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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023114121
(43)【公開日】2023-08-17
(54)【発明の名称】寝具及び圧縮棒
(51)【国際特許分類】
   A47C 27/14 20060101AFI20230809BHJP
   A47G 9/02 20060101ALI20230809BHJP
【FI】
A47C27/14 C
A47G9/02 A
A47C27/14 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022016278
(22)【出願日】2022-02-04
(71)【出願人】
【識別番号】000196129
【氏名又は名称】西川株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100182006
【弁理士】
【氏名又は名称】湯本 譲司
(72)【発明者】
【氏名】諏佐 賢
(72)【発明者】
【氏名】東野 勇介
【テーマコード(参考)】
3B096
3B102
【Fターム(参考)】
3B096AC05
3B096AC11
3B102BA04
3B102BA12
(57)【要約】
【課題】袋体を容易に圧縮することができる寝具及び圧縮棒を提供する。
【解決手段】マットレス1は、非通気性を有する袋状に形成された袋体4と、袋体4に設けられると共に、袋体4を圧縮するための圧縮棒を取り付けるための取付部5と、袋体4に設けられると共に、袋体4の内外の空気の流通を開閉する空気弁6と、備え、取付部5は、圧縮棒を挿入するための開口部5eを有し、空気弁6が開放された状態で、開口部5eから取付部5に挿入された圧縮棒により袋体4が圧縮されることで、袋体4の内部から空気弁6を介して袋体4の外部に空気が流出する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
非通気性を有する袋状に形成された袋体と、
前記袋体に設けられると共に、前記袋体を圧縮するための圧縮棒を取り付けるための取付部と、
前記袋体に設けられると共に、前記袋体の内外の空気の流通を開閉する流通部と、
を備え、
前記取付部は、前記圧縮棒を挿入するための開口部を有し、
前記流通部が開放された状態で、前記開口部から前記取付部に挿入された前記圧縮棒により前記袋体が圧縮されることで、前記袋体の内部から前記流通部を介して前記袋体の外部に前記空気が流出する、
寝具。
【請求項2】
前記袋体は、一対の長辺と、一対の短辺とを有する長方形状を呈し、
前記取付部は、前記袋体の前記一対の短辺のうち一方の前記短辺に設けられ、
前記流通部は、一方の前記短辺とは異なる他方の前記短辺と、一対の前記長辺のそれぞれとにより形成された2つの角部のうち少なくとも一方に設けられる、
請求項1に記載の寝具。
【請求項3】
前記取付部は、一方の前記短辺における全体に亘って設けられる、
請求項2に記載の寝具。
【請求項4】
前記袋体の一対の前記長辺の少なくとも一方に設けられ、前記袋体を、前記袋体とは別の袋体に連結するための連結部材をさらに備える、
請求項2又は3に記載の寝具。
【請求項5】
前記取付部は、前記開口部を有する袋状とされており、
前記開口部は、前記圧縮棒が前記取付部から抜けることを抑制するための抜け止め部を有する、
請求項1~4のいずれか一項に記載の寝具。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか一項に記載の寝具に用いられる圧縮棒であって、
前記取付部の前記開口部から挿入されると共に、前記袋体を圧縮することで前記袋体の内部から前記流通部を介して前記袋体の外部に前記空気を流出させる、
圧縮棒。
【請求項7】
前記袋体を圧縮するための圧縮部を有し、
前記圧縮部は、扁平形状を呈する、
請求項6に記載の圧縮棒。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、寝具及び圧縮棒に関する。
【背景技術】
【0002】
特開2016-123545号公報には、使用者の身体を載せる寝具が記載されている。この寝具は、非通気性の袋体と、袋体に設けられて袋体の内外の空気流通を開閉する吸排気弁と、袋体の内部空間に、袋体の最大容量に対して圧縮された状態で詰め込まれた複数の弾性発泡体とを備える。この寝具では、吸排気弁によって空気流通を開放した状態で袋体に外力を付与することによって内部空間から空気が流出して袋体を薄くすることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016-123545号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前述した寝具では、袋体に外力を付与することで寝具を圧縮するに際し、例えば寝具の圧縮を行う作業者の身体を直接袋体に当てて袋体に外力を付与することが考えられる。しかしながら、このような寝具では作業者の身体を直接袋体に当てることで袋体内の空気を吸排気弁まで導く必要があり、作業者に面倒と感じさせる場合がある。
【0005】
本開示は、袋体を容易に圧縮することができる寝具及び圧縮棒を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る寝具は、非通気性を有する袋状に形成された袋体と、袋体に設けられると共に、袋体を圧縮するための圧縮棒を取り付けるための取付部と、袋体に設けられると共に、袋体の内外の空気の流通を開閉する流通部と、備え、取付部は、圧縮棒を挿入するための開口部を有し、流通部が開放された状態で、開口部から取付部に挿入された圧縮棒により袋体が圧縮されることで、袋体の内部から流通部を介して袋体の外部に空気が流出する。
【0007】
本開示に係る寝具では、流通部が開放された状態で、開口部から取付部に挿入された圧縮棒により非通気性を有する袋体が圧縮されることで、袋体の内部から流通部を介して袋体の外部に空気が流出する。よって、寝具の圧縮を行う作業者は、取付部に取り付けられた圧縮棒を袋体に押しつけて袋体を圧縮しつつ袋体を折り畳むことができる。これにより、作業者の身体を直接袋体に当てて袋体を圧縮する場合に比べ、容易に袋体の内部から袋体の外部に空気を流出させることができる。したがって、袋体を容易に圧縮することができる。
【0008】
袋体は、一対の長辺と、一対の短辺とを有する長方形状を呈し、取付部は、袋体の一対の短辺のうち一方の短辺に設けられ、流通部は、一方の短辺とは異なる他方の短辺と、一対の長辺のそれぞれとにより形成された2つの角部のうち少なくとも一方に設けられてもよい。この場合、袋体の一対の短辺のうちの一方に設けられた取付部に圧縮棒を取り付けた上で、圧縮棒を袋体に押しつけて袋体を圧縮する。このとき、圧縮棒により袋体を圧縮しつつ、一方の短辺から他方の短辺に向かう方向に袋体を折り畳むことができる。袋体の内部の空気は、当該他方の短辺と、一対の長辺のそれぞれとにより形成された2つの角部の少なくともいずれかに設けられた流通部を介して袋体の外部に流出する。したがって、流通部を介して袋体内の空気をより確実に流出させることができ、袋体を一層容易に圧縮することができる。
【0009】
取付部は、一方の短辺における全体に亘って設けられてもよい。この場合、袋体の一方の短辺における全体に亘って設けられた取付部に圧縮棒が取り付けられる。よって、袋体の短辺の全体に亘って延びる圧縮棒を袋体に押しつけて圧縮棒を袋体の長辺に沿って移動させることにより、袋体の全体を効率よく圧縮することができる。
【0010】
寝具は、袋体の一対の長辺の少なくとも一方に設けられ、袋体を、当該袋体とは別の袋体に連結するための連結部材をさらに備えてもよい。この場合、袋体の長辺を、別の袋体の長辺に連結部材を介して連結することができる。
【0011】
取付部は、開口部を有する袋状とされていてもよく、開口部は、圧縮棒が取付部から抜けることを抑制するための抜け止め部を有してもよい。この場合、開口部から取付部に挿入された圧縮棒を取付部から抜けにくくすることができる。従って、圧縮棒によって袋体を圧縮しているときに取付部から圧縮棒を抜けにくくできるので、袋体をより効率よく圧縮させることができる。
【0012】
本開示に係る圧縮棒は、前述した寝具に用いられる圧縮棒であって、取付部の開口部から挿入されると共に、袋体を圧縮することで袋体の内部から流通部を介して袋体の外部に空気を流出させる。
【0013】
本開示に係る圧縮棒では、流通部が開放された状態で、開口部から取付部に挿入された圧縮棒により非通気性を有する袋体を圧縮することで、袋体の内部から流通部を介して袋体の外部に空気を流出させる。よって、寝具の圧縮を行う作業者は、取付部に取り付けられた圧縮棒を袋体に押しつけて袋体を圧縮しつつ袋体を折り畳むことができる。これにより、作業者の身体を直接袋体に当てて袋体を圧縮する場合に比べ、容易に袋体の内部から袋体の外部に空気を流出させることができる。したがって、袋体を容易に圧縮することができる。
【0014】
圧縮棒は、袋体を圧縮するための圧縮部を有してもよく、圧縮部は、扁平形状を呈してもよい。これにより、扁平形状を呈する圧縮部を袋体に押しつけつつ、袋体を一層容易に圧縮することができる。
【発明の効果】
【0015】
本開示によれば、袋体を容易に圧縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1図1は、第1実施形態に係る寝具の一例であるマットレスを示す斜視図である。
図2図2は、図1に示されたマットレスを模式的に示す平面図である。
図3図3は、図1に示されたマットレスの取付部を拡大した斜視図である。
図4】(a)及び(b)は、図1に示されたマットレスの流通部を拡大した斜視図である。
図5図5は、実施形態に係る圧縮棒を示す斜視図である。
図6図6は、図5に示された圧縮棒が取付部に取り付けられた状態を示す斜視図である。
図7図7は、図5に示された圧縮棒により袋体が圧縮されている状態を示す斜視図である。
図8図8は、図5に示された圧縮棒が取付部から抜き取られた状態を示す斜視図である。
図9図9は、図8に示された圧縮後のマットレスが収容袋に収容された状態を示す斜視図である。
図10】(a)は、第2実施形態に係る寝具の一例である掛け布団を模式的に示す平面図であり、(b)は、第2実施形態に係る寝具の一例である掛け布団を模式的に示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下では、図面を参照しながら本開示に係る寝具及び圧縮棒の実施形態について説明する。図面の説明において、同一又は相当する要素には同一の符号を付し、重複する説明を適宜省略する。また、図面は、理解の容易化のため、一部を簡略化又は誇張して描いている場合があり、寸法比率等は図面に記載のものに限定されない。
【0018】
まず、本開示に係る寝具について説明する。「寝具」とは、使用者が身体を休めたり睡眠をとったりするときに使用者の身体が当てられるものを示している。「寝具」は、典型的には、マットレス及び敷き布団等の敷き寝具、掛け布団等の掛け寝具、クッション、ベッドパッド、座布団又は枕である。
【0019】
「使用者」は、自らの身体を寝具に接触させて寝具を使用する者である。「使用者」は、例えば、寝具が掛け寝具である場合には、自らの身体に寝具をかける者である。「使用者」は、例えば、寝具が敷き寝具である場合には、寝具に自らの身体を載せる者である。この場合、具体例として、「使用者」は、購入した寝具の上に横たわる者、又は購入のために寝具の上に横たわる者である。本開示では、寝具を圧縮する作業が作業者によって行われる。「作業者」とは、例えば、寝具を圧縮する又は膨張させる者である。「作業者」は、典型的には、寝具を購入した者、又は寝具を販売する者である。
【0020】
[第1実施形態]
まず、第1実施形態に係る寝具の一例であるマットレス1について説明する。図1は、第1実施形態に係る寝具の一例であるマットレス1を模式的に示す斜視図である。図1に示されるように、マットレス1は、全体として長方形状を呈する。以下では、マットレス1の長辺が延びる方向を「長手方向」と称し、マットレス1の短辺が延びる方向を「短手方向」と称することがある。マットレス1は、表側シート部材2と、表側シート部材2の裏側に位置する裏側シート部材3とを備える。
【0021】
表側シート部材2及び裏側シート部材3のそれぞれは、非通気性を有する。表側シート部材2及び裏側シート部材3のそれぞれは長方形状を呈する。すなわち、表側シート部材2及び裏側シート部材3のそれぞれは、長手方向A1に延びる一対の長辺と、短手方向A2に延びる一対の短辺とを有する。裏側シート部材3における短辺の長さは、表側シート部材2における短辺の長さと略一致している。例えば、裏側シート部材3における長辺の長さは、表側シート部材2における長辺の長さよりも長い。表側シート部材2及び裏側シート部材3の材料は、例えば、綿、ポリエステルのニット編み生地、又は布帛織りの生地等に対してTPU(ポリウレタン系熱可塑性エラストマー)コーティング、PU(ポリウレタン)コーティング、又はPVC(ポリ塩化ビニール)コーティングが施されることで非通気性素材とされたものである。また、表側シート部材2及び裏側シート部材3の材料は、前述したコーティング素材が薄いシート状とされた非通気性素材でもよい。しかしながら、表側シート部材2及び裏側シート部材3の材料としては、上記の例に限られず適宜変更可能である。
【0022】
マットレス1は、非通気性を有する袋状に形成された袋体4を備える。例えば、袋体4は、表側シート部材2と、裏側シート部材3の一部とによって構成されている。「非通気性を有する」とは、袋体の全部が非通気性を有する場合、及び、袋体の一部が非通気性を有する場合の双方を含む。袋体4は、使用者の身体が載せられる部分である。袋体4は、表側シート部材2及び裏側シート部材3が互いに接合されることで袋状に形成されている。一例として、表側シート部材2及び裏側シート部材3は互いに溶着されている。
【0023】
袋体4は、一対の長辺4a,4bと、一対の短辺4c,4dとを有する長方形状を呈する。一方の長辺4aは、表側シート部材2の一方の長辺と、裏側シート部材3の一方の長辺とが接合されることで形成されている。他方の長辺4bは、表側シート部材2の他方の長辺と、裏側シート部材3の他方の長辺とが接合されることで形成されている。
【0024】
例えば、一方の短辺4cは、表側シート部材2の一方の短辺と、裏側シート部材3の一方の短辺とが接合されることで形成されている。他方の短辺4dは、表側シート部材2の他方の短辺と、裏側シート部材3の他方の短辺とが接合されることで形成されている。一例として、マットレス1の使用者は、袋体4における長手方向A1の一方側(例えば一方の短辺4c側)に頭を載せると共に、袋体4における長手方向A1の他方側(例えば他方の短辺4d側)に脚を載せる。また、マットレス1の使用者は、袋体4における他方の短辺4d側に頭を載せると共に、袋体4における一方の短辺4c側に脚を載せることも可能である。
【0025】
袋体4の内部(表側シート部材2及び裏側シート部材3の間)には、マットレス1の使用者の荷重を受けるクッション材(不図示)が充填されている。クッション材は、例えば、ウレタンによって構成されている。袋体4は、後述する空気弁(流通部)6が閉塞された状態において、袋体4の内部にクッション材を気密に収容する。
【0026】
マットレス1は、後述する圧縮棒20を取り付けるための取付部5を備える。取付部5は、例えば、裏側シート部材3を折り返して溶着することで開口部5eを有する袋状に形成されている。取付部5は、袋体4における一方の短辺4cに設けられている。取付部5は、一対の長辺5a,5bと、一対の短辺5c,5dとを有する長方形状を呈する。
【0027】
一方の長辺5aは、表側シート部材2から長手方向A1にはみ出した裏側シート部材3の部分が折り返されて形成されている。他方の長辺5bは、折り返された裏側シート部材3の長手方向A1の端部が表側シート部材2の一方の短辺に接合(一例として溶着)されることにより、袋体4の一方の短辺4cとして形成されている。取付部5は、一方の短辺4cにおける全体に亘って設けられている。本開示において、「短辺における全体」とは、短辺の略全体を示している。「短辺における全体」は、作用効果が変わらない範囲において、短辺の全体より短い又は長い状態であることも含んでいる。
【0028】
一対の短辺5c,5dのそれぞれは、例えば、表側シート部材2から長手方向A1にはみ出した裏側シート部材3の部分が長手方向A1に折り返されて形成されている。一方の短辺5cでは、折り返されて上下に並ぶ一対の裏側シート部材3同士が接合されることによって閉じられている。これに対し、他方の短辺5dは、一方の短辺5cとは異なり、開放されている。これにより、他方の短辺5dは、圧縮棒20を挿入するための開口部5eを構成している。例えば、開口部5eは、長手方向A1に折り返されて上下に並ぶ一対の裏側シート部材3によって形成されている。例えば、開口部5eは、取付部5の短手方向A2の一端において長手方向A1に沿って延在している。
【0029】
マットレス1は、袋体4の内外の空気の流通を開閉する空気弁6を備える。空気弁6は、開放された状態とされることで袋体4の内外の空気を流通させる。空気弁6は、閉塞された状態とされることで袋体4の内部を気密な状態とする。本実施形態では、空気弁6は、袋体4における他方の短辺4dと、他方の長辺4bとにより形成された角部に設けられている。しかしながら、空気弁6は、袋体4における他方の短辺4dと、一方の長辺4aとにより形成された角部に設けられてもよい。また、空気弁6は、他方の短辺4dと、一対の長辺4a,4bのそれぞれとにより形成された2つの角部の両方に設けられてもよい。この場合、マットレス1が2つの空気弁6を備えることにより、袋体4の内外の空気流通を一層効率的に行うことができる。
【0030】
図2は、図1に示されたマットレス1を模式的に示す平面図である。図2では、マットレス1の裏側(裏側シート部材3)を図示している。図2に示されるように、マットレス1は、2つのヘム地7,8と、2つの線ファスナ9(連結部材)とを備える。ヘム地7,8のそれぞれは、マットレス1の長手方向A1に沿って延びており、マットレス1の長辺において短手方向A2に折り返されている。ヘム地7は、袋体4の一方の長辺4a、及び取付部5の一方の短辺5cに設けられている。ヘム地8は、袋体4の他方の長辺4bに設けられている。ヘム地7,8の長さは、特に限定されないが、例えば、線ファスナ9よりも長い。
【0031】
線ファスナ9は、袋体4を、当該袋体4とは別の袋体に連結するための部品である。2つの線ファスナ9のそれぞれは、マットレス1の長手方向A1に延びており、ヘム地7,8のそれぞれに沿って縫製されている。本実施形態では、連結部材として線ファスナ9を例示したが、連結部材は、袋体4と、袋体4とは別の袋体とを連結するための部品であれば線ファスナ9以外のものであってもよい。例えば、連結部材は、面ファスナであってもよいし、ホックであってもよい。
【0032】
図3は、図1の開口部5eが設けられた領域R1の拡大図である。図3に示されるように、開口部5eは、圧縮棒20が取付部5から抜けることを抑制するための面ファスナ10(抜け止め部)を有する。面ファスナ10は、開口部5eの内側に設けられている。例えば、面ファスナ10は、開口部5eの内側における長辺5b側の部分に設けられている。面ファスナ10は、開口部5eの内側において長手方向A1に延在している。面ファスナ10は、開口部5eの内面の一部と接合する。
【0033】
図3の例では、面ファスナ10は、開口部5eの内面における面ファスナ10の直上に位置する部分と接合する。圧縮棒20が開口部5eに挿入された状態において面ファスナ10が開口部5eの内面の一部と接合することにより、面ファスナ10は開口部5eの一部を閉塞する。このように面ファスナ10が開口部5eの一部を閉塞することによって圧縮棒20は開口部5eによって締め付けられた状態になるので、開口部5eから圧縮棒20を抜けにくくすることができる。本実施形態では、圧縮棒20の抜け止め部として面ファスナ10を例示したが、抜け止め部はホックであってもよく、抜け止め部を構成する部品の種類は特に限定されない。
【0034】
図4(a)及び図4(b)は、図1の空気弁6が設けられた領域R2の拡大図である。図4(a)及び図4(b)に示されるように、空気弁6は、螺合部6aと、蓋部6bとを有する。螺合部6aは、袋体4の角部に取り付けられている。螺合部6aは、例えば、円筒状に形成されており、袋体4の内外に空気を流通可能とされている。螺合部6aの外周面には、蓋部6bを螺合するためのねじ山及びねじ溝(雄ねじ)が形成されている。
【0035】
蓋部6bは、例えば、有底円筒状を呈する。蓋部6bは、回転することによって螺合部6aに対して着脱可能とされている。図4(a)に示されるように、蓋部6bは、螺合部6aの中心軸線Lを中心として一方向(例えば時計回り)に回転操作されることにより、螺合部6aに装着される。一方、図4(b)に示されるように、蓋部6bは、中心軸線Lを中心として上記一方向の反対方向(例えば反時計回り)に回転操作されることにより、螺合部6aから取り外される。マットレス1の圧縮を行う作業者は、蓋部6bを回転操作することにより空気弁6を開放及び閉塞した状態とすることができる。なお、空気弁6を構成する各部品の材料や形状は、上記の例に限定されず適宜変更可能である。
【0036】
続いて、本実施形態に係る圧縮棒20について説明する。図5は、圧縮棒20を示す斜視図である。図5に示されるように、圧縮棒20は、例えば、第1方向D1に沿って延びる扁平形状を呈する。圧縮棒20は、第1方向D1への長さと、第1方向D1に交差する第2方向D2への幅を有する。第1方向D1は圧縮棒20の長手方向であり、第2方向D2は圧縮棒20の幅方向である。圧縮棒20は、プラスチック製であってもよいし、木製であってもよいし、金属製であってもよく、圧縮棒20の材料は特に限定されない。圧縮棒20は、袋体4を圧縮する圧縮部21と、作業者に把持される把持部22とを有する。
【0037】
圧縮部21は、第1方向D1に延びる扁平形状を呈する。圧縮部21は、第1方向D1及び第2方向D2の双方に延在する扁平面を表裏に有する。圧縮部21の扁平面は、例えば、平坦面である。しかしながら、圧縮部21の扁平面は、平坦面でなくてもよく、圧縮部21の外側に膨らむように湾曲する湾曲面であってもよい。第1方向D1に直交する平面で圧縮部21を切断したときにおける圧縮部21の断面は、例えば、長方形状を呈する。しかしながら、圧縮部21の当該断面の形状は、長円形状(又は楕円形状)であってもよく、長軸及び短軸を有する形状であればよい。
【0038】
例えば、圧縮部21の第1方向D1への長さは、取付部5の長さ(短手方向A2への長さ)よりも長い。さらに、圧縮部21の第2方向D2への長さは、取付部5の幅(長手方向A1への長さ)よりも短い。一例として、圧縮部21の第2方向D2への長さは、5cm以上且つ8cm以下である。
【0039】
把持部22は、圧縮部21から第1方向D1に沿って延びている。すなわち、把持部22は、圧縮部21の第1方向D1の一端から第1方向D1に延び出している。例えば、把持部22の第2方向D2の両端は、圧縮部21の第2方向D2の両端よりも圧縮棒20の第2方向D2の中央側(内側)に位置する。例えば、圧縮棒20は、圧縮部21から把持部22に遷移する遷移部を有する。当該遷移部では、圧縮部21から把持部22に向かうに従って圧縮棒20の第2方向D2への長さ(幅)が短くなっている。
【0040】
本実施形態では、把持部22は、扁平形状を呈する。例えば、把持部22の形状は圧縮部21の形状と同一である。しかしながら、把持部22の形状は、圧縮部21の形状と同一でなくてもよい。例えば、把持部22の形状は、柱状(一例として角柱状、又は円柱状)であってもよい。把持部22の大きさは、作業者の手で握ることができる程度か、それよりも小さい大きさであってもよい。以上、把持部22の形状及び大きさについて説明したが、把持部22の形状及び大きさは上記の例に限られず適宜変更可能である。
【0041】
例えば、圧縮部21の第1方向D1への長さは、把持部22の第1方向D1への長さよりも長い。例えば、圧縮部21の第2方向D2への長さは、把持部22の第2方向D2への長さよりも長い。一例として、圧縮部21の扁平面は把持部22の扁平面と連続している。圧縮部21及び把持部22における厚さ(第1方向D1及び第2方向D2の双方に交差する方向への長さ)は、例えば、0.5cm以上且つ3.0cm以下(一例として1.0cm)である。
【0042】
以上、圧縮棒20の形状及び長さ等について説明した。しかしながら、圧縮棒20の形状及び長さは、上記の例に限られず、適宜変更可能である。例えば、圧縮棒20は円柱状に形成されていてもよい。この場合、圧縮棒20の直径は、2cm以上且つ5cm以下であってもよい。
【0043】
続いて、本実施形態に係るマットレス1を圧縮する方法について説明する。図6に示されるように、まず、マットレス1の圧縮を行う作業者は、圧縮棒20の圧縮部21を開口部5eから取付部5の内部に挿入する。前述したように、圧縮部21の第1方向D1への長さは、取付部5の長さ(短手方向A2への長さ)よりも長い。よって、圧縮棒20を取付部5に取り付けた状態において、圧縮部21の一部は、取付部5の開口部5eからはみ出した状態となる。
【0044】
図4(b)に示されるように、作業者は、空気弁6を開放した状態とする。作業者は、蓋部6bを一方向に回転操作することにより、蓋部6bを螺合部6aから外す。これにより、袋体4の内外に空気を流通させることが可能な状態となる。続いて、作業者は、開口部5eの面ファスナ10(図3参照)により、圧縮棒20が挿入された取付部5の開口部5eの一部を閉じる。これにより、圧縮棒20が開口部5eから抜けにくくなるため、作業者が圧縮棒20によって袋体4を圧縮しているときに圧縮棒20が取付部5から抜けることが抑制される。
【0045】
図7に示されるように、作業者は、取付部5に挿入された圧縮棒20により袋体4を圧縮しつつ、袋体4の内部から空気弁6を介して袋体4の外部に空気を流出させる。このとき、作業者は、マットレス1を例えば床又は机等の硬質部分の上に配置した状態で袋体4の圧縮を行う。本実施形態では、作業者は、圧縮棒20の圧縮部21を袋体4に押しつけることで袋体4を圧縮する。
【0046】
このとき、扁平形状を呈する圧縮部21を袋体4に押しつけて、圧縮部21が押しつけられた袋体4の部分の内部の空気を短辺4d側に移動させる。すなわち、圧縮部21を袋体4の短辺4d側に倒して圧縮部21の扁平面を袋体4に押しつけることにより、圧縮部21の扁平面が押しつけられた袋体4の部分の内部の空気を短辺4d側に移動させる。このように袋体4への圧縮部21の押しつけを一方の短辺4cから他方の短辺4dに向かって繰り返し実行し、圧縮された袋体4の部分を圧縮部21に巻き付けていく。作業者は、圧縮部21の扁平面を袋体4に押しつけることで、袋体4に対して均一に外力を付与することができる。
【0047】
作業者は、圧縮された袋体4を圧縮部21に巻きつけて袋体4を一方の短辺4cから他方の短辺4dに向かって畳んでいく。そして、空気弁6を閉塞した状態とする(図4(a)参照)。これにより、空気弁6から袋体4の内部に空気が流入することを抑制できる。よって、袋体4が圧縮された状態を維持することができる。
【0048】
続いて、図8及び図9に示されるように、作業者は、取付部5の開口部5eから圧縮棒20を抜き取る。作業者は、圧縮されたマットレス1を収納袋30に収容する。これにより、マットレス1の持ち運び等が容易となる。本実施形態では、収納袋30は、マットレス1を収容する開口部を有する収容部31と、収容部31の開口部に設けられたとじ紐32と、とじ紐32に対してスライド可能に設けられた留め具33とを有する。
【0049】
マットレス1を収納袋30に収容するに際し、作業者は、圧縮されたマットレス1を収容部31の開口部に入れることで収容部31にマットレス1を収容する。作業者は、とじ紐32を引っ張ることで収容部31の開口部を閉じる。そして、作業者は、留め具33を収容部31の開口部に押しつけるようにスライドさせることで、収容部31の開口部が閉じられた状態が維持される。以上の工程を経て、作業者は、マットレス1を圧縮した後にマットレス1を容易に持ち運ぶことができる。
【0050】
なお、使用者がマットレス1を使用するときには、圧縮されたマットレス1を膨張させる。この場合、寝具を膨張させる作業者は、収納袋30からマットレス1を取り出した状態とした上でマットレス1の空気弁6を開放する。空気弁6が開放された状態で空気弁6から袋体4の内部に空気が入り込むことにより、袋体4は膨張する。また、作業者は、開放された状態の空気弁6に空気注入具をつけて袋体4を膨張させてもよい。袋体4が膨張した状態で使用者はマットレス1を使用可能な状態となる。
【0051】
続いて、本実施形態に係るマットレス1及び圧縮棒20の作用効果について説明する。図6及び図7に示されるように、本実施形態に係るマットレス1及び圧縮棒20では、空気弁6が開放された状態で、開口部5eから取付部5に挿入された圧縮棒20により非通気性を有する袋体4が圧縮されることで、袋体4の内部から空気弁6を介して袋体4の外部に空気が流出する。よって、マットレス1の圧縮を行う作業者は、取付部5に取り付けられた圧縮棒20を袋体4に押しつけて袋体4を圧縮しつつ袋体4を折り畳むことができる。これにより、作業者の身体を直接袋体4に当てて袋体4を圧縮する場合に比べ、容易に袋体4の内部から袋体4の外部に空気を流出させることができる。したがって、袋体4を容易に圧縮することができる。
【0052】
また、袋体4には、袋体4を圧縮するための圧縮棒20を取り付けるための取付部5が設けられている。これにより、作業者が袋体4を圧縮するときに、圧縮棒20がマットレス1から外れることを抑制できる。さらに、袋体4には、空気弁6が設けられており、作業者が袋体4を圧縮するときに、袋体4の内部の空気が空気弁6を介して袋体4の外部に流出する。これにより、例えば、袋体に空気弁6がなく通気性を有する袋体自体から空気を流出させる場合と比較して、袋体4の内部の空気を空気弁6から一層容易に袋体4の外部に流出させることができる。したがって、袋体4を容易に圧縮することができる。
【0053】
図1に示されるように、本実施形態に係る袋体4は、一対の長辺4a,4bと、一対の短辺4c,4dとを有する長方形状を呈する。取付部5は、袋体4の一対の短辺4c,4dのうち一方の短辺4cに設けられる。空気弁6は、一方の短辺4cとは異なる他方の短辺4dと、他方の長辺4bとにより形成された角部に設けられる。この場合、袋体4の一対の短辺4c,4dのうちの一方に設けられた取付部5に圧縮棒20を取り付けた上で、圧縮棒20を袋体4に押しつけて袋体4を圧縮する。このとき、圧縮棒20により袋体4を圧縮しつつ、一方の短辺4cから他方の短辺4dに向かう方向に袋体4を折り畳むことができる。袋体4の内部の空気は、当該他方の短辺4dと、他方の長辺4bとにより形成された角部に設けられた空気弁6を介して袋体4の外部に流出する。したがって、空気弁6を介して袋体4内の空気をより確実に流出させることができ、袋体4を一層容易に圧縮することができる。
【0054】
本実施形態において、取付部5は、一方の短辺4cにおける全体に亘って設けられる。この場合、袋体4の一方の短辺4cにおける全体に亘って設けられた取付部5に圧縮棒20が取り付けられる。これにより、一方の短辺4cにおける全体に亘って延びる圧縮棒20を袋体4に押しつけると共に圧縮棒20を袋体4の長辺4a,4bに沿って移動させることで袋体4の全体を効率よく圧縮することができる。
【0055】
図2に示されるように、本実施形態に係るマットレス1は、袋体4の一対の長辺4a,4bに設けられ、袋体4を、当該袋体4とは別の袋体に連結するための線ファスナ9をさらに備える。この場合、袋体4の長辺4a,4bを、別の袋体の長辺に線ファスナ9を介して連結することができる。これにより、例えば災害時に、互いに連結されたマットレス1を床等に敷くことができるので、床等の硬さや冷たさを軽減する大型の敷き寝具を提供できる。
【0056】
本実施形態において、取付部5は、開口部5eを有する袋状とされており、開口部5eは、圧縮棒20が取付部5から抜けることを抑制するための面ファスナ10を有する。この場合、開口部5eから取付部5に挿入された圧縮棒20を取付部5から抜けにくくすることができる。
【0057】
図5に示されるように、本実施形態において、圧縮棒20は、袋体4を圧縮するための圧縮部21を有し、圧縮部21は、扁平形状を呈する。これにより、扁平形状を呈する圧縮部21を袋体4に押しつけつつ、袋体4を一層容易に圧縮することができる。
【0058】
[第2実施形態]
続いて、第2実施形態に係る寝具の一例である掛け布団1Aについて図10(a)及び図10(b)を参照しながら説明する。掛け布団1Aは、袋体4とは異なる態様の袋体40を備える点で第1実施形態に係るマットレス1とは相違する。以下では、第1実施形態の寝具(マットレス1)と重複する説明を適宜省略する。図10(a)は、掛け布団1Aを模式的に示す平面図である。図10(b)は、掛け布団1Aを模式的に示す断面図である。
【0059】
図10(a)及び図10(b)に示されるように、袋体40は、外地41と、外地41に収容されたクッション材42とを有する。なお、図10(a)の例では便宜上、クッション材42を実線で図示している。しかしながら、クッション材42は外地41に収容されるものであるため、実際には掛け布団1Aの平面視においてクッション材42は視認されない。
【0060】
外地41は、一対の長辺41a,41bと、一対の短辺41c,41dを有する長方形状を呈する。外地41の一方の短辺41cには取付部5が設けられている。外地41の他方の短辺41dと、外地41の他方の長辺41bとによって形成された角部には空気弁6が設けられている。外地41は、非通気性を有していてもよいし、非通気性を有していなくてもよい。外地41は、例えば、布製である。
【0061】
クッション材42は、例えば、長方形状を呈する。クッション材42は、非通気性を有する。クッション材42は、複数のセル43により構成されている。複数のセル43のそれぞれは、角部が面取りされた長方形状(隅丸長方形状)を呈する。本実施形態では、掛け布団1Aの長手方向B1及び短手方向B2のそれぞれに沿って並ぶように複数のクッション材42が配置される。
【0062】
例えば、掛け布団1Aの長手方向B1及び短手方向B2のそれぞれに沿って複数のセル43が並んでいる。すなわち、掛け布団1Aにおいて複数のセル43は格子状に配置されている。一例として、掛け布団1Aの短手方向B2に沿って3つのセル43が並んでおり、掛け布団1Aの長手方向B1に沿って5つのセル43が並んでいる。
【0063】
セル43を構成する壁部には、例えば、貫通孔が設けられている。当該貫通孔により、セル43の内外に空気を流通させることが可能となっている。互いに隣接する2つのセル43は、互いの貫通孔同士が一致した状態で接合されている。これにより、複数のセル43の間で空気を流通可能とされている。複数のセル43のうち一のセル43には、空気弁6が接続されている。本実施形態では、空気弁6は、外地41における他方の短辺41dと、他方の長辺41bとにより形成された角部に配置されたセル43に接続されている。
【0064】
以上、第2実施形態に係る掛け布団1A及び圧縮棒20では、空気弁6が開放された状態で、開口部5eから取付部5に挿入された圧縮棒20により非通気性を有する袋体40が圧縮されることで、袋体40内のクッション材42の内部から空気弁6を介して袋体40の外部に空気が流出する。よって、掛け布団1Aの圧縮を行う作業者は、取付部5に取り付けられた圧縮棒20を袋体40に押しつけて袋体40を圧縮しつつ袋体40を折り畳むことができる。これにより、前述したマットレス1と同様、作業者の身体を直接袋体40に当てて袋体40を圧縮する場合に比べ、容易に袋体40の内部から袋体40の外部に空気を流出させることができる。したがって、袋体40を容易に圧縮することができる。
【0065】
さらに、第2実施形態では、袋体40内のクッション材42が複数のセル43により構成されている。これにより、圧縮棒20を袋体40に押しつけて袋体40を折り畳むに際し、長手方向B1に沿って互いに隣接する2つのセル43の境界の部分が折れやすくなっているので袋体40を容易に畳むことができる。したがって、本実施形態に係る掛け布団1Aによれば、袋体40を一層容易に折り畳むことができる。
【0066】
以上、本開示に係る寝具及び圧縮棒の実施形態について説明した。しかしながら、本開示に係る寝具及び圧縮棒は、前述の実施形態に限られず、適宜変更可能である。
【0067】
例えば、前述の第1実施形態では、取付部5が開口部5eを有する袋状に形成されており、袋体4の一方の短辺4cにおける全体に亘って設けられている例について説明した。しかしながら、取付部は、圧縮棒20を取り付けることができるものであればよく、例えば一方の短辺4cにおける一部に設けられていてもよい。一例として、取付部は、環状に形成されていてもよく、短辺4cの一部に設けられていてもよい。例えば、複数の取付部が一方の短辺4cに設けられてもよい。この場合、複数の取付部5は、一方の短辺4cにおいて短手方向A2に互いに離間するように設けられる。取付部は、袋体4の一方の短辺4cよりも長く形成されていてもよい。
【0068】
また、前述の第1実施形態では、取付部5における一方の短辺5cが、折り返されて上下に並ぶ一対の裏側シート部材3同士が接合されることによって閉じられている例について説明した。しかしながら、取付部5における一方の短辺5cは、他方の短辺5dと同様に、開放されていてもよい。
【0069】
この場合、取付部5は、取付部5の長手方向(例えば短手方向A2)の一端及び他端が開放された筒状を呈するので、取付部5の当該一端及び他端のどちらからでも圧縮棒20を挿抜できる。一例として、作業者は、他方の短辺5d(開口部5e)から一方の短辺5cに向かって圧縮棒20を貫通させることができる。これにより、作業者は、圧縮棒20の第1方向D1の両端部を両手で把持して袋体4を圧縮することができる。よって、両手で圧縮棒20を把持して圧縮棒20を袋体4に押しつけた状態で圧縮棒20を移動させることにより、一層容易に袋体4を圧縮することができる。この場合、把持部22は、圧縮部21の両端から第1方向D1に延びていてもよい。
【0070】
また、前述の第1実施形態では、袋体4及び取付部5が表側シート部材2及び裏側シート部材3を互いに溶着することで袋状に形成されている例について説明した。しかしながら、表側シート部材2及び裏側シート部材3を互いに接合する方法は、袋体4の非通気性を担保できる限りにおいて、適宜変更可能である。一例として、表側シート部材2及び裏側シート部材3は、互いに縫製されることで接合されてもよい。
【0071】
また、前述の第1実施形態では、マットレス1が表側シート部材2及び裏側シート部材3を互いに溶着することで形成されている例について説明した。しかしながら、マットレス1は、1枚のシート部材により形成されていてもよい。
【0072】
また、前述の実施形態では、他方の短辺5dが圧縮棒20を挿入するための開口部5eを構成している例について説明した。前述の実施形態では、開口部5eが取付部5の短手方向A2の一端において長手方向A1に沿って延在している例について説明した。しかしながら、開口部は、取付部5の短手方向A2の一端以外の位置に形成されていてもよい。
【0073】
例えば、開口部は、取付部5の上面又は下面(マットレス1の使用状態(開いた状態)における取付部5の上面又は下面)に形成されていてもよい。例えば、開口部は、取付部5の当該上面又は下面にスリット状に形成されていてもよい。当該スリット状の開口部は、一例として、取付部5における他方の短辺5d側に形成されており、マットレス1の長手方向A1、又は掛け布団1Aの長手方向B1に延びていてもよい。また、開口部は、スリット状でなくてもよく、矩形状、扇形状、円形状、又は長円状であってもよい。このように、開口部の形状及び位置は適宜変更可能である。
【0074】
また、前述の実施形態では、マットレス1、掛け布団1A、袋体4,40、及び取付部5のそれぞれが長方形状を呈する例について説明した。しかしながら、これらの形状は、特に限定されず、適宜変更可能である。
【0075】
圧縮棒20には、取付部5の開口部5eから挿入する方向を示した表示が付されていてもよい。例えば、図5に示される圧縮棒20に、把持部22の反対方向(図5では右方向)を向く矢印が付されていてもよい。さらに、圧縮部21には、当該矢印に代えて、又は当該矢印と共に、当該矢印が示す方向に圧縮棒20を取付部5の開口部5eに挿入する旨の文章が付されていてもよい。この場合、圧縮棒20を挿入する向きを作業者が容易に把握することができる。
【0076】
さらに、前述の実施形態では、本開示に係る寝具の一例であるマットレス1及び掛け布団1Aに適用される例について説明した。しかし、本開示は、袋状に形成された袋体の内部に空気を充填させることで用いられる空気充填具に対して広く適用可能である。例えば、本開示は、浮き輪、ビーチボール、フロート等に対しても適用可能である。
【0077】
すなわち、上記空気充填具は、
非通気性を有する袋状に形成された袋体と、
袋体に設けられると共に、袋体を圧縮するための圧縮棒を取り付けるための取付部と、
袋体に設けられると共に、袋体の内外の空気の流通を開閉する流通部と、備え、
取付部は、圧縮棒を挿入するための開口部を有し、流通部が開放された状態で、開口部から取付部に挿入された圧縮棒により袋体が圧縮されることで、袋体の内部から流通部を介して袋体の外部に空気が流出する。
【0078】
また、圧縮棒は、
前述の空気充填具に用いられる圧縮棒であって、
取付部の開口部から挿入されると共に、袋体を圧縮することで袋体の内部から流通部を介して袋体の外部に空気を流出させる。
【符号の説明】
【0079】
1…マットレス(寝具)、1A…掛け布団(寝具)、2…表側シート部材、3…裏側シート部材、4,40…袋体、4a,4b,5a,5b,41a,41b…長辺、4c,4d,5c,5d,41c,41d…短辺、5…取付部、5e…開口部、6…空気弁(流通部)、6a…螺合部、6b…蓋部、7,8…ヘム地、9…線ファスナ(連結部材)、10…面ファスナ(抜け止め部)、20…圧縮棒、21…圧縮部、22…把持部、30…収納袋、31…収容部、32…とじ紐、33…留め具、41…外地、42…クッション材、43…セル、A1,B1…長手方向、A2,B2…短手方向、D1…第1方向、D2…第2方向、L…中心軸線、R1,R2…領域。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10