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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023114180
(43)【公開日】2023-08-17
(54)【発明の名称】ルアー
(51)【国際特許分類】
   A01K 85/16 20060101AFI20230809BHJP
   A01K 85/00 20060101ALI20230809BHJP
【FI】
A01K85/16
A01K85/00 G
A01K85/00 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022016382
(22)【出願日】2022-02-04
(71)【出願人】
【識別番号】595015214
【氏名又は名称】メガバス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090273
【弁理士】
【氏名又は名称】國分 孝悦
(72)【発明者】
【氏名】伊東 浩一
【テーマコード(参考)】
2B307
【Fターム(参考)】
2B307AA01
2B307BA34
2B307BA35
2B307BA36
2B307BA46
2B307BA70
2B307BB01
2B307BB04
(57)【要約】
【課題】フックが障害物に引っ掛かりにくくする。
【解決手段】ルアー1は、ルアーボディ2と、ルアーボディ2に設けられたフック13とを備える。フック13は、ルアーボディ2の内部に設けられ、湾曲部13bの少なくとも一部から先端13cに向かう部分が突出部分13dとしてルアーボディ2の上方に突出し、先端13cが前方に向くように配置される。ルアーボディ2には、可撓性を有する左右のヒレ片16L、16Rを有する背ビレ7が設けられ、左右のヒレ片16L、16Rの間にフック13の突出部分13dが位置する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ルアーボディと、
前記ルアーボディに設けられたフックとを備え、
前記フックは、前記ルアーボディの内部に設けられ、湾曲部の少なくとも一部から先端に向かう部分が突出部分として前記ルアーボディの上方又は下方に突出し、前記先端が前方に向くように配置され、
前記ルアーボディには、可撓性を有する左右のヒレ片を有するヒレが設けられ、
左右の前記ヒレ片の間に前記フックの前記突出部分が位置することを特徴とするルアー。
【請求項2】
前記フックの前記先端よりも前方で左右の前記ヒレ片が接合することを特徴とする請求項1に記載のルアー。
【請求項3】
前記フックの前記突出部分は、前記ルアーボディの上方に突出し、
前記ヒレは、前記ルアーボディの上部に設けられた背ビレであることを特徴とする請求項1又は2に記載のルアー。
【請求項4】
可撓性を有する材料からなる中実の前記ルアーボディを備えたソフトルアーであり、前記ルアーボディと前記ヒレとが一体成形されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のルアー。
【請求項5】
前記ルアーボディの内部には、左右の前記ヒレ片の間につながる空洞部が形成されており、
前記フックは前記空洞部を通って、前記突出部分が左右の前記ヒレ片の間に位置することを特徴とする請求項4に記載のルアー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、釣り用のルアーに関する。
【背景技術】
【0002】
釣り用のルアーに関して、例えば特許文献1には、ゴム製のルアー本体の上部から、フックを突き出すようにしたソフトベイト型ルアーが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10-262501号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、ルアー本体からフックを突き出すようにした場合、フックが水草等の障害物に引っ掛かりやすくなり、ルアーを動かせなくなったり、回収できなくなったりするおそれがある。
【0005】
本発明は、上述したような問題点に鑑みてなされたものであり、フックが障害物に引っ掛かりにくくすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のルアーは、ルアーボディと、前記ルアーボディに設けられたフックとを備え、前記フックは、前記ルアーボディの内部に設けられ、湾曲部の少なくとも一部から先端に向かう部分が突出部分として前記ルアーボディの上方又は下方に突出し、前記先端が前方に向くように配置され、前記ルアーボディには、可撓性を有する左右のヒレ片を有するヒレが設けられ、左右の前記ヒレ片の間に前記フックの前記突出部分が位置することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、フックが障害物に引っ掛かりにくくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施形態のルアーの斜視図である。
図2】実施形態のルアーの側面図である。
図3】実施形態のルアーの断面図である。
図4】実施形態のルアーの変形した状態の例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本実施形態に係るルアーについて図面を参照して説明する。本願において上下、左右、前後の方向は、水中でルアーを動かすときの姿勢を基準とした方向とし、各図において必要に応じて方向を示す。
【0010】
図1は、ルアー1の斜視図である。図2は、ルアー1の側面図である。図3は、ルアー1の断面図である。図4は、ルアー1が変形した状態の例を示す斜視図である。
ルアー1は、いわゆるソフトルアーであり、ラバーや合成樹脂等の可撓性を有する材料からなる中実のルアーボディ2を備える。ルアーボディ2は、左右の最大幅に対して上下の最大幅が大きな扁平ボディであり、魚を模した外観形状を有する。
【0011】
ルアーボディ2の前端部は頭部3を構成し、魚の目を模したアイ4が設けられ、エラ部5が造形されている。また、ルアーボディ2の上部は背中部6を構成し、最上部に背ビレ7が一体成形されている。背ビレ7の詳細については後述する。また、ルアーボディ2の下部は胸部及び腹部8を構成し、左右の腹ビレ9が一体成形されている。また、ルアーボディ2の後部は細くなってテール部10を構成し、最後端に尾ビレ11が一体成形されている。尾ビレ11は、下方及び左右に広がるような面形状を有し、水を受けてテール部10が揺れるようになっている。
【0012】
ルアーボディ2の内部には、フック13と、ウエイト14と、釣り糸を結ぶラインアイ15とが一体になったジグヘッド12が設けられる。
フック13は、略J字状に湾曲する釣針であり、図3に示すように、直線状に延びる軸部であるシャンク13aと、シャンク13aにつながる湾曲部であるベンド13bと、ベンド13bにつながる先端であるフックポイント13cとを有する。ルアーボディ2の内部において、フック13は、ベンド13bが後方に位置するようにシャンク13aが後上がりに延伸して、かつ、ベンド13bが上方に向かって湾曲するように配置される。そして、フック13のうち、ベンド13bの一部からフックポイント13cに向かう部分(本願において突出部分13dと呼ぶ)がルアーボディ2の上方に突出し、フックポイント13cが前方に向く。なお、図2では、突出部分となる領域の前端及び後端にそれぞれ符号13dを付して、突出部分13dを表す。
【0013】
また、シャンク13の端部(ベンド13bとは反対側の端部)にウエイト14が設けられ、ルアーボディ2の内部において、頭部3の下部にウエイト14が配置される。
また、シャンク13の端部(ベンド13bとは反対側の端部)が上方に向かうように曲げられて、その先端にラインアイ15が設けられ、ルアーボディ2の頭部3でラインアイ15が外部に露出する。
【0014】
ここで、背ビレ7は、左右のヒレ片16L、16Rを有する。左右のヒレ片16L、16Rは、前後方向に並ぶ複数の柱状部16aと、柱状部16a間をつなぐ薄膜部16bとを備えるように構成され、ヒレ片16Lの左側面及びヒレ片16Rの右側面において、鰭条に支えられた膜状の構造を模した外観形状を有する。
【0015】
左右のヒレ片16L、16Rの間には、幅狭の空間17が形成される。そして、左右のヒレ片16L、16Rの間(空間17)にフック13の突出部分13dが位置し、側面視において突出部分13dがヒレ片16L、16Rで覆われて、隠れるようになっている。
【0016】
背ビレ7の前端(左右のヒレ片16L、16Rの前端)は、フックポイント13cよりも前方に位置する。そして、左右のヒレ片16L、16Rの前端が接合する(接合部18)。本実施形態では、背ビレ7の前端に柱状部16aが位置し、この柱状部16aを含むようにして接合部18が構成される。
このように左右のヒレ片16L、16Rの前端が接合する構成により、水中でルアー1を動かすとき、接合部18が水の抵抗を受けて、左右のヒレ片16L、16Rの内側では水の抵抗を受けないようにすることができる。したがって、左右のヒレ片16L、16Rが左右に広がるように変形するのを抑えることができ、フック13が露出するのを防ぐことができる。また、柱状部16aを含むようにして接合部18を構成することにより、接合部18の剛性や強度を高くして、水の抵抗を受ける接合部18が後方に倒れないようにすることができる。なお、左右のヒレ片16L、16Rの前端が接合するようにしたが、これに限定されるものではなく、フックポイント13cよりも前方であれば、左右のヒレ片16L、16Rの前後方向の途中位置で接合するようにしてもよい。
【0017】
また、側面視において、左右のヒレ片16L、16Rは、それぞれ前後方向の途中位置に切れ目19が形成されて、前部20と後部21とに分離されている。前部20の後端は、前端のように接合されるのではなく、開放されている。また、後部21の前端及び後端は開放されている。このように前部20と後部21とに分離することにより、前部20及び後部21でそれぞれ高さや厚み等を独自に設計することができる。また、ヒレ片16L、16Rが前後方向に長いと、テール部10の動きが妨げられるおそれがあるが、前部20と後部21とに分離することにより、テール部10に近い後部21は前部20から独立して変形可能なので、テール部10の動きを邪魔しないようにすることができる。
【0018】
また、図3に示すように、ルアーボディ2の上部の内部には、左右のヒレ片16L、16Rの間(空間17)につながる空洞部22が形成されている。空洞部22は、背ビレ7の前後長さと同程度又はやや長い形状を有する。また、空洞部22の上部は空間17につながる幅狭となっているが、それよりも下部はルアーボディ2の左右の膨らみに合わせて左右に幅広になる形状を有する。ルアーボディ2により構成される空洞部22の左右の壁部23は、ヒレ片16L、16Rの厚みと比べて厚いものとする。
ルアーボディ2の内部に設置されるフック13は、シャンク13aがルアーボディ2の下部の中実部分に埋設されるが、ベンド13bが空洞部22を通って、突出部分13dが左右のヒレ片16L、16Rの間に位置する。
この構成により、図4に示すように、左右のヒレ片16L、16R及び空洞部22の左右の壁部23が左右に大きく広がって、空間17及び空洞部22が開いた状態になり、その状態では、突出部分13dだけでなく、ベンド13の全体が露出するかたちになる。なお、図4では、左のヒレ片16L及び空洞部22の左の壁部23が左に広がっている状態を示す。
【0019】
このようにしたルアー1を使用するときは、ラインアイ15に、ルアーロッドのリールにつながるラインが結ばれた状態で、ルアー1がキャスティングされる。ルアー1が着水すると、ルアー1は水中に沈む。
【0020】
ユーザがリールを巻いて引くと、水中において、ラインに引っ張られてルアー1は頭部3を前にして動く。このとき、ウエイト14によりルアー1の重心が下部にあるので、背中部6が上向き、胸部及び腹部8が下向きになる。このように背中部6が上向きになり、フック13の突出部分13dはルアーボディ2の上方に突出することになるので、特に根がかりしやすい水底の水草等の障害物への接触を減らすことができる。
【0021】
また、フック13の突出部分13dが、左右のヒレ片16L、16Rで覆われてガードされた状態になっており、フック13を目立たないようにし、また、フック13が障害物に引っ掛かりにくくすることができ、根がかりを防ぐことができる。このとき、上述したように、接合部18が水の抵抗を受けて、左右のヒレ片16L、16Rが左右に広がるように変形するのを抑えることができ、フック13が露出するのを防ぐことができる。
【0022】
そして、ルアー1に魚が食いつくと、左右のヒレ片16L、16Rが変形してフック13(フックポイント13cを含む突出部分13d)が露出し、魚の口に掛かる。この場合に、フック13の露出が少ないと、フック13が魚の口に掛からなかったり、掛かっても針掛かりが浅く、フック13が外れてしまったりすることになる。実施形態のルアー1では、食いついた魚が暴れると、左右のヒレ片16L、16R及び空洞部22の左右の壁部23が左右に大きく広がって、空間17及び空洞部22が開いた状態になり、突出部分13dだけでなく、ベンド13の全体が露出する。これにより、フック13が魚の口にしっかりと掛かるようにし、針掛かりが浅くなるのを防いで、針掛かり性能を向上させることができる。
【0023】
以上述べたように、左右のヒレ片16L、16Rの間にフック13を位置させる場合に、水中でルアー1を動かすときにはフック13が露出しにくくし、かつ、針掛かり性能が低下しないようにすることができる。
【0024】
本実施形態では、左右のヒレ片16L、16Rの前端が接合する構成としたが、左右のヒレ片16L、16Rの前端が接合されず、分離したかたちとしてもよい。この場合、ヒレ片16L、16Rの前端部に適宜な剛性や強度を与えたり、ヒレ片16L、16Rの前端とフックの先端(フックポイント13c)との距離を適宜設定したりして、水中でルアー1を動かすときに、左右のヒレ片16L、16Rが左右に広がるように変形するのを抑えるようにする。
【0025】
以上、本発明を種々の実施形態を用いて説明したが、本発明は上述した実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲内で変更等が可能であり、実施形態および変形例を適宜、組み合わせてもよい。
例えばルアーボディの形状やサイズは実施形態で述べたものに限定されるものではなく、適宜変更可能である。
また、フックの突出部分がルアーボディの下方に突出するようにしてもよい。この場合、ルアーボディの下部にヒレ(左右のヒレ片)が設けられ、左右のヒレ片の間にフックの突出部分が位置するようにする。
【符号の説明】
【0026】
1:ルアー、2:ルアーボディ、7:背ビレ、13:フック、13a:シャンク、13:ベンド、13c:フックポイント、13d:突出部分、16L、16R:ヒレ片、17:空間、18:接合部、22:空洞部
図1
図2
図3
図4