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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023114023
(43)【公開日】2023-08-17
(54)【発明の名称】検出装置及び搬送システム
(51)【国際特許分類】
   G01V 8/20 20060101AFI20230809BHJP
   B65G 43/08 20060101ALI20230809BHJP
【FI】
G01V8/20 N
B65G43/08 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022016080
(22)【出願日】2022-02-04
(71)【出願人】
【識別番号】390004879
【氏名又は名称】三菱マテリアルテクノ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100175802
【弁理士】
【氏名又は名称】寺本 光生
(74)【代理人】
【識別番号】100142424
【弁理士】
【氏名又は名称】細川 文広
(74)【代理人】
【識別番号】100140774
【弁理士】
【氏名又は名称】大浪 一徳
(72)【発明者】
【氏名】堀之内 竜太郎
(72)【発明者】
【氏名】阿部 恭兵
(72)【発明者】
【氏名】田平 亮輔
【テーマコード(参考)】
2G105
3F027
【Fターム(参考)】
2G105AA01
2G105BB16
2G105BB17
2G105CC01
2G105DD02
2G105EE02
2G105HH04
3F027AA01
3F027CA03
3F027DA16
3F027EA01
3F027FA11
(57)【要約】
【課題】搬送部を有する搬送装置に取付けて用いられ、搬送部上に残った対象物を検出する検出装置を提供する。
【解決手段】対象物W1を搬送部10上で搬送する搬送装置70に取付けて用いられ、搬送部上に残った対象物を検出する検出装置2であって、対象物に電磁波L1を照射する投波部31と、投波部により照射された電磁波を直接検出するか、投波部により照射され対象物で反射された電磁波を検出する受波部36と、受波部の検出結果に基づいて、搬送部上に残った対象物を検出する制御部と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象物を搬送部上で搬送する搬送装置に取付けて用いられ、前記搬送部上に残った前記対象物を検出する検出装置であって、
前記対象物に電磁波を照射する投波部と、
前記投波部により照射された前記電磁波を直接検出するか、前記投波部により照射され前記対象物で反射された前記電磁波を検出する受波部と、
前記受波部の検出結果に基づいて、前記搬送部上に残った前記対象物を検出する制御部と、
を備える、検出装置。
【請求項2】
前記投波部及び前記受波部は、水平面に沿うとともに、前記搬送部による前記対象物の搬送方向に交差する方向に対向するように配置され、
前記受波部は、前記投波部により照射された前記電磁波を直接検出する、請求項1に記載の検出装置。
【請求項3】
前記投波部は、前記電磁波である可視光線を照射する、請求項1又は2に記載の検出装置。
【請求項4】
前記受波部を複数備え、
前記複数の受波部は、互いに直列に接続され、
直列に接続された前記複数の受波部における両端部が、前記制御部にそれぞれ接続されている、請求項1から3のいずれか一項に記載の検出装置。
【請求項5】
前記受波部は、前記電磁波の強度を電気抵抗値に変換する素子である、請求項1から4のいずれか一項に記載の検出装置。
【請求項6】
前記投波部及び前記受波部を組にして、前記搬送部による前記対象物の搬送方向に複数備え、
前記制御部は、前記複数の投波部から前記電磁波である可視光線を照射したときに、前記対象物を検出した前記搬送方向の位置での前記投波部の前記可視光線の照射を続け、前記対象物を検出しない前記搬送方向の位置での前記投波部の前記可視光線の照射を停止する、請求項1から5のいずれか一項に記載の検出装置。
【請求項7】
自身の上で対象物を搬送する搬送部と、
前記対象物に電磁波を照射する投波部と、
前記投波部により照射された前記電磁波を直接検出するか、前記投波部により照射され前記対象物で反射された前記電磁波を検出する受波部と、
前記受波部の検出結果に基づいて、前記搬送部上に残った前記対象物を検出する制御部と、
を備える、搬送システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、検出装置及び搬送システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、対象物をトレイに入れて、搬送部上で搬送する搬送システムが知られている(例えば、特許文献1から3参照)。
搬送部には、投光器(投波部)及び受光器(受波部)が設けられている。投光器の光軸は、搬送部に対して交差している。
搬送部上に対象物が存在しない場合、光軸は受光器に受光される。一方で、搬送部上で対象物が搬送されると、光軸は対象物により遮断される。搬送システムは、搬送部上に対象物が存在していると判断する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平06-255750号公報
【特許文献2】特開2009-268996号公報
【特許文献3】特開2005-315699号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば、搬送部により飲料用の缶(対象物)を搬送する場合がある。さらに、搬送部により、複数種類の缶を、種類ごとに搬送する場合がある。その場合、搬送部により搬送していた第1種類の缶を搬送部上から無くして(払い出して)から、第1種類とは異なる第2種類の缶を搬送部により搬送する。搬送部上に第1種類の缶が残っていると、第2種類の缶を用いた製造の際に、第2種類の缶に第1種類の缶が混入するためである。
【0005】
しかしながら、搬送部の長さが長い場合や、搬送部上の対象物を外部から視認し難い場合等には、搬送部上に残った対象物を検出するのは、容易ではない。
【0006】
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであって、搬送部を有する搬送装置に取付けて用いられ、搬送部上に残った対象物を検出する検出装置、及び、搬送部を有し、搬送部上に残った対象物を検出する搬送システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するために、この発明は以下の手段を提案している。
本発明の検出装置は、対象物を搬送部上で搬送する搬送装置に取付けて用いられ、前記搬送部上に残った前記対象物を検出する検出装置であって、前記対象物に電磁波を照射する投波部と、前記投波部により照射された前記電磁波を直接検出するか、前記投波部により照射され前記対象物で反射された前記電磁波を検出する受波部と、前記受波部の検出結果に基づいて、前記搬送部上に残った前記対象物を検出する制御部と、を備えることを特徴としている。
【0008】
この発明では、搬送部上に対象物が残っていないと、例えば投波部及び受波部が対象物を挟んで対向するように配置されている場合には、受波部は、投波部により照射された電磁波を直接検出し、例えば投波部及び受波部が対象物に対して同じ側に配置されている場合には、受波部は、投波部により照射された電磁波を検出しない。
一方で、搬送部上に対象物が残っていると、例えば投波部及び受波部が対象物を挟んで対向するように配置されている場合には、受波部は、投波部により照射された電磁波を検出しなく、例えば投波部及び受波部が対象物に対して同じ側に配置されている場合には、受波部は、投波部により照射され対象物で反射された電磁波を検出する。
【0009】
以上のように、搬送部上に対象物が残っているか否かにより、受波部が電磁波を検出するか否かが切り替わる。従って、搬送装置に取付けて用いられる検出装置の制御部は、受波部の検出結果に基づいて、搬送部上に残った対象物を検出することができる。
【0010】
また、前記検出装置において、前記投波部及び前記受波部は、水平面に沿うとともに、前記搬送部による前記対象物の搬送方向に交差する方向に対向するように配置され、前記受波部は、前記投波部により照射された前記電磁波を直接検出してもよい。
この発明では、搬送部上に対象物が残っていないときには、受波部は、投波部により照射された電磁波を直接検出することができる。
【0011】
また、前記検出装置において、前記投波部は、前記電磁波である可視光線を照射してもよい。
この発明では、投波部が照射した可視光線を、検出装置の使用者が直接視認することができる。
【0012】
また、前記検出装置において、前記受波部を複数備え、前記複数の受波部は、互いに直列に接続され、直列に接続された前記複数の受波部における両端部が、前記制御部にそれぞれ接続されていてもよい。
この発明では、例えば、複数の受波部のうちのいずれか1つが断線したときに、直列に接続された複数の受波部における両端部間に電流が流れなくなる。従って、複数の受波部のうちのいずれか1つが断線したことを容易に検出することができる。
【0013】
また、前記検出装置において、前記受波部は、前記電磁波の強度を電気抵抗値に変換する素子であってもよい。
この発明では、電磁波の強度を、受波部における電気抵抗値の変化として検出することができる。
【0014】
また、前記検出装置において、前記投波部及び前記受波部を組にして、前記搬送部による前記対象物の搬送方向に複数備え、前記制御部は、前記複数の投波部から前記電磁波である可視光線を照射したときに、前記対象物を検出した前記搬送方向の位置での前記投波部の前記可視光線の照射を続け、前記対象物を検出しない前記搬送方向の位置での前記投波部の前記可視光線の照射を停止してもよい。
この発明では、投波部が照射する可視光線は、検出装置の使用者が視認することができるため、対象物を検出した搬送方向の位置を、使用者が容易に認識することができる。
【0015】
また、本発明の搬送システムは、自身の上で対象物を搬送する搬送部と、前記対象物に電磁波を照射する投波部と、前記投波部により照射された前記電磁波を直接検出するか、前記投波部により照射され前記対象物で反射された前記電磁波を検出する受波部と、前記受波部の検出結果に基づいて、前記搬送部上に残った前記対象物を検出する制御部と、を備えることを特徴としている。
【0016】
この発明では、搬送部上に対象物が残っていないと、例えば投波部及び受波部が対象物を挟んで対向するように配置されている場合には、受波部は、投波部により照射された電磁波を直接検出し、例えば投波部及び受波部が対象物に対して同じ側に配置されている場合には、受波部は、投波部により照射された電磁波を検出しない。
一方で、搬送部上に対象物が残っていると、例えば投波部及び受波部が対象物を挟んで対向するように配置されている場合には、受波部は、投波部により照射された電磁波を検出しなく、例えば投波部及び受波部が対象物に対して同じ側に配置されている場合には、受波部は、投波部により照射され対象物で反射された電磁波を検出する。
【0017】
以上のように、搬送部上に対象物が残っているか否かにより、受波部が電磁波を検出するか否かが切り替わる。従って、搬送部を有する搬送システムの制御部は、受波部の検出結果に基づいて、搬送部上に残った対象物を検出することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明の検出装置及び搬送システムでは、搬送部上に残った対象物を検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の一実施形態の搬送システムにおける要部の断面図である。
図2】同搬送システムの制御部の概要を示す図である。
図3】同搬送システムの搬送部における一部を破断した平面図である。
図4】同搬送システムにおける複数の投光部及び受光部を説明する平面図である。
図5】同搬送システムの受光部の取り付けに用いられる支持部材の正面図である。
図6】同搬送システムの動作を説明する、投光部から照射された可視光線が缶で反射される状態の一例を示す平面図である。
図7】変形例の搬送システムの動作を説明する、投波部から照射された赤外線が缶で反射される状態の一例を示す平面図である。
図8】本発明の一実施形態の検出装置における要部の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明に係る搬送システムの一実施形態を、図1から図8を参照しながら説明する。
図1及び図2に示すように、本実施形態の搬送システム1は、搬送部10と、ガイド20と、投光ユニット30と、受光ユニット35と、制御部50と、を備える。
図1に示すように、搬送部10は、いわゆるエアフローコンベアである。搬送部10は、自身の上で缶(対象物)W1を搬送する。この例では、例えば、缶W1は、350mL用の缶である。缶W1は、円筒状に形成され、自身の軸線が上下方向に延びるように配置されている。
搬送部10は、搬送板11と、図示しない空気の供給源と、を有している。
【0021】
図3に示すように、例えば、搬送板11は、平面視でV字状に形成されている。なお、図1は、図3中の切断線A1-A1の断面図である。搬送板11の形状は、特に限定されない。
例えば、搬送板11は、水平面に沿って延びている。搬送板11は、ステンレス鋼製の板材等により形成されている。
搬送板11は、第1直状部14と、湾曲部15と、第2直状部16と、を有している。第1直状部14及び第2直状部16は、平面視において所定の方向に延びている。湾曲部15は、中心角が90°の円弧状である。第1直状部14は、湾曲部15における第1端部に連なっている。第2直状部16は、湾曲部15における第1端部とは反対側の第2端部に連なっている。
第1直状部14、湾曲部15、及び第2直状部16は、支持面F上に配置された図示しない支持部材上で支持されている。
【0022】
図1に示すように、搬送板11には、複数の貫通孔11aが形成されている。例えば、搬送板11は、ステンレス鋼製の板材等により形成されている。
供給源は、搬送板11よりも下方に配置されている。供給源から供給された空気は、複数の貫通孔11aを通して、搬送板11よりも上方に向かって吹き出す。供給源は、複数の貫通孔11aを通して、缶W1を搬送する搬送方向の下流側に向かって空気を吹き出してもよい。
搬送部10は、缶W1を搬送方向に搬送する。
【0023】
例えば、ガイド20は、第1側壁21と、第2側壁22と、第1ガイド23と、第2ガイド24と、上方ガイド25と、を備えている。
ここで、水平面に沿うとともに搬送方向に直交(交差)する方向を、幅方向と称する。
第1側壁21は、搬送板11における幅方向の第1側の端から上方に向かって延びている。第2側壁22は、搬送板11における幅方向の第1側とは反対側の第2側の端から上方に向かって延びている。側壁21,22は、互いに幅方向に対向するように配置されている。
【0024】
第1ガイド23は、第1側壁21における第2側壁22を向く面に配置されている。第1ガイド23は、第1側壁21に一対配置されている。一対の第1ガイド23は、上下方向に互いに間隔を空けて配置され、第1側壁21から第2側壁22に向かって突出している。
第2ガイド24は、第2側壁22における第1側壁21を向く面に配置されている。第2ガイド24は、第2側壁22に一対配置されている。一対の第2ガイド24は、上下方向に互いに間隔を空けて配置され、第2側壁22から第1側壁21に向かって突出している。
例えば、一対の第1ガイド23と一対の第2ガイド24との幅方向の距離は、缶W1の直径の2倍以上である。
【0025】
上方ガイド25は、水平面に沿って延びている。上方ガイド25は、第1側壁21と第2側壁22との間であって、缶W1よりもわずかに上方に配置されている。上方ガイド25は、図示しない昇降機構により上下方向に移動可能に支持されている。
例えば、側壁21,22、及び上方ガイド25は、ステンレス鋼製の板材等により形成されている。
ガイド20は、搬送部10上で搬送される缶W1が、倒れるのを防いでいる。
【0026】
図1中に、二点鎖線で500mL用の缶W2示す。上方ガイド25を、缶W2よりもわずかに上方に配置することにより、搬送部10及びガイド20を、缶W2の搬送に対応させることができる。
【0027】
投光ユニット30は、複数のLED(Light Emitting Diode)である複数の投光部(投波部)31を有している。図4に示すように、複数の投光部31は、缶W1に可視光線(電磁波)L1を照射する。複数の投光部31は、搬送方向(搬送部10)に沿って互いに間隔を空けて並べて配置されている。なお、投光ユニット30が有する投光部31の数は1つでもよい。
本実施形態では、搬送システム1は、搬送方向に沿って、投光ユニット30を複数備えている。以下では、複数の投光ユニット30を区別して呼ぶときには、搬送方向に沿って上流側から下流側に向かって並ぶ3つの投光ユニット30に着目して、これらを順に、投光ユニット30A,30B,30Cと呼ぶ。なお、搬送システム1が備える投光ユニット30の数は限定されず、1つでもよい。
【0028】
例えば、図1に示すように、複数の投光ユニット30は、第1側壁21における一対の第1ガイド23の間となる位置に配置されている。一対の第1ガイド23は、複数の投光ユニット30よりも第2側壁22に向かって突出している。複数の投光ユニット30は、搬送板11における幅方向の第1側の端部の上方に配置されている。
【0029】
図4に示すように、投光ユニット30Aが有する複数の投光部31は、投光配線32Aにより互いに直列に接続されている。同様に、投光ユニット30Bが有する複数の投光部31、投光ユニット30Cが有する複数の投光部31についても、投光配線32B、32Cにより互いに直列に接続されている。
なお、投光配線32A,32B、32Cを区別しないで呼ぶときには、投光配線32と呼ぶ。複数の投光配線32は、制御部50にそれぞれ接続されている。投光ユニット30Aが有する複数の投光部31は、投光配線32Aにより互いに並列に接続されていてもよい。
【0030】
受光ユニット35は、複数の受光部(受波部)36を有している。受光部36は、可視光線L1の強度を電気抵抗値に変換する素子である。この例では、受光部36として、硫化カドミウム(CdS)セルが用いられている。
図示はしないが、受光部36は、素子本体と、一対の脚部と、を有している。素子本体は、投光部31により照射された可視光線L1を直接検出する。例えば、受光部36では、素子本体に当たる可視光線L1の強度が強くなるに従い、一対の脚部間の電気抵抗値が小さくなる。なお、受光ユニット35は、1つの受光部36を有してもよい。
本実施形態では、搬送システム1は、搬送方向に沿って、受光ユニット35を複数備えている。以下では、複数の受光ユニット35を区別して呼ぶときには、搬送方向に沿って上流側から下流側に向かって並ぶ3つの受光ユニット35に着目して、これらを順に、受光ユニット35A,35B,35Cと呼ぶ。なお、搬送システム1が備える受光ユニット35の数は限定されず、1つでもよい。
【0031】
投光ユニット30A,30B,30Cの投光部31は、受光ユニット35A,35B,35Cの受光部36に対して、缶W1を挟んで幅方向に対向するようにそれぞれ配置されている。投光ユニット30A及び受光ユニット35Aは、組にして用いられる。投光ユニット30B,30C及び受光ユニット35B,35Cについても同様である。すなわち、搬送システム1は、投光ユニット30及び受光ユニット35を組にして、搬送方向に複数備えている。
【0032】
受光部36は、図5に示す支持部材37に取り付けて用いられる。なお、図5中に受光部36を二点鎖線で示す。支持部材37は、支持部本体40と、第1連結部41と、第2連結部42と、を有している。
支持部本体40は、正面視で矩形状を呈する板状に形成されている。支持部本体40は、搬送方向に沿って延びている。支持部本体40における搬送方向の中央部に、搬送方向に互いに間隔を空けて一対の貫通孔40aが形成されている。
第1連結部41は、支持部本体40における搬送方向の第1側の端部に形成された凸部である。第2連結部42は、支持部本体40における搬送方向の第1側とは反対側の第2側の端部に形成された凹部である。
支持部材37を構成する支持部本体40、第1連結部41、及び第2連結部42は、合成樹脂等で一体に形成されている。
【0033】
支持部本体40の一対の貫通孔40aには、受光部36の一対の脚部がそれぞれ配置されている。一対の脚部を適宜折り曲げること等により、受光部36は支持部本体40に固定されている。
支持部材37は、搬送方向に複数並べて配置されている。搬送方向に隣り合う一対の支持部材37では、一方の支持部材37における第1連結部41と、他方の支持部材37における第2連結部42とが嵌め合っている。このようにして、受光部36が固定された複数の支持部材37が搬送方向に連結されている。
図1に示すように、複数の受光ユニット35は、搬送板11における幅方向の第2側の端部の上方に配置されている。
【0034】
図4に示すように、受光ユニット35Aが有する複数の受光部36は、受光配線44Aにより互いに直列に接続されている。同様に、受光ユニット35Bが有する複数の受光部36、受光ユニット35Cが有する複数の受光部36についても、受光配線44B、44Cにより互いに直列に接続されている。すなわち、複数の受光部36は、互いに直列に接続されている。
なお、受光配線44A,44B、44Cを区別しないで呼ぶときには、受光配線44と呼ぶ。複数の受光配線44は、制御部50にそれぞれ接続されている。
【0035】
図2に示す制御部50は、複数の受光ユニット35(受光部36)の検出結果に基づいて、搬送部10上に残った缶W1を検出する。制御部50は、図示しない制御回路、メモリ、投光出力部、受光出力部、入力部、電源部51を有している。
例えば、投光出力部及び受光出力部は、所定の大きさの直流電圧を出力する。
投光出力部は、各投光ユニット30の投光配線32にそれぞれ接続されている。
本実施形態では、各受光ユニット35の複数の受光部36は、抵抗素子46とともに受光配線44により直列に接続されている。各受光配線44の両端部は、受光出力部に設けられた端子53a,53bにそれぞれ接続されている。すなわち、直列に接続された複数の受光部36及び抵抗素子46における両端部が、制御部50にそれぞれ接続されている。
複数の受光部36及び抵抗素子46の全体としての両端部には、受光出力部が出力する所定の大きさの直流電圧が印加されている。
なお、複数の受光部36は、抵抗素子46に接続されなくてもよい。
【0036】
抵抗素子46には、抵抗配線47が接続されている。
入力部に設けられた端子54a,54bには、抵抗配線47が接続されている。入力部は、端子54a,54b間の電位差を検出する。可視光線L1が缶W1により反射されて、受光部36の素子本体に当たる可視光線L1の強度が弱くなると、抵抗配線47の両端部間の電位差が大きくなる。
端子54a,54bは、複数の受光ユニット35毎に設けられていることが好ましい。すなわち、入力部は、複数の受光ユニット35毎に、抵抗配線47の電位差を検出することが好ましい。
【0037】
制御回路は、CPU(Central Processing Unit)等を備えている。制御回路は、入力部による電位差の検出結果に基づいて、投光出力部及び受光出力部を制御する。
メモリには、制御回路を制御するための制御プログラムや、予め定められた電位差閾値等が記憶されている。
制御回路、メモリ、投光出力部、受光出力部、及び入力部は、図示しないバスにより互いに接続されている。
電源部51は、例えば、AC100V等の規格の商用電源(不図示)に接続される。電源部51は、商用電源を、DC5V等の直流電圧に変換する。電源部51による変換された直流電圧は、制御回路に供給される。
【0038】
次に、以上のように構成された搬送システム1の動作について説明する。
搬送システム1の使用者は、供給源から空気を供給し、搬送部10上で缶W1を搬送する。搬送システム1で搬送した缶W1に対して、所定の処理をする。
搬送部10上で搬送する対象を、缶W1から缶W2に切り替える際に、搬送部10上から缶W1を払い出す。具体的には、搬送方向の上流側から搬送部10上に缶W1を供給することなく、搬送部10を駆動する。
このとき、例えば、図4に示すように、搬送部10上における投光ユニット30Bと受光ユニット35Bとの間の部分に、缶W1が残ったと仮定する。
【0039】
制御部50は、複数の投光ユニット30、及び複数の受光ユニット35に直流電圧を供給する。制御部50は、複数の投光ユニット30の複数の投光部31から、組となる受光ユニット35の複数の受光部36に向かって可視光線L1を照射させる。
投光ユニット30A,30Cにおける複数の投光部31から幅方向の第2側に照射された可視光線L1は、缶W1で反射されることなく、受光ユニット35A,35Cの受光部36で検出される。
受光ユニット35A,35Cの受光配線44B、44Cの端部間の電気抵抗値が小さくなる。分圧の法則により、受光ユニット35A,35Cに対応する抵抗素子46の両端部間の電位差が比較的大きくなる。
【0040】
一方で、投光ユニット30Bにおける複数の投光部31から幅方向の第2側に照射された可視光線L1の一部は、缶W1で反射される。このとき、発明者は、図6に示すように、缶W1で可視光線L1が反射されることにより、当たる可視光線L1の強度が弱くなる受光部36の領域は、缶W1に対して幅方向の第2側に向かうに従い、扇状に広がることを見出した。
一般的に、缶W1の径は約66mmである。前記のように領域が広がるため、受光部36の搬送方向のピッチP1を、缶W1の径よりも長くすることができる。
【0041】
これに対して、図7に示す変形例の搬送システム1Aを用いて説明する。搬送システム1Aは、例えば、投波ユニット60が赤外線(電磁波)L3を照射する複数のLEDである複数の投波部61と、受波ユニット65が赤外線L3を検出する複数の受波部66と、を備えている。
この場合、缶W1で赤外線L3が反射されることにより、当たる赤外線L3の強度が弱くなる受波部66の領域は、前記受光部36の領域に比べて狭くなる。従って、受波部66の搬送方向のピッチP3は、前記ピッチP1よりも短くなる。
【0042】
図4に示すように、例えば、投光ユニット30Bと受光ユニット35Bとの間に缶W1が残っていたとする。制御部50は、受光ユニット35Bに対応する抵抗配線47の両端部間の電位差が比較的小さくなり、例えば電位差閾値よりも小さくなったこと(受光部36の検出結果に基づいて)を検出すると、制御部50は、投光ユニット30Bと受光ユニット35Bとの間に缶W1が残っていると認識する。すなわち、制御部50は、搬送方向において、投光ユニット30B及び受光ユニット35Bがある位置で、缶W1を検出する。
このとき、図8に示すように、制御部50は、缶W1を検出した搬送方向の位置である投光ユニット30B(投光部31)の可視光線L1の照射を続ける、検出位置照射継続制御を行う。一方で、制御部50は、缶W1を検出しない搬送方向の位置である投光ユニット30A,30C(投光部31)の可視光線L1の照射を停止する、非検出位置照射停止制御を行う。
【0043】
なお、制御部50は、これら検出位置照射継続制御及び非検出位置照射停止制御を行わなくてもよい。
【0044】
搬送部10上の缶W1を払い出したら、昇降機構により上方ガイド25の位置を、缶W2用に調節する。使用者は、搬送部10上で缶W2を搬送する。
【0045】
以上説明したように、本実施形態の搬送システム1では、投光ユニット30A,30B,30Cの投光部31及び受光ユニット35A,35B,35Cの受光部36が缶W1を挟んで対向するように配置されている。このため、搬送部10上に缶W1が残っていないと、受光部36は、投光部31により照射された可視光線L1を直接検出する。一方で、搬送部10上に缶W1が残っていると、受光ユニット35Bの受光部36の一部は、投光ユニット30Bの投光部31により照射された可視光線L1を検出しない。
以上のように、搬送部10上に缶W1が残っているか否かにより、受光部36が可視光線L1を検出するか否かが切り替わる。従って、搬送部10を有する搬送システム1の制御部50は、受光部36の検出結果に基づいて、搬送部10上に残った缶W1を検出することができる。
【0046】
このため、缶W1の検出を自動化し、省力化することができる。
払い出しに要する時間が短縮され、缶W1,W2の総生産量を増加させることができる。
【0047】
投光部31及び受光部36は、水平面に沿うとともに搬送方向に交差する方向に対向するように配置され、受光部36は投光部31により照射された可視光線L1を直接検出する。従って、搬送部10上に缶W1が残っていないときには、受光部36は、投光部31により照射された可視光線L1を直接検出することができる。
投光部31は、電磁波である可視光線L1を照射する。このため、投光部31が照射した可視光線L1を、搬送システム1(後述する検出装置2)の使用者が直接視認することができる。
【0048】
複数の受光部36は互いに直列に接続され、直列に接続された複数の受光部36における両端部が、制御部50にそれぞれ接続されている。このため、複数の受光部36のうちのいずれか1つが断線したときに、直列に接続された複数の受光部36における両端部間に電流が流れなくなる。従って、複数の受光部36のうちのいずれか1つが断線したことを容易に検出することができる。
複数の受光部36を互いに並列に接続する場合に比べて、配線工数等を抑えることができる。
受光部36は、可視光線L1の強度を電気抵抗値に変換する素子である。このため、可視光線L1の強度を、受光部36における電気抵抗値の変化として検出することができる。
【0049】
制御部50は、検出位置照射継続制御及び非検出位置照射停止制御を行う。投光部31が照射する可視光線L1は、搬送システム1の使用者が視認することができるため、缶W1を検出した搬送方向の位置を、使用者が容易に認識することができる。
【0050】
以上、本発明の一実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の構成の変更、組み合わせ、削除等も含まれる。
例えば、本実施形態では、図1に示すように、缶W1を搬送部10上で搬送する搬送装置70に取付けて用いられ、搬送部10上に残った缶W1を検出する検出装置2であってもよい。
本実施形態の検出装置2は、前記ガイド20と、前記複数の投光ユニット30(投光部31)と、前記複数の受光ユニット35(受光部36)と、前記制御部50と、を備えている。
【0051】
この検出装置2に対しても、搬送部10上に缶W1が残っていないと、受光部36は、投光部31により照射された可視光線L1を直接検出する。一方で、搬送部10上に缶W1が残っていると、受光ユニット35Bの受光部36の一部は、投光ユニット30Bの投光部31により照射された電磁波を検出しない。
以上のように、搬送部10上に缶W1が残っているか否かにより、受波部36が可視光線L1を検出するか否かが切り替わる。従って、搬送装置70に取付けて用いられる検出装置2の制御部50は、受光部36の検出結果に基づいて、搬送部10上に残った缶W1を検出することができる。
【0052】
複数の投光部31及び複数の受光部36は、搬送板11における幅方向の第1側(第2側)の端部の上方にそれぞれ配置されていてもよい。この場合、複数の受光部36は、複数の投波部31により照射され缶W1で反射された可視光線L1を検出する。
搬送システム1及び検出装置2は、ガイド20を備えなくてもよい。
対象物は缶W2であるとしたが、対象物はこれに限定されず、缶詰、箱等でもよい。
【符号の説明】
【0053】
1,1A 搬送システム
2 検出装置
10 搬送部
31 投光部(投波部)
36 受光部(受波部)
50 制御部
61 投波部
66 受波部
70 搬送装置
L1 可視光線(電磁波)
L3 赤外線(電磁波)
W1,W2 缶(対象物)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8