(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023114025
(43)【公開日】2023-08-17
(54)【発明の名称】充電システム、充電方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
H02J 1/00 20060101AFI20230809BHJP
H02J 5/00 20160101ALI20230809BHJP
【FI】
H02J1/00 306L
H02J5/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022016083
(22)【出願日】2022-02-04
(71)【出願人】
【識別番号】000006208
【氏名又は名称】三菱重工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100162868
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 英輔
(74)【代理人】
【識別番号】100161702
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 宏之
(74)【代理人】
【識別番号】100189348
【弁理士】
【氏名又は名称】古都 智
(74)【代理人】
【識別番号】100196689
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 康一郎
(72)【発明者】
【氏名】真田 朋彦
(72)【発明者】
【氏名】飯田 亮
【テーマコード(参考)】
5G066
5G165
【Fターム(参考)】
5G066CA08
5G066JB04
5G165DA04
5G165EA10
5G165HA16
5G165LA01
(57)【要約】
【課題】バスタイキャパシタが存在する場合の直流マイクログリッドにおけるキャパシタの充電を改善することのできる充電システムを提供する。
【解決手段】充電システムは、複数の電力変換器の入力における少なくとも1つのキャパシタの両端子間に接続され、第1スイッチング素子および第2スイッチング素子がオフ状態である場合に、前記キャパシタを充電する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1端子には連携する別の直流マイクログリッドが接続される母線の正極配線が接続され、第2端子には複数のヒューズを介して複数の電力変換器が接続される前記母線の正極配線が接続される第1ヒューズと、
第1端子には前記別の直流マイクログリッドが接続される前記母線の負極配線が接続され、第2端子には複数のヒューズを介して複数の電力変換器が接続される前記母線の負極配線が接続される第2ヒューズと、
前記別の直流マイクログリッドが接続される前記母線の正極配線に第1端子が接続され、前記別の直流マイクログリッドが接続される前記母線の負極配線に第2端子が接続され、前記第1ヒューズおよび前記第2ヒューズの少なくとも一方を切断可能なキャパシタンスを有する第1キャパシタと、
を備え、
前記複数の電力変換器のそれぞれは、
前記複数の電力変換器が接続される前記母線の正極配線と、前記複数の電力変換器が接続される前記母線の負極配線とにより供給される直流電力から交流電力を生成するブリッジ回路と、
前記ブリッジ回路の入力端子に並列に設けられ、前記直流電力を平滑する第2キャパシタと、
前記複数の電力変換器が接続される前記母線の正極配線と前記ブリッジ回路との間に設けられる第1スイッチング素子と、
前記第1スイッチング素子に並列に設けられ、第2スイッチング素子と、前記第2スイッチング素子に直列に接続される抵抗とを有する第1経路と、
を備え、
前記複数の電力変換器の少なくとも1つの前記第2キャパシタの両端子間に接続され、前記第1スイッチング素子および前記第2スイッチング素子がオフ状態である場合に、前記第2キャパシタを充電する充電回路をさらに、
備える充電システム。
【請求項2】
前記第1キャパシタの前記第1端子と前記第2端子は、
前記第2ヒューズを介して接続される、
請求項1に記載の充電システム。
【請求項3】
前記第2キャパシタの充電を完了した場合、前記第1経路を介して前記第1キャパシタを充電する前記電力変換器の負荷、
を備える請求項1または請求項2に記載の充電システム。
【請求項4】
前記第1キャパシタの充電を完了した場合、上位装置による制御に基づいて、前記負荷は所定の処理を実行する、
請求項3に記載の充電システム。
【請求項5】
第1端子には連携する別の直流マイクログリッドが接続される母線の正極配線が接続され、第2端子には複数のヒューズを介して複数の電力変換器が接続される前記母線の正極配線が接続される第1ヒューズと、
第1端子には前記別の直流マイクログリッドが接続される前記母線の負極配線が接続され、第2端子には複数のヒューズを介して複数の電力変換器が接続される前記母線の負極配線が接続される第2ヒューズと、
前記別の直流マイクログリッドが接続される前記母線の正極配線に第1端子が接続され、前記別の直流マイクログリッドが接続される前記母線の負極配線に第2端子が接続され、前記第1ヒューズおよび前記第2ヒューズの少なくとも一方を切断可能なキャパシタンスを有する第1キャパシタと、
を備え、
前記複数の電力変換器のそれぞれは、
前記複数の電力変換器が接続される前記母線の正極配線と、前記複数の電力変換器が接続される前記母線の負極配線とにより供給される直流電力から交流電力を生成するブリッジ回路と、
前記ブリッジ回路の入力端子に並列に設けられ、前記直流電力を平滑する第2キャパシタと、
前記複数の電力変換器が接続される前記母線の正極配線と前記ブリッジ回路との間に設けられる第1スイッチング素子と、
前記第1スイッチング素子に並列に設けられ、第2スイッチング素子と、前記第2スイッチング素子に直列に接続される抵抗とを有する第1経路と、
を備える充電システムが、
前記複数の電力変換器の少なくとも1つの前記第2キャパシタの両端子間に接続され、前記第1スイッチング素子および前記第2スイッチング素子がオフ状態である場合に、前記第2キャパシタを充電する
充電方法。
【請求項6】
第1端子には連携する別の直流マイクログリッドが接続される母線の正極配線が接続され、第2端子には複数のヒューズを介して複数の電力変換器が接続される前記母線の正極配線が接続される第1ヒューズと、
第1端子には前記別の直流マイクログリッドが接続される前記母線の負極配線が接続され、第2端子には複数のヒューズを介して複数の電力変換器が接続される前記母線の負極配線が接続される第2ヒューズと、
前記別の直流マイクログリッドが接続される前記母線の正極配線に第1端子が接続され、前記別の直流マイクログリッドが接続される前記母線の負極配線に第2端子が接続され、前記第1ヒューズおよび前記第2ヒューズの少なくとも一方を切断可能なキャパシタンスを有する第1キャパシタと、
を備え、
前記複数の電力変換器のそれぞれは、
前記複数の電力変換器が接続される前記母線の正極配線と、前記複数の電力変換器が接続される前記母線の負極配線とにより供給される直流電力から交流電力を生成するブリッジ回路と、
前記ブリッジ回路の入力端子に並列に設けられ、前記直流電力を平滑する第2キャパシタと、
前記複数の電力変換器が接続される前記母線の正極配線と前記ブリッジ回路との間に設けられる第1スイッチング素子と、
前記第1スイッチング素子に並列に設けられ、第2スイッチング素子と、前記第2スイッチング素子に直列に接続される抵抗とを有する第1経路と、
を備える充電システムの充電回路に、
前記複数の電力変換器の少なくとも1つの前記第2キャパシタの両端子間に接続され、前記第1スイッチング素子および前記第2スイッチング素子がオフ状態である場合に、前記第2キャパシタを充電させること、
を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、充電システム、充電方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
船舶などの限られた空間では、エネルギーを有効に活用することが求められる。特許文献1には、関連する技術として、省エネルギー効果が得られる舶用電気推進装置に関する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、船舶などの限られた空間では、直流マイクログリッドどうしの電力融通量が大きいことが望まれる。その一方で、直流マイクログリッドでは大容量のバスタイキャパシタが使用される場合が多く、その場合、直流マイクログリッドにおけるキャパシタが入電されていないことにより、適切なバイアス状態とならないことに起因して直流マイクログリッドが適切に動作できない可能性がある。一方で、バスタイキャパシタを介して直流マイクログリッドにおけるキャパシタを充電する場合、バスタイキャパシタの大容量に起因して充電に時間が掛かってしまう。そこで、バスタイキャパシタが存在する場合の直流マイクログリッドにおけるキャパシタの充電を改善することのできる技術が求められている。
【0005】
本開示は、上記課題を解決するためになされたものであって、バスタイキャパシタが存在する場合の直流マイクログリッドにおけるキャパシタの充電を改善することのできる充電システム、充電方法、およびプログラムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本開示に係る充電システムは、第1端子には連携する別の直流マイクログリッドが接続される母線の正極配線が接続され、第2端子には複数のヒューズを介して複数の電力変換器が接続される前記母線の正極配線が接続される第1ヒューズと、第1端子には前記別の直流マイクログリッドが接続される前記母線の負極配線が接続され、第2端子には複数のヒューズを介して複数の電力変換器が接続される前記母線の負極配線が接続される第2ヒューズと、前記別の直流マイクログリッドが接続される前記母線の正極配線に第1端子が接続され、前記別の直流マイクログリッドが接続される前記母線の負極配線に第2端子が接続され、前記第1ヒューズおよび前記第2ヒューズの少なくとも一方を切断可能なキャパシタンスを有する第1キャパシタと、を備え、前記複数の電力変換器のそれぞれは、前記複数の電力変換器が接続される前記母線の正極配線と、前記複数の電力変換器が接続される前記母線の負極配線とにより供給される直流電力から交流電力を生成するブリッジ回路と、前記ブリッジ回路の入力端子に並列に設けられ、前記直流電力を平滑する第2キャパシタと、前記複数の電力変換器が接続される前記母線の正極配線と前記ブリッジ回路との間に設けられる第1スイッチング素子と、前記第1スイッチング素子に並列に設けられ、第2スイッチング素子と、前記第2スイッチング素子に直列に接続される抵抗とを有する第1経路と、を備え、前記複数の電力変換器の少なくとも1つの前記第2キャパシタの両端子間に接続され、前記第1スイッチング素子および前記第2スイッチング素子がオフ状態である場合に、前記第2キャパシタを充電する充電回路をさらに、備える。
【0007】
本開示に係る充電方法は、第1端子には連携する別の直流マイクログリッドが接続される母線の正極配線が接続され、第2端子には複数のヒューズを介して複数の電力変換器が接続される前記母線の正極配線が接続される第1ヒューズと、第1端子には前記別の直流マイクログリッドが接続される前記母線の負極配線が接続され、第2端子には複数のヒューズを介して複数の電力変換器が接続される前記母線の負極配線が接続される第2ヒューズと、前記別の直流マイクログリッドが接続される前記母線の正極配線に第1端子が接続され、前記別の直流マイクログリッドが接続される前記母線の負極配線に第2端子が接続され、前記第1ヒューズおよび前記第2ヒューズの少なくとも一方を切断可能なキャパシタンスを有する第1キャパシタと、を備え、前記複数の電力変換器のそれぞれは、前記複数の電力変換器が接続される前記母線の正極配線と、前記複数の電力変換器が接続される前記母線の負極配線とにより供給される直流電力から交流電力を生成するブリッジ回路と、前記ブリッジ回路の入力端子に並列に設けられ、前記直流電力を平滑する第2キャパシタと、前記複数の電力変換器が接続される前記母線の正極配線と前記ブリッジ回路との間に設けられる第1スイッチング素子と、前記第1スイッチング素子に並列に設けられ、第2スイッチング素子と、前記第2スイッチング素子に直列に接続される抵抗とを有する第1経路と、を備える充電システムが、前記複数の電力変換器の少なくとも1つの前記第2キャパシタの両端子間に接続され、前記第1スイッチング素子および前記第2スイッチング素子がオフ状態である場合に、前記第2キャパシタを充電する。
【0008】
本開示に係るプログラムは、第1端子には連携する別の直流マイクログリッドが接続される母線の正極配線が接続され、第2端子には複数のヒューズを介して複数の電力変換器が接続される前記母線の正極配線が接続される第1ヒューズと、第1端子には前記別の直流マイクログリッドが接続される前記母線の負極配線が接続され、第2端子には複数のヒューズを介して複数の電力変換器が接続される前記母線の負極配線が接続される第2ヒューズと、前記別の直流マイクログリッドが接続される前記母線の正極配線に第1端子が接続され、前記別の直流マイクログリッドが接続される前記母線の負極配線に第2端子が接続され、前記第1ヒューズおよび前記第2ヒューズの少なくとも一方を切断可能なキャパシタンスを有する第1キャパシタと、を備え、前記複数の電力変換器のそれぞれは、前記複数の電力変換器が接続される前記母線の正極配線と、前記複数の電力変換器が接続される前記母線の負極配線とにより供給される直流電力から交流電力を生成するブリッジ回路と、前記ブリッジ回路の入力端子に並列に設けられ、前記直流電力を平滑する第2キャパシタと、前記複数の電力変換器が接続される前記母線の正極配線と前記ブリッジ回路との間に設けられる第1スイッチング素子と、前記第1スイッチング素子に並列に設けられ、第2スイッチング素子と、前記第2スイッチング素子に直列に接続される抵抗とを有する第1経路と、を備える充電システムの充電回路に、前記複数の電力変換器の少なくとも1つの前記第2キャパシタの両端子間に接続され、前記第1スイッチング素子および前記第2スイッチング素子がオフ状態である場合に、前記第2キャパシタを充電させること、を実行させる。
【発明の効果】
【0009】
本開示に係る充電システム、充電方法、およびプログラムによれば、バスタイキャパシタが存在する場合の直流マイクログリッドにおけるキャパシタの充電を改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本開示の一実施形態による充電システムの構成の一例を示す図である。
【
図2】本開示の一実施形態による充電システムの第1の処理フローの一例を示す図である。
【
図3】本開示の一実施形態におけるキャパシタの充電を説明するための第1の図である。
【
図4】本開示の一実施形態におけるキャパシタの充電を説明するための第2の図である。
【
図5】本開示の一実施形態による充電システムの第2の処理フローの一例を示す図である。
【
図6】本開示の一実施形態におけるキャパシタの充電を説明するための第1の図である。
【
図7】本開示の一実施形態におけるキャパシタの充電を説明するための第2の図である。
【
図8】本開示の一実施形態におけるキャパシタの充電を説明するための第3の図である。
【
図9】本開示の一実施形態による充電システムが行う処理の第1の例を示す図である。
【
図10】本開示の一実施形態による充電システムが行う処理の第2の例を示す図である。
【
図11】本開示の一実施形態による充電システムが行う処理の第3の例を示す図である。
【
図12】本開示の実施形態の変形例による充電システムの構成の一例を示す図である。
【
図13】少なくとも1つの実施形態に係るコンピュータの構成を示す概略ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
<実施形態>
以下、図面を参照しながら実施形態について詳しく説明する。本開示の一実施形態による充電システムについて説明する。
【0012】
(充電システムの構成)
図1は、本開示の一実施形態による充電システム1の構成の一例を示す図である。充電システム1は、
図1に示すように、直流マイクログリッド10a、10b、負荷20a、20b、充電回路30、陸上電源40、船内AC系統50、スイッチング素子60、70、および上位装置80を備える。充電システム1は、例えば、船舶において使用されるシステムである。充電システム1では、直流マイクログリッド10aと10bとが連携する。充電システム1は、バスタイキャパシタが存在する場合の直流マイクログリッドにおけるキャパシタの充電を改善することのできるシステムである。
【0013】
直流マイクログリッド10aは、
図1に示すように、バスタイヒューズ101p(第1ヒューズの一例)、101n(第2ヒューズの一例)、複数のヒューズ102p、102n、複数の電力変換器103、制御装置104、初期充電シーケンス105、キャパシタ106(第1キャパシタの一例)、および電圧センサ107を備える。なお、ヒューズ102p、102nそれぞれの数は、電力変換器103の数と同数であり、
図1に示す例では3つである。
【0014】
バスタイヒューズ101pは、充電システム1における母線の正極配線Pに設けられるヒューズである。また、バスタイヒューズ101nは、充電システム1における母線の負極配線Nに設けられるヒューズである。
【0015】
複数のヒューズ102pそれぞれは、
図1に示すように、正極配線Pと複数の電力変換器103のうちの1つとの間に設けられる。また、複数のヒューズ102nそれぞれは、
図1に示すように、負極配線Nと複数の電力変換器103のうちの1つとの間に設けられる。
【0016】
複数の電力変換器103のそれぞれは、
図1に示すように、1つのヒューズ102pを介して正極配線Pに接続される。また、複数の電力変換器103のそれぞれは、
図1に示すように、1つのヒューズ102nを介して負極配線Nに接続される。また、複数の電力変換器103のそれぞれは、
図1に示すように、負荷20aに接続される。
【0017】
複数の電力変換器103のそれぞれは、
図1に示すように、ブリッジ回路103a、キャパシタ103b(第2キャパシタの一例)、切替回路103c、および電圧センサ103dを備える。
【0018】
ブリッジ回路103aは、直流電力から3相交流電力を生成する回路である。ブリッジ回路103aは、例えば、トランジスタを用いて構成される。トランジスタの例としては、SiCMOSFET(Silicon Carbide Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)などのパワー半導体素子が挙げられる。
【0019】
キャパシタ103bは、ブリッジ回路103aに入力される直流電圧を平滑化する。切替回路103cは、ブリッジ回路103aと、母線の正極配線Pとの間の接続を切り替える回路である。切替回路103cは、
図1に示すように、抵抗103c1、スイッチング素子103c2、103c3を備える。抵抗103c1とスイッチング素子103c2は、直列に接続される。スイッチング素子103c3は、それら直列に接続された抵抗103c1およびスイッチング素子103c2に並列に接続される。スイッチング素子103c2および103c3の例としては、SiCMOSFET、IGBTなどのパワー半導体素子、物理スイッチなどが挙げられる。電圧センサ103dは、電力変換器103それぞれが備えるキャパシタ103bの両端間の電位差を検出する。
【0020】
制御装置104は、上位装置80による制御の下、電力変換器103を制御する。初期充電シーケンス105は、負荷20aにおける発電機Gの初期動作における充電状態を制御する。キャパシタ106は、バスタイヒューズ101pおよび101nを切断可能な電荷を蓄積する。電圧センサ107は、母線の正極配線Pと負極配線Nとの間の電位差、すなわち、キャパシタ106の両端間の電位差を検出する。なお、複数の電力変換器103のそれぞれが制御装置104を備え、制御装置104が電力変換器103における各処理を制御するものであってもよい。
【0021】
負荷20aは、
図1に示すように、発電機201、充電装置202、電圧変換装置203を備える。発電機201は、電力を生成する。充電装置202は、
図1に示すように、DCL202a、切替回路202b、およびバッテリー202cを備える。切替回路202bは、
図1に示すように、抵抗202b1、スイッチング素子202b2、202b3を備える。抵抗202b1とスイッチング素子202b2は、直列に接続される。スイッチング素子202b3は、それら直列に接続された抵抗202b1およびスイッチング素子202b2に並列に接続される。スイッチング素子103c2および103c3の例としては、SiCMOSFET、IGBTなどのパワー半導体素子、物理スイッチなどが挙げられる。
【0022】
電圧変換装置203は、
図1に示すように、フィルタ203a、AC-AC(Alternative current to Alternative current)変換器203b、およびスイッチング素子203cを備える。フィルタ203aは、リアクトル203a1およびキャパシタ203a2を備える。フィルタ203aは、高周波成分を除去する。AC-AC変換器203bは、交流電圧を別の電圧振幅の交流電圧に変換する。AC-AC変換器203bの例としては、トランスなどが挙げられる。スイッチング素子203cは、陸上電源40に接続するか否かを定める。具体的には、スイッチング素子203cがオン状態の場合、負荷20aは、陸上電源40に接続される。また、スイッチング素子203cがオフ状態の場合、負荷20aは、陸上電源40には接続されない。
【0023】
充電回路30は、
図1に示すように、AC-AC変換器30a、30e、発電機30b、スイッチング素子30c、30d、および整流回路30fを備える。
【0024】
AC-AC変換器30aは、交流電圧を別の電圧振幅の交流電圧に変換する。AC-AC変換器30aの例としては、トランスなどが挙げられる。このAC-AC変換器30aは、陸上電源40が出力する電圧を、発電機30bが出力する電圧まで降圧させる。
【0025】
発電機30bは、電力を生成する。発電機30bは、例えば、ポータブル発電機や小型発電機などである。
【0026】
スイッチング素子30cおよび30dは、充電回路30において充電に使用する電力源を、発電機30bにするか陸上電源40にするかを選択するための素子である。スイッチング素子60がオフ状態であり、スイッチング素子30cおよび30dがオン状態である場合、充電回路30において充電に使用する電力源を、発電機30bとしたことになる。また、スイッチング素子60がオン状態であり、スイッチング素子30cがオフ状態、スイッチング素子30dがオン状態である場合、充電回路30において充電に使用する電力源を、陸上電源40としたことになる。
【0027】
AC-AC変換器30eは、交流電圧を別の電圧振幅の交流電圧に変換する。AC-AC変換器30aの例としては、トランスなどが挙げられる。このAC-AC変換器30eは、発電機30bと陸上電源40の両方に共通である。
【0028】
整流回路30fは、AC-AC変換器30eが出力する交流電圧を整流して、複数の電力変換器103が備えるキャパシタ103bの少なくとも1つを充電する。この充電は、電圧センサ103dが所定の電圧を検出するまで継続される。
【0029】
陸上電源40は、陸上に設けられる電源である。例えば、充電システム1を備える船舶が着岸した場合、船舶に陸上電源40から船舶に電力が供給される。船内AC系統50は、船舶における交流電力系統に繋がっている電力の入出力が可能な端子である。スイッチング素子60は、陸上電源40を負荷20a、充電回路30および船内AC系統50の何れかに接続可能にするか否かを決定する素子である。スイッチング素子70は、船内AC系統50を負荷20a、充電回路30および陸上電源40の何れかに接続可能にするか否かを検定する素子である。上位装置80は、充電システム1全体の情報を統括し、直流マイクログリッド10a、10b、負荷20a、20b、充電回路30、陸上電源40船内AC系統50、スイッチング素子60、70それぞれの情報を取得し、直流マイクログリッド10a、10b、負荷20a、20b、充電回路30、陸上電源40船内AC系統50、スイッチング素子60、70のそれぞれに指令を出力する。
【0030】
直流マイクログリッド10bは、直流マイクログリッド10aと同一の構成である。負荷20bは、直流マイクログリッド10bの電力変換器103それぞれに接続される負荷である。なお、負荷20bは、負荷20aと同一の構成であってもよいし、負荷20bと負荷20aの構成は異なるものであってもよい。
【0031】
(充電システムが行う処理)
次に、
図2~
図11を参照して、充電システム1が行う処理について説明する。
【0032】
(キャパシタ103bを充電する処理)
まず、充電システム1の動作開始時に電力変換器103のキャパシタ103bを充電する処理について
図2~
図4を参照して説明する。なお、ここでは、上位装置80により、以下で説明するスイッチング素子が直接または間接的に制御されているものとする。具体的には、直流マイクログリッド10aにおけるスイッチング素子は、上位装置80による制御の下、制御装置104が制御し、負荷20a、充電回路30、スイッチング素子60、70は、上位装置80が直接制御しているものとする。
【0033】
図2は、本開示の一実施形態による充電システム1の第1の処理フローの一例を示す図である。
図3は、本開示の一実施形態におけるキャパシタ103bの充電を説明するための第1の図である。
図4は、本開示の一実施形態におけるキャパシタ103bの充電を説明するための第2の図である。
図3に示すように、充電回路30は、少なくとも1つのキャパシタ103bの両端に接続される。
図3に示す例では、充電回路30は、3つのキャパシタ103bに接続されている。
【0034】
図3に示すように、上位装置80による制御の下、制御装置104は、直流マイクログリッド10aにおいて、スイッチング素子103c2、103c3のそれぞれをオフ状態に制御し、上位装置80は、スイッチング素子30c、203cをオフ状態、スイッチング素子30d、60、70をオン状態にそれぞれ制御する(ステップS1)。または、
図4に示すように、上位装置80による制御の下、制御装置104は、直流マイクログリッド10aにおいて、スイッチング素子103c2、103c3のそれぞれをオフ状態に制御し、上位装置80は、スイッチング素子60、70、203cをオフ状態、スイッチング素子30c、30dをオン状態にそれぞれ制御する(ステップS1)。
【0035】
この場合、充電回路30からキャパシタ103bに電流が流れ、キャパシタ103bが充電される。上位装置80は、各電圧センサ103dが検出したキャパシタ103bの両端間の電位差、すなわちキャパシタ103bの電圧を取得する。上位装置80は、取得した電圧が所定の電圧以内であるか否かを判定する(ステップS2)。上位装置80は、取得した電圧が所定の電圧以内でないと判定したキャパシタ103bの電圧について(ステップS2においてNO)、ステップS2の処理に戻す。また、上位装置80は、取得した電圧が所定の電圧以内であると判定したキャパシタ103bの電圧について(ステップS2においてYES)、キャパシタ103bの充電の処理を終了する。以上が、充電システム1が行うキャパシタ103bを充電する処理である。
【0036】
(キャパシタ106を充電する処理)
次に、充電システム1の動作開始時に電力変換器103のキャパシタ106を充電する処理について
図5~
図8を参照して説明する。
【0037】
図5は、本開示の一実施形態による充電システム1の第2の処理フローの一例を示す図である。
図6は、本開示の一実施形態におけるキャパシタ106の充電を説明するための第1の図である。
図7は、本開示の一実施形態におけるキャパシタ106の充電を説明するための第2の図である。
図8は、本開示の一実施形態におけるキャパシタ106の充電を説明するための第3の図である。ここでは、キャパシタ103bの充電が完了しているので、スイッチング素子30cおよび30dは、オフ状態に制御されているものとする。
【0038】
キャパシタ106の充電は、負荷から電力を供給することにより実行される。まず、
図6に示す負荷が電圧変換装置203である場合のキャパシタ106の充電について説明する。負荷が電圧変換装置203である場合、上位装置80は、スイッチング素子60、70、203cをオン状態に制御する(ステップS11)。また、上位装置80による制御の下、制御装置104は、負荷が電圧変換装置203である電力変換器103におけるスイッチング素子103c2をオン状態、スイッチング素子103c3をオフ状態に制御する(ステップS11)。
【0039】
この場合、スイッチング素子103c2がオン状態になっても抵抗103c1によりキャパシタ103bに蓄えられている電荷の放電はわずかであり、キャパシタ103bの電圧は所定の電圧でほぼ保たれる。そのため、陸上電源40から負荷である電圧変換装置203を介して直流マイクログリッド10aへ電流を流すことが可能となる。この場合、電流は、抵抗103c1、ヒューズ102p、バスタイヒューズ101pを通って、キャパシタ106を流れる。すなわち、キャパシタ106が充電される。上位装置80は、電圧センサ107が検出したキャパシタ106の両端間の電位差、すなわちキャパシタ106の電圧を取得する。上位装置80は、取得した電圧が所定の電圧以内であるか否かを判定する(ステップS12)。上位装置80は、取得した電圧が所定の電圧以内でないと判定した場合(ステップS12においてNO)、ステップS12の処理に戻す。また、上位装置80は、取得した電圧が所定の電圧以内であると判定した場合(ステップS12においてYES)、キャパシタ106の充電の処理を終了する。
【0040】
次に、
図7に示す負荷が充電装置202である場合のキャパシタ106の充電について説明する。負荷が充電装置202である場合、上位装置80は、スイッチング素子60、70、202b3、203cをオフ状態に制御し、スイッチング素子202b2をオン状態に制御する(ステップS11)。また、上位装置80による制御の下、制御装置104は、負荷が充電装置202である電力変換器103におけるスイッチング素子103c2をオン状態、スイッチング素子103c3をオフ状態に制御する(ステップS11)。
【0041】
この場合、スイッチング素子103c2がオン状態になっても抵抗103c1によりキャパシタ103bに蓄えられている電荷の放電はわずかであり、キャパシタ103bの電圧は所定の電圧でほぼ保たれる。そのため、陸上電源40から負荷である充電装置202を介して直流マイクログリッド10aへ電流を流すことが可能となる。この場合、電流は、抵抗103c1、ヒューズ102p、バスタイヒューズ101pを通って、キャパシタ106を流れる。すなわち、キャパシタ106が充電される。上位装置80は、電圧センサ107が検出したキャパシタ106の両端間の電位差、すなわちキャパシタ106の電圧を取得する。上位装置80は、取得した電圧が所定の電圧以内であるか否かを判定する(ステップS12)。上位装置80は、取得した電圧が所定の電圧以内でないと判定した場合(ステップS12においてNO)、ステップS12の処理に戻す。また、上位装置80は、取得した電圧が所定の電圧以内であると判定した場合(ステップS12においてYES)、キャパシタ106の充電の処理を終了する。
【0042】
次に、
図8に示す負荷が発電機201である場合のキャパシタ106の充電について説明する。負荷が発電機201である場合、上位装置80は、スイッチング素子60、70、202b2、202b3、203cをオフ状態に制御する(ステップS11)。また、上位装置80による制御の下、制御装置104は、負荷が発電機201である電力変換器103におけるスイッチング素子103c2をオン状態、スイッチング素子103c3をオフ状態に制御する(ステップS11)。
【0043】
この場合、スイッチング素子103c2がオン状態になっても抵抗103c1によりキャパシタ103bに蓄えられている電荷の放電はわずかであり、キャパシタ103bの電圧は所定の電圧でほぼ保たれる。そのため、陸上電源40から負荷である発電機201を介して直流マイクログリッド10aへ電流を流すことが可能となる。この場合、電流は、抵抗103c1、ヒューズ102p、バスタイヒューズ101pを通って、キャパシタ106を流れる。すなわち、キャパシタ106が充電される。上位装置80は、電圧センサ107が検出したキャパシタ106の両端間の電位差、すなわちキャパシタ106の電圧を取得する。上位装置80は、取得した電圧が所定の電圧以内であるか否かを判定する(ステップS12)。上位装置80は、取得した電圧が所定の電圧以内でないと判定した場合(ステップS12においてNO)、ステップS12の処理に戻す。また、上位装置80は、取得した電圧が所定の電圧以内であると判定した場合(ステップS12においてYES)、キャパシタ106の充電の処理を終了する。以上が、充電システム1が行うキャパシタ106を充電する処理である。なお、この段階で、キャパシタ103b、106の充電は完了する。
【0044】
(キャパシタ充電後の処理)
次に、充電システム1のキャパシタ103b、106の充電後の処理について
図9~
図11を参照して説明する。
【0045】
図9は、本開示の一実施形態による充電システム1が行う処理の第1の例を示す図である。
図10は、本開示の一実施形態による充電システム1が行う処理の第2の例を示す図である。
図11は、本開示の一実施形態による充電システム1が行う処理の第3の例を示す図である。
【0046】
まず、
図9に示す充電システム1が行う処理について説明する。
図9は、陸上電源40から負荷である電圧変換装置203を介して直流マイクログリッド10aへ電流を流し、その電流でバッテリー202cを充電する処理である。この場合、上位装置80は、スイッチング素子60、70、202b3、203cをオン状態に制御し、スイッチング素子202b2をオフ状態に制御する。また、上位装置80による制御の下、制御装置104は、負荷が電圧変換装置203である電力変換器103におけるスイッチング素子103c2をオン状態、スイッチング素子103c3をオフ状態に制御する。また、上位装置80による制御の下、制御装置104は、負荷が充電装置202である電力変換器103におけるスイッチング素子103c2をオフ状態、スイッチング素子103c3をオン状態に制御する。これにより、陸上電源40から電圧変換装置203、直流マイクログリッド10aを介して、バッテリー202cへ電流が流れる。この電流により、バッテリー202cは充電される。
【0047】
次に、
図10に示す充電システム1が行う処理について説明する。
図10は、充電装置202から負荷である電圧変換装置203を介して船内AC系統50へ電流を流す処理である。この場合、上位装置80は、スイッチング素子70、202b2、をオン状態に制御し、スイッチング素子60、202b3をオフ状態に制御する。また、上位装置80による制御の下、制御装置104は、負荷が充電装置202である電力変換器103におけるスイッチング素子103c2をオン状態、スイッチング素子103c3をオフ状態に制御する。また、上位装置80による制御の下、制御装置104は、負荷が電圧変換装置203である電力変換器103におけるスイッチング素子103c2をオフ状態、スイッチング素子103c3をオン状態に制御する。これにより、バッテリー202cから直流マイクログリッド10a、電圧変換装置203を介して、船内AC系統50へ電流が流れる。つまり、船内AC系統50へ電力を供給することができる。
【0048】
次に、
図10に示す充電システム1が行う処理について説明する。
図10は、充電装置202から負荷である電圧変換装置203を介して船内AC系統50へ電流を流す処理である。この場合、上位装置80は、スイッチング素子70、202b2、をオン状態に制御し、スイッチング素子60、202b3をオフ状態に制御する。また、上位装置80による制御の下、制御装置104は、負荷が充電装置202である電力変換器103におけるスイッチング素子103c2をオン状態、スイッチング素子103c3をオフ状態に制御する。また、上位装置80による制御の下、制御装置104は、負荷が電圧変換装置203である電力変換器103におけるスイッチング素子103c2をオフ状態、スイッチング素子103c3をオン状態に制御する。これにより、バッテリー202cから直流マイクログリッド10a、電圧変換装置203を介して、船内AC系統50へ電流が流れる。つまり、船内AC系統50へ電力を供給することができる。
【0049】
次に、
図11に示す充電システム1が行う処理について説明する。
図11は、発電機201から負荷である電圧変換装置203を介して船内AC系統50へ電流を流すとともに、充電装置202におけるバッテリー202cを充電する処理である。この場合、上位装置80は、スイッチング素子70、202b3、203cをオン状態に制御し、スイッチング素子60、202b2をオフ状態に制御する。また、上位装置80による制御の下、制御装置104は、負荷が充電装置202である電力変換器103におけるスイッチング素子103c3をオン状態、スイッチング素子103c2をオフ状態に制御する。また、上位装置80による制御の下、制御装置104は、負荷が電圧変換装置203である電力変換器103におけるスイッチング素子103c2をオフ状態、スイッチング素子103c3をオン状態に制御する。これにより、発電機201から直流マイクログリッド10aを介して、バッテリー202cへ電流が流れる。また、これにより、発電機201から直流マイクログリッド10a、電圧変換装置203を介して、船内AC系統50へ電流が流れる。つまり、船内AC系統50へ電力を供給することができる。
【0050】
(作用効果)
以上、本開示の一実施形態による充電システム1について説明した。充電システム1は、第1端子には連携する別の直流マイクログリッド10bが接続される母線の正極配線Pが接続され、第2端子には複数のヒューズ102pを介して複数の電力変換器103が接続される前記母線の正極配線Pが接続される第1ヒューズ101pと、第1端子には前記別の直流マイクログリッド10bが接続される前記母線の負極配線Nが接続され、第2端子には複数のヒューズ102nを介して複数の電力変換器が接続される前記母線の負極配線Nが接続される第2ヒューズ101nと、前記別の直流マイクログリッド10bが接続される前記母線の正極配線Pに第1端子が接続され、前記別の直流マイクログリッド10bが接続される前記母線の負極配線Nに第2端子が接続され、前記第1ヒューズ101pおよび前記第2ヒューズ101nの少なくとも一方を切断可能なキャパシタンスを有する第1キャパシタ106と、を備え、前記複数の電力変換器103のそれぞれは、前記複数の電力変換器103が接続される前記母線の正極配線Pと、前記複数の電力変換器103が接続される前記母線の負極配線Nとにより供給される直流電力から交流電力を生成するブリッジ回路103aと、前記ブリッジ回路103aの入力端子に並列に設けられ、前記直流電力を平滑する第2キャパシタ103bと、前記複数の電力変換器103が接続される前記母線の正極配線Pと前記ブリッジ回路103aとの間に設けられる第1スイッチング素子103c3と、前記第1スイッチング素子103c3に並列に設けられ、第2スイッチング素子103c2と、前記第2スイッチング素子103c2に直列に接続される抵抗103c1とを有する第1経路と、を備え、前記複数の電力変換器103の少なくとも1つの前記第2キャパシタ103bの両端子間に接続され、前記第1スイッチング素子103c3および前記第2スイッチング素子103c2がオフ状態である場合に、前記第2キャパシタ103bを充電する充電回路30をさらに、備える。
【0051】
これにより、充電システム1において、第1キャパシタ106が充電され、直流マイクログリッド10aと負荷20aとの連携が可能になる。そのため、負荷20aから直流マイクログリッド10aにおけるキャパシタ106の充電も可能になる。その結果、バスタイキャパシタ106が存在する場合の直流マイクログリッド10aにおけるキャパシタ103b、106の充電を改善することができる。
【0052】
<実施形態の変形例>
図12は、本開示の実施形態の変形例による充電システム1の構成の一例を示す図である。本開示の実施形態の変形例による充電システム1では、第1キャパシタ106の第1端子と第2端子は、
図12に示すように、バスタイヒューズ101n(第2ヒューズ101n)を介して接続されるものであってもよい。また、本開示の実施形態の変形例による充電システム1では、電圧センサ107は、バスタイヒューズ101nを介して電圧センサ107が検出したキャパシタ106の両端間の電位差(すなわちキャパシタ106の電圧)を取得するものであってもよい。
【0053】
なお、本開示の実施形態における処理は、適切な処理が行われる範囲において、処理の順番が入れ替わってもよい。
【0054】
本開示の実施形態における記憶部や記憶装置(レジスタ、ラッチを含む)のそれぞれは、適切な情報の送受信が行われる範囲においてどこに備えられていてもよい。また、記憶部や記憶装置のそれぞれは、適切な情報の送受信が行われる範囲において複数存在しデータを分散して記憶していてもよい。
【0055】
本開示の実施形態について説明したが、上述の充電システム1、直流マイクログリッド10a、10b、上位装置80、制御装置104、初期充電シーケンス105、その他の制御装置は内部に、コンピュータシステムを有していてもよい。そして、上述した処理の過程は、プログラムの形式でコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されており、このプログラムをコンピュータが読み出して実行することによって、上記処理が行われる。コンピュータの具体例を以下に示す。
【0056】
図13は、少なくとも1つの実施形態に係るコンピュータの構成を示す概略ブロック図である。コンピュータ5は、
図13に示すように、CPU6、メインメモリ7、ストレージ8、インターフェース9を備える。例えば、上述の充電システム1、直流マイクログリッド10a、10b、上位装置80、制御装置104、初期充電シーケンス105、その他の制御装置のそれぞれは、コンピュータ5に実装される。そして、上述した各処理部の動作は、プログラムの形式でストレージ8に記憶されている。CPU6は、プログラムをストレージ8から読み出してメインメモリ7に展開し、当該プログラムに従って上記処理を実行する。また、CPU6は、プログラムに従って、上述した各記憶部に対応する記憶領域をメインメモリ7に確保する。
【0057】
ストレージ8の例としては、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)、DVD-ROM(Digital Versatile Disc Read Only Memory)、半導体メモリ等が挙げられる。ストレージ8は、コンピュータ5のバスに直接接続された内部メディアであってもよいし、インターフェース9または通信回線を介してコンピュータ5に接続される外部メディアであってもよい。また、このプログラムが通信回線によってコンピュータ5に配信される場合、配信を受けたコンピュータ5が当該プログラムをメインメモリ7に展開し、上記処理を実行してもよい。少なくとも1つの実施形態において、ストレージ8は、一時的でない有形の記憶媒体である。
【0058】
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現してもよい。さらに、上記プログラムは、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるファイル、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【0059】
本開示のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例であり、開示の範囲を限定しない。これらの実施形態は、開示の要旨を逸脱しない範囲で、種々の追加、種々の省略、種々の置き換え、種々の変更を行ってよい。
【0060】
<付記>
本開示の各実施形態に記載の充電システム1、充電方法、およびプログラムは、例えば以下のように把握される。
【0061】
(1)第1の態様に係る充電システム(1)は、
第1端子には連携する別の直流マイクログリッド(10b)が接続される母線の正極配線(P)が接続され、第2端子には複数のヒューズ(102p)を介して複数の電力変換器(103)が接続される前記母線の正極配線(P)が接続される第1ヒューズ(101p)と、
第1端子には前記別の直流マイクログリッド(10b)が接続される前記母線の負極配線(N)が接続され、第2端子には複数のヒューズ(102n)を介して複数の電力変換器(103)が接続される前記母線の負極配線(N)が接続される第2ヒューズ(101n)と、
前記別の直流マイクログリッド(10b)が接続される前記母線の正極配線(P)に第1端子が接続され、前記別の直流マイクログリッド(10b)が接続される前記母線の負極配線(N)に第2端子が接続され、前記第1ヒューズ(101p)および前記第2ヒューズ(101n)の少なくとも一方を切断可能なキャパシタンスを有する第1キャパシタ(106)と、
を備え、
前記複数の電力変換器(103)のそれぞれは、
前記複数の電力変換器(103)が接続される前記母線の正極配線(P)と、前記複数の電力変換器(103)が接続される前記母線の負極配線(N)とにより供給される直流電力から交流電力を生成するブリッジ回路(103a)と、
前記ブリッジ回路(103a)の入力端子に並列に設けられ、前記直流電力を平滑する第2キャパシタ(103b)と、
前記複数の電力変換器(103)が接続される前記母線の正極配線(P)と前記ブリッジ回路(103a)との間に設けられる第1スイッチング素子(103c3)と、
前記第1スイッチング素子(103c3)に並列に設けられ、第2スイッチング素子(103c2)と、前記第2スイッチング素子(103c2)に直列に接続される抵抗(103c1)とを有する第1経路と、
を備え、
前記複数の電力変換器(103)の少なくとも1つの前記第2キャパシタ(103b)の両端子間に接続され、前記第1スイッチング素子(103c3)および前記第2スイッチング素子(103c2)がオフ状態である場合に、前記第2キャパシタ(103b)を充電する充電回路(30)をさらに、
備える。
【0062】
この充電システム(1)は、充電システム(1)において、第1キャパシタ(106)が充電され、直流マイクログリッド(10a)と負荷(20a)との連携が可能になる。そのため、負荷(20a)から直流マイクログリッド(10a)におけるキャパシタ(106)の充電も可能になる。その結果、バスタイキャパシタ(106)が存在する場合の直流マイクログリッド(10a)におけるキャパシタ(103b、106)の充電を改善することができる。
【0063】
(2)第2の態様に係る充電システム(1)は、(1)の充電システム(1)であって、
前記第1キャパシタ(106)の前記第1端子と前記第2端子は、
前記第2ヒューズ(101n)を介して接続されるものであってもよい。
【0064】
これにより、充電システム(1)は、さまざまな接続の第1キャパシタ(106)の充電を改善することができる。
【0065】
(3)第3の態様に係る充電システム(1)は、(1)または(2)の充電システム(1)であって、
前記第2キャパシタ(103b)の充電を完了した場合、前記第1経路を介して前記第1キャパシタ(106)を充電する前記電力変換器(103)の負荷、
を備えるものであってもよい。
【0066】
これにより、充電システム(1)は、前記第1キャパシタ(106)の充電を改善することができる。
【0067】
(4)第4の態様に係る充電システム(1)は、(3)の充電システム(1)であって、
前記第1キャパシタ(106)の充電を完了した場合、上位装置(80)による制御に基づいて、前記負荷は所定の処理を実行するものであってもよい。
【0068】
これにより、充電システム(1)は、直ちに正常な動作を実行することができる。
【0069】
(5)第5の態様に係る充電方法は、
第1端子には連携する別の直流マイクログリッド(10b)が接続される母線の正極配線(P)が接続され、第2端子には複数のヒューズ(102p)を介して複数の電力変換器(103)が接続される前記母線の正極配線(P)が接続される第1ヒューズ(101p)と、
第1端子には前記別の直流マイクログリッド(10b)が接続される前記母線の負極配線(N)が接続され、第2端子には複数のヒューズ(102n)を介して複数の電力変換器(103)が接続される前記母線の負極配線(N)が接続される第2ヒューズ(101n)と、
前記別の直流マイクログリッド(10b)が接続される前記母線の正極配線(P)に第1端子が接続され、前記別の直流マイクログリッド(10b)が接続される前記母線の負極配線(N)に第2端子が接続され、前記第1ヒューズ(101p)および前記第2ヒューズ(101n)の少なくとも一方を切断可能なキャパシタンスを有する第1キャパシタ(106)と、
を備え、
前記複数の電力変換器(103)のそれぞれは、
前記複数の電力変換器(103)が接続される前記母線の正極配線(P)と、前記複数の電力変換器(103)が接続される前記母線の負極配線(N)とにより供給される直流電力から交流電力を生成するブリッジ回路(103a)と、
前記ブリッジ回路(103a)の入力端子に並列に設けられ、前記直流電力を平滑する第2キャパシタ(103b)と、
前記複数の電力変換器(103)が接続される前記母線の正極配線(P)と前記ブリッジ回路(103a)との間に設けられる第1スイッチング素子(103c3)と、
前記第1スイッチング素子(103c3)に並列に設けられ、第2スイッチング素子(103c2)と、前記第2スイッチング素子(103c2)に直列に接続される抵抗(103c1)とを有する第1経路と、
を備える充電システム(1)が、
前記複数の電力変換器(103)の少なくとも1つの前記第2キャパシタ(103b)の両端子間に接続され、前記第1スイッチング素子(103c3)および前記第2スイッチング素子(103c2)がオフ状態である場合に、前記第2キャパシタ(103b)を充電する。
【0070】
この制御方法は、充電システム(1)において、第1キャパシタ(106)が充電され、直流マイクログリッド(10a)と負荷(20a)との連携が可能になる。そのため、負荷(20a)から直流マイクログリッド(10a)におけるキャパシタ(106)の充電も可能になる。その結果、バスタイキャパシタ(106)が存在する場合の直流マイクログリッド(10a)におけるキャパシタ(103b、106)の充電を改善することができる。
【0071】
(6)第6の態様に係るプログラムは、
第1端子には連携する別の直流マイクログリッド(10b)が接続される母線の正極配線(P)が接続され、第2端子には複数のヒューズ(102p)を介して複数の電力変換器(103)が接続される前記母線の正極配線(P)が接続される第1ヒューズ(101p)と、
第1端子には前記別の直流マイクログリッド(10b)が接続される前記母線の負極配線(N)が接続され、第2端子には複数のヒューズ(102n)を介して複数の電力変換器(103)が接続される前記母線の負極配線(N)が接続される第2ヒューズ(101n)と、
前記別の直流マイクログリッド(10b)が接続される前記母線の正極配線(P)に第1端子が接続され、前記別の直流マイクログリッド(10b)が接続される前記母線の負極配線(N)に第2端子が接続され、前記第1ヒューズ(101p)および前記第2ヒューズ(101n)の少なくとも一方を切断可能なキャパシタンスを有する第1キャパシタ(106)と、
を備え、
前記複数の電力変換器(103)のそれぞれは、
前記複数の電力変換器(103)が接続される前記母線の正極配線(P)と、前記複数の電力変換器(103)が接続される前記母線の負極配線(N)とにより供給される直流電力から交流電力を生成するブリッジ回路(103a)と、
前記ブリッジ回路(103a)の入力端子に並列に設けられ、前記直流電力を平滑する第2キャパシタ(103b)と、
前記複数の電力変換器(103)が接続される前記母線の正極配線(P)と前記ブリッジ回路(103a)との間に設けられる第1スイッチング素子(103c3)と、
前記第1スイッチング素子(103c3)に並列に設けられ、第2スイッチング素子(103c2)と、前記第2スイッチング素子(103c2)に直列に接続される抵抗(103c1)とを有する第1経路と、
を備える充電システム(1)の充電回路(30)に、
前記複数の電力変換器(103)の少なくとも1つの前記第2キャパシタ(103b)の両端子間に接続され、前記第1スイッチング素子(103c3)および前記第2スイッチング素子(103c2)がオフ状態である場合に、前記第2キャパシタ(103b)を充電させること、
を実行させる。
【0072】
このプログラムは、充電システム(1)において、第1キャパシタ(106)が充電され、直流マイクログリッド(10a)と負荷(20a)との連携が可能になる。そのため、負荷(20a)から直流マイクログリッド(10a)におけるキャパシタ(106)の充電も可能になる。その結果、バスタイキャパシタ(106)が存在する場合の直流マイクログリッド(10a)におけるキャパシタ(103b、106)の充電を改善することができる。
【符号の説明】
【0073】
1・・・充電システム
5・・・コンピュータ
6・・・CPU
7・・・メインメモリ
8・・・ストレージ
9・・・インターフェース
10a、10b・・・直流マイクログリッド
20a、20b・・・負荷
30・・・充電回路
30b・・・発電機
30a、30e・・・AC-AC変換器
30c、30d、60、70、103c2、103c3、202b2、202b3、203c・・・スイッチング素子
101p、101n、102p、102n・・・ヒューズ
103・・・電力変換器
103a・・・ブリッジ回路
103b、106・・・キャパシタ
103c1、202b1・・・抵抗