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特開2023-114222情報処理システム、端末、端末のユーザ行動監視方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023114222
(43)【公開日】2023-08-17
(54)【発明の名称】情報処理システム、端末、端末のユーザ行動監視方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 1/3231 20190101AFI20230809BHJP
   G06F 1/3209 20190101ALI20230809BHJP
   G06F 1/3234 20190101ALI20230809BHJP
   H04M 11/00 20060101ALI20230809BHJP
【FI】
G06F1/3231
G06F1/3209
G06F1/3234
H04M11/00 302
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022016476
(22)【出願日】2022-02-04
(71)【出願人】
【識別番号】000000295
【氏名又は名称】沖電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001025
【氏名又は名称】弁理士法人レクスト国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】武市 梓佐
【テーマコード(参考)】
5B011
5K201
【Fターム(参考)】
5B011DA06
5B011EA04
5B011EA05
5B011KK01
5B011LL11
5K201AA03
5K201BA05
5K201CB13
5K201CC02
5K201CC03
5K201CC09
5K201EC06
5K201ED05
5K201FA03
(57)【要約】
【課題】
サーバから配信されたメッセージの内容に応答して端末のユーザの行動を監視する端末の電力消費量を低減させることができる情報処理システムを提供する。
【解決手段】
行動変容サーバに設けられ、端末のユーザに特定の行動を促すための内容を示すメッセージを端末に向けて配信する配信手段と、端末に設けられ、メッセージを受信し、受信したメッセージを表示する受信表示手段と、端末に設けられ、ユーザの行動に関する検知を行う検知部の検知出力を用いてユーザの行動結果を示す行動データを生成するユーザ行動監視動作を行い、メッセージの表示開始に応じてユーザ行動監視動作を高電力モードに変更するユーザ行動監視手段と、端末に設けられ、行動データを含むユーザ情報を生成するユーザ情報生成手段と、ユーザ情報に含まれた行動データがメッセージに示された特定の行動に対応するか否かを判別する判定手段と、を備える。
【選択図】 図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに通信可能に接続された行動変容サーバと端末とを含む情報処理システムであって、
前記行動変容サーバに設けられ、前記端末のユーザに特定の行動を促すための内容を示す第1のメッセージを前記端末に向けて配信する配信手段と、
前記端末に設けられ、前記第1のメッセージを受信し、受信した前記第1のメッセージを表示する受信表示手段と、
前記端末に設けられ、前記ユーザの行動に関する検知を行う検知部を有し、前記検知部の検知出力を用いて前記ユーザの行動結果を示す行動データを生成するユーザ行動監視動作を行い、前記ユーザ行動監視動作が低電力モードとそれより高電力消費の高電力モードとの間で変更可能にされ、前記第1のメッセージの表示開始に応じて前記ユーザ行動監視動作を前記高電力モードに変更するユーザ行動監視手段と、
前記端末に設けられ、前記ユーザ行動監視手段によって生成された前記行動データを含むユーザ情報を生成するユーザ情報生成手段と、
前記ユーザ情報に含まれた前記行動データが前記第1のメッセージに示された前記特定の行動に対応するか否かを判別する判定手段と、を備えることを特徴とする情報処理システム。
【請求項2】
前記ユーザ行動監視手段の前記高電力モードには前記ユーザの行動の検知精度の増大を含むことを特徴とする請求項1記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記ユーザ行動監視手段は、前記第1のメッセージの表示開始から一定時間内に前記ユーザ行動監視動作によって前記ユーザの行動を検知したとき、又は前記第1のメッセージの表示開始から前記一定時間内に前記ユーザ行動監視動作によって前記ユーザの行動を検知しなかったときに前記ユーザ行動監視動作を前記低電力モード又は停止モードとすることを特徴とする請求項1又は2記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記端末に設けられ、前記ユーザ情報を前記行動変容サーバに向けて送信する発信手段と、
前記行動変容サーバに設けられ、前記ユーザ情報を受信する受信手段と、含み、
前記判定手段は、前記行動変容サーバに設けられ、前記受信手段によって受信された前記ユーザ情報に含まれる前記行動データが前記特定の行動に対応するか否かを判別するサーバ制御手段からなることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記サーバ制御手段は、前記ユーザ情報に含まれる前記行動データが前記メッセージに示された前記特定の行動に対応すると判別したときに前記ユーザを賞賛する内容を示す第2のメッセージを前記配信手段に前記端末に向けて配信させ、
前記受信表示手段は、前記第2のメッセージを受信し、受信した前記第2のメッセージの内容を表示することを特徴とする請求項4記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記サーバ制御手段は、異なる複数の時間帯毎に前記ユーザに助言を与えるための内容を示す第3のメッセージを前記配信手段に前記端末に向けて配信させ、
前記受信表示手段は、前記第3のメッセージを受信し、受信した前記第3のメッセージを受信したことを通知し、
前記ユーザ行動監視手段は、前記受信表示手段が前記第3のメッセージの受信通知をしてから前記第3のメッセージを前記受信表示手段に表示させるための前記ユーザの操作までの時間を応答時間として計算し、
前記ユーザ情報生成手段は、前記応答時間を示す前記ユーザ情報を作成し、前記発信手段に前記応答時間を示す前記ユーザ情報を前記行動変容サーバに向けて送信させ、
前記行動変容サーバは、前記受信手段によって受信された前記ユーザ情報が前記応答時間を示すときに前記ユーザについての前記複数の時間帯の各々に対応させて前記応答時間を記憶するユーザ情報学習手段を有し、
前記サーバ制御手段は、前記ユーザ情報学習手段によって前記複数の時間帯の各々の前記応答時間が記憶された学習完了後、前記複数の時間帯のうちの前記応答時間が最も短い応答時間の時間帯に前記第1のメッセージを前記配信手段に前記端末に向けて配信させることを特徴とする請求項4又は5記載の情報処理システム。
【請求項7】
行動変容サーバと通信可能に接続される端末であって、
前記行動変容サーバから配信された、特定の行動を前記端末のユーザに促すための内容を示すメッセージを受信し、受信した前記メッセージを表示する受信表示手段と、
前記ユーザの行動に関する検知を行う検知部を有し、前記検知部の検知出力を用いて前記ユーザの行動結果を示す行動データを生成するユーザ行動監視動作を行い、前記ユーザ行動監視動作が低電力モードとそれより高電力消費の高電力モードとの間で変更可能にされ、前記メッセージの表示開始に応じて前記ユーザ行動監視動作を前記高電力モードに変更するユーザ行動監視手段と、
前記ユーザ行動監視手段によって生成された前記行動データを含むユーザ情報を生成するユーザ情報生成手段と、
前記ユーザ情報を前記行動変容サーバに向けて送信する発信手段と、を備えることを特徴とする端末。
【請求項8】
行動変容サーバと通信可能に接続される端末のユーザ行動監視方法であって、
前記行動変容サーバから配信された、特定の行動を前記端末のユーザに促すための内容を示すメッセージを受信し、受信した前記メッセージを表示する受信表示ステップと、
前記ユーザの行動に関する検知を行う検知部の検知出力を用いて前記ユーザの行動結果を示す行動データを生成するユーザ行動監視動作を行い、前記ユーザ行動監視動作が低電力モードとそれより高電力消費の高電力モードとの間で変更可能にされ、前記メッセージの表示開始に応じて前記ユーザ行動監視動作を前記高電力モードに変更するユーザ行動監視ステップと、
前記ユーザ行動監視ステップにおいて生成された前記行動データを含むユーザ情報を生成するユーザ情報生成ステップと、
前記ユーザ情報を前記行動変容サーバに向けて送信する発信ステップと、を含むことを特徴とするユーザ行動監視方法。
【請求項9】
行動変容サーバと通信可能に接続される端末のユーザ行動監視方法のためのプログラムであって、
コンピュータに、
前記行動変容サーバから配信された、特定の行動を前記端末のユーザに促すための内容を示すメッセージを受信し、受信した前記メッセージを表示する受信表示ステップと、
前記ユーザの行動に関する検知を行う検知部の検知出力を用いて前記ユーザの行動結果を示す行動データを生成するユーザ行動監視動作を行い、前記ユーザ行動監視動作が低電力モードとそれより高電力消費の高電力モードとの間で変更可能にされ、前記メッセージの表示開始に応じて前記ユーザ行動監視動作を前記高電力モードに変更するユーザ行動監視ステップと、
前記ユーザ行動監視ステップにおいて生成された前記行動データを含むユーザ情報を生成するユーザ情報生成ステップと、
前記ユーザ情報を前記行動変容サーバに向けて送信する発信ステップと、を実行させることを特徴とするコンピュータ。
【請求項10】
ユーザに特定の行動を促すための内容を示すメッセージを表示する表示手段と、
前記ユーザの行動に関する検知を行う検知部を有し、前記検知部の検知出力を用いて前記ユーザの行動結果を示す行動データを生成するユーザ行動監視動作を行い、前記ユーザ行動監視動作が低電力モードとそれより高電力消費の高電力モードとの間で変更可能にされ、前記メッセージの表示開始に応じて前記ユーザ行動監視動作を前記高電力モードに変更するユーザ行動監視手段と、
前記ユーザ行動監視手段によって生成された前記行動データが前記メッセージに示された前記特定の行動に対応するか否かを判別する判定手段と、を備えることを特徴とする端末。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サーバから端末に対してメッセージを配信する情報処理システム、端末、端末のユーザ行動監視方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ヘルスケアの支援内容の伝達タイミングを健康管理対象者に対して個人別に最適化する情報処理装置が開示されている。情報処理装置は、健康管理対象者の属性情報と、対象者の意識的意思決定特性と無意識的意思決定特性と、対象者が現在存在する無関心期、関心期、準備期、実行期、維持期のいずれかのステージを表すステージ情報と、を記憶し、更に、ヘルスケアの意思決定を促進するための画像と文言とを組み合わせた複数のガイダンスパターンに関する情報を記憶し、属性情報と意識的意思決定特性と無意識的意思決定特性とステージ情報とに基づいて1つのガイダンスパターンを選択し、意識的意思決定特性と無意識的意思決定特性とステージ情報とに基づいてガイダンスパターンの画像と文言とを対象者の端末に伝達するタイミングを分析して最適な伝達タイミングを設定している。
【0003】
近時においては、ユーザに習慣化したい行動に関するメッセージをサーバからユーザの端末に配信し、端末ではユーザがその配信メッセージに則した行動を監視し、監視結果からユーザが配信メッセージに則した行動を実際に実行したことが判別された場合にはその行動を実行したユーザに対して賞賛を行うことによりユーザの行動の習慣化を促す情報処理システムが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2019-212263号公報
【発明の概要】
【0005】
しかしながら、上記した情報処理システムにおいて、特許文献1に開示されたようにユーザから得た様々な情報を基づいてメッセージの配信タイミングを決定し、その配信タイミングでメッセージをユーザの端末に送信すると、端末ではメッセージ受信後、ユーザの行動をセンサを用いて常時監視することになり、電力消費が増大し、特にバッテリ使用の端末では無駄なバッテリの電力消費に繋がるという課題があった。
【0006】
そこで、本発明の目的は、このような課題に着目し、メッセージの内容に応答して端末のユーザの行動を監視する端末の電力消費量を低減させることができる情報処理システム、端末、端末のユーザ行動監視方法及びプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の情報処理システムは、互いに通信可能に接続された行動変容サーバと端末とを含む情報処理システムであって、前記行動変容サーバに設けられ、前記端末のユーザに特定の行動を促すための内容を示す第1のメッセージを前記端末に向けて配信する配信手段と、前記端末に設けられ、前記第1のメッセージを受信し、受信した前記第1のメッセージを表示する受信表示手段と、前記端末に設けられ、前記ユーザの行動に関する検知を行う検知部を有し、前記検知部の検知出力を用いて前記ユーザの行動結果を示す行動データを生成するユーザ行動監視動作を行い、前記ユーザ行動監視動作が低電力モードとそれより高電力消費の高電力モードとの間で変更可能にされ、前記第1のメッセージの表示開始に応じて前記ユーザ行動監視動作を前記高電力モードに変更するユーザ行動監視手段と、前記端末に設けられ、前記ユーザ行動監視手段によって生成された前記行動データを含むユーザ情報を生成するユーザ情報生成手段と、前記ユーザ情報に含まれた前記行動データが前記第1のメッセージに示された前記特定の行動に対応するか否かを判別する判定手段と、を備えることを特徴としている。
【0008】
本発明の端末は、行動変容サーバと通信可能に接続される端末であって、前記行動変容サーバから配信された、特定の行動を前記端末のユーザに促すための内容を示すメッセージを受信し、受信した前記メッセージを表示する受信表示手段と、前記ユーザの行動に関する検知を行う検知部を有し、前記検知部の検知出力を用いて前記ユーザの行動結果を示す行動データを生成するユーザ行動監視動作を行い、前記ユーザ行動監視動作が低電力モードとそれより高電力消費の高電力モードとの間で変更可能にされ、前記メッセージの表示開始に応じて前記ユーザ行動監視動作を前記高電力モードに変更するユーザ行動監視手段と、前記ユーザ行動監視手段によって生成された前記行動データを含むユーザ情報を生成するユーザ情報生成手段と、前記ユーザ情報を前記行動変容サーバに向けて送信する発信手段と、を備えることを特徴としている。
【0009】
本発明の端末のユーザ行動監視方法は、行動変容サーバと通信可能に接続される端末のユーザ行動監視方法であって、前記行動変容サーバから配信された、特定の行動を前記端末のユーザに促すための内容を示すメッセージを受信し、受信した前記メッセージを表示する受信表示ステップと、前記ユーザの行動に関する検知を行う検知部の検知出力を用いて前記ユーザの行動結果を示す行動データを生成するユーザ行動監視動作を行い、前記ユーザ行動監視動作が低電力モードとそれより高電力消費の高電力モードとの間で変更可能にされ、前記メッセージの表示開始に応じて前記ユーザ行動監視動作を前記高電力モードに変更するユーザ行動監視ステップと、前記ユーザ行動監視ステップにおいて生成された前記行動データを含むユーザ情報を生成するユーザ情報生成ステップと、前記ユーザ情報を前記行動変容サーバに向けて送信する発信ステップと、を含むことを特徴としている。
【0010】
本発明のプログラムは、行動変容サーバと通信可能に接続される端末のユーザ行動監視方法のためのプログラムであって、コンピュータに、前記行動変容サーバから配信された、特定の行動を前記端末のユーザに促すための内容を示すメッセージを受信し、受信した前記メッセージを表示する受信表示ステップと、前記ユーザの行動に関する検知を行う検知部の検知出力を用いて前記ユーザの行動結果を示す行動データを生成するユーザ行動監視動作を行い、前記ユーザ行動監視動作が低電力モードとそれより高電力消費の高電力モードとの間で変更可能にされ、前記メッセージの表示開始に応じて前記ユーザ行動監視動作を前記高電力モードに変更するユーザ行動監視ステップと、前記ユーザ行動監視ステップにおいて生成された前記行動データを含むユーザ情報を生成するユーザ情報生成ステップと、前記ユーザ情報を前記行動変容サーバに向けて送信する発信ステップと、を実行させることを特徴としている。
【0011】
本発明の端末は、ユーザに特定の行動を促すための内容を示すメッセージを表示する表示手段と、前記ユーザの行動に関する検知を行う検知部を有し、前記検知部の検知出力を用いて前記ユーザの行動結果を示す行動データを生成するユーザ行動監視動作を行い、前記ユーザ行動監視動作が低電力モードとそれより高電力消費の高電力モードとの間で変更可能にされ、前記メッセージの表示開始に応じて前記ユーザ行動監視動作を前記高電力モードに変更するユーザ行動監視手段と、前記ユーザ行動監視手段によって生成された前記行動データが前記メッセージに示された前記特定の行動に対応するか否かを判別する判定手段と、を備えることを特徴としている。
【発明の効果】
【0012】
本発明の情報処理システム、端末、端末のユーザ行動監視方法及びプログラムによれば、メッセージの表示後の限られた時間内において端末のユーザ情報監視手段がユーザ行動監視動作を高電力モードで実行するので、端末の内蔵バッテリの電力消費量を低減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明が適用された情報処理システムの基本構成を示すブロック図である。
図2】メッセージ格納部に形成されるメッセージ情報テーブルを示す図である。
図3】ユーザ情報例を示す図である。
図4】行動変容サーバのメッセージ配信動作を示すフローチャートである。
図5】行動変容サーバのユーザ情報処理動作を示すフローチャートである。
図6】ユーザ情報格納部に形成されるユーザ行動履歴テーブルを示す図である。
図7】ユーザ情報学習部に形成されるユーザ学習データテーブルを示す図である。
図8】モバイル端末のメッセージ受信処理動作を示すフローチャートである。
図9】行動変容サーバとモバイル端末との間の通信を示すシーケンス図である。
図10】配信メッセージを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施例を、図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0015】
図1は本発明が適用された情報処理システムの基本構成を示している。この情報処理システムは、行動変容サーバ10と、クライアントであるモバイル端末20とから構成されている。行動変容サーバ10とモバイル端末20とはインターネット30に接続され、互いにインターネット30を介して通信可能にされている。モバイル端末20は複数設けることができるが、説明を簡単にするために1つだけとしている。
【0016】
行動変容サーバ10は、図示しないコンピュータ及び記憶装置を備え、ユーザ情報受信部100、ユーザ情報学習部101、ユーザ情報格納部102、サーバ制御部103、メッセージ決定部104、メッセージ格納部105、及びメッセージ配信部106を含む。
【0017】
サーバ制御部103は行動変容サーバ10全体を制御する部分であり、ユーザ情報受信部100、ユーザ情報学習部101、及びユーザ情報格納部102と各々接続されている。また、サーバ制御部103はユーザ情報格納部102及びメッセージ決定部104と各々接続されている。メッセージ決定部104はメッセージ格納部105及びメッセージ配信部106と個別に接続されている。ユーザ情報受信部100は、インターネット30に接続され、モバイル端末20から送信されたユーザ情報をインターネット30を介して受信する部分である。ユーザ情報格納部102はユーザ情報受信部100が受信した歩数又は階段利用を示すユーザ情報を日時情報と共に格納し、それをユーザID毎に示すユーザ行動履歴テーブルを形成する。ユーザ情報学習部101はメッセージ応答時間を示すユーザ情報に基づいてユーザ学習データテーブルを形成してユーザの行動バターンを学習する。
【0018】
メッセージ格納部105は予め準備された各種のメッセージを記憶する記憶部である。メッセージ格納部105に格納されたメッセージは、図2に示すように、メッセージID毎にカテゴリ及び本文からなるメッセージ情報テーブルを有している。カテゴリにはTips(助言)、Prompt(行動促し)、Award(賞賛)の3種類がある。メッセージ決定部104はメッセージ格納部105に格納されたメッセージのうちから配信すべきメッセージを決定する部分である。メッセージ配信部106は、配信手段であり、インターネット30に接続され、メッセージ決定部104で決定されたメッセージをモバイル端末20等の配信先に向けてパケット等の配信形式にて送信する部分である。
【0019】
モバイル端末20はユーザが携帯して移動可能なスマートフォン、タブレット等の端末であり、図示しないバッテリを電源として有している。モバイル端末20は、メッセージ受信部200、アプリ制御部201、メッセージ表示部202、ユーザ行動監視部203、及びユーザ情報発信部204を含む。アプリ制御部201はメッセージ受信部200及びユーザ情報発信部204に個別に接続されている。また、アプリ制御部201はメッセージ表示部202及びユーザ行動監視部203の各々に接続されている。
【0020】
メッセージ受信部200は、インターネット30に接続され、行動変容サーバ10からモバイル端末20宛てに送信されたメッセージをインターネット30を介して受信する部分である。メッセージ表示部202はメッセージを含む各種情報を表示することができるディスプレイである。アプリ制御部201はメッセージ受信部200によって受信されたメッセージを受け取り、それをメッセージ表示部202に表示させる。受診表示手段は、メッセージ受信部200、アプリ制御部201、及びメッセージ表示部202から構成される。
【0021】
ユーザ行動監視手段に相当するユーザ行動監視部203は、ユーザの行動に関する検知を行う加速度センサ、気圧センサ、ジャイロセンサ等の各種センサ(検知部)を含み、それらのセンサの検知出力を用いてモバイル端末20のユーザの行動(アクション)を監視して行動毎にユーザの行動結果を示す行動データを例えば、演算して生成する。ユーザの行動としては、本実施例では、メッセージの受信後にメッセージの開封によりメッセージの本文を閲覧するまでのメッセージ応答時間、移動時の歩数、移動時の階段利用(登り又は降りフロア数)、行動変容サーバ10へのユーザ登録があるとしている。また、ユーザ行動監視部203のユーザ行動監視動作は低電力モードとそれより高消費電力の高電力モードとの間で変更可能である。高電力モードでは行動の検知精度が低電力モードでの検知精度より高くなる。
【0022】
ユーザ行動監視部203は行動データを生成すると、その行動データをアプリ制御部201に供給する。アプリ制御部201はユーザ行動監視部203から行動データを受け取ると、その行動データを含むユーザ情報を作成してそれをユーザ情報発信部204に行動変容サーバ10宛てに送信させる。
【0023】
ユーザ情報には、図3の(A)~(E)に示すように、アクション、ターゲットメッセージID、内容、及びユーザIDが含まれる。アクションには、上記したように応答時間、歩数、会談利用、ユーザ登録がある。ターゲットメッセージIDは例えば、モバイル端末20のユーザについてのユーザ情報を生成する原因となったTipsやPromptのメッセージに付加されたメッセージIDである。内容はユーザ行動監視部203が生成した行動データである。ユーザIDはモバイル端末20を含む端末各々のユーザを特定するための識別子であり、ユーザ登録によって行動変容サーバ10からモバイル端末20を介してユーザに付与される。
【0024】
ユーザ情報発信部204は、インターネット30に接続され、アプリ制御部201のユーザ情報の送信指令に応じてユーザ情報をユーザIDと共に行動変容サーバ10に向けてパケット等の配信形式にて送信する発信手段である。なお、以下においては説明の簡略化のためにパケット等の実際の配信形式については説明せず、単にメッセージの配信及びユーザ情報の送信として説明する。
【0025】
アプリ制御部201はモバイル端末20に設けられたコンピュータ(図示せず)がソフトウエア(アプリケーション)を実行することによって形成される。ユーザ情報生成手段はアプリ制御部201に相当する。
【0026】
行動変容サーバ10では、メッセージをモバイル端末20に配信する際には図4に示すように、先ず、サーバ制御部103が所定のタイミングでメッセージを配信するユーザを決定する(ステップS101)。例えば、ユーザ情報格納部102に複数の登録ユーザについてのユーザ情報が格納されているならば、その複数の登録ユーザのうちから1ユーザを予め定められた順番で選択することによってメッセージ配信すべきユーザを決することができる。所定のタイミングは毎日の特定の時刻でも良い。
【0027】
サーバ制御部103は、1ユーザのユーザ情報が学習済みであるか否かを判別する(ステップS102)。1ユーザがユーザ登録して間もないユーザで、ユーザ情報学習部101がその1ユーザのユーザ情報を学習しておらず、学習済みでないならば、サーバ制御部103は、メッセージ決定部104に対してTipsメッセージ(第3のメッセージ)の選択を指示する(ステップS103)。メッセージ決定部104は、メッセージ格納部105に形成された図2のメッセージ情報テーブルからカテゴリTipsのメッセージIDが50001のメッセージ(本文)を読み出し、それをメッセージ配信部106に供給する。
【0028】
一方、ユーザ情報学習部101がその1ユーザのユーザ情報を既に学習しており、学習済みであるならば、サーバ制御部103は、ユーザ情報学習部101に形成されたユーザ学習データテーブルから1ユーザについて最も短い応答時間の時間帯を特定し、その特定した時間帯において、メッセージ決定部104に対してPromptメッセージ(第1のメッセージ)の選択を指示する(ステップS104)。メッセージ決定部104は、メッセージ格納部105に形成された図2のメッセージ情報テーブルからカテゴリPromptのメッセージIDが60001のメッセージ(本文)を読み出し、メッセージ配信部106に供給する。メッセージ配信部106はメッセージ決定部104から供給されたメッセージを指定されたユーザ宛てに配信する(ステップS105)。Promptメッセージは上述した特定した時間帯に配信される。
【0029】
なお、メッセージ配信部106はサーバ制御部103からユーザ情報に含まれる1ユーザの配信先アドレスの情報を受け、その配信先アドレスを用いてメッセージ決定部104から供給されたメッセージを配信するようにしても良い。
【0030】
行動変容サーバ10では、ユーザ情報受信部100がモバイル端末20からユーザ情報を受信すると、図5に示すように、そのユーザ情報が示す内容(行動)の種類がサーバ制御部103によって判別される(ステップS111)。行動の種類が歩数であれば、サーバ制御部103はその歩数をユーザIDに対応させてユーザ情報格納部102のユーザ行動履歴テーブルに記憶させる(ステップS112)。行動の種類が階段利用であれば、サーバ制御部103はその階段利用のフロア数をユーザIDに対応させてユーザ情報格納部102のユーザ行動履歴テーブルに記憶させる(ステップS113)。ユーザ情報格納部102にはユーザ行動履歴テーブルが形成されており、ステップS112及びS113の実行により、図6に示すように、ユーザID毎に歩数及び階段利用(フロア数)が日時と共に書き込まれる。
【0031】
また、行動の種類がメッセージ応答時間であれば、サーバ制御部103は応答時間を示すユーザ情報に基づいてユーザ情報学習部101に時間帯各々の応答時間を学習させる(ステップS114)。ユーザ情報学習部101は例えば、図7に示すように、ユーザIDに対応させて時間帯各々の応答時間を示す学習データテーブルを形成する。時間帯は8:30-9:00、9:00-9:30、....、17:00-17:30であり、例えば、応答時間を示すユーザ情報を受信した時点で決定される。
【0032】
行動の種類がユーザ登録であれば、サーバ制御部103はユーザ登録動作を行う(ステップS115)。ユーザ登録動作ではサーバ制御部103はユーザ登録を求めるユーザに対してユーザIDを発行し、そのユーザIDについての歩数及び階段利用の記憶領域をユーザ情報格納部102に作成し、また、そのユーザIDについてのメッセージ応答時間の学習領域をユーザ情報学習部101に作成することが行われても良い。
【0033】
ステップS112又はS113の実行後にはサーバ制御部103がユーザ情報にターゲットメッセージIDが含まれているか否かを判定する(ステップS116)。ステップS116はユーザがPromptメッセージの本文に示された行動を取ったか否かの判定である。ターゲットメッセージIDが含まれている場合には、ユーザがPromptメッセージの本文に示された行動を取ったと判定して、サーバ制御部103は、メッセージ決定部104に指令を出し、Awardメッセージ(第2のメッセージ)をメッセージ格納部105から選択させてそれをメッセージ配信部106から送信させる(ステップS117)。
【0034】
次に、モバイル端末20におけるメッセージ受信時における動作について説明する。モバイル端末20では、行動変容サーバ10からインターネット30を介して配信されたメッセージをメッセージ受信部200が受信する。そのメッセージはメッセージ受信部200からアプリ制御部201に供給される。図8に示すように、アプリ制御部201はメッセージのカテゴリを判別する(ステップS201)。アプリ制御部201はメッセージのカテゴリがTipsであるならば、そのメッセージの本文をメッセージ表示部202に表示させる(ステップS202)。ステップS202では具体的には、先ず、メッセージの受信をユーザに対してメッセージ表示部202による通知表示及び又は図示しないブザー音源発生によって通知し、その通知に応答してユーザがモバイル端末20への操作入力を行ったことを検出した場合にそれをメッセージの開封と判断してメッセージの本文をメッセージ表示部202に表示する。
【0035】
ステップS202の実行後、アプリ制御部201はユーザ行動監視部203によりメッセージの開封、すなわちメーセッジの表示のためのユーザ操作を検出させ、メッセージの受信通知からメッセージの開封操作までを応答時間として計算させる(ステップS203)。アプリ制御部201は、ユーザ行動監視部203がステップS203で応答時間を算出すると、その応答時間をユーザ行動監視部203から受け入れると、それをユーザ情報としてユーザ情報発信部204に行動変容サーバ10に向けて送信させる(ステップS204)。なお、ユーザ行動監視部203は応答時間を算出すると、例えば、電源オフにされても良い。
【0036】
ステップS201において、アプリ制御部201はメッセージのカテゴリがPromptであると判別したならば、そのPromptメッセージの本文をメッセージ表示部202に表示させる(ステップS205)。そして、アプリ制御部201はユーザ行動監視部203に指令してユーザ行動監視部203にユーザ行動監視動作によりユーザの歩数及び階段利用を高精度で監視させる(ステップS206)。このステップS206の実行によりユーザ行動監視部203のユーザ行動監視動作は高電力モードとなり、ユーザの歩数及び階段利用が高精度で検知され続ける。
【0037】
アプリ制御部201はユーザ行動監視部203によるユーザ行動監視動作が一定時間以上経過したか否かを判別する(ステップS207)。一定時間はPromptメッセージに反応してユーザが行動をすべき時間幅である。ユーザ行動監視動作が一定時間以上経過していないならば、ユーザ行動監視動作中であるので行動が検知されたか否かを判別する(ステップS208)。ユーザ行動監視部203によるユーザ行動監視動作により行動が検知されたならば、その行動データを含むユーザ情報を作成してそれをユーザ情報発信部204に行動変容サーバ10に向けて送信させる(ステップS209)。ユーザ情報の行動データが今回受信されたPromptメッセージに対応するとしてユーザ情報にはターゲットメッセージIDが付加される。
【0038】
ステップS209を実行した後、アプリ制御部201はユーザ行動監視部203による高精度のユーザ行動監視動作を終了させる(ステップS210)。ステップS210の実行によりユーザ行動監視部203はユーザ行動監視動作を高電力モードから低電力モード又は停止モードに変更させる。低電力モードでは歩数及び階段利用等の行動の検知は低精度となる。
【0039】
なお、ステップS207~S209は、一定時間が経過するまで期間の歩数及び階段利用を集計し、その集計した歩数及び階段利用の行動データを含むユーザ情報を作成してそれを送信するステップにしても良い。
【0040】
ステップS208でユーザ行動監視部203による行動監視により行動がまだ検出されていないならば、ステップS207の判別が行われる。
【0041】
ステップS207において行動監視が一定時間以上経過したならば、ユーザがPromptメッセージに反応した行動をとらなかったとしてアプリ制御部201はユーザ行動監視部203による高電力モードのユーザ行動監視動作を終了させる(ステップS210)。
【0042】
ステップS201において、アプリ制御部201はメッセージのカテゴリがAwardであると判別したならば、そのAwardメッセージの本文をメッセージ表示部202に表示させる(ステップS211)。
【0043】
次いで、上述した行動変容サーバ10とモバイル端末20との間で実行される通信について図9のシーケンス図に従って説明する。行動変容サーバ10とモバイル端末20との間のインターネット30を介した通信が確立されているとする。
【0044】
モバイル端末20は先ず、行動変容サーバ10に対してユーザ登録依頼を示すユーザ情報を送信する(ステップS11)。ユーザ登録依頼を示すユーザ情報は図3の(E)に示したようにアクション(行動)がユーザ登録のユーザ情報である。行動変容サーバ10はユーザ登録依頼のユーザ情報を受信すると、ステップS115の実行によりユーザ登録依頼に応答してモバイル端末20のユーザを識別するためのユーザIDを発行し、ユーザIDを含むユーザ登録OK通知をモバイル端末20に送信する(ステップS12)。ユーザ登録が行われるとサーバ制御部103がユーザ情報格納部102にユーザIDを記録するようにしても良い。ユーザ登録OK通知はメッセージとしてメッセージ配信部106から配信することができる。
【0045】
行動変容サーバ10は、ユーザ登録されたユーザのモバイル端末20に対して所定のタイミングでメッセージを配信する(ステップS13)。ユーザ情報学習部101がそのユーザのユーザ情報をまだ学習していない状態ではステップS103が実行されるので、ステップS13の実行により図10の(A)に示す如きメッセージのメッセージIDが50001のTipsメッセージが配信される。モバイル端末20のメッセージ受信部200はこのTipsメッセージを受信する。モバイル端末20では、ステップS201でTipsメッセージであることが判別されるので、ステップS202~S204が実行される。Tipsメッセージの受信通知から、メッセージ表示部202にTipsメッセージの本文「階段利用で足の筋肉を付けると、痩せやすい身体になりますよ」を表示するためのユーザの操作までのメッセージ応答時間が算出され、例えば、図3の(A)に示したような応答時間を示すユーザ情報がユーザ情報発信部204によって行動変容サーバ10に向けて送信される(ステップS14)。
【0046】
行動変容サーバ10のユーザ情報受信部100は応答時間を示すユーザ情報を受信する。行動変容サーバ10では、ステップS111で行動(アクション)が応答時間であることが判別されるので、ステップS114が実行される。すなわち、ユーザ情報学習部101がユーザ情報に基づいてユーザID毎の時間帯各々の応答時間を学習する。時間帯各々の応答時間が得られる学習完了までステップS13、S14が繰り返される。
【0047】
行動変容サーバ10は、ユーザ登録されたユーザのモバイル端末20に対して特定の時間帯にメッセージを配信する(ステップS15)。ステップS15で配信されるメッセージは図10の(B)に示す如きメッセージのメッセージIDが60001のPromptメッセージが配信される。特定の時間帯はユーザ情報学習部101に形成されたユーザ学習データテーブルからモバイル端末20のユーザについての応答時間の最も短い時間帯である。例えば、図7に示したユーザIDが10045のユーザについての応答時間の最も短い時間帯が17:00-17:30であるならば、その17:00-17:30内にPromptメッセージはユーザID10045のユーザのモバイル端末に配信される。
【0048】
モバイル端末20のメッセージ受信部200はこのPromptメッセージを受信する。モバイル端末20では、ステップS201でPromptメッセージであることが判別されるので、ステップS205~S210が実行される。すなわち、メッセージIDが60001のPromptメッセージの本文「これから1分だけ気分転換に少し歩きませんか?」がメッセージ表示部202によって表示されるので、ユーザは歩いたり、更には階段利用する可能性がある。それ故、ユーザ行動監視部203はユーザ行動監視動作を高電力モードに制御して各種センサの検知出力を用いてユーザの歩数及び階段利用を高精度で監視することが行われる。ユーザ行動監視部203によるユーザ行動監視動作により歩数及び階段利用が検出されたならば、その行動データを含むユーザ情報が作成され、そのユーザ情報がユーザ情報発信部204から行動変容サーバ10に向けて送信される。例えば、図3の(B)又は図3の(C)に示したような歩数を示すユーザ情報がユーザ情報発信部204によって行動変容サーバ10に向けて送信される(ステップS16)。
【0049】
行動変容サーバ10のユーザ情報受信部100は歩数を示すユーザ情報を受信する。行動変容サーバ10では、ステップS111で行動が歩数であることが判別されるので、ステップS112が実行される。すなわち、ユーザ情報格納部102がユーザ情報に基づいてユーザ行動履歴テーブルにユーザIDに対応する歩数を日時情報と共に格納する。ここで、受信したユーザ情報が図3の(D)に示したように階段利用を示すならば、ステップS113が実行されるので、ユーザ行動履歴テーブルにおいてユーザIDに対応する階段利用が日時情報と共に格納される。
【0050】
また、行動変容サーバ10ではステップS116の実行により受信したユーザ情報にターゲットメッセージIDが含まれている場合には、今回の受信されたユーザ情報の行動がPromptメッセージに対してユーザが実行した行動結果であると判断して、ステップS117が実行されるので、メッセージ決定部104によってAwardメッセージが選択される。そのAwardメッセージは、例えば、図10の(C)に示すようなモバイル端末20のユーザを賞賛する本文を有し、行動変容サーバ10からモバイル端末20に向けて配信される(ステップS17)。モバイル端末20のメッセージ受信部200はこのAwardメッセージを受信する。モバイル端末20では、ステップS201でAwardメッセージであることが判別されるので、ステップS211が実行される。すなわち、Awardメッセージの本文「すごい!簡単でしたね!」がメッセージ表示部202によって表示される。
【0051】
このように本発明の実施例においては、モバイル端末20が行動変容サーバ10から配信されたPromptメッセージを受信した場合にそのPromptメッセージの本文がメッセージ表示部202に表示されると共に、ユーザ行動監視部203が内蔵の各種センサの検知出力を用いて高電力モードでユーザ行動監視動作を行い、これにより高精度でモバイル端末20のユーザの行動が監視される。そして、モバイル端末20のユーザの行動が一定時間内に実際に検知されると、その行動データを示すユーザ情報がモバイル端末20から行動変容サーバ10に送信される一方、ユーザ行動監視部203の高電力モードは終了され、これによりユーザ行動監視部203による高精度でモバイル端末20のユーザの行動監視が停止される。よって、モバイル端末20においてはユーザ行動監視部203の高電力モードはPromptメッセージの表示開始後の限られた時間(一定時間)内であるので、モバイル端末20の内蔵バッテリの電力消費量を抑制することができる。
【0052】
また、Tipsメッセージが予め定められた複数の時間帯の各々において行動変容サーバ10からモバイル端末20に配信され、そのTipsメッセージの受信通知からその本文がモバイル端末20のユーザ操作によりメッセージ開封されるまでの応答時間が算出され、その応答時間を示すユーザ情報がモバイル端末20から行動変容サーバ10に送信される。行動変容サーバ10では受信したユーザ情報が示す応答時間が時間帯毎にユーザ学習データテーブルに記憶され、複数の時間帯の各々についてTipsメッセージに応答して応答時間を示すユーザ情報(応答なしも含む)が得られると、応答時間の学習が完了とされる。学習完了後、行動変容サーバ10ではモバイル端末20のユーザについてユーザ学習データテーブルから応答時間の最も短い時間帯が特定され、その特定の時間帯にPromptメッセージが配信される。よって、Promptメッセージはモバイル端末20のユーザが受信したメッセージを比較的早急に閲覧可能な時間帯内のタイミングでモバイル端末20に向けて配信されることになる。
【0053】
なお、上記した実施例では、端末としてモバイル端末20を示したが、本発明はモバイル端末に限定されず、ユーザの行動を検知できるならば固定端末でも良い。
【0054】
また、上記した実施例では、ユーザ情報が示すユーザの行動の結果がPromptメッセージに示された特定の行動に対応するか否かをターゲットメッセージIDを用いて行動変容サーバ10で判別しているが、その判別はモバイル端末20で行っても良い。
【0055】
上記した実施例では、行動変容サーバ10及びモバイル端末20からなる2つの装置を有するシステムが示されているが、サーバを用いないで単一の端末として構成することもできる。その端末は、ユーザに特定の行動を促すための内容を示すメッセージを表示する表示手段と、ユーザの行動に関する検知を行う検知部を有し、検知部の検知出力を用いてユーザの行動結果を示す行動データを生成するユーザ行動監視動作を行い、ユーザ行動監視動作が低電力モードとそれより高電力消費の高電力モードとの間で変更可能にされ、メッセージの表示開始に応じてユーザ行動監視動作を高電力モードに変更するユーザ行動監視手段と、ユーザ行動監視手段によって生成された行動データがメッセージに示された特定の行動に対応するか否かを判別する判定手段と、を備えれば良い。
【符号の説明】
【0056】
10 行動変容サーバ
20 モバイル端末
30 インターネット
100 ユーザ情報受信部
101 ユーザ情報学習部
102 ユーザ情報格納部
103 サーバ制御部
104 メッセージ決定部
105 メッセージ格納部
106 メッセージ配信部
200 メッセージ受信部
201 アプリ制御部
202 メッセージ表示部
203 ユーザ行動監視部
204 ユーザ情報発信部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10