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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023114251
(43)【公開日】2023-08-17
(54)【発明の名称】ホールパターンシール
(51)【国際特許分類】
   F16J 15/44 20060101AFI20230809BHJP
【FI】
F16J15/44 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022016519
(22)【出願日】2022-02-04
(71)【出願人】
【識別番号】000006208
【氏名又は名称】三菱重工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100162868
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 英輔
(74)【代理人】
【識別番号】100161702
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 宏之
(74)【代理人】
【識別番号】100189348
【弁理士】
【氏名又は名称】古都 智
(74)【代理人】
【識別番号】100196689
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 康一郎
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 隆
【テーマコード(参考)】
3J042
【Fターム(参考)】
3J042AA03
3J042BA01
3J042CA01
3J042CA10
3J042CA13
(57)【要約】
【課題】軸線方向の圧力分布の均一化を図ることができるホールパターンシールを提供する。
【解決手段】ホールパターンシールは、軸線に沿って延び、軸線回りに回転可能なロータと、ロータの外周側に配置されたステータとの間に設けられ、ロータとステータとの空間を高圧側と低圧側とに区画するホールパターンシールであって、ロータの外周面を覆うように配置される円筒状のシール本体と、シール本体の内周面に軸線方向及び軸線の周方向にわたって複数設けられ、軸線の径方向内側に開口する穴部と、シール本体内の複数の穴部よりも径方向外側に設けられ、複数の穴部を軸線方向に連通させて、軸線方向の高圧側から軸線方向の低圧側に向けて流体を流通させる連通流路と、を備える。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸線に沿って延び、前記軸線回りに回転可能なロータと、前記ロータの外周側に配置されたステータとの間に設けられ、前記ロータと前記ステータとの空間を高圧側と低圧側とに区画するホールパターンシールであって、
前記ロータの外周面を覆うように配置される円筒状のシール本体と、
前記シール本体の内周面に前記軸線方向及び前記軸線の周方向にわたって複数設けられ、前記軸線の径方向内側に開口する穴部と、
前記シール本体内の複数の前記穴部よりも前記径方向外側に設けられ、複数の前記穴部を前記軸線方向に連通させて、前記軸線方向の高圧側から前記軸線方向の低圧側に向けて流体を流通させる連通流路と、
を備えるホールパターンシール。
【請求項2】
前記連通流路の流路断面は、前記軸線方向の高圧側から前記軸線方向の低圧側に向かうにしたがい増大する請求項1に記載のホールパターンシール。
【請求項3】
前記連通流路には、前記連通流路内を流通する流体に圧力損失を生じさせる圧損部を備える請求項1または2に記載のホールパターンシール。
【請求項4】
前記圧損部は、流体が通過可能な多孔質層である請求項3に記載のホールパターンシール。
【請求項5】
前記多孔質層の密度は、前記軸線方向の高圧側から前記軸線方向の低圧側に向かうにしたがい減少する請求項4に記載のホールパターンシール。
【請求項6】
前記連通流路は、前記軸線方向に延びるとともに、前記周方向に並ぶように複数設けられている請求項1から5のいずれか一項に記載のホールパターンシール。
【請求項7】
複数の前記穴部は、前記軸線方向の高圧側から前記軸線方向の低圧側に向かうにしたがい、穴径が大きくなるように配置されている請求項1から6のいずれか一項に記載のホールパターンシール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ホールパターンシールに関する。
【背景技術】
【0002】
タービン等の回転機械では、タービン翼列の翼先端から発生する漏れ流れを低減するために、シールが用いられる。シール部には、ロータの回転によって周方向の速度成分を有するスワールが発生する。ロータに変位が発生した際、シール部を流れるスワールによって不均一な圧力分布が発生し、ロータの変位と直角方向の力がロータに作用する。以下、この力を、「シール励振力」と称する。シール励振力は、ロータの振れ回りを助長して軸系の安定性を低下させ、不安定な自励振動を引き起こすことがある。軸系の安定性の観点から、このような不安定振動の減衰が重要視されている。
【0003】
減衰性能に優れたシールとして、ホールパターンシールがある。ホールパターンシールは、ロータの外周側から覆う筒状に形成され、内周面に複数の穴部を有する。ホールパターンシールは、穴部に漏れ流れを流入させることで穴部内に渦を発生させる。穴部内には、発生した渦により圧力損失が生じる。穴部内の圧力損失によって流体のエネルギーが発散し、ホールパターンシールの減衰性能が向上される。しかしながら、流体の流入箇所に近い程圧力が高くなるため、不均一な圧力分布が生じてしまう。低圧側の穴部は高圧側の穴部よりも流入量が少ないため、低圧側ほど圧力損失が小さくなり、減衰性能が低下する。
例えば特許文献1には、圧力不均一を軽減するホールパターンシールが開示されている。このホールパターンシールは、背面側に穴部を周方向に連通させる環状のチャンバを有し、このチャンバに漏れ流れを流通させることにより周方向の圧力不均一を軽減する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第8915705号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、軸線方向の圧力分布の均一性をさらに向上させることが求められている。
【0006】
本開示は、上記課題を解決するためになされたものであって、軸線方向の圧力分布の均一化を図ることができるホールパターンシールを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本開示に係るホールパターンシールは、軸線に沿って延び、前記軸線回りに回転可能なロータと、前記ロータの外周側に配置されたステータとの間に設けられ、前記ロータと前記ステータとの空間を高圧側と低圧側とに区画するホールパターンシールであって、前記ロータの外周面を覆うように配置される円筒状のシール本体と、前記シール本体の内周面に前記軸線方向及び前記軸線の周方向にわたって複数設けられ、前記軸線の径方向内側に開口する穴部と、前記シール本体内の複数の前記穴部よりも前記径方向外側に設けられ、複数の前記穴部を前記軸線方向に連通させて、前記軸線方向の高圧側から前記軸線方向の低圧側に向けて流体を流通させる連通流路と、を備える。
【発明の効果】
【0008】
本開示のホールパターンシールによれば、軸線方向の圧力分布の均一化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本開示の第一実施形態に係るガスタービンの側面図である。
図2図1のII部の拡大図である。
図3】本開示の第一実施形態に係るホールパターンシールの斜視図である。
図4】本開示の第一実施形態に係るホールパターンシールの断面図である。
図5図4のV部の拡大図である。
図6図4のVI部の拡大図である。
図7】本開示の第二実施形態に係るホールパターンシールの断面を部分的に示した模式図である。
図8】本開示の第三実施形態に係るホールパターンシールの断面を部分的に示した模式図である。
図9】本開示の第三実施形態の変形例に係るホールパターンシールの断面を部分的に示した模式図である。
図10】本開示の第四実施形態に係るホールパターンシールの連通流路を軸線方向から見た模式図である。
図11】本開示の第五実施形態に係るホールパターンシールの内周を展開した模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<第一実施形態>
以下、本開示の第一実施形態に係るホールパターンシール50について、図1から図6を参照して説明する。
【0011】
(ガスタービン)
図1に示す本実施形態に係るガスタービン1は、例えば、航空推進用ジェットエンジンや発電用ガスタービン等で利用される。ガスタービン1は、圧縮空気を生成する圧縮機2と、圧縮空気に燃料を混合して燃焼させることで燃焼ガスG(流体の例示)を生成する燃焼器9と、燃焼ガスGによって駆動されるタービン10と、を備える。
【0012】
(圧縮機)
圧縮機2は、軸線О回りに回転可能な圧縮機ロータ3と、圧縮機ロータ3を外周側から覆う圧縮機ケーシング4と、を有する。圧縮機ロータ3は、軸線Оに沿って延びる柱状に形成されている。圧縮機ロータ3の外周面上には、軸線О方向に間隔をあけて配列された複数の圧縮機動翼段5が設けられている。各圧縮機動翼段5は、圧縮機ロータ3の外周面上で軸線Оの周方向に間隔をあけて配列された複数の圧縮機動翼を有する。
【0013】
圧縮機ケーシング4は、軸線Оを中心とする筒状に形成されている。圧縮機ケーシング4の内周面には、軸線О方向に間隔をあけて配列された複数の圧縮機静翼段7が設けられている。これらの圧縮機静翼段7は、上記の圧縮機動翼段5に対して、軸線О方向で交互に配列されている。各圧縮機静翼段7は、圧縮機ケーシング4の内周面上で、軸線Оの周方向に間隔をあけて配列された複数の圧縮機静翼を有する。
【0014】
(燃焼器)
燃焼器9は、圧縮機2と、下流側(図1の右側)へ続くタービン10との間に設けられている。圧縮機2で生成された圧縮空気は、燃焼器9内部で燃料と混合されて予混合ガスとなる。燃焼器9内で、この予混合ガスが燃焼することで高温高圧の燃焼ガスGが生成され、燃焼ガスGはタービン10内へと導かれる。
【0015】
(タービン)
タービン10は、軸線О回りに回転可能なロータ11と、ロータ11を囲うステータ12と、ホールパターンシール50(図2参照)と、を有する回転機械である。
【0016】
(ロータ)
ロータ11は、軸線O方向に延び、軸線O回りに回転可能である。
以下、ロータ11の軸線Oを単に「軸線O」と称する場合がある。また、ロータ11の軸線O方向を単に「軸線O方向」と称し、軸線Oの径方向を単に「径方向」と称し、軸線Oの周方向を単に「周方向」と称する場合がある。
【0017】
ロータ11は、回転軸11aと、複数のタービン動翼段20と、を有する。
回転軸11aは、軸線Оに沿って延びる柱状に形成される。回転軸11aは、上記の圧縮機ロータ3に軸線О方向に一体に連結されることで、軸線О回りに回転するガスタービンロータを形成する。
【0018】
複数のタービン動翼段20は、回転軸11aの外周面に設けられており、軸線О方向に間隔をあけて配列されている。
図1図2に示すように、各タービン動翼段20は、複数のタービン動翼30と、環状のシュラウド42と、を有する。
【0019】
複数のタービン動翼30は、回転軸11aの外周面上で、軸線Оの周方向に間隔をあけて配列されている。
シュラウド42は、複数のタービン動翼30の翼先端に設けられており、軸線Оの周方向に配列したタービン動翼30と一体となることでタービン動翼段20の剛性を高めている。
以下、シュラウド42の外周面を、ロータ11の外周面として記載する場合がある。
ロータ11の外周側には、ステータ12が配置されている。
【0020】
(ステータ)
ステータ12は、タービンケーシング15と、複数のタービン静翼段13と、環状の保持環40と、を有する。
【0021】
タービンケーシング15は、軸線Оを中心とする筒状をなしている。
複数のタービン静翼段13は、タービンケーシング15の内周側に設けられており、軸線О方向に間隔をあけて配列されている。これらのタービン静翼段13は、上記のタービン動翼段20に対して、軸線О方向で交互に配列されている。
各タービン静翼段13は、タービンケーシング15の内周面付近で、軸線Оの周方向に間隔をあけて配列された複数のタービン静翼14を有している。
【0022】
保持環40は、タービンケーシング15の内周面にわたって環状に設けられている。保持環40は、高温高圧の燃焼ガスGが直接タービンケーシング15に接触するのを防止するために設けられている。保持環40は、タービン動翼段20に対応するようにタービンケーシング15の内周面にタービン動翼段20の段数と同じ個数が設けられている。
図2に示すように、タービン静翼14は、軸線О方向に隣り合う保持環40同士の間にまたがって支持されている。
タービン動翼30と保持環40との間には、ホールパターンシール50が設けられている。
【0023】
(ホールパターンシール)
ホールパターンシール50は、ロータ11とステータ12との間に設けられ、ロータ11とステータ12との空間を高圧側HPと低圧側LPとに区画する。これにより、ホールパターンシール50は、タービン動翼30と保持環40の間から後段に存在するタービン静翼14付近の空間へ燃焼ガスGが漏出するのを防止する。
【0024】
本実施形態では、ホールパターンシール50を基準として、燃焼ガスGが流入する上流側が高圧側HPであり、燃焼ガスGが流出する下流側が低圧側LPである。
以下、軸線O方向の高圧側HPを単に「高圧側HP」と称し、軸線O方向の低圧側LPを単に「低圧側LP」と称する場合がある。
【0025】
図3図4に示すように、ホールパターンシール50は、ロータ11の外周面を覆うように配置される円筒状のシール本体51と、シール本体51の軸線O方向の低圧側LPの端部に設けられたフランジ52と、シール本体51の内周面に複数設けられた穴部53と、シール本体51内の複数の穴部53よりも径方向外側に設けられた連通流路54と、連通流路54内に設けられた圧損部55と、を備える。
図4では、ホールパターンシール50が模式的に図示されている。また、図4では、ホールパターンシール50以外のロータ11等の構成が省略されている。
【0026】
(シール本体)
シール本体51は、軸線Oを中心軸線とする円筒状の部材である。シール本体51は、径寸法が軸線O方向で一様となるように形成されている。
【0027】
(フランジ)
フランジ52は、シール本体51の外周面から径方向外側に張り出している。フランジ52は、軸線Oを中心とする円環状に形成されている。
【0028】
(穴部)
複数の穴部53は、シール本体51の内周面全体に軸線O方向及び周方向にわたって設けられている。穴部53は、径方向内側に開口する。穴部53は、径方向に延びる円柱穴である。すなわち、穴部53は、開口方向から見て、円形状に形成されている。複数の穴部53は、全て穴径が等しくなるように形成されている。
【0029】
複数の穴部53は、径方向内側から見て千鳥状に配列されている。具体的には、1つの穴部53を囲うように6つの穴部53が配列された構造が、シール本体51の内周面全体にわたって形成されている。複数の穴部53は、軸線O方向及び周方向に等間隔に配列されている。すなわち、複数の穴部53は、シール本体51の内周面上で最密となるように配列されている。
【0030】
また、軸線O方向に並ぶ複数の穴部53は、軸線O方向に延びる穴列56を形成している。穴列56は、シール本体51に複数形成されている。複数の穴列56は、軸線O方向から見て円環状に配列されている。
複数の穴部53よりもシール本体51の外周面側には、連通流路54が設けられている。
【0031】
(連通流路)
連通流路54は、シール本体51内に軸線O方向及び周方向に亘って延在している。連通流路54は、複数の穴列56の径方向外側の端部に接続されている。連通流路54は、複数の穴部53を軸線O方向に連通させて、高圧側HPから低圧側LPに向けて燃焼ガスGを流通させる。
以下、軸線O方向に直交する連通流路54の流路断面S1を、単に「流路断面S1」と称する場合がある。流路断面S1が軸線O方向で略一定となるように、連通流路54が形成されている。
連通流路54には、圧損部55が隙間なく設けられている。
【0032】
(圧損部)
圧損部55は、連通流路54内を流通する燃焼ガスGに圧力損失を生じさせることにより、漏れ流れを低減する。圧損部55は、燃焼ガスGが流通可能な多孔質層55aである。圧損部55には、微細孔55bが複数形成されている。複数の微細孔55bは、互いに連通し、外側に向けて開口している。各微細孔55bは、燃焼ガスGが流通可能な程度の大きさに形成されている。
【0033】
(作用効果)
次に、上述したホールパターンシール50による減衰作用について図4から図6を参照して説明する。図4から図6では、燃焼ガスGの流れが模式的に図示されている。
ここで、上述したロータ11が回転すると、ロータ11の周囲の燃焼ガスGには、ロータ11から回転方向にせん断力が作用する。このせん断力の作用によって、燃焼ガスGに、周方向の速度成分が付与される。燃焼ガスGは、周方向の速度成分を有しながら、軸線O方向両側の圧力差(静圧差)によって高圧側HPから低圧側LPに向かって流れようとする。
【0034】
燃焼ガスGは、高圧側HPから低圧側LPに向かって流れる過程で、各穴部53に径方向内側から流入する。穴部53に導かれた燃焼ガスGは、周方向の速度成分によって、穴部53の内周面に沿う螺旋状の渦となる。これにより、穴部53内に圧力損失が発生し、燃焼ガスGのエネルギーが発散され、燃焼ガスGの流通に伴う振動が減衰される。
【0035】
また、高圧側HPの穴部53に径方向内側から流入した燃焼ガスGは、連通流路54に流入する。燃焼ガスGは、連通流路54を軸線O方向で高圧側HPから低圧側LPに流通し、低圧側LPの穴部53に導かれる。これにより、図6に示すように、低圧側LPの穴部53には、径方向内側と径方向外側の両方から燃焼ガスGが流入し、低圧側LPの穴部53の渦が増強される。
【0036】
また、燃焼ガスGは、連通流路54の流通する過程で、多孔質層55aを通過する。燃焼ガスGは、連通流路54の内周面や多孔質層55a内の微細孔55bと接触しながら流通する。このため、連通流路54を流通する燃焼ガスGには、圧力損失が生じる。
【0037】
本実施形態では、ホールパターンシール50は、シール本体51内の複数の穴部53よりも径方向外側に設けられる連通流路54を備える。連通流路54は、複数の穴部53を軸線O方向に連通させて、軸線O方向の高圧側HPから軸線O方向の低圧側LPに向けて燃焼ガスGを流通させる。
【0038】
低圧側LPの穴部53は、高圧側HPの穴部53よりも径方向内側からの流入量が少ない傾向にある。これに対し、本実施形態によれば、ホールパターンシール50は、連通流路54によって高圧側HPの穴部53に流入した燃焼ガスGを低圧側LPの穴部53に、径方向外側から導くことができる。これにより、軸線O方向の圧力分布の均一化を図ることができる。
【0039】
ホールパターンシール50は、低圧側LPの穴部53に径方向内側と径方向外側の両方から燃焼ガスGを導くことができる。これにより、低圧側LPの穴部53の渦が増強され、穴部53内の圧力損失が増大される。圧力損失の増大により、ホールパターンシール50は、燃焼ガスGのエネルギーを発散し、ロータ11の不安定振動をより一層減衰することができる。このように、ホールパターンシール50の減衰性能を向上させることができる。減衰性能を向上させることで、ホールパターンシール50及びロータ11を含む軸系を安定化させることができる。
【0040】
本実施形態では、ホールパターンシール50は、連通流路54には、連通流路54内を流通する流体に圧力損失を生じさせる圧損部55を備える。
【0041】
本実施形態によれば、ホールパターンシール50は、連通流路54を流通する流体の流量を適度に減少させることができる。これにより、高圧側HPの穴部53から低圧側LPの穴部53への燃焼ガスGの経路を連通流路54内に確保しつつ、連通流路54を通じて高圧側HPから低圧側LPに流れ出る燃焼ガスGの漏れ流れを低減することができる。このように、ホールパターンシール50のシール性能、すなわち漏れ抑制性能を向上させることができる。
【0042】
漏れ流れを低減することにより、高い省エネルギー効果を発揮することができる。また、タービン10の空力性能を向上させることができる。
【0043】
本実施形態では、圧損部55は、流体が通過可能な多孔質層55aである。
【0044】
本実施形態によれば、連通流路54内に多孔質層55aを配置するだけの簡単な構成で、連通流路54内に圧損部55を設けることができる。これにより、ホールパターンシール50の製造効率を向上させることができる。
【0045】
<第二実施形態>
以下、本開示の第二実施形態に係るホールパターンシール250について、図7を参照して説明する。第二実施形態では、第一実施形態と同様の構成については、同一の名称や同一の符合を付す等して説明を適宜省略する。
【0046】
図7に示すように、ホールパターンシール250は、多孔質層255a(圧損部255)の密度は、軸線O方向の高圧側HPから軸線O方向の低圧側LPに向かうにしたがい減少する。すなわち、多孔質層255aの微細孔255bは、高圧側HPから低圧側LPに向かうにしたがい、大きくなっている。本実施形態では、多孔質層255aの密度は、段階的に変化している。多孔質層255aは、密度が異なる領域を3つ有する。これら3つの領域は、軸線O方向に並んでおり、高圧側HPから順に、第一密度領域261、第二密度領域262、第三密度領域263とされる。
【0047】
第一密度領域261は、多孔質層255aの中で密度が最も大きい領域である。すなわち、第一密度領域261は、多孔質層255aの中で微細孔255bが最も小さい領域である。第二密度領域262は、多孔質層255aの中で密度が2番目に大きい領域である。すなわち、第二密度領域262は、多孔質層255aの中で微細孔255bが2番目に小さい領域である。第三密度領域263は、多孔質層255aの中で密度が最も小さい領域である。すなわち、第三密度領域263は、多孔質層255aの中で微細孔255bが最も大きい領域である。
【0048】
第一密度領域261の軸線O方向の寸法と第二密度領域262の軸線O方向の寸法は、略等しい。また、第三密度領域263の軸線O方向の寸法は、第一密度領域261の寸法よりも僅かに大きい。
【0049】
本実施形態では、多孔質層255aの密度は、軸線O方向の高圧側HPから軸線O方向の低圧側LPに向かうにしたがい減少する。
【0050】
本実施形態によれば、高圧側HPほど連通流路54内の流路抵抗を大きくし、低圧側LPほど連通流路54内の流路抵抗を小さくすることができる。これにより、高圧側HPから低圧側LPに向かうしたがい、多孔質層255aによる燃焼ガスGの圧力損失を低減することができる。このため、多孔質層255aが設けられた連通流路54では、高圧側HPから低圧側LPに向かうにしたがい燃焼ガスGが流通し易くなる。したがって、連通流路54を流通する燃焼ガスGの流速を軸線O方向で均一化し、連通流路54から各穴部53に流入する燃焼ガスGの流入量が軸線O方向でばらつくことを抑制することができる。
【0051】
また、軸線O方向位置の圧力に合わせて、多孔質層255aの密度を調整することで、連通流路54内を流通する燃焼ガスGの流量を調整することができる。これにより、ホールパターンシール250の圧力分布の均一化を図る効果と、漏れ流れを低減する効果(シール性能)とのバランスを調整し、2つの効果の両立を図ることができる。
【0052】
なお、上記第二実施形態では、多孔質層255aは、密度が異なる領域を3つ有しているとしたが、これに限るものではない。多孔質層255aの密度が異なる領域の個数は適宜変更可能である。
【0053】
なお、上記第二実施形態では、多孔質層255aの密度は、高圧側HPから低圧側LPに向かうにしたがい段階的に減少しているとしたが、これに限るものではない。多孔質層255aの密度は、高圧側HPから低圧側LPに向かうにしたがい漸次的に(徐々に)減少していてもよい。この場合、高圧側HPから低圧側LPに向かうしたがい、多孔質層255aによる燃焼ガスGの圧力損失を漸次的に(徐々に)低減することができる。
【0054】
<第三実施形態>
以下、本開示の第三実施形態に係るホールパターンシール350について、図8を参照して説明する。第三実施形態では、第一実施形態と同様の構成については、同一の名称や同一の符合を付す等して説明を適宜省略する。
【0055】
図8に示すように、連通流路354の流路断面S3は、軸線O方向の高圧側HPから軸線O方向の低圧側LPに向かうにしたがい増大する。このため、多孔質層355a(圧損部355)の径方向の厚さは、流路断面S3の軸線O方向の変化に対応して、軸線O方向の高圧側HPから軸線O方向の低圧側LPに向かうにしたがい増大する。
【0056】
本実施形態では、連通流路354の流路断面S3は、段階的に変化している。連通流路354は、流路断面S3が異なる3つの領域を有する。連通流路354のこれら3つの領域は、軸線O方向に並んでおり、高圧側HPから順に、第一断面領域371、第二断面領域372、第三断面領域373とされる。
【0057】
第一断面領域371は、連通流路354の中で流路断面S3が最も小さい領域である。第二断面領域372は、連通流路354の中で流路断面S3が2番目に小さい領域である。第三断面領域373は、連通流路354の中で流路断面S3が最も大きい領域である。
第一断面領域371の軸線O方向の寸法と第二断面領域372の軸線O方向の寸法と第三断面領域373の軸線O方向の寸法は、略等しい。
【0058】
また、本実施形態では、多孔質層355aの径方向の厚さは、段階的に変化している。多孔質層355aは、径方向の厚さが異なる領域を3つ有する。これら3つの領域は、軸線O方向に並んでおり、高圧側HPから順に、第一厚さ領域361、第二厚さ領域362、第三厚さ領域363とされる。
【0059】
第一厚さ領域361は、多孔質層355aの中で径方向の厚さが最も小さい領域である。第二厚さ領域362は、多孔質層355aの中で径方向の厚さが2番目に小さい領域である。第三厚さ領域363は、多孔質層355aの中で径方向の厚さが最も大きい領域である。
第一厚さ領域361の軸線O方向の寸法と第二厚さ領域362の軸線O方向の寸法と第三厚さ領域363の軸線O方向の寸法は、略等しい。
【0060】
本実施形態では、連通流路354の流路断面S3は、軸線O方向の高圧側HPから軸線O方向の低圧側LPに向かうにしたがい増大する。
【0061】
本実施形態によれば、高圧側HPほど連通流路354内の流路抵抗を大きくし、低圧側LPほど連通流路354内の流路抵抗を小さくすることができる。これにより、高圧側HPから低圧側LPに向かうしたがい、連通流路354を流通する燃焼ガスGの圧力損失を低減することができる。このため、連通流路354では、高圧側HPから低圧側LPに向かうにしたがい燃焼ガスGが流通し易くなる。したがって、連通流路354を流通する燃焼ガスGの流速を軸線O方向で均一化し、連通流路354から各穴部53に流入する燃焼ガスGの流入量が軸線O方向でばらつくことを抑制することができる。
【0062】
また、軸線O方向位置の圧力に合わせて、連通流路354の流路断面S3を調整することで、連通流路354内を流通する燃焼ガスGの流量を調整することができる。これにより、ホールパターンシール350の圧力分布の均一化を図る効果と、漏れ流れを低減する効果(シール性能)とのバランスを調整し、2つの効果の両立を図ることができる。
【0063】
なお、上記第三実施形態では、連通流路354は、流路断面S3が異なる領域を3つ有し、多孔質層355aは、径方向の厚さが異なる領域を3つ有しているとしたが、これに限るものではない。連通流路354の流路断面S3が異なる領域と、多孔質層355aの径方向の厚さが異なる領域の個数は、ともに適宜変更可能である。
【0064】
続いて、第三実施形態の変形例について図9を参照して説明する。
図9に示すように、連通流路354の流路断面S3は、高圧側HPから低圧側LPに向かうにしたがい漸次的に(徐々に)増大し、多孔質層355aの密度は、高圧側HPから低圧側LPに向かうにしたがい漸次的に(徐々に)増大していてもよい。この場合、高圧側HPから低圧側LPに向かうしたがい、多孔質層355aによる燃焼ガスGの圧力損失を漸次的に(徐々に)低減することができる。
【0065】
上述した第二実施形態と第三実施形態とを組み合わせ、ホールパターンシール250,350の圧力分布の均一化を図る効果と、漏れ流れを低減する効果(シール性能)とのバランスを調整してもよい。また、連通流路54,354を流通する燃焼ガスGの圧力損失が、軸線O方向で高圧側HPから低圧側LPに向かうにしたがい、小さくなるようにしなくてもよい。例えば、ホールパターンシール250,350が適用される製品の仕様に応じて、連通流路54,354の軸線O方向の中間部で、燃焼ガスGの圧力損失が最も大きくなるように多孔質層255a,355aの密度や連通流路54,354の流路断面S1,S3等を調整してもよい。
【0066】
<第四実施形態>
以下、本開示の第四実施形態に係るホールパターンシール450について、図10を参照して説明する。第四実施形態では、第一実施形態と同様の構成については、同一の名称や同一の符合を付す等して説明を適宜省略する。
【0067】
図10に示すように、連通流路454は、軸線O方向に延びるとともに、周方向に並ぶように複数設けられている。各連通流路454は、軸線O方向に延びる穴列56と径方向で重なるように配置されている。各連通流路454は、周方向に隣り合う連通流路454の間に設けられた仕切り板456によって仕切られている。仕切り板456は、軸線O方向に延びている。仕切り板456は、周方向に並んで複数設けられている。複数の仕切り板456は、軸線O方向から見て環状に配置されている。
【0068】
本実施形態では、連通流路454は、軸線O方向に延びるとともに、周方向に並ぶように複数設けられている。
【0069】
本実施形態によれば、各連通流路454を流通する燃焼ガスGは、周方向の力が作用しても仕切り板456によって周方向への流れを遮られる。これにより、ホールパターンシール450は、連通流路454内の燃焼ガスGを、より確実に軸線O方向に流通させることができる。したがって、連通流路454によって高圧側HPの穴部53に流入した流体を低圧側LPの穴部53に良好に導き、軸線O方向の圧力分布の均一化をより確実に図ることができる。
【0070】
<第五実施形態>
以下、本開示の第五実施形態に係るホールパターンシール550について、図11を参照して説明する。第五実施形態では、第一実施形態と同様の構成については、同一の名称や同一の符合を付す等して説明を適宜省略する。
【0071】
図11に示すように、複数の穴部553は、軸線O方向の高圧側HPから軸線O方向の低圧側LPに向かうにしたがい、穴径が大きくなるように配置されている。また、周方向に並ぶ複数の穴部553では、穴径が殆ど等しくなるようにされている。
【0072】
本実施形態では、軸線O方向の高圧側HPから軸線O方向の低圧側LPに向かうにしたがい、穴径が大きくなるように配置されている。
【0073】
本実施形態によれば、高圧側HPから低圧側LPに向かうにしたがい、各穴部553に流入する流体の流量を増大させることができる。これにより、軸線O方向の圧力分布の均一化をより確実に図ることができる。
【0074】
なお、上記第五実施形態では、複数の穴部53は、軸線O方向の高圧側HPから軸線O方向の低圧側LPに向かうにしたがい、穴径が大きくなるように配置されているとしたが、これに限るものではない。ホールパターンシール550が適用される製品の仕様に応じて、軸線O方向位置ごとに、穴部553の穴径を変更してもよい。例えば、複数の穴部553は、軸線O方向の高圧側HPから軸線O方向の低圧側LPに向かうにしたがい、穴径が小さくなるように配置されていてもよい。
【0075】
<その他の実施形態>
以上、本開示の実施の形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施の形態に限られるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。各実施形態及び各変形例を適宜組み合わせてもよい。
なお、上記実施形態では、ホールパターンシール50,250,350,450,550が、ガスタービン1に用いられる使用される場合について説明したが、これに限るものではない。ホールパターンシール50,250,350,450,550は、蒸気タービンや他の圧縮機等の大型の回転機械に用いられてもよい。
【0076】
なお、上記実施形態では、穴部53,553は、径方向に延びる円柱穴であるとしたが、これに限るものではない。穴部53,553は、例えば径方向に延びる角柱穴であってもよい。
【0077】
なお、上記実施形態では、複数の穴部53,553は、径方向内側から見て千鳥状に配列されているとしたが、これに限るものではない。複数の穴部53,553は、径方向内側から見て四角形格子状に配列されていてもよい。
【0078】
なお、上記実施形態では、圧損部55,255,355は、連通流路54,354,454に隙間なく設けられているとしたが、これに限るものではない。圧損部55,255,355は、連通流路54,354,454の一部にのみ設けられていてもよい。また、圧損部55,255,355は、連通流路54,354,454に設けられていなくてもよい。圧損部55,255,355の範囲は、適宜変更可能である。
【0079】
なお、上記実施形態では、圧損部55,255,355は多孔質層55a,255a,355aであるとしたが、これに限るものではない。圧損部55,255,355は、例えば、軸線O方向に貫通する複数の孔部が設けられたオリフィス板を軸線O方向に複数枚並べたものであってもよい。また、圧損部55,255,355は、円形フィンや、連通流路54,354,454の内面から突出する突起等であってもよい。
【0080】
<付記>
各実施形態に記載のホールパターンシール50,250,350,450,550は、例えば以下のように把握される。
【0081】
(1)第1の態様に係るホールパターンシール50,250,350,450,550は、軸線Oに沿って延び、前記軸線O回りに回転可能なロータ11と、前記ロータ11の外周側に配置されたステータ12との間に設けられ、前記ロータ11と前記ステータ12との空間を高圧側HPと低圧側LPとに区画するホールパターンシール50,250,350,450,550であって、前記ロータ11の外周面を覆うように配置される円筒状のシール本体51と、前記シール本体51の内周面に前記軸線O方向及び前記軸線Oの周方向にわたって複数設けられ、前記軸線Oの径方向内側に開口する穴部53,553と、前記シール本体51内の複数の前記穴部53,553よりも前記径方向外側に設けられ、複数の前記穴部53,553を前記軸線O方向に連通させて、前記軸線O方向の高圧側HPから前記軸線O方向の低圧側LPに向けて流体を流通させる連通流路54,354,454と、を備える。
流体の例として、燃焼ガスGや蒸気等が挙げられる。
【0082】
本態様によれば、ホールパターンシール50,250,350,450,550は、連通流路54,354,454によって高圧側HPの穴部53,553に流入した流体を低圧側LPの穴部53,553に導くことができる。
【0083】
(2)第2の態様のホールパターンシール350は、(1)のホールパターンシール350であって、前記連通流路354の流路断面S3は、前記軸線O方向の高圧側HPから前記軸線O方向の低圧側LPに向かうにしたがい増大してもよい。
【0084】
本態様によれば、高圧側HPから低圧側LPに向かうしたがい、連通流路354を流通する流体の圧力損失を低減することができる。これにより、連通流路354では、高圧側HPから低圧側LPに向かうにしたがい流体が流通し易くなる。
【0085】
(3)第3の態様のホールパターンシール50,250,350,450,550は、(1)または(2)のホールパターンシール50,250,350,450,550であって、前記連通流路54,354,454には、前記連通流路54,354,454内を流通する流体に圧力損失を生じさせる圧損部55,255,355を備えてもよい。
【0086】
本態様によれば、ホールパターンシール50,250,350,450,550は、連通流路54,354,454を流通する流体の流量を適度に減少させることができる。
【0087】
(4)第4の態様のホールパターンシール50,250,350,450,550は、(3)のホールパターンシール50,250,350,450,550であって、前記圧損部55,255,355は、流体が通過可能な多孔質層55a,255a,355aであってもよい。
【0088】
本態様によれば、連通流路54,354,454内に多孔質層55a,255a,355aを配置するだけの簡単な構成で、連通流路54,354,454内に圧損部55,255,355を設けることができる。
【0089】
(5)第5の態様のホールパターンシール250は、(4)のホールパターンシール250であって、前記多孔質層255aの密度は、前記軸線O方向の高圧側HPから前記軸線O方向の低圧側LPに向かうにしたがい減少してもよい。
【0090】
本態様によれば、高圧側HPから低圧側LPに向かうしたがい、多孔質層255aによる流体の圧力損失を低減することができる。これにより、多孔質層255aが設けられた連通流路54では、高圧側HPから低圧側LPに向かうにしたがい流体が流通し易くなる。
【0091】
(6)第6の態様のホールパターンシール450は、(1)から(5)のいずれかのホールパターンシール450であって、前記連通流路454は、前記軸線O方向に延びるとともに、前記周方向に並ぶように複数設けられていてもよい。
【0092】
本態様によれば、ホールパターンシール450は、連通流路454内の流体を、より確実に軸線O方向に流通させることができる。
【0093】
(7)第7の態様のホールパターンシール550は、(1)から(6)のいずれかのホールパターンシール550であって、複数の前記穴部553は、前記軸線O方向の高圧側HPから前記軸線O方向の低圧側LPに向かうにしたがい、穴径が大きくなるように配置されていてもよい。
【0094】
本態様によれば、高圧側HPから低圧側LPに向かうにしたがい、各穴部553に流入する流体の流量を増大させることができる。
【符号の説明】
【0095】
1…ガスタービン 2…圧縮機 3…圧縮機ロータ 4…圧縮機ケーシング 5…圧縮機動翼段 7…圧縮機静翼段 9…燃焼器 10…タービン 11…ロータ 11a…回転軸 12…ステータ 13…タービン静翼段 14…タービン静翼 15…タービンケーシング 20…タービン動翼段 30…タービン動翼 40…保持環 42…シュラウド 50…ホールパターンシール 51…シール本体 52…フランジ 53…穴部 54…連通流路 55…圧損部 55a…多孔質層 55b…微細孔 56…穴列 250…ホールパターンシール 255…圧損部 255a…多孔質層 255b…微細孔 261…第一密度領域 262…第二密度領域 263…第三密度領域 350…ホールパターンシール 354…連通流路 355…圧損部 355a…多孔質層 361…第一厚さ領域 362…第二厚さ領域 363…第三厚さ領域 371…第一断面領域 372…第二断面領域 373…第三断面領域 450…ホールパターンシール 454…連通流路 456…仕切り板 550…ホールパターンシール 553…穴部 G…燃焼ガス(流体) HP…高圧側 LP…低圧側 O…軸線 S1…流路断面 S3…流路断面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11