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特開2023-113730ホスホラミダイト及びオリゴヌクレオチド合成のための組成物並びに方法
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  • 特開-ホスホラミダイト及びオリゴヌクレオチド合成のための組成物並びに方法 図1
  • 特開-ホスホラミダイト及びオリゴヌクレオチド合成のための組成物並びに方法 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023113730
(43)【公開日】2023-08-16
(54)【発明の名称】ホスホラミダイト及びオリゴヌクレオチド合成のための組成物並びに方法
(51)【国際特許分類】
   C07H 23/00 20060101AFI20230808BHJP
【FI】
C07H23/00
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023085661
(22)【出願日】2023-05-24
(62)【分割の表示】P 2018567566の分割
【原出願日】2017-03-13
(31)【優先権主張番号】62/307,542
(32)【優先日】2016-03-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】516212924
【氏名又は名称】ウェイブ ライフ サイエンシズ リミテッド
【氏名又は名称原語表記】WAVE LIFE SCIENCES LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100116850
【弁理士】
【氏名又は名称】廣瀬 隆行
(72)【発明者】
【氏名】バトラー デビット チャールズ ドネル
(72)【発明者】
【氏名】マラッパン スブラマニアン
(72)【発明者】
【氏名】パイク イクヒョン
(57)【要約】      (修正有)
【課題】オリゴヌクレオチド合成のためのホスホラミダイトを調製及び精製する方法を提供する。
【解決手段】下記a)~c)の工程を含む方法である。a)精製媒体から水を除去する工程と、b)前記精製媒体をホスホラミダイトと接触させる工程と、c)場合によっては、前記精製媒体を用いてホスホラミダイトを精製する工程。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ホスホラミダイトを精製する方法であって、
a)精製媒体から水を除去する工程と、
b)前記精製媒体をホスホラミダイトと接触させる工程と、
c)場合によっては、前記精製媒体を用いてホスホラミダイトを精製する工程と、を含む方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は2016年3月13日に出願された米国仮特許出願第62/307,542号の優先権を主張し、その全体は参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
オリゴヌクレオチドは、各疾患の治療を含む多くの目的に有益である。オリゴヌクレオチドの効率的な合成方法が求められている。
【発明の概要】
【0003】
本開示は、ホスホラミダイトの調製のための多くの技術に関する問題の原因を認識することを含む。当該技術分野で知られているように、ホスホラミダイトはオリゴヌクレオチド合成のモノマーとしてしばしば利用される。ホスホラミダイトを調製するための多くの技術には、低い収率及び/又は低い純度の課題がある。とりわけ、本開示は、例えば、オリゴヌクレオチド調製の効率の改良及び/若しくはコストの低減に有益であるホスホラミダイト並びに/若しくは別の中間物質及び生成物を調製するための著しく改良された収率並びに/又は純度を提供する技術(例えば、化合物、組成物、方法等)を提供する。
【0004】
本開示は、精製媒体を前処理するいくつかのプロセスが、特にホスホラミダイトを調製時に使用する場合、その媒体の有用性及び/又は有効性を驚くほど改善することができることを含むいくつかの驚くべき知見を包含する。いくつかの実施形態では、このようなプロセスは、不活性化プロセスであっても、又は含んでもよい。いくつかの実施形態では、このようなプロセスは、媒体からの水の除去又は排除であっても、又は含んでもよい。いくつかの実施形態では、このようなプロセスは、1つ又は複数の吸湿性溶媒を含む吸湿性溶媒系を用いる処理であっても、又は含んでもよい。いくつかの実施形態では、このようなプロセスは、吸湿性溶媒を用いる処理であっても、又は含んでもよい。いくつかの実施形態では、このようなプロセスは、アルコールを用いる処理であっても、又は含んでもよい。いくつかの実施形態では、このようなプロセスは、メタノールを用いる処理であっても、又は含んでもよい。いくつかの実施形態では、このようなプロセスは、エタノールを用いる処理であっても、又は含んでもよい。いくつかの実施形態では、このようなプロセスは、イソプロパノールを用いる処理であっても、又は含んでもよい。いくつかの実施形態では、このようなプロセスは、ジメチルカーボネートを用いる処理であっても、又は含んでもよい。いくつかの実施形態では、このようなプロセスは、アセトニトリルを用いる処理であっても、又は含んでもよい。いくつかの実施形態では、このようなプロセスは、エチルアセテートを用いる処理であっても、又は含んでもよい。いくつかの実施形態では、このようなプロセスは、アセトンを用いる処理であっても、又は含んでもよい。いくつかの実施形態では、本開示は、1つ又は複数の精製媒体を劣化させるか、さもなければ損傷させると以前に理解されたていた又は予想されていたいくつかのプロセスを含むいくつかのこのようなプロセスが、実際にこのような媒体の有用性及び/又は有効性を、特にホスホラミダイトの調製において、改善し得ることを説明する。いくつかの実施形態では、本開示の教示は、シリカ媒体である、又はシリカ媒体を含む媒体に関する。いくつかの実施形態では、本開示の教示は、シリカゲルである、又はシリカゲルを含む媒体に関する。
【0005】
いくつかの実施形態では、ホスホラミダイトの調製におけるクロマトグラフィー精製(例えば、シリカゲル、アルミナ等を用いる精製)を利用する先行技術の問題の1つの原因は、かなりの量のホスホラミダイトがクロマトグラフィーの間に失われ得ると本開示は認識している。特定の理論に拘束されることを望まないが、本開示は、場合によっては、ホスホラミダイトが精製媒体、例えばシリカゲル、アルミナ等に不可逆的吸着(例えば、クロマトグラフィー精製中に容易に溶出できない)によって、及び/又は精製媒体と接触する場合に分解によって失われ得ることを提示する。いくつかの実施形態では、本開示は、ホスホルラミダイトの低い収率及び/又は低い純度が、オリゴヌクレオチド及び/又はその医薬組成物のコストを大幅に、特に大規模にオリゴヌクレオチドをベースとする治療用医薬品を調製するのに必要とされる医薬組成物等で、増加させる可能性があるとの認識を含む。本開示は、いくつかの実施形態では、本明細書に記載の精製媒体の処理が、ホスホラミダイトの精製におけるその性能(従って、その有用性及び/又は効能)を改善し得るという特定の洞察を与える。
【0006】
いくつかの実施形態では、本開示は、ホスホラミダイト及び/又はオリゴヌクレオチドを調製するための新規技術、例えば、化合物、組成物、方法等を提供する。いくつかの実施形態では、本開示は、ホスホラミダイトを精製するための新しい技術を提供する。いくつかの実施形態では、提供された技術は、ホスホラミダイト合成の効率を大幅に改善し、並びに/又はホスホラミダイト及びそれから調製されるオリゴヌクレオチド、組成物及び医薬品のコストを著しく低下させる。
【0007】
いくつかの実施形態では、本開示は、
a)精製媒体を前処理する工程と、
b)精製媒体をホスホラミダイトと接触させる工程と、
b)場合によっては、精製媒体を用いてホスホラミダイトを精製する工程と、を含む方法を提供する。
【0008】
いくつかの実施形態では、本開示は、
a)精製媒体を前処理する工程と、
b)精製媒体を用いてホスホラミダイトと、精製する工程、を含む方法を提供する。
【0009】
いくつかの実施形態では、本開示は、
a)シリカゲルを含む精製媒体を前処理する工程と、
b)精製媒体をホスホラミダイトと接触させる工程と、を含む方法を提供する。
【0010】
いくつかの実施形態では、本開示は、
a)シリカゲルを含む精製媒体を前処理する工程と、
b)精製媒体を用いてホスホラミダイトを精製する工程と、を含む方法を提供する。
【0011】
いくつかの実施形態では、本開示は、
a)シリカゲルを前処理する工程と、
b)シリカゲルをホスホラミダイトと接触させる工程と、を含む方法を提供する。
【0012】
いくつかの実施形態では、本開示は、
a)シリカゲルを前処理する工程と、
b)シリカゲルを用いてホスホラミダイトを精製する工程と、を含む方法を提供する。
【0013】
いくつかの実施形態では、前処理は精製媒体から水を除去する。いくつかの実施形態では、前処理は精製媒体を不活性化する。いくつかの実施形態では、前処理は精製媒体を第1の溶媒系と接触させることを含む。いくつかの実施形態では、第1の溶媒系は吸湿性溶媒を含む。いくつかの実施形態では、第1の溶媒系は吸湿性溶媒である。いくつかの実施形態では、吸湿性溶媒はアルコールである。いくつかの実施形態では、吸湿性溶媒はメタノールである。いくつかの実施形態では、吸湿性溶媒はエタノールである。いくつかの実施形態では、吸湿性溶媒はイソプロパノールである。いくつかの実施形態では、吸湿性溶媒はアセトンである。いくつかの実施形態では、吸湿性溶媒はジメチルカーボネートである。いくつかの実施形態では、吸湿性溶媒はアセトニトリルである。いくつかの実施形態では、吸湿性溶媒はエチルアセテートである。いくつかの実施形態では、第1の溶媒系は精製媒体の反応部位を不活性化する。いくつかの実施形態では、前処理は精製媒体を加熱することを含む。
【0014】
いくつかの実施形態では、本開示は、
a)精製媒体から水を除去する工程と、
b)精製媒体をホスホラミダイトと接触させる工程と、
c)場合によっては、精製媒体を用いてホスホラミダイトと、を精製する工程、を含む方法を提供する。
【0015】
いくつかの実施形態では、本開示は、
a)精製媒体から水を除去する工程と、
b)精製媒体をホスホラミダイトと接触させる工程と、
c)精製媒体を用いてホスホラミダイトを精製する工程と、を含む方法を提供する。
【0016】
いくつかの実施形態では、本開示は、
a)精製媒体から水を除去する工程と、
b)精製媒体を用いてホスホラミダイトを精製する工程と、を含む方法を提供する。
【0017】
いくつかの実施形態では、本開示は、
a)精製媒体から水を除去する工程と、
b)ホスホラミダイトを精製媒体へ加える工程と、
c)ホスホラミダイトを溶媒系を用いて精製媒体から溶出させる工程と、
を含み、工程a)がない場合、回復率は基準回復率より高い、ホスホラミダイトの回復率を改善する方法を提供する。
【0018】
いくつかの実施形態では、本開示は、a)精製媒体から水を除去する工程、を含むホスホラミダイトが精製媒体と接触する場合にホスホラミダイトの分解を減少させる方法を提供する。
【0019】
いくつかの実施形態では、本開示は、
a)精製媒体を不活性化する工程と、
b)精製媒体を用いてホスホラミダイトを精製する工程と、を含む方法を提供し、不活性化された精製媒体が、不活性化されていない精製媒体よりも高い回復率をもたらす。
【0020】
いくつかの実施形態では、本開示は、
a)精製媒体から水を除去する工程と、
b)精製媒体をホスホラミダイトと接触させる工程と、
c)場合によっては、精製媒体を用いてホスホラミダイトを精製する工程と、を含む方法を提供する。
【0021】
いくつかの実施形態では、本開示は、
a)精製媒体から水を除去する工程と、
b)精製媒体をホスホラミダイトと接触させる工程と、
c)精製媒体を用いてホスホラミダイトを精製する工程と、を含む方法を提供する。
【0022】
いくつかの実施形態では、本開示は、
a)精製媒体から水を除去する工程と、
b)精製媒体を用いてホスホラミダイトを精製する工程と、を含む方法を提供する。
【0023】
いくつかの実施形態では、本開示は、
a)精製媒体から機械的に水を除去する工程と、
b)精製媒体をホスホラミダイトと接触させる工程と、
c)場合によっては、精製媒体を用いてホスホラミダイトを精製する工程と、を含む方法を提供する。
【0024】
いくつかの実施形態では、本開示は、
a)精製媒体から機械的に水を除去する工程と、
b)精製媒体をホスホラミダイトと接触させる工程と、
c)精製媒体を用いてホスホラミダイトを精製する工程と、を含む方法を提供する。
【0025】
いくつかの実施形態では、本開示は、
a)精製媒体から機械的に水を除去する工程と、
b)精製媒体を用いてホスホラミダイトを精製する工程と、を含む方法を提供する。
【0026】
いくつかの実施形態では、本開示は、
a)吸湿性溶媒を用いて精製媒体を処理する工程と、
b)精製媒体を用いてホスホラミダイトを精製する工程と、を含む方法を提供する。
【0027】
いくつかの実施形態では、本開示は、
a)アルコールを用いて精製媒体を処理する工程と、
b)精製媒体を用いてホスホラミダイトを精製する工程と、を含む方法を提供する。
【0028】
いくつかの実施形態では、本開示は、
a)1つ又は複数のアルコールを用いて精製媒体を処理する工程と、
b)精製媒体を1つ又は複数のアルコールよりも極性が小さい溶媒系を用いて再平衡化させる工程と、
c)シリカゲルを用いてホスホラミダイトを精製する工程であって、溶出溶媒系は1つ又は複数のアルコールよりも極性が小さい、精製する工程と、を含む方法を提供する。
【0029】
いくつかの実施形態では、本開示は、
a)メタノールを用いて精製媒体を処理する工程と、
b)エチルアセテート及びヘキサンを含む溶媒系を用いて精製媒体を再平衡させる工程と、
c)精製媒体を用いてホスホラミダイトを精製する工程であって、溶出溶媒系はエチルアセテート、ヘキサン、及び場合によっては修飾剤を含む、精製する工程と、を含む方法を提供する。
【0030】
いくつかの実施形態では、本開示は、
a)メタノールを用いて精製媒体を処理する工程と、
b)エチルアセテート及びヘキサンを含む溶媒系を用いて精製媒体を再平衡させる工程と、
c)精製媒体を用いてホスホラミダイトを精製する工程であって、溶出溶媒系はエチルアセテートとヘキサンの混合物である、精製する工程と、を含む方法を提供する。
【0031】
いくつかの実施形態では、本開示は、
a)メタノールを用いて精製媒体を処理する工程と、
b)エチルアセテート及びヘキサンを含む溶媒系を用いて精製媒体を再平衡させる工程と、
c)精製媒体を用いてホスホラミダイトを精製する工程であって、溶出溶媒系はエチルアセテートとヘキサンとトリエチルアミンの混合物である、精製する工程と、を含む方法を提供する。
【0032】
いくつかの実施形態では、本開示は、
化合物を媒体と接触させることであって、
媒体は不活性である、接触させること、を含む方法を提供する。
【0033】
いくつかの実施形態では、本開示は、
化合物を、媒体を用いて精製することであって、
媒体は不活性である、精製すること、を含む方法を提供する。
【0034】
いくつかの実施形態では、化合物はホスホラミダイトである。いくつかの実施形態では、化合物はヌクレオシドである。いくつかの実施形態では、化合物はヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、化合物はオリゴヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、媒体は精製媒体である。いくつかの実施形態では、媒体はシリカゲルを含む。いくつかの実施形態では、媒体はシリカゲルである。いくつかの実施形態では、媒体は本開示に記載のように機械的に不活性化される。いくつかの実施形態では、媒体は本開示に記載のように溶媒系又は溶媒を用いて不活性化される。いくつかの実施形態では、媒体は本開示に記載のように溶媒系との接触により不活性化される、又は吸湿性溶媒を含む。
【0035】
いくつかの実施形態では、提供される方法は本開示に記載のように媒体を用いることを含むクロマトグラフィー法である。いくつかの実施形態では、媒体はシリカゲルである、又はシリカゲルを含む。いくつかの実施形態では、媒体は、例えば機械的手段、吸湿性溶媒(系)との接触等により、不活性化される。
【0036】
いくつかの実施形態では、本開示は、ホスホラミダイトを調製するための組成物を提供する。いくつかの実施形態では、本開示は、
a)不活性化された精製媒体と、
b)ホスホラミダイトと、を含む組成物を提供する。
いくつかの実施形態では、ホスホラミダイトは不活性化された精製媒体と接触する。いくつかの実施形態では、ホスホラミダイトは不活性化された精製媒体に吸着される。
【0037】
いくつかの実施形態では、精製媒体を溶媒系又は溶媒を用いて処理することは、精製媒体を溶媒系若しくは溶媒と接触させることである、又は含む。
【0038】
いくつかの実施形態では、ホスホラミダイトはヌクレオシドホスホラミダイトである。いくつかの実施形態では、ホスホラミダイトは、国際公開第2011/005761号、米国特許出願公開第2012/0316224号、国際公開第2013/012758号、米国特許出願公開第2014/0194610号、国際公開第2014/012081号、米国特許出願公開第2015/0211006号、国際公開第2015/107425号、米国特許出願公開第2017/0037399号、国際公開第2010/064146号、米国特許出願公開第2011/0294124号、国際公開第2014/010250号、米国特許出願公開第2015/0197540号、国際公開第2011/108682号、米国特許出願公開第2013/0184450号、国際公開第2012/039448号、米国特許出願公開第2013/0178612号、国際公開第2012/073857号、又は米国特許出願公開第2013/0253178号に記載されるものであり、その各々のホスホラミダイトは、参照により本明細書に組み込まれる。
【0039】
いくつかの実施形態では、ホスホラミダイトは立体化学的に濃縮される。いくつかの実施形態では、ホスホラミダイトは立体化学的に純粋である。いくつかの実施形態では、ホスホラミダイトは、キラルに制御されたオリゴヌクレオチド組成物、例えば国際公開第2011/005761号、米国特許出願公開第2012/0316224号、国際公開第2013/012758号、米国特許出願公開第2014/0194610号、国際公開第2014/012081号、米国特許出願公開第2015/0211006号、国際公開第2015/107425号、米国特許出願公開第2017/0037399号、国際公開第2010/064146号、米国特許出願公開第2011/0294124号、国際公開第2014/010250号、米国特許出願公開第2015/0197540号、国際公開第2011/108682号、米国特許出願公開第2013/0184450号、国際公開第2012/039448号、米国特許出願公開第2013/0178612号、国際公開第2012/073857号、又は米国特許出願公開第2013/0253178号に記載のそれらを調製するために用いられ、その各々のキラルに制御されたオリゴヌクレオチド組成物は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0040】
いくつかの実施形態では、ホスホラミダイトは式I:
【化1】
の構造を有し、式中、各変数は独立して定義され以下に記載の通りである。
【図面の簡単な説明】
【0041】
図1】クロマトグラム:前処理を行わないシリカ
【0042】
図2】クロマトグラム:前処理を行ったシリカ
【発明を実施するための形態】
【0043】
1. 定義
本明細書中で使用される場合、他に示されない限り、以下の定義が適用される。この開示では、化学元素は、元素の周期律表、CAS version,Handbook of Chemistry and Physics,75th Ed.に従って同定される。更に、有機化学の一般原則は、“Organic Chemistry”,Thomas Sorrell,University Science Books,Sausalito:1999、及び“March’s Advanced Organic Chemistry”,5th Ed.,Ed.Smith,M.B及びMarch,J.,John Wiley&Sons,New York:2001に記載されており、その全内容は参照により本明細書に組み込まれる。
【0044】
脂肪族:本明細書で使用される場合には、「脂肪族」は、完全に飽和若しくは1つ若しくは複数の不飽和単位を含む、直鎖状の(即ち、非分枝状の)若しくは分枝状の、置換若しくは非置換の炭化水素鎖、又は、完全に飽和若しくは1つ若しくは複数の不飽和単位を含む、置換若しくは非置換の単環式、二環式若しくは多環式炭化水素環、若しくはそれらの組み合わせを意味する。特に明記しない限り、脂肪族基は1~100個の脂肪族炭素原子を含む。いくつかの実施形態では、脂肪族基は1~20個の脂肪族炭素原子を含む。別の実施形態では、脂肪族基は1~10個の脂肪族炭素原子を含む。別の実施形態では、脂肪族基は1~9個の脂肪族炭素原子を含む。別の実施形態では、脂肪族基は1~8個の脂肪族炭素原子を含む。別の実施形態では、脂肪族基は1~7個の脂肪族炭素原子を含む。別の実施形態では、脂肪族基は1~6個の脂肪族炭素原子を含む。更に別の実施形態では、脂肪族基は1~5個の脂肪族炭素原子を含み、更に他の実施形態では、脂肪族基は1、2、3又は4個の脂肪族炭素原子を含む。好適な脂肪族基には、直鎖状の又は分枝状の、置換又は非置換のアルキル、アルケニル、アルキニル基及びそれらのハイブリッドが含まれるが、これらに限定されない。
【0045】
アルキル:本明細書で使用される用語「アルキル」は、当該技術分野で通常の意味を有し、直鎖アルキル基、分枝鎖アルキル基、シクロアルキル(脂環式)基、アルキル置換シクロアルキル基、及びシクロアルキル置換アルキル基を含む飽和脂肪族基を含み得る。いくつかの実施形態では、アルキルは1~100個の炭素原子を有する。いくつかの実施形態では、直鎖又は分枝鎖アルキルはその主鎖中に約1~20個(例えば、直鎖の場合はC-C20、分枝鎖の場合はC-C20)、あるいは約1~10個の炭素原子を有する。いくつかの実施形態では、シクロアルキル環は、環が単環式、二環式又は多環式であるその環構造中に約3~10個の炭素原子、あるいは環構造中に約5、6又は7個の炭素を有する。いくつかの実施形態では、アルキル基は低級アルキル基であってもよく、低級アルキル基は1~4個の炭素原子(例えば、直鎖低級アルキルの場合はC-C)を含む。
【0046】
アルケニル:本明細書で使用される用語「アルケニル」は、本明細書で定義されるように1つ又は複数の二重結合を有するアルキル基を指す。
【0047】
アルキニル:本明細書で使用される用語「アルキニル」は、本明細書で定義されるように1つ又は複数の三重結合を有するアルキル基を指す。
【0048】
アリール:単独で、又は「アラルキル」、「アラルコキシ」若しくは「アリールオキシアルキル」内のより大きな部分の一部として使用される用語「アリール」は、総計5~30個の環員を有する単環式、二環式、又は多環式環系を指し、系内の少なくとも1個の環は芳香族である。いくつかの実施形態では、アリール基は、総計5~14個の環員を有する単環式、二環式、又は多環式環系であり、系内の少なくとも1個の環は芳香族であり、系中の各環は3~7個の環員を含む。いくつかの実施形態では、アリール基はビアリール基である。用語「アリール」は、用語「アリール環」と互換的に使用され得る。本開示のいくつかの実施形態では、「アリール」は、フェニル、ビフェニル、ナフチル、ビナフチル、アントラシル等を含み、1つ又は複数の置換基を有し得る芳香環系を指すが、これらに限定されない。また、本明細書で使用される用語「アリール」の範囲内に含まれるのは、芳香環が1個又は複数の非芳香環に縮合している基、例えばインダニル、フタルイミジル、ナフチミジル、フェナントリジニル、又はテトラヒドロナフチル等である。いくつかの実施形態では、アリール基は、芳香環上にラジカル又は結合点を有する。
【0049】
脂環式:本明細書で使用される用語「脂環式」は、例えば3~30個の環員を有する飽和若しくは部分不飽和脂肪族単環式、二環式、又は多環式環系を指し、脂肪族環系は置換されていてもよい。脂環式基は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロペンテニル、シクロヘキシル、シクロヘキセニル、シクロヘプチル、シクロヘプテニル、シクロオクチル、シクロオクテニル、ノルボルニル、アダマンチル、及びシクロオクタジエニルを含むが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、シクロアルキルは3~6個の炭素を有する。用語「脂環式」はまた、1つ若しくは複数の芳香又は非芳香環、例えばデカヒドロナフチル又はテトラヒドロナフチルに縮合している脂肪族環を含むことができ、ここでラジカル又は結合点は脂肪族環上にある。いくつかの実施形態では、炭素環式基は二環式である。いくつかの実施形態では、炭素環式基は三環式である。いくつかの実施形態では、炭素環式基は多環式である。いくつかの実施形態では、「脂環式」(又は「炭素環式」又は「シクロアルキル」)は、完全に飽和している若しくは1つ若しくは複数の不飽和単位を含むが、芳香族ではなく、分子の残りの部分へ単一の結合点を有する単環式C-C炭化水素若しくはC-C10二環式炭化水素、又は、完全に飽和している若しくは1つ若しくは複数の不飽和単位を含むが、芳香族ではなく、分子の残りの部分へ単一の結合点を有するC-C16三環式炭化水素を指す。
【0050】
ハロゲン:用語「ハロゲン」は、F、Cl、Br、又はIを意味する。
【0051】
ヘテロ脂肪族:用語「ヘテロ脂肪族」は、当技術分野で通常の意味を有し、1個又は複数の炭素原子がヘテロ原子(例えば、酸素、窒素、硫黄、ケイ素、リン等)で置換された本明細書に記載の脂肪族基を指す。
【0052】
ヘテロアルキル:用語「ヘテロアルキル」は、当技術分野で通常の意味を有し、1個又は複数の炭素原子がヘテロ原子(例えば、酸素、窒素、硫黄、ケイ素、リン等)で置換された本明細書に記載のアルキル基を指す。ヘテロアルキル基の例としては、アルコキシ、ポリ(エチレングリコール)-、アルキル置換アミノ、テトラヒドロフラニル、ピペリジニル、モルホリニル等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0053】
ヘテロアリール:単独で又はより大きい部分、例えば「ヘテロアラルキル」又は「ヘテロアラルコキシ」の一部として使用される用語「ヘテロアリール」及び「ヘテロアラルキル」は、総計5~30個の環員を有する単環式、二環式又は多環式環系を指し、系内の少なくとも1個の環は芳香族であり、少なくとも1個の芳香環原子はヘテロ原子である。ヘテロアリール基は、いくつかの実施形態では5~10個の環原子(即ち、単環式、二環式又は多環式)、いくつかの実施形態では5、6、9、又は10個の環原子を有する基である。いくつかの実施形態では、ヘテロアリール基は、環状配列中で共有され、及び炭素原子に加えて1~5個のヘテロ原子を有する、6、10、又は14個のπ電子を有する。ヘテロアリール基には、チエニル、フラニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、チアジアゾリル、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、インドリジニル、プリニル、ナフチリジニル及びプテリジニルが含まれるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、ヘテロアリールはヘテロビアリール基、例えばビピリジル等である。本明細書で使用される用語「ヘテロアリール」及び「ヘテロアラルキル」はまた、ヘテロ芳香環が1個若しくは複数のアリール、脂環式又はヘテロシクリル環に縮合している基を含み、ここでラジカル又は結合点はヘテロ芳香環上にある。非限定的な例としては、インドリル、イソインドリル、ベンゾチエニル、ベンゾフラニル、ジベンゾフラニル、インダゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンズチアゾリル、キノリル、イソキノリル、シンノリニル、フタラジニル、キナゾリニル、キノキサリニル、4H-キノリジニル、カルバゾリル、アクリジニル、フェナジニル、フェノチアジニル、フェノキサジニル、テトラヒドロキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、及びピリド[2,3-b]-1,4-オキサジン-3(4H)-オンが挙げられる。ヘテロアリール基は、単環式、二環式又は多環式であってもよい。用語「ヘテロアリール」は、用語「ヘテロアリール環」、「ヘテロアリール基」又は「ヘテロ芳香族」と互換的に使用されることができ、これらの用語のいずれかは、置換されていてもよい環を含む。用語「ヘテロアラルキル」は、ヘテロアリール基で置換されたアルキル基を指し、アルキル部分及びヘテロアリール部分は、独立して置換されていてもよい。
【0054】
ヘテロ原子:用語「ヘテロ原子」は炭素でも水素でもない原子を意味する。いくつかの実施形態では、ヘテロ原子は、(窒素、硫黄、リン、又はケイ素の任意の酸化形態、任意の塩基性窒素又は複素環式環の置換可能な窒素の四級化形態(例えば、3,4-ジヒドロ-2H-ピロリル中のN)、(ピロリジニル中の)NH、又は(N-置換ピロリジニル中の)NR等を含む)酸素、硫黄、窒素、リン、又はケイ素である。
【0055】
ヘテロシクリル:本明細書で使用する「複素環」、「ヘテロシクリル」、「複素環式ラジカル」、及び「複素環式環」という用語は互換的に使用され、飽和又は部分不飽和であり、1個若しくは複数のヘテロ原子環原子を有する単環式、二環式、又は多環式環部分(例えば3~30員)を指す。いくつかの実施形態では、ヘテロシクリル基は、炭素原子に加えて1個又は複数の、好ましくは上で定義した1~4個のヘテロ原子を有する飽和又は部分不飽和のいずれかの、安定な5員~7員単環式又は7員~10員二環式複素環式部分である。複素環の環原子に関して使用される場合、用語「窒素」は置換された窒素を含む。例として、酸素、硫黄又は窒素から選択される0~3個のヘテロ原子を有する飽和又は部分不飽和の環において、窒素は(3,4-ジヒドロ-2H-ピロリル中の)N、(ピロリジニルの中の)NH、又は(N-置換ピロリジニル中の)NRであることができる。複素環式環は、安定な構造をもたらす任意のヘテロ原子又は炭素原子でそのペンダント基に結合することができ、任意の環原子は置換されていてもよい。このような飽和又は部分不飽和複素環式ラジカルの例としては、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチエニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピロリニル、テトラヒドロキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、デカヒドロキノリニル、オキサゾリジニル、ピペラジニル、ジオキサニル、ジオキソラニル、ジアゼピニル、オキサゼピニル、チアゼピニル、モルホリニル、及びキヌクリジニルが挙げられるが、これらに限定されない。用語「複素環」、「ヘテロシクリル」、「ヘテロシクリル環」、「複素環式基」、「複素環式基」、「複素環式部分」、及び「複素環式ラジカル」は、本明細書では互換的に使用され、また、ヘテロシクリル環が1つ若しくは複数のアリール、ヘテロアリール、又は脂環式環、例えばインドリニル、3H-インドリル、クロマニル、フェナントリジニル、若しくはテトラヒドロキノリニル、に縮合した基を含む。ヘテロシクリル基は、単環式、二環式、又は多環式であってもよい。用語「ヘテロシクリルアルキル」は、ヘテロシクリルで置換されたアルキル基を指し、アルキル部分及びヘテロシクリル部分は、独立して置換されていてもよい。
【0056】
部分不飽和:本明細書で使用される用語「部分不飽和」は、少なくとも1つの二重又は三重結合を含む部分を指す。用語「部分不飽和」は、不飽和の複数の部位を有する基を含むことが意図されるが、アリール部分及びヘテロアリール部分のいずれも含むことを意図するものではない。
【0057】
保護基 本明細書で使用される語句「保護基」は、潜在的に反応性官能基を望ましくない化学変換から保護する一時的な置換基を指す。このような保護基の例としては、カルボン酸のエステル、アルコールのシリルエーテル、アルデヒドのアセタール、及びケトンのケタールが挙げられる。「Si保護基」は、Si原子を含む保護基、例えばSi-トリアルキル(例えば、トリメチルシリル、トリブチルシリル、t-ブチルジメチルシリル)、Si-トリアリール、Si-アルキル-ジフェニル(例えば、t-ブチルジフェニルシリル)等、又はSi-アリール-ジアルキル(例えば、Si-フェニルジアルキル)である。一般的に、Si保護基は酸素原子に結合している。保護基化学の分野が概説されている(Greene,T.W.;Wuts,P.G.M.Protective Groups in Organic Synthesis,2nd ed.;Wiley:New York,1991)。このような保護基(及び関連する保護された部分)を、以下に詳細に記載する。
【0058】
保護されたヒドロキシル基は、当該技術分野において衆知であり、Protecting Groups in Organic Synthesis,T.W.Greene and P.G.M.Wuts,3rd edition,John Wiley&Sons,1999」に詳細に記載されるものを含み、その全体は参照により本明細書に組み込まれる。好適に保護されたヒドロキシル基の例としては、エステル、カーボネート、スルホネート、アリルエーテル、エーテル、シリルエーテル、アルキルエーテル、アリールアルキルエーテル、及びアルコキシアルキルエーテルが更に挙げられるが、これらに限定されない。好適なエステルの例としては、ギ酸エステル、酢酸エステル、プロピオン酸エステル、ペンタン酸エステル、クロトン酸エステル、及び安息香酸エステルが挙げられる。好適なエステルの具体例としては、ギ酸エステル、ベンゾイルギ酸エステル、クロロ酢酸エステル、トリフルオロ酢酸エステル、メトキシ酢酸エステル、トリフェニルメトキシ酢酸エステル、p-クロロフェノキシ酢酸エステル、3-フェニルプロピオン酸エステル、4-オキソペンタン酸エステル、4,4-(エチレンジチオ)ペンタン酸エステル、ピバル酸(トリメチル酢酸エステル)、クロトン酸エステル、4-メトキシ-クロトン酸エステル、安息香酸エステル、p-ベンゾイル安息香酸エステル、2,4,6-トリメチル安息香酸エステルが挙げられる。好適なカーボネートの例としては、9-フルオレニルメチル、エチル、2,2,2-トリクロロエチル、2-(トリメチルシリル)エチル、2-(フェニルスルホニル)エチル、ビニル、アリル、及びp-ニトロベンジルカーボネートが挙げられる。好適なシリルエーテルの例としては、トリメチルシリル、トリエチルシリル、t-ブチルジメチルシリル、t-ブチルジフェニルシリル、トリイソプロピルシリルエーテル、及び他のトリアルキルシリルエーテルが挙げられる。好適なアルキルエーテルの例としては、メチル、ベンジル、p-メトキシベンジル、3,4-ジメトキシベンジル、トリチル、t-ブチル、及びアリルエーテル、又はそれらの誘導体が挙げられる。アルコキシアルキルエーテルには、アセタール、例えばメトキシメチル、メチルチオメチル、(2-メトキシエトキシ)メチル、ベンジルオキシメチル、ベータ-(トリメチルシリル)エトキシメチル、及びテトラヒドロピラン-2-イルエーテル等が含まれる。好適なアリールアルキルエーテルの例としては、ベンジル、p-メトキシベンジル(MPM)、3,4-ジメトキシベンジル、O-ニトロベンジル、p-ニトロベンジル、p-ハロベンジル、2,6-ジクロロベンジル、p-シアノベンジル、2-及び4-ピコリルエーテルが挙げられる。
【0059】
保護されたアミンは当該技術分野において衆知であり、Greene(1999)に詳細に記載されているものを含む。好適なモノ保護されたアミンには更に、アラルキルアミン、カルバメート、アリルアミン、アミド等が含まれるが、これらに限定されない。好適なモノ保護されたアミノの例としては、t-ブチルオキシカルボニルアミノ(-NHBOC)、エチルオキシカルボニルアミノ、メチルオキシカルボニルアミノ、トリクロロエチルオキシカルボニルアミノ、アリルオキシカルボニルアミノ(-NHAlloc)、ベンジルオキシカルボニルアミノ(-NHCBZ)、アリルアミノ、ベンジルアミノ(-NHBn)、フルオレニルメチルカルボニル(-NHFmoc)ホルムアミド、アセトアミド、クロロアセトアミド、ジクロロアセトアミド、トリクロロアセトアミド、フェニルアセトアミド、トリフルオロアセトアミド、ベンズアミド、t-ブチルジフェニルシリル等が挙げられる。好適なジ保護されたアミンには、モノ保護されたアミンとして上に記載されたものから、独立して選択される2つの置換基で置換されたアミンが含まれ、更に環状イミド、例えばフタルイミド、マレイミド、スクシンイミド等が含まれる。好適なジ保護されたアミンにはまた、ピロール等、2,2,5,5-テトラメチル-[1,2,5]アザジシロリジン等、及びアジドが含まれる。
【0060】
保護されたアルデヒドは当該技術分野において衆知であり、Greene(1999)に詳細に記載されているものを含む。好適な保護されたアルデヒドには、非環式アセタール、環状アセタール、ヒドラゾン、イミン等が更に含まれるが、これらに限定されない。このような基の例としては、ジメチルアセタール、ジエチルアセタール、ジイソプロピルアセタール、ジベンジルアセタール、ビス(2-ニトロベンジル)アセタール、1,3-ジオキサン、1,3-ジオキソラン、セミカルバゾン、及びその誘導体が挙げられる。
【0061】
保護されたカルボン酸は当該技術分野において衆知であり、Greene(1999)に詳細に記載されているものを含む。好適な保護されたカルボン酸としては、更に、置換されていてもよいC1-6脂肪族エステル、置換されていてもよいアリールエステル、シリルエステル、活性エステル、アミド、ヒドラジド等が挙げられるが、これらに限定されない。このようなエステル基の例には、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、ベンジル、及びフェニルエステルが含まれ、各基は置換されていてもよい。更なる好適な保護されたカルボン酸には、オキサゾリン及びオルトエステルが含まれる。
【0062】
保護されたチオールは当該技術分野において衆知であり、Greene(1999)に詳細に記載されているものを含む。好適な保護されたチオールは、ジスルフィド、チオエーテル、シリルチオエーテル、チオエステル、チオカーボネート、及びチオカルバメート等を更に含むが、これらに限定されない。このような基の例としては、ほんの少し例を挙げると、アルキルチオエーテル、ベンジル及び置換ベンジルチオエーテル、トリフェニルメチルチオエーテル、並びにトリクロロエトキシカルボニルチオエステルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0063】
置換:本明細書に記載されるように、本開示の化合物は、置換されていてもよい及び/又は置換された部分を含み得る。一般に、用語「置換された」は、用語「任意に」が前にあるか否かにかかわらず、指定された部分の1つ又は複数の水素が好適な置換基で置換されていることを意味する。特に指示しない限り、「置換されていてもよい」基は、基の各置換可能な位置に好適な置換基を有していてもよく、任意の所定の構造中の2つ以上の位置が特定の基から選択される2つ以上の置換基で置換され得る場合、その置換基はあらゆる位置で同じであっても又は異なっていてもよい。本開示によって想定される置換基の組み合わせは、好ましくは、安定又は化学的に実現可能な化合物の形成をもたらす置換基である。本明細書で使用される用語「安定な」は、化合物の産生、検出、並びに、いくつかの実施形態では、本明細書に開示される1つ又は複数の目的のためのそれらの回収、精製、及び使用を可能にする条件にさらされた場合に、実質的に改変されない化合物を指す。
【0064】
好適な一価置換基は、ハロゲン;-(CH0-4R°;-(CH0-4OR°;-O(CH0-4,-O-(CH0-4C(O)OR°;-(CH0-4CH(OR°);R°で置換されていてもよい-(CH0-4Ph;R°で置換されていてもよい-(CH0-4O(CH0-1Ph;R°で置換されていてもよい-CH=CHPh;R°で置換されていてもよい-(CH0-4O(CH0-1-ピリジル;-NO;-CN;-N;-(CH0-4N(R°);-(CH0-4N(R°)C(O)R°;-N(R°)C(S)R°;-(CH0-4N(R°)C(O)NR°;-N(R°)C(S)NR°;-(CH0-4N(R°)C(O)OR°;-N(R°)N(R°)C(O)R°;-N(R°)N(R°)C(O)NR°;-N(R°)N(R°)C(O)OR°;-(CH0-4C(O)R°;-C(S)R°;-(CH0-4C(O)OR°;-(CH0-4C(O)SR°;-(CH0-4C(O)OSiR°;-(CH0-4OC(O)R°;-OC(O)(CH0-4SR、-SC(S)SR°;-(CH0-4SC(O)R°;-(CH0-4C(O)NR°;-C(S)NR°;-C(S)SR°;-SC(S)SR°、-(CH0-4OC(O)NR°;-C(O)N(OR°)R°;-C(O)C(O)R°;-C(O)CHC(O)R°;-C(NOR°)R°;-(CH0-4SSR°;-(CH0-4S(O)R°;-(CH0-4S(O)OR°;-(CH0-4OS(O)R°;-S(O)NR°;-(CH0-4S(O)R°;-N(R°)S(O)NR°;-N(R°)S(O)R°;-N(OR°)R°;-C(NH)NR°;-P(O)R°;-P(O)R°;-OP(O)R°;-OP(O)(OR°);-SiR°;-OSiR°;-(C1-4直鎖若しくは分枝鎖のアルキレン)O-N(R°);又は、-(C1-4直鎖若しくは分枝鎖のアルキレン)C(O)O-N(R°)、(式中、各R°は、以下に定義されるように置換されていてもよく、独立して、水素、C1-20脂肪族、窒素、酸素、硫黄、ケイ素及びリンから独立して選択される1~5個のヘテロ原子を有するC1-20ヘテロ脂肪族、-CH-(C6-14アリール)、-O(CH0-1(C6-14アリール)、-CH-(5~14員ヘテロアリール環)、窒素、酸素、硫黄、ケイ素及びリンから独立して選択される0~5個のヘテロ原子を有する5~20員の、単環式、二環式、若しくは多環式の、飽和、部分不飽和、若しくはアリール環であり、又は、上記定義にかかわらず、独立して出現する2つのR°は、それらの介在する原子と一緒になって、窒素、酸素、硫黄、ケイ素及びリンから独立して選択される0~5個のヘテロ原子を有する5~20員の、単環式、二環式、若しくは多環式の、飽和、部分不飽和、若しくはアリール環を形成し、これらは以下に定義されるように置換されていてもよい)を含む。
【0065】
好適なR°上の一価置換基(又は独立して出現する2つのR°がその介在する原子と一緒になって形成する環)は、独立して、ハロゲン、-(CH0-2R●、-(ハロR●)、-(CH0-2OH、-(CH0-2OR●、-(CH0-2CH(OR●);-O(ハロR●)、-CN、-N、-(CH0-2C(O)R●、-(CH0-2C(O)OH、-(CH0-2C(O)OR●、-(CH0-2SR●、-(CH0-2SH、-(CH0-2NH、-(CH0-2NHR●、-(CH0-2NR●、-NO、-SiR●、-OSiR●、-C(O)SR●-(C1-4直鎖若しくは分枝鎖のアルキレン)C(O)OR●、又は-SSR●、(式中、各R●は、非置換の、若しくは「ハロ」が前に付く場合には1つ若しくは複数のハロゲンでのみ置換され、及び、独立して、C1-4脂肪族、-CHPh、-O(CH0-1Ph、又は窒素、酸素及び硫黄から独立して選択される0~4個のヘテロ原子を有する5~6員の、飽和、部分不飽和、若しくはアリール環から選択される)である。R°の飽和炭素原子上の好適な二価置換基は、=O及び=Sを含む。
【0066】
好適な二価置換基は、=O、=S、=NNR 、=NNHC(O)R、=NNHC(O)OR、=NNHS(O)、=NR、=NOR、-O(C(R ))2-3O-、又は-S(C(R ))2-3S-、(式中、独立して出現する各Rは、水素、以下に定義されるように置換されていてもよいC1-6脂肪族、又は、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される0~4個のヘテロ原子を有する非置換の5~6員の、飽和、部分不飽和、若しくはアリール環から選択される)を含む。「置換されていてもよい」基の隣接の置換可能な炭素に結合している好適な二価置換基は、-O(CR 2-3O-、(式中、独立して出現する各Rは、水素、以下に定義されるように置換されていてもよいC1-6脂肪族、又は、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される0~4個のヘテロ原子を有する非置換の5~6員の、飽和、部分不飽和、若しくはアリール環から選択される)を含む。
【0067】
の脂肪族基上の好適な置換基は、ハロゲン、-R●、-(ハロR●)、-OH、-OR●、-O(ハロR●)、-CN、-C(O)OH、-C(O)OR●、-NH、-NHR●、-NR●、又は-NO、(式中、各R●は、非置換の、又は「ハロ」が前に付く場合には1つ若しくは複数のハロゲンでのみ置換され、及び、独立して、C1-4脂肪族、-CHPh、-O(CH0-1Ph、又は窒素、酸素、若しくは硫黄から独立して選択される0~4個のヘテロ原子を有する5~6員の、飽和、部分不飽和、若しくはアリール環である)を含む。
【0068】
いくつかの実施形態では、置換可能な窒素上の好適な置換基は、-R、-NR 、-C(O)R、-C(O)OR、-C(O)C(O)R、-C(O)CHC(O)R、-S(O)、-S(O)NR 、-C(S)NR 、-C(NH)NR 、又は-N(R)S(O)、(式中、各Rは、独立して、水素、下記に定義されるように置換されていてもよいC1-6脂肪族、非置換-OPh、若しくは窒素、酸素、若しくは硫黄から独立して選択される0~4個のヘテロ原子を有する非置換の5~6員の、飽和、部分不飽和、若しくはアリール環であり、又は、上記の定義にかかわらず、独立して出現する2つのRは、それらの介在する原子と一緒になって、窒素、酸素、若しくは硫黄から独立して選択される0~4個のヘテロ原子を有する非置換の3~12員の、飽和、部分不飽和、若しくはアリール単環式若しくは二環式環を形成する)を含む。
【0069】
の脂肪族基上の好適な置換基は、独立してハロゲン、-R●、-(ハロR●)、-OH、-OR●、-O(ハロR●)、-CN、-C(O)OH、-C(O)OR●、-NH、-NHR●、-NR●、又は-NO、(式中、各R●は、非置換の、又は「ハロ」が前に付く場合には1つ若しくは複数のハロゲンでのみ置換され、及び、独立して、C1-4脂肪族、-CHPh、-O(CH0-1Ph、又は窒素、酸素、若しくは硫黄から独立して選択される0~4個のヘテロ原子を有する5~6員の、飽和、部分不飽和、若しくはアリール環である)である。
【0070】
不飽和 本明細書で使用される用語「不飽和」は、部分が1つ又は複数の不飽和単位を有することを意味する。
【0071】
2. 発明を実施するためのいくつかの形態
ホスホラミダイトには様々な用途があり、例えば、ヌクレオシドホスホラミダイトはオリゴヌクレオチド合成のためのモノマーとして広く使用されている。ホスホラミダイトを調製するための多くの技術には、低い収率及び/又は低い純度の課題がある。とりわけ、このような低い収率及び/又は低い純度は、高コスト及び/又は低品質のホスホラミダイト、並びにその下流のあらゆる産物、例えばそこから調製されるオリゴヌクレオチドをもたらし得る。
【0072】
とりわけ、本開示は、場合によっては、ホスホラミダイトが、例えばクロマトグラフィーを介して他の物質から分離される場合、低い収率及び/又は低い純度は、精製プロセスに起因する可能性があるという認識を含む。いくつかの実施形態では、ホスホラミダイトの調製におけるクロマトグラフィー精製(例えば、シリカゲル、アルミナ等を用いる精製)を利用する先行技術の問題の1つの原因は、かなりの量のホスホラミダイトがクロマトグラフィーの間に失われ得ることであると本開示は認識している。特定の理論に拘束されることを望まないが、本開示は、場合によっては、ホスホラミダイトが精製媒体へ不可逆的に吸収/吸着、及び/又はクロマトグラフィーの間、精製媒体と接触する場合に分解によって失われ得ることを提示する。いくつかの実施形態では、ホスホラミダイトは、容易に溶出できないという点で、精製媒体への不可逆的な吸収/吸着によって失われる可能性がある。いくつかの実施形態では、ホスホラミダイトは、クロマトグラフィー精製中に分解し得る。例えば、実施例に記載されているように、いくつかの実施形態では、ホスホラミダイトは、シリカゲルを精製媒体として用いて精製する間に分解する可能性がある。
【0073】
とりわけ、ホスホラミダイトの低い収率及び/又は低い純度は、それらから製造される組成物のコストを、特に大規模なプロセス規模で大幅に増加させる可能性がある。いくつかの実施形態では、それらがオリゴヌクレオチド合成に使用される場合、ホスホラミダイトのコストが高いため、オリゴヌクレオチド、その組成物、及びその医薬品が異常に高価になる可能性がある。
【0074】
本開示は、精製媒体を前処理するいくつかのプロセスが、特にホスホラミダイトを調製時に使用する場合、その媒体の有用性及び/又は有効性を驚くほど改善することができることを含むいくつかの驚くべき知見を包含する。いくつかの実施形態では、このようなプロセスは、不活性化プロセスであっても、又は含んでもよい。いくつかの実施形態では、前処理は不活性化プロセスである。いくつかの実施形態では、前処理は精製媒体の不活性化を含む。いくつかの実施形態では、精製媒体が不活性化される場合、このような精製媒体をホスホラミダイトの精製に用いる場合のホスホラミダイトの不可逆的な吸収/吸着及び/又は分解は、同じ不活性化された精製媒体と比較して少ない。いくつかの実施形態では、不可逆的な吸収/吸着は少ない。いくつかの実施形態では、分解は少ない。いくつかの実施形態では、不可逆的な吸収/吸着は少なく、分解も少ない。いくつかの実施形態では、前処理された媒体は、前処理されていない媒体よりもホスホラミダイトの高い収率及び/又は高い純度をもたらす。いくつかの実施形態では、前処理媒体はより高い回復収率をもたらす。いくつかの実施形態では、前処理媒体はより高い純度をもたらす。いくつかの実施形態では、前処理媒体はより高い回復収率及びより高い純度をもたらす。
【0075】
いくつかの実施形態では、前処理は、精製媒体からの水の除去又は排除であってもよい、又は含んでもよい。いくつかの実施形態では、前処理は精製媒体からの水の除去又は排除を含む。いくつかの実施形態では、前処理は精製媒体から水を除去する。いくつかの実施形態では、前処理は精製媒体から水を排除する。
【0076】
いくつかの実施形態では、前処理は機械的に実施される。いくつかの実施形態では、精製媒体は熱で前処理される。いくつかの実施形態では、精製媒体は真空で前処理される。いくつかの実施形態では、精製媒体は熱及び真空で前処理される。いくつかの実施形態では、このような機械的な前処理は精製媒体を不活性化する。当業者であれば認識するように、熱及び/又は真空は、とりわけ、本開示に従って、精製媒体から水又は他の溶媒を除去することができる。いくつかの実施形態では、加熱は、少なくとも50、60、70、80、90、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、200、250、300、400、又は500℃の温度に達する。いくつかの実施形態では、真空は50kPa、40kPa、30kPa、20kPa、10kPa、5kPa、2kPa、1kPa、0.5kPa、0.2kPa、0.1kPa、50Pa、40Pa、30Pa、20Pa、10Pa、5Pa、2Pa、1Pa、0.5Pa、0.2Pa、0.1Pa、0.05Pa、0.02Pa、又は0.01Pa以下である。いくつかの実施形態では、処理は長期間である。いくつかの実施形態では、処理は、5分、10分、30分、1時間、2時間、4時間、6時間、10時間、12時間、16時間、24時間、36時間、48時間、又はそれ以上続く。
【0077】
いくつかの実施形態では、精製媒体は第1の溶媒系で前処理される。いくつかの実施形態では、第1の溶媒系は吸湿性溶媒である、又は含む。いくつかの実施形態では、第1の溶媒系は吸湿性溶媒系である。いくつかの実施形態では、吸湿性溶媒系は、本開示に記載の第1の溶媒系である。いくつかの実施形態では、第1の溶媒系は吸湿性溶媒を含む。いくつかの実施形態では、第1の溶媒は吸湿性溶媒である。いくつかの実施形態では、媒体を第1の溶媒系と接触させることにより精製媒体を不活性化させる。いくつかの実施形態では、第1の溶媒系は水溶性溶媒を含む。いくつかの実施形態では、第1の溶媒系は水溶性有機溶媒を含む。いくつかの実施形態では、第1の溶媒系は水溶性溶媒である。いくつかの実施形態では、第1の溶媒系は水溶性有機溶媒である。いくつかの実施形態では、第1の溶媒系は2つ以上の溶媒を含む。いくつかの実施形態では、第1の溶媒系は2つ以上の水溶性溶媒を含む。いくつかの実施形態では、第1の溶媒系は2つ以上の水溶性有機溶媒を含む。例示的な水溶性有機溶媒としては、アセトアルデヒド、酢酸、アセトン、アセトニトリル、1,2-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、2-ブトキシエタノール、酪酸、ジエタノールアミン、ジエチレントリアミン、ジメチルホルムアミド、ジメトキシエタン、ジメチルスルホキシド、1,4-ジオキサン、エタノール、エチルアミン、エチレングリコール、ギ酸、フルフリルアルコール、グリセロール、メタノール、メチルジエタノールアミン、メチルイソシアニド、1-プロパノール、1,3-プロパンジオール、1,5-ペンタンジオール、2-プロパノール、プロパン酸、プロピレングリコール、ピリジン、テトラヒドロフラン、トリエチレングリコール等が挙げられる。
【0078】
いくつかの実施形態では、第1の溶媒系は吸湿性溶媒を含む。いくつかの実施形態では、第1の溶媒系は吸湿性溶媒である。いくつかの実施形態では、第1の溶媒系は、2つ以上の吸湿性溶媒、例えば、2つ以上の吸湿性溶媒の混合物である吸湿性溶媒系を含み、吸湿性溶媒系は、2つ以上の吸湿性溶媒及び1つ又は複数の乾燥、非吸湿性溶媒を含む。いくつかの実施形態では、第1の吸湿性溶媒は水溶性溶媒である。いくつかの実施形態では、吸湿性溶媒は水溶性有機溶媒である。いくつかの実施形態では、当業者が認識するように、吸湿性溶媒系は、その環境から水を吸収することができ、例えば、精製媒体と接触する場合、吸湿性溶媒系は、精製媒体から水がある場合には水を吸収することができる。精製媒体で充填した固定相としてのカラムを通す場合、吸湿性溶媒は精製媒体から水を除去することができる。いくつかの実施形態では、不活性化のために使用される吸湿性溶媒は、0.5体積%、0.4体積%、0.3体積%、0.2体積%、0.1体積%、0.09体積%、0.08体積%、0.07体積%、0.06体積%、0.05体積%、0.04体積%、0.03体積%、0.02体積%、0.01体積%、0.009体積%、0.008体積%、0.007体積%、0.006体積%、0.005体積%、0.004体積%、0.003体積%、0.002体積%、0.001体積%、0.0009体積%、0.0008体積%、0.0007体積%、0.0006体積%、0.0005体積%、0.0004体積%、0.0003体積%、0.0002体積%、又は0.0001体積%以下の水を含み得る。いくつかの実施形態では、吸湿性溶媒が、商用ベンダー(例えばSigma-Aldrich,Acros Organics等)から直接購入される無水溶媒として使用される。代替的に又は追加的に、当該分野で公知のプロトコルに従って、吸湿性溶媒を更に精製及び/又は乾燥することができる。
【0079】
本開示に従って、多くの吸湿性溶媒を、提供された溶媒系、例えば、第1の溶媒系、吸湿性溶媒系等で使用することができる。いくつかの実施形態では、吸湿性溶媒はアルコールである。いくつかの実施形態では、吸湿性溶媒はメタノールである。いくつかの実施形態では、吸湿性溶媒はエタノールである。いくつかの実施形態では、吸湿性溶媒はイソプロピルアルコールである。いくつかの実施形態では、吸湿性溶媒はアセトンある。いくつかの実施形態では、吸湿性溶媒はアセトニトリルある。いくつかの実施形態では、吸湿性溶媒はジメチルカーボネートである。いくつかの実施形態では、吸湿性溶媒はエチルアセテートである。いくつかの実施形態では、吸湿性溶媒は、クロロホルムよりもより吸湿性の溶媒である。いくつかの実施形態では、吸湿性溶媒は、塩化メチレンよりもより吸湿性の溶媒である。いくつかの実施形態では、吸湿性溶媒は、エチルアセテートよりもより吸湿性の溶媒である。いくつかの実施形態では、吸湿性溶媒は、アセトンよりもより吸湿性の溶媒である。いくつかの実施形態では、吸湿性溶媒は、アセトニトリルよりもより吸湿性の溶媒である。いくつかの実施形態では、吸湿性溶媒は、ジメチルカーボネートよりもより吸湿性の溶媒である。いくつかの実施形態では、吸湿性溶媒は、メタノールよりもより吸湿性の溶媒である。いくつかの実施形態では、吸湿性溶媒は、エタノールよりもより吸湿性の溶媒である。いくつかの実施形態では、吸湿性溶媒は、イソプロパノールよりもより吸湿性の溶媒である。いくつかの実施形態では、吸湿性溶媒は、クロロホルムと同等の吸湿性の溶媒である。いくつかの実施形態では、吸湿性溶媒は、塩化メチレンと同等の吸湿性の溶媒である。いくつかの実施形態では、吸湿性溶媒は、エチルアセテートと同等の吸湿性の溶媒である。いくつかの実施形態では、吸湿性溶媒は、アセトンと同等の吸湿性の溶媒である。いくつかの実施形態では、吸湿性溶媒は、アセトニトリルと同等の吸湿性の溶媒である。いくつかの実施形態では、吸湿性溶媒は、ジメチルカーボネートと同等の吸湿性の溶媒である。いくつかの実施形態では、吸湿性溶媒は、メタノールと同等の吸湿性の溶媒である。いくつかの実施形態では、吸湿性溶媒は、エタノールと同等の吸湿性の溶媒である。いくつかの実施形態では、吸湿性溶媒は、イソプロパノールと同等の吸湿性の溶媒である。
【0080】
いくつかの実施形態では、第1の溶媒系はアルコールを含む。いくつかの実施形態では、第1の溶媒系はアルコールである。いくつかの実施形態では、第1の溶媒系はアルコール及び別の有機溶媒を含む。いくつかの実施形態では、第1の溶媒系は少なくとも10体積%のアルコールを含む。いくつかの実施形態では、第1の溶媒系は少なくとも20体積%のアルコールを含む。いくつかの実施形態では、第1の溶媒系は少なくとも30体積%のアルコールを含む。いくつかの実施形態では、第1の溶媒系は少なくとも40体積%のアルコールを含む。いくつかの実施形態では、第1の溶媒系は少なくとも50体積%のアルコールを含む。いくつかの実施形態では、第1の溶媒系は少なくとも60体積%のアルコールを含む。いくつかの実施形態では、第1の溶媒系は少なくとも70体積%のアルコールを含む。いくつかの実施形態では、第1の溶媒系は少なくとも80体積%のアルコールを含む。いくつかの実施形態では、第1の溶媒系は少なくとも90体積%のアルコールを含む。いくつかの実施形態では、第1の溶媒系は少なくとも95体積%のアルコールを含む。いくつかの実施形態では、第1の溶媒系は少なくとも96体積%のアルコールを含む。いくつかの実施形態では、第1の溶媒系は少なくとも97体積%のアルコールを含む。いくつかの実施形態では、第1の溶媒系は少なくとも98体積%のアルコールを含む。いくつかの実施形態では、第1の溶媒系は少なくとも99体積%のアルコールを含む。いくつかの実施形態では、アルコールはC1-6アルコールである。いくつかの実施形態では、アルコールはメタノールである。いくつかの実施形態では、アルコールはエタノールである。いくつかの実施形態では、アルコールはイソプロパノールである。いくつかの実施形態では、アルコールは1-プロパノールである。いくつかの実施形態では、アルコールはブタノールである。
【0081】
いくつかの実施形態では、第1の溶媒系はメタノールを含む。いくつかの実施形態では、第1の溶媒系はメタノールである。いくつかの実施形態では、第1の溶媒系は少なくとも10体積%のメタノールを含む。いくつかの実施形態では、第1の溶媒系は少なくとも20体積%のメタノールを含む。いくつかの実施形態では、第1の溶媒系は少なくとも30体積%のメタノールを含む。いくつかの実施形態では、第1の溶媒系は少なくとも40体積%のメタノールを含む。いくつかの実施形態では、第1の溶媒系は少なくとも50体積%のメタノールを含む。いくつかの実施形態では、第1の溶媒系は少なくとも60体積%のメタノールを含む。いくつかの実施形態では、第1の溶媒系は少なくとも70体積%のメタノールを含む。いくつかの実施形態では、第1の溶媒系は少なくとも80体積%のメタノールを含む。いくつかの実施形態では、第1の溶媒系は少なくとも90体積%のメタノールを含む。いくつかの実施形態では、第1の溶媒系は少なくとも95体積%のメタノールを含む。いくつかの実施形態では、第1の溶媒系は少なくとも96体積%のメタノールを含む。いくつかの実施形態では、第1の溶媒系は少なくとも97体積%のメタノールを含む。いくつかの実施形態では、第1の溶媒系は少なくとも98体積%のメタノールを含む。いくつかの実施形態では、第1の溶媒系は少なくとも99体積%のメタノールを含む。いくつかの実施形態では、第1の溶媒系はメタノールである。
【0082】
いくつかの実施形態では、第1の溶媒系はエタノールを含む。いくつかの実施形態では、第1の溶媒系はエタノールである。いくつかの実施形態では、第1の溶媒系は少なくとも10体積%のエタノールを含む。いくつかの実施形態では、第1の溶媒系は少なくとも20体積%のエタノールを含む。いくつかの実施形態では、第1の溶媒系は少なくとも30体積%のエタノールを含む。いくつかの実施形態では、第1の溶媒系は少なくとも40体積%のエタノールを含む。いくつかの実施形態では、第1の溶媒系は少なくとも50体積%のエタノールを含む。いくつかの実施形態では、第1の溶媒系は少なくとも60体積%のエタノールを含む。いくつかの実施形態では、第1の溶媒系は少なくとも70体積%のエタノールを含む。いくつかの実施形態では、第1の溶媒系は少なくとも80体積%のエタノールを含む。いくつかの実施形態では、第1の溶媒系は少なくとも90体積%のエタノールを含む。いくつかの実施形態では、第1の溶媒系は少なくとも95体積%のエタノールを含む。いくつかの実施形態では、第1の溶媒系は少なくとも96体積%のエタノールを含む。いくつかの実施形態では、第1の溶媒系は少なくとも97体積%のエタノールを含む。いくつかの実施形態では、第1の溶媒系は少なくとも98体積%のエタノールを含む。いくつかの実施形態では、第1の溶媒系は少なくとも99体積%のエタノールを含む。いくつかの実施形態では、第1の溶媒系はエタノールである。
【0083】
いくつかの実施形態では、第1の溶媒系は1-プロパノールを含む。いくつかの実施形態では、第1の溶媒系は1-プロパノールである。いくつかの実施形態では、第1の溶媒系は少なくとも10体積%の1-プロパノールを含む。いくつかの実施形態では、第1の溶媒系は少なくとも20体積%の1-プロパノールを含む。いくつかの実施形態では、第1の溶媒系は少なくとも30体積%の1-プロパノールを含む。いくつかの実施形態では、第1の溶媒系は少なくとも40体積%の1-プロパノールを含む。いくつかの実施形態では、第1の溶媒系は少なくとも50体積%の1-プロパノールを含む。いくつかの実施形態では、第1の溶媒系は少なくとも60体積%の1-プロパノールを含む。いくつかの実施形態では、第1の溶媒系は少なくとも70体積%の1-プロパノールを含む。いくつかの実施形態では、第1の溶媒系は少なくとも80体積%の1-プロパノールを含む。いくつかの実施形態では、第1の溶媒系は少なくとも90体積%の1-プロパノールを含む。いくつかの実施形態では、第1の溶媒系は少なくとも95体積%の1-プロパノールを含む。いくつかの実施形態では、第1の溶媒系は少なくとも96体積%の1-プロパノールを含む。いくつかの実施形態では、第1の溶媒系は少なくとも97体積%の1-プロパノールを含む。いくつかの実施形態では、第1の溶媒系は少なくとも98体積%の1-プロパノールを含む。いくつかの実施形態では、第1の溶媒系は少なくとも99体積%の1-プロパノールを含む。いくつかの実施形態では、第1の溶媒系は1-プロパノールである。
【0084】
いくつかの実施形態では、第1の溶媒系はイソプロパノールを含む。いくつかの実施形態では、第1の溶媒系はイソプロパノールである。いくつかの実施形態では、第1の溶媒系は少なくとも10体積%のイソプロパノールを含む。いくつかの実施形態では、第1の溶媒系は少なくとも20体積%のイソプロパノールを含む。いくつかの実施形態では、第1の溶媒系は少なくとも30体積%のイソプロパノールを含む。いくつかの実施形態では、第1の溶媒系は少なくとも40体積%のイソプロパノールを含む。いくつかの実施形態では、第1の溶媒系は少なくとも50体積%のイソプロパノールを含む。いくつかの実施形態では、第1の溶媒系は少なくとも60体積%のイソプロパノールを含む。いくつかの実施形態では、第1の溶媒系は少なくとも70体積%のイソプロパノールを含む。いくつかの実施形態では、第1の溶媒系は少なくとも80体積%のイソプロパノールを含む。いくつかの実施形態では、第1の溶媒系は少なくとも90体積%のイソプロパノールを含む。いくつかの実施形態では、第1の溶媒系は少なくとも95体積%のイソプロパノールを含む。いくつかの実施形態では、第1の溶媒系は少なくとも96体積%のイソプロパノールを含む。いくつかの実施形態では、第1の溶媒系は少なくとも97体積%のイソプロパノールを含む。いくつかの実施形態では、第1の溶媒系は少なくとも98体積%のイソプロパノールを含む。いくつかの実施形態では、第1の溶媒系は少なくとも99体積%のイソプロパノールを含む。いくつかの実施形態では、第1の溶媒系はイソプロパノールである。
【0085】
いくつかの実施形態では、第1の溶媒系はアセトンを含む。いくつかの実施形態では、第1の溶媒系はアセトンである。いくつかの実施形態では、第1の溶媒系は少なくとも10体積%のアセトンを含む。いくつかの実施形態では、第1の溶媒系は少なくとも20体積%のアセトンを含む。いくつかの実施形態では、第1の溶媒系は少なくとも30体積%のアセトンを含む。いくつかの実施形態では、第1の溶媒系は少なくとも40体積%のアセトンを含む。いくつかの実施形態では、第1の溶媒系は少なくとも50体積%のアセトンを含む。いくつかの実施形態では、第1の溶媒系は少なくとも60体積%のアセトンを含む。いくつかの実施形態では、第1の溶媒系は少なくとも70体積%のアセトンを含む。いくつかの実施形態では、第1の溶媒系は少なくとも80体積%のアセトンを含む。いくつかの実施形態では、第1の溶媒系は少なくとも90体積%のアセトンを含む。いくつかの実施形態では、第1の溶媒系は少なくとも95体積%のアセトンを含む。いくつかの実施形態では、第1の溶媒系は少なくとも96体積%のアセトンを含む。いくつかの実施形態では、第1の溶媒系は少なくとも97体積%のアセトンを含む。いくつかの実施形態では、第1の溶媒系は少なくとも98体積%のアセトンを含む。いくつかの実施形態では、第1の溶媒系は少なくとも99体積%のアセトンを含む。いくつかの実施形態では、第1の溶媒系はアセトンである。
【0086】
いくつかの実施形態では、第1の溶媒系はアセトニトリルを含む。いくつかの実施形態では、第1の溶媒系はアセトニトリルである。いくつかの実施形態では、第1の溶媒系は少なくとも10体積%のアセトニトリルを含む。いくつかの実施形態では、第1の溶媒系は少なくとも20体積%のアセトニトリルを含む。いくつかの実施形態では、第1の溶媒系は少なくとも30体積%のアセトニトリルを含む。いくつかの実施形態では、第1の溶媒系は少なくとも40体積%のアセトニトリルを含む。いくつかの実施形態では、第1の溶媒系は少なくとも50体積%のアセトニトリルを含む。いくつかの実施形態では、第1の溶媒系は少なくとも60体積%のアセトニトリルを含む。いくつかの実施形態では、第1の溶媒系は少なくとも70体積%のアセトニトリルを含む。いくつかの実施形態では、第1の溶媒系は少なくとも80体積%のアセトニトリルを含む。いくつかの実施形態では、第1の溶媒系は少なくとも90体積%のアセトニトリルを含む。いくつかの実施形態では、第1の溶媒系は少なくとも95体積%のアセトニトリルを含む。いくつかの実施形態では、第1の溶媒系は少なくとも96体積%のアセトニトリルを含む。いくつかの実施形態では、第1の溶媒系は少なくとも97体積%のアセトニトリルを含む。いくつかの実施形態では、第1の溶媒系は少なくとも98体積%のアセトニトリルを含む。いくつかの実施形態では、第1の溶媒系は少なくとも99体積%のアセトニトリルを含む。いくつかの実施形態では、第1の溶媒系はアセトニトリルである。
【0087】
いくつかの実施形態では、第1の溶媒系はジメチルカーボネートを含む。いくつかの実施形態では、第1の溶媒系はジメチルカーボネートである。いくつかの実施形態では、第1の溶媒系は少なくとも10体積%のジメチルカーボネートを含む。いくつかの実施形態では、第1の溶媒系は少なくとも20体積%のジメチルカーボネートを含む。いくつかの実施形態では、第1の溶媒系は少なくとも30体積%のジメチルカーボネートを含む。いくつかの実施形態では、第1の溶媒系は少なくとも40体積%のジメチルカーボネートを含む。いくつかの実施形態では、第1の溶媒系は少なくとも50体積%のジメチルカーボネートを含む。いくつかの実施形態では、第1の溶媒系は少なくとも60体積%のジメチルカーボネートを含む。いくつかの実施形態では、第1の溶媒系は少なくとも70体積%のジメチルカーボネートを含む。いくつかの実施形態では、第1の溶媒系は少なくとも80体積%のジメチルカーボネートを含む。いくつかの実施形態では、第1の溶媒系は少なくとも90体積%のジメチルカーボネートを含む。いくつかの実施形態では、第1の溶媒系は少なくとも95体積%のジメチルカーボネートを含む。いくつかの実施形態では、第1の溶媒系は少なくとも96体積%のジメチルカーボネートを含む。いくつかの実施形態では、第1の溶媒系は少なくとも97体積%のジメチルカーボネートを含む。いくつかの実施形態では、第1の溶媒系は少なくとも98体積%のジメチルカーボネートを含む。いくつかの実施形態では、第1の溶媒系は少なくとも99体積%のジメチルカーボネートを含む。いくつかの実施形態では、第1の溶媒系はジメチルカーボネートである。
【0088】
いくつかの実施形態では、第1の溶媒系はエチルアセテートを含む。いくつかの実施形態では、第1の溶媒系はエチルアセテートである。いくつかの実施形態では、第1の溶媒系は少なくとも10体積%のエチルアセテートを含む。いくつかの実施形態では、第1の溶媒系は少なくとも20体積%のエチルアセテートを含む。いくつかの実施形態では、第1の溶媒系は少なくとも30体積%のエチルアセテートを含む。いくつかの実施形態では、第1の溶媒系は少なくとも40体積%のエチルアセテートを含む。いくつかの実施形態では、第1の溶媒系は少なくとも50体積%のエチルアセテートを含む。いくつかの実施形態では、第1の溶媒系は少なくとも60体積%のエチルアセテートを含む。いくつかの実施形態では、第1の溶媒系は少なくとも70体積%のエチルアセテートを含む。いくつかの実施形態では、第1の溶媒系は少なくとも80体積%のエチルアセテートを含む。いくつかの実施形態では、第1の溶媒系は少なくとも90体積%のエチルアセテートを含む。いくつかの実施形態では、第1の溶媒系は少なくとも95体積%のエチルアセテートを含む。いくつかの実施形態では、第1の溶媒系は少なくとも96体積%のエチルアセテートを含む。いくつかの実施形態では、第1の溶媒系は少なくとも97体積%のエチルアセテートを含む。いくつかの実施形態では、第1の溶媒系は少なくとも98体積%のエチルアセテートを含む。いくつかの実施形態では、第1の溶媒系は少なくとも99体積%のエチルアセテートを含む。いくつかの実施形態では、第1の溶媒系はエチルアセテートである。
【0089】
いくつかの実施形態では、第1の溶媒は吸湿性である。いくつかの実施形態では、第1の溶媒は吸湿性溶媒を含むという点で吸湿性である。いくつかの実施形態では、第1の溶媒は吸湿性溶媒であるという点で吸湿性である。いくつかの実施形態では、第1の溶媒は吸湿性溶液であるという点で吸湿性である。いくつかの実施形態では、吸湿性溶液は有機溶媒及び吸湿性溶質を含む。
【0090】
いくつかの実施形態では、第1の溶媒系は場合によっては修飾剤を含む。いくつかの実施形態では、第1の溶媒系は修飾剤を含む。いくつかの実施形態では、第1の溶媒系は修飾剤を全く含まない。
【0091】
当業者は、多くの移動相修飾剤が、例えば、溶媒系の特定の特性を移動相として改変するために、本開示に従って利用され得ることを認識する。いくつかの実施形態では、修飾剤は塩基である。いくつかの実施形態では、修飾剤はアンモニアである。いくつかの実施形態では、修飾剤はトリエチルアミンである。いくつかの実施形態では、修飾剤は酸である。いくつかの実施形態では、修飾剤はギ酸である。修飾剤は、様々な量、例えば約0.05体積%、0.1体積%、0.2体積%、0.3体積%、0.4体積%、0.5体積%、0.6体積%、0.7体積%、0.8体積%、0.9体積%、1体積%、1.5体積%、2体積%、2.5体積%、3体積%、3.5体積%、4体積%、4.5体積%、5体積%、6体積%、7体積%、8体積%、9体積%、10体積%、20体積%、30体積%、40体積%、50体積%、又はこれ以上で添加され得る。
【0092】
いくつかの実施形態では、第1の溶媒系は精製媒体から水を除去する。いくつかの実施形態では、第1の溶媒は、精製媒体の反応部位と反応し、精製媒体を不活性化すると、化合物、例えばホスホラミダイトは、精製媒体と接触する場合に分解しにくい。いくつかの実施形態では、第1の溶媒系は、熱により前処理をもたらし得る。例えば、メタノールをシリカゲルと接触させる場合、熱を発生し得る。
【0093】
当業者であれば、提供される方法に従って精製媒体を前処理するために様々な手順を使用することができることを認識するであろう。例えば、第1の溶媒系を、精製媒体で充填した固定相としてのカラムを通して、固定相を前処理することができる。いくつかの実施形態では、カラム容積の1、2、3、4、5、6、7、8、9、10倍又はそれ以上の第1溶媒系を、カラムを通して、精製媒体を前処理する。
【0094】
いくつかの実施形態では、クロマトグラフィーの間に精製媒体を劣化させる、さもなければ損傷させる又は押し流すと以前は理解されていた又は予想されていたプロセスを含む提供される前処理プロセスにより、実際にこのような媒体の有用性及び/又は有効性を、特にホスホラミダイトの精製及び/又は調製において、改善することができることを本開示は説明する。例えば、本開示の時点では、高い割合の特定のアルコール、例えばメタノールは、特定の精製媒体、例えばシリカゲルで充填したカラムを通すべきではないことが一般的に教示されている。しかし、本開示によって例示されるように、純粋なメタノールは、シリカカラムを通過させることができ、メタノールで前処理されたシリカは、前処理されていないシリカと比較して予想外に高い収率及び/又は高い純度のホスホラミダイトをもたらすことができる。
【0095】
いくつかの実施形態では、提供される方法は、前処理プロセス後の平衡化プロセスを含む。いくつかの実施形態では、平衡化プロセスは前処理された精製媒体を第2の溶媒系と接触させることを含む。いくつかの実施形態では、第2の溶媒系は、精製媒体を前処理するために使用される第1の溶媒系よりも極性が小さい。
【0096】
いくつかの実施形態では、第2の溶媒系は、1つの溶媒と場合により修飾剤とからなる。いくつかの実施形態では、第2の溶媒系は、2つ以上の溶媒と場合により修飾剤とを含む。いくつかの実施形態では、修飾剤は塩基である。いくつかの実施形態では、修飾剤はトリエチルアミンである。
【0097】
いくつかの実施形態では、第2の溶媒系は、平衡化プロセス中にアイソクラティック系を含む。いくつかの実施形態では、第2の溶媒系は、平衡化プロセス中にアイソクラティックである。いくつかの実施形態では、第2の溶媒系はグラジエント系を含む。いくつかの実施形態では、第2の溶媒系はグラジエント系である。いくつかの実施形態では、平衡化プロセスは、第1のアイソクラティックプロセス、グラジエントプロセス、及び場合により第2のアイソクラティックプロセスを含む。いくつかの実施形態では、グラジエントプロセスは、第1のアイソクラティックプロセスから始まり、第2のアイソクラティックプロセスで終了する。いくつかの実施形態では、第2のアイソクラティックプロセスは、例えばエチルアセテート/ヘキサン系の場合に、その中により多くのエチルアセテートを含む第1のプロセスより大きい極性の溶媒系を使用する。いくつかの実施形態では、第2のアイソクラティックプロセスは、例えばエチルアセテート/ヘキサン系の場合に、その中により少ないエチルアセテートを含む第1のプロセスより小さい極性の溶媒系を使用する。いくつかの実施形態では、第1のアイソクラティックプロセスは、平衡化のために第1の溶媒系と同じ溶媒システムを使用する。
【0098】
いくつかの実施形態では、第2の溶媒系はエチルアセテートを含む。いくつかの実施形態では、第2の溶媒系はエチルアセテート及び修飾剤としてトリエチルアミンを含む。いくつかの実施形態では、第2の溶媒系はヘキサンを含む。いくつかの実施形態では、第2の溶媒系はヘキサン及び修飾剤としてトリエチルアミンを含む。いくつかの実施形態では、第2の溶媒系はヘキサン及びエチルアセテートを含む。いくつかの実施形態では、第2の溶媒系はヘキサン及びエチルアセテートの混合物である。いくつかの実施形態では、第2の溶媒系はヘキサン、エチルアセテート、及びトリエチルアミンを含む。いくつかの実施形態では、第2の溶媒系はヘキサン、エチルアセテート、及びトリエチルアミンの混合物である。いくつかの実施形態では、第2の溶媒系は5%トリエチルアミンを含むエチルアセテート/ヘキサン中の20%エチルアセテートである。
【0099】
当業者は、精製媒体を平衡化させるために様々な方法を使用できることを認識している。いくつかの実施形態では、精製媒体で充填した固定相としてのカラムでは、前処理された精製媒体の平衡化のために、カラム容積の約0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、6、7、8、9、10倍、又はそれ以上の(アイソクラティック及び/又はグラジエントを含む)第2の溶媒系を、カラムを通す。
【0100】
いくつかの実施形態では、平衡化プロセスの後、ホスホラミダイトを前処理された及び平衡化させた精製媒体に充填し、第3の溶媒系を利用してホスホラミダイトを溶出、分離及び/又は精製する。当業者は、多くの好適な溶媒系を本開示に従って第3の溶媒系として用いることができることを認識している。いくつかの実施形態では、第3の溶媒系は、第1の溶媒系より極性が小さい。いくつかの実施形態では、第3の溶媒系は、平衡化では第2の溶媒系と同じである。いくつかの実施形態では、第3の溶媒系は、平衡化プロセスの終了時では第2の溶媒系と同じである。
【0101】
いくつかの実施形態では、第3の溶媒系は、1つの溶媒と場合により修飾剤とからなる。いくつかの実施形態では、第3の溶媒系は、2つ以上の溶媒及び場合により修飾剤を含む。いくつかの実施形態では、修飾剤は塩基である。いくつかの実施形態では、修飾剤はトリエチルアミンである。
【0102】
いくつかの実施形態では、第3の溶媒系は、溶出プロセス中にアイソクラティック系を含む。いくつかの実施形態では、第3の溶媒系は、溶出プロセス中にアイソクラティックである。いくつかの実施形態では、第3の溶媒系はグラジエント系を含む。いくつかの実施形態では、第3の溶媒系はグラジエント系である。いくつかの実施形態では、溶出プロセスは、第1のアイソクラティックプロセス、グラジエントプロセス、及び場合により第2のアイソクラティックプロセスを含む。いくつかの実施形態では、グラジエントプロセスは、第1のアイソクラティックプロセスから始まり、第2のアイソクラティックプロセスで終了する。いくつかの実施形態では、第2のアイソクラティックプロセスは、例えばエチルアセテート/ヘキサン系の場合により多くのエチルアセテートを含む第1のプロセスより大きい極性の溶媒系を使用する。いくつかの実施形態では、第1のアイソクラティック溶出プロセスは、平衡化プロセスの最後では溶媒系と同じ溶媒系を使用する。いくつかの実施形態では、溶出プロセスは、実施例に例示するように、2つ以上の第1のアイソクラティック-グラジエント-第2のアイソクラティックプロセスを含む。
【0103】
いくつかの実施形態では、第3の溶媒系はエチルアセテートを含む。いくつかの実施形態では、第3の溶媒系はエチルアセテート及び修飾剤として塩基を含む。いくつかの実施形態では、第3の溶媒系はエチルアセテート及び修飾剤としてアミンを含む。いくつかの実施形態では、第3の溶媒系はエチルアセテート及び修飾剤としてトリエチルアミンを含む。いくつかの実施形態では、第3の溶媒系はヘキサンを含む。いくつかの実施形態では、第3の溶媒系はヘキサン及び修飾剤としてトリエチルアミンを含む。いくつかの実施形態では、第3の溶媒系はヘキサン及びエチルアセテートを含む。いくつかの実施形態では、第3の溶媒系はヘキサン及びエチルアセテートの混合物である。いくつかの実施形態では、第3の溶媒系はヘキサン、エチルアセテート、及びトリエチルアミンを含む。いくつかの実施形態では、第3の溶媒系はヘキサン、エチルアセテート、及びトリエチルアミンの混合物である。溶出のための例示的な溶媒系を実施例に例示する。
【0104】
当業者は、ホスホラミダイトを溶出、分離及び/又は精製するために様々な方法を使用することができることを認識している。いくつかの実施形態では、精製媒体を充填した固定相としてのカラムでは、カラム容積の約0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、40、50、60、70、80、90、100倍、又はそれ以上の(アイソクラティック及び/又はグラジエントを含む)第3の溶媒系を、カラムを通す。
【0105】
当業者は、本開示に従って様々な精製媒体を、ホスホラミダイトの精製に使用することができ、ホスホラミダイトの収率及び/又は純度を改善する提供される方法を用いて前処理、平衡化及び/又は溶出することができることを認識する。いくつかの実施形態では、精製媒体はシリカ媒体である。いくつかの実施形態では、精製媒体はシリカゲルである。いくつかの実施形態では、精製媒体はアルミナである。いくつかの実施形態では、精製媒体は塩基性アルミナである。いくつかの実施形態では、精製媒体を、精製以外の他の目的のために使用することができる。
【0106】
様々な粒子径の精製媒体を、本開示に従って前処理して利用することができる。いくつかの実施形態では、粒子径は直径約5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、70、80、90、100、150、200マイクロメータ、又はそれ以上である。いくつかの実施形態では、粒子径は直径約5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、70、80、90、100、150、又は200マイクロメータ未満である。いくつかの実施形態では、粒子径は直径約5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、70、80、90、100、150、又は200マイクロメータより大きい。いくつかの実施形態では、精製媒体は直径約10マイクロメータのシリカである。いくつかの実施形態では、精製媒体は直径約15マイクロメータのシリカである。いくつかの実施形態では、精製媒体は直径約20マイクロメータのシリカである。いくつかの実施形態では、精製媒体は直径約25マイクロメータのシリカである。いくつかの実施形態では、精製媒体は直径約30マイクロメータのシリカである。いくつかの実施形態では、精製媒体は直径約35マイクロメータのシリカである。いくつかの実施形態では、精製媒体は直径約40マイクロメータのシリカである。いくつかの実施形態では、精製媒体は直径約45マイクロメータのシリカである。いくつかの実施形態では、精製媒体は直径約50マイクロメータのシリカである。いくつかの実施形態では、精製媒体は直径約60マイクロメータのシリカである。いくつかの実施形態では、精製媒体は直径約70マイクロメータのシリカである。いくつかの実施形態では、精製媒体は直径約80マイクロメータのシリカである。いくつかの実施形態では、精製媒体は直径約90マイクロメータのシリカである。いくつかの実施形態では、精製媒体は直径約100マイクロメータのシリカである。いくつかの実施形態では、精製媒体は直径約100マイクロメータより大きいシリカである。
【0107】
いくつかの実施形態では、精製媒体は真空でカラム中に充填される。いくつかの実施形態では、精製媒体はシリカゲルである。いくつかの実施形態では、数カラム容量のメタノールを、カラムを通してシリカゲルを不活性化させる。いくつかの実施形態では、未処理のホスホラミダイトを装填する前に、数カラム容積の、修飾剤としてトリエチルアミンを加えたエチルアセテートとヘキサンとの混合物を使用して、処理されたシリカゲルを平衡化させる。いくつかの実施形態では、ホスホラミダイトは、修飾剤としてトリエチルアミンを加えたエチルアセテートとヘキサンとの混合物を用いて溶出される。
【0108】
いくつかの実施形態では、本開示は、本明細書に記載の前処理された精製媒体、及びホスホラミダイトを含む組成物を提供する。いくつかの実施形態では、本開示は、本明細書に記載の前処理された、平衡化された精製媒体、及びホスホラミダイトを含む組成物を提供する。いくつかの実施形態では、精製媒体はシリカゲルである。いくつかの実施形態では、シリカゲルはアルコールで前処理される。いくつかの実施形態では、シリカゲルはメタノールで前処理される。いくつかの実施形態では、シリカゲルは、ヘキサンを含む溶媒系で平衡化される。いくつかの実施形態では、シリカゲルは、エチルアセテートを含む溶媒系で平衡化される。いくつかの実施形態では、シリカゲルは、エチルアセテート及びヘキサンを含む溶媒系で平衡化される。いくつかの実施形態では、シリカゲルは、エチルアセテートとヘキサンとからなる溶媒系で平衡化される。いくつかの実施形態では、シリカゲルは、エチルアセテート、ヘキサン、及びトリエチルアミンを含む溶媒系で平衡化される。いくつかの実施形態では、シリカゲルは、エチルアセテート、ヘキサン、及びトリエチルアミンからなる溶媒系で平衡化される。いくつかの実施形態では、シリカゲルは平衡化され、平衡化はヘキサンとの接触を含む。いくつかの実施形態では、シリカゲルは平衡化され、平衡化はエチルアセテートとの接触を含む。いくつかの実施形態では、シリカゲルは平衡化され、平衡化はトリエチルアミンとの接触を含む。いくつかの実施形態では、シリカゲルは平衡化され、平衡化はヘキサン及びエチルアセテートとの接触を含む。いくつかの実施形態では、シリカゲルは平衡化され、平衡化はヘキサン及びトリエチルアミンとの接触を含む。いくつかの実施形態では、シリカゲルは平衡化され、平衡化はエチルアセテート及びトリエチルアミンとの接触を含む。いくつかの実施形態では、シリカゲルは平衡化され、平衡化はヘキサン、エチルアセテート、及びトリエチルアミンとの接触を含む。いくつかの実施形態では、シリカゲルは平衡化され、平衡化はヘキサン、エチルアセテート、及びトリエチルアミンとの接触からなる。
【0109】
いくつかの実施形態では、ホスホラミダイトはヌクレオシドホスホラミダイトである。
【0110】
いくつかの実施形態では、ホスホラミダイトは式I:
【化2】
(式中、
BAは、Rであるか、又は3~30員脂環式環、6~30員アリール環、酸素、窒素、硫黄、リン及びケイ素から独立して選択される1~10個のヘテロ原子を有する3~30員ヘテロシクリル、酸素、窒素、硫黄、リン及びケイ素から独立して選択される1~10個のヘテロ原子を有する5~30員ヘテロアリール環、天然核酸塩基部分、並びに修飾された核酸塩基部分、から選択される置換されていてもよい基であり;
SUは、糖部分、修飾された糖部分、-L-O-、又は、
【化3】
であり、SUは酸素原子を介して式I中のリン原子に結合し;
Lは、共有結合であるか、又はC1-30脂肪族、並びに、酸素、窒素、硫黄、リン及びケイ素から独立して選択される1~10個のヘテロ原子を有するC1-30ヘテロ脂肪族基、から選択される二価の、置換されていてもよい、直鎖状若しくは分枝状の基であり、ここで、1つ若しくは複数のメチレン単位は、置換されていてもよいC1-6アルキレン、C1-6アルケニレン、-C≡C-、-C(R’)-、-Cy-、-O-、-S-、-S-S-、-N(R’)-、-C(O)-、-C(S)-、-C(NR’)-、-C(O)N(R’)-、-N(R’)C(O)N(R’)-、-N(R’)C(O)-、-N(R’)C(O)O-、-OC(O)N(R’)-、-S(O)-、-S(O)-、-S(O)N(R’)-、-N(R’)S(O)-、-SC(O)-、-C(O)S-、-OC(O)-、又は-C(O)O-で、独立して置き換えられていてもよく;
5sは、R’又は-OR’であり;
2sは、-F、-CN、-N、-NO、-NO、-R’-OR’、-SR’、-N(R’)、-L-R’、-O-L-OR’、-O-L-SR’、若しくは-O-L-N(R’)であり、又は、R2sは、C2とC1、C2、C3、C4若しくはC5とを結合するLであり;
-Cy-は、3~30員カルボシクリレン、6~30員アリーレン、酸素、窒素、及び硫黄から独立して選択される1~10個のヘテロ原子を有する5~30員ヘテロアリーレン、並びに、酸素、窒素、硫黄、リン、及びケイ素から独立して選択される1~10個のヘテロ原子を有する3~30員ヘテロシクリレン、から選択される置換されていてもよい二価の環であり;
、R、及びRのそれぞれは、独立してR’である、又はR、R及びRの2つ若しくは3つは、それらの介在する原子と一緒になって、:を形成し;
【化4】
環Aは、介在する原子に加えて、酸素、窒素、硫黄、リン、及びケイ素から独立して選択される0~10個のヘテロ原子を有する、置換されていてもよい多価の単環式、二環式、若しくは多環式の、飽和、部分不飽和、又はアリール3~30員環であり;
それぞれのRは独立してR’又は-L-R’であり;
tは0~5であり;
それぞれのR’は独立して-R、-C(O)R、-COR、若しくは-SORである、又は:
2つ以上のR’は、それらの介在する原子と一緒になって、介在する原子に加えて、酸素、窒素、硫黄、リン、及びケイ素から独立して選択される0~10個のヘテロ原子を有する、置換されていてもよい単環式、二環式、若しくは多環式の、飽和、部分不飽和、又はアリール3~30員環を形成し;
各Rは、独立して、水素であるか、又は、C1-30脂肪族、酸素、窒素、硫黄、リン、及びケイ素から独立して選択される1~10個のヘテロ原子を有するC1-30ヘテロ脂肪族、6-30員アリール環酸素、窒素、硫黄、リン、及びケイ素から独立して選択される1~10個のヘテロ原子を有する5~30員ヘテロアリール環、並びに、酸素、窒素、硫黄、リン、及びケイ素から独立して選択される1~10個のヘテロ原子を有する3~30員複素環式環、から選択される置換されていてもよい基である)の構造を有する。
【0111】
いくつかの実施形態では、ホスホラミダイトは式I:
【化5】
(式中、
BAは、C1-30脂環式、C6-30アリール、酸素、窒素、硫黄、リン、及びケイ素から独立して選択される1~10個のヘテロ原子を有するC3-30ヘテロシクリル、酸素、窒素、硫黄、リン、及びケイ素から独立して選択される1~10個のヘテロ原子を有するC5-30ヘテロアリール環、天然核酸塩基部分、並びに修飾された核酸塩基部分、から選択される置換されていてもよい基であり;
SUは、-L-O-、又は
【化6】
であり、SUは酸素原子を介して式Iのリン原子に結合し;
Lは、共有結合であるか、又はC1-30脂肪族、並びに、酸素、窒素、硫黄、リン及びケイ素から独立して選択される1~10個のヘテロ原子を有するC1-30ヘテロ脂肪族基、から選択される二価の、置換されていてもよい、直鎖状若しくは分枝状の基であり、ここで、1つ若しくは複数のメチレン単位は、置換されていてもよいC1-6アルキレン、C1-6アルケニレン、-C≡C-、-C(R’)-、-Cy-、-O-、-S-、-S-S-、-N(R’)-、-C(O)-、-C(S)-、-C(NR’)-、-C(O)N(R’)-、-N(R’)C(O)N(R’)-、-N(R’)C(O)-、-N(R’)C(O)O-、-OC(O)N(R’)-、-S(O)-、-S(O)-、-S(O)N(R’)-、-N(R’)S(O)-、-SC(O)-、-C(O)S-、-OC(O)-、又は-C(O)O-で、独立して置き換えられていてもよく;
5sは、R’又は-OR’であり;
2sは、-F、-CN、-N、-NO、-NO、-R’-OR’、-SR’、-N(R’)、-O-L-OR’、-O-L-SR’、若しくは-O-L-N(R’)であり、又は、R2sは、C2とC1、C2、C3、C4、若しくはC5とを結合するLであり;
-Cy-は、3~30員カルボシクリレン、6~30員アリーレン、酸素、窒素、及び硫黄から独立して選択される1~10個のヘテロ原子を有する5~30員ヘテロアリーレン、並びに、酸素、窒素、硫黄、リン、及びケイ素から独立して選択される1~10個のヘテロ原子を有する3~30員ヘテロシクリレン、から選択される置換されていてもよい二価の環であり;
、R、及びRのそれぞれは、独立してR’である、又はR、R及びRの2つ若しくは3つは、それらの介在する原子と一緒になって、:を形成し;
【化7】
環Aは、介在する原子に加えて、酸素、窒素、硫黄、リン、及びケイ素から独立して選択される0~10個のヘテロ原子を有する、置換されていてもよい多価の単環式、二環式、若しくは多環式の、飽和、部分不飽和、又はアリール3~30員環であり;
それぞれのRは独立してR’又は-L-R’であり;
tは0~5であり;
それぞれのR’は独立して-R、-C(O)R、-COR、若しくは-SORである、又は:
2つ以上のR’は、それらの介在する原子と一緒になって、介在する原子に加えて、酸素、窒素、硫黄、リン、及びケイ素から独立して選択される0~10個のヘテロ原子を有する、置換されていてもよい単環式、二環式、若しくは多環式の、飽和、部分不飽和、又はアリール3~30員環を形成し;
各Rは、独立して、水素であるか、又は、C1-30脂肪族、酸素、窒素、硫黄、リン、及びケイ素から独立して選択される1~10個のヘテロ原子を有するC1-30ヘテロ脂肪族、C6-30アリール、酸素、窒素、硫黄、リン、及びケイ素から独立して選択される1~10個のヘテロ原子を有する5~30員ヘテロアリール環、並びに、酸素、窒素、硫黄、リン及びケイ素から独立して選択される1~10個のヘテロ原子を有する3~30員複素環式環、から選択される置換されていてもよい基である)の構造を有する。
【0112】
いくつかの実施形態では、BAは、3~30員脂環式環、6~30員アリール環、酸素、窒素、硫黄、リン及びケイ素から独立して選択される1~10個のヘテロ原子を有する3~30員ヘテロシクリル、酸素、窒素、硫黄、リン及びケイ素から独立して選択される1~10個のヘテロ原子を有する5~30員ヘテロアリール環、天然核酸塩基部分、及び修飾された核酸塩基部分、から選択される置換されていてもよい基である。いくつかの実施形態では、BAは置換されていてもよいC1-30脂環式である。いくつかの実施形態では、BAは置換されていてもよいC6-30アリールである。いくつかの実施形態では、BAは置換されていてもよい3~30員ヘテロシクリルである。いくつかの実施形態では、BAは置換されていてもよいC3-30ヘテロシクリルである。いくつかの実施形態では、BAは置換されていてもよい5~30員ヘテロアリールである。いくつかの実施形態では、BAは置換されていてもよいC5-30ヘテロアリールである。いくつかの実施形態では、BAは置換されていてもよい天然塩基部分である。いくつかの実施形態では、BAは置換されていてもよい修飾された塩基部分である。いくつかの実施形態では、BAは、C1-30脂環式、C6-30アリール、C3-30ヘテロシクリル、及びC5-30ヘテロアリールから選択される置換されていてもよい基である。いくつかの実施形態では、BAは、C1-30脂環式、C6-30アリール、C3-30ヘテロシクリル、C5-30ヘテロアリール、及び天然核酸塩基部分から選択される置換されていてもよい基である。いくつかの実施形態では、BAは置換されていてもよいA、T、C、又はGである。いくつかの実施形態では、BAはA、T、C、G、又は5-mCである。
【0113】
いくつかの実施形態では、BAは芳香環を介してSUに結合する。いくつかの実施形態では、BAはヘテロ原子を介してSUに結合する。いくつかの実施形態では、BAは芳香環の環ヘテロ原子を介してSUに結合する。いくつかの実施形態では、BAは芳香環の環窒素原子を介してSUに結合する。いくつかの実施形態では、結合は天然ヌクレオシドに見られるものと同様である。
【0114】
いくつかの実施形態では、BAは天然核酸塩基部分である。いくつかの実施形態では、BAは置換されていてもよい天然核酸塩基部分である。いくつかの実施形態では、BAは置換天然核酸塩基部分である。
【0115】
いくつかの実施形態では、BAは、置換されていてもよい基であり、この基は、
【化8】
及び
【化9】

から-Hを除去することによって形成される。いくつかの実施形態では、BAは置換されていてもよい基であり、この基は、
【化10】
及び
【化11】
から選択される。いくつかの実施形態では、BAは置換されていてもよい基であり、この基は、
【化12】
及び
【化13】
から-Hを除去することによって形成される。いくつかの実施形態では、BAは置換されていてもよい基であり、この基は、
【化14】
及び
【化15】
から選択される。
【0116】
いくつかの実施形態では、BAは、
【化16】
又は
【化17】
である。いくつかの実施形態では、BAは置換されていてもよいグアニン残基であり、O位は保護されていない。
【0117】
当業者は、様々な修飾された核酸塩基が、本開示に従って式Iに適していることを認識する。例示的な修飾された塩基としては、国際公開第2011/005761号、米国特許出願公開第2012/0316224号、国際公開第2013/012758号、米国特許出願公開第2014/0194610号、国際公開第2014/012081号、米国特許出願公開第2015/0211006号、国際公開第2015/107425号、米国特許出願公開第2017/0037399号、国際公開第2010/064146号、米国特許出願公開第2011/0294124号、国際公開第2014/010250号、米国特許出願公開第2015/0197540号、国際公開第2011/108682号、米国特許出願公開第2013/0184450号、国際公開第2012/039448号、米国特許出願公開第2013/0178612号、国際公開第2012/073857号、又は米国特許出願公開第2013/0253178号に記載されたものが挙げられるが、これらに限定されない。これらの各々の修飾された核酸塩基は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0118】
いくつかの実施形態では、BAは置換核酸塩基であり、ホスホラミダイトは1つ又は複数の保護基で適切に保護され、オリゴヌクレオチド合成に使用されることができる。核酸塩基のための好適な保護基は当技術分野で広く知られており、オリゴヌクレオチド合成に有用な保護基を含み、本開示に従って使用されることができる。いくつかの実施形態では、保護基は、アセチル(Ac)、フェニルアセチル、ベンゾイル(Bz)、イソブチリル(iBu)、フェノキシアセチル(Pac)、イソプロピル-Pac、tertブチル-Pac、アルキル-Pac、ジメチルホルムアミジン(DMF)、又はジアルキルホルムアミジンである。いくつかの実施形態では、保護基はフタルイミド、9-フルドレニルメトキシカルボニル(FMOC)、トリフェニルメチルスルフェニル、t-BOC、4,4’-ジメトキシトリチル(DMTr)、4-メトキシトリチル(MMTr)、9-フェニルキサンチン-9-イル(Pixyl)、トリチル(Tr)、又は9-(p-メトキシフェニル)キサンチン-9-イル(MOX)である。更なる好適な保護基については、Green and Wuts,Protective Groups in Organic Synthesis,2nd Ed.,John Wiley&Sons,New York,1991、並びに、国際特許公開第2011/005761号、国際特許公開第2013/012758号、国際特許公開第2014/012081号、国際特許公開第2015/107425号、国際特許公開第2010/064146号、国際特許公開第2014/010250号、国際特許公開第2011/108682号、国際特許公開第2012/039448号、及び国際特許公開第2012/073857号を参照のこと。これらの各々の保護基は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0119】
いくつかの実施形態では、SUはオリゴヌクレオチドにおいて使用される糖部分である。いくつかの実施形態では、SUはオリゴヌクレオチドにおいて使用される修飾された糖部分である。いくつかの実施形態では、SUは天然ヌクレオシドの糖部分である。いくつかの実施形態では、SUは天然ヌクレオシドに見られる置換されていてもよい糖部分である。いくつかの実施形態では、SUは天然ヌクレオシドに見られる修飾された糖部分であり、2’位が修飾されている。いくつかの実施形態では、SUは天然ヌクレオシドに見られる修飾された糖部分であり、2’位は、2’-H及び/又は2’-OHをR2sで置換することによって修飾される。いくつかの実施形態では、R2sは、-Hではない。いくつかの実施形態では、R2sは、-OHではない。いくつかの実施形態では、R2sは、-Hでもなく、-OHでもない。
【0120】
いくつかの実施形態では、SUは、-L-O-である。いくつかの実施形態では、Lは、-Cy-である。いくつかの実施形態では、Lは置換されていてもよい3~30員カルボシクリレンである。いくつかの実施形態では、Lは置換されていてもよい6~30員アリーレンである。いくつかの実施形態では、Lは、酸素、窒素、及び硫黄から独立して選択される1~10個のヘテロ原子を有する、置換されていてもよい5~30員ヘテロアリーレンである。いくつかの実施形態では、Lは、酸素、窒素、及び硫黄から独立して選択される1~5個のヘテロ原子を有する、置換されていてもよい5~30員ヘテロアリーレンである。いくつかの実施形態では、Lは、酸素、窒素、硫黄、リン、及びケイ素から独立して選択される1~10個のヘテロ原子を有する、置換されていてもよい3~30員ヘテロシクリレンである。いくつかの実施形態では、Lは、酸素、窒素、硫黄、リン、及びケイ素から独立して選択される1~5個のヘテロ原子を有する、置換されていてもよい3~30員ヘテロシクリレンである。いくつかの実施形態では、Lは、酸素、窒素、硫黄、リン、及びケイ素から独立して選択される1~10個のヘテロ原子を有する、置換されていてもよい5~30員ヘテロシクリレンである。いくつかの実施形態では、Lは、酸素、窒素、硫黄、リン、及びケイ素から独立して選択される1~5個のヘテロ原子を有する、置換されていてもよい5~30員ヘテロシクリレンである。いくつかの実施形態では、Lは1個の酸素原子を有する、置換されていてもよい5~10員ヘテロシクリレンである。いくつかの実施形態では、Lは1個の酸素原子を有する、置換されていてもよい5員ヘテロシクリレンである。いくつかの実施形態では、Lは1個の酸素原子を有する、置換されていてもよい6員ヘテロシクリレンである。いくつかの実施形態では、Lは1個又は2個の酸素原子を有する、置換されていてもよい5~10員二環式ヘテロシクリレンである。いくつかの実施形態では、Lは1個又は2個の酸素原子を有する、置換されていてもよい7~10員二環式ヘテロシクリレンである。いくつかの実施形態では、Lは2個の酸素原子を有する、置換されていてもよい7~10員二環式ヘテロシクリレンである。いくつかの実施形態では、Lは2個の酸素原子を有する、置換されていてもよい7員二環式ヘテロシクリレンである。
【0121】
いくつかの実施形態では、SUはオリゴヌクレオチド合成において使用される糖部分である。提供される技術がホスホラミダイトの調製に利用される場合、様々な糖部分を有するホスホラミダイトは、改善された収率及び/又は純度によって恩恵を受けることができることを当業者は理解する。いくつかの実施形態では、SUは、置換されていてもよい飽和単環式、二環式、又は多環式の飽和脂肪族環であり、1つ又は複数のメチレン単位が-O-で置換されている。いくつかの実施形態では、SUは、天然DNA又はRNA分子に見られるリボース又はデオキシリボース部分である。
【0122】
いくつかの実施形態では、SUは、
【化18】
である。いくつかの実施形態では、SUは構造:
【化19】
(式中、R5sは-OR’であり;及びR2sは-F、-CN、-N、-NO、-NO、-R’、-OR’、-SR’、-N(R’)、-O-L-OR’、-O-L-SR’、若しくは-O-L-N(R’)であり;又は、R2sはC2とC1、C2、C3、C4、若しくはC5とを結合するLである)を有する修飾された糖部分である。いくつかの実施形態では、R2sは、-Hである。いくつかの実施形態では、R2sは、-Fである。いくつかの実施形態では、R2sは、-OMeである。いくつかの実施形態では、R2sは、-OCHCHOMeである。
【0123】
いくつかの実施形態では、修飾された糖は、以下の:-F、-CN、-N、-NO、-NO、-OR’、-SR’、又は-N(R’)、(式中、各R’は、上記に定義され、本明細書に記載されるように独立している);-O-(C1-10アルキル)、-S-(C1-10アルキル)、-NH-(C1-10アルキル)、若しくは-N(C1-10アルキル);-O-(C2-10アルケニル)、-S-(C2-10アルケニル)、-NH-(C2-10アルケニル)、若しくは-N(C2-10アルケニル);-O-(C2-10アルキニル)、-S-(C2-10アルキニル)、-NH-(C2-10アルキニル)、若しくは-N(C2-10アルキニル);又は-O-(C1-10アルキレン)-O-(C1-10アルキル)、-O-(C1-10アルキレン)-NH-(C1-10アルキル)、若しくは-O-(C1-10アルキレン)-NH(C1-10アルキル)、-NH-(C1-10アルキレン)-O-(C1-10アルキル)、又は-N(C1-10アルキル)-(C1-10アルキレン)-O-(C1-10アルキル)(式中、アルキル、アルキレン、アルケニル、及びアルキニルは置換若しくは非置換であってもよい)、のうちの1つを含む1つ又は複数の置換基(例えば、R2s)を2’位に含む。置換基の例としては、-O(CHOCH及び-O(CHNH(式中、nは1~約10である)、MOE、DMAOE、並びにDMAEOEが挙げられるが、これらに限定されない。
【0124】
本明細書ではまた、国際特許公開第2001/088198号、及びMartinら、Helv,Chim,Acta,1995,78,486-504に記載されている修飾された糖が考えられる。いくつかの実施形態では、修飾された糖は、置換シリル基、RNA切断基、レポーター基、蛍光標識、インターカレーター、核酸の薬物動態特性を改善するための基、核酸の薬力学的特性を改善するための基、又は同様の特性を有する他の置換基から選択される1つ又は複数の基を含む。いくつかの実施形態では、修飾は、3’-末端ヌクレオチドの糖の3’位又は5’-末端ヌクレオチド5’位を含む、糖又は修飾された糖の2’、3’、4’、5’、又は6’位の1つ又は複数において修飾が行われる。
【0125】
修飾された糖は、ロックド核酸(LNA)を含む。いくつかの実施形態では、糖炭素原子上の2つの置換基が一緒になって二価部分を形成する。いくつかの実施形態では、2つの置換基は、2個の異なる糖炭素原子上にある。いくつかの実施形態では、形成された二価部分は、本明細書で定義される-L-の構造を有する。いくつかの実施形態では、R2sは、-L-である。いくつかの実施形態では、-L-は-O-CH-であり、-CH-は置換されていてもよい。いくつかの実施形態では、-L-は-O-CH-である。いくつかの実施形態では、-L-は-O-CH(Et)-である。いくつかの実施形態では、-L-は(S)-cEtである。いくつかの実施形態では、-L-は糖部分のC2とC4との間にある。いくつかの実施形態では、ロックド核酸は、以下に示す構造を有する。ロックド核酸の構造を以下に示す。Baは本明細書に記載の核酸塩基又は修飾された核酸塩基を表し、R2sは-OCHC4’-である。
【化20】
【0126】
いくつかの実施形態では、修飾された糖は、例えば、Seth et al.,J Am Chem Soc.2010 October 27;132(42):14942-14950に記載されているようなENAである。いくつかの実施形態では、修飾された糖は、XNA(ゼノ核酸)、例えば、アラビノース、アンヒドロヘキシトール、トレオース、2’-フルオロアラビノース、又はシクロヘキセンに見られる糖のいずれかである。
【0127】
修飾された糖は、ペントフラノシル糖の代わりに糖模倣物、例えばシクロブチル又はシクロペンチル部分等を含む。このような修飾された糖の構造の調製を教示する代表的な米国特許は、米国特許第4,981,957号、5,118,800号、5,319,080号、及び5,359,044号であるが、これらに限定されない。考慮されるいくつかの修飾された糖は、リボース環内の酸素原子が窒素、硫黄、セレン、又は炭素で置換される糖を含む。いくつかの実施形態では、修飾された糖は、リボース環内の酸素原子が窒素で置換される修飾されたリボースであり、窒素はアルキル基(例えば、メチル、エチル、イソプロピル等)で置換されていてもよい。
【0128】
いくつかの実施形態では、糖部分中の1つ又は複数のヒドロキシル基は、ハロゲン、-R’、-N(R’)、-OR’、又は-SR’で任意に独立して置き換えられていてもよい、(式中、各R’は、上記に定義され、本明細書に記載されるように独立している)。
【0129】
いくつかの実施形態では、SUは、
【化21】
である。いくつかの実施形態では、SUは、
【化22】
である。いくつかの実施形態では、SUは、
【化23】
である。
【0130】
いくつかの実施形態では、Lは共有結合である。いくつかの実施形態では、Lは共有結合ではない。いくつかの実施形態では、Lは、C1-30脂肪族基、及び酸素、窒素、硫黄、リン及びケイ素から独立して選択される1~10個のヘテロ原子を有するC1-30ヘテロ脂肪族基、から選択される二価の、置換されていてもよい、直鎖状若しくは分枝状の基であり、ここで、1つ若しくは複数のメチレン単位は、置換されていてもよいC1-6アルキレン、C1-6アルケニレン、-C≡C-、-C(R’)-、-Cy-、-O-、-S-、-S-S-、-N(R’)-、-C(O)-、-C(S)-、-C(NR’)-、-C(O)N(R’)-、-N(R’)C(O)N(R’)-、-N(R’)C(O)-、-N(R’)C(O)O-、-OC(O)N(R’)-、-S(O)-、-S(O)-、-S(O)N(R’)-、-N(R’)S(O)-、-SC(O)-、-C(O)S-、-OC(O)-、又は-C(O)O-で、任意に独立して置き換えられていてもよい。いくつかの実施形態では、Lは、二価の、置換されていてもよい、直鎖状又は分枝状のC1-30脂肪族基であり、ここで、1つ若しくは複数のメチレン単位は、置換されていてもよいC1-6アルキレン、C1-6アルケニレン、-C≡C-、-C(R’)-、-Cy-、-O-、-S-、-S-S-、-N(R’)-、-C(O)-、-C(S)-、-C(NR’)-、-C(O)N(R’)-、-N(R’)C(O)N(R’)-、-N(R’)C(O)-、-N(R’)C(O)O-、-OC(O)N(R’)-、-S(O)-、-S(O)-、-S(O)N(R’)-、-N(R’)S(O)-、-SC(O)-、-C(O)S-、-OC(O)-、又は-C(O)O-で、任意に独立して置き換えられていてもよい。いくつかの実施形態では、Lは、二価の、置換されていてもよい、直鎖状又は分枝状のC1-30ヘテロ脂肪族基であり、ここで、1つ若しくは複数のメチレン単位は、置換されていてもよいC1-6アルキレン、C1-6アルケニレン、-C≡C-、-C(R’)-、-Cy-、-O-、-S-、-S-S-、-N(R’)-、-C(O)-、-C(S)-、-C(NR’)-、-C(O)N(R’)-、-N(R’)C(O)N(R’)-、-N(R’)C(O)-、-N(R’)C(O)O-、-OC(O)N(R’)-、-S(O)-、-S(O)-、-S(O)N(R’)-、-N(R’)S(O)-、-SC(O)-、-C(O)S-、-OC(O)-、又は-C(O)O-で、任意に独立して置き換えられていてもよい。いくつかの実施形態では、Lは、二価の、置換されていてもよい直鎖又は分枝鎖C1-30ヘテロ脂肪族基である。いくつかの実施形態では、Lは1つ又は複数のSiを含む。
【0131】
いくつかの実施形態では、R5sは、R’である。いくつかの実施形態では、R5sは、-OR’である。いくつかの実施形態では、R5sは、オリゴヌクレオチド合成に好適な保護されたヒドロキシル基である。いくつかの実施形態では、R5sは、DMTrO-である。本開示に従って使用の例示的な保護基は、当該分野において広く知られている。更なる例は、Greene,T.W.,Wuts,P.G.M.Protective Groups in Organic Synthesis,2nd ed.,Wiley,New York,1991、及び国際公開第2011/005761号、米国特許出願公開第2012/0316224号、国際公開第2013/012758号、米国特許出願公開第2014/0194610号、国際公開第2014/012081号、米国特許出願公開第2015/0211006号、国際公開第2015/107425号、米国特許出願公開第2017/0037399号、国際公開第2010/064146号、米国特許出願公開第2011/0294124号、国際公開第2014/010250号、米国特許出願公開第2015/0197540号、国際公開第2011/108682号、米国特許出願公開第2013/0184450号、国際公開第2012/039448号、米国特許出願公開第2013/0178612号、国際公開第2012/073857号、又は米国特許出願公開第2013/0253178号を参照のこと。これらの各々の保護基は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0132】
いくつかの実施形態では、R2sは、-Fである。いくつかの実施形態では、R2sは、-CNである。いくつかの実施形態では、R2sは、-Nである。いくつかの実施形態では、R2sは、-NOである。いくつかの実施形態では、R2sは、-NOである。いくつかの実施形態では、R2sは、R’である。いくつかの実施形態では、R2sは、-OR’である。いくつかの実施形態では、R2sは、-OR’であり、R’は置換されていてもよいC1-6脂肪族である。いくつかの実施形態では、R2sは、-OMeである。いくつかの実施形態では、R2sは、-SR’である。いくつかの実施形態では、R2sは、-N(R’)である。いくつかの実施形態では、R2sは、-O-L-OR’である。いくつかの実施形態では、R2sは、-O-(置換されていてもよいC1-6アルキレン)-OR’である。いくつかの実施形態では、R2sは、-O-(置換されていてもよいC1-6アルキレン)-OR’であり、R’は置換されていてもよいC1-6アルキルである。いくつかの実施形態では、R2sは、-OCHCHOMeである。いくつかの実施形態では、R2sは、-O-L-SR’である。いくつかの実施形態では、R2sは、-O-L-N(R’)である。いくつかの実施形態では、R2sは、C2とC1、C2、C3、C4、又はC5とを結合するLである。いくつかの実施形態では、R2sは、C2とC1とを結合するLである。いくつかの実施形態では、R2sは、C2とC2とを結合するLである。いくつかの実施形態では、R2sは、C2とC3とを結合するLである。いくつかの実施形態では、R2sは、C2とC4とを結合するLである。いくつかの実施形態では、R2sは、C2とC5とを結合するLである。いくつかの実施形態では、R2sは、(C2)-O-(置換されていてもよいメチレン)-(C4)である。いくつかの実施形態では、R2sは、(C2)-O-(メチレン)-(C4)である。いくつかの実施形態では、R2sは、(C2)-O-(エチルメチレン)-(C4)である。いくつかの実施形態では、R2sは、(C2)-O-((R)-エチルメチレン)-(C4)である。いくつかの実施形態では、R2sは、(C2)-O-((S)-エチルメチレン)-(C4)である。いくつかの実施形態では、R2sは、-Hではない。いくつかの実施形態では、R2sは、-OHではない。いくつかの実施形態では、R2sは、-OMeではない。いくつかの実施形態では、R2sは、-OCHCHOMeではない。いくつかの実施形態では、R2sは、-OH、-OMe、及びOCHCHOMeから選択されるいずれの基でもない。
【0133】
いくつかの実施形態では、C1はBAに結合する。
【0134】
いくつかの実施形態では、-Cy-は、置換されていてもよい二価の3~30員カルボシクリレンである。いくつかの実施形態では、-Cy-は、置換されていてもよい二価の6~30員アリーレンである。いくつかの実施形態では、-Cy-は、酸素、窒素、及び硫黄から独立して選択される1~10個のヘテロ原子を有する、置換されていてもよい二価の5~30員ヘテロアリーレンである。いくつかの実施形態では、-Cy-は、酸素、窒素、硫黄、リン、及びケイ素から独立して選択される1~10個のヘテロ原子を有する、置換されていてもよい二価の3~30員ヘテロシクリレンである。いくつかの実施形態では、-Cy-は、酸素、窒素、及び硫黄から独立して選択される1~5個のヘテロ原子を有する、置換されていてもよい二価の5~30員ヘテロアリーレンである。いくつかの実施形態では、-Cy-は、酸素、窒素、硫黄、リン、及びケイ素から独立して選択される1~5個のヘテロ原子を有する、置換されていてもよい二価の3~30員ヘテロシクリレンである。
【0135】
いくつかの実施形態では、Rは、R’である。いくつかの実施形態では、Rは、R’である。いくつかの実施形態では、Rは、R’である。
【0136】
いくつかの実施形態では、R、R、及びRのそれぞれは、独立してR’である、又はR、R、及びRのうちの2つ若しくは3つは、それらの介在する原子と一緒になって形成する。
【化24】
【0137】
いくつかの実施形態では、環Aの価数はt+1である。
【0138】
いくつかの実施形態では、RはRである。いくつかの実施形態では、Rは、Rであり、Rは水素ではない。いくつかの実施形態では、Rは、置換されていてもよいC1-10脂肪族である。いくつかの実施形態では、Rは、置換されていてもよいC1-10アルキルである。いくつかの実施形態では、Rは、置換されていてもよいメチルである。いくつかの実施形態では、Rは、置換されていてもよいエチルである。いくつかの実施形態では、Rは、-O(CHCNである。
【0139】
いくつかの実施形態では、Rは、Rである。いくつかの実施形態では、Rは、Rであり、Rは水素ではない。いくつかの実施形態では、Rは、置換されていてもよいC1-10脂肪族である。いくつかの実施形態では、Rは、置換されていてもよいC1-10アルキルである。いくつかの実施形態では、Rは、置換されていてもよいメチルである。いくつかの実施形態では、Rは、置換されていてもよいエチルである。いくつかの実施形態では、Rは、イソプロピルである。
【0140】
いくつかの実施形態では、Rは、Rである。いくつかの実施形態では、Rは、Rであり、Rは水素ではない。いくつかの実施形態では、Rは、置換されていてもよいC1-10脂肪族である。いくつかの実施形態では、Rは、置換されていてもよいC1-10アルキルである。いくつかの実施形態では、Rは、置換されていてもよいメチルである。いくつかの実施形態では、Rは、置換されていてもよいエチルである。いくつかの実施形態では、Rは、イソプロピルである。
【0141】
いくつかの実施形態では、R及びRは同じである。いくつかの実施形態では、RとRとは異なっている。
【0142】
いくつかの実施形態では、R及びRは、それらの介在する原子と一緒になって
【化25】
を形成する。いくつかの実施形態では、R及びRは、それらの介在する原子と一緒になって
【化26】
を形成する。いくつかの実施形態では、R及びRは、それらの介在する原子と一緒になって
【化27】
を形成する。いくつかの実施形態では、R及びRは、それらの介在する原子と一緒になって
【化28】
を形成する。いくつかの実施形態では、R、R、及びRは、それらの介在する原子と一緒になって
【化29】
を形成する。
【0143】
いくつかの実施形態では、環Aは、介在する窒素、リン、及び酸素原子に加えて、酸素、窒素、硫黄、リン、及びケイ素から独立して選択される0~10個のヘテロ原子を有する、置換されていてもよい多価の単環式、二環式、若しくは多環式の、飽和、部分不飽和、又はアリール、3~30員環である。いくつかの実施形態では、環Aは、介在する窒素、リン、及び酸素原子に加えて、酸素、窒素、及び硫黄から独立して選択される0~10個のヘテロ原子を有する、置換されていてもよい多価の単環式、二環式、若しくは多環式の、飽和、部分不飽和、又はアリール、3~30員環である。
【0144】
いくつかの実施形態では、環Aは、介在する窒素、リン、及び酸素原子に加えて、0個のヘテロ原子を有する、置換されていてもよい多価の単環式、二環式、若しくは多環式の、飽和、部分不飽和、又はアリール、3~30員環である。
【0145】
いくつかの実施形態では、環Aは、介在する窒素、リン、及び酸素原子を有し、追加のヘテロ原子を有さない、置換されていてもよい多価の単環式、飽和、5~7員環である。いくつかの実施形態では、環Aは、介在する窒素、リン、及び酸素原子を有し、追加のヘテロ原子を有さない、置換されていてもよい多価の単環式、飽和、5員環である。いくつかの実施形態では、環Aは、介在する窒素、リン、及び酸素原子を有し、追加のヘテロ原子を有さない、置換されていてもよい多価の単環式、飽和、6員環である。いくつかの実施形態では、環Aは、介在する窒素、リン、及び酸素原子を有し、追加のヘテロ原子を有さない、置換されていてもよい多価の単環式、飽和、7員環である。
【0146】
いくつかの実施形態では、環Aは、介在する窒素、リン、及び酸素原子に加えて、酸素、窒素、硫黄、リン、及びケイ素から独立して選択される0~10個のヘテロ原子を有する、置換されていてもよい多価の二環式、飽和、部分不飽和、又はアリール、5~30員環である。いくつかの実施形態では、環Aは、介在する窒素、リン、及び酸素原子に加えて、酸素、窒素、及び硫黄から独立して選択される0~10個のヘテロ原子を有する、置換されていてもよい多価の二環式、飽和、部分不飽和、又はアリール、5~30員環である。いくつかの実施形態では、環Aは、介在する窒素、リン及び酸素原子を有し、追加のヘテロ原子を有さない、多価の二環式及び飽和の8~10員二環式環である。いくつかの実施形態では、環Aは、介在する窒素、リン及び酸素原子を有し、追加のヘテロ原子を有さない、多価の二環式及び飽和の8員二環式環である。いくつかの実施形態では、環Aは、介在する窒素、リン及び酸素原子を有し、追加のヘテロ原子を有さない、多価の二環式及び飽和の9員二環式環である。いくつかの実施形態では、環Aは、介在する窒素、リン及び酸素原子を有し、追加のヘテロ原子を有さない、多価の二環式及び飽和の10員二環式環である。いくつかの実施形態では、環Aは二環式であり、5員環に縮合した5員環を含む。いくつかの実施形態では、環Aは二環式であり、6員環に縮合した5員環を含む。いくつかの実施形態では、5員環は、介在する窒素、リン、及び酸素原子を環原子として含む。いくつかの実施形態では、環Aは、
【化30】
の骨格構造を有する環系を含む。いくつかの実施形態では、環Aは置換されていてもよい
【化31】
である。いくつかの実施形態では、環Aは、
【化32】
であり、それらのそれぞれは、独立して、1~5個のRで置換されている。いくつかの実施形態では、環Aは
【化33】
であり、それらのそれぞれは、独立して1~5個のRで置換されており、ここで、酸素原子に結合している炭素原子は1又は2個のRで置換されている。いくつかの実施形態では、環A、例えば
【化34】
から選択される置換基は、窒素に結合したリン原子及び第3級炭素原子以外の1つ又は複数のキラル中心を含む。いくつかの実施形態では、例えば、炭素原子において1つ又は2つのRとの置換の結果として、酸素原子に結合している炭素原子はキラル中心である。いくつかの実施形態では、Rは、フェニルである。いくつかの実施形態では、Rは、アルキルである。いくつかの実施形態では、Rは、メチルである。いくつかの実施形態では、1つのRはフェニルであり、1つのRはメチルである。いくつかの実施形態では、環Aは、国際公開第2011/005761号、米国特許出願公開第2012/0316224号、国際公開第2013/012758号、米国特許出願公開第2014/0194610号、国際公開第2014/012081号、米国特許出願公開第2015/0211006号、国際公開第2015/107425号、米国特許出願公開第2017/0037399号、国際公開第2010/064146号、米国特許出願公開第2011/0294124号、国際公開第2014/010250号、米国特許出願公開第2015/0197540号、国際公開第2011/108682号、米国特許出願公開第2013/0184450号、国際公開第2012/039448号、米国特許出願公開第2013/0178612号、国際公開第2012/073857号、又は米国特許出願公開第2013/0253178号に記載されるものから選択され、その各々のホスホラミダイトは、参照により本明細書に組み込まれる。いくつかの実施形態では、化合物、例えばホスホラミダイトはキラルであり、立体化学的に純粋である。いくつかの実施形態では、提供される化合物、例えばホスホラミダイトは、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は99.5%以上の純度を有する。
【0147】
いくつかの実施形態では、環Aは、介在する窒素、リン、及び酸素原子に加えて、酸素、窒素、硫黄、リン、及びケイ素から独立して選択される0~10個のヘテロ原子を有する、置換されていてもよい多価の多環式の、飽和、部分不飽和、又はアリール、3~30員環である。いくつかの実施形態では、環Aは、介在する窒素、リン、及び酸素原子に加えて、酸素、窒素、及び硫黄から独立して選択される0~10個のヘテロ原子を有する、置換されていてもよい多価の多環式の、飽和、部分不飽和、又はアリール、3~30員環である。
【0148】
いくつかの実施形態では、環Aは、単環式、二環式、又は多環式であり、その環原子が介在する窒素、リン、及び酸素原子を含む置換されていてもよい5~10員単環式環を含む。いくつかの実施形態では、環Aは、単環式、二環式、又は多環式であり、その環原子が介在する窒素、リン、及び酸素原子を含む置換されていてもよい5~9員単環式環を含む。いくつかの実施形態では、環Aは、単環式、二環式、又は多環式であり、その環原子が介在する窒素、リン、及び酸素原子を含む置換されていてもよい5~8員単環式環を含む。いくつかの実施形態では、環Aは、単環式、二環式、又は多環式であり、その環原子が介在する窒素、リン、及び酸素原子を含む置換されていてもよい5~7員単環式環を含む。いくつかの実施形態では、環Aは、単環式、二環式、又は多環式であり、その環原子が介在する窒素、リン、及び酸素原子を含む置換されていてもよい5~6員単環式環を含む。
【0149】
いくつかの実施形態では、環Aは、単環式、二環式、又は多環式であり、その環原子が介在する窒素、リン、及び酸素原子を含む置換されていてもよい5員単環式環を含む。いくつかの実施形態では、環Aは、単環式、二環式、又は多環式であり、その環原子が介在する窒素、リン、及び酸素原子を含む置換されていてもよい6員単環式環を含む。いくつかの実施形態では、環Aは、単環式、二環式、又は多環式であり、その環原子が介在する窒素、リン、及び酸素原子を含む置換されていてもよい7員単環式環を含む。いくつかの実施形態では、環Aは、単環式、二環式、又は多環式であり、その環原子が介在する窒素、リン、及び酸素原子を含む置換されていてもよい8員単環式環を含む。いくつかの実施形態では、環Aは、単環式、二環式、又は多環式であり、その環原子が介在する窒素、リン、及び酸素原子を含む置換されていてもよい9員単環式環を含む。いくつかの実施形態では、環Aは、単環式、二環式、又は多環式であり、その環原子が介在する窒素、リン、及び酸素原子を含む置換されていてもよい10員単環式環を含む。
【0150】
いくつかの実施形態では、環Aは、単環式、二環式、又は多環式であり、その環原子が介在する窒素、リン、及び酸素原子、並びに炭素原子からなる置換されていてもよい5員環を含む。いくつかの実施形態では、環Aは、単環式、二環式、又は多環式であり、その環原子が介在する窒素、リン、及び酸素原子、並びに炭素原子からなる置換されていてもよい6員環を含む。いくつかの実施形態では、環Aは、単環式、二環式、又は多環式であり、その環原子が介在する窒素、リン、及び酸素原子、並びに炭素原子からなる置換されていてもよい7員環を含む。いくつかの実施形態では、環Aは、単環式、二環式、又は多環式であり、その環原子が介在する窒素、リン、及び酸素原子、並びに炭素原子からなる置換されていてもよい8員環を含む。いくつかの実施形態では、環Aは、単環式、二環式、又は多環式であり、その環原子が介在する窒素、リン、及び酸素原子、並びに炭素原子からなる置換されていてもよい9員環を含む。いくつかの実施形態では、環Aは、単環式、二環式、又は多環式であり、その環原子が介在する窒素、リン、及び酸素原子、並びに炭素原子からなる置換されていてもよい10員環を含む。
【0151】
いくつかの実施形態では、環Aは、
【化35】
の骨格構造を有する環系を含む。
【0152】
いくつかの実施形態では、RはR’である。いくつかの実施形態では、RはRである。いくつかの実施形態では、Rは、置換されていてもよいC1-30ヘテロ脂肪族である。いくつかの実施形態では、Rは1つ又は複数のケイ素原子を含む。いくつかの実施形態では、Rは、-CH2si(Ph)CHである。
【0153】
いくつかの実施形態では、Rは-L-R’である。いくつかの実施形態では、Rは-L-R’であり、-L-は二価の置換されていてもよいC1-30ヘテロ脂肪族基である。いくつかの実施形態では、Rは、-CHsi(Ph)CHである。
【0154】
いくつかの実施形態では、tは0である。いくつかの実施形態では、tは1~5である。いくつかの実施形態では、tは1である。いくつかの実施形態では、tは2である。いくつかの実施形態では、tは3である。いくつかの実施形態では、tは4である。いくつかの実施形態では、tは5である。
【0155】
いくつかの実施形態では、R’は-Rである。いくつかの実施形態では、R’は-C(O)Rである。いくつかの実施形態では、R’は、-CORである。いくつかの実施形態では、R’は、-SORである。いくつかの実施形態では、2つ以上のR’は、それらの介在する原子と一緒になって、介在する原子に加えて、酸素、窒素、硫黄、リン、及びケイ素から独立して選択される0~10個のヘテロ原子を有する、置換されていてもよい単環式、二環式、若しくは多環式の、飽和、部分不飽和、又はアリール、3~30員環を形成する。いくつかの実施形態では、R’は水素である。いくつかの実施形態では、R’は水素ではない。
【0156】
いくつかの実施形態では、Rは水素である。いくつかの実施形態では、Rは水素ではない。いくつかの実施形態では、Rは、C1~30脂肪族、酸素、窒素、硫黄、リン、及びケイ素から独立して選択される1~10個のヘテロ原子を有するC1~30ヘテロ脂肪族、C6-30アリール、酸素、窒素、硫黄、リン、及びケイ素から独立して選択される1~10個のヘテロ原子を有する5~30員ヘテロアリール環、並びに酸素、窒素、硫黄、リン、及びケイ素から独立して選択される1~10個のヘテロ原子を有する3~30員複素環式環、から選択される置換されていてもよい基である。
【0157】
いくつかの実施形態では、Rは水素、又はC1-20脂肪族、フェニル、3~7員飽和若しくは部分不飽和炭素環式環、8~10員二環式飽和、部分不飽和、若しくはアリール環、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1~4個のヘテロ原子を有する5~6員単環式ヘテロアリール環、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1~3個のヘテロ原子を有する4~7員飽和若しくは部分不飽和複素環式環、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1~5個のヘテロ原子を有する7~10員二環式飽和若しくは部分不飽和複素環式環、若しくは窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1~5個のヘテロ原子を有する8~10員二環式ヘテロアリール環、から選択される置換されていてもよい基である。
【0158】
いくつかの実施形態では、Rは、置換されていてもよいC1-30脂肪族である。いくつかの実施形態では、Rは、置換されていてもよいC1-20脂肪族である。いくつかの実施形態では、Rは、置換されていてもよいC1-15脂肪族である。いくつかの実施形態では、Rは、置換されていてもよいC1-10脂肪族である。いくつかの実施形態では、Rは、置換されていてもよいC1-6脂肪族である。いくつかの実施形態では、Rは、置換されていてもよいC1-6アルキルである。いくつかの実施形態では、Rは、置換されていてもよいヘキシル、ペンチル、ブチル、プロピル、エチル、又はメチルである。いくつかの実施形態では、Rは、置換されていてもよいヘキシルである。いくつかの実施形態では、Rは、置換されていてもよいペンチルである。いくつかの実施形態では、Rは、置換されていてもよいブチルである。いくつかの実施形態では、Rは、置換されていてもよいプロピルである。いくつかの実施形態では、Rは、置換されていてもよいエチルである。いくつかの実施形態では、Rは、置換されていてもよいメチルである。いくつかの実施形態では、Rはヘキシルである。いくつかの実施形態では、Rはペンチルである。いくつかの実施形態では、Rはブチルである。いくつかの実施形態では、Rはプロピルである。いくつかの実施形態では、Rはエチルである。いくつかの実施形態では、Rはメチルである。いくつかの実施形態では、Rはイソプロピルである。いくつかの実施形態では、Rはn-プロピルである。いくつかの実施形態では、Rはtert-ブチルである。いくつかの実施形態では、Rはsec-ブチルである。いくつかの実施形態では、Rはn-ブチルである。
【0159】
いくつかの実施形態では、Rは、置換されていてもよいC3-30脂環式である。いくつかの実施形態では、Rは、置換されていてもよいC3-20脂環式である。いくつかの実施形態では、Rは、置換されていてもよいC3-10脂環式である。いくつかの実施形態では、Rは、置換されていてもよいシクロヘキシルである。いくつかの実施形態では、Rはシクロヘキシルである。いくつかの実施形態では、Rは、置換されていてもよいシクロペンチルである。いくつかの実施形態では、Rはシクロペンチルである。
【0160】
いくつかの実施形態では、Rは、置換されていてもよい3~30員飽和又は部分不飽和炭素環式環である。いくつかの実施形態では、Rは、置換されていてもよい3~7員飽和又は部分不飽和炭素環式環である。いくつかの実施形態では、Rは、置換されていてもよい3員飽和又は部分不飽和炭素環式環である。いくつかの実施形態では、Rは、置換されていてもよい4員飽和又は部分不飽和炭素環式環である。いくつかの実施形態では、Rは、置換されていてもよい5員飽和又は部分不飽和炭素環式環である。いくつかの実施形態では、Rは、置換されていてもよい6員飽和又は部分不飽和炭素環式環である。いくつかの実施形態では、Rは、置換されていてもよい7員飽和又は部分不飽和炭素環式環である。いくつかの実施形態では、Rは、置換されていてもよいシクロヘプチルである。いくつかの実施形態では、Rはシクロヘプチルである。いくつかの実施形態では、Rは、置換されていてもよいシクロヘキシルである。いくつかの実施形態では、Rはシクロヘキシルである。いくつかの実施形態では、Rは、置換されていてもよいシクロペンチルである。いくつかの実施形態では、Rはシクロペンチルである。いくつかの実施形態では、Rは、置換されていてもよいシクロブチルである。いくつかの実施形態では、Rはシクロブチルである。いくつかの実施形態では、Rは、置換されていてもよいシクロプロピルである。いくつかの実施形態では、Rはシクロプロピルである。
【0161】
いくつかの実施形態では、Rは、酸素、窒素、硫黄、リン、及びケイ素から独立して選択される1~10個のヘテロ原子を有する、置換されていてもよいC1-30ヘテロ脂肪族である。いくつかの実施形態では、Rは1~10個のヘテロ原子を有する、C1-20ヘテロ脂肪族である。いくつかの実施形態では、Rは、酸素、窒素、硫黄、リン、又はケイ素から独立して選択される1~10個のヘテロ原子を有するC1-20ヘテロ脂肪族であり、任意に窒素、硫黄、リン、又はセレンのうちの1つ又は複数の酸化された形態を含む。いくつかの実施形態では、Rは、
【化36】
、-N=、≡N、-S-、-S(O)-、-S(O)-、-O-、=O、
【化37】
から独立して選択される1~10の基を含むC1-30ヘテロ脂肪族である。
【0162】
いくつかの実施形態では、Rは置換されていてもよいC6-30アリールである。いくつかの実施形態では、Rは、置換されていてもよいフェニルである。いくつかの実施形態では、Rはフェニルである。いくつかの実施形態では、Rは、置換されたフェニルである。
【0163】
いくつかの実施形態では、Rは、置換されていてもよい8~10員の二環式飽和、部分不飽和、又はアリール環である。いくつかの実施形態では、Rは、置換されていてもよい8~10員の二環式飽和環である。いくつかの実施形態では、Rは、置換されていてもよい8~10員の二環式部分不飽和環である。いくつかの実施形態では、Rは、置換されていてもよい8~10員の二環式アリール環である。いくつかの実施形態では、Rは、置換されていてもよいナフチルである。
【0164】
いくつかの実施形態では、Rは、酸素、窒素、硫黄、リン、及びケイ素から独立して選択される1~10個のヘテロ原子を有する、置換されていてもよい5~30員ヘテロアリール環である。いくつかの実施形態では、Rは、酸素、窒素、及び硫黄から独立して選択される1~10個のヘテロ原子を有する、置換されていてもよい5~30員ヘテロアリール環である。いくつかの実施形態では、Rは、酸素、窒素、硫黄、リン、及びケイ素から独立して選択される1~5個のヘテロ原子を有する、置換されていてもよい5~30員ヘテロアリール環である。いくつかの実施形態では、Rは、酸素、窒素、及び硫黄かに独立して選択される1~5個のヘテロ原子を有する、置換されていてもよい5~30員ヘテロアリール環である。
【0165】
いくつかの実施形態では、Rは、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1~4個のヘテロ原子を有する、置換されていてもよい5~6員単環式ヘテロアリール環である。いくつかの実施形態では、Rは、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1~4個のヘテロ原子を有する、置換された5~6員単環式ヘテロアリール環である。いくつかの実施形態では、Rは、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1~4個のヘテロ原子を有する、非置換の5~6員単環式ヘテロアリール環である。
【0166】
いくつかの実施形態では、Rは、窒素、酸素、又は硫黄から独立して選択される1~4個のヘテロ原子を有する、置換されていてもよい5員単環式ヘテロアリール環である。いくつかの実施形態では、Rは、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1~4個のヘテロ原子を有する、置換されていてもよい6員単環式ヘテロアリール環である。
【0167】
いくつかの実施形態では、Rは、酸素、窒素、及び硫黄から選択される1個のヘテロ原子を有する、置換されていてもよい5員単環式ヘテロアリール環である。いくつかの実施形態では、Rは置換されていてもよいピロリル、フラニル、又はチエニルから選択される。
【0168】
いくつかの実施形態では、Rは、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される2個のヘテロ原子を有する、置換されていてもよい5員ヘテロアリール環である。いくつかの実施形態では、Rは、1個の窒素原子、及び硫黄又は酸素から選択される追加のヘテロ原子を有する置換されていてもよい5員ヘテロアリール環である。例示的なR基としては、置換されていてもよいピラゾリル、イミダゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサゾリル、又はイソオキサゾリルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0169】
いくつかの実施形態では、Rは、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される3個のヘテロ原子を有する、置換されていてもよい5員ヘテロアリール環である。例示的なR基としては、置換されていてもよいトリアゾリル、オキサジアゾリル、又はチアジアゾリルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0170】
いくつかの実施形態では、Rは、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される4個のヘテロ原子を有する、置換されていてもよい5員ヘテロアリール環である。例示的なR基としては、置換されていてもよいテトラゾリル、オキサトリアゾリル、及びチアトリアゾリルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0171】
いくつかの実施形態では、Rは、1~4個の窒素原子を有する、置換されていてもよい6員ヘテロアリール環である。いくつかの実施形態では、Rは、1~3個の窒素原子を有する、置換されていてもよい6員ヘテロアリール環である。いくつかの実施形態では、Rは、1~2個の窒素原子を有する、置換されていてもよい6員ヘテロアリール環である。いくつかの実施形態では、Rは、4個の窒素原子を有する、置換されていてもよい6員ヘテロアリール環である。いくつかの実施形態では、Rは、3個の窒素原子を有する、置換されていてもよい6員ヘテロアリール環である。いくつかの実施形態では、Rは、2個の窒素原子を有する、置換されていてもよい6員ヘテロアリール環である。いくつかの実施形態では、Rは、1個の窒素原子を有する、置換されていてもよい6員ヘテロアリール環である。例示的なR基としては、置換されていてもよいピリジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、トリアジニル、又はテトラジニルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0172】
いくつかの実施形態では、Rは、酸素、窒素、硫黄、リン、及びケイ素から独立して選択される1~10個のヘテロ原子を有する、3~30員複素環式環である。いくつかの実施形態では、Rは、酸素、窒素、及び硫黄から独立して選択される1~10個のヘテロ原子を有する、3~30員複素環式環である。いくつかの実施形態では、Rは、酸素、窒素、硫黄、リン、及びケイ素から独立して選択される1~5個のヘテロ原子を有する、3~30員複素環式環である。いくつかの実施形態では、Rは、酸素、窒素、及び硫黄から独立して選択される1~5個のヘテロ原子を有する、3~30員複素環式環である。
【0173】
いくつかの実施形態では、Rは、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1~3個のヘテロ原子を有する、置換されていてもよい3~7員の飽和、又は部分不飽和複素環式環である。いくつかの実施形態では、Rは、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1~3個のヘテロ原子を有する、置換された3~7員の飽和、又は部分不飽和複素環式環である。いくつかの実施形態では、Rは、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1~3個のヘテロ原子を有する、非置換の3~7員の飽和、又は部分不飽和複素環式環である。いくつかの実施形態では、Rは、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1~3個のヘテロ原子を有する、置換されていてもよい5~7員の部分不飽和単環式環である。いくつかの実施形態では、Rは、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1~3個のヘテロ原子を有する、置換されていてもよい5~6員の部分不飽和単環式環である。いくつかの実施形態では、Rは、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1~3個のヘテロ原子を有する、置換されていてもよい5員の部分不飽和単環式環である。いくつかの実施形態では、Rは、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1~3個のヘテロ原子を有する、置換されていてもよい6員の部分不飽和単環式環である。いくつかの実施形態では、Rは、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1~3個のヘテロ原子を有する、置換されていてもよい7員の部分不飽和単環式環である。いくつかの実施形態では、Rは、窒素、酸素、又は硫黄から選択される1個のヘテロ原子を有する、置換されていてもよい3員複素環式環である。いくつかの実施形態では、Rは、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1~3個のヘテロ原子を有する、置換されていてもよい4員複素環式環である。いくつかの実施形態では、Rは、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1~3個のヘテロ原子を有する、置換されていてもよい5員複素環式環である。いくつかの実施形態では、Rは、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1~3個のヘテロ原子を有する、置換されていてもよい6員複素環式環である。いくつかの実施形態では、Rは、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1~3個のヘテロ原子を有する、置換されていてもよい7員複素環式環である。
【0174】
いくつかの実施形態では、Rは、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1~5個のヘテロ原子を有する、置換されていてもよい7~10員の二環式飽和、又は部分不飽和複素環式環である。いくつかの実施形態では、Rは、置換されていてもよいインドリニルである。いくつかの実施形態では、Rは、置換されていてもよいイソインドリニルである。いくつかの実施形態では、Rは、置換されていてもよい1,2,3,4-テトラヒドロキノリニルである。いくつかの実施形態では、Rは、置換されていてもよい1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリニルである。いくつかの実施形態では、Rは、置換されていてもよいアザビシクロ[3.2.1]オクタニルである。
【0175】
いくつかの実施形態では、Rは、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1~5個のヘテロ原子を有する、置換されていてもよい8~10員二環式ヘテロアリール環である。
【0176】
いくつかの実施形態では、Rは、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1~5個のヘテロ原子を有する、置換されていてもよい5,6-縮合ヘテロアリール環である。いくつかの実施形態では、Rは、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1~4個のヘテロ原子を有する、置換されていてもよい5,6-縮合ヘテロアリール環である。いくつかの実施形態では、Rは、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1~3個のヘテロ原子を有する、置換されていてもよい5,6-縮合ヘテロアリール環である。いくつかの実施形態では、Rは、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される2個のヘテロ原子を有する、置換されていてもよい5,6-縮合ヘテロアリール環である。いくつかの実施形態では、Rは置換されていてもよい、1,4-ジヒドロピロロ[3,2-b]ピロリル、4H-フロ[3,2-b]ピロリル、4H-チエノ[3,2-b]ピロリル、フロ[3,2-b]フラニル、チエノ[3,2-b]フラニル、チエノ[3,2-b]チエニル、1H-ピロロ[1,2-a]イミダゾリル、ピロロ[2,1-b]オキサゾリル、又はピロロ[2,1-b]チアゾリルである。いくつかの実施形態では、Rは、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される3個のヘテロ原子を有する、置換されていてもよい5,6-縮合ヘテロアリール環である。いくつかの実施形態では、Rは置換されていてもよいジヒドロピロロイミダゾリル、1H-フロイミダゾリル、1H-チノイミダゾリル、フロオキサゾリル、フロイソオキサゾリル、4H-ピロロオキサゾリル、4H-ピロロイソオキサゾリル、チエノオキサゾリル、チエノイソオキサゾリル、4H-ピロロチアゾリル、フロチアゾリル、チエノチアゾリル、1H-イミダゾイミダゾリル、イミダゾオキサゾリル、又はイミダゾ[5,1-b]チアゾリルである。いくつかの実施形態では、Rは、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される4個のヘテロ原子を有する、置換されていてもよい5,6-縮合ヘテロアリール環である。いくつかの実施形態では、Rは、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される5個のヘテロ原子を有する、置換されていてもよい5,6-縮合ヘテロアリール環である。
【0177】
いくつかの実施形態では、Rは、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1~5個のヘテロ原子を有する、置換されていてもよい5,6-縮合ヘテロアリール環である。別の実施形態では、Rは、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1~2個のヘテロ原子を有する、置換されていてもよい5,6-縮合ヘテロアリール環である。いくつかの実施形態では、Rは、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1個のヘテロ原子を有する、置換されていてもよい5,6-縮合ヘテロアリール環である。いくつかの実施形態では、Rは、置換されていてもよいインドリルである。いくつかの実施形態では、Rは、置換されていてもよいベンゾフラニルである。いくつかの実施形態では、Rは、置換されていてもよいベンゾ[b]チエニルである。いくつかの実施形態では、Rは、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される2個のヘテロ原子を有する、置換されていてもよい5,6-縮合ヘテロアリール環である。いくつかの実施形態では、Rは、置換されていてもよいアザインドリルである。いくつかの実施形態では、Rは、置換されていてもよいベンゾイミダゾリルである。いくつかの実施形態では、Rは、置換されていてもよいベンゾチアゾリルである。いくつかの実施形態では、Rは、置換されていてもよいベンゾオキサゾリルである。いくつかの実施形態では、Rは、置換されていてもよいインダゾリルである。いくつかの実施形態では、Rは、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される3個のヘテロ原子を有する、置換されていてもよい5,6-縮合ヘテロアリール環である。いくつかの実施形態では、Rは、置換されていてもよいオキサゾロピリジニル、チアゾロピリジニル、又はイミダゾピリジニルである。いくつかの実施形態では、Rは、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される4個のヘテロ原子を有する、置換されていてもよい5,6-縮合ヘテロアリール環である。いくつかの実施形態では、Rは、置換されていてもよいプリニル、オキサゾロピリミジニル、チアゾロピリミジニル、オキサゾロピラジニル、チアゾロピラジニル、イミダゾピラジニル、オキサゾロピリダジニル、チアゾロピリダジニル、又はイミダゾピリダジニルである。いくつかの実施形態では、Rは、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される5個のヘテロ原子を有する、置換されていてもよい5,6-縮合ヘテロアリール環である。
【0178】
いくつかの実施形態では、Rは、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1~5個のヘテロ原子を有する、置換されていてもよい6,6-縮合ヘテロアリール環である。いくつかの実施形態では、Rは、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1~2個のヘテロ原子を有する、置換されていてもよい6,6-縮合ヘテロアリール環である。いくつかの実施形態では、Rは、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1個のヘテロ原子を有する、置換されていてもよい6,6-縮合ヘテロアリール環である。いくつかの実施形態では、Rは、置換されていてもよいキノリニルである。いくつかの実施形態では、Rは、置換されていてもよいイソキノリニルである。いくつかの実施形態では、Rは、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される2個のヘテロ原子を有する、置換されていてもよい6,6-縮合ヘテロアリール環である。いくつかの実施形態では、Rは、置換されていてもよいキナゾリニル、フタラジニル、キノキサリニル、又はナフチリジニルである。いくつかの実施形態では、Rは、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される3個のヘテロ原子を有する、置換されていてもよい6,6-縮合ヘテロアリール環である。いくつかの実施形態では、Rは、置換されていてもよいピリドピリミジニル、ピリドピリダジニル、ピリドピラジニル、又はベンゾトリアジニルである。いくつかの実施形態では、Rは、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される4個のヘテロ原子を有する、置換されていてもよい6,6-縮合ヘテロアリール環である。いくつかの実施形態では、Rは、置換されていてもよいピリドトリアジニル、プテリジニル、ピラジノピラジニル、ピラジノピリダジニル、ピリダジノピリダジニル、ピリミドピリダジニル、又はピリミドピリミジニルである。いくつかの実施形態では、Rは、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される5個のヘテロ原子を有する、置換されていてもよい6,6-縮合ヘテロアリール環である。
【0179】
いくつかの実施形態では、R、R、R、又は
【化38】
は、1つ又は複数のキラル要素、例えば、キラル中心を含む。いくつかの実施形態では、R、R、R、又は
【化39】
は、非対称である。このような非対称部分を含むホスホラミダイトは、とりわけ、国際公開第2014/012081号、国際公開第2015/107425号等に記載されているようなキラル制御オリゴヌクレオチド組成物を調製するのに使用されることができる。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチド合成において使用される場合、このようなホスホラミダイトは、任意に、50%、60%、70%、80%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、又は99%を超える収率と共に、新たに形成されたPキラル中心では、約50%、60%、70%、80%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、又は99%より大きいジアステレオ選択性をもたらすことができる。
【0180】
いくつかの実施形態では、
【化40】

【化41】
(式中、1つ又は複数のRは水素ではない)である。いくつかの実施形態では、
【化42】

【化43】
である。いくつかの実施形態では、
【化44】

【化45】
である。いくつかの実施形態では、
【化46】

【化47】
である。
【0181】
当業者であれば認識するように、ホスホラミダイトは、実施例に示すように、アミノ基及びヒドロキシル基を含むものを含み、ヌクレオシド及びキラル助剤から調製されることができる。好適なキラル助剤は、国際公開第2011/005761号、米国特許出願公開第2012/0316224号、国際公開第2013/012758号、米国特許出願公開第2014/0194610号、国際公開第2014/012081号、米国特許出願公開第2015/0211006号、国際公開第2015/107425号、米国特許出願公開第2017/0037399号、国際公開第2010/064146号、米国特許出願公開第2011/0294124号、国際公開第2014/010250号、米国特許出願公開第2015/0197540号、国際公開第2011/108682号、米国特許出願公開第2013/0184450号、国際公開第2012/039448号、米国特許出願公開第2013/0178612号、国際公開第2012/073857号、又は米国特許出願公開第2013/0253178号に記載されたものを含むが、これらに限定されない。これらの各々のキラル助剤は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0182】
いくつかの実施形態では、ホスホラミダイトは、国際公開第2011/005761号、米国特許出願公開第2012/0316224号、国際公開第2013/012758号、米国特許出願公開第2014/0194610号、国際公開第2014/012081号、米国特許出願公開第2015/0211006号、国際公開第2015/107425号、米国特許出願公開第2017/0037399号、国際公開第2010/064146号、米国特許出願公開第2011/0294124号、国際公開第2014/010250号、米国特許出願公開第2015/0197540号、国際公開第2011/108682号、米国特許出願公開第2013/0184450号、国際公開第2012/039448号、米国特許出願公開第2013/0178612号、国際公開第2012/073857号、又は米国特許出願公開第2013/0253178号に記載されるものであり、その各々のホスホラミダイトは、参照により本明細書に組み込まれる。いくつかの実施形態では、本開示は、これらの出願の1つに記載のオリゴヌクレオチドの調製方法を含む方法を提供し、本明細書に記載の方法を用いてホスホラミダイトを精製する。
【0183】
いくつかの実施形態では、ホスホラミダイトは、
【化48】
である。
いくつかの実施形態では、ホスホラミダイトは下記の表1から選択される。
表1 ホスホラミダイトの例
【表1】
【表2】
【0184】
いくつかの実施形態では、本開示は、ホスホラミダイト及び/又はオリゴヌクレオチドを調製するための新規技術、例えば、化合物、組成物、方法等を提供する。いくつかの実施形態では、本開示は、ホスホラミダイトを精製するための新しい技術を提供する。いくつかの実施形態では、提供された技術は、ホスホラミダイト合成の効率を大幅に改善し、並びに/又はホスホラミダイト及びそれから調製されるオリゴヌクレオチド、組成物及び医薬品のコストを著しく低下させる。とりわけ、国際公開第2011/005761号、米国特許出願公開第2012/0316224号、国際公開第2013/012758号、米国特許出願公開第2014/0194610号、国際公開第2014/012081号、米国特許出願公開第2015/0211006号、国際公開第2015/107425号、米国特許出願公開第2017/0037399号、国際公開第2010/064146号、米国特許出願公開第2011/0294124号、国際公開第2014/010250号、米国特許出願公開第2015/0197540号、国際公開第2011/108682号、米国特許出願公開第2013/0184450号、国際公開第2012/039448号、米国特許出願公開第2013/0178612号、国際公開第2012/073857号、又は米国特許出願公開第2013/0253178号に記載のものを含むが、これらに限定されない提供された技術を利用して、様々なオリゴヌクレオチド合成方法のためのホスホラミダイトを調製することができる。これらの各々の方法は、参照により本明細書に組み込まれる。いくつかの実施形態では、本明細書で提供される方法は、国際公開第2014/012081号、国際公開第2015/107425号等に記載されているようなキラル制御オリゴヌクレオチド組成物を調製するのに特に有用である。
【0185】
本明細書に示されるように、提供される技術は、驚くべきことに、ホスホラミダイトの収率及び/又は純度を改善することができる。いくつかの実施形態では、絶対改善は約5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%であるか、又は更に大きい。いくつかの実施形態では、絶対改善は約5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%より大きく、又は更に大きい。いくつかの実施形態では、提供された技術での収率は約80%より大きく、一方、(20%を超える絶対改善に相当して)対応する前処理なしの技術での収率は約60%未満である。いくつかの実施形態では、対応する前処理なしの技術に対する改善は、約5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、100%、150%、200%、250%、300%、400%、500%、600%、700%、800%、900%より大きく、又は更に大きい。
【0186】
いくつかの実施形態では、提供される技術は、室温より高い温度及び/又は低い温度で、部分的に又は全体的に実施され得る。いくつかの実施形態では、提供される技術は、室温より高い温度、例えば30、40、50、60、70、80、90、100℃、又はそれより高い温度における手順を含む。いくつかの実施形態では、提供される技術は、室温より低い温度、例えば15、10、5、0、-5、-10℃、又はそれ未満の温度における手順を含む。いくつかの実施形態では、精製、例えば、(しばしば前処理された)精製媒体を用いたホスホラミダイトのクロマトグラフィー精製は、室温より高い温度で行われる。いくつかの実施形態では、精製、例えば、(しばしば前処理された)精製媒体を用いたホスホラミダイトのクロマトグラフィー精製は、室温より低い温度で行われる。いくつかの実施形態では、より高い温度及び/又は低い温度が制御されて、温度変動がある範囲内に制御される。
【0187】
特に明記しない限り、本明細書に示される構造はまた、構造の全ての異性体(例えば、エナンチオマー、ジアステレオマー、及び幾何学的(又は立体配座))形態、例えば、各非対称中心についてのR及びS立体配置、(Z)及び(E)二重結合異性体、並びに(Z)及び(E)立体配座異性体を含むことを意味する。したがって、本発明の化合物の単一の立体化学異性体、並びにエナンチオマー、ジアステレオマー、及び幾何学的(又は立体配座)混合物は、本開示の範囲内である。特に記明記しない限り、本開示の化合物の全ての互変異性体は、本開示の範囲内である。更に、特に明記しない限り、本明細書に示される構造は、1つ又は複数の同位体濃縮原子の存在下でのみ異なる化合物も含むことを意味する。例えば、重水素若しくはトリチウムによる水素の置換、又は11C-若しくは13C-若しくは14C-リッチ炭素による炭素の置換を除いて、本構造を有する化合物は、本開示の範囲内である。このような化合物は、例えば生物学的アッセイにおける分析ツール又はプローブとして有用である。
【0188】
本明細書及び特許請求の範囲で使用される場合、文脈上他に明確に示さない限り、単数形「a」、「an」、及び「the」は、複数形を含む。したがって、例えば、「化合物」への言及は、複数のこのような化合物を含む。
【0189】
いくつかの実施形態では、本開示は、以下の実施形態を提供する。
1. 化合物を精製する方法であって、
a)精製媒体から水を除去する工程と、
b)精製媒体を化合物と接触させる工程と、
c)場合によっては、精製媒体を用いて化合物を精製する工程と、を含む方法。
2. 化合物を精製する方法であって、
a)精製媒体から水を除去する工程と、
b)精製媒体を化合物と接触させる工程と、
c)精製媒体を用いて化合物を精製する工程と、を含む方法。
3. 化合物を精製する方法であって、
a)精製媒体から水を除去する工程と、
b)精製媒体を用いて化合物を精製する工程と、を含む方法。
4. 化合物の回復率を改善する方法であって、
a)精製媒体から水を除去する工程と、
b)化合物を精製媒体へ加える工程と、
c)化合物を溶媒系を用いて精製媒体から溶出させる工程と、
を含み、工程a)がない場合、回復率は基準回復率より高い、方法。
5. 化合物が精製媒体と接触した場合に化合物の分解を減少させる方法であって、
精製媒体から水を除去する工程、を含む方法。
6.
a)精製媒体から水を除去する工程と、
b)精製媒体を化合物と接触させる工程と、
c)場合によっては、精製媒体を用いて化合物を精製する工程と、を含む方法。
7.
a)精製媒体から水を除去する工程と、
b)精製媒体を用いて化合物を精製する工程と、を含む方法。
8.
精製媒体を化合物と接触させる工程と、を含み、媒体は前処理され、前処理は水を除去することを含む、方法。
9.
前処理された精製媒体を用いて化合物を精製する工程を含み、媒体は前処理され、前処理は水を除去することを含む、方法。
10.
a)精製媒体から水を除去する工程と、
b)精製媒体を化合物と接触させる工程と、
c)精製媒体を用いて化合物を精製する工程と、を含む方法。
11.
a)精製媒体から機械的に水を除去する工程と、
b)精製媒体を化合物と接触させる工程と、
c)場合によっては、精製媒体を用いて化合物を精製する工程と、を含む方法。
12.
a)精製媒体から機械的に水を除去する工程と、
b)精製媒体を化合物と接触させる工程と、
c)精製媒体を用いて化合物を精製する工程と、を含む方法。
13. 化合物がホスホラミダイトである、実施形態1~12のいずれか1項に記載の方法。
14. ホスホラミダイトを精製する方法であって、
a)精製媒体から水を除去する工程と、
b)精製媒体をホスホラミダイトと接触させる工程と、
c)場合によっては、精製媒体を用いてホスホラミダイトを精製する工程と、を含む方法。
15. ホスホラミダイトを精製する方法であって、
a)精製媒体から水を除去する工程と、
b)精製媒体を用いてホスホラミダイトを精製する工程と、を含む方法。
16. ホスホラミダイトを精製する方法であって、
a)精製媒体から水を除去する工程と、
b)精製媒体をホスホラミダイトと接触させる工程と、
c)精製媒体を用いてホスホラミダイトを精製する工程と、を含む方法。
17. ホスホラミダイトの回復率を改善する方法であって、
a)精製媒体から水を除去する工程と、
b)ホスホラミダイトを精製媒体へ加える工程と、
c)ホスホラミダイトを溶媒系を用いて精製媒体から溶出させる工程と、
を含み、工程a)がない場合、回復率は基準回復率より高い、方法。
18. 改良された回復率と基準回復率との間の差は、少なくとも約10%、20%、30%、40%又は50%である、実施形態4又は17に記載の方法。
19. ホスホラミダイトが精製媒体と接触する場合にホスホラミダイトの分解を減少させる方法であって、
a)精製媒体から水を除去する工程、を含む方法。
20.
a)精製媒体から水を除去する工程と、
b)精製媒体をホスホラミダイトと接触させる工程と、
c)場合によっては、精製媒体を用いてホスホラミダイトを精製する工程と、を含む方法。
21.
a)精製媒体から水を除去する工程と、
b)精製媒体を用いてホスホラミダイトを精製する工程と、を含む方法。
22.
a)精製媒体から水を除去する工程と、
b)精製媒体をホスホラミダイトと接触させる工程と、
c)精製媒体を用いてホスホラミダイトを精製する工程と、を含む方法。
23.
a)精製媒体から機械的に水を除去する工程と、
b)精製媒体をホスホラミダイトと接触させる工程と、
c)場合によっては、精製媒体を用いてホスホラミダイトを精製する工程と、を含む方法。
24.
a)精製媒体から機械的に水を除去する工程と、
b)精製媒体を用いてホスホラミダイトを精製する工程と、を含む方法。
25.
a)精製媒体から機械的に水を除去する工程と、
b)精製媒体をホスホラミダイトと接触させる工程と、
c)精製媒体を用いてホスホラミダイトを精製する工程と、を含む方法。
26. 精製媒体を用いてホスホラミダイトを精製する方法において、精製媒体から水を除去するプロセスによる精製媒体の前処理を含む改善。
27. 精製媒体から水を除去する工程は精製媒体を加熱することを含む、実施形態1~26のいずれか1項に記載の方法。
28. 精製媒体から水を除去する工程は精製媒体を吸湿性溶媒系と接触させることを含む、実施形態1~27のいずれか1項に記載の方法。
29. 吸湿性溶媒系は1つの吸湿性溶媒からなる、実施形態28に記載の方法。
30. 吸湿性溶媒系は1つの吸湿性溶媒及び別の溶媒からなる、実施形態28に記載の方法。
31. 吸湿性溶媒系は2つ以上の溶媒からなり、各溶媒は独立して吸湿性溶媒である、実施形態30に記載の方法。
32. 吸湿性溶媒は、アセトアルデヒド、酢酸、アセトン、アセトニトリル、1,2-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、2-ブトキシエタノール、酪酸、ジエタノールアミン、ジエチレントリアミン、ジメチルカーボネート、ジメチルホルムアミド、ジメトキシエタン、ジメチルスルホキシド、1,4-ジオキサン、エタノール、エチルアセテート、エチルアミン、エチレングリコール、ギ酸、フルフリルアルコール、グリセロール、メタノール、メチルジエタノールアミン、メチルイソシアニド、1-プロパノール、1,3-プロパンジオール、1,5-ペンタンジオール、2-プロパノール、プロパン酸、プロピレングリコール、ピリジン、テトラヒドロフラン、及びトリエチレングリコールから選択される、実施形態1~31のいずれか1項に記載の方法。
33. 吸湿性溶媒は、アセトアルデヒド、酢酸、アセトン、アセトニトリル、1,2-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、2-ブトキシエタノール、酪酸、ジエタノールアミン、ジエチレントリアミン、ジメチルホルムアミド、ジメトキシエタン、ジメチルスルホキシド、1,4-ジオキサン、エタノール、エチルアミン、エチレングリコール、ギ酸、フルフリルアルコール、グリセロール、メタノール、メチルジエタノールアミン、メチルイソシアニド、1-プロパノール、1,3-プロパンジオール、1,5-ペンタンジオール、2-プロパノール、プロパン酸、プロピレングリコール、ピリジン、テトラヒドロフラン、及びトリエチレングリコールから選択される、実施形態1~32のいずれか1項に記載の方法。
34. 吸湿性溶媒はメタノール及びエタノールから選択される、実施形態1~33のいずれか1項に記載の方法。
35. 吸湿性溶媒はメタノールである、実施形態1~34のいずれか1項に記載の方法。
36. 吸湿性溶媒はエタノールである、実施形態1~35のいずれか1項に記載の方法。
37. 吸湿性溶媒はイソプロパノールである、実施形態1~35のいずれか1項に記載の方法。
38. 吸湿性溶媒はアセトンである、実施形態1~35のいずれか1項に記載の方法。
39. 吸湿性溶媒はアセトニトリルである、実施形態1~35のいずれか1項に記載の方法。
40. 吸湿性溶媒はジメチルカーボネートである、実施形態1~35のいずれか1項に記載の方法。
41. 吸湿性溶媒はエチルアセテートである、実施形態1~35のいずれか1項に記載の方法。
42.
a)精製媒体を前処理する工程と、
b)精製媒体をホスホラミダイトと接触させる工程と、
c)場合によっては、精製媒体を用いてホスホラミダイトを精製する工程と、を含む方法。
43.
a)精製媒体を前処理する工程と、
b)精製媒体をホスホラミダイトと接触させる工程と、を含む方法。
44.
a)精製媒体を前処理する工程と、
b)精製媒体を用いてホスホラミダイトを精製する工程と、を含む方法。
45.
a)シリカを含む精製媒体を前処理する工程と、
b)精製媒体をホスホラミダイトと接触させる工程と、
c)場合によっては、精製媒体を用いてホスホラミダイトを精製する工程と、を含む方法。
46.
a)シリカを含む精製媒体を前処理する工程と、
b)精製媒体をホスホラミダイトと接触させる工程と、を含む方法。
47.
a)シリカを含む精製媒体を前処理する工程と、
b)精製媒体を用いてホスホラミダイトを精製する工程と、を含む方法。
48. 精製媒体を用いてホスホラミダイトを精製する方法において、精製媒体の前処理を含む改善。
49. シリカを含む精製媒体を用いてホスホラミダイトを精製する方法において、精製媒体の前処理を含む改善。
50. 前処理は精製媒体を加熱する工程を含む、実施形態42~49のいずれか1項に記載の方法。
51. 前処理は精製媒体を第1の溶媒系と接触させる工程を含む、実施形態42~50のいずれか1項に記載の方法。
52. 前処理は精製媒体を第1の溶媒系と接触させる工程を含み、第1の溶媒系は吸湿性溶媒を含む、実施形態42~50のいずれか1項に記載の方法。
53. 前処理は精製媒体を第1の溶媒系と接触させる工程を含み、第1の溶媒系はアルコールを含む、実施形態42~50のいずれか1項に記載の方法。
54. 第1の溶媒系はメタノールを含む、実施形態42~53のいずれか1項に記載の方法。
55. 吸湿性溶媒はエタノールである、実施形態42~52のいずれか1項に記載の方法。
56. 吸湿性溶媒はイソプロパノールを含む、実施形態42~52のいずれか1項に記載の方法。
57. 吸湿性溶媒はジメチルカーボネートである、実施形態42~52のいずれか1項に記載の方法。
58. 吸湿性溶媒はアセトンである、実施形態42~52のいずれか1項に記載の方法。
59. 吸湿性溶媒はアセトニトリルである、実施形態42~52のいずれか1項に記載の方法。
60. 吸湿性溶媒はエチルアセテートである、実施形態42~52のいずれか1項に記載の方法。
61. 第1の溶媒系は1つの溶媒からなる、実施形態42~54のいずれか1項に記載の方法。
62. 第1の溶媒系は修飾剤を含む、実施形態42~62のいずれか1項に記載の方法。
63. 修飾剤は最大50体積%のトリエチルアミンである、実施形態62に記載の方法。
64.
a1)精製系をホスホラミダイトと接触させる前に、精製媒体を第2の溶媒系で平衡化させる工程、を更に含む、実施形態1~63のいずれか1項に記載の方法。
65. 第2の溶媒系は第1の溶媒系よりも極性が小さい、実施形態1~64のいずれか1項に記載の方法。
66. 第2の溶媒系は第1の溶媒系と比べて低い体積%の少なくとも1つのアルコールを含む、実施形態1~65のいずれか1項に記載の方法。
67. 第2の溶媒系はアルコールを含まない、実施形態1~66のいずれか1項に記載の方法。
68. 第2の溶媒系はヘキサン又はエチルアセテート、及び場合によっては修飾剤を含む、実施形態1~67のいずれか1項に記載の方法。
69. 第2の溶媒系はヘキサン、エチルアセテート、及び有機塩基を含む、実施形態1~68のいずれか1項に記載の方法。
70. 第2の溶媒系はヘキサン、エチルアセテート、及びトリエチルアミンを含む、実施形態1~69のいずれか1項に記載の方法。
71. 精製媒体はホスホラミダイトの精製に使用され、第3の溶媒系はホスホラミダイトを精製媒体から溶出するために使用される、実施形態1~70のいずれか1項に記載の方法。
72. 第3の溶媒系は第1の溶媒系よりも極性が小さい、実施形態1~71のいずれか1項に記載の方法。
73. 第3の溶媒系は第1の溶媒系と比べて低い体積%の少なくとも1つのアルコールを含む、実施形態1~72のいずれか1項に記載の方法。
74. 第3の溶媒系は第2の溶媒系よりも極性が小さい、実施形態1~73のいずれか1項に記載の方法。
75. 第3の溶媒系は第2の溶媒系と同じである、実施形態1~74のいずれか1項に記載の方法。
76. グラジエントは精製媒体からホスホラミダイト溶出するために使用される、実施形態1~75のいずれか1項に記載の方法。
77. グラジエント溶出の開始時の溶媒系は、平衡化終了時の第2の溶媒系と同じである、実施形態1~76のいずれか1項に記載の方法。
78. 精製媒体はシリカゲルである、実施形態1~77のいずれか1項に記載の方法。
79. 精製媒体は50マイクロメータ以上の粒子径を有するシリカゲルである、実施形態1~78のいずれか1項に記載の方法。
80. 精製媒体は50マイクロメータの粒子径を有するシリカゲルである、実施形態1~79のいずれか1項に記載の方法。
81. 第1の溶媒系は塩基を含む、実施形態1~80のいずれか1項に記載の方法。
82. 第3の溶媒系は塩基、エチルアセテート、及びヘキサンを含む、実施形態1~81のいずれか1項に記載の方法。
83. 塩基はトリエチルアミンである、実施形態1~82のいずれか1項に記載の方法。
84. 塩基は最大50体積%である、実施形態1~83のいずれか1項に記載の方法。
85. 塩基は5体積%である、実施形態1~84のいずれか1項に記載の方法。
86. 精製媒体を用いるホスホラミダイトのクロマトグラフィー精製を含む、実施形態1~85のいずれか1項に記載の方法。
87. 室温よりも高い温度において精製媒体を用いるホスホラミダイトのクロマトグラフィー精製を含む、実施形態1~86のいずれか1項に記載の方法。
88. 室温よりも低い温度において精製媒体を用いるホスホラミダイトのクロマトグラフィー精製を含む、実施形態1~87のいずれか1項に記載の方法。
89.
a)実施形態1~88のいずれか1項に記載の工程a)により前処理された精製媒体と、
b)ホスホラミダイトと、を含む組成物。
90. 不活性化された精製媒体はシリカゲルである、実施形態89に記載の組成物。
91.
a)実施形態1~90のいずれか1項に記載の工程a)により前処理されたシリカと、
b)ホスホラミダイトと、を含む組成物。
92. 前処理された精製媒体は、吸湿性溶媒系で前処理されたシリカゲルである、実施形態89~91のいずれか1項に記載の組成物。
93. 吸湿性溶媒系は吸湿性溶媒系又は実施形態1~92のいずれか1項に記載の第1の溶媒系である、実施形態92のいずれか1項に記載の組成物。
94. 精製媒体を第2の溶媒系で平衡化される、実施形態89~91のいずれか1項に記載の組成物。
95. ホスホラミダイトはヌクレオシドホスホラミダイトである、実施形態1~94のいずれか1項に記載の方法又は組成物。
96. ホスホラミダイトは式II:
【化49】
(式中、
BAは、Rであるか、又は3~30員脂環式環、6~30員アリール環、酸素、窒素、硫黄、リン及びケイ素から独立して選択される1~10個のヘテロ原子を有する3~30員ヘテロシクリル、酸素、窒素、硫黄、リン及びケイ素から独立して選択される1~10個のヘテロ原子を有する5~30員ヘテロアリール環、天然核酸塩基部分、並びに修飾された核酸塩基部分、から選択される置換されていてもよい基であり;
SUは、糖部分、修飾された糖部分、-L-O-、又は、
【化50】
であり、SUは酸素原子を介して式I中のリン原子に結合し;
Lは、共有結合であるか、又はC1-30脂肪族、並びに、酸素、窒素、硫黄、リン及びケイ素から独立して選択される1~10個のヘテロ原子を有するC1-30ヘテロ脂肪族基、から選択される二価の、置換されていてもよい、直鎖状若しくは分枝状の基であり、ここで、1つ若しくは複数のメチレン単位は、置換されていてもよいC1-6アルキレン、C1-6アルケニレン、-C≡C-、-C(R’)-、-Cy-、-O-、-S-、-S-S-、-N(R’)-、-C(O)-、-C(S)-、-C(NR’)-、-C(O)N(R’)-、-N(R’)C(O)N(R’)-、-N(R’)C(O)-、-N(R’)C(O)O-、-OC(O)N(R’)-、-S(O)-、-S(O)-、-S(O)N(R’)-、-N(R’)S(O)2-、-SC(O)-、-C(O)S-、-OC(O)-、又は-C(O)O-で、独立して置き換えられていてもよく;
5sは、R’又は-OR’であり;
2sは、-F、-CN、-N、-NO、-NO、-R’-OR’、-SR’、-N(R’)、-L-R’、-O-L-OR’、-O-L-SR’、若しくは-O-L-N(R’)であり、又は、R2sは、C2とC1、C2、C3、C4若しくはC5とを結合するLであり;
-Cy-は、3~30員カルボシクリレン、6~30員アリーレン、酸素、窒素、及び硫黄から独立して選択される1~10個のヘテロ原子を有する5~30員ヘテロアリーレン、並びに、酸素、窒素、硫黄、リン、及びケイ素から独立して選択される1~10個のヘテロ原子を有する3~30員ヘテロシクリレン、から選択される置換されていてもよい二価の環であり;
、R、及びRのそれぞれは、独立してR’である、又はR、R及びRの2つ若しくは3つは、それらの介在する原子と一緒になって、:を形成し;
【化51】
環Aは、介在する原子に加えて、酸素、窒素、硫黄、リン、及びケイ素から独立して選択される0~10個のヘテロ原子を有する、置換されていてもよい多価の単環式、二環式、若しくは多環式の、飽和、部分不飽和、又はアリール3~30員環であり;
それぞれのRは独立してR’又は-L-R’であり;
tは0~5であり;
それぞれのR’は独立して-R、-C(O)R、-COR、若しくは-SORである、又は:
2つ以上のR’は、それらの介在する原子と一緒になって、介在する原子に加えて、酸素、窒素、硫黄、リン、及びケイ素から独立して選択される0~10個のヘテロ原子を有する、置換されていてもよい単環式、二環式、若しくは多環式の、飽和、部分不飽和、又はアリール3~30員環を形成し;
各Rは、独立して、水素であるか、又は、C1-30脂肪族、酸素、窒素、硫黄、リン、及びケイ素から独立して選択される1~10個のヘテロ原子を有するC1-30ヘテロ脂肪族、6-30員アリール環酸素、窒素、硫黄、リン、及びケイ素から独立して選択される1~10個のヘテロ原子を有する5~30員ヘテロアリール環、並びに、酸素、窒素、硫黄、リン、及びケイ素から独立して選択される1~10個のヘテロ原子を有する3~30員複素環式環、から選択される置換されていてもよい基である)の構造を有する、実施形態1~95のいずれか1項に記載の方法又は組成物。
97. いくつかの実施形態では、BAは、3~30員脂環式環、6~30員アリール環、酸素、窒素、硫黄、リン及びケイ素から独立して選択される1~10個のヘテロ原子を有する3~30員ヘテロシクリル、酸素、窒素、硫黄、リン及びケイ素から独立して選択される1~10個のヘテロ原子を有する5~30員ヘテロアリール環、天然核酸塩基部分、及び修飾された核酸塩基部分、から選択される置換されていてもよい基である、実施形態88に記載の方法又は組成物。
98. ホスホラミダイトは式II:
【化52】
(式中、
BAは、C1-30脂環式、C6-30アリール、酸素、窒素、硫黄、リン、及びケイ素から独立して選択される1~10個のヘテロ原子を有するC3-30ヘテロシクリル、酸素、窒素、硫黄、リン、及びケイ素から独立して選択される1~10個のヘテロ原子を有するC5-30ヘテロアリール環、天然核酸塩基部分、並びに修飾された核酸塩基部分、から選択される置換されていてもよい基であり;
SUは、-L-O-、又は
【化53】
であり、SUは酸素原子を介して式Iのリン原子に結合し;
Lは、共有結合であるか、又はC1-30脂肪族、並びに、酸素、窒素、硫黄、リン及びケイ素から独立して選択される1~10個のヘテロ原子を有するC1-30ヘテロ脂肪族基、から選択される二価の、置換されていてもよい、直鎖状若しくは分枝状の基であり、ここで、1つ若しくは複数のメチレン単位は、置換されていてもよいC1-6アルキレン、C1-6アルケニレン、-C≡C-、-C(R’)-、-Cy-、-O-、-S-、-S-S-、-N(R’)-、-C(O)-、-C(S)-、-C(NR’)-、-C(O)N(R’)-、-N(R’)C(O)N(R’)-、-N(R’)C(O)-、-N(R’)C(O)O-、-OC(O)N(R’)-、-S(O)-、-S(O)-、-S(O)N(R’)-、-N(R’)S(O)-、-SC(O)-、-C(O)S-、-OC(O)-、又は-C(O)O-で、独立して置き換えられていてもよく;
5sは、R’又は-OR’であり;
2sは、-F、-CN、-N、-NO、-NO、-R’-OR’、-SR’、-N(R’)、-O-L-OR’、-O-L-SR’、若しくは-O-L-N(R’)であり、又は、R2sは、C2とC1、C2、C3、C4、若しくはC5とを結合するLであり;
-Cy-は、3~30員カルボシクリレン、6~30員アリーレン、酸素、窒素、及び硫黄から独立して選択される1~10個のヘテロ原子を有する5~30員ヘテロアリーレン、並びに、酸素、窒素、硫黄、リン、及びケイ素から独立して選択される1~10個のヘテロ原子を有する3~30員ヘテロシクリレン、から選択される置換されていてもよい二価の環であり;
、R、及びRのそれぞれは、独立してR’である、又はR、R及びRの2つ若しくは3つは、それらの介在する原子と一緒になって、:を形成し;
【化54】
環Aは、介在する原子に加えて、酸素、窒素、硫黄、リン、及びケイ素から独立して選択される0~10個のヘテロ原子を有する、置換されていてもよい多価の単環式、二環式、若しくは多環式の、飽和、部分不飽和、又はアリール3~30員環であり;
それぞれのRは独立してR’又は-L-R’であり;
tは0~5であり;
それぞれのR’は独立して-R、-C(O)R、-COR、若しくは-SORである、又は:
2つ以上のR’は、それらの介在する原子と一緒になって、介在する原子に加えて、酸素、窒素、硫黄、リン、及びケイ素から独立して選択される0~10個のヘテロ原子を有する、置換されていてもよい単環式、二環式、若しくは多環式の、飽和、部分不飽和、又はアリール3~30員環を形成し;
各Rは、独立して、水素であるか、又は、C1-30脂肪族、酸素、窒素、硫黄、リン、及びケイ素から独立して選択される1~10個のヘテロ原子を有するC1-30ヘテロ脂肪族、C6-30アリール、酸素、窒素、硫黄、リン、及びケイ素から独立して選択される1~10個のヘテロ原子を有する5~30員ヘテロアリール環、並びに、酸素、窒素、硫黄、リン及びケイ素から独立して選択される1~10個のヘテロ原子を有する3~30員複素環式環、から選択される置換されていてもよい基である)の構造を有する、実施形態1~97のいずれか1項に記載の方法又は組成物。
99. いくつかの実施形態では、BAは、C1-30脂環式、C6-30アリール、C3-30ヘテロシクリル、C5-30ヘテロアリール、及び天然核酸塩基部分から選択される置換されていてもよい基である、実施形態96~98のいずれか1項に記載の方法又は組成物。
100. BAは、置換されていてもよい基であり、この基は、
【化55】
から-Hを除去することによって形成される、実施形態96~98のいずれか1項に記載の方法又は組成物。
101. BAは置換されていてもよい基であり、この基は、
【化56】
から選択される、実施形態100に記載の方法又は組成物。
102. BAは置換されていてもよいグアニン残基であり、そのOは保護されていない、実施形態96~99のいずれか1項に記載の方法又は組成物。
103. BAは修飾された塩基である、実施形態96~99のいずれか1項に記載の方法又は組成物。
104. SUは修飾された又は未修飾の糖部分である、実施形態96~103のいずれか1項に記載の方法又は組成物。
105. SUは-L-O-である、実施形態96~104のいずれか1項に記載の方法又は組成物。
106. SUは-L-O-であり、Lは1個の酸素原子を有する、置換されていてもよい5~10員ヘテロシクリレンである、実施形態96~105のいずれか1項に記載の方法又は組成物。
107. SUは-L-O-であり、Lは1個の酸素原子を有する、置換されていてもよい5員ヘテロシクリレンである、実施形態96~106のいずれか1項に記載の方法又は組成物。
108. SUは-L-O-であり、Lは2個の酸素原子を有する、置換されていてもよい7~10員二環式ヘテロシクリレンである、実施形態96~106のいずれか1項に記載の方法又は組成物。
109. SUは
【化57】
である、実施形態96~106のいずれか1項に記載の方法又は組成物。
110. R5sは-OR’である、実施形態109に記載の方法又は組成物。
111. R5sは-ODMTrである、実施形態109~110のいずれか1項に記載の方法又は組成物。
112. R2sは-Hである、実施形態109~111のいずれか1項に記載の方法又は組成物。
113. R2sは-Fである、実施形態109~111のいずれか1項に記載の方法又は組成物。
114. R2sは-OR’である、実施形態109~111のいずれか1項に記載の方法又は組成物。
115. R2sは-O-L-OR’である、実施形態109~111のいずれか1項に記載の方法又は組成物。
116. R2sは-OMeである、実施形態109~111のいずれか1項に記載の方法又は組成物。
117. R2sは-OCHCHOMeである、実施形態109~111のいずれか1項に記載の方法又は組成物。
118. R2sは、C2とC1、C2、C3、C4又はC5とを結合するLである、実施形態109~111のいずれか1項に記載の方法又は組成物。
119. R2sは、C2とC4とを結合するLである、実施形態109~111のいずれか1項に記載の方法又は組成物。
120. Lは(C2)-O-(置換されていてもよいメチレン)-である、実施形態118又は119に記載の方法又は組成物。
121. Lは(C2)-O-(置換されていてもよいメチレン)-であり、メチレン基はエチレンで置換されている、実施形態120に記載の方法又は組成物。
122. メチレン基の炭素原子はSである、実施形態121に記載の方法又は組成物。
123. メチレン基の炭素原子はRである、実施形態121に記載の方法又は組成物。
124. R及びRは、介在する窒素原子と一緒になって
【化58】
を形成する、実施形態96~123のいずれか1項に記載の方法又は組成物。
125. R、並びにR及びRのうちの1つは、それらの介在する窒素、リン及び酸素原子と一緒になって
【化59】
を形成する、実施形態96~123のいずれか1項に記載の方法又は組成物。
126. R、R、及びRは、それらの介在する窒素、リン及び酸素原子と一緒に、なって
【化60】
を形成する、実施形態96~123のいずれか1項に記載の方法又は組成物。
127. 環Aは、
【化61】
の骨格構造を有する環系を含む、実施形態125又は126に記載の方法又は組成物。
128. 環Aは、
【化62】
の骨格構造を有する環系を含む、実施形態126又は127に記載の方法又は組成物。
129. tは0である、実施形態96~128のいずれか1項に記載の方法又は組成物。
130. tは1~5である、実施形態96~128のいずれか1項に記載の方法又は組成物。
131. 1つのRはR’又は-L-R’であり、-L-は二価の置換されていてもよいC1-30ヘテロ脂肪族基である、実施形態96~128のいずれか1項に記載の方法又は組成物。
132. 1つのRは-CHSi(Ph)CHである、実施形態96~128のいずれか1項に記載の方法又は組成物。
133.
【化63】
は1つ又は複数のキラル要素を含み、非対称である、実施形態96~132のいずれか1項に記載の方法又は組成物。
134. オリゴヌクレオチド合成において使用される場合、ホスホラミダイトは、任意に、50%、60%、70%、80%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、又は99%を超える収率と共に、新たに形成されたPキラル中心では、約50%、60%、70%、80%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、又は99%より大きいジアステレオ選択性をもたらすことができる、実施形態96~133のいずれか1項に記載の方法又は組成物。
135. オリゴヌクレオチド合成方法は、国際公開第/2011/005761号、国際公開第/2013/012758号、国際公開第/2014/012081号、国際公開第/2015/107425号、国際公開第/2010/064146号、国際公開第/2014/010250号、国際公開第/2011/108682号、国際公開第/2012/039448号、又は国際公開第/2012/073857号に記載されるものである、実施形態134に記載の方法又は組成物。
136.
【化64】

【化65】
である、実施形態96~134のいずれか1項に記載の方法又は組成物。
137.
【化66】

【化67】
である、実施形態96~134のいずれか1項に記載の方法又は組成物。
138. ホスホラミダイトは、国際公開第/2011/005761号、国際公開第/2013/012758号、国際公開第/2014/012081号、国際公開第/2015/107425号、国際公開第/2010/064146号、国際公開第/2014/010250号、国際公開第/2011/108682号、国際公開第/2012/039448号、又は国際公開第/2012/073857号に記載されるものである、実施形態1~137のいずれか1項に記載の方法又は組成物。
139. ホスホラミダイトは、、137
【化68】
から選択される、実施形態1~137のいずれか1項に記載の方法又は組成物。
140. ホスホラミダイトは表1から選択される、実施形態1~137のいずれか1項に記載の方法又は組成物。
141.
【化69】

である、実施形態96~132のいずれか1項に記載の方法又は組成物。
142. 実施形態1~141のいずれか1項に記載の方法を含む、オリゴヌクレオチドを調製する方法。
143. 実施形態1~142のいずれか1項に記載の組成物を提供することを含む、オリゴヌクレオチドを調製する方法。
144. オリゴヌクレオチドを調製する方法は、国際公開第/2011/005761号、国際公開第/2013/012758号、国際公開第/2014/012081号、国際公開第/2015/107425号、国際公開第/2010/064146号、国際公開第/2014/010250号、国際公開第/2011/108682号、国際公開第/2012/039448、又は国際公開第/2012/073857号に記載されるものである、実施形態142又は143に記載の方法。
【実施例0190】
非限定的な例を以下に示す。当業者であれば、本明細書に例示するように、別のホスホラミダイトも、同様に大幅に改善された収率及び/又は純度で調製及び精製することができることを認識する。
【化70】
【0191】
(S)-2-(メチルジフェニルシリル)-1-((S)-ピロリジン-2-イル)エタノール1(28.3g、91.0mmol)を無水トルエン(110mL)を用いて共沸蒸発により乾燥させ、高真空下で一晩放置した。無水トルエン(150mL)に溶解したこの乾燥した1(28.3g、91.0mmol)及び4-メチルモルホリン(18.59g、184mmol)の溶液を、無水トルエン(80mL)に溶解したトリクロロホスフィンの氷冷溶液(12.6g、8.0mL、92mmol)にカニューレを介してアルゴン下で添加し、反応混合物を0℃で40分間撹拌した。反応混合物を室温(rt)まで加温して1時間撹拌した後、白色沈殿物を、Schlenkエアフリーフィルター管を用いて、真空下で、アルゴンで逆流させて濾過した。溶媒を25℃で真空下で除去し、このようにして得られた粗製半固体を高真空下で12時間乾燥させ、更に精製することなく次の合成の工程で使用した。
【化71】
【0192】
ヌクレオシド5’-DMT-dA(N6-Bz)、3、(40g、60.8mmol)を最初に無水ピリジン(60mL)、次いで無水トルエン(110mL)で共沸蒸発により乾燥させ、高真空下で24時間乾燥させた。この乾燥させた化合物をTHF(140mL)に溶解し、続いてトリエチルアミン(30.8g、42.4mL、304mmol)を添加し、次いでIPA/ドライアイスバスを用いて-78℃に冷却した。(上記のようにして得られた)粗製化合物2のTHF溶液(80mL)をカニューレを介して15分間かけて添加し、次いでその混合物を室温まで徐々に加温した。rtで1時間後、TLCは、SMの生成物への完全な変換を示した。混合物を0℃で冷却し、次いでCHCl(800mL)を加え、続いて飽和NaHCO(400mL)を加えた。有機層を分離し、飽和NaHCO(2×400mL)で洗浄した。合わせた水層をCHCl(200mL)で抽出し、そして飽和NaHCO(200mL)で洗浄した。合わせたCHCl抽出物を無水NaSOで乾燥させ、濾過し、揮発性物質をロータリーエバポレーターで25℃で除去して淡黄色固体を得た。71gの粗製化合物4。
【0193】
精製方法
【0194】
上記粗製物質を、前処理したシリカゲルカラム、又は前処理していないシリカゲルカラムのいずれかを使用して、Teledyne製のCombiflash機器で精製した。いずれの場合も、分離方法以外のすべての特徴は同一であった。
【0195】
前処理していないシリカカラムを用いた精製
【0196】
3.0gの粗製化合物4を、メチレンクロライド:5%EtNを含むヘキサンが2:1(体積:体積)の混合物中に溶解し、次いで5%のEtNを含有する20%ヘキサン/EtOAcの5カラム容量で平衡化した24gのシリカカラム上へ充填した。試料をカラム上に充填した後、クロマトグラム(図1)に示すように5%EtNを含む20~80%EtOAc/ヘキサンのグラジエントを用いて精製プロセスを実行した。TLCによって均一であった画分、図1に示す14-22、を一緒にプールし、揮発性物質をロータリーエバポレーターで除去し、残留溶媒を高真空下で18時間かけて除去して、無色の白色固体を得た(純粋な化合物4の収率=1.3g、56%)。いくつかの実施形態では、初期の画分は非極性の不純物を示したが、後の画分は分解を示した。特定の理論に拘束される意図はないが、場合によっては、分解はホスホラミダイト基での変換に起因する。
【0197】
前処理したシリカカラムを用いることによる精製
【0198】
5カラム体積の5%EtNを含む20%EtOAc/ヘキサンで平衡化する前に、24gのシリカゲルカラムを5カラム容量のメタノールで溶出することにより最初に前処理した以外は、今回の前処理しない方法について記載された正確な方法に従った。この場合、画分15~23のプール及び蒸発から生じる無色の白色固体も同様に得られた(純粋な化合物4の収率=2.0g、83%)。いくつかの実施形態では、前処理された精製媒体は、実施例によって示されるように、より良好な分離、良好なピーク形状及び/又は少ないテーリングを提供する。
【0199】
生成物はCDCl中に記録した31P-NMRにより確認され、いずれの方法でも同じであった。31P-NMR:δ151.14.
【0200】
本開示に記載された技術に従って、多様な置換基を有する多くの実施例のホスホラミダイト(例えば、表1に記載されているもの)がうまく調製され、精製され、高い収率及び/又は純度を提供する。本開示に記載されているように、提供される技術は、とりわけ、溶出効率を改善し及び/又は分解を減少若しくは排除させることができる。実施例によって示されるように、O-保護されていないグアニン残基を含むホスホラミダイトは、うまく精製され、高い収率及び純度を提供した。
【0201】
本開示に記載されているように、別の吸湿性溶媒を本開示に従って利用し、著しく改善された収率及び/又は純度を達成することができる。いくつかの実施形態では、アセトニトリルは、本明細書に記載の実施例の場合と同様にメタノールに利用され、収率及び/又は純度の大幅な改善をもたした。いくつかの実施形態では、エチルアセテートは、本明細書に記載の実施例の場合と同様にメタノールに利用され、収率及び/又は純度の大幅な改善をもたした。
【0202】
本明細書に示されるように、提供される技術は、従来技術と比較して驚くほどより高い収率及び/又は純度を提供する。とりわけ、提供される技術は、精製中のホスホラミダイトの分解を抑制するのに意外にも有効である。
【0203】
本開示のいくつかの実施形態を本明細書に記載し例示したが、当業者は、本明細書に記載の機能を実行し、並びに/若しくは結果及び/若しくは利点の1つ又は複数を得るための様々な別の手段並びに/又は構造を容易に想像するであろう。そして、このような変形及び/又は修正の各々は、本開示の範囲内にあるとみなされる。より一般的には、当業者は、本明細書に記載される全てのパラメータ、寸法、材料、及び構成が例示的であることを意味し、実際のパラメータ、寸法、材料、及び/又は構成は、本開示の教示が使用される特定の用途又は用途に依存することを容易に認識するであろう。当業者は、日常的な実験のみで、本明細書に記載される開示の特定の実施形態に対する多くの均等物を認識する、又は確認することができるであろう。したがって、前述の実施形態は単なる例として提示され、添付の特許請求の範囲及びそれと等価なものの範囲内で、本開示は、具体的に記載され請求される以外の方法で実施されてもよい。本開示は、本明細書に記載の個々の特徴、システム、物品、材料、キット、及び/又は方法をに関する。更に、2つ以上のこのような特徴、システム、物品、キット、及び/又は方法の任意の組み合わせは、このような特徴、システム、物品、材料、キット、及び/又は方法が相互に矛盾しない場合、本開示の範囲内に含まれる。


図1
図2