(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023113867
(43)【公開日】2023-08-16
(54)【発明の名称】蒸気生成装置用の電磁誘導加熱アセンブリ
(51)【国際特許分類】
A24F 40/465 20200101AFI20230808BHJP
A24F 40/53 20200101ALI20230808BHJP
A24F 40/51 20200101ALI20230808BHJP
【FI】
A24F40/465
A24F40/53
A24F40/51
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023094179
(22)【出願日】2023-06-07
(62)【分割の表示】P 2020535583の分割
【原出願日】2018-12-28
(31)【優先権主張番号】17211203.9
(32)【優先日】2017-12-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(31)【優先権主張番号】107146588
(32)【優先日】2018-12-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(71)【出願人】
【識別番号】516004949
【氏名又は名称】ジェイティー インターナショナル エスエイ
【住所又は居所原語表記】8,rue Kazem Radjavi,1202 Geneva,SWITZERLAND
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジル,マーク
(57)【要約】 (修正有)
【課題】適切な温度監視及び/又は制御を行う蒸気生成装置用の加熱アセンブリを提供する。
【解決手段】加熱アセンブリは、電磁誘導コイル16であって、その半径方向内側に、使用中に、気化可能物質22及び電磁誘導加熱可能サセプタ24を含む物体を収容するための加熱コンパートメントが画定される、電磁誘導コイルと、加熱コンパートメントの端部にある電磁誘導コイルの中心縦軸上の加熱コンパートメントの側面と向き合って配置される温度センサ11とを含み、電磁誘導コイルは、使用中に、サセプタを加熱するようになっており、温度センサは、使用中に、サセプタから生成された熱に関連した温度を監視するようになっている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
蒸気生成装置用の電磁誘導加熱アセンブリであって、
電磁誘導コイルであって、その半径方向内側に、使用中に、気化可能物質及び電磁誘導加熱可能サセプタを含む物体を収容するための加熱コンパートメントが画定される、電磁誘導コイルと、
前記加熱コンパートメントの端部にある前記電磁誘導コイルの中心縦軸上の前記加熱コンパートメントの側面に向き合って配置された温度センサと、を含み、
前記電磁誘導コイルは、使用中に、前記サセプタを加熱するようになっており、前記温度センサは、使用中に、前記サセプタから生成された熱に関連した温度を監視するようになっている、電磁誘導加熱アセンブリ。
【請求項2】
前記電磁誘導コイルは円筒形の形状を有する、請求項1に記載の加熱アセンブリ。
【請求項3】
前記温度センサは、前記電磁誘導コイルの軸方向中央と前記電磁誘導コイルの軸方向端部との間に配置され、好ましくは前記電磁誘導コイルの前記軸方向端部は、前記温度センサが向き合って配置される前記加熱コンパートメントの前記側面に最も近い軸方向端部である、請求項1又は2に記載の加熱アセンブリ。
【請求項4】
前記温度センサは、使用中に、前記電磁誘導コイルの前記軸方向中央と前記温度センサに近い前記電磁誘導コイルの前記端部との間の中間にある点よりも、前記電磁誘導コイルの前記軸方向中央の近くに延びないように寸法決めされ且つ配置される、請求項1~3の何れか一項に記載の加熱アセンブリ。
【請求項5】
請求項1~4の何れか一項に記載の電磁誘導加熱アセンブリと共に使用するための電磁誘導加熱可能カートリッジであって、
固体気化可能物質と、
前記気化可能物質によって保持される電磁誘導加熱可能サセプタであって、平面状であり、外側を向いた縁部及び内側を向いた縁部を有する、電磁誘導加熱可能サセプタと、を含み、
第1の面積を有する前記カートリッジの中央領域における前記サセプタの内側を向いた縁部の全長は、前記カートリッジの複数の外側領域のいずれかにおける前記サセプタの外側を向いた縁部の全長よりも長く、前記複数の外側領域の各々は前記中央領域と同じ形状及び向きを有し、且つ前記第1の面積と等しい面積を有し、前記外側領域は前記カートリッジの外側の周縁部を半径方向に越えて延びることがある、電磁誘導加熱可能カートリッジ。
【請求項6】
前記サセプタは、前記中央領域内に開口部を有する、請求項5に記載のカートリッジ。
【請求項7】
前記中央領域は、前記外側領域のいずれかにおける複合縁部の全長よりも長い複合縁部の全長を有し、前記複合縁部は、内側を向いた縁部部分及び外側を向いた縁部部分を含む、請求項6に記載のカートリッジ。
【請求項8】
前記サセプタは複数のプレートを含み、前記プレートは平行な平面に配置される、請求項5~7の何れか一項に記載のカートリッジ。
【請求項9】
各プレートはディスク、又はリング、又は同様の形状の一部の形態を取り、各々が、前記プレートと前記中央領域の中心点との間に半径方向の離隔距離を有して配置される、請求項8に記載のカートリッジ。
【請求項10】
請求項1~4の何れか一項に記載の電磁誘導加熱アセンブリと共に使用するための電磁誘導加熱可能カートリッジであって、
固体気化可能物質と、
前記気化可能物質によって保持される電磁誘導加熱可能サセプタであって、1つ又は複数のサセプタプレートを含み、前記1つ又は複数のサセプタプレートは、2つ以上のサセプタプレートがある場合、実質的に平行な平面内に配置され、開口部を提供するようにリング形状をしており、前記開口部のうちの少なくとも1つは、温度監視領域を半径方向に囲み、前記カートリッジの中心と前記温度監視領域との間に軸方向に配置され、温度センサは、前記カートリッジが電磁誘導加熱アセンブリの前記加熱コンパートメントにはめ込まれたときに前記サセプタプレートのうちのいずれかの前記開口部を実質的に通過することなく、前記温度監視領域に突き出ていることがあり、前記カートリッジは、電磁誘導加熱アセンブリの前記加熱コンパートメントにはめ込まれたときに温度センサが前記温度監視領域に突き出るようにするための、前記温度監視領域に隣接する変形可能部分を更に含む、電磁誘導加熱可能サセプタと、を含む、電磁誘導加熱可能カートリッジ。
【請求項11】
前記気化可能物質は、タバコ、湿潤剤、グリセリン、及び/又はプロピレングリコールを含む、請求項5~10の何れか一項に記載のカートリッジ。
【請求項12】
蒸気生成装置であって、
請求項1~4の何れか一項に記載の電磁誘導加熱アセンブリと、
前記電磁誘導加熱アセンブリの加熱コンパートメント内部に配置された請求項5~10の何れか一項に記載の電磁誘導加熱可能カートリッジと、
前記加熱コンパートメントに空気を供給するようになっている吸気口と、
前記加熱コンパートメントと連通している排気口と、を含む、蒸気生成装置。
【請求項13】
前記カートリッジは、前記カートリッジの中央領域内に開口部を有するサセプタを含み、前記温度センサが前記開口部の内部に配置されるように、前記サセプタは向けられ、前記開口部は寸法決めされ配置される、請求項12に記載の蒸気生成装置。
【請求項14】
前記カートリッジのサセプタの外側部分は、前記電磁誘導加熱アセンブリの温度センサが電磁誘導コイルに対する距離よりも、前記電磁誘導加熱アセンブリの前記電磁誘導コイルにより近い、請求項12又は13に記載の蒸気生成装置。
【請求項15】
前記電磁誘導加熱アセンブリの温度センサは、前記電磁誘導加熱アセンブリの電磁誘導コイルの軸方向中央と前記電磁誘導コイルの軸方向端部との間に配置され、前記電磁誘導加熱可能カートリッジの一部は、使用中に前記電磁誘導コイルの前記軸方向中央に配置される、請求項12~14の何れか一項に記載の蒸気生成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蒸気生成装置用の電磁誘導加熱アセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
昨今、吸入用の蒸気を生成する物質を燃やすのではなく加熱する装置が、消費者に人気になってきている。
【0003】
そのような装置は、幾つかの異なる方式のうちの1つを使用して、物質に熱を提供することができる。そのような方式の1つは、素子を加熱するために電力が供給される加熱素子を単純に設けて、次いでその素子が物質を加熱して蒸気を生成するというものである。
【0004】
そのような蒸気生成を実現する1つの方法は、電磁誘導加熱方式を採用した蒸気生成装置を提供することである。そのような装置では、電磁誘導コイル(以降では、インダクタ及び電磁誘導加熱装置とも呼ばれる)が装置に設けられ、サセプタは蒸気生成物質を設けられる。ユーザが装置を作動させると電気エネルギーがインダクタに供給され、次いでこれにより、電磁(EM)場が発生する。サセプタは場と結合し、熱を生成し、この熱は物質に伝達され、物質が加熱されると蒸気が発生する。
【0005】
蒸気を生成するために電磁誘導加熱を使用すると、制御された加熱、ひいては制御された蒸気生成がもたらされる可能性がある。しかしながら、実際には、そのような方式は、蒸気生成物質において不適切な温度が知らないうちに生じることになり得る。これにより電力が浪費され、動作コストが高くつき、部品に損傷を与えるか又は蒸気生成物質の使用が非効率的になる恐れがあり、簡素で信頼性の高い装置を期待するユーザに不便をかけることがある。
【0006】
このことは、従来は、装置内の温度を監視することにより対処されてきた。適切な温度監視及び/又は制御も重要である、というのも、これにより、蒸気を生成するために使用される物質の過熱又は燃焼が防止されるからである。しかしながら、これらの温度は信頼性が低く、実際に生成された温度を表してはおらず、そのような装置の信頼性を更に低減させていることが分かった。
【0007】
本発明は、上記の問題点のうちの少なくとも幾つかを克服しようと務めるものである。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1の態様によれば、蒸気生成装置用の電磁誘導加熱アセンブリが提供され、この加熱アセンブリは、電磁誘導コイルであって、その半径方向内側に、使用中に、気化可能物質及び電磁誘導加熱可能サセプタを含む物体を収容するための加熱コンパートメントが画定される、電磁誘導コイルと、加熱コンパートメントの端部にある電磁誘導コイルの中心縦軸上の加熱コンパートメントの側面と向き合って配置される温度センサと、を含み、電磁誘導コイルは、使用中に、サセプタを加熱するようになっており、温度センサは、使用中に、サセプタから生成された熱に関連した温度を監視するようになっている。
【0009】
(なお、加熱コンパートメントの側面という用語は、ここでは、加熱コンパートメントの軸方向端部を含むように使用される。)
【0010】
電磁誘導コイルをこの位置に配置することにより、温度を正確に測定する能力と、温度センサによって生成される信号中の、電磁誘導コイルによって生成されるEM場によって引き起こされるノイズの低減との間に適切なバランスが達成されることが分かった。従って、これにより、監視される温度の正確度が向上すると同時に、監視される温度の精度も向上させることができ、従って、温度センサを配置するための最適な位置が提供される。熱が発生する場所から温度センサを離すこと、及びセンサとEM場の発生源との間に間隙を設けることにより、温度センサによって生成される信号中のノイズが低減され、これにより、監視される温度の精度が向上する可能性がある。しかしながら、これにより、監視される温度の正確度が低下する、というのも、温度センサが、熱が生成される場所から離れているからである。一方、温度センサを電磁誘導コイルの軸方向中央に配置することにより、その位置でのEM場の強度がより大きくなるために、ノイズの量が増加する。そのため、これにより、監視される温度が、加熱によって達成される温度を表す可能性は高くなるものの、達成できる精度が低下する。
【0011】
上述したような加熱コンパートメントに関連して「~の側面に向かい合って配置される」という語句は、温度センサが、加熱コンパートメントの側面上に配置されるということを意味することが意図されている。例えば、この語句は、温度センサの全ての部分が、加熱コンパートメントの中央、又は加熱コンパートメントの中央を通過する加熱コンパートメントの側面に平行な平面よりも、加熱コンパートメントの側面により近い場合があることを意味することを意図している。
【0012】
サセプタは、アルミニウム、鉄、ニッケル、ステンレス鋼、及びそれらの合金(例えば、ニッケルクロム)のうちの1つ又は複数を含むことがあるが、これらに限定はされない。サセプタの近傍に電磁場を印加すると、渦電流及び磁気ヒステリシス損失により電磁気から熱へのエネルギー変換がもたらされるのに起因して、サセプタが熱を生成することができる。
【0013】
電磁誘導コイルは、使用中にサセプタに熱を提供することができる任意の形状を有することがある。通常は、電磁誘導コイルは円筒形である。これにより、他のコイル形状を用いて生成可能な場と比較して、コイルの半径方向内側に改善された場均一性を有するEM場が提供される。これにより、より均一な加熱がもたらされ、温度監視が物体の温度をよりよく表すようになる。また、これにより、EM場とサセプタとの結合が強化され、加熱がより効率的になる。
【0014】
好ましくは、温度センサは、単に好ましくは、電磁誘導コイルの軸方向中央と電磁誘導コイルの軸方向端部との間に配置されることがある。これにより、サセプタとEM場との強い結合のおかげで効果的に熱が生成される領域の内部に温度センサが配置される。また、EM場の強度は、電磁誘導コイルの軸方向中央よりも低くなる。これにより、EM場の干渉がより小さくなるので、監視される温度は加熱によって生成される温度をよりよく表すようになり、従って、より正確になる。また好ましくは、電磁誘導コイルの軸方向端部は、温度センサが向かい合って配置される加熱コンパートメントの側面に最も近い軸方向端部であり得る。
【0015】
温度センサは、単に好ましくは、電磁誘導コイルの軸方向端部に、又は電磁誘導コイルのほぼ軸方向端部、例えば、電磁誘導コイルの軸方向端部から、電磁誘導コイルの中心に向けて又は電磁誘導コイルの中心から離れるように、最大で電磁誘導コイルの長さの4分の1の距離だけ移動した任意の地点など、に配置することもできる。センサを電磁誘導コイルの軸方向端部を越えた位置に設けると、温度センサによって生成される信号中のノイズの量が更に低減される、というのも、電磁誘導コイルの軸方向中央からの距離が長くなるにつれて、温度センサとEM場との間の相互作用が小さくなるからである。
【0016】
これに加えて或いはその代わりに、温度センサは加熱コンパートメントの内部に配置されるか、又は加熱コンパートメントの内部に向かって突き出ていることがある。これにより、物体が配置される領域の内部に温度センサが配置され、物体が加熱コンパートメント内に配置されたときに、物体が温度センサを囲むようになる。これにより、温度センサが、よりよく表わされた監視温度を提供するようになる、というのも、温度センサが、熱が生成される環境の中に配置され、加熱中に熱が渡される物質によって囲まれるからである。
【0017】
コイルの軸方向に垂直な温度センサの断面積は、10.0平方ミリメートル(mm2)未満、好ましくは7.0mm2未満、より好ましくは2.5mm2未満であり得る。これにより、温度センサがEM場へのより少ない露出を受けるようになり、従ってノイズが低減される。
【0018】
アセンブリは、使用中、最高密度の地点において約0.5T~約2.0Tの間の磁束密度を有する変動電磁場を伴って動作するようになっていることがある。
【0019】
電源及び回路は、高周波で動作するように構成されていることがある。好ましくは、電源及び回路は、約80kHz~500kHzの間、好ましくは約150kHz~250kHzの間、より好ましくは約200kHzの周波数で動作するように構成されていることがある。
【0020】
電磁誘導コイルは、任意の適切な材料を含むことがあるが、通常は、電磁誘導コイルはリッツ線又はリッツケーブルを含むことがある。
【0021】
本発明の第2の態様によれば、先行する請求項のいずれか1項による電磁誘導加熱アセンブリと共に使用するための電磁誘導加熱可能カートリッジが提供され、このカートリッジは、固体気化可能物質と、気化可能物質によって保持される電磁誘導加熱可能サセプタであって、平面状であり、サセプタの周縁部の周りに縁部を有する、電磁誘導加熱可能サセプタと、を含み、第1の面積を有するカートリッジの中央領域内のサセプタの縁部の全長は、カートリッジの複数の外側領域のうちのいずれかにおけるサセプタの縁部の全長よりも長く、複数の外側領域の各々は中央領域と同じ形状及び向きを有し、第1の面積と等しい面積を有し、外側領域はカートリッジの外側周縁部を越えて半径方向に延びることがあり、好ましくは中央領域及び複数の外側領域は連続的なアレイを形成し、アレイの外側周縁部はカートリッジの外側周縁部を包含する。
【0022】
熱がサセプタ内で生成されているとき、熱の大半はサセプタの縁部で生成される。固体気化可能物質を有することにより、サセプタはカートリッジ内部の所定位置に保持される。これにより、加熱中の熱の分散が予測可能で且つ繰り返し可能になる、というのも、縁部が移動しないからであり、気化可能物質が液体である場合には、加熱によって枯渇するので、移動する場合があり得る。第2の態様のカートリッジは、外側を向いた縁部よりも内側を向いた縁部の全長がより長くなることを兼ね備え、カートリッジの中心に加熱が集中するようにし、カートリッジの中心が均等に加熱されるようにする。これにより、第1の態様による電磁誘導加熱アセンブリを使用した温度監視がより正確になる、というのも、この領域に加熱を集中させることは、熱が温度センサから最小の距離で生成されることを意味するからである。
【0023】
「内側を向いた縁部」という語句により、この縁部は概ねサセプタの中心を向いていることを意味することを意図している。このことは、通常、内側を向いた縁部は、サセプタの外側の周囲の一部を形成するものではないことを意味する。サセプタが(カートリッジ内部の)加熱コンパートメント内に配置されると、この内側を向いた縁部は、電磁誘導コイルの最も近い部分から離れる方向を向いた縁部になることが意図されている。通常、そのような内側の縁部は、平面リング形状をしたサセプタ素子の中心内の開口部を取り囲むことがある。
【0024】
「外側を向いた縁部」とは、内側を向いた縁部の反対であることを意図している。この語句により、外側を向いた縁部とは概ねサセプタの中心から離れる方向を向いていることを意味することを意図している。このことは、通常、外側を向いた縁部は、サセプタの外側の周囲の一部を形成することを意味する。加熱コンパートメント内に配置されると、この外側を向いた縁部は、電磁誘導コイルの最も近い部分の方を向いている縁部になることが意図されている。
【0025】
単位面積内の縁部の全長は、縁部密度と呼ばれることがある。従って、外側の領域におけるサセプタの外側を向いた縁部よりも、中央領域におけるサセプタの内側を向いた縁部の縁部密度の方がより高くなることが意図されている。
【0026】
第2の態様に関連して言及されるアレイは、平面状のアレイであり得る。アレイは、サセプタ又はサセプタプレートに平行であり得る。
【0027】
「包含する」という用語により、アレイの領域は、カートリッジの領域と少なくとも同じ大きさであり、且つカートリッジの領域と重複することを意味することが意図されている。言い換えると、この用語は、アレイの端から端までの最小の距離は、カートリッジの最も広い箇所でのカートリッジの端から端までの最小距離と少なくとも等しいことを意味することが意図されている。当然ながら、最も広い箇所とは、アレイ及び/又はサセプタ/サセプタプレートの平面に平行な平面における最も広い箇所であることが意図されている。
【0028】
「カートリッジの外側の周縁部」という語句により、アレイ及びサセプタ/サセプタプレートの平面に平行な平面におけるカートリッジの最大部分におけるカートリッジの周縁部を意味することを意図している。
【0029】
サセプタは、上述したような内側を向いた縁部及び外側を向いた縁部を提供する任意の形状とすることができる。通常、サセプタは中央領域内に開口部を有する。これにより、サセプタの中心でより多くの熱が生成されるようになり、監視される温度の正確度が更に向上する、というのも、温度センサが熱を検出する前に熱が消散する距離が短くなるからである。
【0030】
第1の面積は、サセプタ(又は個々のサセプタプレート)の総面積よりも小さいことがある。更に、サセプタ(又は個々のサセプタプレート)の中心点は、各外側領域の外側にあることがある。
【0031】
中央領域及び外側領域は、サセプタ又は個々のサセプタプレートに平行な平面におけるカートリッジの断面を包含する領域の内部に規定されたアレイ又は規則的な格子内の要素を形成することがある。特に、中央領域及び外側領域は、3×3の矩形のアレイ(一致した辺を有し、矩形は正方形であってもよい)を含むことがあり、その中央のものが中央領域を形成し、他の周囲の8つの領域が外側領域を形成し、アレイの外側の境界は、カートリッジの外側の辺縁を完全に境界内にとどめるように、出来る限り小さくなるように選択される。或いは、アレイの外側の境界は、(例えば、正多角形の頂点を接続することにより)カートリッジの断面を境界内にとどめる最小の円の外側の辺縁を完全に境界内にとどめるように、出来る限り小さくなるように選択されることがある。
【0032】
断面が実質的に円形である場合、中央領域及び外側領域は以下のようにして決定されることがある。4本の線によって正方形が規定される。4本の線の各々は、カートリッジの円形断面の接線である。正方形の内側の領域は、2本の更なる線によって3つの均等な部分に分離され、この2本の更なる線は、正方形の2つの辺に平行である。正方形の内側の領域は、正方形の他の2つの辺に平行な2本の更なる線によって、やはり3つの均等な部分に分離される。これにより、正方形の9つの等しいサイズで等しい形状をした部分が形成される。4本の更なる線によって囲まれた領域が、中央領域である。各々の他の部分が、外側領域である。
【0033】
断面が実質的に正多角形である場合、中央領域及び外側領域は以下のようにして決定されることがある。カートリッジの正多角形断面の頂点を接続する円が規定される。4本の線によって正方形が規定される。4本の線の各々は、前述の円の接線である。正方形の内側の領域は、2本の更なる線によって3つの均等な部分に分離され、この2本の更なる線は、正方形の2つの辺に平行である。正方形の内側の領域は、正方形の他の2つの辺に平行な2本の更なる線によって、やはり3つの均等な部分に分離される。これにより、正方形の9つの等しいサイズで等しい形状をした部分が形成される。4本の更なる線によって囲まれた領域が、中央領域である。各々の他の部分が、外側領域である。
【0034】
断面が実質的に楕円形である場合、中央領域及び外側領域は以下のようにして決定されることがある。4本の線によって矩形が規定される。4本の線の各々は、カートリッジの楕円形断面の接線である。接線のうちの2本は、楕円形の中心点と交差する最長の直線と平行であり、他の2本の接線は、楕円形の中心点と交差する(且つ、前述の最長の直線に垂直な)最短の直線と平行である。この矩形の内側の領域は、最長の直線に平行な2本の更なる線によって、最長の直線と平行な2本の線の間の3つの均等な部分に分離される。この矩形の内側の領域は、最短の直線に平行な2本の更なる線によって、最短の直線と平行な2本の線の間のやはり3つの均等な部分に分離される。これにより、矩形の9つの等しいサイズで等しい形状をした部分が形成される。最長の直線に平行な2本の更なる線及び最短の直線に平行な2本の更なる線によって囲まれた領域が、中央領域である。各々の他の部分が、外側領域である。
【0035】
中央領域及び外側領域の各々は、それらの内部に任意の全長の縁部を有することがある。通常、中央領域は、外側領域のいずれかにおける複合縁部の全長よりも長い(又は、少なくとも外側領域の全てにおける複合縁部部分の平均全長よりも長い)、複合縁部の全長を有し、複合縁部(又は複合縁部部分)とは、内側を向いた縁部部分及び外側を向いた縁部部分を含むものである。これは、より多くの熱が中央領域で生成されるので、有利である。これにより、使用時に加熱中に温度センサの近くでより多くの熱が生成されることになる。これにより、監視される温度は加熱によって達成される温度をよりよく表すようになり、従って、より正確になる。
【0036】
サセプタは、気化可能物質を加熱するのに適した任意の形態を取ることができる。通常、サセプタは複数のプレートを含み、プレートは電磁誘導コイルの主中心軸に垂直な平行平面に配置される。これにより、サセプタ部品を気化可能物質中の複数の位置に配置することで、サセプタ縁部で生成される熱の分散が改善される。
【0037】
サセプタのプレート(互換的にプレート及びサセプタプレートと呼ばれる)は、気化可能物質を加熱するのに適した任意の態様で配置されることがある。実施形態によっては、各プレートはディスク、又はリング、又は同様の形状の一部の形態を取ることがあり、各々が、プレートと中央領域の中心点との間に半径方向の離隔距離を有して配置される。これにより、サセプタプレートとEM場との間に良好な結合がもたらされ、同時に、中央領域の中心点でのEM場の結合が最小化される。これにより、中心点から離れた位置で吸収されるエネルギーの量を増加させることにより、中央領域の中心点で吸収されるエネルギーの量が低減され、それにより、中心点でのノイズが最小限に抑えられ、それによって温度センサでのノイズが低減される。これは、温度センサと中心点とが、第1の態様の加熱コンパートメントの中心縦軸に沿って整列されているからである。中心点で、並びに電磁誘導コイルの中心縦軸に沿って(これもやはり達成される)吸収されるエネルギーの量を低減することにより、温度センサの電磁誘導加熱の量も最小限に抑えられる。
【0038】
更に、プレートは、各プレートと中央領域の中心点との間に離隔距離を有する任意の態様で、向けられていることがある。通常、プレートは、中央領域の中心点を完全に取り囲むように配置される平面内に向けられる。これにより、外側領域における外側を向いた縁部よりも、高い密度の中央領域における内側を向いた縁部がもたらされ、同時に、内側を向いた縁部を、複数の平面に分散させる。これにより、熱の大部分を生成するサセプタプレートの部分を広げることにより、熱の分布が改善される。
【0039】
「取り囲む」という用語によって、全てのサセプタプレートを連結する平面(
図7及び
図8に示すように、サセプタプレートがカートリッジ内部の異なるレベルに位置することがあっても)について、中心点がその平面内で囲まれているように、プレートが、中心点を少なくとも2次元で囲むことを意味することを意図している。
【0040】
好ましくは、各平面は1つのプレート又は2つのプレートを含むことがあり、1つのプレートを含む平面の場合、中央領域の中心点の反対側に配置されたプレートを含む更なる平面が存在することがあり、2つのプレートを含む平面の場合、それぞれのプレートの間には離隔距離があることがあり、それぞれのプレートは互いに、中央領域の中心点の反対側に配置される。サセプタプレートのこれらの配置により、気化可能材料の中に分布する中央領域内の内側を向いた縁部の高い縁部密度が提供されることが分かった。従って、これにより、熱が生成されるときに熱の分布が改善される。
【0041】
それぞれの平面におけるプレートは、気化可能材料であっても熱を均等に分散させるために、互いに対して任意の適切な態様で向けられることがある。通常、2つのプレートを含む各平面では、それぞれの平面内のプレートは、2つのプレートを含む他の各平面内のプレートとは向きが異なり、好ましくは各平面が2つのプレートを含む。これにより、気化可能材料であってもより均等な熱の分布がもたらされ、ホットスポット又はコールドスポットの可能性が低減される。
【0042】
気化可能物質は、ユーザによって吸い込まれることになる蒸気を生成するのに適した任意の成分を含むことがある。通常、気化可能物質は、タバコ、湿潤剤、グリセリン、及び/又はプロピレングリコールを含む。
【0043】
気化可能物質は、任意のタイプの固体又は半固体の材料である。蒸気生成固体のタイプの例としては、粉末、顆粒、ペレット、断片、ストランド、多孔質材料又はシート、が挙げられる。物質は、植物由来の材料を含むことがあり、特に、物質はタバコを含むことがある。
【0044】
好ましくは、気化可能物質はエアロゾル形成剤を含むことがある。エアロゾル形成剤の例としては、グリセリン又はプロピレングリコールなどの多価アルコール及びその混合物が挙げられる。通常、気化可能物質は、乾燥重量ベースで約5%~約50%の間のエアロゾル形成剤含有率を含むことがある。好ましくは、気化可能物質は、乾燥重量ベースで約15%のエアロゾル形成剤含有率を含むことがある。
【0045】
加熱すると、気化可能物質は揮発性化合物を放出することがある。揮発性化合物は、ニコチン、又はタバコ香味料などの香味化合物を含むことがある。
【0046】
カートリッジは、使用中に気化可能物質が中に配置される通気性シェルを含むことがある。通気性材料は、電気絶縁性で非磁性の材料であり得る。この材料は、高い通気性を有し、高温に対する耐性を備えたこの材料を通して空気が流れるのを可能にすることができる。適切な通気性材料の例としては、セルロース繊維、紙、綿、及び絹が挙げられる。通気性材料は、フィルタとしても作用することがある。或いは、物体は、紙に包まれた気化可能物質であり得る。或いは、物体は、通気性ではないが、空気が流れるようにするための適切な穿孔又は開口部を備える材料の内側に保持された気化可能物質であり得る。或いは、物体は、気化可能物質そのものであり得る。物体は、実質的に棒状に形成されることがある。
【0047】
本発明の第3の態様によれば、本発明の第1の態様による電磁誘導加熱アセンブリと共に使用するための電磁誘導加熱可能カートリッジが提供され、このカートリッジは、固体気化可能物質と、気化可能物質によって保持される電磁誘導加熱可能サセプタであって、1つ又は複数のサセプタプレートを含み、この1つ又は複数のサセプタプレートは、2つ以上のサセプタプレートがある場合、実質的に平行な平面内に配置され、開口部を提供するようにリング形状をしており、開口部のうちの少なくとも1つは、温度監視領域を半径方向に囲み、カートリッジの中心と温度監視領域との間に軸方向に配置され、温度センサは、カートリッジが電磁誘導加熱アセンブリの加熱コンパートメントにはめ込まれたときにサセプタプレートのうちのいずれかの開口部を実質的に通過することなく、温度監視領域に突き出ていることがある、電磁誘導加熱可能サセプタと、を含む。
【0048】
好ましくは、本発明の第3の態様による電磁誘導加熱可能カートリッジは、電磁誘導加熱アセンブリの加熱コンパートメントにはめ込まれたときに温度センサが温度監視領域に突き出るのを可能にするために、温度監視領域に隣接する変形可能部分を更に含むことがあり、また好ましくは、温度監視領域に隣接する変形可能部分は、電磁誘導加熱アセンブリの加熱コンパートメントにはめ込まれたときに温度センサのまわりで使用中に変形するようになっており、それによって、温度センサが温度監視領域に突き出ることを可能にする。変形可能部分を設けることにより、カートリッジの表面(例えば、繊維質の紙のような材料であり得る)は無傷のままであり、カートリッジが使用された後の気化可能材料(例えば、タバコ材料)の漏出を防止する。更に、これにより、温度センサがカートリッジの過度に深くに突き出て、従って、加熱装置の電磁誘導コイルの中心(通常、カートリッジの加熱を最大にするために、カートリッジの中心と一致するようになっている)で発生する非常に強い磁場に接近するのを防止することができる。
【0049】
なお、壊れやすい外側部分ではなく、変形可能な外側部分を有するカートリッジを使用する場合、通常、カートリッジの内部に含まれる気化可能材料(固体だが変形可能なタバコ材料-例えば、タバコのストランド、が好ましい)を、温度センサが温度監視領域に突き出るようにするのに十分なだけ圧縮できるようにするために、(カートリッジが壊れやすい部分を有する場合に比べて、-以下を参照)わずかにより大きな開口部が、温度監視領域に隣接するサセプタ中に必要である。(なお、壊れやすい部分が設けられる場合、温度センサは、比較的に小さな開口部のみがサセプタディスクに必要になるように、カートリッジに挿入されたときにほんの少量のタバコ材料を移動させる、(鋭い)尖った先端を具備することができる)。しかしながら、温度センサが、サセプタの内側の縁部の温度を直接的に監視するのではなく、気化可能材料の温度を監視するように、カートリッジに挿入されたときに、サセプタの内側の縁部と温度センサとの間に隙間があることが好ましい。そのような隙間は、カートリッジの外径の約5%~20%の間であることが好ましい。
【0050】
本発明の第4の態様によれば、蒸気生成装置が提供され、この蒸気生成装置は、第1の態様による電磁誘導加熱アセンブリと、電磁誘導加熱アセンブリの加熱コンパートメントの内部に配置された第2又は第3の態様による電磁誘導加熱可能カートリッジと、加熱コンパートメントに空気を供給するようになっている吸気口と、加熱コンパートメントと連通した排気口と、を含む。
【0051】
カートリッジは、任意の適切な態様で加熱コンパートメント内に配置されることがある。通常、カートリッジは、カートリッジの中央領域内に開口部を有するサセプタを含み、温度センサが開口部の内部に配置されるように、サセプタは向けられ、開口部は寸法決めされ配置される。これにより、サセプタが、電磁誘導加熱アセンブリの電磁誘導コイルによって使用中に生成されたEM場と結合することが可能になり、同時に、電磁誘導加熱アセンブリの温度センサと相互作用し、温度センサによって生成される信号中のノイズを生成する、EM場を最小限に抑えることができる。
【0052】
好ましくは、カートリッジのサセプタの外側部分は、電磁誘導加熱アセンブリの温度センサが電磁誘導コイルに対する距離よりも、電磁誘導加熱アセンブリの電磁誘導コイルにより近いことがある。これにより、エネルギーが温度センサによって吸収される代わりに、サセプタがEM場からのエネルギーを吸収するおかげで、温度センサによって生成される信号中のノイズが更に低減される。
【0053】
好ましくは、電磁誘導加熱アセンブリの温度センサは、電磁誘導加熱アセンブリの電磁誘導コイルの軸方向中央と電磁誘導コイルの軸方向端部との間に配置され、電磁誘導加熱可能カートリッジの一部は、使用中に電磁誘導コイルの軸方向中央に配置される。これは、第1の態様に関連して上述したのと同じ利点を有する。
【図面の簡単な説明】
【0054】
電磁誘導加熱アセンブリの例及び電磁誘導加熱可能カートリッジの例を、添付の図を参照しながら、以下で詳細に説明する。
【0055】
【
図2】
図1に示した例による蒸気生成装置の分解図を示す。
【
図3】例示的な電磁誘導コイル及び温度センサの概略図を示す。
【
図4】例示的な電磁誘導加熱可能カートリッジ、電磁誘導コイル、及び温度センサの概略図を示す。
【
図5A-5B】例示的な電磁誘導加熱可能カートリッジの断面平面図を示す。
【
図6A-6C】例示的なサセプタプレートの概略図を示す。
【
図7】例示的なサセプタプレートの例示的な構成を示す。
【
図8】例示的なサセプタプレートの更なる例示的な構成を示す。
【発明を実施するための形態】
【0056】
ここで、蒸気生成装置の例について説明する。これには、例示的な電磁誘導加熱アセンブリ、例示的な電磁誘導加熱可能カートリッジ、及び例示的なサセプタの説明が含まれる。
【0057】
ここで
図1及び
図2を参照すると、例示的な蒸気生成装置が、
図1では組み立てられた構成で、
図2では組み立てられていない構成で、1で一般的に示される。
【0058】
例示的な蒸気生成装置1は、手持ち式の装置であり(これは、ユーザが片手で補助なしで保持及び支持できる装置を意味することを意図している)、この手持ち式装置は電磁誘導加熱アセンブリ10、電磁誘導加熱可能カートリッジ20、及びマウスピース30を有する。蒸気は、カートリッジが加熱されたときにカートリッジによって放出される。従って、電磁誘導加熱アセンブリを使用して電磁誘導加熱可能カートリッジを加熱することで、蒸気が生成される。その後、ユーザはマウスピースにおいて蒸気を吸い込むことができる。
【0059】
この例では、ユーザは、カートリッジが加熱されると、電磁誘導加熱可能カートリッジ20の中又はその周りを通ってマウスピース30から出るように周囲環境から装置1に空気を引き込むことで、蒸気を吸い込む。これは、カートリッジを電磁誘導加熱アセンブリ10の一部によって画定される加熱コンパートメント12の中に配置し、このコンパートメントが、デバイスが組み立てられたときに、アセンブリ内に形成される吸気口14及びマウスピース内の排気口32とガス接続することで達成される。これにより、負圧を印加することで装置を通じて空気を引き込むことが可能になり、負圧は通常、ユーザが排気口から空気を吸い込むことで生成される。
【0060】
カートリッジ20は、気化可能物質22及び電磁誘導加熱可能サセプタ24を含む物体である。この例では、気化可能物質は、タバコ、湿潤剤、グリセリン、及びプロピレングリコールのうちの1つ又は複数を含む。気化可能物質は固体でもある(なお、プロピレングリコール及びグリセリンなどの液体成分は、タバコなどの吸収性固体材料によって吸収されることがある)。サセプタは、導電性の複数のプレートを含む。この例では、カートリッジは気化可能物質及びサセプタを包含するための層又は膜26も有し、この層又は膜は通気性である。他の例では、膜は存在しない。
【0061】
上述のように、電磁誘導加熱アセンブリ10を使用してカートリッジ20を加熱する。アセンブリは、電磁誘導コイル16及び電源18の形態での電磁誘導加熱装置を含む。電源及び電磁誘導コイルは、これら2つの部品間で電力を選択的に伝送することができるように、電気的に接続されている。
【0062】
この例では、電磁誘導コイル16は実質的に円筒形であり、その結果、電磁誘導加熱アセンブリ10の形状もまた実質的に円筒形である。加熱コンパートメント12は、電磁誘導コイルの半径方向内側に画定され、底部が電磁誘導コイルの軸方向の端部にあり、側壁が電磁誘導コイルの半径方向の内側の周りにある。加熱コンパートメントは、底部に対して電磁誘導コイルの反対側の軸方向端部で開いている。蒸気生成装置1が組み立てられると、この開口部はマウスピース30によって覆われ、排気口32の開口部が、加熱コンパートメントの開口部に位置する。図に示した例では、吸気口14は、加熱コンパートメントの底部にある加熱コンパートメントへの開口部を有する。
【0063】
温度センサ11は、加熱コンパートメント12の底部に配置される。従って、温度センサは、加熱コンパートメントの内部に、加熱コンパートメントの底部と同じ電磁誘導コイル16の軸方向端部に配置される。これは、カートリッジ20が加熱コンパートメントに配置されたとき、且つ、蒸気生成装置1が組み立てられたとき(言い換えると、蒸気生成装置が使用中であるか又は使用の用意が整っているとき)、カートリッジは温度センサの周りで変形する、ということを意味する。これは、この例では、温度センサは、その大きさ及び形状のおかげで、カートリッジの膜26に穴を開けないからである。
【0064】
温度センサ11も、電磁誘導コイル16の中心縦軸34上に配置される。
図3に示すように、電磁誘導コイルは軸方向端部36、38を有する。これらは、コイルの末端の端部である。電磁誘導コイルは、軸方向中央40も有する。これは、電磁誘導コイルの軸方向端部間の中間に位置する。中心縦軸は、軸方向端部のそれぞれ及び電磁誘導コイルの軸方向中央にまたがる平面と交差する。
図3では、温度センサは、一方の軸方向端部と軸方向中央との間にのみ配置されて示される。これは、一部の例では許容される。
図3は、電磁誘導コイルによって生成可能なEM場の例示的なEM場の力線42も示している。これらは、概ね楕円形の形状であり、この楕円形は、コイルのほぼ軸方向中央に最も広い箇所を有する。EM場に対する温度センサの位置のおかげで、これにより、温度センサが軸方向中央から離れて配置されるほど、EM場との相互作用が弱くなる。
【0065】
図4は、装置が組み立てられたときに、電磁誘導コイル16、カートリッジ20、及び温度センサ11が互いに対してどのように配置されるかを示す拡大図である。
図4は、電磁誘導コイルによって生成可能なEM場の例示的なEM場の力線44も示している。この例では、3つのサセプタプレートがあり、そのそれぞれが平行な平面に配置されており、各平面は、電磁誘導コイルの中心縦軸に垂直である。サセプタプレートは、カートリッジの中央に配置され、従って、それらの中心点は、電磁誘導コイルの中心縦軸に沿って整列される。サセプタプレート自体は、サセプタプレートが電磁誘導コイルの中心縦軸に垂直になるように向けられる。
【0066】
サセプタプレート24は、温度センサ11よりも幅が広い。このことは、各サセプタプレートの部分が、温度センサよりも、電磁誘導コイル16により近くなることを意味する。これにより、EM場が生成されたときに、温度センサがEM場と相互作用するよりも、サセプタプレートがより一層EM場と相互作用するようになる。
【0067】
図1及び
図2に戻り、温度センサ11は、電磁誘導加熱アセンブリ10内部に配置されたコントローラ13と電気的に接続される。コントローラは、電磁誘導コイル16及び電源18にやはり電気的に接続され、また、使用中に、電磁誘導コイル及び温度センサのそれぞれにいつ電源から電力を供給すべきかを判断することで、電磁誘導コイル及び温度センサの動作を制御するように適合されている。
【0068】
上述のように、蒸気を生成するために、カートリッジ20が加熱される。これは、電磁誘導コイル16への電源18によって供給される電流によって、達成される。電流は、電磁誘導コイルを通って流れ、コイルの近傍の領域に制御されたEM場を生成する。生成されたEM場は、外部サセプタ(この場合には、カートリッジのサセプタプレート)がEMエネルギーを吸収して熱に変換するためのソースを提供し、それによって、電磁誘導加熱が達成される。
【0069】
より詳細には、電力を電磁誘導コイル16に供給することで、電流が電磁誘導コイルを通過するようになり、EM場が生成される。電磁誘導コイルに供給される電流は交流(AC)電流である。これにより、カートリッジ内部で熱が生成される、というのも、カートリッジが加熱コンパートメント12の中に配置されると、サセプタプレートが、図に示すように電磁誘導コイル16の半径と(実質的に)平行に配置されるか、又は少なくとも電磁誘導コイルの半径に平行な長さ成分を持つことが意図されているからである。従って、カートリッジが加熱コンパートメント内に配置されている間にAC電流が電磁誘導コイルに供給されると、サセプタプレートの配置により、各サセプタプレートと電磁誘導コイルによって生成されたEM場とが結合するので、各プレート内で渦電流が引き起こされる。これにより、電磁誘導によって各プレートで熱が発生する。
【0070】
カートリッジ20のプレートは、この例では各サセプタプレートと気化可能物質との直接的な又は間接的な接触によって、気化可能物質22と熱的に連通している。これは、サセプタ24が電磁誘導加熱アセンブリ10の電磁誘導コイル16によって電磁誘導的に加熱されると、熱がサセプタ24から気化可能物質22に伝達されて気化可能物質22が加熱され、蒸気が発生することを意味する。
【0071】
温度センサ11が使用中の場合、温度センサは表面で温度を測定することで温度を監視する。各温度測定値は電気信号の形態でコントローラ13に送信される。
【0072】
カートリッジ20は、幾つかの可能な構成を持つ。幾つかの例示的な構成が、残りの図に示されている。ここで
図5A及び
図5Bを参照すると、これらは2つの例示的なカートリッジを示している。
【0073】
図5Aは、カートリッジ20を示しており、このカートリッジ20は、その長さ方向に垂直な円形の断面を有する。このカートリッジは、円形のサセプタプレート24を囲む気化可能物質22を有する。
図5Aは、カートリッジの1つの円形サセプタプレートを示す。このサセプタプレートの中心点は、カートリッジの中心点と整列している。サセプタプレートは、その中心に円形の開口部46を有する。これは、サセプタプレートの辺縁(即ち、外側の周縁部)の周りに外側を向いた縁部48を有することに加えて、サセプタプレートは、開口部の周縁部の周りに内側を向いた縁部50も有することを意味する。
【0074】
図5A(及び
図5B)には、格子52が示されている。この格子は、3×3のアレイに配置された9つの等しいサイズの正方形で構成される。このアレイは、アレイの外側の辺が、
図5Aに示すカートリッジ20の外側の縁部に対して接線を形成するように、寸法決めされる。アレイの中央の正方形(即ち、中央の行及び中央の列内にある中央の正方形)の辺もまた、サセプタプレート24内の開口部46の周縁部に対して接線を形成する。従って、この中央領域は、サセプタプレートの内側を向いた縁部50を含む。この領域内の内側を向いた縁部の長さは、アレイの他の8つの正方形によって提供される外側領域のいずれかにおける外側を向いた縁部の長さよりも長い。これは、サセプタプレートがEM場と結合したときに、熱の大半が中央領域で生成されることを意味する。
【0075】
図5Bは、
図5Aに示したカートリッジと類似のカートリッジ20を示す。唯一の違いは、このカートリッジは、円形の断面の代わりに五角形の断面を有することである。この例では、格子52は、
図5Aで示した格子と依然として同じサイズ及び形状である。従って、この格子の辺は、五角形の頂点を結ぶ円(図示せず)に対して接線を形成する。
【0076】
図6A、
図6B、及び
図6Cは、サセプタプレート24の例示的な構成を示す。上述したように、サセプタプレートは3つの平面に配置される。
図6A、
図6B、及び
図6Cはそれぞれ、これらの平面のうちの1つを示す。各サセプタプレートは、2つの部分24A、24Bを有する。これらの部分は、同じ形状をした円のセグメントである。これらの部分は分離されており、これらの部分間の隙間は、これらの部分をセグメントとする円の残りの部分が、もし存在する場合に配置されることになる領域に、存在する。これらの部分はそれぞれ、外側を向いた縁部を有し、これは、円の辺縁からの円弧を提供する湾曲した縁部である。各部分は、内側を向いた縁部も有する。内側を向いた縁部は直線であり、各部分の周縁部の残りの部分を構成する。
【0077】
図6A~
図6Cは、
図5A及び
図5Bと同じ格子を示す。この格子上で、サセプタプレート24の部分24A、24Bの内側を向いた縁部は、1つの正方形の幅の分だけ離れている。
図6Aでは、これは、これらの部分の内側を向いた縁部が、3×3のアレイの中央の列の反対側に位置することを意味する。従って、アレイの中央の正方形は、その内部に内側を向いた縁部の最長の長さを有し、その長さは、任意の直接的に比較可能な外側領域における外側を向いた縁部の長さよりも長い。
【0078】
図6B及び
図6Cは、
図6Aに示したサセプタプレートと同一のサセプタプレート24を示す。唯一の違いは、このプレートは、
図6Aに示したサセプタプレートの向きに対して、それぞれのサセプタプレートの中心点の周りに回転していることである。
図6Bに示したサセプタプレートは、
図6Aに示したサセプタプレートの向きから時計回りに約45度(°)回転しており、
図6Cに示したサセプタプレートは、時計回りに約135°回転している。格子は回転していないが、中央の正方形は任意の他の正方形よりも長い内側を向いた縁部の長さを保持し、また、任意の正方形に含まれる外側を向いた縁部の全長よりも長い内側を向いた縁部の長さを保持する。
【0079】
上記のように、
図6A~
図6Cは、カートリッジが組み立てられたときに、電磁誘導コイル11の中心縦軸に沿って広がる平行な平面に配置されるサセプタプレート24を示す。
図7は、
図6A~
図6Cと同様に分離された、
図6A~
図6Cに示す構成のサセプタプレートと、使用の準備が整ったときにカートリッジ内にあるように配置された、それらのサセプタプレートの平面図とを示す。組み立てられると、この配置のサセプタプレートは、カートリッジが加熱コンパートメントに配置されたときに、温度センサ11を取り囲む。従って、サセプタプレートを介して開口部が設けられ、サセプタプレートと温度センサとの間には横方向の離隔距離が維持される一方、異なるレベルに渡って完全な円の周りにサセプタが提供される。
【0080】
これを達成する更なる構成が、
図8に示されている。
図8は、サセプタ24の4つの部分24A、24B、24C、24Dを示す。
図6A~
図6C及び
図7に示したサセプタプレートの部分のように、
図8に示す各部分は、上述したサセプタプレート部分と類似の形状、サイズ、及び比率の円のセグメントとして形をとる。
図8に示したサセプタの部分は、カートリッジに配置されると、やはり、3つの平行な平面に渡って広がる。上部の平面と底部の平面は、それらのうちの単一の部分を有し、中央の平面は2つの部分を有する。内部に2つの部分を有する平面におけるサセプタ部分は、
図6Aのサセプタ部分と同じ態様で配置され向けられる。他の2つの平面におけるサセプタ部分は、単一の平面における部分と同じ配置で互いに対して配置される。これらの部分は、上述したようなサセプタプレートの中心点の周りに90°回転している。組み立てられると、これはサセプタの中央に正方形の開口部をもたらし、また、上又は下から見ると、サセプタの外側の周りに完全な円をもたらす。温度センサ11は、やはり開口部内に(半径方向に)配置される。
【0081】
本明細書の開示は、少なくとも以下の電磁誘導加熱アセンブリ、電磁誘導加熱可能カートリッジ、および蒸気生成装置を含む。
(項目1)
蒸気生成装置用の電磁誘導加熱アセンブリであって、
電磁誘導コイルであって、その半径方向内側に、使用中に、気化可能物質及び電磁誘導加熱可能サセプタを含む物体を収容するための加熱コンパートメントが画定される、電磁誘導コイルと、
前記加熱コンパートメントの端部にある前記電磁誘導コイルの中心縦軸上の前記加熱コンパートメントの側面に向き合って配置された温度センサと、を含み、
前記電磁誘導コイルは、使用中に、前記サセプタを加熱するようになっており、前記温度センサは、使用中に、前記サセプタから生成された熱に関連した温度を監視するようになっている、電磁誘導加熱アセンブリ。
(項目2)
前記電磁誘導コイルは円筒形の形状を有する、項目1に記載の加熱アセンブリ。
(項目3)
前記温度センサは、前記電磁誘導コイルの軸方向中央と前記電磁誘導コイルの軸方向端部との間に配置され、好ましくは前記電磁誘導コイルの前記軸方向端部は、前記温度センサが向き合って配置される前記加熱コンパートメントの前記側面に最も近い軸方向端部である、項目1又は2に記載の加熱アセンブリ。
(項目4)
前記温度センサは、使用中に、前記電磁誘導コイルの前記軸方向中央と前記温度センサに近い前記電磁誘導コイルの前記端部との間の中間にある点よりも、前記電磁誘導コイルの前記軸方向中央の近くに延びないように寸法決めされ且つ配置される、項目1~3のいずれか1項目に記載の加熱アセンブリ。
(項目5)
項目1~4のいずれか1項目に記載の電磁誘導加熱アセンブリと共に使用するための電磁誘導加熱可能カートリッジであって、
固体気化可能物質と、
前記気化可能物質によって保持される電磁誘導加熱可能サセプタであって、平面状であり、外側を向いた縁部及び内側を向いた縁部を有する、電磁誘導加熱可能サセプタと、を含み、
第1の面積を有する前記カートリッジの中央領域における前記サセプタの内側を向いた縁部の全長は、前記カートリッジの複数の外側領域のいずれかにおける前記サセプタの外側を向いた縁部の全長よりも長く、前記複数の外側領域の各々は前記中央領域と同じ形状及び向きを有し、且つ前記第1の面積と等しい面積を有し、前記外側領域は前記カートリッジの外側の周縁部を半径方向に越えて延びることがある、電磁誘導加熱可能カートリッジ。
(項目6)
前記サセプタは、前記中央領域内に開口部を有する、項目5に記載のカートリッジ。
(項目7)
前記中央領域は、前記外側領域のいずれかにおける複合縁部の全長よりも長い複合縁部の全長を有し、前記複合縁部は、内側を向いた縁部部分及び外側を向いた縁部部分を含む、項目6に記載のカートリッジ。
(項目8)
前記サセプタは複数のプレートを含み、前記プレートは平行な平面に配置される、項目5~7のいずれか1項目に記載のカートリッジ。
(項目9)
各プレートはディスク、又はリング、又は同様の形状の一部の形態を取り、各々が、前記プレートと前記中央領域の中心点との間に半径方向の離隔距離を有して配置される、項目8に記載のカートリッジ。
(項目10)
項目1~4のいずれか1項目に記載の電磁誘導加熱アセンブリと共に使用するための電磁誘導加熱可能カートリッジであって、
固体気化可能物質と、
前記気化可能物質によって保持される電磁誘導加熱可能サセプタであって、1つ又は複数のサセプタプレートを含み、前記1つ又は複数のサセプタプレートは、2つ以上のサセプタプレートがある場合、実質的に平行な平面内に配置され、開口部を提供するようにリング形状をしており、前記開口部のうちの少なくとも1つは、温度監視領域を半径方向に囲み、前記カートリッジの中心と前記温度監視領域との間に軸方向に配置され、温度センサは、前記カートリッジが電磁誘導加熱アセンブリの前記加熱コンパートメントにはめ込まれたときに前記サセプタプレートのうちのいずれかの前記開口部を実質的に通過することなく、前記温度監視領域に突き出ていることがあり、前記カートリッジは、電磁誘導加熱アセンブリの前記加熱コンパートメントにはめ込まれたときに温度センサが前記温度監視領域に突き出るようにするための、前記温度監視領域に隣接する変形可能部分を更に含む、電磁誘導加熱可能サセプタと、を含む、電磁誘導加熱可能カートリッジ。
(項目11)
前記気化可能物質は、タバコ、湿潤剤、グリセリン、及び/又はプロピレングリコールを含む、項目5~10のいずれか1項目に記載のカートリッジ。
(項目12)
蒸気生成装置であって、
項目1~4のいずれか1項目に記載の電磁誘導加熱アセンブリと、
前記電磁誘導加熱アセンブリの加熱コンパートメント内部に配置された項目5~10のいずれか1項目に記載の電磁誘導加熱可能カートリッジと、
前記加熱コンパートメントに空気を供給するようになっている吸気口と、
前記加熱コンパートメントと連通している排気口と、を含む、蒸気生成装置。
(項目13)
前記カートリッジは、前記カートリッジの中央領域内に開口部を有するサセプタを含み、前記温度センサが前記開口部の内部に配置されるように、前記サセプタは向けられ、前記開口部は寸法決めされ配置される、項目12に記載の蒸気生成装置。
(項目14)
前記カートリッジのサセプタの外側部分は、前記電磁誘導加熱アセンブリの温度センサが電磁誘導コイルに対する距離よりも、前記電磁誘導加熱アセンブリの前記電磁誘導コイルにより近い、項目12又は13に記載の蒸気生成装置。
(項目15)
前記電磁誘導加熱アセンブリの温度センサは、前記電磁誘導加熱アセンブリの電磁誘導コイルの軸方向中央と前記電磁誘導コイルの軸方向端部との間に配置され、前記電磁誘導加熱可能カートリッジの一部は、使用中に前記電磁誘導コイルの前記軸方向中央に配置される、項目12~14のいずれか1項目に記載の蒸気生成装置。
【手続補正書】
【提出日】2023-07-04
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
蒸気生成装置用の電磁誘導加熱アセンブリであって、
電磁誘導コイルであって、その半径方向内側に、使用中に、気化可能物質及びサセプタを含む物体を収容するための加熱コンパートメントが画定される、電磁誘導コイルと、
前記電磁誘導コイルの中心縦軸上の前記加熱コンパートメントの端部に配置された温度センサと、を含み、
前記電磁誘導コイルは、使用中に、前記サセプタを加熱するようになっており、前記温度センサは、使用中に、前記サセプタから生成された熱に関連した温度を監視するようになっている、電磁誘導加熱アセンブリ。
【請求項2】
前記電磁誘導コイルは円筒形の形状を有する、請求項1に記載の電磁誘導加熱アセンブリ。
【請求項3】
前記温度センサは、前記電磁誘導コイルの軸方向中央と前記電磁誘導コイルの軸方向端部との間に位置している、請求項1又は2に記載の電磁誘導加熱アセンブリ。
【請求項4】
前記温度センサは、使用中に、前記電磁誘導コイルの前記軸方向中央と前記温度センサに近い前記電磁誘導コイルの前記軸方向端部との間の中間にある点よりも、前記電磁誘導コイルの前記軸方向中央の近くに延びないように寸法決めされ且つ配置される、請求項3に記載の電磁誘導加熱アセンブリ。
【請求項5】
前記電磁誘導コイルの前記軸方向端部は、前記温度センサが配置される前記加熱コンパートメントの前記端部に最も近い軸方向端部である、請求項4に記載の電磁誘導加熱アセンブリ。
【請求項6】
前記温度センサは、前記電磁誘導コイルの軸方向端部に配置される、請求項1又は2に記載の電磁誘導加熱アセンブリ。
【請求項7】
前記温度センサは、前記電磁誘導コイルの軸方向中央に向かって、または前記電磁誘導コイルの前記軸方向中央から離れるように、前記電磁誘導コイルの長さの4分の1の距離まで、前記電磁誘導コイルの前記軸方向端部から隔てた任意の位置に配置される、請求項6に記載の電磁誘導加熱アセンブリ。
【請求項8】
前記電磁誘導コイルの前記中心縦軸に垂直な前記温度センサの断面積は、10.0mm2未満である、請求項1から7のいずれか1項に記載の電磁誘導加熱アセンブリ。
【請求項9】
前記温度センサと、前記電磁誘導コイルと、電源とに、電気的に接続された、前記電磁誘導加熱アセンブリの内部に配置されたコントローラを更に含む、請求項1から8のいずれか1項に記載の電磁誘導加熱アセンブリ。
【請求項10】
電磁誘導加熱アセンブリと共に使用するための電磁誘導加熱可能カートリッジであって、
固体気化可能物質と、
前記固体気化可能物質によって保持されるサセプタプレートと、
前記サセプタプレートの縁部に隣接する変形可能外側部分と、
を含む、電磁誘導加熱可能カートリッジ。
【請求項11】
前記変形可能外側部分は、繊維材料からなる前記電磁誘導加熱可能カートリッジの表面に配置されている、請求項10に記載の電磁誘導加熱可能カートリッジ。
【請求項12】
前記サセプタプレートは、アルミニウム、鉄、ニッケル、ステンレス鋼、およびそれらの合金のうちの1つ以上を含む、請求項10又は11に記載の電磁誘導加熱可能カートリッジ。
【請求項13】
前記サセプタプレートは、ニッケルクロムを含む、請求項10又は11に記載の電磁誘導加熱可能カートリッジ。
【請求項14】
前記サセプタプレートは、前記電磁誘導コイルの半径に平行な長さ成分を有する、請求項10から13のいずれか1項に記載の電磁誘導加熱可能カートリッジ。
【請求項15】
前記サセプタプレートは、前記温度センサよりも幅広い、請求項10から14のいずれか1項に記載の電磁誘導加熱可能カートリッジ。
【請求項16】
前記固体気化可能物質は、空気流を可能にするための穿孔または開口を有する、空気透過性ではない材料の内部に配置される、請求項10から15のいずれか1項に記載の電磁誘導加熱可能カートリッジ。
【請求項17】
前記固体気化可能物質は、実質的に棒状に形成されている、請求項10から16のいずれか1項に記載の電磁誘導加熱可能カートリッジ。
【請求項18】
前記固体気化可能物質は、タバコ、湿潤剤、グリセリン、および/またはプロピレングリコールを含む、請求項10から17のいずれか1項に記載の電磁誘導加熱可能カートリッジ。
【請求項19】
蒸気生成装置であって、
電磁誘導加熱アセンブリであって、
電磁誘導コイルであって、その半径方向内側に、使用中に、気化可能物質及びサセプタを含む物体を収容するための加熱コンパートメントが画定される、電磁誘導コイルと、
前記電磁誘導コイルの中心縦軸上の前記加熱コンパートメントの端部に配置された温度センサと、を含み、
前記電磁誘導コイルは、使用中に、前記サセプタを加熱するようになっており、前記温度センサは、使用中に、前記サセプタから生成された熱に関連した温度を監視するようになっている、電磁誘導加熱アセンブリと、
前記電磁誘導加熱アセンブリの前記加熱コンパートメントの内部に少なくとも部分的に位置する、請求項10から18のいずれか1項に記載の電磁誘導加熱可能カートリッジと、
前記加熱コンパートメントに空気を供給するように構成された吸気口と、
前記加熱コンパートメントと連通している排気口と、
を有する、蒸気生成装置。
【請求項20】
前記電磁誘導加熱可能カートリッジの前記サセプタの外側部分は、前記電磁誘導加熱アセンブリの前記温度センサよりも前記電磁誘導加熱アセンブリの前記電磁誘導コイルに近い、請求項19に記載の蒸気生成装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0017
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0017】
コイルの軸方向に垂直な温度センサの断面積は、10.0平方ミリメートル(mm2)未満、好ましくは7.0mm2未満、より好ましくは2.5mm2未満であり得る。これにより、温度センサがEM場へのより少ない露出を受けるようになり、従ってノイズが低減される。