(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023113915
(43)【公開日】2023-08-16
(54)【発明の名称】アンテナ周辺装置のイヤホン及び音声再生方法
(51)【国際特許分類】
H04R 1/10 20060101AFI20230808BHJP
G10K 11/178 20060101ALI20230808BHJP
【FI】
H04R1/10 104E
H04R1/10 104Z
G10K11/178 100
H04R1/10 104A
【審査請求】有
【請求項の数】11
【出願形態】OL
【公開請求】
(21)【出願番号】P 2023095772
(22)【出願日】2023-06-09
(31)【優先権主張番号】202310317559.6
(32)【優先日】2023-03-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】523221898
【氏名又は名称】徳楽邁科技(北京)有限公司
【氏名又は名称原語表記】Deremyr Technology (Beijing) Co., LTD.
【住所又は居所原語表記】Room 430, Floor 4, Building 1, Yard 4, Yingkun Road, Yinghai town, BDA, Beijing, China
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】霍 明
(57)【要約】 (修正有)
【課題】アンテナサイズに対するイヤホンキャビティの制限を回避し、イヤホンの信号を増強するアンテナ周辺装置のイヤホン及び音声再生方法を提供する。
【解決手段】アンテナ周辺装置のイヤホンにおいて、サウンドキャビティ・アセンブリ1は、前部サウンドキャビティ11及び前部サウンドキャビティに接続される後部サウンドキャビティ12を含み、その間にイヤホンマザーボード13及びホーン14が設置され、前部サウンドキャビティには音出し孔が開設される。バッテリアセンブリ2は、バッテリ前部キャビティ21及び前部キャビティに接続されるバッテリ後部キャビティ22を含み、その間にバッテリ23が設置される。サウンドキャビティ・アセンブリとバッテリアセンブリは、アンテナイヤーシャンク3により接続され、イヤホンマザーボードとバッテリとは、電源線により接続される。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
サウンドキャビティ・アセンブリ、バッテリアセンブリ及びアンテナイヤーシャンクを含むアンテナ周辺装置のイヤホンであって、
前記サウンドキャビティ・アセンブリは前部サウンドキャビティ及び後部サウンドキャビティを含み、前記前部サウンドキャビティは前記後部サウンドキャビティに接続され、前記前部サウンドキャビティと前記後部サウンドキャビティとの間にイヤホンマザーボード及びホーンが設置され、前記前部サウンドキャビティに音出し孔が開設され、
前記バッテリアセンブリは、バッテリ前部キャビティ及びバッテリ後部キャビティを含み、前記バッテリ前部キャビティと前記バッテリ後部キャビティが接続され、前記バッテリ前部キャビティと前記バッテリ後部キャビティとの間にバッテリが設置され、
前記サウンドキャビティ・アセンブリと前記バッテリアセンブリは、前記アンテナイヤーシャンクにより接続され、前記イヤホンマザーボードと前記バッテリとは電源線により接続される
ことを特徴とするアンテナ周辺装置のイヤホン。
【請求項2】
前記アンテナイヤーシャンクの材質は、金属であることを特徴とする請求項1に記載のアンテナ周辺装置のイヤホン。
【請求項3】
前記アンテナイヤーシャンクの材質は、ニッケルチタン合金であることを特徴とする請求項2に記載のアンテナ周辺装置のイヤホン。
【請求項4】
前記電源線は、前記アンテナイヤーシャンクの内側に位置することを特徴とする請求項1に記載のアンテナ周辺装置のイヤホン。
【請求項5】
前記バッテリ後部キャビティには、少なくとも1つの充電接点が設置され、前記少なくとも1つの充電接点における各充電接点は、前記バッテリに電気的に接続されることを特徴とする請求項1に記載のアンテナ周辺装置のイヤホン。
【請求項6】
前記後部サウンドキャビティには、通気孔が開設されることを特徴とする請求項1に記載のアンテナ周辺装置のイヤホン。
【請求項7】
前記前部サウンドキャビティには、耳入り検出窓及び調音メッシュがさらに開設されることを特徴とする請求項1に記載のアンテナ周辺装置のイヤホン。
【請求項8】
前記前部サウンドキャビティ、前記後部サウンドキャビティ、前記バッテリ前部キャビティ及び前記バッテリ後部キャビティの材質は、いずれもセラミック材質であることを特徴とする請求項1~7のいずれか1項に記載のアンテナ周辺装置のイヤホン。
【請求項9】
前記イヤホンマザーボードには、マイクが設置されることを特徴とする請求項1に記載のアンテナ周辺装置のイヤホン。
【請求項10】
請求項9に記載のアンテナ周辺装置のイヤホンに適用される音声再生方法であって、
前記アンテナ周辺装置のイヤホンは、サウンドキャビティ・アセンブリ、バッテリアセンブリ及びアンテナイヤーシャンクを含み、前記サウンドキャビティ・アセンブリは、前部サウンドキャビティ及び後部サウンドキャビティを含み、前記前部サウンドキャビティと前記後部サウンドキャビティとの間にイヤホンマザーボード及びホーンが設置され、前記イヤホンマザーボードにマイクが設置され、
前記音声再生方法は、
現在時刻が所定の動作時間条件を満たすことを決定することに応答して、前記マイクにより収集された過去時間帯内の過去環境音声シーケンスを取得するステップ、
前記アンテナイヤーシャンクにより関連する端末装置から送信された再生待ち音声を受信するステップ、
前記過去環境の音声シーケンスに基づいて、反転音声シーケンスを生成するステップ、
前記反転音声シーケンスに基づいて、前記再生待ち音声に対してノイズ低減処理を行い、前記再生待ち音声に対応するノイズ低減後の音声を取得するステップ、
前記ノイズ低減された音声を前記ホーンにより再生し、かつ前記ノイズ低減された音声を前記アンテナイヤーシャンクにより関連する対向イヤホンに送信して同期に再生するステップ、
前記現在時刻が前記所定の動作時間条件を満たさないと決定したことに応答して、前記対向イヤホンから送信されたノイズ低減音声を受信するステップ、及び
前記騒音低減音声を前記ホーンにより再生するステップを含むことを特徴とする方法。
【請求項11】
前記過去環境の音声シーケンスに基づいて、反転音声シーケンスを生成することは、
前記環境音声シーケンス内の各フレーム環境音声のデシベルを決定し、前記過去環境音声シーケンスに対応するデシベルシーケンスを取得するステップ、
前記デシベルシーケンスにおける各デシベルに対して、前記デシベルと前記デシベルシーケンスにおいて、所定の隣接条件を満たすデシベルの差分絶対値をデシベル変化値と決定し、デシベル変化値セットを取得し、前記所定の隣接条件は、前記デシベルに隣接しかつ前記デシベル後に位置するステップ、
前記デシベル変化値セットが所定のデシベル変化条件を満たさないデシベル変化値を含むか否かを決定するステップ、
前記デシベル変化値セットが前記所定のデシベル変化条件を満たさないデシベル変化値を含まないことを確定したことに応答して、前記過去環境音声シーケンスに対応する反転環境音声シーケンスを決定するステップ、
前記デシベル変化値セットが前記所定のデシベル変化条件を満たさないデシベル変化値を含むと確定したことに応答して、前記デシベルシーケンスの平均デシベルを確定するステップ、
前記平均デシベルに基づいて、所定の音声シーケンスの生成モデルセットから前記平均デシベルに対応する予め設定され音声シーケンスの生成モデルを選別して、目標音声シーケンスの生成モデルとするステップ、
前記過去環境の音声シーケンスを前記目標音声シーケンスの生成モデルに入力し、前記過去環境の音声シーケンスに対応する予測音声シーケンスを取得するステップ、
前記予測音声シーケンスに対応する反転予測音声シーケンスを決定するステップ、及び
前記反転環境音声シーケンス又は前記反転予測音声シーケンスを、反転音声シーケンスに決定するステップを含むことを特徴とする、請求項10に記載の音声再生方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施例は、イヤホンの技術分野に関し、具体的にアンテナ周辺装置のイヤホン及び音声再生方法に関する。
【背景技術】
【0002】
科学技術の発展に伴い、ワイヤレスイヤホンは、その携帯しやすいなどの特徴により、ますます広く応用されるようになっている。現在、関連するイヤホンは、一般的にレバー式イヤホン又は豆型イヤホンであり、具体的には、関連するイヤホンのバッテリ、マザーボード及びアンテナは、同じキャビティ内又は接続されたキャビティ内に設置される。
【0003】
しかし、発明者は、前記イヤホンを使用する場合、以下の技術的問題が常に存在することを発見した。
【0004】
第1、イヤホンのバッテリ、マザーボード及びアンテナは、同じキャビティ内又は接続されたキャビティ内に設置され、イヤホンのキャビティ内の空間が不足により、キャビティ内に設置できるアンテナのサイズが小さくなり、結果としてイヤホンの信号が弱くなる。
【0005】
第2、ノイズ低減モードで、関連するワイヤレスイヤホンは、2つのイヤホンが同時に音声に対してノイズ低減処理することが多く、2つのイヤホンの電力消費量が多いため、イヤホンの航続性が悪くなる。
【0006】
第3、関連するワイヤレスイヤホンのほとんどは、環境ノイズを収集することによって、直接1段の環境ノイズに基づいて反転音波をシミュレーションし、ノイズ低減を行うが、このような方法によるノイズ低減は、ノイズが大きく変化する場所ではノイズ低減効果が低く、ユーザー体験が悪い。
【0007】
この背景技術部分に開示された上記の情報は、本発明の概念の背景に対する理解を強化するためにのみ使用され、したがって、それは自国の当業者に知られている従来技術を形成していない情報を含むことができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本開示の内容部分は、構想を簡単な形式で説明するために用いられ、これらの構想は、後に続く具体的な実施形態の部分において詳細に説明される。本開示の内容部分は、保護請求される技術的解決策の重要な特徴又は必要な特徴を識別することを意図しておらず、保護請求される技術的解決策の範囲を限定することを意図していない。
【0009】
本開示のいくつかの実施例は、上記背景技術の部分で言及された技術的課題を解決するために、アンテナ周辺装置のイヤホン及び音声再生方法を提供する。
【0010】
第1の態様において、本開示のいくつかの実施例は、サウンドキャビティ・アセンブリ、バッテリアセンブリ、及びアンテナイヤーシャンクを含むアンテナ周辺装置のイヤホンを提供する。ここで、前記サウンドキャビティ・アセンブリは、前部サウンドキャビティ及び後部サウンドキャビティを含み、前記前部サウンドキャビティは、前記後部サウンドキャビティに接続され、前記前部サウンドキャビティと前記後部サウンドキャビティとの間には、イヤホンマザーボード及びホーンが設置され、前記前部サウンドキャビティには音出し孔が開設される。前記バッテリアセンブリは、バッテリ前部キャビティ及びバッテリ後部キャビティを含み、前記バッテリ前部キャビティは、前記バッテリ後部キャビティに接続され、前記バッテリ前部キャビティと前記バッテリ後部キャビティとの間にはバッテリが設置される。前記サウンドキャビティ・アセンブリと前記バッテリアセンブリは、前記アンテナイヤーシャンクを介して接続され、前記イヤホンマザーボードと前記バッテリは電源線により接続される。
【0011】
好ましくは、前記アンテナイヤーシャンクの材質は金属である。
【0012】
好ましくは、前記アンテナイヤーシャンクの材質はニッケルチタン合金である。
【0013】
好ましくは、前記保護カバーの他方の側と前記保護カバー本体の接続方式はスナップ接続である。
【0014】
好ましくは、前記バッテリの後部キャビティには、少なくとも1つの充電接点が設置され、前記少なくとも1つの充電接点における各充電接点は、前記バッテリに電気的に接続される。
【0015】
好ましくは、前記音出し孔の軸線と前記ホーンの軸線とがなす夾角は0~20°範囲内である。
【0016】
好ましくは、前記アンテナイヤーシャンクの中心線と前記音出し孔の軸線とがなす夾角は100~160°範囲内である。
【0017】
好ましくは、前記後部サウンドキャビティには、通気孔が開設されている。
【0018】
好ましくは、前記前部サウンドキャビティには、耳入り検出窓及び調音メッシュがさらに開設される。
【0019】
好ましくは、前記前部サウンドキャビティ、前記後部サウンドキャビティ、前記バッテリ前部キャビティ及び前記バッテリ後部キャビティの材質は、いずれもセラミック材質である。
【0020】
好ましくは、前記イヤホンマザーボードには、マイクが設置されている。
【0021】
第2の態様において、本開示のいくつかの実施例は、第1の態様に記載のアンテナ周辺装置のイヤホンに応用される音声再生方法を提供する。ここで、前記アンテナ周辺装置のイヤホンは、音声サウンドキャビティ・アセンブリ、バッテリアセンブリ及びアンテナイヤーシャンクを含み、前記サウンドキャビティ・アセンブリは、前部サウンドキャビティ及び後部サウンドキャビティを含み、前記前部サウンドキャビティと前記後部サウンドキャビティとの間には、イヤホンマザーボード及びホーンが設置され、前記イヤホンマザーボードには、マイクが設置されている。前記音声再生方法は、現在時刻が所定の動作時間条件を満たすことを決定することに応答し、前記マイクにより収集された過去期間内の過去環境音声シーケンスを取得するステップと、前記アンテナイヤーシャンクにより関連する端末装置から送信された再生待ち音声を受信するステップと、前記過去環境音声シーケンスに基づいて、反転音声シーケンスを生成するステップと、前記反転音声シーケンスに基づいて、前記再生待ち音声に対してノイズ低減処理を行い、前記再生待ち音声に対応するノイズ低減後の音声を取得するステップと、前記ノイズ低減された音声を前記ホーンにより再生し、かつ前記ノイズ低減された音声をアンテナイヤーシャンクにより関連する対向イヤホンに送信して同期に再生するステップと、前記現在時刻が前記所定の動作時間条件を満たさないと決定したことに応答して、前記対向イヤホンから送信されたノイズ低減音声を受信するステップと、前記ホーンにより前記ノイズ低減音声を再生するステップとを含む。
【0022】
好ましくは、前記過去環境の音声シーケンスに基づいて、反転音声シーケンスを生成することは、前記環境音声シーケンス内の各フレーム環境音声のデシベルを決定し、前記過去環境音声シーケンスに対応するデシベルシーケンスを得るステップと、前記デシベルシーケンスにおける各デシベルに対して、前記デシベルと前記デシベルシーケンスにおいて、所定の隣接条件を満たすデシベルの差分絶対値をデシベル変化値と決定し、デシベル変化値セットを取得し、ここで、前記所定の隣接条件は、前記デシベルに隣接しかつ前記デシベルの後に位置するステップ、前記デシベル変化値セットが所定のデシベル変化条件を満たさないデシベル変化値を含むか否かを決定するステップ、前記デシベル変化値セットが前記所定のデシベル変化条件を満たさないデシベル変化値を含むと確定したことに応答して、前記過去環境音声シーケンスに対応する反転環境音声シーケンスを決定するステップ、前記デシベル変化値セットが前記所定のデシベル変化条件を満たさないデシベル変化値を含むことを確定したことに応答して、前記デシベルシーケンスの平均デシベルを確定するステップ、前記デシベル変化値セットと前記平均デシベルに基づいて、所定の音声シーケンスの生成モデルセットから前記平均デシベルに対応する所定の音声シーケンスの生成モデルを選別して、目標音声シーケンスの生成モデルとするステップを含む。前記過去環境の音声シーケンスを前記目標音声シーケンスの生成モデルに入力し、前記過去環境音声シーケンスに対応する予測音声シーケンスを得る。前記予測音声シーケンスに対応する反転予測音声シーケンスを決定する。前記反転環境音声シーケンス又は前記反転予測音声シーケンスを反転音声シーケンスに決定する。
【0023】
本開示の前記各実施例は、本開示のいくつかの実施例のアンテナ周辺装置のイヤホンは、アンテナイヤーシャンクを利用してアンテナ機能を実現することができ、イヤホンキャビティのアンテナサイズへの制限を回避し、それによりイヤホンの信号を増強することができるという有益な効果を有する。具体的には、イヤホンの信号が弱い原因は、イヤホンのバッテリ、マザーボード及びアンテナが同じキャビティ内又は接続されたキャビティ内に設置され、イヤホンのキャビティ内の空間が不足し、キャビティ内に設置されるアンテナのサイズが小さくなるためである。これに基づいて、本開示のいくつかの実施例のアンテナ周辺装置のイヤホンは、サウンドキャビティ・アセンブリ、バッテリアセンブリ及びアンテナイヤーシャンクを含む。ここで、前記サウンドキャビティ・アセンブリは、前部サウンドキャビティ及び後部サウンドキャビティを含む。前記前部サウンドキャビティは前記後部サウンドキャビティに接続される。前記前部サウンドキャビティと前記後部サウンドキャビティとの間には、イヤホンマザーボードとホーンが設置される。前記フロントキャビティには音出し孔が開設される。前記バッテリアセンブリは、バッテリ前部キャビティとバッテリ後部キャビティを含む。前記バッテリ前部キャビティと前記バッテリ後部キャビティとが接続される。前記バッテリ前部キャビティと前記バッテリ後部キャビティとの間にはバッテリが設置される。前記サウンドキャビティ・アセンブリと前記バッテリアセンブリは、前記アンテナイヤーシャンクを介して接続される。前記イヤホンマザーボードと前記バッテリとは、電源線によって接続される。前記サウンドキャビティ・アセンブリと前記バッテリアセンブリのイヤーシャンクを接続することにより、アンテナ機能を実現し、それによりアンテナサイズに対するイヤホンキャビティの制限を回避し、アンテナのサイズを適切に増加させることができ、さらにイヤホンの信号を増強することができる。これにより、本開示のいくつかの実施例のアンテナ周辺装置のイヤホンは、アンテナイヤーシャンクを利用してアンテナ機能を実現することができ、アンテナサイズに対するイヤホンキャビティの制限を回避し、それによりイヤホンの信号を増強することができる。
【0024】
本開示の各実施例の上記と他の特徴、利点及び方面は、添付図面と結合して、以下の具体的な実施形態を参照することにより、より明らかになる。添付図面において、同一又は類似の参照符号は同一又は類似の要素を示す。添付図面は模式的なものであり、素子及び要素は必ずしも縮尺通りに描かれているわけではないことを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】本開示のいくつかの実施例に係るアンテナ周辺装置のイヤホンの構造を示す概略図である。
【
図2】本開示のいくつかの実施例に係るアンテナ周辺装置のイヤホンの分解図である。
【
図3】本開示のいくつかの実施例に係る音声再生方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明の実施の形態について、添付図面を参照しながら、以下により詳細に説明する。本開示の特定の実施例が図面に示されているが、本開示は様々な形式で実現することができ、本明細書に示される実施例に限定されると解釈されるべきではないことが理解される。逆に、これらの実施例は、本開示をより徹底的かつ完全に理解するために提供される。本開示の添付図面及び実施例は、例示的な作用のみに用いられ、本開示の保護範囲を限定するために使用されるものではないことを理解されたい。
【0027】
本開示の説明において、明示的に指定され限定されない限り、用語「設置」、「接続」は、広義に理解すべきであり、例えば、固定接続、着脱可能な接続、又は一体的に接続されてもよく、機械的に接続、電気的に接続されてもよく、直接に接続されてもよく、中間媒体を介して間接的に接続されてもよく、2つの素子内部の連通であってもよい。当業者にとって、本開示における前記用語の具体的な意味は、具体的な状況に基づいて理解することができる。
【0028】
また、説明を容易にするために、添付図面のうち、当該開示に関連する部分のみが示されていることに留意されたい。衝突しない場合、本開示における実施例及び実施例における特徴は、互いに組み合わせることができる。
【0029】
なお、本開示で言及される「第1」及び「第2」等の概念は、異なる装置、モジュール又はユニットを区別するために用いられ、これらの装置、モジュール又はユニットによって実行される機能の順序又は相互依存関係を限定することを意図しないことに留意されたい。
【0030】
なお、本開示で言及される「1つ」及び「複数」の修飾は、示唆的なものであり限定的ではなく、当業者は、文脈上で特に明確に指摘されない限り、「1つ又は複数」と理解すべきであることと理解すべきである。
【0031】
本開示の実施形態における複数の装置間で相互作用するメッセージ又は情報の名称は、例示を目的としたものであり、これらのメッセージ又は情報の範囲を限定することを意図するものではない。
【0032】
本開示は、添付図面を参照しながら実施例を組合わせて、以下で詳細に説明される。
【0033】
図1は、本開示のいくつかの実施例に係るアンテナ周辺装置のイヤホンの構造を示す概略図である。
図1は、サウンドキャビティ・アセンブリ1、バッテリアセンブリ2及びアンテナイヤーシャンク3を含む。ここで、前記サウンドキャビティ・アセンブリ1は、前部サウンドキャビティ11及び後部サウンドキャビティ12を含む。前記バッテリアセンブリ2は、バッテリ前部キャビティ21とバッテリ後部キャビティ22とを含む。
【0034】
図2は、本開示のいくつかの実施例に係るアンテナ周辺装置のイヤホンの分解図である。
図2は、サウンドキャビティ・アセンブリ1、バッテリアセンブリ2及びアンテナイヤーシャンク3を含む。ここで、前記サウンドキャビティ・アセンブリ1は、前部サウンドキャビティ11、後部サウンドキャビティ12、イヤホンマザーボード13及びホーン14を含む。前記バッテリアセンブリ2は、バッテリ前部キャビティ21、バッテリ後部キャビティ22及びバッテリ23を含む。
【0035】
いくつかの実施例において、前記イヤホンは、サウンドキャビティ・アセンブリ1、バッテリアセンブリ2及びアンテナイヤーシャンク3を含む。ここで、前記サウンドキャビティ・アセンブリ1は、音声を再生するためのコンポーネントであってもよい。前記バッテリアセンブリ2は、電源を供給するコンポーネントであってもよい。前記アンテナイヤーシャンク3は、前記サウンドキャビティ・アセンブリ1と前記バッテリアセンブリ2とを接続し、かつアンテナ機能を担うハンドルであってもよい。前記サウンドキャビティ・アセンブリ1は、前部サウンドキャビティ11及び後部サウンドキャビティ12を含むことができる。前記前部サウンドキャビティ11及び前記後部サウンドキャビティ12は、イヤホンマザーボード13及びホーン14を載置するためのハウジングであってもよい。前記前部サウンドキャビティ11は、前記後部サウンドキャビティ12に接続されてもよい。ここで、前記前部サウンドキャビティ11と前記後部サウンドキャビティ12を接続する具体的な方式については、限定しない。例として、前記前部サウンドキャビティ11と前記後部サウンドキャビティ12を接続する具体的な方式は、溶接、接着及びスナップ接続を含むがこれらに限定されない。前記前部サウンドキャビティ11と前記後部サウンドキャビティ12との間には、イヤホンマザーボード13及びホーン14が設置されてもよい。前記イヤホンマザーボード13は、回路基板であってもよい。前記ホーン14は、スピーカであってもよい。前記イヤホンマザーボード13は、電線により前記ホーン14に接続されることができる。前記イヤホンマザーボード13と前記ホーン14は、前記前部サウンドキャビティ11と前記後部サウンドキャビティ12の内部に係止されることができる。前記前部サウンドキャビティ11には、音出し孔が開設されてもよい。前記音出し孔は、音を通すための開孔であってもよい。前記音出し孔は、音出しメッシュ孔であってもよい。
【0036】
いくつかの実施例において、前記バッテリアセンブリ2は、バッテリ前部キャビティ21及びバッテリ後部キャビティ22を含むことができる。前記バッテリ前部キャビティ21及び前記バッテリ後部キャビティ22は、バッテリを搭載するためのケースであってもよい。前記バッテリ前部キャビティ21は、前記バッテリ後部キャビティ22に接続されてもよい。ここで、前記バッテリ前部キャビティ21と前記バッテリ後部キャビティ22を接続させる具体的な方法のついては、限定しない。例として、前記バッテリ前部キャビティ21と前記バッテリ後部キャビティ22を接続させる具体的な方式は、溶接、接着及びスナップ接続を含むがこれらに限定されない。前記バッテリ前部キャビティ21と前記バッテリ後部キャビティ22との間には、バッテリ23が設置されてもよい。前記バッテリ23は、前記バッテリ前部キャビティ21と前記バッテリ後部キャビティ22の内部に係止されることができる。
【0037】
いくつかの実施例において、前記サウンドキャビティ・アセンブリ1と前記バッテリアセンブリ2は、前記アンテナイヤーシャンク3により接続されることができる。具体的には、前記アンテナイヤーシャンク3の両端は、それぞれ前記サウンドキャビティ・アセンブリ1と前記バッテリアセンブリ2に接続されることができる。ここで、前記アンテナイヤーシャンク3の両端を、それぞれ前記サウンドキャビティ・アセンブリ1と前記バッテリアセンブリ2に接続させる具体的な方法については、限定しない。例として、前記アンテナイヤーシャンク3の両端は、それぞれ前記サウンドキャビティ・アセンブリ1と前記バッテリアセンブリ2に係止接続されてもよい。前記アンテナイヤーシャンク3が前記サウンドキャビティ・アセンブリ1に接続される部位に、アンテナ給電点と接地給電点が設置されてもよい。前記アンテナ給電点と前記接地給電点は、前記イヤホンマザーボード13に設置されたポゴピンを介して、前記イヤホンマザーボード13に接続されることができる。前記アンテナイヤーシャンク3は、前記アンテナ給電点により前記イヤホンマザーボード13と無線周波数(RF)信号の伝送を行うことができる。前記接地給電点は、前記イヤホンマザーボード13を介して接地されることができる。実践において、前記イヤホンマザーボード13は、前記アンテナ給電点によりブルートゥース(登録商標)無線周波数信号を、前記アンテナイヤーシャンク3に伝送することができる。前記アンテナイヤーシャンク3は、信号を放射の形式で放射するか又は携帯電話又は他のブルートゥース装置の無線周波数信号を受信して、ブルートゥース信号を無線伝送する機能を実現することができる。例として、前記アンテナイヤーシャンク3は、monopoleアンテナ又は平面型逆F型アンテナ(PIFA)であってもよい。前記イヤホンマザーボード13と前記バッテリ23とは、電源線によって接続されてもよい。これにより、前記サウンドキャビティ・アセンブリと前記バッテリアセンブリのイヤーシャンクを接続することによりアンテナ機能を実現し、それにより、アンテナサイズに対するイヤホンキャビティの制限を回避し、イヤホンの信号を増強させる。
【0038】
好ましくは、前記アンテナイヤーシャンク3の材質は金属であってもよい。これにより、金属アンテナを介して信号を受信及び送信することは、イヤホンの性能をより良く安定させ、伝送距離をより長くすることができる。
【0039】
好ましくは、前記アンテナイヤーシャンク3の材質は、ニッケルチタン合金であってもよい。これにより、ニッケルチタン合金の材質でアンテナイヤーシャンクを製造することにより、アンテナイヤーシャンクに耐摩耗、耐腐食、高減衰及び超弾性の性能を持たせることができ、それにより装着快適性を向上させることができる。
【0040】
好ましくは、前記電源線は前記アンテナイヤーシャンク3の内側に位置することができる。これにより、アンテナイヤーシャンク3と人体の耳部が直接接触することを回避し、ユーザーの快適性を向上させることができる。
【0041】
好ましくは、前記バッテリ後部キャビティ22には、少なくとも1つの充電接点を設置してもよい。前記充電接点は、充電プローブに接触して前記バッテリを充電するための接点であってもよい。前記少なくとも1つの充電接点の各々は、前記バッテリに電気的に接続されてもよい。これにより、前記少なくとも1つの充電接点により前記バッテリを充電することができる。
【0042】
好ましくは、前記音出し孔の軸線と前記ホーン14の軸線とがなす角度は0~20°範囲内であってもよい。
【0043】
好ましくは、前記アンテナイヤーシャンク3の中心線と前記音出し孔の軸線とがなす角度は100~160°範囲内であってもよい。
【0044】
好ましくは、前記後部サウンドキャビティ12には、通気孔が開設されてもよい。前記通気孔は、内腔圧力をバランスさせて音質を改善するために用いることができる。これにより、前記通気孔を介して、内腔圧力をバランスさせて音質を改善することができる。
【0045】
好ましくは、前記前部サウンドキャビティ11には、耳入り検出窓及び調音メッシュがさらに開設されてもよい。前記耳入り検出窓に対応する箇所には、レーザー送信機が設置されている。前記レーザ送信機は、前記イヤホンマザーボード13に接続されてもよい。これにより、耳入り検出窓を介して、イヤホンが装着状態にあるか否かを検出することができる。前記調音メッシュ孔を介して、再生音声の音質を改善することができる。
【0046】
好ましくは、前記前部サウンドキャビティ11、前記後部サウンドキャビティ12、前記バッテリ前部キャビティ21及び前記バッテリ後部キャビティ22の材質は、いずれもセラミック材質であってもよい。これにより、セラミックは、良好な耐高温機械的特性、耐化学腐食性能、耐高温酸化性能及び耐摩耗性能を有するため、前記前部サウンドキャビティ、前記後部サウンドキャビティ、前記バッテリ前部キャビティ及び前記バッテリ後部キャビティの耐高温機械的性能、耐化学腐食性能、耐高温酸化性能及び耐摩耗性能を向上させることができる。
【0047】
本開示の前記各実施例は、本開示のいくつかの実施例におけるアンテナ周辺装置のイヤホンは、アンテナイヤーシャンクを利用してアンテナ機能を実現することで、アンテナサイズに対するイヤホンキャビティの制限を回避し、それにより、イヤホンの信号を増強することができるという有益な効果を有する。具体的には、イヤホンの信号が弱い原因は、イヤホンのバッテリ、マザーボード及びアンテナが同じキャビティ内又は接続されたキャビティ内に設置され、イヤホンキャビティ内の空間が不足し、キャビティ内に設置されるアンテナのサイズが小さいためである。これに基づいて、本開示のいくつかの実施例におけるアンテナ周辺装置のイヤホンは、サウンドキャビティ・アセンブリ、バッテリアセンブリ及びアンテナイヤーシャンクを含む。ここで、前記サウンドキャビティ・アセンブリは、前部サウンドキャビティ及び後部サウンドキャビティを含む。前記前部サウンドキャビティは、前記後部サウンドキャビティに接続される。前記前部サウンドキャビティと前記後部サウンドキャビティとの間には、イヤホンマザーボード及びホーンが設置される。前記前部キャビティには、音出し孔が開設される。前記バッテリアセンブリは、バッテリ前部キャビティとバッテリ後部キャビティとを含む。前記バッテリ前部キャビティと前記バッテリ後部キャビティとが接続される。前記バッテリ前部キャビティと前記バッテリ後部キャビティとの間には、バッテリが設置される。前記サウンドキャビティ・アセンブリと前記バッテリアセンブリは、前記アンテナイヤーシャンクを介して接続される。前記イヤホンマザーボードと前記バッテリは、電源線によって接続される。前記サウンドキャビティ・アセンブリと前記バッテリアセンブリを接続させるイヤーシャンクは、アンテナ機能を実現するため、アンテナサイズに対するイヤホンキャビティの制限を回避し、アンテナのサイズを適切に大きくすることができ、その結果、イヤホンの信号を増強することができる。これにより、本開示のいくつかの実施例におけるアンテナ周辺装置のイヤホンは、イヤーシャンクを利用してアンテナ機能を実現することができ、アンテナサイズに対するイヤホンキャビティの制限を回避し、それによりイヤホンの信号を増強することができる。
【0048】
図3を引き続き参照すると、本開示のいくつかの実施例に係る音声再生方法のフロー300が示されており、前記音声再生方法は、以下のステップを含む。
【0049】
ステップ301:現在時刻が所定の動作時間条件を満たすことを決定したことに応答して、マイクにより収集された過去時間帯内の過去環境の音声シーケンスを取得する。
【0050】
いくつかの実施例において、音声再生方法の実行主体(例えば、
図1に示すアンテナ周辺装置のイヤホン)は、現在時刻が所定の動作時間条件を満たすことを決定したことに応答して、マイクにより収集された過去時間帯内の過去環境の音声シーケンスを取得することができる。ここで、前記アンテナ周辺装置のイヤホンは、サウンドキャビティ・アセンブリ、バッテリアセンブリ及びアンテナイヤーシャンクを含むことができる。前記サウンドキャビティ・アセンブリは、前部サウンドキャビティ及び後部サウンドキャビティを含むことができる。前記前部サウンドキャビティと前記後部サウンドキャビティとの間には、イヤホンマザーボードとホーンが設置されてもよい。前記イヤホンマザーボードには、マイクが設置されてもよい。前記所定の動作時間条件は、前記実行主体が動作時間帯にあることであってもよい。1例として、前記実行主体は右イヤホンであってもよい。ユーザーが左イヤホンと右イヤホンを同時に使用する場合、右イヤホンと左イヤホンは、それぞれ30分間に交替でノイズを低減することができる。前記過去期間帯は、現在時刻の1分前とすることができる。実践において、前記マイクにより収集された音声は、前記イヤホンマザーボードに含まれるメモリに記憶されることができる。前記実行主体は、前記メモリからマイクにより捕捉された過去時間帯内の過去環境の音声シーケンスを取得することができる。
【0051】
ステップ302:アンテナイヤーシャンクにより関連する端末装置から送信された再生待ち音声を受信する。
【0052】
いくつかの実施例において、前記実行主体は、前記アンテナイヤーシャンクにより関連する端末装置から送信された再生待ちの音声を受信することができる。ここで、前記再生待ち音声は、再生する必要がある音声であってもよい。例えば、前記再生待ちの音声は音楽であってもよい。
【0053】
ステップ303:過去環境の音声シーケンスに基づいて、反転音声シーケンスを生成する。
【0054】
いくつかの実施例において、前記実行主体は、前記過去環境音声シーケンスに基づいて、反転音声シーケンスを生成することができる。ここで、前記反転音声シーケンスは、前記過去環境の音声シーケンスの位相と逆であるが、同じ振幅及び周波数を有する音声シーケンスであってもよい。例として、前記実行主体は、前記過去環境音声シーケンスに対して位相反転処理を行うことにより、反転音声シーケンスを取得することができる。具体的には、前記実行主体は、前記過去環境の音声シーケンスの位相と逆であるが、同じ振幅及び周波数を有する音声シーケンスを反転音声シーケンスに決定することができる。
【0055】
いくつかの実施例におけるいくつかの選択可能な実現方法において、前記過去環境の音声シーケンスに基づいて、前記実行主体は、以下のステップにより反転音声シーケンスを生成することができる。
【0056】
第1ステップ:前記過去環境の音声シーケンスに対応するデシベルシーケンスを取得するために、前記環境音声シーケンス内における各フレーム環境の音声のデシベルを決定する。ここで、前記デシベルシーケンスにおける各デシベルは、時系列に応じてソートされることができる。
【0057】
第2ステップ:前記デシベルシーケンスにおける各デシベルに対して、前記デシベルと前記デシベルシーケンスにおいて所定の隣接条件を満たすデシベルの差分絶対値を、デシベル変化値として決定し、デシベル変化値セットを得る。ここで、前記所定の隣接条件は、前記デシベルに隣接しかつ前記デシベルの後に位置することであってもよい。例として、前記デシベルシーケンスにおける第1のデシベルに対して、前記実行主体は第1のデシベルと第2のデシベルの差分絶対値を、デシベル変化値として決定することができる。
【0058】
第3ステップ:前記デシベル変化値に、所定のデシベル変化条件を満たさないデシベル変化値が含まれているか否かを決定する。ここで、前記所定のデシベル変化条件は、前記デシベル変化値が所定のデシベル変化閾値以下であってもよい。前記所定のデシベル変化閾値は、所定のデシベル変化値であってもよい。
【0059】
第4ステップ:前記デシベル変化値セットに、前記所定のデシベル変化条件を満たさないデシベル変化値が含まれていることを確定したことに応答して、前記過去環境の音声シーケンスに対応する反転環境の音声シーケンスを決定する。実践において、前記デシベル変化値セットに、前記所定のデシベル変化条件を満たさないデシベル変化値が含まれていないことを確定したことに応答し、前記実行主体は、前記過去環境の音声シーケンスに対して位相反転処理を行い、反転環境の音声シーケンスを取得することができる。具体的には、前記実行主体は、前記過去環境の音声シーケンスの位相と逆であるが、同じ振幅及び周波数を有する音声シーケンスを反転環境の音声シーケンスとして決定することができる。
【0060】
第5ステップ:前記平均デシベルに基づいて、所定の音声シーケンス生成モデルセットから前記平均デシベルに対応する所定の音声シーケンス生成モデルを選別して目標音声シーケンス生成モデルとする。ここで、前記所定の音声シーケンスの生成モデルは、予めトレーニングされた過去環境の音声シーケンスを入力とし、予測音声シーケンスを出力とする機械学習モデルであってもよい。例えば、前記所定の音声シーケンス生成モデルは畳み込みニューラルネットワーク(CNN)であってもよい。前記所定の音声シーケンスの生成モデルセットにおける各所定の音声シーケンスの生成モデルは、異なるシーンに適用することができる。例として、実践において、前記実行主体は3つのシーンを予め設定することができる。ここで、各シーンはデシベル範囲に対応する。例えば、安静シーンに対応するデシベル範囲は(0デシベル、40デシベル]であってもよい。通常シーンに対応するデシベル範囲は(40デシベル、70デシベル]であってもよい。騒々しいシーンに対応するデシベル範囲は、70デシベルより大きくてもよい。実践において、まず、前記実行主体は、前記平均デシベルがデシベル範囲にあることを決定することができる。例として、前記平均デシベルは50デシベルであり、前記平均デシベルがデシベルに処する範囲は(40デシベル、70デシベル]である。その後、決定されたデシベル範囲に基づいて、ユーザーが位置するシーンを確定する。例えば、ユーザーが位置するシーンは通常のシーンであってもよい。最後に、前記実行主体は、前記所定の音声シーケンスの生成モデルセットにおいて、ユーザーが位置するシーンに対応する所定の音声シーケンスの生成モデルを目標音声シーケンスの生成モデルと確定することができる。
【0061】
第6ステップ:前記過去環境の音声シーケンスを前記目標音声シーケンスの生成モデルに入力し、前記過去環境音声シーケンスに対応する予測音声シーケンスを取得する。
【0062】
第7ステップ:前記予測音声シーケンスに対応する反転予測音声シーケンスを決定する。実践において、前記実行主体は、前記予測音声シーケンスに対して位相反転処理を行うことにより、反転予測音声シーケンスを得ることができる。具体的に、前記実行主体は、前記予測された音声シーケンスの位相と逆であるが、同じ振幅及び周波数を有する音声シーケンスを反転予測音声シーケンスに決定することができる。
【0063】
第8ステップ:前記反転環境の音声シーケンス又は前記反転予測音声シーケンスを反転音声シーケンスに決定する。
【0064】
本開示の発明のポイントとして、上記関連内容は、これにより背景技術に言及された技術的問題3、即ち「関連するワイヤレスイヤホンのほとんどは、環境ノイズを収集することによって、直接1段の環境ノイズに基づいて反転音波をシミュレーションし、ノイズ低減を行うが、このような方法によるノイズ低減は、ノイズが大きく変化する場所ではノイズ低減効果が低く、ユーザー体験が悪い」という問題を解決する。ユーザー体験感が悪い要因は、多くの場合、当該関連するワイヤレスイヤホンは、環境ノイズの一段を収集することにより、環境ノイズの一段の上に反転音波を直接シミュレートすることによって、ノイズ低減を行い、このような方法によるノイズ低減は、ノイズ変化が大きい場所に対して、ノイズ低減効果が低い。この効果を達成させるために、まず、前記環境音声シーケンス内における各フレーム環境の音声のデシベルを決定し、前記過去環境の音声シーケンスに対応するデシベルシーケンスを取得する。次に、前記デシベルシーケンスにおける各デシベルに対して、前記デシベルと、前記デシベルシーケンスにおいて所定の隣接条件を満たすデシベルとの差分絶対値をデシベル変化値と決定し、デシベル変化値セットを取得し、ここで、前記所定の隣接条件は前記デシベルに隣接しかつ前記デシベルの後に位置することである。その後、前記デシベル変化値に、所定のデシベル変化条件を満たさないデシベル変化値が含まれているか否かを決定する。次に、前記デシベル変化値セットに、前記所定のデシベル変化条件を満たさないデシベル変化値が含まれていないことを確定したことに応答して、前記過去環境音声シーケンスに対応する反転環境音声シーケンスを決定する。これにより、ノイズの変化が小さい場合に、過去環境の音声シーケンスに基づいて反転音波をシミュレーションすることにより、ノイズ低減を行うことができる。その後、前記デシベル変化値セットに、前記所定のデシベル変化条件を満たさないデシベル変化値が含まれると確定したことに応答して、前記デシベルシーケンスの平均デシベルを決定する。次に、前記デシベル変化値セットと前記平均デシベルに基づいて、所定の音声シーケンス生成モデルセットから前記平均デシベルに対応する所定の音声シーケンス生成モデルを選別して、目標音声シーケンスの生成モデルとする。その後、前記過去環境の音声シーケンスを前記目標音声シーケンスの生成モデルに入力し、前記過去環境の音声シーケンスに対応する予測音声シーケンスを取得する。次に、前記予測音声シーケンスに対応する反転予測音声シーケンスを決定する。最後に、前記反転環境の音声シーケンス又は前記反転予測音声シーケンスを、反転音声シーケンスに決定する。これにより、ノイズの変化が大きい場合に、ノイズデシベルの大きさに基づいて、対応する所定の音声シーケンスの生成モデルを選別して予測音声シーケンスを決定することができ、それにより、予測された音声に基づいて反転音波をシミュレーションし、ノイズ低減を行うことができる。予測された音声が実際のノイズにより近接するため、ノイズ低減効果を向上させ、さらにユーザー体験を向上させることができる。
【0065】
ステップ304:反転音声シーケンスに基づいて、再生待ち音声に対してノイズ低減処理を行い、再生待ち音声に対応するノイズ低減後の音声を取得する。
【0066】
いくつかの実施例において、前記実行主体は、前記反転音声シーケンスに基づいて、前記再生待ち音声に対してノイズ低減処理を行い、前記再生待ち音声に対応するノイズ低減後の音声を取得することができる。
【0067】
ステップ305:ノイズ低減された音声はホーンを介して再生し、また、アンテナイヤーシャンクにより、ノイズ低減された音声を関連する対向イヤホンに送信して同期に再生する。
【0068】
いくつかの実施例において、前記実行主体は、前記ホーンにより前記ノイズ低減後の音声を再生することができ、また、前記アンテナイヤーシャンクにより前記ノイズ低減後の音声を関連する対向イヤホンに送信して同期に再生する。ここで、前記関連する対向イヤホンは、前記アンテナ周辺装置のイヤホンとペアリングされたイヤホンであってもよい。これにより、対向イヤホン側でノイズ低減処理を同時に行うことではなく、ノイズ低減後の音声を対向イヤホンに送信することにより、イヤホンの電力消費量を低減し、それによりイヤホンの航続時間を延長することができる。
【0069】
ステップ306:現在時刻が所定の動作時間条件を満たさないことを決定したことに応答し、イヤホンから送信されたノイズ低減音声を受信する。
【0070】
いくつかの実施例において、前記実行主体は、前記現在時刻が前記所定の動作時間条件を満たさないことを決定したことに応答して、前記対向イヤホンから送信されたノイズ低減音声を受信することができる。前記現在時刻が前記所定の動作時間条件を満たさないことに応答して、前記イヤホンは、再生待ち音声をノイズ低減して、ノイズ低減音声を取得することができることが理解される。前記対向イヤホンは、得られたノイズ低減音声を前記実行主体に送信することができる。
【0071】
ステップ307:ノイズ低減音声は、ホーンにより再生される。
【0072】
いくつかの実施例において、前記実行主体は、前記ノイズ低減音声を前記ホーンを介して再生することができる。
【0073】
本開示の前記各実施例は、本開示のいくつかの実施例に係る音声再生方法により、イヤホンの電力消費量を減少させ、イヤホンの航続時間を延長することができるという有益な効果を有する。具体的には、イヤホンの航続が悪い理由は、当該ワイヤレスイヤホンがノイズ低減モードで、多くの場合、2つのイヤホンが同時に音声に対してノイズ低減処理を行うためである。これに基づいて、本開示のいくつかの実施例に係る音声再生方法を説明する。第1の側面に記載のアンテナ周辺装置に適用されるイヤホンであって、前記アンテナ周辺装置のイヤホンは、サウンドキャビティ・アセンブリ、バッテリアセンブリ及びアンテナイヤーシャンクを含む。前記サウンドキャビティ・アセンブリは、前部サウンドキャビティ及び後部サウンドキャビティを含む。前記前部サウンドキャビティと前記後部サウンドキャビティとの間には、イヤホンマザーボードとホーンが設置されている。前記イヤホンマザーボードにはマイクが設置される。まず、現在時刻が所定の動作時間条件を満たすことを決定したことに応答して、前記マイクにより捕捉された過去時間帯内の過去環境音声シーケンスを取得する。これにより、環境におけるノイズを捕捉することができる。次に、前記アンテナイヤホンにより関連する端末装置から送信された再生待ち音声を受信する。次に、前記過去環境の音声シーケンスに基づいて、反転音声シーケンスを生成する。これにより、得られた反転音声シーケンスにより、再生待ち音声に対してノイズ低減を行うことに用いることができる。その後、前記反転音声シーケンスに基づいて、前記再生待ち音声にノイズ低減処理を行い、前記再生待ち音声に対応するノイズ低減後の音声を取得する。これにより、ノイズ低減後の再生待ち音声を取得することができる。次に、前記ホーンにより前記ノイズが低減された音声を再生し、前記アンテナイヤーシャンクにより前記ノイズが低減された音声を関連する対向イヤホンに送信して同期に再生する。これにより、ノイズ低減後の再生待ち音声を他のイヤホンに送信することにより、もう1つのイヤホンが再びノイズ低減を行う必要がないため、電力量の浪費を低減することができる。次に、前記現在時刻が前記所定の動作時間条件を満たさないことを決定したことに応答して、前記対向イヤホンから送信されたノイズ低減音声を受信する。これにより、一定の時間経過後に、再生待ち音声のノイズを低減するために別のイヤホンを切り替え、そこからノイズ低減後の再生待ち音声を直接取得することができる。最後に、前記ホーンにより前記ノイズ低減音声を再生する。前記音声再生方法は、2つのイヤホンが音声に対してノイズ低減処理を交替に行うことを実現することができ、2つのイヤホンが音声に対して同時にノイズ低減処理を行う必要がないため、ノイズ低減処理の時間が短縮され、イヤホンの電力消費量が減少されて、イヤホンの航続時間を延長する。これにより、本開示のいくつかの実施例に係る音声再生方法は、イヤホンの電力消費量を減少し、イヤホンの航続時間を延長することができる。
【0074】
以上の説明は、本開示のいくつかの好ましい実施例の説明と、適用された技術原理の説明に過ぎない。本開示の実施例に係る開示範囲は、上記の技術的特徴の特定の組み合わせから生じる技術的解決策に限定されるものではなく、本開示の概念から逸脱することなく、上記の技術的特徴又はその同等の特徴を任意に組み合わせて形成された他の技術的解決策をカバーすべきであることが、当業者によって理解されるはずである。例えば、上記の特徴は、本開示の実施形態に開示されている(但し、これらに限定されるものではない)同様の機能を有する技術的特徴を相互に置換したことによって生じる技術的解決策である。
【符号の説明】
【0075】
1 サウンドキャビティ・アセンブリ
2 バッテリアセンブリ
3 アンテナイヤーシャンク
11 前部サウンドキャビティ
12 後部サウンドキャビティ
13 イヤホンマザーボード
14 ホーン
21 バッテリ前部キャビティ
22 バッテリ後部キャビティ
23 バッテリ