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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023114160
(43)【公開日】2023-08-17
(54)【発明の名称】バンドルファイバコネクタ
(51)【国際特許分類】
   G02B 6/40 20060101AFI20230809BHJP
【FI】
G02B6/40
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022016349
(22)【出願日】2022-02-04
(71)【出願人】
【識別番号】000005186
【氏名又は名称】株式会社フジクラ
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100169764
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 雄一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100206081
【弁理士】
【氏名又は名称】片岡 央
(74)【代理人】
【識別番号】100188891
【弁理士】
【氏名又は名称】丹野 拓人
(72)【発明者】
【氏名】高橋 亮
【テーマコード(参考)】
2H036
【Fターム(参考)】
2H036JA02
2H036KA02
2H036QA12
2H036QA22
2H036QA24
(57)【要約】
【課題】フェルールに取り付けられた光ファイバにおける伝送損失を抑制することが可能なバンドルファイバコネクタを提供する。
【解決手段】バンドルファイバコネクタ1は、先端側から小径部13と、小径部13よりも径寸法が大きい中径部14と、中径部14よりも径寸法が大きい大径部15と、が順番に並ぶ光ファイバ10を複数有する光ファイバ群と、光ファイバ群の複数の小径部13を最密配置の状態で挿通可能なファイバ孔21と、ファイバ孔21の入口から離れるにしたがってテーパ状に広がる誘い孔22と、を有するフェルール20と、を備える。複数の光ファイバ10の小径部13がファイバ孔21内に位置している状態で、光ファイバ10の中径部14がファイバ孔21の外側であって少なくとも誘い孔22内に位置し、かつ、光ファイバ10の大径部15がフェルール20の外側に位置する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
先端側から小径部と、前記小径部よりも径寸法が大きい中径部と、中径部よりも径寸法が大きい大径部と、が順番に並ぶ光ファイバを複数有する光ファイバ群と、
前記光ファイバ群の複数の前記小径部を最密配置の状態で挿通可能なファイバ孔と、前記ファイバ孔の入口から離れるにしたがってテーパ状に広がる誘い孔と、を有するフェルールと、を備え、
複数の前記光ファイバの前記小径部が前記ファイバ孔内に位置している状態で、前記光ファイバの前記中径部が前記ファイバ孔の外側であって少なくとも前記誘い孔内に位置し、かつ、前記光ファイバの前記大径部が前記フェルールの外側に位置するバンドルファイバコネクタ。
【請求項2】
前記光ファイバは、前記小径部と前記中径部との間に位置し、前記小径部から前記中径部に向かうにしたがって径寸法が大きくなる第一テーパ部と、前記中径部と前記大径部との間に位置し、前記中径部から前記大径部に向かうにしたがって径寸法が大きくなる第二テーパ部と、を有する請求項1に記載のバンドルファイバコネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バンドルファイバコネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、データ伝送量の肥大化に伴って、データ通信を行うための複数の光ファイバの配置の高密度化が進められている。特許文献1には、複数の光ファイバを高密度に配置する一つの手法として、複数の光ファイバを束ねてフェルールのファイバ孔に挿入したバンドルファイバコネクタが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013-125195号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このようなバンドルファイバコネクタでは、複数の光ファイバが小さい径寸法のファイバ孔に対して挿入される。このため、複数の光ファイバをファイバ孔に挿入する際には、複数の光ファイバをファイバ孔に挿入する力がファイバ孔の入口付近に集中しやすくなる。その結果、光ファイバをファイバ孔に挿入する力によって、ファイバ孔の入口の外側において光ファイバが湾曲してしまう。そして、光ファイバが小さい曲げ半径で湾曲すると、当該光ファイバにおける伝送損失が大きくなってしまう、という問題がある、
【0005】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、フェルールに取り付けられた光ファイバにおける伝送損失を抑制することが可能なバンドルファイバコネクタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係るバンドルファイバコネクタは、先端側から小径部と、前記小径部よりも径寸法が大きい中径部と、中径部よりも径寸法が大きい大径部と、が順番に並ぶ光ファイバを複数有する光ファイバ群と、前記光ファイバ群の複数の前記小径部を最密配置の状態で挿通可能なファイバ孔と、前記ファイバ孔の入口から離れるにしたがってテーパ状に広がる誘い孔と、を有するフェルールと、を備え、複数の前記光ファイバの前記小径部が前記ファイバ孔内に位置している状態で、前記光ファイバの前記中径部が前記ファイバ孔の外側であって少なくとも前記誘い孔内に位置し、かつ、前記光ファイバの前記大径部が前記フェルールの外側に位置する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、フェルールに取り付けられた光ファイバにおける伝送損失を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の一実施形態に係るバンドルファイバコネクタを模式的に示す側面図である。
図2】本発明の一実施形態に係るバンドルファイバコネクタのフェルール、光ファイバ及びフランジを示す断面図である。
図3】本発明の一実施形態に係るバンドルファイバコネクタにおける光ファイバを示す側面図である。
図4図2のIV部を示す拡大断面図である。
図5図4のV-V線矢視図である。
図6図3の光ファイバの製造過程を示す図である。
図7図3の光ファイバの製造過程を示す図である。
図8図3の光ファイバの製造過程を示す図である。
図9図3の光ファイバの製造過程を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の一実施形態について図1~9を参照して説明する。
図1,2に示すように、本実施形態のバンドルファイバコネクタ1は、複数の光ファイバ10を有する光ファイバ群5と、フェルール20と、フランジ30を備える。
【0010】
(方向定義)
本実施形態では、光ファイバ10や後述するフェルール20のファイバ孔21の長手方向を軸方向Xにより示す。以下の説明では、軸方向Xの一方側(+X)を前方または先端側と呼び、その反対側(-X)を後方又は基端側と呼ぶことがある。
【0011】
図5に示すように、光ファイバ群5を構成する複数の光ファイバ10は、それぞれコア11及びクラッド12を含むガラス体を有するシングルコアファイバである。各光ファイバ10のガラス体は、光ファイバ10の長手方向に直交する断面で円形となっている。
【0012】
図3に示すように、各光ファイバ10においては、ガラス体からなる小径部13と中径部14と大径部15とが先端側から順番に並んでいる。中径部14の径寸法は、小径部13の径寸法よりも大きい。大径部15の径寸法は、中径部14の径寸法よりも大きい。小径部13、中径部14及び大径部15の径寸法の違いは、クラッド12(図5参照)の厚さの違いに基づいている。すなわち、小径部13におけるクラッド12の厚さが最も小さく、大径部15におけるクラッド12の厚さが最も大きい。小径部13、中径部14及び大径部15の各径寸法は、それぞれ光ファイバ10の長手方向において一定となっている。
【0013】
本実施形態において、各光ファイバ10は、第一テーパ部16と、第二テーパ部17と、を有する。第一テーパ部16は、小径部13と中径部14との間に位置する。第一テーパ部16は、光ファイバ10の長手方向において、小径部13から中径部14に向かうにしたがって径寸法が大きくなるように形成されている。第二テーパ部17は、中径部14と大径部15との間に位置する。第二テーパ部17は、光ファイバ10の長手方向において、中径部14から大径部15に向かうにしたがって径寸法が大きくなるように形成されている。
また、各光ファイバ10は、ガラス体を被覆する被覆部18を有する。被覆部18は、ガラス体からなる大径部15のうち少なくとも図1,2に示すフランジ30の外側に延びる部位を被覆し、小径部13、中径部14を被覆しない。
【0014】
図2,4に示すように、フェルール20は、ファイバ孔21及び誘い孔22を有する。ファイバ孔21は、軸方向Xに延びてフェルール20を貫通している。ファイバ孔21の長手方向の第一端は、先端に位置するフェルール20の接続端面20aに開口する。ファイバ孔21の長手方向の第二端は、光ファイバ10が挿入されるファイバ孔21の入口であり、フェルール20の基端である。図5に示すように、ファイバ孔21には、複数の光ファイバ10の小径部13を挿通可能である。ファイバ孔21の長手方向に直交するファイバ孔21の断面の大きさは、複数の小径部13を最密配置の状態でファイバ孔21に挿通させることができるが、複数の中径部14を最密配置の状態でファイバ孔21に挿通させることはできないように設定されている。図1,2に示すフェルール20の接続端面20aには、ファイバ孔21に挿通された複数の小径部13の端面が露出する。
【0015】
本実施形態において、ファイバ孔21の長手方向に直交する断面におけるファイバ孔21の断面形状は図5に示すように円形となっているが、これに限ることはない。ファイバ孔21の断面形状は、例えば矩形や三角形など任意であってよい。また、本実施形態のフェルール20におけるファイバ孔21の数は、1つであるが、例えば複数であってもよい。
【0016】
図2,4に示すように、フェルール20の誘い孔22は、ファイバ孔21の第二端(入口)に連なる。誘い孔22の軸線はファイバ孔21の軸線と一致している。誘い孔22は、ファイバ孔21の長手方向においてファイバ孔21の第二端から後方(-X側)に離れるにしたがってテーパ状に広がって形成されている。このため、誘い孔22の内面は、ファイバ孔21の長手方向に延びるファイバ孔21の内面に対して傾斜して延びるテーパ面あるいは傾斜面となっている。図4に示す断面において、誘い孔22の内面の開き角度は90度となっているが、これに限ることはない。
【0017】
ファイバ孔21の第二端側に位置する誘い孔22の内面の先端部分は、ファイバ孔21の内面に滑らかに連なるように丸みを帯びている。
複数の光ファイバ10の挿入口となる誘い孔22の基端における誘い孔22の大きさは、複数の中径部14を誘い孔22に挿入できる程度の大きさとなっている。なお、本実施形態では、誘い孔22の基端における誘い孔22の大きさが複数の大径部15を挿入できる程度の大きさになっているが、これに限ることはない。
【0018】
図2,4に示すように、複数の光ファイバ10は、これらの小径部13を上記したフェルール20のファイバ孔21に挿入することで、フェルール20に取り付けられる。この状態では、図4に示すように、複数の光ファイバ10の小径部13がフェルール20のファイバ孔21内に位置する。また、この状態では、複数の光ファイバ10の中径部14が、ファイバ孔21の第二端の外側であって少なくとも誘い孔22内に位置する。図4では、中径部14全体が誘い孔22内に位置するが、例えば中径部14の長手方向の一部が誘い孔22内に位置し、中径部14の長手方向の残部が誘い孔22の外側、すなわちフェルール20の外側に位置してもよい。複数の光ファイバ10の大径部15は、フェルール20の外側に位置する。また、本実施形態では、複数の光ファイバ10の第一テーパ部16が、ファイバ孔21の第二端側に位置する誘い孔22の先端部分に嵌まっている。
上記のようにフェルール20に取り付けられた複数の光ファイバ10は、フェルール20の基端から後方(-X側)に延びる。
【0019】
図5に示すように、本実施形態では、フェルール20の同一のファイバ孔21に束ねて挿通される光ファイバ10の数が、4つとなっている。なお、同一のファイバ孔21に挿通される光ファイバ10の数は、4つに限らず、任意であってよい。
【0020】
図2に示すように、フランジ30は、筒状に形成され、フェルール20に取り付けられている。フランジ30は、その軸方向に並ぶ筒状のフェルール挿入部31とファイバ挿通部32とを有する。フェルール挿入部31には、誘い孔22が開口するフェルール20の基端部が挿入される。ファイバ挿通部32は、フェルール挿入部31の後方に連ねて形成される。ファイバ挿通部32には、フェルール20の基端から後方に延びる複数の光ファイバ10が挿通される。フランジ30の軸方向に直交するファイバ挿通部32の内側の大きさは、誘い孔22の基端における誘い孔22の大きさよりも大きい。フランジ30がフェルール20に取り付けられることで、ファイバ挿通部32がフェルール20の基端から後方に延びる複数の光ファイバ10の一部を保護する。
【0021】
次に、上記したバンドルファイバコネクタ1に備え、小径部13、中径部14及び大径部15を有する光ファイバ10の製造方法の一例について、主に図6~9を参照して説明する。
バンドルファイバコネクタ1に用いる光ファイバ10を製造する際には、はじめに、図6に示すように、コア11及びクラッド12(図5参照)からなるガラス体51を被覆部52によって覆った被覆付き光ファイバ50を用意する(ファイバ準備工程)。次いで、被覆付き光ファイバ50の先端に位置する第一先端部55の被覆部52を除去して、第一先端部55に位置するガラス体51を露出させる(第一露出工程)。
【0022】
その後、露出した第一先端部55のガラス体51を、フッ酸を含むエッチング液に含侵することで、当該ガラス体51のクラッド12をエッチングする第一エッチング工程を実施する。第一エッチング工程後の状態では、図7に示すように、第一先端部55のガラス体51の径寸法が、第一先端部55を除くガラス体51(例えば後述の第二先端部56)の径寸法よりも小さくなる。また、第一先端部55のガラス体51の基端部分55Aは、第一先端部55のガラス体51の基端と被覆部52の先端との境界から、第一先端部55の先端側に向かうにしたがって径寸法が小さくなるテーパ状に形成される。
【0023】
第一エッチング工程後には、図8に示すように、被覆付き光ファイバ50のうち第一先端部55の後方に隣接する第二先端部56の被覆部52を除去して、第二先端部56に位置するガラス体51を露出させる(第二露出工程)。
【0024】
その後、露出した第一先端部55及び第二先端部56のガラス体51をエッチング液に含侵することで、当該ガラス体51のクラッド12をエッチングする第二エッチング工程を実施する。第二エッチング工程後の状態では、図9に示すように、第二先端部56のガラス体51の径寸法が、第二先端部56よりも基端側に位置するガラス体51の径寸法より小さい。また、第一先端部55のガラス体51の径寸法は、第二エッチング工程後における第二先端部56のガラス体51の径寸法よりもさらに小さい。また、第二先端部56の先端に連なる第一先端部55のガラス体51の基端部分55Aは、テーパ状に維持されている。また、第二先端部56のガラス体51の基端部分56Aは、第二先端部56のガラス体51の基端と被覆部52の先端との境界から、第二先端部56の先端側に向かうにしたがって径寸法が小さくなるテーパ状に形成される。
【0025】
最後に、被覆付き光ファイバ50のうち第二先端部56の後方に隣接する第三先端部57の被覆部52を除去して、第三先端部57に位置するガラス体51を露出させる(第三露出工程)。以上により、バンドルファイバコネクタ1に用いる光ファイバ10の製造が完了する。
【0026】
図3,9に示すように、製造後の光ファイバ10における小径部13には、2回エッチングされた第一先端部55のガラス体51が対応する。また、中径部14には、1回エッチングされた第二先端部56のガラス体51が対応する。また、大径部15には、第三先端部57のガラス体51が対応する。
さらに、製造後の光ファイバ10における第一テーパ部16には、テーパ状に形成された第一先端部55のガラス体51の基端部分55Aが対応する。第二テーパ部17には、テーパ状に形成された第二先端部56のガラス体51の基端部分56Aが対応する。
【0027】
上記した光ファイバ10の製造方法において、第一先端部55、第二先端部56及び第三先端部57の各長さは、フェルール20におけるファイバ孔21及び誘い孔22の長さ、並びに、フェルール20に取り付けられるフランジ30のファイバ挿通部32の長さに応じて適宜設定されてよい。
【0028】
以上説明したように、本実施形態のバンドルファイバコネクタ1では、複数の光ファイバ10の小径部13がフェルール20のファイバ孔21内に位置している状態で、小径部13よりも径寸法が大きい複数の光ファイバ10の中径部14が、ファイバ孔21の外側であって少なくともフェルール20の誘い孔22内に位置する。また、大径部15よりも径寸法が大きい複数の光ファイバ10の大径部15がフェルール20の外側に位置する。これにより、ファイバ孔21の入口の外側において、光ファイバ10が小さな曲げ半径で湾曲することを抑制できる。以下、この点について説明する。
【0029】
フェルール20のファイバ孔21に複数の光ファイバ10の小径部13を挿入する際には、複数の光ファイバ10の小径部13の先端が誘い孔22のテーパ状の内面によってファイバ孔21に向けて案内される。そして、複数の光ファイバ10の小径部13がファイバ孔21に挿入された際には、光ファイバ10をファイバ孔21に挿入しようとする力がファイバ孔21の入口付近に集中して、誘い孔22内を含むファイバ孔21の入口の外側において、図4に例示するように光ファイバ10が湾曲しようとする。
【0030】
ここで、複数の光ファイバ10の小径部13がファイバ孔21に挿入された状態において、複数の光ファイバ10の中径部14は、ファイバ孔21に挿入されず、ファイバ孔21の入口の外側、すなわち誘い孔22内に位置する。また、径寸法が小径部13よりも大きい中径部14の剛性は、小径部13の剛性よりも高い。このため、光ファイバ10の小径部13がファイバ孔21に挿入された際に、中径部14がファイバ孔21の入口の外側において湾曲することを抑制できる。言い換えれば、中径部14がファイバ孔21の入口の外側において小さい曲げ半径で湾曲することを抑制できる。例えば、図4に示す中径部14が誘い孔22のテーパ状の内面に沿う程度の小さな曲げ半径で光ファイバ10の中径部14が湾曲することを防ぐことができる。
【0031】
また、複数の光ファイバ10の小径部13がファイバ孔21に挿入された状態では、ファイバ孔21の入口側に位置する誘い孔22の先端部分に、小径部13よりも大きな径寸法の中径部14が嵌まる。これにより、誘い孔22の先端部分に位置する中径部14の部位がファイバ孔21内に挿入された小径部13に対して湾曲することを規制できる。これにより、光ファイバ10が小径部13と中径部14との間で小さい曲げ半径で湾曲することを抑制することができる。例えば、図4に示す中径部14が誘い孔22のテーパ状の内面に沿う程度の小さな曲げ半径で光ファイバ10が小径部13と中径部14との間(図4では第一テーパ部16)で湾曲することを防ぐことができる。
【0032】
さらに、複数の光ファイバ10の大径部15の先端側には、大径部15よりも径寸法が小さく誘い孔22に挿入可能な複数の中径部14が形成されている。このため、誘い孔22が複数の大径部15を挿入できない程度の大きさであっても、複数の中径部14が誘い孔22に挿入されることで、複数の小径部13を全てファイバ孔21に挿入することができる。言い換えれば、複数の大径部15が誘い孔22に引っ掛かることで、小径部13がファイバ孔21の入口から誘い孔22側にはみ出ししまうことを防ぐことができる。これにより、ファイバ孔21から誘い孔22側にはみ出した小径部13が小さい曲げ半径で湾曲してしまうことを防止できる。
以上のことから、光ファイバ10が、ファイバ孔21の入口の外側において小さな曲げ半径で湾曲することを抑制できる。したがって、フェルール20に取り付けられた光ファイバ10の伝送損失を抑制することができる。
【0033】
また、本実施形態のバンドルファイバコネクタ1では、光ファイバ10の小径部13と中径部14との間に第一テーパ部16が設けられ、光ファイバ10の中径部14と大径部15との間に第二テーパ部17が設けられている。このため、小径部13と中径部14とが段差状に接続されず、また、中径部14と大径部15とが段差状に接続されない。これにより、小径部13をファイバ孔21に挿入する際に、光ファイバ10がファイバ孔21の入口の外側において湾曲しても、この光ファイバ10の湾曲に伴って、小径部13と中径部14との境界部分及び中径部14と大径部15との境界部分に応力が集中することを抑制できる。したがって、フェルール20に取り付けられた光ファイバ10の伝送損失をさらに抑制することができる。
【0034】
以上、本発明の詳細について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることができる。
【0035】
本発明のバンドルファイバコネクタは、少なくとも光ファイバ群と、フェルールと、を備えていればよく、上記実施形態のフランジ30は備えなくてもよい。
【符号の説明】
【0036】
1…バンドルファイバコネクタ、5…光ファイバ群、10…光ファイバ、13…小径部、14…中径部、15…大径部、16…第一テーパ部、17…第二テーパ部、20…フェルール、21…ファイバ孔、22…誘い孔
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9