434mg、11.5mmol)を、窒素雰囲気下、0℃で、そこに添加し、混合物を2時間撹拌した。蒸留水(40mL)を反応溶液に添加し、混合物をジクロロメタン(2×50mL)を使用する抽出に付した。抽出した有機層を、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、減圧下濃縮し、次いで、カラムクロマトグラフィーによって精製して、化合物15(1.42g、49%)を得た。
【0160】
[実施例5]化合物20の調製
【0161】
【化19】
【0162】
化合物16の調製
テトラヒドロフラン(30mL)で、5-ホルミルサリチル酸(10.0g、60.1mmol)を希釈し、次いで、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(29.8mL、180mmol)及び臭化ベンジル(7.15mL、60.1mmol)を、室温で、そこに添加した。反応溶液を、18時間、加熱還流し、次いで、温度を、室温に下げ、2Nの塩酸水溶液(100mL)を、そこに添加した。混合物を、酢酸エチル(2×100mL)を使用する抽出に付し、合わせた有機層を、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。得られたものをろ過し、次いで、減圧下濃縮し、カラムクロマトグラフィーによって精製して、化合物16(12.9g、83%)を得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ 11.38 (s, 1H), 9.86 (s, 1H), 8.40 (s, 1H), 8.01 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 7.44 (m, 5H), 7.12 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 5.42 (s, 2H).
【0163】
化合物17の調製
化合物16(5.0g、19.5mmol)及び化合物10(8.5g、21.4mmol)をアセトニトリル(100mL)に溶解し、4Åのモレキュラーシーブ(10g)及び酸化銀(I)(18.0g、78.0mmol)を、そこに添加し、混合物を、窒素雰囲気下、室温で12時間撹拌した。反応溶液を、減圧下濃縮し、蒸留水(100mL)で希釈し、酢酸エチル(2×100mL)を使用する抽出に付した。抽出した有機層を、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過し、減圧下濃縮し、次いで、カラムクロマトグラフィーによって精製して、化合物17(8.63g、77%)を得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ 9.94 (s, 1H), 8.28 (s, 1H), 8.02 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 7.46-7.28 (m, 6H), 5.41-5.32 (m, 6H), 4.27 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 3.71 (s, 3H), 2.06-2.04 (m, 9H).
【0164】
化合物18の調製
化合物17(3.10g、5.41mmol)をクロロホルム/イソプロパノール(45mL/9mL)に溶解し、次いで、シリカゲル(3g)及び水素化ホウ素ナトリウム(0.41g、10.8mmol)を、窒素雰囲気下、0℃で、そこに添加し、混合物を2時間撹拌した。蒸留水(100mL)を反応溶液に添加し、次いで、混合物を酢酸エチル(200mL)を使用する抽出に付した。抽出した有機層を、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過し、減圧下濃縮し、次いで、カラムクロマトグラフィーによって精製して、化合物18(2.73g、87%)を白色固体として得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.74 (s, 1H), 7.48-7.34 (m, 6H), 7.16 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 5.35-5.26 (m, 5H), 5.16-5.14 (m, 1H), 4.17-4.15 (m, 1H), 3.73 (s, 3H), 2.04 (s, 9H), 1.73 (t, J = 7.2 Hz, 1H).
【0165】
化合物19の調製
化合物18(2.40g、4.17mmol)をエタノール(150mL)に溶解し、次いで、ラネーニッケル(240mg)を、そこに添加した。反応溶液を、水素雰囲気下、室温で10分間撹拌した。反応溶液をセライトを通してろ過し、濃縮して、化合物19(2.10g)を白色固体として得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.06 (s, 1H) 7.61 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 7.23 (d, J = 8.0 Hz 1H), 5.43-5.29 (m, 5H), 4.17 (s, 2H), 4.32 (d, J = 8.4 Hz, 1H) 3.69 (s, 3H), 2.11-2.08 (m, 9H), 1.24 (t, 1H).
【0166】
化合物20の調製
化合物19(7.0g、14.5mmol)及び2-メトキシエチルアミン(1.38mL、1.59mmol)をN,N-ジメチルホルムアミド(14mL)に溶解し、次いで、N,N,N',N'-テトラメチル-O-(1H-ベンゾトリアゾール-1-イル)ウロニウムヘキサフルオロリン酸塩(6.57g、17.3mmol)及びN,N-ジイソプロピルエチルアミン(5mL、28.9mmol)を、窒素雰囲気下、0℃で、そこに添加した。反応溶液を、室温で2時間撹拌し、次いで、飽和塩化アンモニウム水溶液(100mL)を反応溶液に添加し、混合物を、酢酸エチル(2×100mL)を使用する抽出に付した。合わせた有機層を、ブライン(200mL)で洗浄し、次いで、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。得られたものをろ過し、次いで、濃縮し、カラムクロマトグラフィーによって精製して、化合物20(7.53g、96%)を得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.98 (d, J = 2 Hz, 1H), 7.49 (br s, 1H), 7.46 (dd, J = 8.4 Hz, J = 2.4 Hz, 1H), 7.04 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 5.42-5.28 (m, 4H), 4.66 (s, 1H), 4.19 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 3.72 (s, 3H), 3.57 (s, 3H), 3.42 (s, 3H), 2.05 (s, 9H).
【0167】
[実施例6]化合物22の調製
【0168】
【化20】
【0169】
化合物19(1.0g、2.06mmol)及び化合物21(1.49g、2.80mmol、化合物21は、PCT/US2016/063564号に記載の方法によって、調製した)をN,N-ジメチルホルムアミド(10mL)に溶解し、次いで、N,N,N',N'-テトラメチル-O-(1H-ベンゾトリアゾール-1-イル)ウロニウムヘキサフルオロリン酸塩(1.56g、4.12mmol)及びN,N-ジイソプロピルエチルアミン(1.07mL、6.18mmol)を、窒素雰囲気下、0℃で、そこに添加した。反応溶液を、室温で12時間撹拌し、次いで、飽和塩化アンモニウム水溶液(100mL)を反応溶液に添加し、混合物を、酢酸エチル(2×100mL)を使用する抽出に付した。合わせた有機層を、ブライン(200mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。得られたものをろ過し、次いで、濃縮し、カラムクロマトグラフィーによって精製して、化合物22(1.6g、80%)を得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.98 (s, 1H), 7.46 (dd, J = 8.4 Hz, J = 2.4 Hz, 1H), 7.41 (br s, 1H), 7.04 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 5.93-5.25 (m, 4H), 4.67 (d, J = 5.2 Hz, 2H), 4.20 (d, J = 9.6 Hz, 1H), 4.08 (t, J = 4.8 Hz, 2H), 3.74 (s, 6H), 3.72-3.49 (m, 22H), 2.06 (s, 9H), 1.53 (s, 18H).
【0170】
[実施例7]化合物25の調製
【0171】
【化21】
【0172】
化合物23の調製
化合物9(2.2g、2.34mmol)をトルエン(65mL)に溶解し、次いで、トリホスゲン(250mg、0.84mmol)及びトリエチルアミン(0.44mL、3.16mmol)を、-10℃で、そこに添加し、混合物を、窒素雰囲気下、1時間撹拌した。化合物20(1.39g、2.58mmol)を乾燥テトラヒドロフラン(65mL)に溶解し、トリエチルアミン(0.44mL、3.16mmol)を、そこに添加し、次いで、この溶液を、反応溶液に、徐々に添加した。30分後、反応溶液を、加熱還流し、4時間撹拌した。反応溶液を、濃縮し、ジクロロメタン(100mL)で希釈し、ブライン(50mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。得られたものをろ過し、減圧下濃縮し、次いで、カラムクロマトグラフィーによって精製して、化合物23(2.5g、72%)を得た。
EI-MS m/z : [M+H]+ 1504.7, 1/2[M+H]+ 753.5.
【0173】
化合物24の調製
化合物23(2.0g、1.33mmol)をジクロロメタン(15mL)に溶解し、次いで、ピロリジン(0.13mL、1.59mmol)及びテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(76mg、0.066mmol)を、そこに添加し、混合物を、窒素雰囲気下、室温で6時間撹拌した。反応溶液を、減圧下濃縮し、次いで、カラムクロマトグラフィーによって精製して、化合物24(1.7g、90%)を得た。
EI-MS m/z : [M+H]+ 1420.6, 1/2[M+H]+ 711.2.
【0174】
化合物25の調製
化合物24(1.2g、0.84mmol)をトルエン(24mL)に溶解し、トリホスゲン(90mg、0.30mmol)及びピリジン(0.33mL、4.22mmol)を、-10℃で、そこに添加し、混合物を、窒素雰囲気下、1時間撹拌した。化合物22(974mg、1.01mmol)を乾燥テトラヒドロフラン(24mL)に溶解し、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(0.21mL、1.26mmol)を、そこに添加し、次いで、この溶液を、反応溶液に、徐々に添加した。30分後、反応溶液を、加熱還流し、4時間撹拌した。反応溶液を、濃縮し、ジクロロメタン(50mL)で希釈し、ブライン(30mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。得られたものをろ過し、減圧下濃縮し、次いで、カラムクロマトグラフィーによって精製して、化合物25(800mg、40%)を得た。
EI-MS m/z : [M+H]+ 2409.9, 1/2[M+Na]+ 1214.3.
【0175】
[実施例8]化合物28の調製
【0176】
【化22】
【0177】
化合物26の調製
化合物25(800mg、0.33mmol)をテトラヒドロフラン/蒸留水(4mL/4mL)に溶解し、酢酸(8mL)を、そこに添加し、次いで、混合物を、窒素雰囲気下、室温で16時間撹拌した。反応溶液を、減圧下濃縮し、次いで、カラムクロマトグラフィーによって精製して、化合物26(660mg、90%)を得た。
EI-MS m/z : [M+H]+ 2181.6, 1/2[M-Boc+H]+ 1041.5.
【0178】
化合物27の調製
化合物26(660mg、0.15mmol)を、ジクロロメタン(15mL)に溶解し、次いで、デス-マーチンペリオジナン(141mg、0.33mmol)を、そこに添加し、混合物を、窒素雰囲気下、室温で3.5時間撹拌した。反応溶液を、減圧下濃縮し、次いで、カラムクロマトグラフィーによって精製して、化合物27(477mg、70%)を得た。
EI-MS m/z : [M+H]+ 2177.6, 1/2[M+H]+ 1089.5.
【0179】
化合物28の調製
化合物27(150mg、0.068mmol)をメタノール/テトラヒドロフラン(3mL/3mL)に溶解し、次いで、水酸化リチウム(26mg、0.62mmol)の蒸留水(3mL)溶液を、-40℃で、徐々に、そこに添加した。混合物を、反応温度を0℃に徐々に上昇させながら、2時間撹拌した。反応溶液を、酢酸で中和し、次いで、減圧下濃縮し、真空乾燥した。得られた固体をジクロロメタン(5mL)で希釈し、次いで、トリフルオロ酢酸(1.2mL)を、0℃で、そこに添加し、混合物を2時間撹拌した。反応溶液を減圧下濃縮し、次いで、HPLCによって精製し、凍結乾燥して、化合物28(20mg、16%)を白色固体として得た。
EI-MS m/z : [M+H]+ 1697.5, 1/2[M+H]+ 849.3.
【0180】
[実施例9]化合物29の調製
【0181】
【化23】
化合物29を、化合物9及び化合物12から、化合物28の合成のための方法と同様の方法によって、調製した。EI-MS m/z : [M+H]+ 1596.9, 1/2[M+H]+ 799.3.
【0182】
[実施例10]化合物30の調製
【0183】
【化24】
化合物30を、化合物9及び化合物15から、化合物28の合成のための方法と同様の方法によって、調製した。EI-MS m/z : [M+H]+ 1655.3, 1/2[M+H]+ 828.1.
【0184】
[実施例11]化合物32の調製
【0185】
【化25】
化合物32を、化合物19及び化合物31(化合物31は、PCT/US2016/063564号に記載の方法によって、調製した)から、化合物22の合成のための方法と同様の方法によって、調製した。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.97 (s, 1H), 7.46 (dd, J = 8.4 Hz, J = 2.4 Hz, 1H), 7.41 (bs, 1H), 7.04 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 5.72 (s, 1H), 5.42-5.27 (m, 4H), 4.66 (d, J = 5.2 Hz, 2H), 4.25 (d, J = 9.6 Hz, 1H), 3.97 (t, J = 4.8 Hz, 2H), 3.78 (s, 3H), 3.74-3.64 (m, 10H), 2.04 (s, 9H), 1.53 (s, 9H). EI-MS m/z : [M+H]+ 731.5.
【0186】
[実施例12]化合物34の調製
【0187】
【化26】
化合物34を、化合物24及び化合物32から、化合物28の合成のための方法と同様の方法によって、調製した。
EI-MS m/z : [M+H]+ 1565.5, 1/2[M+H]+ 783.4.
【0188】
[実施例13]化合物39の調製
【0189】
【化27】
化合物35及び化合物36を、PCT/US2016/063564号に記載の方法によって、調製した。
【0190】
【化28】
【0191】
化合物37の調製
化合物24(400mg、0.28mmol)をトルエン(10mL)に溶解し、次いで、トリホスゲン(30mg、0.10mmol)及びトリエチルアミン(0.053mL、0.38mmol)を、-10℃で、そこに添加し、混合物を、窒素雰囲気下、1時間撹拌した。化合物35(177mg、0.33mmol)を乾燥テトラヒドロフラン(10mL)に溶解し、トリエチルアミン(0.053mL、0.38mmol)を、そこに添加し、次いで、この溶液を、反応溶液に、徐々に添加した。30分後、反応溶液を、加熱還流し、4時間撹拌した。反応溶液を、濃縮し、ジクロロメタン(50mL)で希釈し、ブライン(30mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。得られたものをろ過し、減圧下濃縮し、次いで、カラムクロマトグラフィーによって精製して、化合物37(192mg、34%)を得た。
EI-MS m/z : [M+H]+ 1971.8, 1/2[M+H]+ 986.6.
【0192】
化合物38の調製
化合物37(192mg、0.097mmol)をジクロロメタン(5mL)に溶解し、次いで、ピロリジン(0.012mL、0.14mmol)及びテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(11.2mg、0.096mmol)を、そこに添加し、混合物を、窒素雰囲気下、室温で6時間撹拌した。反応溶液を、減圧下濃縮し、次いで、カラムクロマトグラフィーによって精製して、化合物38(180mg、96%)を得た。
EI-MS m/z : [M+H]+ 1932.8, 1/2[M+H]+ 966.5
【0193】
化合物39の調製
化合物38(180mg、0.093mmol)及び化合物36(112mg、0.116mmol)をN,N-ジメチルホルムアミド(2mL)に溶解し、次いで、1-[ビス(ジメチルアミノ)メチレン]-1H-1,2,3-トリアゾロ[4,5-b]ピリジニウム3-オキシドヘキサフルオロリン酸塩(HATU、46mg、0.121mmol)及びN,N-ジイソプロピルエチルアミン(0.032mL、0.186mmol)を、窒素雰囲気下、0℃で、そこに添加した。反応溶液を、室温で36時間撹拌し、次いで、蒸留水(20mL)を反応溶液に添加し、混合物を、酢酸エチル(2×20mL)を使用する抽出に付した。合わせた有機層を、ブライン(20mL)で洗浄し、次いで、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。得られたものをろ過し、次いで、濃縮し、カラムクロマトグラフィーによって精製して、化合物39(133mg、50%)を得た。
EI-MS m/z : [M+H]+ 2876.4, 1/2[M+H]+ 1438.6.
【0194】
[実施例14]化合物42の調製
【0195】
【化29】
【0196】
化合物40の調製
化合物39(133mg、0.046mmol)をテトラヒドロフラン/蒸留水(1mL/1mL)に溶解し、酢酸(2mL)を、そこに添加し、次いで、混合物を、窒素雰囲気下、室温で16時間撹拌した。反応溶液を、減圧下濃縮し、次いで、カラムクロマトグラフィーによって精製して、化合物40(67.4mg、55%)を得た。
EI-MS m/z : [M+H]+ 2647.4, 1/2[M+H]+ 1324.5.
【0197】
化合物41の調製
化合物40(67.4mg、0.025mmol)を、ジクロロメタン(2mL)に溶解し、次いで、デス-マーチンペリオジナン(23.7mg、0.056mmol)を、そこに添加し、混合物を、窒素雰囲気下、室温で3.5時間撹拌した。反応溶液を、減圧下濃縮し、次いで、カラムクロマトグラフィーによって精製して、化合物41(43mg、65%)を得た。
EI-MS m/z : [M+H]+ 2643.1, 1/2[M+H]+ 1322.5.
【0198】
化合物42の調製
化合物41(43mg、0.016mmol)をメタノール/テトラヒドロフラン(0.5mL/0.5mL)に溶解し、次いで、水酸化リチウム(6.8mg、0.16mmol)の蒸留水(0.5mL)溶液を、-40℃で、徐々に、そこに添加した。混合物を、反応温度を-10℃に徐々に上昇させながら、2時間撹拌した。反応溶液を、酢酸で中和し、次いで、減圧下濃縮し、真空乾燥した。得られた固体をジクロロメタン(1mL)で希釈し、次いで、トリフルオロ酢酸(0.2mL)を、0℃で、そこに添加し、混合物を2時間撹拌した。反応溶液を減圧下濃縮し、次いで、HPLCによって精製し、凍結乾燥して、化合物42を白色固体(7.0mg)として得た。
EI-MS m/z : [M+H]+ 2263.4, 1/2[M+H]+ 1132.3.
【0199】
[実施例15]化合物48の調製
【0200】
【化30】
【0201】
化合物44の調製
化合物43(37g、40.2mmol、化合物43は、J. Med. Chem.、2004年、47巻、1161~1174頁に記載の方法によって、調製した)をジクロロメタン(400mL)に溶解し、次いで、トリクロロイソシアヌル酸(14.9g、64.3mmol)及び2,2,6,6-テトラメチル-1-ピペリジニルオキシ(1.3g、8.0mmol)を、0℃で、そこに添加し、混合物を、窒素雰囲気下、1時間撹拌した。反応溶液を、ジクロロメタン(400mL)の添加によって希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(400mL)、チオ硫酸ナトリウム(0.2M、400mL)及びブライン(200mL)の順序で洗浄し、次いで、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。得られたものをろ過し、次いで、減圧下濃縮し、カラムクロマトグラフィーによって精製して、化合物44(35g、83%)を得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) (回転異性体) δ 7.72 (s, 2H), 6.73 (s, 2H), 4.97 (d, 2H), 4.31 (d, 2H), 4.12 (t, 4H), 3.95-3.96 (m, 6H), 3.71 (d, 2H), 3.64 (d, 2H), 3.45 (d, 2H), 2.82-2.75 (m, 2H), 2.55 (d, 2H), 1.99 (m, 4H), 1.72 (m, 2H), 0.85 (s, 18H), 0.08 (d, 12H).
【0202】
化合物45の調製
化合物44(5g、5.45mmol)をジクロロメタン(90mL)に溶解し、次いで、2,6-ルチジン(5.1mL、43.8mmol)及びトリフル酸無水物(5.5mL、39.0mmol)を、-40℃で、そこに添加し、混合物を、窒素雰囲気下、1時間撹拌した。反応溶液を、ジクロロメタン(90mL)の添加によって希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(90mL)、蒸留水(90mL)及びブライン(200mL)で洗浄し、次いで、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。得られたものをろ過し、次いで、減圧下濃縮し、カラムクロマトグラフィーによって精製して、化合物45(4.0g、62%)を得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) (回転異性体) δ 7.71 (s, 2H), 6.77 (s, 2H), 6.08 (s, 2H), 4.79-4.78 (m, 2H), 4.18-4.09 (m, 6H), 4.02-3.92 (m, 8H), 3.22-3.14 (m, 2H), 3.01-2.97 (m, 2H), 2.02-1.97 (m, 4H), 0.91 (s, 18H), 0.11 (s, 12H).
【0203】
化合物46の調製
化合物45(3.1g、2.6mmol)をトルエン(45mL)に溶解し、次いで、メチルボロン酸(1.1g、18.2mmol)、酸化銀(I)(4.8g、20.9mmol)、リン酸カリウム(6.6g、31.5mmol)、トリフェニルアルシン(642mg、2.1mmol)及び二塩化ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)(184mg、0.3mmol)を、アルゴン雰囲気下、そこに添加し、混合物を、加熱し、80℃で3時間撹拌した。反応溶液を、セライトを通してろ過し、次いで、濃縮し、カラムクロマトグラフィーによって精製して、化合物46(955mg、40%)を得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) (回転異性体) δ 7.68 (s, 2H), 6.77 (s, 2H), 5.52 (s, 2H), 4.66-4.64 (m, 2H), 4.14-4.07 (m, 6H), 3.94-3.92 (m, 8H), 2.75-2.73 (m, 2H), 2.55-2.51 (m, 2H), 1.99-1.93 (m, 4H), 1.72-1.68 (m, 2H), 1.60 (s, 6H), 0.88 (s, 18H), 0.09 (s, 12H).
【0204】
化合物47の調製
化合物46(2.9g、3.17mmol)をエタノール(44mL)に溶解し、次いで、亜鉛末(12.9g、197mmol)及びギ酸(5%エタノール溶液、128mL)を、そこに添加した。反応溶液を室温で15分間撹拌し、次いで、セライトを通してろ過し、酢酸エチル(500mL)を、そこに添加した。有機層を、蒸留水(200mL)、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(200mL)及びブライン(200mL)の順序で洗浄し、次いで、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。得られたものをろ過し、次いで、濃縮し、カラムクロマトグラフィーによって精製して、化合物47(3.0g、82%)を得た。1H-NMR (400 MHz, CDCl3) (回転異性体) δ 6.74 (s, 2H), 6.23 (s, 2H), 6.18 (bs, 2H), 4.64 (bs, 2H), 4.34 (s, 3H), 4.07-3.93 (m, 6H), 3.80-3.76 (m, 7H), 2.74-2.68 (m, 2H), 2.53 (d, 2H), 1.91 (m, 4H), 1.67-1.62 (m, 8H), 0.88 (s, 18H), 0.05 (d, 12H).
【0205】
化合物48の調製
化合物47(3.0g、3.51mmol)をジクロロメタン(175mL)に溶解し、次いで、ピリジン(0.57mL、7.03mmol)及びクロロギ酸アリル(0.34mL、3.16mmol)を、窒素雰囲気下、-78℃で、そこに添加した。反応溶液を1時間撹拌し、次いで、反応温度を室温に上昇させ、反応溶液を、濃縮し、次いで、カラムクロマトグラフィーによって精製して、化合物48(1.33g、44%)を得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) (回転異性体) δ 8.80 (br s, 1H), 7.82 (s, 1H), 6.78 (s, 1H), 6.74 (s, 1H), 6.23 (s, 1H), 6.19 (br s, 2H), 5.99-5.90 (m, 1H), 5.34 (d, 1H), 5.23 (d, 1H), 4.63 (m, 4H), 4.35 (br s, 2H), 4.10 (t, 2H), 3.99 (t, 3H), 3.99 (m, 2H), 3.80 (s, 5H), 3.76 (s, 4H), 2.73 (m, 2H), 2.55 (m, 2H), 1.95-1.90 (m, 4H), 1.68-1.63 (m, 8H), 0.88 (s, 18H), 0.05 (d, 12H).
【0206】
[実施例16]化合物49の調製
【0207】
【化31】
化合物19(3.7g、7.56mmol)及びプロパルギルアミン(0.43mL、7.07mmol)をN,N-ジメチルホルムアミド(50mL)に溶解し、次いで、N-(3-ジメチルアミノプロピル)-N'-エチルカルボジイミド塩酸塩(2.32g、12.1mmol)及び1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(2.04g、15.1mmol)を、そこに添加した。反応溶液を、室温で12時間撹拌し、次いで、蒸留水(100mL)を反応溶液に添加し、混合物を、酢酸エチル(2×100mL)を使用する抽出に付した。合わせた有機層を、ブライン(200mL)で洗浄し、次いで、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。得られたものをろ過し、次いで、濃縮し、カラムクロマトグラフィーによって精製して、化合物49(3.4g、86%)を得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.01 (d, 1H), 7.57 (t, 1H), 7.49 (dd, 1H), 7.02 (d, 1H), 5.42-5.38 (m, 1H), 5.36-5.28 (m, 2H), 4.67 (d, 2H), 4.31-4.13 (m, 3H), 2.23 (t, 1H), 2.07-2.06 (m, 9H), 1.88 (t, 1H).
【0208】
[実施例17]化合物53の調製
【0209】
【化32】
【0210】
化合物51の調製
化合物50(4.5g、25.68mmol)をN,N-ジメチルホルムアミド(50mL)に溶解し、次いで、水素化ナトリウム(1.23g、30.82mmol)を、窒素雰囲気下、0℃で、そこに添加し、混合物を30分間撹拌し、次いで、臭化プロパルギル(最高で80%のトルエン溶液、4.96mL、33.4mmol)を、そこに添加し、次いで、この混合物を、室温で3時間撹拌した。蒸留水(40mL)を反応溶液に添加し、次いで、混合物を酢酸エチル(2×50mL)を使用する抽出に付した。合わせた有機層を、ブライン(100mL)で洗浄し、次いで、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。得られたものをろ過し、次いで、濃縮し、カラムクロマトグラフィーによって精製して、化合物51(4.35g、79%)を得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ 4.21 (d, J = 2.4 Hz, 2H), 3.70-3.38 (m, 10 H), 3.39 (t, J = 5.2 Hz, 2H), 2.43 (t, J = 2.4 Hz, 1H).
【0211】
化合物52の調製
化合物51(1.55g、7.03mmol)を乾燥テトラヒドロフラン(30mL)/蒸留水(2.53mL)に溶解し、次いで、トリフェニルホスフィン(2.21g、8.44mmol)を、そこに添加し、混合物を、室温で24時間撹拌した。得られた混合物を、濃縮し、カラムクロマトグラフィーによって精製して、化合物52(1.3g、99%)を得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ 4.21 (s, 2H), 3.69-3.64 (m, 8H), 3.52-3.49 (m, 2H), 2.88-2.85 (m, 2H), 4.23 (s, 1H). EI-MS m/z : [M+H]+ 188.2.
【0212】
化合物53の調製
化合物52(2.0g、10.68mmol)及び化合物19(4.7g、9.71mmol)をN,N-ジメチルホルムアミド(50mL)に溶解し、次いで、N,N,N',N'-テトラメチル-O-(1H-ベンゾトリアゾール-1-イル)ウロニウムヘキサフルオロリン酸塩(3.71g、11.6mmol)及びN,N-ジイソプロピルエチルアミン(3.38mL、19.4mmol)を、窒素雰囲気下、0℃で、そこに添加した。反応溶液を、室温で24時間撹拌し、次いで、蒸留水(100mL)を反応溶液に添加し、混合物を、酢酸エチル(2×100mL)を使用する抽出に付した。合わせた有機層を、ブライン(200mL)で洗浄し、次いで、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。得られたものをろ過し、次いで、濃縮し、カラムクロマトグラフィーによって精製して、化合物53(4.78g、75%)を得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.95 (s, 1H), 7.46 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.41-7.37 (m, 1H), 7.04 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 5.41-5.25 (m, 4H), 4.65 (d, J = 4.4 Hz, 2H), 4.21 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 4.17 (s, 2H), 3.74 (s, 3H), 3.68 (s, 11H), 3.56-3.50 (m, 1H), 2.05 (s, 9H).
【0213】
[実施例18]化合物55の調製
【0214】
【化33】
【0215】
化合物55の調製
化合物19(3.68g、7.60mmol)及び化合物54(1.46g、8.40mmol、化合物54は、PCT/US2016/063564号に記載の方法によって、調製した)をN,N-ジメチルホルムアミド(10mL)に溶解し、次いで、N,N,N',N'-テトラメチル-O-(1H-ベンゾトリアゾール-1-イル)ウロニウムヘキサフルオロリン酸塩(4.53g、11.40mmol)及びN,N-ジイソプロピルエチルアミン(3.97mL、22.80mmol)を、窒素雰囲気下、0℃で、そこに添加し、次いで、混合物を、室温で12時間撹拌した。飽和塩化アンモニウム水溶液(100mL)を反応溶液に添加し、混合物を酢酸エチル(2×100mL)を使用する抽出に付し、次いで、抽出物を無水硫酸ナトリウムで乾燥した。得られたものをろ過し、次いで、濃縮し、カラムクロマトグラフィーによって精製して、化合物55(3.31g、68%)を得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.99 (s, 1H), 7.47 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.41 (s, 1H), 5.42-5.25 (m, 4H), 4.68 (d, J = 5.6 Hz, 2H), 4.20 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 3.78-3.68 (m, 11H), 3.58-3.52 (m, 1H), 3.39-3.36 (m, 2H), 2.06 (s, 9H), 1.89-1.86 (m, 1H).
【0216】
[実施例19]化合物58の調製
【0217】
【化34】
【0218】
化合物56の調製
化合物48(1.33g、1.41mmol)をトルエン(40mL)に溶解し、次いで、トリホスゲン(151mg、0.51mmol)及びトリエチルアミン(0.26mL、1.91mmol)を、-10℃で、そこに添加し、混合物を、窒素雰囲気下、1時間撹拌した。化合物20(845mg、1.56mmol)を乾燥テトラヒドロフラン(40mL)に溶解し、トリエチルアミン(0.26mL、1.91mmol)を、そこに添加し、次いで、この溶液を、反応溶液に、徐々に添加した。30分後、反応溶液を、加熱還流し、4時間撹拌した。反応溶液を、濃縮し、ジクロロメタン(30mL)で希釈し、次いで、ブライン(20mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。得られたものをろ過し、減圧下濃縮し、次いで、カラムクロマトグラフィーによって精製して、化合物56(1.15mg、54%)を得た。
EI-MS m/z : [M+H]+ 1504.7, 1/2[M+H]+ 753.5.
【0219】
化合物57の調製
化合物56(1.15g、0.79mmol)をジクロロメタン(10mL)に溶解し、次いで、ピロリジン(0.08mL、1.35mmol)及びテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(45mg、0.057mmol)を、そこに添加し、混合物を、窒素雰囲気下、室温で2時間撹拌した。反応溶液を、減圧下濃縮し、次いで、カラムクロマトグラフィーによって精製して、化合物57(820mg、72%)を得た。
EI-MS m/z : [M+H]+ 1420.6, 1/2[M+H]+ 711.2.
【0220】
化合物58の調製
化合物57(730mg、0.51mmol)をトルエン(20mL)に溶解し、次いで、トリホスゲン(54mg、0.36mmol)及びピリジン(0.2mL、2.56mmol)を、-10℃で、そこに添加し、混合物を、窒素雰囲気下、1時間撹拌した。化合物49(321mg、0.61mmol)を乾燥テトラヒドロフラン(20mL)に溶解し、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(0.14mL、0.77mmol)を、そこに添加し、次いで、この溶液を、反応溶液に、徐々に添加した。30分後、反応溶液を、加熱還流し、4時間撹拌した。反応溶液を、濃縮し、ジクロロメタン(50mL)で希釈し、次いで、ブライン(30mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。得られたものをろ過し、減圧下濃縮し、次いで、カラムクロマトグラフィーによって精製して、化合物58(650mg、64%)を得た。
EI-MS m/z : [M+H]+ 1969.2, 1/2[M+H]+ 985.2.
【0221】
[実施例20]化合物61の調製
【0222】
【化35】
【0223】
化合物59の調製
化合物58(650mg、0.33mmol)をテトラヒドロフラン/蒸留水(3.5mL/3.5mL)に溶解し、酢酸(7mL)を、そこに添加し、混合物を、窒素雰囲気下、室温で16時間撹拌した。反応溶液を、減圧下濃縮し、次いで、カラムクロマトグラフィーによって精製して、化合物59(440mg、78%)を得た。
EI-MS m/z : [M+H]+ 1740.0, [M+Na]+ 1762.0, 1/2[M+H]+ 871.0.
【0224】
化合物60の調製
化合物59(440mg、0.25mmol)を、ジクロロメタン(25mL)に溶解し、次いで、デス-マーチンペリオジナン(236mg、0.55mmol)を、そこに添加し、混合物を、窒素雰囲気下、室温で2.5時間撹拌した。反応溶液を、減圧下濃縮し、次いで、カラムクロマトグラフィーによって精製して、化合物60(365mg、84%)を得た。
EI-MS m/z : [M+H]+ 1736.0, 1/2[M+H]+ 869.5.
【0225】
化合物61の調製
化合物60(365mg、0.21mmol)をメタノール/テトラヒドロフラン(9mL/2mL)に溶解し、次いで、水酸化リチウム(58mg、1.4mmol)の蒸留水(9mL)溶液を、-40℃で、徐々に、そこに添加した。混合物を、反応温度を0℃に徐々に上昇させながら、2時間撹拌した。反応溶液を、酢酸で中和し、次いで、減圧下濃縮し、次いで、HPLCによって精製し、凍結乾燥して、化合物61(100mg、32%)を白色固体として得た。
EI-MS m/z : [M+H]+ 1456.8, 1/2[M+H]+ 729.5.
【0226】
[実施例21]化合物62の調製
【0227】
【化36】
化合物62を、化合物53及び化合物57から、化合物61の合成のための方法と同様の方法によって、調製した。
EI-MS m/z : [M+H]+ 1588.7, 1/2[M+H]+ 795.3.
【0228】
[実施例22]化合物63の調製
【0229】
【化37】
化合物63を、化合物55及び化合物57から、化合物61の合成のための方法と同様の方法によって、調製した。
EI-MS m/z : [M+H]+ 1575.8, 1/2[M+H]+ 788.7.
【0230】
[実施例23]化合物65の調製
【0231】
【化38】
【0232】
化合物65の調製
化合物61(100mg、0.068mmol)をジメチルスルホキシド(1.6mL)に溶解し、次いで、化合物64(136mg、0.302mmol、化合物64は、PCT/US2016/063564号に記載の方法によって、調製した)を、窒素雰囲気下、そこに添加し、次いで、硫酸銅(II)五水和物(7.4mg、0.03mmol)及びアスコルビン酸ナトリウム(28mg、0.15mmol)蒸留水(0.4mL)の溶液を、反応溶液に添加した。室温で30分間撹拌した後、反応溶液を減圧下濃縮し、次いで、HPLCによって精製し、凍結乾燥して、化合物65(15.2mg、13%)を白色固体として得た。
EI-MS m/z : [M+H]+ 1645.8, 1/2[M+H]+ 823.9.
【0233】
[実施例24]化合物70の調製
【0234】
【化39】
【0235】
化合物66の調製
ジクロロメタン(150mL)に、3-アミノ-1-プロパノール(3.0g、66.57mmol)を溶解し、次いで、ジ-t-ブチルジカーボネート(16g、73.2mmol)を、窒素雰囲気下、0℃で、そこに添加した。室温で12時間撹拌した後、反応溶液を、減圧下濃縮し、カラムクロマトグラフィーによって精製して、化合物66(6.4g、92%)を得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ 4.78 (s, 1H), 3.65 (m, 2H), 3.30 (m, 2H), 2.90 (s, 1H), 1.68 (m, 2H), 1.48 (s, 9H).
【0236】
化合物67の調製
化合物66(6.04g、34.47mmol)及びトリエチルアミン(14.4mL、103.4mmol)をテトラヒドロフラン(100mL)に溶解し、次いで、メタンスルホン酸無水物(7.21g、41.36mmol)を、窒素雰囲気下、0℃で、徐々に、そこに添加した。温度を室温に徐々に上昇させ、次いで、混合物を、12時間撹拌した。反応溶液を、減圧下濃縮し、カラムクロマトグラフィーによって精製して、化合物67(9.01g、98%)を得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ 4.73 (s, 1H), 4.30 (t, J = 5.9 Hz, 2H), 3.31-3.24 (m, 2H), 3.04 (s, 3H), 1.94 (t, J = 6.1 Hz, 2H), 1.44 (s, 9H).
【0237】
化合物68の調製
化合物67(3.0g、11.84mol)を、N,N-ジメチルホルムアミド(40mL)に溶解し、次いで、アジ化ナトリウム(924mg、14.21mmol)を、窒素雰囲気下、室温で、そこに添加し、反応混合物を、60℃で12時間撹拌した。蒸留水(50mL)及び1Nの塩酸水溶液(5mL)を反応溶液に添加し、混合物を酢酸エチル(100mL)を使用する抽出に付し、次いで、抽出物を無水硫酸ナトリウムで乾燥した。得られたものをろ過し、次いで、濃縮し、カラムクロマトグラフィーによって精製して、化合物68(2.3g、99%)を得た。
1H-NMR (600 MHz, CDCl3) δ 4.63 (s, 1H), 3.36 (t ,J = 6.6 Hz, 2H), 3.24-3.18 (m, 2H), 1.80-1.75 (m, 2H), 1.45 (s, 9H).
【0238】
化合物69の調製
化合物68(3.8g、18.98mmol)を、ジクロロメタン(10mL)に溶解し、塩酸(4Mの1,4-ジオキサン溶液、10mL)を、窒素雰囲気下、0℃で、徐々に、そこに添加した。反応混合物を、12時間撹拌し、次いで、減圧下濃縮して、化合物69(2.5g、99%)を得た。
1H-NMR (600 MHz, DMSO-d6) δ 8.06 (s, 3H), 3.47 (t, J = 6.6 Hz, 2H), 2.82 (t, J = 7.2 Hz, 2H), 1.84-1.79 (m, 2H).
【0239】
化合物70の調製
化合物19(4.1g、8.46mmol)及び化合物69(1.1g、11.0mmol)をN,N-ジメチルホルムアミド(20mL)に溶解し、次いで、N,N,N',N'-テトラメチル-O-(1H-ベンゾトリアゾール-1-イル)ウロニウムヘキサフルオロリン酸塩(4.39g、11.0mmol)及びN,N-ジイソプロピルエチルアミン(2.96mL、16.92mmol)を、窒素雰囲気下、0℃で、そこに添加し、次いで、混合物を、室温で12時間撹拌した。飽和塩化アンモニウム水溶液(100mL)を反応溶液に添加し、混合物を酢酸エチル(2×100mL)を使用する抽出に付し、次いで、抽出物を無水硫酸ナトリウムで乾燥した。得られたものをろ過し、次いで、濃縮し、カラムクロマトグラフィーによって精製して、化合物70(5.48g、88%)を得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.07 (s, 1H), 7.50-7.46 (m, 2H), 7.01 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 5.45-5.30 (m, 4H), 4.69 (d, J = 5.6 Hz, 2H), 4.21 (d, J = 9.6 Hz, 1H), 3.74 (s, 3H), 3.67-3.60 (m, 1H), 3.47-3.41 (m, 3H), 2.80 (s, 2H), 2.07-2.05 (m, 9H), 1.98-1.91 (m, 2H), 1.80-1.77 (m, 1H).
【0240】
[実施例25]化合物72の調製
【0241】
【化40】
【0242】
化合物72の調製
化合物19(3.6g、7.42mmol)及び化合物71(1.0g、8.16mmol、化合物71は、化合物69の合成のための方法と同様の方法によって、調製した)をN,N-ジメチルホルムアミド(15mL)に溶解し、次いで、N,N,N',N'-テトラメチル-O-(1H-ベンゾトリアゾール-1-イル)ウロニウムヘキサフルオロリン酸塩(4.2g、11.2mmol)及びN,N-ジイソプロピルエチルアミン(3.2mL、18.6mmol)を、窒素雰囲気下、0℃で、そこに添加した。反応溶液を、室温で14時間撹拌し、次いで、飽和塩化アンモニウム水溶液(50mL)を反応溶液に添加し、混合物を、酢酸エチル(2×50mL)を使用する抽出に付した。合わせた有機層を、ブライン(50mL)で洗浄し、次いで、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。得られたものをろ過し、次いで、減圧下濃縮し、カラムクロマトグラフィーによって精製して、化合物72(3.9g、95%)を得た。
EI-MS m/z : [M+H]+ 553.3, [M+Na]+ 575.4.
【0243】
[実施例26]化合物73の調製
【0244】
【化41】
化合物73を、化合物24及び化合物55から、化合物63の合成のための方法と同様の方法によって、調製した。
EI-MS m/z : [M+H]+ 1575.7, 1/2[M+H]+ 788.8.
【0245】
[実施例27]化合物74の調製
【0246】
【化42】
化合物74を、化合物24及び化合物70から、化合物63の合成のための方法と同様の方法によって、調製した。
EI-MS m/z : [M+H]+ 1500.9, 1/2[M+H]+ 751.2.
【0247】
[実施例28]化合物75の調製
【0248】
【化43】
化合物75を、化合物24及び化合物72から、化合物63の合成のための方法と同様の方法によって、調製した。
EI-MS m/z : [M+H]+ 1486.42, [M+Na]+ 1509.31.
【0249】
[実施例29]化合物80の調製
【0250】
【化44】
【0251】
化合物77の調製
化合物76(7.30g、28.5mmol、化合物76は、Angew. Chem. Int. Ed.、2016年、55巻、12338~12342頁に記載の方法によって、調製した)及び化合物16(14.0g、29.4mmol)をアセトニトリル(145mL)に溶解し、次いで、4Åのモレキュラーシーブ(14.6g)及び酸化銀(I)(27.0g、116.4mmol)を、そこに添加し、混合物を、窒素雰囲気下、室温で12時間撹拌した。反応溶液を、セライトを通してろ過し、濃縮し、次いで、カラムクロマトグラフィーによって精製して、化合物77(15.3g、92%)を得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ 9.94 (s, 1H), 8.27 (s, 1H), 7.99 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 7.46-7.29 (m, 6H), 5.64-5.59 (m, 1H), 5.49-5.48 (m, 1H), 5.36 (s, 2H), 5.18 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 5.19-5.11 (m, 1H), 4.27-4.10 (m, 3H), 2.19 (s, 3H), 2.08 (s, 3H), 2.04 (s, 3H), 2.03 (s, 3H).
【0252】
化合物78の調製
化合物77(15.30g、26.10mmol)をクロロホルム/イソプロパノール(200mL/40mL)に溶解し、次いで、シリカゲル(16g)及び水素化ホウ素ナトリウム(1.53g、40.50mmol)を、窒素雰囲気下、0℃で、そこに添加し、混合物を30分間撹拌した。蒸留水(200mL)を反応溶液に添加し、次いで、混合物を酢酸エチル(400mL)を使用する抽出に付した。抽出した有機層を、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過し、減圧下濃縮して、化合物78(14.0g、91%)を得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.73 (s, 1H), 7.47-7.31 (m, 6H), 7.19 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 5.57 (t, J = 9.2 Hz, 1H), 5.46 (d, J = 3.2 Hz, 1H), 5.36-5.28 (m, 2H), 5.12-5.04 (m, 2H), 4.66 (d, J = 6.0 Hz, 2H), 4.26-4.04 (m, 3H), 2.18 (s, 3H), 2.07 (s, 3H), 2.05 (s, 3H), 2.02 (s, 3H), 1.67 (t, J = 5.6 Hz, 1H).
【0253】
化合物79の調製
化合物78(14.0g、23.8mmol)をエタノール(550mL)に溶解し、次いで、ラネーニッケル(14.0g)を、そこに添加した。反応溶液を、水素雰囲気下、室温で12時間撹拌した。反応溶液をセライトを通してろ過し、濃縮して、化合物79(11.4g、96%)を得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.07 (s, 1H) 7.58 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 7.17 (d, J = 8.8 Hz 1H), 5.57 (t, J = 9.2 Hz, 1H), 5.49 (d, J = 3.2 Hz, 1H), 5.22 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 5.17-5.14 (m, 1H), 4.71 (s, 2H), 4.25-4.10 (m, 3H), 2.20 (s, 3H), 2.11 (s, 3H), 2.07 (s, 3H), 2.00 (s, 3H).
【0254】
化合物80の調製
化合物79(3.00g、6.00mmol)及び2-メトキシエチルアミン(0.57mL、6.6mmol)をN,N-ジメチルホルムアミド(15mL)に溶解し、次いで、N,N,N',N'-テトラメチル-O-(1H-ベンゾトリアゾール-1-イル)ウロニウムヘキサフルオロリン酸塩(2.86g、7.20mmol)及びN,N-ジイソプロピルエチルアミン(2.10mL、12.0mmol)を、窒素雰囲気下、0℃で、そこに添加し、次いで、混合物を、室温で12時間撹拌した。飽和塩化アンモニウム水溶液(100mL)を反応溶液に添加し、混合物を酢酸エチル(2×100mL)を使用する抽出に付し、次いで、抽出物を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。得られたものをろ過し、次いで、濃縮し、カラムクロマトグラフィーによって精製して、化合物80(2.3g、68%)を得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.07 (s, 1H), 7.48-7.44 (m, 2H), 7.06 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 5.55 (t, J = 9.2 Hz, 1H), 5.49 (d, J = 2.8 Hz, 1H), 5.20-5.14 (m, 2H), 4.69 (d, J = 5.2 Hz, 2H), 4.25-4.09 (m, 3H), 3.78-3.74 (m, 1H), 3.62-3.51 (m, 3H), 3.40 (s, 3H), 2.21 (s, 3H), 2.07 (m, 6H), 2.02 (s, 3H), 1.71 (t, J = 6.0 Hz, 1H).
【0255】
[実施例30]化合物81の調製
【0256】
【化45】
【0257】
化合物81の調製
化合物79(2.19g、4.38mmol)及び化合物31(1.50g、5.70mmol)をN,N-ジメチルホルムアミド(10mL)に溶解し、次いで、N,N,N',N'-テトラメチル-O-(1H-ベンゾトリアゾール-1-イル)ウロニウムヘキサフルオロリン酸塩(2.26g、5.7mmol)及びN,N-ジイソプロピルエチルアミン(1.53mL、8.76mmol)を、窒素雰囲気下、0℃で、そこに添加し、次いで、混合物を、室温で12時間撹拌した。飽和塩化アンモニウム水溶液(100mL)を反応溶液に添加し、混合物を酢酸エチル(2×100mL)を使用する抽出に付し、次いで、抽出物を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。得られたものをろ過し、次いで、濃縮し、カラムクロマトグラフィーによって精製して、化合物81(2.73g、84%)を得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.07 (s, 1H), 7.68 (s, 1H), 7.46-7.44 (m, 2H), 7.05 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 5.56-5.49 (m, 2H), 5.18-5.14 (m, 2H), 4.68 (d, J = 4.8 Hz, 2H), 4.27-4.10 (m, 3H), 3.97-3.95 (m, 2H), 3.83-3.78 (m, 1H), 3.71-3.67 (m, 7H), 3.57-3.52 (m, 1H), 2.22 (s, 3H), 2.07 (m, 6H), 2.03 (s, 3H), 1.47 (s, 9H).
【0258】
[実施例31]化合物82の調製
【0259】
【化46】
化合物82を、化合物9、化合物80及び化合物81から、化合物28の合成のための方法と同様の方法によって、調製した。
EI-MS m/z : [M+H]+ 1537.7, 1/2[M+H]+ 769.7.
【0260】
[実施例32]化合物83の調製
【0261】
【化47】
化合物83を、化合物9、化合物80及び化合物32から、化合物28の合成のための方法と同様の方法によって、調製した。
EI-MS m/z : [M+H]+ 1551.6, 1/2[M+H]+ 776.7.
【0262】
[実施例33]化合物85の調製
【0263】
【化48】
化合物85を、化合物9、化合物84(化合物84は、WO2011/130598A1号に記載の方法によって、調製した)及び化合物32から、化合物28の合成のための方法と同様の方法によって、調製した。
EI-MS m/z : [M+H]+ 1587.8, 1/2[M+H]+ 794.7.
【0264】
[比較例1]化合物86、化合物87及び化合物88の調製
【0265】
【化49】
化合物86、化合物87及び化合物88を、PCT/US2016/063564号に記載の方法によって、調製した。
【0266】
[実施例34]化合物94の調製
【0267】
【化50】
【0268】
化合物90の調製
化合物89(4.5g、4.88mmol、化合物89は、J. Med. Chem.、2004年、47巻、1161~1174頁に記載の方法によって、調製した)をジクロロメタン(100mL)に溶解し、次いで、2,2,6,6-テトラメチル-1-ピペリジニルオキシ(153mg、0.98mmol)及び(ジアセトキシヨード)ベンゼン(7.0g、21.7mmol)を、窒素雰囲気下、室温で、そこに添加した。反応溶液を24時間撹拌し、次いで、蒸留水(200mL)を反応溶液に添加し、混合物を、ジクロロメタン(2×200mL)を使用する抽出に付した。合わせた有機層を、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、減圧下濃縮し、次いで、カラムクロマトグラフィーによって精製して、化合物90(4.25g、95%)を得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.74 (s, 2H), 6.73 (s, 2H), 4.97 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 4.39-4.27 (m, 8H), 3.96 (s, 6H), 3.80-3.70 (m, 2H), 3.58-3.52 (m, 2H), 3.42-2.79 (m, 2H), 2.74-2.56 (m, 2H), 2.52-2.44 (m, 2H), 2.08 (s, 2H), 0.85 (s, 18H), 0.97 (s, 12 H).
【0269】
化合物91の調製
化合物90(10.0g、10.9mmol)をジクロロメタン(450mL)に溶解し、次いで、2,6-ルチジン(10.0mL、87.2mmol)及びトリフル酸無水物(11.0mL、65.4mmol)を、窒素雰囲気下、-40℃で、そこに添加した。反応溶液を2時間撹拌し、次いで、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(500mL)を反応溶液に添加し、混合物を、ジクロロメタン(2×500mL)を使用する抽出に付した。合わせた有機層を、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、次いで、減圧下濃縮し、次いで、カラムクロマトグラフィーによって精製して、化合物91(10.6g、47%)を得た。
【0270】
化合物92の調製
化合物91(1.7g、1.44mmol)をエタノール/トルエン/蒸留水(12mL/24mL/12mL)に溶解し、次いで、4-メチルフェニルボロン酸(568mg、3.74mmol)、炭酸ナトリウム(793mg、7.48mmol)及びテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(133mg、0.115mmol)を、窒素雰囲気下、室温で、そこに添加した。反応溶液を2時間撹拌し、次いで、酢酸エチル(100mL)で希釈し、有機層を、ブライン(100mL)及び蒸留水(100mL)で洗浄した。合わせた有機層を、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、次いで、減圧下濃縮し、次いで、カラムクロマトグラフィーによって精製して、化合物92(1.25g、79%)を得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.80 (s, 2H), 7.13 (d, J = 8.8 Hz, 4H), 6.90 (s, 2H), 6.79 (d, J = 8.0 Hz, 4H), 6.14 (s, 2H), 4.80-4.50 (m, 2H), 4.39-4.36 (m, 4H), 3.98 (s, 6H), 3.79 (s, 6H), 3.17 (bs, 2H), 3.02-2.98 (m, 2H), 2.50-2.47 (m, 2H), 0.88 (s, 18H), 0.11 (s, 12 H). EI-MS m/z : [M+H]+ 1069.8, 1/2[M+H]+ 535.6.
【0271】
化合物93の調製
化合物92(8.0g、7.48mmol)をエタノール(300mL)に溶解し、次いで、亜鉛末(29g、28.1mmol)及びギ酸(EtOH中5%、320mL)を、そこに添加した。反応溶液を室温で20分間撹拌し、次いで、セライトを通してろ過し、酢酸エチル(1L)を、そこに添加した。有機層を、蒸留水(500mL)、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(500mL)及びブライン(500mL)の順序で洗浄し、次いで、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。得られたものをろ過し、次いで、濃縮し、カラムクロマトグラフィーによって精製して、化合物93(4.85g、64%)を得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.16 (d, J = 8.4 Hz, 4H), 6.78 (d, J = 6.4 Hz, 8H), 6.30 (s, 2H), 4.71-4.41 (m, 2H), 4.25 (br s, 4H), 4.19-4.17 (m, 4H), 4.10-4.05 (m, 2H), 3.95-3.81 (m, 2H), 3.73 (s, 6H), 3.72 (s, 6H), 3.64-3.10 (m, 2H), 3.03-2.93 (m, 2H), 2.36-2.34 (m, 2H), 0.81 (s, 18H), 0.11 (s, 12 H). EI-MS m/z : [M+H]+ 1010.4, 1/2[M+H]+ 505.7.
【0272】
化合物94の調製
化合物93(4.6g、4.56mmol)をジクロロメタン(300mL)に溶解し、次いで、ピリジン(0.74mL、9.11mmol)及びクロロギ酸アリル(0.48mL、4.56mmol)を、窒素雰囲気下、-78℃で、そこに添加した。反応溶液を1時間撹拌し、次いで、反応温度を室温に上昇させ、反応溶液を、濃縮し、次いで、カラムクロマトグラフィーによって精製して、化合物94(1.46g、29%)を得た。
EI-MS m/z : [M+H]+ 1093.6.
【0273】
[実施例35]化合物97の調製
【0274】
【化51】
【0275】
化合物95の調製
化合物94(200mg、0.18mmol)をトルエン(7.5mL)に溶解し、次いで、トリホスゲン(19mg、0.067mmol)及びトリエチルアミン(0.035mL、0.25mmol)を、-10℃で、そこに添加し、混合物を、窒素雰囲気下、1時間撹拌した。化合物20を乾燥テトラヒドロフラン(7.5mL)に溶解し、トリエチルアミン(0.035mL、0.25mmol)を、そこに添加し、次いで、この溶液を、反応溶液に、徐々に添加した。30分後、反応溶液を、加熱還流し、4時間撹拌した。反応溶液を、濃縮し、ジクロロメタン(30mL)で希釈し、次いで、ブライン(20mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。得られたものをろ過し、減圧下濃縮し、次いで、カラムクロマトグラフィーによって精製して、化合物95(130mg、43%)を得た。
EI-MS m/z : [M+H]+ 1661.6, 1/2[M+H]+ 831.4.
【0276】
化合物96の調製
化合物95(380mg、0.23mmol)をジクロロメタン(10mL)に溶解し、次いで、ピロリジン(0.023mL、0.27mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(13mg、0.011mmol)及びトリフェニルホスフィン(15mg、0.057mmol)を、この順序で、そこに添加し、混合物を、窒素雰囲気下、室温で6時間撹拌した。反応溶液を、減圧下濃縮し、次いで、カラムクロマトグラフィーによって精製して、化合物96(260mg、72%)を得た。
EI-MS m/z : [M+H]+ 1577.6, 1/2[M+H]+ 789.4.
【0277】
化合物97の調製
化合物96(260mg、0.16mmol)をトルエン(5mL)に溶解し、次いで、トリホスゲン(17.6mg、0.06mmol)及びジイソプロピルエチルアミン(0.053mL、0.30mmol)を、-10℃で、そこに添加し、混合物を、窒素雰囲気下、1時間撹拌した。化合物22を乾燥テトラヒドロフラン(5mL)に溶解し、ピリジン(0.066mL、0.80mmol)を、そこに添加し、次いで、この溶液を、反応溶液に、徐々に添加した。30分後、反応溶液を、加熱還流し、4時間撹拌した。反応溶液を、濃縮し、ジクロロメタン(50mL)で希釈し、次いで、ブライン(30mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。得られたものをろ過し、減圧下濃縮し、次いで、カラムクロマトグラフィーによって精製して、化合物97(168mg、41%)を得た。
EI-MS m/z : [M+H]+ 2567.1, 1/2[M+H]+ 1283.8.
【0278】
[実施例36]化合物100の調製
【0279】
【化52】
【0280】
化合物98の調製
化合物97(168mg、0.065mmol)をテトラヒドロフラン/蒸留水(1mL/1mL)に溶解し、酢酸(2mL)を、そこに添加し、次いで、混合物を、窒素雰囲気下、室温で16時間撹拌した。反応溶液を、減圧下濃縮し、次いで、カラムクロマトグラフィーによって精製して、化合物98(130mg、85%)を得た。
EI-MS m/z : [M+H]+ 2337.8, 1/2[M+H]+ 1169.5.
【0281】
化合物99の調製
化合物98(130mg、0.055mmol)を、ジクロロメタン(5mL)に溶解し、次いで、デス-マーチンペリオジナン(57mg、0.13mmol)を、そこに添加し、混合物を、窒素雰囲気下、室温で3.5時間撹拌した。反応溶液を、減圧下濃縮し、次いで、カラムクロマトグラフィーによって精製して、化合物99(96mg、82%)を得た。
EI-MS m/z : [M+H]+ 2333.7, 1/2[M+H]+ 1167.5.
【0282】
化合物100の調製
化合物99(96mg、0.041mmol)をメタノール/テトラヒドロフラン(1mL/1mL)に溶解し、次いで、水酸化リチウム(16mg、0.41mmol)の蒸留水(1mL)溶液を、-40℃で、徐々に、そこに添加した。混合物を、反応温度を0℃に徐々に上昇させながら、2時間撹拌した。反応溶液を、酢酸で中和し、次いで、減圧下濃縮し、真空乾燥した。得られた固体をジクロロメタン(2mL)で希釈し、次いで、トリフルオロ酢酸(0.5mL)を、0℃で、そこに添加し、混合物を2時間撹拌した。反応溶液を減圧下濃縮し、次いで、HPLCによって精製し、凍結乾燥して、化合物100(2.4mg)を淡黄色固体として得た。
EI-MS m/z : [M+H]+ 1853.8, 1/2[M+H]+ 927.4.
【0283】
[実施例37]化合物102の調製
【0284】
【化53】
【0285】
化合物101の調製
ジクロロメタン(30mL)に、1,3-ジアミノプロパン(0.93mL、11.1mmol)を溶解し、ジ-t-ブチルジカーボネート(0.84mL、3.7mmol)を、窒素雰囲気下、0℃で、そこに添加した。反応溶液を室温で3時間撹拌した後、ブライン(50mL)を反応溶液に添加し、混合物を酢酸エチル(2×100mL)を使用する抽出に付し、次いで、抽出物を無水硫酸ナトリウムで乾燥した。ろ過後、反応溶液を、ろ過し、次いで、減圧下濃縮し、カラムクロマトグラフィーによって精製して、化合物101(658mg、Boc2Oに基づいて100%)を得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ 4.88 (br s, 1H), 3.26-3.14 (m, 2H), 2.77 (t, J = 6.8 Hz, 2H), 1.66-1.57 (m, 2H), 1.44 (s, 9H), 1.32 (br, 2H).
【0286】
化合物102の調製
化合物19(1.50g、3.10mmol)及び化合物101(0.65g、3.73mmol)をN,N-ジメチルホルムアミド(10mL)に溶解し、次いで、N,N,N',N'-テトラメチル-O-(1H-ベンゾトリアゾール-1-イル)ウロニウムヘキサフルオロリン酸塩(1.60g、4.03mmol)及びN,N-ジイソプロピルエチルアミン(1.08mL、6.20mmol)を、窒素雰囲気下、0℃で、そこに添加し、次いで、混合物を、室温で12時間撹拌した。飽和塩化アンモニウム水溶液(100mL)を反応溶液に添加し、混合物を酢酸エチル(2×100mL)を使用する抽出に付し、次いで、抽出物を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。得られたものをろ過し、次いで、濃縮し、カラムクロマトグラフィーによって精製して、化合物102(1.67g、84%)を得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.05 (s, 1H), 7.49-7.47 (m, 2H), 7.02 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 5.42-5.30 (m, 4H), 4.69 (d, J = 6.0 Hz, 2H), 4.21 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 3.74 (s, 3H), 3.63-3.58 (m, 1H), 3.44-3.39 (m, 1H), 322-3.13 (m, 2H), 2.06-2.05 (m, 9H), 1.79-1.74 (m, 2H), 1.45 (s, 9H).
【0287】
[実施例38]化合物103の調製
【0288】
【化54】
化合物103を、化合物24及び化合物102から、化合物28の合成のための方法と同様の方法によって、調製した。
EI-MS m/z : [M+H]+ 1475.8, 1/2[M+H]+ 738.3.
【0289】
[実施例39]化合物104の調製
【0290】
【化55】
化合物103(35mg、0.024mmol)及びマレイミド酢酸N-ヒドロキシスクシンイミドエステル(9mg、0.035mmol)をN,N-ジメチルホルムアミド(1.5mL)に溶解し、次いで、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(0.021mL、0.23mmol)を、窒素雰囲気下、0℃で、そこに添加した。反応温度を室温に徐々に上昇させ、次いで、混合物を、3時間撹拌した。反応溶液を減圧下濃縮し、次いで、HPLCによって精製し、凍結乾燥して、化合物104(15.1mg、37%)を白色固体として得た。
EI-MS m/z : [M+H]+ 1612.6, 1/2[M+H]+ 807.2.
【0291】
[実施例40]化合物110の調製
【0292】
【化56】
【0293】
化合物105の調製
L-アスパラギン(3.0g、22.7mmol)を、1Nの炭酸ナトリウム水溶液(30mL)に溶解し、次いで、クロロギ酸ベンジル(6.3mL、45.4mmol)を、0℃で、そこに添加し、混合物を、窒素雰囲気下、12時間撹拌した。蒸留水(50mL)を反応溶液に添加し、次いで、反応溶液を、1Nの塩酸水溶液で酸性化(pH2)した。この混合物を、酢酸エチル(3×50mL)を使用する抽出に付し、合わせた有機層を、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。得られたものをろ過し、次いで、減圧下濃縮して、化合物105(3.5g、58%)を得た。
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 7.51-7.40 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.35 (s, 6H), 6.92 (s, 1H), 5.02 (s, 2 H), 2.61-2.35 (m, 2H).
【0294】
化合物106の調製
化合物105(3.5g、13.1mmol)を酢酸エチル/アセトニトリル/蒸留水(30mL/30mL/15mL)に溶解し、次いで、(ジアセトキシヨード)ベンゼン((5.1g、15.7mmol)を、そこに添加し、混合物を、窒素雰囲気下、10時間撹拌した。生じた固体をろ過し、減圧下濃縮して、化合物106(2.8g、89%)を得た。
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 9.94 (s, 1H), 7.96 (s, 2H), 7.72 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 7.37 (s, 5H), 5.07 (s, 2H), 4.29 (s, 1H), 3.23 (br, 1H), 3.02 (br, 1H).
【0295】
化合物107の調製
化合物106(2.8g、11.7mmol)を1,4-ジオキサン/蒸留水(25mL 46mL)に溶解し、次いで、水酸化ナトリウム(0.5g、11.7mmol)及びジ-t-ブチルジカーボネート(3.0mL、12.9mmol)を、そこに添加し、混合物を、窒素雰囲気下、室温で8時間撹拌した。蒸留水(50mL)を反応溶液に添加し、次いで、混合物を酢酸エチル(2×50mL)で洗浄した。水層を、クエン酸の添加によって酸性化し、酢酸エチル(3×50mL)を使用する抽出に付し、次いで、抽出物を無水硫酸ナトリウムで乾燥した。得られたものをろ過し、減圧下濃縮して、化合物107(2.7g、68%)を得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.31 (s, 5H), 5.15-5.01 (m, 2H), 4.82-4.02 (m, 1H), 3.68-3.43 (m, 2H), 1.39 (s, 9H).
【0296】
化合物108の調製
化合物107(2.7g、7.9mmol)をメタノール(40mL)に溶解し、次いで、パラジウム/炭素(10%)(Pd/C、0.5g)を、そこに添加した。反応溶液を、水素雰囲気下、室温で4時間撹拌した。反応溶液をセライトを通してろ過し、濃縮して、化合物108(1.2g、75%)を得た。
1H-NMR (400 MHz, D2O) δ 3.70-3.65 (m, 1H), 3.55-3.25 (m, 2H), 1.28 (s, 9H).
【0297】
化合物109の調製
化合物108(0.40g、1.96mmol)及び無水マレイン酸(192mg、1.96mmol)を酢酸(1.6mL)に溶解し、次いで、溶液を、室温で3時間撹拌した。反応溶液を減圧下濃縮し、ジクロロメタン(10mL)を、そこに添加し、生成した固体を、ろ過し、次いで、真空乾燥した。この乾燥した固体をトルエン(15mL)で希釈し、次いで、トリエチルアミン(1.2mL、8.6mmol)及びN,N-ジメチルアセトアミド(0.75mL)を、そこに添加し、混合物を加熱還流した。16時間の反応後、反応溶液を減圧下濃縮し、HPLCによって精製し、次いで、凍結乾燥して、化合物109(287mg、52%)を得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ 6.66 (s, 2H), 5.17 (br, 1H), 4.61 (br, 1H), 3.68 (br, 1H),1.35 (s, 9H).
【0298】
化合物110の調製
化合物109(0.15g、0.52mmol)をN,N-ジイソプロピルエチルアミン(3mL)に溶解し、次いで、N-(3-ジメチルアミノプロピル)-N'-エチルカルボジイミド塩酸塩(0.15g、0.79mmol)及びN-ヒドロキシスクシンイミド(0.09g、0.79mmol)を、そこに添加した。反応溶液を、室温で12時間撹拌した。蒸留水(30mL)を反応溶液に添加し、次いで、混合物を酢酸エチル(30mL)を使用する抽出に付した。抽出した有機層を、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、減圧下濃縮し、次いで、カラムクロマトグラフィーによって精製して、化合物110(0.08g、40%)を得た。
EI-MS m/z : [M+Na]+ 404.3.
【0299】
[実施例41]化合物112の調製
【0300】
【化57】
【0301】
化合物111の調製
化合物103(57mg、0.04mmol)及び化合物110(0.016g、0.04mmol)をN,N-ジメチルホルムアミド(3mL)に溶解し、次いで、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(0.02mL、0.12mmol)を、そこに添加し、混合物を、窒素雰囲気下、室温で6時間撹拌した。反応溶液を減圧下濃縮し、次いで、HPLCによって精製し、凍結乾燥して、化合物111(37mg、58%)を得た。
EI-MS m/z : [M+H]+ 1741.7, 1/2[M+H]+ 871.7.
【0302】
化合物112の調製
化合物111(0.035g、0.02mmol)をジクロロメタン(3mL)で希釈し、次いで、トリフルオロ酢酸(0.3mL)を、0℃で、そこに添加し、混合物を3時間撹拌した。反応溶液を減圧下濃縮し、次いで、HPLCによって精製し、凍結乾燥して、化合物112(6.5mg、20%)を白色固体として得た。
EI-MS m/z : [M+H]+ 1641.9, 1/2[M+H]+ 821.8.
【0303】
[実施例42]化合物115の調製
【0304】
【化58】
【0305】
化合物114の調製
ジクロロメタン(10mL)に、2-[2-[2-(2-アジドエトキシ)エトキシ]エトキシ]酢酸(1.1g、4.71mmol)を溶解し、次いで、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(0.75g、5.60mmol)及び1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩(1.15g、6.03mmol)を、窒素雰囲気下、0℃で、この順序で、そこに添加し、混合物を30分間撹拌した。化合物113(1.5g、4.31mmol、化合物113は、WO2017/160569A1号に記載の方法によって、調製した)及びトリエチルアミン(1.08mL、7.76mmol)のジクロロメタン(10mL)の溶液を、窒素雰囲気下、混合物に添加した。反応温度を室温に上昇させ、この混合物を12時間撹拌し、次いで、ジクロロメタン(100mL)で希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(100mL)で洗浄し、次いで、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。得られたものをろ過し、次いで、濃縮し、カラムクロマトグラフィーによって精製して、化合物114(2.1g、87%)を得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ 6.83 (d, 1H), 4.15-4.11 (m, 1H), 3.96 (s, 2H), 3.72-3.62 (m, 14H), 3.39-3.37 (m, 2H) 1.81-1.60 (m, 4H), 0.88 (s, 18H) 0.42 (s, 12H).
【0306】
化合物115の調製
化合物114(2.1g、3.73mmol)をメタノール(30mL)に溶解し、次いで、濃塩酸(0.5mL)を、窒素雰囲気下、0℃で、そこに添加し、次いで、混合物を、室温で2時間撹拌した。反応溶液を、トリエチルアミンで中和し、次いで、濃縮し、カラムクロマトグラフィーによって精製して、化合物115(1.2mg、98%)を得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ7.54 (br s,1H), 4.31-4.28 (m, 1H), 4.02 (s, 2H), 3.68-3.65 (m, 14H), 3.43-3.40 (m, 2H), 3.21 (br s, 2H), 1.93-1.85 (m, 2H), 1.64-1.57 (m, 2H).
【0307】
[実施例43]化合物118の調製
【0308】
【化59】
【0309】
化合物117の調製
化合物116(1.32g、4.73mmol、化合物116は、PCT/US2016/063564号に記載の方法によって、調製した)をジクロロメタン(20mL)に溶解し、次いで、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(0.86g、5.59mmol)及び1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩を、窒素雰囲気下、0℃で、そこに添加した。化合物113(1.5g、4.31mmol)及びトリエチルアミン(1.08mL、7.74mmol)のジクロロメタン(5mL)の溶液を、窒素雰囲気下、0℃で、混合物に添加した。反応温度を室温に上昇させ、この混合物を12時間撹拌し、次いで、ジクロロメタン(100mL)で希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(100mL)で洗浄し、次いで、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。得られたものをろ過し、次いで、濃縮し、カラムクロマトグラフィーによって精製して、化合物117(2.05g、79%)を得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.60 (s, 1H), 6.92 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 4.15-4.10 (m, 1H), 4.05-4.03 (m, 2H), 3.97 (s, 1H), 3.73-3.66 (m, 10H), 1.84-1.72 (m, 4H), 1.48 (s, 9H), 0.89 (m, 18H), 0.05 (s, 12H).
【0310】
化合物118の調製
化合物117(2.05g、3.37mmol)をメタノール(10mL)に溶解し、次いで、カンファースルホン酸(158mg、0.68mmol)を、窒素雰囲気下、0℃で、そこに添加し、次いで、混合物を、0℃で4時間撹拌した。反応溶液を、トリエチルアミン(1mL)で中和し、次いで、濃縮し、カラムクロマトグラフィーによって精製して、化合物118(1.28g、99%)を得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.76 (d, J = 7.2 Hz, 1H), 7.64 (s, 1H), 4.32-4.29 (m, 1H), 4.05-4.03 (m, 4H), 3.75-3.69 (m, 10H), 3.48 (br s, 2H), 1.94-1.85 (m, 2H), 1.68-1.61 (m, 4H), 1.48 (s, 9H).
【0311】
[実施例44]化合物124の調製
【0312】
【化60】
【0313】
化合物119の調製
メタノール(50mL)に、3,5-ピラゾールジカルボン酸水和物(5g、28.71mmol)を溶解し、次いで、塩化チオニル(6.28mL、86.15mmol)を、窒素雰囲気下、0℃で、そこに添加し、次いで、混合物を、80℃に加熱した。反応溶液を、4時間撹拌し、次いで、濃縮して、化合物119(7.1g、99%)を得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.34 (s, 1H), 3.96 (s, 6H).
【0314】
化合物120の調製
化合物119(3.8g、20.63mmol)をテトラヒドロフラン(200mL)に溶解し、次いで、水素化リチウムアルミニウム(1Mのテトラヒドロフラン溶液、41.2mL、41.26mmol)を、窒素雰囲気下、0℃で、そこに添加し、次いで、混合物を、加熱還流し、12時間撹拌した。反応混合物を0℃に冷却し、蒸留水(50mL)を、徐々に、そこに添加し、次いで、混合物を、濃縮し、メタノール(200mL)で希釈し、次いで、再び80℃に加熱した。熱反応生成物をろ過し、ろ液を濃縮した。ろ液をエタノール(10mL)で希釈し、次いで、塩酸(4Nの1,4-ジオキサン溶液、82.6mL、22.7mmol)を、そこに添加し、混合物を20分間撹拌した。ジエチルエーテル(200mL)を、反応溶液に添加し、生成した固体を、ろ過し、乾燥して、化合物120(2.6g、78%)を得た。
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 6.32 (s, 1H), 4.52 (s, 4H).
【0315】
化合物121の調製
化合物120(2.59g、15.73mmol)をN,N-ジメチルホルムアミド(75mL)に溶解し、次いで、イミダゾール(5.35g、78.68mmol)及びt-ブチルジメチルシリルクロリド(5.69g、37.8mmol)を、窒素雰囲気下、0℃で、そこに添加した。反応溶液を、4時間撹拌し、次いで、酢酸エチル(100mL)で希釈し、飽和塩化アンモニウム水溶液(100mL)及びブライン(100mL)の順序で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。得られたものをろ過し、次いで、濃縮し、カラムクロマトグラフィーによって精製して、化合物121(4.56g、81%)を得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ 6.09 (s, 1H), 4.74 (s, 4H), 0.88 (s, 18H), 0.09 (s, 12H).
【0316】
化合物122の調製
化合物121(1.6g、4.48mmol)をN,N-ジメチルホルムアミド(25mL)に溶解し、次いで、炭酸セシウム(3.2g、9.8mmol)及びトリエチレングリコールジトシレート(4.05g、8.97mmol)を、窒素雰囲気下、0℃で、そこに添加し、次いで、混合物を50℃に加熱した。反応溶液を、4時間撹拌し、次いで、酢酸エチル(100mL)で希釈し、次いで、ブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。得られたものをろ過し、次いで、濃縮し、カラムクロマトグラフィーによって精製して、化合物122(1.69g、60%)を得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.78 (d, J = 8 Hz, 2H), 7.33 (d, J = 8 Hz, 2H), 6.10 (s, 1H), 4.67 (d, J = 5.2 Hz, 4H), 4.25-4.22 (m, 2H), 4.13-4.11 (m, 2H), 3.79-3.76 (m, 2H), 3.62-3.60 (m, 2H), 3.49-3.48 (m, 2H), 3.46-3.45 (m, 2H), 0.89 (d, J = 18 Hz, 18H), 0.06 (d, J = 5.6 Hz, 12H).
【0317】
化合物123の調製
化合物122(1.69g、2.62mmol)をアセトニトリル(25mL)に溶解し、次いで、t-ブチルN-ヒドロキシカルバメート(1.35g、5.51mmol)及び1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]-7-ウンデセン(0.8mL、5.38mmol)を、窒素雰囲気下、0℃で、そこに添加し、次いで、混合物を50℃に加熱した。反応溶液を、12時間撹拌し、次いで、酢酸エチル(100mL)で希釈し、次いで、ブライン(100mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。得られたものをろ過し、次いで、濃縮し、カラムクロマトグラフィーによって精製して、化合物123(1.5g、60%)を得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ 6.14 (s, 1H), 4.70 (d, J = 8 Hz, 4H), 4.29-4.26 (m, 2H), 3.83-3.74 (m, 4H), 3.63-3.62 (m, 2H), 3.55-3.53 (m, 2H), 1.49 (s, 9H), 0.92 (d, J = 18 Hz, 18H), 0.09 (d, J = 0.8 Hz, 12H).
【0318】
化合物124の調製
化合物123(1.5g、2.13mmol)をテトラヒドロフラン(20mL)に溶解し、次いで、フッ化テトラブチルアンモニウム(1Mのテトラヒドロフラン溶液、8.18mL、8.18mmol)を、窒素雰囲気下、0℃で、そこに添加した。反応溶液を、12時間撹拌し、次いで、酢酸エチル(50mL)で希釈し、飽和塩化アンモニウム水溶液(50mL)で洗浄し、次いで、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。得られたものをろ過し、次いで、濃縮し、カラムクロマトグラフィーによって精製して、化合物124(660mg、66%)を得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ 6.22 (s, 1H), 4.65 (d, J = 4.8 Hz, 2H), 4.57 (d, J = 6 Hz, 2H), 4.34-4.31 (m, 2H), 3.38-3.38 (m, 2H), 3.66-3.54 (m, 8H), 1.52 (s, 9H).
【0319】
[実施例45]化合物131の調製
【0320】
【化61】
【0321】
化合物126の調製
化合物125(1.12g、5.67mmol、化合物125は、WO2016/148674Al号に記載の方法によって、調製した)をジクロロメタン(30mL)に溶解し、次いで、ピリジン(0.67mL、8.51mmol)及びクロロギ酸アリル(0.66mL、6.24mmol)を、窒素雰囲気下、0℃で、そこに添加し、次いで、混合物を1時間撹拌した。反応溶液を、濃縮し、次いで、カラムクロマトグラフィーによって精製して、化合物126(1.17g、73%)を得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ 10.52 (s, 1H), 8.06 (s, 1H), 7.44 (s, 1H), 6.07 (s, 1H), 6.02-5.92 (m, 1H), 5.36 (d, J = 17.2 Hz, 1H), 5.24 (d, J = 10.4 Hz, 1H), 4.66 (d, J = 5.2, 2H), 3.89 (s, 6H).
【0322】
化合物127の調製
化合物115(920mg、2.75mmol)、化合物126(1.7g、6.05mmol)及びトリフェニルホスフィン(2.52g、9.35mmol)を乾燥テトラヒドロフランに溶解し、次いで、アゾジカルボン酸ジイソプロピル(1.66mL、8.52mmol)を、窒素雰囲気下、0℃で、そこに添加し、次いで、混合物を、室温で2時間撹拌した。得られたものを、濃縮し、カラムクロマトグラフィーによって精製して、化合物127(1.54g、65%)を得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ 10.54 (s, 2H), 8.07 (s, 2H), 7.41 (s, 2H), 6.00-5.93 (m, 2H), 5.36 (d, J = 17.2 Hz, 2H), 5.25 (d, J = 10.0 Hz, 2H), 4.64-4.63 (m, 4H), 4.44 (bs, 1H), 4.23-4.20 (m, 4H), 3.99 (s, 2H), 3.89 (s, 3H), 3.83 (s, 3H), 3.66-3.60 (m, 11H), 3.35-3.34 (m, 2H), 2.25-2.13 (m, 4H).
【0323】
化合物128の調製
化合物127(1.54g、1.78mmol)をメタノール/テトラヒドロフラン/蒸留水(15mL/15mL/15mL)に溶解し、次いで、水酸化ナトリウム(0.28g、7.15mmol)を、そこに添加し、次いで、混合物を、40℃で5時間撹拌した。反応溶液を、酢酸エチル(100mL)で希釈し、蒸留水(100mL)を使用する抽出に付した。合わせた水層を、1Nの塩酸水溶液で酸性化し、次いで、酢酸エチル(100mL)を使用する抽出に付し、抽出物を無水硫酸ナトリウムで乾燥した。得られたものをろ過し、次いで、濃縮して、化合物128(1.48g)を得た。
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 10.84 (s, 2H), 7.94 (s, 2H), 7.40 (s, 2H), 6.00-5.95 (m, 2H), 5.34 (d, J = 17.2 Hz, 2H), 5.24 (d, J = 10.0 Hz, 2H), 4.64-4.63 (m, 4H), 4.18 (br s, 1H), 4.04-4.01 (m, 4H), 3.88 (s, 2H), 3.74 (s, 6H), 3.55-3.51 (m, 12H), 2.05-1.98 (m, 4H).
【0324】
化合物129の調製
化合物128(1.63g、1.95mmol)をN,N-ジメチルホルムアミド(5mL)に溶解し、次いで、N,N,N',N'-テトラメチル-O-(1H-ベンゾトリアゾール-1-イル)ウロニウムヘキサフルオロリン酸塩(2.22g、5.87mmol)を、窒素雰囲気下、0℃で、そこに添加し、混合物を30分間撹拌した。化合物4(0.64g、4.3mmol)及びN,N-ジイソプロピルエチルアミン(1.7mL、9.78mmol)のN,N-ジメチルホルムアミド(5mL)の溶液を、窒素雰囲気下、混合物に添加した。反応温度を室温に上昇させ、この混合物を12時間撹拌し、次いで、酢酸エチル(100mL)で希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(200mL)で洗浄し、次いで、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。得られたものをろ過し、次いで、濃縮し、カラムクロマトグラフィーによって精製して、化合物129(1.2g)を得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.65 (br s, 2H), 7.34 (br s, 2H), 7.21 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 6.75 (s, 2H), 6.00-5.90 (m, 2H), 5.35 (d, J = 16.8 Hz, 2H), 5.23 (d, J = 10.4 Hz, 2H), 5.00-4.92 (m, 4H), 4.68-4.57 (m, 6H), 4.48-4.40 (m, 1H), 4.20-4.08 (m, 8H), 3.97 (s, 2H), 3.79 (s, 6H), 3.67-3.63 (m, 14H), 3.39-3.37 (m, 2H), 2.80-2.72 (m, 2H), 2.48-2.44 (m, 2H), 2.22-2.17 (m, 2H), 2.10-2.04 (m, 2H).
【0325】
化合物130の調製
化合物129(1.2g、1.17mmol)をジクロロメタン(10mL)に溶解し、次いで、イミダゾール(0.4g、5.86mmol)及びt-ブチルジメチルシリルクロリド(0.53g、3.5mmol)を、窒素雰囲気下、0℃で、そこに添加した。反応溶液を12時間撹拌し、次いで、ブライン(50mL)を反応溶液に添加し、混合物をジクロロメタン(2×100mL)を使用する抽出に付し、次いで、抽出物を無水硫酸ナトリウムで乾燥した。得られたものをろ過し、次いで、濃縮し、カラムクロマトグラフィーによって精製して、化合物130(0.98g、3工程で40%)を得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.81 (br s, 2H), 7.77 (s, 2H), 7.12 (d, J = 8 Hz, 1H), 6.80 (s, 2H), 5.99-5.89 (m, 2H), 5.34 (d, J = 17.2 Hz, 2H) 5.23 (d, J = 10.4 Hz, 2H), 4.98-4.91 (m, 4H), 4.65-4.56 (m, 6H), 4.54-4.44 (m, 1H), 4.19-4.14 (m, 8H) 4.01 (s, 2H), 3.80 (s, 6H), 3.66-3.61 (m, 14H), 3.39-3.36 (m, 2H), 2.69 (s, 4H), 2.28-2.19 (m, 2H), 2.15-2..05 (m, 2H), 0.87 (s, 18H), 0.03 (s, 12H).
【0326】
化合物131の調製
化合物130(0.98g、0.78mmol)をジクロロメタン(5mL)に溶解し、次いで、ピロリジン(0.16mL、1.95mmol)及びテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(18mg、0.015mmol)を、そこに添加し、混合物を、窒素雰囲気下、室温で6時間撹拌した。蒸留水(50mL)を反応溶液に添加し、混合物をジクロロメタン(50mL)を使用する抽出に付し、次いで、抽出物を無水硫酸ナトリウムで乾燥した。得られたものをろ過し、次いで、濃縮し、カラムクロマトグラフィーによって精製して、化合物131(0.59g、70%)を得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.12. (d, J = 9.2 Hz, 1H), 6.73 (s, 2H), 6.26 (s, 2H), 4.96-4.90 (m, 4H), 4.52 (bs, 1H), 4.38-4.35 (m, 4H), 4.21-4.17 (m, 2H), 4.11-4.03 (m, 6H), 4.00 (s, 2H), 3.75 (s, 6H), 3.66-3.61 m, 12H), 3.37-3.34 (m, 2H), 2.7-2.68 (m, 4H) 2.21-2.18 (m, 2H), 2.12-2.05 (m, 2H), 0.87 (s, 18H), 0.02 (s, 12H).
【0327】
[実施例46]化合物135の調製
【0328】
【化62】
【0329】
化合物132の調製
化合物131(590mg、0.54mmol)を乾燥テトラヒドロフラン(5mL)に溶解し、次いで、トリホスゲン(116mg、0.39mmol)及びトリエチルアミン(0.2mL、1.47mmol)を、-10℃で、そこに添加し、混合物を、窒素雰囲気下、1時間撹拌した。化合物20(707mg、1.30mmol)を乾燥テトラヒドロフラン(5mL)に溶解し、トリエチルアミン(0.2mL、01.47mmol)を、そこに添加し、この溶液を、反応溶液に、徐々に添加した。1時間後、反応溶液を、加熱還流し、12時間撹拌した。反応溶液を、酢酸エチル(30mL)で希釈し、次いで、ブライン(20mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。得られたものをろ過し、減圧下濃縮し、次いで、カラムクロマトグラフィーによって精製して、化合物132(1.0g、83%)を得た。
EI-MS m/z : [M+H]+ 2219.10, 1/2[M+H]+ 1110.30
【0330】
化合物133の調製
化合物132(1g、0.45mmol)をテトラヒドロフラン/蒸留水(5mL/5mL)に溶解し、酢酸(15mL)を、そこに添加し、次いで、混合物を、窒素雰囲気下、室温で16時間撹拌した。反応溶液を、酢酸エチル(50mL)で希釈し、次いで、蒸留水(50mL)で洗浄し、次いで、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。得られたものをろ過し、次いで、濃縮し、カラムクロマトグラフィーによって精製して、化合物133(720mg、80%)を得た。
EI-MS m/z : [M+H]+ 1990.95, 1/2[M+H]+ 996.06.
【0331】
化合物134の調製
化合物133(370mg、0.18mmol)を、ジクロロメタン(10mL)に溶解し、次いで、デス-マーチンペリオジナン(181mg、0.42mmol)を、そこに添加し、混合物を、窒素雰囲気下、室温で16時間撹拌した。反応溶液を、ジクロロメタン(20mL)で希釈し、次いで、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(20mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。得られたものをろ過し、減圧下濃縮し、次いで、カラムクロマトグラフィーによって精製して、化合物134(350mg、90%)を得た。
EI-MS m/z : [M+H]+ 1986.61, 1/2[M+H]+ 994.11.
【0332】
化合物135の調製
化合物134(350mg、0.17mmol)をメタノール/テトラヒドロフラン(7.5mL/7.5mL)に溶解し、次いで、蒸留水(7.5mL)に溶解した水酸化リチウム(66mg、1.58mmol)を、-40℃で、徐々に、そこに添加した。反応温度を0℃に徐々に上昇させ、混合物を、2時間撹拌した。反応溶液を、酢酸で中和し、次いで、減圧下濃縮し、次いで、HPLCによって精製し、凍結乾燥して、化合物135(150mg、50%)を白色固体として得た。
EI-MS m/z : [M+H]+ 1706.20, 1/2[M+H]+ 854.00.
【0333】
[実施例47]化合物137の調製
【0334】
【化63】
【0335】
化合物136の調製
化合物136を、化合物126及び化合物118から、化合物134の合成のための方法と同様の方法によって、調製した。
EI-MS m/z : [M+H]+ 2032.98, 1/2[M+H]+ 1017.03.
【0336】
化合物137の調製
化合物136(205mg、0.10mmol)をメタノール/テトラヒドロフラン(4mL/6mL)に溶解し、次いで、水酸化リチウム(38mg、0.91mmol)の蒸留水(4mL)溶液を、-40℃で、徐々に、そこに添加した。混合物を、反応温度を0℃に徐々に上昇させながら、4時間撹拌した。反応溶液を、酢酸で中和し、次いで、減圧下濃縮し、凍結乾燥した。得られた固体をジクロロメタン(5mL)で希釈し、次いで、トリフルオロ酢酸(1.5mL)を、0℃で、そこに添加し、混合物を4時間撹拌した。反応溶液を減圧下濃縮し、次いで、HPLCによって精製し、凍結乾燥して、化合物137(29mg、17%)を白色固体として得た。
EI-MS m/z : [M+H]+ 1653.01, 1/2[M+H]+ 826.89.
【0337】
[実施例48]化合物138の調製
【0338】
【化64】
化合物138を、化合物126及び化合物124から、化合物137の合成のための方法と同様の方法によって、調製した。
EI-MS m/z : [M+H]+ 1647.60, 1/2[M+H]+ 824.31.
【0339】
[実施例49]化合物142の調製
【0340】
【化65】
【0341】
化合物139の調製
ジメチルスルホキシド(3.53mL、3.88mmol)をジクロロメタン(30mL)に溶解し、次いで、塩化オキサリル(2.0Mのジクロロメタン溶液、13mL、23.9mmol)を、窒素雰囲気下、-78℃で、そこに添加した。化合物6(6.8g、9.94mmol)を、ジクロロメタン(20mL)に溶解し、次いで、この溶液を、窒素雰囲気下、-78℃で、徐々に、混合物に添加した。反応溶液を10分間撹拌し、次いで、温度を0℃に上昇させ、トリエチルアミン(13.85mL、4.41mmol)を、徐々に、そこに添加し、次いで、混合物を、室温で2時間撹拌した。飽和塩化アンモニウム水溶液(200mL)を反応溶液に添加し、混合物を、ジクロロメタン(3×100mL)を使用する抽出に付した。合わせた有機層を、ブライン(2×100mL)で洗浄し、次いで、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。得られたものをろ過し、次いで、濃縮し、カラムクロマトグラフィーによって精製して、化合物139(5.76g、85%)を得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ 9.80 (s, 2H), 7.72 (s, 2H), 6.85 (s, 2H), 5.07 (s, 2H), 4.93 (s, 2H), 4.22-4.10 (m, 6H), 4.00 (s, 6H), 3.94-3.80 (m, 4H), 3.15-2.70 (m, 4H), 2.30-2.10(m, 2H), 2.12-1.90 (m, 4H), 1.75-1.68 (m, 6H). EI-MS m/z : [M+H]+ 681.6.
【0342】
化合物140の調製
化合物139(1.84g、2.71mmol)をベンゼン及びN,N-ジメチルホルムアミド(v/v=10:1、30mL)に溶解し、次いで、エチレングリコール(1.5mL、27.11mmol)及びカンファースルホン酸(251mg、0.81mmol)を、連続して、窒素雰囲気下、室温で、そこに添加した。反応溶液を、5分間撹拌し、次いで、ディーンスターク装置を使用して、加熱還流し、2時間撹拌した。反応溶液を、濃縮し、酢酸エチル(100mL)で希釈し、次いで、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(100mL)を反応溶液に添加し、混合物を、酢酸エチル(3×100mL)を使用する抽出に付した。合わせた有機層を、ブライン(2×100mL)で洗浄し、次いで、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。得られたものをろ過し、次いで、濃縮し、カラムクロマトグラフィーによって精製して、化合物140(1.53g、72%)を得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.70 (s, 2H), 6.78 (s, 2H), 5.07 (s, 2H), 4.81 (s, 2H), 4.69 (s, 2H), 4.20-4.02 (m, 6H), 4.00-3.90 (m, 8H), 3.87-3.80 (m, 2H), 3.78-3.70 (m, 4H), 3.60-3.68 (m, 4H), 2.72-2.60 (m, 4H), 2.12-1.92 (m, 4H), 1.65-1.60 (m, 2H). EI-MS m/z : [M+H]+ 769.8.
【0343】
化合物141の調製
化合物140(1.11g、1.45mmol)をエタノール(22mL)に溶解し、次いで、亜鉛末(2.84g、43.39mmol)及びギ酸(5%エタノール溶液、1.96mL)を、そこに添加した。反応溶液を室温で3時間撹拌し、次いで、セライトを通してろ過し、酢酸エチル(300mL)を、そこに添加した。有機層を、蒸留水(2×100mL)、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(2×200mL)及びブライン(200mL)の順序で洗浄し、次いで、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。得られたものをろ過し、次いで、濃縮し、カラムクロマトグラフィーによって精製して、化合物141(800mg、78%)を得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ 6.78 (s, 2H), 6.23 (s, 2H), 5.12 (s, 2H), 4.97 (s, 2H), 4.91 (s, 2H), 4.78 (br s, 2H), 4.54 (br s, 2H), 4.33-4.21 (m, 2H), 4.10-3.91 (m, 12H), 3.90-3.82 (m, 4H), 3.78 (s, 6H), 2.72-2.58 (m, 4H), 1.98-1.84 (m, 4H), 1.74-1.58 (m, 2H), 0.87 (s, 18H), 0.02 (s, 12H). EI-MS m/z : [M+H]+ 709.8.
【0344】
化合物142の調製
化合物141(640mg、0.90mmol)をジクロロメタン(45mL)に溶解し、次いで、ピリジン(0.15mL、1.80mmol)及びクロロギ酸アリル(86μL、0.81mmol)を、窒素雰囲気下、-78℃で、そこに添加した。反応溶液を1時間撹拌した後、反応温度を室温に上昇させ、反応溶液を、濃縮し、次いで、カラムクロマトグラフィーによって精製して、化合物142(320mg、43%)を得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.75 (br, 1H), 7.83 (s, 1H), 6.83 (s, 1H), 6.77 (s, 1H), 6.23 (s, 1H), 5.97-5.91 (m, 1H), 5.34,(d, J = 17.2 Hz, 1H), 5.23 (d, J = 10.0 Hz, 1H), 5.08 (br s, 1H), 5.02-4.88 (m, 6H), 4.80 (br s, 1H), 4.68-4.56 (m, 2H), 4.44 (br s, 2H), 4.30-4.18 (m, 2H), 4.16-4.06 (m, 3H), 3.92-3.84 (m, 3H), 3.83 (s, 3H), 3.78 (s, 3H), 2.74-2.56 (m, 4H), 1.99-1.86 (m, 4H), 1.72-1.60 (m, 2H).
【0345】
[実施例50]化合物146の調製
【0346】
【化66】
【0347】
化合物143の調製
化合物142(260mg、0.35mmol)をテトラヒドロフラン(4mL)に溶解し、次いで、トリホスゲン(40mg、0.13mmol)及びトリエチルアミン(0.078mL、0.56mmol)を、-10℃で、そこに添加し、混合物を、窒素雰囲気下、1時間撹拌した。化合物20(208mg、0.39mmol)及びトリエチルアミン(0.087mL、0.62mmol)を乾燥テトラヒドロフラン(3mL)に溶解し、この溶液を、反応溶液に、徐々に添加した。30分後、反応溶液を、加熱還流し、3時間撹拌した。反応溶液を、濃縮し、ジクロロメタン(50mL)で希釈し、次いで、ブライン(2×20mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。得られたものをろ過し、減圧下濃縮し、次いで、カラムクロマトグラフィーによって精製して、化合物143(340mg、71%)を得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.78 (br s, 1H), 7.95 (d, J = 12.2 Hz, 1H), 7.83 (br s, 1H), 7.52-7.41 (m, 2H), 7.27 (s, 1H), 7.04 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 6.83 (s, 1H), 6.00-5.88 (m, 1H), 5.42-5.23, (m, 10H), 5.20-5.08 (m, 4H), 5.06-4.82 (m, 8H), 4.67 (s, 1H), 4.28-4.18 (m, 6H), 4.16-4.06 (m, 8H), 4.05-3.86 (m, 6H), 3.86 (s, 3H), 3.76 (s, 3H), 3.52-3.62 (m, 3H), 3.41 (s, 3H), 2.78-2.58 (m, 2H), 2.12-2.06 (m, 2H), 2.05 (s, 9H), 1.86-2.01 (m, 4H), 1.72-1.60 (m, 2H), 1.27 (t, J = 7.2 Hz, 2H). EI-MS m/z : [M+H]+ 1361.5, 1/2[M+H]+ 681.6.
【0348】
化合物144の調製
化合物143(330mg、0.24mmol)をジクロロメタン(5mL)に溶解し、次いで、ピロリジン(0.026mL、0.365mmol)及びテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(14mg、0.012mmol)を、そこに添加し、混合物を、窒素雰囲気下、室温で5時間撹拌した。反応溶液を、減圧下濃縮し、次いで、カラムクロマトグラフィーによって精製して、化合物144(290mg、90%)を得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.82 (br s, 1H), 8.05 (s, 1H), 7.52-7.42 (m, 2H), 7.04 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 6.82 (s, 1H), 6.78 (s, 1H), 6.24 (s, 1H), 5.44-5.26, (m, 4H), 5.16-5.04 (m, 4H), 5.02-4.86 (m, 5H), 4.52-4.38 (m, 2H), 4.30-4.10 (m, 6H), 4.16-4.07 (m, 5H), 4.04-3.92 (m, 6H), 3.91-3.84 (m, 6H), 3.83 (s, 3H), 3.78 (s, 3H), 3.72 (s, 3H), 3.60-3.52 (m, 3H), 3.41 (s, 3H), 2.71-2.58 (m, 4H), 2.05 (s, 9H), 1.97-1.85 (m, 4H), 1.72-1.58 (m, 4H), 1.25 (t, J = 7.2 Hz, 2H). EI-MS m/z : [M+H]+ 1277.2, 1/2[M+H]+ 639.4.
【0349】
化合物145の調製
化合物144(340mg、0.29mmol)を乾燥テトラヒドロフラン(3mL)に溶解し、次いで、トリホスゲン(25mg、0.09mmol)及びトリエチルアミン(0.060mL、0.43mmol)を、-10℃で、そこに添加し、混合物を、窒素雰囲気下、1時間撹拌した。化合物32(229mg、0.31mmol)を乾燥テトラヒドロフラン(3mL)に溶解し、トリエチルアミン(0.060mL、0.43mmol)を、そこに添加し、次いで、この溶液を、反応溶液に、徐々に添加した。30分後、反応溶液を、加熱還流し、4時間撹拌した。反応溶液を、濃縮し、ジクロロメタン(100mL)で希釈し、次いで、ブライン(2×50mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。得られたものをろ過し、減圧下濃縮し、次いで、カラムクロマトグラフィーによって精製して、化合物145(250mg、43%)を得た。
EI-MS m/z : [M+Na]+ 2056.4, 1/2[M+H]+ 967.7.
【0350】
化合物146の調製
化合物145(230mg、0.113mmol)をメタノール/テトラヒドロフラン(3mL/3mL)に溶解し、次いで、水酸化リチウム(48mg、1.13mmol)の蒸留水(6mL)溶液を、-40℃で、徐々に、そこに添加した。混合物を、反応温度を0℃に徐々に上昇させながら、2時間撹拌した。反応溶液を、酢酸で中和し、次いで、減圧下濃縮し、真空乾燥した。得られた固体をジクロロメタン(10mL)で希釈し、次いで、トリフルオロ酢酸(2mL)を、0℃で、そこに添加し、混合物を2時間撹拌した。反応溶液を減圧下濃縮し、次いで、HPLCによって精製し、凍結乾燥して、化合物146(15.6mg)を白色固体として得た。
EI-MS m/z : [M+H]+ 1653.7, 1/2[M+H]+ 827.6.
【0351】
[実施例51]化合物148の調製
【0352】
【化67】
【0353】
化合物147の調製
化合物144(266mg、0.21mmol)を乾燥テトラヒドロフラン(3mL)に溶解し、次いで、トリホスゲン(16mg、0.06mmol)及びトリエチルアミン(0.044mL、0.31mmol)を、-10℃で、そこに添加し、混合物を、窒素雰囲気下、1時間撹拌した。化合物55(147mg、0.23mmol)を乾燥テトラヒドロフラン(3mL)に溶解し、トリエチルアミン(0.044mL、0.31mmol)を、そこに添加し、次いで、この溶液を、反応溶液に、徐々に添加した。30分後、反応溶液を、加熱還流し、4時間撹拌した。反応溶液を、濃縮し、ジクロロメタン(100mL)で希釈し、次いで、ブライン(2×50mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。得られたものをろ過し、減圧下濃縮し、次いで、カラムクロマトグラフィーによって精製して、化合物147(170mg、42%)を得た。
EI-MS m/z : [M+Na]+ 1944.6, 1/2[M+H]+ 972.8.
【0354】
化合物148の調製
化合物147(120mg、0.087mmol)をメタノール/テトラヒドロフラン(3mL/3mL)に溶解し、次いで、水酸化リチウム(37mg、0.87mmol)の蒸留水(6mL)溶液を、-40℃で、徐々に、そこに添加した。混合物を、反応温度を0℃に徐々に上昇させながら、2時間撹拌した。反応溶液を、酢酸で中和し、次いで、減圧下濃縮し、真空乾燥した。得られた固体をジクロロメタン(8mL)で希釈し、次いで、トリフルオロ酢酸(2mL)を、0℃で、そこに添加し、混合物を2時間撹拌した。反応溶液を減圧下濃縮し、次いで、HPLCによって精製し、凍結乾燥して、化合物148(31mg)を白色固体として得た。
EI-MS m/z : [M+H]+ 1663.4, 1/2[M+H]+ 832.7.
【0355】
[実施例52]化合物155の調製
【0356】
【化68】
【0357】
化合物149の調製
化合物4(13.8g、92.5mmol)をジクロロメタン(400mL)に溶解し、次いで、ジクロロメタン(100mL)に溶解したイミダゾール(18.8g、277.5mmol)及びt-ブチルジメチルシリルクロリド(15.3g、101.7mmol)を、窒素雰囲気下、0℃で、そこに添加した。反応溶液を室温で2時間撹拌し、次いで、ブライン(30mL)を反応溶液に添加し、混合物をジクロロメタン(2×300mL)を使用する抽出に付し、抽出物を無水硫酸ナトリウムで乾燥した。得られたものをろ過し、次いで、濃縮し、カラムクロマトグラフィーによって精製して、化合物149(17g、80%)を得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) (回転異性体) δ 4.91, (d, J = 14.4 Hz, 2H), 3.66-3.47 (m, 4H), 3.27-3.24 (m, 1H), 2.47-2.42 (m, 1H), 2.24-2.18 (m, 1H), 0.91 (s, 9H), 0.05 (s, 6H).
【0358】
化合物151の調製
化合物150(17.3g、46.8mmol、化合物150は、ACS Med. Chem. Lett. 2016年、7巻、983頁に記載の方法によって、調製した)をN,N-ジメチルホルムアミド(100mL)に溶解し、次いで、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(6.8g、50.7mmol)及び1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩(10.4g、54.6mmol)を、この順序で、窒素雰囲気下、0℃で、そこに添加し、次いで、混合物を30分間撹拌した。化合物149(8.8g、39.0mmol)及びトリエチルアミン(9.78mL、70.2mmol)のジクロロメタン(50mL)溶液を、窒素雰囲気下、混合物に添加した。反応温度を室温に上昇させ、この混合物を12時間撹拌し、次いで、ジクロロメタン(100mL)で希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(100mL)で洗浄し、次いで、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。得られたものをろ過し、次いで、濃縮し、カラムクロマトグラフィーによって精製して、化合物151(19.9g、89%)を得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) (回転異性体) δ 7.69 (s, 1H), 6.72 (s, 1H), 4.97 (s, 1H), 4.82 (s, 1H), 4.57-4.54 (m, 1H) 3.89 (s, 4H), 3.74-3.71 (m, 2H) 3.30-3.27 (m, 1H), 2.76-2.52 (m, 2H), 1.31-1.23 (m, 3H), 1.08 (s, 18H), 0.89 (s, 9H), 0.08 (s, 3H).
【0359】
化合物152の調製
化合物151(29.5g、50.9mmol)をエタノール(720mL)に溶解し、次いで、亜鉛末(66.6g、1019.1mmol)及びギ酸(38mL、1019.1mmol)を、そこに添加した。反応溶液を室温で40分間撹拌し、次いで、セライトを通してろ過し、酢酸エチル(500mL)を、そこに添加した。有機層を、蒸留水(500mL)、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(500mL)及びブライン(500mL)の順序で洗浄し、次いで、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。得られたものをろ過し、次いで、濃縮し、カラムクロマトグラフィーによって精製して、化合物152(27.9g、99%)を得た。1H-NMR (400MHz, CDCl3) (回転異性体) δ 6.71 (s, 1H), 6.25 (s, 1H), 4.96-4.89 (m, 2H), 4.53 (br s, 1H), 4.21-4.09 (m, 4H), 3.74 (br s, 1H), 3.71 (s, 3H), 3.62 (br s, 1H), 2.73-2.63 (m, 2H), 1.29-1.21 (m, 3H), 1.05 (s, 18H), 0.87 (s, 9H), 0.02 (s, 6H).
【0360】
化合物153の調製
化合物152(27.9g、50.8mmol)をジクロロメタン(300mL)に溶解し、次いで、ピリジン(9mL、111.8mmol)及びクロロギ酸アリル(5.9mL、55.9mmol)を、窒素雰囲気下、-78℃で、そこに添加した。反応溶液を1時間撹拌した後、反応温度を室温に上昇させ、反応溶液を、濃縮し、次いで、カラムクロマトグラフィーによって精製して、化合物153(31.8g、99%)を得た。
1H-NMR (400MHz, CDCl3) (回転異性体) δ 8.67 (br s, 1H), 7.75 (s, 1H), 6.78 (s, 1H), 5.99-5.89 (m, 1H), 5.33, (d, J = 17.2 Hz, 1H), 5.21 (d, J = 10.4 Hz, 1H), 4.98-4.90 (m, 2H), 4.66-4.57 (m, 3H), 4.19-4.11 (m, 1H), 4.01 (br s, 1H), 3.86 (br s, 1H), 3.76 (s, 3H), 3.65 (br s, 1H), 2.68 (s, 2H), 1.33-1.24 (m, 3H), 1.05 (s, 18), 0.87 (s, 9H), 0.03 (s, 6H).
【0361】
化合物154の調製
化合物153(31.8g、50.2mmol)を、N,N-ジメチルホルムアミド(300mL)及び蒸留水(6mL)に溶解し、次いで、酢酸ナトリウム(5g、60.2mmol)を、窒素雰囲気下、0℃で、そこに添加し、混合物を、室温で2時間撹拌した。反応溶液を、酢酸エチル(300mL)で希釈し、次いで、蒸留水(300mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。得られたものをろ過し、次いで、濃縮し、カラムクロマトグラフィーによって精製して、化合物154(17.7g、74%)を得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) (回転異性体) δ 8.75 (br s, 1H), 7.75 (s, 1H), 6.78 (s, 1H), 6.14 (s, 1H), 5.94-5.90 (m, 1H), 5.32, (d, J = 17.2 Hz, 1H), 5.21 (d, J = 10.4 Hz, 1H), 4.97-4.90 (m, 2H), 4.65-4.56 (m, 3H), 4.18-4.15 (m, 1H), 4.01 (br s, 1H), 3.85 (s, 4H), 3.65 (br s, 1H), 2.68 (s, 2H), 0.87 (s, 9H), 0.02 (s, 6H).
【0362】
化合物155の調製
化合物154(18.6g、39.0mmol)をアセトン(200mL)に溶解し、次いで、1,5-ジヨードペンタン(11.6mL、156mmol)及び炭酸カリウム(5.9g、42.9mmol))を、この順序で、窒素雰囲気下、そこに添加し、次いで、混合物を、60℃で12時間撹拌した。反応溶液を、濃縮し、カラムクロマトグラフィーによって精製して、化合物155(23g、87%)を得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) (回転異性体) δ 8.88 (br s, 1H), 7.83 (s, 1H), 6.81 (s, 1H), 5.98-5.90 (m, 1H), 5.34, (d, J = 17.2 Hz, 1H), 5.24 (d, J = 10.4 Hz, 1H), 4.98-4.90 (m, 2H), 4.67-4.58 (m, 3H), 4.21-4.12 (m, 1H), 4.10-4.06 (m, 3H) 3.82 (s, 4H), 3.64 (br s, 1H), 3.23-3.19 (m, 2H), 2.69 (s, 2H), 1.94-1.84 (m, 4H), 1.62-1.55 (m, 2H), 0.87 (s, 9H), 0.03 (s, 6H).
【0363】
[実施例53]化合物162の調製
【0364】
【化69】
【0365】
化合物156の調製
化合物151(9.3g、16.0mmol)を、N,N-ジメチルホルムアミド(100mL)及び蒸留水(2mL)に溶解し、次いで、酢酸ナトリウム(1.6g、19.2mmol)を、窒素雰囲気下、0℃で、そこに添加し、混合物を、室温で30分間撹拌した。反応溶液を、酢酸エチル(100mL)で希釈し、次いで、蒸留水(100mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。得られたものをろ過し、次いで、濃縮し、カラムクロマトグラフィーによって精製して、化合物156(5.4g、80%)を得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) (回転異性体) δ 7.75 (s, 1H), 6.76 (s, 1H), 6.07 (s, 1H), 4.98 (s, 1H), 4.83 (s, 1H), 4.58-4.54 (m, 1H), 3.99 (s, 3H), 3.89-3.87 (m, 1H), 3.77-3.70 (m, 2H), 3.33-3.29 (m, 1H), 2.81-2.53 (m, 2H), 0.89 (s, 9H), 0.09 (s, 6H).
【0366】
化合物157の調製
化合物156(3.0g、7.1mmol)をN,N-ジメチルホルムアミド(30mL)に溶解し、次いで、炭酸カリウム(1.1g、7.8mmol)及び臭化ベンジル(0.9mL、7.8mmol)を、窒素雰囲気下、0℃で、そこに添加した。反応溶液を、3時間撹拌し、次いで、飽和塩化アンモニウム水溶液(50mL)を反応溶液に添加し、混合物を、酢酸エチル(2×50mL)を使用する抽出に付した。合わせた有機層を、蒸留水(2×100mL)及びブライン(100mL)で洗浄し、次いで、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。得られたものをろ過し、次いで、濃縮し、カラムクロマトグラフィーによって精製して、化合物157(3.6g、97%)を得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) (回転異性体) δ 7.77 (d, J = 4.8 Hz, 1H), 7.46-7.33 (m, 5H), 6.79 (d, J = 18.8 Hz, 1H), 5.22 (d, J = 5.2 Hz, 2H), 5.09 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 4.98 (s, 1H), 4.83 (s, 1H), 4.58 (br s, 1H), 3.96 (s, 3H), 3.87 (br s, 1H), 3.77-3.69 (m, 2H), 3.30-3.28 (m, 1H), 2.81-2.53 (m, 2H), 0.89 (s, 9H), 0.09 (s, 6H).
【0367】
化合物158の調製
化合物157(3.6mg、6.9mmol)をテトラヒドロフラン/蒸留水(15mL/15mL)に溶解し、酢酸(30mL)を、そこに添加し、次いで、混合物を、窒素雰囲気下、室温で16時間撹拌した。反応溶液を、減圧下濃縮し、次いで、カラムクロマトグラフィーによって精製して、化合物158(2.8g、99%)を得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) (回転異性体) δ7.77 (s, 1H), 7.47-7.35 (m, 5H), 6.81 (s, H), 5.22 (s, 2H), 5.02 (s, 1H), 4.87 (s, 1H), 4.60 (br s, 1H), 3.99 (s, 3H), 3.88 (br s, 1H), 3.83-3.72 (m, 3H), 3.54 (br s, 1H), 2.88-2.82 (m,1H), 2.52-2.48 (m,1H).
【0368】
化合物159の調製
塩化オキサリル(2.1mL、14.1mmol)をジクロロメタン(20mL)に溶解し、次いで、ジメチルスルホキシド(1.5mL、21.1mmol)を、窒素雰囲気下、-78℃で、そこに添加した。1時間後、化合物158(2.7g、6.9mmol)のジクロロメタン(50mL)溶液を、徐々に、混合物に添加した。反応溶液を2時間撹拌し、次いで、トリエチルアミン(3.4mL、42.3mmol)を、ジクロロメタン(30mL)で希釈し、徐々に、そこに添加した。反応温度を、2時間かけて、徐々に、0℃に上昇させた。反応溶液をジクロロメタン(100mL)で希釈し、有機層を、飽和塩化アンモニウム水溶液(200mL)及びブライン(200mL)で洗浄し、次いで、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。得られたものをろ過し、次いで、濃縮し、カラムクロマトグラフィーによって精製して、化合物159(2.7g、96%)を得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) (回転異性体) δ 9.79 (s, 1H), 7.79 (s, 1H), 7.46-7.26 (m, 5H), 6.87 (s, 1H), 5.22 (s, 2H), 5.06-4.96 (m, 1H), 4.93-4.90 (m, 1H), 4.78 (br s,1H), 4.62-4.56 (m, 1H), 3.99 (s, 3H), 3.93 (s, 1H), 3.85 (s, 1H), 2.91-2.62 (m, 2H).
【0369】
化合物160の調製
化合物159(2.7g、6.8mmol)をテトラヒドロフラン/蒸留水(60mL/40mL)に溶解し、次いで、亜ジチオン酸ナトリウム(Na2S2O4、11.2g、64.4mmol)を、そこに添加した。混合物を、窒素雰囲気下、20時間撹拌した。反応溶液を、メタノール(60ml)の添加によって希釈し、6Nの塩酸水溶液の添加によって酸性化(pH2)し、1時間撹拌した。反応溶液を減圧下濃縮して、メタノールを除去した。反応溶液を、6Nの塩酸水溶液の添加によって酸性化(pH2)し、酢酸エチル(5×100mL)を使用する抽出に付した。合わせた有機層を、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。得られたものをろ過し、次いで、減圧下濃縮し、カラムクロマトグラフィーによって精製して、化合物160(1.8g、77%)を得た。
EI-MS m/z : [M+H]+ 349.3, [M+H2O]+ 367.3.
【0370】
化合物161の調製
化合物160(1.8g、5.3mmol)を、ジクロロメタン/N,N-ジメチルホルムアミド(20mL/8mL)に溶解し、次いで、トリアセトキシホウ水素化ナトリウム(1.2g、5.8mmol)を、窒素雰囲気下、0℃で、そこに添加し、混合物を、2時間撹拌した。蒸留水(40mL)を反応溶液に添加し、次いで、混合物をジクロロメタン(2×50mL)を使用する抽出に付した。抽出した有機層を、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、減圧下濃縮し、次いで、カラムクロマトグラフィーによって精製して、化合物161(1.2g、64%)を得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.61 (s, 1H), 7.41-7.30 (m, 5H), 6.05 (s, 1H), 5.12 (s, 2H), 5.06 (s, 1H), 5.02 (s, 1H), 4.38 (d, J = 18 Hz, 1H), 4.27 (d, J = 16.4 Hz, 1H), 4.04-3.96 (m, 1H), 3.86 (s, 3H), 3.49 (d, J = 11 Hz, 1H), 3.29 (dd, J = 9.2 Hz, 1H), 2.91-2.85 (m, 1H), 2.40 (dd, J = 10 Hz, 1H).
【0371】
化合物162の調製
化合物161(1.3g、3.7mmol)をジクロロメタン(70mL)に溶解し、次いで、メタンスルホン酸(25mL)を、そこに添加し、混合物を、窒素雰囲気下、2時間撹拌した。蒸留水(20mL)を反応溶液に添加し、次いで、反応溶液を、炭酸ナトリウムの添加によって中和した。反応溶液を、水(200mL)の添加によって希釈し、ジクロロメタン(3×50mL)を使用する抽出に付した。抽出した有機層を、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、減圧下濃縮し、次いで、カラムクロマトグラフィーによって精製して、化合物162(620mg、64%)を得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.60 (s, 1H), 6.17 (s, 1H), 5.88 (br s, 1H), 5.09 (s, 1H), 5.06 (s, 1H), 4.41 (d, J = 16.4 Hz, 1H), 4.31 (d, J = 16.4 Hz, 1H), 4.08-3.99 (m, 1H), 3.88 (s, 3H), 3.54 (d, J = 12.4 Hz, 1H), 3.49 (d, J = 11 Hz, 1H), 3.34 (dd, J = 9.2 Hz, 1H), 2.95-2.89 (m, 1H), 2.43 (dd, J = 6.4 Hz, 1H).
【0372】
[実施例54]化合物164の調製
【0373】
【化70】
【0374】
化合物163の調製
化合物162(374mg、1.4mmol)及び化合物155(1.0g、1.5mmol)をアセトン/N,N-ジメチルホルムアミド(20mL/20mL)に溶解し、次いで、炭酸カリウム(258mg、1.8mmol)を、窒素雰囲気下、そこに添加し、混合物を、80℃で12時間、加熱及び撹拌した。反応溶液を、ろ過し、次いで、減圧下濃縮し、蒸留水(200mL)を反応溶液に添加し、次いで、混合物を、酢酸エチル(3×30mL)を使用する抽出に付した。抽出した有機層を、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、減圧下濃縮し、次いで、カラムクロマトグラフィーによって精製して、化合物163(620mg、53%)を得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) (回転異性体) δ 8.86 (br s, 1H), 7.85 (s, 1H), 7.60 (s, 1H), 6.82 (s, 1H), 6.06 (s, 1H), 6.01-5.91 (m, 1H), 5.36 (d, J = 17.2 Hz, 1H), 5.25 (d, J = 10.4 Hz, 1H), 5.08 (s, 1H), 5.05 (s, 1H), 5.00 (s, 1H), 4.92 (br s, 1H), 4.63 (d, J = 4.8 Hz, 2H), 4.41 (d, J = 16.4 Hz, 1H), 4.30 (d, J = 16.4 Hz, 1H), 4.20 (d J = 14 Hz, 1H), 4.13-4.10 (m, 3H), 4.05-3.98 (m, 3H), 3.85 (s, 3H), 3.82 (s, 3H), 3.66 (bs, 1H), 3.55 (d, J = 12.8 Hz, 1H), 3.32 (dd, J = 9.2 Hz, 1H), 2.91 (dd, J = 8.8 Hz, 1H), 2.70 (br s, 2H), 2.43 (dd, J = 7.2 Hz, 1H), 1.97-1.91 (m, 4H), 1.69-1.64 (m, 2H), 0.89 (s, 9H), 0.04 (br s, 6H).
【0375】
化合物164の調製
化合物164を、化合物163から、化合物28の合成のための方法と同様の方法によって、調製した。
EI-MS m/z : [M+H]+ 1548, 1/2[M+H]+ 775.
【0376】
[実施例55]化合物167の調製
【0377】
【化71】
【0378】
化合物165の調製
L-ヒスチジン(5.0g、32.22mmol)をジクロロメタン(45mL)に溶解し、次いで、ジクロロジメチルシラン(3.9mL、32.22mmol)及びトリエチルアミン(9.0mL、64.44mmol)を、室温で、そこに添加し、反応溶液を、窒素雰囲気下、4時間、加熱還流した。塩化トリチル(8.9g、32.22mmol)及びトリエチルアミン(4.5mL、32.22mmol)を、そこに添加し、混合物を、窒素雰囲気下、2時間撹拌した。メタノール(50mL)を反応溶液に添加し、次いで、混合物を減圧下濃縮し、蒸留水(50mL)及びトリエチルアミンを、そこに添加して、pHを約8~8.5に調整し、不溶性スラリーを、そこからろ別し、ろ過された生成物を、クロロホルム(50mL)、ジエチルエーテル(50mL)及び蒸留水(50mL)の順序で、洗浄した。生じた白色固体化合物を、乾燥して、化合物165(トリエチルアミン塩、12.4g、95%)を得た。
1H-NMR (400 MHz, CD3OD) δ 7.45-7.32 (m, 10H), 7.21-7.15 (m, 5H), 3.75-3.77 (m, 1H), 3.20 (q, 2H), 3.00-2.97 (m,1H), 1.32 (t, 3H).
【0379】
化合物166の調製
化合物165(1.0g、2.52mmol)及びN-メトキシカルボニルマレイミド(429mg、2.77mmol)を1,4-ジオキサン/蒸留水(5mL/2.5mL)に溶解し、次いで、炭酸ナトリウム(267mg、2.52mmol)を、そこに添加し、混合物を、窒素雰囲気下、12時間加熱還流した。反応溶液を、減圧下濃縮し、N,N-ジメチルホルムアミド(3mL)に溶解し、次いで、トリエチルアミン(0.16mL、1.12mmol)を反応溶液に添加し、混合物を、窒素雰囲気下、10時間撹拌した。蒸留水(5mL)を反応溶液に添加し、次いで、反応溶液を、0.5Nの塩酸水溶液の添加によって酸性化(pH4)し、ジクロロメタン(3×10mL)を使用する抽出に付し、次いで、抽出物を無水硫酸ナトリウムで乾燥した。得られたものをろ過し、減圧下濃縮して、化合物166(504mg、32%)を得た。
EI-MS m/z : [M+H]+ 478.4, [M+Na]+ 500.4.
【0380】
化合物167の調製
化合物166(252mg、0.53mmol)をN,N-ジイソプロピルエチルアミン(4mL)に溶解し、次いで、N-(3-ジメチルアミノプロピル)-N'-エチルカルボジイミド塩酸塩(132mg、0.69mmol)及びN-ヒドロキシスクシンイミド(85mg、0.74mmol)を、そこに添加した。反応溶液を、室温で12時間撹拌した。蒸留水(30mL)を反応溶液に添加し、次いで、混合物を酢酸エチル(2×30mL)を使用する抽出に付した。抽出した有機層を、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、減圧下濃縮し、次いで、カラムクロマトグラフィーによって精製して、化合物167(274mg、90%)を得た。
EI-MS m/z : [M+H]+ 575.3.
【0381】
[実施例56]化合物169の調製
【0382】
【化72】
【0383】
化合物168の調製
化合物103(50mg、0.03mmol)及び化合物167(27.4mg、0.05mmol)をN,N-ジメチルホルムアミド(1mL)に溶解し、次いで、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(0.01mL、0.05mmol)を、そこに添加し、混合物を、窒素雰囲気下、室温で12時間撹拌した。反応溶液を減圧下濃縮し、次いで、HPLCによって精製し、凍結乾燥して、化合物168(11mg、18%)を得た。
EI-MS m/z : [M+H]+ 1934.8, 1/2[M+H]+ 968.0.
【0384】
化合物169の調製
化合物168(11mg、6μmol)及びアニソール(6μL、60μmol)をジクロロメタン(0.75mL)で希釈し、次いで、トリフルオロ酢酸(0.25mL)を、0℃で、そこに添加し、混合物を3時間撹拌した。反応溶液を減圧下濃縮し、次いで、HPLCによって精製し、凍結乾燥して、化合物169(2mg、21%)を白色固体として得た。
EI-MS m/z : [M+H]+ 1692.7, 1/2[M+H]+ 846.9.
【0385】
[実施例57]化合物171の調製
【0386】
【化73】
【0387】
化合物170の調製
DBCO-PEG4-酸(50mg、91μmol)をジクロロメタン(1mL)に溶解し、次いで、N-(3-ジメチルアミノプロピル)-N'-エチルカルボジイミド塩酸塩(19mg、99mol)及びN-ヒドロキシスクシンイミド(11mg、99μmol)を、そこに添加し、混合物を、窒素雰囲気下、室温で3時間撹拌した。反応溶液を減圧下濃縮して、化合物170(59mg)を得た。
EI-MS m/z : [M+H]+650.7.
【0388】
化合物171の調製
化合物103(47mg、32μmol)及び化合物170(24mg、38μmol)をN,N-ジメチルホルムアミド/ジクロロメタン(1mL/0.25mL)に溶解し、次いで、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(51μL、38μmol)を、そこに添加し、混合物を、窒素雰囲気下、室温で3時間撹拌した。反応溶液を減圧下濃縮し、次いで、HPLCによって精製し、凍結乾燥して、化合物171(8.1mg、14%)を得た。
EI-MS m/z : [M+H]+ 2010.1, 1/2[M+H]+ 1005.6.
【0389】
化合物172~178の調製
以下の表1に提示する構造を有するピロロベンゾジアゼピン二量体化合物172~178を、参考文献を参照して、調製した。
【0390】
【表1】
【0391】
[実施例58]
ADCの調製
ADCを2工程で調製し、一般に使用されている、LCB14-0511、LCB14-0512及びLCB14-0606を、韓国特許出願公開第10-2014-0035393号に記載の方法によって、調製した。LCB14-0606、LCB14-0511及びLCB14-0512の構造式は以下の通りである。
【0392】
【化74】
【0393】
工程1:プレニル化抗体の調製
抗体のプレニル化反応混合物を、調製し、30℃で16時間反応させた。反応混合物は、24μMの抗体、200nMのFTアーゼ(Calbiochem #344145)及び0.144mMのLCB14-0511又はLCB14-0512又はLCB14-0606を含有する緩衝液(50mMのTris-HCl(pH7.4)、5mMのMgCl2、10μMのZnCl2、0.5mMのDTT)で構成された。反応の終了後、プレニル化抗体を、PBS緩衝液で平衡化されたG25セファロースカラム(AKTAピュリファイア、GE healthcare)で脱塩した。
【0394】
工程2:薬物-コンジュゲーション方法
[オキシム結合形成によるコンジュゲーション]
プレニル化抗体とリンカー-薬物との間のオキシム結合形成反応混合物を、100mMの酢酸Na緩衝液(pH4.5)、10%のDMSO、24μMの抗体及び240μMのリンカー-薬物(自作、実施例8~10及び比較例1の最終生成物である表1の化合物)を一緒に混合し、30℃で穏やかに撹拌することによって調製した。反応の24時間後、使用した過剰量の低分子化合物を、FPLC(AKTAピュリファイア、GE healthcare)により除去し、タンパク質画分を、収集及び濃縮した。
【0395】
[クリック反応によるコンジュゲーション]
プレニル化抗体とリンカー-薬物との間のクリック反応混合物を、10%のDMSO、24μMの抗体、240μMのリンカー-薬物(自作、実施例20、21、22、26、27、28及び46の最終生成物である表1の化合物)、1mMの硫酸銅(II)五水和物、2mMの(BimC4A)3(Sigma-Aldrich 696854)、10mMのアスコルビン酸ナトリウム及び10mMのアミノグアニジン塩酸塩を混合し、25℃で3時間反応させ、次いで、2.0mMのEDTAで処理し、30分間反応させることによって、調製した。反応の終了後、使用した過剰量の低分子化合物を、FPLC(AKTAピュリファイア、GE healthcare)により除去し、タンパク質画分を、収集及び濃縮した。
【0396】
【表2】
【0397】
[実験例1]インビトロでの細胞毒性の評価
以下の表2に提示した薬物及びADCの、がん細胞株に対する細胞増殖の阻害活性を測定した。がん細胞株として、市販のヒト乳がん細胞株であるMCF-7(HER2陰性から正常)、SK-BR3(HER2陽性)及びJIMT-1(HER2陽性)を使用した。薬物として、MMAF-OMeを使用し、ADCとして、表1のADCを使用した。それぞれのがん細胞株を、96ウェルプレートに、72時間処理群について、ウェルあたり5,000~13,000個で、168時間処理群について、ウェルあたり1,500~3,000個で、蒔き、24時間インキュベートし、次いで、抗体及びADCを0.0051~33.33nM又は0.0015~10.0nM(3倍連続希釈)の濃度で、及び薬物を0.023~50nM(3倍連続希釈)の濃度で、処理した。72/168時間後、生細胞の数を、SRB(スルホローダミンB)染料を使用して、定量化した。
【0398】
【表3】
【0399】
抗体-薬物コンジュゲートの中で、ピロロベンゾジアゼピンの両方のN10位にカルバメート構造を有するプロドラッグリンカー-薬物28、29及び30が導入されたADC1、2及び3のサンプルが、SK-BR3及びJIMT-1乳がん細胞株において、細胞毒性が、ADC22、23及び24のサンプルよりも優れていることを見出した。
【0400】
本化合物は、本発明によるプロドラッグの形態で投与される場合において、血液に曝露された時に、更なる反応によって、有効な薬物に変換される必要があるので、したがって、予期せぬリンカーの分解の時に起こり得る副作用の発生を、前もって予防することができ、正常細胞に対する毒性が低下し、薬物がより安定であるという点で、従来のPBD薬と比較して、有利である。
【0401】
加えて、抗体-薬物コンジュゲートの調製において、不純物の含有量が高く、露出したイミン基が求核剤によって攻撃され、従来の方法によって調製される抗体-薬物コンジュゲートの場合において、望まない構造を有する薬物が、このようにして、形成される可能性がある。しかしながら、本発明による方法によって調製される抗体-薬物コンジュゲートは、PBD二量体のイミン基がプロドラッグの形態であるので、求核剤による攻撃から保護されるという利点、及び従来のPBD又はPBD二量体と比較して、その純度が高く、改善された物理的性質を示すので、容易に分離されるという利点を有する。
【産業上の利用可能性】
【0402】
本発明による、ピロロベンゾジアゼピン二量体プロドラッグ、ピロロベンゾジアゼピン二量体プロドラッグ-リンカー、又はピロロベンゾジアゼピン二量体プロドラッグ-リンカー-リガンドコンジュゲートは、がん等の増殖性疾患の標的化及び特異的処置において、使用することができる。
図1
【手続補正書】
【提出日】2023-06-15
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ピロロベンゾジアゼピン二量体プロドラッグ、又はピロロベンゾジアゼピン二量体プロドラッグの薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物であって、
-C(O)O*、-S(O)O*、-C(O)*、-C(O)NR*、-S(O)2NR*、-P(O)R'NR*、-S(O)NR*及び-PO2NR*からなる群から選択されるいずれか1つが、独立して、ピロロベンゾジアゼピン二量体のN10位及びN'10位のそれぞれと結合する
(式中、*は、リンカーが結合する部分を示し、
R及びR'は、それぞれ独立して、H、OH、N3、CN、NO2、SH、NH2、ONH2、NHNH2、ハロ、置換若しくは無置換のC1~8アルキル、置換若しくは無置換のC3~8シクロアルキル、置換若しくは無置換のC1~8アルコキシ、置換若しくは無置換のC1~8アルキルチオ、置換若しくは無置換のC3~20ヘテロアリール、置換若しくは無置換のC5~20アリール、又はモノ若しくはジC1~8アルキルアミノを示し、ここで、
C1~8アルキル、C3~8シクロアルキル、C1~8アルコキシ、C1~8アルキルチオ、C3~20ヘテロアリール及びC5~20アリールは、置換されている場合、H、OH、N3、CN、NO2、SH、NH2、ONH2、NNH2、ハロ、C1~6アルキル、C1~6アルコキシ及びC6~12アリールからなる群から選択される置換基で置換される)、
ピロロベンゾジアゼピン二量体プロドラッグ又はピロロベンゾジアゼピン二量体プロドラッグの薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0402
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0402】
本発明による、ピロロベンゾジアゼピン二量体プロドラッグ、ピロロベンゾジアゼピン二量体プロドラッグ-リンカー、又はピロロベンゾジアゼピン二量体プロドラッグ-リンカー-リガンドコンジュゲートは、がん等の増殖性疾患の標的化及び特異的処置において、使用することができる。
以下は、本発明の実施形態の一つである。
(1)ピロロベンゾジアゼピン二量体プロドラッグ、又はピロロベンゾジアゼピン二量体プロドラッグの薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物であって、
-C(O)O*、-S(O)O*、-C(O)*、-C(O)NR*、-S(O) 2 NR*、-P(O)R'NR*、-S(O)NR*及び-PO 2 NR*からなる群から選択されるいずれか1つが、独立して、ピロロベンゾジアゼピン二量体のN10位及びN'10位のそれぞれと結合する
(式中、*は、リンカーが結合する部分を示し、
R及びR'は、それぞれ独立して、H、OH、N 3 、CN、NO 2 、SH、NH 2 、ONH 2 、NHNH 2 、ハロ、置換若しくは無置換のC 1~8 アルキル、置換若しくは無置換のC 3~8 シクロアルキル、置換若しくは無置換のC 1~8 アルコキシ、置換若しくは無置換のC 1~8 アルキルチオ、置換若しくは無置換のC 3~20 ヘテロアリール、置換若しくは無置換のC 5~20 アリール、又はモノ若しくはジC 1~8 アルキルアミノを示し、ここで、
C 1~8 アルキル、C 3~8 シクロアルキル、C 1~8 アルコキシ、C 1~8 アルキルチオ、C 3~20 ヘテロアリール及びC 5~20 アリールは、置換されている場合、H、OH、N 3 、CN、NO 2 、SH、NH 2 、ONH 2 、NNH 2 、ハロ、C 1~6 アルキル、C 1~6 アルコキシ及びC 6~12 アリールからなる群から選択される置換基で置換される)、
ピロロベンゾジアゼピン二量体プロドラッグ又はピロロベンゾジアゼピン二量体プロドラッグの薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物。
(2)ピロロベンゾジアゼピン二量体プロドラッグが、以下の化学式Ia又はIa'によって表される構造を有する、(1)に記載のピロロベンゾジアゼピン二量体プロドラッグ、又はピロロベンゾジアゼピン二量体プロドラッグの薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物。
【化75】
[式中、
点線は、C1とC2との間又はC2とC3との間の任意の二重結合の存在を表し、
R 1 は、H、OH、=O、=CH 2 、CN、R m 、OR m 、=CH-R m' 、=C(R m' ) 2 、O-SO 2 -R m 、CO 2 R m 、COR m 、ハロ及びジハロからなる群から選択され
(式中、R m' は、R m 、CO 2 R m 、COR m 、CHO、CO 2 H及びハロからなる群から選択され、
R m は、置換又は無置換のC 1~12 アルキル、置換又は無置換のC 2~12 アルケニル、置換又は無置換のC 2~12 アルキニル、置換又は無置換のC 5~20 アリール、置換又は無置換のC 5~20 ヘテロアリール、置換又は無置換のC 3~6 シクロアルキル、置換又は無置換の3~7員のヘテロシクリル、置換又は無置換の3~7員のヘテロシクロアルキル及び置換又は無置換の5~7員のヘテロアリールからなる群から選択され、ここで、
C 1~12 アルキル、C 1~12 アルコキシ、C 2~12 アルケニル、C 2~12 アルキニル、C 5~20 アリール、C 5~20 ヘテロアリール、C 3~6 シクロアルキル、3~7員のヘテロシクリル、3~7員のヘテロシクロアルキル又は5~7員のヘテロアリールが、置換されている場合、
C 1~12 アルキル、C 1~12 アルコキシ、C 2~12 アルケニル、C 2~12 アルキニル、C 5~20 アリール、C 5~20 ヘテロアリール、C 3~6 シクロアルキル、3~7員のヘテロシクリル、3~7員のヘテロシクロアルキル又は5~7員のヘテロアリール中のそれぞれの水素原子は、それぞれ独立して、C 1~12 アルキル、C 2~12 アルケニル、C 2~12 アルキニル、C 5~20 アリール、C 5~20 ヘテロアリール、C 3~6 シクロアルキル、3~7員のヘテロシクリル、3~7員のヘテロシクロアルキル及び5~7員のヘテロアリールからなる群から選択されるいずれか1つ以上で置換される)、
R 2 、R 3 及びR 5 は、それぞれ独立して、H、R m 、OH、OR m 、SH、SR m 、NH 2 、NHR m 、NR m R m' 、NO 2 、Me 3 Sn及びハロからなる群から選択され
(式中、R m 及びR m' は、上記に定義の通りである)、
R 4 は、H、R m 、OH、OR m 、SH、SR m 、NH 2 、NHR m 、NR m R m' 、NO 2 、Me 3 Sn、ハロ、置換又は無置換のC 1~6 アルキル、置換又は無置換のC 1~6 アルコキシ、置換又は無置換のC 2~6 アルケニル、置換又は無置換のC 2~6 アルキニル、置換又は無置換のC 3~6 シクロアルキル、置換又は無置換の3~7員のヘテロシクロアルキル、置換又は無置換のC 5~12 アリール、置換又は無置換の5~7員のヘテロアリール、-CN、-NCO、-OR n 、-OC(O)R n 、-OC(O)NR n R n' 、-OS(O)R n 、-OS(O) 2 R n 、-SR n 、-S(O)R n 、-S(O) 2 R n 、-S(O)NR n R n' 、-S(O) 2 NR n R n' 、-OS(O)NR n R n' 、-OS(O) 2 NR n R n' 、-NR n R n' 、-NR n C(O)R o 、-NR n C(O)OR o 、-NR n C(O)NR o R o' 、-NR n S(O)R o 、-NR n S(O) 2 R o 、-NR n S(O)NR o R o' 、-NR n S(O) 2 NR o R o' 、-C(O)R n 、-C(O)OR n 及び-C(O)NR n R n' からなる群から選択され、ここで、
C 1~6 アルキル、C 1~6 アルコキシ、C 2~6 アルケニル、C 2~6 アルキニル、C 3~6 シクロアルキル、3~7員のヘテロシクロアルキル、C 5~12 アリール及び5~7員のヘテロアリールが置換されている場合、C 1~6 アルキル、C 1~6 アルコキシ、C 2~6 アルケニル、C 2~6 アルキニル、C 3~6 シクロアルキル、3~7員のヘテロシクロアルキル、C 5~12 アリール及び5~7員のヘテロアリール中のそれぞれの水素原子は、それぞれ独立して、C 1~6 アルキル、C 1~6 アルコキシ、C 2~6 アルケニル、C 2~6 アルキニル、C 3~6 シクロアルキル、3~7員のヘテロシクロアルキル、C 5~12 アリール、5~7員のヘテロアリール、-OR p 、-OC(O)R p 、-OC(O)NR p R p' 、-OS(O)R p 、-OS(O) 2 R p 、-SR p 、-S(O)R p 、-S(O) 2 R p 、-S(O)NR p R p' 、-S(O) 2 NR p R p' 、-OS(O)NR p R p' 、-OS(O) 2 NR p R p' 、-NR p R p' 、-NR p C(O)R q 、-NR p C(O)OR q 、-NR p C(O)NR q R q' 、-NR p S(O)R q 、-NR p S(O) 2 R q 、-NR p S(O)NR q R q' 、-NR p S(O) 2 NR q R q' 、-C(O)R p 、-C(O)OR p 又は-C(O)NR p R p で置換されていてもよく
(式中、R n 、R o 、R p 及びR q は、それぞれ独立して、H、C 1~7 アルキル、C 2~7 アルケニル、C 2~7 アルキニル、C 3~13 シクロアルキル、3~7員のヘテロシクロアルキル、C 6~10 アリール及び5~7員のヘテロアリールからなる群から選択される)、
-C(O)O*、-S(O)O*、-C(O)*、-C(O)NR*、-S(O) 2 NR*、-P(O)R'NR*、-S(O)NR*及び-PO 2 NR*からなる群から選択されるいずれか1つは、独立して、X及びX'のそれぞれと結合し
(式中、*は、リンカーが結合する部分を示し、
R及びR'は、それぞれ独立して、H、OH、N 3 、CN、NO 2 、SH、NH 2 、ONH 2 、NHNH 2 、ハロ、置換若しくは無置換のC 1~8 アルキル、置換若しくは無置換のC 3~8 シクロアルキル、置換若しくは無置換のC 1~8 アルコキシ、置換若しくは無置換のC 1~8 アルキルチオ、置換若しくは無置換のC 3~20 ヘテロアリール、置換若しくは無置換のC 5~20 アリール、又はモノ若しくはジC 1~8 アルキルアミノを示し、ここで、
C 1~8 アルキル、C 3~8 シクロアルキル、C 1~8 アルコキシ、C 1~8 アルキルチオ、C 3~20 ヘテロアリール及びC 5~20 アリールは、置換されている場合、H、OH、N 3 、CN、NO 2 、SH、NH 2 、ONH 2 、NNH 2 、ハロ、C 1~6 アルキル、C 1~6 アルコキシ及びC 6~12 アリールからなる群から選択される置換基で置換される)、
Y及びY'は、それぞれ独立して、O、S及びN(H)からなる群から選択され、
R 6 は、置換若しくは無置換の、飽和又は不飽和のC 3~12 炭化水素鎖を示し、ここで、
鎖は、1つ以上のヘテロ原子、NMe又は置換若しくは無置換の芳香環によって中断されていてもよく、
鎖又は芳香環は、鎖若しくは芳香環上のいずれか1つ以上の水素原子の位置で、-NH、-NR m 、-NHC(O)R m 、-NHC(O)CH 2 -[OCH 2 CH 2 ] n -R又は-[CH 2 CH 2 O] n -Rで置換されていてもよく、又は無置換でもよく
(式中、R m 及びRは、それぞれ、R m 及びRについて、上記に定義された通りであり、
nは、1~12の整数である)、及び
R 7 は、H、置換若しくは無置換のC 1~6 アルキル、置換若しくは無置換のC 2~6 アルケニル、置換若しくは無置換のC 2~6 アルキニル、置換若しくは無置換のC 3~6 シクロアルキル、置換若しくは無置換の3~7員のヘテロシクロアルキル、置換若しくは無置換のC 6~10 アリール、置換若しくは無置換の5~7員のヘテロアリール、-OR r 、-OC(O)R r 、-OC(O)NR r R r' 、-OS(O)R r 、-OS(O) 2 R r 、-SR r 、-S(O)R r 、-S(O) 2 R r 、-S(O)NR r R r' 、-S(O) 2 NR r R r' 、-OS(O)NR r R r' 、-OS(O) 2 NR r R r' 、-NR r R r' 、-NR r C(O)R s 、-NR r C(O)OR s 、-NR r C(O)NR s R s' 、-NR r S(O)R s 、-NR r S(O) 2 R s 、-NR r S(O)NR s R s' 、-NR r S(O) 2 NR s R s 、-C(O)R r 、-C(O)OR s 又は-C(O)NR r R r' を示し、ここで、
C 1~6 アルキル、C 2~6 アルケニル、C 2~6 アルキニル、C 3~6 シクロアルキル、3~7員のヘテロシクロアルキル、C 6~10 アリール及び5~7員のヘテロアリールが置換されている場合、C 1~6 アルキル、C 2~6 アルケニル、C 2~6 アルキニル、C 3~6 シクロアルキル、3~7員のヘテロシクロアルキル、C 6~10 アリール及び5~7員のヘテロアリール中のそれぞれの水素原子は、それぞれ独立して、C 1~6 アルキル、C 2~6 アルケニル、C 2~6 アルキニル、C 3~6 シクロアルキル、3~7員のヘテロシクロアルキル、C 6~10 アリール、5~7員のヘテロアリール、-OR t 、-OC(O)R t 、-OC(O)NR t R t' 、-OS(O)R t 、-OS(O) 2 R t 、-SR t 、-S(O)R t 、-S(O) 2 R t 、-S(O)NR t R t' 、-S(O) 2 NR t R t' 、-OS(O)NR t R t' 、-OS(O) 2 NR t R t' 、-NR t R t' 、-NR t C(O)R u 、-NR t C(O)OR u 、-NR t C(O)NR u R u' 、-NR t S(O)R u 、-NR t S(O) 2 R u 、-NR t S(O)NR u R u' 、-NR t S(O) 2 NR u R u' 、-C(O)R t 、-C(O)OR t 又は-C(O)NR t R t' で置換される
(式中、R r 、R r' 、R s 、R s' 、R t 、R t' 、R u 及びR u 'は、それぞれ独立して、H、C 1~7 アルキル、C 2~7 アルケニル、C 2~7 アルキニル、C 3~13 シクロアルキル、3~7員のヘテロシクロアルキル、C 5~10 アリール及び5~7員のヘテロアリールからなる群から選択される)]、
【化76】
[式中、R 1 、R 2 、R 3 、R 4 、R 6 、R 7 及びXは、化学式Iaにおいて、上記に定義された通りであり、
R 8 は、H、ハロ、置換又は無置換のC 1~6 アルキル、置換又は無置換のC 2~6 アルケニル、置換又は無置換のC 2~6 アルキニル、置換又は無置換のC 3~6 ヘテロアルキル、置換又は無置換の3~7員のヘテロシクロアルキル、置換又は無置換のC 5~10 アリール、置換又は無置換の5~7員のヘテロアリール、-CN、-NO 2 、-NCO、-OH、OR m 、-OC(O)R m 、-OC(O)NR m R m' 、-OS(O)R m 、-OS(O) 2 R m 、-SR m 、-S(O)R m 、-S(O) 2 R m 、-S(O)NR m R m' 、-S(O) 2 NR m R m' 、-OS(O)NR m R m' 、-OS(O) 2 NR m R m' 、-NR m R m' 、-NR m C(O)R m 、-NR m C(O)OR n 、-NR m C(O)NR n R n' 、-NR m S(O)R n 、-NR m S(O) 2 R n 、-NR m S(O)NR n R n' 、-NR m S(O) 2 NR n R n' 、-C(O)R m 、-C(O)OR m 及び-C(O)NR m R m' からなる群から選択され、ここで、
C 1~6 アルキル、C 2~6 アルケニル、C 2~6 アルキニル、C 3~6 ヘテロアルキル、3~7員のヘテロシクロアルキル、C 5~10 アリール又は5~7員のヘテロアリールが置換されている場合、C 1~6 アルキル、C 2~6 アルケニル、C 2~6 アルキニル、C 3~6 ヘテロアルキル、3~7員のヘテロシクロアルキル、C 5~10 アリール又は5~7員のヘテロアリール中のそれぞれの水素原子は、それぞれ独立して、C 1~6 アルキル、C 2~6 アルケニル、C 2~6 アルキニル、C 3~6 ヘテロアルキル、3~7員のヘテロシクロアルキル、C 5~10 アリール、5~7員のヘテロアリール、-OR m 、-OC(O)R m 、-OC(O)NR m R m' 、-OS(O)R m 、-OS(O) 2 R m 、-SR m 、-S(O)R m 、-S(O) 2 R m 、-S(O)NR m R m' 、-S(O) 2 NR m R m' 、-OS(O)NR m R m' 、-OS(O) 2 NR m R m' 、-NR m R m' 、-NR m C(O)R n 、-NR m C(O)OR n 、-NR m C(O)NR n R n' 、-NR m S(O)R n 、-NR m S(O) 2 R n 、-NR m S(O)NR n R n' 、-NR m S(O) 2 NR n R n' 、-C(O)R m 、-C(O)OR m 又は-C(O)NR m R m' で置換され
(式中、R m 、R m' 、R n 及びR n' は、化学式Iaにおいて、上記に定義された通りである)、
Z a 及びZ b は、それぞれ独立して、O、N又はSを示し、
R 12a 、R 13a 及びR 14a は、それぞれ独立して、H、置換若しくは無置換のC 1~6 アルキル、置換若しくは無置換のC 2~6 アルケニル、置換若しくは無置換のC 2~6 アルキニル、置換若しくは無置換のC 3~6 シクロアルキル、置換若しくは無置換の3~7員のヘテロシクロアルキル、置換若しくは無置換のC 5~10 アリール、置換若しくは無置換の5~7員のヘテロアリール、-C(O)R 15a 、-C(O)OR 15a 又は-C(O)NR 15a R 15a' を示し
(式中、R 15a 及びR 15a' は、R m について、定義された通りである)、
C 1~6 アルキル、C 2~6 アルケニル、C 2~6 アルキニル、C 3~6 シクロアルキル、3~7員のヘテロシクロアルキル、C 5~10 アリール及び5~7員のヘテロアリールが置換されている場合、C 1~6 アルキル、C 2~6 アルケニル、C 2~6 アルキニル、C 3~6 シクロアルキル、3~7員のヘテロシクロアルキル、C 5~10 アリール及び5~7員のヘテロアリール中のそれぞれの水素原子は、それぞれ独立して、C 1~6 アルキル、C 2~6 アルケニル、C 2~6 アルキニル、C 3~6 シクロアルキル、3~7員のヘテロシクリル、3~7員のヘテロシクロアルキル、C 5~10 アリール、5~7員のヘテロアリール、-OR o 、-OC(O)R o 、-OC(O)NR o R o' 、-OS(O)R o 、-OS(O) 2 R o 、-SR o 、-S(O)R o 、-S(O) 2 R o 、-S(O)NR o R o' 、-S(O) 2 NR o R o' 、-OS(O)NR o R o' 、-OS(O) 2 NR o R o' 、-NR o R o' 、-NR o C(O)R p 、-NR o C(O)OR p 、-NR o C(O)NR p R p' 、-NR o S(O)R p 、-NR o S(O) 2 R p 、-NR o S(O)NR p R p' 、-NR o S(O) 2 NR p R p' 、-C(O)R o 、-C(O)OR o 又は-C(O)NR o R o' で置換され、 R 13a 及びR 14a は、これらが結合する原子と結合して、3~7員のヘテロシクリル若しくは3~7員のヘテロシクロアルキルを形成してもよく、又はR 13a 及びR 14a は、これらが結合する原子と結合して、3~7員のヘテロアリールを形成してもよく、ここで、
3~7員のヘテロシクリル、3~7員のヘテロシクロアルキル又は3~7員のヘテロアリール中に存在するそれぞれの水素原子は、それぞれ独立して、C 1~6 アルキル、C 2~6 アルケニル、C 2~6 アルキニル、C 3~6 シクロアルキル、3~7員のヘテロシクロアルキル、C 5~10 アリール、5~7員のヘテロアリール、-OR o 、-OC(O)R o 、-OC(O)NR o R o' 、-OS(O)R o 、-OS(O) 2 R o 、-SR o 、-S(O)R o 、-S(O) 2 R o 、-S(O)NR o R o' 、-S(O) 2 NR o R o' 、-OS(O)NR o R o' 、-OS(O) 2 NR o R o' 、-NR o R o' 、-NR o C(O)R p 、-NR o C(O)OR p 、-NR o C(O)NR p R p' 、-NR o S(O)R p 、-NR o S(O) 2 R p 、-NR o S(O)NR p R p' 、-NR o S(O) 2 NR p R p' 、-C(O)R o 、-C(O)OR o 又は-C(O)NR o R o' で置換され
(式中、R n 、R n' 、R o 、R o' 、R p 及びR p' は、それぞれ独立して、H、C 1~7 アルキル、C 2~7 アルケニル、C 2~7 アルキニル、C 3~13 シクロアルキル、3~7員のヘテロシクロアルキル、C 5~10 アリール及び5~7員のヘテロアリールからなる群から選択される)、及び
R 1 ' 、R 2 ' 、R 3 ' 、R 4 ' 、R 5 ' 、R 7 ' 及びR 8 ' は、R 1 、R 2 、R 3 、R 4 、R 5 、R 7 及びR 8 について、それぞれ、定義された通りである]
(3)点線が、C2とC3との間の二重結合の存在を表す、(2)に記載のピロロベンゾジアゼピン二量体プロドラッグ、又はピロロベンゾジアゼピン二量体プロドラッグの薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物。
(4)R 1 が、置換又は無置換のC 1~6 アルキル、置換又は無置換のC 2~6 アルケニル、置換又は無置換のC 5~7 アリール及び置換又は無置換のC 3~6 ヘテロアリールからなる群から選択される、(2)に記載のピロロベンゾジアゼピン二量体プロドラッグ、又はピロロベンゾジアゼピン二量体プロドラッグの薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物。
(5)R 2 、R 3 及びR 5 が、それぞれ独立して、H又はOHを示す、(2)に記載のピロロベンゾジアゼピン二量体プロドラッグ又はピロロベンゾジアゼピン二量体プロドラッグの薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物。
(6)R 4 が、C 1~6 アルコキシを示す、(2)に記載のピロロベンゾジアゼピン二量体プロドラッグ、又はピロロベンゾジアゼピン二量体プロドラッグの薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物。
(7)R 4 が、メトキシ、エトキシ又はブトキシを示す、(2)に記載のピロロベンゾジアゼピン二量体プロドラッグ、又はピロロベンゾジアゼピン二量体プロドラッグの薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物。
(8)X及びX'が、それぞれ独立して、-C(O)O*、-C(O)*及び-C(O)NR*からなる群から選択される
(式中、Rは、それぞれ独立して、H、OH、N 3 、CN、NO 2 、SH、NH 2 、ONH 2 、NNH 2 、ハロ、置換若しくは無置換のC 1~8 アルキル又は置換若しくは無置換のC 1~8 アルコキシを示し、ここで、C 1~8 アルキル又はC 1~8 アルコキシは、置換されている場合、H、OH、N 3 、CN、NO 2 、SH、NH 2 、ONH 2 、NNH 2 又はハロで置換される)、
(1)に記載のピロロベンゾジアゼピン二量体プロドラッグ、又はピロロベンゾジアゼピン二量体プロドラッグの薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物。
(9)Y及びY'が、Oを示す、(2)に記載のピロロベンゾジアゼピン二量体プロドラッグ、又はピロロベンゾジアゼピン二量体プロドラッグの薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物。
(10)R 6 が、置換若しくは無置換の、飽和又は不飽和のC 3~8 炭化水素鎖を示し、ここで、
鎖は、1つ以上のヘテロ原子、又は置換若しくは無置換の芳香環によって中断されていてもよく、ここで、
ヘテロ原子は、O、S又はN(H)であり、芳香環は、ベンゼン、ピリジン、イミダゾール又はピラゾールであり、
鎖又は芳香環は、鎖又は芳香環上のいずれか1つ以上の水素原子の位置で、-NHC(O)CH 2 -[OCH 2 CH 2 ] n -R又は-[CH 2 CH 2 O] n -Rで置換されていてもよい
(式中、Rは、Rについて、(2)に定義された通りであり、
nは、1~6の整数である)、
(2)に記載のピロロベンゾジアゼピン二量体プロドラッグ、又はピロロベンゾジアゼピン二量体プロドラッグの薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物。
(11)以下の化学式IIaによって表される構造を有するコンジュゲート、又はコンジュゲートの薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物。
[化IIa]
Ligand-(L-D) n
[式中、
Ligandは、リガンドを示し、
Lは、リンカーを示し、
Dは、(1)~(10)のいずれかに記載のピロロベンゾジアゼピン二量体プロドラッグを示し、
リンカーは、(1)に記載のDのN10位、N10'位若しくはN10位及びN10'位で、Dと結合するか、又は
(2)~(10)のいずれかに記載のDのX、X'若しくはX及びX'を介して、Dと結合し、
nは、1~20の整数である]
(12)リンカーが、(1)に記載のDのN10位及びN10'位で、Dと結合するか、又は
(2)~(10)のいずれかに記載のDのX及びX'を介して、Dと結合する、
(11)に記載のコンジュゲート、又はコンジュゲートの薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物。
(13)nが、1~10の整数である、(11)に記載のコンジュゲート、又はコンジュゲートの薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物。
(14)以下の化学式IIb又はIIb'によって表される構造を有するピロロベンゾジアゼピン二量体プロドラッグ-リンカー化合物、又はピロロベンゾジアゼピン二量体プロドラッグ-リンカー化合物の薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物。
【化77】
[式中、
点線、R 1 、R 2 、R 3 、R 4 、R 5 、R 6 、R 7 、X、Y、R 1 '、R 2 '、R 3 '、R 4 '、R 5 '、R 7 '、X'、Y'、R 8 、Z a 、Z b 、R 12a 、R 13a 、R 14a 、R 8 '、Z a '、Z b '、R 12a '、R 13a '及びR 14a 'は、それぞれ、化学式Ia及び化学式Ia'によって表される化合物について、(2)に定義された通りであり、
Xa及びXa'は、それぞれ独立して、結合又は置換若しくは無置換のC 1~6 アルキレンを示し、ここで、C 1~6 アルキレンは、置換されている場合、水素、C 1~8 アルキル又はC 3~8 シクロアルキルで置換され、
G及びG'は、グルクロニド基、ガラクトシド基、又はグルクロニド基若しくはガラクトシド基の任意の誘導体を示し、
Zは、H、C 1~8 アルキル、ハロ、NO 2 、CN、
【化78】
、及び-(CH 2 ) m -OCH 3 からなる群から選択され
(式中、R 8 、R 9 及びR 10 は、それぞれ独立して、H、C 1~8 アルキル、C 2~6 アルケニル及びC 1~6 アルコキシからなる群から選択され、mは、0~12である)、
nは、1~3の整数であり、それぞれのZは、nが2以上の整数である場合、互いに、同一又は異なっていてもよく、
Wは、-C(O)-、-C(O)NR''-、-C(O)O-、-S(O) 2 NR''-、-P(O)R'''NR''-、-S(O)NR''-又は-PO 2 NR''を示し(式中、R''及びR'''は、それぞれ独立して、H、C 1~8 アルキル、C 3~8 シクロアルキル、C 1~8 アルコキシ、C 1~8 アルキルチオ、モノ若しくはジC 1~8 アルキルアミノ、C 3~20 ヘテロアリール又はC 6~20 アリールを示す)、
Lは、分枝単位、連結単位及び結合単位、又はこれらの単位の組み合わせからなる群から選択される1つ以上の単位を示し、ここで、
連結単位は、Wと結合単位、Wと分枝単位、分枝単位と別の分枝単位、又は分枝単位と結合単位を連結し、分枝単位は、連結単位とW、又は連結単位と別の連結単位を連結し、
分枝単位は、C 2~100 アルケニル(ここで、アルケニルの炭素原子は、N、O及びSからなる群から選択される1つ以上のヘテロ原子で置換されていてもよく、アルケニルは、1つ以上のC 1~20 アルキルで更に置換されていてもよい)、親水性アミノ酸、-C(O)-、-C(O)NR''''-、-C(O)O-、-(CH 2 ) s -NHC(O)-(CH 2 ) t -、-(CH 2 ) u -C(O)NH-(CH 2 ) v -、-(CH 2 ) s -NHC(O)-(CH 2 ) t -C(O)-、-(CH 2 ) u -C(O)NH-(CH 2 ) v -C(O)-、-S(O) 2 NR''''-、-P(O)R'''''NR''''-、-S(O)NR''''-又は-PO 2 NR''''-であり(式中、R''''及びR'''''は、それぞれ独立して、H、C 1~8 アルキル、C 3~8 シクロアルキル、C 1~8 アルコキシ、C 1~8 アルキルチオ、モノ若しくはジC 1~8 アルキルアミノ、C 3~20 ヘテロアリール又はC 5~20 アリールを示し、s、t、u及びvは、それぞれ独立して、0~10の整数を示す)、
連結単位は、-(CH 2 ) r (V(CH 2 ) p ) q -であり(式中、rは、0~10の整数であり、pは、0~12の整数であり、qは、1~20の整数であり、Vは、単結合、-O-又は-S-を示す)、
結合単位は、
【化79】
であり(式中、L 1 は、単結合又はC 2~30 アルケニルを示し、R 11 は、H又はC 1~10 アルキルを示し、L 2 は、C 2~30 アルケニルを示す)、
R v は、-NH 2 、N 3 、置換若しくは無置換のC 1~12 アルキル、C 1~12 アルキニル、C 1~3 アルコキシ、置換若しくは無置換のC 3~20 ヘテロアリール、C 3~20 ヘテロシクリル又は置換若しくは無置換のC 5~20 アリールを示し、ここで、
C 1~12 アルキル、C 3~20 ヘテロアリール、C 3~20 ヘテロシクリル又はC 5~20 アリールが置換されている場合、C 3~20 ヘテロアリール、C 3~20 ヘテロシクリル又はC 5~20 アリール中に存在する1つ以上の水素原子は、それぞれ独立して、OH、=O、ハロ、C 1~6 アルキル、C 1~6 アルコキシ、C 2~6 アルケニルオキシ、カルボキシ、C 1~6 アルコキシカルボニル、C 1~6 アルキルカルボニル、ホルミル、C 3~8 アリール、C 5~12 アリールオキシ、C 5~12 アリールカルボニル又はC 3~6 ヘテロアリールで置換される]
(15)Xa及びXa'が、それぞれ独立して、結合又はC 1~3 アルキルを示す、(14)に記載のピロロベンゾジアゼピン二量体プロドラッグ-リンカー化合物、又はピロロベンゾジアゼピン二量体プロドラッグ-リンカー化合物の薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物。
(16)Zが、H、
【化80】
、及び-(CH 2 ) m -OCH 3 からなる群から選択される
(式中、R 8 、R 9 及びR 10 は、それぞれ独立して、H、C 1~3 アルキル及びC 1~3 アルコキシからなる群から選択され、mは、1~6である)、
(14)に記載のピロロベンゾジアゼピン二量体プロドラッグ-リンカー化合物、又はピロロベンゾジアゼピン二量体プロドラッグ-リンカー化合物の薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物。
(17)Wが、-C(O)-、-C(O)NR'''-又は-C(O)O-を示し(式中、R'''はH又はC 1~8 アルキルを示す)、
Lが、分枝単位、連結単位及び結合単位、又はこれらの単位の組み合わせからなる群から選択される1つ以上の単位を示し、ここで、
連結単位は、Wと結合単位、Wと分枝単位、分枝単位と別の分枝単位、又は分枝単位と結合単位を連結し、分枝単位は、連結単位とW、又は連結単位と別の連結単位を連結し、
分枝単位は、C 2~8 アルケニル(ここで、アルケニルの炭素原子は、N、O及びSからなる群から選択される1つ以上のヘテロ原子で置換されていてもよく、アルケニルは、1つ以上のC 1~6 アルキルで更に置換されていてもよい)、親水性アミノ酸、-C(O)-、-C(O)NR''''-、-C(O)O-、-(CH 2 ) s -NHC(O)-(CH 2 ) t -、-(CH 2 ) u -C(O)NH-(CH 2 ) v -、-(CH 2 ) s -NHC(O)-(CH 2 ) t -C(O)-又は-(CH 2 ) u -C(O)NH-(CH 2 ) v -C(O)-であり(式中、R''''は、H、C 1~8 アルキル、C 3~8 シクロアルキル、C 1~8 アルコキシ、C 1~8 アルキルチオ、モノ若しくはジC 1~8 アルキルアミノ、C 3~20 ヘテロアリール又はC 5~20 アリールを示し、s、t、u及びvは、それぞれ独立して、0~5の整数を示す)、
連結単位は、-(CH 2 ) r (V(CH 2 ) p ) q -であり(式中、rは、0~10の整数であり、pは、0~12の整数であり、qは、1~20の整数であり、Vは、単結合又は-O-を示す)、
結合単位は、
【化81】
であり(式中、L 1 は、単結合又はC 2~8 アルケニルを示し、R 11 は、H又はC 1~6 アルキルを示し、L 2 は、C 2~8 アルケニルを示す)、及び
連結単位は、-(CH 2 ) r (V(CH 2 ) p ) q -である
(式中、rは、0~8の整数であり、pは、1~12の整数であり、qは、1~10の整数であり、Vは、単結合又は-O-を示す)、
(14)に記載のピロロベンゾジアゼピン二量体プロドラッグ-リンカー化合物、又はピロロベンゾジアゼピン二量体プロドラッグ-リンカー化合物の薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物。
(18)ピロロベンゾジアゼピン二量体プロドラッグ-リンカー化合物が、以下の化学構造を有する、(14)に記載のピロロベンゾジアゼピン二量体プロドラッグ-リンカー化合物、又はピロロベンゾジアゼピン二量体プロドラッグ-リンカー化合物の薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物。
【化82】
(19)以下の化学式IIIa又はIIIbによって表される構造を有するピロロベンゾジアゼピン二量体プロドラッグ-リンカー-リガンドコンジュゲート、又はピロロベンゾジアゼピン二量体プロドラッグ-リンカー-リガンドコンジュゲートの薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物。
【化83】
[式中、
点線、R 1 、R 2 、R 3 、R 4 、R 5 、R 6 、R 7 、X、Y、R 1 '、R 2 '、R 3 '、R 4 '、R 5 '、R 7 '、X'、Y'、R 8 、Z a 、Z b 、R 12a 、R 13a 、R 14a 、R 8 '、Z a '、Z b '、R 12a '、R 13a '及びR 14a 'は、それぞれ、化学式Ia及び化学式Ia'によって表される化合物について、(2)に定義された通りであり、
Xa、G、Z、W、L、Xa'、G'及びZ'は、それぞれ、化学式IIbによって表される化合物について、(11)に定義された通りであり、
Ligandは、抗原-結合部分を示す]
(20)Ligandが、タンパク質である、(19)に記載のピロロベンゾジアゼピン二量体プロドラッグ-リンカー-リガンドコンジュゲート、又はピロロベンゾジアゼピン二量体プロドラッグ-リンカー-リガンドコンジュゲートの薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物。
(21)タンパク質が、イソプレノイドトランスフェラーゼによって認識され得る1つ以上のアミノ酸モチーフを有する、(20)に記載のピロロベンゾジアゼピン二量体プロドラッグ-リンカー-リガンドコンジュゲート又はピロロベンゾジアゼピン二量体プロドラッグ-リンカー-リガンドコンジュゲートの薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物。
(22)イソプレノイドトランスフェラーゼが、FTアーゼ(ファルネシルタンパク質トランスフェラーゼ)又はGGTアーゼ(ゲラニルゲラニルトランスフェラーゼ)である、(21)に記載のピロロベンゾジアゼピン二量体プロドラッグ-リンカー-リガンドコンジュゲート、又はピロロベンゾジアゼピン二量体プロドラッグ-リンカー-リガンドコンジュゲートの薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物。
(23)アミノ酸モチーフが、CYYX、XXCC、XCXC又はCXXである
(式中、Cは、システインを示し、Yは、脂肪族アミノ酸を示し、Xは、イソプレノイドトランスフェラーゼの基質特異性を決定するアミノ酸を示す)、
(21)に記載のピロロベンゾジアゼピン二量体プロドラッグ-リンカー-リガンドコンジュゲート、又はピロロベンゾジアゼピン二量体プロドラッグ-リンカー-リガンドコンジュゲートの薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物。
(24)(19)~(23)のいずれかに記載のピロロベンゾジアゼピン二量体プロドラッグ-リンカー-リガンドコンジュゲート、又はピロロベンゾジアゼピン二量体プロドラッグ-リンカー-リガンドコンジュゲートの薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物を含む、増殖性疾患を予防又は処置するための医薬組成物。
(25)増殖性疾患が、新生物、腫瘍、がん、白血病、乾癬、骨疾患、線維性疾患及びアテローム性動脈硬化症からなる群から選択される、(24)に記載の増殖性疾患を予防又は処置するための医薬組成物。
(26)がんが、肺がん、小細胞肺がん、消化器がん、結腸直腸がん、大腸がん、乳がん、卵巣がん、前立腺がん、精巣がん、肝臓がん、腎臓がん、膀胱がん、膵臓がん、脳がん、肉腫、骨肉腫、カポジ肉腫及びメラノーマからなる群から選択される、(25)に記載の増殖性疾患を予防又は処置するための医薬組成物。
(27)(19)~(23)のいずれかに記載のピロロベンゾジアゼピン二量体プロドラッグ-リンカー-リガンドコンジュゲート、又はピロロベンゾジアゼピン二量体プロドラッグ-リンカー-リガンドコンジュゲートの薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物、及び
薬学的に許容される賦形剤
を含む、増殖性疾患を予防又は処置するための医薬組成物。
(28)(19)~(23)のいずれかに記載のピロロベンゾジアゼピン二量体プロドラッグ-リンカー-リガンドコンジュゲート、又はピロロベンゾジアゼピン二量体プロドラッグ-リンカー-リガンドコンジュゲートの薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物、
1つ以上の共治療剤、及び
薬学的に許容される賦形剤
を含む、増殖性疾患を予防又は処置するための医薬組成物。
【外国語明細書】