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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023114297
(43)【公開日】2023-08-17
(54)【発明の名称】着陸支援装置
(51)【国際特許分類】
   G08G 5/00 20060101AFI20230809BHJP
   B64C 39/02 20060101ALI20230809BHJP
   B64C 27/08 20230101ALI20230809BHJP
   B64F 1/12 20060101ALI20230809BHJP
   B64F 1/36 20170101ALI20230809BHJP
   H04B 10/112 20130101ALI20230809BHJP
   G01S 17/88 20060101ALI20230809BHJP
【FI】
G08G5/00 A
B64C39/02
B64C27/08
B64F1/12
B64F1/36
H04B10/112
G01S17/88
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022016588
(22)【出願日】2022-02-04
(71)【出願人】
【識別番号】000001133
【氏名又は名称】株式会社小糸製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100143764
【弁理士】
【氏名又は名称】森村 靖男
(72)【発明者】
【氏名】久保庭 拓也
(72)【発明者】
【氏名】井上 和久
【テーマコード(参考)】
5H181
5J084
5K102
【Fターム(参考)】
5H181AA26
5H181BB02
5H181CC03
5H181CC04
5H181CC12
5H181FF04
5H181FF05
5H181FF13
5J084AA04
5J084AA05
5J084BA36
5J084BA48
5J084BB26
5J084BB28
5K102AA23
5K102AL23
5K102AL28
5K102MA01
5K102MB20
5K102MH03
5K102MH15
5K102MH22
5K102PB01
5K102PH31
5K102RB02
5K102RD28
(57)【要約】
【課題】 着陸に適した特定のドローンを選択して着陸させ得る着陸支援装置を提供する。
【解決手段】 着陸支援装置1は、着陸ポート9の上空を含む所定の検知領域DA1を飛行する少なくとも1つのドローン8の位置を検知し、ドローン8の位置を示す位置情報を出力するドローン検知部2と、ドローン8に対して光通信を行う光通信部3と、制御部5と、を備え、制御部5は、ドローン8の位置情報に基づいて、ドローン検知部2が検知するドローン8から特定のドローン8を選択し、特定のドローン8に対して、光通信部3から着陸指示を示す光信号を送信させる。
【選択図】 図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
着陸ポートの上空を含む所定の検知領域を飛行する少なくとも1つのドローンの位置を検知し、前記ドローンの位置を示す位置情報を出力するドローン検知部と、
前記ドローンに対して光通信を行う光通信部と、
制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記位置情報に基づいて、前記ドローン検知部が検知する前記ドローンから特定のドローンを選択し、前記特定のドローンに対して、前記光通信部から着陸指示を示す光信号を送信させる
ことを特徴とする着陸支援装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記ドローン検知部が複数の前記ドローンを検知する場合、前記特定のドローン以外のドローンに対して、前記光通信部から着陸待機指示を示す光信号を送信させる
ことを特徴とする請求項1に記載の着陸支援装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記ドローン検知部が複数の前記ドローンを検知する場合、それぞれの前記ドローンの前記位置情報に基づいて、前記着陸ポートに最も近い前記ドローンを前記特定のドローンとして選択する
ことを特徴とする請求項1または2に記載の着陸支援装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記特定のドローンの前記位置情報に基づいて、前記特定のドローンの前記着陸ポートに対する相対位置を示す相対位置情報を前記光通信部から前記特定のドローンに送信させる
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の着陸支援装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記ドローン検知部が複数の前記ドローンを検知する場合、前記特定のドローン以外のドローンに対して、前記着陸ポートに対する当該ドローンの相対位置を示す相対位置情報を前記光通信部から当該ドローンに送信させる
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の着陸支援装置。
【請求項6】
前記ドローン検知部は、LiDARにより前記ドローンを検知する
ことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の着陸支援装置。
【請求項7】
前記着陸ポート上の物体を検知する物体検知部を更に備える
ことを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の着陸支援装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、着陸支援装置に関し、特にドローンが着陸する際の着陸支援装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ドローンは無線通信等により飛行する飛行体の一種であり、垂直に離着陸可能なドローンが普及している。このような、ドローンを用いた荷物の配送等が試されており、ドローンを着陸させるための着陸装置が知られている。下記特許文献1には、ドローンの着陸装置の一例が記載されている。この着陸装置はGPS装置を備え、自己のGPSによる位置情報をドローンに送信するものである。この着陸装置によれば、GPSを備えたドローンは、自己のGPSによる位置情報と、着陸装置から送信される着陸装置の位置情報とを比較しながら着陸することで、着陸精度を向上させることができると、特許文献1では説明されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-190362号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、物流の増加により、荷物運搬用の複数のドローンが、着陸装置に着陸しようとする事態が生じ得る。しかし、特許文献1に記載の着陸装置では、複数のドローンが着陸装置の近くに位置する場合にどのドローンを着陸させるかについて考察されていない。このため複数のドローンが着陸装置の上空に位置する場合、それぞれのドローンの着陸タイミングが近くなり、ドローン同士が接触する可能性がある。このようなドローンに対して、着陸に最も適した特定のドローンを選択して、着陸させたいとの要請がある。
【0005】
そこで、本発明は、着陸に適した特定のドローンを選択して着陸させ得る着陸支援装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的の達成のため、本発明の着陸支援装置は、着陸ポートの上空を含む所定の検知領域を飛行する少なくとも1つのドローンの位置を検知し、前記ドローンの位置を示す位置情報を出力するドローン検知部と、前記ドローンに対して光通信を行う光通信部と、制御部と、を備え、前記制御部は、前記位置情報に基づいて、前記ドローン検知部が検知する前記ドローンから特定のドローンを選択し、前記特定のドローンに対して、前記光通信部から着陸指示を示す光信号を送信させることを特徴とするものである。
【0007】
この着陸支援装置では、ドローンの位置情報に基づいて制御部が着陸許可を与える特定のドローンを選択するため、複数のドローンが上記検知領域を飛行する場合であっても、最も着陸に適した位置を飛行しているドローンを選択することができる。ところで、光通信を行う場合の光信号は、レーザ光等といった指向性の高い光を用いることで特定の機器のみとの通信が可能である。この着陸支援装置では、特定のドローンに対して、着陸指示の光信号を送信させるため、選択した特定のドローンを着陸させることができる。
【0008】
また、前記制御部は、前記ドローン検知部が複数の前記ドローンを検知する場合、前記特定のドローン以外のドローンに対して、前記光通信部から着陸待機指示を示す光信号を送信させることが好ましい。
【0009】
この場合、前記特定のドローン以外のドローンが、待機することを明確に把握できるため、不要な着陸を阻止し得る。
【0010】
また、前記制御部は、前記ドローン検知部が複数の前記ドローンを検知する場合、それぞれの前記ドローンの前記位置情報に基づいて、前記着陸ポートに最も近い前記ドローンを前記特定のドローンとして選択してもよい。
【0011】
この場合、特定のドローンが着陸するまでの時間を最も短くし得る。
【0012】
また、前記制御部は、前記特定のドローンの前記位置情報に基づいて、前記特定のドローンの前記着陸ポートに対する相対位置を示す相対位置情報を前記光通信部から前記特定のドローンに送信させることが好ましい。
【0013】
この場合、ドローンに搭載されGPS(Global Positioning System)等が生成する測位情報に誤差が生じる場合であっても、ドローンは上記相対位置情報に基づいて、着陸位置を補正することができる。
【0014】
また、前記制御部は、前記ドローン検知部が複数の前記ドローンを検知する場合、前記特定のドローン以外のドローンに対して、前記着陸ポートに対する当該ドローンの相対位置を示す相対位置情報を前記光通信部から当該ドローンに送信させることが好ましい。
【0015】
特定のドローン以外のドローンは、着陸指示の光信号を受信していないため、着陸することはできない。この場合に、光通信部から送信される相対位置情報に基づき、ドローンが着陸ポートに対する相対的位置を把握することで、着陸ポートの近傍に不要に近づくことを抑制することができる。
【0016】
また、前記ドローン検知部は、LiDAR(Light Detection And Ranging)により前記ドローンを検知することとしてもよい。
【0017】
また、着陸支援装置は、前記着陸ポート上の物体を検知する物体検知部を更に備えることが好ましい。
【0018】
着陸ポート上の物体が検知されることで、不要な着陸を抑制することができる。
【発明の効果】
【0019】
以上のように本発明によれば、着陸に適した特定のドローンを選択して着陸させ得る着陸支援装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の実施形態における着陸支援装置を示すブロック図である。
図2】ドローンを示すブロック図である。
図3】着陸支援装置の制御部の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明に係る着陸支援装置を実施するための形態が添付図面と共に例示される。以下に例示する実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良することができる。また、本発明は、以下に例示する実施形態における構成要素を適宜組み合わせてもよい。なお、以下で参照する図面では、理解を容易にするために、各部材の寸法を変えて示す場合がある。
【0022】
図1は、本実施形態における着陸支援装置を示すブロック図である。図1に示すように、本実施形態の着陸支援装置1は、ドローン検知部2と、光通信部3と、物体検知部4と、制御部5と、メモリ6と、を主な構成として備える。
【0023】
<ドローン検知部2>
ドローン検知部2は、着陸ポート9の上空を含む所定の検知領域DA1を飛行する少なくとも1つのドローン8の位置を検知し、ドローン8の位置を示す位置情報を出力する部位である。図1に示すように、ドローン検知部2は、ドローン8が着陸する着陸ポート9の近傍に設置される。本実施形態では、ドローン検知部2は、LiDARから成り、レーザ光出射部10と、受光部20と、を主な構成として備える。
【0024】
レーザ光出射部10は、検知領域DA1をレーザ光L1が走査するよう、当該レーザ光L1を出射する。本実施形態では、レーザ光出射部10は、ドライバ回路11と、レーザ光源12と、H1方向スキャン用駆動ミラー13と、H2方向スキャン用駆動ミラー14と、を主な構成として備える。なお、図1の例では、レーザ光出射部10は、メカニカル式のユニットであるが、駆動部を含まないフェイズドアレイ方式のユニットであってもよい。
【0025】
ドライバ回路11は、例えば電源回路やロジック回路から構成され、レーザ光源12、H1方向スキャン用駆動ミラー13、及びH2方向スキャン用駆動ミラー14に電気的に接続されて、これらに必要な電力を印加すると共にこれらを制御する。
【0026】
レーザ光源12は、レーザ光L1を出射する。このレーザ光L1の波長は、例えば波長が905nmや1550nmといった近赤外線等の非可視光域であることが、物体の検知をし易く、人に視認されない観点から好ましい。なお、レーザ光L1の波長は、紫外域であってもよく、可視光域であってもよい。レーザ光源12がレーザ光L1を出射するタイミングは、ドライバ回路11により制御される。レーザ光源12から出射するレーザ光L1は、H1方向スキャン用駆動ミラー13に入射する。
【0027】
H1方向スキャン用駆動ミラー13は、レーザ光源12が出射するレーザ光L1を反射するミラーと、ドライバ回路11により制御される不図示の駆動部とを有する。H1方向スキャン用駆動ミラー13は、レーザ光L1を反射する際、レーザ光出射部10から出射するレーザ光L1が地面と概ね平行なH1方向に移動するよう、上記駆動部により反射角度を変化しながらレーザ光L1を反射する。このH1方向スキャン用駆動ミラー13の反射角度の変化により、レーザ光L1は上空におけるH1方向に走査される。H1方向スキャン用駆動ミラー13で反射されるレーザ光L1は、H2方向スキャン用駆動ミラー14に入射する。
【0028】
H2方向スキャン用駆動ミラー14は、H1方向スキャン用駆動ミラー13で反射されたレーザ光L1を反射するミラーと、ドライバ回路11により制御される不図示の駆動部とを有する。H2方向スキャン用駆動ミラー14は、レーザ光L1を反射する際、レーザ光出射部10から出射するレーザ光L1が地面と概ね平行でH1方向に概ね垂直なH2方向に移動するよう、上記駆動部により反射角度を変化しながらレーザ光L1を反射する。このH2方向スキャン用駆動ミラー14の反射角度の変化により、H1方向に走査されるレーザ光L1の位置をH2方向に変化させる。H2方向スキャン用駆動ミラー14で反射されたレーザ光L1は、着陸ポート9の上空及びその周囲の検知領域DA1に照射される。
【0029】
H1方向スキャン用駆動ミラー13及びH2方向スキャン用駆動ミラー14は、例えば、ポリゴンミラーやガルバノミラーを含んで構成される。また、H1方向スキャン用駆動ミラー13及びH2方向スキャン用駆動ミラー14は、MEMSミラーによりそれぞれ構成されてもよい。また、H1方向スキャン用駆動ミラー13とH2方向スキャン用駆動ミラー14とが、二軸スキャンタイプのミラーにより1つに纏められてもよく、H1方向スキャン用駆動ミラー13とH2方向スキャン用駆動ミラー14とのレーザ光L1を反射する順番が入れ替わってもよい。
【0030】
受光部20は、検知領域DA1に位置する物体でレーザ光L1が反射した反射光Lr1を受光し、受光した光に係る電気信号を出力する。本実施形態では、受光部20は、受光素子21と、座標特定回路22と、を主な構成として備える。
【0031】
受光素子21は、レーザ光L1と同波長の光を受光することができるフォトダイオード等から成る素子である。このため、受光素子21は、レーザ光L1が検知領域DA1に位置するドローン8で反射した反射光Lr1を受光することができる。受光素子21により受光されるレーザ光L1の反射光Lr1には、検知領域DA1に位置するドローン8の位置に係る情報が含まれる。
【0032】
受光素子21は、座標特定回路22に電気的に接続されており、当該情報は電気信号として座標特定回路22に入力される。座標特定回路22は、ドライバ回路11にも電気的に接続されており、ドライバ回路11がレーザ光源12にレーザ光L1を出射させる旨の制御信号を送信するタイミング、及びその際のH1方向スキャン用駆動ミラー13及びH2方向スキャン用駆動ミラー14の傾き等といったドライバ回路11からの信号と、受光素子21から入力する信号とに所定の処理がなされ、当該信号に基づいて、受光素子21が受光する反射光Lr1の反射点の座標を特定する。
【0033】
以上の構成のドローン検知部2により、着陸ポート9の上空を含む検知領域DA1のドローン8の位置が検知され、このドローン8が位置する座標を含む位置情報が出力される。
【0034】
<光通信部3>
本実施形態の光通信部3は、ドローン8に対して光通信を行う部位である。図1に示すように、光通信部3は、ドライバ回路31と、レーザ光源32と、H3方向調節用ミラー33と、H4方向調節用ミラー34と、を主な構成として備える。なお、図1の例では、光通信部3は、レーザ光出射部10と同様に、フェイズドアレイ方式のユニットであってもよい。
【0035】
ドライバ回路31は、例えば電源回路やロジック回路から構成され、レーザ光源32、H3方向調節用ミラー33、及びH4方向調節用ミラー34に電気的に接続されて、これらに必要な電力を印加すると共にこれらを制御する。
【0036】
レーザ光源32は、通信用のレーザ光L3を出射する。このレーザ光L3の波長は、レーザ光L1と異なる波長の近赤外線等の非可視光域であることが、レーザ光L1との干渉を抑制して通信を行い易くし、人に視認されない観点から好ましい。なお、レーザ光L3の波長は、紫外域であってもよく、可視光域であってもよい。レーザ光源32がレーザ光L3を出射するタイミングは、ドライバ回路31により制御される。なお、後述のようにレーザ光L3により、光通信が行われるため、ドライバ回路31は、レーザ光L3が所定のプロトコルとなるようレーザ光源32を高速でオン/オフさせて、レーザ光L3の出射と非出射とを切り替える。レーザ光源32から出射するレーザ光L3は、H3方向調節用ミラー33に入射する。
【0037】
H3方向調節用ミラー33は、レーザ光源32が出射するレーザ光L3を反射するミラーと、ドライバ回路31により制御される不図示の駆動部とを有する。H3方向調節用ミラー33は、光通信部3から出射するレーザ光L3が地面と概ね平行なH3方向に移動できるよう、上記駆動部により反射角度を変化してレーザ光L3を反射する。このH3方向調節用ミラー33の反射角度が変化されることで、レーザ光L3のH3方向における出射方向が調節される。H3方向調節用ミラー33で反射されるレーザ光L3は、H4方向調節用ミラー34に入射する。
【0038】
H4方向調節用ミラー34は、H3方向調節用ミラー33で反射されたレーザ光L3を反射するミラーと、ドライバ回路31により制御される不図示の駆動部とを有する。H4方向調節用ミラー34は、光通信部3から出射するレーザ光L3が地面と概ね平行でH3方向に概ね垂直なH4方向に移動できるよう、上記駆動部により反射角度を変化してレーザ光L3を反射する。このH4方向調節用ミラー34の反射角度が変化されることで、レーザ光L3のH4方向における出射方向が調節される。このように、H3方向調節用ミラー33の反射方向及びH4方向調節用ミラー34の反射方向が、それぞれ調節されることで、光通信部3は、検知領域DA1における任意の方向にレーザ光L3を出射することができる。
【0039】
なお、H3方向調節用ミラー33及びH4方向調節用ミラー34は、例えば、ガルバノミラーを含んで構成される。また、H3方向調節用ミラー33及びH4方向調節用ミラー34は、MEMSミラーによりそれぞれ構成されてもよい。また、H3方向調節用ミラー33とH4方向調節用ミラー34とが、二軸スキャンタイプのミラーにより1つに纏められてもよく、H3方向調節用駆動ミラー33とH4方向調節用駆動ミラー34とのレーザ光L1を反射する順番が入れ替わってもよい。また、H3方向がH1方向と同じ方向で、H4方向がH2方向と同じ方向であってもよい。
【0040】
以上の構成の光通信部3により通信用のレーザ光L3が出射する。
【0041】
<物体検知部4>
物体検知部4は、着陸ポート9上の物体を検知する部位である。図1に示すように、物体検知部4は、着陸ポート9の近傍に設置される。本実施形態では、物体検知部4は、ドローン検知部2と同様にLiDARから成り、レーザ光出射部40と、受光部50と、を主な構成として備える。
【0042】
レーザ光出射部40は、レーザ光出射部10と概ね同様の構成であり、レーザ光L4が走査するよう、当該レーザ光L4を出射する。本実施形態では、レーザ光出射部40は、ドライバ回路41と、レーザ光源42と、H方向スキャン用駆動ミラー43と、V方向スキャン用駆動ミラー44と、を主な構成として備える。なお、図1の例では、レーザ光出射部40は、レーザ光出射部10と同様に、フェイズドアレイ方式のユニットであってもよい。
【0043】
ドライバ回路41は、ドライバ回路11と概ね同様の構成であり、レーザ光源42、H方向スキャン用駆動ミラー43、及びV方向スキャン用駆動ミラー44に電気的に接続されて、これらに必要な電力を印加すると共にこれらを制御する。
【0044】
レーザ光源42は、レーザ光源12と概ね同様の構成であり、レーザ光L4を出射する。このレーザ光L4の波長は、レーザ光L1,L3と異なる波長の近赤外線等の非可視光域であることが、レーザ光L1,L3との干渉を抑制して、物体の検知をし易く、人に視認されない観点から好ましい。レーザ光源42がレーザ光L4を出射するタイミングは、ドライバ回路41により制御される。レーザ光源42から出射するレーザ光L4は、H方向スキャン用駆動ミラー43に入射する。
【0045】
H方向スキャン用駆動ミラー43は、レーザ光出射部10のH1方向スキャン用駆動ミラー13と概ね同様の構成であり、物体検知部4から出射するレーザ光L4が水平方向に移動するよう反射角度を変化させながらレーザ光L4を反射する。このH方向スキャン用駆動ミラー43の反射角度の変化により、レーザ光L4は水平方向に走査される。H方向スキャン用駆動ミラー43で反射されるレーザ光L4は、V方向スキャン用駆動ミラー44に入射する。
【0046】
V方向スキャン用駆動ミラー44は、レーザ光出射部10のH2方向スキャン用駆動ミラー14と概ね同様の構成であり、物体検知部4から出射するレーザ光L4が鉛直方向に移動するよう反射角度を変化さながらレーザ光L4を反射する。このV方向スキャン用駆動ミラー44の反射角度の変化により、水平方向に走査されるレーザ光L4の位置を鉛直方向に変化させる。V方向スキャン用駆動ミラー44で反射されたレーザ光L4は、着陸ポート9を含む検知領域DA2に照射される。
【0047】
なお、H方向スキャン用駆動ミラー43とV方向スキャン用駆動ミラー44とが、二軸スキャンタイプのミラーにより1つに纏められてもよく、H方向スキャン用駆動ミラー43とV方向スキャン用駆動ミラー44とのレーザ光L4を反射する順番が入れ替わってもよい。
【0048】
受光部50は、受光部20と同様の構成であり、検知領域DA2に位置する物体でレーザ光L4が反射した反射光Lr4を受光し、受光した光に係る電気信号を出力する。本実施形態では、受光部50は、受光素子51と、座標特定回路52と、を主な構成として備える。
【0049】
受光素子51は、レーザ光L4と同波長の光を受光することができる点を除き、受光素子21と同様の構成の成る素子である。このため、受光素子51は、レーザ光L4が検知領域DA2に位置する物体で反射した反射光Lr4を受光することができる。受光素子51により受光されるレーザ光L4の反射光Lr4には、検知領域DA2に位置する物体の位置に係る情報が含まれる。
【0050】
受光素子51は、座標特定回路52に電気的に接続されており、当該情報は電気信号として座標特定回路52に入力される。座標特定回路52は、ドライバ回路41にも電気的に接続されており、ドローン検知部2の座標特定回路22がドローン8の位置を特定するのと同様の手法により、着陸ポート9上の物体の位置の座標を特定する。
【0051】
以上の構成の物体検知部4により、着陸ポート9上の物体が検知され、着陸ポート9上の物体の位置に係る位置情報が出力される。
【0052】
以上説明したドローン検知部2のドライバ回路11及び座標特定回路22、光通信部3のドライバ回路31、及び、物体検知部4のドライバ回路41及び座標特定回路52は、それぞれ制御部5に電気的に接続されている。従って、座標特定回路22から出力されるドローン8の位置情報や、座標特定回路52から出力される着陸ポート9上の物体の位置情報は、制御部5に入力する。
【0053】
制御部5は、例えば、マイクロコントローラ、IC(Integrated Circuit)、LSI(Large-scale Integrated Circuit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)などの集積回路やNC(Numerical Control)装置から成る。また、制御部5は、NC装置を用いた場合、機械学習器を用いたものであってもよく、機械学習器を用いないものであってもよい。以下に説明するように、制御部5は、少なくともドライバ回路11,31,41を制御する。
【0054】
メモリ6は制御部5に電気的に接続されており、制御部5に入力するドローン8の位置情報や、着陸ポート9上の物体の位置情報、及び着陸ポート9の位置情報等を記憶する。メモリ6は、例えば非一過性(non-transitory)の記録媒体であり、RAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)等の半導体記録媒体が好適であるが、光学式記録媒体や磁気記録媒体等の任意の形式の記録媒体を包含し得る。なお、「非一過性」の記録媒体とは、一過性の伝搬信号(transitory, propagating signal)を除く全てのコンピュータ読み取り可能な記録媒体を含み、揮発性の記録媒体を除外するものではない。なお、着陸ポート9の位置情報は、着陸ポート9の位置の座標を含む情報であり、着陸支援装置1の設置時等に入力されて、メモリ6に記憶されている。
【0055】
次にドローン8について説明する。
【0056】
図2は、本実施形態のドローン8を説明する図である。図2に示す通り、ドローン8は、光通信部81と、測位部82と、複数のモータコントロール部83と、複数のモータ84と、制御部85と、複数の回転翼86と、を主な構成として備える。
【0057】
光通信部81は、通信用のレーザ光L3を受光する部位であり、レーザ光L3と同波長の光を受光することができるフォトダイオード等から成る不図示の受光素子と、受光素子から出力されるアナログ信号をデジタル信号に変換する不図示のA/Dコンバータ等を含む。このため、光通信部81は、光通信部3からレーザ光L3が照射される場合に、このレーザ光L3を受光することができ、レーザ光L3を受光すると、レーザ光L3による通信信号に基づく受信信号を生成する。この受信信号は制御部85に出力される。
【0058】
測位部82は、例えば、GNSS(Global Navigation Satellite System)衛星からのGNSS信号を受信してドローン8の測位を行い、ドローン8の緯度、経度及び高度を含む位置情報を生成する。GNSS信号としては、例えば、GPS衛星からのGPS信号が挙げられる。生成した、位置情報は、制御部85に出力される。
【0059】
それぞれのモータコントロール部83には、個別にモータ84が電気的に接続されている。それぞれのモータコントロール部83は、ESC(Electric Speed Controller)等を含んで構成され、制御部85からの制御信号に基づいて、接続されるモータ84の回転数をコントロールする。また、それぞれのモータ84には個別に回転翼86が直結しており、それぞれのモータ84の回転軸の回転に伴い、回転翼86は回転する。
【0060】
制御部85は、制御部5と同様に、例えば、マイクロコントローラ、IC、LSI、ASICなどの集積回路やNC装置等から成る。制御部85は、測位部82及び光通信部81からの信号に基づいて、モータコントロール部83を制御する。制御部5のモータコントロール部83を介したモータ84の制御により、ドローン8は、移動することができる。
【0061】
次に、着陸支援装置1の動作について説明する。
【0062】
図3は、着陸支援装置1の制御部5の動作を示すフローチャートである。図3に示すように、制御部5はステップSP01からステップSP10の動作により、ドローン8の着陸を支援する。
【0063】
(ステップSP01)
本ステップでは、制御部5は、ドローン検知部2に検知動作を示す制御信号を出力する。この制御信号は、レーザ光出射部10のドライバ回路11に入力する。ドライバ回路11は、当該制御信号が入力すると、レーザ光源12からレーザ光L1を出射させ、H1方向スキャン用駆動ミラー13、H2方向スキャン用駆動ミラー14を動作させる。H1方向スキャン用駆動ミラー13の動作により、レーザ光L1は、検知領域DA1をH1方向に走査し、H2方向スキャン用駆動ミラー14の動作により、走査位置がH2方向に移動する。このとき、上空にドローン8が位置している場合、レーザ光L1は、ドローン8で反射し、反射光Lr1として、受光部20の受光素子21で受光される。受光素子21から出力される信号は、座標特定回路22に入力し、座標特定回路22は、受光素子21からの信号、ドライバ回路11からの信号を参照して、反射光Lr1の反射位置の座標を特定する。この反射位置がドローン8の位置である。こうして、ドローン8の位置が検知される。複数のドローン8が検知領域DA1に位置する場合、それぞれのドローン8の位置が検知される。検知されたドローン8の座標を含む位置情報は、ドローン検知部2から出力され、制御部5に入力される。なお、ドローン8が検知されない場合、ドローン検知部2は、ドローン8が検知されない旨の情報を制御部5に入力しても、特に情報を制御部5に入力しなくてもよい。
【0064】
(ステップSP02)
本ステップでは、制御部5は、ドローン検知部2によってドローン8が検知されない場合、すなわち、ドローン検知部2からドローン8を検知しない旨の信号が入力されたり、特に何の信号が入力されない場合に、ステップSP01に戻り、ドローン検知部2に対して検知動作を継続させる。一方、制御部5は、ドローン8の位置情報が入力されると、ステップSP03に進む。
【0065】
(ステップSP03)
本ステップでは、制御部5は、検知されたドローン8の位置情報をメモリ6に記憶させる。ドローン8が複数検知され、それぞれのドローン8の座標を示す複数の位置情報が制御部5に入力する場合、制御部5は、それぞれのドローン8の位置情報をメモリ6に記憶させる。
【0066】
(ステップSP04)
本ステップでは、制御部5は、検知されたドローン8が複数か否かを判別する。制御部5は、ドローン8の位置情報が1つのみ入力する場合、ドローン8が複数検知されていないものとして、ステップSP05に進み、ドローン8の位置情報が複数入力する場合にドローン8が複数検知されたものとして、ステップSP06に進む。
【0067】
(ステップSP05)
本ステップでは、制御部5は、検知したドローン8を特定のドローンとして選択し、ステップSP08に進む。なお、後述のように光通信部3から着陸指示を含む光信号を送信させるドローン8を特定する場合、それは当該ドローン8を特定のドローン8として選択しているということである。
【0068】
(ステップSP06)
本ステップでは、制御部5は、メモリ6に記憶されている着陸ポート9の位置情報と、それぞれのドローン8の位置情報とに基づいて、着陸ポート9に最も近いドローン8を特定のドローン8として選択し、ステップSP07に進む。図1では、3つのドローン8が検知領域DA1を飛行している様子が示されているが、図1の場合、3つのドローン8のうち真ん中に位置するドローン8が特定のドローン8として選択される。
【0069】
(ステップSP07)
本ステップでは、制御部5は、複数のドローン8のうち、特定のドローン8以外のドローン8に対して、光通信部3から相対的位置情報及び着陸待機指示を含む光信号を送信させる。この相対的位置情報とは、着陸ポート9とドローン8との相対的な位置を示す情報である。本ステップでは、まず、制御部5は、メモリ6から着陸ポート9の位置情報及び特定のドローン8以外のドローン8の位置情報を読み出して、当該ドローン8の着陸ポート9に対する相対位置を算出し、相対位置情報を作成する。次に、制御部5は、光通信部3に対して、メモリ6から読み出したドローン8の位置情報、作成した相対的位置情報、及び着陸待機指示の光信号を出射させる旨の制御信号を出力する。これら情報及び制御信号は、光通信部3のドライバ回路31に入力する。ドライバ回路31は、これら情報及び制御信号が入力すると、ドローン8の位置情報に含まれる座標に向かってレーザ光L3が出射されるようH3方向調節用ミラー33及びH4方向調節用ミラー34の向きを調節させる。次にドライバ回路31は、レーザ光源32に制御信号や駆動電力を入力して、レーザ光L3が相対的位置情報及び着陸待機指示を含む所定のプロトコルのレーザ光L3をレーザ光源32から出射させる。図1のように、特定のドローン8以外のドローン8が複数の場合、制御部5は、ドライバ回路31を介して、特定のドローン8を除くそれぞれのドローン8に相対的位置情報及び着陸待機指示を含むレーザ光L3を出射させる。制御部5は、本ステップを終えるとステップSP08に進む。
【0070】
相対的位置情報及び着陸待機指示を示す光信号としてのレーザ光L3は、特定のドローン8以外のドローン8に照射され、当該レーザ光L3は、ドローン8の光通信部81で受光されて、レーザ光L3に基づく受信信号がドローン8の制御部85に入力する。制御部85は、当該受信信号を受けると、それぞれのモータコントロール部83を制御し、ドローン8をその場でホバリングさせる。なお、着陸支援装置1から受ける相対的位置情報が、着陸ポート9からドローン8までの距離が所定の距離以内であることを示す場合、制御部85は、ドローン8が着陸ポート9から当該所定の距離より離れるよう、モータコントロール部83を制御することが好ましい。この場合、後述のように着陸を行う特定のドローン8との接触を抑制することができる。
【0071】
(ステップSP08)
本ステップでは、制御部5は、着陸ポート9上に物体が位置しているかを判断する。本ステップに先立ち、制御部5は、物体検知部4が着陸ポート9上の物体を検知する指示を含む制御信号を出力する。この制御信号は、物体検知部4におけるレーザ光出射部40のドライバ回路41に入力する。ドライバ回路41は、当該制御信号が入力すると、レーザ光源42からレーザ光L4を出射させ、H方向スキャン用駆動ミラー43、V方向スキャン用駆動ミラー44を動作させる。H方向スキャン用駆動ミラー43の動作により、レーザ光L4は、検知領域DA2を水平方向に走査し、V方向スキャン用駆動ミラー44の動作により、レーザ光L4の走査位置が鉛直方向に移動する。従って、V方向スキャン用駆動ミラー44の動作により、走査位置が物体検知部4から見て前後方向にずれる。このとき、検知領域DA2に物体が位置している場合、レーザ光L4は、当該物体で反射し、反射光Lr4として、受光部50の受光素子51で受光される。受光素子51から出力される信号は、座標特定回路52に入力し、座標特定回路52は、受光素子51からの信号、ドライバ回路41からの信号を参照して、反射光Lr4の反射位置の座標を特定する。この反射位置が物体の位置である。検知領域DA2には、着陸ポート9が含まれるので、物体検知部4は、着陸ポート9上の物体を検知することができる。座標特定回路52は、物体が位置する座標を含む物体の位置情報を出力する。この位置情報は、制御部5に入力する。制御部5は、この位置情報をメモリ6に記憶させる。本ステップでは、制御部5は、メモリ6から着陸ポート9上の物体の位置情報を読み出し、当該位置情報が着陸ポート9上に物体が位置していることを示す場合には、ステップSP09に進み、当該位置情報が着陸ポート9上に物体が位置していることを示さない場合には、ステップSP10に進む。
【0072】
(ステップSP09)
本ステップでは、制御部5は、特定のドローン8に対して、光通信部3から相対的位置情報及び着陸待機指示を示す光信号を送信させる。まず、制御部5は、メモリ6から着陸ポート9の位置情報及び特定のドローン8の位置情報を読み出して、これら情報に基づいて、特定のドローン8の相対的位置情報を作成する。その後ステップSP07と同様にして、制御部5は、光信号としてのレーザ光L3が相対的位置情報及び着陸待機指示を含む所定のプロトコルを含むように、レーザ光L3をレーザ光源32から出射させる。ただし、本ステップでは、当該レーザ光L3を特定のドローン8に向けて出射させる。制御部5は、本ステップを終えると再びステップSP01に戻る。
【0073】
相対的位置情報及び着陸待機指示を示すレーザ光L3が、特定のドローン8に照射されると、ステップSP07での説明と同様にして、制御部85は、それぞれのモータコントロール部83を制御し、ドローン8をその場でホバリングさせる。なお、着陸支援装置1から受ける相対的位置情報が、着陸ポート9からドローン8までの距離が所定の距離よりも大きいことを示す場合、制御部85は、ドローン8が着陸ポート9から当該所定の距離以内になるよう、モータコントロール部83を制御することが好ましい。この場合、後に着陸指示を含む光信号が受信される場合に、より短時間で着陸を行うことができる。
【0074】
(ステップSP10)
本ステップでは、制御部5は、特定のドローン8に対して、光通信部3から相対的位置情報及び着陸指示を示す光信号を送信させる。まず、制御部5は、ステップSP09と同様にして、特定のドローン8の相対的位置情報を作成する。その後ステップSP09と同様にして、制御部5は、光信号としてのレーザ光L3が相対的位置情報及び着陸指示を含む所定のプロトコルを含むように、レーザ光L3をレーザ光源32から出射させる。制御部5は、本ステップを終えると再びステップSP01に戻る。
【0075】
相対的位置情報及び着陸指示を示すレーザ光L3は、ドローン8の光通信部81で受光されて、レーザ光L3に係る受信信号がドローン8の制御部85に入力する。制御部85は、当該受信信号を受けると、相対的位置情報に基づいて、ドローン8が着陸ポート9の真上となるよう、モータコントロール部83を制御して、位置補正を行う。そして、制御部85は、特定のドローン8が着陸ポート9に向かって降下するようそれぞれのモータコントロール部83を制御する。こうして特定のドローン8は着陸ポート9に着陸する。
【0076】
なお、着陸したドローン8が着陸ポート9から飛び立ったり、除去されたりしない限り、物体検知部4は、特定のドローン8を着陸ポート9上の物体として検知する。
【0077】
以上説明したように、本実施形態の着陸支援装置1では、制御部5は、ドローン8の位置情報に基づいて、ドローン検知部2が検知するドローン8から特定のドローン8を選択し、特定のドローン8に対して、光通信部3から着陸指示を示す光信号を送信させる。このように、ドローン8の位置情報に基づいて制御部5が着陸許可を与える特定のドローン8を選択するため、複数のドローン8が着陸ポート9の上空を含む検知領域DA1を飛行する場合であっても、最も着陸に適した位置を飛行しているドローン8を選択することができる。ところで、光通信を行う場合の光信号は、レーザ光等といった指向性の高い光を用いることで特定の機器とのみの通信が可能である。本実施形態の着陸支援装置1では、特定のドローン8に対して、着陸指示の光信号を送信させるため、選択した特定のドローン8を着陸させることができる。
【0078】
また、本実施形態の着陸支援装置1では、制御部5は、ドローン検知部2が複数のドローン8を検知する場合、特定のドローン8以外のドローン8に対して、光通信部3から着陸待機指示を示す光信号を送信させる。このため、特定のドローン8以外のドローン8が、待機することを把握でき、不要な着陸を阻止し得る。
【0079】
また、本実施形態の着陸支援装置1では、制御部5は、ドローン検知部2が複数のドローン8を検知する場合、それぞれのドローン8の位置情報に基づいて、着陸ポート9に最も近いドローン8を特定のドローン8として選択している。このため、本実施形態では、特定のドローン8が着陸するまでの時間を最も短くし得る。
【0080】
また、本実施形態の着陸支援装置1では、制御部5は、特定のドローン8の相対位置情報を光通信部3から特定のドローン8に送信させる。このため、特定のドローン8に搭載されるGPS等が生成する測位情報に誤差が生じる場合であっても、特定のドローン8は相対位置情報に基づいて、着陸位置を補正することができる。
【0081】
また、本実施形態の着陸支援装置1では、制御部5は、特定のドローン8以外のドローン8に対して、当該ドローン8の相対位置情報を光通信部3から当該ドローン8に送信させる。このため、光通信部3から送信される相対位置情報に基づき、特定のドローン8以外のドローン8が着陸ポート9に対する相対的位置を把握することで、当該ドローン8が着陸ポート9の近傍に不要に近づくことを抑制することができる。
【0082】
また、本実施形態の着陸支援装置1は、着陸ポート9上の物体を検知する物体検知部4を備える。このため、着陸ポート9上の物体が検知され、不要な着陸を抑制することができる。
【0083】
以上、本発明について、上記実施形態を例に説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0084】
例えば、制御部5は、特定のドローン8以外のドローン8に対して、着陸待機指示を示す光信号を送信させなくてもよい。この場合、特定のドローン8以外のドローン8は、着陸許可の信号を受信しない限り着陸を行わない制御をすればよい。
【0085】
また、制御部5は、ドローン検知部2が複数のドローン8を検知する場合、それぞれのドローン8の位置情報に基づいて、着陸ポート9に最も近いドローン8を特定のドローン8として選択せず、他のドローン8を特定のドローン8として選択してもよい。
【0086】
また、制御部5は、特定のドローン8に相対位置情報を送信させなくてもよい。この場合、例えば、ドローン8がカメラ等の手段により着陸ポート9の位置を認識して、着陸すればよい。
【0087】
また、制御部5は、特定のドローン8以外のドローン8に対して、相対位置情報を送信させなくてもよい。
【0088】
また、ドローン検知部2は、ドローン8の位置を検知できる装置であれば、LiDARに限定されない。例えば、ドローン検知部2が、カメラとミリ波レーダーから構成されてもよい。
【0089】
また、物体検知部4は必須の構成ではない。また、着陸支援装置1が物体検知部4を備える場合であっても、物体検知部4は、着陸ポート9上の物体を検知できればよく、上記実施形態のように物体の位置情報を作成しなくてもよい。従って、物体検知部4はLiDARに限定されない。例えば、物体検知部4が着陸ポート9を撮像するカメラにより構成され、当該カメラで物体が映し出しているかを判別して、物体が検知されてもよく、或いは、物体検知部4が着陸ポート9上に配置される重量センサにより構成されてもよい。これらの場合、物体検知部4からは、着陸ポート9上に物体が位置している旨の情報が出力され、制御部5は当該情報をメモリ6に記憶する。この場合、ステップSP08において、制御部5が、着陸ポート9上に物体が位置しているかの判断手順を上記実施形態よりも簡易にすることができる。
【0090】
また、ドローン検知部2の検知領域DA1が検知領域DA2をも含み、ドローン検知部2が物体検知部4を兼ねてもよい。
【0091】
また、上記実施形態のフローチャートは、着陸支援装置1の制御部5の動作の一例を示すにすぎず、一部のステップの順番が入れ替わったり、一部のステップでの動作を変更したり、他のステップが加わったりすることが可能である。例えば、ステップSP07とステップSP08との間に次の2つの追加ステップが組み入れられてもよい。具体的には、第1の追加ステップにおいて、特定のドローン8の相対位置情報と特定のドローン8以外のドローン8の相対位置情報とに基づいて、特定のドローン8と着陸ポート9との間に特定のドローン8以外のドローン8が位置するか否かを判断するステップを設ける。この第1の追加ステップで、特定のドローン8と着陸ポート9との間に特定のドローン8以外のドローン8が位置しない場合、ステップSP08に進む。一方、第1の追加ステップで、特定のドローン8と着陸ポート9との間に特定のドローン8以外のドローン8が位置する場合、第2の追加ステップに進む。第2の追加ステップでは、特定のドローン8と着陸ポート9との間に位置するドローン8に対して、移動指示を送信して、第1の追加ステップに戻る。移動指示は、例えば、特定の方向に5m進むといった具合である。この第2の追加ステップにより、特定のドローン8と着陸ポート9との間に位置するドローン8が他の場所に移動し、特定のドローン8と着陸ポート9との間に特定のドローン8以外のドローン8が位置しなくなり得る。なお、第2の追加ステップにおいて、上記と異なり、特定のドローン8に対して相対位置情報と移動指示とを送信をしてもよい。この移動指示による特定のドローン8の移動により、特定のドローン8と着陸ポート9との間に特定のドローン8以外のドローン8が位置しなくなり得る。なお、特定のドローン8以外のドローン8が特定のドローン8と着陸ポート9との間に位置するか否かが、相対位置情報における地面に平行な方向に沿った座標のみで判断されてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0092】
以上のように、本発明によれば、着陸に適した特定のドローンを選択して着陸させ得る着陸支援装置が提供され、物流等の分野において利用可能である。
【符号の説明】
【0093】
1・・・着陸支援装置
2・・・ドローン検知部
3・・・光通信部
4・・・物体検知部
5・・・制御部
6・・・メモリ
8・・・ドローン
9・・・着陸ポート
L1,L3,L4・・・レーザ光
図1
図2
図3