(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023114305
(43)【公開日】2023-08-17
(54)【発明の名称】系統連系装置、及びパワーコンディショナ
(51)【国際特許分類】
H02M 7/48 20070101AFI20230809BHJP
H02J 3/38 20060101ALI20230809BHJP
【FI】
H02M7/48 R
H02M7/48 M
H02J3/38 130
H02J3/38 170
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022016601
(22)【出願日】2022-02-04
(71)【出願人】
【識別番号】000002037
【氏名又は名称】新電元工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106909
【弁理士】
【氏名又は名称】棚井 澄雄
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100160093
【弁理士】
【氏名又は名称】小室 敏雄
(72)【発明者】
【氏名】河合 啓行
(72)【発明者】
【氏名】池田 昌隆
(72)【発明者】
【氏名】南 祐輔
【テーマコード(参考)】
5G066
5H770
【Fターム(参考)】
5G066HA13
5G066HB06
5G066HB07
5H770BA11
5H770CA01
5H770CA05
5H770CA06
5H770DA01
5H770DA22
5H770DA41
5H770HA09Z
5H770JA01W
5H770LA05W
5H770LA10W
(57)【要約】
【課題】構成を簡略化及び小型化する。
【解決手段】系統連系装置は、直流電源から供給される直流電力を第1の電圧の直流電力に変換する絶縁型のDC/DC変換部と、前記DC/DC変換部が変換した前記第1の電圧の直流電力を系統連系可能な交流電力に変換して、交流負荷に供給するインバータ部と、系統電源から供給される交流電力を直流電力に整流し、整流した整流直流電力から制御用電源である第2の電圧の直流電力に変換するAC/DC変換部と、前記DC/DC変換部が変換した前記第1の電圧の直流電力の電源線と、前記AC/DC変換部が整流した前記整流直流電力の電源線とを接続する接続部とを備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
直流電源から供給される直流電力を第1の電圧の直流電力に変換する絶縁型のDC/DC変換部と、
前記DC/DC変換部が変換した前記第1の電圧の直流電力を系統連系可能な交流電力に変換して、交流負荷に供給するインバータ部と、
系統電源から供給される交流電力を直流電力に整流し、整流した整流直流電力から制御用電源である第2の電圧の直流電力に変換するAC/DC変換部と、
前記DC/DC変換部が変換した前記第1の電圧の直流電力の電源線と、前記AC/DC変換部が整流した前記整流直流電力の電源線とを接続する接続部と
を備えることを特徴とする系統連系装置。
【請求項2】
前記AC/DC変換部は、前記系統電源から供給される交流電力を整流する同期整流部を備え、
前記接続部は、前記インバータ部の出力線と、前記系統電源の電源線とが接続された状態で、前記同期整流部が動作する場合に、前記第1の電圧の直流電力の電源線と、前記整流直流電力の電源線との間の接続を遮断するスイッチを備える
ことを特徴とする請求項1に記載の系統連系装置。
【請求項3】
前記接続部は、
ボディダイオードを有する前記スイッチと、
前記第1の電圧の直流電力の電源線から前記整流直流電力の電源線に直流電力を供給する際に順方向になるように配置された接続ダイオードとを備える
ことを特徴とする請求項2に記載の系統連系装置。
【請求項4】
前記同期整流部は、直列に接続された上側のダイオード及び下側のスイッチング素子を備え、
前記接続ダイオードは、低電位側の接続線に配置される第1ダイオードと、高電位側の接続線に配置される第2ダイオードとを含み、
前記スイッチは、前記低電位側の接続線に配置される
ことを特徴とする請求項3に記載の系統連系装置。
【請求項5】
前記同期整流部は、直列に接続された上側のスイッチング素子及び下側のスイッチング素子を備え、
前記スイッチは、低電位側の接続線に配置される第1スイッチと、高電位側の接続線に配置される第2スイッチとを含む
ことを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の系統連系装置。
【請求項6】
直流電源から供給される直流電力を第1の電圧の直流電力に変換する絶縁型のDC/DC変換部と、
前記DC/DC変換部が変換した前記第1の電圧の直流電力を系統連系可能な交流電力に変換して、交流負荷に供給するインバータ部と、
系統電源から供給される交流電力を直流電力に整流し、整流した整流直流電力から制御用電源である第2の電圧の直流電力に変換するAC/DC変換部と、
前記DC/DC変換部が変換した前記第1の電圧の直流電力の電源線と、前記AC/DC変換部が整流した前記整流直流電力の電源線とを接続する接続部と
を備えることを特徴とするパワーコンディショナ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、系統連系装置、及びパワーコンディショナに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、太陽電池などの出力電圧が変動する直流電源から生成した交流電力と、系統電源が供給する交流電力との両方から交流負荷に電力の供給を可能にする系統連系装置が知られている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上述のような従来の系統連系装置では、全体を制御するための直流の制御用電源が常に供給される必要がある。従来の系統連系装置では、直流電源と系統電源とのいずれか一方が消失しても動作できるように、直流電源から制御用電源を生成するDC/DC変換部と、系統電源から制御用電源を生成するAC/DC変換部との両方を備えていた。そのため、系統連系装置の構成及び外形が、大きくなる問題があった。
【0005】
本発明は、上記問題を解決すべくなされたもので、その目的は、構成を簡略化及び小型化することができる系統連系装置、及びパワーコンディショナを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記問題を解決するために、本発明の一態様は、直流電源から供給される直流電力を第1の電圧の直流電力に変換する絶縁型のDC/DC変換部と、前記DC/DC変換部が変換した前記第1の電圧の直流電力を系統連系可能な交流電力に変換して、交流負荷に供給するインバータ部と、系統電源から供給される交流電力を直流電力に整流し、整流した整流直流電力から制御用電源である第2の電圧の直流電力に変換するAC/DC変換部と、前記DC/DC変換部が変換した前記第1の電圧の直流電力の電源線と、前記AC/DC変換部が整流した前記整流直流電力の電源線とを接続する接続部とを備えることを特徴とする系統連系装置である。
【0007】
また、本発明の一態様は、上記の系統連系装置において、前記AC/DC変換部は、前記系統電源から供給される交流電力を整流する同期整流部を備え、前記接続部は、前記インバータ部の出力線と、前記系統電源の電源線とが接続された状態で、前記同期整流部が動作する場合に、前記第1の電圧の直流電力の電源線と、前記整流直流電力の電源線との間の接続を遮断するスイッチを備えることを特徴とする。
【0008】
また、本発明の一態様は、上記の系統連系装置において、前記接続部は、ボディダイオードを有する前記スイッチと、前記第1の電圧の直流電力の電源線から前記整流直流電力の電源線に直流電力を供給する際に順方向になるように配置された接続ダイオードとを備えることを特徴とする。
【0009】
また、本発明の一態様は、上記の系統連系装置において、前記同期整流部は、直列に接続された上側のダイオード及び下側のスイッチング素子を備え、前記接続ダイオードは、低電位側の接続線に配置される第1ダイオードと、高電位側の接続線に配置される第2ダイオードとを含み、前記スイッチは、前記低電位側の接続線に配置されることを特徴とする。
【0010】
また、本発明の一態様は、上記の系統連系装置において、前記同期整流部は、直列に接続された上側のスイッチング素子及び下側のスイッチング素子を備え、前記スイッチは、低電位側の接続線に配置される第1スイッチと、高電位側の接続線に配置される第2スイッチとを含むことを特徴とする。
【0011】
また、本発明の一態様は、直流電源から供給される直流電力を第1の電圧の直流電力に変換する絶縁型のDC/DC変換部と、前記DC/DC変換部が変換した前記第1の電圧の直流電力を系統連系可能な交流電力に変換して、交流負荷に供給するインバータ部と、系統電源から供給される交流電力を直流電力に整流し、整流した整流直流電力から制御用電源である第2の電圧の直流電力に変換するAC/DC変換部と、前記DC/DC変換部が変換した前記第1の電圧の直流電力の電源線と、前記AC/DC変換部が整流した前記整流直流電力の電源線とを接続する接続部とを備えることを特徴とするパワーコンディショナである。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、系統連系装置は、DC/DC変換部が直流電源から変換した第1の電圧の直流電力の電源線と、制御用電源である第2の電圧の直流電力を変換するAC/DC変換部が系統電源から整流した整流直流電力の電源線とを接続する接続部を備えるため、AC/DC変換部により直流電源と系統電源との両方の電源から制御用電源を生成することができる。よって、系統連系装置は、直流電源から制御用電源を生成するDC/DC変換部と、系統電源から制御用電源を生成するAC/DC変換部との両方を備える必要がなく、構成を簡略化及び小型化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】第1の実施形態によるパワーコンディショナの一例を示すブロック図である。
【
図2】第1の実施形態によるパワーコンディショナの動作の一例を示すフローチャートである。
【
図3】第1の実施形態によるパワーコンディショナの系統連系する場合の動作の一例を説明する図である。
【
図4】従来のパワーコンディショナの一例を示すブロック図である。
【
図5】第2の実施形態によるパワーコンディショナの一例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の一実施形態による系統連系装置について、図面を参照して説明する。
【0015】
[第1の実施形態]
図1は、第1の実施形態によるパワーコンディショナ1の一例を示すブロック図である。
図1に示すように、パワーコンディショナ1は、DC/DC変換部10と、インバータ部20と、AC/DC変換部30と、接続部40と、制御部50と、コンデンサC1とを備えている。なお、本実施形態において、パワーコンディショナ1は、商用電源3に系統連系可能な系統連系装置の一例である。
【0016】
DC/DC変換部10は、例えば、絶縁型のDC/DCコンバータであり、直流電源2から供給される直流電力を電圧V1(第1の電圧)の直流電力に変換する。
ここで、直流電源2は、例えば、太陽電池や燃料電池などのパワーソースである。
DC/DC変換部10は、入力フィルタ11と、インバータ回路12と、トランス13と、同期整流部14と、変換制御部15とを備えている。
【0017】
入力フィルタ11は、例えば、ローパスフィルタ回路であり、直流電源2から供給される直流電力のノイズを低減して、平滑化する。
【0018】
インバータ回路12は、直流電源2から供給される直流電力から、3相交流信号(例えば、U相交流信号、V相交流信号、W相交流信号)を生成する。インバータ回路12は、直流電源2の2つの電源線の間に、直列に接続された2つのスイッチング素子の組を3組備えている。インバータ回路12は、後述する変換制御部15の制御により、各スイッチング素子がスイッチングされて、3相交流信号を生成する。ここで、スイッチング素子は、例えば、MOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistor)である。インバータ回路12は、生成した3相交流信号をトランス13に供給する。
【0019】
トランス13は、例えば、3つのトランスを含み、インバータ回路12が生成した3相交流信号を、所定の電圧の3相交流信号に変換する。トランス13は、電圧を変換した交流信号を、同期整流部14に供給する。
【0020】
同期整流部14は、トランス13から供給された3相交流信号を、電圧V1(第1の電圧)の直流電力に整流する。同期整流部14は、高電位側の電源線L1と低電位側の電源線L2との間に、直列に接続された2つのスイッチング素子の組を3組備えている。ここで、スイッチング素子は、例えば、MOSFETである。同期整流部14は、後述する変換制御部15の制御により、各スイッチング素子がスイッチングされて、3相交流信号を整流した電圧V1の直流電力を生成する。
【0021】
変換制御部15は、例えば、CPU(Central Processing Unit)を含むプロセッサであり、DC/DC変換部10を統括的に制御する。変換制御部15は、後述する制御部50の制御指令に基づいて、DC/DC変換部10の各部を制御する。変換制御部15は、例えば、同期整流部14が出力する電圧が電圧V1になるように、インバータ回路12の各MOSFET、及び同期整流部14の各MOSFETのスイッチングを制御する。
【0022】
コンデンサC1は、電源線L1と電源線L2との間に配置され、DC/DC変換部10の出力電圧(電圧V1)を平滑化する平滑コンデンサである。
【0023】
インバータ部20は、DC/DC変換部10が変換した電圧V1の直流電力を系統連系可能な交流電力に変換して、交流負荷(不図示)に供給する。インバータ部20は、商用電源3に連系接続可能なように、商用電源3と位相を同期した交流信号を生成する。
インバータ部20は、インバータ回路21と、ノイズフィルタ22と、自立リレー23と、系統リレー24と、インバータ制御部25と、接続スイッチ42とを備えている。
【0024】
インバータ回路21は、DC/DC変換部10から供給される電圧V1の直流電力から、2相交流信号を生成する。インバータ回路21は、電圧V1の2つの電源線の間(電源線L1と電源線L2との間)に、直列に接続された2つのスイッチング素子の組を2組備えている。インバータ回路21は、後述するインバータ制御部25の制御により、各スイッチング素子がスイッチングされて、商用電源3に接続可能な交流信号を生成する。ここで、スイッチング素子は、例えば、MOSFETである。インバータ回路21は、生成した交流信号をノイズフィルタ22に供給する。
【0025】
ノイズフィルタ22は、例えば、系統連系する商用電源3の周波数の交流信号を通過させて、高周波のノイズを低減するフィルタ回路であり、インバータ回路21が生成した交流信号のノイズを低減し、自立リレー23及び系統リレー24に供給する。
【0026】
自立リレー23は、インバータ回路21が生成した交流信号を自立運電に使用する場合に、交流信号を出力するためのリレースイッチである。自立リレー23は、自立運転の際に、接続された不図示の負荷部に交流電力を供給する。自立リレー23は、後述するインバータ制御部25の制御により、接続が制御される。
【0027】
系統リレー24は、インバータ回路21が生成した交流信号を系統連系する場合に、交流信号を出力するためのリレースイッチである。系統リレー24は、系統連系の際に、商用電源3に接続された不図示の負荷部に交流電力を供給、又は商用電源3に売電する。系統リレー24は、後述するインバータ制御部25の制御により、接続が制御される。
【0028】
接続スイッチ42は、電圧V1の直流電力の電源線(電源線L2)と、後述するAC/DC変換部30の整流直流電力の電源線(電源線L4)との間を接続するスイッチである。接続スイッチ42の詳細については、後述する。
【0029】
インバータ制御部25は、例えば、CPUを含むプロセッサであり、インバータ部20を統括的に制御する。インバータ制御部25は、後述する制御部50の制御指令に基づいて、インバータ部20の各部を制御する。インバータ制御部25は、例えば、インバータ回路21が出力する交流信号が商用電源3に接続可能(系統連系可能)なように、インバータ回路21の各MOSFETのスイッチングや、自立リレー23、系統リレー24、及び接続スイッチ42を制御する。
【0030】
AC/DC変換部30は、系統電源である商用電源3から供給される交流電力を直流電力に整流し、整流した整流直流電力から制御用電源である電圧V2(第2の電圧)の直流電力に変換する。AC/DC変換部30は、変換した電圧V2の直流電力を制御部50に供給する。
【0031】
AC/DC変換部30は、ノイズフィルタ31と、同期整流部32と、コンデンサC2と、インバータ回路33と、トランス34と、同期整流部35と、変換制御部36と、接続ダイオード41(41-1、41-2)とを備えている。
【0032】
ノイズフィルタ31は、例えば、商用電源3の周波数の交流信号を通過させて、高周波のノイズを低減するフィルタ回路であり、商用電源3から供給された交流信号のノイズを低減し、同期整流部32に供給する。
【0033】
同期整流部32は、ノイズフィルタ31を介して商用電源3から供給された交流信号を、電圧V1(第1の電圧)の直流電力(整流直流電力)に整流する。同期整流部32は、高電位側の電源線L3と低電位側の電源線L4との間に、直列に接続されたダイオード37とスイッチング素子38との組を2組備えている。すなわち、同期整流部32は、直列に接続された上側のダイオード37(37-1、37-2)及び下側のスイッチング素子38(38-1、38-2)を備える。同期整流部32は、後述する変換制御部36の制御により、各スイッチング素子38がスイッチングされて、交流信号を整流した電圧V1の直流電力を生成する。
【0034】
なお、本実施形態において、ダイオード37-1と、ダイオード37-2とは、同一の構成であり、同期整流部32が備える任意のダイオードを示す場合、又は特に区別しない場合には、ダイオード37として説明する。
【0035】
また、本実施形態において、スイッチング素子38-1と、スイッチング素子38-2とは、同一の構成であり、同期整流部32が備える任意のスイッチング素子を示す場合、又は特に区別しない場合には、スイッチング素子38として説明する。
【0036】
ダイオード37-1は、アノード端子がノイズフィルタ31の出力線の1つに接続されたノードN1に、カソード端子が高電位側の電源線L3に、それぞれ接続されている。
ダイオード37-2は、アノード端子がノイズフィルタ31の出力線のもう1つに接続されたノードN2に、カソード端子が高電位側の電源線L3に、それぞれ接続されている。
【0037】
スイッチング素子38-1は、例えば、N型MOSFETである。スイッチング素子38-1は、ソース端子が低電位側の電源線L4に、ドレイン端子がノードN1に、それぞれ接続されている。また、スイッチング素子38-1のゲート端子(制御端子)は、後述する変換制御部36から出力される制御信号の信号線に接続されている。
【0038】
スイッチング素子38-2は、例えば、N型MOSFETである。スイッチング素子38-2は、ソース端子が低電位側の電源線L4に、ドレイン端子がノードN2に、それぞれ接続されている。また、スイッチング素子38-2のゲート端子(制御端子)は、後述する変換制御部36から出力される制御信号の信号線に接続されている。
スイッチング素子38-1及びスイッチング素子38-2は、後述する変換制御部36によりスイッチングが制御される。
【0039】
コンデンサC2は、電源線L3と電源線L4との間に配置され、同期整流部32の出力電圧(電圧V1)を平滑化する平滑コンデンサである。
【0040】
インバータ回路33は、同期整流部32から供給される直流電力から、交流信号を生成する。インバータ回路33は、電圧V2の2つの電源線の間(電源線L3と電源線L4との間)に、直列に接続された2つのスイッチング素子と、コンデンサC3とを備えている。インバータ回路33は、後述する変換制御部36の制御により、各スイッチング素子がスイッチングされて、交流信号を生成する。ここで、スイッチング素子は、例えば、MOSFETである。インバータ回路33は、生成した交流信号をトランス34に供給する。
コンデンサC3は、電源線L4とトランス34の入力端子の1端との間に配置されている。
【0041】
トランス34は、例えば、インバータ回路33が生成した交流信号を、所定の電圧の交流信号に変換する。トランス34は、電圧を変換した交流信号を、同期整流部35に供給する。
【0042】
同期整流部35は、トランス34から供給された交流信号を、電圧V2(第2の電圧)の直流電力に整流する。同期整流部35は、2つのスイッチング素子を備えている。同期整流部35は、後述する変換制御部36の制御により、各スイッチング素子がスイッチングされて、交流信号を整流した電圧V2の直流電力を生成する。同期整流部35は、整流した電圧V2の直流電力を、制御部50に供給する。
【0043】
変換制御部36は、例えば、CPUを含むプロセッサであり、AC/DC変換部30を統括的に制御する。変換制御部36は、後述する制御部50の制御指令に基づいて、AC/DC変換部30の各部を制御する。変換制御部36は、例えば、同期整流部32が出力する電圧が電圧V1になるように、同期整流部32のスイッチング素子38のスイッチングを制御する。また、変換制御部36は、例えば、同期整流部35が出力する電圧が電圧V2になるように、インバータ回路33の各MOSFET、及び同期整流部35の各MOSFETのスイッチングを制御する。変換制御部36は、例えば、LLC方式により、インバータ回路33の各MOSFET、及び同期整流部35の各MOSFETのスイッチングを制御して、電圧V2を生成する。
【0044】
なお、インバータ回路33、トランス34、及び同期整流部35は、電圧V1の直流電力から電圧V2の直流電力に変換する絶縁型のDC/DCコンバータとして機能する。
【0045】
接続ダイオード41は、電圧V1の直流電力の電源線(電源線L1及び電源線L2)から整流直流電力の電源線(電源線L3及び電源線L4)に直流電力を供給する際に順方向になるように配置される。
【0046】
なお、本実施形態において、接続ダイオード41-1及び接続ダイオード41-2は、パワーコンディショナ1が備える任意の接続ダイオードを示す場合、又は特に区別しない場合には、接続ダイオード41として説明する。
また、本実施形態において、接続ダイオード41-1及び接続ダイオード41-2と、接続スイッチ42とは、接続部40に対応する。すなわち、接続部40は、接続ダイオード41-1及び接続ダイオード41-2と、接続スイッチ42とを備えている。
【0047】
接続ダイオード41-1(第1ダイオード)は、電圧V1の直流電力の電源線(電源線L1及び電源線L2)から整流直流電力の電源線(電源線L3及び電源線L4)に直流電力を供給する際に順方向になるように配置されている。接続ダイオード41-1は、例えば、アノード端子が電源線L4に、カソード端子が接続スイッチ42を介して電源線L2に、それぞれ接続されている。なお、接続ダイオード41-1のカソード端子は、接続スイッチ42のドレイン端子に接続されている。接続ダイオード41-1は、低電位側の接続線に配置される。
【0048】
接続ダイオード41-2(第2ダイオード)は、電圧V1の直流電力の電源線(電源線L1及び電源線L2)から整流直流電力の電源線(電源線L3及び電源線L4)に直流電力を供給する際に順方向になるように配置されている。接続ダイオード41-2は、例えば、アノード端子が電源線L3に、カソード端子が電源線L1に、それぞれ接続されている。接続ダイオード41-2は、高電位側の接続線に配置される。
【0049】
接続スイッチ42は、例えば、N型MOSFETであり、ソース端子が電源線L2に、ドレイン端子が、接続ダイオード41-1のカソード端子に、それぞれ接続されている。すなわち、接続スイッチ42は、低電位側の接続線に配置される。
【0050】
また、接続スイッチ42のゲート端子(制御端子)は、例えば、インバータ制御部25から出力される制御信号の信号線に接続されている。接続スイッチ42は、インバータ部20の出力線と、商用電源3(系統電源)の電源線とが接続された状態で、同期整流部32が動作する場合に、電圧V1の直流電力の電源線L2と、整流直流電力の電源線L4との間の接続を遮断する。
【0051】
接続部40は、DC/DC変換部10が変換した電圧V1の直流電力の電源線(電源線L1及び電源線L2)と、AC/DC変換部30が整流した整流直流電力の電源線(電源線L3及び電源線L4)とを接続する。
【0052】
制御部50は、例えば、CPUを含むプロセッサであり、パワーコンディショナ1を統括的に制御する。制御部50は、AC/DC変換部30が出力する電圧V2の直流電力を供給されて、各種制御処理を実行する。制御部50は、例えば、DC/DC変換部10、インバータ部20と、AC/DC変換部30、及び接続部40を制御する。
【0053】
次に、図面を参照して、本実施形態によるパワーコンディショナ1の動作について説明する。
まず、
図1を参照して、パワーコンディショナ1の全体の動作について説明する。
DC/DC変換部10は、まず、太陽電池や燃料電池である直流電源2から出力された直流電力を、電圧V1の直流電力に変換して、インバータ部20に供給する。
【0054】
DC/DC変換部10では、入力フィルタ11によりノイズを低減した直流電源2が出力する直流電力を、インバータ回路12が、3相交流信号に変換する。インバータ回路12は、3相交流信号をトランス13に供給し、次に、トランス13が、所定の電圧の3相交流信号に変換する。トランス13は、電圧を変換した交流信号を、同期整流部14に供給する。
【0055】
次に、同期整流部14が、トランス13が電圧を変換した交流信号を、同期整流して、電圧V1の直流電力をインバータ部20に供給する。
次に、インバータ部20は、電圧V1の直流電力を、インバータ回路21が、商用電源3に系統連系可能な交流電力に変換して、系統リレー24を介して、商用電源3に供給する。また、インバータ部20は、自立運転する際に、インバータ回路21が生成した交流電力を、自立リレー23を介して、自立運転する負荷部(不図示)に供給する。
【0056】
また、AC/DC変換部30は、商用電源3の交流電力を、電圧V1の直流電力に変換し、さらに、電圧V1の直流電力を、電圧V2の直流電力に変換して、制御部50に供給する。AC/DC変換部30において、同期整流部32が商用電源3から供給された交流電力を、電圧V1の直流電力に変換し、さらに、絶縁型のDC/DCコンバータであるインバータ回路33、トランス34、及び同期整流部35が、電圧V1の直流電力を電圧V2の直流電力に変換する。
【0057】
また、接続部40は、DC/DC変換部10が変換した電圧V1の直流電力を、AC/DC変換部30の同期整流部32が整流した整流直流電力の電源線(電源線L3、電源線L4)に供給する。AC/DC変換部30は、接続部40により供給されたDC/DC変換部10が変換した電圧V1の直流電力、又は同期整流部32が整流した電圧V1の整流直流電力から電圧V2の直流電力を生成する。
【0058】
すなわち、AC/DC変換部30は、例えば、同期整流部32が停止している場合に、DC/DC変換部10が変換した電圧V1の直流電力から制御部50に供給する電圧V2の直流電力を生成可能である。また、AC/DC変換部30は、例えば、DC/DC変換部10が停止している場合に、同期整流部32が整流した電圧V1の整流直流電力から制御部50に供給する電圧V2の直流電力を生成可能である。
【0059】
次に、
図2を参照して、本実施形態における接続スイッチ42の制御処理について説明する。
図2は、本実施形態によるパワーコンディショナ1の動作の一例を示すフローチャートである。ここでは、接続部40の接続スイッチ42の制御処理について説明する。
【0060】
図2に示すように、インバータ部20のインバータ制御部25は、パワーコンディショナ1が系統連系接続であり、且つ、同期整流部32が動作中である否かを判定する(ステップS101)。インバータ制御部25は、パワーコンディショナ1が系統連系接続であり、且つ、同期整流部32が動作中である場合(ステップS101:YES)に、処理をステップS102に進める。また、インバータ制御部25は、パワーコンディショナ1が系統連系接続でない、又は、同期整流部32が動作中でない場合(ステップS101:NO)に、処理をステップS103に進める。
【0061】
ステップS102において、インバータ制御部25は、接続部40の接続スイッチ42をオフ状態にする。すなわち、接続スイッチ42は、
図3に示すように、接続部40による接続を遮断する。
【0062】
図3は、本実施形態によるパワーコンディショナ1の系統連系する場合の動作の一例を説明する図である。
図3において、接続スイッチ42がオン状態において、系統リレー24がオン状態になって、パワーコンディショナ1が系統連系接続になり、且つ、同期整流部32が動作中である場合、商用電源3から供給された電力が再び商用電源3に戻って来るループRPが形成され、連系短絡が発生する可能性がある。
【0063】
ここで、ループRPは、商用電源3から、ノイズフィルタ31、同期整流部32の下側のスイッチング素子38、接続ダイオード41-1、接続スイッチ42、インバータ回路21の下側のスイッチング素子、ノイズフィルタ22、及び系統リレー24を通り、商用電源3に戻る。
【0064】
この場合、インバータ制御部25は、接続スイッチ42をオフ状態に制御して、インバータ部20と、AC/DC変換部30とを切り離して、上述したループRPを切断する。
図2に戻り、ステップS102の処理後に、インバータ制御部25は、処理をステップS101に戻す。
【0065】
ステップS103において、インバータ制御部25は、接続部40の接続スイッチ42をオン状態にする。すなわち、接続スイッチ42は、接続部40による接続を接続状態にする。ステップS103の処理後に、インバータ制御部25は、処理をステップS101に戻す。
【0066】
以上説明したように、本実施形態によるパワーコンディショナ1(系統連系装置)は、DC/DC変換部10と、インバータ部20と、AC/DC変換部30と、接続部40とを備える。DC/DC変換部10は、直流電源2から供給される直流電力を電圧V1(第1の電圧)の直流電力に変換する絶縁型のDC/DCコンバータである。インバータ部20は、DC/DC変換部10が変換した電圧V1の直流電力を系統連系可能な交流電力に変換して、交流負荷(不図示)に供給する。AC/DC変換部30は、商用電源3(系統電源)から供給される交流電力を直流電力(電圧V1の直流電力)に整流し、整流した整流直流電力から制御用電源である電圧V2(第2の電圧)の直流電力に変換する。接続部40は、DC/DC変換部10が変換した電圧V1の直流電力の電源線(電源線L1及び電源線L2)と、AC/DC変換部30が整流した整流直流電力の電源線(電源線L3及び電源線L4)とを接続する。
【0067】
これにより、本実施形態によるパワーコンディショナ1(系統連系装置)は、接続部40を備えるため、AC/DC変換部30により直流電源2と商用電源3(系統電源)との両方の電源から制御用電源(電圧V2の直流電力)を生成することができる。
【0068】
なお、
図4は、従来のパワーコンディショナ100の一例を示すブロック図である。
図4に示すように、従来のパワーコンディショナ100は、絶縁型のDC/DC変換部110と、インバータ部120と、AC/DC変換部130と、DC/DC変換部140と、制御部150とを備える。従来のパワーコンディショナ100では、直流電源2から制御用電源を生成するDC/DC変換部140と、商用電源3(系統電源)から制御用電源を生成するAC/DC変換部との両方を備える必要があった。ここで、制御用電源は、制御部150に供給する直流電力の電源である。
【0069】
これに対して、本実施形態によるパワーコンディショナ1は、接続部40を備えるため、上述した従来のパワーコンディショナ100のように、直流電源2から制御用電源を生成するDC/DC変換部140と、商用電源3(系統電源)から制御用電源を生成するAC/DC変換部130との両方を備える必要がない。よって、本実施形態によるパワーコンディショナ1は、従来のパワーコンディショナ100に比べて、構成を簡略化及び小型化することができる。
【0070】
また、本実施形態では、AC/DC変換部30は、商用電源3(系統電源)から供給される交流電力を整流する同期整流部32を備える。接続部40は、接続スイッチ42(スイッチ)を備える。接続スイッチ42は、インバータ部20の出力線と、商用電源3の電源線とが接続された状態(系統リレー24がオン状態)で、同期整流部32が動作する場合に、電圧V1の直流電力の電源線(電源線L1及び電源線L2)と、整流直流電力の電源線(電源線L3及び電源線L4)との間の接続を遮断する。
【0071】
これにより、本実施形態によるパワーコンディショナ1は、接続スイッチ42により、上述した
図3に示すループRPを切断することができ、系統連系の際に禁止されている系統短絡を防止することができる。本実施形態によるパワーコンディショナ1は、例えば、系統リレー24が溶着した場合などに、安全に制御部50に電力を供給することができ、安全にパワーコンディショナ1を動作させることができる。
【0072】
また、本実施形態では、接続部40は、ボディダイオードを有する接続スイッチ42(スイッチ)と、電圧V1の直流電力の電源線から整流直流電力の電源線に直流電力を供給する際に順方向になるように配置された接続ダイオード41とを備える。
【0073】
これにより、本実施形態によるパワーコンディショナ1は、接続ダイオード41により、AC/DC変換部30の電圧V1の直流電力から、DC/DC変換部10の電圧V1の直流電力への電力の逆流を防止することができる。
【0074】
また、本実施形態では、同期整流部32は、直列に接続された上側のダイオード37及び下側のスイッチング素子38を備える。接続ダイオード41は、接続ダイオード41-1(第1ダイオード)と、接続ダイオード41-2(第2ダイオード)とを含む。接続ダイオード41-1(第1ダイオード)は、低電位側の接続線(電源線L2と電源線L4との間の接続線)に配置される。接続ダイオード41-2(第2ダイオード)は、高電位側の接続線(電源線L1と電源線L2との間の接続線)に配置される。接続スイッチ42は、低電位側の接続線(電源線L2と電源線L4との間の接続線)に配置される。
【0075】
これにより、本実施形態によるパワーコンディショナ1は、接続スイッチ42を低電位側の接続線(電源線L2と電源線L4との間の接続線)に配置し、高電位側の接続線(電源線L1と電源線L3との間の接続線)に配置する必要がない。よって、本実施形態によるパワーコンディショナ1は、構成をさらに簡略化及び小型化することができる。
【0076】
[第2の実施形態]
次に、図面を参照して、第2の実施形態によるパワーコンディショナ1aについて説明する。
図5は、第2の実施形態によるパワーコンディショナ1aの一例を示すブロック図である。本実施形態では、上述した同期整流部32の上側のダイオード37をスイッチング素子37aに変更した場合の変形例について説明する。
【0077】
図5に示すように、パワーコンディショナ1aは、DC/DC変換部10と、インバータ部20と、AC/DC変換部30aと、接続部40aと、制御部50と、コンデンサC1とを備えている。なお、本実施形態において、パワーコンディショナ1aは、商用電源3に系統連系可能な系統連系装置の一例である。
また、
図5において、上述した
図1と同一の構成には同一の符号を付与してその説明を省略する。
【0078】
AC/DC変換部30aは、系統電源である商用電源3から供給される交流電力を直流電力に整流し、整流した整流直流電力から制御用電源である電圧V2(第2の電圧)の直流電力に変換する。AC/DC変換部30aは、変換した電圧V2の直流電力を制御部50に供給する。
【0079】
AC/DC変換部30aは、ノイズフィルタ31と、同期整流部32aと、コンデンサC2と、インバータ回路33と、トランス34と、同期整流部35と、変換制御部36と、接続ダイオード41(41-1、41-2)とを備えている。
【0080】
同期整流部32aは、ノイズフィルタ31を介して商用電源3から供給された交流信号を、電圧V1(第1の電圧)の直流電力(整流直流電力)に整流する。同期整流部32aは、高電位側の電源線L3と低電位側の電源線L4との間に、直列に接続された上側のスイッチング素子37aと下側のスイッチング素子38との組を2組備えている。すなわち、同期整流部32aは、直列に接続された上側のスイッチング素子37a(37a-1、37a-2)及び下側のスイッチング素子38(38-1、38-2)を備える。同期整流部32aは、変換制御部36の制御により、各スイッチング素子(37a、38)がスイッチングされて、交流信号を整流した電圧V1の直流電力を生成する。
【0081】
なお、本実施形態において、ダイオード37-1と、ダイオード37-2とは、同一の構成であり、同期整流部32が備える任意のダイオードを示す場合、又は特に区別しない場合には、ダイオード37として説明する。
【0082】
また、本実施形態において、上側のスイッチング素子37a-1と、スイッチング素子37a-2とは、同一の構成であり、同期整流部32aが備える任意の上側のスイッチング素子を示す場合、又は特に区別しない場合には、スイッチング素子37aとして説明する。
【0083】
スイッチング素子37a-1は、例えば、N型MOSFETである。スイッチング素子37a-1は、ソース端子がノードN1に、ドレイン端子が高電位側の電源線L3に、それぞれ接続されている。また、スイッチング素子37a-1のゲート端子(制御端子)は、変換制御部36から出力される制御信号の信号線に接続されている。
【0084】
スイッチング素子37a-2は、例えば、N型MOSFETである。スイッチング素子37a-2は、ソース端子がノードN2に、ドレイン端子が高電位側の電源線L3に、それぞれ接続されている。また、スイッチング素子37a-2のゲート端子(制御端子)は、変換制御部36から出力される制御信号の信号線に接続されている。
スイッチング素子37a及びスイッチング素子38は、変換制御部36によりスイッチングが制御される。
【0085】
また、本実施形態において、接続ダイオード41-1及び接続ダイオード41-2と、接続スイッチ42-1と、接続スイッチ42-2とは、接続部40aに対応する。すなわち、接続部40aは、接続ダイオード41-1及び接続ダイオード41-2と、接続スイッチ42-1及び接続スイッチ42-2とを備えている。本実施形態では、接続スイッチ42は、低電位側の接続線に配置される接続スイッチ42-1(第1スイッチ)と、高電位側の接続線に配置される接続スイッチ42-2(第2スイッチ)とを含む。
【0086】
接続スイッチ42-1は、電圧V1の直流電力の電源線(電源線L2)と、AC/DC変換部30aの整流直流電力の電源線(電源線L4)との間を接続するスイッチである。
接続スイッチ42-1は、例えば、N型MOSFETであり、ソース端子が電源線L2に、ドレイン端子が、接続ダイオード41-1のカソード端子に、それぞれ接続されている。すなわち、接続スイッチ42-1は、低電位側の接続線に配置される。
【0087】
また、接続スイッチ42-1のゲート端子(制御端子)は、例えば、インバータ制御部25から出力される制御信号の信号線に接続されている。接続スイッチ42-1は、インバータ部20の出力線と、商用電源3(系統電源)の電源線とが接続された状態で、同期整流部32aが動作する場合に、電圧V1の直流電力の電源線L2と、整流直流電力の電源線L4との間の接続を遮断する。
【0088】
接続スイッチ42-2は、電圧V1の直流電力の電源線(電源線L1)と、AC/DC変換部30aの整流直流電力の電源線(電源線L3)との間を接続するスイッチである。
接続スイッチ42-2は、例えば、N型MOSFETであり、ソース端子が電源線L1に、ドレイン端子が、接続ダイオード41-2のカソード端子に、それぞれ接続されている。すなわち、接続スイッチ42-2は、高電位側の接続線に配置される。
【0089】
また、接続スイッチ42-2のゲート端子(制御端子)は、例えば、インバータ制御部25から出力される制御信号の信号線に接続されている。接続スイッチ42-2は、インバータ部20の出力線と、商用電源3(系統電源)の電源線とが接続された状態で、同期整流部32aが動作する場合に、電圧V1の直流電力の電源線L1と、整流直流電力の電源線L3との間の接続を遮断する。
【0090】
また、本実施形態において、その他の構成は、上述した第1の実施形態と同様であるため、ここではその説明を省略する。
【0091】
以上説明したように、本実施形態によるパワーコンディショナ1aは、DC/DC変換部10と、インバータ部20と、AC/DC変換部30aと、接続部40aと、制御部50とを備えている。
これにより、本実施形態によるパワーコンディショナ1aは、上述した第1の実施形態と同様の効果を奏し、構成を簡略化及び小型化することができる。
【0092】
また、本実施形態では、同期整流部32aは、直列に接続された上側のスイッチング素子37a及び下側のスイッチング素子38を備える。また、接続スイッチ42は、低電位側の接続線に配置される接続スイッチ42-1(第1スイッチ)と、高電位側の接続線に配置される接続スイッチ42-2(第2スイッチ)とを含む。
【0093】
これにより、本実施形態によるパワーコンディショナ1aは、接続スイッチ42-1及び接続スイッチ42-2により、第1の実施形態と同様の効果を奏し、系統連系の際に禁止されている系統短絡を防止することができる。また、本実施形態によるパワーコンディショナ1aは、例えば、系統リレー24が溶着した場合などに、安全に制御部50に電力を供給することができ、安全にパワーコンディショナ1aを動作させることができる。
【0094】
なお、本発明は、上記の各実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
例えば、上記の各実施形態において、系統連系装置の一例として、パワーコンディショナ1(1a)である場合について説明したが、これに限定されるものではなく、他の系統連系装置であってもよい。
【0095】
また、上記の各実施形態において、絶縁型のDC/DC変換部の一例として、DC/DC変換部10である例を説明したが、これに限定されるものではなく、DC/DC変換部10は、他の構成の絶縁型のDC/DC変換部であってもよい。
【0096】
また、上記の各実施形態において、インバータ部は、インバータ部20に限定されるものではなく、他の構成のインバータ部であってもよい。
また、上記の各実施形態において、AC/DC変換部は、AC/DC変換部30(30a)に限定されるものではなく、他の構成のAC/DC変換部であってもよい。AC/DC変換部30(30a)の変換制御部36は、LLC方式により、インバータ回路33の各MOSFET、及び同期整流部35の各MOSFETのスイッチングを制御して、電圧V2を生成する例を説明したが、これに限定されるものではなく、他の方式によりスイッチングを制御してもよい。
【0097】
また、上記の各実施形態において、各部のスイッチング素子に、N型MOSFETを用いる例を説明したが、これに限定されるものではなく、各部のスイッチング素子の一部又は全部に、他のスイッチング素子を用いてもよい。
【0098】
また、上記の各実施形態において、インバータ制御部25が、接続スイッチ42(42-1、42-2)を制御する例を説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、制御部50などの他の制御部が制御するようにしてもよい。また、接続スイッチ42(42-1、42-2)を制御する専用の制御部を新たに設けてもよい。
【0099】
また、上記の各実施形態において、変換制御部15、インバータ制御部25、変換制御部36、及び制御部50は、回路手段により実現されてもよいし、CPU(Central Processing Unit)にプログラムを実行させるソフトウェア処理により実現されてもよい。
【0100】
また、上述の変換制御部15、インバータ制御部25、変換制御部36、及び制御部50の機能の一部又は全部を、LSI(Large Scale Integration)等の集積回路として実現してもよい。上述した各機能は個別にプロセッサ化してもよいし、一部、又は全部を集積してプロセッサ化してもよい。また、集積回路化の手法はLSIに限らず専用回路、又は汎用プロセッサで実現してもよい。また、半導体技術の進歩によりLSIに代替する集積回路化の技術が出現した場合、当該技術による集積回路を用いてもよい。
【符号の説明】
【0101】
1、1a、100 パワーコンディショナ
2 直流電源
3 商用電源
10、110 DC/DC変換部
11 入力フィルタ
12、21、33 インバータ回路
13、34 トランス
14、32、35 同期整流部
15、36 変換制御部
20、120 インバータ部
22、31 ノイズフィルタ
23 自立リレー
24 系統リレー
25 インバータ制御部
30、130 AC/DC変換部
37、37-1、37-2 ダイオード
37a、37a-1、37a-2、38、38-1、38-2 スイッチング素子
40、40a 接続部
41、41-1、41-2 接続ダイオード
42、42-1、42-2 接続スイッチ
50、150 制御部