(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023114231
(43)【公開日】2023-08-17
(54)【発明の名称】管構造
(51)【国際特許分類】
F16L 39/00 20060101AFI20230809BHJP
F16L 57/00 20060101ALI20230809BHJP
B60K 15/01 20060101ALI20230809BHJP
B60K 15/035 20060101ALI20230809BHJP
【FI】
F16L39/00
F16L57/00 A
B60K15/01 A
B60K15/035 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022016487
(22)【出願日】2022-02-04
(71)【出願人】
【識別番号】390039929
【氏名又は名称】三桜工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100114270
【弁理士】
【氏名又は名称】黒川 朋也
(74)【代理人】
【識別番号】100130052
【弁理士】
【氏名又は名称】大阪 弘一
(72)【発明者】
【氏名】正木 亮平
【テーマコード(参考)】
3D038
3H024
3J106
【Fターム(参考)】
3D038CA25
3D038CA26
3D038CC03
3D038CC13
3H024AA04
3H024AB01
3H024AC02
3J106AB03
3J106BA01
3J106BB04
(57)【要約】
【課題】別の保護部材を設けなくても適切に保護される管構造を提供する。
【解決手段】管構造1は、第一流路Aを形成する内管部2と、内管部2を保護するために内管部2の外周側に配置されて、内管部2との間に第二流路Bを形成する外管部3と、外管部3の両端部に配置されて、第二流路Bに連通される内部空間C1,C2を形成する第一継手部4及び第二継手部5と、を備え、第一継手部4及び第二継手部5のそれぞれは、内管部2の外周面及び外管部3の外周面に密接される接続部41,51と、内部空間C1,C2を内管部2の延在方向D1と交差する交差方向D2,D3に延ばす分岐部42,52と、を有する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一流路を形成する内管部と、
前記内管部を保護するために前記内管部の外周側に配置されて、前記内管部との間に第二流路を形成する外管部と、
前記外管部の両端部に配置されて、前記第二流路に連通される内部空間を形成する一対の継手部と、を備え、
前記一対の継手部のそれぞれは、
前記内管部の外周面及び前記外管部の外周面に密接される接続部と、
前記内部空間を前記内管部の延在方向と交差する交差方向に延ばす分岐部と、を有する、
管構造。
【請求項2】
前記内管部は、少なくとも一部が前記外管部の内周側に配置される管本体と、前記管本体の両端部に接続されて前記一対の継手部に密接される一対の接続管と、を有する、
請求項1に記載の管構造。
【請求項3】
前記一対の接続管は、前記管本体よりも硬質である、
請求項2に記載の管構造。
【請求項4】
前記管本体と前記一対の接続管とが接続された内管接続部は、前記一対の継手部のそれぞれの前記内部空間に配置されている、
請求項2又は3に記載の管構造。
【請求項5】
前記内部空間は、前記内管部の延在方向に延びる第一内部空間と、前記第一内部空間から前記交差方向に延びる第二内部空間と、を有し、
前記管本体と前記一対の接続管とが接続された内管接続部は、前記第一内部空間と前記第二内部空間とが接続される接続空間に配置されている、
請求項2~4の何れか一項に記載の管構造。
【請求項6】
前記外管部は、前記内管部よりも硬質である、
請求項1~5の何れか一項に記載の管構造。
【請求項7】
前記内管部は、樹脂製であり、
前記外管部は、鋼管製である、
請求項1~6の何れか一項に記載の管構造。
【請求項8】
前記一対の継手部は、前記外管部よりも軟質である、
請求項1~7の何れか一項に記載の管構造。
【請求項9】
前記第二流路に流通される流体は、前記第一流路に流通される液体と異なる、
請求項1~8の何れか一項に記載の管構造。
【請求項10】
前記第一流路に液体燃料が流通され、前記第二流路に燃料蒸気が流通される、
請求項1~9の何れか一項に記載の管構造。
【請求項11】
前記内管部の一方の端部に接続される第一配管と、
前記一対の継手部の一方の前記分岐部に接続される第二配管と、を更に備え、
前記第一配管の先端は、燃料タンクの底部領域に配置されており、
前記第二配管の先端は、前記燃料タンクの上部領域に配置されている、
請求項1~10の何れか一項に記載の管構造。
【請求項12】
前記内管部の他方の端部に接続される第三配管と、
前記一対の継手部の他方の前記分岐部に接続される第四配管と、を更に備え、
前記第三配管の先端及び前記第四配管の先端は、エンジンの燃料噴射弁又は前記燃料噴射弁に燃料を供給する供給装置に接続されている、
請求項11に記載の管構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内管部及び外管部を有する管構造に関する。
【背景技術】
【0002】
車両には、燃料パイプなどの様々な配管が配置されている。例えば、エンジンを搭載する車両には、燃料タンクに貯留されている燃料をエンジンの燃料噴射弁に供給するための燃料パイプが配置されている。このような配管においては、外部から衝撃や熱を受けると、配管が損傷して配管から流体が漏出する可能性がある。このため、従来は、衝撃や熱を受ける可能性のある部分の近傍に保護壁等の保護部材を配置することで、当該部分を保護していた(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載されたように配管の近傍に保護部材を配置する構成では、配管とは別の保護部材を設ける必要があるという問題がある。
【0005】
そこで、本発明は、別の保護部材を設けなくても適切に保護される管構造を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、上記課題について鋭意検討を行った結果、異なる流体を流通させる二つのパイプの一部を二重管構造とすることで、上記課題を解決することができるとの知見を得た。本発明は、上記知見に基づきなされたものである。
【0007】
すなわち、本発明に係る管構造は、第一流路を形成する内管部と、内管部を保護するために内管部の外周側に配置されて、内管部との間に第二流路を形成する外管部と、外管部の両端部に配置されて、第二流路に連通される内部空間を形成する一対の継手部と、を備え、一対の継手部のそれぞれは、内管部の外周面及び外管部の外周面に密接される接続部と、内部空間を内管部の延在方向と交差する交差方向に延ばす分岐部と、を有する。
【0008】
この管構造では、外管部が内管部の外周側に配置されるとともに、一対の継手部が外管部の両端部に配置されるため、一対の継手部の間では、外管部が内管部を囲む二重管構造となる。このため、内管部により形成される第一流路に流体を流通させることができるとともに、一対の継手部の間においては、外管部により内管部を保護することができる。しかも、一対の継手部のそれぞれが、内管部の外周面及び外管部の外周面に密接される接続部と、内部空間を内管部の延在方向と交差する交差方向に延ばす分岐部と、を有する。このため、第一流路に流通させる流体とは異なる流体を、一方の継手部の内部空間から、外管部と内管部との間に形成される第二流路を通って、他方の継手部の内部空間まで、流通させることができる。また、異なる配管から第一流路及び第二流路に異なる流体を供給することができるとともに、これらの液体を第一流路及び第二流路から異なる配管に供給することができる。これにより、別の保護部材を設けなくても内管部を適切に保護することができる。
【0009】
内管部は、少なくとも一部が外管部の内周側に配置される管本体と、管本体の両端部に接続されて一対の継手部に密接される一対の接続管と、を有してもよい。この管構造では、内管部が、管本体と一対の接続管とを有するため、外管部の内周側に配置される部分と、一対の継手部に密接される部分とで、材料、形状、特性等を変えることができる。
【0010】
一対の接続管は、管本体よりも硬質であってもよい。この管構造では、一対の接続管が管本体よりも硬質であるため、例えば、ホースクリップ等の締付部材やOリングにより一対の継手部と一対の接続管とを密接させる場合に、一対の接続管が変形するのを抑制することができる。また、管本体が一対の接続管よりも軟質であるため、外管部を曲げ加工した際に、管本体を外管部の変形に追従させやすくなる。
【0011】
管本体と一対の接続管とが接続された内管接続部は、一対の継手部のそれぞれの内部空間に配置されていてもよい。この管構造では、内管接続部が、一対の継手部のそれぞれの内部空間に配置されているため、内管接続部が第二流路に配置されている場合に比べて、第二流路を流通する流体の流路が狭くなるのを抑制することができる。
【0012】
内部空間は、内管部の延在方向に延びる第一内部空間と、第一内部空間から交差方向に延びる第二内部空間と、を有し、管本体と一対の接続管とが接続された内管接続部は、第一内部空間と第二内部空間とが接続される接続空間に配置されていてもよい。この管構造では、内管接続部が接続空間に配置されているため、第二流路を流通する流体の流路が狭くなるのを更に抑制することができる。
【0013】
外管部は、内管部よりも硬質であってもよい。この管構造では、外管部が内管部よりも硬質であるため、外管部により内管部を適切に保護することができる。
【0014】
内管部は、樹脂製であり、外管部は、鋼管製であってもよい。この管構造では、外管部が鋼管製であるため、外管部により内管部を適切に保護することができる。一方、内管部が樹脂製であるため、軽量化を図ることができるとともに、外管部を曲げ加工した際に内管部を外管部の変形に追従させやすくなる。
【0015】
一対の継手部は、外管部よりも軟質であってもよい。この管構造では、一対の継手部が外管部よりも軟質であるため、例えば、ホースクリップ等の締付部材やOリングにより一対の継手部と外管部とを密接させる場合に、一対の継手部が変形することにより一対の継手部を外管部に密着させやすくなる。
【0016】
第二流路に流通される流体は、第一流路に流通される液体と異なってもよい。この管構造では、第二流路に流通される流体が第一流路に流通される液体と異なるため、それぞれの液体を流通させるパイプを別に設ける場合に比べて、部品点数の増加を抑制して内管部を適切に保護することができる。
【0017】
第一流路に液体燃料が流通され、第二流路に燃料蒸気が流通されてもよい。この管構造では、第一流路に液体燃料が流通され、第二流路に燃料蒸気が流通されるため、液体燃料を流通させる燃料パイプと燃料蒸気を流通させる燃料蒸気パイプとを別に設ける場合に比べて、部品点数の増加を抑制して内管部を適切に保護することができる。しかも、液体燃料の車外への漏出の抑制は、燃料蒸気の車外への漏出の抑制よりも強く求められているため、第二流路の内周側に配置される第一流路に液体燃料を流通させることで、液体燃料が車外に漏出するのをより適切に抑制することができる。
【0018】
内管部の一方の端部に接続される第一配管と、一対の継手部の一方の分岐部に接続される第二配管と、を更に備え、第一配管の先端は、燃料タンクの底部領域に配置されており、第二配管の先端は、燃料タンクの上部領域に配置されていてもよい。この管構造では、内管部の一方の端部に接続される第一配管の先端が燃料タンクの底部領域に配置されているため、第一流路に液体燃料を流通させることができる。一方、一対の継手部の一方の分岐部に接続される第二配管の先端が燃料タンクの上部領域に配置されているため、液体燃料が蒸発した燃料蒸気を第二流路に流通させることができる。
【0019】
内管部の他方の端部に接続される第三配管と、一対の継手部の他方の分岐部に接続される第四配管と、を更に備え、第三配管の先端及び第四配管の先端は、エンジンの燃料噴射弁又は燃料噴射弁に燃料を供給する供給装置に接続されていてもよい。この管構造では、内管部の他方の端部に接続される第三配管の先端及び一対の継手部の他方の分岐部に接続される第四配管の先端がエンジンの燃料噴射弁又は供給装置に接続されているため、外管部により内管部を保護しつつ、液体燃料及び燃料蒸気の双方をエンジンの燃焼に費やすことができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、別の保護部材を設けなくても内管部を適切に保護できる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】実施形態の管構造が搭載された車両の一部の模式図である。
【
図4】
図2に示す管構造の一部の分解断面図である。
【
図5】
図3に示す管構造の一部の分解断面図である。
【
図6】管構造の組立て方法を説明するため図である。
【
図7】管構造の組立て方法を説明するため図である。
【
図8】管構造の組立て方法を説明するため図である。
【
図9】管構造の組立て方法を説明するため図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の説明において同一又は相当要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
【0023】
図1は、実施形態の管構造1が搭載された車両11の一部の模式図である。
図2及び
図3は、実施形態の管構造1の一部の断面図である。
図4は、
図2に示す管構造1の一部の分解断面図である。
図5は、
図3に示す管構造の一部の分解断面図である。
図1~
図5に示すように、本実施形態の管構造1は、車両11に搭載されて、燃料タンク12からエンジン13に液体燃料及び燃料蒸気を供給する。管構造1は、第一配管14と、第二配管15と、第三配管16と、第四配管17と、内管部2と、外管部3と、一対の継手部である第一継手部4及び第二継手部5と、を備える。
【0024】
第一配管14は、燃料タンク12から液体燃料を吸い出すための配管である。液体燃料としては、例えば、ガソリン、軽油等が挙げられる。第一配管14の一方の先端は、燃料タンク12の底部領域12Aに配置され、第一配管14の他方の先端は、内管部2に接続される。燃料タンク12の底部領域12Aは、例えば、燃料タンク12の底面に隣接した領域であって、燃料タンク12に液体燃料が貯留された際に液体燃料に浸かる領域である。なお、第一配管14は、一本のパイプにより構成されていてもよく、複数のパイプにより構成されていてもよい。
【0025】
第二配管15は、燃料タンク12から液体燃料が蒸発した燃料蒸気を吸い出すための配管である。第二配管15の一方の先端は、燃料タンク12の上部領域12bに配置され、第二配管15の他方の先端は、一対の継手部の一方である第一継手部4に接続される。燃料タンク12の上部領域12bは、例えば、燃料タンク12の天面に隣接した領域であって、燃料タンク12に液体燃料が貯留された際に液体燃料に浸からない領域である。なお、第二配管15は、一本のパイプにより構成されていてもよく、複数のパイプにより構成されていてもよい。
【0026】
第三配管16は、液体燃料をエンジン13の燃料噴射弁又は燃料噴射弁に燃料を供給する供給装置13aに供給するための配管である。第三配管16の一方の先端は、内管部2に接続され、第三配管16の他方の先端は、燃料噴射弁又は供給装置13aに接続される。なお、第三配管16は、一本のパイプにより構成されていてもよく、複数のパイプにより構成されていてもよい。
【0027】
第四配管17は、燃料蒸気をエンジン13の燃料噴射弁又は供給装置13aに供給するための配管である。第四配管17の一方の先端は、一対の継手部の他方である第二継手部5に接続され、第四配管17の他方の先端は、燃料噴射弁又は供給装置13aに接続される。なお、第四配管17は、一本のパイプにより構成されていてもよく、複数のパイプにより構成されていてもよい。
【0028】
内管部2は、液体燃料を流通させるための第一流路Aを形成する。第一流路Aは、内管部2の内周面により形成される。内管部2の一方の端部である一方端部21は、第一継手部4及び第一配管14に接続され、内管部2の他方の端部である他方端部22は、第二継手部5及び第三配管16に接続される。内管部2は、管本体23と、一対の接続管である第一接続管24及び第二接続管25と、を有する。
【0029】
管本体23は、少なくとも一部が外管部3の内周側に配置される。第一接続管24及び第二接続管25は、管本体23の両端部に接続されて、第一継手部4及び第二継手部5に密接される。密接されるとは、気密に接続されることをいう。
【0030】
管本体23は、管本体23の両端部が外管部3から突出するように、外管部3の内周側に配置される。管本体23と第一接続管24とは、管本体23の一方の端部である一方端部23aと第一接続管24の管本体23側の端部である内側端部24aとにおいて密接されている。例えば、第一接続管24の内側端部24aは、ツリー状又は鋸刃状に膨出した外形をなして、管本体23の一方端部23aに嵌め込まれている。この場合、第一接続管24の内側端部24aにOリング(不図示)が嵌められた状態で、第一接続管24の内側端部24aが管本体23の一方端部23aに嵌め込まれていてもよい。管本体23と第一接続管24とが接続される部分を第一内管接続部26という。
【0031】
同様に、管本体23と第二接続管25とは、管本体23の他方の端部である他方端部23bと第二接続管25の管本体23側の端部である内側端部25aとにおいて密接されている。例えば、第二接続管25の内側端部25aは、ツリー状又は鋸刃状に膨出した外形をなして、管本体23の他方端部23bに嵌め込まれている。この場合、第二接続管25の内側端部25aにOリング(不図示)が嵌められた状態で、第二接続管25の内側端部25aが管本体23の他方端部23bに嵌め込まれていてもよい。管本体23と第二接続管25とが接続される部分を第二内管接続部27という。
【0032】
第一接続管24の外周面には、第一係止用凸部24bと、第一シール用凸部24cと、が形成されている。第一係止用凸部24bは、第一継手部4に対する第一接続管24の位置決めを行うための凸部である。第一シール用凸部24cは、第一接続管24と第一配管14との間のシールを行うための凸部である。第一シール用凸部24cは、第一係止用凸部24bの管本体23とは反対側に配置されている。そして、第一配管14が第一シール用凸部24cを越えて第一係止用凸部24bに当接するように、第一接続管24の管本体23とは反対側の端部である外側端部24dから第一接続管24が第一配管14に嵌め込まれている。
【0033】
同様に、第二接続管25の外周面には、第二係止用凸部25bと、第二シール用凸部25cと、が形成されている。第二係止用凸部25bは、第二継手部5に対する第二接続管25の位置決めを行うための凸部である。第二シール用凸部25cは、第二接続管25と第三配管16との間のシールを行うための凸部である。第二シール用凸部25cは、第二係止用凸部25bの管本体23とは反対側に配置されている。そして、第三配管16が第二シール用凸部25cを越えて第二係止用凸部25bに当接するように、第二接続管25の管本体23とは反対側の端部である外側端部25dから第二接続管25が第三配管16に嵌め込まれている。
【0034】
管本体23は、第一接続管24及び第二接続管25よりも軟質となっている。例えば、管本体23は、樹脂製であり、第一接続管24及び第二接続管25は、管本体23よりも硬質の樹脂製である。管本体23、第一接続管24及び第二接続管25が樹脂製である場合、管本体23、第一接続管24及び第二接続管25を形成する樹脂は、一種類であってもよく、複数種類であってもよい。また、管本体23、第一接続管24及び第二接続管25は、単層構造であってもよく、多層構造であってもよい。
【0035】
外管部3は、内管部2を保護するために内管部2の外周側に配置されている。また、外管部3は、内管部2との間に、燃料蒸気を流通させるための第二流路Bを形成する。第二流路Bは、内管部2の外周面と外管部3の内周面とにより形成される。外管部3は、内管部2の管本体23よりも短い。外管部3の一方の端部である一方端部31は、第一継手部4に密接され、外管部3の他方の端部である他方端部32は、第二継手部5に密接される。
【0036】
外管部3は、内管部2よりも硬質となっている。例えば、外管部3は、例えば、鋼管製、繊維強化樹脂製、又は内管部2よりも硬質の樹脂製である。外管部3は、単層構造であってもよく、多層構造であってもよい。
【0037】
第一継手部4及び第二継手部5は、外管部3の両端部に配置される。そして、第一継手部4は、第二流路Bに連通される内部空間C1を形成し、第二継手部5は、第二流路Bに形成される内部空間C2を形成する。なお、第一継手部4と第二継手部5とは、基本的に同じ構成である。
【0038】
第一継手部4及び第二継手部5は、外管部3よりも軟質となっている。また、第一継手部4及び第二継手部5は、内管部2の第一接続管24及び第二接続管25よりも軟質となっている。例えば、第一継手部4及び第二継手部5は、外管部3、第一接続管24及び第二接続管25よりも軟質な樹脂製であり、第一接続管24及び第二接続管25は、管本体23よりも硬質の樹脂製である。第一継手部4及び第二継手部5が樹脂製である場合、第一継手部4及び第二継手部5を形成する樹脂は、一種類であってもよく、複数種類であってもよい。また、第一継手部4及び第二継手部5は、単層構造であってもよく、多層構造であってもよい。
【0039】
第一継手部4は、接続部41と、分岐部42と、を有する。
【0040】
接続部41は、内管部2の外周面及び外管部3の外周面に密接される部分である。接続部41は、内管部2の延在方向D1に延びる第一内部空間C11を形成する。第一内部空間C11は、内部空間C1の一部である。なお、内管部2が直線状に延びている場合は、内管部2の延在方向D1も内管部2と同様に直線状に延びる方向となり、内管部2が屈曲や湾曲等して延在する場合は、内管部2の延在方向D1も内管部2と同様に屈曲や湾曲等した方向となる。接続部41には、二重管用開口43と、内管用開口44と、が形成されている。二重管用開口43及び内管用開口44は、第一内部空間C11を第一継手部4の外部に開放する開口である。二重管用開口43及び内管用開口44は、内管部2の延在方向D1における第一内部空間C11の両端に形成されている。
【0041】
内管部2は、接続部41を貫通するように、二重管用開口43及び内管用開口44に挿入されている。内管用開口44からは、第一接続管24の第一係止用凸部24bから外側端部24d側の部分が突出している。そして、内管用開口44の近傍において、内管部2の外周面と接続部41とが密接している。この密接は、例えば、ホースクリップ等の締付部材45により接続部41を内管部2に締め付けることにより行うことができる。なお、二重管用開口43においては、内管部2は、外管部3に囲まれた状態となっている。
【0042】
外管部3は、二重管用開口43に挿入されている。そして、二重管用開口43の近傍において、外管部3の外周面と接続部41とが密接している。この密接は、例えば、ホースクリップ等の締付部材46により接続部41を外管部3に締め付けることにより行うことができる。また、外管部3が内管用開口44に至ることなく、第二流路Bが第一内部空間C11に開放されている。
【0043】
分岐部42は、内部空間C1を内管部2の延在方向D1と交差する交差方向D2に延ばす部分である。交差方向D2は、例えば、延在方向D1と直交する方向である。分岐部42は、第一内部空間C11から交差方向D2に延びる第二内部空間C12を形成する。第二内部空間C12は、内部空間C1の一部である。分岐部42には、配管用開口47が形成されている。配管用開口47は、第二内部空間C12を第一継手部4の外部に開放する開口である。配管用開口47は、第一内部空間C11から交差方向D2に延びる第二内部空間C12の先端に形成されている。
【0044】
そして、管本体23と第一接続管24とが接続される第一内管接続部26は、内部空間C1に配置されている。この場合、第一内管接続部26は、第一内部空間C11と第二内部空間C12とが接続される接続空間C13に配置されていてもよい。接続空間C13は、例えば、第一内部空間C11を延在方向D1に延長してなる空間と第二内部空間C12を交差方向D2に延長してなる空間とが重なる空間である。
【0045】
第一継手部4の配管用開口47には、第一分岐接続管48が挿入されている。第一分岐接続管48は、分岐部42と第二配管15とを接続するための部材である。このため、第二配管15は、第一分岐接続管48を介して分岐部42に接続される。
【0046】
第一分岐接続管48の外周面には、継手側凸部48aと、配管側凸部48bと、が形成されている。継手側凸部48aは、分岐部42と第一分岐接続管48との間のシールを行うための凸部である。そして、継手側凸部48aを含む第一分岐接続管48の一部が分岐部42の配管用開口47に挿入されて、配管用開口47の近傍において第一分岐接続管48の外周面と分岐部42とが密接されている。この密接は、例えば、例えば、ホースクリップ等の締付部材49により分岐部42を第一分岐接続管48に締め付けることにより行うことができる。なお、第一分岐接続管48と第二配管15との接続は、第一分岐接続管48と分岐部42との接続と同様の方法により行うことができる。
【0047】
第二継手部5は、接続部51と、分岐部52と、を有する。
【0048】
接続部51は、内管部2の外周面及び外管部3の外周面に密接される部分である。接続部51は、内管部2の延在方向D1に延びる第一内部空間C21を形成する。第一内部空間C21は、内部空間C2の一部である。接続部51には、二重管用開口53と、内管用開口54と、が形成されている。二重管用開口53及び内管用開口54は、第一内部空間C21を第二継手部5の外部に開放する開口である。二重管用開口53及び内管用開口54は、内管部2の延在方向D1における第一内部空間C21の両端に形成されている。
【0049】
内管部2は、接続部51を貫通するように、二重管用開口53及び内管用開口54に挿入されている。内管用開口54からは、第二接続管25の第二係止用凸部25bから外側端部25d側の部分が突出している。そして、内管用開口54の近傍において、内管部2の外周面と接続部51とが密接している。この密接は、例えば、ホースクリップ等の締付部材55により接続部51を内管部2に締め付けることにより行うことができる。なお、二重管用開口53においては、内管部2は、外管部3に囲まれた状態となっている。
【0050】
外管部3は、二重管用開口53に挿入されている。そして、二重管用開口53の近傍において、外管部3の外周面と接続部51とが密接している。この密接は、例えば、ホースクリップ等の締付部材56により接続部51を外管部3に締め付けることにより行うことができる。また、外管部3が内管用開口54に至ることなく、第二流路Bが第一内部空間C21に開放されている。
【0051】
分岐部52は、内部空間C2を内管部2の延在方向D1と交差する交差方向D3に延ばす部分である。交差方向D3は、例えば、延在方向D1と直交する方向である。分岐部52は、第一内部空間C21から交差方向D3に延びる第二内部空間C22を形成する。第二内部空間C22は、内部空間C2の一部である。分岐部52には、配管用開口57が形成されている。配管用開口57は、第二内部空間C22を第二継手部5の外部に開放する開口である。配管用開口57は、第一内部空間C21から交差方向D3に延びる第二内部空間C22の先端に形成されている。
【0052】
そして、管本体23と第二接続管25とが接続される第二内管接続部27は、内部空間C2に配置されている。この場合、第二内管接続部27は、第一内部空間C21と第二内部空間C22とが接続される接続空間C23に配置されていてもよい。接続空間C23は、例えば、第一内部空間C21を延在方向D1に延長してなる空間と第二内部空間C22を交差方向D3に延長してなる空間とが重なる空間である。
【0053】
第二継手部5の配管用開口57には、第二分岐接続管58が挿入されている。第二分岐接続管58は、分岐部52と第二配管15とを接続するための部材である。このため、第二配管15は、第二分岐接続管58を介して分岐部52に接続される。
【0054】
第二分岐接続管58の外周面には、継手側凸部58Aと、配管側凸部58bと、が形成されている。継手側凸部58Aは、分岐部52と第二分岐接続管58との間のシールを行うための凸部である。そして、継手側凸部58Aを含む第二分岐接続管58の一部が分岐部52の配管用開口57に挿入されて、配管用開口57の近傍において第二分岐接続管58の外周面と分岐部52とが密接されている。この密接は、例えば、例えば、ホースクリップ等の締付部材59により分岐部52を第二分岐接続管58に締め付けることにより行うことができる。なお、第二分岐接続管58と第二配管15との接続は、第二分岐接続管58と分岐部52との接続と同様の方法により行うことができる。
【0055】
次に、管構造1の組立て方法の一例について説明する。
【0056】
まず、
図6に示すように、第一継手部4の分岐部42の配管用開口47に第一分岐接続管48を嵌め込み、締付部材49により分岐部42を第一分岐接続管48に締め付ける。また、第二継手部5の分岐部52の配管用開口57に第二分岐接続管58を挿入し、締付部材59により分岐部52を第二分岐接続管58に締め付ける。また、
図7に示すように、管本体23の一方端部23a及び他方端部23bに第一接続管24の内側端部24a及び第二接続管25の内側端部25aを接続して、内管部2を作製する。
【0057】
次に、
図7及び
図8に示すように、外管部3に内管部2を挿入して、外管部3及び内管部2を二重管とする。そして、
図9に示すように、外管部3及び内管部2の二重管を締付部材45及び締付部材55に挿入して、外管部3の両端部を第一継手部4の二重管用開口43及び第二継手部5の二重管用開口53に挿入するとともに、内管部2の両端部を第一継手部4の内管用開口44及び第二継手部5の内管用開口54に挿入する。このとき、内管用開口44から、第一接続管24の第一係止用凸部24bから外側端部24d側の部分を突出させるとともに、内管用開口54から、第二接続管25の第二係止用凸部25bから外側端部25d側の部分を突出させる。そして、締付部材46及び締付部材56により第一継手部4の接続部41及び第二継手部5の接続部51を外管部3の一方端部31及び他方端部32に締め付ける。また、締付部材45及び締付部材55により第一継手部4の接続部41及び第二継手部5の接続部51を内管部2の一方端部21及び他方端部22に締め付ける。
【0058】
次に、
図2及び
図4に示すように、第一接続管24に第一配管14を接続し、第一分岐接続管48に第二配管15を接続し、第二接続管25に第三配管16を接続し、第二分岐接続管58に第四配管17を接続する。
【0059】
このように、本実施形態の管構造1では、外管部3が内管部2の外周側に配置されるとともに、第一継手部4及び第二継手部5が外管部3の一方端部31及び他方端部32に配置されるため、第一継手部4と第二継手部5との間では、外管部3が内管部2を囲む二重管構造となる。このため、内管部2により形成される第一流路Aに流体を流通させることができるとともに、第一継手部4と第二継手部5との間においては、外管部3により内管部2を保護することができる。しかも、第一継手部4及び第二継手部5が、内管部2の外周面及び外管部3の外周面に密接される接続部41,51と、内部空間C1,C2を内管部2の延在方向D1と交差する交差方向D2,D3に延ばす分岐部42,52と、を有する。このため、第一流路Aに流通させる流体とは異なる流体を、第一継手部4の内部空間C1から、外管部3と内管部2との間に形成される第二流路Bを通って、第二継手部5の内部空間C2まで、流通させることができる。また、第一配管14及び第二配管15から第一流路A及び第二流路Bに異なる流体を供給することができるとともに、これらの液体を第一流路A及び第二流路Bから第三配管16及び第四配管17に供給することができる。これにより、別の保護部材を設けなくても内管部2を適切に保護することができる。
【0060】
また、この管構造1では、第一継手部4と第二継手部5との間で内管部2と外管部3とが二重管構造となっている。このため、これらの管部を別に配置してそれぞれに別の保護部材を設ける場合に比べて、又は、これらの管部を別に配置して内管部に別の保護部材を設ける場合に比べて、車両11の搭載に必要なスペースの増加を抑制することができる。これにより、車両11の限られた搭載スペースを効率的に利用することができる。
【0061】
また、この管構造1では、内管部2が、管本体23、第一接続管24及び第二接続管25を有するため、外管部3の内周側に配置される部分と、第一継手部4及び第二継手部5に密接される部分とで、材料、形状、特性等を変えることができる。
【0062】
また、この管構造1では、第一接続管24及び第二接続管25が管本体23よりも硬質であるため、例えば、ホースクリップ等の締付部材45,55やOリングにより第一継手部4及び第二継手部5と第一接続管24及び第二接続管25とを密接させる場合に、第一接続管24及び第二接続管25が変形するのを抑制することができる。また、管本体23が第一接続管24及び第二接続管25よりも軟質であるため、外管部3を曲げ加工した際に、管本体23を外管部3の変形に追従させやすくなる。
【0063】
また、この管構造1では、第一内管接続部26及び第二内管接続部27が、第一継手部4及び第二継手部5の内部空間C1,C2に配置されているため、第一内管接続部26及び第二内管接続部27が第二流路Bに配置されている場合に比べて、第二流路Bを流通する流体の流路が狭くなるのを抑制することができる。
【0064】
また、この管構造1では、第一内管接続部26及び第二内管接続部27が接続空間C13,C23に配置されているため、第二流路Bを流通する流体の流路が狭くなるのを更に抑制することができる。
【0065】
また、この管構造1では、外管部3が内管部2よりも硬質であるため、外管部3により内管部2を適切に保護することができる。
【0066】
また、この管構造1では、外管部3が鋼管製であるため、外管部3により内管部2を適切に保護することができる。一方、内管部2が樹脂製であるため、軽量化を図ることができるとともに、外管部3を曲げ加工した際に内管部2を外管部3の変形に追従させやすくなる。
【0067】
また、この管構造1では、第一継手部4及び第二継手部5が外管部3よりも軟質であるため、例えば、ホースクリップ等の締付部材46,56やOリングにより第一継手部4及び第二継手部5と外管部3とを密接させる場合に、第一継手部4及び第二継手部5が変形することにより第一継手部4及び第二継手部5を外管部3に密着させやすくなる。
【0068】
また、この管構造1では、第二流路Bに流通される流体が第一流路Aに流通される液体と異なるため、それぞれの液体を流通させるパイプを別に設ける場合に比べて、部品点数の増加を抑制して内管部2を適切に保護することができる。
【0069】
また、この管構造1では、第一流路Aに液体燃料が流通され、第二流路Bに燃料蒸気が流通されるため、液体燃料を流通させる燃料パイプと燃料蒸気を流通させる燃料蒸気パイプとを別に設ける場合に比べて、部品点数の増加を抑制して内管部2を適切に保護することができる。しかも、液体燃料の車外への漏出の抑制は、燃料蒸気の車外への漏出の抑制よりも強く求められているため、第二流路Bの内周側に配置される第一流路Aに液体燃料を流通させることで、液体燃料が車外に漏出するのをより適切に抑制することができる。
【0070】
また、この管構造1では、内管部2の一方端部21に接続される第一配管14の先端が燃料タンク12の底部領域12Aに配置されているため、第一流路Aに液体燃料を流通させることができる。一方、第一継手部4の分岐部42に接続される第二配管15の先端が燃料タンク12の上部領域12bに配置されているため、液体燃料が蒸発した燃料蒸気を第二流路Bに流通させることができる。
【0071】
また、この管構造1では、内管部2の他方端部22に接続される第三配管16の先端及び第二継手部5の分岐部52に接続される第四配管17の先端がエンジン13の燃料噴射弁又は供給装置13aに接続されているため、外管部3により内管部2を保護しつつ、液体燃料及び燃料蒸気の双方をエンジン13の燃焼に費やすことができる。
【0072】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、各請求項に記載した要旨を変更しない範囲で変形し、又は他のものに適用してもよい。
【0073】
例えば、上記の実施形態では、管構造は燃料タンクからエンジンに液体燃料及び燃料蒸気を供給するものであるとして説明したが、管構造の第一流路及び第二流路に供給する流体は特に限定されるものではなく、また、第一配管、第二配管、第三配管及び第四配管の接続先も特に限定されるものではない。
【0074】
また、上記の実施形態では、第一継手部と第二継手部とは基本的に同じ構成であるものとして説明したが、第一継手部と第二継手部とは異なる構成であってもよい。
【0075】
また、上記の実施形態では、内管部は管本体、第一接続管及び第二接続管の三つの部材で構成されるものとし説明したが、内管部は一部材で構成されていてもよく、三つ以外の複数の部材で構成されていてもよい。
【0076】
また、上記の実施形態では、第一分岐接続管及び第二分岐接続管は第一継手部及び第二継手部とは別構成であるものとして説明したが、第一分岐接続管及び第二分岐接続管は第一継手部及び第二継手部の一部を構成するものとしてもよい。
【符号の説明】
【0077】
1…管構造、2…内管部、3…外管部、4…第一継手部、5…第二継手部、11…車両、12…燃料タンク、12A…底部領域、12b…上部領域、13…エンジン、13a…燃料噴射弁又は供給装置、14…第一配管、15…第二配管、16…第三配管、17…第四配管、21…一方端部、22…他方端部、23…管本体、23a…一方端部、23b…他方端部、24…第一接続管、24a…内側端部、24b…第一係止用凸部、24c…第一シール用凸部、24d…外側端部、25…第二接続管、25a…内側端部、25b…第二係止用凸部、25c…第二シール用凸部、25d…外側端部、26…第一内管接続部、27…第二内管接続部、31…一方端部、32…他方端部、41…接続部、42…分岐部、43…二重管用開口、44…内管用開口、45…締付部材、46…締付部材、47…配管用開口、48…第一分岐接続管、48a…継手側凸部、48b…配管側凸部、49…締付部材、51…接続部、52…分岐部、53…二重管用開口、54…内管用開口、55…締付部材、56…締付部材、57…配管用開口、58…第二分岐接続管、58A…継手側凸部、58b…配管側凸部、59…締付部材、A…第一流路、B…第二流路、C1…内部空間、C11…第一内部空間、C12…第二内部空間、C13…接続空間、C2…内部空間、C21…第一内部空間、C22…第二内部空間、C23…接続空間、D1…延在方向、D2…交差方向、D3…交差方向。