(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023114272
(43)【公開日】2023-08-17
(54)【発明の名称】ラベル剥離装置
(51)【国際特許分類】
B65C 9/18 20060101AFI20230809BHJP
【FI】
B65C9/18
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022016550
(22)【出願日】2022-02-04
(71)【出願人】
【識別番号】000000941
【氏名又は名称】株式会社カネカ
(74)【代理人】
【識別番号】110002837
【氏名又は名称】弁理士法人アスフィ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】江田 拓朗
【テーマコード(参考)】
3E095
【Fターム(参考)】
3E095BA03
3E095CA01
3E095DA03
3E095DA22
3E095DA34
3E095FA08
3E095FA18
(57)【要約】
【課題】単純な構造であり、ラベルの剥離を円滑に行うことができるラベル剥離装置を提供する。
【解決手段】ラベル10と接触するローラ20を有しており、ローラ20は、吸気流路50と、ローラ20の外側と吸気流路50が連通する第1吸引孔91と、ローラ20の外側と吸気流路50が連通し、ローラ20の周方向において第1吸引孔91と異なる位置に配置されている第2吸引孔92と、を備え、下記の式によって算出した第2吸引孔92の吸着力は、第1吸引孔91の吸着力よりも大きいラベル剥離装置1。
吸着力(N)=孔の断面積(m
2)×真空度(Pa)
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ラベルと接触するローラを有しており、
前記ローラは、吸気流路と、前記ローラの外側と前記吸気流路が連通する第1吸引孔と、前記ローラの外側と前記吸気流路が連通し、前記ローラの周方向において前記第1吸引孔と異なる位置に配置されている第2吸引孔と、を備え、
下記の式によって算出した前記第2吸引孔の吸着力は、前記第1吸引孔の吸着力よりも大きいラベル剥離装置。
吸着力(N)=孔の断面積(m2)×真空度(Pa)
【請求項2】
前記吸気流路は、第1吸気流路および第2吸気流路を有しており、
前記第1吸気流路と前記第2吸気流路とは、互いに独立している請求項1に記載のラベル剥離装置。
【請求項3】
前記ラベルは、前記ラベルの長さの1/4を含む先頭部分を有しており、
前記第2吸引孔は、前記先頭部分に同期されている請求項1または2に記載のラベル剥離装置。
【請求項4】
前記第2吸引孔の延在方向が鉛直方向と一致した状態において、前記第2吸引孔は、前記ラベルの前記先頭部分に吸着する請求項3に記載のラベル剥離装置。
【請求項5】
前記ラベルは、前記ラベルの長さの1/4を含む後尾部分を有しており、
前記後尾部分に同期されている前記第1吸引孔がある請求項1~4のいずれか一項に記載のラベル剥離装置。
【請求項6】
前記ローラの周上における前記第2吸引孔が配置されている領域の面積は、前記第1吸引孔が配置されている領域の面積よりも小さい請求項1~5のいずれか一項に記載のラベル剥離装置。
【請求項7】
前記ローラは、内腔を有する外側ローラと、内腔を有しており、前記外側ローラの内腔に配置されている内側ローラと、を含んでおり、
前記内側ローラは、前記外側ローラと連動して回転する請求項1~6のいずれか一項に記載のラベル剥離装置。
【請求項8】
さらに、前記ラベルを載置する載置台を有しており、
前記ラベルは、前記ラベルの粘着面側に剥離紙を備えており、
前記載置台は、前記剥離紙を下方へ引っ張って固定することができる請求項1~7のいずれか一項に記載のラベル剥離装置。
【請求項9】
さらに、前記ラベルを載置する載置台を有しており、
前記ラベルは、前記ラベルの粘着面側に剥離紙を備えており、
前記載置台は、前記ラベルと前記剥離紙との間に挿入する突出部を有している請求項1~7のいずれか一項に記載のラベル剥離装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ラベルを剥離するラベル剥離装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、ラベルの粘着面を剥離紙等から剥離して任意の場所に貼り付ける作業を自動化することが求められている。従来の機構では、ラベルが剥離紙に連続して貼り付けられており、剥離紙がロール状に巻回されたロール体や、剥離紙が蛇腹状に折り畳まれたファンフォールド体を用い、剥離紙からラベル剥離ユニットによってラベルを剥離し、対象物へラベルを貼り付けるものが知られている。
【0003】
例えば、特許文献1には、ラベル両端周囲位置が凹状をなすテーブルとラベル両端外側位置に剥離用の切込みを施されラベルをマトリクス状に貼付けられたシート状の台紙を用い、ラベルの両端圧縮ばねにより互いに開方向に付勢された一対の吸着ノズルと台紙からラベルの両端を剥離すると共に台紙を固定するための一対のアームを有する機構をロボットの先端に取付けてハンドリングを行なうことを特徴とする粘着ラベルハンドリング方法が記載されている。
【0004】
特許文献2には、ラベル台紙と、前記ラベル台紙上に剥離可能に貼られたラベルと、前記ラベルに隣接して該ラベル台紙に設けられた剥離しろとで構成されたラベルシートからラベルを剥離する装置であって、所定の剥離位置に位置決めされた前記ラベルシートにおけるラベルの剥離しろ側端縁の裏面側に位置する第1ローラと、前記位置決めされたラベルシートの剥離しろの表面側に位置する第2ローラと、前記位置決めされたラベルシートのラベルの表面側であって、前記第1ローラを挟んで前記第2ローラと反対側に位置する第3ローラと、前記位置決めされたラベルシートに沿った方向における前記第1ローラの両側に前記第2ローラ及び前記第3ローラが位置するように、該第2ローラ及び該第3ローラを移動させ、又は該第1ローラを移動させることにより、該ラベルシートからラベルの剥離しろ側端縁を剥離させる端縁剥離手段と、前記ラベルの剥離しろ側端縁が剥離されたラベルシートの剥離しろ側端縁を前記第1ローラ及び前記第2ローラで挟んでこれらを回転させることにより、該ラベルが剥離されたラベルシートを排出する剥離済みシート排出手段とを備えることを特徴とするラベル剥離装置が記載されている。
【0005】
また、特許文献3には、支持機械によって支持されるフレームと、前記フレームに支持され、吸着パッドを有する吸着ユニットと、前記吸着パッドの下方に配置される尖った先端を有する爪部材と、前記フレームに支持され、前記爪部材を前記吸着パッドに対して上下方向に移動可能に支持する移動機構と、前記移動機構によって、前記爪部材の前記先端に載っているラベルの端部に前記吸着パッドが上方から接触している状態で、前記爪部材の前記吸着パッドに対する前記上下方向の移動をロックするロック装置とを備える、ラベル剥がし機能付きラベル貼付装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平7-156931号公報
【特許文献2】特開2017-200824号公報
【特許文献3】特開2019-172283号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1の粘着ラベルハンドリング方法では、ラベルを剥離紙から剥離させるため剥離紙に切り込みを入れておく必要がある。そのため、予めラベルが貼付されている剥離紙に切り込みを入れる加工を施さなければならないという問題や、使用できるラベルの大きさや形状等に制限があるという問題があった。
【0008】
特許文献2のラベル剥離装置では、剥離紙に剥離しろが設けられているラベルを用いる必要があり、使用できるラベルの大きさや剥離紙の形態に制限があるという問題があった。また、ラベルの材質や形状によってはうまく剥離できず、剥離不良や貼付不良が発生することがあった。
【0009】
特許文献3のラベル貼付装置では、装置の構造が複雑であり、装置の準備やメンテナンスが煩雑なものとなってしまうという問題があった。
【0010】
本発明は、前記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、単純な構造であり、ラベルの剥離を円滑に行うことができるラベル剥離装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記課題を解決することができたラベル剥離装置は、ラベルと接触するローラを有しており、ローラは、吸気流路と、ローラの外側と吸気流路が連通する第1吸引孔と、ローラの外側と吸気流路が連通し、ローラの周方向において第1吸引孔と異なる位置に配置されている第2吸引孔と、を備え、下記の式によって算出した第2吸引孔の吸着力は、第1吸引孔の吸着力よりも大きいことを特徴とするものである。
吸着力(N)=孔の断面積(m2)×真空度(Pa)
【0012】
本発明のラベル剥離装置において、吸気流路は、第1吸気流路および第2吸気流路を有しており、第1吸気流路と第2吸気流路とは、互いに独立していることが好ましい。
【0013】
本発明のラベル剥離装置において、ラベルは、ラベルの長さの1/4を含む先頭部分を有しており、第2吸引孔は、先頭部分に同期されていることが好ましい。
【0014】
本発明のラベル剥離装置は、第2吸引孔の延在方向が鉛直方向と一致した状態において、第2吸引孔は、ラベルの前記先頭部分に吸着することが好ましい。
【0015】
本発明のラベル剥離装置において、ラベルは、ラベルの長さの1/4を含む後尾部分を有しており、後尾部分に同期されている前記第1吸引孔があることが好ましい。
【0016】
本発明のラベル剥離装置において、ローラの周上における第2吸引孔が配置されている領域の面積は、第1吸引孔が配置されている領域の面積よりも小さいことが好ましい。
【0017】
本発明のラベル剥離装置において、ローラは、内腔を有する外側ローラと、内腔を有しており、外側ローラの内腔に配置されている内側ローラと、を含んでおり、内側ローラは、外側ローラと連動して回転することが好ましい。
【0018】
本発明のラベル剥離装置において、さらに、ラベルを載置する載置台を有しており、ラベルは、ラベルの粘着面側に剥離紙を備えており、載置台は、剥離紙を下方へ引っ張って固定することができることが好ましい。
【0019】
本発明のラベル剥離装置において、さらに、ラベルを載置する載置台を有しており、ラベルは、ラベルの粘着面側に剥離紙を備えており、載置台は、ラベルと剥離紙との間に挿入する突出部を有していることが好ましい。
【発明の効果】
【0020】
本発明のラベル剥離装置によれば、ローラが、吸気流路と、ローラの外側と吸気流路が連通する第1吸引孔と、ローラの外側と吸気流路が連通し、ローラの周方向において第1吸引孔と異なる位置に配置されている第2吸引孔と、を備え、算出した第2吸引孔の吸着力は、第1吸引孔の吸着力よりも大きいことにより、ローラが吸着力の異なる2種類の吸引孔を有することとなる。ローラがラベルを吸着して剥離する際に、例えば、ラベルの先頭部分等の剥離に大きな力が必要である部分は吸着力の大きな第2吸引孔にて吸着を行い、ラベルの後尾部分等のラベルをローラへ保持するためにローラへ吸着しておきたい部分には吸着力の小さい第1吸引孔にて吸着を行う等、ラベルの部分によって吸着力を変えることにより、安定的にラベルを円滑に剥離することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本発明の一実施の形態におけるラベル剥離装置の模式図を表す。
【
図2】
図1に示したラベル剥離装置のローラの幅方向に垂直な断面図を表す。
【
図3】
図1に示したラベル剥離装置のローラを回転させた状態での模式図を表す。
【
図4】
図3に示したラベル剥離装置のローラの幅方向に垂直な断面図を表す。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、下記実施の形態に基づき本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施の形態によって制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。なお、各図面において、便宜上、ハッチングや部材符号等を省略する場合もあるが、かかる場合、明細書や他の図面を参照するものとする。また、図面における種々部材の寸法は、本発明の特徴の理解に資することを優先しているため、実際の寸法とは異なる場合がある。
【0023】
図1は本発明の一実施の形態におけるラベル剥離装置1の模式図であり、
図2は
図1に示した状態でのラベル剥離装置1のローラ20の幅方向に垂直な断面図であり、
図3はラベル剥離装置1のローラ20を回転させた状態での模式図であり、
図4は
図3に示した状態でのラベル剥離装置1のローラ20の幅方向に垂直な断面図である。本発明におけるローラ20の周方向は、ローラ20の周まわりの方向である。
【0024】
図1~
図4に示すように、本発明のラベル剥離装置1は、ラベル10と接触するローラ20を有している。ラベル10がローラ20の外周に沿うように、ローラ20にラベル10を吸着させて、ラベル10を剥離する。
【0025】
ラベル10は、一方側の面に粘着面を有するものであり、粘着面によって他物に貼り付けることができるものである。例えば、カテーテル等の医療用品の包装体にラベル10を貼付し、包装体の内容物である医療用品の種類を示すことや、包装体の開け口を示すこと等に用いることができる。
【0026】
ラベル10は、ラベル10の粘着面側に剥離紙11を有していることが好ましい。ラベル10が剥離紙11を有していることにより、ラベル10が意図せず他物に貼り付くことを防止し、ラベル10が取り扱いやすいものとなる。
【0027】
ラベル10が貼付されている剥離紙11は、ロール状に巻回された状態でラベル剥離装置1に供給されてもよいが、枚葉状に積み重ねられた状態でラベル剥離装置1に供給されることが好ましい。ラベル10が貼付されている剥離紙11が枚葉状態でラベル剥離装置1に供給されることにより、ラベル10を剥離した後の剥離紙11を排出することが行いやすくなり、ラベル剥離装置1によるラベル10の剥離を自動で行うことが可能となる。
【0028】
ローラ20は、円筒形状または円柱形状であり、回転可能である。ローラ20は、第1方向のみに回転するものであってもよく、第1方向と、第1方向とは反対側の第2方向の両方に回転するものであってもよい。なお、
図1~
図4において、ローラ20の第1方向の回転を矢印にて図示している。
【0029】
図1~
図4に示すように、ローラ20は、吸気流路50と、ローラ20の外側と吸気流路50が連通する第1吸引孔91と、ローラ20の外側と吸気流路50が連通し、ローラ20の周方向において第1吸引孔91と異なる位置に配置されている第2吸引孔92と、を備えている。第1吸引孔91および第2吸引孔92がそれぞれ吸気流路50と連通していることにより、第1吸引孔91および第2吸引孔92がラベル10を吸着するための吸引孔となる。第1吸引孔91および第2吸引孔92によって、ローラ20によりラベル10を剥離紙11から剥離し、剥離したラベル10をローラ20に吸着して保持することができる。
【0030】
ローラ20を構成する材料は、例えば、鉄、銅、アルミニウムまたはこれらの合金等の金属、ゴム、エラストマー等が挙げられる。中でも、ローラ20は、金属と、ゴムまたはエラストマーと、を組み合わせて構成されていることが好ましい。具体的には、ローラ20は、アルミ合金製の円筒状物と、この円筒状物の外周面にシリコーンゴムシートを配置して構成されていることが好ましい。シリコーンゴムシートとしては、例えば、厚さが2mm、ショアA硬度が50度のものを使用することができる。ローラ20を構成する材料が金属であることにより、ローラ20の耐久性が高まり、破損しにくくなる。また、ローラ20を構成する円筒状物の外周面にゴムまたはエラストマーを配置していることにより、ローラ20がラベル10と接触した際に円筒状物の外周面に配置されているゴムまたはエラストマーが変形し、ローラ20の表面とラベル10とが密着して、ラベル10を吸着しやすくするという効果を有している。
【0031】
第1吸引孔91の深さ方向に垂直な断面形状は、例えば、円形、楕円形、多角形等が挙げられる。中でも、第1吸引孔91の深さ方向に垂直な断面形状は、円形であることが好ましい。第1吸引孔91の断面形状が円形であることにより、第1吸引孔91の大きさを大きくし過ぎずに、第1吸引孔91の吸着力を高めることが可能となる。
【0032】
第2吸引孔92の深さ方向に垂直な断面形状は、第1吸引孔91の深さ方向に垂直な断面形状として挙げた形状と同様に、円形、楕円形、多角形等が挙げられる。第2吸引孔92の深さ方向に垂直な断面形状は、第1吸引孔91の深さ方向に垂直な断面形状と同じであってもよく、異なっていてもよい。第2吸引孔92の深さ方向に垂直な断面形状は、円形であることが好ましい。
【0033】
下記の式によって算出した第2吸引孔92の吸着力は、第1吸引孔91の吸着力よりも大きい。
吸着力(N)=孔の断面積(m2)×真空度(Pa)
【0034】
第2吸引孔92の吸着力が第1吸引孔91の吸着力よりも大きいことにより、ローラ20が、第1吸引孔91と、第1吸引孔91よりも吸着力の大きい第2吸引孔92とを有する、つまり、吸着力が異なる吸引孔を有するものとなる。ローラ20によってラベル10の剥離を行う際に、例えば、ラベル10の先頭部分等のラベル10に大きな力を与えた方が円滑に剥離を行いやすくなる部分には、吸着力の大きな第2吸引孔92によって吸着を行い、ラベル10の後尾部分等の大きな力は必ずしも必要ではないがローラ20へ保持するために吸着しておきたい部分には、第2吸引孔92よりも吸着力の小さい第1吸引孔91によって吸着を行う等、ラベル10の部位によって吸着力を変えることが可能となる。ラベル10の部位によって吸着力を変えることにより、ラベル10を安定してローラ20に吸着および保持することができ、ラベル10の剥離を円滑に行うことができる。
【0035】
第2吸引孔92の吸着力は、第1吸引孔91の吸着力の1.1倍以上であることが好ましく、1.3倍以上であることがより好ましく、1.5倍以上であることがさらに好ましい。第1吸引孔91と第2吸引孔92の吸着力の比率の下限値を上記の範囲に設定することにより、第1吸引孔91と第2吸引孔92とで吸着力に十分な差をつけることができる。また、第2吸引孔92の吸着力は、第1吸引孔91の吸着力の10倍以下であることが好ましく、8倍以下であることがより好ましく、5倍以下であることがさらに好ましい。第1吸引孔91と第2吸引孔92の吸着力の比率の上限値を上記の範囲に設定することにより、第1吸引孔91および第2吸引孔92の吸着力が適度なものとなり、ラベル10の剥離の際に、ラベル10に傷や皺が入りにくく、かつ、剥離させたラベル10をローラ20へ十分に保持しやすくなる。
【0036】
ローラ20が有している第1吸引孔91の数は、第2吸引孔92の数よりも多いことが好ましい。第1吸引孔91の数が第2吸引孔92の数よりも多いことにより、吸着力が小さい第1吸引孔91がローラ20の外周上の複数箇所に存在し、ラベル10の複数箇所においてラベル10をローラ20に保持することができる。第1吸引孔91は第2吸引孔92よりも吸着力が小さいため、ラベル10に傷や皺を入りにくくしながら、ローラ20にラベル10を十分に保持することができる。
【0037】
図1~
図4に示すように、吸気流路50は、第1吸気流路51および第2吸気流路52を有しており、第1吸気流路51と第2吸気流路52とは、互いに独立していることが好ましい。第1吸気流路51と第2吸気流路52とが互いに独立していることにより、第1吸気流路51を吸気して真空を発生させる真空発生装置と、第2吸気流路52を吸気して真空を発生させる真空発生装置とを、別々に存在させることが可能となる。その結果、第1吸気流路51の第1真空発生装置と、第2吸気流路52の第2真空発生装置とをそれぞれ調節して真空度を個別に設定することができ、第1真空発生装置によって吸気している第1吸気流路51と、第2真空発生装置によって吸気している第2吸気流路52とのそれぞれにおいて、吸引する力を容易に変化させることができる。
【0038】
図1~
図4に示すように、吸気流路50が第1吸気流路51および第2吸気流路52を有している場合、第1吸気流路51は、第1吸引孔91と連通しており、第2吸気流路52は、第2吸引孔92と連通していることが好ましい。第1吸気流路51が第1吸引孔91と連通しており、第2吸気流路52が第2吸引孔92と連通していることにより、第1吸引孔91の吸着力と第2吸引孔92の吸着力とを、それぞれ個別に調節しやすくなる。
【0039】
図1~
図4に示すように、ラベル10は、ラベル10の長さの1/4を含む先頭部分を有しており、第2吸引孔92は、先頭部分に同期されていることが好ましい。第2吸引孔92がラベル10の先頭部分に同期されていることにより、第1吸引孔91よりも吸着力が大きい第2吸引孔92によって、先頭部分を吸着することとなる。先頭部分は、ラベル10の剥離の起点となることより、ラベル10の円滑な剥離のためには、ラベル10の他の部分よりも大きな吸着力で吸着することが好ましい。従って、第2吸引孔92が先頭部分に同期されていることにより、ラベル10の剥離を円滑に行いやすくなる。
【0040】
図1および
図2に示すように、第2吸引孔92の延在方向が鉛直方向と一致した状態において、第2吸引孔92は、ラベル10の先頭部分に吸着することが好ましい。第2吸引孔92の延在方向が鉛直方向と一致した状態において、第2吸引孔92が先頭部分に吸着することにより、第2吸引孔92の吸引する力がラベル10に伝わりやすく、また、ラベル10を第2吸引孔92によって吸着する際に、ラベル10に傷や皺が入りにくくなる。
【0041】
図1~
図4に示すように、ラベル10は、ラベル10の長さの1/4を含む後尾部分を有しており、後尾部分に同期されている第1吸引孔91があることが好ましい。後尾部分に同期されている第1吸引孔91があることにより、第2吸引孔92よりも吸着力が小さい第1吸引孔91によって、後尾部分を吸着することとなる。後尾部分は、先頭部分がローラ20に吸着されて剥離した後に剥離するため、先頭部分ほど剥離に力が必要ではない部分である。剥離したラベル10をローラ20上に安定的に保持するためには、ラベル10の後尾部分をローラ20に吸着させておくことが好ましい。後尾部分に同期されている第1吸引孔91があることにより、ラベル10の後尾部分をローラ20へ十分に吸着しつつ、ラベル10に傷や皺を入りにくくすることができる。
【0042】
第1吸引孔91が複数存在する場合、全ての第1吸引孔91がラベル10の後尾部分に同期されていてもよく、一部の第1吸引孔91が後尾部分に同期されていてもよい。第1吸引孔91が複数存在しており、一部の第1吸引孔91が後尾部分に同期されている場合、後尾部分に同期されていない第1吸引孔91は、ラベル10の後尾部分以外の部分でラベル10を吸着していてもよく、ラベル10を吸着していなくてもよい。
【0043】
図1~
図4に示すように、ローラ20の周上における第2吸引孔92が配置されている領域の面積は、第1吸引孔91が配置されている領域の面積よりも小さいことが好ましい。第2吸引孔92が配置されている領域の面積が、第1吸引孔91が配置されている領域の面積よりも小さいことにより、ラベル10の剥離において、他の部分よりも大きな力を必要としている部分には吸着力の大きな第2吸引孔92によってピンポイントに吸着することができ、また、その他の部分は吸着力の小さな第1吸引孔91によって広い範囲を吸着することができる。その結果、ラベル10の全体を効率的にローラ20へ吸着および保持することができ、ラベル10の剥離を円滑に行うことができる。
【0044】
ローラ20の周上における第2吸引孔92が配置されている領域の面積は、第1吸引孔91が配置されている領域の面積の50%以下であることが好ましく、45%以下であることがより好ましく、40%以下であることがさらに好ましい。第2吸引孔92が配置されている領域の面積と、第1吸引孔91が配置されている領域の面積との比率の上限値を上記の範囲に設定することにより、第2吸引孔92によって、他の部分よりも大きな吸着力にてピンポイントにラベル10を吸着することが可能となる。また、ローラ20の周上における第2吸引孔92が配置されている領域の面積は、第1吸引孔91が配置されている領域の面積の10%以上であることが好ましく、15%以上であることがより好ましく、20%以上であることがさらに好ましい。第2吸引孔92が配置されている領域の面積と、第1吸引孔91が配置されている領域の面積との比率の下限値を上記の範囲に設定することにより、第1吸引孔91の面積を十分に確保することができ、ローラ20にラベル10の全体を十分に保持することができる。
【0045】
図1~
図4に示すように、ローラ20は、内腔を有する外側ローラ30と、内腔を有しており、外側ローラ30の内腔に配置されている内側ローラ40と、を含んでおり、内側ローラ40は、外側ローラ30と連動して回転することが好ましい。ローラ20が、外側ローラ30と、外側ローラ30と連動して回転する内側ローラ40と、を含んでいることにより、ローラ20が分解可能な構成となり、ローラ20の点検やメンテナンス等が行いやすくなる。
【0046】
外側ローラ30は、ローラ20の回転軸に沿って延在する内腔を有する筒形状である。ローラ20の回転軸に垂直な外側ローラ30の内腔の断面形状は、多角形であってもよいが、円形であることが好ましい。外側ローラ30の内腔の断面形状が円形であることにより、外側ローラ30の内腔に内側ローラ40を配置した状態において、外側ローラ30が円滑に回転することができる。また、外側ローラ30の内腔の形状が円形であることによって、外側ローラ30の内腔が広くなるため、吸気流路50を広く確保することが可能となる。
【0047】
外側ローラ30を構成する材料は、例えば、鉄、銅、アルミニウムまたはこれらの合金等の金属、ゴム、エラストマー等が挙げられる。中でも、外側ローラ30は、金属と、ゴムまたはエラストマーと、を組み合わせて構成されていることが好ましい。具体的には、外側ローラ30は、アルミ合金製の円筒状物と、この円筒状物の外周面にシリコーンゴムシートを配置して構成されていることが好ましい。シリコーンゴムシートとしては、例えば、厚さが2mm、ショアA硬度が50度のものを使用することができる。外側ローラ30を構成する材料が金属であることにより、外側ローラ30の耐久性が高まり、破損しにくくなる。また、外側ローラ30を構成する円筒状物の外側面にゴムまたはエラストマーを配置していることにより、外側ローラ30がラベル10と接触した際に円筒状物の外周面に配置されているゴムまたはエラストマーが変形し、外側ローラ30の表面とラベル10とが密着して、ラベル10を吸着しやすくするという効果を有している。
【0048】
内側ローラ40は、ローラ20の回転軸に沿って延在する内腔を有する筒形状である。ローラ20の回転軸に垂直な内側ローラ40の内腔の断面形状は、多角形であってもよく、円形であってもよい。中でも、ローラ20の回転軸に垂直な内側ローラ40の内腔の断面形状は、円形であることが好ましい。内側ローラ40の内腔の断面形状が円形であることにより、内側ローラ40の製造やメンテナンスが容易となる。
【0049】
内側ローラ40を構成する材料としては、例えば、鉄、銅、アルミニウムまたはこれらの合金等の金属、ゴム、エラストマー等が挙げられる。内側ローラ40を構成する材料は、外側ローラ30を構成する材料と異なっていてもよいが、同じであることが好ましい。内側ローラ40を構成する材料が、外側ローラ30を構成する材料と同じであることにより、外側ローラ30と内側ローラ40とで強度が同程度となりやすく、ローラ20の耐久性を高めることができる。
【0050】
図1~
図4に示すように、外側ローラ30は、外側ローラ30の外側と外側ローラ30の内腔とが連通する孔60を外側ローラ30の周方向に複数有し、外側ローラ30の内側であって内側ローラ40の周方向の一部区間に吸気流路50を有し、吸気流路50は、孔60と連通していることが好ましい。外側ローラ30が孔60を有し、内側ローラ40が孔60と連通している吸気流路50を有していることにより、孔60が第1吸引孔91および第2吸引孔92を含むラベル10を吸着するための吸引孔となる。外側ローラ30の周方向に吸引孔である孔60が存在していることによって、ローラ20によりラベル10を剥離紙11から剥離し、剥離したラベル10をローラ20に吸着して保持しやすくなる。
【0051】
外側ローラ30は、外側ローラ30の幅方向にも孔60を複数有していることが好ましい。外側ローラ30が、孔60を外側ローラ30の周方向および幅方向のそれぞれに複数有していることにより、外側ローラ30の表面の全体にわたって孔60が存在し、ラベル10が外側ローラ30の表面に安定的に保持されやすくなる。
【0052】
孔60の深さ方向に垂直な断面形状は、例えば、円形、楕円形、多角形等が挙げられる。中でも、孔60の深さ方向に垂直な断面形状は、円形であることが好ましい。孔60の断面形状が円形であることにより、孔60の大きさを大きくし過ぎずに、孔60の吸着力を高めることが可能となる。
【0053】
外側ローラ30が有している複数の孔60のそれぞれの大きさは、異なっていてもよいが、同じであることが好ましい。外側ローラ30が有している複数の孔60のそれぞれの大きさが同じであることにより、外側ローラ30の全体において、孔60の吸着力が同程度となりやすくなる。その結果、外側ローラ30のどの位置であってもラベル10を吸着および保持しやすくなる。
【0054】
図1~
図4に示すように、内側ローラ40は、内側ローラ40の外表面に、吸気流路50と連通する流路孔70を有しており、流路孔70の数は、複数であることが好ましい。流路孔70の数が複数であることにより、流路孔70を介して吸気流路50と連通する外側ローラ30が有する孔60の数を増やすことが可能となる。その結果、ローラ20が有する吸引孔が増え、ラベル10の吸着力が高いローラ20とすることができる。
【0055】
図1~
図4に示すように、吸気流路50が第1吸気流路51および第2吸気流路52を有しており、流路孔70が第1流路孔71と第2流路孔72を有している場合、第1流路孔71が第1吸気流路51と連通し、第2流路孔72が第2吸気流路52と連通することが好ましい。第1流路孔71が第1吸気流路51と連通し、第2流路孔72が第2吸気流路52と連通することにより、第1流路孔71と第2流路孔72とがそれぞれ独立しており、真空度を個別に調節可能となる。さらに、第1流路孔71と第2流路孔72とがそれぞれ独立していることによって、第1流路孔71と第2流路孔72とが、互いの吸着力に影響を与えないようにすることが可能である。
【0056】
図1~
図4に示すように、流路孔70は、第1流路孔71と第2流路孔72を有しており、内側ローラ40の外表面における第1流路孔71の面積は、第2流路孔72の面積よりも大きいことが好ましい。内側ローラ40の外表面における第1流路孔71の面積とは、第1流路孔71に垂直な方向から見た、内側ローラ40の外表面での第1流路孔71の面積を指す。内側ローラ40の外表面における第2流路孔72の面積とは、第2流路孔72に垂直な方向から見た、内側ローラ40の外表面での第2流路孔72の面積を指す。第1流路孔71の面積が第2流路孔72の面積よりも大きいことにより、第1流路孔71を介して吸気流路50と連通する孔60の数を、第2流路孔72を介して吸気流路50と連通する孔60の数よりも増やすことができる。そのため、例えば、第1流路孔71を介して吸気流路50と連通する孔60を、ラベル10の長さの1/4を含む先頭部分に吸着させ、第2流路孔72を介して吸気流路50と連通する孔60をラベル10の長さの1/4を含む後尾部分に吸着させる等、ラベル10の部分によってローラ20への吸着力を変化させることが可能となる。
【0057】
内側ローラ40の外表面における第1流路孔71の面積は、第2流路孔72の面積の1.5倍以上であることが好ましく1.7倍以上であることがより好ましく、2倍以上であることがさらに好ましい。第1流路孔71の面積と第2流路孔72の面積との比率の下限値を上記の範囲に設定することにより、第2流路孔72に対して第1流路孔71の大きさを十分に大きくすることができる。また、内側ローラ40の外表面における第1流路孔71の面積は、第2流路孔72の面積の10倍以下であることが好ましく、8倍以下であることがより好ましく、5倍以下であることがさらに好ましい。第1流路孔71の面積と第2流路孔72の面積との比率の上限値を上記の範囲に設定することにより、ローラ20の周上において吸気流路50と連通しない孔60を確保することができ、ローラ20の全周の長さを超える大きさのラベル10であっても、ローラ20によって剥離が可能となる。
【0058】
図1~
図4に示すように、内側ローラ40の流路孔70の数は、外側ローラ30の孔60の数よりも少ないことが好ましい。内側ローラ40の流路孔70の数が外側ローラ30の孔60の数よりも少ないことにより、1つの流路孔70を介して連通する孔60の数を複数とすることができ、1つの孔60の吸着力が高くなりすぎず、ラベル10の剥離の際に、ラベル10に傷や皺が入りにくくすることができる。
【0059】
内側ローラ40の外表面における第1流路孔71の面積は、外側ローラ30の外表面における1つの孔60の面積よりも大きいことが好ましい。内側ローラ40の外表面における第1流路孔71の面積とは、第1流路孔71に垂直な方向から見た、内側ローラ40の外表面での第1流路孔71の面積を指す。内側ローラ40の外表面における孔60の面積とは、孔60に垂直な方向から見た、内側ローラ40の外表面での孔60の面積を指す。第1流路孔71の面積が1つの孔60の面積よりも大きいことにより、第1流路孔71を介して吸気流路50と連通している孔60が、ローラ20の回転によって一定時間は吸引孔となる。そのため、ラベル10の一定の長さ分をローラ20に保持することができるため、剥離紙11からのラベル10の剥離不良が起こりにくく、安定的にラベル10を剥離紙11から剥離することができる。
【0060】
内側ローラ40の外表面における第1流路孔71の面積は、外側ローラ30の外表面における1つの孔60の面積の3倍以上であることが好ましく、4倍以上であることがより好ましく、5倍以上であることがさらに好ましい。第1流路孔71の面積と1つの孔60の面積との比率の下限値を上記の範囲に設定することにより、1つの孔60の面積に対する第1流路孔71の面積を十分に確保することができ、ローラ20へラベル10を保持しやすくなる。また、内側ローラ40の外表面における第1流路孔71の面積は、外側ローラ30の外表面における1つの孔60の面積の30倍以下であることが好ましく、25倍以下であることがより好ましく、20倍以下であることがさらに好ましい。第1流路孔71の面積と1つの孔60の面積との比率の上限値を上記の範囲に設定することにより、ローラ20の外周において吸引孔が存在する領域が適度なものとなり、吸引孔に意図せず他物を吸着してしまうことが起こりにくくなる。
【0061】
さらに、ラベル10を載置する載置台80を有しており、ラベル10は、ラベル10の粘着面側に剥離紙11を備えており、載置台80は、剥離紙11を下方へ引っ張って固定することができることが好ましい。載置台80が剥離紙11を下方へ引っ張って固定することにより、ラベル10の端部が剥離紙11から浮き上がった状態となりやすく、ローラ20にラベル10が吸着されやすくなる。その結果、効率的にラベル10をローラ20によって剥離することが可能となる。
【0062】
載置台80は、ラベル10の先頭部分側にある剥離紙11を下方へ引っ張って固定することができることが好ましい。ラベル10の先頭部分側にある剥離紙11を下方へ引っ張って固定することにより、ローラ20によってラベル10をより剥離しやすくすることができる。ラベル10の先頭部分側にある剥離紙11を下方へ引っ張って固定する方法としては、例えば、剥離紙11が下方へ引っ張られた状態で、剥離紙11を載置台80に貼付する等して固定することが挙げられる。
【0063】
さらに、ラベル10を載置する載置台80を有しており、ラベル10は、ラベル10の粘着面側に剥離紙11を備えており、載置台80は、ラベル10と剥離紙11との間に挿入する突出部を有していることが好ましい。突出部は、ラベル10の端部から、ラベル10よりも下方かつ剥離紙11よりも上方に挿入されるものである。ラベル10の端部と剥離紙11との間に突出部を挿入することにより、剥離紙11からラベル10の端部を剥離させることができ、ラベル10をローラ20に吸着させることが容易となる。そのため、ローラ20によるラベル10の剥離を効率的に行うことができる。
【0064】
突出部は、ナイフ状の薄板部を有する構成であることが好ましい。突出部がナイフ状であることにより、ラベル10の端部からラベル10と剥離紙11との間に挿入しやすく、ラベル10の端部を剥離紙11から剥離させやすくなる。
【0065】
突出部は、ラベル10の先頭部分の端部と剥離紙11との間に挿入することが好ましい。つまり、突出部は、ラベル10の先頭部分から後尾部分に向かう方向に沿って、ラベル10の先頭部分の端部から、ラベル10よりも下方かつ剥離紙11よりも上方に挿入されることが好ましい。ラベル10の先頭部分の端部と剥離紙11との間に突出部を挿入することにより、ローラ20への吸着によって剥離紙11からラベル10を剥離しやすくすることが可能となる。
【0066】
本発明のラベル剥離装置1は、ラベル10をローラ20に保持して剥離するものであるが、ローラ20に保持しているラベル10を貼付することに用いてもよい。ラベル剥離装置1をラベル10の貼付に用いるには、例えば、ローラ20を第1方向へ回転させてラベル10を剥離してローラ20に保持し、ラベル10の貼付対象物にラベル10を接触させてローラ20を第1方向とは反対側の第2方向へ回転させてラベル10を貼付すること等が挙げられる。
【0067】
以上のように、本発明のラベル剥離装置は、ラベルと接触するローラを有しており、ローラは、吸気流路と、ローラの外側と吸気流路が連通する第1吸引孔と、ローラの外側と吸気流路が連通し、ローラの周方向において第1吸引孔と異なる位置に配置されている第2吸引孔と、を備え、下記の式によって算出した第2吸引孔の吸着力は、第1吸引孔の吸着力よりも大きいものである。
吸着力(N)=孔の断面積(m2)×真空度(Pa)
本発明のラベル剥離装置がこのような構成であることにより、ローラが吸着力の異なる2種類の吸引孔を有することとなって、ローラがラベルを吸着して剥離する際に、例えば、ラベルの先頭部分等の剥離に大きな力が必要である部分は吸着力の大きな第2吸引孔にて吸着を行い、ラベルの後尾部分等のラベルをローラへ保持するためにローラへ吸着しておきたい部分には吸着力の小さい第1吸引孔にて吸着を行う等、ラベルの部分によって吸着力を変えることにより、安定的にラベルを円滑に剥離することが可能となる。
【符号の説明】
【0068】
1:ラベル剥離装置
10:ラベル
11:剥離紙
20:ローラ
30:外側ローラ
40:内側ローラ
50:吸気流路
51:第1吸気流路
52:第2吸気流路
60:孔
70:流路孔
71:第1流路孔
72:第2流路孔
80:載置台
91:第1吸引孔
92:第2吸引孔