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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023113981
(43)【公開日】2023-08-17
(54)【発明の名称】エアカーテン装置及び殺菌送風装置
(51)【国際特許分類】
   F24F 9/00 20060101AFI20230809BHJP
   F24F 8/20 20210101ALI20230809BHJP
   A61L 9/20 20060101ALI20230809BHJP
【FI】
F24F9/00 K
F24F9/00 B
F24F9/00 A
F24F8/20
F24F9/00 M
F24F9/00 E
A61L9/20
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021053416
(22)【出願日】2021-03-26
(31)【優先権主張番号】P 2020114027
(32)【優先日】2020-07-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2020182142
(32)【優先日】2020-10-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】520240188
【氏名又は名称】未来を拓く合同会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104776
【弁理士】
【氏名又は名称】佐野 弘
(74)【代理人】
【識別番号】100119194
【弁理士】
【氏名又は名称】石井 明夫
(72)【発明者】
【氏名】土屋 敏子
【テーマコード(参考)】
4C180
【Fターム(参考)】
4C180AA02
4C180AA07
4C180AA17
4C180CC03
4C180DD03
4C180DD09
4C180EA34X
4C180HH05
4C180HH15
4C180HH19
4C180LL14
4C180MM08
(57)【要約】
【課題】制御を不要とし、見た目に変化がなく、殺菌したエアを吹き出して飛沫感染及び空気感染を防止可能なエアカーテン装置を提供する。
【解決手段】エアカーテン装置1は、所定の対象空間内をエアによって仕切るエアカーテン装置1である。エアカーテン装置1は、前記対象空間内にエアを送風してエアカーテンとするエア送風部12と、このエア送風部12から送風されるエアカーテンのエアを殺菌するエア殺菌部7と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の対象空間内をエアによって仕切るエアカーテン装置であって、
前記対象空間内にエアを送風してエアカーテンとするエア送風部と、
前記エア送風部から送風される前記エアカーテンのエアを殺菌するエア殺菌部と、
を備えることを特徴とするエアカーテン装置。
【請求項2】
前記対象空間内にテーブルが設置され、該テーブルの周囲を囲むように前記エア送風部から前記エアカーテンのエアを送風するように構成されたことを特徴とする請求項1に記載のエアカーテン装置。
【請求項3】
前記対象空間内にテーブルが設置され、該テーブルの座席と座席との間に前記エア送風部から前記エアカーテンのエアを送風するように構成されたことを特徴とする請求項1に記載のエアカーテン装置。
【請求項4】
前記対象空間内にテーブルが設置され、該テーブルの座席に対向する外周縁以外の部位に前記エア送風部を配置し、該エア送風部から上方又は斜め上方に向けて送風することによって着座者の周囲に前記エアカーテンを形成するようにしたことを特徴とする請求項1に記載のエアカーテン装置。
【請求項5】
前記対象空間内にカウンターが設置され、該カウンターの内外を仕切る部位に前記エア送風部から前記エアカーテンのエアを送風するように構成されたことを特徴とする請求項1に記載のエアカーテン装置。
【請求項6】
前記エア殺菌部には、紫外線ランプが設置されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載のエアカーテン装置。
【請求項7】
利用者の少なくとも頭部の全体をエアで覆うように送風するエア送風部と、
前記エア送風部から送風されるエアを殺菌するエア殺菌部と、
を備えることを特徴とする殺菌送風装置。
【請求項8】
前記エア送風部から送風される前記エアの吹出し角度を調整可能とする角度調整部材を備えていることを特徴とする請求項7に記載の殺菌送風装置。
【請求項9】
対象空間の周囲に設けられて前記対象空間内のエアを吸い込むエア吸込み部と、
前記対象空間内の全体に前記エアを送風するエア送風部と、
前記エア送風部から送風されるエアを殺菌するエア殺菌部と、
を備えることを特徴とする殺菌送風装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば店舗や飲食店等の建築物内において飛沫感染や空気感染を防止するために用いられるエアカーテン装置及び殺菌送風装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、エアカーテン装置は、例えば建築物の扉等の開口部に設置され、この開口部に沿ってエアをカーテン状に吹き出すことによって、外部と室内あるいは室内同士を区画して、熱遮断効果や防菌(埃)効果を得るようにしている。
【0003】
このようなエアカーテン装置には、例えば特許文献1に記載されたオゾンエアカーテン装置がある。このオゾンエアカーテン装置は、オゾン発生装置を有し、このオゾン発生装置で生成したオゾンをエアカーテン装置の吹出し口にエアで送るようにして熱、煙、虫、埃を遮断する他に、脱臭・殺菌効果を得るようにしている。
【0004】
ところで、店舗や飲食店等の建造物内において飛沫感染及び空気感染を防止するには、例えば座席と座席との間、カウンターの内側と外側との間等において、透明アクリル板や透明ビニールシート等の透明な遮蔽部材を配置することで、互いの間を遮蔽するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001-299891号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載されたオゾンエアカーテン装置は、吹き出したエアのオゾン濃度をオゾン濃度検出器で検出し、そのオゾン濃度に応じてオゾン発生装置のオゾン発生量を制御装置により調整しているため、オゾン濃度検出器、制御装置が必要となり、構造及び制御が複雑化するという課題がある。
【0007】
また、上記遮蔽部材を設けた場合には、見栄えが悪くなるとともに、上記遮蔽部材が邪魔になり利用者の行動の妨げになるという課題がある。
【0008】
そこで、本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであり、制御を不要とし、見た目に変化がなく、殺菌したエアを吹き出して飛沫感染及び空気感染を防止可能なエアカーテン装置及び殺菌送風装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
かかる目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、所定の対象空間内をエアによって仕切るエアカーテン装置であって、前記対象空間内にエアを送風してエアカーテンとするエア送風部と、前記エア送風部から送風される前記エアカーテンのエアを殺菌するエア殺菌部と、を備えることを特徴とする。
【0010】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の構成に加え、前記対象空間内にテーブルが設置され、該テーブルの周囲を囲むように前記エア送風部から前記エアカーテンのエアを送風するように構成されたことを特徴とする。
【0011】
また、請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の構成に加え、前記対象空間内にテーブルが設置され、該テーブルの座席と座席との間に前記エア送風部から前記エアカーテンのエアを送風するように構成されたことを特徴とする。
【0012】
また、請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の構成に加え、前記対象空間内にテーブルが設置され、該テーブルの座席に対向する外周縁以外の部位に前記エア送風部を配置し、該エア送風部から上方又は斜め上方に向けて送風することによって着座者の周囲に前記エアカーテンを形成するようにしたことを特徴とする。
【0013】
また、請求項5に記載の発明は、請求項1に記載の構成に加え、前記対象空間内にカウンターが設置され、該カウンターの内外を仕切る部位に前記エア送風部から前記エアカーテンのエアを送風するように構成されたことを特徴とする。
【0014】
また、請求項6に記載の発明は、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の構成に加え、前記エア殺菌部には、紫外線ランプが設置されていることを特徴とする。
【0015】
また、請求項7に記載の発明は、利用者の少なくとも頭部の全体をエアで覆うように送風するエア送風部と、前記エア送風部から送風されるエアを殺菌するエア殺菌部と、
を備えることを特徴とする。
【0016】
また、請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の構成に加え、前記エア送風部から送風される前記エアの吹出し角度を調整可能とする角度調整部材を備えていることを特徴とする。
【0017】
また、請求項9に記載の発明は、対象空間の周囲に設けられて前記対象空間内のエアを吸い込むエア吸込み部と、前記対象空間内の全体に前記エアを送風するエア送風部と、前記エア送風部から送風されるエアを殺菌するエア殺菌部と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
請求項1に記載の発明によれば、エア送風部から送風されるエアカーテンのエアをエア殺菌部によって殺菌することにより、制御を不要とし、見た目に変化がなく、殺菌したエアを吹き出すことが可能となる。その結果、利用者の飛沫感染及び空気感染を未然に防止することができる。
【0019】
また、請求項2に記載の発明によれば、テーブルの周囲を囲むようにエア送風部からエアカーテンのエアを送風することにより、エアカーテンでテーブル毎に区画され、テーブル毎に殺菌したエアを吹き出すことが可能となる。
【0020】
また、請求項3に記載の発明によれば、テーブルの座席と座席との間にエア送風部からエアカーテンのエアを送風することにより、エアカーテンでテーブルの座席毎に区画され、座席毎に殺菌したエアを吹き出すことが可能となる。
【0021】
また、請求項4に記載の発明によれば、テーブルの座席に対向する外周縁以外の部位にエア送風部を配置し、該エア送風部から上方又は斜め上方に向けて送風することによって着座者の周囲にエアカーテンを形成するようにしたので、テーブル毎に着座者の周囲が区画され、テーブル毎に殺菌したエアを吹き出すことが可能となる。
【0022】
また、請求項5に記載の発明によれば、カウンターの内外を仕切る部位にエア送風部からエアカーテンのエアを送風することにより、エアカーテンでカウンターの内外が区画され、カウンターの内側と外側との間に殺菌したエアを吹き出すことが可能となる。
【0023】
また、請求項6に記載の発明によれば、エア殺菌部に紫外線ランプが設置されていることから、構造が簡素化され、殺菌したエアを吹き出すことが可能となる。
【0024】
また、請求項7に記載の発明によれば、エア送風部から送風されるエアをエア殺菌部によって殺菌して利用者の少なくとも頭部を覆うように送風することにより、制御を不要とし、見た目に変化がなく、殺菌したエアを吹き出すことが可能となる。その結果、利用者とそれ以外の人との間の飛沫感染及び空気感染を未然に防止することができる。
【0025】
また、請求項8に記載の発明によれば、エア送風部から送風されるエアの吹出し角度を調整可能とする角度調整部材を備えていることにより、エアを所望の場所に送風することができ、利用者又は対象空間内の飛沫感染及び空気感染を一段と未然に防止することができる。
【0026】
また、請求項9に記載の発明によれば、エア送風部から送風されるエアをエア殺菌部によって殺菌して対象空間内の全体にエアを送風することにより、制御を不要とし、見た目に変化がなく、殺菌したエアを対象空間内の全体に吹き出すことが可能となる。その結果、対象空間の内外で隔離されるため、対象空間内の飛沫感染及び空気感染を未然に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】本発明に係るエアカーテン装置の第1実施形態を下面側から見た状態を示す構成図である。
図2図1の吹出し口及び吸込み口の一部を拡大して示す斜視図である。
図3図2の吹出し口及び吸込み口の一部をさらに拡大して示す斜視図である。
図4】本発明に係るエアカーテン装置の第2実施形態を示す概略構成図である。
図5】本発明に係るエアカーテン装置の第3実施形態におけるエアカーテンユニットを示す斜視図である。
図6図5の吸込み口からエアを吸い込んでいる状態を示す正面図である。
図7図5の吹出し口からエアが吹き出している状態を示す正面図である。
図8】本発明に係るエアカーテン装置の第3実施形態の変形例におけるエアカーテンユニットを示す斜視図である。
図9】本発明に係るエアカーテン装置の第4実施形態を下面側から見た状態を示す概略斜視図である。
図10】本発明に係るエアカーテン装置の第4実施形態の内部構造を示す概略斜視図である。
図11】第4実施形態のエアカーテン装置の送風のメカニズムを示す説明図である。
図12】本発明に係るエアカーテン装置の第5実施形態におけるエアカーテンユニットを示す斜視図である。
図13】本発明に係るエアカーテン装置の第6実施形態を示す概略斜視図である。
図14】本発明に係るエアカーテン装置の第7実施形態を示す概略斜視図である。
図15】本発明に係るエアカーテン装置の第7実施形態の第1変型例を示す部分断面側面図である。
図16】本発明に係るエアカーテン装置の第7実施形態の第2変型例を示す概略斜視図である。
図17】本発明に係るエアカーテン装置の第8実施形態を示す概略斜視図である。
図18】本発明に係るエアカーテン装置の第8実施形態の第1変形例を示す概略側面図である。
図19】本発明に係るエアカーテン装置の第8実施形態の第2変形例を示す概略斜視図である。
図20】本発明に係るエアカーテン装置の第9実施形態を示す概略斜視図である。
図21】本発明に係るエアカーテン装置の第9実施形態を示す概略側面図である。
図22】本発明に係る殺菌送風装置の第1実施形態の内部構造を示す縦断面図である。
図23図22のA-A線による断面図である。
図24図22のB-B線による断面図である。
図25】本発明に係る殺菌送風装置の第1実施形態の使用状態を示す概略側面図である。
図26】本発明に係る殺菌送風装置の第1実施形態の使用状態を示す概略正面図である。
図27】本発明に係る殺菌送風装置の第2実施形態を示す平面図である。
図28】本発明に係る殺菌送風装置の第2実施形態の使用状態を示す概略平面図である。
図29】本発明に係る殺菌送風装置の第2実施形態の使用状態を示す概略正面図である。
図30】本発明に係る殺菌送風装置の第3実施形態の使用状態を示す概略正面図である。
図31】本発明に係る殺菌送風装置の第3実施形態の要部を示す概略斜視図である。
図32】本発明に係る殺菌送風装置の第3実施形態の要部を示す概略正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0029】
[エアカーテン装置の第1実施形態]
図1は、本発明に係るエアカーテン装置の第1実施形態を示す構成図である。図2は、図1の吹出し口及び吸込み口の一部を拡大して示す斜視図である。図3は、図2の吹出し口及び吸込み口の一部をさらに拡大して示す斜視図である。
【0030】
なお、以下の第1~第3実施形態では、エアカーテン装置を所定の対象空間として飲食店内に設置した例について説明し、第4実施形態では、エアカーテン装置を所定の対象空間としてエレベータ内に設置した例について説明する。また、第1実施形態では、数十人から数百人収容可能な飲食店内の天井にエアカーテン装置を設置した例について説明する。
【0031】
図1及び図2に示すように、エアカーテン装置1は、飲食店内の天井にエア送風部を構成する吹出し部2と吸込み部4がマトリックス状に配置されている。吹出し部2は、多数のパイプが碁盤の目のように縦横に組み込まれて形成されている。吹出し部2は、図3に示すように縦横の交差する部分に連結部3が設けられ、この連結部3を介して多数のパイプが連結されている。それぞれの吹出し部2は、全てエアが連通するように構成されている。ここで、本実施形態では、吹出し部2の碁盤の目を形成する1つの格子部分に後述する飲食店のテーブルが配置され、その周囲に座席が配置されているものとする。吸込み部4は、吹出し部2の縦横の連結部3と略同様の位置にそれぞれ配置されている。それぞれの吸込み部4は、連結パイプ5を介して接続され、全てエアが連通するように構成されている。
【0032】
吹出し部2は、図2に示すように碁盤の目のように組まれた外形の対角線をなす位置にそれぞれエア送風部を構成する送風機6の吹出し接続部6aが接続されている。これらの送風機6には、例えばブロアや遠心式ファン(シロッコファン)が用いられ、このブロアに旋回流を付与するための図示しない駆動モータが内部に設置されている。なお、送風機6は、ブロアや遠心式ファンに限らず、例えば軸流ファン、クロスフローファン等の他の送風手段を用いてもよい。
【0033】
各送風機6の吹出し接続部6aには、その径方向に沿ってエア殺菌部としてのLED(light
emitting diode)製の紫外線ランプ(以下、LED紫外線ランプという。)7が設置されている。このLED紫外線ランプ7は、例えば遠紫外線C波を生成し、その波長が205~230ナノメートルと短いものを用いている。そのため、ヒトの細胞に到達せず、人体に影響を及ぼさないものの、空気中や物体の表面に存在する細菌やウイルスには、浸透し、消毒することができるものである。具体的には、上記遠紫外線C波は、現在のところ新型コロナウイルスを含め、他のコロナウイルスにも不活化の効果が得られると考えられている。
【0034】
吸込み部4は、外形の対角線をなす位置にそれぞれ吸入機8の吸込み接続部8aが接続されている。これらの吸入機8には、例えば真空ポンプ等の吸入手段が用いられる。ここで、それぞれ吸込み部4は、天井側の上面に吸込み口が設けられているものの、吸込み効率を高めるには、それぞれの吸込み部4の吸込み口に図示しないフレキシブルダクトの一端を連結してこのフレキシブルダクトの他端を下方に延びるように形成することが望ましい。具体的に、上記フレキシブルダクトの他端は、1つの格子部分の中央であって後述するテーブルの天板付近まで延びるように形成することが望ましい。このように構成することで、エアの吸込み効率を各段に高めることが可能となる。
【0035】
各吸入機8は、それぞれ接続ダクト9を介して送風機6に接続されている。これにより、各吸入機8は、各吸込み部4により吸い込まれた1つの格子部分内のエアを集合して吸込み、このエアが接続ダクト9を介して送風機6に送られ、LED紫外線ランプ7で殺菌された後、吹出し部2の後述するスリットから殺菌されたエアが吹き出されることとなる。
【0036】
図3に示すように、吹出し部2は、上記のように多数のパイプが碁盤の目のように形成され、これらのパイプの長さ方向に沿ってスリット2aが形成されている。送風機6は、吹出し部2のスリット2aから吹き出すエアの量が飲食店の天井付近から床面付近までに亘ってエアカーテンを形成するのに十分な風量が得られるように出力値が設定されている。これにより、吹出し部2の碁盤の目を形成する各格子部に対応する位置にそれぞれテーブル10が配置されていることから、図3に示すように各テーブル10及び図示しない座席は、エアカーテン11で区画されることとなる。なお、本実施形態では、吹出し部2、スリット2a、送風機6、及び吹出し接続部6aによりエア送風部12が構成されている。
【0037】
また、吹出し接続部6aにおけるLED紫外線ランプ7の近傍には、光触媒部材13が配置されている。具体的に、光触媒部材13は、吹出し接続部6aにおいてLED紫外線ランプ7よりもエアの吹出し方向の下流側の内周面に塗布されている。この光触媒部材13には、LED紫外線ランプ7による紫外線の照射によりエア中に含まれる細菌を殺菌したり、あるいは臭い成分を分解したりする二酸化チタン等の光触媒が塗布されている。光触媒部材13は、LED紫外線ランプ7からの紫外線の照射により光触媒の浄化作用を促進させ、その結果、吹出し接続部6aを流れるエアが浄化される。
【0038】
次に、本実施形態のエアカーテン装置1の作用を説明する。
【0039】
図1に示すように、送風機6から送風されたエアは、LED紫外線ランプ7で殺菌されるとともに、光触媒部材13により浄化された後、吹出し部2のスリット2aから殺菌及び浄化されたエアが吹き出される。吹出し部2のスリット2aから吹き出されるエアにより吹出し部2の碁盤の目を形成する各格子部内がエアカーテン11で区画される。これにより、各テーブル10の客は、他のテーブル10の客とエアが遮断される。その結果、多数の客が他の客との間での飛沫感染及び空気感染を未然に防止することができる。
【0040】
そして、吹出し部2の碁盤の目を形成する各格子部内のエアは、各吸入機8を駆動することにより、各吸込み部4の吸込み口から吸い込まれた後、接続ダクト9を介して送風機6に送られ、LED紫外線ランプ7で再び殺菌されるとともに、光触媒部材13により浄化された後、吹出し部2のスリット2aから殺菌及び浄化されたエアが再度吹き出されることとなる。
【0041】
このように本実施形態によれば、エア送風部12から送風するエアカーテン11のエアがLED紫外線ランプ7によって殺菌されることにより、複雑な制御を不要とし、見た目に変化がなく、殺菌及び浄化されたエアを吹き出すことが可能となる。その結果、利用者である客の飛沫感染及び空気感染を未然に防止することができる。
【0042】
また、本実施形態によれば、テーブル10の周囲を囲むようにエア送風部12からエアカーテン11のエアを送風することにより、エアカーテン11でテーブル10毎に区画され、テーブル10毎に殺菌及び浄化したエアを吹き出すことが可能となる。
【0043】
なお、本実施形態では、吹出し接続部6aにおけるLED紫外線ランプ7の近傍に光触媒部材13を配置した例について説明したが、これに限らず少なくともLED紫外線ランプ7が設置されていれば、殺菌したエアを吹き出すことが可能となる。
【0044】
また、本実施形態では、テーブル10の周囲を囲むようにエア送風部12からエアカーテン11のエアを送風するように構成した例について説明したが、これに限らず座席と座席との間にエア送風部12からエアカーテン11のエアを送風するように構成してもよい。これにより、エアカーテン11で座席毎に区画され、座席毎に殺菌したエアを吹き出すことが可能となる。
【0045】
さらに、本実施形態では、エア送風部12からエアカーテン11のエアを天井側から床面側に送風するように構成したが、これとは逆に、床面に多数のパイプを碁盤の目のように組み込んで吹出し部2の全体を構成し、エアカーテン11のエアを床面側から天井側に送風するようにしてもよい。この場合、吸込み部4は、上述したように天井側に配置されていることが望ましい。このように床面側から送風し天井側から吸い込むことで、角筒状のエアカーテン11を縦横に連続して形成することが可能となる。また、床面に多数のパイプを碁盤の目のように組み込む場合、例えば床面を嵩上げし、その嵩上げした床面の内部に多数のパイプを碁盤の目のように組み込み、これらのパイプにスリットを形成するとともに、スリットが形成された位置に対応する床面に開口部を形成すればよい。
【0046】
さらに、本実施形態では、天井に多数のパイプを碁盤の目のように固定して設置した例について説明したが、これに限らず吹出し部2の碁盤の目を形成する多数のパイプの少なくとも一部をテレスコピック構造としてもよい。ここで、テレスコピック(telescopic)とは、外径が異なる筒体を組み合わせて伸び縮みが可能な構造をいう。
【0047】
このように構成することで、店舗の天井の広狭や配設形状に応じて複数のパイプを適宜伸縮することで、天井の全面に亘って吹出し部2を設置することが可能となり、汎用性を著しく高めることができる。同時に、吹出し部2のスリット2aの吹出し幅も調整することができるので、一段と汎用性を高めることができる。
【0048】
このように吹出し部2のスリット2aの吹出し幅を調整した場合には、繰り出された吹出し部2の各スリット2aが同一直線状に形成されるように、吹出し部2の各パイプに凹凸部等のガイド部を設けておくことが望ましい。
【0049】
また、本実施形態では、複数の吸込み部4を吹出し部2の縦横の連結部3と略同様の位置にそれぞれ配置した例について説明したが、これに限らず複数の吸込み部4を吹出し部2と同様に、それぞれスリットが形成された多数のパイプを碁盤の目のように縦横に組み込んで形成するとともに、縦横の交差する部分に連結部を設け、この連結部を介して多数のパイプを連結して床面に設置するようにしてもよい。この場合、吸込み部4は、吹出し部2と対向する同一位置に設置される。これにより、吹出し部2のスリット2aから吹き出されたエアが床面に設置した複数の吸込み部4のスリットから吸い込まれるため、エアカーテン11でテーブル10毎に確実に区画することが可能となる。その結果、感染した人の飛沫や呼気を吸込み部4のスリットで吸込み、接続ダクト9を介して送風機6に戻すように構成することで、殺菌したエアを再び吹き出すことが可能となる。
【0050】
[エアカーテン装置の第2実施形態]
図4は、本発明に係るエアカーテン装置の第2実施形態を示す概略構成図である。
【0051】
なお、本実施形態では、前記第1実施形態と同一又は対応する部分には、同一の符号を付して説明する。その他の実施形態も同様である。
【0052】
図4に示すように、本実施形態のエアカーテン装置1Aは、店舗、飲食店等において、カウンター15を介して店側の人と客との間を区画するために用いられる。エアカーテン装置1Aは、カウンター15の一端に設置されている。このカウンター15の外側には、着座者としての客が着席するための座席16が設置されている。店側の人は、主にカウンター15の内側において客と応対する。
【0053】
エアカーテン装置1Aは、カーテンボックス17を有し、このカーテンボックス17内には、送風機6が設置されている。この送風機6は、図示しない駆動モータを駆動することにより回転駆動する。送風機6の送風側の付近には、エア殺菌部としてのLED紫外線ランプ7が設置されている。
【0054】
また、カーテンボックス17のカウンター15の一端内側には、吹出しパイプ18が垂直方向に設置されている。この吹出しパイプ18には、長さ方向に沿ってスリット18aが形成されている。吹出しパイプ18は、カウンター15の内側と外側を仕切る部位に設置されている。送風機6は、スリット18aから吹き出すエアの量がカウンター15の長さ方向に亘ってエアカーテン11を形成するのに十分な風量が得られるように出力値が設定されている。この場合、送風機6にその風量を調節可能な風量調節機構を設け、座席16に着席した客の位置又は人数に応じて風量を調節することができるようにしてもよい。具体的には、吹出しパイプ18の近傍の座席16に客が一人だけ着席している場合には、上記風量調節機構を操作して吹き出すエアの量を少なくするようにしてもよい。なお、本実施形態では、送風機6、吹出しパイプ18、及びスリット18aによりエア送風部12が構成されている。
【0055】
次に、本実施形態のエアカーテン装置1Aの作用を説明する。
【0056】
送風機6から送風されたエアは、LED紫外線ランプ7で殺菌された後、吹出しパイプ18のスリット18aから殺菌されたエアが吹き出される。吹出しパイプ18のスリット18aから吹き出されるエアによりカウンター15を介して店側の人と客との間、すなわちカウンター15の内側と外側がエアカーテン11で区画される。これにより、カウンター15の客は、店側の人とエアが遮断される。
【0057】
このように本実施形態によれば、カウンター15の内外を仕切る部位にエア送風部12からエアカーテン11のエアを送風することにより、エアカーテン11でカウンター15の内外が区画され、カウンター15の内側と外側との間に殺菌したエアを吹き出すことが可能となる。これにより、店側の人と客との間で飛沫感染及び空気感染を未然に防止することができる。
【0058】
なお、本実施形態では、カウンター15の内外を仕切る部位にエア送風部12からエアカーテン11のエアを送風するように構成した例について説明したが、これに限らず上記と同様に座席16と座席16との間にエア送風部12からエアカーテン11のエアを送風するように構成してもよい。これにより、エアカーテン11で座席16毎に区画され、座席16毎に殺菌したエアを吹き出すことが可能となる。
【0059】
また、本実施形態では、前記第1実施形態と同様にカーテンボックス17の内面に光触媒部材13を塗布するように構成すれば、浄化したエアを吹き出すことが可能となる。これは、以下の各実施形態及び各変形例でも同様に適用可能である。
【0060】
さらに、本実施形態では、カウンター15の一端に吹出しパイプ18を設置するとともに、カウンター15の他端に図示しない吸込みパイプを設置するようにしてもよい。これにより、感染した人の飛沫や呼気を上記吸込みパイプで吸込み、カーテンボックス17に戻すように構成することで、殺菌したエアを再び吹き出すことが可能となる。
【0061】
[エアカーテン装置の第3実施形態]
図5は、本発明に係るエアカーテン装置の第3実施形態におけるエアカーテンユニットを示す斜視図である。図6は、図5の吸込み口からエアを吸い込んでいる状態を示す正面図である。図7は、図5の吹出し口からエアが吹き出している状態を示す正面図である。
【0062】
なお、図5図7では、エアカーテンユニットの一つだけを示しているが、本実施形態では、縦横に平面状に連続して並設されている。
【0063】
また、図5図7には、送風機6から複数のエアカーテンユニットへのエアの送風経路と、複数のエアカーテンユニットから吸入機8までのエアの吸入経路は、図1図3と同様の構成であるので、図示を省略している。
【0064】
図5に示すように、本実施形態のエアカーテン装置1Bは、例えば店舗等の図示しない天井からエアカーテンユニット20が縦横に平面状に多数連続して並設され、それぞれのエアカーテンユニット20が4本の吊りボルト21によって吊り下げられる。エアカーテンユニット20は、それぞれ所定の高さになるように吊りボルト21の長さが設定されている。この所定の高さとは、冷房の冷気又は暖房の暖気が店舗内に行き渡らせることができるような高さに設定される。
【0065】
エアカーテンユニット20は、図5に示すように平面視で正方形の枠状に形成され、その一辺の長さが600~800mmに設定されている。このような長さに設定することで、エアカーテンユニット20から吹き出されたエアカーテン11で客の一人一人を互いに区画することができるようにしている。
【0066】
エアカーテンユニット20は、それぞれ上面部に吸込み部22の吸込み口22aが設けられる一方、下面部に吹出し部23が設けられている。本実施形態では、吸込み部22の吸込み口22aが上面部に設けられていることから、図6に示すようにエアカーテンユニット20の中央部からエアを吸い上げ、吸込み部22の上面部の吸込み口22aからエアを吸い込むように構成されている。
【0067】
複数のエアカーテンユニット20が縦横に平面状に多数連続して並設されている場合、吸込み部22は、例えば前記第1実施形態と同様に、それぞれ連結パイプ5を介して接続され、全てエアが連通するように構成され、吸込み接続部8aを介して吸入機8に接続されている。
【0068】
吹出し部23の吹出し口は、図5に示すようにエアカーテンユニット20の底面4辺にそれぞれスリット状に形成されている。これら4辺の吹出し部23は、それぞれ開閉制御が可能に構成されている。そのため、複数のエアカーテンユニット20が縦横に平面状に連続して設置された場合には、各エアカーテンユニット20の4辺の吹出し部23を開閉制御することで、吹き出すエリアの広さや角形平面の形状を自由に変更することができる。
【0069】
4辺の吹出し部23を開閉制御するには、全て遠隔操作により行われ、制御手段であるマイコンの記憶部に予めいくつかのパターンを記憶させ、これらのパターンから一つを選択して読み出すことで、種々のエリアの広さや平面形状に変更することが可能となる。
【0070】
複数のエアカーテンユニット20の吹出し部23は、それぞれ図示しない連結パイプを介して連結され、例えば前記第1実施形態と同様に、この連結パイプに吹出し接続部6aを介して送風機6が接続されている。また、吹出し接続部6aには、前記第1実施形態と同様にLED紫外線ランプ7が設置されている。
【0071】
次に、本実施形態のエアカーテン装置1Bの作用を説明する。
【0072】
エアカーテンユニット20は、天井から縦横に平面状に多数連続して並設されてそれぞれ吊りボルト21によって所定の高さになるように吊り下げられているものとする。そして、送風機6を駆動することで、送風機6から送風されたエアは、LED紫外線ランプ7で殺菌された後、吹出し部23の吹出し口から殺菌されたエアが図7に示すように角筒状に吹き出される。吹出し部23の吹出し口から吹き出されるエアにより吹出し部23の4辺の下側がエアカーテン11で区画される。これにより、他のエアカーテンユニット20に対してエアが遮断される。
【0073】
そして、送風機6と同時に吸入機8が駆動されていることから、エアカーテン11のエアは、図6に示すようにエアカーテンユニット20の中央開口部から吸い上げられた後、各吸込み部22の上面部の吸込み口22aから吸い込まれて集合される。このエアは、接続ダクト9を介して送風機6に送られ、LED紫外線ランプ7で殺菌された後、吹出し部23から殺菌されたエアが再度吹き出されることとなる。
【0074】
このように本実施形態によれば、店舗内に設置された複数のエアカーテンユニット20が縦横に平面状に連続して並設するように形成され、各エアカーテンユニット20の4辺の吹出し部23を開閉制御することで、吹出すエリアの広さや角形平面の形状を自由に変更することができ、汎用性を向上させることができる。
【0075】
なお、本実施形態では、吸込み部22をエアカーテンユニット20に設けた例について説明したが、吸込み部22を吹出し部23と分離して、吸込み部22を吹出し部23の下方延長線上の床面に設置するようにしてもよい。これにより、感染した人の飛沫や呼気を吸込み部22で吸込み、吸入機8に戻すように構成することで、殺菌したエアを再び吹き出すことが可能となる。
【0076】
[エアカーテン装置の第3実施形態の変形例]
図8は、本発明に係るエアカーテン装置の第3実施形態の変形例におけるエアカーテンユニットを示す斜視図である。なお、前記第3実施形態と同一又は対応する部分には、同一の符号を付して説明する。
【0077】
なお、図8では、エアカーテンユニットの一つだけを示していないが、実際には縦横に平面状に連続して並設されているものとする。
【0078】
また、図8には、送風機6から複数のエアカーテンユニットへのエアの送風経路と、複数のエアカーテンユニットから吸入機8までのエアの吸入経路は、図1図3と同様の構成であるので、図示を省略している。
【0079】
図8に示すように、エアカーテンユニット20Aは、第3実施形態のエアカーテンユニット20を4つ平面状に連続して並設したものと略同様の形状である。エアカーテンユニット20Aは、縦横に平面状に多数連続して並設されて図示しない天井からそれぞれ吊りボルト21によって所定の高さになるように吊り下げられる。すなわち、エアカーテンユニットユニット20Aは、それぞれ所定の高さになるように吊りボルト21の長さが設定されている。
【0080】
エアカーテンユニット20Aは、それぞれ上面部に吸込み部22の吸込み口22aが設けられる一方、下面部に吹出し部23が設けられている。各辺の吹出し部23は、それぞれ開閉制御が可能に構成されている。そのため、複数のエアカーテンユニット20Aが縦横に平面状に連続して設置された場合には、各エアカーテンユニット20Aの各辺の吹出し部23を開閉制御することで、吹き出すエリアの広さや角形平面の形状を自由に変更することができる。その他の構成及び作用は、前記第3実施形態と同様であるので、その説明を省略する。
【0081】
[エアカーテン装置の第4実施形態]
図9は、本発明に係るエアカーテン装置の第4実施形態を下面側から見た状態を示す概略斜視図である。図10は、本発明に係るエアカーテン装置の第4実施形態の内部構造を示す概略斜視図である。図11は、第4実施形態のエアカーテン装置の送風のメカニズムを示す説明図である。
【0082】
図9に示すように、本実施形態のエアカーテン装置1Cは、店舗よりも狭いエレベータ内の図示しない天井に設置されている。エアカーテン装置1Cは、4辺の矩形の外枠25がエレベータ内の天井に固定されている。外枠25内は、十字状の仕切部26が設けられて4つに仕切られている。十字状の仕切部26には、上面部に吸込み部27が設けられる一方、下面部に吹出し部28が設けられている。吹出し部28の下面には、エア送風部としての十字スリット状の吹出し口28aが形成されている。
【0083】
本実施形態の仕切部26には、それぞれ十字を形成する各部にクロスフローファン30が設置されている。このクロスフローファン30は、図10及び図11に示すように、複数のブレード31が両側の円板32及び中間部の支持板33により支持されている。これらのブレード31が周方向に所定以上の間隔をあけて保持される羽根車34を、回転軸方向に回転軸を同じにして複数個連結させたものである。なお、一端の円板32の中心にはモータ35のシャフトを連結するための軸受が取り付けられ、他端の円板には支持板を兼ねる回転軸が取り付けられている。クロスフローファン30の吹出し部28の近傍には、LED紫外線ランプ7がブレード31と同一の方向となるように配置されている。
【0084】
図11に示すように、クロスフローファン30が回転駆動すると、上部の吸込み部27から流入したエアが、ブレード31の列を通してクロスフローファン30内を通りける貫流が発生する。このクロスフローファン30の内部のエアが吹出し部28側のブレード31の列を通して流出する。このエアは、LED紫外線ランプ7で殺菌された後に吹出し部28の吹出し口28aから十字状に吹き出される。
【0085】
したがって、本実施形態では、クロスフローファン30の内部のLED紫外線ランプ7で殺菌されて仕切部26の吹出し部28から十字状にエアが吹き出される。このエアは、吹出し部28から吹き出されるエアによって十字状のエアカーテン11が形成されエレベータ内が4つに仕切られる。これにより、エアカーテン11の内部は、他のエアカーテン11の内部とエアが遮断される。その結果、乗員同士の飛沫感染及び空気感染を未然に防止することができる。
【0086】
このように本実施形態によれば、十字状の吹出し部28から吹き出されて十字状のエアカーテン11のエアを送風するので、エアカーテン11で4つに仕切られるとともに、殺菌したエアを吹き出すことが可能となる。
【0087】
なお、本実施形態では、仕切部26の十字を形成する各部にクロスフローファン30を設置した例について説明したが、これに限らず例えば外枠25の内部と十字状の仕切部26を連通状態に構成し、外枠25の一辺にクロスフローファン30を設置して十字状の仕切部26からエアを十字状に吹出すようなエアカーテン11としてもよい。
【0088】
また、本実施形態では、エレベータ内を4つのエリアに仕切った例について説明したが、エレベータの定員数に応じてより多く又はより少ないエリアに仕切るように構成してもよい。
【0089】
[エアカーテン装置の第5実施形態]
図12は、本発明に係るエアカーテン装置の第5実施形態におけるエアカーテンユニットを示す斜視図である。
【0090】
なお、本実施形態では、前記第1~第4実施形態と同一又は対応する部分に同一の符号を付して説明する。また、図12では、エアカーテンユニットの一つだけを示しているが、本実施形態では縦横に平面状に連続して並設されている。この場合、エアカーテンユニットの一つだけを設置するようにしてもよい。
【0091】
図12に示すように、本実施形態のエアカーテン装置1Dは、図5に示す第3実施形態と同様に例えば店舗等の図示しない天井からエアカーテンユニット20Aが縦横に平面状に多数連続して並設され、それぞれのエアカーテンユニット20Aが4本の吊りボルト21によって所定の高さになるように吊り下げられる。すなわち、エアカーテンユニット20Aは、それぞれ所定の高さになるように吊りボルト21の長さが設定されている。この所定の高さとは、第3実施形態と同様に冷房の冷気又は暖房の暖気が店舗内に行き渡らせることができるような高さに設定される。
【0092】
エアカーテンユニット20Aは、図12に示すように平面視で正方形の枠状に形成され、その一辺の長さが600~800mmに設定されている。このような長さに設定することにより、エアカーテンユニット20Aから吹き出されたエアカーテン11で客の一人一人を互いに区画することができるようにしている。各辺の内部は、それぞれ空間部が形成されている。
【0093】
エアカーテンユニット20Aは、4辺のそれぞれの空間部に前記第4実施形態のクロスフローファン30が設置されている。このクロスフローファン30の図示しないエア送風部としての吹出し口の近傍には、LED紫外線ランプ7が配置されている。エアカーテンユニット20Aは、4辺のそれぞれの上面にスリット状に形成された吸込み口37が設けられている。これらの吸込み口37は、それぞれクロスフローファン30の吸込み部27に連通している。
【0094】
本実施形態では、吸込み口37が上面部に設けられていることから、図12に示すようにエアカーテンユニット20Aの枠内からエアを吸い上げ、上面部の吸込み口37からエアを吸い込むように構成されている。
【0095】
図示しない吹出し口は、第4実施形態と同様にエアカーテンユニット20Aの底面4辺にそれぞれスリット状に形成されている。これら4辺の吹出し口は、クロスフローファン30の駆動を制御することで、吹出しの駆動及び停止が可能に構成されている。そのため、複数のエアカーテンユニット20Aが縦横に平面状に連続して設置された場合には、各エアカーテンユニット20Aの4辺の吹出し口をクロスフローファン30の駆動をオンオフ制御することで、吹き出すエリアの広さや角形平面の形状を自由に変更することができる。その他の制御方法は、前記第3実施形態と同様である。
【0096】
次に、本実施形態のエアカーテン装置1Dの作用を説明する。
【0097】
エアカーテンユニット20Aは、天井から縦横に平面状に多数連続して並設されてそれぞれ4本の吊りボルト21によって所定の高さになるように吊り下げられているものとする。そして、各エアカーテンユニット20Aの4辺のクロスフローファン30を駆動することで、各クロスフローファン30から送風されたエアは、LED紫外線ランプ7で殺菌されており、図示しない吹出し口から殺菌されたエアが角筒状に吹き出される。吹出し口から吹き出されるエアにより各エアカーテンユニット20Aの吹出し口の4辺の下側がエアカーテン11で区画される。これにより、他のエアカーテンユニット20Aに対してエアが遮断される。
【0098】
そして、各エアカーテンユニット20Aの4辺のクロスフローファン30が駆動されていることから、エアカーテン11内のエアはエアカーテンユニット20Aの中央開口部から吸い上げられた後、吸込み口37から吸い込まれる。このエアは、クロスフローファン30内からLED紫外線ランプ7で殺菌された後、吹出し口から殺菌されたエアが再度吹き出されることとなる。
【0099】
このように本実施形態によれば、店舗内に設置された複数のエアカーテンユニット20Aが縦横に平面状に連続して並設するように形成され、各エアカーテンユニット20Aの4辺に設置されたクロスフローファン30の駆動をオンオフ制御することで、前記第3実施形態の効果に加え、送風機6、吸入機8、及び連結パイプ5、接続ダクト9等が不要になり、全体構成を極めて簡素化することができ、使い勝手が良好になる。
【0100】
なお、本実施形態では、複数のエアカーテンユニット20Aを縦横に平面状に連続して並設するように形成した例について説明したが、これに限らず店舗等のように設置する場所の広狭に応じて適宜その数を増減することができる。これにより、汎用性を一段と向上させることができる。
【0101】
[エアカーテン装置の第6実施形態]
図13は、本発明に係るエアカーテン装置の第6実施形態を示す概略構成斜視図である。
【0102】
なお、本実施形態では、前記第2実施形態と同一又は対応する部分に同一の符号を付して異なる構成及び作用を説明する。
【0103】
図13に示すように、本実施形態のエアカーテン装置1Eは、前記第2実施形態と同様に店舗、飲食店等において、カウンター15を介して店側の人と着座者としての客との間を区画するために用いられる。エアカーテン装置1Eは、カウンター15の一端に設置されている。
【0104】
エアカーテン装置1Eは、全体がクロスフローファン30から構成されている。このクロスフローファン30の内部には、エア殺菌部としてのLED紫外線ランプ7が設置されている。クロスフローファン30は、店舗、飲食店等において商用電源から電力が供給される。なお、本実施形態のクロスフローファン30は、可搬式に構成されている。
【0105】
本実施形態のエアカーテン装置1Eは、上記のように構成されているので、クロスフローファン30の図示しない吸込み口から吸い込まれたエアは、内部のLED紫外線ランプ7で殺菌された後、スリット状に形成されたエア送風部としての吹出し口28aから殺菌されたエアが吹き出される。この吹出し口28aから吹き出されるエアによりカウンター15を介して店側の人と客との間がエアカーテン11で区画される。これにより、カウンター15の客は、店側の人とエアが遮断される。
【0106】
このように本実施形態によれば、カウンター15の内外を仕切る部位にクロスフローファン30からエアカーテン11のエアを送風することにより、エアカーテン11でカウンター15の内外が区画され、カウンター15の内側と外側との間に殺菌したエアを吹き出すことが可能となる。これにより、店側の人と客との間で飛沫感染及び空気感染を未然に防止することができる。
【0107】
なお、本実施形態では、カウンター15の内外を仕切る部位にクロスフローファン30の吹出し口28aからエアカーテン11のエアを送風するように構成した例について説明したが、これに限らず前記第2実施形態と同様に座席16と座席16との間にクロスフローファン30を設置し、このクロスフローファン30からエアカーテン11のエアを吹き出すように構成してもよい。これにより、エアカーテン11で座席16毎に区画され、座席16毎に殺菌したエアを吹き出すことが可能となる。
【0108】
また、本実施形態は、クロスフローファン30に商用電源から電力を供給するようにしたが、これに限らずクロスフローファン30にバッテリ等の蓄電装置を内蔵し、この蓄電装置からクロスフローファン30に電力を供給して駆動するように構成すれば、如何なる場所にも設置することができる。このように構成したクロスフローファン30を長さ方向に多数連続して設置するか、あるいは径方向に多数連続して設置するようにしてよい。このように構成することで、一段と使い勝手が良好になる。
【0109】
さらに、本実施形態では、スリット状に形成された吹出し口28aを一定の長さに形成した例について説明したが、これに限らずクロスフローファン30が外形をテレスコピック構造とし吹出し口28aの長さを調整可能に構成するようにしてもよい。
このように構成することで、吹出し口28aの吹出し幅も適宜調整することができるため、一段と汎用性を高めることができる。この場合、上記のように蓄電装置からクロスフローファン30に電力を供給して駆動するように構成すれば、さらに使い勝手が良好になる。
【0110】
[エアカーテン装置の第7実施形態]
図14は、本発明に係るエアカーテン装置の第7実施形態を示す概略斜視図である。
【0111】
なお、本実施形態では、前記第1~第6実施形態と同一又は対応する部分に同一の符号を付して異なる構成及び作用を説明する。
【0112】
図14に示すように、本実施形態のエアカーテン装置1Fは、テーブル10Aの両側の外周縁からエアカーテン11のエアを上方に向けて送風することによってその周囲に対して区画するようにしている。テーブル10Aは、例えばアルミニウム、鉄、ステンレス鋼、銅等の金属材料の他、高強度のプラスチック材料が用いられる。テーブル10Aの天板41は、矩形に形成され、その広さは、幅60~70cm、奥行50~70cmの範囲であり、望ましくは幅65cm程度、奥行60cm程度である。
【0113】
テーブル10Aには、その天板41の下部に箱状に形成された収納部40が設けられている。この収納部40内には、幅方向両側にそれぞれクロスフローファン30が奥行方向に沿って配置されている。これらのクロスフローファン30の内部には、それぞれLED紫外線ランプ7が設置されている。
【0114】
テーブル10Aの天板41には、その奥行方向中央であって、幅方向に延びる矩形状に形成された吸込み用開口部42が設けられている。この吸込み用開口部42は、収納部40内を経て2つのクロスフローファン30の吸込み部と連通するように構成されている。テーブル10Aの天板41には、幅方向両外周縁に奥行方向に沿ってスリット状に形成されたエア送風部としてのクロスフローファン30の吹出し口28aが設けられている。
【0115】
したがって、クロスフローファン30を駆動することで、テーブル10Aの天板41上のエアが吸込み用開口部42を通して収納部40内に吸い込まれ、このエアがクロスフローファン30の吸込み部からその内部に吸い込まれる。このエアは、内部のLED紫外線ランプで殺菌された後、吹出し口28aから殺菌されたエアがテーブル10Aの幅方向の両外周端から上方に向かって吹き出される。この吹出し口28aから吹き出されるエアによりテーブル10Aが周囲とエアカーテン11で区画される。これにより、テーブル10Aを利用する着座者は、テーブル10Aの周囲とエアが遮断されることとなる。
【0116】
このように本実施形態によれば、テーブル10Aの幅方向の両外周縁からエアカーテン11のエアを上方に向かって吹き出すことにより、テーブル10Aの幅方向両外周縁から殺菌したエアを吹き出すことが可能となる。これにより、テーブル10Aを利用する着座者は、エアカーテン11でテーブル10Aの周囲と区画され、テーブル10Aの周囲とエアが遮断されることで、周囲に対して飛沫感染及び空気感染を未然に防止することができる。
【0117】
また、本実施形態によれば、着座者からの飛沫等がテーブル10Aの吸込み用開口部42を通して収納部40内に吸い込まれることから、周囲に対する飛沫感染及び空気感染をさらに未然に防止することができる。
【0118】
なお、本実施形態では、テーブル10Aの形状が矩形に形成した例について説明したが、この形状に限らず楕円形を含む円形、他の多角形に形成したものでも適用可能である。これは、以下に説明する各実施形態及び各変形例についても、同様に適用することができる。
【0119】
また、本実施形態では、テーブル10Aは、例えばアルミニウム、鉄、ステンレス鋼、銅等の金属材料の他、高強度のプラスチック材料を用いた例について説明したが、これらの単体ではなく、例えば天板41をアルミニウム以外の材料で形成し、この天板41をアルミニウム板で覆うように構成してもよい。その他の構成及び作用は、本実施形態と同様である。
【0120】
[エアカーテン装置の第7実施形態の第1変型例]
図15は、本発明に係るエアカーテン装置の第7実施形態の第1変型例を示す部分断面側面図である。
【0121】
なお、本変形例では、前記第7実施形態と同一又は対応する部分に同一の符号を付して異なる構成及び作用を説明する。
【0122】
図15に示すように、本変形例のエアカーテン装置1Gは、天板41に設けられた吸込み用開口部42の開口端にその長さ方向に沿って天板41の平面よりも傾斜して高くなる傾斜突条44が形成されている。天板41における吸込み用開口部42の長さ方向の両端近傍には、それぞれ棒状の支持部45が固定され、これらの支持部45には、吸込み用開口部42の直上に位置するように平板状の開口部カバー46が設置されている。
【0123】
このように本第1変形例によれば、吸込み用開口部42の開口端にその長さ方向に沿って傾斜突条44を形成し、吸込み用開口部42の直上に開口部カバー46を設置したことにより、着座者が水等の流体をこぼしたりしても、傾斜突条44で阻止され、吸込み用開口部42を通して収納部40内に入り込むことを防止することができる。加えて、開口部カバー46を設置したことにより、吸込み用開口部42から収納部40内にゴミ等の夾雑物が入り込むことも防止することができる。その他の構成及び作用は、前記第7実施形態と同様であるためその説明を省略する。
【0124】
[エアカーテン装置の第7実施形態の第2変型例]
図16は、本発明に係るエアカーテン装置の第7実施形態の第2変型例を示す概略斜視図である。
【0125】
なお、本変形例では、前記第7実施形態と同一又は対応する部分に同一の符号を付して異なる構成及び作用を説明する。
【0126】
図16に示すように、本変形例のエアカーテン装置1Hは、天板41における吸込み用開口部42の長さ方向両端部近傍において天板41の幅方向に沿って対向三角壁47が設置されている。これらの対向三角壁47は、それぞれ三角形の板状に形成され、垂直方向に立設されている。各対向三角壁47は、2つの連続する斜辺にそれぞれスリット状に形成されたエア送風部としてのクロスフローファン30の吹出し口28aが設けられている。
【0127】
したがって、対向三角壁47の各吹出し口28aからは、エアカーテン11のエアが斜め上方に向かって吹き出すことで、着座者に対しての肩部から上方の顔の左右側が区画される。また、エアが斜め上方に向かって吹き出すことで、会話等の声が遮断されるのをある程度回避することができる。
【0128】
このように本第2変形例によれば、天板41における吸込み用開口部42の長さ方向両端部近傍において天板41の幅方向に沿って対向三角壁47が設置され、対向三角壁47の各吹出し口28aからは、エアカーテン11のエアが斜め上方に向かって吹き出すことにより、テーブル10Aと通路との間をエアで遮断することで、隣接する各着座者の互いの飛沫感染及び空気感染を未然に防止することができる。その他の構成及び作用は、前記第7実施形態と同様であるためその説明を省略する。
【0129】
[エアカーテン装置の第8実施形態]
図17は、本発明に係るエアカーテン装置の第8実施形態を示す概略斜視図である。
【0130】
なお、本実施形態では、前記第7実施形態と同一又は対応する部分に同一の符号を付して異なる構成及び作用を説明する。
【0131】
図17に示すように、本実施形態のエアカーテン装置1Iは、前記第7実施形態と同様に、テーブル10Aの3辺の外周縁からエアカーテン11のエアを上方に向けて送風することによってその周囲に対して区画するようにしている。収納部40内には、奥行方向の略中央で幅方向沿って1つのクロスフローファン30が配置されている。このクロスフローファン30の内部には、LED紫外線ランプ7が設置されている。なお、テーブル10Aの材質及び天板41の広さは、前記第7実施形態と同様であるので、その説明を省略する。
【0132】
テーブル10Aの天板41には、その奥側に幅方向に延びて矩形状に形成された吸込み用開口部42が設けられている。この吸込み用開口部42は、収納部40内を経て1つのクロスフローファン30の吸込み部と連通するように構成されている。テーブル10Aの天板41には、テーブル10Aの座席に対向する外周縁以外の部位であるテーブル10Aの3辺の外周縁に沿ってスリット状に形成されたエア送風部としてのクロスフローファン30の吹出し口28aが設けられている。
【0133】
したがって、クロスフローファン30を駆動することで、テーブル10Aの天板41上のエアが吸込み用開口部42を通して収納部40内に吸い込まれ、このエアがクロスフローファン30の吸込み部からその内部に吸い込まれる。このエアは、内部のLED紫外線ランプ7で殺菌された後、テーブル10Aの3辺のスリット状の吹出し口28aから殺菌されたエアが上方に向かって吹き出される。この吹出し口28aから吹き出されるエアによりテーブル10Aが周囲とエアカーテン11で区画される。これにより、テーブル10Aを利用する着座者は、テーブル10Aの周囲とエアが遮断されることとなる。
【0134】
このように本実施形態によれば、テーブル10Aの座席に対向する外周縁以外の部位であるテーブル10Aの3辺の外周縁からエアカーテン11のエアを上方に向かって吹き出すことにより、テーブル10Aの3辺の外周縁から殺菌したエアを吹き出すことが可能となる。これにより、テーブル10Aを利用する着座者は、エアカーテン11でテーブル10Aの周囲と区画され、テーブル10Aの周囲とエアで遮断することで、周囲に対して飛沫感染及び空気感染を未然に防止することができる。
【0135】
また、本実施形態によれば、着座者から出された飛沫等がテーブル10Aの吸込み用開口部42を通して収納部40内に吸い込まれることから、周囲に対する飛沫感染及び空気感染をさらに未然に防止することができる。
【0136】
[エアカーテン装置の第8実施形態の第1変形例]
図18は、本発明に係るエアカーテン装置の第8実施形態の第1変形例を示す概略側面図である。
【0137】
なお、本第1変形例では、前記第8実施形態と同一又は対応する部分に同一の符号を付して異なる構成及び作用を説明する。また、第2変形例も同様である。
【0138】
図18に示すように、本第1変形例のエアカーテン装置1Jは、テーブル10Aの天板41に、その奥側に幅方向に延びて矩形状に形成された吸込み用開口部42が設けられている。この吸込み用開口部42近傍の手前側、つまりテーブル10Aを利用する着座者側には、吸込み用開口部42を覆うように遮蔽部材43が設置されている。
【0139】
遮蔽部材43は、吸込み用開口部42の長さ方向に沿って設置され、断面円弧状に形成されている。したがって、本第1変形例は、吸込み用開口部42の近傍の手前側に断面円弧状の遮蔽部材43を設置したことにより、吸込み用開口部42の手前側が遮蔽される一方、奥側が開口することとなる。
【0140】
このように本第1変形例によれば、吸込み用開口部42の近傍の手前側に遮蔽部材43を設置し、吸込み用開口部42の手前側を遮蔽したことにより、着座者が水等の流体をこぼしたりしても、遮蔽部材43で遮蔽され、吸込み用開口部42を通して収納部40内に入り込むことを防止することができる。加えて、吸込み用開口部42から収納部40内にゴミ等の夾雑物が入り込むことも防止することができる。
【0141】
なお、本第1変形例では、吸込み用開口部42全面に金網等を設けておけば、網目より大きな夾雑物が入り込むのを防止することができる。その他の構成及び作用は、前記第8実施形態と同様であるためその説明を省略する。
【0142】
[エアカーテン装置の第8実施形態の第2変形例]
図19は、本発明に係るエアカーテン装置の第8実施形態の第2変形例を示す概略斜視図である。
【0143】
図19に示すように、本第2変形例のエアカーテン装置1Kでは、前記第8実施形態の3辺の外周縁からエアカーテン11のエアを上方に向けて送風するテーブル10Aを縦横2つ設置している。
【0144】
なお、テーブル10Aを縦方向又は横方向に並設した場合には、互いに隣接するクロスフローファン30の吹出し口28aのいずれか一方を閉止するように制御してもよい。具体的には、クロスフローファン30の吹出し口28aまでの途中に例えば図示しない電磁弁を配設し、この電磁弁をテーブル10Aに設置したスイッチ(図示せず)によって開閉制御する。
【0145】
また、本第2変形例では、テーブル10Aを縦横2つ設置した例について説明したが、これに限らず縦横に平面状に3つ以上連続して並設するようにしてもよい。その他の構成及び作用は、前記第8実施形態と同様であるためその説明を省略する。
【0146】
[エアカーテン装置の第9実施形態]
図20は、本発明に係るエアカーテン装置の第9実施形態を示す概略斜視図である。図21は、本発明に係るエアカーテン装置の第9実施形態を示す概略側面図である。なお、本実施形態では、前記第8実施形態及びその変形例と同一又は対応する部分に同一の符号を付して異なる構成及び作用を説明する。また、テーブル10Aの材質及び天板41の広さは、前記第7実施形態と同様であるので、その説明を省略する。
【0147】
図20及び図21に示すように、本実施形態のエアカーテン装置1Lは、テーブル10Aの奥行側の外周縁に着座者と対向する対向壁50が垂直方向に立設されている。この対向壁50は、高さが例えば2~18cmである。対向壁50の両端には、それぞれ斜壁51がテーブル10Aの幅方向両外周縁に沿って連続して形成されている。これらの斜壁51は、垂直方向に立設され、最も高い部分が対向壁50と同一の高さであり、その高さから天板41まで次第に低くなるように傾斜するように形成されている。
【0148】
対向壁50及び2つの斜壁51の上端には、それぞれスリット状に形成されたエア送風部としてのクロスフローファン30の吹出し口28aが設けられている。対向壁50の吹出し口28aは、図21に示すようにエアカーテン11のエアを上方に向かって吹き出す。また、2つの斜壁51の吹出し口28aは、図21に示すように座席16の着座者の肩部から上方の顔の左右側を区画するため、エアカーテン11のエアを斜め上方に向かって吹き出すようにしている。
【0149】
本実施形態でも、第8実施形態の第1変形例で説明したように、吸込み用開口部近傍の手前側、つまりテーブル10Aを利用する着座者側には、吸込み用開口部を覆うように遮蔽部材43が設置されている。
【0150】
また、本実施形態でも、第8実施形態の第2変形例で説明したように、テーブル10Aを縦横2つ以上設置してもよい。この場合は、上記と同様に互いに隣接する吹出し口28aのいずれか一方を閉止するように制御してもよい。
【0151】
なお、本実施形態では、1つのテーブル10Aに対して1つの座席16を設置した例について説明したが、これに限らず例えば矩形の大型のテーブルで複数の座席16を設置した場合でも適用することが可能である。この場合には、大型のテーブルにおいて各着座者に応じて対向壁50及び斜壁51をそれぞれ設置し、これら対向壁50及び斜壁51からエアカーテン11のエアを吹き出して各着座者間をエアで遮断することで、各着座者の互いの飛沫感染及び空気感染を未然に防止することができる。
【0152】
[殺菌送風装置の第1実施形態]
図22は、本発明に係る殺菌送風装置の第1実施形態の内部構造を示す縦断面図である。図23は、図22のA-A線による断面図である。図24は、図22のB-B線による断面図である。図25は、本発明に係る殺菌送風装置の第1実施形態の使用状態を示す概略側面図である。図26は、本発明に係る殺菌送風装置の第1実施形態の使用状態を示す概略正面図である。なお、以下の殺菌送風装置の各実施形態では、前記エアカーテン装置の各実施形態と同一又は対応する部分に同一の符号を付して説明する。
【0153】
図25及び図26に示すように、本実施形態の殺菌送風装置60は、可搬型であって、例えばテーブル10上に設置されて使用される。殺菌送風装置60は、図22図24に示すように、本体ケース61を有し、この本体ケース61内には、エア送風部としてのクロスフローファン30と、エア殺菌部としてのLED紫外線ランプ7とが収納されている。クロスフローファン30は、図25及び図26に示すように、利用者である着座者の上半身をエアで覆うように送風する。LED紫外線ランプ7は、クロスフローファン30から送風されるエアを殺菌する。LED紫外線ランプ7は、例えばAC100Vの商用電源からの電流が供給されて発光する。クロスフローファン30は、ファン軸30aを有し、このファン軸30aがモータ35の出力軸に連結されている。モータ35は、電源コード62を介して上記商用電源のコンセントに差し込まれるブラグ63に接続されている。クロスフローファン30は、図示しない電源スイッチをオンにすることで、モータ35に上記商用電源からの電流が供給されて駆動する。
【0154】
ここで、モータ35及びLED紫外線ランプ7の電源スイッチは、着座者が椅子に着座したことを椅子の設けた接触センサや殺菌送風装置60に設けた人感センサ等のセンサによって検出し、この検出結果に基づいて上記電源スイッチがオンになるように構成してもよい。この場合、着座者が椅子から退座したときには、上記電源スイッチがオフになるように構成する。
【0155】
本体ケース61の一側には、図22に示すように、エアの吸込み部64が設けられ、この吸込み部64の内側に屈曲して形成されたフィルタ65が配置されている。このフィルタ65は、吸込み部64から吸い込まれたエア内の粉塵や花粉等を濾過する。ケース61の他側には、エアの吹出し部66が設けられ、この吹出し部66からはLED紫外線ランプ7によって殺菌されたエアが吹き出される。吸込み部64及び吹出し部66は、寸法がクロスフローファン30の長さと略同様である。
【0156】
吹出し部66の上方には、角度調整部材としてのルーバー67が設置され、このルーバー67の長さは、吹出し部66の寸法と略同様である。ルーバー67は、回転軸を中心として傾倒可能に構成されている。ルーバー67の回動軸の一端には、操作つまみ68が取り付けられ、この操作つまみ68を回動操作すると、ルーバー67の傾斜角度が変化し、吹出し部66から吹き出されたエアがルーバー67に接触して偏向され、エアの吹出し角度が調整可能に構成されている。
【0157】
なお、本実施形態では、操作つまみ68を回動操作してルーバー67の傾斜角度を変更してエアの吹出し角度を調整するように構成したが、図示しないモータの回転駆動力を用いてルーバー67の傾斜角度を変更するようにしてもよい。この場合、着座者の座高の高さをセンサや画像情報によって読み取り、この読取結果に基づいて図示しない制御部で上記モータの回転を制御してルーバー67の傾斜角度を変更するようにしてもよい。このように構成することで、着座者の座高の高低に関係なく、着座者の周囲は、吹出し部66から吹き出される清浄なエアで満たされるようになる。
【0158】
次に、本実施形態の殺菌送風装置60の作用を説明する。
【0159】
本実施形態の殺菌送風装置60は、テーブル10の天板41における座席に対向する位置に設置される。この場合、着座者が会話する場合を想定して説明する。
【0160】
まず、殺菌送風装置60の図示しない電源スイッチをオンにすることで、モータ35及びLED紫外線ランプ7に上記商用電源からの電流を供給してクロスフローファン30を駆動させ、吹出し部66からエアを吹き出させると同時に、LED紫外線ランプ7を発光させる。ここで、操作つまみ68を回動操作して図25及び図26に示すように着座者の上半身をエアで覆うようにルーバー67の傾斜角度をあらかじめ調整し、エアの吹出し角度を調整しておく。この場合、ルーバー67の傾斜角度が大きくなればなるほど、エアの吹出し範囲が広くなる。
【0161】
そして、着座者が会話している場合、その呼気に含まれる飛沫の他、粉塵や花粉等が吸込み部64から吸い込まれ、粉塵や花粉等がフィルタ65を通して濾過される。濾過されなかった微細な飛沫は、クロスフローファン30を経てLED紫外線ランプ7によって殺菌され、この殺菌されかつ粉塵や花粉等が濾過された後の清浄なエアが吹出し部66から吹き出される。
【0162】
そして、吹出し部66から吹き出される清浄なエアは、図25及び図26に示すように少なくとも着座者の上半身全体を覆うようになる。これにより、着座者の周囲は、吹出し部66から吹き出される清浄なエアで満たされるようになり、その周囲と区画される。その結果、着座者とそれ以外の人との間の飛沫感染及び空気感染を未然に防止することができる。
【0163】
このように本実施形態によれば、クロスフローファン30から送風されるエアをLED紫外線ランプ7によって殺菌して着座者の上半身全体を覆うように送風することにより、制御を不要とし、見た目に変化がなく、殺菌した清浄なエアを吹き出すことが可能となる。その結果、着座者とそれ以外の人との間の飛沫感染及び空気感染を未然に防止することができる。
【0164】
なお、本実施形態では、着座者の上半身全体を覆うように送風するようにしたが、これに限らず着座者の少なくとも頭部を覆うようにすればよい。この場合でも、着座者とそれ以外の人との間の飛沫感染及び空気感染を未然に防止することができる。
【0165】
また、本実施形態では、商用電源からクロスフローファン30及びLED紫外線ランプ7に電流を供給してクロスフローファン30を駆動させるとともに、LED紫外線ランプ7を発光するようにしたが、これに限らずバッテリ等の電源から電流を供給して駆動させるとともに、発光させるようにしてもよい。
【0166】
[殺菌送風装置の第2実施形態]
図27は、本発明に係る殺菌送風装置の第2実施形態を示す平面図である。図28は、本発明に係る殺菌送風装置の第2実施形態の使用状態を示す概略平面図である。図29は、本発明に係る殺菌送風装置の第2実施形態の使用状態を示す概略正面図である。なお、図28及び図29では、内部機構の図示を省略している。
【0167】
図27図29に示すように、本実施形態の殺菌送風装置70は、利用者の首部に掛け両肩部で支持して使用される。殺菌送風装置70は、図27に示すように、全体が合成樹脂又は軽金属等の複数のパイプ状部材を連結して形成されている。殺菌送風装置70は、平面視で円形の一側が内側に湾曲した形状に形成されている。
【0168】
殺菌送風装置70は、左右の前部71,71と、左右の側部72,72と、後部73を有し、左右の側部72,72と、後部73とが連続して一体に形成されている。
【0169】
左右の前部71,71は、所定の隙間を開けて設けられ、それぞれの内部にエア送風部としてのクロスフローファン30と、エア殺菌部としてのLED紫外線ランプ7とが収納されている。クロスフローファン30は、ファン軸30aを有し、このファン軸30aがモータ35の出力軸に連結されている。モータ35は、図示しないバッテリ等の電源から電流が供給されて駆動する。この場合、図示しない商用電源からクロスフローファン30に電流を供給してクロスフローファン30を駆動させるようにしてもよい。
【0170】
左右の前部71,71は、左右の側部72,72に対してそれぞれ連結部71a,71aで回動可能に構成されている。左右の前部71,71には、それぞれ内周側にスリット状に形成されたエアの吸込み部75が設けられ、これらの吸込み部75の内側とクロスフローファン30との間にフィルタ76が配置されている。このフィルタ76は、吸込み部75から吸い込まれたエア内の粉塵や花粉等を濾過する。
【0171】
左右の前部71,71には、それぞれ外周側にスリット状に形成されたエアの吹出し部77が設けられている。左右の前部71,71は、それぞれ連結部71a,71aで回動可能に構成されていることから、左右の前部71,71の吹出し部77は、その回動範囲内において吹出し角度を変更可能とし、送風方向が調整可能に構成されている。
【0172】
次に、本実施形態の殺菌送風装置70の作用を説明する。
【0173】
本実施形態の殺菌送風装置70は、利用者の首部に掛け両肩部で支持して使用される。そして、殺菌送風装置70の図示しない電源スイッチをオンにすることで、モータ35に上記バッテリ等の電源からの電流を供給して左右の前部71,71のクロスフローファン30を駆動させ、それぞれ左右の前部71,71の吹出し部77から吹き出させると同時に、LED紫外線ランプ7を発光させる。
【0174】
ここで、左右の前部71,71をそれぞれ連結部71a,71aで回動させ、その回動範囲内において送風方向を操作し、利用者の頭部全体を覆うようにあらかじめ調整しておく。
【0175】
なお、利用者が会話している場合、その呼気に含まれる飛沫の他、粉塵や花粉等が吸込み部75から吸い込まれ、粉塵や花粉等がフィルタ76を通して濾過される。濾過されなかった微細な飛沫は、クロスフローファン30、LED紫外線ランプ7によって殺菌され、この殺菌されかつ粉塵や花粉等が濾過された後の清浄なエアが吹出し部77から吹き出される。
【0176】
そして、吹出し部77から吹き出される清浄なエアは、図28及び図29に示すように利用者の頭部全体を覆うようになる。これにより、利用者の頭部の周囲は、吹出し部77から吹き出される清浄なエアで満たされるようになり、その周囲と区画される。その結果、利用者とそれ以外の人との間の飛沫感染及び空気感染を未然に防止することができる。
【0177】
このように本実施形態によれば、クロスフローファン30から送風されるエアをLED紫外線ランプ7によって殺菌して利用者の頭部全体を覆うように送風することにより、制御を不要とし、見た目に変化がなく、殺菌した清浄なエアを吹き出すことが可能となる。その結果、利用者とそれ以外の人との間の飛沫感染及び空気感染を未然に防止することができる。
【0178】
なお、本実施形態では、左右の前部71,71を回動可能に構成し、吹出し部77の吹出し方向を変更可能としたが、これに限らず左右の側部72,72及び後部73にもそれぞれ吹出し部を形成し、左右の側部72,72の吹出し部が形成された部分を回動可能に構成するとともに、後部73も吹出し部が形成された部分を回動可能に構成し、それぞれ吹出し方向を変更可能としてもよい。
【0179】
[殺菌送風装置の第3実施形態]
図30は、本発明に係る殺菌送風装置の第3実施形態の使用状態を示す概略正面図である。図31は、本発明に係る殺菌送風装置の第3実施形態の要部を示す概略斜視図である。図32は、本発明に係る殺菌送風装置の第3実施形態の要部を示す概略正面図である。
【0180】
図30に示すように、本実施形態の殺菌送風装置80は、衣類処理装置81の上部に設置されている。この衣類処理装置81は、縦長の直方体形状を有する対象空間としての収納室82を有する。この収納室82には、例えばホテル、住宅、店舗等のクロゼットが挙げられる。この収納室82の内部には、他の人の呼気に含まれる飛沫が付着したスーツ、コート、ネクタイ等の各種の衣類が吊り下げられた状態で収納される他、飛沫が付着したカバン等も収納される。
【0181】
収納室82の前面には、衣類を出し入れするために観音開き状に開閉可能な2枚の開閉扉83が取り付けられている。各開閉扉83は、収納室82の左右の開口部に図示しないヒンジ部を介しての開閉可能に取り付けられている。収納室82の天面近傍には、左右方向に延びるポール84が設けられている。このポール84には、衣類が掛けられたハンガー85が吊り下げられる。
【0182】
収納室82の天面上部には、本実施形態の殺菌送風装置80が設置されている。この殺菌送風装置80は、平面視矩形状に形成され、互いに対向する長辺部及び短辺部の近傍にエア送風部としてのクロスフローファン30が配置されている。殺菌送風装置80の互いに対向する長辺部及び短辺部近傍の底面には、それぞれスリット状に形成されたエア吸込み部87が設けられている。各クロスフローファン30を駆動すると、収納室82内の各内壁近傍からのエアが図32に矢印で示すようにエア吸込み部87を通して各クロスフローファン30に吸い込まれるように構成されている。
【0183】
これらのクロスフローファン30の内側には、それぞれエア殺菌部としてのLED紫外線ランプ7が配置されている。これらのLED紫外線ランプ7の内側下面には、図31に示すように縦横方向に格子状に形成された整流板86が配置されている。この整流板86は、矩形状に形成されて所定の厚さを有し、クロスフローファン30から吹き出されたエアを、LED紫外線ランプ7を経て図30に矢印で示すように収納室82内に吊り下げられた各衣類等の上端から下端までを覆うように吹き付けられるように案内する。
【0184】
次に、本実施形態の殺菌送風装置80の作用を説明する。
【0185】
まず、図30に示すように収納室82のポール84に他の人の呼気に含まれる飛沫が付着した衣類が掛けられたハンガー85を複数吊り下げ、開閉扉83を閉止した状態としておく。そして、長辺部及び短辺部の近傍に配置されたクロスフローファン30をそれぞれ駆動する。すると、ハンガー85に吊り下げられた衣類に付着した花粉、細菌を含むエアが収納室82内の各内壁近傍からエア吸込み部87を通して各クロスフローファン30内に吸い込まれる。
【0186】
次いで、各クロスフローファン30内に吸い込まれたエアは、図32に示すようにLED紫外線ランプ7を経て殺菌されて清浄化された後、縦横方向に格子状に形成された整流板86を通して図30に矢印で示すように収納室82内に吊り下げられた各衣類の上端から下端までの全体を清浄なエアで覆うように吹き付けられる。
【0187】
このように本実施形態によれば、各クロスフローファン30から送風されるエアをLED紫外線ランプ7によって殺菌して収納室82内の全体にエアを送風することにより、制御を不要とし、見た目に変化がなく、殺菌したエアを収納室82内の全体に吹き出すことが可能となる。その結果、収納室82に吊り下げられた各衣類を殺菌することができる。
【0188】
なお、本実施形態では、整流板86を矩形状に形成した例について説明したが、これに限らず矩形以外の角形、円形、楕円形等、如何なる形状であってもよい。
【0189】
また、本実施形態では、収納室82内のエアがエア吸込み部87を通して直接各クロスフローファン30に吸い込まれるように構成したが、これに限らずエア吸込み部87にフィルタを配置し、このフィルタで収納室82内のエアに含まれる塵埃や花粉等を濾過するようにしてもよい。
【0190】
[他の実施形態]
本発明の各実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更、組み合わせを行うことができる。これらの実施形態やその変形例は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【0191】
例えば、上記エアカーテン装置の各実施形態では、本発明のエアカーテン装置を所定の対象空間として店舗や飲食店等の建築物内に設置した例について説明したが、これらに限定することなく、映画館、劇場、カラオケボックス等の建築物内における密閉空間、テーマパークや大型の商業施設、学校、電車、バス、ライブハウス等のように人が密集する場所は勿論のこと、屋内又は屋外において人が集まる場所、人と人とが対面する場所であれば、如何なる場所でも適用することができる。特に、内部にLED紫外線ランプ7が設けられて移動可能に構成したクロスフローファン30を使用すれば、屋内外を問わず、如何なる場所にも設置することが可能となる。
【0192】
また、上記エアカーテン装置の各実施形態では、各人の間にエアカーテン11のエアを送風することで、互いの音声が遮断され聞き取りにくい場合、テーブル10Aにブルートゥース(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、WiFi(登録商標)、EnOcean、Wi-SUN(Wireless Smart Utility Network)等の各種近距離無線通信機能を設けるようにしてもよい。各種近距離無線通信機能については、特にコンサート会場において有効である。
【符号の説明】
【0193】
1,1A~1I エアカーテン装置
2 吹出し部
2a スリット
3 連結部
4 吸込み部
5 連結パイプ
6 送風機
6a 吹出し接続部
7 LED紫外線ランプ(エア殺菌部)
8 吸入機
8a 吸込み接続部
9 接続ダクト
10 テーブル
11 エアカーテン
12 エア送風部
13 光触媒部材
15 カウンター
16 座席
17 カーテンボックス
18 吹出しパイプ
18a スリット
20 エアカーテンユニット
21 吊りボルト
22 吸込み部
23 吹出し部
25 外枠
26 仕切部
27 吸込み部
28 吹出し部
28a 吹出し口(エア送風部)
30 クロスフローファン(エア送風部)
30a ファン軸
31 ブレード
32 円板
33 支持板
34 羽根車
35 モータ
37 吸込み口
40 収納部
41 天板
42 吸込み開口部
43 遮蔽部材
44 傾斜突条
45 支持部
46 開口部カバー
47 対向三角壁
50 対向壁
51 斜壁
60 殺菌送風装置
61 本体ケース
62 電源コード
63 ブラグ
64 吸込み部
65 フィルタ
66 吹出し部
67 ルーバー(角度調整部材)
68 操作つまみ
70 殺菌送風装置
71 前部
71a 連結部
72 側部
73 後部
73a 連結部
74 後部接続部
75 吸込み部
76 フィルタ
77a 吹出し部
77b 吹出し部
77c 吹出し部
80 殺菌送風装置
81 衣類処理装置
82 収納室(対象空間)
83 開閉扉
84 ポール
85 ハンガー
86 整流版
87 吸込み部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32