(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023113740
(43)【公開日】2023-08-16
(54)【発明の名称】固定化機能を有する可撓性ロールアップ型収容体
(51)【国際特許分類】
B65D 75/02 20060101AFI20230808BHJP
B65D 37/00 20060101ALI20230808BHJP
【FI】
B65D75/02
B65D37/00
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023086705
(22)【出願日】2023-05-26
(62)【分割の表示】P 2022526319の分割
【原出願日】2020-11-06
(31)【優先権主張番号】16/678,917
(32)【優先日】2019-11-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】320011454
【氏名又は名称】タック ロジック エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100107674
【弁理士】
【氏名又は名称】来栖 和則
(72)【発明者】
【氏名】マシュー・ウェイン・クリーセル
(72)【発明者】
【氏名】トロイ・ブラッドリー・グッドイナフ
(57)【要約】 (修正有)
【課題】効果的に固定化し、再利用可能な可撓性巻き/折り畳み可能収容体組合せ体を提供する。
【解決手段】この可撓性巻き/折り畳み可能収容体組合せ体は、可撓性支持基体上に配置される粘弾性高分子熱硬化性オーバーレイ層を含み、その粘弾性高分子熱硬化性オーバーレイ層は、粘着性、凝集性および剥離性を保有し、粘着された収納可能アイテムを、ユーザにより意図的に組合せ体から剥離されるまで、不動位置に維持することが可能である。いくつかの具体例においては、この可撓性巻き/折り畳み可能収容体組合せ体が抗菌性および/または浄化性を有してもよい。
【選択図】
図1C
【特許請求の範囲】
【請求項1】
可撓性巻き/折り畳み可能収容体組合せ体であって、
前面部および背面部を有する支持基体であって、可撓性を有するものと、
その支持基体の前記前面部上に配置され、凝集性、粘着性および剥離性を有するオーバーレイ層であって、粘弾性高分子熱硬化性を有するものと
を含み、
当該可撓性巻き/折り畳み可能収容体組合せ体は、自身の上に少なくとも部分的に巻かれるかまたは折り畳まれて安定した閉状態に遷移することが可能であり、
当該可撓性巻き/折り畳み可能収容体組合せ体は、次回の使用に備え、巻きが解かれるかまたは折り畳みが解かれて開状態に遷移することが可能であり、
当該可撓性巻き/折り畳み可能収容体組合せ体は、前記閉状態もしくは前記開状態または前記閉状態と前記開状態との双方において、少なくとも1つのアイテムを前記オーバーレイ層上において意に反して変位しないように固定化するのに十分な粘着力によって収納する可撓性巻き/折り畳み可能収容体組合せ体。
【請求項2】
当該可撓性巻き/折り畳み可能収容体組合せ体は、前記閉状態において、当該可撓性巻き/折り畳み可能収容体組合せ体の、前記巻きまたは包みの方向における複数の部位のそれぞれである各部位のうちの前面部が別の部位のうちの背面部に接触することを可能にし、
当該可撓性巻き/折り畳み可能収容体組合せ体は、前記閉状態において、前記少なくとも1つのアイテムを前記各部位のうちの前記前面部に位置する前記オーバーレイ層と前記別の部位のうちの前記背面部に位置する前記支持基体との間において挟んで粘着力によって収納することが可能である請求項1に記載の可撓性巻き/折り畳み可能収容体組合せ体。
【請求項3】
前記少なくとも1つのアイテムは、複数のアイテムを含み、
当該可撓性巻き/折り畳み可能収容体組合せ体は、前記複数のアイテムを前記オーバーレイ層上において前記複数のアイテムが配列を成す状態で粘着力によって収納することが可能である請求項1に記載の可撓性巻き/折り畳み可能収容体組合せ体。
【請求項4】
当該可撓性巻き/折り畳み可能収容体組合せ体は、前記少なくとも1つのアイテムを前記オーバーレイ層上において、前記少なくとも1つのアイテムの寸法および形状に適合するサイズを有する区画部を用いることなく、粘着力によって収納することが可能である請求項1に記載の可撓性巻き/折り畳み可能収容体組合せ体。
【請求項5】
前記支持基体の前記前面部は、多孔性の可撓性材料または編まれた可撓性材料によって形成され、
前記オーバーレイ層は、前記支持基体の前記前面部に複数の係留部位において係留する請求項1に記載の可撓性巻き/折り畳み可能収容体組合せ体。
【請求項6】
当該可撓性巻き/折り畳み可能収容体組合せ体は、前記閉状態において、前記少なくとも1つのアイテムを前記支持基体の前記背面部と前記オーバーレイ層との間において粘着力によって収納することが可能であり、
当該可撓性巻き/折り畳み可能収容体組合せ体は、前記閉状態において、それに収納される前記少なくとも1つのアイテムが前記支持基体の前記背面部と前記オーバーレイ層との間の隔壁として作用することを可能にする請求項1に記載の可撓性巻き/折り畳み可能収容体組合せ体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2019年11月8日(08.11.2019)に米国特許商標庁に出願された米国特許出願第16/678,917号に与えられた優先権を主張し、その米国特許出願は、その全体がこの出願書類に合体される。
【0002】
技術分野
本発明は、可撓性を有する(flexible、フレキシブルな、曲げ可能な、柔軟性を有する、軟質性を有する)収容体(containers、入れ物、包装体、包囲体、保持体、コンテナなど)であって、収納されたアイテム(stowed items、収納中アイテム、収納状態にあるアイテム、物品、被着体など)を動かないように(from movement)固定化する(immobilize、動かないように拘束する、不動化する)ように装備される(equiped、構成される)ものに関し、特に、自身の上に動かないように巻かれる(rolled-up)かまたは他の方法で包まれて(folded、折り曲げられて、折り畳まれて、くるめられて、など)、概して前面-背面接触状態(front-to-back configuration、当該収容体の前面のうちの実質的な全部または一部が自身の背面のうちの実質的な全部または一部に接触する状態)となるとともに、その後に、次回の使用に備えて、巻きが解かれる(unrolled、伸展される、展開される、など)かまたは包みが解かれる(unfolded、展開される、など)ことが可能な種類の収容体に関する。
【背景技術】
【0003】
歴史を通し、可撓性を有する容器(vessels、うつわ)が、多数のアイテム(items、品物、物品、用具、小物など)のために、利便性のある収納収容体(stowage containers、収納という用途を有する収容体、ストーイジ用コンテナー)として使用されてきた。可撓性収納収容体(flexible stowage containers、可撓性を有し、かつ、収納という用途を有する収容体)は、しばしば、バッグという形態で(in a bag form)提供され、また、任意選択的に、持ち手(carrying handles、把手、持ち運び用持ち手)を取り付けることが可能である。特定の別の可撓性収納収容体(Certain other flexible stowage containers)が、ロールアップ型(roll-up form、くるっと巻き取って収納ができる収容体、巻き取り式収容体、巻いて折り畳む収容体、くるくる巻いてコンパクトに畳める収容体、水平方向に収納・展開される収容体など)またはハンギングバッグ型(hanging bag form、吊下げ型バッグ、ぶら下げ型バッグ、腰からぶら下げることが可能なバッグ、垂直方向に収納・展開される収容体など)で提供され、典型的には、当該収容体をロールアップ状態で(in a rolled-up configuration、巻き状態または包み状態すなわち巻き/包み状態で)固定化する(secure、不動に固定する)ためにストラップ(straps、1本または複数本のつり革、ひも、ベルト、帯状体、バンドなど)またはストリング(strings、1本または複数本の紐状体、糸など)が取り付けられる。この種の可撓性収容体には、複数の区画部(compartments)または複数の分割部(divisions)(一般に「ポケット」と称される)が装備され、それら区画部または分割部は、当該収容体に収納される具体的なアイテムの寸法および形状に適合するサイズを有する。しかしながら、この種のポケット付き(pocketed)可撓性収納収容体は、典型的には、当該収容体が設計された目的対象物である特定の収納可能なアイテムについてしか役に立たない。
【0004】
ロールアップ型(roll-up、巻いてコンパクトに収納する巻き型または包んでコンパクトに収納する包み型(折り畳んでコンパクトに収納する折り畳み型を含む)、巻き型または包み型すなわち巻き/包み型など)収容体は、それがロールアップ状態(in a rolled-up configuration、巻き/包み状態)を成すときに、収納に必要なサイズがコンパクトになることを利点とする。複数の望ましいロールアップ型収容体として、ロールアップ型のダンプポーチ(roll-up dump pouches、巻いた状態または折り畳んだ状態でコンパクトにアイテムを収納するポーチ)があり、そのポーチとして、例えば、ハンティングやフィッシング用のロールアップ型バッグ収容体(roll-up bag containers)、道具入れ(tool bags、道具袋)、ミニ応急キット(mini fast aid kits)、台所用具(kitchenware)ホルダー(例えば、平皿類(flatware)、ナイフ、銀色をした食卓用道具(silverware)など)、吊下げ型ロールアップ型バッグ(hanging roll-up bags)(例えば、化粧品用、洗面用具用、宝石用など)、医療およびEMT(EMT、緊急治療)用ロールアップ型バッグ、ロールアップ型ミリタリーバッグ(military roll-up bags)、吊下げ型販売品展示用収容体(hanging sales display containers)、ロールアップ型運搬用収容体、およびそれらと同様なものがある。しばしば、この種の可撓性収容体は、そこに収納される具体的なアイテム(the paticular stowed items)を視認するために設計された透明なプラスチック製のポケット(pockets、1つまたは複数のポケット)を用いて製作される。それの(thereof、この種の可撓性収容体)の望ましい態様は、ロールアップ型レンチ・ホルダーであり、それは、透過性を有するプラスチック製のポケット(pockets、1つまたは複数のポケット)を備えており、そのポケットは、特定のレンチ・サイズに合致するサイズを有する。残念なことに、通常の使用方法において、前述の個別に区切られた複数のセクション(the compartmentalized sections、コンパートメントに分割された複数のセクション)は、劣化し、それにより、収納されているアイテムを正しい順序で並ぶように効果的に拘束するという当該複数のセクションの機能が喪失する傾向がある。
【0005】
可撓性収容体に対する要望(need)として、収納されたアイテム(stowed items、収納中アイテム、1つまたは複数のアイテム、物品など)をより効果的に固定化し、それと同時に、従来から可撓性収納収容体に要望される可撓性という属性(the desirable flexible attributes)のうちの実質的なすべてを保持するというものがある。当該収納収容体内に収容されることが要望されるそれぞれの特定のアイテムのために特別に設計された拘束具(restraint element)を必要とすることなく、収納可能アイテムを固定化する(immobilize、位置決めする)ことが可能である場合には、さらなる効果が達成される。可撓性収容体が、アイテムのサイズ、形状および重量の如何を問わず、複数の収納可能アイテムが並んだ大規模な配列を固定化するように装備される場合には、当該可撓性収容体は、さらに、可撓性収容体の分野(the flexible container art)内において大きな進歩を示すことにもなる。この種の可撓性収容体が、抗菌性(antipathogenic properties、抗病原性)、洗浄可能であるという属性(washable attributes)を提供し、および/または、事実上無限に再利用できるという能力を有する場合には、さらなる効果が達成される。さらに、ロールアップ型の可撓性収容体であって、自身をロールアップ状態に(in a rolled-up configuration、巻き/包み状態に)固定化して維持するために固定化部材(securing member)(例えば、ストリング、ストラップなど)を使用せずに済むものを提供することも大きな利点となる。
【0006】
可撓性収容体に対するさらなる要望(need)として、収納されたアイテム(items、収納中アイテム、1つまたは複数のアイテム、物品など)をより効果的に固定化し、それと同時に、従来から可撓性収納収容体に要望される可撓性という属性(the desirable flexible attributes)のうちの実質的なすべてを保持するというものがある。この種の収容体に対するさらなる要望として、当該収容体内の内容物(the contents、収納されたアイテム)が、当該収容体を開放させる(open、開口させる、開状態に移行させる)ことなく、視認され(viewed、検分され、検査され、目撃され)得るように当該収容体が透過性を有するというものもある。透過性を有するこの種の可撓性収容体であれば、例えば、空港、競技場、学校などの場所(venues、開催地など)において役に立つ。透過性を有するこの種の可撓性収容体が、抗菌性(antipathogenic properties、抗病原性)、洗浄可能であるという属性(washable attributes)を提供し、および/または、事実上無限に再利用できるという能力を有する場合には、さらなる効果が達成される。さらに、透過性を有するこの種のロールアップ型の可撓性収容体を、自身をロールアップ状態に(in a rolled-up configuration、巻き/包み状態に)固定化して維持するために固定化部材(例えば、ストリング、ストラップなど)を使用せずに済む態様で提供することも大きな利点となる。
【0007】
自明であることは、特に、ロールアップ型または吊下げ型の可撓性収納収容体の分野において、より効果的な可撓性収納収容体の出現が長期にわたって明らかに要望(need)されているということである。1つの特定のアイテムのみを保持するように特別に構成された個別製作型保持用ポケットの必要性を削減することが可能である場合には、確かな利点が達成される。ロールアップ型または吊下げ型の収容体であって、それの寸法、重量または形状とは無関係に、実質的にいかなる種類の収納中アイテム(stowed items)であっても、その収納中アイテムを拘束する普遍的な(universal、多用途にわたり)収納能力を有するものが存在する場合にも、優れた利点が達成される。上述の拘束システム(the restraining system、上述のようにして収納中アイテムを拘束するための機構、前記収容体など)が、当該収容体をロールアップ状態で(in a rolled-up form、巻き/包み状態で)保持するために1本または複数本のストリングまたはストラップを結ぶ(tying)ことが不要である場合には、さらなる利点が生まれる。上述の拘束システム(the restraining system)が、収納中アイテムが剥離された(released、前記収容体から分離された、解放された)ときにそのアイテム上に不要な残留物が残らないように収納中アイテム(stowed items)を凝集状態において(cohesively、前記収容体が凝集性、密着性、結束性などを有する状態のまま)剥離する場合には、さらなる利点が生まれる。上述の拘束システム(the restraining system)が、拘束効果(restraining efficacy、拘束有効性)が悪化することなく、繰り返し再利用されることが可能であるか、および/または、単純な洗浄により、前記拘束能力を完全に回復する能力を有することが可能である場合には、さらなる利点が生じる。前記収容体が粘弾性(viscoelastomeric、粘弾性高分子の、被着材が被着すると当該物質が流動してその被着材の表面を濡らすという粘性的性質という液体の性質と、被着材の剥離時に当該物質が流動しないという固体の性質との両方を持つ粘着剤など)、粘着性(adhesive、接着性または粘着性)および/または抗菌性を有する場合には、現存するロールアップ型および吊下げ型の収容体を超えるさらに新たな利点が生じる。
【発明の概要】
【0008】
これに対し、ここに開示される発明によれば、上述の複数の問題(problems)および/または要望(needs)のうちの1つまたは複数が解決される。より具体的には、予想以上の他のいくつかの利点を含め、前述の複数の望ましい利点のうちの1つまたは複数を、可撓性を有するかまたは吊下げ型の収容体についての現行のポケット拘束システム(the current pocket restraining system)を、粘弾性(viscoelastomeric、粘弾性高分子の)、凝集性、粘着性(adhesive)および剥離性を有する熱硬化性ポリマー製のオーバーレイ層(overlay、支持基体の表面を覆う層、薄い層、被覆層など)に置換することによって達成することが可能であり、そのオーバーレイ層は、可撓性支持基体(flexible supportive base substrate、可撓性支持基体サブストレート、可撓性支持基体、可撓性支持体)の前面部(front side、当該支持基体のうちそれの厚さ方向に対向する一対の面状部分のうち長さ方向に延びるとともに表側または上側に位置するもの、おもて面部)の上に配置され、それらの組合せ体(the combination of which、前記オーバーレイ層と前記可撓性支持基体とが組み合わされたもの、収容体組合せ体)は、必要とされる間、収納中アイテム(stowed items、収納状態にある1つまたは複数のアイテム)を固持する状態で(tenaciously、しっかりつかむ状態で)かつ粘着状態で(adhesively)保持する。さらに、当該収容体組合せ体(the container combination、前記オーバーレイ層と前記可撓性支持基体との組合せ体)は、前面部(front side、当該収容体組合せ体のうちそれの厚さ方向に対向する一対の面状部分のうち長さ方向に延びるとともに表側または上側に位置するもの、おもて面部)が背面部(backside、当該収容体組合せ体のうちそれの厚さ方向に対向する一対の面状部分のうち長さ方向に延びるとともに裏側または下側に位置するもの、裏面部)に接触する前面部-背面部接触方式(a front side to backside manner、巻き/包み状態に遷移するために、当該収容体組合せ体の前面部が自身の背面部に接触するか接続されるか重ね合される方式)(すなわち、前面-背面接触方式(front to back manner))となるように自身の上に巻くかまたは包み、それにより、強固に閉じて不動化する可撓性ロールアップ型収容体組合せ体を、自発的に(on its own、それ自体で、外力なしで、自力で)巻きが解かれることも包みが解かれることもないものとして形成することが可能である。その後、当該収容体組合せ体(container combination)は、ユーザにより、前記収納中アイテムにアクセスするために、意図的に巻きを解除されるかまた包みを解除されることが可能であり、ここに、それら収納中アイテムは、当該収容体内においてもとの収納位置に実質的にそのまま留置されることになる。さらに、塵埃堆積(dust accumulation、埃を被ることなど)の如き外部要因を除き、発明品としての可撓性ロールアップ型収容体組合せ体は、それの粘着性、凝集性および剥離性にいかなる種類の劣化も実質的に発生することなく、継続的に再利用することが可能である。しかしながら、万一、外部要因(例えば、塵埃堆積)が発生した場合には、当該可撓性ロールアップ型収容体組合せ体を、台所洗剤入りの水溶液を用いる手洗い(hand washing、手で洗うこと)の如きウォッシング(washing、洗浄など)を介して浄化し(cleansed)、それにより、前述の粘着性、凝集性および剥離性を元の状態に復元することが可能である。さらに、当該可撓性ロールアップ型収容体組合せ体は、抗菌性を有しており、それにより、従来の可撓性収納体を超えるさらに新たな利点を提供したことも確認された(found)。
【0009】
粘着性(adhesive)を有する前記オーバーレイ層は、凝集剥離性(cohesive release properties、凝集状態のままで剥離を行うことが可能であるという性質、凝集破壊が起こらずに剥離するという性質)を有しており、その凝集剥離性は、十分な剥離力がオーバーレイ層に対抗して作用すると(upon application of a sufficient opposing removal force、オーバーレイ層に対抗する十分な剥離力がオーバーレイ層に作用すると)、そのオーバーレイ層は、粘着されているアイテムを当該収容体組合せ体から剥離し(release、解放し)、望ましくは、そのアイテム上にポリマー残留物を実質的にまったく残さないというものである。上述のように、当該収容体組合せ体は、抗菌性を有することが可能であり、よって、微生物の成長を助長する環境の生成を効果的に軽減することが可能である。さらに、上述のオーバーレイ層は、保持部材(retaining member、リテーナー)(例えば、ストラップ、ストリング、面ファスナー(hook and loop)など)を必要とすることなく、上述の可撓性収容体をロールアップ状態で(in a rolled-up configuration、巻き/包み状態で、巻き切った状態で、当該収容体の全長にわたり巻かれるかまたは包まれた状態で)固定化して(secure)保持する(maintain)ことを支援することが可能である。前述のオーバーレイ層の粘着性(adhesive characteristics)は、当該可撓性ロールアップ型または吊下げ型の収容体が設計される目的対象物としての特定の1つの収納アイテムに粘着状態で適合するように個別に製作され(tailor)てもよく、または、その粘着性(adhesive characteristics)は、複数の異なるアイテムに粘着状態で適合するように個別に製作され(tailor)てもよい。収納が困難である小形のアイテム(例えば、スクリュー(screw、おねじ、もくねじなど)、ナット(nut、めねじなど)、コイン(coin、硬貨など)は、発明品としての可撓性ロールアップ型収容体組合せ体を用いて、容易に収納するとともに、素早くアクセス可能な形態で取り出してもよい。
【0010】
望ましい一具体例においては、前述の可撓性ロールアップ型収容体組合せ体が、前面部および背面部を有する可撓性支持基体と、その可撓性支持基体の前面部上に配置され、凝集性(cohesively)、粘着性(adhesive)および剥離性を有する粘弾性(viscoelastomeric、粘弾性高分子)熱硬化性オーバーレイ層とを含み、ここに、当該収容体組合せ体は、前面-背面接触方式(a front-to-back manner、当該収容体組合せ体の前面部のうちの少なくとも一部が自身の背面部のうちの少なくとも一部に接触する方式)で巻かれる(rolled、巻きが形成される)かまたは包まれて(folded、包みが形成されて)安定した(securely、しっかり閉まっている、確実な)閉状態(closed configuration、閉塞状態、閉端状態、前記ロールアップ状態、前記巻き/包み状態、ぐるぐる巻き状態、密巻き状態、疎巻き状態、螺旋状態、格納状態、ループ状態など)に遷移することが可能であり、さらに、当該収容体組合せ体は、次回の使用に備え、前記可撓性支持基体の前面部からの前記粘弾性(viscoelastomeric、粘弾性高分子)熱硬化性オーバーレイ層の視認できるほどの(discernable、視認可能な、目視可能な、マクロ的な)分離(detachment、剥がれること、取り外されること、離脱)が起こることなく、巻きが解かれるかまたは包みが解かれて開状態(open configuration、開放状態、開端状態、展開状態、巻き/包み解除状態など)に遷移することが可能である。さらに、この望ましい具体例の他の側面においては、前記可撓性支持基体の前面部に対する前記粘弾性熱硬化性オーバーレイ層の全付着力が、前記可撓性支持基体の背面部に対する前記粘弾性熱硬化性オーバーレイ層の粘着による付着力より大きい。
【0011】
上述の望ましい具体例のいくつかの側面においては、前述の可撓性ロールアップ型収容体組合せ体が、可撓性サブストレート(a flexible substrate、可撓性基体、可撓性ベース基体、可撓性支持基体、可撓性支持体など)という形態を有する。別の側面においては、当該可撓性ロールアップ型収納体組合せ体が、バッグ(a bag、物を入れて持ち歩く袋、持ち手の付いた袋、上部に開口部を有し、物を運ぶために使用される可撓性を有する収容体など)という形態を有する。さらに別の側面においては、当該可撓性ロールアップ型収納体組合せ体が、吊下げ型収容体(hanging container、吊下げ用部品を有する収容体など)という形態を有する。
【0012】
上述の望ましい具体例のいくつかの側面においては、前記粘弾性(viscoelastomeric、粘弾性高分子)熱硬化性オーバーレイ層または可撓性支持基体のうちの少なくとも1つが、透過性を有する。
【0013】
上述の望ましい具体例のいくつかの側面においては、前記粘弾性(viscoelastomeric、粘弾性高分子)熱硬化性オーバーレイ層が、約0.1mmから約10mmまでの範囲内の板厚を有する。
【0014】
上述の望ましい具体例のいくつかの側面においては、前記可撓性支持基体の前面部が、前記粘弾性熱硬化性オーバーレイ層に少なくとも部分的に含浸(impregnated)されており、前記可撓性支持基体の背面部には、前記粘弾性(viscoelastomeric、粘弾性高分子)熱硬化性オーバーレイ層が実質的に存在しない。
【0015】
上述の望ましい具体例のいくつかの側面においては、前記粘弾性(viscoelastomeric、粘弾性高分子)熱硬化性オーバーレイ層が、
a)約1重量パーセントから約10重量パーセントまでの範囲内のイソシアネートプレポリマー(isocyanate prepolymer)と、
b)約35重量パーセントから約70重量パーセントまでの範囲内のポリオール(polyols)であって、直鎖連鎖ポリオール(straight chain linking polyols、直鎖結合ポリオール、直鎖状ポリオール、直鎖ポリオール)と架橋ポリオール(crosslinking polyols)とを含むものと、
c)約10重量パーセントから約50重量パーセントまでの範囲内のエポキシ化トリグリセリド可塑剤(epoxidized triglyceride plasticizer)と、
d)約0重量パーセントから約40重量パーセントまでの範囲内のエステル可塑剤(ester plasticizer)と
を含み、
前記粘弾性熱硬化性オーバーレイ層は、さらに、直鎖連鎖ポリオール(straight chain linking polyol)対架橋ポリオール(crosslinking polyol)の重量比を約4:1から約1:4までの範囲内のものとして含む。いくつかの側面においては、前記可塑剤(the plasticizer、材料に添加されてそれを軟化して柔軟性や弾性を付与する物質、前記エポキシ化トリグリセリド可塑剤および前記エステル可塑剤)が、前記粘弾性熱硬化性オーバーレイ層の全体にわたり均一に分散される。他の側面においては、前記粘弾性熱硬化性オーバーレイ層が、さらに、エポキシ化トリグリセリド可塑剤(epoxidized triglyceride plasticizer)対エステル可塑剤(ester plasticizer)の重量比を約1:0から約1:1までの範囲内のものとして含む。さらに別の側面においては、前記エステル可塑剤(ester plasticizer)が、セバケート(sebacates)、アジペート(adipates)、グルタレート(glutarates)、ジベンゾエート(dibenzoates)、フタル酸(phthalates、フタル酸類)、テレフタレート(terephthalates)、アゼレート(azelates)およびそれらの組合せからなるグループから選択される。さらに他の側面においては、前記エステル可塑剤(ester plasticizer)が、セバシン酸ジブチル(dibutyl sebacate、ジブチルセバケート)を含有する。さらに他の側面においては、前記エステル可塑剤(ester plasticizer)が、約750未満の分子量を有する。さらに他の側面においては、前記エステル可塑剤(ester plasticizer)が、少なくとも約1.5Dの双極子モーメント(dipole moment)を有する。
【0016】
いくつかの他の側面においては、前記可撓性ロールアップ型収容体組合せ体が、透過性を有する。
【0017】
いくつかの他の側面においては、前記直鎖連鎖ポリオール(straight chain linking polyol)および前記架橋ポリオール(crosslinking polyol)が、それぞれ、エーテル基の繰り返し構造(repetitive ether groupings、2個の炭化水素基が1個の酸素原子に結合されて成るエーテル基の繰り返し構造など)を有する。別の側面においては、前記直鎖連鎖ポリオール(straight chain linking polyol)が、ポリエーテルジオール(polyether diols)を含み、また、前記架橋ポリオール(crosslinking polyol)が、ポリエーテルトリオール(polyether triols)を含む。別の側面においては、前記直鎖連鎖ポリオール(straight chain linking polyols)および前記架橋ポリオール(crosslinking polyols)が、それぞれ、約1,000から約20,000までの範囲内の分子量を有する。
【0018】
さらに別の側面においては、前記イソシアネートプレポリマー(isocyanate prepolymer)が、ジイソシアネートプレポリマー(diisocyanate prepolymer)である。
【0019】
前述の望ましい具体例のいくつかの側面においては、前記粘弾性(viscoelastomeric、粘弾性高分子)熱硬化性オーバーレイ層が、重力によって変位しないように当該オーバーレイ層上にアイテムを留置することと、剥離力(removal force、除去力)が作用すると、前記可撓性支持基体の前面部からの当該粘弾性熱硬化性オーバーレイ層の視認可能な(discernable、視認できるほどの、マクロ的な)分離(detachment、剥がされること、取り外されること)が起こることなく、前記アイテムを剥離することとを行うのに十分な粘着力(adhesiveness)を有するものとして特徴付けられる。
【0020】
前述の望ましい具体例のいくつかの側面においては、前記粘弾性(viscoelastomeric、粘弾性高分子)熱硬化性オーバーレイ層が、前記可撓性支持基体の前面部に、その場で硬化することにより(via in situ curing)、接合されている(bonded、ボンディング接合されている、接合されている、ボンディングされている、など)。
【0021】
いくつかの側面においては、前記可撓性ロールアップ型収容体組合せ体が、再利用可能なものとして特徴付けられる。
【0022】
前述の望ましい具体例のいくつかの側面においては、前記可撓性ロールアップ型収容体組合せ体が、前記粘弾性(viscoelastomeric、粘弾性高分子)熱硬化性オーバーレイ層の凝集性、粘着性および剥離性が元の状態に実質的に復元するように台所洗剤入りの水溶液を用いて手洗いすることによって浄化可能であるものとして特徴付けられる。
【0023】
前述の望ましい具体例のいくつかの側面においては、前記可撓性ロールアップ型収容体組合せ体が、抗菌性(antipathogenic、抗病原性)を有するものとして特徴付けられる。
【0024】
前述の望ましい具体例のいくつかの側面においては、前記粘弾性(viscoelastomeric、粘弾性高分子)熱硬化性オーバーレイ層が、収納されているアイテムを、粘着力によって当該粘弾性熱硬化性オーバーレイ層に接触する状態で固定化するのに十分な粘着吸引力(adhesive attarction)を有し、また、前記粘弾性熱硬化性オーバーレイ層は、さらに、前記粘着吸引力(adhesive attarction)に打ち勝つのに十分な剥離力(removal force、除去力)が作用すると、前記収納されているアイテムを剥離するのに十分な凝集剥離性(cohesive releasability、オーバーレイ層が凝集状態にある状態(オーバーレイ層の材料が分断せずに結束する状態、凝集破壊が起こらずにアイテムがオーバーレイ層から剥離するという性質)でそのオーバーレイ層から前記アイテムが剥離する性質、凝集状態での剥離性、凝集状態が維持された状態での剥離性)を有する。
【0025】
前述の望ましい具体例のいくつかの側面においては、前記可撓性ロールアップ型収容体組合せ体から分離したアイテムにポリマー残留物が実質的に存在しない。
【0026】
望ましい別の具体例においては、可撓性ロールアップ型収容体組合せ体を製造する(preparing)方法であって、
a)前面部および背面部を有する可撓性支持基体を提供する提供工程であって、その可撓性支持基体は、目標とされた収容可能アイテムを支持するのに十分なサイズおよび構造的完全性(structural integrity、構造的健全性、構造的完全性(機能が損なわれないこと)を実現するのに必要な強度、剛性など)を有するものと、
b)熱硬化性粘弾性(viscoelastomeric、粘弾性高分子)反応生成物(thermoset viscoelastomeric reaction product)を前記可撓性支持基体の前面部上に配置し、それにより、その前面部上に粘弾性(viscoelastomeric、粘弾性高分子)熱硬化性オーバーレイ層を形成する配置工程と
を含み、
前記粘弾性熱硬化性オーバーレイ層は、前記可撓性支持基体の前面部に対する前記熱硬化性粘弾性反応生成物の熱硬化性接合(thermoset bonding、熱硬化性接合部)によるか、または前記可撓性支持基体の前面部に対する前記粘弾性熱硬化性オーバーレイ層の粘着性接合(adhesive bonding、粘着性接合部)により、前記可撓性支持基体に接合され(bonded)、
前記粘弾性熱硬化性オーバーレイ層は、目標の収納可能アイテム(stowable item、収納予定アイテムなど)を、安定化した(stabilized、不動の)収納可能位置に保持して、収納されたアイテムを形成することと、その収納されたアイテムと前記粘弾性熱硬化性オーバーレイ層との間の粘着吸引力(adhesive attarction)に打ち勝って、剥離されたアイテムを形成するのに十分な剥離力(removal force、除去力)が作用すると、前記収納されたアイテムを剥離することとを行うのに十分な粘着性、凝集性および剥離性を有する。
【0027】
方法に関する上述の望ましい具体例のいくつかの側面においては、当該方法が、さらに、前記可撓性ロールアップ型収容体組合せ体を、前面-背面接触方式(in a front-to-back manner)で自身の上に巻くかまたは包んで閉状態(closed configuration)を形成する工程を含む。別のいくつかの側面においては、当該方法が、さらに、前記可撓性ロールアップ型収容体組合せ体の巻きを解くかまたは包みを解いて開状態にある収容体(open container)を形成する工程を含み、前記可撓性ロールアップ型収容体組合せ体は、前記粘弾性熱硬化性オーバーレイ層が前記可撓性支持基体の前面部から視認可能に(discernable)分離する(detachment、剥がされる、取り外される)ことを行わない。さらに別の側面においては、前記粘着性、凝集性および剥離性が、上述の如き方法で巻きが解かれるかまたは包みが解かれると、実質的に元のままに維持される。
【0028】
方法に関する前述の望ましい具体例のいくつかの側面においては、前記剥離されたアイテム(removed item)に、前記粘弾性熱硬化性オーバーレイ層からのポリマー残留物が許容量(nominal amount、最小量または0)以下しか存在しない。
【0029】
方法に関する前述の望ましい具体例のいくつかの側面においては、前記配置工程(disposing step)が、前記熱硬化性粘弾性(viscoelastomeric、粘弾性高分子)反応生成物を形成する反応媒質(reaction media)を前記可撓性支持基体の前面部上に配置し、その後、前記反応媒質をその場で硬化させる工程を含む。別の側面においては、前記配置工程(disposing step)が、前記熱硬化性粘弾性反応生成物の硬化層(a cured layer of the thermoset viscoelastomeric reaction product、前記熱硬化性反応生成物より成る硬化層、前記熱硬化性反応生成物が硬化されて成る硬化層)を前記可撓性支持基体の前面部上に粘着状態で配置する工程を含む。
【0030】
方法に関する前述の望ましい具体例のいくつかの側面においては、前記粘弾性(viscoelastomeric、粘弾性高分子)熱硬化性オーバーレイ層または前記可撓性支持基体のうちの少なくとも1つが、透過性を有する。
【0031】
方法に関する前述の望ましい具体例のいくつかの側面においては、前記熱硬化性粘弾性(viscoelastomeric、粘弾性高分子)反応生成物が、反応媒質(reaction media)から誘導され、その反応媒質は、
a)約1重量パーセントから約10重量パーセントまでの範囲内のジイソシアネートプレポリマー(diisocyanate prepolymer)と、
b)約35重量パーセントから約70重量パーセントまでの範囲内のポリオール(polyols)であって、直鎖連鎖ジオール(straight chain linking diols、直鎖結合ジオール、直鎖状ジオール、直鎖ジオール)と架橋トリオール(crosslinking triols)とを含むものと、
c)約10重量パーセントから約55重量パーセントまでの範囲内の可塑剤(plasticizer)であって、前記反応媒質の重量を基準として、約10重量パーセントから約50重量パーセントまでの範囲内のエポキシ化トリグリセリド可塑剤(epoxidized triglyceride plasticizer)と、約0重量パーセントから約40重量パーセントまでの範囲内のエステル可塑剤(ester plasticizer)と
を含み、
前記ジオールおよび前記トリオールは、それぞれ、エーテル基の繰り返し構造(repetitive ether groupings)であり、前記反応媒質は、さらに、ジオール対トリオールの重量比を約4:1から約1:4までの範囲内のものとして含む。
【0032】
いくつかの側面においては、前記反応媒質が、さらに、エポキシ化トリグリセリド可塑剤(epoxidized triglyceride plasticizer)対エステル可塑剤(ester plasticizer)の重量比を約1:0から約1:1までの範囲内のものとして含む。他の側面においては、前記エステル可塑剤(ester plasticizer)が、約750未満の分子量を有し、さらに、少なくとも約1.5Dの双極子モーメント(dipole moment)を有する。さらに別の側面においては、前記エポキシ化トリグリセリド可塑剤が、エポキシ化大豆油を含む。さらに別の側面においては、前記エステル可塑剤(ester plasticizer)が、ジブチルセバケート(dibutyl sebacate、セバシン酸ジブチル)を含む。いくつかの他の側面においては、前記直鎖連鎖ジオール(straight chain linking diols)が、ポリエーテルジオール(polyether diols)を含み、また、前記架橋トリオール(crosslinking triols)が、ポリエーテルトリオール(polyether triols)を含み、前記ポリエーテルジオール(polyether diols)および前記ポリエーテルトリオール(polyether triols)は、それぞれ、約1,000から約20,000までの範囲内の分子量を有する。さらに別の側面においては、前記反応媒質内の可塑剤の量が、前記収納されているアイテムを意に反して変位しないように固定化するのに十分な粘着力を有する粘弾性熱硬化性オーバーレイ層を提供するのに十分な量である。さらに別の側面においては、前記反応媒質内の可塑剤の量が、前記収納されているアイテムに剥離力(removal force、除去力)が作用すると、粘弾性熱硬化性オーバーレイ層であってそれの劣化を防止するのに十分な凝集力(cohesiveness)を有するものを提供するのに十分な量である。
【0033】
本発明の多数の他の特徴および利点は、後述の説明から明らかになるであろう。その説明中、本発明のいくつかの例示的な具体例が参照される。そのような実施形態は、本発明の全範囲を表すものではない。したがって、本発明の全範囲を解釈するために、この出願書類中の特許請求の範囲が参照されるべきである。簡略さおよび簡潔さのために、本明細書に記載されているいくつかの数値についてのいかなる範囲も、その範囲内のすべての値を想定しており、また、注目されている具体的な範囲内の複数の実数値である複数の終点(endpoints、限界値)を有する任意の複数の部分範囲(sub-ranges、前記範囲より狭い範囲)を記載するいくつかの請求項をサポートするものとして解釈されるべきである。仮説的で解説用の例として、この出願書類中の1から5までの範囲についての開示は、次の複数の範囲、すなわち、1-5、1-4、1-3、1-2、2-5、2-4、2-3、3-5、3-4および4-5のうちの任意のものを記載する請求項をサポートするものとして考慮されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0034】
本発明についての前述および他のいくつかの特徴、側面および利点は、後述の説明、添付された複数の請求項および添付された複数枚の図面に関し、よりよく理解され、それら添付された図面は縮尺とは無関係に描かれている。
【0035】
【
図1A】
図1Aは、この出願書類の開示事項における発明品としての可撓性ロールアップ型収容体組合せ体を開状態(an open configuration)で示す斜視図であり、その可撓性ロールアップ型収容体組合せ体は、可撓性支持基体サブストレートの前面部上に少なくとも部分的に配置されたオーバーレイ層を有する。
【0036】
【
図1B】
図1Bは、
図1Aに示す前記発明品としての可撓性ロールアップ型収容体組合せ体を示す断面図であって線A-Aに沿って取得されたものである。
【0037】
【
図1C】
図1Cは、
図1Aに示す前記発明品としての可撓性ロールアップ型収容体組合せ体を閉状態(a closed configuration)で示す側面図である。
【0038】
【
図2】
図2は、この出願書類の開示事項における発明品としての可撓性ロールアップ型収容体組合せ体を開状態で示す斜視図であり、その可撓性ロールアップ型収容体組合せ体は、可撓性支持基体サブストレートの前面部のうちの実質的な全表面上に配置されたオーバーレイ層を有する。
【0039】
【
図3A】
図3Aは、この出願書類の開示事項における発明品としての可撓性ロールアップ型収容体組合せ体を開状態で示す斜視図であり、その可撓性ロールアップ型収容体組合せ体は、可撓性支持基体サブストレートの前面部上に少なくとも部分的に配置されたオーバーレイ層を有し、さらに、少なくともそのオーバーレイ層上に配置された保護カバー(protective covering、プロテクティブ・カバー)を有する。
【0040】
【
図3B】
図3Bは、
図3Aに示す前記発明品としての可撓性ロールアップ型収容体組合せ体を示す断面図であって線B-Bに沿って取得されたものである。
【0041】
【
図3C】
図3Cは、
図3Aに示す前記発明品としての可撓性ロールアップ型収容体組合せ体を閉状態(a closed configuration)で示す側面図である。
【0042】
【
図4A】
図4Aは、この出願書類の開示事項における発明品としての可撓性ロールアップ型収容体組合せ体を開状態で示す斜視図であり、その可撓性ロールアップ型収容体組合せ体は、可撓性支持基体サブストレートの前面部上に少なくとも部分的に配置されたオーバーレイ層を有するとともに、そのオーバーレイ層に付着された洗面用アイテムおよび化粧用アイテムを有する。
【0043】
【
図4B】
図4Bは、
図4Aに示す発明品としての可撓性ロールアップ型収容体組合せ体を閉状態で示す側面図である。
【0044】
【
図5A】
図5Aは、この出願書類の開示事項における発明品としての可撓性ロールアップ型収容体組合せ体を開状態で示す平面図であり、その可撓性ロールアップ型収容体組合せ体は、可撓性支持基体サブストレートの前面部上に少なくとも部分的に配置されたオーバーレイ層を有し、さらに、ストラップという形態を有する任意選択的な保持部材を有し、さらに、前記オーバーレイ層上に粘着力によって収納される弾薬および銃器アクセサリを有する。
【0045】
【
図5B】
図5Bは、
図5Aに示す前記発明品としての可撓性ロールアップ型収容体組合せ体を閉状態で示す斜視図である。
【0046】
【
図6A】
図6Aは、この出願書類の開示事項における発明品としての可撓性ロールアップ型収容体組合せ体を開状態で示す斜視図であり、その可撓性ロールアップ型収容体組合せ体は、可撓性支持基体サブストレートの前面部上に少なくとも部分的に配置されたオーバーレイ層を有し、さらに、任意選択的な包囲パネル(enclosure panels)を有する。
【0047】
【
図6B】
図6Bは、
図6Aに示す前記発明品としての可撓性ロールアップ型収容体組合せ体を閉状態で示す斜視図である。
【0048】
【
図7A】
図7Aは、この出願書類の開示事項における発明品としての可撓性ロールアップ型収容体組合せ体であって透過性容器という形態を有するものを開状態で示す斜視図であり、その可撓性ロールアップ型収容体組合せ体は、透過性可撓性支持基体サブストレートの前面部上に少なくとも部分的に配置された透過性オーバーレイ層を有し、さらに、その透過性オーバーレイ層上に粘着力によって収納されたアイテムを有する。
【0049】
【
図7B】
図7Bは、
図7Aに示す前記発明品としての透過性可撓性ロールアップ型収容体組合せ体を閉状態で示す斜視図である。
【0050】
【
図8】
図8は、この出願書類の開示事項における発明品としての可撓性ロールアップ型収容体組合せ体を開状態で示す平面図であり、その可撓性ロールアップ型収容体組合せ体は、多層化された可撓性支持基体のうちの前面部ベース層上に配置された複数枚のオーバーレイ層を有し、その可撓性支持基体のうちの背面部ベース層は、前記前面部ベース層を覆ってそれに重なるように折り曲げられるとともに、その前面部ベース層上にステッチ(sitching、縫製、縫い目)により固定化される。
【0051】
本明細書および図面中の参照記号の反復的使用は、本発明についての、同じかまたは類似の特徴部または要素を表すことを意図している。
【0052】
定義
注目すべきことは、この出願書類の開示事項中に使用される場合、「ある(a)」および「ある(an)」という用語は、そういうものとして特に明記されている場合を除き、種類の如何を問わず、記載されている複数の特徴、複数の要素、複数の整数値、複数の工程、複数の部品またはそれらより成る複数の群のうちの「少なくとも1つ」を意味することを意図されており、さらに、そのような複数の特徴、複数の要素、複数の整数値、複数の工程、複数の部品またはそれらより成る複数の群のうちのいずれか1つのみに限定されることを意図されていないということである。一方、「少なくとも1つ」という用語の使用は、「ある(a)」または「ある(an)」という用語の他の使用(other uses、との併用)がある場合に、その「ある(a)」または「ある(an)」という用語を、ある特徴、ある要素、ある整数値、ある工程、ある部品またはある群のうちのいずれか1つのみに限定される用語にすることを意図されていない。
【0053】
さらに注目すべきことは、この出願書類の開示事項中に使用される場合、「含む(comprises)」、「含んでいる(comprising)」という用語および「含む(comprise)」という語幹(root term、語源など)からの他の派生語は、種類の如何を問わず、記載されている複数の特徴、複数の要素、複数の整数値、複数の工程、複数の部品または複数の群の存在を特定するオープンエンドの用語であることを意図され、また、1つもしくは複数の他の特徴、要素、整数値、工程、部品またはそれらより成る複数の群の存在を排除することも追加を排除することも意図されないということである。
【0054】
この出願書類中において前記粘弾性(viscoelastomeric、粘弾性高分子)熱硬化性オーバーレイ層に関して使用されるように、「粘着性を有する(adhesive)」および「粘着力(adhesiveness、粘着性)」という各用語は、前記オーバーレイ層(the overlay、前記粘弾性熱硬化性オーバーレイ層)が「粘着力(tackiness、粘着面と被着体との接触によって生じる力としての粘着力、非常に軽い力で短時間に被着材に粘着する力(タック、ベタツキ)など)」を有することを意味し、そのオーバーレイ層に対して適合性を有する(compatible)アイテム(item、品物、物品など)がそのオーバーレイ層に粘着(stick)しまたは(or、すなわち)不動状態に保持されることになる。
【0055】
この出願書類中に使用されるように、「触媒量」という用語は、当該分野における用語(a term of the art)であり、その用語は、当業者によって認識されるとともに、目標とされる反応を取得するのに十分な量を意味する。
【0056】
この出願書類中において前記粘弾性(viscoelastomeric、粘弾性高分子)熱硬化性オーバーレイ層に関して使用されるように、「凝集性を有する(cohesive)」および「凝集力(cohesiveness、粘着剤自体の強さなど)」という各用語は、分子間力(molecular attraction、分子引力)を示すことを意味しており、その分子間力により、前記オーバーレイ層(the overlay、前記粘弾性熱硬化性オーバーレイ層)の複数の分子が当該塊(the mass、前記オーバーレイ層という物質の固まり)全体において合体し、それにより、前記オーバーレイ層(the overlay、前記粘弾性熱硬化性オーバーレイ層)が粘着状態において(adhesively、粘着的結合状態において、粘着的様式において、粘着的観点において)剥離力を受ける(subjected to、に曝される)ときに当該オーバーレイ層が自身の構造的完全性(structral integrity、構造的健全性)を保持する。
【0057】
この出願書類中に使用されるように、「可撓性(flexible、フレキシブル、柔軟性、軟質性など)」という用語は、円筒(cylinder)という形態または包まれた(folded)他の形態に曲げられるとともに、その後、当該物体の(thereof)劣化がない限り、平坦化状態(laid-flat state)に回復する(unbent、復元する、伸張する)能力を意味する。
【0058】
この出願書類中に使用されるように、「反応媒質」という用語は、複数の成分より成る混合物であって硬化前のものを意味し、その混合物は、硬化すると、本発明に従う粘弾性熱硬化性オーバーレイ層を形成する。
【0059】
この出願書類中に使用されるように、「反応生成物」という用語は、反応媒質を硬化させると結果物として取得される生成物を意味し、前記反応媒質から、本発明に従う粘弾性(viscoelastomeric、粘弾性高分子)熱硬化性オーバーレイ層が誘導される。
【0060】
この出願書類中において前記粘弾性(viscoelastomeric、粘弾性高分子)熱硬化性オーバーレイ層に関して使用されるように、「剥離可能に(releasable、解放可能に、リリース可能に、取り外し可能に)」および「剥離性(releasability)」という各用語は、アイテムを拘束状態(restraint)から自由にすること、またはアイテムを前記オーバーレイ層(the overlay、前記粘弾性熱硬化性オーバーレイ層)から分離すること(disengagement、離脱すること)を意味する。
【0061】
この出願書類中ににおいて前記可撓性ロールアップ型収容体組合せ体に関して使用されるように、「ロールアップ型(roll-up、巻き/包み型)」という用語は、前記収容体組合せ体を自身の上に巻く(the rolling)かまたはそれとは異なる方法で包んで(folding)、概して前面-背面接触状態(front to back configuration、自身の前面部のうちの少なくとも一部が自身の背面部のうちの少なくとも一部に接触する構成態様)に遷移することを意味する。
【0062】
この出願書類中において前記可撓性ロールアップ型収容体組合せ体に関して使用されるように、「固定化する(secure、不動化する)」および「確実に(securely、動かないように)」という各用語は、前記可撓性ロールアップ型収容体組合せ体が、自力で(on its own、外力なしで、自発的に)開状態に遷移する(opening、伸展する、展開する、開く、延びて開く)(すなわち、巻きが解かれる(unrolled)か、または包みが解かれる(unfolded))ことなく、閉状態(すなわち、巻き状態(rolled)または包み状態(folded))に維持されることを意味する。
【0063】
この出願書類中において前記可撓性ロールアップ型収容体組合せ体に関して使用されるように、「透過性を有する(transparent、透明性を有する)」という用語は、感知可能な散乱(appreciable scattering、無視できない散乱)なく、光を透過する特性を有し、それにより、内部に(within、前記可撓性ロールアップ型収容体組合せ体内に)配置された複数のアイテムが実質的に互いに識別可能であるようにそれらアイテムが外部から少なくとも部分的に視認可能であるように光を透過する性質を有することを意味する。
【0064】
「粘弾性高分子の(viscoelastomeric)」および「粘弾性の(viscoelastic)」という用語は、粘性および弾性を有する物質を意味するように、この出願書類中において相互置換可能に使用可能である。
【0065】
これらの用語は、本明細書のうちの残りの部分において、追加の文言を用いて定義されるかもしれない。
【発明を実施するための形態】
【0066】
発明の詳細な説明-最良の形態-産業上の利用可能性
本発明は、概して、発明品としての(inventive、発明的思想としての、独創的な)可撓性(flexible、柔軟性を有する、フレキシブルな)ロールアップ型(roll-up、巻き/包み型)収容体(containers、入れ物、包装体、包囲体、保持体、コンテナなど)に関し、その可撓性ロールアップ型収容体は、可撓性基体サブストレート(flexible base substrate、前記可撓性支持基体など)を有し、その可撓性基体サブストレートは、凝集性(cohesive)、粘着性(adhesive)および剥離性(releasability)を有する粘弾性高分子(viscoelastomeric)熱硬化性オーバーレイ層によって少なくとも部分的に被覆されている(overlayed)。発明品としてのこの種の収容体は、独自の特性として、粘弾性(viscoelastomeric、粘弾性高分子)、粘着性、凝集性、剥離性、浄化性(cleansability)および/または抗菌性(antipathogenic properties)を有することが可能である。
【0067】
本発明に従う独自の可撓性ロールアップ型収容体組合せ体は、独自の特性として、粘着性、凝集性、剥離性、抗真菌性(antimicrobial)、浄化性(cleansability)および再利用可能性を有する粘弾性(viscoelastomeric、粘弾性高分子)熱硬化性ポリマー製部品(component、構成要素)を、粘弾性(viscoelastomeric、粘弾性高分子)熱硬化性オーバーレイ層という形態で、かつ、可撓性基体サブストレートの前面部の表面、望ましくは外面上に、任意選択的に、その上に(thereupon、前記粘弾性(viscoelastomeric、粘弾性高分子)熱硬化性オーバーレイ層上に)配置されたアイテム(item、被着体)の表面に接合して係合する(engage、結合する)ように組み込むことによって提供される。望ましい一具体例においては、特に効果的な粘弾性(viscoelastomeric、粘弾性高分子)熱硬化性オーバーレイ用部品が熱硬化性反応生成物から誘導され、その熱硬化性反応生成物は、熱硬化性反応媒質(a thermosetting reaction media)から製造され、その熱硬化性反応媒質は、実質的に均一な混合物(a substantially uniform admixture)を含み、その混合物は、
約1重量パーセントから約10重量パーセント(wt%)までの範囲内のイソシアネートプレポリマー(isocyanate prepolymer)と、
約35重量パーセントから約70重量パーセントまでの範囲内のポリオールであって、直鎖連鎖ポリオール(straight chain linking polyols)(例えば、ジオール(diols))と架橋ポリオール(crosslinking polyols)(例えば、トリオール(triols))から成り、それらは、それぞれ、望ましくは、エーテル基の繰り返し構造(repetitive ether groups)を、直鎖連鎖ポリオール対架橋ポリオールの重量比(例えば、ジオール対トリオールの重量比)が約4:1から約1:4までの範囲内であるものにおいて有するものと、
約20重量パーセントから約55重量パーセントまでの範囲内の可塑剤であって、約50重量パーセント(反応媒質の全重量に対して)未満のエポキシ化トリグリセリド可塑剤(epoxidized triglyceride plasticizer)と約0重量パーセントから約40重量パーセント(反応媒質の全重量に対して)までの範囲内のエステル可塑剤(ester plasticizer)とを含み、前記可塑剤は、望ましくは、前記反応生成物の全体にわたり均一にかつ凝集状態で分散させられるとともに結合(bound、バインド)されるものと
により構成される。典型的には、前記直鎖連鎖ポリオールおよび架橋ポリオールであって有用なものは、約1,000から約20,000までの範囲内の分子量を有する液体ポリエーテルにより構成される。
【0068】
以下、本発明に従う望ましいいくつかの具体例を詳細に説明するが、理解すべきことは、それら開示されている具体例は、様々な形態で具体化されるかもしれない本発明のうちの非制限的な(non-limiting、非排他的な)いくつかの例としてのみ意図されているということである。したがって、この出願書類中に開示されている具体的ないくつかの詳細事項は、例えば組成、構造、機能およびそれに同様なものを説明しているが、どのような方法であっても制限的なものとして解釈されるべきではなく、むしろ、特許請求の範囲にとっての多数の例示的な基礎の一つとして、および/または本発明を事実上いかなる構造または環境であって適切に詳細化されたものにおいて様々な態様で具現化することを当業者に教示するものとしてのみ、解釈されるべきである。
【0069】
本発明は、図面を参照することによりよりよく理解されるかもしれない。
図1A-
図8を参照すると、本発明は、可撓性ロールアップ型収容体組合せ体1を提供しており、その可撓性ロールアップ型収容体組合せ体1は、可撓性支持基体サブストレート5(この出願書類中においては、「可撓性支持基体」とも称され、または単に「基体(base、ベース、基材、基板)」とも称される)を含み、その可撓性支持基体サブストレート5は、凝集性および剥離可能な粘着性を有する粘弾性(viscoelastomeric、粘弾性高分子)熱硬化性オーバーレイ層3(この出願書類中においては、単に「オーバーレイ層」とも称する)を備えており、このオーバーレイ層3は、収納されたアイテム13を意図的に当該オーバーレイ層3から剥離するまで、そのアイテム13を当該オーバーレイ層3に粘着力によって固定化するように作用する。
【0070】
引き続き
図1A-
図8を参照すると、本発明に従う可撓性ロールアップ型収容体組合せ体1は、可撓性支持基体(flexible supportive base、可撓性支持ベース、可撓性支持基体基板、可撓性支持体)5を含む。その可撓性支持基体5は、前面部7であって、その上に粘弾性(viscoelastomeric、粘弾性高分子)オーバーレイ層3が配置されるものと、対向する背面部9であって、前面部7から離れているものとを含む。可撓性支持基体5は、前述の収容体組合せ体1のための、収容体についての基礎的な構造的支持構造(the basic container structual support )を提供し、その構造的支持構造は、オーバーレイ層3のための支持構造を含んでいる。
【0071】
概略的に、基体5は、任意の目標形状(例えば、四角形、正方形、台形、三角形、円形、楕円形(oval、長円形)、不規則形状(random)など)を有してもよく、また、特定の収納された1つのアイテム13または収納された複数のアイテムより成る1つのグループを収容するのに適したサイズを有してもよい。例えば、非排他的な望ましい一具体例においては、基体5が、概して四角形状を成しており、その形状は、長さおよび幅を、それぞれ、約100cm未満および50cm未満、例えば、30cm未満および10cm未満のものとして、または10cm未満および7cm未満のものとして有している。しかしながら、この種の非排他的な具体例は、長さおよび幅を、それぞれ、本発明の範囲から逸脱することないように、100cmより大きいものおよび50cmより大きいものとして有してもよい。同様に、基体5は、均一または不均一である板厚を有してもよい。その板厚に関して特定の限定はないが、基体5は、可撓性を保持しおよび/または当該ユーザの意図通りに作用することが条件となる。例えば、非排他的な望ましい一具体例においては、基体5の板厚が約100mm未満、例えば、約1mmから約50mmまでの範囲内、または約5mmから約10mmまでの範囲であってもよい。しかしながら、基体5の板厚は、本発明の範囲から逸脱することなく、約1mm未満であるか、または約100mmより厚くてもよい。
【0072】
可撓性支持基体5は、可撓性を有する天然材料または合成材料であって、この出願書類中において目標の可撓性ロールアップ型収容体組合せ体1を実現するために適正な可撓性支持基体5を提供する際に有用であるもののうちの任意のものによって構成されてもよい。具体的には、その可撓性支持基体5は、多くの可撓性材料であって、粘弾性(viscoelastomeric、粘弾性高分子)熱硬化性オーバーレイ層3に、埋め込む(embedding、嵌め込む、食い込む)引力または粘着による引力を提供するものによって構成されてもよく、また、フィルム、シート、織物(fabric、ファブリック)または他の任意の可撓性材料であってオーバーレイ層3を支持し、同様に、そのオーバーレイ層3によって収納されることを意図された任意のアイテム13を支持するものとして提供されてもよい。さらに、基体5は、1枚のシートという形態で提供されても、多層化されるかまたは合成材料(composite material、複合材)という形態として提供されてもよい。可撓性支持基体5として適当であり得る材料のいくつかの例は、天然材料、合成材料および製造された材料(fabricated materials)、例えば、ポリエステル(polyesters)、ポリエチレン(polyethylene)、ポリプロピレン(polypropylene)ナイロン(nylon)、レーヨン(rayon)、ダクロン(Dacron、テトロン)(登録商標)、マニラ麻(manila)、ポリエチレンテレフタレート(polyethylene terephthalate)、ポリアミド(polyamides)、ポリウレタン(polyurethane)、リネン(linen)、ウール(wool)、カシミア(cashmere)、ジュート(jute)、ポリアセテート(polyacetates)、ポリアクリル酸(polyacrylics)、スパンデックス(spandex)、ラテックス(latex)、オーロン(orlon)、セルロース(cellulose)、綿(cotton)、絹(silk)、ベルベット(velvet)、帆布(canvas)、革(leather)、繊維ガラス(fiberglass)、ABSポリマー(acrylonitrile-butadiene-styrene polymers)、ポリスチレン(polystyrene)、金属箔(metallic foils)を含み、同様に、他の多くの可撓性を有するこの種の合成物質および/または天然物質であってオーバーレイ層3に結合する(engage)かまたはそれを埋め込むことが可能なものを含み、同様に、それらの組合せを含むが、これらに限定されない。
【0073】
望ましくは、この種の可撓性支持基体5の前面部7(すなわち、オーバーレイ層3が配置される片面部)の表面の材料が、粘弾性(viscoelastomeric、粘弾性高分子)熱硬化性オーバーレイ層3に対して全体的な付着親和力(an overall attachment affinity、前面部7の表面が全体的にまたは全面的にオーバーレイ層3に付着する際の両者間の親和力または付着力)を、可撓性ロールアップ型収容体組合せ体1によって収納されることを意図された任意のアイテム13に対するオーバーレイ層3の粘着親和力(adhesive affinity、粘着力による親和力)より大きいものとして有する。それに代えて、基体5の前面部7の表面の材料は、オーバーレイ層3に対して比較的低い粘着親和力(収納されるべき任意のアイテム13と比較した場合)を有してもよいが、基体5の前面部7の材料が、適正な複数の投錨部位(anchoring sites、前面部7のうち、オーバーレイ層3が係留して投錨する複数の部位、投錨点、アンカー点)(例えば、多孔性のまたは編まれた可撓性材料)を、基体5の前面部7の材料とオーバーレイ層3との間に結果的に生じる(resultant)全体的な付着力が、オーバーレイ層3とそれによって収納されるべき任意のアイテム13との間に生ずる粘着力より大きくなるように有することが条件となる。当業者であれば、オーバーレイ層3と基体5の前面部7の材料との間の付着力の精度が、多数の要因、例えば、基体5の材料(material(s))の表面特性、粘弾性オーバーレイ層3の特性、および収納されるべきアイテム13の表面特性によって変動することを認識する。したがって、可撓性基体5の材料は、その基体5の材料に対するオーバーレイ層3の全体的な付着力が、そのオーバーレイ層3によって収納されるべきアイテム13に対するオーバーレイ層3の全体的な粘着力より小さい場合には、発明品としての可撓性ロールアップ型収容体組合せ体1の基体5の前面部7を提供するために適した材料ではなくなる。
【0074】
同様にして、可撓性ロールアップ型収容体組合せ体1が自身の上に少なくとも部分的に巻かれる(roll-up)かまたは他の方法で包まれる(folded)ことを意図される側面(例えば、
図1C,
図3C,
図4B,
図5B,
図6Bおよび
図7Bを参照)においては、基体5の前面部7の材料が、粘弾性(viscoelastomeric、粘弾性高分子)熱硬化性オーバーレイ層3に対する全体的な付着力を、オーバーレイ層3と基体5の背面部9の材料との間の全体的な粘着力より大きいものとして有することが望ましい。当業者であれば、オーバーレイ層3と基体5の前面部7の材料との間の付着力の精度およびオーバーレイ層3と基体5の背面部9の材料との間の全体的な粘着力の精度が、多数の要因、例えば、基体5の前面部7および背面部9の1または複数の材料(material(s)、それぞれの材料)のそれぞれの表面特性、基体5の前面部7の材料にオーバーレイ層3が付着する方式(例えば、粘着力によるボンディング接合、現場での硬化)、平滑面(a smooth surface、非凹凸面、投錨部位を有しない未処理面)に対する複数の投錨部位(anchoring sites、前記平滑面と同じかまたはそれとは異なる片面部における複数の投錨部位)の影響力(presence、存在比率など)、その他同様なものによって変動することを認識する。
【0075】
引き続き
図1A-
図8を参照すると、発明品としての可撓性ロールアップ型収容体組合せ体1は、さらに、粘弾性(viscoelastomeric、粘弾性高分子)熱硬化性オーバーレイ層3を含む。その最も基本的な形態においては、粘弾性(viscoelastomeric、粘弾性高分子)熱硬化性オーバーレイ層3は、プレポリマー(prepolymer)(例えば、グリコールプレポリマー(glycol prepolymer))、架橋ポリオール(crosslinking polyol)(例えば、トリオール(triol))、直鎖連鎖ポリオール(straight chain linking polyol)(例えば、ジオール(diol))および可塑剤(例えば、エポキシ化可塑剤(epoxidized plasticizer))を含む。粘弾性(viscoelastomeric、粘弾性高分子)熱硬化性オーバーレイ層3は、本発明の範囲から逸脱することなく、さらに、他の添加物、例えば、別の可塑剤、触媒、着色剤、UV抑制剤(UV inhibitor、UV阻害剤)、香料、およびその他同様なものを含んでもよい。
【0076】
概略的に、発明品としての粘弾性(viscoelastomeric、粘弾性高分子)熱硬化性オーバーレイ層3は、特定の収容体組合せ体1および/またはそれの収納されたアイテム(item(s))13を収容するのに適したサイズを有してもよい。例えば、オーバーレイ層3は、任意の目標形状(例えば、四角形、長方形、台形、三角形、円形、長円形(oval、楕円形)、不規則形状など)を有してもよく、また、典型的には、可撓性支持基体5に類似する形状を有するが、その必要がない場合もある(例えば
図1Aと
図5Aとを互いに比較されたい)。同様に、オーバーレイ層3の寸法は、典型的には、可撓性支持基体5の寸法と等しいかまたはそれより短い。しかしながら、オーバーレイ層3は、本発明の範囲から逸脱することなく、1または複数の寸法において、基体5より長いということもあり得る。さらに、可撓性ロールアップ型収容体組合せ体1は、本発明の範囲から逸脱することなく、単一のオーバーレイ層3または複数のオーバーレイ層3を含んでもよい(
図8を参照)。
【0077】
同様に、粘弾性(viscoelastomeric、粘弾性高分子)熱硬化性オーバーレイ層3は、均一または不均一であってもよい板厚を有する。その板厚に関して特定の制限はないが、オーバーレイ層3は、可撓性を保持しおよび/または当該ユーザの意図通りに作用することを条件とする。例えば、非排他的な望ましい一具体例においては、粘着剤が塗布されたオーバーレイ層3(すなわち、その場合、事前製作された(prefabricated、収容体組合せ体1の完成前に、予め粘着剤が塗布されて完成された、または、可撓性支持基体5から独立して単独で完成された、など)オーバーレイ層3が可撓性支持基体5に適用される(applied to、に付着される))は、収納されたアイテム13(stowed items)を動きに対抗するように安定化させるために目標の凝集力および粘着力を提供することを目的として、約10mm未満の板厚、例えば、約5mm未満、または約3mm未満、または約0.5mmから約10mmまでの範囲内の板厚を有してもよい。別の非排他的な望ましい具体例においては、オーバーレイ層3が、熱硬化性接合形態(thermoset bonded form、熱硬化性反応媒質が粘着剤としてボンディング接合された形態など)(すなわち、この場合、オーバーレイ層熱硬化性反応媒質(overlay thermosetting reaction media、オーバーレイ層用熱硬化性反応媒質、最終的にオーバーレイ層3になる熱硬化性の反応媒質)が最初に液体という形態で可撓性支持基体5に塗布され、その後、その場で硬化される)であり、この具体例においては、粘弾性(viscoelastomeric、粘弾性高分子)熱硬化性オーバーレイ層3(the viscoelastomeric thermoset overlay 3、1枚の粘弾性熱硬化性オーバーレイ層3など)の板厚が、収納されたアイテム13(stowed items)を動きに対抗するように安定化させるために目標の凝集力および粘着力を提供することを目的として、より薄いもの、例えば、約8mm未満、または約4mm未満、または約1mm未満、または約0.1mmから約8mmまでの範囲内の板厚が効果的に使用されるかもしれない。理解すべきことは、より厚いオーバーレイ層3(thicker overlays 3、1枚または複数枚のオーバーレイ層3)(すなわち、各々、10mmより大きい板厚、および8mmより大きい板厚)を、本発明の範囲から逸脱することなく、例えば、比較的重いアイテム(items)13を収納するという用途において利用することも可能であるが、一般的には不要であるかもしれないということである。
【0078】
発見されたことは、独自の熱硬化性反応媒質が、本発明に従う粘弾性(viscoelastomeric、粘弾性高分子)熱硬化性オーバーレイ層3であって、本発明に従う可撓性ロールアップ型収容体組合せ体1での利用時に予想以上に優れた特性を有するものを生み出すということである。この種の熱硬化性反応媒質は、ポリイソシアネート(polyisocyanate)とポリオール(a polyol)とを反応させることにより誘導されるポリウレタン(polyurethanes)系のオーバーレイ層3を提供する。前記熱硬化性反応媒質は、さらに、規定量の分極化オーガニック可塑剤(a polarized organic plasticizer、極性化されたオーガニック可塑剤)を有し、このことについては後に詳述する。この出願書類中での用途において、分極化可塑剤(a polarized plasticizer、極性化可塑剤)として特に効果的なものは、エポキシ化トリグリセリド(epoxidized triglycerides )、例えば、エポキシ化された野菜油であって、典型的には、反応媒質の全重量のうちの約50重量パーセント未満の量であるものである。
【0079】
望ましくは、前記熱硬化性反応媒質のポリオール(polyols)は、直鎖連鎖ポリオール(straight chain linking polyol)反応物および架橋ポリオール反応物(crosslinking polyol reactants)、例えば、直鎖連鎖ポリエーテルジオール(straight chain linking polyether diols)および架橋エーテルトリオール(crosslinking polyether triols)を含み、それぞれは、末端官能基(a terminating functional group)、例えば、ヒドロキシル基(hydroxyl group、ヒドロキシ基、水酸基)(例えば、ポリオキシエチレンジオールおよびトリオールならびに/またはポリオキシプロピレンジオールおよびトリオール(polyoxyethylene and/or polyoxypropylene diols and triols))であり、それらは、典型的には、1,000を超える分子量、例えば、約1,000から約20,000までの範囲内の分子量を、それぞれの既定量(prescribed amounts)で有しており、このことについては後に詳述する。
【0080】
発明品としての(inventive)オーバーレイ層3は、
図1A-
図8に示す如き可撓性ロールアップ型収容体組合せ体1の使用時に、目標の特性として、可撓性(flexible)、凝集性(cohesive)、粘着性(adhesive)および剥離効果(releasability efficacy)を有しており、このオーバーレイ層3は、適切に構成されたカルバメート(carbamate)熱硬化性結合(thermoset linkage)(例えば、ウレタン(urethane))を提供する熱硬化性反応媒質前駆体(thermosetting reaction media precursor precursor)の調製(preparation、製造)を必要とする。一般に、その適用可能な熱硬化性ポリウレタン前駆体は、オーバーレイ層3を調製するために、規定量のポリオール(polyols)(例えば、ジオールおよびトリオール(diols and triols))であって、硬化剤(a hardener、ハードナー)の開環種(a ring-opening species、開環反応または開環重合化を行う種族、標的物質を開環して付加する種類の物質など)(例えば、アミン(amine)、アミド(amide)、メルカプタン(mercaptan)、無水物(anhydride)、ジイソシアネート(diisocyanate)の如きポリシアネート(polycyanate)など)と反応するものを含む。複数のポリオール反応物(reactants)の比率(ratio、配合割合)、硬化剤の量および種類、任意選択的な触媒の種類、反応温度等は、直鎖連鎖ポリオール(straight chain linking polyol)反応物と架橋ポリオール反応物(crosslinking polyol reactants)とに与えられる適切なバランスに関して慎重に監視され、そのバランスは、適宜選択される可塑剤およびその量との組合せにおいて必要とされるところの、前述の必要な架橋(cross)および直鎖(linear)の熱硬化性結合(thermoset linkage)を生成するために与えられ、前述の可塑剤およびその量は、本発明に従う独自の粘弾性(viscoelastomeric、粘弾性高分子)熱硬化性オーバーレイ層3の安定性、可撓性、凝集性、粘着性および剥離性を提供するために選択される。実際に、他の反応物、触媒、反応温度および反応条件(conditions)が、過度に架橋された熱硬化性ポリマーであってそれの複数の架橋部位(cross-linkage sites、架橋点)間の不十分な直鎖状ブリッジ(straight chain bridging)を伴うものを生じさせると、この出願書類中での用途において、効果的な粘弾性(viscoelastomeric、粘弾性高分子)熱硬化性オーバーレイ層3を生成することの失敗を招く。よって、上述の熱硬化性反応物および反応条件(conditions)は、過度な架橋を抑制するとともに、過度な(excessive、非常に低い)ガラス転移温度を有する熱硬化性ポリマ-を生成するように精選される。
【0081】
複数の反応物および反応条件(conditions)は、直鎖性(linear)、凝集性および粘着性をそれぞれより高度に有する熱硬化性粘弾性主鎖構造(thermoset viscoelastomeric backbone structure)であって効果的な極性可塑剤(polar plasticizer、分極化された可塑剤など)の添加(loading、搭載、導入)を受容するものに有利であり、それら反応物および反応条件は、オーバーレイ層3を提供することに特に良好に適している。比較的大きな発熱反応(exothermic reaction)および/またはより高温な(elevated)硬化温度は、比較的高い剛性(rigid)を有する熱硬化性ポリマーを生成する傾向があるため、上述の反応物および反応媒質条件は、望ましくは、比較的遅い反応速度(例えば、触媒選択による)と、比較的低い硬化温度と、より制御される(more controlled、より高精度に管理される)硬化時間とを、直鎖生成ポリオール反応物(straight chain producing polyol reactants、反応物としての直鎖生成ポリオール、反応物としての直鎖連鎖ポリオール)の、架橋ポリオール反応物(crosslinking polyol reactants、反応物としての架橋ポリオール)に対する有効量(例えば、ジオールの、トリオールに対する比率)であって、効果的な複数の可塑剤と、それぞれの既定量(この出願書類中において詳述される)で組み合わせられる(in combination with、混合される)ものと共に利用し、それら要因のすべては、オーバーレイ層3の目標特性を実現するために高精度に制御される(carefully controlled、高精度に監視される)。したがって、高精度に制御される反応媒質条件は、適切な反応物および可塑剤と結合されると、それに従い、可撓性を有する反応生成物(すなわち、オーバーレイ層3)であって、直鎖結合(straight chain linkages)および架橋結合(cross-linkages)を有するものが有効量で提供され、その結果として、凝集性および剥離可能な粘着性を有する高度に独自的な熱硬化反応生成物であって、この出願書類中のオーバーレイ層3として使用されるために特に構成されたものが生成される。
【0082】
上述の反応物は、さらに、熱硬化性反応媒質であって、本発明に従う可撓性ロールアップ型収容体組合せ体1という用途のために特に構成されたオーバーレイ層3に効果的に変換可能なものを提供するように適切に調製される。結果物としての熱硬化性可塑化粘弾性(viscoelastomeric、粘弾性高分子)反応生成物は、ラビリンス重合化構造(polymerizate structure、重合体構造)であって、予想以上に優れた凝集性および粘着性を有するオーバーレイ層3を提供するものを生み出す。本発明に従う独自の熱硬化性オーバーレイ層3は、さらに、予想以上に優れた凝集力および粘着力に加えて、低リバウンド速度(rebound velocity、低反発速度、低弾性、低弾性回復速度、除荷時にオーバーレイ層3が変形状態から原状態に低速度で復元する、など)特性およびヒステリシス特性を示す可撓性粘弾性(viscoelastomeric、粘弾性高分子)熱硬化性ポリマーとして特徴付けられる。オーバーレイ層3の目標の可撓性により、オーバーレイ層3が、可撓性支持基体5の上に適切に結合する(mate、合体する、かみ合う)ことと、基体5の可撓性という属性と実質的に調和して作用する(operate、動作する、使用される)こととが可能となる。いくつかの側面においては、オーバーレイ層3が、さらに、極めて優れた記憶特性(memory attributes、形状記憶特性、復元特性)を有する。
【0083】
前述のように、粘弾性(viscoelastomeric、粘弾性高分子)熱硬化性オーバーレイ層3は、熱硬化性反応媒質プレポリマーであって、適切に構成されたカルバメート(carbamate)熱硬化性結合(thermoset linkage)(例えば、ウレタン(urethane))を提供するものを含む。適したプレポリマーは、硬化剤の開環種(a ring-opening species)(例えば、アミン(amine)、アミド(amide)、メルカプタン(mercaptan)、無水物(anhydride)、ジイソシアネート(diisocyanate)の如きポリイソシアネート(polyisocyanate)を含むイソシアネート(isocyanate)など)を含む。非排他的な望ましい一具体例においては、前記プレポリマーが、ポリイソシアネートプレポリマー(polyisocyanate prepolymer)である。適したポリイソシアネート(polyisocyanates)は、限定的ではないが、芳香族ジイソシアネート(aromatic diisocyanates)(例えば、ジフェニルメタンジイソシアネート(diphenylmethane diisocyanate)、メチレンジフェニルジイソシアネート(methylene diphenyl diisocyanate)(MDI)またはトルエンジイソシアネート(toluene diisocyanate)(TDI))および脂肪族ジイソシアネート(aliphatic diisocyanates)(例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート(hexamethylene diisocyanate)(HDI)またはイソホロンジイソシアネート(isophorone diisocyanate)(IPDI)を通常のプレポリマーという形態で含む。前記熱硬化性反応媒質のプレポリマー成分(および、それにより、結果物としての粘弾性(viscoelastomeric、粘弾性高分子)熱硬化性オーバーレイ層3のプレポリマー成分)は、典型的には、反応媒質の全重量のうちの約1重量パーセントから約10重量パーセントまでの範囲内の量、例えば、反応媒質の全重量のうちの約2重量パーセントから約9重量パーセントまでの範囲内、または約3重量パーセントから約8重量パーセントまでの範囲内、または約4重量パーセントから約7重量パーセントまでの範囲内において存在する。
【0084】
前述のように、粘弾性(viscoelastomeric、粘弾性高分子)熱硬化性オーバーレイ層3は、さらに、ポリオールを含む。典型的には、オーバーレイ層3は、直鎖連鎖ポリオール(straight chain linking polyol)および架橋ポリオール(crosslinking polyol)を、合計量が反応媒質の全重量のうちの約35重量パーセントから約70重量パーセントの範囲内のものとして含み、ここに、直鎖連鎖ポリオール(straight chain linking polyol)対架橋ポリオール(crosslinking polyol)の重量比は、約4:1から約1:4までの範囲内である。いくつかの望ましい具体例においては、前記直鎖連鎖ポリオールが2官能性(two-functional)ポリオール(すなわち、ジオール)という形態であり、また、前記架橋ポリオールが3官能性(three-functional)ポリオール(すなわち、トリオール)という形態であり、それぞれ、例えば、ポリエーテルジオール反応物およびポリエーテルトリオール反応物である(例えば、ポリオキシエチレンジオールおよびトリオールならびにポリオキシプロピレンジオールおよびトリオール(polyoxyethylene and polyoxypropylene diols and triols))。このような具体例においては、前記反応媒質内のトリオールが原因で、架橋(crosslinking)が、粘弾性(viscoelastomeric、粘弾性高分子)熱硬化性オーバーレイ層3において結果的に生成される重合化構造(polymeric structure、ポリマー)内において、利用可能な3つの反応性官能基(reactive functional groups)(例えば、ヒドロキシル基)を提供することにより、生じる。これに対し、前記反応媒質内のジオールは、非架橋結合(uncrossed linkages)(すなわち、直鎖結合(straight chain linkages))を、粘弾性(viscoelastomeric、粘弾性高分子)熱硬化性オーバーレイ層3において結果的に生成される重合化構造(polymeric structure、ポリマー)内において提供する。いくつかの具体例においては、特定の複数の収納可能アイテム13が、他の複数の収納可能アイテムに対して相対的に低い粘着度を必要とするかもしれない(例えば、比較的脆弱な(fragile)収納可能アイテム13か、より頑強な(substantial、より強靭な)収納可能アイテム13か)。この種の低い粘着度は、相対的に高いトリオール含有量(higher triol content)(例えば、ジオール対トリオール比が約1:4)を使用することにより達成可能である。これに対し、比較的高いジオール含有量(higher triol content)(例えば、ジオール対トリオール比率が約4:1)は、比較的高い粘着力を実現し、このことは、比較的重いかおよび/または高い耐久力のある収納可能アイテム13により適するかもしれない。
【0085】
本発明に従う望ましくかつ効果的である直鎖連鎖ポリオール(straight chain linking polyols)および架橋ポリオール(crosslinking polyols)は、酸素およびヒドロカルビル基の繰り返し構造(repetitive oxygen and hydrocarbyl groups、酸素および複数のヒドロカルビル基(炭化水素基など)の繰り返し構造、前述のエーテル基の繰り返し構造など)であって長い分子鎖長(すなわち、少なくとも約1,000の分子量)を有するものを有するポリオール、例えば、重合化可能な(polymerizable)官能ヒドロキシル基(functional hydroxyl groupings)を備えたポリエーテルを含む。適した直鎖連鎖ポリオール反応物は、ポリエーテルジオールであって、その特徴を表すように、2つの末端ヒドロキシル基(terminal hydroxyl groups)を有する直鎖ポリエーテル分子鎖から構成されるものを含む。適した架橋ポリオール反応物は、ポリエーテルトリオールであって、その特徴を表すように、2つの末端架橋反応性ヒドロキシル基および1つの追加された架橋反応性ヒドロキシル基(two terminal and one additional crosslinking reactive hydroxyl groups)を有するものを含み、それらは、前記熱硬化性反応媒質内において上述の複数の多官能性(polyfunctional)架橋部位を提供する。
【0086】
直鎖連鎖ポリオール(straight chain linking polyols)および架橋ポリオール(crosslinking polyols)は、この出願書類中の粘弾性(viscoelastomeric、粘弾性高分子)熱硬化性オーバーレイ層3を製造する(preparing)際に特に有用であるが、それらは、少なくとも1,000の分子量を有する酸素含有ヒドロカルビルポリオール(oxygen containing hydrocarbyl polyols)から誘導され、さらに、酸素含有官能基の繰り返し構造(repetitive oxygen containing functional groups)、例えば、典型的には、ポリエステル基およびポリエーテル基(polyester and polyether groupings)によって提供されるようなものを含む。複数の電子がそれの軌道に関する必要性を満たすという、前記酸素原子の電子的必要性のため、複数の架橋部(cross-linkages)(例えば、トリオール)間にサンドイッチされる直鎖結合(例えば、ジオール)の上述の内部酸素含有基の繰り返し構造(repetitive internal oxygen-containing groupings、上述の酸素含有官能基の繰り返し構造)は、対応する可塑剤集中部(concentration)であって実質的に分極された(polarized)もの(a corresponding substantially polarized plasticizer concentration、それぞれ対応する、分極された部位であって、分極された可塑剤のうちのある量が吸引されて局所的に集中するもの)を前記重合化構造(polymeric structure、ポリマー)内において均一にホストするために、理想的な複数の分極飛び地(polarized enclaves、分極された複数の群(領域、島)であって、主鎖全体に一様に分散するもの)を実現するように見え(it appears that)、それら飛び地のすべては、見かけ上(appear to)、包括的に、凝集性と粘着性とに関する相乗効果をオーバーレイ層3に付与する。
【0087】
直鎖連鎖ポリエーテルポリオールおよび架橋ポリエーテルポリオールは、様々な鎖長、典型的には、約1,000から約20,000までの範囲内の分子量において商業的に利用可能である。それらポリエーテルポリオールであってこの出願書類中において最も適したものは、室温(すなわち、約21℃)で実質的に液体であり、かつ、典型的には、約20,000未満の分子量、例えば、約15,000未満、または約10,000未満の分子量を有するものである。前記熱硬化性反応媒質を可撓性支持基体5に適用する(apply、塗布する、付着する)際において最初の混合工程および事前製作工程(the initial mixing and prefabricating steps、最初の混合工程であって、前記反応媒質を生成するために前述の複数の成分を混合する工程と、事前製作工程であって、最初の))の実施中において流動性を維持することにおいて製造上の確実な利点が存在するため、この種のポリオールは、流動性が高いほど、それらの用途において高い有用性を有し、ここに、オーバーレイ層3は、可撓性支持基体5のうちのいくつかの凹部または多孔質部分内に浸透する。いくつかの望ましい具体例においては、直鎖連鎖ポリエーテルジオール反応物および架橋ポリエーテルトリオール反応物であってこの出願書類中での用途において特に効果的なものが、前記可塑剤を、高度に効果的である形態であって粘弾性および粘着性を有するもので収容する(housing)ために高度に効果的である熱硬化性高分子構造を提供することを目的として、ポリオキシエチレンジオールおよびトリオールならびにポリオキシプロピレンジオールおよびトリオール(polyoxyethylene and polyoxypropylene diols and triols))であって、概して約1,000から約20,000までの範囲内の分子量を有するものを含み、具体的には、この種のジオールは、約2,000から約6,000までの範囲内の分子量を有する一方、この種のトリオールは、約1,000から約10,000までの範囲内の分子量を有しており、さらに具体的には、この種のジオールは、約3,000から約5,000までの範囲内の分子量を有する一方、この種のトリオールは、約2,000から約8,000までの範囲内の分子量を有する。
【0088】
前述のように、注意を払うことが必要であるのは、架橋の程度(the extent of crosslinking、架橋度)に関してであり、同様に、前記複数の架橋部位を分離する前述の、介在するポリオキシアルキレン直鎖結合(straight chain linkage)に関してである。このことは、ジオール対トリオール重量比の中身(content、数値など)を、オーバーレイ層3のために、前述の必要な基礎構造であって直鎖ポリエーテル結合(polyether linkage)および架橋結合(cross-linkage)より成るもの(the necessary straight chain polyether linkage and cross-linkage infrastructure)を提供するように、約4:1から約1:4までの範囲、例えば、約3:1から約1:3までの範囲、または約13:7から約7:13までの範囲、または約3:2から約2:3までの範囲内に維持することにより最も効果的に達成される。
【0089】
前述の熱硬化反応生成物に関する基礎的な分子構造は、十分な量の直鎖ポリエーテル結合を有する熱硬化粘弾性体を生成するために、ジオール対トリオール比(例えば、ジヒドロキシポリアルキレンオキシド(dihydroxy polyalkylene oxide)対トリヒドロキシポリアルキレンオキシド(trihydroxy polyalkylene oxide比)を制御することにより、独自の架橋構造(cross-linked structure)を必要とする。前述のジオール直鎖であって酸素に富むものは、見かけ上(apparently)、前記熱硬化性架橋(cross-linkage)を効果的に分断して、前述の複数の架橋トリオール重合化結合(polymerizate linkages)の間にサンドイッチされる状態となるように作用し、それにより、独自の複数の可塑剤用飛び地(enclaves、エンクレーブ、複数の孤立領域など)を実現する。低下させられたレベル(reduced level、低いレベル(架橋度)、完全に架橋されたポリマーしか含まない架橋反応物より低い架橋度など)のトリオール架橋(cross-linkage)(間欠的に配置された複数の直鎖ジオール結合によって生じる)は、前記反応生成物の全体的な粘弾性を変更しない。見かけ上(apparently)、前述の、制御される(controlled)熱硬化構造(thermoset structure、ポリマーなど) であって前記反応産物(the reaction mass、前記反応生成物、化学反応が生じている物質の塊)に全体的に浸透するものは、複数のポリエーテル直鎖ブリッジ(bridges、結合)内に点在する複数の架橋ポリエーテル重合化物(cross-linked polyether polymerizate)内に、制御された(controlled)極性密度を有する複数の部位を生成し、それにより、独自のラビリンス構造(labyrinth structure)を、見かけ上(apparently)、複数の可塑剤(例えば分極化された複数の可塑剤)をそこに(therein、前記反応生成物内に)効果的に添加(loading、搭載)するための適正な極性および閉込め(entrapment)を提供するものとして生成する。粘弾性分子構造を、適切に配向されるとともに分散された(entrained)複数の可塑剤(すなわち、結果的に、ブリード現象が起きない(non-bleeding)ポリマーになる)が添加された(loaded with、搭載された)ものとして確立することにより、オーバーレイ層3の目標の粘着性および凝集性を有する剥離性が達成される。負に帯電した直鎖ジオールおよび架橋トリオールより成る無数の飛び地(enclaves、エンクレーブ)は、見かけ上(appear to)、熱硬化ラビリンスを、前記反応媒質および前述の硬化した反応生成物の全体に均一に分布した前述の複数の分極可塑剤(polarized plasticizer、分極化れた可塑剤)が添加された(loaded with、搭載された)ものとして形成する。この独自の分極重合化基礎構造(polarized polymerizate infrastructure)であって、上述の反応生成物ラビリンス内においてスタッキングする(stacking)分極可塑剤が有効量で搭載されたものは、見かけ上(apparently)、粘着性と凝集性とに関する相乗効果を前記反応生成物に与えるという効果を生み出す。
【0090】
前述のように、粘弾性(viscoelastomeric、粘弾性高分子)熱硬化性オーバーレイ層3は、さらに、可塑剤を含み、より望ましくは、分極可塑剤(polarized plasticizer、分極化した可塑剤)を含む。適した可塑剤として、当該技術分野においてプラスチック用可塑剤として周知である可塑剤があり、具体的には、PVC(PVC、ポリ塩化ビニル)用可塑剤として知られているものがある。いくつかの望ましい具体例においては、エポキシ化トリグリセリド可塑剤が、特に効果的であったことが確認された(found)。この出願書類中での用途に適するエポキシ化トリグリセリド可塑剤として、エポキシ化動物油およびエポキシ化植物油がある。典型的には、この種のエポキシ化トリグリセリド可塑剤は、前記反応媒質の全重量を基準にして、約10重量パーセントから約50重量パーセントの範囲内、例えば、約20重量パーセントから約50重量パーセントまでの範囲内、または約25重量パーセントから約40重量パーセントまでの範囲内のレベルで前記反応媒質中に存在することが可能である。非排他的な一具体例においては、オーバーレイ層3を可撓性支持基体5に効果的に適用すること(application、付着すること)が、エポキシ化トリグリセリド可塑剤の含有量が、前記反応媒質の全重量のうちの約25重量パーセントから約35重量パーセントまでの範囲内であったときに達成可能である。注目すべきことは、結果物としてのオーバーレイ層3の重量が、硬化中に、前記反応媒質の重量から概して変化しないことから、「反応媒質の全重量を基準とする重量パーセント」という用語は、この出願書類中では、「オーバーレイ層3の重量を基準とする重量パーセント」(およびそれの派生語を含む)と概して等価であるということである。
【0091】
いくつかの望ましい具体例においては、エポキシ化植物油が、前記発明品としての粘弾性(viscoelastomeric、粘弾性高分子)熱硬化性オーバーレイ層3のための前記可塑剤として効果的に作用することが確認された(found)のであり、その可塑剤は、前述の、ブリッジングを行う(bridging、複数の架橋反応物をつなぐためにそれらの間に形成されるブリッジを有する)直鎖ポリエ-テルジオール重合化物(straight chain polyether diol polymerizates)と組み合わされると、結果物としての、硬化された粘弾性(viscoelastomeric、粘弾性高分子)熱硬化性オーバーレイ層3において、目標の可撓性、可塑性、剥離性、凝集性および粘着性に関する効果を予想以上に生成することになる。特に効果的な凝集性および粘着性が、前記エポキシ化植物油可塑剤の濃度が前記反応媒質の全重量のうちの約50重量パーセント未満、例えば、約45重量パーセント未満、または約10重量パーセントから約50重量パーセントまでの範囲内に維持されるときに、オーバーレイ層3に付与され、それにより、粘着性および凝集性が安定するという効果が特に強化されたものとしてオーバーレイ層3に提供される。他のいくつかの具体例においては、前記エポキシ化トリグリセリド可塑剤が、エポキシ化植物油という形態であってもよく、そのエポキシ化植物油の重量であって、前記反応媒質の全重量のうちの約20重量パーセントから約50重量パーセント未満値までの範囲内のものは、いくつかの具体的な用途に特に効果的である。利用可能なエポキシ化植物油製の可塑剤は、様々なエポキシ化植物油(例えば、ヒマシ油、トウモロコシ油、綿実油、パーム油、ベニバナ油、アマニ油、大豆油、ココナッツ油、オリーブ油、ピーナツ油、菜種油、カノーラ油等)を含んでもよいが、この出願書類において発見されたことは、いくつかの望ましい具体例においては、エポキシ化大豆油(epoxidized soybean oils)が、粘弾性(viscoelastomeric、粘弾性高分子)熱硬化性オーバーレイ層3を形成するために前記反応生成物を製作するときに前述のエポキシ化トリグリセリド可塑剤成分として特に効果的であるということである。
【0092】
前述の粘弾性(viscoelastomeric、粘弾性高分子)熱硬化性構造は、多数の可塑剤の添加(loading、搭載、混入、混合)に特に適合するように構成されるが、確認されたことは、前述の酸素含有粘弾性重合化鎖結合(the oxygenated viscoelastomeric polymeric chain linkage、酸素含有基を有する主鎖など)と前記可塑剤との間に極性引力を生成する極性可塑剤(polar plasticizer)(例えば、エポキシ化トリグリセリド)が特に望ましいということであった。この分子電子引力は、見かけ上(apparently)、前記反応生成物およびその結果物であるオーバーレイ層3の粘着性および凝集性という独自の特性に寄与する。前述の複数の可塑剤(the plasticizers)は、硬化後の熱硬化粘弾性体に効果的に添加することができないため、前述の可塑化リーエイジェント(plasticizing reagents、前記可塑剤)を、硬化に先立ち、前述の熱硬化性の反応媒質内に均一に組み込み、それにより、当該可塑化リーエイジェントが、それの硬化前の組成物(composition、前記反応媒質)の全体にわたって一様に(uniform)かつ同質に(homogeneous)、分極化された状態で分布することが必要である。前記反応媒質の熱硬化条件は、見かけ(apparently)、整列する(uniformly align、均一に並ぶ)とともに、前述の熱硬化性の反応物のうちの複数の極性吸引重合化鎖セクション(the polar attracting polymeric chain sections)と前記可塑剤との間に、極性によって位置決め(positioning)と配向(alignment)とを相乗的に行い、それにより、結果物としてのオーバーレイ層3内において、粘着性を有するとともに分極された可塑剤の添加と可塑剤の(thereof)配向とを高度に効果的に行う。これにより、粘着性(tenacious、固持する状態、しっかりつかむ状態)および凝集性を有する可塑剤の添加を、その可塑剤をホストする熱硬化性粘弾性重合化構造から、同様に、その構造から誘導されるオーバーレイ層3から可塑剤が浸出し(seepage)または分離する(すなわち、可塑剤のブリード現象が起こる)形跡を伴うことなく、行うことが可能となる。
【0093】
前述のように、この出願書類において発見されたことは、エポキシ化植物油は、結果物としての粘弾性(viscoelastomeric、粘弾性高分子)熱硬化性オーバーレイ層3に対して目標の粘着性、凝集性および可塑化を提供する際に特に効果的であるということである。このようなエポキシ化植物油は、この出願書類における目標の可撓性粘弾性(flexible viscoelastic properties)に寄与する際に特に効果的であり得る。いくつかの側面においては、エポキシ化植物油が、粘弾性(viscoelastomeric、粘弾性高分子)熱硬化性オーバーレイ層3の重量を基準にして、主要な構成成分(the majority constituent、他より優勢な構成成分など)(すなわち、前記反応媒質の全重量を基準として、複数の成分のうち最大量を有するもの)を構成していてもよいが、硬化された反応媒質の全重量のうち約50重量パーセント未満のレベル、例えば、前記反応媒質の全重量のうちの約25重量パーセントから約45重量パーセントまでの範囲内、または前記反応媒質の全重量のうちの約30重量パーセントから約40重量パーセントの範囲内のレベルに維持されることが望ましい。
【0094】
植物油を用いて成分調整(formulated)されたオーバーレイ層3を製作する際、前記反応媒質は、典型的には、予め定められた量(measured amount)のトリグリセリド成分(例えば、エポキシ化脂肪トリグリセリド)を、そのトリグリセリドが前記反応媒質の全重量のうちの約50%未満であり、かつ、前述の直鎖状の熱硬化性成分(直鎖状反応物)の有効量、例えば、ポリエーテルジオールによって提供されるものを伴う状態で含む。意外なことに、前記トリグリセリド可塑剤(例えば、エポキシ化トリグリセリド可塑剤)の含有量を減少させる一方で、前述の、直鎖結合を生成する熱硬化性反応物(the straight chain forming thermoset reactants、前記直鎖状反応物、前述の主鎖のうちの直鎖部分を提供するポリオールなど)の量であってつりあうもの(a proportionate amount of、それら増減前と同じ効果が達成される量)を増加させることにより、この出願書類において確認されたことは、結果物としてのオーバーレイ層3の、硬化後の凝集性、粘着性(tackiness)(すなわち、接着/粘着性)およびすべての効果の向上が可能であり、このことは、前記反応媒質が依然としてトリグリセリド成分(例えば、エポキシ化大豆油(epoxidized soybean oil)(ESO))を、重量を基準にすると(by weight)反応媒質のうち主要である(majority、半分以上である、など)主成分として含有する場合であっても変わらないということである。
【0095】
高濃度の可塑剤(high-plasticizer)(すなわち、約10重量パーセントより多い可塑剤)を含む従来の(conventional、通常の)熱硬化性組成物(thermoset formulations)(可塑剤のブリード現象(bleed、析出)を起こさせる傾向を有する)と比較すると、この出願書類において発見されたことは、オーバーレイ層3の組成上の凝集性および粘着性を増加させつつ可塑剤のブリード現象を軽減することを、前記反応媒質の全重量のうちの50%未満のエポキシ化オイル成分を用い、かつ、前述の架橋ポリオール反応物を実質的に減少させる(substantial decrease、大幅に減少させるなど)ことによって達成可能であり、かつ、そのことにより、架橋結合の減少と、前述の、直鎖結合を生成する(producing)ポリオール反応物によって提供されるような直鎖構造の付随的な増加とが招来されるということである。前述の熱硬化性反応生成物(前記エポキシ化トリグリセリド可塑剤に加えて他の通常のプラスチック用可塑剤(plastic plasticizer)が使用されるか否かを問わない)内における重合化分子変化(polymeric molucular change、分子状態の遷移など)は、見かけ上(apparently)、前述の独自の酸素含有粘弾性ポリエーテル主鎖構造であって、前述の、硬化した反応生成物の塊(mass)内において絡み合った(intertwined)ものによって効果的に発現される(expressed)局在化分子間極性電荷を作り出し、それら要素のすべてにより(all of which)、分極可塑剤を高度に効果的な添加すること(loading、搭載、導入)が行われ、それにより、予想以上に望ましい粘弾性オーバーレイ層3であって粘着性および凝集性を有するものを生み出し、そのオーバーレイ層3は、高度に効果的である剥離性およびノンブリード特性を保有する。したがって、オーバーレイ層3のための、凝集性および粘着性に関する良好な効果が、トリグリセリド可塑剤の含有量(content)が前記反応媒質の全重量のうちの約10重量パーセントから約50重量パーセント未満値までの範囲内であるときに達成可能である。
【0096】
いくつかの側面においては、低粘度化(viscosity reducing)を行うエステル可塑剤を前記トリグリセリド可塑剤(例えば、エポキシ化トリグリセリド)のうちの少なくともいくつかに添加するか、または、前記トリグリセリド可塑剤(例えば、エポキシ化トリグリセリド)のうちの少なくともいくつかを低粘度化(viscosity reducing)を行うエステル可塑剤に置換すると、オーバーレイ層3の凝集性および粘着性を効果的に維持しつつ、さらに、優れた可撓性、剥離性および安定性を提供することが可能である。特定の極性エステル可塑剤であって、室温(room temperature、常温)で、流体が持つ粘稠度(fluid consistency)(例えば、液体)を有し、かつ、典型的には、比較的低い分子量(すなわち、約750以下の分子量)を有するものは、初期の硬化段階において、並外れた加工用(working、作業用)粘度に効果的に寄与し、それにより、前記反応媒質を目標のオーバーレイ層3に変換する事前製作作業(prefabrication)が一層容易になる。
【0097】
いくつかの側面においては、この種の低分子量可塑剤(例えば、エステル可塑剤)が、低粘度熱硬化性反応媒質を生成するために効果的に使用されることができる(エポキシ化トリグリセリド可塑剤の単独使用時と比較すると)。例えば、低分子量エステル可塑剤を前記エポキシ化トリグリセリド可塑剤に添加するか、および/または前記エポキシ化トリグリセリド可塑剤を部分的に低分子量エステル可塑剤に置換すると、前記熱硬化性反応物の流動性および加工性(workability、作業性)を大幅に向上させつつ、さらに、オーバーレイ層3の他の目標の属性であって熱硬化性に関するものを維持することが可能である。この種のエステル可塑剤(特に、この種の低分子量エステル可塑剤)であって、直鎖連鎖ポリオール(straight chain linking polyol)対架橋ポリオール(crosslinking polyol)の重量比(例えば、ジオール対トリオールの比)であって制御された(controlled)ものを伴い、かつ、前記エポキシ化トリグリセリド可塑剤と組み合わせられるものは、反応媒質であって、その場で(in situ)粘着状態で(tenaciously)硬化して多くの可撓性支持基体5に接合するものを提供するために効果的に利用されることが可能である。現場での硬化(in situ curing、現場硬化)というこの種のいくつかの用途のうち大抵のものにおいては、エポキシ化トリグリセリド可塑剤対エステル可塑剤(存在する場合)の重量比が、概して、典型的に、約8:1から約1:3までの範囲内、例えば、約4:1から約1:1までの範囲内であってもよい。前記熱硬化性重合化反応物の分子サイズ、構成、極性、官能分子基等は、この種の低分子量エステル可塑剤と前記エポキシ化植物油(epoxidized vegetable oil、エポキシ化植物油可塑剤)とをそれぞれ、予め定められた量(measured amounts)(この出願書類中に示す)で混合させた混合物と共に、目標の特性として、独自の凝集性および粘着性および剥離性を有する粘弾性(viscoelastomeric、粘弾性高分子)熱硬化性オーバーレイ層3を形成することに包括的に寄与する。
【0098】
前述のように、オーバーレイ層3は、望ましくは、有効量の長鎖ポリエーテル重合化結合(long chain polyether polymeric linkages)であって前述の適したプレポリマー(例えば、ジイソシアネート)と組み合わされたものと、ポリエーテル重合化架橋結合(polyether polymeric cross-linkages)とにより構成され、それにより、前述の熱硬化粘弾性反応生成物基礎構造内における極性可塑化成分の添加のために予想以上に高い親和力を有する目標の極性を有する重合化鎖(a polymeric chain、1本の重合化鎖など)を提供する。いくつかの望ましい具体例においては、前述のすべての可塑剤(すなわち、エポキシ化可塑剤および非エポキシ化可塑剤)の濃度は、典型的には、前記反応媒質の全重量のうちの約10重量ペーセントから約55重量パーセントまでの範囲内、例えば、前記反応媒質の全重量のうちの約20%から約50%までの範囲内、または前記反応媒質の全重量のうちの約25重量パーセントから約45重量パーセントまでの範囲内にあることが可能である。いくつかの具体例においては、非エポキシ化可塑剤が追加されるとき(すなわち、前記エポキシ化トリグリセリド可塑剤に添加されるとき)、エポキシ化可塑剤対非エポキシ化可塑剤の重量比は、望ましくは、約1:0から約1:1までの範囲内、例えば、約6:1から約3:1までの範囲内であってもよい。
【0099】
特定の非エポキシ化可塑化エージェント(plasticizing agent)の選択およびそれの濃度の選択は、前記熱硬化性反応媒質を可撓性支持基体5に塗布する工程(application、適用する工程)の実行中、顕著な粘性効果を有する可能性がある。例えば、適したエステル可塑剤(例えば、アルコールと脂肪酸とを反応させることによる)に前記反応媒質を添加することは、前記反応媒質の粘度を低下させるように作用する可能性がある。さらに、前記エステル可塑剤のうち特定のもの(例えば、ジブチルセバケート)は、熱硬化性反応媒質であって、並外れた熱硬化性粘着性を提供し、ひいては、例えば、硬化前の反応媒質を可撓性支持基体5に直に適用しその後その場で硬化させることに特に適したものにすることができるものを調製するために効果的に利用されてもよい。他の適したエステル可塑剤は、アルコール(C1-C18)とポリカルボン酸(polycarboxylic acid、カルボキシル基を有する有機酸)とより成るエステル縮合物(ester condensation product)から誘導されることが可能である。この種のエステル可塑剤は、有利なことに、具体的な最終用途のために個別に仕立てられた粘着性を有する熱硬化性反応物を提供する熱硬化性反応媒質を調製する際に利用されることが可能である。例えば、いくつかの具体的な用途は、粘着状態での粘着性を必要とするが(例えば、可撓性ロールアップ型収容体組合せ体1内においてパイプレンチを動かないように固定するため)、他のいくつかの用途は、比較的軽い粘着性を必要としてもよい(例えば、可撓性ロールアップ型収容体組合せ体1内において壊れやすいアイテムを動かないように固定するため)。
【0100】
一般に、ポリ塩化ビニルの可塑化のための可塑化エージェント(plasticizing agent)として適している前述の複数の可塑剤は、この出願書類中において、前記反応媒質のための別の非エポキシ化可塑剤として利用されることが可能である。いくつかの側面においては、この種のエステル可塑剤の極性強度(多くの場合、「双極子モーメント(dipole momemnt)」と称される)は、ある程度、アルコール縮合反応物の鎖長に依存し、前記極性強度(which)は、前記熱硬化粘弾性反応生成物の粘着力に影響を与えることもあり得る。例えば、非エポキシ化可塑剤であって比較的高い双極子モーメントを有するもの(例えば、セバシン酸ジブチルは、0デバイ(D)に近い双極子モーメントを有するエポキシ化可塑剤と比較すると、2.48デバイ(D)の双極子モーメントを有する)は、前述の重合化物(the polymerizate、前記熱硬化粘弾性反応生成物、前記ポリマーなど)の目標特性を保持しつつ、さらに、低下させられた(reduced、前述の低粘度化/低分子量エステル可塑剤を追加することによって低下させられた、など)加工用(working、作業用)粘度を有する熱硬化性反応媒質を提供する際に効果的であり、当該非エポキシ化可塑剤は、可撓性支持基体5の多孔性間隙(porous interstices)またはファブリック構造(fabric structures)に浸透するという用途において特に効果的である。例示すると、この種の別の非エポキシ化可塑化エージェントとしては、限定的ではないが、エステル可塑剤、例えば、セバケート(sebacates)、アジペート(adipates)、テレフタレート(terephthalates)、ジベンゾエート(dibenzoates)、グルタレート(glutarates)、フタレート(phthalates)、アゼレート(azelates)およびそれらと同様のものがある。この種のエステル可塑剤は、前記エポキシ化トリグリセリド可塑剤と効果的に共混合して(co-blended)前記熱硬化性反応媒質となり、その目的は、例えば、前記反応媒質の加工用(working、作業用)粘度を作り出すかまたは変更することにある。いくつかのエステル可塑剤であって、1.5D超、例えば2.0D超の双極子モーメントを有するものは、この目的のために効果的に使用してもよい。例示すると、いくつかのエステル可塑化エージェントであって適した双極子モーメントを有するものとして、セバケート(sebacates)、アジペート(adipates)、イソフタレート(isophthalates)、フタレート(phthalates)、マレエート(maleates)、アゼレート(azelates)、グルタレート(glutarates)等についてのジブチル、ジメチルおよびジエチルエステルがある。この出願書類中において発見されたことは、低分子量エステル可塑剤(すなわち、分子量が約750未満であり、例えば、ポリアルキレンエステル可塑剤など)の組込み(incorporation)であって、前記エポキシ化トリグリセリド可塑剤と組み合わせられるものは、それゆえに、オーバーレイ層3の他の独自の特性に悪影響を与えることなく、前記反応媒質が可撓性支持基体5に効果的に浸透することを実現するために利用することが可能である。
【0101】
この出願書類中の発明品としての粘弾性(viscoelastomeric、粘弾性高分子)熱硬化性オーバーレイ層3の一つの利点として、とりわけ、前記可塑剤の浸出(seepage)またはブリードアウト(bleed-out、析出)を、その可塑剤の濃度が比較的に高い(すなわち、約10重量パーセントを超える)にもかかわらず、防止する能力があり、その能力は、同様な可塑剤含有量を有する他のポリマーが遭遇してきた長年の問題を解決する。高度に効果的であるとともに安定した凝集性および粘着性を有するオーバーレイ層3を得るために、架橋(cross-linkage)および直鎖結合(straight chain linkages) のそれぞれの適正量であって互いにつりあうもの(a proper proportional amount、それぞれの適正量であって両者間の重量比が目標範囲内に維持されるもの)が必要である。オーバーレイ層3の前記熱硬化性重合化構造は、制御された(controlled)量(quantum)の架橋構造(cross-linkages)を、制御された(controlled)量の、介在する直鎖極性吸引結合(intervening straight chain polar attracting linkages)と共に必要とし、それにより、高度な可撓性を有する粘弾性主鎖(backbone chain、バックボーン)であって、多くの分極可塑剤をホスティングする(the hosting)のに適した極性を有するものを付与する。これにより、絡み合う主鎖であって、前記粘弾性体の全体(the viscoelastomeric mass、その全体の粘弾性体の塊)にわたって前記可塑化エージェントを凝集的な極性によって配向するのに優れた複数の引力的極性部位(attractive polar sites、引力的極性点)を提供するものを生み出す。この種の絡み合う(intertwined)主鎖であって架橋トリオールおよび直鎖連鎖ジオールの双方を含むものは、前記可塑剤が粘弾性(viscoelastomeric、粘弾性高分子)熱硬化性オーバーレイ層3からブリードアウトすることを防止する。
【0102】
粘着性および凝集性に関する効果を実現するためには、ブリッジ構造(bridging structure、橋渡し構造、複数の架橋部の間の橋渡し部など)のうちの複数の直鎖部(moieties、それぞれ、対応する架橋部と結合される直鎖部分)であって熱硬化性を有するものに対する分子架橋と極性配向との間の調整(control between molecular cross-linkage and polar alignment of straight chain thermoset moieties of a bridging structure、直鎖部と架橋部との間の調整、直鎖鎖ポリオールと架橋ポリオールとの間の調整など)が、前記可塑剤の含有量および種類と同様に、熱硬化性反応媒質内において必要であり、それにより、本発明に従う予想以上の属性を有するオーバーレイ層3が生成される。この出願書類中において発見されたことは、トリオール反応物レベル(level、濃度値、架橋度など)が過度に高いかおよび/または可塑剤含有量が不十分であると、望ましくない程度にかたく(firm、堅く、硬く、など)かつ低い粘度(すなわち、不十分な粘弾性および粘着性)を有するオーバーレイ層3が生成される一方、ジオール反応物レベル(level、濃度値、架橋度など)が過度に高いと、オーバーレイ層3が、収納可能なアイテム13と接触するとその収納可能なアイテム13に過度に強く接合する(すなわち、不十分な剥離性)ということである。この出願書類中に記載されているように、前記可塑剤含有量および前記直鎖ポリオール対架橋ポリオールの重量比(ジオール対トリオールの比)を正確に調整することにより、本発明に従うオーバーレイ層3としての使用に独自に適した粘弾性(viscoelastomeric、粘弾性高分子)熱硬化性反応物が達成され得る。さらに、この出願書類中において発見されたことは、可塑剤の適正な含有量は、前記熱硬化性反応媒質中において、十分な量のポリエーテルジオールと組み合わされることにより、結果物としてのオーバーレイ層3の凝集力、引張強度、軟度(softness、ソフトネス、材料の表面またはその近傍の機械的性質など、表面硬度の逆数など)および撓み易さ(flexibility)を増加させるように作用するということである。ポリエーテルジオール対ポリエーテルトリオールの重量比の規定値は、前記可塑剤の規定量との組合せにおいて、独自の粘着安定性(adhesive stability、粘着度が例えば時間的に安定していることなど)および凝集安定性(cohesive stability、凝集力が例えば時間的に安定していることなど)を実現し、それは、オーバーレイ層3が、アイテム13が長期(例えば、少なくとも1年間)にわたって収納される場合であっても、収納可能アイテム13向けの目標の凝集剥離性(cohesive releasability、凝集状態で剥離が行われる性質など)を機能的に保有することが可能となる。さらに、この出願書類中において発見されたことは、前記反応媒質に低分子量極性可塑剤(polar plasticizer)(すなわち、分子量が約750未満)を搭載する(loading、添加する)と、エポキシ化可塑剤の含有量を減らすことができ、それら低分子量極性可塑剤およびエポキシ化可塑剤(which)は、適正量の熱硬化性ポリエ-テル直鎖結合と組み合わされると、この出願書類中の発明品としての可撓性ロールアップ型収容体組合せ体1での使用において、収納のための目標の粘着性および凝集剥離性を有するという効果を有するオーバーレイ層3を実現することができるということである。さらに、この種の低分子量可塑剤を使用すると、流動性および加工性(workable、作業性)が高い硬化性反応媒質が提供されることが可能であり、その反応媒質は、目標の可撓性ロールアップ型収容体組立せ体1を提供するために、可撓性支持基体5に容易に結合されるかまたは接合されるかもしれない。
【0103】
前述のように、適した分子量(前述)を有する前述の直鎖連鎖ジオールおよび架橋ポリオール(例えば、トリオール)は、前述の硬化された熱硬化性粘弾性重合化構造内において、直鎖構成成分および架橋成分として効果的に作用することが可能である。適切に制御されれば(when properly controlled、両者が濃度バランスに関して適切に制御されれば)、それら(they、前述の直鎖連鎖ジオールおよび架橋ポリオールなど)は、可塑剤の効果的な添加のための適正な重合化構造(polymerizate configuration)および分子極性を有する直鎖結合および架橋結合より成る粘弾性重合化構造であって可塑剤と親和性を有しかつブリード現象が起こらないものを提供する。従来のポリマーであって、同様な(similar、発明品としてのポリマーと同様な)可塑剤含有量を有するもの(例えば、衝撃吸収ポリマー)であるとともに、可塑剤添加を維持できない(よって、可塑剤が浸出する傾向がある)ものに対し、この出願書類中の粘弾性(viscoelastomeric、粘弾性高分子)熱硬化性オーバーレイ層3は、可塑剤の漏れに耐えることができる高い凝集性を有する。ジオール対トリオールの重量比であってこの出願書類中において規定された値は、分極化された(ploralized、極性化された)可塑化成分を、予め定められた量(controlled proportion)で添加することを可能とし、それにより、慎重に構成された熱硬化性反応生成物内において優れた粘着性、凝集性および剥離性を達成し、それにより、分極化された重合化基礎構造であって可塑剤を粘着的に捕捉して可塑剤のブリード(すなわち、漏れ)を防止するものを生成する。前述の必要な、可塑化のための粘着性、凝集性および剥離性という効果を達成するために、前記直鎖ジオール前駆体は、望ましくは、比較的高いポリエーテル分子量を有し(例えば、約2,000-約20,000までの範囲内の分子量)、これ(which、前記直鎖ジオール前駆体)は、反応媒質の高濃度(increase reaction media concentration、ジオール対トリオールの重量比が増加させられた場合)において、適切な鎖長を有する効果的な直鎖状の熱硬化性重合化ポリオキシ構造を生成し、同時に、さらに、前記重合化架橋密度を実質的に低下させるように作用する。一般に、前述の目標の粘着性、凝集性および剥離性と共に、前述の目標の可塑剤の留置および粘弾性による可撓性は、適切な鎖長を有する熱硬化性ジオールおよびトリオールの有効量(例えば、約2,000から約20,000までの範囲内の分子量)を、熱硬化性イソシアネート(例えば、ジイソシアネート)反応物および可塑剤の複数の補因子(cofactors)であって反応媒質の適正量(この出願書類中に記載されている)のもとでのものと共に、内部重合する(interpolymerizing)ことにより、達成されてもよい。
【0104】
一般に、前記熱硬化性粘弾性反応媒質は、十分な量の分極可塑剤(polarized plasticizer)を含む適切なレベルの架橋反応物および直鎖状反応物を用いて調製され、それにより、前述の独自の粘弾性オーバーレイ層3であって凝集性および粘着性を高度に有するものを生成する。粘弾性反応媒質であって、実質的に低い架橋に有利であり、かつ、有効量のエポキシ化植物油可塑剤が添加されたものが、オーバーレイ層3の粘着性および凝集性を予想以上に劇的に増加させることが確認された。さらに発見されたことは、追加的な可塑化エージェントであって一般的に使用されるとともに分極化(polariazing)を行うものが、前記粘弾性反応媒質反応物と化学的に反応しない場合には、高度な粘着性および凝集性を前記反応生成物に付与するために効果的に使用することも可能であるということである。この種の追加的な可塑化エージェントは、前記エポキシ化トリグリセリド可塑剤と連携すると、粘弾性(viscoelastomeric、粘弾性高分子)熱硬化性オーバーレイ層3の引張強度および軟度(softness、ソフトネス)を増加させるために使用することも可能であり、同時に、さらに、発明品としてのオーバーレイ層3を備えた可撓性ロールアップ型収容体組合せ体1の製造において有用である目標の粘度および加工性(workability、作業性)を有する熱硬化性反応媒質を実現する。
【0105】
工程について見ると、粘弾性(viscoelastomeric、粘弾性高分子)熱硬化性オーバーレイ層3を形成する反応生成物は、1または複数の可塑剤が同質的に添加された熱硬化性反応媒質から調製することが可能であり、その1または複数の可塑剤は、望ましくは、エポキシ化トリグリセリドオイル可塑剤(すなわち、前記反応媒質の全重量のうちの約10重量パーセントから約50重量パーセントまでの範囲)を、他の任意の効果的な極性可塑剤(polar plasticizer)と共に含み、かつ、架橋ポリオールと直鎖生成ポリエーテルジオールとの間に前述の必要なブリッジ構造(bridging structure)を生成することを目的として、架橋ポリオール対直鎖生成ポリエーテルジオールのモル比であって慎重に定められた(measured)ものが組み合わされ、さらに、イソシアネートプレポリマー硬化剤(例えば、ジイソシアネート(diisocyanate)、例えば、脂肪族(aliphatic)、芳香族(aromatic)、複素環式(heterocyclic)等、ポリイソシアネート(polyisocyanates)、並びに脂環式(cycloaliphatic)およびアリール脂肪族(arylaliphatic)ジイソシアネート(diisocyanates))を、適切な触媒(例えば、望ましくは、相対的な遅効性を有する遅効性触媒)の存在下に含む。前記反応媒質は、望ましくは、前述の必要な可塑剤添加(loading、添加物、添加量など)であって、硬化すると粘弾性反応生成物を生成する、硬化可能な反応媒質を提供するように特に構成されたものを含み、その粘弾性反応生成物は、
独自の重合化構造(polymerizate structure、ポリマー)であって、前記粘弾性反応生成物の塊全体にわたって均一にかつ同質的に分散された複数の有極性配向(polar oriented)可塑剤が効果的に添加されたものを含み、かつ、
その塊内において絡み合い、かつ、
上述の、可撓性を有する熱硬化性重合化構造(polymerizate structure)であって可塑剤を閉じ込めるものによって支持される。適したな触媒としては、三級アミン(tertiary amines)、三級ホスフィン(tertiary phosphines)、強塩基(strong bases)(例えば、アルカリ(alkali)、アルカリ土類金属水酸化物(alkaline earth metal hydroxides)、アルコキシド(alkoxides)など)、フェノキシド(phenoxides)、強酸の酸性金属塩(acidic metal salts of strong acids)、金属キレート(metal chelates)、金属アルコラート(metal alcoholates)、金属フェノラート(metal phenolates)、有機酸塩(organic acid salts)、有機金属誘導体(organo metallic derivative)等がある。具体的な一具体例においては、有機ビスマス触媒(organobismuth catalyst)が利用され、これは、COSCAT 83(登録商標)という商品名で入手可能であり(アメリカ合衆国ミシガン州ジーランドに営業所を有するVertellus Holdings LLCから入手可能である)。最も効果的な熱硬化条件および製造条件の下、前記熱硬化性重合化(polymerizate)前駆体および前複数の記可塑剤は、前記反応媒質の複数の成分を同質的に分散させるため、前記反応媒質内において室温で液体として集合的に(collectively、一緒に)提供され、このとき、いかなる溶媒も、他の化学分散助剤も、高温(elevated temperature、加熱など)も必要とはしない。したがって、このことにより、前記熱硬化性反応が室温で効果的に実施されることが可能となる。
【0106】
目標の特徴として可撓性、粘着性、凝集性および剥離性を粘弾性(viscoelastomeric、粘弾性高分子)熱硬化性オーバーレイ層3に、可撓性支持基体5に不動に接合される部分の適合性(compatibility、互換性)と共に付与することは、反応媒質を調製することにより効果的に行ってもよく、その反応媒質は、
当該反応媒質の全重量のうちの約10重量パーセントから約40重量パーセントまでの範囲内の2官能性ポリエーテルポリオール(例えば、BASF Corporationから入手可能なELASTOCAST C-4057ポリエーテルジオール)と、
当該反応媒質の全重量のうちの約10重量パーセントから約40重量パーセントまでの範囲内の3官能性ポリエーテルポリオール(例えば、BASF Corporationから入手可能なELASTOCAST C-4018ポリエーテルトリオール)と、
当該反応媒質の全重量のうちの約1重量パーセントから約10重量パーセントまでの範囲内のメチレンジフェニルジイソシアネート系グリコールプレポリマー(methylene diphenyl diisocyanate-based glycol prepolymer)(例えば、BASF Corporationから入手可能なELASTOCAST TQZ-P23またはDow Chemical Companyから入手可能なISONATE 2181(登録商標)またはHuntsman International LLCから入手可能なRUBINATE 1790(登録商標))と、
当該反応媒質の全重量のうちの約10重量パーセントから約50重量パーセント未満値までの範囲内のエポキシ化大豆油とを、
任意選択的な触媒量を有する適正な触媒(例えば、ビスマス(bismuth)(3+)ネオデカン酸(neodecanoate)、例えばVertellus Holdings LLCから入手可能なCOSCAT 83(登録商標))であって典型的には当該反応媒質の全重量のうちの約0.1重量パーセントから約0.6重量パーセントまでの範囲内の触媒濃度を有するものと共に含有する。
【0107】
いくつかの望ましい具体例においては、粘弾性(viscoelastomeric、粘弾性高分子)熱硬化性オーバーレイ層3が、可撓性支持基体5の前面部7上に配置されるのに先立って事前製作され(prefabricated、可撓性支持基体5の前面部7から独立して粘弾性(viscoelastomeric、粘弾性高分子)熱硬化性オーバーレイ層3が単独で製作され、など)てもよい。このこと(This、前記事前製作)を達成することは、とりわけ、液状の反応媒質(すなわち、硬化されていないかまたは部分的に硬化されているもの)を型(mold、成形形状を反映したモールド、金型、樹脂型など)内に配置し、その後、オーバーレイ層3を形成するために、前記反応媒質を硬化させるという手法によるか、または、前記反応媒質より成る1つの層(a layer of the reaction media、層状の前記反応媒質、シート状の前記反応媒質、薄板状の前記反応媒質など)の注入(pouring、平面上に注ぐ、載せるなど)および硬化(curing)を行い、その後、オーバーレイ層3を達成するために、前記層(layer)から複数本のストリップ(strip、短冊状の部分)を切り出すという手法による。オーバーレイ層3を達成するための他の方法も、当業者にとって自明であるように、本発明の範囲を逸脱することなく、適正なものである。このような具体例においては、望ましいことは、可撓性支持基体5の前面部7に対するオーバーレイ層3の粘着力が、可撓性支持基体5の背面部9に対するオーバーレイ層3の粘着力より大きく、それにより、可撓性ロールアップ型収容体組合せ体1が、オーバーレイ層3が前面部7から分離すること(detachment、離脱すること、予定外に剥離すること)なく、開状態に遷移する(opened)(例えば、巻きが解かれる(unrolled))ことが可能であるということである。したがって、望ましいことは、可撓性支持基体5の前面部7の表面特性が、前面部7に対するオーバーレイ層3の粘着力が背面部9に対するオーバーレイ層3の粘着力より大きくなるように背面部9とは異なっている(例えば、背面部9より多孔質であるかおよび/またはが背面部9より多い複数の投錨部位(anchoring sites、投錨点)を有する)ということである。それに代えて、異なる複数の材料が、可撓性支持基体5の前面部7と背面部9とを、前面部7に対するオーバーレイ層3の粘着力が背面部9に対するオーバーレイ層3の粘着力より大きくなるように形成するために使用されることが可能である。事前製作されたオーバーレイ層の別の1つの利点は、当該ユーザが、現在のオーバーレイ層3を可撓性ロールアップ型収容体組合せ体1(すなわち、可撓性支持基体5の前面部7から)から剥離することを可能にするとともに、その現在のオーバーレイ層3を別のオーバーレイ層であって同じかまたは異なる特性(例えば、サイズ、形状、板厚、粘着力など)を有するものに交換することを可能にするという能力である。
【0108】
望ましい別の具体例においては、前記反応媒質が、それが液状であるうちに(すなわち、硬化されていないかまたは部分的に硬化されている)、可撓性支持基体5の前面部7上に配置され、その後、当該反応媒質がその場で(in situ)前面部7に対して硬化させられる。観察されたことは、この種の現場硬化(in situ curing)は、前述の粘着力による接合力(the adhesive bonding force)に加えて、別の接合力(化学的な接合力と考えられる)を提供し、それにより、前記可撓性支持基体の前面部7および背面部9の両方の材料および表面特性が実質的に同じである場合でも、前面部7からのオーバーレイ層3の分離(detachment、離脱、予定外剥離)なしで、可撓性ロールアップ型収容体組合せ体1が開状態に遷移する(opened)(例えば、巻きが解かれるか(unrolled)または包みが解かれる(unfolded))ことが可能であるということである。さらに、前述の事前製作されたオーバーレイ層と同様に、現在のオーバーレイ層3であって可撓性支持基体5の前面部7上に前記反応媒質をその場で硬化させることにより形成されたものは、同様にして剥離され、その後、別のオーバーレイ層、望ましくは、事前製作されたオーバーレイ層であって、同じかまたは異なる(the same or different、前記剥離されたオーバーレイ層と同じかまたはそれとは異なる)特性(例えば、サイズ、形状、板厚、粘着性など)を有するものに交換されることが可能である。しかしながら、この種の現場硬化によって形成されたオーバーレイ層3の剥離は、事前製作されたオーバーレイ層の剥離より比較的困難であり、なぜなら、全付着力(すなわち、接合による(bonding))が、現場硬化によってオーバーレイ層を形成するために、概して大きいからである(実質的に同じ化学式(formula、前記反応媒質の製作に係る化学式)を用いて事前製作されたオーバーレイ層と比較すると)。
【0109】
この出願書類中において発見されたことは、ある重合化(polymeric、ポリマー系の)材料、例えばハロゲン含有ポリマー(例えば、ポリ塩化ビニル(PVC))(特別な配合物(formulations、配合率など)である場合を除く)は、概して、粘着に関する適合性を、発明品としての粘弾性(viscoelastomeric、粘弾性高分子)熱硬化性オーバーレイ層3の粘着性に対して有していない(すなわち、オーバーレイ層3は、それらの材料に良好に粘着することはない)ということである。その結果、この種の不適合材料は、オーバーレイ層3からの優れた剥離性(release properties)を提供することが可能であり、それにより(which)、この種の不適合材料は、前記オーバーレイ反応物を硬化させてオーバーレイ層3を事前製作するために利用可能な型材(a mold material)として特に効果的なものとなる。しかしながら、理解されるべきことは、仮にこの種の不適合材料が多孔性またはファブリック構造を有すると、この種の多孔性またはファブリック構造は、オーバーレイ層3のためのいくつかの投錨部位または浸透部位を提供し、それにより、その種の材料(such materials、前記不適合材料)が型材としての使用に不適切なものとなる(よって、この出願書類中の可撓性支持基体5としての使用により適するものとなる)ということである。
【0110】
硬化した反応媒質をオーバーレイ層3の有用な形態となるように事前製作するための加工可能(workable、作業可能)な粘度範囲を提供する熱硬化性反応物を使用することが望ましい場合には、前述の(those)直鎖連鎖ポリオール(例えば、ジオール)および架橋ポリオール(例えば、トリオール)ならびに可塑剤であって、室温で概して流動性を有するものは、この目的(this objective、上述のように、硬化した反応媒質をオーバーレイ層3の有用な形態となるように事前製作するための加工可能(workable、作業可能)な粘度範囲を提供する熱硬化性反応物を使用すること)を達成するために、加工可能な(workable、作業可能な)熱硬化性粘度範囲を提供する。結果物としての熱硬化性オーバーレイ層3は、制御された(controlled)架橋結合および直鎖結合を、制御された(controlled)可塑剤成分であって前記熱硬化性重合化ネットワーク中に同質的に分散されたものと組合せにおいて有しており、当該熱硬化性オーバーレイ層3は、目標の特性としての可撓性、粘着性、凝集性および剥離性を予想以上に付与し、それら要素は、前記反応媒質より成る前記粘弾性(viscoelastomeric、粘弾性高分子)熱硬化性反応生成物を、この出願書類中のオーバーレイ層3として並外れて効果的なものとする。
【0111】
前述のように、いくつかの望ましい具体例においては、粘弾性熱硬化オーバーレイ層3が、事前製作された部品という形態を有することが可能である。事前製作されたオーバーレイ層3の粘着性および凝集性という属性は、そのオーバーレイ層3が可撓性支持基体5に粘着力によって付着する(attachment、装着される)ことを可能にする。したがって、オーバーレイ層3の(of、としての)フィルム、シート、パッドなどは、この出願書類中の可撓性ロールアップ型収容体組合せ体1に提供するために、支持基体5の前面部7に直に粘着力によって固定化されてもよい。このことは、いくつかの具体的な用途、例えば、従来の(すなわち、非粘着性の)可撓性収容体(例えば、ファブリック、セロファン(登録商標)、バッグなど)を本発明に従う可撓性ロールアップ型収容体組合せ体1に変換することが望ましい場合に有用であるかもしれない。この種の変換は、オーバーレイ層3の(of、としての)ストリップ、フィルム、パッドなどを、粘着力により、従来の可撓性収容体のうちの可撓性サブストレート(substrate、支持体、支持基体)のうちの前面部7に適用する(apply、付着する)ことにより達成されるかもしれない。この種の手順が消費者によって利用されることが可能であることは有利なことですらあり、ここに、前記消費者は、最初に、粘弾性(viscoelastomeric、粘弾性高分子)熱硬化性オーバーレイ層3を製造元から取得し、その後、そのオーバーレイ層を可撓性支持基体5の前面部7に、または、他の従来の可撓性収容体に適用して(apply、付着して)、本発明に従う可撓性ロールアップ型収容体組合せ体1を形成することが可能である。
【0112】
前述のように、望ましい他の具体例においては、粘弾性(viscoelastomeric、粘弾性高分子)熱硬化性オーバーレイ層3が、可撓性支持基体5の前面部7上に直に形成されることが可能である。このことは、とりわけ、液状の反応媒質(すなわち、硬化されていないかまたは部分的に硬化されている)を可撓性支持基体5の前面部7の表面上に配置し、その後、上述の液状のオーバーレイ層3をその場で硬化させ、それにより、オーバーレイ層3は基体5に強固に接合される(例えば、化学的に(chemically、化学的結合により)および粘着力により(adhesively、物理的結合などにより))オーバーレイ層3を形成することによって達成可能である。このことは、消費者による家庭での実行については、作業工程からして、非現実的であるかもしれないが、そのことは、この出願書類中における可撓性ロールアップ型収納体組合せ体1を製造するための高度に効果的である手段を提供する。多くの合成繊維および天然繊維、例えば、スエード革(suede leather)、フォーム(foam、発泡体)、または、織られたかもしくは編まれたファブリック(例えば、エアテック(aertex)(登録商標)、アイーダ(aida)、べーズ(baize)、バチスト(batiste)、バーズアイ(birds eye、鳥目織)、ニット(knit)、ボンバジン(bombazine)、ブロケード(brocade)、バックラム(buckram)、ケーブル編み(cable knit)、キャラコ(calico)、キャンブリック(cambric)、シャルムーズ(charmeuse)、シェニール織り(chenille)、コーデュロイ(corduroy)、ケースメント(casement)、チーズクロス(cheese cloth)、 チェビオット(cheviot)、シフォン(chiffon)、 チノクロス(chino)、インド更紗(chintz)、クレープ(crepe)、クルーウェル毛糸(crewel)、ダマスク織り(damask)、デニム(denim)、ディミティー(dimity)、かつらぎ(drill)、ダブルニット(double knit)、ダック生地(duck)またはキャンバス(canvas)、フェルト(felt)、ガラス繊維(fiberglass)、フィルター(filter)、フランネル(flannel)、平編み(flat)またはジャージー編み(jersey knit)、フリースニット(fleece knit)、フラード(foulard)、ファスティアン(fustian)、ギャバジン(gabardine)、ガーゼ(gauze)、ジョーゼット(georgette)、ギンガム(gingham)、 生機(grey、キバタ)またはグレージュ(greige)、インダストリアル(industrial)、インターシャ編み(intarsia knit)、インターロック(interlock)、ステッチ編み(stitch knit)、ジャガード織り(jacquard knit)カシミア(Kashmir)、絹(silk)、カディ(khadi)、カーキ地(khaki)、ラメ(lame)、ラミネート(laminated)、ローン(lawn)、 絡み織り(leno)、リンゼイ・ウールゼイ(linsey-woolsey)、マドラス(madras)、マドラス(madras)、 綿モスリン(muslin)、ネット(net)、モスリン(mousseline)、モスリン(muslin)、細幅(narrow)、オーガンジー(organdy)、オーガンザ(organza)、オックスフォード(oxford)、パーケール(percale)、平織(plain)、 ポインテール(pointelle knit) ポプリン(poplin)、パール編み(purl knit)、キルト風(quilted)、ラッセル織り(raschel knit)、 反射生地(reflective)、リブ(rib)、ステッチ編み(stitch knit)、朱子織(satin)または サテン(sateen)、シャンタン(shantung)、シーチング(sheeting)、スライバーニット(sliver knit)、タフタ生地(taffeta)、ストレッチ生地(stretch)、タータン生地(tartan)、テリー織り(terry knitted)、テリー(terry)、ティッキング布(cloth ticking)、薄い織物(tissue)、トリコット編み(tricot knit)、ベロアニット(velour knitted)、ベルベット(velvet)、ボイル(voile)、縦編み(warp knitted)、ウィップコード(whipcord)など)は、可撓性支持基体5の、並外れた複数の投錨部位(anchoring sites)を、オーバーレイ層3をその場で前面部7に粘着的に投錨するために提供する。例えば、このことは、最初に、硬化されていないかまたは部分的に硬化されているオーバーレイ熱硬化性反応媒質を、繊維状の可撓性支持基体5の前面部7に適用し、次に、それ(it、前記反応媒質)を、可撓性支持基体5上に存在するうちに硬化させ、それにより、可撓性ロールアップ型収容体組合せ体1を形成することによって達成される。いくつかの側面においては、オーバーレイ層3のための前述の硬化後の反応媒質前駆体は、例えば全体濡れ(soak-through、ソークスルー)の防止を目的として、当該前駆体が可撓性支持基体5の,多孔性を有するかまたは織って作れられたファブリック構造の上に浸透することを制限する(limit its penetration onto a porous or woven fabric structure、前記前駆体がその構造内に浸透する深さを制限する、など)ように適正に調製されてもよい。したがって、硬化すると、オーバーレイ層3は、可撓性支持基体5の前面部7の表面に強固に投錨し(anchored)、対向する背面部9の表面を他のものによって被覆されない非被覆状態(uncoated)のままにする。可撓性支持基体5の前面部7へのオーバーレイ層3のこの種の投錨(anchoring、機械的結合など)は、事前製作されたオーバーレイ層3をそのオーバーレイ層の固有の粘着性のおかげで基体5に単に粘着することと比較すると、より高い粘着力を可撓性支持基体5に対して示す傾向がある。複数の投錨部位(anchoring sites)を有するファブリック(例えば、多孔質であるかまたは繊維質のファブリック)であって、特に、それら投錨部位がないと比較的低い粘着引力をオーバーレイ層3に向かって有するものの複数の投錨特徴部を組み合わせる(combining、オーバーレイ層3の粘着力による接合に加え、前記複数の投錨特徴部による接合を追加する)ことにより、可撓性ロールアップ型収容組合せ体1は、可撓性支持基体5の前面部7からのオーバーレイ層3の分離(separation)なく、巻き/包みが形成されること(rolled-up)と巻き/包みが解かれること(unrolled)とをより容易に行うことが可能であるものとして達成することが可能である。例えば、発明品としての可撓性ロールアップ型収容体組合せ体1であって、粘着された脆弱なアイテム13を保護するために有用であるものを形成するために、粘弾性(viscoelastomeric、粘弾性高分子)熱硬化性オーバーレイ層3は、衝撃吸収を行う多孔質を有する可撓性支持基体5(例えば、多孔質ラバー、フォーム(foam、発泡体)など)の内部に埋め込まれることが可能である。したがって、本発明に従う粘弾性(viscoelastomeric、粘弾性高分子)熱硬化性オーバーレイ層3は、本発明の範囲から逸脱することなく、被膜としてかおよび/または埋め込まれたオーバーレイ層3として効果的に組み合わされる(combined、可撓性支持基体5と組み合わされる)ことが可能である。
【0113】
粘弾性(viscoelastomeric、粘弾性高分子)熱硬化性オーバーレイ層3が可撓性支持基体5の前面部7に、事前製作された部品として適用される(applied to、付着される)か、または、基体5の前面部7上においてその場で硬化されるかにかかわらず、望ましいことは、オーバーレイ層3と基体5の前面部7との間の全体的な(overall、両者間の接触面の全域にわたる)付着力が、オーバーレイ層3とそれに粘着される任意の1または複数のアイテム13との間の粘着力より大きい(可撓性ロールアップ型収容体組合せ体1が自身の上に巻かれるか(rolled-up)または他の方法で包まれて、概して前面-背面接触(すなわち、前面部7-背面部9接触)状態にあるときには、基体5の背面部9の材料を含む(including the backside 9 material of the base 5, when the flexibile roll-up container combination 1 is rolled-up or otherwise foled upon itself in a generally front-to-back (i.e., front side 7 to baskside 9) configuration、前面-背面接触状態においては、オーバーレイ層3の付着相手として、アイテム13のみならず、基体5の背面部9を含み、よって、オーバーレイ層3と基体5の前面部7との間の全体的な付着力が、オーバーレイ層3と基体5の背面部9との間の全体的な粘着力より大きいということも含まれる)ということである。
【0114】
凝集力および粘着力に関する特定の限度を超えない範囲内においては、任意のオーバーレイ層3についての目標レベルが、ある程度、可撓性ロールアップ型収容体組合せ体1およびそれに収納されるべきアイテム13の種類に依存するかもしれない。収納される1または複数のアイテム13のサイズ、扱い難さ(delicacy、繊細さ、壊れ易さなど)、構成(configuration)および重量は、概して、前述の剥離可能な粘着強度(releasable adhesive strength)を、特に、可撓性ロールアップ型収容体組合せ体1についての任意の具体的な最終的用途、または、収納されることを意図されたアイテム13に最も適したものとして確立する(establish、設定する)。例えば、脆弱な(fragile、壊れ易い)アイテム(例えば、クリスマスツリー用装飾物、ガラス製品、医薬品など)は、典型的には、オーバーレイ層3の粘着力の程度に関し、より壊れ難い(substantial、頑丈な)他のアイテムであったなら要求される粘着力より低い粘着力を要求する。同様に、重いアイテム13(例えば、ハンマー)13は、オーバーレイ層3の粘着力の程度に関し、より軽い他の収納可能アイテムであったなら要求される粘着力より高い粘着力を要求するかもしれない。しかしながら、収納されたアイテム13に対するオーバーレイ層3の粘着力が過大であると、可撓性組立て体1が機能不全となる(fail)原因となるかもしれず、例えば、この場合、収容されたアイテム13の剥離が、オーバーレイ層3が可撓性支持基体5から分離する原因となる。したがって、望ましいことは、粘弾性(viscoelastomeric、粘弾性高分子)熱硬化性オーバーレイ層3と可撓性支持基体5との間の全付着引力(overal attachment attraction)は、収納された任意のアイテム13に対するオーバーレイ層3の粘着による引力を超えるべきであるということである。
【0115】
この出願書類中において本発明に従う可撓性ロールアップ型収容体組合せ体1の別の独自の利点が、可撓性ロールアップ型収容体組合せ体1に粘着力によって付着されるアイテム13に対して可撓性ロールアップ型収容体組合せ体1の特徴部が粘着力によって相互作用を行うという方式にある。収納された1または複数のアイテム13に対するオーバーレイ層3の粘着力による相互作用は、それらアイテムがオーバーレイ層3上に配置されると、典型的には、アイテム13が最初に粘着力によってオーバーレイ層3に付着されてから約5秒から約10秒までの時間内に、粘着力が初期段階において微増することを示し、それに後続して、アイテム13が最初に粘着力によってオーバーレイ層3に付着されてから約60秒以内に、オーバーレイ層3の粘着力よる引力の最大値または最終値の約90パーセントまで安定化することを示す。この粘着力微小変化は、前述の複数の可塑化成分(plasticizing components、前述の複数の可塑剤)の、分子間再配向(intermolucular realignment)、配位共有結合(coordinate covalent bonding、オーバーレイ層3内において発生する共有結合)、分極(polarization、極性化)、またはオーバーレイ層3内(therewithin)における他の分子相互作用を示しているかもしれない。この後続する粘着力増加は、さらに、オーバーレイ層3の粘弾性にも起因するかもしれず、その粘弾性は、粘着されたアイテム13をオーバーレイ層3が粘着状態でクレイドリングすること(cradling、オーバーレイ層3が、アイテム13と接触する部分において局部的に凹部化して、そのアイテム13がオーバーレイ層3内に埋没し、その状態でアイテム13が保持されること、など)に起因して、オーバーレイ層3の接合面(interfacing surface、界面)のうち、それに粘着されたアイテム13との接触面積が増加し、その結果、両者間の粘着力による引力の増加と、後続する安定化とが生じる。
【0116】
熱硬化粘弾性オーバーレイ層3は、その特徴として、過度に高度な内部凝集性を有するため(すなわち、アイテム3がオーバーレイ層3から分離されるとき、オーバーレイ層3は引き裂かれることもその他の方法で内部において自身から分離する(separate、分断する)こともない)、オーバーレイ層3は、剥離可能であるとともに高引張強度を有する粘着剤(a releasable, high tensile strength adhesive)を、粘着状態において剥離が発生すると自身のそもそもの構造的完全性を完全に保持するものとして必要とする多様なニーズに独自に有用である。前述の説明から明らかなように、任意の種類の可撓性ロールアップ型収容体組合せ体1に用いられるオーバーレイ層3に最も適した粘着強度は、最終的に、そのオーバーレイ層3に意図される最終用途に依存する。
【0117】
前述のように、可撓性支持基体5を備える可撓性ロールアップ型収容体組合せ体1は、望ましくは、基体5の背面部9の材料/表面に向かう粘着引力を、基体5の前面部7の表面に向かうものより比較的小さいものとして有する。この特徴は、可撓性ロールアップ型収容組合せ体1が、それ自体の上に巻かれる(rolled-up)かまたは他の方法で包まれて(folded)、概して前面-背面接触状態となり、その目的は、例えば、アイテム13をよりしっかり固定化するように閉じ込めること(containment、収容体組合せ体1がアイテム13を包囲すること、拘束すること、束縛すること、格納すること)、収納(storage、保管、保存)を容易にすること、および同様なこと(例えば、
図1C,
図3C,
図4B,
図5B,
図6Bおよび
図7Bを参照)にある。しかしながら、オーバーレイ層3が、可撓性支持基体5の前面部7に不動状態ではない状態で(insecurely)固定化されるべき場合には、特に、巻きが解かれる(unrolled)かもしくは包みが解かれる(unfolded)とき、または、粘着されたアイテム13がオーバーレイ層3から剥離されるときに、オーバーレイ層3が支持基体5の前面部7から分離する傾向が存在する。最も望ましいことは、オーバーレイ層3が可撓性支持基体5の前面部7から分離されることなく、粘着力によって拘束されたアイテム13をオーバーレイ層3から綺麗に(cleanly、アイテム13を汚すことなく、など)剥離することであるため、いくつかの予防措置が、支持基体5の前面部7にオーバーレイ層3がより強固に接合される(secure bonding)ことを確保するために取られることが可能である。オーバーレイ層3を可撓性支持基体5に機械的に固定化すること(例えば、裁縫、枠に嵌めること(framing)など)、または、オーバーレイ層3と支持基体5との間に、巻き状態が解かれると両者間に剥離が生じることを促進するために低粘着力を有する保護カバー8を使用することが可能であるが、あるファブリック系の可撓性支持基体5は、オーバーレイ層3を前面部7により強固に接合する(securely bonding)ために、優れた投錨部位(anchoring sites)または埋め込み部位を提供することが可能である。したがって、いくつかの側面においては、低下した(reduced、支持基体5がファブリックではなく、通常の材料である場合より低下した)粘着引力をオーバーレイ層3向けに有するファブリックが、投錨部位(anchoring sites)が背面部9にではなく前面部7に存在するものであれば、それにもかかわらず、巻くことと巻きを解くこととがより容易であるかもしれない可撓性ロールアップ型収容組合せ体1に適した可撓性支持基体5を提供するために使用されてもよい。しかしながら、注目すべきことは、ロールアップ型可撓性ロールアップ型収容組合せ体1内に収納されたアイテム13は、支持基体5の背面部9と粘着性を有するオーバーレイ層3との間の隔壁(separating barrier、分離障壁)としても役に立ち、よって、可撓性ロールアップ型収容組合せ体1を巻く(rolled-up、巻きを形成する)ことと巻きを解く(unrolled)こととを支援するということである。
【0118】
いくつかの望ましい実施例においては、望ましいことは、可撓性ロールアップ型収容体組合せ体1内におけるオーバーレイ層3であって凝集性、粘着性および剥離性を有するものを利用することであり、この場合、そのオーバーレイ層3は、収納されたアイテム13を動きに対抗するように不動化するという目的のためだけでなく、粘着性バインダーとして利用され、粘着性バインダー(binder、拘束具など)は、可撓性ロールアップ型収容体組合せ体1を粘着力によってバインド(bind、縛る、拘束する、結束するなど)してロールアップ状態(すなわち、閉状態)を形成する一方で、可撓性ロールアップ型収容体組合せ体1が凝集状態で剥離すること(cohesive release)と巻きを解くこと(unwinding)または包みを解くこと(unfolding)(すなわち、開状態)を可能にする。ロールアップ型収容体1を巻くことおよび巻きを解くことに関するより効果的な効果を達成することは、当業者にとって自明であるように、多数の種々の方法で達成することが可能である。この種の方法の一つは、支持基体5の背面部9とオーバーレイ層3との間の粘着引力を減少させる(前面部7と比較して)ことを含む。このことは、例えば、支持基体5を使用することにより、達成可能であり、この場合、前面部7の材料は、オーバーレイ層3に対する全体的な付着力を、背面部9の材料より大きいものとして有する(例えば、複数層化された(multi-layered)支持基体5)。例えば、基体5の前面部7は、オーバーレイ層3を前面部7に埋め込むかまたは投錨するために、多孔質であるかまたは他の方法で投錨を行う表面材料を含むことが可能であり、一方、それに対向する背面部9は、平滑であるとともにオーバーレイ層3向けの粘着引力が比較的小さい(less、前面部7より小さい)かまたは減少させられた(reduced、前面部7より減少させられた)表面を有する材料を含むことが可能である。専ら説明を目的として、より具体的な一実施例においては、可撓性支持基体5の前面部7が、綿または綿ポリエステルが編まれて成るブレンド(a woven cotton or cotton polyester blend)であって、オーバーレイ層3の投錨または埋め込みに有用なものを含むことが可能であり、一方、可撓性支持基体5の、それに対向する背面部9は、より平滑である(smoother、前面部7より平滑である)かおよび/またはより平坦である(flatter、前面部7より平坦である)表面を有するフィルムを含むことが可能であり、その表面は、オーバーレイ層3に向かう粘着性親和力(affinity)を、減少させられた(reduced、前面部7の親和力より小さい)ものとして有する。それの望ましいものは、ポリ塩化ビニルフィルム(基体5の背面部9として作用する)が、綿とポリエステルとが編まれて成るブレンド(基体5の前面部7として作用する)にラミネートされて成るラミネート複合材(composite)より成る支持基体5であり、そのラミネートにより、オーバーレイ層3に向かって2つの異なる親和性を示す2つの異なる可撓性材料より成るラミネート複合材(composite)を提供し、それらのすべては、可撓性ロールアップ型収容体組合せ体1を巻き(rolled-up、巻きの形成)と巻きの解除(unrolled)とがより容易であるものとして提供するために効果的に使用されるかもしれない。
図8は、この種の望ましい具体例のうちの1つを示しており、この具体例においては、可撓性支持基体5が前面部材料5Aと背面部材料5Bとを含み、ここに、前面部材料5Aは、背面部材料5Bとオーバーレイ層3との間の粘着力と比較して、大きい付着力を粘弾性(viscoelastomeric、粘弾性高分子)熱硬化性オーバーレイ層3に対して示す。
図8は、さらに、背面部材料5Bのうちの外周部が、任意選択的に、前面部材料5Aの周縁部上に、それを覆ってそれに重なるように折り曲げられ(folded over onto、折り返され)、その後、その複合体(the composite、前面部材料5Aと、背面部材料5Bと、その背面部材料5Bのうち折り返された部分とが複合されたもの)が、任意選択的な機械的付着(すなわち、任意選択的な縫製5C)によって合体させられる。この種の望ましい具体例においては、望ましいことは、複数の粘弾性(viscoelastomeric、粘弾性高分子)熱硬化性オーバーレイ層3の各々が基体5上に、オーバーレイ層3が、平坦化状態で(in a laid-flat configuration)、前面部材料5Aの表面のみに実質的に接触するように配置されるということである。
【0119】
望ましい一具体例(複数の実施例において詳述される)においては、天然皮革および合成皮革が、適した支持基体5を、オーバーレイ層3向けに異なる引力的親和力(attraction affinities)を有する2つの異なる表面を提供するように変更されてもよいものとして提供することも可能である。例えば、素上げ革または表面が粗い革(roughened leather)(例えば、スエード革)の前面部表面は、可撓性支持基体5の前面部7であって、粘弾性熱硬化オーバーレイ層3を可撓性支持基体5に埋め込んで留置するために、十分な多孔性および/または複数の投錨要素を有するものを提供してもよい。これに対し、基体5のうち、それに対向する背面部9は、背面部表面(backside surface)を提供することが可能であり、その背面部表面は、高度に磨かれて平滑化されたレザーの表面を含み、その表面は、オーバーレイ層3を前面部7から分離することなく、可撓性ロールアップ型収容体組合せ体1の巻きの形成(rolling)および巻きの解除(unrolling)が容易になるように、オーバーレイ層3向けに、より小さい(lesser、前面部7より小さい)粘着引力を示し、一方、可撓性ロールアップ型収容体組合せ体1をロールアップ形態に保持するために、依然として、背面部9の接合面(the interfacing surfaces、オーバーレイ層3との間の界面、前記背面部表面)上に十分な粘着引力を提供する。理解すべきことは、支持基体5の背面部9とオーバーレイ層3との間の粘着引力が、可撓性ロールアップ型収容体組合せ体1をロールアップ状態に維持することを支援することに役立ち、よって、前記ロールアップ状態を維持するために任意選択的なストリングまたは他の機械的手段が必要であるという要望(need)が軽減されるが、この種の任意選択的なストリングまたは他の機械的部材を追加することは、本発明の範囲から逸脱しない(例えば、
図5A-
図6Bを参照)。したがって、この種の可撓性ロールアップ型収容体組合せ体1であって、可撓性支持基体5を備えるものにおいては、背面部9が、オーバーレイ層3向けの粘着力を、オーバーレイ層3が配置される前面部7より小さいものとして有し、よって、可撓性ロールアップ型収容体組合せ体1の巻きの形成および解除が容易になる。
【0120】
望ましい他の具体例(複数の実施例において詳述される)においては、他の適した可撓性基体5であってファブリックより成るものが、堅く編まれた綿系のデニムを有しており、そのデニムは、硬化されていないかまたは部分的に硬化されている熱硬化性粘弾性反応媒質を用いて、前面部7のファブリック表面5Aを上張りする被膜(an overlay coating、基体5の前面部7を被覆するオーバーレイ層3など)を前面部7のファブリック表面5Aの上において熱硬化することを可能とし、このとき、前記反応媒質が過度に浸出することがなく(例えば、許容量(nominal amounts、少量)以下または微量)、それにより、デニムファブリック製の可撓性基体5の背面部9のファブリック表面5Bに移動してしまうことが阻害される。上記の説明から明らかなように、粘弾性反応生成物としてのオーバーレイ層3を用いて可撓性基体5の前面部7をコーティングする(coat)かまたは被覆する(overlay、オーバーレイする、上張りする)ために、多数の可撓性基体5および適用可能な複数の技術が存在する。
【0121】
ここで
図7A-
図7Bを参照するに、望ましい他の具体例においては、他の適した可撓性基体5が、透過性材料(例えば、透明プラスチック、例えば、透過性ポリエチレン(transparent polyethylene)、透過性ポリプロピレン(transparent polypropylene)、透過性ポリウレタン(transparent polyurethane)など)を含む。この種の可撓性基体5であって透過性を有するものは、透過性を有するロールアップ型収容体組合せ体1を形成するために有用であり得る。したがって、望ましくは、透過性を有する粘弾性(viscoelastomeric、粘弾性高分子)熱硬化性オーバーレイ層3が、透過性を有する可撓性基体5の前面部7上に配置される。理想的には、この種のいくつかの具体例においては、透過性を有する可撓性ロールアップ型収容体組合せ体1内に配置されるアイテム13が、可撓性ロールアップ型収容体組合せ体1がロールアップ状態(rolled-up、巻き状態)にあるかまたは他の方法で包み状態(folded)にあるときでさえ、正常視力(20/20 vision)を有するユーザ(または他人)が視覚的に認識する(visually discerned)ことが可能である。この種の透過性可撓性ロールアップ型収容体組合せ体1は、アイテム13を識別することが必要である多くの場所(例えば、空港、競技場、学校など)において有用であり、それにより、検査(inspection)のために、当該収容体を開状態に移行させる(opening up)際および/または前記アイテムを剥離する(removing)際の不便さが解消される。
【0122】
いくつかの側面においては、可撓性ロールアップ型収容体組合せ体1が、追加的な要素を含むことが可能である。例えば、ここで
図5A-
図5Bを参照するに、可撓性ロールアップ型収容体組合せ体1は、任意選択的なストラップ19を有することが可能であり、そのストラップ19は、可撓性支持基体5から延び出すことが可能であり、かつ、可撓性ロールアップ型収容体組合せ体1がロールアップ状態にあるときにその組合せ体1を覆うようにループを形成することが可能であるか、および/または、当該組合せ体1を輸送する(例えば、人が持ち運ぶ)ために利用されることが可能である。この種の任意選択的なストラップ19は、基体5と一体的なものであってもよく、または、別部品としての基体5への取付具として配置されてもよい。別の実施例においては、ここで
図6A-
図6Bを参照するに、可撓性ロールアップ型収容体組合せ体1が包囲パネル(enclosure panels、包囲体)20を複数、任意選択的に有することが可能であり、それら包囲パネル20は、基体5と一体的なものであってもよく、または、別部品としての基体5への取付具として配置されてもよい。それら任意選択的な包囲パネル20は、収容体組合せ体1がロールアップ状態にあるかまたは他の方法で包み状態にあるとき、収容体組合せ体1を完全に包囲することに役立つことが可能である。さらに、この種の包囲パネル20は、任意選択的なファスナー要素22(例えば、面ファスナー(hook-and-loop)、粘着剤、スナップ(snap、スナップ式ファスナー、ホックなど)、前述の粘弾性(viscoelastomeric、粘弾性高分子)熱硬化性オーバーレイ層用のポリマーなど)を含むことが可能であり、そのファスナー要素22は、包囲パネル20をそれが閉状態に維持されるように支援することが可能である。この種の任意選択的なストラップ19または任意選択的な包囲パネル20は、閉じ込められたアイテム13が、ロールアップ状態において、背面部9の、被覆されていない可撓性基体表面(uncoated、オーバーレイ層3で被覆されていない背面部9の表面、背面部9の露出表面)と、前面部7の、被覆されている可撓性基体表面(coated、オーバーレイ層3で被覆されている前面部7の表面、前面部7の非露出表面)との間の粘着力による相互作用を阻害するとき、例えば、そのロールアップ状態にある可撓性収容体をロールアップ状態またはその他の方法で包まれている状態に維持することを容易にするためか、および/または、審美的な目的のために望ましいかもしれない。
【0123】
ここで
図3A-
図3Cを参照するに、いくつかの側面においては、任意選択的な保護カバー8を含むことが望ましいことがあり得、その保護カバー8は、粘弾性(viscoelastomeric、粘弾性高分子)熱硬化性オーバーレイ層3のうちの露出表面上に少なくとも部分的に配置されることが可能である。一般に、硬化された粘弾性(viscoelastomeric、粘弾性高分子)熱硬化性オーバーレイ層3であって、前述のように、硬化されていないかまたは部分的に硬化されている反応媒質反応物から製造されるものは、粘着的に適合する複数の可撓性ポリマー製支持基体5の広範囲にわたるもの、例えば、ポリウレタン(polyurethanes)、ポリエチレンテレフタレート(polyethylene terephthalates)、ポリオレフィン(polyolefins)(例えば、ポリエチレン(polyethylene)およびポリプロピレン(polypropylene))、ポリアクリル酸塩(polyacrylates)、ポリエステル(polyesters)などに粘着するように容易に(readily、困難なく)構成されるかもしれない。しかしながら、上記においても説明したように、いくつかの材料(例えば、平坦かつ平滑なポリ塩化ビニル)は、粘弾性(viscoelastomeric、粘弾性高分子)熱硬化性オーバーレイ層3に対して不十分な粘着引力特性を示す(すなわち、適合性を有しない)かもしれない。例えば、いくつかの材料であって、オーバーレイ層3に対する粘着親和性を、可撓性支持基体5の前面部7に対するオーバーレイ層3の全体的な粘着力と比較して小さいものとして有するもの、および/または、適した投錨部位を有しないもの(すなわち、この種の材料(such materials、上述のいくつかの材料)間の粘着力が、オーバーレイ層3と可撓性支持基体5の前面部7との間の付着力(attachment force)より小さくなるように)が、本発明と共に、粘弾性(viscoelastomeric、粘弾性高分子)熱硬化性オーバーレイ層3のうちの露出表面に用いられる保護カバー8を提供するために利用することが可能である。この種の保護カバー8は、塵(dust、ダスト)、糸くずなどおよび/またはオーバーレイ層3の粘着力に悪影響を与える可能性がある他の堆積物からオーバーレイ層3の汚染を防止するために有用である可能性がある。いくつかの側面においては、この種の保護カバー8が、例えば、可撓性ロールアップ型収容体組合せ体1を商業目的で出荷する場合に、本発明のための包装材料として有用でもあり得る。この種の保護カバー8は、望ましくは、オーバーレイ層3を可撓性支持基体5から分離することなく、オーバーレイ層3から容易に剥がされることが可能であり、それにより、清潔であるとともに完全に機能するオーバーレイ層3であって粘着性を有するものを提供する。適した複数の保護カバーのいくつかの具体例は、非排他的であるが、ポリ塩化ビニル(polyvinylchloride (PVC))製のフィルムおよびシート、パラフィンワックスコート紙(paraffin wax-coated paper、パラフィンワックス被覆紙)、テフロン(Teflon)(登録商標)などを含む。いくつかの側面においては、保護カバー8が、例えば、可撓性ロールアップ型収容体組合せ体1がロールアップ状態にあるとき、特に、可撓性ロールアップ型収容体組合せ体1がアイテム13を収容していないとき(例えば、可撓性ロールアップ型収容体組合せ体1を商業目的で出荷するとき)、オーバーレイ層3を可撓性支持基体5の背面部9から剥離するために使用されることが可能である。
【0124】
信じられることは、本発明に従う独自の複数の具体例は、この出願書類に説明される前述の熱硬化性反応生成物およびオーバーレイ層3によって保有されるものと同様な粘着力、凝集力および剥離性を有する他の粘着剤に及ぶことも可能である。前述の粘弾性反応媒質は、粘着性、凝集性および剥離性を有する目標のオーバーレイ層3を提供するように、イソシアネート反応物を用い、十分な量および種類の可塑剤の存在下に、直鎖結合ジオール対架橋トリオール比を制御された(controlled)値として組み込むことにより独自の熱硬化性反応媒質から調製された粘弾性体に主に集中的に向けられているが、考慮対象となることは、この技術は、他の粘弾性反応生成物(viscoelastomeric reaction products)にも適用してもよいということであり、その粘弾性反応生成物は、極性を有する十分な可塑剤の存在下で、適切に制御された(controlled)架橋(cross-linked)分子構造であって適正量の直鎖ポリオキシ結合によって分離されるものと、極性とを有し、前記他の粘弾性反応生成物(which)は、かなり安定した凝集性、粘着性および剥離性を有する粘弾性反応生成物オーバーレイ層(例えば、粘弾性(viscoelastomeric、粘弾性高分子)熱硬化性オーバーレイ層)を生み出す。粘着強度、凝集力、前記熱硬化性反応媒質のいくつかの属性、組成一様性、剥離性、抗菌属性、可撓性、浄化性および多くの他の顕著な属性であって、粘弾性(viscoelastomeric、粘弾性高分子)熱硬化性オーバーレイ層3によって保有されているものは、本発明に従う可撓性ロールアップ型収容体組合せ体1を従来の可撓性収容体から独自にかつ包括的に差別化する。
【0125】
本発明は、以下のいくつかの実施例を参照することにより、よりよく理解されるかもしれない。
【実施例0126】
実施例1
【0127】
粘弾性(viscoelastomeric、粘弾性高分子)熱硬化性反応生成物が、並外れたオンセット流動性(onset fluidity、硬化前における粘度が適度に低いこと)、粘着効果、凝集効果および剥離効果を有する粘弾性熱硬化オーバーレイ層3を提供するために構成されるものとして、以下に示す複数の成分によって構成される2パート(two-part、2剤混合、2液混合、2成分)型の熱硬化性反応媒質混合物を均一に混合することにより調製された。
【0128】
【0129】
10インチby20インチ(25cm×51cm)のレザーサブストレート(leather substrate、レザー製のサブストレート、レザー製の基体、レザー製の基材)が可撓性支持基体5として提供されたのであり、ここに、一面部(すなわち、前面部7)が、スエードレザーの凹凸面(textured surface、シボ面)によって構成されたのであり、また、対向面部(すなわち、背面部9)が、つや出しレザーの凹凸面(textured surface、シボ面)によって構成された。前記レザーサブストレートが選択された理由は、前記つや出しレザー側の面部が、硬化されたオーバーレイ層3に対する粘着引力を、それに対向するスエードレザー表面より小さいものとして有するというものである。
【0130】
パートA(Part A、A剤、A成分)混合物(Mix、ミックス)の複数の成分とパートB(Part B、B剤、B成分)混合物(Mix、ミックス)の複数の成分とは、それぞれ別々に混合された(mixed)。その後、パートA混合物とパートB混合物とが混合された物が、熱硬化性反応媒質を形成するために、組み合わされて(combined、化合されて)完全に混合された(blended)。この実施例1の結果物としての熱硬化性反応媒質は、その後、可撓性支持基体5のスエードレザーの前面部7に液体の状態で約1mmの厚さで塗布された。 観察されたことは、前記熱硬化性反応媒質が前面部7のスエードレザー表面の複数の多孔性サブサーフェス領域(subsurface regions、表面下領域、内部領域)内に部分的に浸透し、一方、それに対向する背面部9であって平滑であるとともにつや出しされたものは、反応媒質の浸透が視覚的に存在しないままであったということである。前述の塗布された熱硬化性反応媒質は、その後、周囲温度(すなわち、約21℃)でその場で硬化し、それにより、支持基体5のスエードレザー前面部7に粘着力により接合される粘弾性(viscoelastomeric、粘弾性高分子)熱硬化性オーバーレイ層3を形成することが可能であったのであり、それにより、結果物として、この出願書類中の本発明に従う可撓性レザー収容体組合せ体1が生じた。観察されたことは、結果物としての可撓性ロールアップ型収容体組合せ体1が、オーバーレイ層3が支持基体5の前面部7の表面から分離することなく、比較的容易に巻きが形成される(rolled-up)ことと巻きが解かれる(unrolled)こととを行うことが可能であったということである。
【0131】
さらに観察されたことは、可撓性ロールアップ型収容体組合せ体1のうちの、オーバーレイ層3と、被覆されていない(uncoated、露出している)つや出しレザー背面部9との間の粘着引力が、オーバーレイ層3とスエードレザー前面部7との間の全体的な付着力より小さいことを理由に、可撓性ロールアップ型収容体組合せ体1は、ロールアップ状態において、背面部9の、被覆されていない(uncoated、露出している)レザー表面を、ロールアップ状態で当該レザー表面に接合する(interfacing、当該レザー表面との間で界面を形成する)オーバーレイ層3が当該レザー表面に面接触する(abutting、隣接する)状態においてオーバレー層3に過度にくっつかない(not excessively stick to、過度に固着しない)もの(the abutting rolled-up interfacing overlay 3)として提供したことのみならず、可撓性ロールアップ型収容体組合せ体1のロールアップ状態を維持するのに十分な粘着力を提供したことも行い、さらに、可撓性ロールアップ型収容体組合せ体1の巻きが解かれた(unrolled)とき、オーバーレイ層3をスエードレザー前面部7から離脱させる(detach、剥がす)ことも他の方法で分離させる(separate)こともなかったということである。結果物としての可撓性ロールアップ型収容体組合せ体1は、例えば、
図4A,
図5Aおよび
図7Aに示すように、多数の収納可能オブジェクト(objects、対象物)のために優れたロールアップ型収容体を提供した。
【0132】
実施例2
【0133】
粘弾性(viscoelastomeric、粘弾性高分子)熱硬化性反応生成物が、粘弾性熱硬化オーバーレイ層3として使用されるとともに、全部で45.84重量パーセントのエポキシ化大豆油可塑剤を含むものとして、以下に示す複数の成分によって構成される2パート(two-part、2剤混合)型の熱硬化性反応媒質混合物を均一に混合することにより調製された。
【0134】
【0135】
実施例2a-パートA混合物の複数の成分とパートB混合物の複数の成分とが、それぞれ別々に混合された。その後、パートA混合物とパートB混合物とが混合された物が、熱硬化反応媒質を形成するために、組み合わされて(combined、化合されて)完全に混合された(blended)。その後、この実施例2aの結果物としての熱硬化性反応媒質より成る厚さが3mmである層が、厚さが0.3mmである高密度ポリプロピレンフィルム(polypropylene film)より成る可撓性支持基体サブストレート(a flexible supportive base substrate、可撓性支持基体5など)の前面部に適用された(applied to、付着された)のであり、さらに、その適用された熱硬化性反応媒質層は、可撓性支持基体5の前面部7に接合された粘弾性(viscoelastomeric、粘弾性高分子)熱硬化性オーバーレイ層3を含む可撓性ロールアップ型収容体組合せ体1を提供するために、周囲温度(すなわち、約21℃)でその場で硬化することが可能であった。
【0136】
実施例2b-自立型の(stand-alone、基体5から独立している)粘弾性(viscoelastomeric、粘弾性高分子)熱硬化性オーバーレイ層3が、この実施例2の結果物としての熱硬化性反応媒質より成る厚さが10mil(0.3mm)である層を平坦かつ平滑であるポリ塩化ビニル(PVC)シートに適用することにより事前製作されたのであり、当該粘弾性(viscoelastomeric、粘弾性高分子)熱硬化性オーバーレイ層3は、周囲温度(すなわち、約21℃)で硬化することが可能であった。その後、事前製作された、剥離可能な粘弾性(viscoelastomeric、粘弾性高分子)熱硬化性オーバーレイ層3が、粘弾性(viscoelastomeric、粘弾性高分子)熱硬化性オーバーレイ層3を前記ポリ塩化ビニル(PVC)シートから剥離してそれ(it、オーバーレイ層3)を通常の(conventional、従来からある)収容体の前面部7に粘着力によって適用することにより、通常の(conventional、従来からある)(粘着性を有しない)可撓性収容体を本発明に従う可撓性ロールアップ型収容体組合せ体1に変換するために使用された。
【0137】
観察-観察されたことは、エポキシ化大豆油可塑剤含有物(epoxidized soybean oil plasticizer content)が、この実施例2のジオール対トリオール比と共に、特に、実施例2aにおけるようにその場で硬化される場合に、見かけ上、上述の硬化した反応媒質が多数の可撓性支持基体5に接合されるときのその接合強度に顕著に貢献したということである。
【0138】
さらに観察されたことは、この実施例2bから誘導されたオーバーレイ層3は、自立型の粘弾性(viscoelastomeric、粘弾性高分子)熱硬化性オーバーレイ層3として商取引経路において輸送されてもよく、そのオーバーレイ層3は、続いて、この出願書類中の本発明に従う可撓性ロールアップ型収容体組合せ体1を形成するために前記ポリ塩化ビニル(PVC)シートから剥離され、その後、最終的な消費者によって取り付けられる(installed、収容体に取り付けられる)ことが可能であるということである。
【0139】
事前製作された粘弾性(viscoelastomeric、粘弾性高分子)熱硬化性オーバーレイ層3、例えば、実施例2bにおいて形成されたものであれば、望ましくは、保護カバー8(例えば、ポリ塩化ビニル(PVC)シート)により両面(both surfaces、オーバーレイ層3の両面)が保護されることになる。観察されたことは、この種の自立型の粘弾性(viscoelastomeric、粘弾性高分子)熱硬化性オーバーレイ層3は、約40重量パーセントから約50重量パーセントまでの範囲内のエポキシ化トリグリセリド可塑剤(epoxidized triglyceride plasticizer)を用いて調製することが最適であり得るということである。信じられることは、エポキシ化可塑剤(epoxidized plasticizer)のレベルが約40重量パーセント未満であるときに、剥離性ファクター(the peelablility factor、オーバーレイ層3から保護カバー8が剥離するときの剥離し易さを表すファクター、剥離し易さを表す要因など)がより困難になる(become more difficult、剥離し難くなる)かもしれないということである。
【0140】
実施例3
【0141】
実施例3が使用したパートA混合物とパートB混合物とは、実施例1におけるのと同様であるが、エポキシ化大豆油可塑剤含有物(epoxidized soybean oil plasticizer content)は増量され、かつ、ジブチルセバケート可塑剤含有物(dibutyl sebacate plasticizer content)は減量された点は除外される。
【0142】
【0143】
パートA混合物の複数の成分とパートB混合物の複数の成分とが、それぞれ別々に混合された。その後、パートA混合物とパートB混合物とが混合された物が、熱硬化性反応媒質を形成するために、組み合わされて(combine、化合されて)完全に混合された(blend)。その後、この出願書類中の本発明に従う可撓性ロールアップ収容体組合せ体1を提供するために、この実施例3の結果物としての熱硬化性反応媒質より成る層であって厚さが約1mmとして測定されたものが、液体の状態で、約0.5mmの厚さで堅く織られたデニム生地より成る前面部7であって約20cm×約46cmの寸法を有するものとして測定されたものに適用された(applied、付着された)。特定の予防措置(すなわち、エポキシ化大豆油可塑剤含有物(epoxidized soybean oil plasticizer content)を増量し、かつ、粘性を低下させるジブチルセバケート可塑剤含有物dibutyl sebacate plasticizer content)を減量すること)が取られたが、その目的は、上述の液状の反応媒質が、対向する背面部9であって前記デニム生地より成るものを貫通してそこに浸透することを防止することにあった。その後、上述の適用された熱硬化性反応媒質は、周囲温度(すなわち、約21℃)でその場で硬化することが可能であり、それにより、巻き(roll-up)および巻き解除(unrolling)に関する優れた属性を有する可撓性ロールアップ型収容体組合せ体1を、粘弾性(viscoelastomeric、粘弾性高分子)熱硬化性オーバーレイ層3が、巻きが解かれる(unfolded)ときに、前面部7からの分離の兆候を一切示すことなく、前記デニム生地の基体5の前面部7に動かないようにかつ強固に接合される状態で提供した。オーバーレイ層3は、並外れた粘着性、凝集性および剥離性を保有した。多数の別の編まれたファブリックを用いた同様なオーバーレイ技術が、この出願書類中における可撓性ロールアップ型収容体組合せ体1を調製するために効果的に利用されることも可能である。観察されたことは、硬化前の反応媒質を上述のデニム生地製の基体5に適用する際、最適な適用粘度(application viscosity)が、エポキシ化トリグリセリド可塑剤(epoxidized triglyceride plasticizer)対エステル可塑剤(ester plasticizer)(ジブチルセバケート(dibutyl sebacate))の重量比を変更することにより制御される(controlled)ことが可能であるということである。
【0144】
実施例4
【0145】
粘弾性(viscoelastomeric、粘弾性高分子)熱硬化性オーバーレイ層が、以下に示す複数の成分によって構成される熱硬化性反応媒質から調製された。
【0146】
【0147】
パートA混合物の複数の成分とパートB混合物の複数の成分とが、それぞれ別々に混合された。その後、パートA混合物およびパートB混合物とが混合された物が、熱硬化性反応媒質を形成するために、組み合わされて(combined、化合されて)完全に混合された(blended)。約20cm×約46cmの寸法を有するものとして測定された複数層化した(multilayered)可撓性基体5が、厚さが0.5mmであるデニムファブリックであって、35重量パーセントのポリ塩化ビニル(polyvinyl chloride)および65重量パーセントのポリエステル(polyesher)(JoAnn Fabrics社から入手可能なWUJI 金箔レザー(gold foil leather))より成るバッキング層(backing layer、裏層)が縫い付けられたものを含むものとして提供された。その後、この実施例4の結果物としての熱硬化性反応媒質より成る約1mmの厚さを有するものとして測定された層が、基体5の前面部7のデニムファブリック層に適用された(applied to、付着された)。硬化前の熱硬化性反応媒質は、前記デニムファブリック内へ浸透するとともに投錨する均一のオーバーレイ層として適用された(applied、基体5の前面部7のデニムファブリック層に付着された)。上述の65パーセントのポリエステル(polyester)/35パーセントのポリ塩化ビニル(PVC)製のバッキング(backing、前記バッキング層)は、前記熱硬化性反応媒質が基体5を貫通してそれの背面部9まで浸透することを阻害するように作用した。その後、上述の適用された粘弾性反応媒質は、周囲温度(すなわち、約21℃)でその場で硬化することが可能であった。
【0148】
硬化させ、それによって本発明に従う、発明品としての可撓性ロールアップ型収容体組合せ体1を形成すると、観察されたことは、結果物としての粘弾性(viscoelastomeric、粘弾性高分子)熱硬化性オーバーレイ層3が、卓越した凝集性、粘着性および剥離性を示したということである。その後、収容体1は、巻き状態となり(rolled-up)、続いて、巻きが解かれた状態(unrolled)となり、ここで、観察されたことは、オーバーレイ層3が、可撓性基体5の、デニムファブリックより成る前面部7からの分離の兆候を一切示さなかったということである。その後、いくつかのアイテムが、粘弾性(viscoelastomeric、粘弾性高分子)熱硬化性オーバーレイ層3の上に載置され、ここで、観察されたことは、それら収納されたアイテム13がオーバーレイ層3に粘着力によって付着したということである。収容体1(container 1、組合せ体1)は、動かないように閉塞された(closed、閉状態が形成された)収容体(container、組合せ体1)を形成するために、再び巻き状態に遷移した。その後、収容体1(container 1、組合せ体1)の巻きが解除されたのであり、ここで、再び観察されたことは、オーバーレイ層3が、可撓性基体5の、デニムファブリックより成る前面部7からの分離の兆候を一切示さなかったということであり、さらに観察されたことは、上述のいくつかのアイテム13が、載置されたときの付着位置と同じ位置に留置されたということである。さらに観察されたことは、上述のいくつかのアイテム13が、粘弾性(viscoelastomeric、粘弾性高分子)熱硬化性オーバーレイ層3から剥離すると、それら剥離されたアイテム13には、オーバーレイ層3のいかなる残留物も視認されるほどに存在していなかった(free from any overlay 3 residue、オーバーレイ層3の材料の凝集性が維持されて凝集破壊が起こらなかった)ということである。発明品としての組合せ体1からアイテム13が剥離すると、オーバーレイ層3に初期歪み(distortion、表面歪みなど)が発生したが、そのオーバーレイ層3は、そこからアイテム13が剥離すると、自身のもとの形状に回復した。さらに観察されたことは、組合せ体1からアイテム13が剥離すると、オーバーレイ層3が基体5の前記デニムファブリックから分離しなかったということである。
【0149】
さらに観察されたことは、前記熱硬化性反応媒質が前述の65パーセントのポリエステル(polyester)/35パーセントのポリ塩化ビニル(PVC)製の背面部9の表面を貫通しなかったため、可撓性ロールアップ型収容体組合せ体1は、引き続き、容易に巻かれてロールアップ状態という収容体の形態に移行し、その後、再び、容易に巻きが解かれて平坦化状態に移行し、このことは、何回でも好きなだけ、かつ、認識できる効果損失(discernable loss of efficacy、視認できる劣化など)を伴うことなく行われたということである。さらに観察されたことは、オーバーレイ層3が、巻きが形成されるごとに、可撓性ロールアップ型収容体組合せ体1をロールアップ状態に維持するのに十分な粘着力を提供したということである。必要であれば、前記可撓性収容体をロールアップ状態で追加的に包囲する(enclose)ために、ストリングおよび/またはエンドフラップ(end flaps、例えば、基体5の端部に配置されるフラップまたは可動片、前述の包囲パネル20など)が任意選択的に可撓性ロールアップ型収容体組合せ体1に追加されることが可能であるが、それらストリングまたはフラップは必須ではない。反応媒質が可撓性支持基体5の背面部9上に浸透することを阻害するために可撓性背面部9障壁材料(flexible backside 9 barrier material、可撓性背面部9用の障壁材料、背面部9用の可撓性障壁材料など)を使用するという手法は、多数の可撓性基体(flexible bases、可撓性支持基体5、別の可撓性支持基体など)に適用されることが可能である。それに代えて、前述の液状の反応媒質がファブリックまたは別の可撓性サポートに浸透する浸透深さ(the depth of fabric or other flexibile support penetration of the liquid reaction media)を制御するために、ファブリックまたは可撓性サポート(support、可撓性支持基体5もしくは別の可撓性支持基体またはそれに装着される別の支持体)の種類(type、物性、材質など)が、適切な粘度および硬化時間(curing time、浸透深さを左右する変数)を有する熱硬化性反応媒質との組合せにおいて、効果的に利用されることが可能である。
【0150】
さらに注目されたことは、可撓性ロールアップ型収容体組合せ体1が抗菌特性を示したということである。その種の抗菌特性は衛生状態を維持することに役立ち得る。
【0151】
さらに、時間の経過につれて付着力が低下すること(例えば、塵の堆積による)をシミュレートするために、少量の塵(dust、ダスト)が前記粘弾性(viscoelastomeric、粘弾性高分子)熱硬化性オーバーレイ層3に適用された(applied、付着された)。その後、可撓性ロールアップ型収容体組合せ体1は、水道水と少量の台所洗剤(Procter & Gamble社から入手可能なDAWN)を含むせっけん水内に浸漬されたのであり、指を使って軽く擦る動作が適用された(applied、可撓性ロールアップ型収容体組合せ体1に対して行われた)。すすぎ洗い(rinsing、リンス)および空気乾燥が行われると、観察されたことは、もともとの(original、当初の)粘着力、凝集力および剥離性が、上述の単純な手洗いにより、それら物性値のもともとの状態に完全に回復したということである。
【0152】
理解されるであろうことは、前述のいくつかの実施例についての詳細事項は、解説(illustration)を目的として与えられたものであり、本発明の範囲を限定するものとして解釈されるべきではないということである。本発明についての少ない数の具体例しか上記の説明において文章によって詳細に説明されていないが、当業者であれば、前述の新規な教示事項および本発明の利点から実質的に逸脱することなく、それら具体例において多くの変形例が存在することを容易に理解するであろう。例えば、一具体例に関連して説明された複数の特徴は、本発明についての他の任意の具体例に合体されてもよい。
【0153】
したがって、すべてのこの種の変形例は、本発明の範囲内に包含されるように意図されており、本発明の範囲は、後続する特許請求の範囲およびそれに対するすべての均等物において定義される。さらに、認識されることは、多くの具体例がいくつかの具体例、特に前述の望ましい具体例の利点のすべてを達成するわけではないものとして想定されており、特定の利点が存在しないことが必ずしも、該当する具体例が本発明の範囲内に存在しないことを意味しないと解釈されるべきであるということである。様々な変更(changes)を本発明の範囲から逸脱することなく前述の解釈の範囲内において行うことが可能であるから、意図されることは、発明の詳細な説明の欄に含まれるすべての事項は、解説を行うものとして(illustrative)、かつ、限定を行うという意味ではないものとして解釈されるべきであるということである。
本発明によれば、下記の複数の態様が得られる。
(態様1)
可撓性ロールアップ型収容体組合せ体であって、
前面部および背面部を有する可撓性支持基体と、
その可撓性支持基体の前面部上に配置され、凝集性、粘着性および剥離性を有する粘弾性高分子熱硬化性オーバーレイ層と
を含み、
当該可撓性ロールアップ型収容体組合せ体は、前面-背面接触方式(a front-to-back manner)で巻かれるかまたは包まれて安定した閉状態(closed configuration)に遷移することが可能であり、
当該可撓性ロールアップ型収容体組合せ体は、次回の使用に備え、前記可撓性支持基体の前面部からの前記粘弾性高分子熱硬化性オーバーレイ層の視認可能な分離が起こることなく、巻きが解かれるかまたは包みが解かれて開状態(open configuration)に遷移することが可能である可撓性ロールアップ型収容体組合せ体。
(態様2)
前記可撓性支持基体の前面部に対する前記粘弾性高分子熱硬化性オーバーレイ層の全付着力は、前記可撓性支持基体の背面部に対する前記粘弾性高分子熱硬化性オーバーレイ層の粘着による付着力より大きい態様1に記載の可撓性ロールアップ型収容体組合せ体。
(態様3)
当該可撓性ロールアップ型収納体組合せ体は、バッグという形態を有する態様1に記載の可撓性ロールアップ型収容体組合せ体。
(態様4)
当該可撓性ロールアップ型収納体組合せ体は、吊下げ型収容体という形態を有する態様1に記載の可撓性ロールアップ型収容体組合せ体。
(態様5)
前記粘弾性高分子熱硬化性オーバーレイ層または可撓性支持基体のうちの少なくとも1つは、透過性を有する態様1に記載の可撓性ロールアップ型収容体組合せ体。
(態様6)
前記粘弾性高分子熱硬化性オーバーレイ層は、約0.1mmから約10mmまでの範囲内の板厚を有する態様1に記載の可撓性ロールアップ型収容体組合せ体。
(態様7)
前記可撓性支持基体の前面部は、前記粘弾性高分子熱硬化性オーバーレイ層に少なくとも部分的に含浸されており、
前記可撓性支持基体の背面部には、前記粘弾性高分子熱硬化性オーバーレイ層が実質的に存在しない態様1に記載の可撓性ロールアップ型収容体組合せ体。
(態様8)
前記粘弾性高分子熱硬化性オーバーレイ層は、
a)約1重量パーセントから約10重量パーセントまでの範囲内のイソシアネートプレポリマー(isocyanate prepolymer)と、
b)約35重量パーセントから約70重量パーセントまでの範囲内のポリオール(polyols)であって、直鎖連鎖ポリオール(straight chain linking polyols)と架橋ポリオール(crosslinking polyols)とを含むものと、
c)約10重量パーセントから約50重量パーセントまでの範囲内のエポキシ化トリグリセリド可塑剤(epoxidized triglyceride plasticizer)と、
d)約0重量パーセントから約40重量パーセントまでの範囲内のエステル可塑剤(ester plasticizer)と
を含み、
前記粘弾性高分子熱硬化性オーバーレイ層は、さらに、直鎖連鎖ポリオール(straight chain linking polyol)対架橋ポリオール(crosslinking polyol)の重量比を約4:1から約1:4までの範囲内のものとして含む態様1に記載の可撓性ロールアップ型収容体組合せ体。
(態様9)
前記可塑剤は、前記粘弾性高分子熱硬化性オーバーレイ層の全体にわたり均一に分散される態様8に記載の可撓性ロールアップ型収容体組合せ体。
(態様10)
前記粘弾性高分子熱硬化性オーバーレイ層は、さらに、エポキシ化トリグリセリド可塑剤対エステル可塑剤の重量比を約1:0から約1:1までの範囲内のものとして含む態様8に記載の可撓性ロールアップ型収容体組合せ体。
(態様11)
前記エステル可塑剤(ester plasticizer)は、セバケート(sebacates)、アジペート(adipates)、グルタレート(glutarates)、ジベンゾエート(dibenzoates)、フタル酸(phthalates、フタル酸類)、テレフタレート(terephthalates)、アゼレート(azelates)およびそれらの組合せからなるグループから選択される態様8に記載の可撓性ロールアップ型収容体組合せ体。
(態様12)
前記エステル可塑剤は、セバシン酸ジブチル(dibutyl sebacate、ジブチルセバケート)を含有する態様8に記載の可撓性ロールアップ型収容体組合せ体。
(態様13)
前記エステル可塑剤は、約750未満の分子量を有する態様8に記載の可撓性ロールアップ型収容体組合せ体。
(態様14)
前記エステル可塑剤は、少なくとも約1.5Dの双極子モーメントを有する態様8に記載の可撓性ロールアップ型収容体組合せ体。
(態様15)
当該可撓性ロールアップ型収容体組合せ体は、透過性を有する態様8に記載の可撓性ロールアップ型収容体組合せ体。
(態様16)
前記直鎖連鎖ポリオールおよび前記架橋ポリオールは、それぞれ、エーテル基の繰り返し構造(repetitive ether groupings)を有する態様8に記載の可撓性ロールアップ型収容体組合せ体。
(態様17)
前記直鎖連鎖ポリオールは、ポリエーテルジオールを含み、
前記架橋ポリオールは、ポリエーテルトリオールを含む態様8に記載の可撓性ロールアップ型収容体組合せ体。
(態様18)
前記直鎖連鎖ポリオールおよび前記架橋ポリオールは、それぞれ、約1,000から約20,000までの範囲内の分子量を有する態様8に記載の可撓性ロールアップ型収容体組合せ体。
(態様19)
前記イソシアネートプレポリマーは、ジイソシアネートプレポリマーである態様8に記載の可撓性ロールアップ型収容体組合せ体。
(態様20)
前記粘弾性高分子熱硬化性オーバーレイ層は、重力によって変位しないように当該粘弾性高分子熱硬化性オーバーレイ層上にアイテムを留置することと、剥離力が作用すると、前記可撓性支持基体の前面部からの当該粘弾性高分子熱硬化性オーバーレイ層の視認可能な分離が起こることなく、前記アイテムを剥離することとを行うのに十分な粘着力を有するものとして特徴付けられる態様1に記載の可撓性ロールアップ型収容体組合せ体。
(態様21)
前記粘弾性高分子熱硬化性オーバーレイ層は、前記可撓性支持基体の前面部に、その場で硬化することにより(via in situ curing)、接合されされている(bonded)態様1に記載の可撓性ロールアップ型収容体組合せ体。
(態様22)
当該可撓性ロールアップ型収容体組合せ体は、再利用可能なものとして特徴付けられる態様1に記載の可撓性ロールアップ型収容体組合せ体。
(態様23)
当該可撓性ロールアップ型収容体組合せ体は、前記粘弾性高分子熱硬化性オーバーレイ層の凝集性、粘着性および剥離性が元の状態に実質的に復元するように台所洗剤入りの水溶液を用いて手洗いすることによって浄化可能であるものとして特徴付けられる態様1に記載の可撓性ロールアップ型収容体組合せ体。
(態様24)
当該可撓性ロールアップ型収容体組合せ体は、抗菌性(antipathogenic、抗病原性)を有するものとして特徴付けられる態様1に記載の可撓性ロールアップ型収容体組合せ体。
(態様25)
前記粘弾性高分子熱硬化性オーバーレイ層は、収納されているアイテムを、粘着力によって当該粘弾性高分子熱硬化性オーバーレイ層に接触する状態で固定化するのに十分な粘着吸引力を有し、
前記粘弾性高分子熱硬化性オーバーレイ層は、さらに、前記粘着吸引力に打ち勝つのに十分な剥離力が作用すると、前記収納されているアイテムを分離するのに十分な凝集剥離性(cohesive releasability、凝集状態での剥離性)を有する態様1に記載の可撓性ロールアップ型収容体組合せ体。
(態様26)
当該可撓性ロールアップ型収容体組合せ体から分離したアイテムには、ポリマー残留物が実質的に存在しない態様1に記載の可撓性ロールアップ型収容体組合せ体。
(態様27)
可撓性ロールアップ型収容体組合せ体を製造する方法であって、
a)前面部および背面部を有する可撓性支持基体を提供する提供工程であって、その可撓性支持基体は、目標とされた収容可能アイテムを支持するのに十分なサイズおよび構造的完全性(structural integrity)を有するものと、
b)熱硬化性粘弾性高分子反応生成物(thermoset viscoelastomeric reaction product)を前記可撓性支持基体の前面部上に配置し、それにより、その前面部上に粘弾性高分子熱硬化性オーバーレイ層を形成する配置工程と
を含み、
前記粘弾性高分子熱硬化性オーバーレイ層は、前記可撓性支持基体の前面部に対する前記熱硬化性粘弾性高分子反応生成物の熱硬化性接合(thermoset bonding)によるか、または、前記可撓性支持基体の前面部に対する前記粘弾性高分子熱硬化性オーバーレイ層の粘着性接合(adhesive bonding)により、前記可撓性支持基体に接合され(bonded)、
前記粘弾性高分子熱硬化性オーバーレイ層は、目標の収納可能アイテムを、安定化した(stabilized、不動の)収納可能位置に保持して、収納されたアイテムを形成することと、その収納されたアイテムと前記粘弾性高分子熱硬化性オーバーレイ層との間の粘着吸引力に打ち勝って、剥離されたアイテムを形成するのに十分な剥離力が作用すると、前記収納されたアイテムを剥離することとを行うのに十分な粘着性、凝集性および剥離性を有する方法。
(態様28)
さらに、前記可撓性ロールアップ型収容体組合せ体を、前面-背面接触方式(a front-to-back manner)で自身の上に巻くかまたは包んで閉状態を形成する工程を含む態様27に記載の方法。
(態様29)
さらに、前記可撓性ロールアップ型収容体組合せ体の巻きを解くかまたは包みを解いて開状態にある収容体を形成する工程を含み、
前記可撓性ロールアップ型収容体組合せ体は、前記粘弾性高分子熱硬化性オーバーレイ層が前記可撓性支持基体の前面部から視認可能に分離することを行わない態様28に記載の方法。
(態様30)
前記粘着性、凝集性および剥離性は、実質的に元のままに維持される態様29に記載の方法。
(態様31)
前記剥離されたアイテムには、前記粘弾性高分子熱硬化性オーバーレイ層からのポリマー残留物が許容量(nominal amount)以下しか存在しない態様27に記載の方法。
(態様32)
前記配置工程は、前記熱硬化性粘弾性高分子反応生成物を形成する反応媒質(reaction media)を前記可撓性支持基体の前面部上に配置し、その後、前記反応媒質をその場で硬化させる工程を含む態様27に記載の方法。
(態様33)
前記配置工程は、前記熱硬化性粘弾性高分子反応生成物の硬化層を前記可撓性支持基体の前面部上に粘着状態で配置する工程を含む態様27に記載の方法。
(態様34)
前記粘弾性高分子熱硬化性オーバーレイ層または可撓性支持基体のうちの少なくとも1つは、透過性を有する態様27に記載の方法。
(態様35)
前記熱硬化性粘弾性高分子反応生成物は、反応媒質(reaction media)から誘導され(derived from)、その反応媒質は、
a)約1重量パーセントから約10重量パーセントまでの範囲内のジイソシアネートプレポリマー(diisocyanate prepolymer)と、
b)約35重量パーセントから約70重量パーセントまでの範囲内のポリオール(polyols)であって、直鎖連鎖ジオール(straight chain linking diols)と架橋トリオール(crosslinking triols)とを含むものと、
c)約10重量パーセントから約55重量パーセントまでの範囲内の可塑剤(plasticizer)であって、当該反応媒質の重量を基準にして、約10重量パーセントから約50重量パーセントまでの範囲内のエポキシ化トリグリセリド可塑剤(epoxidized triglyceride plasticizer)と、約0重量パーセントから約40重量パーセントまでの範囲内のエステル可塑剤(ester plasticizer)と
を含み、
前記ジオールおよびトリオールは、それぞれ、エーテル基の繰り返し構造(repetitive ether groupings)であり、
前記反応媒質は、さらに、ジオール対トリオールの重量比を約4:1から約1:4までの範囲内のものとして含む態様27に記載の方法。
(態様36)
前記反応媒質は、さらに、エポキシ化トリグリセリド可塑剤対エステル可塑剤の重量比を約1:0から約1:1までの範囲内のものとして含む態様35に記載の方法。
(態様37)
前記エステル可塑剤は、約750未満の分子量を有し、さらに、少なくとも約1.5Dの双極子モーメントを有する態様35に記載の方法。
(態様38)
前記エポキシ化トリグリセリド可塑剤は、エポキシ化大豆油を含む態様35に記載の方法。
(態様39)
前記エステル可塑剤は、ジブチルセバケート(dibutyl sebacate、セバシン酸ジブチル)を含む態様35に記載の方法。
(態様40)
前記直鎖連鎖ジオールは、ポリエーテルジオール(polyether diols)を含み、
前記架橋トリオールはが、ポリエーテルトリオール(polyether triols)を含み、
前記ポリエーテルジオールおよび前記ポリエーテルトリオールは、それぞれ、約1,000から約20,000までの範囲内の分子量を有する態様35に記載の方法。
(態様41)
前記反応媒質内の可塑剤の量は、前記収納されたアイテムを意に反して変位しないように固定化するのに十分な粘着力を有する粘弾性高分子熱硬化性オーバーレイ層を提供するのに十分な量である態様35に記載の方法。
(態様42)
前記反応媒質内の可塑剤の量は、前記収納されたアイテムに剥離力が作用すると、粘弾性高分子熱硬化性オーバーレイ層であってそれの劣化を防止するのに十分な凝集力を有するものを提供するのに十分な量である態様35に記載の方法。
(態様101)
可撓性ロールアップ型収容体組合せ体であって、
前面部および背面部を有する可撓性支持基体と、
その可撓性支持基体の前面部上に配置され、凝集性、粘着性および剥離性を有する粘弾性高分子熱硬化性オーバーレイ層と
を含み、
当該可撓性ロールアップ型収容体組合せ体は、前面-背面接触方式(a front-to-back manner)で巻かれるかまたは包まれて安定した閉状態(closed configuration)に遷移することが可能であり、
当該可撓性ロールアップ型収容体組合せ体は、次回の使用に備え、前記可撓性支持基体の前面部からの前記粘弾性高分子熱硬化性オーバーレイ層の視認可能な分離が起こることなく、巻きが解かれるかまたは包みが解かれて開状態(open configuration)に遷移することが可能であり、
前記粘弾性高分子熱硬化性オーバーレイ層は、重力によって変位しないように当該粘弾性高分子熱硬化性オーバーレイ層上にアイテムを留置することと、剥離力が作用すると、前記可撓性支持基体の前面部からの当該粘弾性高分子熱硬化性オーバーレイ層の視認可能な分離が起こることなく、前記アイテムを剥離することとを行うのに十分な粘着力を有するものとして特徴付けられる可撓性ロールアップ型収容体組合せ体。
(態様102)
可撓性ロールアップ型収容体組合せ体であって、
前面部および背面部を有する可撓性支持基体と、
その可撓性支持基体の前面部上に配置され、凝集性、粘着性および剥離性を有する粘弾性高分子熱硬化性オーバーレイ層と
を含み、
当該可撓性ロールアップ型収容体組合せ体は、前面-背面接触方式(a front-to-back manner)で巻かれるかまたは包まれて安定した閉状態(closed configuration)に遷移することが可能であり、
当該可撓性ロールアップ型収容体組合せ体は、次回の使用に備え、前記可撓性支持基体の前面部からの前記粘弾性高分子熱硬化性オーバーレイ層の視認可能な分離が起こることなく、巻きが解かれるかまたは包みが解かれて開状態(open configuration)に遷移することが可能であり、
前記粘弾性高分子熱硬化性オーバーレイ層は、収納されているアイテムを、粘着力によって当該粘弾性高分子熱硬化性オーバーレイ層に接触する状態で固定化するのに十分な粘着吸引力を有し、
前記粘弾性高分子熱硬化性オーバーレイ層は、さらに、前記粘着吸引力に打ち勝つのに十分な剥離力が作用すると、前記収納されているアイテムを分離するのに十分な凝集剥離性(cohesive releasability、凝集状態での剥離性)を有する可撓性ロールアップ型収容体組合せ体。
(態様103)
可撓性ロールアップ型収容体組合せ体を製造する方法であって、
a)前面部および背面部を有する可撓性支持基体を提供する提供工程であって、その可撓性支持基体は、目標とされた収容可能アイテムを支持するのに十分なサイズおよび構造的完全性(structural integrity)を有するものと、
b)熱硬化性粘弾性高分子反応生成物(thermoset viscoelastomeric reaction product)を前記可撓性支持基体の前面部上に配置し、それにより、その前面部上に粘弾性高分子熱硬化性オーバーレイ層を形成する配置工程と、
c)前記可撓性ロールアップ型収容体組合せ体を、前面-背面接触方式(a front-to-back manner)で自身の上に巻くかまたは包んで閉状態を形成する工程と
を含み、
前記粘弾性高分子熱硬化性オーバーレイ層は、前記可撓性支持基体の前面部に対する前記熱硬化性粘弾性高分子反応生成物の熱硬化性接合(thermoset bonding)によるか、または、前記可撓性支持基体の前面部に対する前記粘弾性高分子熱硬化性オーバーレイ層の粘着性接合(adhesive bonding)により、前記可撓性支持基体に接合され(bonded)、
前記粘弾性高分子熱硬化性オーバーレイ層は、目標の収納可能アイテムを、安定化した(stabilized、不動の)収納可能位置に保持して、収納されたアイテムを形成することと、その収納されたアイテムと前記粘弾性高分子熱硬化性オーバーレイ層との間の粘着吸引力に打ち勝って、剥離されたアイテムを形成するのに十分な剥離力が作用すると、前記収納されたアイテムを剥離することとを行うのに十分な粘着性、凝集性および剥離性を有する方法。
(態様201)
可撓性ロールアップ型収容体組合せ体であって、
前面部および背面部を有する支持基体であって、可撓性を有するものと、
その支持基体の前記前面部上に配置され、凝集性、粘着性および剥離性を有するオーバーレイ層であって、粘弾性高分子熱硬化性を有するものと
を含み、
当該可撓性ロールアップ型収容体組合せ体は、前面-背面接触方式で巻きが形成されるかまたは包みが形成されて安定した閉状態に遷移することが可能であり、
当該可撓性ロールアップ型収容体組合せ体は、次回の使用に備え、巻きが解かれるかまたは包みが解かれて開状態に遷移することが可能であり、
当該可撓性ロールアップ型収容体組合せ体は、前記閉状態において、少なくとも1つのアイテムを前記オーバーレイ層上において粘着力によって収納することが可能である可撓性ロールアップ型収容体組合せ体。
(態様202)
当該可撓性ロールアップ型収容体組合せ体は、前記前面-背面接触方式が実現される前記閉状態において、当該可撓性ロールアップ型収容体組合せ体の、前記巻きまたは包みの方向における複数の部位のそれぞれである各部位のうちの前面部が別の部位のうちの背面部に接触することを可能にし、
当該可撓性ロールアップ型収容体組合せ体は、前記閉状態において、前記少なくとも1つのアイテムを前記各部位のうちの前記前面部に位置する前記オーバーレイ層と前記別の部位のうちの前記背面部に位置する前記支持基体との間において挟んで粘着力によって収納することが可能である態様201に記載の可撓性ロールアップ型収容体組合せ体。
(態様203)
前記少なくとも1つのアイテムは、複数のアイテムを含み、
当該可撓性ロールアップ型収容体組合せ体は、前記閉状態において、前記複数のアイテムを前記オーバーレイ層上において前記複数のアイテムが配列を成す状態で粘着力によって収納することが可能である態様201または202に記載の可撓性ロールアップ型収容体組合せ体。
(態様204)
当該可撓性ロールアップ型収容体組合せ体は、前記閉状態において、前記少なくとも1つのアイテムを前記オーバーレイ層上において、前記少なくとも1つのアイテムの寸法および形状に適合するサイズを有する区画部を用いることなく、粘着力によって収納することが可能である態様201ないし203のいずれかに記載の可撓性ロールアップ型収容体組合せ体。
(態様205)
前記支持基体は、前記オーバーレイ層によって係留される複数の係留部位を含み、
当該可撓性ロールアップ型収容体組合せ体は、前記支持基体が前記複数の係留部位において前記オーバーレイ層によって係留された構造体として形成される態様201ないし204のいずれかに記載の可撓性ロールアップ型収容体組合せ体。
(態様206)
当該可撓性ロールアップ型収容体組合せ体は、前記閉状態において、前記少なくとも1つのアイテムを前記支持基体の前記背面部と前記オーバーレイ層との間において粘着力によって収納することが可能であり、
当該可撓性ロールアップ型収容体組合せ体は、それに収納される前記少なくとも1つのアイテムが前記支持基体の前記背面部と前記オーバーレイ層との間の隔壁として作用することを可能にする態様201ないし205のいずれかに記載の可撓性ロールアップ型収容体組合せ体。