(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023113813
(43)【公開日】2023-08-16
(54)【発明の名称】空気圧ポンプボックスおよびそのためのアキュムレータを含む医療流体治療機械
(51)【国際特許分類】
A61M 1/16 20060101AFI20230808BHJP
A61M 1/28 20060101ALI20230808BHJP
A61M 60/279 20210101ALI20230808BHJP
A61M 60/37 20210101ALI20230808BHJP
A61M 60/113 20210101ALI20230808BHJP
A61M 60/268 20210101ALI20230808BHJP
A61M 60/427 20210101ALI20230808BHJP
A61M 60/851 20210101ALI20230808BHJP
【FI】
A61M1/16 110
A61M1/28
A61M60/279
A61M60/37
A61M60/113
A61M60/268
A61M60/427
A61M60/851
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023093048
(22)【出願日】2023-06-06
(62)【分割の表示】P 2022084993の分割
【原出願日】2017-10-27
(31)【優先権主張番号】15/336,266
(32)【優先日】2016-10-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】591013229
【氏名又は名称】バクスター・インターナショナル・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】BAXTER INTERNATIONAL INCORP0RATED
(71)【出願人】
【識別番号】501453189
【氏名又は名称】バクスター・ヘルスケヤー・ソシエテ・アノニム
【氏名又は名称原語表記】Baxter Healthcare S.A.
【住所又は居所原語表記】Thurgauerstr.130 CH-8152 Glattpark (Opfikon) Switzerland
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(72)【発明者】
【氏名】チャールズ ウェイン ボイラン
(57)【要約】 (修正有)
【課題】好適な空気圧ポンプボックスおよびそのためのアキュムレータを含む医療流体治療機械を提供すること。
【解決手段】空気圧で作動されるポンプチャンバと、それぞれ、空気圧で作動されるポンプチャンバの上流および下流に位置する第1の空気圧で作動される医療流体弁チャンバおよび第2の空気圧で作動される医療流体弁チャンバとを含む、医療流体ポンプと、正圧空気を生成するためのコンプレッサと、空気圧で作動されるポンプチャンバ、第1の空気圧で作動される医療流体弁チャンバ、または第2の空気圧で作動される医療流体弁チャンバのうちの少なくとも1つへの送達のための正圧空気を貯蔵する、アキュムレータであって、コンプレッサからの正圧空気下で膨張する弾性ブラダを保持し、アキュムレータが提供し得る正圧空気の量を増加させる付加的正圧を生成する、アキュムレータとを含む、医療流体送達機械90。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療流体送達機械(90)であって、
医療流体ポンプ(200)と、
制御ユニット(50)と
を備え、
前記医療流体ポンプ(200)は、
空気圧で作動されるポンプチャンバ(202)と、
前記空気圧で作動されるポンプチャンバ(202)へのおよび前記空気圧で作動されるポンプチャンバ(202)からの入口弁および出口弁であるように位置付けられる第1および第2の空気圧で作動される医療流体弁チャンバ(212、222)と、
前記空気圧で作動されるポンプチャンバ(202)ならびに前記第1および第2の空気圧で作動される医療流体弁チャンバ(212、222)への送達のための正圧空気を貯蔵する正圧アキュムレータ(158)と、
空気圧的に前記正圧アキュムレータ(158)と前記第1の空気圧で作動される医療流体弁チャンバ(212)との間に位置する第1のバイナリ弁(240b)と、
空気圧的に前記正圧アキュムレータ(158)と前記第2の空気圧で作動される医療流体弁チャンバ(222)との間に位置する第2のバイナリ弁(240e)と
を含み、
前記制御ユニット(50)は、(i)前記第1のバイナリ弁(240b)を閉鎖させることにより、前記第1の空気圧で作動される医療流体弁チャンバ(212)が流体的に開放することを可能にすること、または(ii)前記第2のバイナリ弁(240e)を閉鎖させることにより、前記第2の空気圧で作動される医療流体弁チャンバ(222)が流体的に開放することを可能にすることのうちの少なくとも1つを行うように構成される、医療流体送達機械(90)。
【請求項2】
前記正圧アキュムレータ(158)は、拡張可能ブラダ(182)を含み、前記拡張可能ブラダ(182)は、正圧空気下で膨張し、前記正圧アキュムレータ(158)が提供し得る正圧空気の量を増加させる付加的正圧を生成する、請求項1に記載の医療流体送達機械(90)。
【請求項3】
前記拡張可能ブラダ(182)は、前記拡張可能ブラダ(182)を膨張させるために必要とされる正圧が所望の出力正圧を上回るように構築される、請求項2に記載の医療流体送達機械(90)。
【請求項4】
前記所望の出力正圧は、空気圧的に前記正圧アキュムレータ(158)と前記第1および第2の空気圧で作動される医療流体弁チャンバ(212、222)との間に位置する空気圧調整器(248)によって設定される、請求項3に記載の医療流体送達機械(90)。
【請求項5】
前記空気圧調整器(248)は、さらに空気圧的に前記正圧アキュムレータ(158)と前記空気圧で作動されるポンプチャンバ(202)との間に位置する、請求項4に記載の医療流体送達機械(90)。
【請求項6】
前記制御ユニット(50)は、さらに、(iii)前記第1のバイナリ弁(240b)を開放させることにより、正圧空気下で前記第1の空気圧で作動される医療流体弁チャンバ(212)を流体的に閉鎖させること、または(iv)前記第2のバイナリ弁(240e)を開放させることにより、正圧空気下で前記第2の空気圧で作動される医療流体弁チャンバ(212)を流体的に閉鎖させることのうちの少なくとも1つを行うように構成される、請求項1~5のいずれかに記載の医療流体送達機械(90)。
【請求項7】
前記第1または第2の空気圧で作動される医療流体弁チャンバ(212、222)のうちの少なくとも1つが流体的に開放することを可能にすることは、弁ダイヤフラム(220、230)の流体側(216、226)上の流体圧力が前記第1および第2の空気圧で作動される医療流体弁チャンバ(212、222)を流体的に開放することを可能にすること、および/または、前記第1および第2の空気圧で作動される医療流体弁チャンバ(212、222)を流体的に開放させるように付勢させられるように前記弁ダイヤフラム(220、230)を事前形成または事前ドーム形成することを含む、請求項1~6のいずれかに記載の医療流体送達機械(90)。
【請求項8】
前記正圧アキュムレータ(158)と前記空気圧で作動されるポンプチャンバ(202)との間に位置する制御ユニット(50)の制御下にある可変オリフィス弁(244)を含む、請求項1~7のいずれかに記載の医療流体送達機械(90)。
【請求項9】
空気圧的に前記可変オリフィス弁(244)と前記正圧アキュムレータ(158)との間に位置する第3のバイナリ弁(240d)を含む、請求項8に記載の医療流体送達機械(90)。
【請求項10】
前記空気圧で作動されるポンプチャンバ(202)への送達のための負圧空気を貯蔵する負圧アキュムレータ(160)を含む、請求項1~9のいずれかに記載の医療流体送達機械(90)。
【請求項11】
前記負圧アキュムレータ(160)は、拡張可能ブラダ182を含み、前記拡張可能ブラダ182は、負圧空気下で膨張し、前記負圧アキュムレータ(160)が提供し得る負圧空気の量を増加させる付加的負圧を生成する、請求項10に記載の医療流体送達機械(90)。
【請求項12】
前記拡張可能ブラダ(182)は、前記拡張可能ブラダ(182)を膨張させるために必要とされる負圧が所望の出力負圧を上回るように構築される、請求項11に記載の医療流体送達機械(90)。
【請求項13】
前記所望の出力負圧は、空気圧的に前記負圧アキュムレータ(160)と前記空気圧で作動されるポンプチャンバ(202)との間に位置する空気圧調整器(246)によって設定される、請求項12に記載の医療流体送達機械(90)。
【請求項14】
空気圧的に前記負圧アキュムレータ(160)と前記空気圧で作動されるポンプチャンバ(202)との間に位置する第3のバイナリ弁(240c)を含む、請求項10~13のいずれかに記載の医療流体送達機械(90)。
【請求項15】
前記負圧アキュムレータ(160)と前記空気圧で作動されるポンプチャンバ(202)との間に位置する制御ユニット(50)の制御下にある可変オリフィス弁(244)を含む、請求項10~14のいずれかに記載の医療流体送達機械(90)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、2016年10月27日に出願され“Medical Fluid Therapy Machine Including Pneumatic Pump Box and Accumulators Therefore”と題された米国特許第15/336,266号に対する優先権を主張するものであり、その全内容は、参照により本明細書中に援用される。
【0002】
本開示は、概して、医療流体送達機械のためのデバイス、システム、および方法に関する。より具体的には、本開示は、空気圧圧送を採用する腎不全治療機械等の医療流体送達機械に関する。
【背景技術】
【0003】
腎不全治療機械に関して、種々の原因に起因して、人物の腎臓系は、機能しなくなり得る。腎不全は、いくつかの生理学的撹乱を生じる。水分およびミネラルの平衡を保つ、または日常の代謝負荷を排泄することは、もはや可能ではない。窒素代謝の毒性最終生産物(尿素、クレアチニン、尿酸、およびその他)は、血液および組織中に蓄積し得る。
【0004】
腎臓不全および低減された腎臓機能は、透析を用いて処置されている。透析は、身体から、正常に機能している腎臓がそうでなければ除去するであろう老廃物、毒素、および過剰な水分を除去する。腎臓機能の置換のための透析処置は、処置が救命的であるため、多くの人々にとって重要である。
【0005】
1つのタイプの腎臓不全治療は、一般に、患者の血液から老廃物を除去するために拡散を使用する、血液透析(「HD」)である。拡散勾配が、拡散を引き起こすために、血液と透析液または透析流体と呼ばれる電解質溶液との間の半浸透性透析器を横断して起こる。
【0006】
血液濾過(「HF」)は、患者の血液からの毒素の対流輸送に依拠する代替腎置換治療である。HFは、処置の間に体外回路に代替液または補液(典型的には、10~90リットルのそのような流体)を添加することによって遂行される。代替液および処置の間に患者によって蓄積される流体は、一連のHF処置にわたって限外濾過され、中および大分子を除去する際に特に有益である対流輸送機構を提供する(血液透析では、透析セッションの間に得られる流体とともに、少量の老廃物が除去されるが、しかしながら、その限外濾過液の除去からの溶質牽引は、対流クリアランスを提供するために十分ではない)。
【0007】
血液透析濾過(「HDF」)は、対流および拡散クリアランスを組み合わせる処置モダリティである。HDFは、拡散クリアランスを提供するために、標準的血液透析と同様に、透析器を通して流動する透析流体を使用する。加えて、代替液が、体外回路に直接提供され、対流クリアランスを提供する。
【0008】
殆どのHD(HF、HDF)処置は、センターで行われる。在宅血液透析(「HHD」)への傾向が、部分的に、HHDが毎日実施され得、典型的には、週に2または3回行われるセンター内血液透析処置に優る治療利益を提供するため、今日存在する。研究は、頻繁な処置が、より頻度が低いが、おそらく、より長い処置を受ける患者よりも多くの毒素および老廃物を除去することを示している。より頻繁な処置を受ける患者は、処置に先立って2または3日分の毒素を蓄積しているセンター内患者ほど多くのダウンサイクルを被らない。あるエリアでは、最も近い透析センターは、患者の自宅から何マイルも離れ、ドアツードアの処置時間で1日の大部分を費やす場合がある。HHDは、1晩で、または患者がリラックスしている、働いている、または別様に生産的である間の日中に行われ得る。
【0009】
別のタイプの腎臓不全治療は、腹膜透析であり、これは、透析流体とも呼ばれる透析液をカテーテルを介して患者の腹膜腔の中に注入する。透析流体は、腹膜腔の腹膜に接触する。老廃物、毒素、および過剰な水分が、拡散および浸透に起因して、患者の血流から、腹膜を通して、透析流体の中に通過し、すなわち、浸透勾配が、膜を横断して起こる。透析における浸透剤が、浸透勾配を提供する。使用されたまたは使用済み透析流体は、患者から排出され、患者から老廃物、毒素、および過剰な水分を除去する。本サイクルは、例えば、複数回繰り返される。
【0010】
持続的外来腹膜透析(「CAPD」)、自動化腹膜透析(「APD」)、および潮汐流透析、および持続的流動腹膜透析(「CFPD」)を含む、種々のタイプの腹膜透析治療が存在する。CAPDは、手動透析処置である。ここでは、患者は、使用されたまたは使用済み透析液流体が腹膜腔から排出することを可能にするために、埋込されたカテーテルをドレインに手動で接続する。患者は、次いで、カテーテルを通して患者の中に新鮮な透析流体を注入するために、新鮮な透析流体のバッグにカテーテルを接続する。患者は、カテーテルを新鮮な透析流体バッグから切り離し、透析流体が腹膜腔内で滞留することを可能にし、老廃物、毒素、および過剰な水分の移送が、起こる。ある滞留周期後、患者は、例えば、1日あたり4回手動透析手技を繰り返し、各処置は、約1時間続く。手動腹膜透析は、患者から有意な量の時間および努力を要求し、改良の余地がある。
【0011】
自動化腹膜透析(「APD」)は、透析処置が排出、充填、および滞留サイクルを含む点においてCAPDに類似する。しかしながら、APD機械は、典型的には、患者が眠っている間に自動的にサイクルを実施する。APD機械は、処置サイクルを手動で実施する必要性から、かつ日中に供給物を輸送する必要性から患者を解放する。APD機械は、埋込されたカテーテルに、新鮮な透析流体の源またはバッグに、および流体ドレインに流体的に接続する。APD機械は、新鮮な透析流体を透析流体源から、カテーテルを通して、患者の腹膜腔の中に圧送する。APD機械はまた、透析流体が腔内で滞留することを可能にし、廃棄物、毒素、および過剰な水分の移送が起こることを可能にする。源は、複数の無菌透析流体溶液バッグを含み得る。
【0012】
APD機械は、使用されたまたは使用済み透析液を腹膜腔から、カテーテルを通して、ドレインに圧送する。手動プロセスのように、いくつかの排出、充填、および滞留サイクルは、透析の間に起こる。「最後の充填」は、APDの終わりに起こり、次の処置まで患者の腹膜腔内に留まる。
【0013】
機械によって実施される上記のモダリティのいずれも、空気圧圧送を採用し得る。空気圧圧送は、典型的には、圧送膜またはダイヤフラムへの正の空気圧および/または負の空気圧の印加を伴う。正圧は、正圧タンクまたはアキュムレータに給送するコンプレッサを介して提供され得る。負圧は、負圧タンクまたはアキュムレータに給送する真空ポンプを介して提供され得る。空気が正圧タンクアキュムレータに給送されることに先立って、正圧から水分を除去する試みが、成され得る。正圧空気中に存在する水分は、ソレノイド弁内および別の場所の腐食につながり得る。
【0014】
上記に説明される構成要素は、熱を発生させ得るかまたは非加熱環境内でより効果的に動作し得る。そのような構成要素の改良された協調が、適宜必要とされる。
【0015】
加えて、正圧アキュムレータは、その圧力がある用途を駆動するために必要とされるものに到達するまでのみ効果的である。例えば、圧力調整器が、正圧アキュムレータと用途、例えば、流体弁との間に存在し得る。調整器が弁を閉鎖するために5psigを送達するように設定される場合、例えば、アキュムレータは、いったんその圧力が5psigを下回って降下すると、弁を閉鎖するために必要な圧力を送達することができない。正のアキュムレータおよび負のアキュムレータにそれぞれ可能な限り長く正圧および負圧を送達させることが望ましい状況が存在し得る。空気圧アキュムレータの有用寿命を延長する付加的必要性が、それに応じて存在する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0016】
本明細書に説明される実施例は、ポンプボックスデバイス、システム、および方法を開示し、したがって、例えば、血漿交換、血液透析(「HD」)、血液濾過(「HF」)、血液透析濾過(「HDF」)、および持続的腎置換治療(「CRRT」)処置のための流体送達に適用可能である。したがって、本明細書に説明されるポンプボックスデバイス、およびシステム、および方法はまた、腹膜透析(「PD」)および静脈内薬物送達にも適用可能である。これらのモダリティは、集合的に、または実質的に個別に、医療流体送達と称され得る。
【0017】
さらに、本明細書に説明されるデバイス、システム、および方法はそれぞれ、臨床または在宅ベースの機械と併用されてもよい。例えば、本システムは、1日全体を通して起動するセンター内HD、HF、またはHDF機械において採用されてもよい。代替として、本システムは、患者の便宜に応じて動作される在宅HD、HF、またはHDF機械と併用されてもよい。1つのそのような在宅システムが、2011年10月4日に発行され、「High Convection Home Hemodialysis/Hemofiltration And Sorbent System」と題され、2004年11月4日に出願され、本願の譲受人に譲渡された米国特許第8,029,454号(「第’454号特許」)に説明されている。別のそのような在宅システムが、2013年3月12日に発行され、「Enclosure for a Portable Hemodialysis System」と題され、2008年8月27日に出願された米国特許第8,393,690号(「第’690号特許」)に説明されている。上記の参考文献のそれぞれの全内容が、参照することによって本明細書に組み込まれ、依拠される。
【0018】
ある実施形態では、医療流体送達シャーシを含む医療流体送達機械が、提供される。医療流体送達シャーシは、1つ以上のポンプ、複数の弁、必要に応じて、ヒータ、必要および所望に応じて、直結医療流体生成機器、圧力センサ、伝導率センサ、温度センサ、空気検出器、血液漏出検出器、および同等物のうちのいずれか1つ、それよりも多くのもの、または全て等の複数のセンサ、ユーザインターフェース、および上記に説明される機器を制御するための1つ以上のプロセッサおよびメモリを採用し得る制御ユニット等の医療流体を送達するために必要とされる構成要素を格納する。
【0019】
流体ポンプおよび弁等の種々の構成要素が、空気圧で作動され得る。そのような場合では、正圧空気および/または負圧空気を発生させ、貯蔵するために必要とされる機器を格納する、空気圧ポンプボックスを提供することが考慮される。本明細書で使用されるような「空気」は、これが自然に存在するような空気を意味し、これは、窒素、酸素、アルゴン、および二酸化炭素等の個々のガスから構成される。「空気」はまた、より高いパーセンテージの、または窒素または二酸化炭素等の純粋なガス等の所望の修正された大気を含んでもよい。用語「空気圧」もまた、自然発生の空気および/または任意のタイプの修正された大気を指す。
【0020】
空気圧ポンプボックスは、負の空気圧を供給するための真空ポンプ、正の空気圧を供給するためのコンプレッサ、アキュムレータ内での貯蔵に先立って、コンプレッサから出力される正圧空気から水分を除去するための乾燥機、および、それぞれ、正の空気圧および負の空気圧を貯蔵するための正のアキュムレータおよび負のアキュムレータ等の構成要素を格納してもよい。空気圧ポンプボックスは、医療流体送達シャーシに可撤式に取り付けられてもよい。医療流体送達機械が、例えば、患者が眠っている間に動作される場合、または患者が何らかの理由から静かな環境を所望する場合、患者が、空気圧ポンプボックスを除去し、これをクローゼットまたは他の遠隔場所内に貯蔵し、その騒音を減衰することが、望ましくあり得る。可撤性空気圧ポンプボックスは、1つ以上の正圧ラインおよび負圧ラインを介して医療流体送達シャーシに空気圧で接続され、その独自の電気コードを介して、またはシャーシからの電力フィードを介して、電力を受け取り得る。
【0021】
空気圧ポンプボックスの真空ポンプは、典型的には、動作の間にボックス内で最も高温の点である。ある実施形態における乾燥機は、水分が正圧アキュムレータの中に送達される前に除去され得るように、コンプレッサからの空気を冷却し、圧縮された空気から水分を凝縮する。圧縮された空気から水分を除去することは、圧縮された空気体積中の水分が腐食に起因してシステム故障を引き起こし得るため、重要である。本開示の空気圧ボックスは、故に、空気圧ポンプボックスの上部に真空ポンプを設置する。ここでは、熱は、ボックス内の他の構成要素へのその影響が最小限にされるように、真空ポンプからボックスの上部に上昇する。乾燥機の直上のボックスの上部に直接小型の安価なファンを設置することが、さらに考慮され、これは、ボックスから加熱された空気を引くように配向される。ファンのための吸気孔は、ポンプボックス内に、例えば、真空ポンプの直下に提供され得る。
【0022】
真空ポンプがポンプボックスの上部に設置されると、残りの機器を配置する目標は、2つあり、すなわち、(i)真空ポンプから発生された熱が乾燥機を加熱することを防止するために、可能な限り真空ポンプから遠くに乾燥機を配置すること、および(ii)可能な限り空気圧ポンプボックスの間の管類の配索を低減させ、簡略化することである。このために、コンプレッサまたは乾燥機のいずれかは、ボックスの底部に位置し得る。コンプレッサをボックスの底部に配置し、乾燥機をコンプレッサの上方に配置し、アキュムレータを乾燥機の上方に配置することは、コンプレッサから乾燥機まで、および乾燥機から正圧アキュムレータまで延設される管類および他の空気接続の配索を最適化する。一方、乾燥機をボックスの底部に配置し、コンプレッサを乾燥機の上方に配置し、アキュムレータをコンプレッサの上方に配置することは、熱生産真空ポンプから可能な限り遠くに乾燥機(例えば、冷蔵デバイス)を離間する。
【0023】
ある実施形態では、空気圧ポンプボックスは、2つのアキュムレータ、すなわち、正圧アキュムレータと、負圧アキュムレータとを含む。空気圧ポンプおよび弁制御が、医療流体送達機械内の異なる場所において異なる圧力レベルを使用し得ることが、可能性として考えられる。例えば、空気圧ポンプは、その独自の入口弁チャンバおよび出口弁チャンバと関連付けられるポンプチャンバを含んでもよく、弁チャンバに印加される圧力は、ポンプチャンバの動作が所望の弁状態に影響を及ぼさないように、ポンプチャンバに印加される圧力を上回る。別の実施例では、血液ポンプ動作に、透析流体動作よりも少ない圧力を印加し、血液細胞または他の血液成分への損傷をより良好に回避することが、望ましくあり得る。いずれの場合も、複数のアキュムレータが、複数の正圧および/または負圧を貯蔵するために提供されてもよい。しかしながら、1つの好ましい実施形態では、単一の正圧アキュムレータおよび単一の負圧アキュムレータが、異なる所望の正の空気圧動作圧および/または負の空気圧動作圧を設定する複数の空気圧調整器に給送するために提供される。
【0024】
空気圧調整器は、例えば、複数のオン/オフまたはバイナリ用途に給送するために、所望の正の空気圧または負の空気圧を設定する静的調整器を含んでもよい。空気圧調整器は、代替として、または加えて、例えば、可動弁または可変弁としての可変直径オリフィスを含んでもよい。空気圧調整器、バイナリ空気圧弁、および可変弁等の構成要素は、ある実施形態では、空気圧ポンプボックスからシャーシへの単一の正圧ラインおよび負圧ラインがマニホールドの構成要素のそれぞれに給送し得るように、医療流体送達シャーシの内側に位置するマニホールド上に設置される。
【0025】
アキュムレータの効率を改良するために、ブラダが拡張し得るサイズを限定し、また、アキュムレータ筐体の容積を完全に充填するように拡張されると、ブラダの形状を画定する、外側剛性正圧アキュムレータ筐体の内側に弾性アキュムレータブラダを密封して固着させることが、考慮される。ブラダは、膨張のためのある正圧、すなわち、ブラダ膨張圧力を要求するように形成される。剛性外側チャンバは、ある実施形態では、ブラダが膨張されると、ブラダと剛性外側チャンバとの間の空気が大気に移動され得るように通気される。正圧空気が、最初に、アキュムレータブラダから抜去されるとき、いかなる形状変化も、起こらず、アキュムレータアセンブリは、ブラダ内の圧力がブラダ膨張圧力に降下するまで、従来の剛性アキュムレータとして作用する。正圧がブラダ膨張圧力を下回って降下し始めると、アキュムレータブラダは、収縮し、アキュムレータブラダが完全に収縮されるまで、ブラダ膨張圧力における正圧空気体積を送達し続ける。収縮の間、大気は、通気孔を介してブラダの外側の剛性外側容器の中に引き込まれる。送達される空気の全体的体積は、ブラダエラストマによって内部ブラダ空気体積に印加される力に起因して、剛性アキュムレータのみで可能なものを上回る。
【0026】
典型的には、アキュムレータは、所望の動作圧を上回る、設定圧力までコンプレッサを介して充填される。所望の動作圧は、正確な下流空気圧を設定するように調整器を使用することによって達成される。所望の動作圧をわずかにのみ上回るブラダ膨張圧力を生成するようにブラダを構築することが、考慮される。このように、設定充填圧力と所望の動作圧との間の圧力デルタの殆ど全てが、ブラダの収縮に先立って消費される。
【0027】
ある実施形態では、流体弁は、正圧下で閉鎖され、正圧を大気に通気することによって開放される。例えば、第1の電気的に動作されるソレノイド弁が、正圧が流体弁まで流動することまたは流動しないことを可能にするように、または、可能にしないように提供されてもよい。第2の電気的に動作されるソレノイド弁が、正圧が大気に通気することを可能にするように、または、可能にしないように提供される。流体弁を閉鎖するために、第1の電気的に動作されるソレノイド弁は、開放される一方、第2の電気的に動作されるソレノイド弁は、閉鎖され、これは、流体弁が、通気されていない正の空気圧に接触することを可能にする。流体弁を開放するために、第1の電気的に動作されるソレノイド弁は、閉鎖される一方、第2の電気的に動作されるソレノイド弁は、開放され、これは、流体弁への正圧を遮断し、流体弁における既存の正圧を大気に通気し、流体弁が開放することを可能にする。流体弁は、弁ダイヤフラムの流体側上の流体圧力の力に起因して開放し得る、および/または、弁ダイヤフラムは、事前形成または事前ドーム形成され、正圧下にないとき、付勢された流体が開放するように設置される、または位置付けられ得る。次いで、一実施形態では、ポンプチャンバが正の空気圧および負の空気圧を要求する一方、対応する弁チャンバは、正の空気圧のみを要求することを理解されたい。入口弁および出口弁を含む流体ポンプの寿命は、したがって、負圧源の寿命の対応する延長を伴わずに、本開示のアキュムレータブラダを介して正圧の寿命を延長することによって延長され得る。
【0028】
それにもかかわらず、また、負圧源の寿命を増加させることも、考慮される。ここでは、逆のアキュムレータ構造が、負圧アキュムレータに適用される。一実施例では、弾性ブラダが、正圧アキュムレータのためのものと同一の形状を有するように事前形成される。差異は、真空が、負圧アキュムレータのブラダと剛性外側チャンバとの間の空気を真空に引くために、正のチャンバの通気ポートに印加されることである。負圧アキュムレータのための通気ポートは、ブラダの内側につながるポートである(これは、正のアキュムレータのための供給ポートである)。負圧ブラダは、ブラダが完全に収縮されるまで、ブラダが負の調整器を駆動するために負圧を提供し得るように、所望の調整された負圧よりも大きい負圧下で完全に膨張するために必要に応じて厚くされる。種々の実施形態では、(i)ブラダおよび剛性外側筐体アキュムレータは、負圧ブラダが筐体によって提供される真空ポートを遮断する、または完全に遮断するように拡張する前に、完全な真空が引かれ得るように構成される、および/または(ii)真空ポートは、ブラダが遮断することが困難であるように剛性筐体の内側上に角度付けられることができる。したがって、ブラダの内側の正圧がブラダ膨張圧力に降下するまで収縮しない正圧ブラダと異なり、負圧アキュムレータは、真空ライン内の負圧が(ブラダを完全に拡張された状態に保つほど十分な負圧ではない)要求される負のブラダ膨張圧力未満の負の状態になり始めた後に収縮し始める。しかしながら、負圧は、ブラダが完全に収縮されるまで、負圧膨張圧力に留まり、剛性外側チャンバを負圧で事実上完全に充填された状態にし、負の調整器を駆動する。
【0029】
本明細書に議論されるように、負圧ブラダ事例および正圧ブラダ事例の両方において、外側剛性アキュムレータ筐体は、ブラダが正圧または負圧下で自由に膨張および収縮し得るように大気に通気される。
【0030】
医療流体送達機械への電力が喪失されるとき、正の空気圧および/または負の空気圧を依然として送達することが可能であることが、望ましくあり得る。例えば、血液を患者に戻すように押し出し、患者が透析器から接続解除することを可能にすることが、望ましくあり得る。ここでは、透析機械は、空気圧弁に給電するためにバッテリ電力を提供し得、空気圧が流体弁およびポンプチャンバに印加されることを可能にする。ブラダは、アキュムレータから抽出され得る正圧空気および負圧空気の体積を増加させ、より長い周期にわたって所望の作業圧力を維持し、より多くの血液が患者に戻るように押し出されることを可能にする。代替として、または加えて、付加的作業圧力が、オン-オフバイナリおよび可変弁の漏出緊密性要件を低下させるために使用されてもよく、機械全体をよりロバストにする。
【0031】
本明細書の開示に照らして、かついかように本開示を限定することなく、別様に規定されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせられ得る、本開示の第1の側面では、医療流体送達機械は、空気圧で作動されるポンプチャンバと、それぞれ、空気圧で作動されるポンプチャンバの上流および下流に位置する第1の空気圧で作動される医療流体弁チャンバおよび第2の空気圧で作動される医療流体弁チャンバとを含む、医療流体ポンプと、正圧空気を生成するためのコンプレッサと、空気圧で作動されるポンプチャンバ、第1の空気圧で作動される医療流体弁チャンバ、または第2の空気圧で作動される医療流体弁チャンバのうちの少なくとも1つへの送達のための正圧空気を貯蔵する、アキュムレータであって、コンプレッサからの正圧空気下で膨張する弾性ブラダを保持し、アキュムレータが提供し得る正圧空気の量を増加させる付加的正圧を生成する、アキュムレータとを含む。
【0032】
別様に規定されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせられ得る、本開示の第2の側面では、アキュムレータは、弾性ブラダを保持する外側剛性筐体を含み、ブラダは、外側剛性筐体とシールされた関係において保持される。
【0033】
別様に規定されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせて第2の側面と組み合わせられ得る、本開示の第3の側面では、外側剛性筐体は、通気される。
【0034】
別様に規定されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせて第2の側面と組み合わせられ得る、本開示の第4の側面では、医療流体送達機械は、ブラダと外側剛性筐体との間にシールされた関係を形成するコネクタを含む。
【0035】
別様に規定されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせて第4の側面と組み合わせられ得る、本開示の第5の側面では、コネクタは、ブラダの開放端をシールするように構成されるシール端と、アキュムレータから延在する空気圧管をシールするように構成される管接続端とを含む。
【0036】
別様に規定されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせて第2の側面と組み合わせられ得る、本開示の第6の側面では、外側剛性筐体は、弾性ブラダが、膨張されると、外側剛性筐体の内側形状に少なくとも実質的に完全に共形化することを可能にするように輪郭付けられる。
【0037】
別様に規定されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせて第6の側面と組み合わせられ得る、本開示の第7の側面では、ブラダは、最初に、薄い管形状を有し、外側剛性筐体の内側形状に少なくとも実質的に完全に共形化するように拡張する。
【0038】
別様に規定されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせられ得る、本開示の第8の側面では、医療流体送達機械は、アキュムレータと空気圧で作動されるポンプチャンバ、第1の空気圧で作動される医療流体弁チャンバ、または第2の空気圧で作動される医療流体弁チャンバのうちの少なくとも1つとの間に位置する空気圧調整器を含み、空気圧調整器は、正圧空気に関する所望の出力圧力を設定し、ブラダは、付加的量の正圧空気が空気圧調整器に提供されることを可能にする。
【0039】
別様に規定されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせて第8の側面と組み合わせられ得る、本開示の第9の側面では、ブラダは、ブラダを膨張させるために必要とされる圧力が、所望の出力圧力をわずかに上回るように構築される。
【0040】
別様に規定されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせられ得る、本開示の第10の側面では、第1の空気圧で作動される医療流体弁チャンバおよび第2の空気圧で作動される医療流体弁チャンバのうちの少なくとも1つは、正圧を介して閉鎖され、大気への通気を介して開放される。
【0041】
別様に規定されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせられ得る、本開示の第11の側面では、医療流体送達機械は、空気圧で作動されるポンプチャンバと、それぞれ、空気圧で作動されるポンプチャンバの上流および下流に位置する第1の空気圧で作動される医療流体弁チャンバおよび第2の空気圧で作動される医療流体弁チャンバとを含む、医療流体ポンプと、負圧を生成するための真空ポンプと、空気圧で作動されるポンプチャンバ、第1の空気圧で作動される医療流体弁チャンバ、または第2の空気圧で作動される医療流体弁チャンバのうちの少なくとも1つとの動作のための負圧を貯蔵する、アキュムレータであって、弾性ブラダの外側に印加される真空ポンプからの負圧下で膨張する弾性ブラダを保持し、アキュムレータが提供し得る負圧の量を増加させる付加的負圧を生成する、アキュムレータとを含む。
【0042】
別様に規定されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせて第11の側面と組み合わせられ得る、本開示の第12の側面では、アキュムレータは、弾性ブラダを保持する外側剛性筐体を含み、ブラダは、外側剛性筐体とシールされた関係において保持される。
【0043】
別様に規定されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせて第12の側面と組み合わせられ得る、本開示の第13の側面では、真空ポンプからの負圧は、弾性ブラダの外側に位置する外側剛性筐体上に提供されるポートを介してアキュムレータに印加される。
【0044】
別様に規定されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせて第13の側面と組み合わせられ得る、本開示の第14の側面では、(i)外側剛性筐体は、弾性ブラダが、外側剛性筐体のポートを遮断することに先立って、完全に膨張することを可能にするように輪郭付けられる、または(ii)外側剛性筐体は、弾性ブラダが、膨張されると、外側剛性筐体の内側形状に少なくとも実質的に完全に共形化することを可能にするように輪郭付けられるのうちの少なくとも1つである。
【0045】
別様に規定されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせて第11の側面と組み合わせられ得る、本開示の第15の側面では、医療流体送達機械は、アキュムレータと空気圧で作動されるポンプチャンバ、第1の空気圧で作動される医療流体弁チャンバ、または第2の空気圧で作動される医療流体弁チャンバのうちの少なくとも1つとの間に位置する空気圧調整器を含み、空気圧調整器は、所望の負の動作圧を設定し、ブラダは、調整器への供給のために所望の負の動作圧を上回って負圧の量を増加させる。
【0046】
別様に規定されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせて第11の側面と組み合わせられ得る、本開示の第16の側面では、ブラダの内側は、大気に通気される。
【0047】
別様に規定されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせて第11の側面と組み合わせられ得る、本開示の第17の側面では、ブラダは、ブラダが、完全に充填されると、アキュムレータのための所望の負圧に少なくともほぼ等しい負圧において膨張するように構成されるように厚くされる薄い管形状を有するように事前形成される。
【0048】
別様に規定されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせられ得る、本開示の第18の側面では、医療流体送達機械は、正圧空気を生成するためのコンプレッサと、負圧を生成するための真空ポンプと、医療流体機械内への送達のための正圧空気を貯蔵する、第1のアキュムレータであって、ブラダの内側に印加されるコンプレッサからの正圧空気下で膨張する第1の弾性ブラダを保持し、アキュムレータが提供し得る正圧空気の量を増加させる、第1のアキュムレータと、医療流体機械内での動作のための負圧を貯蔵する、第2のアキュムレータであって、ブラダの外側に印加される真空ポンプからの負圧下で膨張する第2の弾性ブラダを保持し、アキュムレータが提供し得る負圧の量を増加させる、第2のアキュムレータとを含む。
【0049】
別様に規定されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせて第18の側面と組み合わせられ得る、本開示の第19の側面では、医療流体送達機械は、正圧および負圧を介して動作される空気圧で作動されるポンプチャンバを含む。
【0050】
別様に規定されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせて第18の側面と組み合わせられ得る、本開示の第20の側面では、第1のアキュムレータは、第1の弾性ブラダを保持する第1の外側剛性筐体を含み、第2のアキュムレータは、第2の弾性ブラダを保持する第2の外側剛性筐体を含む。
【0051】
別様に規定されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせられ得る、本開示の第21の側面では、医療流体送達機械は、空気圧で作動されるポンプチャンバと、それぞれ、空気圧で作動されるポンプチャンバの上流および下流に位置する第1の空気圧で作動される医療流体弁チャンバおよび第2の空気圧で作動される医療流体弁チャンバとを含む、医療流体ポンプと、医療流体ポンプのための負の空気圧を供給する、真空ポンプと、医療流体ポンプのための正圧空気を貯蔵する、アキュムレータであって、真空ポンプの真下に位置する、アキュムレータと、正圧空気を生成するためのコンプレッサであって、アキュムレータの真下に位置する、コンプレッサと、アキュムレータ内での貯蔵に先立って、コンプレッサから出力される正圧空気から水分を除去するための乾燥機であって、アキュムレータの真下に位置する、乾燥機とを含む、本機械の場所とを含む。
【0052】
別様に規定されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせて第21の側面と組み合わせられ得る、本開示の第22の側面では、乾燥機は、アキュムレータとコンプレッサとの間に位置する。
【0053】
別様に規定されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせて第21の側面と組み合わせられ得る、本開示の第23の側面では、乾燥機は、正圧空気を冷却し、水分を除去するように構成される。
【0054】
別様に規定されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせて第21の側面と組み合わせられ得る、本開示の第24の側面では、真空ポンプは、熱を生成し、それに応じて、本機械の場所内の最上に設置される。
【0055】
別様に規定されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせて第21の側面と組み合わせられ得る、本開示の第25の側面では、本機械の場所は、空気圧ポンプボックスである。
【0056】
別様に規定されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせて第25の側面と組み合わせられ得る、本開示の第26の側面では、医療流体送達機械は、医療流体ポンプおよび第1の医療流体弁チャンバおよび第2の医療流体弁チャンバを動作させる医療流体送達シャーシを含み、空気圧ポンプボックスは、医療流体送達シャーシに可撤式に接続される。
【0057】
別様に規定されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせて第25の側面と組み合わせられ得る、本開示の第27の側面では、空気圧ポンプボックスは、ポンプボックスから加熱された空気を通気するファンを含み、ファンは、乾燥機の上方に位置する。
【0058】
別様に規定されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせて第25の側面と組み合わせられ得る、本開示の第28の側面では、空気圧ポンプボックスは、ポンプボックス内で生産される音を減衰するように遮音される。
【0059】
別様に規定されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせて第21の側面と組み合わせられ得る、本開示の第29の側面では、アキュムレータは、第1のアキュムレータであり、真空ポンプを介して負圧空気を貯蔵する第2のアキュムレータを含み、第2のアキュムレータは、真空ポンプの真下に位置する。
【0060】
別様に規定されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせて第29の側面と組み合わせられ得る、本開示の第30の側面では、コンプレッサおよび乾燥機は、第1のアキュムレータおよび第2のアキュムレータの真下に位置する。
【0061】
別様に規定されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせて第21の側面と組み合わせられ得る、本開示の第31の側面では、医療流体送達機械は、場所からの負圧空気または正圧空気のうちの少なくとも1つが医療流体ポンプに到達することを可能にするように位置付けられ、配列される、複数の電気的に作動されるソレノイド弁を含む。
【0062】
別様に規定されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせられ得る、本開示の第32の側面では、
図1-8のうちのいずれかと関連して図示および説明される構造、機能性、および代替物のうちのいずれかは、
図1-9の任意のその他と関連して図示および説明される構造、機能性、および代替物のうちのいずれかと組み合わせられてもよい。
【0063】
本開示および上記の側面に照らして、したがって、改良された医療流体送達デバイスを提供することが、本開示の利点である。
【0064】
医療流体送達デバイスのための改良された空気圧ポンプボックスを提供することが、本開示の別の利点である。
【0065】
熱的に効率的である医療流体送達デバイスのための空気圧ポンプボックスを提供することが、本開示のさらなる利点である。
【0066】
効率的な管類配索を有する医療流体送達デバイスのための空気圧ポンプボックスを提供することが、本開示のなおも別の利点である。
【0067】
拡張された使用性を有する空気圧アキュムレータを提供することが、本開示のなおもさらなる利点である。
【0068】
電力の喪失に応じて効率的に動作し得る空気圧圧送システムを提供することが、本開示のさらに別の利点である。
【0069】
正の空気圧および負の空気圧を保全し得る空気圧圧送システムを提供することが、本開示のなおもさらなる利点である。
【0070】
本明細書に議論される利点は、本明細書に開示される実施形態のうちの1つまたはいくつかに見出され得るが、おそらく、その全てに見出されるわけではない。付加的特徴および利点が、本明細書に説明され、以下の詳細な説明および図から明白となるであろう。
本明細書は、例えば、以下の項目も提供する。
(項目1)
医療流体送達機械であって、
空気圧で作動されるポンプチャンバと、第1の空気圧で作動される医療流体弁チャンバおよび第2の空気圧で作動される医療流体弁チャンバとを含む医療流体ポンプであって、前記第1の空気圧で作動される医療流体弁チャンバおよび前記第2の空気圧で作動される医療流体弁チャンバは、それぞれ、前記空気圧で作動されるポンプチャンバの上流および下流に位置する、医療流体ポンプと、
正圧空気を生成するためのコンプレッサと、
前記空気圧で作動されるポンプチャンバ、前記第1の空気圧で作動される医療流体弁チャンバ、または前記第2の空気圧で作動される医療流体弁チャンバのうちの少なくとも1つへの送達のための前記正圧空気を貯蔵する、アキュムレータであって、前記アキュムレータは、前記コンプレッサからの正圧空気下で膨張する弾性ブラダを保持し、前記アキュムレータが提供し得る前記正圧空気の量を増加させる付加的正圧を生成する、アキュムレータと
を備える、医療流体送達機械。
(項目2)
前記アキュムレータは、前記弾性ブラダを保持する外側剛性筐体を含み、前記ブラダは、前記外側剛性筐体とシールされた関係において保持される、項目1に記載の医療流体送達機械。
(項目3)
前記外側剛性筐体は、通気される、項目2に記載の医療流体送達機械。
(項目4)
前記ブラダと前記外側剛性筐体との間に前記シールされた関係を形成するコネクタを含む、項目2に記載の医療流体送達機械。
(項目5)
前記コネクタは、前記ブラダの開放端をシールするように構成されるシール端と、前記アキュムレータから延在する空気圧管をシールするように構成される管接続端とを含む、項目4に記載の医療流体送達機械。
(項目6)
前記外側剛性筐体は、前記弾性ブラダが、膨張されると、前記外側剛性筐体の内側形状に少なくとも実質的に完全に共形化することを可能にするように輪郭付けられる、項目2に記載の医療流体送達機械。
(項目7)
前記ブラダは、最初に、薄い管形状を有し、前記外側剛性筐体の内側形状に少なくとも実質的に完全に共形化するように膨張する、項目2に記載の医療流体送達機械。
(項目8)
前記アキュムレータと前記空気圧で作動されるポンプチャンバ、前記第1の空気圧で作動される医療流体弁チャンバ、または前記第2の空気圧で作動される医療流体弁チャンバのうちの少なくとも1つとの間に位置する空気圧調整器を含み、前記空気圧調整器は、前記正圧空気に関する所望の出力圧力を設定し、前記ブラダは、前記付加的量の正圧空気が前記空気圧調整器に提供されることを可能にする、項目1に記載の医療流体送達機械。
(項目9)
前記ブラダは、前記ブラダを膨張させるために必要とされる圧力が、前記所望の出力圧力をわずかに上回るように構築される、項目8に記載の医療流体送達機械。
(項目10)
前記第1の空気圧で作動される医療流体弁チャンバおよび前記第2の空気圧で作動される医療流体弁チャンバのうちの少なくとも1つは、正圧を介して閉鎖され、大気への通気を介して開放される、項目1に記載の医療流体送達機械。
(項目11)
医療流体送達機械であって、
空気圧で作動されるポンプチャンバと、第1の空気圧で作動される医療流体弁チャンバおよび第2の空気圧で作動される医療流体弁チャンバとを含む医療流体ポンプであって、前記第1の空気圧で作動される医療流体弁チャンバおよび前記第2の空気圧で作動される医療流体弁チャンバは、それぞれ、前記空気圧で作動されるポンプチャンバの上流および下流に位置する、医療流体ポンプと、
負圧を生成するための真空ポンプと、
前記空気圧で作動されるポンプチャンバ、前記第1の空気圧で作動される医療流体弁チャンバ、または前記第2の空気圧で作動される医療流体弁チャンバのうちの少なくとも1つとの動作のための前記負圧を貯蔵する、アキュムレータであって、前記アキュムレータは、弾性ブラダの外側に印加される前記真空ポンプからの負圧下で膨張する前記弾性ブラダを保持し、前記アキュムレータが提供し得る前記負圧の量を増加させる付加的負圧を生成する、アキュムレータと
を備える、医療流体送達機械。
(項目12)
前記アキュムレータは、前記弾性ブラダを保持する外側剛性筐体を含み、前記ブラダは、前記外側剛性筐体とシールされた関係において保持される、項目11に記載の医療流体送達機械。
(項目13)
前記真空ポンプからの負圧は、前記弾性ブラダの外側に位置する前記外側剛性筐体上に提供されるポートを介して前記アキュムレータに印加される、項目12に記載の医療流体送達機械。
(項目14)
前記外側剛性筐体は、前記弾性ブラダが、前記外側剛性筐体の前記ポートを遮断することに先立って、完全に膨張することを可能にするように輪郭付けられる、項目13に記載の医療流体送達機械。
(項目15)
前記アキュムレータと前記空気圧で作動されるポンプチャンバ、前記第1の空気圧で作動される医療流体弁チャンバ、または前記第2の空気圧で作動される医療流体弁チャンバのうちの少なくとも1つとの間に位置する空気圧調整器を含み、前記空気圧調整器は、所望の負の動作圧を設定し、前記ブラダは、前記調整器への供給のために前記所望の負の動作圧を上回って前記負圧の量を増加させる、項目11に記載の医療流体送達機械。
(項目16)
前記ブラダの内側は、大気に通気される、項目11に記載の医療流体送達機械。
(項目17)
前記ブラダは、前記ブラダが、完全に充填されると、前記アキュムレータのための所望の負圧に少なくともほぼ等しい負圧において膨張するように構成されるように厚くされる薄い管形状を有するように事前形成される、項目11に記載の医療流体送達機械。
(項目18)
医療流体送達機械であって、
正圧空気を生成するためのコンプレッサと、
負圧を生成するための真空ポンプと、
前記医療流体機械内への送達のための前記正圧空気を貯蔵する第1のアキュムレータであって、前記第1のアキュムレータは、前記ブラダの内側に印加される前記コンプレッサからの正圧空気下で膨張する第1の弾性ブラダを保持し、前記アキュムレータが提供し得る前記正圧空気の量を増加させる、第1のアキュムレータと、
前記医療流体機械内での動作のための前記負圧を貯蔵する第2のアキュムレータであって、前記第2のアキュムレータは、前記ブラダの外側に印加される前記真空ポンプからの負圧下で膨張する第2の弾性ブラダを保持し、前記アキュムレータが提供し得る前記負圧の量を増加させる、第2のアキュムレータと
を備える、医療流体送達機械。
(項目19)
前記正圧および負圧を介して動作される空気圧で作動されるポンプチャンバを含む、項目18に記載の医療流体送達機械。
(項目20)
前記第1のアキュムレータは、前記第1の弾性ブラダを保持する第1の外側剛性筐体を含み、前記第2のアキュムレータは、前記第2の弾性ブラダを保持する第2の外側剛性筐体を含む、項目18に記載の医療流体送達機械。
(項目21)
医療流体送達機械であって、
空気圧で作動されるポンプチャンバと、第1の空気圧で作動される医療流体弁チャンバおよび第2の空気圧で作動される医療流体弁チャンバとを含む医療流体ポンプであって、前記第1の空気圧で作動される医療流体弁チャンバおよび前記第2の空気圧で作動される医療流体弁チャンバは、それぞれ、前記空気圧で作動されるポンプチャンバの上流および下流に位置する、医療流体ポンプと、
前記機械の場所であって、前記場所は、
前記医療流体ポンプのための負の空気圧を供給する真空ポンプと、
前記医療流体ポンプのための正圧空気を貯蔵するアキュムレータであって、前記アキュムレータは、前記真空ポンプの真下に位置する、アキュムレータと、
前記正圧空気を生成するためのコンプレッサであって、前記コンプレッサは、前記アキュムレータの真下に位置する、コンプレッサと、
前記アキュムレータ内での貯蔵に先立って、前記コンプレッサから出力される前記正圧空気から水分を除去するための乾燥機であって、前記乾燥機は、前記アキュムレータの真下に位置する、乾燥機と
を含む、場所と
を備える、医療流体送達機械。
(項目22)
前記乾燥機は、前記アキュムレータと前記コンプレッサとの間に位置する、項目21に記載の医療流体送達機械。
(項目23)
前記乾燥機は、前記正圧空気を冷却し、水分を除去するように構成される、項目21に記載の医療流体送達機械。
(項目24)
前記真空ポンプは、熱を生成し、前記機械の場所内の最上に設置される、項目21に記載の医療流体送達機械。
(項目25)
前記機械の場所は、空気圧ポンプボックスである、項目21に記載の医療流体送達機械。
(項目26)
前記医療流体ポンプおよび第1の医療流体弁チャンバおよび第2の医療流体弁チャンバを動作させる医療流体送達シャーシを含み、前記空気圧ポンプボックスは、前記医療流体送達シャーシに可撤式に接続される、項目25に記載の医療流体送達機械。
(項目27)
前記空気圧ポンプボックスは、前記ポンプボックスから加熱された空気を通気するファンを含み、前記ファンは、前記乾燥機の上方に位置する、項目25に記載の医療流体送達機械。
(項目28)
前記空気圧ポンプボックスは、前記ポンプボックス内で生産される音を減衰するように遮音される、項目25に記載の医療流体送達機械。
(項目29)
前記アキュムレータは、第1のアキュムレータであり、前記真空ポンプを介して負圧空気を貯蔵する第2のアキュムレータを含み、前記第2のアキュムレータは、前記真空ポンプの真下に位置する、項目21に記載の医療流体送達機械。
(項目30)
前記コンプレッサおよび前記乾燥機は、前記第1のアキュムレータおよび第2のアキュムレータの真下に位置する、項目29に記載の医療流体送達機械。
(項目31)
前記場所からの前記負圧空気または正圧空気のうちの少なくとも1つが前記医療流体ポンプに到達することを可能にするように位置付けられ、配列される、複数の電気的に作動されるソレノイド弁を含む、項目21に記載の医療流体送達機械。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【
図1】
図1は、本開示の圧力アキュムレータを含む空気圧ポンプボックスを採用する機械によって動作される、腎不全治療の一実施形態の概略図である。
【
図2】
図2は、
図1の腎不全治療機械との併用のための血液セットを図示する、斜視図である。
【
図3】
図3は、
図1の腎不全治療機械の一実施形態の斜視図である。
【
図4A】
図4Aは、本開示の空気圧ポンプボックスの一実施形態の断面立面図である。
【
図4B】
図4Bは、本開示の空気圧ポンプボックスの第2の実施形態の断面立面図である。
【
図5】
図5は、本開示の空気圧アキュムレータの一実施形態の側面立面図である。
【
図6】
図6は、本開示の空気圧アキュムレータと併用されるブラダアセンブリの側面立面図である。
【
図7】
図7は、正圧アキュムレータ内の正圧下で膨張されるブラダまたは負圧アキュムレータ内の負圧下で膨張されるブラダのいずれかであり得る、ブラダの側面立面図である。
【
図8】
図8Aは、経時的に正圧アキュムレータによって提供される圧力の一例示的グラフである。
図8Bは、経時的に負圧アキュムレータによって提供される負圧の一例示的グラフである。
【
図9】
図9は、空気圧で作動されるポンプチャンバと、それぞれ、空気圧で作動されるポンプチャンバの上流および下流に位置する第1の空気圧で作動される医療流体弁チャンバおよび第2の空気圧で作動される医療流体弁チャンバとを含む、医療流体ポンプとともに動作する、本開示のアキュムレータの一実施形態のフロー概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0072】
(システムハードウェア)
本明細書に説明される実施例は、血液、透析流体、代替液、および/または静脈内薬物(「IV」)等の医療流体を送達する、任意の医療流体送達システムに適用可能である。実施例は、特に、本明細書では、集合的に、または実質的に個別に腎不全治療と称される、全ての形態の血液透析(「HD」)、血液濾過(「HF」)、血液透析濾過(「HDF」)、持続的腎置換治療(「CRRT」)、および腹膜透析(「PD」)等の腎臓不全治療のために非常に好適である。さらに、本明細書に説明される機械および空気圧圧送システムおよび方法のうちのいずれかは、臨床または在宅設定において使用されてもよい。例えば、空気圧圧送構造を含む機械は、1日全体を通して事実上連続的に起動する、センター内HD機械において採用されてもよい。代替として、空気圧圧送構造は、例えば、患者が眠っている間の夜に起動され得る、在宅HD機械において使用されてもよい。さらに、本明細書に説明される腎不全治療実施例はそれぞれ、例えば、HDまたはHDFのための透析器または、例えば、HFのための血液濾過器等の拡散膜または濾過器を採用してもよい。
【0073】
ここで
図1を参照すると、本開示の空気圧ポンプボックスを採用する、医療流体送達システム10に関するHDフロー概略図の実施例が、図示される。
図1のHDシステムは、比較的に複雑であるため、
図1およびその議論はまた、上記に議論される腎不全治療モダリティのうちのいずれかおよびIV機械のためのサポートも提供する。概して、非常に簡略化されたバージョンの透析流体またはプロセス流体送達回路を有するシステム10が、示される。血液回路もまた、簡略化されるが、透析流体回路が簡略化されるほどではない。回路は、本開示の説明をより容易にするために簡略化されており、本システムは、実装される場合、上記の参照することによって組み込まれる公開に見出されるもの等の付加的構造および機能性を有するであろうことを理解されたい。
【0074】
図1のシステム10は、血液回路20を含む。血液回路20は、患者12から血液を引き、患者に血液を戻す。血液は、動脈ライン14を介して患者12から引かれ、静脈ライン16を介して患者に戻される。動脈ライン14は、患者12と採血連通する、動脈針14bに接続する動脈ラインコネクタ14aを含む。静脈ライン16は、患者と返血連通する、静脈針16bに接続する静脈ラインコネクタ16aを含む。動脈ライン14および静脈ライン16はまた、ばね荷重フェールセーフ機械的ピンチクランプであり得る、ラインクランプ18aおよび18vを含む。ラインクランプ18aおよび18vは、一実施形態では、緊急状況において自動的に閉鎖される。
【0075】
動脈ライン14および静脈ライン16はまた、それぞれ、超音波空気検出器であり得る、空気または気泡検出器22aおよび22vを含む。空気または気泡検出器22aおよび22vは、それぞれ、動脈ライン14および静脈ライン16内の空気を探求する。空気が空気検出器22aおよび22vのうちの1つによって検出される場合、システム10は、ラインクランプ18aおよび18vを閉鎖し、血液および透析流体ポンプを一時停止させ、処置が再開され得るように空気を一掃するように患者に命令を提供する。
【0076】
血液ポンプ30が、図示される実施形態では、動脈ライン14内に位置する。図示される実施形態では、血液ポンプ30は、第1の血液ポンプポッド30aと、第2の血液ポンプポッド30bとを含む。血液ポンプポッド30aは、入口弁32iおよび出口弁32oとともに動作する。血液ポンプポッド30bは、入口弁34iおよび出口弁34oとともに動作する。ある実施形態では、血液ポンプポッド30aおよび30bは、それぞれ、シェル内に位置する可撓性ダイヤフラムを伴う、例えば、球形の硬質外側シェルを含む血液容器であり、ダイヤフラムポンプを形成する。各ダイヤフラムの片側は、血液を受容する一方、各ダイヤフラムの他方の側は、正の空気圧および負の空気圧によって動作される。血液ポンプ30は、代替として、動脈ライン14管とともに動作する蠕動ポンプである。
【0077】
ヘパリンバイアル24およびヘパリンポンプ26が、図示される実施形態では、血液ポンプ30と血液濾過器40(例えば、透析器)との間に位置する。ヘパリンポンプ26は、空気圧ポンプまたはシリンジポンプ(例えば、ステッパモータ駆動シリンジポンプ)であり得る。血液濾過器40の上流にヘパリンを供給することは、濾過器の膜の凝固を防止することに役立つ。
【0078】
制御ユニット50が、1つ以上のプロセッサおよびメモリを含む。制御ユニット50は、空気検出器22aおよび22v(および温度センサ、血液漏出検出器、伝導率センサ、圧力センサ、およびアクセス切断トランスデューサ102、104等のシステム10の他のセンサ)から空気検出信号を受信し、ラインクランプ18aおよび18v、血液ポンプ30、ヘパリンポンプ26、および透析流体ポンプ等の構成要素を制御する。静脈ライン16を介して血液濾過器40から退出する血液は、空気トラップ110を通して流動する。空気トラップ110は、透析された血液が静脈ライン16を介して患者12に戻される前に、血液から空気を除去する。
【0079】
図1のシステム10の血液透析バージョンでは、透析流体または透析液は、血液濾過器40の膜の外側に沿って圧送される一方、血液は、血液濾過器膜の内側を通して圧送される。透析流体または透析液は、水浄化ユニット60を介した水の浄化を始めとして調製される。1つの好適な水浄化ユニットが、「Water Purification System and Method」と題され、2011年4月25日に出願された米国特許公開第2011/0197971号(その全内容が、参照することによって本明細書に組み込まれ、依拠される)に記載されている。一実施形態では、水浄化ユニットは、水が、一実装では、0.03エンドトキシン単位/ml(「EU/ml」)を下回り、0.1コロニー形成単位/ml(「CFU/ml」)を下回るように、水道水を浄化する(例えば、病原体および塩素等のイオンを除去する)ための濾過器および他の構造を含む。水浄化ユニット60は、血液回路20と、透析流体回路70とを含む、血液透析機械の筐体とは別個の筐体内に提供されてもよい。
【0080】
透析流体回路70が、図示を容易にするために、再び、
図1において大幅に簡略化される。現実における透析流体回路70は、上記の参照することによって組み込まれる公開に記載される関連構造および機能性の全てを含んでもよい。透析流体回路70のある特徴が、
図1に図示される。図示される実施形態では、透析流体回路70は、血液濾過器行き透析流体ポンプ64を含む。ポンプ64は、一実施形態では、血液ポンプ30と同一に構成される。ポンプ64は、ポンプ30のように、ポンプポッドの対を含み、これは、再び、球状に構成され得る。2つのポンプポッドは、血液ポンプ30のように、一方のポンプポッドがHD透析流体を用いて充填する一方、他方のポンプポッドがHD透析流体を放出するように交互に動作される。
【0081】
ポンプ64は、血液濾過器行き透析流体ポンプである。使用された透析流体を排出するように押し出すために、排出ライン82に位置する入口弁98iおよび出口弁98oとともに動作する別の二重ポッドポンプチャンバ96が存在する。重炭酸塩カートリッジ72を通してポンプ浄化水を圧送するための第3のポッドポンプ(図示せず)が存在する。酸容器74から混合ライン62の中に酸を圧送するために使用される第4のポッドポンプ(図示せず)が存在する。第3および第4のポンプ、すなわち、濃縮物ポンプは、一実施形態では、混合ライン62と血液濾過器行き透析流体ポンプ64との間に緩衝透析流体タンク(図示せず)が存在するため、連続圧送が混合ライン62においてあまり重要ではないため、単一のポッドポンプであってもよい。
【0082】
排出ライン82において提供される第5のポッドポンプ(図示せず)が、HD治療が提供されるときに既知の量の限外濾過(「UF」)を除去するために使用される。システム10は、限外濾過液が患者から除去された量を制御および把握するために、UFポンプを追跡する。システム10は、必要な量の限外濾過液が処置の終わりまでに患者から除去されることを確実にする。
【0083】
上記に説明されるポンプはそれぞれ、代替として、管とともに動作する蠕動ポンプであってもよい。該当する場合、システム弁は、依然として、本開示の特徴に従って空気圧で作動されてもよい。
【0084】
一実施形態では、水浄化ユニット60からの浄化水は、重炭酸塩カートリッジ72を通して混合ライン62に沿って圧送される。容器74からの酸が、混合ライン62に沿って、重炭酸塩カートリッジ72から流動する重炭酸塩水の中に圧送され、電解的かつ生理学的に適合性の透析流体溶液を形成する。浄化水を重炭酸塩および酸と適切に混合するために使用されるポンプおよび温度補償伝導率センサは、図示されないが、上記の参照することによって組み込まれる公開に詳細に開示されている。
【0085】
図1はまた、透析流体が、血液濾過器40に到達する前に、ヒータ78および限外濾過器80を通して新鮮な透析流体ライン76に沿って圧送され、その後で使用された透析流体が排出ライン82を介して排出されるように圧送されることを図示する。ヒータ78は、透析流体を体温または約37℃まで加熱する。限外濾過器80はさらに、血液濾過器40に到達する前に透析流体を清浄にし、浄化し、透析流体から、例えば、重炭酸塩カートリッジ72または酸容器74を介して導入される微生物または汚染物質を濾過する。
【0086】
透析流体回路70はまた、図示される実施形態では、サンプルポート84を含む。透析流体回路70はさらに、血液漏出検出器(図示されないが、血液濾過器40の繊維が断裂しているかどうかを検出するために使用される)と、全てが上記の参照することによって組み込まれる公開に詳細に例証および説明される、平衡チャンバ、複数の透析流体弁、および透析流体保持タンク等の図示されない他の構成要素とを含むであろう。
【0087】
図示される実施形態では、血液透析システム10は、透析流体を血液濾過器を通して一度圧送し、次いで、使用された透析流体を排出するように圧送する、直結通過システムである。血液回路20および透析流体回路70は両方とも、血液回路20および透析流体回路70が再使用され得るように、各処置後に温水消毒されてもよい。一実装では、血液濾過器40を含む血液回路20は、約1カ月にわたって毎日温水消毒および再使用される一方、透析流体回路70は、約6カ月にわたって温水消毒および再使用される。
【0088】
代替実施形態では、例えば、CRRTに関して、滅菌された透析流体または注入液の複数のバッグが、ともにまとめられ、次々と使用される。そのような場合では、空の供給バッグは、排出または使用済み流体バッグとしての役割を果たすことができる。
【0089】
システム10の機械90は、
図1の破線によって示されるような封入体を含む。機械90の封入体は、処置のタイプ、処置がセンター内であるかまたは在宅処置であるか、および透析流体/注入液供給がバッチタイプ(例えば、袋詰め)であるかまたは直結であるかに応じて変動する。
【0090】
図2は、
図1のシステム10の機械90が血液セット100とともに動作し得ることを図示する。血液セット100は、動脈ライン14と、静脈ライン16と、ヘパリンバイアル24と、ヘパリンポンプ26/血液ポンプ30と、血液濾過器40(例えば、透析器)とを含む。空気トラップ110が、患者12に戻される前に血液から空気を除去するために、静脈ライン16に位置してもよい。
(空気圧ポンプボックス)
【0091】
図1および2では、ポンプ26、30(30aおよび30b)、64、96(および図示されない他のポンプ)のうちのいずれかおよび弁32i、32o、34i、34o、68i、68o、98i、および98o等の弁のうちのいずれかが、空気圧で作動されてもよい。ある実施形態では、ポンプおよび弁はそれぞれ、可撓性膜によって分離される、流体側および空気側を有する。負の空気圧が、流体をポンプチャンバの中に引き込むために、または弁を開放するために、膜の空気側に印加され得る(またはポンプまたは弁は、正の閉鎖圧力を大気に通気し、流体圧力が開放することを可能にすることによって開放され得る)。正の空気圧が、ポンプチャンバから流体を放出するために、または弁を閉鎖するために、膜の空気側に印加される。
【0092】
ここで
図3を参照すると、HD機械等の医療流体送達機械90の実施形態が、図示される。図示される実施形態における医療流体送達機械90は、空気圧ポンプボックス150に接続される医療流体送達シャーシ120を含む。ある実施形態では、空気圧ポンプボックス150は、ポンプボックスが患者の周辺の近傍の処置面積内の騒音を低減させるために患者から離れるように移動され得る(例えば、クローゼット内に設置される)ように、医療流体送達シャーシ120に可撤式に接続される。少なくとも1つの正の空気圧ラインおよび少なくとも1つの負の空気圧ライン(図示せず)が、空気圧ポンプボックス150から医療流体送達シャーシ120に延設され、ポンプ26、30(30aおよび30b)、64、96(および図示されない他のポンプ)および医療流体送達シャーシ120内に位置する、またはその上に搭載される弁32i、32o、34i、34o、68i、68o、98i、および98o等の弁のうちのいずれかを駆動する。
【0093】
ある実施形態では、空気圧調整器、電気的に作動されるバイナリソレノイド弁、および電気的に作動される可変空気圧(可変弁)等の空気圧構成要素は、医療流体送達シャーシ120内に位置する。空気圧ポンプボックス150から医療流体送達シャーシ120に延設される空気圧ラインの数は、したがって、おそらく、単一の正圧空気圧ラインおよび単一の負圧空気圧ラインまで最小限にされることができる。
【0094】
図4Aおよび4Bは、代替空気圧ポンプボックス150aおよび150b(集合的に、ポンプボックス150)をより詳細に図示する。ポンプボックス150aおよび150bは、それらの主要構成要素を強調するために簡略化されており、電気配線および回路、管類、コネクタ等、図示されない他の構造を含有し得る。それぞれ、
図4Aおよび4Bの空気圧ポンプボックス150aおよび150bは、真空ポンプ152が熱を生産し、それに応じて、動作の間にポンプボックス内で最も高温の点を形成することを認識する。真空ポンプ152は、それに応じて、熱が上に、かつ他のポンプボックス構成要素から離れるように上昇し得るように、空気圧ポンプボックス150aおよび150bの両方の中で上部に搭載される。
【0095】
空気圧ポンプボックス150aはまた、可能な限り空気圧ポンプボックス内の管類の配索を低減させ、簡略化する。そのように行うために、空気圧ポンプボックス150aは、コンプレッサ154を空気圧ポンプボックス150aの底部に配置する。コンプレッサ154は、短い空気圧ライン162を介して乾燥機156の中に圧縮された空気を給送する。ある実施形態における乾燥機156は、コンプレッサ154からの圧縮された空気を冷却し、圧縮された空気から水分を凝縮する。使用に先立って空気から水分を除去することは、圧縮された空気体積中の水分が腐食に起因してシステム故障を引き起こし得るため、重要である。乾燥機156は、ある実施形態では、冷却を介して動作するため、乾燥機156を熱生産真空ポンプ152から離れるように配置することが、賢明である。ポンプボックス150aでは、乾燥機156は、真空ポンプ152の真下に位置し、その上昇する熱を回避し、アキュムレータ158および160を介して真空ポンプ152から分離される。管類配索も同様に、乾燥機156と正圧アキュムレータ158との間の短い空気圧ライン164および真空ポンプ152と負圧アキュムレータ160との間の短い管類ライン166を介して簡略化および低減される。
【0096】
正圧アキュムレータ158は、正圧空気圧ライン(図示せず)に接続するための出力ポート159を含み、正圧を医療流体送達シャーシ120に供給する。負圧アキュムレータ160は、負圧空気圧ライン(図示せず)に接続するための出力ポート161を含み、負圧を医療流体送達シャーシ120に供給する。
【0097】
代替空気圧ポンプボックス150bは、コンプレッサ154が代わりに乾燥機156の上方に位置するように、空気圧ポンプボックス150aに対してコンプレッサ154および乾燥機156の設置を反転する。本構成は、冷却乾燥機156を、熱生産真空ポンプ152からさらに離れるように、また、コンプレッサから上昇する熱の下方に移動させ、これは、有利であるが、乾燥機156と正圧アキュムレータ158との間により長い空気圧ライン164を要求する。いずれの場合も、空気圧ポンプボックス150aおよび150bの両方の構成要素レイアウトは、効率および簡易化を踏まえて作製される。
【0098】
空気圧ポンプボックス150aおよび150bのうちのいずれか一方または両方は、ボックスの上部に電気的に動作されるファン170を提供してもよく、これは、真空ポンプ152からの加熱された空気をボックスから引くように配向される。真空ポンプ152を中心とするより低温の周囲空気の循環を補助するために、入口通気孔172が、提供され、真空ポンプ152の場所のちょうど真下に図示されるように位置してもよい。
図4Aおよび4Bの対流矢印によって図示されるように、比較的に低温の空気が、通気孔172を通して中に、かつ真空ポンプ152を中心としてファン172を介して引かれ、これもまた、空気圧ポンプボックス150aおよび150bから加熱された空気を排出する。
【0099】
空気圧ポンプボックス150aおよび150bのうちのいずれか一方または両方はまた、ポンプボックスの内壁のうちの1つ以上のものまたは全ての上に遮音174を提供してもよい。ポンプボックス150aおよび150bの内壁を裏打ちするフォームまたは岩綿等の遮音174は、空気圧構成要素152、154、および156を介して生産される騒音を消音することに役立つ。遮音は、医療流体送達シャーシ120からポンプボックス150を除去する必要性を排除し得る。実際に、本開示のうちのいずれかおよび本明細書に説明される代替物を含む、ポンプボックス150を機械90の医療流体送達シャーシ120に統合することが、考慮される。
【0100】
ここで
図5-7を参照すると、圧力アキュムレータ158、160の実施形態が、図示される。
図5に図示されるように、正圧アキュムレータ158は、剛性外側筐体176を含み、これは、例えば、ポリ塩化ビニル(「PVC」)、ポリカーボネート(「PC」)、ポリプロピレン(「PP」)、ポリエチレン(「PE」)等のプラスチック材料から作製されることができる。図示される実施形態における剛性外側筐体176は、2つの鋭角を排除しようと試み、代わりに、ブラダが内面の形状に容易に共形化し、内面によって画定される内側容積の全てまたは実質的に全てを使用することを可能にする、比較的に大きい半径の屈曲部178を含む内面を有する。ある実施形態では、剛性筐体によって画定される内側容積は、約250ミリリットル~1リットル以上のもの、例えば、500ミリリットルであり得る。
【0101】
図示される実施形態における剛性外側筐体176は、通気ポート186を含む、または提供する。通気ポート186は、一実施形態では、残りの剛性筐体176とともに成形される。通気ポート186は、ブラダ182が拡張するとき、下記に説明されるブラダ182が筐体176から空気を押し出すことを可能にし、ブラダ182が収縮するとき、空気が筐体176に進入することを可能にする。筐体176は、それにもかかわらず、ブラダ182を含有するために必要とされる剛性封入体を提供する。ポート186は、ブラダが完全に拡張し、容易に収縮することに役立つ。
【0102】
図示される実施形態における剛性外側筐体176の開放端は、
図6に図示されるブラダアセンブリ180を受け取る。ブラダアセンブリ180は、拡張可能ブラダ182を含む。拡張可能ブラダ182は、ラテックス等の高度に弾性の材料から作製される。
図6は、ブラダ182の開放端184がコネクタ190のブラダ接続端192にわたって延伸およびシールされることを図示する。コネクタ190はまた、正圧ラインまたは負圧ライン(図示せず)に接続し、正圧または負圧を医療流体送達シャーシ120に供給するために、それぞれ、
図4Aおよび4Bと関連して上記に説明される出力ポート159、161を提供する。出力ポート159、161は、空気圧ラインとのシールされた接続のために図示されるように返し付きである、または他の好適な気密シール接続を有してもよい。コネクタ190は、加えて、ナイロンを含む、剛性外側筐体176のための上記に説明される剛性プラスチックのうちのいずれかから作製されてもよい。コネクタ190はまた、剛性筐体176を形成するために使用され得る、吹込み成形を介して達成され得るものよりも精密な公差を提供するために、射出成形されてもよい。
【0103】
Oリングガスケット等のガスケット188が、拡張可能ブラダ182をコネクタ190のブラダ接続端192上にさらに圧縮する。ある実施形態におけるブラダ接続端192は、ガスケット188をブラダ182およびブラダ接続端上に着座させるために、環状くぼみを提供する。ガスケット188はまた、ブラダアセンブリ180が外側筐体176の中に挿入されると、剛性外側筐体176の縮径部179内に圧縮されるようなサイズにされる。コネクタ190のフランジ194は、ブラダアセンブリ180が外側筐体176の中に完全に挿入されると、縮径部179の前部に対して着座する。ガスケット188は、シリコンまたは他の圧縮可能ゴム、またはプラスチックから作製されてもよい。
【0104】
代替実施形態では、コネクタ190の出力ポート159、161およびブラダ接続端192の両方は、返し付きである。筐体176およびその縮径部179は、返しが筐体176の縮径部179の中に食い込み、それをシールし得るように、コネクタ190の返し付き接続端192よりも軟質の材料から作製されてもよい。
【0105】
さらなる代替実施形態では、コネクタ190の出力ポート159、161は、平滑であり、1つ以上のOリングガスケットを介して空気圧管をシールする、例えば、出力ポート159、161内に形成される溝の中に嵌合されてもよい。ここでは、ブラダ接続端192は、図示されるように平滑である、または上記に代替として説明されるように返し付きであり得る。
【0106】
例証の目的のために、静的調整器または可変弁等の正圧調整器が、流体ポンプチャンバまたは流体弁チャンバにおける動作圧を5psigに設定すると仮定する。次いで、これがブラダを膨張させるために、5.5psig等、少なくともわずかに5psigを上回るものを要求するように(例えば、その壁厚さを設定することを介して)ブラダ182を構築することが、考慮される。ブラダを膨張させるために必要とされる圧力はまた、コンプレッサ154および乾燥機156の出力圧力を下回ることを必要とする。そうすることによって、ブラダ182は、ブラダが
図7に図示されるその拡張された形状から
図5および6に図示されるその静止形状に収縮するとき、十分な動作圧を調整器に提供する。ブラダ182を伴わないと、いったん剛性外側筐体176内の圧力が実施例において5psigまで降下すると、アキュムレータ158は、もはや流体弁またはポンプに動力供給することができない。しかし、ブラダ182を伴うと、いったん剛性外側筐体176内の圧力がブラダ膨張圧力(例えば、実施例において5psigをわずかに上回るものまたは5.5psig)まで降下すると、ブラダ182は、ブラダ182がその静止形状に到達するまで、調整器にブラダ膨張圧力、例えば、5.5psigを供給する。
【0107】
図8Aは、圧力が(i)コンプレッサ154によってアキュムレータ158に提供される初期正圧において開始され、(ii)線形に、または曲線に従ってのいずれかでブラダ膨張圧力まで降下し、(iii)ブラダ182がその非拡張静止形状に到達するまで膨張圧力に留まり、(iv)調整された出力圧力まで降下することを示す、経時的にアキュムレータ158によって提供される圧力のグラフを図示する。
【0108】
付加的量または体積が、例えば、コンプレッサ154への電力がもはや利用可能ではないときにポンプまたは弁チャンバを駆動するために使用されてもよい。付加的量または体積はまた、調整器、バイナリソレノイド弁、および可変弁等の空気圧構成要素のための漏出緊密性要件を減少させるために使用されてもよい。そのような要件を減少させることは、より安価な弁が使用されることを可能にする、および/またはそのような空気圧構成要素が処置前に試験されるときに障害状況の数を減少させ得る。
【0109】
図5-7はまた、負圧アキュムレータ160の実施形態を図示する。正圧アキュムレータ158に関して上記に説明される上記の構造および代替物は全て、(i)例えば、ラテックス、シリコーン、または他の可撓性材料から作製されるブラダ182が、より高い膨張圧力を有するように厚くされ、(ii)通気ポートが真空源ポートになり、コネクタ190が空気通気孔になるように、通気ポート186およびコネクタ190の役割が逆転されることを除いて、負圧アキュムレータ160に関するものと同一である。負圧アキュムレータ160では、真空ポンプ152は、ポート186を真空に引き、これは、ブラダ182と剛性外側筐体176との間の空気を排気する一方、空気は、コネクタ190を介してブラダ182の内側に進入し、ブラダを逆充填することが可能である。
【0110】
負圧ブラダ182は、一実施形態では、これがブラダを膨張させるために完全真空量の負圧をとるように(例えば、その壁厚さを設定することを介して)構築される。例えば、真空ポンプ152が少なくとも-15psigを提供し得ることを前提として、負圧アキュムレータ160を-15psigまで充填することが所望される場合、負圧ブラダ182は、これがブラダを膨張させるために-15psigをとるように構築され得る。このように、完全に収縮されたブラダ182と剛性外側筐体176との間の空間は、ブラダが真空入口ポート186を被覆するように膨張することに先立って、完全な所望の量まで完全に排気される。種々の実施形態では、(i)ブラダおよび剛性外側筐体アキュムレータは、負圧ブラダが筐体によって提供される真空ポートを遮断する、または完全に遮断するように拡張する前に、完全な真空が引かれ得るように構成される、および/または(ii)真空ポートは、ブラダが遮断することが困難であるように剛性筐体の内側上に角度付けられることができる。使用時、いったん負圧が負圧膨張レベルを下回って降下し始めると、ブラダ182は、収縮し始め、ブラダが完全に収縮されるまで負の膨張圧力を供給する。ブラダ182が完全に収縮されると、剛性外側筐体176は、完全に真空を充填された状態にされる。
【0111】
図8Bは、圧力が(i)真空ポンプ152によってアキュムレータ160に提供される初期負圧設定点において開始され、(ii)ブラダ182の負の膨張圧力まで、またはそれをちょうど下回ってわずかに降下し、(iii)ブラダ182が完全に収縮されるまで負の膨張圧力に留まり、(iv)線形に、または曲線に従ってのいずれかで負の調整出力圧力まで降下することを示す、経時的にアキュムレータ160によって提供される負圧のグラフを図示する。通気孔190は、ブラダが完全に収縮し得るように、空気がブラダ182の内側から逃散することを可能にする。
【0112】
正圧アキュムレータ158対負圧アキュムレータ160に関する一例証的圧力設定実施例は、以下の通りであり、すなわち、(正)正圧チャンバ圧力+15psig、正圧ブラダ膨張圧力+5.5psig、正圧調整出力圧力+5.0psigであるのに対し、(負)負圧チャンバ圧力-15psig、負圧ブラダ膨張圧力-14.5psig、負圧調整出力圧力-5.0psigである。
【0113】
ここで
図9を参照すると、電力喪失状況における使用のために、負圧および正圧が、空気圧で作動されるポンプチャンバ202と、それぞれ、空気圧で作動されるポンプチャンバ202の上流および下流に位置する第1の空気圧で作動される医療流体弁チャンバ212および第2の空気圧で作動される医療流体弁チャンバ222とを含む、医療流体ポンプ200に印加され得るように、バッテリ電力が、電気的に動作されるソレノイドおよび可変弁に給電するために、アキュムレータ158および160および関連付けられるブラダ182とともに提供されてもよい。バイナリソレノイド弁240aおよび240fは、一実施形態では、バッテリ電力が弁を開放するためにのみ必要とされるように、ばね閉鎖され、開放するように給電される。可変弁244は、その動作全体を通して電力を必要とする。静的空気圧調整器246および248は、一実施形態では、電力を必要としない。静的空気圧調整器246および248は、上記に議論されるような一定の正の空気圧動作圧および負の空気圧動作圧を設定する。
【0114】
加えて、
図2の血液セット100を視認すると、血液を押し出すために透析器40を横断する透析流体を使用して、血液セットを通してコネクタ14aおよび16aに向かって患者に戻るように血液を濯ぐために、バッテリ電力は、ソレノイドを開放し、(ポンプ200のように構成され得る)血液ポンプと関連付けられる可変弁および/または(ポンプ200のように構成され得る)新鮮透析流体ポンプを動作させるために必要とされる。平衡チャンバもまた、採用されてもよく、これは、一実施形態では、濯ぎ戻しのために迂回される。使用済み透析流体ポンプは、正の透析流体圧力が、透析器内に蓄積され、血液セットの中への透析流体フローが患者に向かって血液を押し戻し得るように、遮断され得る(入口弁および出口弁が閉鎖される)。
【0115】
図9は、一実施形態では、空気圧で作動されるポンプチャンバ202が、可撓性膜またはダイヤフラム210によって分離される、医療流体側206(例えば、血液、透析流体、置換液、静注薬物)および空気圧側208を画定する、筐体204、例えば、剛性プラスチック筐体を含むことを図示する。空気圧で作動される第1または入口弁212は、可撓性膜またはダイヤフラム220によって分離される、医療流体側216および空気圧側218を画定する、筐体214、例えば、剛性プラスチック筐体を含む。空気圧で作動される第2または出口弁222は、可撓性膜またはダイヤフラム230によって分離される、医療流体側226および空気圧側228を画定する、筐体224、例えば、剛性プラスチック筐体を含む。入口弁212は、医療流体が医療流体入口ライン232を介してポンプチャンバ202に流動することを選択的に可能にする一方、出口弁222は、医療流体が医療流体出口ライン234を介してポンプチャンバ202から流動することを選択的に可能にする。
【0116】
医療流体をポンプチャンバ202の中に引き込むために、入口弁212は、開放され、出口弁222は、閉鎖され、負の空気圧が、圧送膜210に印加され、可変弁244に向かって膜を引き、入口ライン232を介してポンプチャンバ202の中に流体を吸引する。ポンプチャンバ202から医療流体を押し出すために、入口弁212は、閉鎖され、出口弁222は、開放され、正の空気圧が、圧送膜210に印加され、可変弁244から離れるように膜を押し、出口ライン234を介してポンプチャンバ202から流体を押し出す。可変弁244は、ポンプチャンバ202の一連のストロークにわたって、空気圧調整器246および248によって設定される範囲内で、正の空気圧および/または負の空気圧の所望の変動を可能にする可変オリフィスを含む。バイナリ弁240c(例えば、ばね閉鎖され、開放するように通電される)は、調整された負圧が可変弁244に到達することを選択的に可能にする一方、バイナリ弁240d(例えば、ばね閉鎖され、開放するように通電される)は、調整された正圧が可変弁244に到達することを選択的に可能にする。
【0117】
図示される実施形態では、第1または入口弁212および第2または出口弁222は、正圧下で閉鎖され、大気に開放される。入口弁212を閉鎖するために、バイナリ弁240bは、開放される一方、バイナリ弁240aは、閉鎖され、調整された正圧が、入口弁212を閉鎖し、正圧が大気に通気することを防止することを可能にする。入口弁212を開放するために、バイナリ弁240bは、閉鎖される一方、バイナリ弁240aは、開放され、調整された正圧が入口弁212に到達することを防止し、入口弁212における既存の正圧が大気に通気することを可能にする。同様に、出口弁222を閉鎖するために、バイナリ弁240eは、開放される一方、バイナリ弁240fは、閉鎖され、調整された正圧が、出口弁222を閉鎖し、正圧が大気に通気することを防止することを可能にする。出口弁222を開放するために、バイナリ弁240eは、閉鎖される一方、バイナリ弁240fは、開放され、調整された正圧が出口弁222に到達することを防止し、出口弁222における既存の正圧が大気に通気することを可能にする。
【0118】
(破線電気ラインによって示されるような)バイナリ弁240a-240fおよび可変弁244は、(同様に破線電気ラインを示す)制御ユニット50の制御下で動作される。制御ユニット50は、上記に議論されるようなバイナリ弁240a-240fをシーケンス化し、可変弁244のオリフィスサイズを制御し、所望の圧送圧力プロファイルを作成するコンピュータプログラムを起動する。
【0119】
入口弁および出口弁212および222は、弁膜220および230を開放するように押す医療流体圧力を介して大気に通気されると、および/または膜自体の自然の付勢が、正の空気圧を受けていないとき、入口弁および出口弁212および222を開放させる、または開放させる傾向があるように、球体またはドームに事前形成または事前ドーム形成されるように弁膜220および230を形成し、ドームを空気圧入口に向かって配向することによって、開放し得る。
【0120】
図示される実施形態では、入口弁および出口弁212および222は、負圧を要求せず、負圧よりも大きい正圧が、したがって、医療流体ポンプ200を動作させるために必要とされる。したがって、ブラダ182が正圧アキュムレータ158のみを提供される場合であっても、医療流体ポンプ200の寿命は、依然として、電力喪失に応じて延長される。代替実施形態では、負圧が、入口弁および出口弁212および222を開放するために使用され、したがって、ほぼ等しい量の正圧および負圧が、医療流体ポンプ200を動作させるために必要とされる。ここでは、ブラダ182は、電力喪失に応じて医療流体ポンプ200の寿命を延長させるために、正圧アキュムレータ158および負圧アキュムレータ160の両方を提供され得る。
【0121】
本明細書に説明される本好ましい実施形態の種々の変更および修正が、当業者に明白となるであろうことを理解されたい。そのような変更および修正は、本主題の精神および範囲から逸脱することなく、かつその意図される利点を減少させることなく成されることができる。したがって、そのような変更および修正は、添付される請求項によって網羅されることが意図される。