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  • 特開-採光量調整システム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023114209
(43)【公開日】2023-08-17
(54)【発明の名称】採光量調整システム
(51)【国際特許分類】
   E06B 9/68 20060101AFI20230809BHJP
   E06B 9/264 20060101ALI20230809BHJP
   F21S 11/00 20060101ALI20230809BHJP
【FI】
E06B9/68 A
E06B9/264 C
F21S11/00 310
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022016451
(22)【出願日】2022-02-04
(71)【出願人】
【識別番号】504163612
【氏名又は名称】株式会社LIXIL
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【弁理士】
【氏名又は名称】正林 真之
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【弁理士】
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【弁理士】
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100160794
【弁理士】
【氏名又は名称】星野 寛明
(72)【発明者】
【氏名】山田 裕輔
【テーマコード(参考)】
2E042
2E043
【Fターム(参考)】
2E042AA01
2E042CA01
2E042CB18
2E042CC03
2E043AA04
2E043BE02
2E043BE06
2E043BE12
2E043BE17
2E043DB05
(57)【要約】
【課題】採光量を調整できる採光量調整システムを提供すること。
【解決手段】採光量調整システム1は、建物10の開口部111を開閉して室内への採光量を調整する採光量調整部2と、採光量調整部2が開状態である場合に、睡眠時刻に合わせて、採光量調整部2を通常の開閉速度よりも遅い速度で開状態から閉状態に駆動するように、採光量調整部2の開閉動作を制御する制御部5と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物の開口部を開閉して室内への採光量を調整する採光量調整部と、
前記採光量調整部が開状態である場合に、睡眠時刻に合わせて、前記採光量調整部を通常の開閉速度よりも遅い速度で開状態から閉状態に駆動するように、前記採光量調整部の開閉動作を制御する制御部と、を備える、採光量調整システム。
【請求項2】
前記制御部は、段階的に開状態から閉状態に駆動するように、前記採光量調整部を制御する請求項1に記載の採光量調整システム。
【請求項3】
前記室内の照度を検知する照度検知部を備え、
前記制御部は、前記照度検知部により検知された前記室内の照度に基づいて、前記採光量調整部を制御する、請求項1又は2に記載の採光量調整システム。
【請求項4】
睡眠時刻を設定可能な設定部を備え、
前記制御部は、前記設定部により設定された睡眠時刻に合わせて、前記採光量調整部の駆動を開始するように制御する、請求項1~3のいずれかに記載の採光量調整システム。
【請求項5】
前記制御部は、前記採光量調整部が閉状態である場合に、起床時刻に合わせて、前記採光量調整部を通常の開閉速度よりも遅い速度で閉状態から開状態に駆動するように、前記採光量調整部を制御する、請求項1~4のいずれかに記載の採光量調整システム。
【請求項6】
前記採光量調整部は、シャッター装置である、請求項1~5のいずれかに記載の採光量調整システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、採光量調整システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、起床する際に、起床時刻に基づいて、電動ブラインド(採光量調整部)の開閉が制御される採光量調整システムが知られている(例えば、特許文献1参照)。引用文献1の採光量調整システムにおいては、起床時刻において、電動ブラインドにより建物の開口部を開閉して室内への採光量を調整することで、室内を徐々に明るくできる。そのため、起床する人が、快適な目覚めで起きることができるとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009-295355号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
起床の際だけでなく、睡眠の際にも、室内の明るさは重要な要素である。室内の明るさによっては、良好な睡眠状態とならないことがある。例えば、日中に睡眠する場合に、外光が室内に入って睡眠しにくいことがある。一方、日中において室内を一度に暗くすると、突然暗い状態になり、睡眠状態が良好でないことがある。そのため、睡眠する際に、採光量を調整できることが求められている。
【0005】
本開示は、採光量を調整できる採光量調整システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示は、建物の開口部を開閉して室内への採光量を調整する採光量調整部と、前記採光量調整部が開状態である場合に、睡眠時刻に合わせて、前記採光量調整部を通常の開閉速度よりも遅い速度で開状態から閉状態に駆動するように、前記採光量調整部の開閉動作を制御する制御部と、を備える、採光量調整システムに関する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】一実施形態の採光量調整システムを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本開示の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。本実施形態の採光量調整システム1は、建物10の壁11の開口部111をシャッター装置2(採光量調整部)により開閉して、室内100への採光量を調整する。採光量は、太陽光による外光の量である。建物10の開口部111には、窓112が設けられている。室内100は、人が生活する生活空間である。室内100には、床12にベッド121が配置されており、ベッド121においては、人が寝起きする。室内100の天井13には、照明器具131が設置されている。
【0009】
採光量調整システム1は、シャッター装置2(採光量調整部)と、照度計3(照度検知部)と、設定機器4(設定部)と、照明器具131と、制御部5と、を備える。
【0010】
シャッター装置2は、建物10の開口部111を開閉して室内100への採光量を調整する。シャッター装置2は、開口部111の室外側に配置され、開口部111を開閉可能である。本実施形態のシャッター装置2は、電動である。シャッター装置2は、巻き上げ式のシャッター21と、巻取部22と、駆動部23と、を備える。
【0011】
シャッター装置2の開閉動作において、閉状態から開状態に駆動する場合には、駆動部23を駆動することで、シャッター21を巻取部22により巻き上げる。これにより、開口部111が閉まっている状態において、開口部111は、下方側から徐々に開いていく。シャッター装置2の開閉動作において、開状態から閉状態に駆動する場合には、駆動部23を駆動することで、シャッター21を巻取部22により巻き下げる。これにより、開口部111が開いている状態において、開口部111は、上方側から徐々に閉まっていく。
【0012】
照度計3は、室内100の照度を検知する。照度計3により検知された室内100の照度に関する照度情報は、有線又は無線により、制御部5に送られる。
【0013】
照明器具131は、室内100の天井13から室内100を照らす。照明器具131は、例えば、調光機能を有する。照明器具131は、制御部5に制御される。
【0014】
設定機器4は、睡眠を開始する睡眠時刻や、起床する際の起床時刻等を設定可能である。設定機器4により設定された時刻は、有線又は無線により、制御部5に送信される。
【0015】
制御部5は、睡眠時刻又は起床時刻に合わせて、シャッター装置2の開閉動作を制御可能である。また、制御部5は、照明器具131のON/OFF動作及び調光機能を制御可能である。
【0016】
まず、制御部5が睡眠時刻に合わせてシャッター装置2の開閉動作を制御する場合について説明する。制御部5は、シャッター装置2が開状態である場合に、睡眠時刻に合わせて、シャッター装置2の開閉速度を通常の開閉速度よりも遅い速度で開状態から閉状態に駆動するように、シャッター装置2の開閉動作を制御する。
【0017】
制御部5がシャッター装置2を通常の開閉速度よりも遅い速度で開状態から閉状態に駆動するように制御するとは、例えば、高さ2mの開口部111の開閉において、通常の開閉動作において20秒~60秒程度で全開から全閉に移動する動作を実行するシャッター装置2により、シャッター21を、10分~30分かけて全開から全閉に徐々に移動するように制御する場合などである。本実施形態においては、シャッター装置2の通常動作における全開から全閉までの時間(例えば、20秒~60秒)よりも、10倍以上の時間(例えば、10分~30分)をかけて、シャッター21を全開から全閉に徐々に移動している。
【0018】
制御部5がシャッター装置2を通常の開閉速度よりも遅い速度で開状態から閉状態に駆動するように制御する場合、制御部5は、連続した動作で徐々に開状態から閉状態に駆動するように、シャッター装置2を制御してもよいし、段階的に開状態から閉状態に駆動するように、シャッター装置2を制御してもよい。
【0019】
例えば、制御部5は、段階的に開状態から閉状態に駆動するようにシャッター装置2を制御する場合に、所定量閉めて、所定時間停止した後に、更に所定量閉めるように、シャッター装置2を制御できる。例えば、制御部5は、開口部111を、5cm閉めて、所定時間停止した後に、5cm閉めるという一連の動作を繰り返すように、シャッター装置2を制御できる。
【0020】
制御部5は、設定機器4により設定された睡眠時刻に合わせて、シャッター装置2の駆動を開始するように制御する。この場合、制御部5は、例えば、日中の明るい所定時刻(例えば、午後3時)に睡眠を開始したい場合に、睡眠時刻を設定時刻(午後3時)にすることで、その設定時刻の例えば10分前からシャッター装置2のシャッター21の駆動を開始する。そして、制御部5は、シャッター装置2を通常の開閉速度よりも遅い速度で開状態から閉状態に駆動して、設定時刻(午後3時)の所定時間前から室内100を徐々に暗くして、設定時刻(午後3時)に室内100を完全に暗くすることができる。これにより、太陽光による外光の採光量を徐々に減少させることで、緩やかに暗くしていき、睡眠をとりたい人が、穏やかに眠りにつくことができる。
【0021】
制御部5が設定機器4により設定された睡眠時刻に合わせてシャッター装置2の駆動を開始するように制御できるため、設定した睡眠時刻に合わせて、設定した睡眠時刻の所定時間前から、徐々に室内100を暗くすることができる。これにより、設定した睡眠時刻に合わせて穏やかに睡眠をとりやすくなる。
【0022】
制御部5は、睡眠時刻に合わせてシャッター装置2の開閉動作を制御する場合に、照度計3により検知された室内100の照度に基づいて、シャッター装置2を制御する。これにより、天候の違いによる明るさの違い等に応じて、シャッター装置2の駆動動作を制御することで、室内100を明るい状態から暗い状態へ移行する際の移行速度を調整できる。これにより、天候による明るさの違いに対応して、室内100を徐々に暗くすることができる。
【0023】
制御部5は、睡眠時刻に合わせてシャッター装置2の開閉動作を制御する場合に、照度計3により検知された室内100の照度に基づいて、照明器具131の調光機能により室内の明るさを調整するように制御できる。
【0024】
次に、制御部5が起床時刻に合わせてシャッター装置2の開閉動作を制御する場合について説明する。制御部5は、シャッター装置2が閉状態である場合に、起床時刻に合わせて、シャッター装置2の開閉速度を通常の開閉速度よりも遅い速度で閉状態から開状態に駆動するように、シャッター装置2の開閉動作を制御する。
【0025】
制御部5がシャッター装置2を通常の開閉速度よりも遅い速度で閉状態から開状態に駆動するように制御するとは、例えば、高さ2mの開口部111の開閉において、通常の開閉動作において20秒~60秒程度で全閉から全開に移動する動作を実行するシャッター装置2により、シャッター21を、全閉の状態から、10分~30分かけて全閉から半分開いた状態に徐々に移動するように制御する場合などである。制御部5は、起床時刻に合わせてシャッター装置2の開閉動作を制御する場合には、室内100を明るくするためには、シャッター装置2を、例えば、高さ2mの開口部111においては半分の1m程度開ければ明るくなるため、全閉の状態から、全閉から半分(高さ1m程度)開いた状態に徐々に移動させる。本実施形態においては、シャッター装置2の通常動作における全閉から全開までの時間(例えば、20秒~60秒)よりも、10倍以上の時間(例えば、10分~30分)をかけて、シャッター21を全閉から半分開いた状態に徐々に移動している。
【0026】
制御部5がシャッター装置2を通常の開閉速度よりも遅い速度で閉状態から開状態に駆動するように制御する場合、制御部5は、連続した動作で徐々に閉状態から開状態に駆動するように、シャッター装置2を制御してもよいし、段階的に閉状態から開状態に駆動するように、シャッター装置2を制御してもよい。
【0027】
例えば、制御部5は、段階的に閉状態から開状態に駆動するようにシャッター装置2を制御する場合に、所定量開けて、所定時間停止した後に、更に所定量開けるように、シャッター装置2を制御できる。例えば、制御部5は、開口部111を、5cm開けて、所定時間停止した後に、5cm開けるという一連の動作を繰り返すように、シャッター装置2を制御できる。
【0028】
制御部5は、設定機器4により設定された起床時刻に合わせて、シャッター装置2の駆動を開始するように制御する。この場合、制御部5は、例えば、朝の所定時刻(例えば、午前6時)に起床したい場合に、起床時刻を設定時刻(午前6時)にすることで、その設定時刻の例えば10分前からシャッター装置2のシャッター21の駆動を開始する。そして、制御部5は、シャッター装置2を通常の開閉速度よりも遅い速度で閉状態から開状態に駆動して、設定時刻(午前6時)の所定時間前から室内100を徐々に明るくすることで、設定時刻(午前6時)に室内100を明るくすることができる。これにより、太陽光による外光の採光量を徐々に増加させることで、睡眠状態を徐々に浅くしていき、起床する人は、自然な目覚めを得ることができる。
【0029】
制御部5が設定機器4により設定された起床時刻に合わせてシャッター装置2の駆動を開始するように制御できるため、設定した起床時刻に合わせて、設定した起床時刻の所定時間前から、徐々に室内100を明るくすることができる。これにより、設定した起床時刻に合わせて自然な目覚めで起床しやすくなる。
【0030】
制御部5は、起床時刻に合わせてシャッター装置2の開閉動作を制御する場合に、照度計3により検知された室内100の照度に基づいて、シャッター装置2を制御する。これにより、天候の違いによる明るさの違い等に応じて、シャッター装置2の駆動動作を制御することで、室内100を暗い状態から明るい状態へ移行する際の移行速度を調整できる。これにより、天候による明るさの違いに対応して、室内100を徐々に明るくすることができる。
【0031】
制御部5は、起床時刻に合わせてシャッター装置2の開閉動作を制御する場合に、照度計3により検知された室内100の照度に基づいて、照明器具131の調光機能により室内の明るさを調整するように制御できる。制御部5は、起床時刻に合わせてシャッター装置2の開閉動作を制御する場合に、レム睡眠/ノンレム睡眠を検知する睡眠計を用いて睡眠状態が浅い状態であるか深い状態であるかに応じて、シャッター装置2を制御してもよい。制御部5は、人の起床状態に応じて、例えば室内100を明るくしても起きない場合には、音楽を鳴らしたり、姿勢制御可能なベッド(電動ベッドや空気マット)を使用して、起床を促すように制御してもよい。
【0032】
次に、採光量調整システム1の制御動作について、日中に睡眠する場合の制御動作と、朝に起床する場合の制御動作と、について説明する。
【0033】
まず、日中に睡眠する場合の睡眠時の制御動作について説明する。日中において、シャッター装置2が開状態であり、日中であり太陽が出ているため、外光により室内100は明るい状態である。
【0034】
使用者が日中に睡眠する場合には、設定機器4により、睡眠時刻を設定する。そして、使用者は睡眠をとるためにベッド121に横たわる。
【0035】
この状態において、制御部5は、シャッター装置2が開状態である場合に、設定機器4により設定した睡眠時刻に合わせて、設定した睡眠時刻の所定時間前からシャッター装置2の駆動を開始して、シャッター装置2を通常の開閉速度よりも遅い速度で開状態から閉状態に駆動するように、シャッター装置2の開閉動作を制御する。これにより、シャッター装置2のシャッター21が徐々に下ろされて、開状態から閉状態に徐々に移動する。本実施形態においては、制御部5は、睡眠時刻に合わせてシャッター装置2の開閉動作を制御する場合には、例えば、通常の開閉動作において20秒~60秒程度で全開から全閉に移動する動作を実行するシャッター装置2により、シャッター21を、10分~30分かけて全開から全閉に徐々に移動させる。
【0036】
また、制御部5は、例えば、開口部111を、5cm閉めて、所定時間停止した後に、5cm閉めるという一連の動作を繰り返すように、段階的にシャッター装置2を閉めるように制御してもよい。
【0037】
また、制御部5は、照度計3により検知された室内100の照度に基づいて、シャッター装置2を制御してもよい。例えば、照度計3の照度に基づいて、シャッター21の速度を調整したり、シャッター21の開閉を一時的に停止するように制御してもよい。これにより、天候の違いによる明るさの違い等に応じて、シャッター装置2の駆動動作を制御することで、より効果的に、室内100を明るい状態から暗い状態へ移行する際の移行速度を調整できる。
【0038】
また、制御部5は、照度計3により検知された室内100の照度に基づいて、照明器具131の調光機能により室内の明るさを調整するように制御できる。これにより、室内100の照度に基づいて照明器具131の調光機能を制御することで、より効果的に、徐々に室内100を暗くすることができる。
【0039】
以上のように制御されることで、太陽光による外光の採光量を徐々に減少させることで、緩やかに暗くしていき、穏やかに眠りにつくことができる。これにより、日中に睡眠をとる場合に、徐々に室内100を暗くすることで、疑似的に夕暮れに近い環境を作り出すことができる。よって、日中に睡眠をとる人にとって、睡眠を促すことで、生活リズムを整える環境を提供できる。
【0040】
次に、朝に起床する場合の起床時の制御動作について説明する。朝に起床する場合には、前日の夜に、シャッター装置2を閉状態に移動させる。これにより、次の日の朝において、シャッター装置2を閉状態で駆動していない場合には、太陽が出ているが、室内100は暗い状態である。
【0041】
次の日の朝の起床時刻を設定する場合には、使用者は、前日の夜に、設定機器4により、起床時刻を設定する。使用者は、前日の夜から次の日の朝までベッド121で寝ている状態である。
【0042】
この状態において、制御部5は、シャッター装置2が閉状態である場合に、設定機器4により設定した起床時刻に合わせて、設定した起床時刻の所定時間前からシャッター装置2の駆動を開始して、シャッター装置2を通常の開閉速度よりも遅い速度で閉状態から開状態に駆動するように、シャッター装置2の開閉動作を制御する。これにより、シャッター装置2のシャッター21は、徐々に巻き上げられて、閉状態から開状態に徐々に移動する。
【0043】
本実施形態においては、制御部5は、起床時刻に合わせてシャッター装置2の開閉動作を制御する場合には、室内100を明るくするためには、シャッター装置2を、例えば、高さ2mの開口部111である場合には半分の1m程度開ければよい。そのため、シャッター装置2により、シャッター21を、全閉の状態から、全閉から半分(高さ1m程度)開いた状態に徐々に移動させる。
【0044】
また、制御部5は、例えば、開口部111を、5cm開けて、所定時間停止した後に、5cm開けるという一連の動作を繰り返すように、段階的にシャッター装置2を開けるように制御してもよい。
【0045】
また、制御部5は、照度計3により検知された室内100の照度に基づいて、シャッター装置2を制御してもよい。例えば、照度計3の照度に基づいて、シャッター21の速度を調整したり、シャッター21の開閉を一時的に停止するように制御してもよい。これにより、天候の違いによる明るさの違い等に応じて、シャッター装置2の駆動動作を制御することで、より効果的に、室内100を暗い状態から明るい状態へ移行する際の移行速度を調整できる。
【0046】
また、制御部5は、照度計3により検知された室内100の照度に基づいて、照明器具131の調光機能により室内の明るさを調整するように制御できる。これにより、室内100の照度に基づいて照明器具131の調光機能を制御することで、より効果的に、徐々に室内100を明るくすることができる。
【0047】
制御部5は、起床時刻に合わせてシャッター装置2の開閉動作を制御する場合に、レム睡眠/ノンレム睡眠を検知する睡眠計に応じて、シャッター装置2を制御してもよい。制御部5は、例えば室内100を明るくしても起きない場合には、音楽を鳴らしたり、姿勢制御可能なベッド(電動ベッドや空気マット)を徐々に起こす制御を行うこと等により、起床を促すように制御してもよい。
【0048】
以上のように制御されることで、起床する場合に、徐々に室内100を明るくすることで、太陽光による外光を徐々に増加させることで、緩やかに明るくしていき、穏やかに眠りから覚めて起きることができる。
【0049】
本実施形態の採光量調整システム1を用いることにより、日中に睡眠をとる場合に穏やかに眠りにつくことと、朝起床する場合に穏やかに眠りから覚めて起きることとの両立を実現できる。
【0050】
本実施形態においては、採光量調整部を、シャッター装置2により構成した。採光量調整部をシャッター装置2により構成した場合には、閉めたときにおける外光を遮る性能がカーテンやブラインドよりも高い。シャッター装置2が全閉の状態においては外光を遮断できる。そのため、より遮蔽性能が高いシャッター装置2を用いて採光量を調整することで、より効果的に、外光を遮る性能を高めることができる。更に、シャッター装置2を閉める場合に、外の騒音も遮ることができるため、より効果的に、睡眠をとりやすくなる。
【0051】
以上、本開示の好ましい実施形態について説明した。本開示は、上述した実施形態に制限されるものではなく、適宜変更が可能である。
【0052】
前記実施形態においては、採光量調整部を、シャッター装置2により構成したが、これに限定されない。採光量調整部を、例えば、カーテンにより構成してもよいし、ブラインドにより構成してもよい。
【0053】
前記実施形態においては、睡眠時刻に合わせてシャッター装置2の開閉動作を制御する場合に、シャッター21を全開から全閉に移動するように制御したが、これに限定されない。シャッター21は、初期状態が全開でなくてもよく、一部開いている状態から徐々に全閉に移動してもよい。
【符号の説明】
【0054】
1 採光量調整システム、2 シャッター装置(採光量調整部)、3 照度計(照度検知部)、4 設定機器(設定部)、5 制御部、10 建物、100 室内、111 開口部
図1