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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023113829
(43)【公開日】2023-08-16
(54)【発明の名称】局所用医薬組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/05 20060101AFI20230808BHJP
   A61K 9/107 20060101ALI20230808BHJP
   A61K 47/06 20060101ALI20230808BHJP
   A61K 47/10 20170101ALI20230808BHJP
   A61K 47/14 20170101ALI20230808BHJP
   A61K 47/22 20060101ALI20230808BHJP
   A61K 47/44 20170101ALI20230808BHJP
   A61K 47/34 20170101ALI20230808BHJP
   A61K 47/26 20060101ALI20230808BHJP
   A61P 17/00 20060101ALI20230808BHJP
   A61P 29/00 20060101ALI20230808BHJP
   A61P 17/06 20060101ALI20230808BHJP
   A61P 17/10 20060101ALI20230808BHJP
   A61P 37/08 20060101ALI20230808BHJP
【FI】
A61K31/05
A61K9/107
A61K47/06
A61K47/10
A61K47/14
A61K47/22
A61K47/44
A61K47/34
A61K47/26
A61P17/00
A61P29/00
A61P17/06
A61P17/10
A61P37/08
【審査請求】有
【請求項の数】41
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023093301
(22)【出願日】2023-06-06
(62)【分割の表示】P 2021062652の分割
【原出願日】2016-05-19
(31)【優先権主張番号】62/165,097
(32)【優先日】2015-05-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/324,450
(32)【優先日】2016-04-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】519046546
【氏名又は名称】ダーマバント、サイエンシーズ、ゲゼルシャフト、ミット、ベシュレンクテル、ハフツング
【氏名又は名称原語表記】DERMAVANT SCIENCES GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】弁理士法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】マリー、ベダード
(72)【発明者】
【氏名】マイケル、クイン、ドハーティ
(72)【発明者】
【氏名】ジョン、ディー.レン
(72)【発明者】
【氏名】レアンドロ、エル.サントス
(72)【発明者】
【氏名】スジャータ、ディー.ソンティ
(72)【発明者】
【氏名】ジョーイ、ロジャー、トーマス
(72)【発明者】
【氏名】ジャスティン、イー.ホワイトマン
(72)【発明者】
【氏名】ピユシュ ジェイン
(57)【要約】      (修正有)
【課題】物理的に安定な局所用医薬組成物であって、活性成分も化学的に安定である組成物を提供する。
【解決手段】治療上有効量の3,5-ジヒドロキシ-4-イソプロピル-trans-スチルベンまたはその薬学的に許容可能な塩、油相、水相、界面活性剤および酸化防止剤を含む局所用医薬エマルジョン組成物であって、前記エマルジョン組成物が均質であり、かつ/または前記活性成分が前記油相中に可溶化される組成物を提供する。また、本発明の組成物を患者の皮膚に投与することにより、患者の皮膚科学的状態または障害を治療する方法も提供する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
局所用医薬エマルジョン組成物であって、
活性成分である3,5-ジヒドロキシ-4-イソプロピル-trans-スチルベンまたはその薬学的に許容可能な塩、油相、水相、界面活性剤および酸化防止剤を含み、
前記組成物が均質である、前記組成物。
【請求項2】
前記油相が鉱油またはペトロラタムを含む場合、第2の油相成分が存在し、前記油相が鉱油およびペトロラタムの両方を含む場合、第3の油相成分が存在する、請求項1に記載の局所用組成物。
【請求項3】
前記油相がペトロラタムを実質的に含まないか、またはペトロラタムを≦3%、もしくは≦2%、もしくは≦1%含む、請求項1または2に記載のエマルジョン組成物。
【請求項4】
前記活性成分が、前記組成物の総重量に対して約0.05重量%~約2重量%の量で存在する、請求項1~3のいずれか一項に記載のエマルジョン組成物。
【請求項5】
前記酸化防止剤が、没食子酸プロピル、ブチル化ヒドロキシトルエンおよびトコフェロールからなる群から選択される、請求項1~4のいずれか一項に記載のエマルジョン組成物。
【請求項6】
前記油相が、エステルおよび/またはグリセリンのエステルである少なくとも1種の油および/または脂質を含む、請求項1~5のいずれか一項に記載のエマルジョン組成物。
【請求項7】
前記グリセリンのエステルが中鎖トリグリセリドである、請求項6に記載のエマルジョン組成物。
【請求項8】
前記界面活性剤が非イオン性界面活性剤である、請求項1~7のいずれか一項に記載のエマルジョン組成物。
【請求項9】
前記界面活性剤が、エトキシ化脂肪族アルコールエーテル、PEGヒマシ油、PEGエステル、プロピレングリコールエステル、グリセリルエステルおよび誘導体、ポリマーエーテル、ソルビタン誘導体、脂肪族アルコールおよび乳化ワックス、ならびにそれらの混合物からなる群から選択される、請求項1または8に記載のエマルジョン組成物。
【請求項10】
前記界面活性剤が、少なくとも1種のエトキシ化脂肪族アルコールエーテルを含む、請求項9に記載のエマルジョン組成物。
【請求項11】
前記エトキシ化脂肪族アルコールエーテルが、ステアレス-2とステアレス-20との混合物である、請求項10に記載のエマルジョン組成物。
【請求項12】
前記界面活性剤が、エトキシ化脂肪族アルコールエーテルとソルビタン誘導体との混合物を含む、請求項1~11のいずれか一項に記載のエマルジョン組成物。
【請求項13】
前記エトキシ化脂肪族アルコールエーテルとソルビタン誘導体との混合物が、ステアレス-2、ステアレス-20およびポリソルベート80の混合物である、請求項12に記載のエマルジョン組成物。
【請求項14】
前記界面活性剤が、エトキシ化脂肪族アルコールエーテル、ソルビタン誘導体および脂肪族アルコールの混合物である、請求項1~13のいずれか一項に記載のエマルジョン組成物。
【請求項15】
前記エトキシ化脂肪族アルコールエーテル、ソルビタン誘導体および脂肪族アルコールの混合物が、ステアレス-2、ステアレス-20、ポリソルベート80およびセテアリルアルコールの混合物である、請求項14に記載のエマルジョン組成物。
【請求項16】
前記界面活性剤が、エトキシ化脂肪族アルコールエーテル、ソルビタン誘導体および非イオン性乳化ワックスの混合物である、請求項1~15のいずれか一項に記載のエマルジョン組成物。
【請求項17】
前記エトキシ化脂肪族アルコールエーテル、ソルビタン誘導体および乳化ワックスの混合物が、ステアレス-2、ステアレス-20、ポリソルベート80および乳化ワックスNFの混合物である、請求項16に記載のエマルジョン組成物。
【請求項18】
前記組成物が水中油型エマルジョンである、請求項1~17のいずれか一項に記載のエマルジョン組成物。
【請求項19】
保存剤、pH調整剤、キレート剤および共溶媒をさらに含む、請求項1~18のいずれか一項に記載のエマルジョン組成物。
【請求項20】
前記組成物が水中油型クリームである、請求項1~19のいずれか一項に記載のエマルジョン組成物。
【請求項21】
不連続相の平均液滴サイズが約5ミクロン以下である、請求項1~20のいずれか一項に記載のエマルジョン。
【請求項22】
ヒト患者における皮膚科学的状態または障害の治療または予防における使用のための、請求項1~21のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項23】
患者における炎症性疾患または障害を治療する方法であって、
請求項1~21のいずれか一項に記載の局所用医薬エマルジョン組成物を、それを必要とする患者に投与することを含む、前記方法。
【請求項24】
前記疾患または障害が、乾癬、アトピー性皮膚炎または座瘡である、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
活性成分である3,5-ジヒドロキシ-4-イソプロピル-trans-スチルベンまたはその薬学的に許容可能な塩、油相、水相、界面活性剤および酸化防止剤を含む均質な組成物を含む局所用医薬エマルジョン組成物の、患者の炎症性皮膚疾患または障害の治療または予防のための医薬の製造のための使用。
【請求項26】
患部に投与される前記組成物の個々の投与が、1日に2回、1日に1回、1日おきに1回、1週間に2回、1週間に3回、または1週間に1回起こりうる、請求項23~25のいずれか一項に記載の方法または使用。
【請求項27】
活性成分である3,5-ジヒドロキシ-4-イソプロピル-trans-スチルベンまたはその薬学的に許容可能な塩を含む局所用医薬エマルジョン組成物の、それを必要とする患者への使用における刺激を軽減する方法であって、前記方法が、前記活性成分、油相、水相、界面活性剤および酸化防止剤を含む均質なエマルジョン組成物を前記患者に投与することを含み、前記エマルジョン組成物が製剤1または12と任意に比較される、前記方法。
【請求項28】
患者への使用において、活性成分である3,5-ジヒドロキシ-4-イソプロピル-trans-スチルベンまたはその薬学的に許容可能な塩を含む組成物の、それを必要とする患者の皮膚における滞留時間を改善する方法であって、前記方法が、前記活性成分、油相、水相、界面活性剤および酸化防止剤を含む均質なエマルジョン組成物を前記患者に投与することを含み、前記エマルジョン組成物が製剤1または12と任意に比較される、前記方法。
【請求項29】
活性成分である3,5-ジヒドロキシ-4-イソプロピル-trans-スチルベンまたはその薬学的に許容可能な塩を含む組成物を投与された患者における副作用を軽減する方法であって、前記方法が、前記活性成分、油相、水相、界面活性剤および酸化防止剤を含む均質なエマルジョン組成物を患者に投与することを含み、前記エマルジョン組成物が製剤1または12と任意に比較される、前記方法。
【請求項30】
活性成分である3,5-ジヒドロキシ-4-イソプロピル-trans-スチルベンまたはその薬学的に許容可能な塩、油相、水相、界面活性剤および酸化防止剤を含む局所投与のための医薬組成物であって、前記組成物は均質であり、ヒトの皮膚への投与時に23.5ng*h/ml未満のAUC(0-tau)を生じる、前記組成物。
【請求項31】
前記AUCが16.0ng*h/mL未満である、請求項29に記載の組成物。
【請求項32】
活性成分である3,5-ジヒドロキシ-4-イソプロピル-trans-スチルベンまたはその薬学的に許容可能な塩、油相、水相、界面活性剤および酸化防止剤を含む局所投与のための医薬組成物であって、前記組成物は均質であり、ヒトの皮膚への投与時に11.3ng/mL未満の最大血漿レベル(Cmax)を生じる、前記組成物。
【請求項33】
前記最大血漿レベル(Cmax)が4ng/ml未満である、請求項32に記載の組成物。
【請求項34】
活性成分である3,5-ジヒドロキシ-4-イソプロピル-trans-スチルベンまたはその薬学的に許容可能な塩、油相、水相、界面活性剤および酸化防止剤を含む局所投与のための医薬組成物であって、前記組成物は均質であり、新たに摘出されたヒト腹部の皮膚を用いた場合における、(活性強度により)正規化された皮膚流量(ng*cm/hr)に対する定常状態で測定された真皮量(ng)の比が1000~5000となるようにin vitro系に投与される、前記組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、局所用医薬組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
物理的に安定な局所用医薬組成物であって、活性成分も化学的に安定であることが知られている組成物を調製することは、製剤化学者にとっての課題である。このような医薬組成物は、
(i)皮膚を刺激せず、
(ii)特定の皮膚科学的状態または障害を治療するために活性成分を皮膚の上または中に送達するように特に適合されていてもよく、
(iii)患者が指示された処方計画に従うことを確実にするために外見上洗練されており、
(iv)活性成分を皮膚の適切な層に浸透させ、所望の標的と係合し、および
(v)局所皮膚/表皮送達を達成する一方で全身性の暴露を最小限に抑える
ことが必要である。
【0003】
物理的および化学的に安定な局所用組成物中に処方されるべき所望の活性成分は、以下記式を有する3,5-ジヒドロキシ-4-イソプロピル-trans-スチルベンである:
【化1】
【0004】
この化合物は5-[(E)-2-フェニルエテニル]-2-(プロパン-2-イル)ベンゼン-1,3-ジオールまたは2-(1-メチルエチル)-5-[(1E)-2-フェニルエテニル]-1,3-ベンゼンジオールとしても知られている。
【0005】
3,5-ジヒドロキシ-4-イソプロピル-trans-スチルベンは、Paul et al., Journal of Chemical Ecology 1981 7(3):589-597において抗生物質として最初に開示されたと考えられている。Li et al., Applied and Environmental Microbiology 1995 61(12):4329-4333もまた上記化合物を単離したが、異なる細菌株から単離されたものであり、さらにその抗真菌活性が示された。上記化合物の抗真菌活性は、WO1995/003695号(Agro-Biotech Corporation)にも記載されている。上記化合物は、さらにWO2001/042231号(Welichem Biotech Inc.)およびU.S.7,868,047号に記載されており、乾癬および炎症を含む様々な重要な皮膚科学的状態の治療に適していることが記載されている。U.S.7,868,047号特許の実施例3には、活性成分がGalax Baseで製造されたクリーム製剤が記載されている。出願人は、「Galax」と呼ばれる市販のクリーム基剤の概要(compendial notation)または入手可能性を確認することができず、そのためその組成は不明のままである。
【0006】
3,5-ジヒドロキシ-4-イソプロピル-trans-スチルベンは、酸化および光分解に対して敏感であることが知られている(例えばGao et al., Journal of Polymer Research 2011 18:1501-1508を参照)。したがって、当該技術分野においては、3,5-ジヒドロキシ-4-イソプロピル-trans-スチルベンを含む局所用組成物であって、化学的にも物理的にも安定であり、活性成分を表皮および/または真皮中の所望の作用部位に送達し、使用中に皮膚を刺激しない組成物が依然として必要とされている。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、製剤2~14の特徴であった不均質なエマルジョンの外観を示す。
図2図2は、製剤15~40によって特徴付けられる物理的に安定な製剤と比較した、製剤2~14の特徴である不均質なエマルジョンの外観を示す。
図3図3は、製剤1、12、17および21~24により表皮および真皮に送達される3,5-ジヒドロキシ-4-イソプロピル-trans-スチルベンの量を示す。
図4図4は、製剤1、12、17および21~24により15時間にわたり受容液に送達される3,5-ジヒドロキシ-4-イソプロピル-trans-スチルベンの量を示す。
図5図5は、製剤12および21により3、6、9、12および15時間で真皮に送達される3,5-ジヒドロキシ-4-イソプロピル-trans-スチルベンの量を示す。
図6図6は、製剤12および21により72時間にわたり受容液に送達される3,5-ジヒドロキシ-4-イソプロピル-trans-スチルベンの量を示す。
図7図7は、製剤12、17、21および22によるTh17刺激後のヒトex vivo皮膚におけるmRNA Cyp1A1の変化率を示す。
図8図8は、7日間の反復投与後にGottingenミニブタの皮膚に送達される3,5-ジヒドロキシ-4-イソプロピル-trans-スチルベンの量を示す。
図9図9は、7日間の反復投与後のGottingenミニブタの血漿中の3,5-ジヒドロキシ-4-イソプロピル-trans-スチルベンの量を示す。本明細書に記載されているように、図8および図9を含む全体を通じて使用される「製剤12(2.0%)」は製剤14に対応する。
【発明の概要】
【0008】
一つの実施形態では、本発明は、活性成分である3,5-ジヒドロキシ-4-イソプロピル-trans-スチルベンまたはその薬学的に許容可能な塩、油相、水相、界面活性剤および活性成分を含む局所用医薬エマルジョン組成物を提供し、該エマルジョン組成物は均質である。
【0009】
別の実施形態では、活性成分は、エマルジョン組成物の油相に可溶化される。別の実施形態では、油相が鉱油またはペトロラタムを含む場合、第2の油相成分が存在し、油相が鉱油およびペトロラタムの両方を含む場合、第3の油相成分が存在する。一つの実施形態では、油相はペトロラタムを実質的に含まない。別の実施形態では、油相は、ペトロラタムを≦3%、または≦2%、または≦1%含む。別の実施形態では、油相が鉱油およびペトロラタムの両方を含む場合、エステルまたはグリセリンのエステル、好適には中鎖トリグリセリド等のグリセリンのエステルである少なくとも第3の油相成分が存在する。別の実施形態では、油相が鉱油を含む場合、エステルまたはグリセリンのエステル、好適には中鎖トリグリセリド等のグリセリンのエステルである第2の油相成分が存在する。
【0010】
一つの実施形態では、本発明は、有効量の活性成分である3,5-ジヒドロキシ-4-イソプロピル-trans-スチルベンまたはその薬学的に許容可能な塩、油相、水相、界面活性剤および酸化防止剤を含む局所用医薬エマルジョン組成物を提供し、該エマルジョン組成物は均質であり、3,5-ジヒドロキシ-4-イソプロピル-trans-スチルベンまたはその薬学的に許容可能な塩は、前記エマルジョン組成物の油相に可溶化され、かつ前記油相が鉱油またはペトロラタムを含む場合、第2の油相成分が存在し、前記油相が鉱油とペトロラタムの両方を含む場合、第3の油相成分が存在する。一つの実施形態では、前記油相はペトロラタムを実質的に含まない。別の実施形態では、油相は、ペトロラタムを≦3%、または≦2%、または≦1%含む。別の実施形態では、油相が鉱油およびペトロラタムの両方を含む場合、エステルおよび/またはグリセリンのエステル、好適には中鎖トリグリセリド等のグリセリンのエステルである少なくとも第3の油相成分が存在する。別の実施形態では、油相が鉱油を含む場合、グリセリンおよび/またはグリセリンのエステル、好適には中鎖トリグリセリド等のグリセリンのエステルである第2の油相成分が存在する。
【0011】
一つの実施形態では、本発明は、活性成分である3,5-ジヒドロキシ-4-イソプロピル-trans-スチルベンまたはその薬学的に許容可能な塩、油相、水相、界面活性剤および酸化防止剤を含む局所用医薬エマルジョン組成物を提供し、該活性成分は、エマルジョン組成物の油相に可溶化される。別の実施形態では、エマルジョン組成物は均質である。
【0012】
別の実施形態では、本発明は、活性成分である3,5-ジヒドロキシ-4-イソプロピル-trans-スチルベンまたはその薬学的に許容可能な塩、油相、水相、界面活性剤および酸化防止剤を含む局所用医薬エマルジョン組成物を提供し、該エマルジョン組成物は均質であり、かつ/または活性成分は、エマルジョン組成物の油相中に可溶化される。
【0013】
別の実施形態では、本発明は、活性成分である3,5-ジヒドロキシ-4-イソプロピル-trans-スチルベンまたはその薬学的に許容可能な塩、油相、水相、界面活性剤および酸化防止剤を含む局所用医薬エマルジョン組成物を提供し、不連続相の平均液滴サイズの平均は約35ミクロン未満である。別の実施形態では、不連続相の平均液滴サイズは約25ミクロン未満である。別の実施形態では、不連続相の平均液滴サイズは約15ミクロン未満である。別の実施形態では、不連続相の平均液滴サイズは約10ミクロン未満である。別の実施形態では、不連続相の平均液滴サイズは約5ミクロン未満である。別の実施形態では、不連続相の平均液滴サイズは約1ミクロンであるか、または約1ミクロン未満である。別の実施形態では、不連続相の平均液滴サイズは約0.05~約1ミクロンである。別の実施形態では、不連続相の平均液滴サイズは約0.1~約0.75ミクロンである。別の実施形態では、不連続相の平均液滴サイズは約0.5ミクロンである。
【0014】
別の実施形態では、本発明は、活性成分である3,5-ジヒドロキシ-4-イソプロピル-trans-スチルベンまたはその薬学的に許容可能な塩、油相、水相、界面活性剤および酸化防止剤を含む局所用医薬エマルジョン組成物を提供し、該油相の平均粒径は約10ミクロン未満であり、該エマルジョン組成物は均質であり、かつ/または該活性成分は、エマルジョン組成物の油相に可溶化される。
【0015】
別の実施形態では、本発明は、それを必要とする患者の皮膚科学的状態または障害を治療する方法を提供し、該方法は、活性成分である3,5-ジヒドロキシ-4-イソプロピル-trans-スチルベンまたはその薬学的に許容可能な塩、油相、水相、界面活性剤および酸化防止剤を含む局所用医薬エマルジョン組成物を患者に投与することを含み、該エマルジョン組成物は均質である。別の実施形態では、活性成分は、エマルジョン組成物の油相に可溶化される。別の実施形態では、油相が鉱油またはペトロラタムを含む場合、第2の油相成分が存在し、油相が鉱油およびペトロラタムの両方を含む場合、第3の油相成分が存在する。一つの実施形態では、油相はペトロラタムを実質的に含まない。別の実施形態では、油相は、ペトロラタムを≦3%、または≦2%、または≦1%含む。別の実施形態では、油相が鉱油およびペトロラタムの両方を含む場合、エステルまたはグリセリンのエステル、好適には中鎖トリグリセリド等のグリセリンのエステルである少なくとも第3の油相成分が存在する。別の実施形態では、油相が鉱油を含む場合、エステルまたはグリセリンのエステル、好適には中鎖トリグリセリド等のグリセリンのエステルである第2の油相成分が存在する。
【0016】
別の実施形態では、本発明は、それを必要とする患者の皮膚科学的状態または障害を治療する方法を提供し、該方法は、活性成分である3,5-ジヒドロキシ-4-イソプロピル-trans-スチルベンまたはその薬学的に許容可能な塩、油相、水相、界面活性剤および酸化防止剤を含み、3,5-ジヒドロキシ-4-イソプロピル-trans-スチルベンまたはその薬学的に許容可能な塩は、エマルジョン組成物の油相に可溶化され、油相が鉱油またはペトロラタムを含む場合、第2の油相成分が存在し、油相が鉱油およびペトロラタムの両方を含む場合、第3の油相成分が存在する。一つの実施形態では、油相はペトロラタムを実質的に含まない。別の実施形態では、油相は、ペトロラタムを≦3%、または≦2%、または≦1%含む。別の実施形態では、油相が鉱油およびペトロラタムの両方を含む場合、エステルおよび/またはグリセリンのエステル、好適には中鎖トリグリセリド等のグリセリンのエステルを含む少なくとも第3の油相成分が存在する。別の実施形態では、油相が鉱油を含有する場合、エステルおよび/またはグリセリンのエステル、好適には中鎖トリグリセリド等のグリセリンのエステルである第2の油相成分が存在する。一つの実施形態では、皮膚科学的状態または障害は、炎症性の皮膚科学的状態または障害である。別の実施形態では、炎症性の皮膚科学的状態または障害は、アトピー性皮膚炎および/または乾癬、および/または座瘡である。
【0017】
別の実施形態では、本発明は、有効量の活性成分である3,5-ジヒドロキシ-4-イソプロピル-trans-スチルベンまたはその薬学的に許容可能な塩、油相、水相、界面活性剤および酸化防止剤を含む局所用医薬エマルジョン組成物の、ヒト患者における皮膚科学的状態または障害の治療または予防における使用に関し、該エマルジョンは均質である。
【0018】
別の実施形態では、本発明は、有効量の活性成分である3,5-ジヒドロキシ-4-イソプロピル-trans-スチルベンまたはその薬学的に許容可能な塩、油相、水相、界面活性剤および酸化防止剤を含む局所用医薬エマルジョン組成物の使用に関し、3,5-ジヒドロキシ-4-イソプロピル-trans-スチルベンまたはその薬学的に許容可能な塩は、エマルジョン組成物の油相に可溶化され、油相が鉱油またはペトロラタムを含む場合、第2の油相成分が存在し、油相が鉱油およびペトロラタムの両方を含む場合、第3の油相成分が存在する。一つの実施形態では、油相はペトロラタムを実質的に含まない。別の実施形態では、油相は、ペトロラタムを≦3%、または≦2%、または≦1%含む。別の実施形態では、油相が鉱油およびペトロラタムの両方を含む場合、エステルおよび/またはグリセリンのエステル、好適には中鎖トリグリセリド等のグリセリンのエステルである少なくとも第3の油相成分が存在する。別の実施形態では、油相が鉱油を含有する場合、エステルおよび/またはグリセリンのエステル、好適には中鎖トリグリセリド等のグリセリンのエステルである第2の油相成分が存在する。
【0019】
別の実施形態では、本発明は、ヒト患者の皮膚科学的状態または障害の治療または予防に使用するための、有効量の活性成分である3,5-ジヒドロキシ-4-イソプロピル-trans-スチルベンまたはその薬学的に許容可能な塩、油相、水相、界面活性剤および酸化防止剤を含む局所用医薬エマルジョン組成物に関し、3,5-ジヒドロキシ-4-イソプロピル-trans-スチルベンまたはその薬学的に許容可能な塩は、エマルジョン組成物の油相に可溶化され、油相が鉱油またはペトロラタムを含む場合、第2の油相成分が存在し、油相が鉱油およびペトロラタムの両方を含む場合、第3の油相成分が存在する。一つの実施形態では、油相はペトロラタムを実質的に含まない。別の実施形態では、油相は、ペトロラタムを≦3%、または≦2%、または≦1%含む。別の実施形態では、油相が鉱油およびペトロラタムの両方を含む場合、エステルおよび/またはグリセリンのエステル、好適には中鎖トリグリセリド等のグリセリンのエステルである少なくとも第3の油相成分が存在する。別の実施形態では、油相が鉱油を含む場合、エステルおよび/またはグリセリンのエステル、好適には中鎖トリグリセリド等のグリセリンのエステルである第2の油相成分が存在する。
【0020】
別の実施形態では、本発明は、活性成分である3,5-ジヒドロキシ-4-イソプロピル-trans-スチルベンまたはその薬学的に許容可能な塩を含む局所用医薬エマルジョン組成物の、それを必要とする患者への使用における刺激を軽減する方法に関し、該方法は、油相、水相、界面活性剤および酸化防止剤を含む医薬エマルジョン組成物を患者に投与することを含み、3,5-ジヒドロキシ-4-イソプロピル-trans-スチルベンまたはその薬学的に許容可能な塩は、エマルジョン組成物の油相に可溶化され、油相が鉱油またはペトロラタムを含む場合、第2の油相成分が存在し、油相が鉱油およびペトロラタムの両方を含む場合、第3の油相成分が存在する。一つの実施形態では、油相はペトロラタムを実質的に含まない。別の実施形態では、油相は、ペトロラタムを≦3%、または≦2%、または≦1%含む。別の実施形態では、油相が鉱油およびペトロラタムの両方を含む場合、エステルおよび/またはグリセリンのエステル、好適には中鎖トリグリセリド等のグリセリンのエステルである少なくとも第3の油相成分が存在する。別の実施形態では、油相が鉱油を含有する場合、エステルおよび/またはグリセリンのエステル、好適には中鎖トリグリセリド等のグリセリンのエステルである第2の油相成分が存在する。
【0021】
一つの実施形態では、本発明のエマルジョン組成物は、製剤1または12のエマルジョン組成物(同等の%w/w活性成分を含む)と比較される。
【0022】
別の実施形態では、本発明は、活性成分である3,5-ジヒドロキシ-4-イソプロピル-trans-スチルベンまたはその薬学的に許容可能な塩の、それを必要とする患者の皮膚における滞留時間を改善する方法に関し、該方法は、有効量の3,5-ジヒドロキシ-4-イソプロピル-trans-スチルベンまたはその薬学的に許容可能な塩、油相、水相、界面活性剤および酸化防止剤を含む医薬エマルジョン組成物を患者に投与することを含み、該エマルジョン組成物は均質である。
【0023】
別の実施形態では、本発明は、活性成分である3,5-ジヒドロキシ-4-イソプロピル-trans-スチルベンまたはその薬学的に許容可能な塩の、それを必要とする患者の皮膚における滞留時間を改善する方法に関し、該方法は、有効量の3,5-ジヒドロキシ-4-イソプロピル-trans-スチルベンまたはその薬学的に許容可能な塩、油相、水相、界面活性剤、および酸化防止剤を含む医薬エマルジョン組成物を患者に投与することを含み、3,5-ジヒドロキシ-4-イソプロピル-trans-スチルベンまたはその薬学的に許容可能な塩は、エマルジョン組成物の油相に可溶化され、油相が鉱油またはペトロラタムを含む場合、第2の油相成分が存在し、油相が鉱油およびペトロラタムの両方を含む場合、第3の油相成分が存在する。一つの実施形態では、油相はペトロラタムを実質的に含まない。別の実施形態では、油相は、ペトロラタムを≦3%、または≦2%、または≦1%含む。別の実施形態では、油相が鉱油およびペトロラタムの両方を含む場合、エステルおよび/またはグリセリンのエステル、好適には中鎖トリグリセリド等のグリセリンのエステルである少なくとも第3の油相成分が存在する。別の実施形態では、油相が鉱油を含有する場合、エステルおよび/またはグリセリンのエステル、好適には中鎖トリグリセリド等のグリセリンのエステルである第2の油相成分が存在する。一つの実施形態では、本発明のエマルジョン組成物は、製剤1または12のエマルジョン組成物(同等の%w/w活性成分を含む)と比較される。
【0024】
別の実施形態では、本発明は、活性成分である3,5-ジヒドロキシ-4-イソプロピル-trans-スチルベンまたはその薬学的に許容可能な塩の、それを必要とする患者の皮膚における滞留時間を改善する方法に関し、該方法は、有効量の3,5-ジヒドロキシ-4-イソプロピル-trans-スチルベンまたはその薬学的に許容可能な塩、油相、水相、界面活性剤および酸化防止剤を含む医薬エマルジョン組成物を患者に投与することを含み、該エマルジョンは均質であり、かつ/または活性成分は、油相に可溶化される。別の実施形態では、不連続相の平均液滴サイズは約5ミクロン以下である。別の実施形態では、不連続相の平均液滴サイズは約1ミクロン以下である。
【0025】
別の実施形態では、本発明は、3,5-ジヒドロキシ-4-イソプロピル-trans-スチルベンまたはその薬学的に許容可能な塩を含む組成物を投与された患者における副作用を軽減する方法に関し、該方法は、油相、水相、界面活性剤および酸化防止剤を含む医薬エマルジョン組成物を患者に投与することを含み、該エマルジョンは均質であり、かつ/または活性成分は、油相に可溶化される。別の実施形態では、不連続相の平均液滴サイズは約5ミクロン以下である。別の実施形態では、不連続相の平均液滴サイズは約1ミクロン以下である
【0026】
別の実施形態では、本発明は、3,5-ジヒドロキシ-4-イソプロピル-trans-スチルベンまたはその薬学的に許容可能な塩を含む組成物を投与された患者における副作用を軽減する方法に関し、該方法は、油相、水相、界面活性剤および酸化防止剤を含む医薬エマルジョン組成物を患者に投与することを含み、3,5-ジヒドロキシ-4-イソプロピル-trans-スチルベンまたはその薬学的に許容可能な塩は、エマルジョン組成物の油相に可溶化され、油相が鉱油またはペトロラタムを含む場合、第2の油相成分が存在し、油相が鉱油およびペトロラタムの両方を含む場合、第3の油相成分が存在する。一つの実施形態では、油相はペトロラタムを実質的に含まない。別の実施形態では、油相は、ペトロラタムを≦3%、または≦2%、または≦1%含む。別の実施形態では、油相が鉱油およびペトロラタムの両方を含む場合、エステルおよび/またはグリセリンのエステル、好適には中鎖トリグリセリド等のグリセリンのエステルである少なくとも第3の油相成分が存在する。別の実施形態では、油相が鉱油を含有する場合、エステルおよび/またはグリセリンのエステル、好適には中鎖トリグリセリド等のグリセリンのエステルである第2の油相成分が存在する。一つの実施形態では、本発明のエマルジョン組成物は、製剤1または12のエマルジョン組成物、または同等の活性成分を含む同様の製剤のエマルジョン組成物と比較される。
【0027】
一つの実施形態では、本発明は、有効量の3,5-ジヒドロキシ-4-イソプロピル-trans-スチルベンまたはその薬学的に許容可能な塩、油相、水相、界面活性剤および酸化防止剤を含む局所用医薬エマルジョン組成物を提供し、3,5-ジヒドロキシ-4-イソプロピル-trans-スチルベンまたはその薬学的に許容可能な塩は、エマルジョン組成物の油相に可溶化され、油相が鉱油を含む場合、ペトロラタム以外の第2の油相成分が組成物中に存在する。
【0028】
一つの実施形態では、本発明は、3,5-ジヒドロキシ-4-イソプロピル-trans-スチルベンまたはその薬学的に許容可能な塩、油相、水相、界面活性剤および酸化防止剤を含む局所用医薬エマルジョン組成物を提供し、3,5-ジヒドロキシ-4-イソプロピル-trans-スチルベンまたはその薬学的に許容可能な塩は、エマルジョン組成物の油相に可溶化され、油相が鉱油を含有する場合、ペトロラタム以外の第2油相成分が存在するか、または油相が鉱油およびペトロラタムの両方を含む場合、少なくとも第3の油相成分が存在する。別の実施形態では、油相は鉱油および/またはペトロラタムを実質的に含まない。
【発明を実施するための形態】
【0029】
物理的および化学的に安定な医薬製剤を作製することに加えて、本発明はまた、投与および使用時に皮膚に対して非刺激性であるか、または今日までの活性成分の発達において使用されてきた従来の製剤よりも刺激が少ない医薬製剤を提供する。本発明の別の態様は、優れた皮膚浸透および適切な受容体の優れた標的係合を有するだけでなく、投与および使用時に、患者に対する活性成分の有意な非全身性曝露を有する製剤である。
【0030】
一つの実施形態では、本発明は、活性成分である3,5-ジヒドロキシ-4-イソプロピル-trans-スチルベンまたはその薬学的に許容可能な塩、油相、水相、界面活性剤および酸化防止剤を含む局所用医薬エマルジョン組成物を提供し、該エマルジョン組成物は均質である。一つの実施形態では、3,5-ジヒドロキシ-4-イソプロピル-trans-スチルベンまたはその薬学的に許容可能な塩は、エマルジョン組成物の油相に可溶化される。別の実施形態では、油相が鉱油またはペトロラタムを含む場合、第2の油相成分が存在し、油相が鉱油およびペトロラタムの両方を含む場合、第3の油相成分が存在する。一つの実施形態では、油相はペトロラタムを実質的に含まない。別の実施形態では、油相は、ペトロラタムを≦3%、または≦2%、または≦1%含む。別の実施形態では、油相が鉱油およびペトロラタムの両方を含む場合、エステルおよび/またはグリセリンのエステル、好適には中鎖トリグリセリド等のグリセリンのエステルである少なくとも第3の油相成分が存在する。別の実施形態では、油相が鉱油を含む場合、エステルおよび/またはグリセリンのエステル、好適には中鎖トリグリセリド等のグリセリンのエステルである第2の油相成分が存在する。第2の油相成分および第3の油相成分は、エマルジョン組成物の油相中の活性成分の共溶媒として使用される。すなわち、第2および第3の油相成分は、油混和性の共溶媒として作用する。
【0031】
一つの実施形態では、エマルジョン組成物の油相に可溶化された活性成分は、活性成分の重量%に対して≧50%w/w、または≧60%w/w、または≧70%w/w、または≧80%w/w、または90%w/w、または95%w/w、または>98%w/wの量で存在する。好ましい実施形態では、活性成分の95%w/w、または98%w/wがエマルジョンの油相に可溶化され、均質な組成物を生成する。
【0032】
別の実施形態では、3,5-ジヒドロキシ-4-イソプロピル-trans-スチルベンまたはその薬学的に許容可能な塩は、エマルジョン組成物の水相に可溶化される。3,5-ジヒドロキシ-4-イソプロピル-trans-スチルベンは水に溶解しないので、水混和性有機溶媒(すなわち水混和性共溶媒)を使用して、エマルジョンの水相に活性成分を可溶化することができる。好適には、エマルジョン組成物の水相に可溶化された活性成分は、活性成分の重量%に対して≧10%w/w、または≧20%w/w、または≧30%w/w、または≧40%w/または50%w/w、または60%w/w、または70%w/w、または80%w/w、または90%w/w、または95%w/wの量で存在する。
【0033】
本明細書で使用される場合、「D90」という用語は、液滴の90%が特定のサイズよりも小さい油滴サイズ直径であることを意味する。あるいは、「D90」という用語は、体積基準で油滴の90%が数ミクロン未満のサイズであると定義される。一つの実施形態では、組成物中の不連続相の平均液滴サイズのD90は15ミクロン未満である。別の実施形態では、本発明による不連続相の平均液滴サイズは、5ミクロン未満のD90を有する。
【0034】
本明細書で使用される場合、「D50」という用語は、液滴が特定のサイズよりも小さい中央値または50パーセンタイルを意味する。あるいは、「D50」という用語は、体積基準で油滴の50%が数ミクロン未満のサイズであると定義される。一つの実施形態では、組成物中の不連続相の平均液滴サイズのD50は5ミクロン未満である。別の実施形態では、本発明による不連続相の平均液滴サイズは、1ミクロン未満のD50を有する。
【0035】
油滴の粒径分布を測定する方法は、当該技術分野において公知である。一つの実施形態では、本発明による組成物中の油滴サイズの直径分布は、レーザー回折技術を用いて測定することができる。好適なレーザー回折装置としては、例えばSympatec HELOS/QUIXEL、またはMalvern Instruments, Malvern, UKから入手可能なMalvernレーザー回折光度計等が挙げられる。
【0036】
一つの実施形態では、本発明は、活性成分である3,5-ジヒドロキシ-4-イソプロピル-trans-スチルベンまたはその薬学的に許容可能な塩、油相、水相、界面活性剤および酸化防止剤を含む局所用医薬エマルジョン組成物を提供し、不連続相の平均液滴サイズは約35ミクロン未満である。別の実施形態では、不連続相の平均液滴サイズは約25ミクロン未満である。別の実施形態では、不連続相の平均液滴サイズは約15ミクロン未満である。別の実施形態では、不連続相の平均液滴サイズは約10ミクロン未満である。別の実施形態では、不連続相の平均液滴サイズは約5ミクロン未満である。別の実施形態では、不連続相の平均液滴サイズは約1ミクロンであるか、または約1ミクロン未満である。別の実施形態では、不連続相の平均液滴サイズは約0.05~約35ミクロンである。別の実施形態では、不連続相の平均液滴サイズは約0.05~約5ミクロンである。別の実施形態では、不連続相の平均液滴サイズは約0.05~約1ミクロンである。別の実施形態では、不連続相の平均液滴サイズは約0.1~約0.75ミクロンである。
【0037】
一つの実施形態では、水中油型エマルジョンの油相(例えば、不連続相)の液滴の少なくとも90%は、約1ミクロンまたは1ミクロン未満の液滴サイズを有する。別の実施形態では、液滴の少なくとも95%、97%、98%または99%が約1ミクロンまたは1ミクロン未満である。
【0038】
あるいは、または少なくとも付加的に、水中油型エマルジョンの不連続相油の液滴サイズの少なくとも約75%、または少なくとも約85%、または少なくとも約90%は、約10ミクロン未満、または約5ミクロン未満、または約1ミクロン未満、または約0.75ミクロン未満のサイズを有する。上記百分率および液滴サイズの任意の組合せを用いて、本発明の組成物中に油滴を定義することができる。
【0039】
一つの実施形態では、本発明のエマルジョン組成物は、以下の特性の少なくとも1つを好適に有する:2~8℃で測定した場合のD50平均液滴直径が1ミクロン未満;および/または25℃および60%RHで測定した場合、および/または30℃/6ヶ月で測定した場合;または30℃で6ヶ月間測定したときのD50平均液滴直径が1ミクロン未満。
【0040】
別の実施形態では、活性成分である3,5-ジヒドロキシ-4-イソプロピル-trans-スチルベンまたはその薬学的に許容可能な塩、油相、水相、界面活性剤および酸化防止剤を含む局所用医薬エマルジョン組成物であって、該油相の平均液滴サイズは約5ミクロン未満であり、該エマルジョンは任意に均質である。別の実施形態では、活性物質は、油相に可溶化される。
【0041】
別の実施形態では、活性成分である3,5-ジヒドロキシ-4-イソプロピル-trans-スチルベンまたはその薬学的に許容可能な塩、油相、水相、界面活性剤および酸化防止剤を含む局所用医薬エマルジョン組成物であって、該油相の平均液滴サイズは約1ミクロン未満であり、該エマルジョンは任意に均質である。別の実施形態では、活性物質は、油相に可溶化される。
【0042】
本明細書で使用される「エマルジョン」および「水中油型エマルジョン」という用語は、特に指示がない限り、または使用される文脈から理解されない限り、連続水性媒体(連続相、「連続水性相」または「連続相」ともいう)中に液状油が液滴(離散相、「不連続非水性相」または「不連続相」ともいう)として分散しているコロイド分散系を意味する。いくつかの実施形態では、活性成分の少なくとも50%(w/w)がエマルジョン中に溶解され、残存する。いくつかの実施形態では、活性成分の少なくとも75%(w/w)がエマルジョン中に溶解され、残存する。特定の実施形態では、本明細書にさらに記載されるように、活性成分の85%超が不連続相に存在する。
【0043】
3,5-ジヒドロキシ-4-イソプロピル-trans-スチルベン
一つの実施形態では、3,5-ジヒドロキシ-4-イソプロピル-trans-スチルベンまたはその薬学的に許容可能な塩は、エマルジョン組成物中に約0.01重量%~約5重量%、例えば約0.05重量%~約2重量%の量で存在する。別の実施形態では、3,5-ジヒドロキシ-4-イソプロピル-trans-スチルベンまたはその薬学的に許容可能な塩は、組成物の総重量に対して約0.1重量%~約1.0重量%の量で存在する。一つの実施形態では、3,5-ジヒドロキシ-4-イソプロピル-trans-スチルベンまたはその薬学的に許容可能な塩は、組成物の総重量に対して約0.25重量%、0.30重量%、0.40重量%、0.50重量%、0.75重量%、1重量%または2重量%の量で存在する。一つの実施形態では、3,5-ジヒドロキシ-4-イソプロピル-trans-スチルベンまたはその薬学的に許容可能な塩は、約0.25重量%~約0.50重量%の量で存在する。
【0044】
油相
本発明の局所用医薬エマルジョン組成物は、油相を含む。好適には、油相は1つ以上の油および/または脂質を含む。
【0045】
例示的な油および脂質としては、脂肪酸、エステル、グリセリンのエステル、脂肪族アルコール、ワックス、ステロール、不けん化物、シロキサン、シラン、ラノリン、炭化水素、精油、植物油、鉱油、動物油および食用油、ならびにそれらの混合物が挙げられる。
【0046】
一つの実施形態では、油および/または脂質は、エステルおよびグリセリンのエステル、ならびにそれらの混合物からなる群から選択される。別の実施形態では、油および/または脂質は、少なくともグリセリンのエステルである。
【0047】
一つの実施形態では、油相は脂肪酸を含む。例示的な脂肪酸としては、特に限定されないが、イソステアリン酸、オレイン酸、ステアリン酸、リノール酸、リノレン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、リシノール酸およびアラキン酸、ならびにそれらの混合物が挙げられる。
【0048】
一つの実施形態では、油相はエステルを含む。例示的なエステルとしては、特に限定されないが、ココカプリル酸/カプリン酸、セバシン酸ジエチル、アジピン酸ジイソプロピル、ジリノール酸ジイソプロピル、オレイン酸エチル、ヒドロキシステアリン酸エチルヘキシル、ジステアリン酸グリコール、ステアリン酸グリコール、ヒドロキシステアリン酸ヒドロキシオクタコサニル、イソステアリン酸イソプロピル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸イソプロピル、セスキステアリン酸メチルグルコース、ラウリン酸メチル、サリチル酸メチル、ステアリン酸メチル、乳酸ミリスチル、サリチル酸オクチル、オレイン酸オレイル、ジステアリン酸PPG-20メチルグルコースエーテル、二酢酸プロピレングリコール、ジカプリル酸プロピレングリコール、モノラウリン酸プロピレングリコール、モノパルミトステアリン酸プロピレングリコール、リシノール酸プロピレングリコール、ジステアリン酸トリアセチンおよびジステアリン酸スクロース、ならびにそれらの混合物が挙げられる。一つの実施形態では、エステルはセバシン酸ジエチルまたはアジピン酸ジイソプロピルである。
【0049】
一つの実施形態では、油相はグリセリンのエステルを含む。例示的なグリセリンのエステルとしては、特に限定されないが、カプリル酸/カプリン酸グリセリド、カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド、カプリル酸/カプリン酸/コハク酸トリグリセリド、カプリルグルコシド、セテアリルグルコシド、ココグリセリド、デシルグルコシド、ラウリルグルコシド、クエン酸グリセリル、イソステアリン酸グリセリル、ラウリン酸グリセリル、モノステアリン酸グリセリル、オレイン酸グリセリル、パルミチン酸グリセリル、リシノール酸グリセリル、ステアリン酸グリセリル、モノおよびジグリセリド、ラウリン酸PEG-12グリセリル、ステアリン酸PEG-120グリセリル、オレイン酸ポリグリセリル-3、ステアリン酸ポリオキシルグリセリル、獣脂グリセリドおよび中鎖トリグリセリド(MCT)、ならびにそれらの混合物が挙げられる。一つの実施形態では、エマルジョンの油相は中鎖トリグリセリドを含む。一つの実施形態では、中鎖トリグリセリドの炭素の長さはC~C12である。別の実施形態では、中鎖トリグリセリドの炭素の長さはC~Cである。
【0050】
一つの実施形態では、油相は脂肪族アルコールを含む。例示的な脂肪族アルコールとしては、特に限定されないが、カプリルアルコール、デシルアルコール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、ベヘニルアルコール、ラノリンアルコール、アラキジルアルコール、オレイルアルコール、パームアルコール、イソセチルアルコール、セチルアルコールおよびステアリルアルコール、それらの混合物が挙げられる。一つの実施形態では、脂肪族アルコールは、セチルアルコールとステアリルアルコールとの混合物である。好適には、ステアリルアルコールに対するセチルアルコールの比は、約2:1~約1:9である。
【0051】
一つの実施形態では、油相はワックスを含む。例示的なワックスとしては、ミツロウ、カルナウバワックス、ジメチコンPEG-1ミツロウ、ジメチコンミツロウ、ラノリンワックス、マイクロクリスタリンワックス、白ロウ、カンデリラワックス、パラフィンワックス、乳化ワックス、PEG-8ミツロウ、黄ロウ、セチルエステルワックス、セラックワックスおよび合成ミツロウ、ならびにそれらの混合物が挙げられる。
【0052】
一つの実施形態では、油相はステロールを含む。例示的なステロールとしては、特に限定されないが、アブラナ(Brassica Campestris)ステロール、C10~C30コレステロール/ラノステロールエステル、キャノーラステロール、コレステロール、ラノリンコレステロール、グリシンソジャステロール、PEG-20フィトステロールおよびフィトステロール、ならびにそれらの混合物が挙げられる。
【0053】
一つの実施形態では、油相はシロキサンおよび/またはシランを含む。例示的なシロキサンおよびシランとしては、特に限定されないが、ジメチコン、シクロメチコン、シメチコン、フェニルジメチコン、シクロペンタシロキサン、シクロテトラシロキサン、ジメチルシロキサンおよびジメチコンクロスポリマー、ならびにそれらの混合物が挙げられる。
【0054】
一つの実施形態では、油相は炭化水素を含む。例示的な炭化水素としては、特に限定されないが、ドデカン、ペトロラタム、スクワラン、スクアレンおよびパラフィン、ならびにそれらの混合物が挙げられる。
【0055】
一つの実施形態では、油相は精油を含む。例示的な精油としては、特に限定されないが、プリムローズ油(primrose oil)、バラ油、ユーカリ油、ルリヂサ油、ベルガモット油、カモミール油、シトロネラ油、ラベンダー油、ペパーミント油、マツ油、マツ葉油、スペアミント油、ティーツリー油およびウィンターグリーン油(wintergreen oil)、ならびにそれらの混合物が挙げられる。
【0056】
一つの実施形態では、油相は植物油を含む。例示的な植物油としては、特に限定されないが、アーモンド油、アニス油、キャノーラ油、ヒマシ油、ヤシ油、コーン油、アボカド油、綿実油、オリーブ油、パーム核油、ピーナッツ油、ヒマワリ油、サフラワー油およびダイズ油、ならびにそれらの混合物が挙げられる。
【0057】
一つの実施形態では、油相は鉱油を含んでもよい。例示的な鉱油としては、特に限定されないが、鉱油および軽質鉱油が挙げられる。油相が鉱油を含む場合、製剤中に別の油相成分が存在する。一つの実施形態では、第2の油相成分はペトロラタムではない。一つの実施形態では、第2の油相成分はペトロラタム誘導体ではない。一つの実施形態では、エマルジョン組成物は、鉱油を実質的に含まない油相を含む。別の実施形態では、油相はペトロラタムを実質的に含まない。別の実施形態では、油相はペトロラタム誘導体を実質的に含まない。別の実施形態では、エマルジョン組成物は、鉱油およびペトロラタムを実質的に含まない油相を含む。別の実施形態では、エマルジョン組成物は、鉱油、ペトロラタムおよびペトロラタム誘導体を実質的に含まない油相を含む。
【0058】
一つの実施形態では、油相は食用油を含む。例示的な食用油としては、特に限定されないが、シナモン油、クローブ油、レモン油およびペパーミント油、ならびにそれらの混合物が挙げられる。
【0059】
一つの実施形態では、エマルジョンの油相は、中鎖トリグリセリド(MCT)であるグリセリンのエステルを含む。好適には、MCTは、組成物の総重量に対して約2重量%~約30重量%、例えば、組成物の総重量に対して約2重量%、約5重量%、約10重量%、約15重量%、約20重量%、約25重量%または約30重量%の量で存在する。別の実施形態では、エマルジョンの油相は、組成物の総重量に対して約5重量%~約30重量%の量のMCTを含む。別の実施形態では、エマルジョンの油相は、組成物の総重量に対して約5重量%~約20重量%の量のMCTを含む。別の実施形態では、MCTは、組成物の総重量に対して約10重量%の量で存在する。
【0060】
一つの実施形態では、油相は、組成物の総重量に対して、約5重量%~約45重量%、例えば約5重量%~約35重量%の量の油および/または脂質を含む。別の実施形態では、油相は、組成物の総重量に対して約5重量%~約25重量%の量の油および/または脂質を含む。さらに別の実施形態では、油相は、組成物の総重量に対して約5重量%~約15重量%の量の油および/または脂質を含む
【0061】
水相
本発明の局所用医薬エマルジョン組成物は、水を含む水性相または水相を含む。好適には、水は、組成物の総重量に対して約25重量%~約85重量%の量で組成物中に存在する。一つの実施形態では、水は、組成物の総重量に対して約30重量%~約80重量%の量で組成物中に存在する。別の実施形態では、水は、組成物の総重量に対して約55重量%~約75重量%の量で存在する。
【0062】
界面活性剤
局所用医薬エマルジョン組成物は、界面活性剤を含む。一つの実施形態では、界面活性剤は2種以上の界面活性剤の混合物である。本明細書で使用される場合、界面活性剤は、2つの液体間、または液体と固体との間の表面張力を低下させる化合物である。界面活性剤は、洗浄剤、湿潤剤、乳化剤、発泡剤および分散剤としても作用し得る。さらに、本明細書において使用される場合、乳化剤は界面活性剤に相当する。
【0063】
好適には、界面活性剤は、組成物の総重量に対して約1重量%~約20重量%、例えば約5重量%~約15重量%の量で組成物中に存在する。
【0064】
界面活性剤の親水性/親油性バランス(HLB)は、界面活性剤の水または油に対する親和性を表す。HLBスケールは、1(完全親油性)~20(完全親水性)の範囲であり、10は両特性が均衡した状態を表す。親油性界面活性剤は、油中水型(w/o)エマルジョンを形成する傾向があり、親水性界面活性剤は、水中油型(o/w)エマルジョンを形成する傾向がある。2つの界面活性剤の混合物のHLBは、界面活性剤Aの重量分率にそのHLB値を掛けたものと、界面活性剤Bの重量分率にそのHLB値を掛けたものとを足したもの(加重平均)に等しい。
【0065】
一つの実施形態では、界面活性剤は、1つ以上の非イオン性界面活性剤を含む。別の実施形態では、界面活性剤は2種以上の非イオン性界面活性剤を含み、2種以上の非イオン性界面活性剤のHLB値の加重平均は約10~約20である。さらに別の実施形態では、界面活性剤は2種以上の非イオン性界面活性剤を含み、2種以上の非イオン性界面活性剤のHLB値の加重平均は約1~約10である。
【0066】
本発明における好適な非イオン性界面活性剤としては、特に限定されないが、エトキシ化脂肪族アルコールエーテル、PEGヒマシ油、PEGエステル、プロピレングリコールエステル、グリセリルエステルおよび誘導体、ポリマーエーテル、ソルビタン誘導体、脂肪族アルコール、乳化ワックス、およびそれらの混合物が挙げられる。
【0067】
一つの実施形態では、非イオン性界面活性剤はエトキシ化脂肪族アルコールエーテルである。例示的なエトキシ化脂肪族アルコールエーテルとしては、特に限定されないが、ステアレス-2、ステアレス-10、ステアレス-20、ステアレス-21、ステアレス-40、ステアレス-100、ベヘネス-10、セテアレス-2、セテアレス-3、セテアレス-5、セテアレス-6、セテアレス-10、セテアレス-12、セテアレス-15、セテアレス-20、セテアレス-21、セテアレス-22、セテアレス-25、セテアレス-30、セテアレス-31、セテアレス-32、セテアレス-33、セテス-2、セテス-10、セテス-20、セテス-23、コレス-24、イソセテス-20、ラウレス-2、ラウレス-3、ラウレス-4、ラウレス-5、ラウレス-9、ラウレス-10、ラウレス-12、ラウレス-15、ラウレス-20、ラウレス-21、ラウレス-22、ラウレス-23、ノンオキシノール-9、ノンオキシノール-15、オクトキシノール-1、オクトキシノール-9、オレス-2、オレス-5、オレス-10、オレス-20、C20-40パレス-24およびトリデセス-10、ならびにそれらの混合物が挙げられる。
【0068】
一つの実施形態では、非イオン性界面活性剤はPEGヒマシ油である。例示的なPEGヒマシ油としては、特に限定されないが、PEG-7水素化ヒマシ油、PEG-25水素化ヒマシ油、PEG-30ヒマシ油、PEG-33ヒマシ油、PEG-35ヒマシ油、PEG-36ヒマシ油、PEG-40ヒマシ油、PEG-40水素化ヒマシ油、PEG-50ヒマシ油、PEG-54水素化ヒマシ油、PEG-60ヒマシ油およびPEG-60水素化ヒマシ油、ならびにそれらの混合物が挙げられる。
【0069】
一つの実施形態では、非イオン性界面活性剤はPEGエステルである。例示的なPEGエステルとしては、特に限定されないが、ジラウリン酸PEG-4、ジステアリン酸PEG-150、ラウリン酸PEG-12グリセリル、ステアリン酸PEG-120グリセリル、イソステアリン酸PEG-6、ラウリン酸PEG-4、ラウリン酸PEG-8、セスキステアリン酸PEG-20メチルグルコース、オレイン酸PEG-5、オレイン酸PEG-6、オレイン酸PEG-10、ステアリン酸PEG-25プロピレングリコール、ステアリン酸PEG-2、ステアリン酸PEG-6、ステアリン酸PEG-6-32、ステアリン酸PEG-8、ステアリン酸PEG-9、ステアリン酸PEG-20、ステアリン酸PEG-40、ステアリン酸PEG-45、ステアリン酸PEG-50およびステアリン酸PEG-100、ならびにそれらの混合物が挙げられる。
【0070】
一つの実施形態では、非イオン性界面活性剤はプロピレングリコールエステルである。例示的なプロピレングリコールエステルとしては、特に限定されないが、ラウリン酸プロピレングリコール、パルミトステアリン酸プロピレングリコール、リシノール酸プロピレングリコールおよびステアリン酸プロピレングリコール、ならびにそれらの混合物が挙げられる。
【0071】
一つの実施形態では、非イオン性界面活性剤は、グリセリルエステルまたは誘導体である。例示的なグリセリルエステルおよび誘導体としては、特に限定されないが、ベヘン酸グリセリル、ジベヘン酸グリセリル、ジオレイン酸グリセリル、ジステアリン酸グリセリル、イソステアリン酸グリセリル、ラウリン酸グリセリル、リノール酸グリセリル、モノステアリン酸グリセリル、オレイン酸グリセリル、パルミチン酸グリセリル、リシノール酸グリセリル、ステアリン酸グリセリル、PEG-23グリセリルココエート、PEG-6カプリル酸/カプリン酸グリセリル、PEG-7グリセリルココエート、ジステアリン酸ポリグリセリル-10、ジイソステアリン酸ポリグリセリル-2、次イソステアリン酸ポリグリセリル-3およびジイソステアリン酸ポリグリセリル-6、ラウリン酸PEG-12グリセリル、ステアリン酸PEG-120グリセリル、およびそれらの混合物が挙げられる。
【0072】
一つの実施形態では、非イオン性界面活性剤はポリマーエーテルである。例示的なポリマーエーテルとしては、特に限定されないが、ポロキサマー124、ポロキサマー181、ポロキサマー182、ポロキサマー184、ポロキサマー188、ポロキサマー237、ポロキサマー331、ポロキサマー338およびポロキサマー407、ならびにそれらの混合物が挙げられる。
【0073】
一つの実施形態では、非イオン性界面活性剤はソルビタン誘導体である。例示的なソルビタン誘導体としては、特に限定されないが、ポリソルベート20、ポリソルベート40、ポリソルベート60、ポリソルベート65、ポリソルベート80、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンセスキオレエート、ソルビタントリオレエートおよびソルビタントリステアレート、ならびにそれらの混合物が挙げられる。
【0074】
一つの実施形態では、非イオン性界面活性剤は脂肪族アルコールである。例示的な脂肪族アルコールとしては、特に限定されないが、イソステアリルアルコール、カプリリルアルコール、デシルアルコール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、ベヘニルアルコール、ラノリンアルコール、アラキジルアルコール、オレイルアルコール、パームアルコール、イソセチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコールおよびセテアリルアルコール、ならびにそれらの混合物が挙げられる。一つの実施形態では、脂肪族アルコールは、セテアリルアルコールとしても知られている(セトステアリルアルコールとしても知られている)、セチルアルコールとステアリルアルコールとの混合物である。
【0075】
一つの実施形態では、非イオン性界面活性剤は、乳化ワックス、例えば、乳化ワックスNFとしても知られている非イオン性乳化ワックス、または乳化ワックスBPである。一つの実施形態では、乳化ワックスは、セテアリルアルコールとポリソルベート60との混合物である。別の実施形態では、「Polawax NF」(商標)(Croda Inc, Edison, NJ, USA)として知られている特許混合物である。
【0076】
一つの実施形態では、界面活性剤は、1つ以上のエトキシ化脂肪族アルコールエーテルを含む。別の実施形態では、エトキシ化脂肪族アルコールエーテルは、ステアレス-2とステアレス-20との混合物である。
【0077】
一つの実施形態では、界面活性剤は、エトキシ化脂肪族アルコールエーテルとソルビタン誘導体との混合物を含む。別の実施形態では、エトキシ化脂肪族アルコールエーテルとソルビタン誘導体との混合物は、ステアレス-2、ステアレス-20およびポリソルベート80の混合物である。
【0078】
一つの実施形態では、製剤中に2つの界面活性剤が存在する場合、各界面活性剤は、組成物の総重量に対して約0.5重量%~約5重量%の量で存在する。別の実施形態では、製剤中に3つの界面活性剤が存在する場合、各界面活性剤は、組成物の総重量に対して約0.5重量%~約5重量%の量で存在する。同様に、4種以上の界面活性剤が存在する場合、それらはそれぞれ、組成物の総重量に対して約0.5重量%~約5重量%の量で存在する。
【0079】
一つの実施形態では、界面活性剤は、エトキシ化脂肪族アルコールエーテルと乳化ワックスとの混合物を含む。別の実施形態では、界面活性剤は、エトキシ化脂肪族アルコールエーテル、ソルビタン誘導体および乳化ワックスの混合物を含む。好適には、エトキシ化脂肪族アルコールエーテルと乳化ワックスとの混合物は、ステアレス-2、ステアレス-20およびPolawax(商標)NFの混合物である。好適には、エトキシ化脂肪族アルコールエーテル、ソルビタン誘導体および乳化ワックスの混合物は、ステアレス-2、ステアレス-20、ポリソルベート80およびPolawax(商標)NFの混合物である。代替的な実施形態では、界面活性剤は、エトキシ化脂肪族アルコールエーテルと脂肪族アルコールとの混合物を含む。好適には、エトキシ化脂肪族アルコールエーテルと脂肪族アルコールとの混合物は、ステアレス-2、ステアレス-20およびセテアリルアルコールの混合物である。
【0080】
別の実施形態では、界面活性剤は、エトキシ化脂肪族アルコールエーテル、ソルビタン誘導体および脂肪族アルコールの混合物を含む。好適には、エトキシ化脂肪族アルコールエーテル、ソルビタン誘導体および脂肪族アルコールの混合物は、ステアレス-2、ステアレス-20、ポリソルベート80およびセテアリルアルコールの混合物である。
【0081】
酸化防止剤
本発明の局所用医薬エマルジョン組成物は、酸化防止剤を含む。一つの実施形態では、酸化防止剤は、2種以上の酸化防止剤の混合物である。
【0082】
例示的な酸化防止剤としては、特に限定されないが、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、トコフェロール、没食子酸プロピル、ビタミンE TPGSおよびtert-ブチルヒドロキノン(TBHQ)、ならびにそれらの混合物が挙げられる。一つの実施形態では、酸化防止剤は、ブチル化ヒドロキシトルエン、没食子酸プロピルおよびトコフェロール、ならびにそれらの混合物からなる群から選択される。
【0083】
一つの実施形態では、酸化防止剤はブチル化ヒドロキシトルエンである。別の実施形態では、酸化防止剤は没食子酸プロピルである。さらに別の実施形態では、酸化防止剤はブチル化ヒドロキシトルエンと没食子酸プロピルとの混合物である。
【0084】
一つの実施形態では、酸化防止剤は、鉄、ニッケル、銅、マグネシウム、カルシウム、亜鉛またはアルミニウムイオンによって触媒される反応のような金属触媒反応を阻害または最小化するためにキレート剤と併用される。
【0085】
好適には、酸化防止剤は、組成物の総重量に対して約0.001重量%~約5重量%の量で組成物中に存在する。一つの実施形態では、酸化防止剤は、組成物の総重量に対して約0.01重量%~1重量%、例えば約0.05重量%または約0.1重量%の量で存在する。
【0086】
皮膚科学的に許容可能な賦形剤
本発明の局所用医薬エマルジョン組成物は、1種以上の追加の皮膚科学的に許容可能な賦形剤をさらに含んでもよい。例示的な追加の皮膚科学的に許容可能な賦形剤としては、特に限定されないが、pH調整剤、キレート剤、保存剤、共溶媒、浸透促進剤、湿潤剤、増粘剤またはゲル化剤または粘度増強剤(viscosity building agent)、芳香剤、着色剤、およびそれらの混合物が挙げられる。
【0087】
一つの実施形態では、追加の皮膚科学的に許容可能な賦形剤は保存剤である。一つの実施形態では、追加の皮膚科学的に許容可能な賦形剤は、少なくとも1つの共溶媒である。一つの実施形態では、追加の皮膚科学的に許容可能な賦形剤は、pH調整剤、キレート剤、保存剤および共溶媒、ならびにそれらの混合物からなる群から選択される。別の実施形態では、追加の皮膚科学的に許容可能な賦形剤は、pH調節剤、キレート剤、保存剤および共溶媒の混合物を含む。
【0088】
一つの実施形態では、エマルジョンは水中油型エマルジョンである。別の実施形態では、エマルジョンは油中水型エマルジョンである。
【0089】
好適には、エマルジョンはクリームとして処方されてもよい。クリームは、水中油型クリームまたは油中水型クリームであってもよい。特定の一つの実施形態では、クリームは水中油型クリームである。
【0090】
別の実施形態では、エマルジョンはローションとして処方されてもよい。ローションは、水中油型ローションまたは油中水型ローションであってもよい。
【0091】
pH調整剤
本発明の局所用医薬エマルジョン組成物は、pH調整剤をさらに含んでもよい。
【0092】
一つの実施形態では、pH調整剤は、酸、酸塩、またはそれらの混合物である。好適には、酸は、乳酸、酢酸、マレイン酸、コハク酸、クエン酸、安息香酸、ホウ酸、ソルビン酸、酒石酸、エデト酸、リン酸、硝酸、硫酸および塩酸、ならびにそれらの混合物からなる群から選択される。
【0093】
別の実施形態では、pH調整剤は緩衝剤である。好適には、緩衝液は、クエン酸塩/クエン酸、酢酸塩/酢酸、リン酸塩/リン酸、プロピオン酸塩/プロピオン酸、乳酸塩/乳酸、アンモニウム/アンモニアおよびエデト酸塩/エデト酸からなる群から選択される。一つの実施形態では、pH調整剤は、クエン酸塩/クエン酸である緩衝液である。
【0094】
好適には、pH調整剤は、組成物の総重量に対して約0.01重量%~約10重量%の量で組成物中に存在する。一つの実施形態では、組成物のpHは、pH調整剤を用いて約4~約7、例えば約4.5~約6.5のpHに調整される。
【0095】
キレート剤
本発明の局所用医薬エマルジョン組成物は、キレート剤をさらに含んでもよい。一つの実施形態では、キレート剤は、2種以上のキレート剤の混合物である。本明細書に記載されているように、本発明の組成物は、キレート剤と酸化防止剤との混合物を含んでもよく、両方の賦形剤が組成物中の酸化分解反応を阻害または最小限にするよう作用する。
【0096】
例示的なキレート剤としては、特に限定されないが、クエン酸、グルクロン酸、ヘキサメタリン酸ナトリウム、ヘキサメタリン酸亜鉛、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ホスホン酸塩、それらの塩、およびそれらの混合物が挙げられる。エチレンジアミン四酢酸は、エデト酸としても知られている。
【0097】
一つの実施形態では、キレート剤は、EDTAまたはその塩、例えばEDTAのカリウム塩、ナトリウム塩もしくはカルシウム塩である。一つの実施形態では、EDTAまたはその塩は、EDTA二ナトリウムである。別の実施形態では、キレート剤はクエン酸である。さらに別の実施形態では、本発明の組成物は、キレート剤と、EDTAまたはその塩と没食子酸プロピルとの混合物である酸化防止剤との混合物を含む。さらなる実施形態では、本発明の組成物は、キレート剤と、EDTAまたはその塩とBHTとの混合物である酸化防止剤との混合物を含む。一つの実施形態では、本発明の組成物は、キレート剤と、EDTA二ナトリウムとBHTとの混合物である酸化防止剤との混合物を含む。
【0098】
さらなる実施形態では、組成物は、キレート剤と、クエン酸と没食子酸プロピルとの混合物である酸化防止剤との混合物を含む。一つの実施形態では、本発明の組成物は、キレート剤と、クエン酸とBHTとの混合物である酸化防止剤との混合物を含む。
【0099】
好適には、キレート剤は、組成物の総重量に対して約0.01重量%~約1重量%の量で組成物中に存在する。一つの実施形態では、キレート剤は、組成物の総重量に対して約0.1重量%の量で組成物中に存在する。
【0100】
保存剤
本発明の局所用医薬エマルジョン組成物は、保存剤をさらに含んでもよい。一つの実施形態では、保存剤は2種以上の保存剤の混合物である。
【0101】
例示的な保存剤としては、特に限定されないが、ベンジルアルコール、イミダゾリジニル尿素、ジアゾリジニル尿素、ジクロロベンジルアルコール、クロロキシレノール、メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、ブチルパラベン、フェノキシエタノール、ソルビン酸、安息香酸、それらの塩、およびそれらの混合物が挙げられる。
【0102】
一つの実施形態では、保存剤は、ベンジルアルコール、フェノキシエタノールおよび安息香酸、ならびにそれらの混合物からなる群から選択される。
【0103】
一つの実施形態では、保存料はベンジルアルコールである。別の実施形態では、保存剤はフェノキシエタノールである。さらに別の実施形態では、保存剤は安息香酸である。
【0104】
好適には、保存剤は、組成物の総重量に対して約0.01重量%~約2重量%の量で組成物中に存在する。一つの実施形態では、保存剤は、組成物の総重量に対して約0.25重量%の量で組成物中に存在する。
【0105】
共溶媒
局所用医薬エマルジョン組成物は、共溶媒をさらに含んでもよい。共溶媒の機能は、必要に応じて、3,5-ジヒドロキシ-4-イソプロピル-trans-スチルベンまたはその薬学的に許容可能な塩を、エマルジョン組成物の油相および/または水相に可溶化するのを助けることである。活性成分を油相に可溶化するのを助けるために油混和性共溶媒を使用することができ、活性成分を水相に可溶化するのを助けるために水混和性共溶媒を使用することができる。一つの実施形態では、共溶媒は、組成物の油相で可溶化するのを助けるために使用される。
【0106】
一つの実施形態では、共溶媒は2種以上の共溶媒の混合物である。
【0107】
例示的な共溶媒としては、特に限定されないが、エタノール、イソプロパノール、t-ブチルアルコール、アミルアルコール、ベンジルアルコール、シクロヘキサンジメタノール、ジアセトンアルコール、ヘキシルアルコール、テトラヒドロフルフリルアルコールおよびジエチレングリコールモノエチルエーテル等のアルコール類;酢酸または多価カルボン酸等のカルボン酸類;1,2-ヘキサンジオール、ブチレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、エチルヘキサンジオール、エチレングリコール、ヘキシレングリコール、ペンチレングリコール、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノラウレート、テトラエチレングリコール、トリエチレングリコール、トリプロピレングリコールおよびポリエチレングリコール等のジオール類;ブタントリオール、グリセロールおよび1,2,6-ヘキサントリオール等のポリオール類;ブチルステアレート、C12~15アルキルベンゾエート、C12~15アルキルラクテーと、カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド、セテアリルエチルヘキサノエート、セテアリルイソノナノエート、セチルオクタノエート、セチルパルミチエート、ココカプリレート/ココカプレート、ココグリセリド、デシルオレエート、ジブチルアジペート、ジカプリリルカーボネート、ジエチルヘキシルアジペート、ジエチルヘキシルスクシネート、ジイソプロピルアジペート、ジオクチルマレート、ジ-PPG-2ミレス-10アジペート、ジ-PPG-3ミリスチルエーテルアジペート、エチルオレエート、エチルヘキシルココエート、エチルヘキシルヒドロキシステアレート、エチルヘキシルパルミテート、エチルヘキシルペラルゴネート、エチルヘキシルステアレート、ヘキシルラウレート、ヘキシルデシルラウレート、ヘキシルデシルステアレート、イソセチルステアレート、イソセチルステアロイルステアレート、イソデシルオレエート、イソプロピルミリステート、イソプロピルパルミテート、イソステアリルネオペンタノエート、イソトリデシルイソノナノエート、ラウリルラクテート、ミリスチルラクテート、ミリスチルミリステート、オクチルドデシルステアロイルステアレート、オレイルエルケート、オレイルオレエート、ペンタエリスリチルテトラカプリレート/カプレート、ペンタエリスリチルテトライソステアレート、PPG-2ミリスチルエーテルプロピオネート、プロピレングリコールジカプリレート/カプリレート、プロピレングリコールイソステアレート、プロピルヘプチルカプリレート、およびステアリルオクタノエートジメチルイソソルビドおよびプロピレンカーボネートが挙げられる。
【0108】
一つの実施形態では、共溶媒はプロピレングリコールである。別の実施形態では、共溶媒は、プロピレングリコールとジエチレングリコールモノエチルエーテルとの混合物である。
【0109】
好適には、共溶媒は、組成物の総重量に対して約1重量%~約30重量%、例えば約5重量%~約20重量%の量で組成物中に存在する。
【0110】
浸透促進剤
本発明の局所用医薬エマルジョン組成物は、浸透促進剤をさらに含んでもよい。一つの実施形態では、浸透促進剤は、2種以上の浸透促進剤の混合物である。本明細書に記載される共溶媒または2種以上の共溶媒の混合物は、浸透促進剤として機能し得る。
【0111】
例示的な浸透促進剤としては、特に限定されないが、脂肪酸、脂肪酸エステル、脂肪族アルコール、ピロリドン、スルホキシド、アルコール、ジオールおよびポリオール、ならびにそれらの混合物が挙げられる。
【0112】
例示的な脂肪酸としては、特に限定されないが、オレイン酸、カプリン酸、ヘキサン酸、ラウリン酸、リノール酸、リノレン酸、プロピオン酸およびバクセン酸、ならびにそれらの混合物が挙げられる。
【0113】
例示的な脂肪酸エステルとしては、特に限定されないが、グリセロールモノラウレート、グリセロールモノオレエート、グリセロールモノリノレート、イソプロピルイソステアレート、イソプロピルパルミテート、イソプロピルミリステート、ジエチルセバケート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンオレエート、ソルビタンジラウレート、ソルビタントリオレエート、プロピレングリコールモノラウレートおよびスクロースモノラウレート、ならびにそれらの混合物が挙げられる。
【0114】
例示的な脂肪族アルコールとしては、特に限定されないが、セチルアルコール、ステアリルアルコール、デカノール、トリデカノール、ラウリルアルコール、リノレニルアルコールおよびオレイルアルコール、ならびにそれらの混合物が挙げられる。
【0115】
例示的なピロリドンとしては、特に限定されないが、N-メチルピロリドン、2-ピロリドンおよびN-シクロヘキシル-2-ピロリドン、ならびにそれらの混合物が挙げられる。
【0116】
例示的なスルホキシドとしては、特に限定されないが、ジメチルスルホキシドおよびデシルメチルスルホキシド、ならびにそれらの混合物が挙げられる。
【0117】
例示的なアルコールとしては、特に限定されないが、低級(C~C)アルコールおよびジエチレングリコールモノエチルエーテル、ならびにそれらの混合物が挙げられる。
【0118】
例示的なジオールとしては、特に限定されないが、1,2-ヘキサンジオール、ブチレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、エチルヘキサンジオール、エチレングリコール、ヘキシレングリコール、ペンチレングリコール、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノラウレート、テトラエチレングリコール、トリエチレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリエチレングリコールおよびポリプロピレングリコール、ならびにそれらの混合物が挙げられる。
【0119】
例示的なポリオールとしては、特に限定されないが、ブタントリオール、グリセロールおよび1,2,6-ヘキサントリオール、ならびにそれらの混合物が挙げられる。
【0120】
好適には、浸透促進剤は、組成物の総重量に対して約0.5重量%~約40重量%、例えば約1重量%~約20重量%または約5重量%~約15重量%の量で組成物中に存在する。
【0121】
ゲル化剤
本発明の局所用医薬組成物は、ゲル化剤をさらに含んでもよい。一つの実施形態では、ゲル化剤は、2種以上のゲル化剤の混合物である。
【0122】
例示的なゲル化剤としては、特に限定されないが、寒天、アルギン酸塩、アラビノキシラン、カラギーナン、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、セルロース、カードラン、ゼラチン、ジェラン、β-グルカン、トラガカントガム、グアーガム、アラビアゴム、ローカストビーンガム、ペクチン、デンプン、カルボマー、アクリレートコポリマー、シリカ、キサンタンガム、それらの塩、またはそれらの組み合わせもしくは混合物が挙げられる。
【0123】
好適には、ゲル化剤は、組成物の総重量に対して約0.1重量%~約2重量%の量で組成物中に存在する。一つの実施形態では、ゲル化剤は、組成物の総重量に対して約0.2重量%~約1重量%の量で組成物中に存在する。
【0124】
3,5-ジヒドロキシ-4-イソプロピル-trans-スチルベンまたはその薬学的に許容可能な塩は、皮膚科学的に許容可能な製剤として、患者の皮膚科学的疾患または障害に対して投与される。これらの製剤としては、局所的に投与され、患部に活性成分に広がり、急速に乾燥し、かつ/または浸透が促進されることを可能にする様々な公知の賦形剤のいずれかが含まれる。好適な製剤の例としては、溶液、乳液、クリーム、軟膏、ゲル、ローション、スプレー、エアロゾル、フォームまたは懸濁液が挙げられる。
【0125】
水溶液
一つの実施形態では、皮膚科学的に許容可能な製剤は水溶液である。この実施形態では、医薬組成物は、約50重量%~約99.9重量%、または約70重量%~約99.9重量%の量の水を含む。好適には、組成物のpHは、約2~約6、好ましくは約4~約6、例えば約4.5~約5.5のpHに調整される。局所用水溶液はまた、本明細書に記載されるような共溶媒、湿潤剤、キレート剤、酸化防止剤、保存剤、芳香剤、着色剤または浸透促進剤の1種以上を含んでもよい。
【0126】
水性ゲル
一つの実施形態では、皮膚科学的に許容可能な製剤は水性ゲルである。この実施形態では、医薬組成物は、約50重量%~約99重量%、例えば約70重量%~約99重量%の量の水を含む。好適には、組成物のpHは、約2~約6、より特定的には約4~約6、または約4.5~約5.5のpHに調整される。さらに、この実施形態では、医薬組成物は、好適なゲル化剤も含む。組成物はさらに、共溶媒、湿潤剤、キレート剤、酸化防止剤、保存剤、芳香剤、着色剤または浸透促進剤、またはそれらの組み合わせもしくは混合物を含んでもよい。
【0127】
含水アルコールゲル
一つの実施形態では、皮膚科学的に許容可能な製剤は含水アルコールゲルである。本発明の含水アルコール溶液は、ゲル化剤で増粘して含水アルコールゲルを形成することができる。
【0128】
一つの実施形態では、含水アルコールゲルは、水、低級アルコールおよび好適なゲル化剤を含む。組成物は、共溶媒、pH調整剤、湿潤剤、キレート剤、酸化防止剤、保存剤、芳香剤、着色剤または浸透促進剤の1種以上をさらに含んでもよい。
【0129】
無水溶液
一つの実施形態では、皮膚科学的に許容可能な製剤は無水溶液、すなわち、実質的に水を含まないか、または水を含まない溶液である。一つの実施形態では、無水溶液は水を含まない。別の実施形態では、無水溶液は実質的に水を含まない。
【0130】
一つの実施形態では、無水溶液は無水ビヒクルを含む。一つの実施形態では、無水ビヒクルは、低級(C~C)アルコール、ジオールおよびポリオールからなる群から選択される1種以上の溶媒を含む。
【0131】
好適には、低級アルコールは、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、n-ブチルアルコールおよびt-ブチルアルコール、ならびにそれらの混合物からなる群から選択される。一つの実施形態では、低級アルコールは、タノールである。別の実施形態では、低級アルコールは、エタノールと1種以上の他の低級アルコールとの混合物である。
【0132】
好適には、ジオールは、1,2-ヘキサンジオール、ブチレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、エチルヘキサンジオール、エチレングリコール、ヘキシレングリコール、ペンチレングリコール、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノラウレート、テトラエチレングリコール、トリエチレングリコール、トリプロピレングリコールおよびポリエチレングリコールからなる群から選択される。
【0133】
好適には、ポリオールは、ブタントリオール、グリセロールおよび1,2,6-ヘキサントリオールからなる群から選択される。
【0134】
一つの実施形態では、無水ビヒクルは、エタノールとプロピレングリコールとの混合物を含む。別の実施形態では、無水ビヒクルは、エタノール、プロピレングリコールおよびポリエチレングリコールの混合物を含む。さらに別の実施形態では、無水ビヒクルはエタノールである。
【0135】
好適には、無水ビヒクルは、約50重量%~約99.5重量%の量で組成物中に存在する。
【0136】
無水ゲル
一つの実施形態では、皮膚科学的に許容可能な製剤は無水溶液である。無水溶液をゲル化剤で増粘して無水ゲルを形成することができる。一つの実施形態では、無水ゲルは、無水ビヒクルおよびゲル化剤を含む。無水ゲルは、共溶媒、湿潤剤、キレート剤、酸化防止剤、保存剤、芳香剤、着色剤または浸透促進剤、またはそれらの組み合わせもしくは混合物をさらに含んでもよい。
【0137】
油性溶液
一つの実施形態では、皮膚科学的に許容可能な製剤は、油性溶液として製剤化される。油性溶液は、本明細書に記載される油および/または脂質を含む。
【0138】
一つの実施形態では、油および/または脂質は、約70重量%~約99.9重量%の量で存在する。別の実施形態では、油および/または脂質は、約80重量%~約99重量%の量で存在する。
【0139】
油性溶液は、共溶媒、湿潤剤、キレート剤、酸化防止剤、保存剤、芳香剤、着色剤または浸透促進剤、またはそれらの組み合わせもしくは混合物をさらに含んでもよい。
【0140】
油性ゲル
さらに別の実施形態では、油性溶液をゲル化剤で増粘して油性ゲルを形成が形成される。
【0141】
一つの実施形態では、油性ゲルは、油および/または脂質、ならびにゲル化剤を含む。好適には、油および/または脂質は、約70重量%~約99.9重量%、例えば約80重量%~約99重量%の量で存在する。油性ゲルは、共溶媒、湿潤剤、キレート剤、酸化防止剤、保存剤、芳香剤、着色剤または浸透促進剤、またはそれらの組み合わせもしくは混合物をさらに含んでもよい。
【0142】
クリーム
一つの実施形態では、皮膚科学的に許容可能な製剤はクリームである。一つの実施形態では、クリームは水中油型クリームである。好適には、水中油型クリームは、油相、水相、界面活性剤および酸化防止剤を含む。
【0143】
一つの実施形態では、組成物のpHは、約2~約6、例えば約4~約6のpHに調整される。別の実施形態では、組成物のpHは、約4.5~約5.5のpHに調整される。
【0144】
組成物はさらに、共溶媒、湿潤剤、キレート剤、保存剤、芳香剤、着色剤または浸透促進剤、またはそれらの組み合わせもしくは混合物を含んでもよい。
【0145】
一つの実施形態では、本発明は、3,5-ジヒドロキシ-4-イソプロピル-trans-スチルベンまたはその薬学的に許容可能な塩、油および/または脂質を約5重量%~約45重量%の量で含む油相、水を約25重量%~約85重量%の量で含む水相、約1重量%~約20重量%の量の界面活性剤、および約0.001重量%~約5重量%の量の酸化防止剤を含む局所用医薬エマルジョン組成物を提供し、該エマルジョン組成物は均質であり、すべての百分率は最終組成物の重量%に対するものであり、すべての合計は100重量%に等しい。
【0146】
一つの実施形態では、3,5-ジヒドロキシ-4-イソプロピル-trans-スチルベンまたはその薬学的に許容可能な塩は、エマルジョン組成物の油相に可溶化される。別の実施形態では、油相が鉱油またはペトロラタムを含む場合、第2の油相成分が存在し、油相が鉱油およびペトロラタムの両方を含む場合、第3の油相成分が存在する。一つの実施形態では、油相はペトロラタムを実質的に含まない。別の実施形態では、油相は、ペトロラタムを≦3%、または≦2%、または≦1%含む。別の実施形態では、油相が鉱油およびペトロラタムの両方を含む場合、エステルおよび/またはグリセリンのエステル、好適には中鎖トリグリセリド等のグリセリンのエステルである少なくとも第3の油相成分が存在する。
【0147】
一つの実施形態では、本発明は、3,5-ジヒドロキシ-4-イソプロピル-trans-スチルベンまたはその薬学的に許容可能な塩、油および/または脂質を約5重量%~約35重量%の量で含む油相、水を約25重量%~約85重量%の量で含む水相、約1重量%~約20重量%の量の界面活性剤、および約0.001重量%~約5重量%の量の酸化防止剤を含む局所用医薬エマルジョン組成物を提供し、該エマルジョン組成物は均質であり、3,5-ジヒドロキシ-4-イソプロピル-trans-スチルベンまたはその薬学的に許容可能な塩は、エマルジョン組成物の油相に可溶化され、すべての百分率は最終組成物の重量%に対するものであり、すべての合計は100重量%に等しい。
【0148】
別の実施形態では、本発明は、3,5-ジヒドロキシ-4-イソプロピル-trans-スチルベンまたはその薬学的に許容可能な塩、油および/または脂質を約5重量%~約35重量%の量で含む油相、水を約30重量%~約80重量%の量で含む水相、約5重量%~約15重量%の量の界面活性剤、および約0.001重量%~約5重量%の量の酸化防止剤を含む局所用医薬エマルジョン組成物を提供し、該エマルジョン組成物は均質であり、すべての百分率は最終組成物の重量%に対するものであり、すべての合計は100重量%に等しい。別の実施形態では、3,5-ジヒドロキシ-4-イソプロピル-trans-スチルベンまたはその薬学的に許容可能な塩は、エマルジョン組成物の油相に可溶化される。
【0149】
一つの実施形態では、組成物は、組成物の総重量に対して約1重量%~約30重量%の量で組成物中に存在する1種以上の共溶媒をさらに含んでもよい。別の実施形態では、組成物は、組成物の総重量に対して約0.01重量%~約2重量%の量で存在する保存剤を含んでもよい。別の実施形態では、組成物は、組成物の総重量に対して約0.01重量%~約1重量%の量で存在するキレート剤をさらに含んでもよい。別の実施形態では、組成物は、組成物の総重量に対して約0.01重量%~約10重量%の量で存在するpH調節剤をさらに含んでもよい。別の実施形態では、油相は、組成物の総重量に対して約2重量%~約30重量%の量で存在するエステルおよび/またはグリセリンのエステル、好適には中鎖トリグリセリド(MCT)であるグリセリンのエステルを含んでもよい。
【0150】
別の実施形態では、本発明は、3,5-ジヒドロキシ-4-イソプロピル-trans-スチルベンまたはその薬学的に許容可能な塩、油および/または脂質を約5重量%~約35重量%の量で含む油相、水を約30重量%~約80重量%の量の水で水相、約5重量%~約15重量%の量の界面活性剤、約0.001重量%~約5重量%のpH調節剤、約0.01重量%~約10重量%の量のpH調節剤を含む局所用医薬エマルジョン組成物を提供し、該エマルジョン組成物は均質であり、すべての百分率は最終組成物の重量%に対するものであり、すべての合計は100重量%に等しい。別の実施形態では、水は、組成物の総重量に対して約55重量%~約75重量%の量で存在する。別の実施形態では、油および/または脂質は、組成物の総重量に対して約5重量%~約25重量%の量で存在する。別の実施形態では、油および/または脂質は、組成物の総重量に対して約5重量%~約15重量%の量で存在する。一つの実施形態では、3,5-ジヒドロキシ-4-イソプロピル-trans-スチルベンまたはその薬学的に許容可能な塩は、エマルジョン組成物の油相に可溶化される。一つの実施形態では、組成物は、組成物の総重量に対して約1重量%~約30重量%の量で組成物中に存在する1種以上の共溶媒をさらに含んでもよい。
【0151】
本発明は、3,5-ジヒドロキシ-4-イソプロピル-trans-スチルベンまたはその薬学的に許容可能な塩の投与が示唆される状態の治療において、同時に、別々にまたは連続的に使用するための治療薬の組み合わせを含む医薬品も提供する。
【0152】
本明細書の文脈において、関連する薬物の同時投与を指す場合の「同時に」という用語は、例えば薬物が単一の調製物中に組み合わされる実施形態では、まさに同じ場合を意味する。他の実施形態では、「同時に」とは、1つの薬物が連続的に短期間投与されることを意味することができ、「短期間」とは、薬物がそれらの意図された相乗効果を有することが可能となる持続時間を意味する。
【0153】
上述した観点から、本発明はまた、本発明の化合物または医薬組成物と他の活性薬物または治療剤との組み合わせの同時または共投与、または逐次投与を含む併用療法にも関し、そのような投与もまた、当業者によって決定される。
【0154】
このような組み合わせ組成物において、本発明の剤形は、有効薬物成分のそれぞれが有効投与量で含まれる。
【0155】
別の態様では、本発明は併用療法に関し、3,5-ジヒドロキシ-4-イソプロピル-trans-スチルベンまたはその薬学的に許容可能な塩の投与の前、同時または後に、第2の治療薬を、同じ製剤中または別個の製剤中で、かつ第2の治療剤が同じ局所経路によって投与されるかまたはされないか、例えば、静脈内、筋肉内、眼内、膣内、直腸内等に投与される併用療法に関する。
【0156】
換言すれば、3,5-ジヒドロキシ-4-イソプロピル-trans-スチルベンまたはその薬学的に許容可能な塩は、投与部位または所望の作用部位に、いずれかの順序で、共に、同時にまたは連続して投与することができる。局所的に投与された場合にそれらが投与部位または所望の作用部位においてある時点で接触していれば、投与の順序は必須とはみなされない。両方が同じビヒクルに存在する場合、それらは患者への投与を容易にし、おそらくはコンプライアンスの向上をもたらすが、本明細書においては、本発明のために必須というわけではない。
【0157】
別の実施形態では、局所用医薬組成物は、該組成物を40℃で3ヶ月間保存した後に、3,5-ジヒドロキシ-4-イソプロピル-trans-スチルベンまたはその薬学的に許容可能な塩が元の濃度の90%超を維持する。
【0158】
一つの実施形態では、本発明は、3,5-ジヒドロキシ-4-イソプロピル-trans-スチルベンまたはその薬学的に許容可能な塩、油相、水相、界面活性剤および酸化防止剤を含む局所用医薬エマルジョン組成物を提供し、前記エマルジョンは均質である。別の実施形態では、3,5-ジヒドロキシ-4-イソプロピル-trans-スチルベンまたはその薬学的に許容可能な塩は、エマルジョン組成物の油相に可溶化される。別の実施形態では、組成物は水中油型クリームである。
【0159】
一つの実施形態では、本発明は、3,5-ジヒドロキシ-4-イソプロピル-trans-スチルベンまたはその薬学的に許容可能な塩、油相、水相、界面活性剤、酸化防止剤および保存剤を含む局所用医薬エマルジョン組成物を提供し、前記乳剤組成物は均質である。別の実施形態では、3,5-ジヒドロキシ-4-イソプロピル-trans-スチルベンまたはその薬学的に許容可能な塩は、エマルジョン組成物の油相に可溶化される。別の実施形態では、組成物は水中油型クリームである。
【0160】
一つの実施形態では、本発明は、3,5-ジヒドロキシ-4-イソプロピル-trans-スチルベンまたはその薬学的に許容可能な塩、油相、水相、界面活性剤、酸化防止剤、保存剤および共溶媒を含む局所用医薬エマルジョン組成物を提供し、前記エマルジョン組成物は均質である。別の実施形態では、3,5-ジヒドロキシ-4-イソプロピル-trans-スチルベンまたはその薬学的に許容可能な塩は、エマルジョン組成物の油相に可溶化される。別の実施形態では、組成物は水中油型クリームである。
【0161】
一つの実施形態では、本発明は、3,5-ジヒドロキシ-4-イソプロピル-trans-スチルベンまたはその薬学的に許容可能な塩、油相、水相、界面活性剤、酸化防止剤、保存剤、共溶媒およびpH調整剤を含む局所用医薬エマルジョン組成物を提供し、エマルジョンは均質である。別の実施形態では、3,5-ジヒドロキシ-4-イソプロピル-trans-スチルベンまたはその薬学的に許容可能な塩は、エマルジョン組成物の油相に可溶化される。別の実施形態では、組成物は水中油型クリームである。
【0162】
別の実施形態では、本発明は、
i)3,5-ジヒドロキシ-4-イソプロピル-trans-スチルベンまたはその薬学的に許容可能な塩;
ii)油および/または脂質を含む油相;
iii)水を含む水相;
iv)界面活性剤;
v)酸化防止剤;
vi)pH調整剤;
vii)キレート剤;
viii)保存剤;および
ix)共溶媒
を含む局所用医薬エマルジョン組成物を提供し、前記エマルジョンは均質である。
【0163】
好適には、3,5-ジヒドロキシ-4-イソプロピル-trans-スチルベンまたはその薬学的に許容可能な塩は、エマルジョン組成物の油相に可溶化され、好適には、組成物は水中油型クリームである。
【0164】
一つの実施形態では、油相が鉱油またはペトロラタムを含む場合、第2の油相成分が存在し、油相が鉱油およびペトロラタムの両方を含む場合、第3の油相成分も存在する。一つの実施形態では、油相はペトロラタムを実質的に含まない。別の実施形態では、油相は、ペトロラタムを≦3%、または≦2%、または≦1%含む。別の実施形態では、油相が鉱油およびペトロラタムの両方を含む場合、エステルおよび/またはグリセリンのエステル、好適には中鎖トリグリセリド等のグリセリンのエステルである少なくとも第3の油相成分が存在する。別の実施形態では、油相が鉱油を含む場合、エステルおよび/またはグリセリンのエステル、好適には中鎖トリグリセリド等のグリセリンのエステルである第2の油相成分が存在する。
【0165】
別の実施形態では、本発明は、
3,5-ジヒドロキシ-4-イソプロピル-trans-スチルベンまたはその薬学的に許容可能な塩、
油および/または脂質を含む油相、
水を含む水相、
エトキシ化脂肪族アルコールエーテルを含む界面活性剤;
を含む局所用医薬エマルジョン組成物を提供し、前記エマルジョンは均質である。
【0166】
別の実施形態では、本発明は、
3,5-ジヒドロキシ-4-イソプロピル-trans-スチルベンまたはその薬学的に許容可能な塩、
油および/または脂質を含む油相、
水を含む水相、
エトキシ化脂肪族アルコールエーテルを含む界面活性剤、
ブチル化ヒドロキシトルエン、没食子酸プロピルおよびトコフェロール、ならびにそれらの混合物からなる群から選択される酸化防止剤
を含む局所用医薬エマルジョン組成物を提供し、前記エマルジョンは均質である。
【0167】
別の実施形態では、本発明は、
3,5-ジヒドロキシ-4-イソプロピル-trans-スチルベンまたはその薬学的に許容可能な塩、
油および/または脂質を含む油相、
水を含む水相、
エトキシ化脂肪族アルコールエーテルを含む界面活性剤、
ブチル化ヒドロキシトルエン、没食子酸プロピルおよびトコフェロール、ならびにそれらの混合物からなる群から選択される酸化防止剤、
キレート剤
を含む局所用医薬エマルジョン組成物を提供し、エマルジョンは均質である。
【0168】
別の実施形態では、本発明は、
3,5-ジヒドロキシ-4-イソプロピル-trans-スチルベンまたはその薬学的に許容可能な塩、
油および/または脂質を含む油相、
水を含む水相、
エトキシ化脂肪族アルコールエーテルを含む界面活性剤、
ブチル化ヒドロキシトルエン、没食子酸プロピルおよびトコフェロール、ならびにそれらの混合物からなる群から選択される酸化防止剤、
キレート剤、
ベンジルアルコール、フェノキシエタノールおよび安息香酸、ならびにそれらの混合物からなる群から選択される保存剤
を含む局所用医薬エマルジョン組成物を提供し、前記エマルジョンは均質である。
【0169】
別の実施形態では、本発明は、
3,5-ジヒドロキシ-4-イソプロピル-trans-スチルベンまたはその薬学的に許容可能な塩、
油および/または脂質を含む油相、
水を含む水相、
エトキシ化脂肪族アルコールエーテルを含む界面活性剤、
ブチル化ヒドロキシトルエン、没食子酸プロピルおよびトコフェロール、ならびにそれらの混合物からなる群から選択される酸化防止剤、
キレート剤、
ベンジルアルコール、フェノキシエタノールおよび安息香酸、ならびにそれらの混合物からなる群から選択される保存剤、
共溶媒、および
pH調整剤
を含む局所用医薬エマルジョン組成物を提供し、前記エマルジョンは均質である。
【0170】
好適には、3,5-ジヒドロキシ-4-イソプロピル-trans-スチルベンまたはその薬学的に許容可能な塩は、エマルジョン組成物の油相に可溶化される。好適には、組成物は水中油型クリームである。一つの実施形態では、油相が鉱油またはペトロラタムを含む場合、第2の油相成分が存在し、油相が鉱油およびペトロラタムの両方を含む場合、第3の油相成分が存在する。一つの実施形態では、油相はペトロラタムを実質的に含まない。別の実施形態では、油相は、ペトロラタムを≦3%、または≦2%、または≦1%含む。別の実施形態では、油相が鉱油およびペトロラタムの両方を含む場合、エステルおよび/またはグリセリンのエステル、好適には中鎖トリグリセリド等のグリセリンのエステルである少なくとも第3の油相成分が存在する。別の実施形態では、油相が鉱油を含有する場合、エステルおよび/またはグリセリンのエステル、好適には中鎖トリグリセリド等のグリセリンのエステルである第2の油相成分が存在する。
【0171】
別の実施形態では、本発明は、
3,5-ジヒドロキシ-4-イソプロピル-trans-スチルベンまたはその薬学的に許容可能な塩、
中鎖トリグリセリドである油および/または脂質を含む油相、
水を含む水相、
エトキシ化脂肪族アルコールエーテルを含む界面活性剤、
ブチル化ヒドロキシトルエンである酸化防止剤、
EDTAまたはその塩であるキレート剤、
安息香酸である保存剤、
プロピレングリコールおよびジエチレングリコールモノエチルエーテルの混合物を含む共溶媒、および
クエン酸塩/クエン酸緩衝液であるpH調整剤、
を含む局所用医薬エマルジョン組成物を提供し、前記組成物のpHは約4.5~約6.5のpHに調整され、前記エマルジョンは均質である。
【0172】
好適には、3,5-ジヒドロキシ-4-イソプロピル-trans-スチルベンまたはその薬学的に許容可能な塩は、エマルジョン組成物の油相に可溶化される。好適には、組成物は水中油型クリームである。
【0173】
本明細書に記載されるすべての組成物において、組成物中に存在し得る3,5-ジヒドロキシ-4-イソプロピル-trans-スチルベンまたはその薬学的に許容可能な塩の量は、組成物の約0.25重量%~約2重量%の範囲であり得る。一つの実施形態では、その量は、組成物の総重量に対して0.25重量%、0.3重量%、0.4重量%、0.5重量%、0.75重量%、1.0重量%、1.25重量%、1.5重量%、1.75重量%または2.0重量%であり得る。別の実施形態では、その量は、組成物の総重量に対して約0.25重量%~約0.50重量%である。別の実施形態では、その量は、組成物の総重量に対して約0.25重量%である。別の実施形態では、その量は、組成物の総重量に対して約0.50重量%である。別の実施形態では、その量は、組成物の総重量に対して約0.75重量%である。別の実施形態では、その量は、組成物の総重量に対して約1.0重量%である。
【0174】
本発明のさらに別の実施形態では、(a)油相;(b)水性相/水相;(c)少なくとも1種の共溶媒;(d)少なくとも1種の界面活性剤;(e)酸化防止剤、および(f)活性成分である3,5-ジヒドロキシ-4-イソプロピル-trans-スチルベンまたはその薬学的に許容可能な塩が存在する。一つの実施形態では、油相は鉱油を含む。別の実施形態では、油相はペトロラタムを含む。別の実施形態では、油相は、鉱油およびペトロラタムの両方を含む。別の実施形態では、油相は、それぞれ独立して3%w/wを超える量で存在する鉱油および/またはペトロラタムを含む。別の実施形態では、油相は、それぞれ独立して5%w/wを超える量で存在する鉱油および/またはペトロラタムを含む。別の実施形態では、油相は、それぞれ独立して10%w/wを超える量で存在する鉱油および/またはペトロラタムを含む。別の実施形態では、油相は、それぞれ独立して15%w/wを超える量で存在する鉱油および/またはペトロラタムを含む。別の実施形態では、油相は、5%w/wを超える量で存在する鉱油および/またはペトロラタムを任意の組み合わせで含む。別の実施形態では、油相は、10%w/wを超える量で存在する鉱油および/またはペトロラタムを任意の組み合わせで含む。別の実施形態では、油相は、15%w/wを超える量で存在する鉱油および/またはペトロラタムを任意の組み合わせで含む。別の実施形態では、油相は、20%w/wを超える量で存在する鉱油および/またはペトロラタムを任意の組み合わせで含む。別の実施形態では、油相は、25%w/wを超える量で存在する鉱油および/またはペトロラタムを任意の組み合わせで含む。
【0175】
この説明に限定されることを意図するものではなく、本明細書の製剤1、12および41~42によって例示されるように、油相が活性成分を溶解しない成分、例えば鉱油および/またはペトロラタムを含む場合、前記活性成分は、特に限定されないが、プロピレングリコールおよび/またはジエチレングリコールモノエチルエーテル等の共溶媒に可溶化される。続いて、水相が油相に添加される場合、活性成分は、共溶媒のどこおよびどの程度が系に分配されるかに応じて、水性相および/または油相の両方に可溶性であり得る。
【0176】
別の実施形態では、本発明は、
3,5-ジヒドロキシ-4-イソプロピル-trans-スチルベンまたはその薬学的に許容可能な塩;
鉱油またはペトロラタムである少なくとも1種の油および/または脂質を含む油相;
水を含む水性相;
少なくとも1つの共溶媒;および
界面活性剤
を含む局所用医薬エマルジョン組成物を提供し、本実施形態では、任意に、前記医薬組成物はまた、好適なゲル化剤、湿潤剤、pH調製剤、キレート剤、保存剤、芳香剤、着色剤または浸透促進剤、またはそれらの組合せもしくはそれらの混合物を含んでもよく、すべての百分率は最終組成物の重量%に対するものであり、すべての合計は100重量%に等しい。
【0177】
好適には、組成物は水中油型クリームである。一つの実施形態では、界面活性剤はエトキシ化脂肪族アルコールエーテルを含む。別の実施形態では、共溶媒は、プロピレングリコールとジエチレングリコールモノエチルエーテルとの混合物を含む。
【0178】
別の実施形態では、本発明は、
3,5-ジヒドロキシ-4-イソプロピル-trans-スチルベンまたはその薬学的に許容可能な塩;
鉱油またはペトロラタムである少なくとも1種の油および/または脂質を約5重量%~約45重量%の量で含む油相;
約50重量%~約99.9重量%の量の水を含む水相;
約1重量%~約30重量%の量の少なくとも1種の共溶媒;
約1重量%~約20重量%の量の界面活性剤;
約0.001重量%~約5重量%の量の酸化防止剤;
および任意にゲル化剤、湿潤剤、pH調整剤、キレート剤、保存剤、芳香剤、着色剤または浸透促進剤、またはそれらの組み合わせもしくはそれらの混合物を含む局所用医薬エマルジョン組成物を提供し、すべての百分率は最終組成物の重量%に対するものであり、すべての合計は100重量%に等しい。
【0179】
一つの実施形態では、界面活性剤はエトキシ化脂肪族アルコールエーテルを含む。別の実施形態では、共溶媒は、プロピレングリコールとジエチレングリコールモノエチルエーテルとの混合物を含む。
【0180】
別の実施形態では、酸化防止剤は、ブチル化ヒドロキシトルエン、没食子酸プロピルおよびトコフェロール、ならびにそれらの混合物からなる群から選択される。
【0181】
別の実施形態では、共溶媒は、プロピレングリコールとジエチレングリコールモノエチルエーテルとの混合物を含む。
【0182】
別の実施形態では、本発明は、
3,5-ジヒドロキシ-4-イソプロピル-trans-スチルベンまたはその薬学的に許容可能な塩;
鉱油またはペトロラタムである少なくとも1種の油および/または脂質を含む油相;
水を含む水性相;
少なくとも1つの共溶媒;
界面活性剤;
酸化防止剤;および
キレート剤;
および任意にゲル化剤、湿潤剤、pH調整剤、保存剤、芳香剤、着色剤または浸透促進剤、またはそれらの組み合わせもしくはそれらの混合物を含み、すべての百分率は最終組成物の重量%に対するものであり、すべての合計は100重量%に等しい。
【0183】
別の実施形態では、共溶媒は、プロピレングリコールとジエチレングリコールモノエチルエーテルとの混合物を含む。
【0184】
一つの実施形態では、界面活性剤はエトキシ化脂肪族アルコールエーテルを含む。
【0185】
別の実施形態では、酸化防止剤は、ブチル化ヒドロキシトルエン、没食子酸プロピルおよびトコフェロール、ならびにそれらの混合物からなる群から選択される。
【0186】
別の実施形態では、組成物は、組成物の総重量に対して約0.01重量%~約1重量%の量で存在するキレート剤をさらに含んでもよい。一つの実施形態では、キレート剤は、2種以上のキレート剤の混合物である。
【0187】
別の実施形態では、本発明は、
3,5-ジヒドロキシ-4-イソプロピル-trans-スチルベンまたはその薬学的に許容可能な塩;
鉱油またはペトロラタムである少なくとも1種の油および/または脂質を含む油相;
水を含む水性相;
少なくとも1つの共溶媒;
界面活性剤;
酸化防止剤;
キレート剤;および
保存剤;
および任意にゲル化剤、湿潤剤、pH調整剤、保存剤、芳香剤、着色剤または浸透促進剤、またはそれらの組み合わせもしくはそれらの混合物を含む局所用医薬エマルジョン組成物を提供し、すべての百分率は最終組成物の重量%に対するものであり、すべての合計は100重量%に等しい。
【0188】
一つの実施形態では、界面活性剤はエトキシ化脂肪族アルコールエーテルを含む。別の実施形態では、製剤中に2種の界面活性剤が存在する。好適には、2種の界面活性剤が存在する場合、各界面活性剤は、組成物の総重量に対して約0.5重量%~約5重量%の量で存在する。別の実施形態では、製剤中に3種の界面活性剤が存在する。好適には、3種の界面活性剤が存在する場合、各界面活性剤は、組成物の総重量に対して約0.5重量%~約5重量%の量で存在する。同様に、4種以上の界面活性剤が存在する場合、それらはそれぞれ、組成物の総重量に対して約0.5重量%~約5重量%の量で存在する。
【0189】
別の実施形態では、酸化防止剤は、ブチル化ヒドロキシトルエン、没食子酸プロピルおよびトコフェロール、ならびにそれらの混合物からなる群から選択される。
【0190】
別の実施形態では、共溶媒は、プロピレングリコールとジエチレングリコールモノエチルエーテルとの混合物を含む。
【0191】
一つの実施形態では、キレート剤はEDTAまたはその塩である。
【0192】
別の実施形態では、保存剤は安息香酸である。
【0193】
別の実施形態では、本発明は、
3,5-ジヒドロキシ-4-イソプロピル-trans-スチルベンまたはその薬学的に許容可能な塩、
鉱油またはペトロラタムである少なくとも1種の油および/または脂質を含む油相、
水を含む水相、
エトキシ化脂肪族アルコールエーテルを含む界面活性剤、
酸化防止剤、
キレート剤、
保存剤、
共溶媒、および
湿潤剤
および任意にゲル化剤、湿潤剤、保存剤、芳香剤、着色剤または浸透促進剤、またはそれらの組み合わせもしくはそれらの混合物を含む局所用医薬エマルジョン組成物を提供し、すべての百分率は最終組成物の重量%に対するものであり、すべての合計は100重量%に等しい。
【0194】
一つの実施形態では、界面活性剤はエトキシ化脂肪族アルコールエーテルを含む。
【0195】
別の実施形態では、酸化防止剤は、ブチル化ヒドロキシトルエン、没食子酸プロピルおよびトコフェロール、ならびにそれらの混合物からなる群から選択される。
【0196】
別の実施形態では、保存剤は、ベンジルアルコール、フェノキシエタノールおよび安息香酸、ならびにそれらの混合物からなる群から選択される。
【0197】
別の実施形態では、共溶媒は、プロピレングリコールとジエチレングリコールモノエチルエーテルとの混合物を含む。
【0198】
一つの実施形態では、キレート剤はEDTAまたはその塩である。
【0199】
別の実施形態では、保存剤は安息香酸である。
【0200】
別の実施形態では、pH調整剤はクエン酸塩/クエン酸緩衝液である。
【0201】
代替的に、生物学的機能において議論される場合、投与用量という用語が使用され得る。本明細書で使用される場合、投与用量は、体表面積当たりに投与される薬物製品の量として定義され、mg/cm単位で示される。皮膚層(表皮または真皮)に送達される活性成分の量は、皮膚切片またはcmあたりのナノグラム(ng)またはマイクログラム(μg)で示すことができる。あるいは、表皮または真皮に送達される活性成分の量は、投与用量の%として示すことができる。受容液に送達される活性成分の量は、ngまたはng/cmでの蓄積量として示すことができる。
【0202】
一つの実施形態では、エマルジョン組成物は、3,5-ジヒドロキシ-4-イソプロピル-trans-スチルベンまたはその薬学的に許容可能な塩を、in vitroで測定されたヒトにおける皮膚浸透が、約1~約72時間で活性成分の投与用量の少なくとも0.01~10%である組成物中に含む。別の実施形態では、この期間は約2~約24時間である。別の実施形態では、この期間は約1~約15時間である。活性成分の投与用量の%は、0.01~10%、0.01~5%、0.01~3%、0.4~2.3%w/wであり得る。
【0203】
一つの実施形態では、エマルジョン組成物は、3,5-ジヒドロキシ-4-イソプロピル-trans-スチルベンまたはその薬学的に許容可能な塩を、in vitroで測定されたヒトにおける皮膚浸透が、約1~約72時間で活性成分の投与用量の少なくとも0.01~10%である組成物中に含む。別の実施形態では、この期間は約2~約24時間である。別の実施形態では、この期間は約6~約15時間である。活性成分の投与用量の%は、0.01~7.5%、0.01~5%、0.01~3%、0.3~1.7%であり得る。代替的な実施形態では、投与用量は、1~2μg/cm、例えば0.5%w/vの量で測定される。
【0204】
図3に示すように、製剤17は、製剤1および製剤12と比較して、より高い相対量の活性成分を真皮へ送達した。反対に、図4に示すように、製剤17は、受容液中に比較的少量を送達した。製剤1および12は極めて同等であり、緩衝液の組成および保存剤に小さな変更を有していた(それぞれ表1および4)。in vitroのヒトの皮膚流量(skin flux)および真皮における蓄積の結果から、そのような類似性が確認され、他の製剤と製剤12、したがって製剤1とのさらなるデータ比較の外挿を可能が可能となった。
【0205】
図5および6に示す2つの製剤は異なる量の活性成分を有するが(製剤12は0.5%であり、製剤21は1%である)、正規化が適用される場合には同じ結論に達することができ、例えば、製剤21もまた受容液と比較して真皮においてより高い相対量を示し、これは皮膚流量値および蓄積量として測定され、投与用量に対して正規化される。蓄積量は、どれくらいの活性成分が皮膚(500±100μm)を通して浸透し、特定の期間に受容液に達するかを表す。皮膚流量は蓄積量曲線の傾きを表し、実験の過程で観察される定常状態(R≧0.99)とも呼ばれる線形相として特徴づけられる。
【0206】
各時点における真皮量(図5)を投与用量の%から活性成分のngに変換し、その値を3、6、9、12および15時間におけるそれぞれの蓄積量ng(図6)で割ることにより、製剤21が真皮への標的化送達を促進し、受容液に浸透する活性成分の量が少なくなることが示された(未結合活性成分は500±100μmより深く浸透している)。製剤21の受容液における真皮/蓄積量比(ng/ng)は、3時間および6時間のそれぞれにおける9038.0および12937から、12時間および15時間のそれぞれにおける909.3および1044.0の範囲であった。製剤12は、その比が、3時間および6時間のそれぞれにおける7870.2から1428.7から、12時間および15時間のそれぞれにおける215.7および233.93の範囲であり、有意に異なるプロフィールを示した。図3および図4で観察されるように、製剤21は、0.5%(製剤17)~2.0%(製剤22)の異なる活性成分強度で良好な用量比例性を示したことから、上述した真皮/蓄積量比は、強度が異なる(それぞれ1.0%および0.5%)にもかかわらず、製剤12に対する製剤21の優位性を示すために有効である。
【0207】
製剤中の活性成分の遅滞期は投与後8~12時間の範囲であり、この期間後、活性成分はその定常状態に達し、一定な皮膚流量を示した。製剤12と比較して製剤21について観察された真皮への標的化送達を特徴付けるために、真皮(ng)/皮膚流量(ng*cm/hr)の比を追加パラメータとして使用した。図6に示すデータから、製剤21および12についての送達された皮膚流量(R≧0.99の傾き)は、それぞれ0.7251ng*cm/hrおよび0.9935ng*cm/hrであった。製剤21および12の異なる強度(それぞれ1.0%および0.5%)を考慮して、正規化された皮膚流量値(活性成分強度で割った皮膚流量)は、それぞれ0.7251ng*cm/hrおよび1.987ng*cm/hrであった。これらの正規化された皮膚流量値および定常状態領域(8時間後)をカバーするng(図6から)に変換された真皮量を用いて、真皮(ng)/正規化皮膚流量(ng*cm/hr)比を算出した。製剤21は、9時間、12時間および15時間において、それぞれ1599.5、1132.6および3200.7の比で、真皮への活性成分の選択的送達を示した。製剤12は、9時間、12時間および15時間において、それぞれ213.25、108.57および117.73の比で、有意に異なる送達プロファイルを示した。
【0208】
本発明の一つの実施形態は、治療上有効量の3,5-ジヒドロキシ-4-イソプロピル-trans-スチルベンまたはその薬学的に許容可能な塩、油相、水相、界面活性剤および酸化防止剤を含む局所用医薬エマルジョン組成物であって、前記エマルジョンは均質であり、かつin vitro系で投与された前記組成物は、新たに摘出されたヒト腹部の皮膚を用いた場合における、(活性強度により)正規化された皮膚流量(ng*cm/hr)に対する定常状態で測定された真皮量(ng)の比を1000~5000とする。一つの実施形態では、3,5-ジヒドロキシ-4-イソプロピル-trans-スチルベンまたはその薬学的に許容可能な塩は、エマルジョン組成物の油相に可溶化される。
【0209】
本発明の別の実施形態では、有効量の3,5-ジヒドロキシ-4-イソプロピル-trans-スチルベンまたはその薬学的に許容可能な塩、油相、水相、界面活性剤および酸化防止剤を含む均質な局所用医薬エマルジョン組成物であって、前記組成物は、35%を超えない量の体表面積(BSA)皮膚に投与したヒトにおいて、30ng*h/mL未満、または23.5ng*h/mL未満、または16ng*h/mL未満の曲線下面積(AUC)AUC(0-tau)を生じる。別の実施形態では、前記量は30%BSAを超えない。
【0210】
一つの実施形態では、AUCは定常状態にある。別の実施形態では、薬物が投与される体表面積(BSA)の量は50%未満であり、別の実施形態では、その量は35%未満であり、別の実施形態では、その量は30%未満である。BSAが>10%である場合、AUCはそれに応じて増加し得ることが認識される。
【0211】
本明細書で使用される場合、「AUC(0-last)」という用語は、対数線形台形法によって計算された、時間0から最後の測定可能な濃度までの血漿濃度対時間曲線下面積を意味する。
【0212】
本明細書で使用される場合、「AUC(0-12)」という用語は、対数線形台形法によって計算された、時間0から12時間の時点までの血漿濃度対時間曲線下面積を意味する。
【0213】
本明細書で使用される場合、「AUC(0-tau)」という用語は、対数線形台形法によって計算された、時間0から投与間隔の終わりまでの血漿濃度対時間曲線下の面積を意味する。
【0214】
本発明の別の実施形態では、有効量の3,5-ジヒドロキシ-4-イソプロピル-trans-スチルベンまたはその薬学的に許容可能な塩、油相、水相、界面活性剤および酸化防止剤を含む均質な局所用医薬エマルジョン組成物であって、前記組成物は、定常状態におけるCmax(薬物の最大血漿レベル)を生じ、活性成分(1%強度)が投与される体表面積(BSA)の量は15~35%であり、4ng/ml未満のCmaxおよび16ng.h/mL以下のAUC(0-8h)を生じる。
【0215】
【表1】
【0216】
【表2】
【0217】
アトピー性皮膚炎は臨床的に評価され、病歴上の特徴、形態、皮膚病変の分布および関連する臨床徴候に基づいている。多くの正式な基準が、分類を助けるために開発されている。疾患重症度の測定には、少なくとも28の異なる基準nが存在する。最も一般的に使用されるものとしては、SCORAD指数、皮膚炎領域および重症度指数(Eczema Area and Severity Index:EASI)、研究者グローバルアセスメント(Investigators Global Assessment:IGA)および6領域、6兆候アトピー性皮膚炎(Six area, Six sign Atopic Dermatitis:SASSAD)重症度スコアが挙げられる。本明細書の目的のために、IGA基準またはEASI基準が用いられる。
【0218】
IGAは、紅斑、浸潤、丘疹形成、滲出および痂皮形成の臨床的特徴をガイドラインとして用いて、医師が決定した総合的な疾患重症度の静的5段階形態学的評価である。IGAは、従前のIGAスコアを参照することなく作成される。
【0219】
IGAは、研究者が特定の時点における総合的な疾患重症度を評価することを可能にし、クリアから極めて重度の疾患(0=クリア、1=ほぼクリア、2=軽度の疾患、3=中程度の疾患、4=重度の疾患;極めてまれではあるが、いくつかの例では、5=極めて重度の疾患のスコアが用いられ得る)からなる。IGAにおいては、総合的な重症度評価の指標として、紅斑、浸潤、丘疹形成、滲出および痂皮形成の臨床的特徴が用いられる。IGAは結果判定法として有効ではないように考えられるが、IGAは、他のアウトカムスケール(outcome scale)を「至適基準(gold standard)」として有効にするために使用される。IGAと他の検証スケールとを組み合わせて使用しても、IGA自体を独立した有効な手段とすることにはならないが、IGAはEASIとよく相関していると考えられ、合理的な表面的有効性と考えられる。
【0220】
EASIスコアリングシステムは、紅斑、浸潤/丘疹形成、表皮剥離および苔癬化の総合的な重症度、ならびにADに罹患したBSAの程度を考慮に入れた、ADの重症度を評価するための臨床的手法である。4つの臨床的兆候は、4つの特定の身体領域(頭部および頸部、上肢、下肢および胴体)のそれぞれについて、4段階スケール(0~3)でそれぞれ採点される。EASIはまた、従前のスコアを参照することなく作成される静的評価である。
【0221】
本発明の一つの実施形態は、有効量の活性な3,5-ジヒドロキシ-4-イソプロピル-trans-スチルベンまたはその薬学的に許容可能な塩、油相、水相、界面活性剤および酸化防止剤を含む局所用医薬エマルジョン組成物を、それを必要とする患者に投与することを含む、患者におけるアトピー性皮膚炎(AD)を治療する方法であって、前記エマルジョン組成物は均質であり、前記投与が、前記患者におけるIGAスコアがクリア(0)またはほぼクリア(1)に達するまで行われるか、または前記患者のIGAスコアにおいて2段階の改善が見られるまで行われる。一つの実施形態では、活性成分は組成物の油相に可溶化される。
【0222】
一つの実施形態では、患者はベースラインからIGAスコアのクリア(0)またはほぼクリア(1)を達成する。別の実施形態では、患者はIGAスコアのベースラインから2段階の改善を達成する。本明細書の目的のために、患者は、重症度の測定の程度として、ベースラインで3以上のIGAスコアから開始する。
【0223】
一つの実施形態では、患者が再発を伴わずに維持する時間は、例えば治療後1ヶ月以上、または2ヶ月以上、または3ヶ月以上である。一つの実施形態では、治療単位は、28週間以下の治療期間、または21週間以下の治療期間、または16週間以下の治療期間、または12週間以下、または8週間以下である。本発明の一つの実施形態では、再発までの時間は、治療期間によって影響されない。
【0224】
別の実施形態は、アトピー性皮膚炎(AD)に罹患した人の体表面積(BSA)%を改善する方法であって、前記方法は、有効量の3,5-ジヒドロキシ-4-イソプロピル-trans-スチルベンまたはその薬学的に許容可能な塩、油相、水相、界面活性剤および酸化防止剤を含む局所用医薬エマルジョン組成物を患者に投与することを含み、前記エマルジョン組成物は均質であり、患者に見られるBSA%の改善は、約≧10~29%、または>≧30~49%、または≧50~69%、または≧70~89%、または90~100%である。
【0225】
かゆみは、ADの最も頻繁な症状であり、潜在的に生活の質に最も大きな影響を及ぼす。別の実施形態では、アトピー性皮膚炎(AD)に罹患した人におけるかゆみを低減する方法であって、有効量の3,5-ジヒドロキシ-4-イソプロピル-trans-スチルベンまたはその薬学的に許容可能な塩、油相、水相、界面活性剤および酸化防止剤を含む局所用医薬エマルジョン組成物を患者に投与することを含み、前記エマルジョン組成物は均質であり、かゆみが低減されるまでの時間および/またはかゆみに冒されたBSA%がベースラインの測定結果から減少する。一つの実施形態では、本発明の製剤は、製剤1または製剤12と比較することができる。
【0226】
本発明の一つの実施形態は、患者におけるアトピー性皮膚炎の治療のための最適な投与量を得る方法であって、前記方法は、有効量の3,5-ジヒドロキシ-4-イソプロピル-trans-スチルベンまたはその薬学的に許容可能な塩、油相、水相、界面活性剤および酸化防止剤を含む局所用医薬エマルジョン組成物を、それを必要とする患者に投与することを含み、前記エマルジョンは均質であり、投与は、患者におけるIGAスコアがクリアまたはほぼクリアに達するまで継続されるか、またはIGAスコアにおいて2段階の減少が達成されるまで継続される。一つの実施形態では、患者はIGAスコアがクリアまたはほぼクリアを達成する。一つの実施形態では、治療単位は、28週間以下の治療期間、または21週間以下、または16週間以下の治療期間、または12週間以下の治療期間である。一つの実施形態では、治療後に再発するまでの時間は3ヶ月以上である。別の実施形態では、治療後に再発するまでの時間は1ヶ月以上である。別の実施形態では、治療後に再発するまでの時間は3ヶ月以上である。別の実施形態では、治療後に再発するまでの時間は6ヶ月以上である。本発明の一つの実施形態では、再発までの時間は、治療期間によって影響されない。
【0227】
本発明の別の実施形態は、アトピー性皮膚炎の患者において、クリアまたはほぼクリアのIGAスコアが>50%となる改善が達成されるまでの時間、またはIGAスコアの2段階の低下が達成されるまでの時間を短縮するための方法であって、前記方法は、有効量の3,5-ジヒドロキシ-4-イソプロピル-trans-スチルベンまたはその薬学的に許容可能な塩、油相、水相、界面活性剤および酸化防止剤を含む局所用医薬エマルジョン組成物を、それを必要とする患者に投与することを含み、前記エマルジョン組成物は均質である。適切な比較製剤は、製剤1/1aまたは12(類似の活性成分の%w/w)であり得る。一つの実施形態では、50%低減の達成までの時間は12週間である。別の実施形態では、50%減少の達成時間は8週間である。
【0228】
一つの実施形態では、1日に投与される3,5-ジヒドロキシ-4-イソプロピル-trans-スチルベンまたはその薬学的に許容可能な塩の量は、10mg~100mgである。別の実施形態では、1日に投与される量は、10mg~50mgである。
【0229】
同様の方法で、乾癬を評価することができる。現在利用可能な多くの乾癬評価手法のうち、乾癬領域および重症度指数(Psoriis Area and Severity Index:PASI)および医師グローバルアセスメント(Physician Global Assessmen:PGA)手法が最も多く使用されている。PASIスコアは、乾癬の重症度および範囲を測定するために使用される。
【0230】
PASIは、4つの身体領域:i)頭部および頸部、ii)手および腕、iii)胸部、腹部と背部(胴部)、ならびにiv)臀部、大腿部および脚を検査する。各領域には、どれくらいの領域が乾癬(領域)に罹患しているかを示すスコアと、乾癬がどれくらい悪いか(重症度)示すスコアが定められている。この領域のスコアは、0(乾癬なし)~6(すべての皮膚が罹患している)の範囲であり得る。それぞれ0~4で評価される赤み、厚さおよび規模のスコアを加算することにより、各領域の重症度スコアが得られ、最大12のスコアが得られる。PASIスコアが>10になると、一般的に中程度~重度のプラーク乾癬を有する患者であると示唆される。
【0231】
典型的な用途におけるPGA基準は、クリア~重度の7段階の基準である。
重度 極めて著しいプラーク上昇、範囲および/または紅斑
中程度~重度 著しいプラーク上昇、範囲および/または紅斑
中程度 中程度のプラーク上昇、範囲および/または紅斑
軽度~中程度 中程度と軽度との中間
軽度 軽度のプラーク上昇、範囲および/または紅斑
ほぼクリア 軽度とクリアの中間
クリア 乾癬の徴候はない
【0232】
本発明の一つの実施形態は、本明細書に記載された局所用エマルジョン組成物を使用することによって達成される、PASIスコアの50%または75%の低下(PASI 50またはPASI 75)を達成する達成する患者の割合である。これは単独の臨床評価項目(clinical endpoint)であってもよいし、8週間、12週間、16週間、20週間または24週間よりも長い治療等の定義された時点におけるPGAスコアが0または1(クリアまたはほぼクリア)に達した患者との組み合わせであってもよい。本明細書の目的のために、患者は、重症度の測定の程度として、ベースラインで4以上のPGAスコア、例えば中程度~重度のプラーク乾癬を有するもので開始する可能性が最も高い。
【0233】
本発明の一つの実施形態は、患者における乾癬の治療のための最適な投与量を得る方法であって、前記方法は、有効量の3,5-ジヒドロキシ-4-イソプロピル-trans-スチルベンまたはその薬学的に許容可能な塩、油相、水相、界面活性剤および酸化防止剤を含む局所用医薬エマルジョン組成物を、それを必要とする患者に投与することを含み、前記エマルジョン組成物は均質であり、投与は、患者におけるPGAスコアがクリアまたはほぼクリアに達するまで継続される。一つの実施形態では、治療単位は、28週間以下の治療期間、または21週間以下、または16週間以下の治療期間、または12週間以下の治療期間である。一つの実施形態では、治療後に再発するまでの時間は3ヶ月以上である。別の実施形態では、治療後に再発する時間は6ヶ月以上である。本発明の一つの実施形態では、再発までの時間は、治療期間によって影響されない。
【0234】
本発明の別の実施形態は、乾癬の患者において、クリアまたはほぼクリアのPGAスコアが>50%となる改善が達成されるまでの時間、またはPGAスコアにおける2段階の低下が達成されるまでの時間を短縮するための方法であって、前記方法は、有効量の3,5-ジヒドロキシ-4-イソプロピル-trans-スチルベンまたはその薬学的に許容可能な塩、油相、水相、界面活性剤および酸化防止剤を含む局所用医薬エマルジョン組成物を、それを必要とする患者に投与することを含み、前記エマルジョン組成物は均質である。一つの実施形態では、50%低減の達成までの時間は12週間である。別の実施形態では、50%減少の達成時間は8週間である。一つの実施形態では、時間の短縮を、製剤1/1aまたは12(同等の活性成分の%w/w)等の適切な比較対象の投与と比較することができる。
【0235】
代替的には、乾癬の患者において、PASIスコアを50%または75%低下させる方法であり、前記方法は、有効量の3,5-ジヒドロキシ-4-イソプロピル-trans-スチルベンまたはその薬学的に許容可能な塩、油相、水相、界面活性剤および酸化防止剤を含む局所用医薬エマルジョン組成物を、それを必要とする患者に投与することを含み、前記エマルジョン組成物は均質である。
【0236】
一つの実施形態では、治療単位は、28週間以下の治療期間、または21週間以下、または16週間以下の治療期間、または12週間以下の治療期間である。一つの実施形態では、治療後に再発するまでの時間は3ヶ月以上である。別の実施形態では、治療後に再発するまでの時間は6ヶ月以上である。本発明の一つの実施形態では、再発までの時間は、治療期間によって影響されない。比較対象の製剤は、製剤1/1aであり得る。一つの実施形態では、50%低減の達成までの時間は12週間である。別の実施形態では、50%低減の達成までの時間は8週間である。
【0237】
別の実施形態は、乾癬の患者において、クリアまたはほぼクリアのPGAスコアが>50%となる改善が達成されるまでの時間、またはPGAスコアにおける2段階の低下およびPASI 50またはPASI 75の低下が達成されるまでの時間を短縮するための方法であって、有効量の3,5-ジヒドロキシ-4-イソプロピル-trans-スチルベンまたはその薬学的に許容可能な塩、油相、水相、界面活性剤および界面活性剤を含む局所用医薬エマルジョン組成物を患者に投与することを含み、前記エマルジョン組成物は均質である。一つの実施形態では、PASIスコアはPASI 75である。別の実施形態では、患者は、クリアまたはほぼクリアのPGAスコアを達成する。
【0238】
別の実施形態は、乾癬に罹患した人において、PASI 50またはPASI 75スコアに達する時間を改善する方法であって、前記方法は、有効量の3,5-ジヒドロキシ-4-イソプロピル-trans-スチルベンまたはその薬学的に許容可能な塩、油相、水相、界面活性剤および酸化防止剤を含む局所用医薬エマルジョン組成物を前記人に投与することを含み、前記エマルジョン組成物は均質である。一つの実施形態では、PASI 50に達するまでの時間は16週間、または12週間、または8週間である。別の実施形態では、PASI 70に達するまでの時間は16週間、または12週間、または8週間である。適切な比較対象の製剤は、製剤1/1aまたは12(同等の活性成分%w/w)であり得る。
【0239】
一つの実施形態によれば、本発明は、患者の皮膚科学的状態または障害を治療する方法を提供し、前記方法は、有効量の3,5-ジヒドロキシ-4-イソプロピル-trans-スチルベン、油相、水相、界面活性剤および酸化防止剤を含む局所用医薬エマルジョン組成物を、それを必要とする患者に投与することを含み、前記エマルジョン組成物は均質である。別の実施形態では、3,5-ジヒドロキシ-4-イソプロピル-trans-スチルベンまたはその薬学的に許容可能な塩は、エマルジョン組成物の油相に可溶化される。別の実施形態では、油相が鉱油またはペトロラタムを含む場合、第2の油相成分が存在し、油相が鉱油およびペトロラタムの両方を含む場合、第3の油相成分が存在する。
【0240】
本発明の別の態様は、有効量の活性成分である3,5-ジヒドロキシ-4-イソプロピル-trans-スチルベンまたはその薬学的に許容可能な塩、油相、水相、界面活性剤および酸化防止剤を含む局所用医薬エマルジョン組成物の、患者の炎症性皮膚疾患または障害を治療するための医薬品の製造における使用であって、前記エマルジョン組成物は均質である。一つの実施形態では、活性成分はエマルジョン組成物の油相に可溶化される。別の実施形態では、油相が鉱油またはペトロラタムを含む場合、第2の油相成分が存在し、油相が鉱油およびペトロラタムの両方を含む場合、第3の油相成分が存在する。一つの実施形態では、疾患または障害は、アトピー性皮膚炎、乾癬または座瘡である。
【0241】
本発明の組成物は、獣医環境または医療環境において局所的に使用することができる。患者または対象は、動物、ウマ、ウシ、ブタ、ヒツジ、家禽、魚、猫、犬および動物園の動物を含む哺乳類等の家畜であってもよいことが認識される。一つの実施形態では、患者は動物である。別の実施形態では、患者は哺乳動物である。別の実施形態では、哺乳動物はヒトである。別の実施形態では、ヒトは成人患者または小児患者である。一つの実施形態では、小児患者は子供である。別の実施形態では、小児患者は3ヶ月~2歳以上である。
【0242】
一つの実施形態では、治療が求められる皮膚科学的状態または障害は、炎症性皮膚疾患、例えば、皮膚炎(例えば、アトピー性皮膚炎、接触性皮膚炎、湿疹性皮膚炎または脂漏性皮膚炎)、座瘡、乾癬等の慢性的な炎症性皮膚疾患、酒さまたは皮膚老化である。
【0243】
いくつかの態様では、皮膚科学的状態または障害は、皮膚疾患の治療についての群から選択され、前記皮膚疾患は、持続性炎症、細胞動態および分化の皮膚障害(例えば、乾癬、乾癬性関節炎、剥離性皮膚炎、バラ色粃糠疹、扁平苔癬、光沢苔癬または汗孔角化症);真皮結合の皮膚障害、小胞性および水疱性の障害(例えば、天疱瘡、水疱性類天疱瘡、後天性表皮水疱症、または手のひらもしくは足の裏の膿疱性皮疹);表皮付属器の皮膚障害および関連する障害(例えば、毛髪障害、爪、酒さ、口囲皮膚炎または小胞性症候群);表皮および付属器の腫瘍等の皮膚障害(例えば、扁平上皮細胞癌、基底細胞癌、角化棘細胞腫、良性上皮腫瘍またはメルケル細胞癌);メラノサイトの障害(例えば、色素障害、白皮症、メラニン欠乏症およびメラニン増加症、メラノサイト母斑またはメラノーマ);真皮の炎症性および腫瘍性障害の皮膚障害(例えば、持続性隆起性紅斑、好酸球(eosinophils)、顔面肉芽腫、壊疽性膿皮症、悪性萎縮性丘疹症、真皮および軟組織の線維損傷、またはカポジ肉腫);皮下組織の障害(例えば、脂肪織炎または脂肪異栄養症);変化した反応性の皮膚変化に関する皮膚障害(例えば、じんましん、血管性浮腫、移植片対宿主病、アレルギー性接触性、自己感作性皮膚炎、アトピー性皮膚炎または脂漏性皮膚炎);機械的および物理的な因子による皮膚の変化(例えば、熱傷、放射線皮膚炎、うおのめまたは皮膚硬結);光損傷(例えば、急性および慢性UV放射または光感作);または微生物因子による皮膚障害(例えば、ハンセン病、ライムボレリア症、爪甲真菌症、足白癬(tinea pedra)、風疹、麻疹、単純ヘルペス、EBV(エプスタイン-バールウイルス)、HPV(ヒトパピローマウイルス)(例えばHPV6および7)、疣贅またはプリオン)を含む。
【0244】
一つの実施形態では、炎症性障害は、乾癬、ならびにアトピー性皮膚炎および座瘡からなる群から選択される。一つの実施形態では、皮膚科学的状態または障害は乾癬である。別の実施形態では、皮膚科学的状態または障害は、アトピー性皮膚炎である。別の実施形態では、皮膚科学的状態または障害は座瘡である。
【0245】
定義
「治療上有効量」または「有効量」という語句は、本明細書では、投与に際して治療効果を有するのに十分な活性成分の量、例えば、一定期間にわたって反復的に患部に投与された場合に、適用される状態の改善または変化を引き起こす量を意味する。有効量は、治療される特定の状態、状態の重症度、治療期間、状態の進行段階、臨床状態に罹患した体表面積、および組成物の特定の成分によって変化する。状態または障害の治療のための活性成分の有効量は、標準的な臨床手法によって決定することができる。任意の所定の場合における適切な量は、当業者には容易に明らかであるか、または日常的な実験によって決定することができる。組成物は、一般に、患部に局所的に、すなわち臨床的異常が現れる皮膚領域に局所的に投与される。
【0246】
濃度、量、溶解度およびその他の数値データは、本明細書において範囲の形式で示すことができる。このような範囲形式は、単に便宜性および簡潔性のためのものであり、範囲の限界として明示的に記載された数値だけでなく、個々の数値および範囲内に含まれる部分範囲が明示的に記載されているかのように、各数値や部分範囲をすべて含むように柔軟に解釈されるべきであることを理解されたい。量、百分率または割合、および本明細書で使用される他の数値を表すすべての数字は、すべての場合において「約」という用語によって修飾されるものとして理解されるべきである。
【0247】
例えば、0.1~5ng/mlの濃度範囲は、明示的に記載された濃度限界である0.1ng/mlおよび5ng/mlを含むだけでなく、0.2ng/ml、0.8ng/ml、1.0ng/ml、2.2ng/ml、3.6ng/mol等の個々の濃度、ならびに0.3~2.5ng/ml、1.8~3.2ng/ml等の部分範囲をも含むように解釈されるべきである。この解釈は、範囲の幅または記述されている特性に関わらず適用されるべきである。
【0248】
本明細書で使用される場合、「投与する(administering)」および「投与(administration)」という用語は、有効な医療行為において、所望の治療効果を提供するような方法で医薬エマルジョン組成物を患者に送達する任意の方法を意味する。
【0249】
本明細書で使用される場合、医薬エマルジョン組成物の「局所的」投与とは、乾癬性病変および傷付いた皮膚への投与を含む、角質層への塗布および拡散を意味する。
【0250】
本明細書で使用される場合、in vitroの皮膚浸透試験において、「表皮」という用語は、熱分離処理によって単離される、基底膜までの角質層および組織または層を含む。
【0251】
本明細書で使用される場合、500ミクロン(+/-100ミクロン)の厚さで採皮されたin vitro皮膚浸透試験において、「表皮」という用語は、熱分離処理によって得られる上層/表層であり、「真皮」という用語は、下層(洗浄/テープ剥離処理後)である。
【0252】
皮膚科学的状態または障害の「治療(treatment)」または「治療する(treating)」という用語は、その少なくとも1つの症状の緩和、その重症度の低下、またはその進行の遅延、予防または阻害を包含する。治療は、その状態または障害が完全に治癒したことを意味する必要はない。本明細書で有用な医薬エマルジョン組成物は、状態または障害の重症度を低下させ、それに関連する症状の重症度を低下させ、患者の生活の質を改善し、または症状または障害の発症を遅延、予防または阻害することのみを必要とする。治療は、集団のすべてのメンバー、例えばアトピー性皮膚炎患者の集団に対して医学および薬学分野で認められているような臨床的有用性を有するために有効である必要はない。
【0253】
「その薬学的に許容可能な塩」という用語は、患者における局所的使用において安全かつ有効であり、所望の医薬活性を有する塩を意味する。そのような塩としては、酸性プロトンが金属イオン(例えば、アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオンまたはアルミニウムイオン)で置換されるときに形成される塩が挙げられる。
【0254】
「薬学的に許容可能」および「皮膚科学的に許容可能」という用語は、規制当局によって承認されるか、または薬局方または動物、特にヒトにおける使用のための他の一般に認められたガイドに列挙されることを意味する。
【0255】
本明細書で使用される場合、「皮膚浸透」という用語は、3,5-ジヒドロキシ-4-イソプロピル-trans-スチルベンまたはその薬学的に許容可能な塩の、角質層を通した、ならびに皮膚の表皮および/または真皮への拡散を意味する。
【0256】
本明細書で使用される場合、「患者」には、成人、10代および小児(例えば、小児患者)を含むヒト患者が含まれる。小児患者には、18歳未満の10代が含まれ得る。本明細書において、対象となる子供は12歳未満である。
【0257】
本明細書で使用される場合、「可溶化する」とは、調製される最終組成物の重量%に対して、≧50%w/w、または≧60%w/w、または≧70%w/w、または≧80%w/w、または≧90%w/w、または≧95%w/wの量で特定の相に溶解することを意味する。
【0258】
本明細書で使用される場合、「均質」とは、一方の相が他方の相中に均一に分散することを意味する。o/wエマルジョンの場合、油相の水相中への均一な分散である。
【0259】
本明細書に記載された任意の濃度範囲、百分率範囲または比率範囲は、特に指示がない限り、その範囲内の任意の整数の濃度、百分率または比率、ならびに整数の10分の1および100分の1等の分数を含むと理解される。
【0260】
特に指示がない限り、百分率はすべて、調製される最終組成物の重量%に対するものであり、すべての合計は100重量%に等しい。
【0261】
本明細書で使用される「1つ(a)」および「1つ(an)」という用語は、記載された構成要素の「1つまたは複数」を意味することを理解されるべきである。当業者であれば、特に指示がない限り、単数形の使用は複数形を含むことは明らかであろう。
【0262】
本出願全体を通して、様々な実施形態の説明では「含む(comprising)」という言葉が使用されるが、いくつかの特定の例では、実施形態は、「から本質的になる(consisting essentially of)」または「からなる(consisting of)」という言葉を使用して代替的に記載され得る。
【0263】
特定の成分についての「実質的に含まない(substantially free)」とは、該特定の成分が約1重量%未満である組成物を意味する。特定の成分についての「含まない(free)」とは、該特定の成分が存在しない組成物を意味する。
【0264】
生物学的プロフィール、または3,5-ジヒドロキシ-4-イソプロピル-trans-スチルベンまたは医薬的に許容可能な塩のpK/pDは、分解生成物の不在および活性成分の皮膚の適切な層への有効量での送達に依存するため、本明細書に記載される組成物は、様々な炎症性皮膚状態に対する新規な薬物治療の選択肢を患者に提供する。
【0265】
本明細書で使用される他の用語は、当該分野におけるそれらの周知の意味によって定義されることが意図される。以下に示す実施例は本発明の例示であって、本発明の範囲を限定するものではない。以下の実施例は本発明を説明するものである。これらの実施例は本発明の範囲を限定するものではなく、むしろ、当業者に本発明の化合物、組成物および方法を調製および使用するための指針を提供することを目的とする。
【0266】
本発明の特定の実施形態が記載されているが、当業者は、本発明の主旨および範囲から逸脱することなく、様々な変更および修正を行うことができることを理解するであろう。
【実施例0267】
実施例1:0.5w/wの3,5-ジヒドロキシ-4-イソプロピル-trans-スチルベンを含むクリームの調製
以下のクリーム組成物を調製した。
【表3】
【0268】
上述した製剤の安定性試験で観察された活性成分の化学的分解のために、酸化防止剤が添加され、代替的な保存剤および緩衝剤系が使用された代替製剤を調製した。また、代わりに、CrodexTMをPolawaxTMに置き換えることも可能である。下記の実施例2~4を参照のこと。
【0269】
実施例2:0.5%w/wの3,5-ジヒドロキシ-4-イソプロピル-trans-スチルベンを含むクリーム組成物の調製
続いて、以下のクリーム組成物を調製した。
【表4】
【0270】
実施例3:0.5%w/wの3,5-ジヒドロキシ-4-イソプロピル-trans-スチルベンを含むさらなるクリーム組成物
【表5】
【0271】
実施例4:0.5%w/wの3,5-ジヒドロキシ-4-イソプロピル-trans-スチルベンを含むさらなるクリーム組成物
実施例2および3から得られた知見に基づいて、さらなる開発のために製剤10~14を選択した。製剤10~14は、異なる含有量(0%~2%w/wの範囲である)の活性成分が存在することを除いて互いに同じであり、水の含有量はそれに応じて調整される。
【表6】
【0272】
実施例5:調製方法
実施例1~4に記載のクリーム組成物を、以下の一般的方法を用いて調製した。
【0273】
油相:
1.適切な大きさの容器に、油相成分(例えば、白色ワセリン(white petrolatum)、鉱油、ステアレス-2およびステアレス-20)を添加し、混合を開始し、70~80℃に加熱する。
2.油相が70~80℃になったら、PolawaxTM、Crodexまたは(場合によっては)セテアリルアルコールをゆっくりと添加する。すべての材料が融解/溶解され、油相が均質になるまで混合する。
【0274】
活性相:
3.別の適切なサイズの容器に、活性相成分(例えば、プロピレングリコールおよびジエチレングリコールモノエチルエーテル)を添加する。混合しながら50~60℃に加熱する。
4.上記温度に達したら、混合しながら活性相に活性成分をゆっくりと添加する。温度を50~60℃に維持し、均質になり、不溶性粒子がなくなり、活性相の外観が均質になるまで混合する。
【0275】
水相:
5.水相成分(例えば、水および緩衝剤)を主混合容器に添加する。混合を開始し、70~80℃に加熱する。すべての材料が完全に溶解し、水相の外観が均質になるまで混合する。
【0276】
乳化:
6.水相と油相に不溶性粒子がなくなり、70~80℃で外観が均質になったら、水相を含む主容器に油相をゆっくりと真空で移送する。油相容器を掻き落として、主容器に移送する。
7.移送と掻き落としが完了したら、ミキサーの設定を維持し、生成物の温度を70~80℃に維持しながら5~10分間混合する。生成物の外観が均質であることを確認する。
8.均質になったら、混合を維持し、50~60℃に冷却する。
9.生成物および活性相の温度が50~60℃になったら、混合を強め、活性相を主容器にゆっくりと真空移送する。予備のプロピレングリコールを用いて活性相容器を掻き落とし、すすぎ、主容器に移送する。
10.移送と掻き落としが完了したら、生成物の温度を50~60℃に維持しながら、真空度を上げてミキサー設定を維持し、5~10分間混合する。生成物の外観が均質であることを確認する。
11.混合が完了したら、混合を維持し、バッチを30℃(25~35℃)に冷却する。
12.上記温度に達したら、混合を弱め、バッチを<25℃に冷却する。
13.生成物の温度が<25℃になったら、高速で15分間混合する。生成物の温度を<25℃に維持する。
14.混合が完了したら、混合速度を下げ、製品の外観が均質であることを確認する。必要に応じて、生成物の排出を開始する前に生成物を<25℃に冷却する。
15.生成物が均質になり、温度が<25℃になったら、必要に応じてサンプルを採取して適切な保管容器に排出する。
【0277】
水相を油相に添加する(すなわち、上記プロセスの反対)代替的なプロセスでは、物理的外観が不十分で化学的安定性が劣る生成物が得られた。
【0278】
実施例6-化学的および物理的安定性
製剤2~5のサンプルを25℃、30℃および40℃で3ヶ月間保存し、視覚的分析に供した。製剤2~4は、3ヶ月間にわたって変色または物理的分離を示さなかった。しかしながら、製剤5は不均一性の徴候を示した。
【0279】
サンプルはまた、以下の条件を使用するHPLCによる化学的安定性分析に供された: Zorbax Bonus逆相カラム:150×4.6mm、4.0mmガードフリットを有する3.5mm粒径
カラム温度:25℃
オートサンプラー温度:周囲条件
流速:1.0ml/分
注入量:15μl
検出:235nm
ランタイム:50分
移動相A:0.1%TFA 水中
移動相B:アセトニトリル
【0280】
【表7】
【0281】
製剤2~5は、標準的なICH条件下で最大3ヶ月保存した場合、化学的安定性の仕様を満たしていた。製剤6~9は同様の化学的および物理的安定性を示した。これらの知見に基づいて、製剤10~14をさらなる開発のために選択した。しかしながら、製剤10~14のプロセス開発中に、これらの製剤のエマルジョン構造が不均質であり、ワックス状物質が存在することが顕微鏡分析により観察された。不均質なエマルジョンを図1に示し、活性成分の濃度に依存することが決定された。換言すれば、製剤10(プラセボ)ではそのような所見はなく、活性成分の濃度が増加すると、不均質性の度合いの増加が観察された。
【0282】
どの半固体成分が不均質エマルジョンの形成の原因であるかを同定するために、各半固体成分を以下のように系統的に置換して実験を行った。
【表8】
【0283】
ペトロラタムを含まない製剤は、均質なエマルジョンを有することが観察された。ホットステージ光学顕微鏡法、XRD、IR顕微鏡法および蛍光顕微鏡法を用いて、さらなる特徴付けを行った。これらの手法により、ワックス様物質がペトロラタムを含み、存在する活性成分の濃度の関数であることが確認された。これらの観察により、ペトロラタムが十分に乳化されておらず、活性成分がエマルジョンの水相および油相のいずれにも可溶化されなかったことが示唆された。
【0284】
実施例7:臨床開発のための0.5%w/wの3,5-ジヒドロキシ-4-イソプロピル-trans-スチルベンを含む最終的な物理的および化学的に安定なクリーム製剤の開発
異なる溶媒に対する活性成分の溶解度を測定した。活性成分は、エマルジョン組成物の油相中の白色ワセリンおよび鉱油を置換するために選択された中鎖トリグリセリド(MCT)において良好な溶解性を有することが観察された。5%、10%、15%および20%のMCT(製剤15~18)を用いて以下の製剤を調製した。Polawax(セトステアリルアルコールと乳化剤との独自のブレンド)をセトステアリルアルコールおよび追加の乳化剤で置換した2つの製剤(製剤19および20)も調製した。
【0285】
【表9】
【0286】
製剤15~20を顕微鏡分析に供した。6つの製剤のすべてが均質であり、分散した油相が小さい粒径を有し、均質なエマルジョンが観察された。油相として10%のMCTを有する製剤と、油相としてより多量の白色ワセリンおよび鉱油を含む製剤との外観の違いを図2に示す。理論に縛られることを意図するものではないが、活性成分が両親媒性であるため、特に適切な溶媒選択がなされない場合、エマルジョンを不安定化させる可能性があると考えられる。油相中の活性成分に適当な溶媒を用いることにより、より安定なエマルジョンが得られると考えられる。
【0287】
1%の活性成分、2%の活性成分(それぞれ製剤21および22)および3%の活性成分(製剤26)を含有する等価製剤とともに、製剤17(0.5%の活性成分)を調製した。7.2%のPolawaxを5.90%のセトステアリルアルコールで置換し、界面活性剤の含有量を増加させた代替的な製剤も調製した(製剤23および24)。0.1%の活性成分を含む製剤17の変形物を製剤25として示す。製剤17は、標準ICH条件下で最大6ヶ月間保存した場合、すべての化学的および物理的安定性の仕様を満たした。したがって、本発明の一つの実施形態は、活性成分である3,5-ジヒドロキシ-4-イソプロピル-trans-スチルベンまたはその薬学的に許容可能な塩、油相、水相、界面活性剤および酸化防止剤を含み、活性成分がエマルジョン組成物の油相に可溶化される、標準的なICH条件下で最大6ヶ月間保存した場合に、化学的および物理的に安定な医薬エマルジョン組成物である。本発明の別の実施形態は、活性成分である3,5-ジヒドロキシ-4-イソプロピル-trans-スチルベンまたはその薬学的に許容可能な塩、油相、水相、界面活性剤および酸化防止剤を含み、エマルジョン組成物が均質である、標準的なICH条件下で最大6ヶ月間保存した場合に、化学的および物理的に安定な医薬エマルジョン組成物である。別の実施形態では、活性成分は、エマルジョン組成物の油相に可溶化される。別の実施形態では、不連続相の平均液滴サイズは1ミクロン以下である。
【0288】
追加の製剤、例えば製剤27~29もまた、共溶媒を変更して製造された。これらのデータから、プロピレングリコールまたはTranscutolは、製剤の物理的安定性のために必要ではなく、したがって、使用される活性成分の可溶化のために代替的な溶媒を使用する機会が提供されることが示唆された。
【0289】
製剤を以下の表8に示す。
【表10】
【0290】
実施例8-最終製剤の調製方法
実施例7に記載のクリーム組成物を、以下の一般的方法を用いて調製した。
【0291】
油相:
1.適切な大きさの容器に、油相成分(例えば、MCT、PolawaxTM、安息香酸、BHT、プロピレングリコール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ポリソルベート80、ステアレス-2、ステアレス-20および活性成分)を添加し、活性成分が溶解し、相の外観が均一になるまで混合を続ける。
【0292】
水相:
2.水相成分(例えば、水およびクエン酸ナトリウム、クエン酸およびエデト酸二ナトリウム)を主混合容器に添加する。混合を開始し、70~80℃に加熱する。すべての材料が完全に溶解し、水相の外観が均質になるまで混合する。
【0293】
乳化:
3.水相と油相に不溶性粒子がなくなり、70~80℃で外観が均質になったら、水相を含む主容器に油相をゆっくりと真空移送する。油相容器を掻き落として、主容器に移送する。
4.移送と掻き落としが完了したら、ミキサーの設定を維持し、生成物の温度を70~80℃に維持しながら5~10分間混合する。生成物の外観が均質であることを確認する。
5.バッチを保持容器に移して冷却する。
【0294】
したがって、本発明の別の実施形態は、
i)油相成分および活性成分である3,5-ジヒドロキシ-4-イソプロピル-trans-スチルベンまたはその薬学的に許容可能な塩を、溶解するまで混合および加熱する工程;
ii)水相成分を完全に溶解するまで混合する工程
を含む、エマルジョン組成物を製造する方法であって、
工程(i)の油相成分および工程(ii)の水相成分を添加し、外観が均質になるまで混合する。一つの実施形態では、得られるエマルジョン組成物は均質である。別の実施形態では、活性成分は油相に可溶化される。別の実施形態では、不連続相の平均液滴サイズは約35ミクロン以下である。別の実施形態では、不連続相の平均液滴サイズは約25ミクロン未満である。別の実施形態では、不連続相の平均液滴サイズは約15ミクロン未満である。別の実施形態では、不連続相の平均液滴サイズは約10ミクロン未満である。別の実施形態では、不連続相の平均液滴サイズは、約5ミクロン未満である。別の実施形態では、不連続相の平均液滴サイズは約1ミクロンであるか、または約1ミクロン未満である。別の実施形態では、不連続相の平均液滴サイズは約0.5ミクロンである。別の実施形態では、不連続相の平均液滴サイズは約0.05~約35ミクロンである。別の実施形態では、不連続相の平均液滴サイズは約0.05~約5ミクロンである。別の実施形態では、不連続相の平均液滴サイズは約0.05~約1ミクロンである。別の実施形態では、不連続相の平均液滴サイズは約0.1~約0.75ミクロンである。別の実施形態では、不連続相の平均液滴サイズは約0.05~約35ミクロンである。別の実施形態では、不連続相の平均液滴サイズ(D50)は5ミクロン未満である。別の実施形態では、不連続相の平均液滴サイズ(D50)は1ミクロン未満である。
【0295】
別の実施形態は、
i)油相成分および活性成分である3,5-ジヒドロキシ-4-イソプロピル-trans-スチルベンまたはその薬学的に許容可能な塩を、溶解するまで混合および加熱する工程;
ii)水相成分を完全に溶解するまで混合する工程
を含む、エマルジョン組成物を製造する方法であって、
工程(i)の油相成分および工程(ii)の水相成分を添加し、外観が均質になるまで混合し、エマルジョンは均質であり、任意に油相/不連続相の平均液滴サイズ(D50)は5ミクロン未満である。
【0296】
実施例9:1.0%w/wの3,5-ジヒドロキシ-4-イソプロピル-trans-スチルベンを含むさらなるクリーム組成物
不均質エマルジョンを形成する原因となる半固体成分の同定を補助するために、ペトロラタムを製剤中に保持し、エマルジョン組成物の油相において鉱油を除去して中鎖トリグリセリド(MCT)に置換して、さらなる実験を行った(表9参照)。一般に、製剤30~32の変数は、ペトロラタムの%量であり、それに伴う水含有量である。製剤33および37は、低含有量のペトロラタム(4%および2%)および10%のMCTを示した。製剤34は、MCTと鉱油とを共に示した。製剤35および36は、MCTと共に低含有量の鉱油およびペトロラタムを示し、最後に、製剤38および39は、MCTを含まない低含有量の鉱油およびペトロラタムを示した。不均質なエマルジョン特性は、様々な量の製剤34~37で見られた。低含有量のペトロラタムを含有する製剤は、安定であるが現時点では未知である活性成分を有する不均質なエマルジョン特性をもたらした。特に、ミネラルオイルは、MCTと組み合わせて製剤中に添加することができた。
【0297】
【表11】
【0298】
U.S.7,868,047号の実施例3は、非公開または市販の基材ではないと思われる「Galax」クリーム基剤中に活性物質を含有することに留意すべきである。水、ペトロラタム、セテアリルアルコール、パラフィン液、セレアレス-20、リン酸ナトリウムおよびp-クロロ-m-クレゾールを含む「Glaxal」クリーム基材と称する市販の製品が、WellSpring Pharmaceuticals, Fla., USAから入手可能である。
【0299】
実施例3をガイドとして使用して、WellSpringのGlaxal基材を使用して2つの製剤を調製した。活性成分である3,5-ジヒドロキシ-4-イソプロピル-trans-スチルベンをエタノールに溶解し、次いで混合しながらGlaxal基材に添加した。製剤が均質に見えるようになるまで混合を15分間続け、次いで顕微鏡で分析した。
【0300】
1%の活性成分を含む製剤41および2%の活性成分を含む製剤42を、以下の組成で製造した。
【表12】
【0301】
顕微鏡法から明らかなように、活性成分が基材に添加されると直ちに液滴径/粒径が増加し、該径は添加された活性成分の量に依存した。これは、鉱油およびペトロラタムの両方を含む製剤12と同様の製剤で見られる観察結果と同様であった。
【0302】
実施例10:3,5-ジヒドロキシ-4-イソプロピル-trans-スチルベンを含むクリーム組成物の皮膚浸透特性における効果
この試験の目的は、3,5-ジヒドロキシ-4-イソプロピル-trans-スチルベンのin vitroでの皮膚浸透を測定することであった。
【0303】
特に、製剤17および21~24は、活性成分を表皮および真皮に送達する能力について試験を行い、製剤1および12と比較した。
【0304】
簡単に説明すると、3,5-ジヒドロキシ-4-イソプロピル-trans-スチルベンを含む製剤1、12、17および21~24を、皮膚浸透アッセイを用いて評価した。この試験は、表皮、真皮および受容液への薬物浸透を決定するために設計された。新たに摘出されたヒトの腹部の皮膚から、500±100μmの厚さで採皮し、ドナーブロック(donor block)を用いてフロースルー拡散セルに載せ、1.0cmの表面積を露出させた漏れ防止シールを取り付けた。拡散セルを、PBSを用いた約0.6mL/時間の流速のマルチチャネルポンプに接続した。次いで、各セルを加熱マニホールド中で平衡化して、32℃の皮膚表面温度を確保した(投与前少なくとも30分間)。試験物質を、皮膚切片当たり10μlの用量(10mgの試験物質/cm)で投与した。試験物質を2人の別個のドナーに投与して個体間変動を捕捉し、ドナー当たり少なくとも7つの皮膚切片を用いて個体内変動を捕捉した。投与後15時間に、皮膚表面を綿棒で拭き取り、残存する試験物質を除去するためにテープ剥離を3回行った。洗浄した皮膚を表皮および真皮接合部で熱分離した。皮膚層を別々の均質化容器に入れ、薬物を抽出した。別個の試験物質からの活性成分の抽出は、抽出溶媒の効率を評価するのに役立った。回収された薬物濃度に基づいて、投与された用量の百分率としての表皮および真皮への皮膚浸透を計算した。3,5-ジヒドロキシ-4-イソプロピル-trans-スチルベンは、液体クロマトグラフィー/質量分析法を用いて検出された。
【0305】
製剤1、12、17および21~24から表皮、表皮に送達された3,5-ジヒドロキシ-4-イソプロピル-trans-スチルベンの量(施用の15時間後)を図3に示す。
【0306】
エラーバーは、1製剤(4人の皮膚ドナー)当たり8~14回の反復の平均(SEM)の標準誤差を表す。注:拡散セルの投与面積は1cmであるため、図3に示す3,5-ジヒドロキシ-4-イソプロピル-trans-スチルベンの量はμg/cmを表す。
【0307】
0.5%w/wの3,5-ジヒドロキシ-4-イソプロピル-trans-スチルベン製剤を比較することにより、表皮中に送達された3,5-ジヒドロキシ-4-イソプロピル-trans-スチルベンの量は、製剤17、製剤12および製剤1と同程度であることが観察された。しかしながら、製剤17は、製剤12および製剤1と比較して、約3倍以上の3,5-ジヒドロキシ-4-イソプロピル-trans-スチルベンを真皮に送達した。さらに、製剤17、21および22についてのデータから、活性成分が用量依存的に送達されることが観察された。同様に、製剤23および24のデータから、活性成分が用量依存的に送達されることが観察された。
【0308】
15時間にわたって受容液に送達される3,5-ジヒドロキシ-4-イソプロピル-trans-スチルベンの量は逆相関しているようであり、製剤17は、製剤12および製剤1と比較して2~4倍少ない量を示した。皮膚層(表皮および真皮)に送達される量と同様に、製剤17、21および22についてのデータから、活性成分が用量依存的に受容液に送達されることが観察された。同様に、製剤23および24についてのデータから、活性成分が用量依存的に受容液に送達されることが観察された。
【0309】
実施例11:3,5-ジヒドロキシ-4-イソプロピル-trans-スチルベンを含むクリーム組成物の皮膚蓄積における効果
以前の研究において、製剤17が、製剤12と比較してより少ない量の3,5-ジヒドロキシ-4-イソプロピル-trans-スチルベンを受容液に分配して、より多い量を真皮に送達することが示された。この観察結果をさらに研究するために、ヒトのex vivo皮膚において試験を行い、3時間毎(0~15時間)および24時間後の皮膚レベルを測定し、受容液において測定された濃度と比較した。
【0310】
0.5%および1.0%の3,5-ジヒドロキシ-4-イソプロピル-trans-スチルベンをそれぞれ含む製剤12および21を、ex vivoヒト皮膚浸透アッセイを用いて評価した。この試験は、表皮、真皮および受容液への薬物透過を決定するために設計されたものであり、皮膚蓄積に関するさらなるサンプリングを伴うものである。新たに摘出されたヒトの腹部の皮膚から、500±100μmの厚さで採皮し、ドナーブロックを用いてフロースルー拡散セルに載せ、1.0cmの表面積を露出させた漏れ防止シールを取り付けた。拡散セルを、PBSを用いた約0.6ml/時間の流速のマルチチャネルポンプに接続した。皮膚の完全性を維持し、細菌の増殖を防ぐために、72時間の試験における受容液には、1%の抗生物質-抗真菌薬を含有させた。次いで、各セルを加熱マニホールド中で平衡化して、32℃の皮膚表面温度を確保した(投与前少なくとも30分間)。試験物質を、皮膚切片当たり10μlの用量(10mgの試験品/cm)で投与した。試験物質を2人の別個のドナーに投与して個体間変動を捕捉し、ドナー当たり少なくとも7つの皮膚切片を用いて個体内変動を捕捉した。皮膚に浸透する活性成分を測定するために、受容液を1時間ごとに72時間にわたり回収した。投与後3、6、9、12および15時間後に、皮膚表面を綿棒で拭き取り、テープ剥離を3回行って、皮膚に浸透しなかったと考えられる残存する試験物質を除去した。洗浄した皮膚を表皮および真皮接合部で熱分離した。皮膚層を別々の均質化容器に入れ、オムニビーズホモジナイザー(Omni bead homogenizer)を用いて薬物を抽出した。回収された薬物濃度に基づいて、投与された用量の百分率としての表皮および真皮への皮膚浸透を計算した。3,5-ジヒドロキシ-4-イソプロピル-trans-スチルベンは、前述の液体クロマトグラフィー/質量分析法を用いて検出された。
【0311】
製剤21は、真皮に送達された3,5-ジヒドロキシ-4-イソプロピル-trans-スチルベンの濃度が製剤12と比較してより高く、上記で観察されたのと同様の傾向を示した。図5を参照のこと。製剤21による真皮蓄積または組織滞留の増加傾向は、投与の3時間後に現れ、投与後15時間にわたって継続した。
【0312】
皮膚がその完全性を失い始めたので、測定された活性成分の測定レベルが潜在的に不正確になる可能性があるので、後の時点(すなわち15時間以上)は組織分析(表皮および真皮)について考慮しなかった。
【0313】
受容液中に送達された3,5-ジヒドロキシ-4-イソプロピル-trans-スチルベンの量について同様の逆相関が観察され、製剤21は製剤12と比較して1.4倍少ない量を示した(図6)。両方の製剤が12時間後(遅延相)に定常状態にあるように見えるので、受容液への送達低下のこの傾向は、72時間の投与全体にわたって一貫していた。製剤12(0.5%w/w)の活性成分の濃縮を2倍にした製剤21(1%w/w)にもかかわらず、製剤21は、受容液中に同等の量を送達することができなかった。この結果は、製剤21が、活性成分が皮膚から受容液に分配するのを防止する組織滞留を変えることができることを示唆している。
【0314】
本発明の一つの実施形態では、使用中に患者に活性成分をより少なく全身に曝露することができる上記のような製剤の使用がある。別の実施形態では、患部への投与頻度は、以前に想定された頻度よりも少ない頻度で投与され得る。本発明の組成物の投与は、1日2回、1日1回、1日おき1回、毎週2回、毎週3回、または毎週1回、本明細書の実施形態のいずれかによって表される用量で患部に投与することができる。別の実施形態では、治療は、2つの段階、すなわち1日1回または2回等の初期投与頻度、それに続く1日おき、毎週2回、毎週3回、または毎週1回等の維持段階により投与し得る。
【0315】
実施例12:3,5-ジヒドロキシ-4-イソプロピル-trans-スチルベンを含むクリーム組成物によるex vivoヒト皮膚における生物学的活性
標的プロファイリングにより、3,5-ジヒドロキシ-4-イソプロピル-trans-スチルベンが、腸管ヒト結腸腺癌におけるAhR経路の活性化因子であることが明らかになった。長期にわたる高価な動物または臨床研究の前に化合物について生理学的に関連する洞察を提供することができるシステムであるBioMAP(登録商標)により、Ahrが3,5-ジヒドロキシ-4-イソプロピル-trans-スチルベンの主要な標的である可能性があることが確認された。3,5-ジヒドロキシ-4-イソプロピル-trans-スチルベンはまた、初期のヒトケラチノサイトおよびヒトまたは齧歯類の白血球におけるAhR標的遺伝子、cypla1の発現を誘導することが示されている。新たに摘出されたヒト皮膚を使用するモデルが、活性成分の内在的有効性(すなわち、標的係合)を探索するために開発されている。このモデルは、局所用製剤を投与して皮膚の薬力学的活性を探索することを可能にする。この試験においては、製剤12と比較して、製剤17、21および22のCyplA1誘導による3,5-ジヒドロキシ-4-イソプロピル-trans-スチルベンの生物学的活性が比較された。
【0316】
静的細胞を用いた組織培養:新たに摘出した健康なヒト皮膚から750μmを採皮し、1×ダルベッコリン酸緩衝生理食塩水中の1%GIBCO(登録商標)抗生物質-抗真菌剤(100×)、0.1%ゲンタマイシンとして調製した抗生物質/抗真菌剤溶液を用いて洗浄した。使い捨て生検パンチを用いて直径12mmの生検材料を切断し、抗生物質/抗真菌溶液で5~10分間洗浄した。皮膚生検材料を、オートクレーブ処理された2mlの受容体容量を有する7mm(0.38cm)の非被覆静的細胞に置き、金属クランプおよびドナーチャンバーを用いて漏れ防止シールを固定した。サンプリングポートに分注するために、パスツールピペットを使用して、受容器チャンバーを角化培地(cornification media)で満たした。次いで、静的細胞を37℃の加湿インキュベーター内に置いた。1日目(第1日)に試験物質を局所的に(露出/乾燥表皮に)塗布した。24時間後(0日目)に、受容体チャンバー中の培地を、皮膚常在性免疫担当細胞(skin-resident immunocompetent cell)を刺激するように設計された活性化カクテル日間した。24時間後(1日目)に、組織を取り出し、1×1×1mm未満の小片に細かく切り、RNA分離のために1%の2-β-メルカプトエタノールを添加した300μlのRNeasy Lysis Bufferを含む10×容量のRNA later中に保存した。
【0317】
角化培地:培地は、ダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)237ml、Ham’s F-12培地237ml、90mMアデニン1ml、0.94M CaCl 1ml、10nMトリヨードチロニン1ml、インスリン-トランスフェリン-セレン-エタノールアミン(ITS-X)(100×)1ml、抗生物質-抗真菌剤(100X)5ml、胎児ウシ血清(FBS)10ml、GlutaMAX(商標)補充物5ml、50mg/mlゲンタマイシン0.1mlを含む。
【0318】
活性化カクテル:ex vivoヒト皮膚標的係合モデルは、もともと、病変乾癬皮膚の前炎症状態を模倣するために開発された。このモデルはSmith et al., PLOS ONE, DOI:10.1371/journal.pone.0147979; Feb 12, 2016に記載されており、本明細書ではsRICA(皮膚常在性免疫細胞活性化)アッセイと称される。このように、皮膚常在性免疫担当細胞は、1μg/mlの精製NA/LEマウス抗ヒトCD3抗体、2μg/mlのCD28抗体、1μg/mlの抗ヒトIFN-γ抗体、1μg/mlの抗ヒトIL-4抗体、ならびに10ng/mlの組換えヒト(rh)IL-1b/IL-1F2、10ng/mlのrhIL-6(R&D Systems社製)、1ng/mlのrhTGF-b1およびrhIL-21と組み合わせて、in situで活性化される。すべての成分は、角化培地との単一の混合物中(すなわち、活性化カクテル)に組み込まれている。
【0319】
RNA単離および定量:約40mgの細かく切断した組織を、2.8mmおよび1.4mmのセラミックビーズを含むホモジネーションチューブに添加した。ハイスループットのビーズミルホモジナイザー機を用いて、6300rpmで30秒間、10サイクル、2分間の氷破砕により組織をホモジナイズした。ホモジネートに10μlのプロテイナーゼKを含有する490μlの水を添加して、55℃で15分間消化した。消化した組織を10,000×gで3分間スピンダウンして細胞デブリスのペレットを形成し、その上清をQiagen社のMini RNA Isolation kitを用いたRNAの単離に使用した。Nanodrop 2000を用いて全RNAを定量した。皮膚組織から単離されたRNA(1.4μg)を、Invitrogen SuperScript VILO cDNA Synthesis kitを用いて、20μlのPCR容量中の鋳型として用いてcDNA鋳型を作製した。定量すべき各遺伝子のための特異的TaqManプローブを用いて、その後のqPCRのためにcDNAを1:25に希釈した。Life Technologies社のAVii7 PCR装置を、qPCR 40増幅サイクルに使用した。デルタデルタCT式を用いてCypla1相対発現のRNAレベルを計算し、未処理の皮膚切片に対して正規化した。
【0320】
製剤17、21および22、ならびに製剤12は、CyplA1 mRNAによって間接的に測定されるヒト皮膚における3,5-ジヒドロキシ-4-イソプロピル-trans-スチルベンの生物学的活性を示した。これらの製剤間の生物学的活性に差異はなかった。製剤17、21および22の用量応答の欠如は、このアップレギュレーションが、0.5%またはそれ以下の3,5-ジヒドロキシ-4-イソプロピル-trans-スチルベンを含む製剤において達成される可能性のある最大またはプラトーに達したことを示唆している。これらのデータにより、in vitro皮膚浸透試験において定量された濃度が生物学的に利用可能であり、ヒトの皮膚内の標的に係合できることが確認された。見出されたことは、このアッセイが製剤および/または製剤中の活性物質の濃度の間に統計的に有意な差異をもたらさないことである。
【0321】
実施例13:ゲッティンゲンミニブタ(Gottingen minipig)への7日間の局所投与後の3,5-ジヒドロキシ-4-イソプロピル-trans-スチルベンの全身曝露および皮膚濃度
組織濃度および全身曝露を評価するために、7日間にわたって3,5-ジヒドロキシ-4-イソプロピル-trans-スチルベンを繰り返し局所投与して、ゲッティンゲンミニブタにおける毒物動態試験を行った。局所皮膚組織レベルに対する全身曝露を比較するために、組織生検を収集し、切片にし、活性成分について分析し、1日目および7日目の血漿濃度と比較した。ミニブタにおける皮膚生検についての同様の方法論は、Mitra A, et al., Use of Minipig Skin Biopsy Models an Innovative Tool to Design Topical Formulation to Achieve Desired Pharmacokinetics in Humans. J Pharm Sci. 2015, Feb 17に記載されている。
【0322】
製剤22(活性成分2%)および製剤12(2.0%、例えば製剤14)を、ミニブタ(3匹の雄/群)の非擦過皮膚に、1日2%の用量(約23時間)で7日間継続して投与した。これらの群の皮膚投与部位は全体表面積の10%であった。投与開始前に実施された製剤実行可能性試験によって決定されるように、投与量は2g/kg/日であった(上記用量群のそれぞれについて、好適なビヒクルは、第1のミニブタの全体表面積の10%に約23時間投与された)。試験中の1日目、7日目および14日目、および必要に応じて試験中に、各動物の背中および脇腹から毛を取り除いた。投与部位は、テープおよび管状網で所定の位置に保持されたガーゼパッチで半閉塞された。曝露期間の終わりに、ネットおよびパッチを除去し、暖かい逆浸透処理した水および綿のガーゼですべての部位を拭いた。
【0323】
下記の終点/パラメータを評価した:臨床観察、皮膚刺激(Draize法を用いて体重、ならびに巨視的および微視的観察(治療および非治療の皮膚)をスコア化した)。1および7日目に採取した血漿および皮膚における濃度について、毒物学的評価を実施した。
【0324】
7日目に、ミニブタを安楽死させ、弱い洗浄剤、溶剤、シェービング(shaving)およびテープ剥離を含むいくつかの洗浄ステップの組み合わせにより皮膚の表面を洗浄し、皮膚の表面から残存する製剤を確実に除去した。次いで、皮膚を摘出し、皮膚の表皮側を清潔な表面上に置いた。皮膚生検(8mm)を投与領域から採取し、凍結チューブに入れ、直ちに分析まで凍結させた。凍結している間に、皮下をカミソリの刃を用いて除去し、試料の上部(表皮および真皮上層、0~500μmの切片)を真皮から切り取った。したがって、表皮とは、角質層、表皮および真皮上層(約500μm)からなる皮膚試料の上部を意味し、真皮はより深い真皮(約1500μm、中部真皮から皮下脂肪への切断を意味する)を意味する。次いで、表皮および真皮の切片を秤量し、0.1%のギ酸を含有する75:25の水:アセトニトリル溶液1ml中でホモジナイズした。ホモジネートを、0.1%のギ酸を含む100%のアセトニトリルの溶液および内部標準(5ng/ml)を使用するタンパク質沈殿によってさらに処理した。タンパク質沈殿の上清をOstro 96ウェルプレートに通してリン脂質を除去した。
【0325】
製剤22は、製剤12(2%の活性成分、本明細書では製剤14とも呼ばれる)と比較して、500μmより上部の領域および1500μmより下部の領域において、3,5-ジヒドロキシ-4-イソプロピル-trans-スチルベンのより高い皮膚蓄積をもたらした。皮膚負荷(skin loading)の増加が1日目に観察され、7日間の反復投与後も継続した。このデータから、製剤22が単回投与後に皮膚微小環境を変化させる能力を有するが、より長い投薬期間にわたってこの効果を維持し得ることが示唆された。
【0326】
驚くべきことに、1日目および7日目のAUCによって測定される全身曝露は、製剤12(2%の活性成分、例えば製剤14)と比較して製剤22においてより低かった。血漿濃度は製剤22において7日目までにさらに低下すると考えられ、製剤12(2%活性成分、例えば製剤14)と比較して、製剤22のレベルは約2.5倍低下すると考えられる。このデータは、製剤22が、より低い濃度の3,5-ジヒドロキシ-4-イソプロピル-trans-スチルベンを受容液に送達し、より高い皮膚蓄積を示した、in vitroのヒト皮膚浸透試験で観察されたものと相関している。このデータの組み合わせから、製剤22が、全身曝露を最小限に抑えながらより高い組織量を標的部位に送達することができることが示唆された。
【0327】
in vitroの皮膚透過性流量およびヒトのデータに基づいて、予測されるヒトAUCは50ng*h/mL未満、または42.5ng*h/mL未満であると予想され、予測されるCmaxは15ng/ml、または12.5ng/mLである。
【0328】
【表13】
【0329】
ミニブタのin vivoのデータおよびヒトのデータに基づいて、予測されるヒトAUCは30.0ng*h/mL未満、または23.5ng*h/mL未満であると予想される。ミニブタのin vivoのデータおよびヒトのデータに基づいて、予測されるCmaxは、15ng/ml未満、または11.3ng/mL未満であると予想される。
【0330】
制限されたヒトのデータに基づいて、ヒトAUC(0~8時間)は、16.0ng*h/mL未満、または14ng*h/mL未満、または11ng*h/mL未満であると予想される。別の実施形態では、Cmaxは、5ng/ml未満、または4ng/ml未満、または3ng/ml未満であると予想される。
【0331】
【表14】
【0332】
実施例14:ゲッティンゲンミニブタ(Gottingen minipigs)への28日間の局所投与後の3,5-ジヒドロキシ-4-イソプロピル-trans-スチルベンの全身曝露および皮膚濃度
製剤22中の3,5-ジヒドロキシ-4-イソプロピル-trans-スチルベンの7日間の局所投与は、ゲッティンゲンミニブタの皮膚において3,5-ジヒドロキシ-4-イソプロピル-trans-スチルベンの有意な濃度を示した。この試験による全身レベルは、1日目から7日目にかけて減少し、これは製剤22が全身暴露を最小限に抑えながらより高い組織量を標的部位に送達することができることを示唆している。この傾向がより長い投与期間にわたって継続するかどうかを確認するために、3,5-ジヒドロキシ-4-イソプロピル-trans-スチルベンの28日間にわたる局所投与の反復投与を行って、組織濃度、皮膚毒性、皮膚刺激性および製剤22の毒物動態を評価した。
【0333】
製剤を、ゲッティンゲンミニブタ(3/性/群)の背側皮膚(全体表面積の~10%)に28日間1日2回(10±1時間間隔)局所投与し、3,5-ジヒドロキシ-4-イソプロピル-trans-スチルベンの皮膚毒性、皮膚刺激性を測定した。初期の1日の用量は、1g/kg/用量(2g/kg/日)の用量製剤重量で、重量3,5-ジヒドロキシ-4-イソプロピル-trans-スチルベン0(ビヒクル)、10、20または60mg/kg/日であった(それぞれ0、0.5、1.0および3.0%w/wの濃度)。各投与日に用量を投与した後、投与部位を最初の投与から約20±1時間半閉塞し、次いで、次の投与を投与する前に穏やかに洗浄した。
【0334】
【表15】
【0335】
1日目および28日目に、3,5-ジヒドロキシ-4-イソプロピル-trans-スチルベンは、5mg/kg/用量(10mg/kg/日)の雌の各時点における1つの濃度値である、28日目の2つの時点(最初の投与の3および24時間後)を除いて、5および10mg/kg/用量(10および20mg/kg/日)では血漿中で定量できなかった。30mg/kg/用量(60mg/kg/日)では、3,5-ジヒドロキシ-4-イソプロピル-trans-スチルベンは、1日目および28日目の投与後3時間まで(第1または第2の用量のいずれか)血漿中で定量可能であった。
【0336】
max値は、60mg/kg/日の用量レベルで、1日目および28日目において、投与後1~3時間(第1または第2の投与量のいずれか)の範囲であった。Cmax値は、雄および雌で0.306~1.81ng/mlの範囲であった。一般に、AUC0-tは、濃度値の大部分が定量の限界よりも低いために報告することができなかった。
【0337】
3,5-ジヒドロキシ-4-イソプロピル-trans-スチルベンの濃度は、一般に、雄および雌の両方において、真皮下層よりも表皮/真皮上層において高かった。剖検時の性別平均の個々の動物の皮膚における濃度は、表皮/上皮における8265ng/gおよび真皮下層における1830ng/gの60mg/kg/日群で最高であった。血漿中の濃度と皮膚中の濃度との比較は、28日目の24時間の血漿濃度が定量の限界を下回っていたので評価することができなかった。
【0338】
すべての動物は予定された剖検まで生存した。投与部位の皮膚評価に基づいて、試験物質に関連する皮膚刺激はなかった。心血管的(ECG)および眼科的評価、体重、食物消費、臨床病理学および死後評価(臓器重量、巨視的および微視的病理)に基づく全身毒性はなかった。したがって、本発明の一つの実施形態は、3,5-ジヒドロキシ-4-イソプロピル-trans-スチルベンまたはその薬学的に許容可能な塩を含み、1または12の組成を有する製剤(同等の%w/w活性成分を含む)と比較して非刺激性または低減刺激性の医薬組成物である。
【0339】
結論として、実施例7(10、20mg/kg/日)および実施例8(それぞれ60mg/kg/日)に示された本発明の製剤中の、0(ビヒクル)、0.5、1.0および3.0%w/wの用量の3,5-ジヒドロキシ-4-イソプロピル-trans-スチルベンを、28日間にわたりミニブタ(n=3/性/群)の全体表面積の~10%に1日2回局所投与(動物試験)した後に、皮膚刺激性または全身毒性を生じない。したがって、皮膚刺激性または全身毒性に関する「観察された有害影響レベルなし」(NOAEL)は、試験した最高用量である3%(w/w)または60mg/kg/日であった。3,5-ジヒドロキシ-4-イソプロピル-trans-スチルベンは、60mg/kg/日群の皮膚(表皮/真皮上層)において8265ng/gのピーク平均濃度を達成したが、全身曝露は比較的低いか、すべての処置群において定量限界以下であることもあった。
【0340】
本明細書で引用した、特許および特許出願を含むがこれらに限定されないすべての刊行物は、個々の刊行物が完全に記載されているかのように本明細書中に参考として援用されるように具体的および個別に示される。
【0341】
上記の説明は、その好ましい実施形態を含む本発明を完全に開示するものである。本明細書に具体的に開示された実施形態の改変および改良は、添付の特許請求の範囲の範囲内である。それ以上の詳述なしに、当業者は、上記の説明を用いて、本発明を最大限に利用することができると考えられる。したがって、本明細書の実施例は、単なる例示であって、本発明の範囲を限定するものではないと解釈されるべきである。排他的な特性または免責が請求される本発明の実施形態は、以下のように定義される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【手続補正書】
【提出日】2023-07-04
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
局所用水中油型医薬エマルジョン組成物を製造する方法であって、
該組成物の総重量に対して0.05重量%~2重量%の量の3,5-ジヒドロキシ-4-イソプロピル-trans-スチルベンまたはその薬学的に許容可能な塩と、前記組成物の総重量に対して2重量%~30重量%の量の炭素の長さがC~C12の中鎖トリグリセリドとを、溶解して油相が得られるまで混合および加熱すること;
水と、少なくとも1種の非イオン性乳化ワックスNFを含んでなる、前記組成物の総重量に対して1重量%~20重量%の量の界面活性剤と、酸化防止剤、pH調節剤、キレート剤、保存剤、共溶媒およびそれらの組み合わせからなる群から選択される皮膚科学的に許容可能な賦形剤とを、溶解して水相が得られるまで混合すること;
前記油相と前記水相とを混合して前記局所用水中油型医薬エマルジョン組成物を得ること
を含み、
前記3,5-ジヒドロキシ-4-イソプロピル-trans-スチルベンまたはその薬学的に許容可能な塩が油相に可溶化されており、油相中の唯一の活性成分であり;
前記油相が実質的にペトロラタムおよび鉱油を含まず;
前記エマルジョンが均質であり;かつ、
前記油相の平均液滴サイズが0.1ミクロン~35ミクロンである、前記方法
【請求項2】
前記油相が、(a)炭素の長さがC ~C 12 の中鎖トリグリセリド、(b)界面活性剤、ならびに(c)酸化防止剤、保存剤および共溶媒、ならびにそれらの組み合わせからなる群から選択される皮膚科学的に許容可能な賦形剤を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記水相が、(a)水、ならびに(b)pH調節剤およびキレート剤、ならびにそれらの組み合わせからなる群から選択される皮膚科学的に許容可能な賦形剤を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記3,5-ジヒドロキシ-4-イソプロピル-trans-スチルベンまたはその薬学的に許容可能な塩が、前記組成物の総重量に対して0.05~2重量%の量である、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記3,5-ジヒドロキシ-4-イソプロピル-trans-スチルベンまたはその薬学的に許容可能な塩が、前記組成物の総重量に対して2重量%の量である、請求項1に記載の方法
【請求項6】
前記3,5-ジヒドロキシ-4-イソプロピル-trans-スチルベンまたはその薬学的に許容可能な塩が、前記組成物の総重量に対して1重量%の量である、請求項1に記載の方法
【請求項7】
前記3,5-ジヒドロキシ-4-イソプロピル-trans-スチルベンまたはその薬学的に許容可能な塩が、前記組成物の総重量に対して0.50重量%の量である、請求項1に記載の方法
【請求項8】
前記中鎖トリグリセリドの炭素の長さがC~Cである、請求項1に記載の方法
【請求項9】
前記中鎖トリグリセリドが、前記組成物の総重量に対して5重量%~20重量%の量である、請求項1に記載の方法
【請求項10】
前記中鎖トリグリセリドが、前記組成物の総重量に対して5重量%~15重量%の量で存在する、請求項1に記載の方法
【請求項11】
前記中鎖トリグリセリドが、前記組成物の総重量に対して10重量%の量で存在する、請求項1に記載の方法
【請求項12】
前記少なくとも1種の非イオン性乳化ワックスNFが、セトステアリルアルコールとポリソルベートとの混合物である、請求項1に記載の方法
【請求項13】
前記界面活性剤が、前記少なくとも1種の非イオン性乳化ワックスNFと、エトキシ化脂肪族アルコールエーテル、ソルビタン誘導体およびそれらの組み合わせからなる群から選択される界面活性剤との混合物を含む、請求項1に記載の方法
【請求項14】
前記界面活性剤が、前記少なくとも1種の非イオン性乳化ワックスNFと、ステアレス-2、ステアレス-20、ポリソルベート80およびそれらの組み合わせからなる群から選択される界面活性剤との混合物を含む、請求項1に記載の方法
【請求項15】
前記界面活性剤が、前記少なくとも1種の非イオン性乳化ワックスNF、ステアレス-2、ステアレス-20、およびポリソルベート80の混合物である、請求項1に記載の方法
【請求項16】
前記皮膚科学的に許容可能な賦形剤が酸化防止剤である、請求項1に記載の方法
【請求項17】
前記酸化防止剤が、没食子酸プロピル、ブチル化ヒドロキシトルエンおよびトコフェロールからなる群から選択される、請求項16に記載の方法
【請求項18】
前記酸化防止剤が、ブチル化ヒドロキシトルエンである、請求項16に記載の方法
【請求項19】
前記皮膚科学的に許容可能な賦形剤がpH調整剤である、請求項1に記載の方法
【請求項20】
前記pH調整剤が、酸、酸塩、またはそれらの混合物から選択される、請求項に記載の方法
【請求項21】
前記pH調整剤が、乳酸、酢酸、マレイン酸、コハク酸、クエン酸、安息香酸、ホウ酸、ソルビン酸、酒石酸、エデト酸、リン酸、硝酸、硫酸および塩酸、ならびにそれらの混合物からなる群から選択される、請求項に記載の方法
【請求項22】
前記pH調整剤が緩衝剤である、請求項19に記載の方法
【請求項23】
前記緩衝剤が、クエン酸塩/クエン酸、酢酸塩/酢酸、リン酸塩/リン酸、プロピオン酸塩/プロピオン酸、乳酸塩/乳酸、アンモニウム/アンモニアおよびエデト酸塩/エデト酸からなる群から選択される、請求項22に記載の方法
【請求項24】
前記pH調整剤が、クエン酸塩/クエン酸緩衝剤である、請求項19に記載の方法
【請求項25】
前記皮膚科学的に許容可能な賦形剤がキレート剤である、請求項1に記載の方法
【請求項26】
前記キレート剤が、クエン酸、グルクロン酸、ヘキサメタリン酸ナトリウム、ヘキサメタリン酸亜鉛、エチレンジアミン四酢酸、ホスホン酸塩、それらの塩、およびそれらの混合物からなる群から選択される、請求項25に記載の方法
【請求項27】
前記キレート剤が、エチレンジアミン四酢酸またはその塩である、請求項26に記載の方法
【請求項28】
前記皮膚科学的に許容可能な賦形剤が保存剤である、請求項1に記載の方法
【請求項29】
前記保存剤が、ベンジルアルコール、イミダゾリジニル尿素、ジアゾリジニル尿素、ジクロロベンジルアルコール、クロロキシレノール、メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、ブチルパラベン、フェノキシエタノール、ソルビン酸、安息香酸、それらの塩、およびそれらの混合物からなる群から選択される、請求項28に記載の方法
【請求項30】
前記保存剤が、安息香酸である、請求項28に記載の方法
【請求項31】
前記皮膚科学的に許容可能な賦形剤が共溶媒である、請求項1に記載の方法
【請求項32】
前記共溶媒が、プロピレングリコールとジエチレングリコールモノエチルエーテルとの混合物である、請求項31に記載の方法
【請求項33】
浸透促進剤、湿潤剤、増粘剤、ゲル化剤、粘度増強剤、芳香剤、着色剤、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される第2の皮膚科学的に許容可能な賦形剤をさらに含む、請求項1に記載の方法
【請求項34】
前記組成物が
組成物の総重量に対して0.5重量%の量の3,5-ジヒドロキシ-4-イソプロピル-trans-スチルベン;
組成物の総重量に対して2~30重量%の量の炭素の長さがC~C12である中鎖トリグリセリド;
水;
非イオン性乳化ワックスNF、ステアレス-2、ステアレス-20、およびポリソルベート80;
ブチル化ヒドロキシトルエン;
クエン酸塩/クエン酸緩衝剤;
エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム;
安息香酸;ならびに
プロピレングリコールおよびジエチレングリコールモノエチルエーテル
を含み、
前記3,5-ジヒドロキシ-4-イソプロピル-trans-スチルベンが前記中鎖トリグリセリドに可溶化されており、組成物中の唯一の活性成分であり;
前記組成物が実質的にペトロラタムおよび鉱油を含まず;
前記組成物が均質であり;かつ、
前記組成物の平均液滴サイズが0.1ミクロン~35ミクロンである、請求項1に記載の方法
【請求項35】
前記組成物が
組成物の総重量に対して1.0重量%の量の3,5-ジヒドロキシ-4-イソプロピル-trans-スチルベン;
組成物の総重量に対して2~30重量%の量の炭素の長さがC~C12である中鎖トリグリセリド;
水;
非イオン性乳化ワックスNF、ステアレス-2、ステアレス-20、およびポリソルベート80;
ブチル化ヒドロキシトルエン;
クエン酸塩/クエン酸緩衝剤;
エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム;
安息香酸;ならびに
プロピレングリコールおよびジエチレングリコールモノエチルエーテル
を含み、
前記3,5-ジヒドロキシ-4-イソプロピル-trans-スチルベンが前記中鎖トリグリセリドに可溶化されており、組成物中の唯一の活性成分であり;
前記組成物が実質的にペトロラタムおよび鉱油を含まず;
前記組成物が均質であり;かつ、
前記組成物の平均液滴サイズが0.1ミクロン~35ミクロンである、請求項1に記載の方法
【請求項36】
前記組成物が、皮膚科学的状態または障害を治療するためのものである、請求項1~35のいずれか一項に記載の方法
【請求項37】
前記皮膚科学的状態または障害が、乾癬、乾癬性関節炎、剥離性皮膚炎、バラ色粃糠疹、扁平苔癬、光沢苔癬、汗孔角化症、天疱瘡、水疱性類天疱瘡、後天性表皮水疱症、手のひらもしくは足の裏の膿疱性皮疹、毛髪障害、爪、酒さ、口囲皮膚炎、小胞性症候群、扁平上皮細胞癌、基底細胞癌、角化棘細胞腫、良性上皮腫瘍、メルケル細胞癌、色素障害、白皮症、メラニン欠乏症、メラニン増加症、メラノサイト母斑、メラノーマ、持続性隆起性紅斑、好酸球(eosinophils)、顔面肉芽腫、壊疽性膿皮症、悪性萎縮性丘疹症、真皮および軟組織の線維損傷、カポジ肉腫、脂肪織炎、脂肪異栄養症、血管性浮腫、移植片対宿主病、アレルギー性接触性皮膚炎、自己感作性皮膚炎、アトピー性皮膚炎、脂漏性皮膚炎、熱傷、放射線皮膚炎、うおのめ、皮膚硬結、急性および慢性UV放射、光感作、ハンセン病、ライムボレリア症、爪甲真菌症、足白癬(tinea pedra)、風疹、麻疹、単純ヘルペス、EBV(エプスタイン-バールウイルス)、HPV(ヒトパピローマウイルス)および疣贅からなる群から選択される、請求項36に記載の方法
【請求項38】
前記水相と前記油相が70~80℃に加熱される、請求項1に記載の方法。
【請求項39】
前記油相と前記水相の混合が、
前記水相を容器内に入れること;
前記油相を、前記水相を含む容器に真空で移送して、前記水相と前記油相の混合物を形成すること;
前記水相と前記油相の混合物を、生成物温度を70℃~80℃に維持しながら混合すること
を含む、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
前記油相と前記水相の混合が、
前記油相と前記活性成分とを適切な大きさの容器に入れること;
前記油相を70℃~80℃に混合および加熱すること;
前記油相および前記活性成分を、前記活性成分が溶解するまで混合すること:
前記水相を主混合容器に入れること;
前記水相を、すべての材料が完全に溶解して混合物を形成するまで70℃~80℃に混合および加熱すること;
前記油相を前記水相に添加し、前記水相と前記油相の混合物を形成すること;および
前記水相と前記油相の混合物を、混合物の外観が均質になるまで混合すること
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項41】
前記水相と前記油相の混合物の混合を5~10分間継続する、請求項39または40に記載の方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0341
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0341】
上記の説明は、その好ましい実施形態を含む本発明を完全に開示するものである。本明細書に具体的に開示された実施形態の改変および改良は、添付の特許請求の範囲の範囲内である。それ以上の詳述なしに、当業者は、上記の説明を用いて、本発明を最大限に利用することができると考えられる。したがって、本明細書の実施例は、単なる例示であって、本発明の範囲を限定するものではないと解釈されるべきである。排他的な特性または免責が請求される本発明の実施形態は、以下のように定義される。

本発明は例えば以下の態様を含む。
[項1]
局所用医薬エマルジョン組成物であって、
活性成分である3,5-ジヒドロキシ-4-イソプロピル-trans-スチルベンまたはその薬学的に許容可能な塩、油相、水相、界面活性剤および酸化防止剤を含み、
前記組成物が均質である、前記組成物。
[項2]
前記油相が鉱油またはペトロラタムを含む場合、第2の油相成分が存在し、前記油相が鉱油およびペトロラタムの両方を含む場合、第3の油相成分が存在する、項1に記載の局所用組成物。
[項3]
前記油相がペトロラタムを実質的に含まないか、またはペトロラタムを≦3%、もしくは≦2%、もしくは≦1%含む、項1または2に記載のエマルジョン組成物。
[項4]
前記活性成分が、前記組成物の総重量に対して約0.05重量%~約2重量%の量で存在する、項1~3のいずれか一項に記載のエマルジョン組成物。
[項5]
前記酸化防止剤が、没食子酸プロピル、ブチル化ヒドロキシトルエンおよびトコフェロールからなる群から選択される、項1~4のいずれか一項に記載のエマルジョン組成物。[項6]
前記油相が、エステルおよび/またはグリセリンのエステルである少なくとも1種の油および/または脂質を含む、項1~5のいずれか一項に記載のエマルジョン組成物。
[項7]
前記グリセリンのエステルが中鎖トリグリセリドである、項6に記載のエマルジョン組成物。
[項8]
前記界面活性剤が非イオン性界面活性剤である、項1~7のいずれか一項に記載のエマルジョン組成物。
[項9]
前記界面活性剤が、エトキシ化脂肪族アルコールエーテル、PEGヒマシ油、PEGエステル、プロピレングリコールエステル、グリセリルエステルおよび誘導体、ポリマーエーテル、ソルビタン誘導体、脂肪族アルコールおよび乳化ワックス、ならびにそれらの混合物からなる群から選択される、項1または8に記載のエマルジョン組成物。
[項10]
前記界面活性剤が、少なくとも1種のエトキシ化脂肪族アルコールエーテルを含む、項9に記載のエマルジョン組成物。
[項11]
前記エトキシ化脂肪族アルコールエーテルが、ステアレス-2とステアレス-20との混合物である、項10に記載のエマルジョン組成物。
[項12]
前記界面活性剤が、エトキシ化脂肪族アルコールエーテルとソルビタン誘導体との混合物を含む、項1~11のいずれか一項に記載のエマルジョン組成物。
[項13]
前記エトキシ化脂肪族アルコールエーテルとソルビタン誘導体との混合物が、ステアレス-2、ステアレス-20およびポリソルベート80の混合物である、項12に記載のエマルジョン組成物。
[項14]
前記界面活性剤が、エトキシ化脂肪族アルコールエーテル、ソルビタン誘導体および脂肪族アルコールの混合物である、項1~13のいずれか一項に記載のエマルジョン組成物。
[項15]
前記エトキシ化脂肪族アルコールエーテル、ソルビタン誘導体および脂肪族アルコールの混合物が、ステアレス-2、ステアレス-20、ポリソルベート80およびセテアリルアルコールの混合物である、項14に記載のエマルジョン組成物。
[項16]
前記界面活性剤が、エトキシ化脂肪族アルコールエーテル、ソルビタン誘導体および非イオン性乳化ワックスの混合物である、項1~15のいずれか一項に記載のエマルジョン組成物。
[項17]
前記エトキシ化脂肪族アルコールエーテル、ソルビタン誘導体および乳化ワックスの混合物が、ステアレス-2、ステアレス-20、ポリソルベート80および乳化ワックスNFの混合物である、項16に記載のエマルジョン組成物。
[項18]
前記組成物が水中油型エマルジョンである、項1~17のいずれか一項に記載のエマルジョン組成物。
[項19]
保存剤、pH調整剤、キレート剤および共溶媒をさらに含む、項1~18のいずれか一項に記載のエマルジョン組成物。
[項20]
前記組成物が水中油型クリームである、項1~19のいずれか一項に記載のエマルジョン組成物。
[項21]
不連続相の平均液滴サイズが約5ミクロン以下である、項1~20のいずれか一項に記載のエマルジョン。
[項22]
ヒト患者における皮膚科学的状態または障害の治療または予防における使用のための、項1~21のいずれか一項に記載の組成物。
[項23]
患者における炎症性疾患または障害を治療する方法であって、
項1~21のいずれか一項に記載の局所用医薬エマルジョン組成物を、それを必要とする患者に投与することを含む、前記方法。
[項24]
前記疾患または障害が、乾癬、アトピー性皮膚炎または座瘡である、項23に記載の方法。
[項25]
活性成分である3,5-ジヒドロキシ-4-イソプロピル-trans-スチルベンまたはその薬学的に許容可能な塩、油相、水相、界面活性剤および酸化防止剤を含む均質な組成物を含む局所用医薬エマルジョン組成物の、患者の炎症性皮膚疾患または障害の治療または予防のための医薬の製造のための使用。
[項26]
患部に投与される前記組成物の個々の投与が、1日に2回、1日に1回、1日おきに1回、1週間に2回、1週間に3回、または1週間に1回起こりうる、項23~25のいずれか一項に記載の方法または使用。
[項27]
活性成分である3,5-ジヒドロキシ-4-イソプロピル-trans-スチルベンまたはその薬学的に許容可能な塩を含む局所用医薬エマルジョン組成物の、それを必要とする患者への使用における刺激を軽減する方法であって、前記方法が、前記活性成分、油相、水相、界面活性剤および酸化防止剤を含む均質なエマルジョン組成物を前記患者に投与することを含み、前記エマルジョン組成物が製剤1または12と任意に比較される、前記方法。
[項28]
患者への使用において、活性成分である3,5-ジヒドロキシ-4-イソプロピル-trans-スチルベンまたはその薬学的に許容可能な塩を含む組成物の、それを必要とする患者の皮膚における滞留時間を改善する方法であって、前記方法が、前記活性成分、油相、水相、界面活性剤および酸化防止剤を含む均質なエマルジョン組成物を前記患者に投与することを含み、前記エマルジョン組成物が製剤1または12と任意に比較される、前記方法。
[項29]
活性成分である3,5-ジヒドロキシ-4-イソプロピル-trans-スチルベンまたはその薬学的に許容可能な塩を含む組成物を投与された患者における副作用を軽減する方法であって、前記方法が、前記活性成分、油相、水相、界面活性剤および酸化防止剤を含む均質なエマルジョン組成物を患者に投与することを含み、前記エマルジョン組成物が製剤1または12と任意に比較される、前記方法。
[項30]
活性成分である3,5-ジヒドロキシ-4-イソプロピル-trans-スチルベンまたはその薬学的に許容可能な塩、油相、水相、界面活性剤および酸化防止剤を含む局所投与のための医薬組成物であって、前記組成物は均質であり、ヒトの皮膚への投与時に23.5ng*h/ml未満のAUC(0-tau)を生じる、前記組成物。
[項31]
前記AUCが16.0ng*h/mL未満である、項29に記載の組成物。
[項32]
活性成分である3,5-ジヒドロキシ-4-イソプロピル-trans-スチルベンまたはその薬学的に許容可能な塩、油相、水相、界面活性剤および酸化防止剤を含む局所投与のための医薬組成物であって、前記組成物は均質であり、ヒトの皮膚への投与時に11.3ng/mL未満の最大血漿レベル(Cmax)を生じる、前記組成物。
[項33]
前記最大血漿レベル(Cmax)が4ng/ml未満である、項32に記載の組成物。[項34]
活性成分である3,5-ジヒドロキシ-4-イソプロピル-trans-スチルベンまたはその薬学的に許容可能な塩、油相、水相、界面活性剤および酸化防止剤を含む局所投与のための医薬組成物であって、前記組成物は均質であり、新たに摘出されたヒト腹部の皮膚を用いた場合における、(活性強度により)正規化された皮膚流量(ng*cm/hr)に対する定常状態で測定された真皮量(ng)の比が1000~5000となるようにin vitro系に投与される、前記組成物。