(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023113907
(43)【公開日】2023-08-16
(54)【発明の名称】輸液ポンプのためのハウジング構造
(51)【国際特許分類】
A61M 5/142 20060101AFI20230808BHJP
A61M 5/145 20060101ALI20230808BHJP
【FI】
A61M5/142 530
A61M5/145 500
【審査請求】有
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023095540
(22)【出願日】2023-06-09
(62)【分割の表示】P 2020502360の分割
【原出願日】2018-07-19
(31)【優先権主張番号】62/534,407
(32)【優先日】2017-07-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】509280394
【氏名又は名称】スミスズ メディカル エーエスディー,インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100147555
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 公一
(74)【代理人】
【識別番号】100160705
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】クリストファー アレン レイシー
(72)【発明者】
【氏名】グラント エー.アダムス
(72)【発明者】
【氏名】スティーブン プラジャー
(72)【発明者】
【氏名】ケビン クラウトバウアー
(72)【発明者】
【氏名】ジョナサン サンボーン
(72)【発明者】
【氏名】マンフレート マイヤーズ
(72)【発明者】
【氏名】ウォルター ドブロボルニー
(72)【発明者】
【氏名】エリック ジェイ.ビルコフスケ
(57)【要約】 (修正有)
【課題】ハウジングと、ユーザ・インタフェースと、一群の駆動要素と、コントローラとを含む、輸液ポンプに関する
【解決手段】ハウジング112は、他の複数台の輸液ポンプに対する選択的な積み重なった取り付けを可能とする。前記ハウジングは、外側面内に一体化された把持部132であって、略U字形状の保持構造を部分的に画成するという把持部を備えた頂部部分130を含む。前記ハウジングは、別の輸液ポンプの保持構造と選択的に結合すべく輪郭形成された略U字形状の突出部を備えた底部部分も含む。前記ユーザ・インタフェースは、前記ハウジングに対し、輸液ポンプ動作に関する命令を受信する前面側を提供する。前記モータおよび一群の駆動要素は、少なくとも部分的に前記ハウジング内に配置され、注入液の注入を機械的に行わせる。前記コントローラは、前記ハウジング内に配置され、且つ、前記モータおよび前記一群の駆動要素の動作を制御する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
他の複数の輸液ポンプとの選択的な積み重なった取り付けを可能とするハウジングであって、
前面側と、
後面側と、
略U字形状の保持構造を備えた頂部部分であって、
中央凹所の内方に向かって延在し、前記保持構造の回りに延在する上側唇部と、
前記ハウジングの外面内に形成され、前記中央凹所によって部分的に画成される把持部と、
前記ハウジングの狭幅区画と、
前記上側唇部の下方に配置され、前記上側唇部と前記後面側との間を延びる一組の受容溝と、を備えた頂部部分と、
略U字形状の突出部を備えた底部部分であって、
前記略U字形状の突出部の中央に配置された前方部分と、
フランジと外方延在唇部とを有する一組の後方部分であって、他の輸液ポンプのハウジングの受容溝へ摺動挿入され、対応する狭幅区画に当接する後方部分と、を備えた底部部分と、
を有するハウジングと、
該ハウジングの前記前面側に配置され、輸液ポンプ動作に関する命令を受信するように構成されたユーザ・インタフェースと、
少なくとも部分的に前記ハウジング内に配置され、注入液の注入を機械的に行わせるモータおよび一群の駆動要素と、
前記ハウジング内に配置され、前記モータおよび前記一群の駆動要素の動作を制御するコントローラと、
を備え、
前記略U字形状の保持構造と前記略U字形状の突出部の各々は、前記後面側と前記前面側における前記ユーザ・インタフェースとの間に配置される、輸液ポンプ。
【請求項2】
前記輸液ポンプはシリンジ・ポンプである、請求項1記載の輸液ポンプ。
【請求項3】
前記輸液ポンプは大容量ポンプである、請求項1記載の輸液ポンプ。
【請求項4】
前記ユーザ・インタフェースはタッチ画面およびキー・パッド制御器の両方を含む、請求項1記載の輸液ポンプ。
【請求項5】
前記ハウジングは、略U字形状の前記保持構造に対して着脱自在に結合する突出部を有する外部バッテリ・パックと、前側ハウジング部分と、後側ハウジング部分と、を備え、前記略U字形状の保持構造と前記略U字形状の突出部の各々は、前記後側ハウジング部分に配置される、請求項1記載の輸液ポンプ。
【請求項6】
注入液のシリンジを受容すべく構成されたシリンジ受容器と、
該シリンジ受容器の近傍に配置されて、前記シリンジのプランジャに抗する移動に基づいて前記シリンジから前記注入液を患者まで導向するシリンジ・プランジャ駆動器アセンブリと、を備え、
前記ハウジングは前記シリンジ受容器に対して結合され、前記前面側は、輸液ポンプを制御するGUIディスプレイを含み、
前記シリンジ受容器は、前記ハウジングの前記前面側にて、重なり合わない整列様式で、垂直方向において前記GUIディスプレイの近傍に配置され、
前記ハウジングは、前記シリンジ受容器内の前記シリンジと、前記GUIディスプレイ全体との両方が前記ハウジングの前記前面側にて視認可能である如く構成される、
請求項1記載の輸液ポンプ。
【請求項7】
前記シリンジ受容器は前記GUIディスプレイの下方に配置される、請求項6記載の輸液ポンプ。
【請求項8】
前記ハウジングは、他の複数の輸液ポンプに対する選択的な積み重なった取り付けに対して準備されると共に、前記ハウジングは、
外側面内に一体化されて保持構造を部分的に画成する把持部を備えた頂部部分と、
別の輸液ポンプの保持構造に対して選択的に結合すべく輪郭形成された突出部を備える底部部分と、
を有する、請求項6記載の輸液ポンプ。
【請求項9】
前記GUIディスプレイ上には4行のテキストが同時に表示可能である、請求項6記載の輸液ポンプ。
【請求項10】
前記輸液ポンプは片手操作用に構成される、請求項6記載の輸液ポンプ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願に対する相互参照
本出願は、2017年7月19日に出願された米国特許仮出願第62/534,407号明細書の優先権を主張するものであり、この出願を参照することにより全体的に本明細書中に援用される。
【0002】
各実施例は、概略的に、医療デバイスに関し、更に詳細には、シリンジ・ポンプおよび大容量ポンプ(LVP)の形態の輸液ポンプのための構造に関する。
【背景技術】
【0003】
医療分野において、輸液ポンプは、患者に対する規定の量もしくは回分量の薬剤、流体、流体状物質、または、医薬品(以下、集合的に「注入液」)の送給および投与を管理すべく有用とされてきた。輸液ポンプは、長い時間に亙り注入液を正確に送給かつ投与することにより、手動式の注入技術と比較して幾つかの相当な利点を提供し得る。
【0004】
注入ポンプは、定期的な薬理学的介入を必要とする、癌、糖尿病などの病気および障害、および、血管性、神経性および代謝性の障害を治療するために特に有用である。それはまた、医療サービス提供者が麻酔を送給して痛覚を管理する能力も増進させる。注入ポンプは、病院、養護施設、および、他の長期および短期の医療施設などの種々の設置状況において、ならびに、在宅看護の設置状況において使用される。注入ポンプは、種々の構成、動作モード、および、形式を含み得る。
【0005】
概略的に、注入ポンプは、種々の形式のポンプを含み得る。幾つかの場合、これらの注入ポンプは、シリンジ・ポンプおよびLVPを含む。それらの特定の設計態様および意図された用法に依存して、注入ポンプは、静脈内的、腹膜内的、経腸的、動脈内的、皮下的、脊髄幹的などの種々の送給方法および経路により、特に、術中部位、硬膜外空間、および、クモ膜下腔内へと注入液を投与すべく使用され得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
長年に亙り、医療環境においては種々のシリンジ・ポンプおよびLVPが使用されてきたが、これらのデバイスは寧ろ、それらの効率的、効果的および安全な用法に対する幾つかの制限がある複雑なデバイスのままである。故に、操作者に対して大きな融通性および使用の容易さを提供するシリンジ・ポンプおよびLVPに対する要望が在る。更に、多くの医療処置および治療における注入ポンプの重要な役割の故に、患者に対して大きな安全性を提供するシリンジ・ポンプおよびLVPも必要とされる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本明細書中に記述され、または、別様に企図される実施例は、実質的に、他の利点の中でも、融通性、使用の容易性、操作性、ならびに、患者の安全性を向上させる利点を提供する。
【0008】
実施例は、ハウジングと、ユーザ・インタフェースと、モータおよび一群の駆動構成要素と、コントローラとを含む注入ポンプに関する。上記ハウジングは、他の複数台の注入ポンプに対する選択的な積み重なった取り付けを可能とする。上記ハウジングは、一体化された把持部を備える頂部部分と、略U字形状の保持構造を部分的に画成する外側面とを含む。上記ハウジングはまた、別の注入ポンプの保持構造と選択的に結合すべく輪郭形成された略U字形状の突出部を備える底部部分も含む。上記ユーザ・インタフェースは、上記ハウジングに対し、注入ポンプ動作に関する命令を受信する前面側を提供する。上記モータおよび一群の駆動要素は、少なくとも部分的に上記ハウジング内に配置され、注入液の注入を機械的に行わせる。上記コントローラは、上記ハウジング内に配置され、且つ、上記モータおよび上記一群の駆動要素の動作を制御する。
【0009】
実施例は、シリンジ受容器と、シリンジ・プランジャ駆動器アセンブリと、ハウジングとを含むシリンジ・ポンプに関する。上記シリンジ受容器は、注入液のシリンジを受容すべく構成される。上記シリンジ・プランジャ駆動器アセンブリは、上記シリンジ受容器の近傍に配置されて、上記シリンジのプランジャに抗する移動および力に基づいて上記シリンジから上記注入液を患者まで導向する。上記ハウジングは、上記シリンジ受容器に対して結合され、且つ、ハウジングは、上記シリンジ・ポンプを制御するグラフィカル・ユーザ・インタフェース(GUI)ディスプレイを含む前面側を有する。上記シリンジ受容器は、上記ハウジングの上記前面側にて、重なり合わず且つ視覚的に遮らない整列様式で、垂直方向において上記GUIディスプレイの近傍に配置される。上記ハウジングは、上記シリンジ受容器内の上記シリンジと、上記GUIディスプレイ全体との両方がハウジングの上記前面側にて視認可能である如く構成される。
【0010】
実施例は、輸液ポンプ・アセンブリを含む。上記輸液ポンプ・アセンブリは、ハウジングと、ディスプレイ画面を備えたユーザ・インタフェースとを有する第1輸液ポンプを含む。上記輸液ポンプ・アセンブリはまた、ディスプレイ画面を有さない「ヘッドレス」輸液ポンプも有する。上記ヘッドレス輸液ポンプは、舌部及び溝アタッチメントにより上記第1輸液ポンプの上記ハウジングに対して取外し可能に結合される。
【0011】
実施例は、輸液ポンプ用の「フィールド交換可能ユニット」に関する。フィールド交換可能ユニットは、輸液ポンプ用の後部ハウジングを含む。後部ハウジングは、頂部部分および底部部分を有する。上記頂部部分は、一体形成の把持部構造と、一組の溝とを有する。上記底部部分は、別の後部ハウジングにおける各溝との取外し可能な結合のための突出部を有する。上記後部ハウジングは、電力ソケットとイーサネット(登録商標)・ポートとを含む。上記後部ハウジングは、LVPまたはシリンジ・ポンプのいずれかの、一群の薬剤送給要素、制御システム、および、ディスプレイに対して互換的に結合する。
【0012】
上述した概要は、図示された各実施例、または、本発明の主題の全ての実施形態を記述することは意図されない。以下における各図および詳細な説明は、種々の実施例を更に詳細に例証する。
【0013】
本発明の主題は、添付図面に関する種々の実施例の以下の詳細な説明を考慮すれば更に完全に理解され得る。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】
図1は実施例に係るシリンジ・ポンプの前方斜視図である。
【
図2】
図2は実施例に係るシリンジ・ポンプの後方斜視図である。
【
図3】
図3は実施例に係るシリンジ・ポンプの前面図である。
【
図4】
図4は実施例に係るシリンジ・ポンプの後面図である。
【
図5】
図5は実施例に係るシリンジ・ポンプの上面図である。
【
図6】
図6は実施例に係るシリンジ・ポンプの底面図である。
【
図7】
図7は実施例に係るシリンジ・ポンプの概略的システム図である。
【
図8】
図8は実施例に係るLVPの前方斜視図である。
【
図9】
図9は実施例に係るLVPの後方斜視図である。
【
図14】
図14は実施例に係るLVPの概略的システム図である。
【
図15】
図15は実施例に係るシリンジ・ポンプまたはLVPのための後部ハウジング部分を構成するFRUの一例の斜視図である。
【
図16A】
図16Aは実施例に係る複数台の輸液ポンプのラック式取り付け構造の斜視図である。
【
図16B】
図16Bは実施例に係る複数台の輸液ポンプの積み重ね取り付け構造の斜視図である。
【
図17】
図17は実施例に係る外部バックアップ・バッテリ・パックを有する輸液ポンプ装置の斜視図である。
【
図18】
図18は実施例に係る他の複数台の「ヘッドレス」LVPを備えたLVPの積み重ね取り付け構造の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
種々の実施例は種々の改変および代替的形態が可能であるが、それらの詳細は、図面中に例示的にのみ示されてきており、且つ、詳細に記述されよう。但し、その意図は、権利請求される主題を、記述された特定実施例に限定するものでないことが理解されるべきである。逆に、その意図は、各請求項により定義された主題の精神および有効範囲内に収まる全ての改変例、均等物および代替例を網羅することである。
【0016】
図1~
図7においては、シリンジ・ポンプ100の形態の輸液ポンプの種々の概観が示される。同様に、
図8~
図14においては、LVP200の形態の輸液ポンプの種々の概観が示される。シリンジ・ポンプ100およびLVP200はいずれも、ポンプ要素が容易に更新もしくは交換されることを可能とする複数の個別的なFRUを含むフィールド交換可能ユニット(FRU)設計態様を使用している。シリンジ・ポンプ100およびLVP200の両方に対し、幾つかのFRUは共通である。「シリンジ・ポンプ」とは概略的に、マイクロプロセッサの制御下にて機械的に駆動される事前充填された注入シリンジに作用して、規定の量もしくは回分量の注入液を、制御速度にて、上記シリンジに対して流体接続された注入ラインを通して患者に対して送給するポンプを包含する。シリンジ・ポンプは典型的に、たとえば、送りネジまたは調節機構を回転させるモータを含んでいる。一方、上記送りネジもしくは調節機構は、シリンジのバレル内のプランジャに当接して前方に押圧するシリンジ・ポンプのシリンジ・プランジャ駆動器を起動する。そのとき、プランジャを前方に押圧すると、注入液の回分量は、シリンジから、注入ライン内に、且つ、上述の如く患者に対して強制移動される。本開示内容を通して用いられる如く、「シリンジ・ポンプ」という語句は概略的に、シリンジに作用して、其処から流体を制御可能に外方に強制移動させる任意の医学的な輸液ポンプもしくはデバイスに関連することが意図される。
【0017】
「LVP」という語句は、種々の形態を呈し得るが、典型的には、比較的に大量の単一種または複数種の注入液を保持もしくは格納すべく構成された、カセット、IVバッグ、または、他の自己完結式供給源の如きひとつ以上のリザーバに対して結合された輸液ポンプである。本開示内容を通して用いられる如く、「LVP」という語句は、患者に対して大容量の注入を行い得る任意の医学的な輸液ポンプもしくはデバイスに関連することが意図される。
【0018】
シリンジ・ポンプ
図1~
図6を参照すると、シリンジ・ポンプ100は概略的に、ユーザ・インタフェース110、ハウジング112、シリンジ・プランジャ駆動器アセンブリ114、および、シリンジ受容器116を含む。内部的であり、または、ハウジング112により部分的もしくは全体的に覆い隠される幾つかを含む、シリンジ・ポンプ100の種々の他の特定構造は、
図7のシステム図に関して後に記述される。
【0019】
図1において見られる如く、ユーザ・インタフェース110は概略的に、ディスプレイ画面118およびキー・パッド120を含んでいる。ディスプレイ画面118は、矩形状のカラーLCDであり得ると共に、幾つかの実施例においてはタッチ画面であり得る。ディスプレイ画面118は、シリンジ・ポンプ100を制御する上で使用される任意の形式のGUIディスプレイであり得る。幾つかの実施例において、ディスプレイ画面118は、各々が30文字までの長さの4行のテキストの表示を許容すべく構成され得る。従って、ディスプレイ画面118のこのサイズは好適に、たとえば、相当な長さの薬剤名の如き情報の視認を可能とする。
【0020】
幾つかの実施例において、幾つかの命令もしくは指示は、ディスプレイ画面118の如きタッチ画面によっては制御されず、代わりに、キー・パッド120により制御される。キー・パッド120は、ディスプレイ画面118の近傍に配置されると共に、種々のボタンおよび表示ライトを呈示する。幾つかの実施例において、電源のオン・オフ、音響警報の消音、注入開始、および、注入停止などの幾つかのユーザ命令に対しては、キー・パッド120上で物理的で機械的な起動を要する押ボタンが使用される。キー・パッド120上における付加的な、もしくは、更に少ないボタンも意図される。基本的もしくは冗長的な目的に対する物理的で機械的な起動ボタンは、ディスプレイ118のタッチ画面が適切に機能しない、または、正しく操作することが困難であるという場合、操作者に対して大きな安全性および信頼性を提供する。故に、ユーザ・インタフェース110にディスプレイ画面118およびキー・パッド120の両方を含めると、画面インタフェースの融通性、ならびに、物理的制御ボタンの大きな安全性および信頼性が提供される。
【0021】
ハウジング112は概略的に、シリンジ・ポンプ100の内部要素を囲繞する保護外殻体を形成する。幾つかの実施例において、ユーザ・インタフェース110は、ハウジング112の一部と見做され得る。ハウジング112は、前側ハウジング・アセンブリ122および後側ハウジング・アセンブリ124を備えると特性記述され得る。前側ハウジング・アセンブリ122は、概略的に、LCDディスプレイ画面118、キー・パッド120、および、ユーザ・インタフェース110の回りの他の構成要素を囲繞する。前側ハウジング・アセンブリ122は、シリンジ・ポンプ100の前側部分に沿う側部パネル126を含む。前側ハウジング122の一方もしくは両方の側部パネル126上には、音響スピーカ128のための一群の小寸孔が配置され得る。
【0022】
たとえば、
図4に示された如く、後側ハウジング・アセンブリ124は、種々の輪郭形成された表面および形状を含むことで、シリンジ・ポンプ100の内部要素を保護する。後側ハウジング・アセンブリ124の頂部部分130は、把持部132を画成する特定構造を提供する。把持部132は、後側ハウジング・アセンブリ124の外側面に対して一体的に形成されると共に、部分的に、ハウジング112の頂部部分130における中央凹所134により画成される。把持部132は、シリンジ・ポンプ100を把持し、操作し、且つ、移動する便利な構造を提供する。一体的に形成された把持部132の性質は、ハウジング112の残部と共に、相当に容易に清浄化される能力の故に、医学的な設置状況において利点を提供する。対照的に、別体的なヒンジまたは取付け用の特定構造を有する非一体的な把持部およびハウジングの構造は、清浄化することが相当に困難である構成要素もしくはアセンブリを呈し得る。
【0023】
たとえば、
図5に示された如く、把持部132は更に、略U字形状の保持構造136の一部である。略U字形状の保持構造136は、他の輸液ポンプもしくは関連構成要素に対する取外し可能な連結係合機構を提供し得る。
図1および
図2の斜視図、特に
図5の上面図に示された如く、略U字形状の保持構造136が視認され得る。略U字形状の保持構造136は、ハウジング112の頂部部分130に配置された中央凹所134の回りで内方に延在する上側唇部138を含む。上側唇部138は、凹所134の3つの側部の回りに延在することで、上方から視認されたときに概略的な「U字」形状を形成する。略「U字」形状の中央における上側唇部138の区画は、部分的に把持部132を構成する。上側唇部138のこの区画の張出し部の下方には、シリンジ・ポンプ100の揚動を試みるユーザが、上方から自身の指を載置して把持部132を容易に把持し得る更に深底に凹状形成されたスペースが在る。
【0024】
上側唇部138に加え、略U字形状の保持構造136は更に、「U字」形状の各端部における後側ハウジング・アセンブリ124の後面142の近傍にて上側唇部138の下方に、(たとえば、
図2および
図4に部分的に示された)一組の受容溝140を含んでいる。各受容溝140は、構造が漸進的に狭幅化すると共に後側ハウジング・アセンブリ124の後面142から内方に収束するスロットである。各受容溝140の前方には、上記ハウジングの狭幅区画144が在り、これに対しては、挿入された部材が当接し得る。
【0025】
たとえば、
図1および
図4に示された如く、一組の受容溝140の一方側には、捕捉部148を有するラッチ146が配置される。この捕捉部148は、スプリング負荷されると共に、所定位置へと弾発移動されて、各受容溝140内に装填された部材を保持し得る。これらのラッチ146および捕捉部148の各部材の逆側にて、ハウジング112の上部の側面上には、更なるポンプ・ラッチ・ボタン150が在る。ポンプ・ラッチ・ボタン150は、各受容溝140により把持部132に対して積み重さなり、かつ係合されたポンプもしくは構成要素が、解除されて取り外され得る如く、ラッチ146および捕捉部148の各部材を繋止解除すべく押圧され得る。
【0026】
図2に示された如く、後側ハウジング・アセンブリ124は、ポンプ100の底部部分154上に、下方に延在すると共に略U字形状の突出部152も含んでいる。略U字形状の突出部152は、(他の同様のもしくは同一のポンプまたはデバイスからの受容溝140と同様である)溝内に載置され得る突出構造である。略U字形状の突出部152は、後側ハウジング・アセンブリ124の底部部分154上に配置される。
図6におけるシリンジ・ポンプ100の底面図において最も明確に視認される如く、略U字形状の突出部152は、前方部分156および後方部分158を含む。
【0027】
略U字形状の突出部152の前方部分156は、「U字」形状の中央に配置される。前方部分156は、隙間なく湾曲された「U字」形状を形成する。前方部分156は、ハウジング112の頂部部分130上における略U字形状の保持構造136の狭幅区画144のそれと同様に、ポンプもしくはデバイスの対応表面に当接かつ結合し得る表面を提供する。略U字形状の突出部152の後方部分158は、各々、前方部分156の側部よりも広幅な離間距離のセグメントを提供する。略U字形状の突出部152の後方部分158は、たとえば、
図2および
図4に示された如く、外方延在唇部162を備えたフランジ160を含む。一体的に考慮されたとき、フランジ160および外方延在唇部162は、摺動係合のための特定構造を提供する。従って、略U字形状の突出部152は、略U字形状の保持構造136の上側唇部138の下方かつ受容溝140内へと取外し可能に摺動挿入されて係合され得る構造を提供する。この形式の継手は、所謂る「舌部及び溝」の保持部を効果的に提供する。従って、略U字形状の保持構造136および略U字形状の突出部152は、複数台の輸液ポンプ100が、これらの特定構造を互換的に含むとき、各ポンプが、係合された舌部及び溝の構造にて相互に重ねて垂直に積み重なることを可能とし得る。
【0028】
図2において、ハウジング112の後部、各側部、および、底部上に見られ得る他の特定構造としては、(更に詳細に記述されるであろう)バッテリ蓋体カバー164、電力ソケット166、イーサネット(登録商標)・コネクタ168、USBポート170、および、支持構造もしくは「取付け用脚部」172が挙げられる。概略的に、バッテリ蓋体カバー164は、シリンジ・ポンプ100のハウジング112内に配置された(
図7に概略的に示された)バッテリ174にアクセスすべく取外され得るプレートを提供する。バッテリ蓋体カバー164は、概略的に形状が矩形であるが、取り外し可能な締結具176を収容すべく湾曲された周縁部の特定構造を含む。そのアクセスおよび取り外しの容易さの故に、バッテリ174は、取り外しおよび交換を目的とする別体的なFRUであると特性記述され得る。
【0029】
たとえば、
図2および
図4を再び参照すると、電力ソケット166は、シリンジ・ポンプ100の後側ハウジング・アセンブリ124の背面に配置される。電力ソケット166は、電力コードと直接的に、または代替的に、ポンプ・ラック上に収容された電力コネクタと結合し得る。電力コードに対する接続の場合、電力ソケット166は、電力コードが、シリンジ・ポンプ100に対する作用的係合から偶発的に引き抜かれることを阻止する機械的な繋止/拘束用の特定構造を提供する。これは、電力コードが僅かにもしくは偶発的に引張られ、もしくは打突された場合に電力喪失を阻止すべく有用であり得る。電力ソケット166はまた、ユーザが典型的には確実な整列のための視認性が限られるラック上で、電力コネクタに対する結合の対処を支援するテーパ付きの斜面構造も有している。
【0030】
雄型および雌型のコネクタ部分は、雄型および雌型の構成要素同士の連結が、特定の配向においてのみ為され得る如く、キー形成され、または、別様に配向が制限もしくは制御され得る。このことは、たとえば、(+)を(+)に対し、且つ、(-)を(-)に対するなど、各ピンの適切な整列を支援する上で有用であり得る。上記電力コード・コネクタは、それが不適切な配向では接続され得ない様に、キー形成され得る。特に、上記電力コード・コネクタは、幾つかの実施例においては、「直角」コネクタであることで、可能的な絡まりを減少するロー・プロファイルをもたらし得る。
【0031】
ハウジング112の側面上には、(この例においては、シリンジ・ポンプ100の背面下部の近傍に)イーサネット(登録商標)・コネクタ168が配置される。この配置は、データ転送のためにイーサネット(登録商標)を利用する他のポンプ、ラックまたは通信デバイスに対する便利なアクセスを提供する。イーサネット(登録商標)・コネクタ168は、「保護」(または「IPX」)等級であり得ると共に、カバーを必要としない。同様にUSBポート170は、(この例においてはスピーカ128の近傍にて)ハウジング112の側面上に配置される。USBポート170は、カバーを有し得ると共に、種々の周辺デバイスおよびアプリケーションと共に使用される所謂る「OTG(on the go)」対応のコネクタであり得る。
【0032】
同様に、シリンジ・ポンプ100の積み重ね可能でユーザ・フレンドリな設計態様を提供するために、一群の支持構造または取付け用脚部172が設計される。ポンプ100のこの例において、取付け用脚部172は、2つの前部取付け用脚部172aおよび2つの後部取付け用脚部172bを含む。前部取付け用脚部172aはハウジング112の側部の延長部であり、且つ、後部取付け用脚部172bは、ハウジング112の背面を上昇させるべく作用する構成要素である。後部取付け用脚部172bは、略U字形状の突出部152が、ポンプ100と干渉せずに、または、それの物理的安定性に対する障害を引き起こさずに、下方に延在し得る如く、ハウジング112の底部部分154に対する間隙を提供する。同様に、概略的に、各取付け用脚部172は、積み重ねられた各輸液ポンプが相互に干渉しない様に位置決めされる。
【0033】
図1~
図6には、シリンジ受容器116およびシリンジ・プランジャ駆動器アセンブリ114も示される。シリンジ受容器116は、シリンジ・ポンプ100の前部を踏破して延在する長寸キャビティを含む。シリンジ受容器116は、ユーザ・インタフェース110のディスプレイ画面118の直下に配置される。ユーザ・インタフェース110の下方におけるシリンジ受容器116の配置は、多くの観点において有用である。ユーザ・インタフェース110の下方におけるシリンジ受容器の配置は、漏出物、流体滴下物、または、他の不都合な汚染物質が、ディスプレイ118、キー・パッド120、または、他の可能的に破損し得る電子的および機械的な特定構造と干渉することを阻止する助けとなる。この配置において、シリンジ受容器116は、シリンジの装填、装填解除、または、操作に起因する破損の場合において、シリンジ・ポンプ100の残部から幾分か空間的に分離される。
【0034】
シリンジ受容器116は、シリンジが自身上に作用的に位置決めされるシリンジ棚部178を収容する。シリンジ受容器116はシリンジ・ポンプ100において、装填されたシリンジが容易に実質的に視認可能である如くポンプ100の前方に対して開かれたままのキャビティを効果的に提供する。ディスプレイ画面118はシリンジ受容器116の上方に配置されるので、画面118は概略的に、ポンプ100におけるシリンジの存在により視覚的に遮られない。同時に、この、重なり合わずに視覚的に遮らない上記受容器および画面の整列は、ポンプ100の作動中にシリンジおよびディスプレイ画面118の両方の良好な視認性を提供する。
【0035】
シリンジ受容器116は、シリンジ・プランジャ駆動器アセンブリ114の近傍の端部と逆側に配置された一端にて、注入ライン保持通路180(または管材案内部)を更に含む。保持通路180は、注入ラインが通過し得る狭幅セグメントを提供する。詳細には、保持通路180は、注入ラインが当接してまたは周りにループ巻回され得る構造的特徴を提供する。従って、保持通路180は、シリンジ・ポンプ100からの注入ラインの偶発的な引き離しに対する抵抗を提供する。注入ラインの斯かる引離し作用は、注入ラインがシリンジ受容器116内に配置されたシリンジに対して接続される箇所においてではなく、保持通路180からの抵抗に遭遇する。
【0036】
たとえば、
図1および
図3に示された如く、シリンジ・プランジャ駆動器アセンブリ114は、実質的に、シリンジ受容器116の端部に配置される。プランジャ駆動器アセンブリ114は、他の構成要素の中でも、プランジャ駆動器182、バンパ184、トリガ186、および、フリッパ188を含む。プランジャ駆動器アセンブリ114は、ポンプ100におけるシリンジ内のプランジャを機械的に押圧することにより、シリンジに対して流体接続された注入ラインを通して制御された速度にて注入液を送給することにより、患者に対するシリンジからの所定量もしくは回分量の注入液の送給を制御する役割を果たす。更に詳細には、送りネジに対して作用的に連結されたプランジャ駆動器182をシリンジ受容器116の方向に移動させる送りネジを、モータ190が回転させる。この移動は次に、受容器116内に配置されたシリンジのバレル内のプランジャを押圧する。シリンジ・プランジャを前方に押圧することは、シリンジ内の回分量の注入液を、シリンジから、注入ライン内へ、且つ、最終的には患者に至るまで強制移動させる作用がある。
【0037】
ポンプ100の図示例において、プランジャ駆動器アセンブリ114のバンパ184は、シリンジ受容器116の逆側における、プランジャ駆動器アセンブリ114の概略的に丸み付けされた端部であり得る。バンパ184は、プランジャ駆動器182の中央部分よりも概略的に大径であると共に、把持することが比較的に容易で人間工学的である耐久性材料で作成される。バンパ184は、プランジャ駆動器アセンブリ114の片手操作を支援するために作成される。付加的に、バンパ184の「パッド入り」構成は、偶発的な衝撃に対する一定の抵抗を提供する。従って、そのサイズおよび材料に基づき、プランジャ駆動器182は、たとえば、シリンジ・ポンプ100の落下もしくは誤操作の場合おけるプランジャ駆動器アセンブリ114に対する一切の偶発的な衝撃の吸収を支援すべく設計される。
【0038】
トリガ186は、プランジャ駆動器アセンブリ114の背面に位置される。トリガ186は、スプリング負荷されると共に、トリガは、トリガ186が押圧されたときにプランジャ駆動器アセンブリ114が比較的に自由に横方向に摺動し得る如く、プランジャ駆動器アセンブリ114をロック状態から解除すべく作用する。たとえば、
図3に示された如く、フリッパ188は、シリンジ受容器116と、プランジャ駆動器アセンブリ114の主要プランジャ駆動器区画182との間に配置される。フリッパ188は概略的に、シリンジ内のプランジャの末端の親指押圧部分上に延在して、ポンプ100内にシリンジを着脱自在に固定する湾曲アームである。同様に、プランジャ駆動器アセンブリ114の近傍には、ユーザ・インタフェース110のキー・パッド120の下方に配置されたバレル挟持レバー192も在る。バレル挟持レバー192は、ポンプ100に着脱自在に固定されたシリンジのバレルの回りに、拘束部材を更に係合させ、または、係合解除すべく操作され得る。
【0039】
概略的に、バンパ184、トリガ186、フリッパ188およびバレル挟持レバー192は、シリンジ受容器116内へのシリンジの装填操作、および、それからの装填解除操作において使用される。シリンジ・ポンプ100内へのシリンジの装填操作の場合、最初の段階は、シリンジ受容器116から離間させて、プランジャ駆動器アセンブリ114を外方に延在させることである。このことを達成するために、ユーザは、自身の掌を用いてプランジャ駆動器アセンブリ114の端部上のバンパ184を操作かつ把持すると共に、同じ手の指によりプランジャ駆動器アセンブリ114の後面側におけるトリガ186を押圧する。トリガ188を押圧すると、プランジャ駆動器182はその繋止位置から解放されると共に、プランジャ駆動器182が受容器116から外方に離間して摺動することが許容される。従って、プランジャ駆動器182は最初に、シリンジのシリンジ・バレルに適した所望距離だけ摺動される。次に、シリンジ・バレルの端部が、バンパ184の逆側の箇所であるプランジャ駆動器アセンブリ114の内側表面に対して当接する如く、シリンジ受容器116内にシリンジが載置される。シリンジに対して接続された注入ラインは、プランジャ駆動器アセンブリ114の逆側に配置された、シリンジ受容器116の端部における保持通路180に挿通される。フリッパ188は、シリンジ・バレル内のプランジャの親指押圧部上へと下降すべく回転され、且つ、バレル挟持レバー192は、シリンジ・バレルが所定位置に更に保持される様に操作される。次にユーザは、ユーザ・インタフェース110を操作して、シリンジ・ポンプ100を所望様式で制御し得る。
【0040】
図7は、ハウジング112により部分的または全体的に覆い隠された幾つかの構成要素を含む、シリンジ・ポンプ100の概略的システム図を示している。
図1~
図6も参照すると、
図7のシステム図は、ユーザ・インタフェース110、コントローラ194、モータ190、駆動要素(駆動列)196、電力ソケット166、バッテリ174、電気回路要素198、イーサネット(登録商標)・コネクタ168、USB入力ポート170、スピーカ128、および、プランジャ駆動器ヘッド・センサ199を含む、シリンジ・ポンプ100の概略図を示している。
【0041】
上記で論じられた如く、ユーザ・インタフェース110は、たとえば、医師またはポンプ・プログラマからのシリンジ・ポンプ110に対するデータ入力の情報源の役割を果たす。
図7において詳細には示されないが、ユーザ・インタフェース110は、タッチ画面ディスプレイ118、キー・パッド120、または、これらの組み合わせ、または、他のユーザ・インタフェース技術を含み得ることが認識かつ理解されるべきである。
【0042】
この例において、コントローラ194は、上記ユーザ・インタフェースに対して接続されると共に、コントローラは、ポンプ100が所望様式で制御されることを確実とする役割を果たす。コントローラ194は、ハウジング212内に配置されると共に、モータ190および駆動要素196の動作を制御する。コントローラ194は、ひとつ以上のプロセッサを含み得る。コントローラ194は更に、幾つかの実施例においては、メモリを含み得る。
【0043】
モータ190は、概略的に、コントローラ194およびシリンジ・ポンプ要素に対して接続される。モータ190は、幾つかの実施例においては、プランジャ駆動器アセンブリ114内に含まれ得る。モータ190は、駆動列196(または駆動要素)にプランジャ駆動器アセンブリ114の移動を行わせる基本手段である。駆動列196は、ポンプ100内に作用的に設置されたシリンジからの流体の注入を機械的に行わせる役割を果たす、ハウジング112内に少なくとも部分的に配置された一群の駆動要素であり得る。
【0044】
上記シリンジ・ポンプ・システムは更に、電力ソケット166に対して接続されたコードを介した、または、電力ソケット166に対して接続されたラックにおけるコネクタを介した、電力ラインを含んでいる。バッテリ174は、輸液ポンプ100に対し、別の代替的な電源を提供する。一実施例において、バッテリ174は、後部バッテリ・パネル164の下方にて、ハウジング112内に全体的に囲繞される。
【0045】
ハウジング112内には、コントローラ194に対し、または、システム内で、命令を伝達もしくは実施するために必要とされる種々の電気的要素および電気回路要素198が配置される。シリンジ・ポンプ100に対しては、イーサネット(登録商標)・コネクタ168またはUSB入力ポート170の如き入力部を介して、種々の外部デバイスも接続され得る。
【0046】
スピーカ128は、命令、警報、および、情報通信などの全範囲の音響出力を提供し得る。プランジャ駆動器ヘッド・センサ199および他のセンサも、システムの一部である。プランジャ駆動器センサ199は、たとえば、シリンジの特性解析、閉塞の検出、および、プランジャ位置の決定の如き作業に対して種々の測定を行い得る。コントローラ194は、これらのセンサ199および他の構成要素から獲得された情報を利用し、ポンプ100の設定および操作における通信および意思決定を支援する。
【0047】
LVP
図8~
図13を参照すると、LVP200の例が示される。LVP200は概略的に、ユーザ・インタフェース210、ハウジング212、および、アセンブリ受容器213を含む。内部的であり、または、ハウジング212により部分的もしくは全体的に覆い隠される幾つかを含む、LVP200の種々の他の特定構造は、
図14のLVPシステム図に関して後に記述される。
【0048】
概略的に、
図8~
図14におけるLVP200、および、上述された
図1~
図7におけるシリンジ・ポンプ100の大部分は、同様であるか同一である。従って、以下の考察において別様に区別されなければ、
図1~
図7における「100番台」の参照番号を有する構成要素の考察は、概略的に、
図8~
図14において「200番台」の対応参照番号を有する同様の構成要素に対応かつ適用されると見做されるべきである(たとえば、
図1におけるキー・パッド120の考察は、
図8におけるキーパッド220に対しても適用される)。
【0049】
図8に見られる如く、ユーザ・インタフェース210は概略的に、ディスプレイ画面218およびキーパッド220を含む。ユーザ・インタフェース210、ディスプレイ画面218、および、キーパッド220は、夫々、ユーザ・インタフェース110、ディスプレイ画面118、および、キー・パッド120に対応する。タッチ画面および機械的ボタンに対する種々の構成が企図される。
【0050】
ハウジング212は、ハウジング112に対応すると共に、概略的に、LVP200の内部要素を囲繞する保護外殻体を形成する。幾つかの実施例において、ユーザ・インタフェース210は、ハウジング212の一部と見做され得る。ハウジング212は、概略的に前側ハウジング・アセンブリ222および後側ハウジング・アセンブリ224を備えると特性記述され得る。
【0051】
前側ハウジング・アセンブリ222は概略的に、LCDディスプレイ画面218、キーパッド220、および、ユーザ・インタフェース210の近傍における他の構成要素を囲繞する。前側ハウジング・アセンブリ222は、大部分がシリンジ・ポンプ100の前側ハウジング・アセンブリ122と同一であるが、アセンブリ受容器213およびユーザ・インタフェース210の回りにおける前側ハウジング・アセンブリ222の形状は、アセンブリ受容器213の各特定構造が適切に収容される様に、別様に形状化される。
【0052】
後側ハウジング・アセンブリ224は、概略的に後側ハウジング・アセンブリ124と一致する。後側ハウジング・アセンブリ224上の特定構造としては、把持部232、中央凹所234、および、ハウジング212の頂部部分230内に画成された略U字形状の保持構造236が挙げられる。これらの特定構造もまた、シリンジ・ポンプ100に関して考察されたものと同様である。中央凹所234と受容溝240とを囲繞する略U字形状の上側唇部238は、後面242から内方に延在する。この配置によれば、別のポンプの突出部を受容すると共に、U字形状の保持構造236を把持部232として把持するための特定構造が提供される。
【0053】
シリンジ・ポンプ100におけるのと同様に、LVP200の把持部232は、ハウジング212と一体化されると共に、略U字形状の保持構造236の一部である。同様に、ハウジング212の底部部分254上には、略U字形状の突出部252が配置されると共に、突出部は、シリンジ・ポンプ100の上記略U字形状の突出部と同様である。シリンジ・ポンプ100の構成におけるのと同様に、U字形状の突出部252は、前方部分256および後方部分258で構成される。後方部分258は、別のポンプの拘束溝240と係合すべくサイズ設定されたフランジ260および外方延在唇部262を含む。従って、複数台のLVP200および複数台のシリンジ・ポンプ100は、容易に積み重ねられて相互に結合され得る。
【0054】
特に
図9を参照すると、ハウジング212の後面224、各側部226、および、底部部分254上に視認され得る特定構造としては、バッテリ蓋体カバー264、電力ソケット266、イーサネット(登録商標)・コネクタ268、USBポート270、および、取付け用脚部272が挙げられる。これらの構成要素の各々は、シリンジ・ポンプ100の同様の部材に対応する。
【0055】
図8~
図13には、アセンブリ受容器213も示される。アセンブリ受容器213は、LVP200の前部を踏破して延在する長寸キャビティを含む。アセンブリ受容器213は、ユーザ・インタフェース210のディスプレイ画面218の直下に配置される。アセンブリ受容器213は、各端部の外方における通路251、ならびに、中央通路を通り、患者への注入を実施する注入ラインが貫通延在すると共に作用され得るという中央通路を含む。更に、アセンブリ受容器213は、患者への注入ラインの管材フレーム・アセンブリが着脱自在に取付けられて蠕動圧送機構のフィンガにより作用されることを許容する特定構造を含む。
【0056】
図8~
図13における概観において、アセンブリ受容器213の内部特定構造は、枢着された蓋体253により大部分が遮られる。蓋体253は更に、蓋体253を描かれた閉じ位置に固定すべく中央に配置されたラッチ・レバー255を含む。LVP200が使用されるとき、蓋体253は先ず、開放配向に載置される。アセンブリ受容器213によれば、注入ラインに対して結合された管材フレーム・アセンブリが受容される。管材フレーム・アセンブリのこの装填は、片手動作を介して行われ得る。次に、蓋体253は、LVP200の底部前縁259において(たとえば、
図13に示された)ヒンジ257の回りで回転して閉じられ得る。次に、蓋体用ラッチ・レバー255は、
図8~
図13に示された如く、掛止解除位置から掛止位置まで移動され得る。この説明の目的で、アセンブリ受容器213内におけるLVP要素の作用的な細部は、詳細には考察されない。
【0057】
たとえば、
図10に示された如く、アセンブリ受容器213は、両端部にて注入ライン保持通路251を含む。各保持通路251(すなわち、管材案内部)は、注入ラインが通過し得る狭幅セグメントを提供する。蓋体253が閉じられる前もしくは後であり得る任意の適切な時点において、(
図8~
図13においては示されない)上流および下流の管材は、各保持通路251内へと手動にて押し込まれ得る。
【0058】
たとえば、受容器213内に着脱自在に固定され得る上述の管材フレーム・アセンブリの如き注入システムの投与設定に対する種々のアセンブリおよび方法は、「輸液ポンプ・システムの投与設定のためのアセンブリおよび方法」と称されると共に国際公開第2017/218927A1号として公開されたAdams等の国際出願PCT/US2017/037929号において考察されており、これは、言及したことにより本明細書中に援用される。
【0059】
図14は、ハウジング212により部分的にまたは完全に遮られる幾つかの構成要素を含むLVP200の概略的システム図の例を示している。システム図は、ユーザ・インタフェース210、コントローラ294、モータ290、駆動要素296、電力ソケット266、バッテリ274、電気回路要素298、イーサネット(登録商標)・コネクタ268、USB入力ポート270、スピーカ228、および、アセンブリ受容器センサ299を含む、LVP200の概略図を示している。
【0060】
上記で論じられた如く、ユーザ・インタフェース210は、たとえば、臨床医もしくはポンプ・プログラマからのシリンジLVP200に対するデータ入力の情報源の役割を果たす。
図14においては詳細には示されないが、ユーザ・インタフェース210は、タッチ画面ディスプレイ218、キー・パッド220、または、これらの組み合わせ、または、他のユーザ・インタフェース技術を含み得ることが認識かつ理解されるべきである。
【0061】
この例において、コントローラ294は、上記ユーザ・インタフェースに対して接続されると共に、コントローラは、上記ポンプが所望様式で制御されることを確実とする役割を果たす。コントローラ294は、ひとつ以上のプロセッサを含み得る。コントローラ294は更に、幾つかの実施例においては、メモリを含み得る。
【0062】
モータ290は、概略的に、上記コントローラおよびLVP要素に対して接続される。モータ290は、幾つかの実施例において、ステッパ・モータであり得る。この例において、モータ290は、駆動要素296に、管材に対して(たとえば
図8に示された如き)アセンブリ受容器213内でフィンガの運動を行わせる基本手段である。
【0063】
図14におけるLVPシステムの例は更に、電力ソケット266に対して接続されたコードを介した、または、電力ソケットに対して接続されたラックにおける接続部材を介した、電力ラインを含んでいる。バッテリ274は、LVP200に対し、別の代替的な電源を提供する。バッテリ274は、(たとえば、
図9に示された如く)後部バッテリ蓋体カバー264の下方にて、ハウジング212内に全体的に囲繞される。
【0064】
再び
図14を参照すると、ハウジング212内には、コントローラ294に対し、または、システム内で命令を伝達もしくは実施するための種々の電気的要素および電気回路要素298が配置される。LVP200に対しては、イーサネット(登録商標)・コネクタ268またはUSBポート270の如き入力部を介して、種々の外部デバイスも接続され得る。
【0065】
スピーカ228は、命令、警報、および、情報通信などの全範囲の音響出力を提供し得る。アセンブリ受容器センサ299および他のセンサも、システムの一部である。アセンブリ受容器センサ299は、たとえば、特定の管材フレーム・アセンブリに関する情報の感知の如き作業に対して種々の測定を行い得る。これは、特定の管材フレーム・アセンブリが使用される注入の経路の感知を含み得る。各センサは、光学的センサ、RFID読取器などであり得る。コントローラ294は、これらのセンサ299および他の構成要素から獲得された情報を利用し、ポンプ100の設定および操作における通信および意思決定を支援し得る。
【0066】
上述の如く、シリンジ・ポンプ100およびLVP200は、ポンプ要素が容易に更新および交換されることを可能とする複数の個別的なFRUを利用する。FRU要素は、ポンプ製造の容易さ、ならびに、簡素な保守および交換作業を実現する。本明細書中で企図された種々のFRU構成は、考察された両方の形式の輸液ポンプに対して互換的かつ共通であり得る。概略的に、FRUは3つの群に分類され得る。すなわち、損耗要素(破損または寿命終了などにより交換される必要がある構成要素)と、高速移動技術(通信、Wi-Fi、ブルートゥース(登録商標)、USB、ディスプレイ)と、機能的アップグレード(システム・セキュリティ、PCA、TCIなど)。FRUは、時には、且つ、インタフェースを備えたモジュールであることにより、カテゴリ間で互換的であり得る。たとえば、損耗要素の性能を高めるために、ユーザは、その機能性をアップグレードすることがある。たとえば、破損もしくは損耗要素の要件を満たさない圧送機構は、本質的に従前の損耗要素に置き換わる所望機能を有する高性能のまたは機能付加されたFRUにより、「アップグレード」され得る。ポンプにおいて、ポンプにより高性能FRUが認識され得ると共に、ポンプの動作パラメータは、新たに設置されたFRUと互換的であるべく自動的に調節され得る。付加的に、ポンプはその構成の関連情報を有することから、それは本質的に、それ自体の構成を、たとえばDMR(デバイス・マスター・レコード)に経過記録するために報告を行う。
【0067】
一例において、両方のシリンジ・ポンプ100およびLVP200は、ポンプの後側部分を構成する共通のFRUを有する。この共通FRUは、考察された両方の形式の輸液ポンプに対するハウジングおよび後部要素の相当部分を含んでいる。この構成要素は、
図15においてFRU101として示されると共に、
図1~
図14の対応する参照番号および部材からも理解され得る。特に、FRU101は主として、輸液ポンプに対する後側ハウジング・アセンブリ124もしくは224を含んでいる。後側ハウジング124もしくは224は、頂部部分130もしくは230、および、底部部分154もしくは254の一部を含んでいる。頂部部分130もしくは230は、一体成形された把持部構造132もしくは232、および、一組の受容溝140もしくは240を有する。底部部分154もしくは254は、別の後側ハウジングにおける(140または240の如き)受容溝に対する取外し可能な結合のための突出部152もしくは252を有する。後側ハウジング124もしくは224は、電力ソケット166もしくは266、および、イーサネット(登録商標)・コネクタ168もしくは268を含み得る。後側ハウジング124もしくは224は、(プランジャ駆動器アセンブリ114およびシリンジ受容器116、または、LVPのモータおよび駆動要素、および、アセンブリ受容器213の如き)一群の輸液ポンプ・システム要素と、(コントローラ194もしくは294の如き)制御システムと、(ディスプレイ画面118もしくは218の如き)LVPまたはシリンジ・ポンプのディスプレイとに対し、互換的に結合する。
【0068】
幾つかの実施例において、FRUは、ポンプの複数の構成要素または複数群の構成要素を含み得る。斯かるFRUの例としては、後側ハウジング・アセンブリと、モータ、ポンプ、ディスプレイおよびキー・パッドを備えたLVPの前側ハウジングと、ディスプレイおよびキー・パッドを備えたシリンジの前側ハウジングと、ガス・ゲージを備えたバッテリ・パックと、電源と、無線要素と、PCBボードアセンブリと、LVPの蓋体と、シリンジ駆動器と、シリンジ・プランジャ・ヘッドと、が挙げられる。
【0069】
幾つかの実施例において、FRUは、(付加的な、補足的な、または、予備的な)バッテリ・パック・モジュールを含み得る。同様に、幾つかの実施例において、FRUは、(可能的には、可搬式の太陽光発電器、風力発電器、または、機械的なクランク形式の発電器である)バッテリ充電もしくは給電モジュールを含み得る。幾つかの実施例においては、軍用に対し、既製バッテリに対するインタフェースが配備され得る。一定の場合、バッテリの充電もしくは給電モジュールは、「接続された」一台以上のポンプと結合され得る。たとえば、積み重ね取り付け体におけるポンプ、および、ヘッドレス・ポンプは、全て、バッテリの充電もしくは給電モジュールと結合され得る。
【0070】
幾つかの実施例において、FRUは、(視覚的および/または聴覚的の両方である)警報モジュールを含み得る。特に、警報モジュールは、「接続された」一台以上のポンプと結合され得る。たとえば、積み重ね取り付け体におけるポンプおよびヘッドレス・ポンプは、全て、ひとつの警報モジュールと結合され得る。
【0071】
幾つかの実施例において、FRUは、PCAモジュールと、(ロックボックスの如き)シリンジの保護デバイスと、通信モジュールと、または、接続された積み重ね取り付け体全体をロック解除し得る(指紋、音声、顔認識などの生体認証入力を用いる如き)ユーザ認証モジュールと、を含み得る。
【0072】
幾つかの実施例において、電力および通信のFRUは、ラックに対する代替物または代理体に関連する。幾つかの実施例においては、ブルートゥース(登録商標)またはWi-Fiを有するFRUが企図される。幾つかの実施例において、FRUは、(有線または無線の)通信および/または電力のデイジー・チェーン接続であり得る。幾つかの場合、FRUは、電力のセレクタもしくはアダプタのモジュールを含む。たとえば、ローカルの(固有的な)電源、または、他のデバイスに対して、もしくは、其処において通常的に使用される電源(AC/DC電力)に対する適応のためのモジュールである。種々の実施例において、FRUはロックされ得る。
【0073】
他の企図実施例においては、各ポンプ自体がFRUであり得る。たとえば、このことは、シリンジ・ポンプ、LVPおよびヘッドレス・シリンジを備える集合的な圧送装置において事実であり得る。幾つかの実施例において、FRUは、故障したデバイスのプログラミングをコピーし得る。「医療デバイス構成の複製方法」と称されて国際公開第2018/022355A1号として公開されたDiez等の国際出願PCT/US2017/042633号を参照されたい。参照により本明細書中に援用される。
【0074】
図16Aおよび
図16Bを参照すると、各ポンプのラック式および積み重ね式の機能を描く、複数台の輸液ポンプ装置が示される。詳細には、
図16Aは、複数台のシリンジ・ポンプ100が可動ラック310上に取付けられるというポール取付け式構造300を描いている。幾つかの実施例において、ラック310は、描かれた如く、8台の輸液ポンプ100を保持すべく設計される。ラック310は、ラックの転倒の阻止を支援する、脚部320を備えた広幅の車輪付き基部を有する。更に、ラック310の側部から延在するアーム340を介し、IVポール330が取付けられる。IVポール330は、IVバッグの如き、取付けられた流体もしくは注入液の任意の単一もしくは複数のバッグの重量が、支持され、且つ、ラック310に対する不安定性を引き起こさない様に、ラック310の脚部320の上方に配置される。幾つかの実施例において、ラック310は更に有用であり得る、と言うのも、それは、AC電源、スペース管理、および、統合されたイーサネット(登録商標)接続を提供し得るからである。
【0075】
ラック310は、複数台のシリンジ・ポンプ100の如き、複数台の輸液ポンプの個別的な設置および取外しを許容する。この個別化された取付け機能は、斯かる複数台のポンプに対し/から、適切なシリンジ・ポンプ100または他の適切な輸液ポンプが容易に設置または取外され得るを意味する。この融通性は、複数台の輸液ポンプの各群の問題解決および再構成に対して特に有用である。
【0076】
図16Aにおけるラック式構造300の垂直にグループ化された構造は、
図16Bの積み重なった取り付け構造400とも類似し得る。詳細には、
図16Bのこの例において、複数台のシリンジ・ポンプ100は、垂直に、相互に直上もしくは直下に積み重ねて視認され得る。この形式の積み重ねは、たとえば、幾つかの実施例において、ポール取付け部材を利用し得る。たとえば、頂部のシリンジ・ポンプ100が所定位置に固定されたとき、それの下側にて、次続的なシリンジ・ポンプ100は、両方のポンプのシリンジ・ポンプ・ハウジング112に一体化された取付け用特定構造により固定され得る。特に、且つ、上述された如く、頂部のシリンジ・ポンプ100の底部における略U字形状の突出部152は、下側のシリンジ・ポンプ100の略U字形状の保持構造136の受容溝140が、外方延在唇部162上を摺動されることを許容する。U字形状の保持構造136は、U字形状突出部152の前方部分156が、下側のシリンジ・ポンプ100の上側唇部138の下側に当接するまで、摺動される。複数台のシリンジ・ポンプ100のこの積み重なった取り付け構造の特徴は、各ユーザ・インタフェース・ディスプレイ画面118、ならびに、対応するシリンジ102が、容易に同時的に視認され得ることである。これにより、医師に対しては、部屋の端から視認されたとしても、全てのシリンジ・ポンプの状況を一瞥にて迅速に視認する能力が許容される。
【0077】
図16Aおよび
図16Bは、ラック式構造および積み重なった取り付け構造における複数台のシリンジ・ポンプ100を示しているが、複数台のLVP200の如き、他の形式の輸液ポンプもまた、この様にしてラック式及び積み重ね式に取り付けられ得ると理解されるべきである。従って、一緒にラック式に取り付けられ、または積み重ねられた、全てがシリンジ・ポンプ100、全てがLVP200、または、異なる種類のポンプの併用物のいずれかの、ラック取り付け体または積み重ね取り付け体が可能である。
【0078】
図17を参照すると、シリンジ・ポンプ100に対して外部バックアップ・バッテリ・パック501が取付けられたという輸液ポンプ構成500の斜視図が示される。外部バックアップ・バッテリ・パック501は、AC電源に対するアクセスが制限された場合に使用され得る。たとえば、更に遠隔的な地域において、または、搬送車両において、一群のバッテリ電源を配備すると、殆ど任意の場所にて長い時的間隔に亙り輸液ポンプを作動させるために必要な融通性が提供され得る。企図された外部バックアップ・バッテリ・パック501は、ハウジング112の背面における電力ソケット166に差込まれてシリンジ・ポンプ100に対して電力を供給するコードを有し得る。外部バックアップ・バッテリ・パック501は、その底部表面上に、本明細書中に記述された輸液ポンプ100および200の底部上における略U字形状の突出部152および252と同様である、バッテリ・パック501の略U字形状の突出部も有し得る。従って、この略U字形状の突出部は、ポンプ100もしくは200の頂部上の略U字形状の保持構造136もしくは236と結合し得る。この構造は、ポンプ100もしくは200およびその電源に対する確実で耐久性のある結合を提供する。更に、外部バックアップ・バッテリ・パック501の電力が低くなれば、単に、別の同様のユニットが、それに置き換わると共に、シリンジ・ポンプ100の頂部部分に対して同様に取付けられ得る。
【0079】
図18は、一群の積み重ねられた「ヘッドレス」LVP611に対して結合されたLVP200を含む一群の輸液ポンプを含む輸液ポンプ構成600の実施例を描いている。概略的に、LVP200は、
図8~
図14において記述されたのと同様のLVPを描いている。このLVP200は、他の複数台の「ヘッドレス」LVP611に対する積み重なった取り付け構造にて示される。これらのLVP611は、それらが、LVP200のユーザ・インタフェース210を含まず、サイズが更にコンパクトであるという意味において「ヘッドレス」である。これらのヘッドレスLVP611は、(もしラック上であれば、ラック式に取り付けされた)積み重なった取り付け構造が構築されると共に、構成が、積み重ねられた(またはラック式に取り付けされた)一群の輸液ポンプの圧送動作を制御するひとつのユーザ・インタフェース210に依存し得る通信にて作用的に結合されたときに、可能とされる。各ポンプにおける比較的に更に高価なユーザ・インタフェース要素を含まない斯かる複数台の「ヘッドレス」LVPを構築すると、ポンプ製造に対して相当のコスト節約が実現され得る。実施例において、複数台の「ヘッドレス」ポンプは、ブルートゥース(登録商標)または他の無線通信を介して相互に通信し得る。複数台の「ヘッドレス」ポンプはまた、付加的もしくは代替的に、相互に対して結線もされ得ると共に、たとえば、USBまたはイーサネット(登録商標)・ポートを介して通信し得る。
【0080】
ヘッドレスLVP611は各々、LVP200に対して記述されたものと同様に、それらの頂部表面上の略U字形状の保持構造236、および、底部表面上の略U字形状の突出部252を含み得る。従って、各ポンプは、
図16Aおよび
図16Bにおける構造300および400と同様である所謂る「舌部/溝」構造にて容易に結合され得る。更に、「ヘッドレス」ポンプは、LVPに限られない。複数台のシリンジ・ポンプ100もまた、ポンプの積み重ねもしくはラックにおける幾つかシリンジ・ポンプ100にユーザ・インタフェースが含まれないという「ヘッドレス」輸液ポンプとして提供され得る。
【0081】
本開示内容によれば、使用特徴の他の容易さも企図される。たとえば、幾つかの実施例において、ユーザが関与を意図する全てのポンプ要素は、特に色コード化される。本明細書におけるシリンジ・ポンプ100の例の場合、ユーザ・インタフェースの領域の各々は、視覚的に青色に色コード化される。従って、バンパ184、トリガ186、キー・パッド120、バレル挟持レバー192、USBポート170、イーサネット(登録商標)・コネクタ168、捕捉部148、および、ポンプ・ラッチ・ボタン150は、青色に着色される。LVP200の場合には、ラッチ・レバー255、キーパッド220、USBポート270、イーサネット(登録商標)・コネクタ268、捕捉部248、および、ポンプ・ラッチ・ボタン250が青色に着色される。
【0082】
本開示内容および各図を通し、略U字形状の保持構造136、略U字形状の保持構造236、略U字形状の突出部152、略U字形状の突出部252、および、「略U字形状」と記述された他の特定構造は、主として非限定的な様式で解釈されるべきであり、且つ、代替的および/または互換的に、単に「U字形状」と称されることも理解され得る。参照された構成要素は主として、頂部視点または底部視点からのそれらの描写に基づいて理解されるが、「U字形状」および「略U字形状」という用語は、主として非限定的な様式で解釈されるべきである。たとえば、上記説明は、ひとつの連続的な主として半円の形状、または、底辺と、それから延在する2つの側辺部材とを有する形状を包含すると理解され得る。「U字形状」という語句は、底辺と、丸み付けされまたは矩形状とされた交差部を有する2つの側辺要素とを包含し得る。各側辺要素は、平行な、収束する、または、発散する配向にて配設され得る。幾つかの実施例において、「略U字形状」の構成要素は、単一の底辺箇所において交わることで「V字」形状を形成する側辺部材を包含するに十分なほど包括的である。他の構成も可能である。従って、対応する請求項の語句は、対応して包括的な解釈様式で判断されるべきである。
【0083】
本明細書においては、システム、デバイスおよび方法の種々の実施例が記述されてきた。これらの実施例は、例示的にのみ与えられると共に、権利請求された主題の有効範囲を制限することは意図されない。更に、記述されてきた各実施例の種々の特徴は、種々の様式で組み合わされて、多くの付加的実施例をもたらし得ることを理解すべきである。更に、開示された実施例と共に使用されるべく種々の材料、寸法、形状、構成および箇所が記述されてきたが、開示された以外のものが、権利請求された主題の有効範囲を越えずに利用され得る。
【0084】
当業者であれば、本発明の主題は、上述の任意の個別的な実施例において例示されたよりも少ない特徴を備えて成り得ることを理解し得よう。本明細書中に記述された各実施例は、本発明の主題の種々の特徴が組み合わされ得る様式の網羅的な表現物であることは意味されない。従って、各実施例は、相互に排他的の特徴の組み合わせではなく、寧ろ、当業者により理解される如く、種々の実施例は、異なる個別的な実施例から選択された異なる個別的な特徴の組み合わせを備えて成り得る。更に、ひとつの実施例に関して記述された要素は、別様に言及されなければ、他の実施例において記述されない場合でも、斯かる実施例において導入され得る。
【0085】
各請求項において、従属請求項は、他のひとつ以上の請求項との特定の組み合わせを参照し得るが、他の実施例は、その従属請求項と他の従属請求項の各々の主題との組み合わせ、または、ひとつ以上の特徴と他の従属もしくは独立請求項との組み合わせも包含し得る。本明細書においては、特定の組み合わせが意図されないことが述べられるのでなければ、斯かる組み合わせが企図される。
【0086】
上記における言及による文献の一切の援用は、本明細書中の明示的な開示と相反する主題は取入れられない様に、制限される。上記における言及による文献の一切の援用は、文献中に含まれない権利請求範囲は、援用により本明細書中に取入れられない様に、更に制限される。上記における言及による文献の一切の援用は、本明細書中で明示的に取入れられるのでなければ、文献中に提示された一切の定義は、援用により本明細書中に取入れられない様に、更に制限される。
【0087】
各請求項の解釈に対し、「~のための手段」または「~のための段階」という特定の語句が請求項中に記述されるのでなければ、米国特許法第112条第(f)項の規定は援用されるべきでない。
なお、本発明の参考態様として以下に示すものがある。
[態様1]
他の複数の輸液ポンプとの選択的な積み重なった取り付けを可能とするハウジングであって、
外側面内に一体化された把持部であって、略U字形状の保持構造を部分的に画成する 把持部を備えた頂部部分と、
別の輸液ポンプの保持構造と選択的に結合すべく輪郭形成された略U字形状の突出部 を備えた底部部分と、
を有するハウジングと、
該ハウジングに対し、輸液ポンプ動作に関する命令を受信する前面側を提供するユーザ・インタフェースと、
少なくとも部分的に前記ハウジング内に配置され、注入液の注入を機械的に行わせるモータおよび一群の駆動要素と、
前記ハウジング内に配置され、前記モータおよび前記一群の駆動要素の動作を制御するコントローラと、
を備える輸液ポンプ。
[態様2]
前記輸液ポンプはシリンジ・ポンプである、態様1記載の輸液ポンプ。
[態様3]
前記輸液ポンプはLVPポンプである、態様1に記載の輸液ポンプ。
[態様4]
前記ユーザ・インタフェースはタッチ画面およびキー・パッド制御器の両方を含む、態様1に記載の輸液ポンプ。
[態様5]
前記ハウジングは、略U字形状の前記保持構造に対して着脱自在に結合する突出部を有する外部バッテリ・パックを含む、態様1に記載の輸液ポンプ。
[態様6]
注入液のシリンジを受容すべく構成されたシリンジ受容器と、
該シリンジ受容器の近傍に配置されて、前記シリンジのプランジャに抗する移動に基づいて前記シリンジから前記注入液を患者まで導向するシリンジ・プランジャ駆動器アセンブリと、
前記シリンジ受容器に対して結合されたハウジングであって、シリンジ・ポンプを制御するGUIディスプレイを含む前面側を含むというハウジングと、
を備えるシリンジ・ポンプであって、
前記シリンジ受容器は、前記ハウジングの前記前面側にて、重なり合わない整列様式で、垂直方向において前記GUIディスプレイの近傍に配置され、
前記ハウジングは、前記シリンジ受容器内の前記シリンジと、前記GUIディスプレイ全体との両方が前記ハウジングの前記前面側にて視認可能である如く構成される、
シリンジ・ポンプ。
[態様7]
前記シリンジ受容器は前記GUIディスプレイの下方に配置される、態様6に記載のシリンジ・ポンプ。
[態様8]
前記ハウジングは、他の複数の輸液ポンプに対する選択的な積み重なった取り付けに対して準備されると共に、前記ハウジングは、
外側面内に一体化されて保持構造を部分的に画成する把持部を備えた頂部部分と、
別の輸液ポンプの保持構造に対して選択的に結合すべく輪郭形成された突出部を備える底部部分と、
を有する、態様6に記載のシリンジ・ポンプ。
[態様9]
前記GUIディスプレイはタッチ画面である、態様6に記載のシリンジ・ポンプ。
[態様10]
前記GUI上には4行のテキストが同時に表示可能である、態様6に記載のシリンジ・ポンプ。
[態様11]
前記シリンジ・ポンプは片手操作用に構成される、態様6に記載のシリンジ・ポンプ。
[態様12]
ハウジングと、ディスプレイ画面を備えたユーザ・インタフェースとを有する第1輸液ポンプと、
ディスプレイ画面を有さないヘッドレス輸液ポンプであって、舌部及び溝アタッチメントにより前記第1輸液ポンプの前記ハウジングに対して取外し可能に結合されたというヘッドレス輸液ポンプと、
を備える、輸液ポンプ・アセンブリ。
[態様13]
複数台のヘッドレス輸液ポンプを更に含む、態様12に記載の輸液ポンプ・アセンブリ。
[態様14]
前記第1輸液ポンプの前記ハウジングは、前記舌部及び溝アタッチメントの一部として、前記ヘッドレス輸液ポンプに対して選択的に結合すべく輪郭形成された略U字形状の突出部を備えた底部部分を有する、態様12に記載の輸液ポンプ・アセンブリ。
[態様15]
前記第1輸液ポンプはシリンジ・ポンプである、態様12に記載の輸液ポンプ・アセンブリ。
[態様16]
前記第1輸液ポンプはLVPである、態様12に記載の輸液ポンプ・アセンブリ。
[態様17]
前記複数台のヘッドレス輸液ポンプは、LVPおよびシリンジ・ポンプの両方を含む、態様13に記載の輸液ポンプ・アセンブリ。
[態様18]
前記複数台のヘッドレス輸液ポンプはブルートゥース(登録商標)を介して相互に通信する、態様13に記載の輸液ポンプ・アセンブリ。
[態様19]
輸液ポンプ用に、頂部部分と底部部分とを有する後部ハウジングを備える、輸液ポンプ用のフィールド交換可能ユニットであって、
前記頂部部分は、一体形成の把持部構造と、一組の溝とを有し、前記底部部分は、別の後部ハウジングにおける各溝との取外し可能な結合のための突出部を有し、且つ、前記後部ハウジングは、電力ソケットとイーサネット(登録商標)・ポートとを含み、且つ、
前記後部ハウジングは、LVPとシリンジ・ポンプとを含む異なる複数の形式の輸液ポンプの、一群の薬剤送給要素と、制御システムと、ディスプレイとに対して互換的に結合する、
輸液ポンプ用のフィールド交換可能ユニット。
[態様20]
前記突出部は略U字形状である、態様19に記載の輸液ポンプ用のフィールド交換可能ユニット。
[態様21]
前記後部ハウジングは、患者管理鎮痛ポンプの、一群の薬剤送給要素と、制御システムと、ディスプレイとに対して互換的に結合される、態様19に記載の輸液ポンプ用のフィールド交換可能ユニット。
【手続補正書】
【提出日】2023-06-09
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジングと、ディスプレイ画面を備えたユーザ・インタフェースとを有する第1輸液ポンプと、
ディスプレイ画面を有さないヘッドレス輸液ポンプであって、舌部及び溝アタッチメントにより前記第1輸液ポンプの前記ハウジングに対して取外し可能に結合されたというヘッドレス輸液ポンプと、
を備える、輸液ポンプ・アセンブリ。
【請求項2】
複数台のヘッドレス輸液ポンプを更に含む、請求項1に記載の輸液ポンプ・アセンブリ。
【請求項3】
前記第1輸液ポンプの前記ハウジングは、前記舌部及び溝アタッチメントの一部として、前記ヘッドレス輸液ポンプに対して選択的に結合すべく輪郭形成された略U字形状の突出部を備えた底部部分を有する、請求項1に記載の輸液ポンプ・アセンブリ。
【請求項4】
前記第1輸液ポンプはシリンジ・ポンプである、請求項1に記載の輸液ポンプ・アセンブリ。
【請求項5】
前記第1輸液ポンプはLVPである、請求項1に記載の輸液ポンプ・アセンブリ。
【請求項6】
前記複数台のヘッドレス輸液ポンプはLVPおよびシリンジ・ポンプの両方を含む、請求項2に記載の輸液ポンプ・アセンブリ。
【請求項7】
前記複数台のヘッドレス輸液ポンプはブルートゥース(登録商標)を介して相互に通信する、請求項2に記載の輸液ポンプ・アセンブリ。
【請求項8】
前記ヘッドレス輸液ポンプは、
前面と、
後面と、
外側面内に一体化されて略U字形状の保持構造を部分的に画成する把持部を有する頂部部分と、を備える請求項1に記載の輸液ポンプ・アセンブリ。
【請求項9】
前記ヘッドレス輸液ポンプの前記頂部部分の略U字形状の前記保持構造は、
中央凹所の内方に向かって延在し、前記保持構造の回りに延在する上側唇部と、
前記ハウジングの外面内に形成され、前記中央凹所によって部分的に画成される把持部と、
ハウジングの狭幅区画と、
前記上側唇部の下方に配置された一組の受容溝であって、個々の受容溝が前記ハウジングの狭幅区画の間を前記後面へ延びる一組の受容溝と、を備える請求項8に記載の輸液ポンプ・アセンブリ。
【請求項10】
略U字形状の突出部を備えた前記底部部分は、
前記略U字形状の突出部の中央に配置された前方部分と、
フランジと外方延在唇部とをそれぞれ有する一組の後方部分であって、個々の後方部分は前記ヘッドレス輸液ポンプの受容溝へ摺動挿入され、ハウジングの狭幅区画に当接する、一組の後方部分と、を備える請求項3に記載の輸液ポンプ・アセンブリ。
【請求項11】
輸液ポンプ用に、頂部部分と底部部分とを有する後部ハウジングを備える、輸液ポンプ用のフィールド交換可能ユニットであって、
前記頂部部分は一体形成の把持部構造と一組の溝とを有し、前記底部部分は別の後部ハウジングにおける各溝との取外し可能な結合のための突出部を有し、且つ、前記後部ハウジングは電力ソケットとイーサネット(登録商標)・ポートとを含み、
前記後部ハウジングは、LVPとシリンジ・ポンプとを含む異なる複数の形式の輸液ポンプの、一群の薬剤送給要素と、制御システムと、ディスプレイとに対して互換的に結合する、
輸液ポンプ用のフィールド交換可能ユニット。
【請求項12】
前記突出部は略U字形状である、請求項11に記載の輸液ポンプ用のフィールド交換可能ユニット。
【請求項13】
前記後部ハウジングは、患者管理鎮痛ポンプの、一群の薬剤送給要素と、制御システムと、ディスプレイとに対して互換的に結合される、請求項11に記載の輸液ポンプ用のフィールド交換可能ユニット。
【請求項14】
前記把持部構造は略U字形状の保持構造を備え、該略U字形状の保持構造は、
中央凹所の内方に向かって延在し、前記突出部の回りに延在する上側唇部と、
前記後部ハウジングの外面内に形成され、前記中央凹所によって部分的に画成される把持部と、
ハウジングの狭幅区画と、を備える請求項11に記載の輸液ポンプ用のフィールド交換可能ユニット。
【請求項15】
前記一組の溝は前記上側唇部の下方に配置された一組の受容溝を有し、個々の受容溝は前記ハウジングの狭幅区画の間を後面へ延びる、請求項14に記載の輸液ポンプ用のフィールド交換可能ユニット。
【請求項16】
前記底部部分の前記略U字形状の突出部は、
前記略U字形状の突出部の中央に配置された前方部分と、
フランジと外方延在唇部とをそれぞれ有する一組の後方部分であって、個々の後方部分は対応する他の輸液ポンプのハウジングの受容溝へ摺動挿入され、狭幅区画に当接するように構成される、一組の後方部分と、を備える請求項12に記載の輸液ポンプ用のフィールド交換可能ユニット。