IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社小松製作所の特許一覧

特開2023-114313作業機械の監視システム及び作業機械の監視方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023114313
(43)【公開日】2023-08-17
(54)【発明の名称】作業機械の監視システム及び作業機械の監視方法
(51)【国際特許分類】
   E02F 9/26 20060101AFI20230809BHJP
   G08B 21/18 20060101ALI20230809BHJP
   G08B 25/00 20060101ALI20230809BHJP
【FI】
E02F9/26 A
G08B21/18
G08B25/00 510M
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022016617
(22)【出願日】2022-02-04
(71)【出願人】
【識別番号】000001236
【氏名又は名称】株式会社小松製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】川本 駿
(72)【発明者】
【氏名】村上 友哉
(72)【発明者】
【氏名】江本 遼平
(72)【発明者】
【氏名】園山 昌司
(72)【発明者】
【氏名】平間 翔大
【テーマコード(参考)】
2D015
5C086
5C087
【Fターム(参考)】
2D015HA03
5C086AA34
5C086BA19
5C086CA28
5C086CB36
5C086EA40
5C086EA45
5C086FA02
5C086FA06
5C087AA32
5C087AA37
5C087AA42
5C087AA44
5C087DD41
5C087EE14
5C087FF01
5C087FF04
5C087GG02
5C087GG08
5C087GG09
5C087GG66
5C087GG84
(57)【要約】
【課題】作業機の欠損を監視すること。
【解決手段】作業機械の監視システムは、作業機械が有する作業機の計測データを所定のサンプリングレートで取得する計測データ取得部と、計測データにおいて作業機の欠損の有無を判定する欠損判定部と、欠損が有ると判定された計測データを示す欠損判定サンプルの数をカウントするカウント部と、欠損判定サンプルの数に基づいて、出力装置から出力させる警告の形態を変更する警告制御部と、を備える。
【選択図】図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業機械が有する作業機の計測データを所定のサンプリングレートで取得する計測データ取得部と、
前記計測データにおいて前記作業機の欠損の有無を判定する欠損判定部と、
前記欠損が有ると判定された前記計測データを示す欠損判定サンプルの数をカウントするカウント部と、
前記欠損判定サンプルの数に基づいて、出力装置から出力させる警告の形態を変更する警告制御部と、を備える、
作業機械の監視システム。
【請求項2】
前記警告制御部は、前記欠損判定サンプルの数がサンプル閾値未満である場合、前記出力装置から第1形態で警告を出力させ、前記欠損判定サンプルの数がサンプル閾値以上である場合、前記出力装置から第2形態で警告を出力させる、
請求項1に記載の作業機械の監視システム。
【請求項3】
前記警告制御部は、前記計測データ取得部に連続して取得されたサンプル閾値未満の数の計測データのそれぞれが前記欠損判定サンプルであると判定された場合、前記出力装置から第1形態で警告を出力させ、前記計測データ取得部に連続して取得されたサンプル閾値以上の数の計測データのそれぞれが前記欠損判定サンプルであると判定された場合、前記出力装置から第2形態で警告を出力させる、
請求項1に記載の作業機械の監視システム。
【請求項4】
前記出力装置は、警告音を発生する発音装置を含み、
前記警告の形態は、前記警告音の音量を含み、
前記第1形態で警告を出力させることは、前記発音装置から第1音量で警告音を発生させることを含み、
前記第2形態で警告を出力させることは、前記発音装置から第1音量よりも大きい第2音量で警告音を発生させることを含む、
請求項2又は請求項3に記載の作業機械の監視システム。
【請求項5】
前記作業機は、バケット本体と、前記バケット本体に取り付けられる交換部材と、を含み、
前記欠損は、前記交換部材の欠損を含む、
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の作業機械の監視システム。
【請求項6】
前記欠損は、前記バケット本体からの前記交換部材の脱落を含む、
請求項5に記載の作業機械の監視システム。
【請求項7】
前記交換部材は、バケットツースを含む、
請求項5又は請求項6に記載の作業機械の監視システム。
【請求項8】
前記交換部材は、前記バケット本体から突出するように前記バケット本体に取り付けられ、
前記欠損判定部は、前記交換部材の突出量が寸法閾値未満である場合、前記欠損が有ると判定する、
請求項5から請求項7のいずれか一項に記載の作業機械の監視システム。
【請求項9】
前記交換部材は、前記バケット本体に複数取り付けられ、
前記欠損判定部は、複数の前記交換部材のそれぞれの突出量に基づいて、前記寸法閾値を定める、
請求項8に記載の作業機械の監視システム。
【請求項10】
前記出力装置は、前記交換部材を示すシンボルを表示する表示装置を含み、
前記警告制御部は、前記交換部材の欠損の有無に基づいて、前記シンボルの表示形態を変更する、
請求項5から請求項8のいずれか一項に記載の作業機械の監視システム。
【請求項11】
前記交換部材は、前記バケット本体に複数取り付けられ、
前記表示装置は、複数の前記交換部材のそれぞれの位置に基づいて、複数の前記シンボルを表示する、
請求項10に記載の作業機械の監視システム。
【請求項12】
前記警告制御部は、前記欠損が有ると判定された前記交換部材を示すシンボルと、前記欠損が無いと判定された前記交換部材を示すシンボルとを、異なる表示形態で表示する、
請求項11に記載の作業機械の監視システム。
【請求項13】
前記作業機械は、前記作業機を計測する計測装置を有し、
前記計測データ取得部は、前記計測装置から前記計測データを取得する、
請求項1から請求項12のいずれか一項に記載の作業機械の監視システム。
【請求項14】
前記作業機械は、前照灯と、前記前照灯を保持するハウジングと、を有し、
前記計測装置は、前記ハウジングに配置される、
請求項13に記載の作業機械の監視システム。
【請求項15】
前記作業機械の車幅方向において、前記計測装置は、前記前照灯よりも外側に配置される、
請求項14に記載の作業機械の監視システム。
【請求項16】
前記計測装置は、前記作業機械の車幅方向において前記作業機械の中心よりも左側及び右側のそれぞれに配置され、
左側の前記計測装置は、前記作業機の左部分を計測し、
右側の前記計測装置は、前記作業機の右部分を計測する、
請求項14又は請求項15に記載の作業機械の監視システム。
【請求項17】
前記作業機は、掘削対象を掘削するバケットを有し、
前記バケットは、前記バケットに保持された掘削物が排出されるようにダンプ動作し、
前記計測装置は、少なくとも前記ダンプ動作する前記バケットを計測する、
請求項13から請求項16のいずれか一項に記載の作業機械の監視システム。
【請求項18】
前記作業機は、前記作業機械の車体と前記バケットとを連結するブームを有し、
前記バケットは、前記ブームが上げ動作した状態で、前記掘削物がダンプトラックのダンプボディに排出されるように前記ダンプ動作し、
前記計測装置は、前記掘削物を前記ダンプボディに排出するために前記ダンプ動作する前記バケットを計測する、
請求項17に記載の作業機械の監視システム。
【請求項19】
前記計測装置は、撮像装置を含み、
前記計測データは、前記作業機の画像データを含む、
請求項13から請求項18のいずれか一項に記載の作業機械の監視システム。
【請求項20】
作業機械が有する作業機の計測データを所定のサンプリングレートで取得することと、
前記計測データにおいて前記作業機の欠損の有無を判定することと、
前記欠損が有ると判定された前記計測データを示す欠損判定サンプルの数をカウントすることと、
前記欠損判定サンプルの数に基づいて、出力装置から出力させる警告の形態を変更することと、を含む、
作業機械の監視方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、作業機械の監視システム及び作業機械の監視方法に関する。
【背景技術】
【0002】
作業機械に係る技術分野において、特許文献1に開示されているような作業機械が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-127601号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
作業機械は、作業機を有する。作業中に作業機の少なくとも一部が欠損する可能性がある。
【0005】
本開示は、作業機の欠損を監視することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に従えば、作業機械が有する作業機の計測データを所定のサンプリングレートで取得する計測データ取得部と、計測データにおいて作業機の欠損の有無を判定する欠損判定部と、欠損が有ると判定された計測データを示す欠損判定サンプルの数をカウントするカウント部と、欠損判定サンプルの数に基づいて、出力装置から出力させる警告の形態を変更する警告制御部と、を備える、作業機械の監視システムが提供される。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、作業機の欠損を監視することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施形態に係る作業機械を示す側面図である。
図2図2は、実施形態に係る作業機械を示す上面図である。
図3図3は、実施形態に係る作業機械を示す正面図である。
図4図4は、実施形態に係る運転台の運転室を示す図である。
図5図5は、実施形態に係る作業機械の一部を拡大した正面図である。
図6図6は、実施形態に係る作業機械の駆動システムを示す図である。
図7図7は、実施形態に係る作業機の動作を説明する図である。
図8図8は、実施形態に係る作業機械の動作を説明する図である。
図9図9は、実施形態に係る積込作業を実施する作業機械を示す側面図である。
図10図10は、実施形態に係る積込作業を実施する作業機械を示す上面図である。
図11図11は、実施形態に係る左側の第1撮像装置により撮像された撮像データの一例を示す図である。
図12図12は、実施形態に係る左側の第2撮像装置により撮像された撮像データの一例を示す図である。
図13図13は、実施形態に係る監視システムを示す機能ブロック図である。
図14図14は、実施形態に係る欠損判定部による欠損判定方法を説明する図である。
図15図15は、実施形態に係る欠損判定部による欠損判定方法を説明する図である。
図16図16は、実施形態に係る欠損判定部による欠損判定方法を説明する図である。
図17図17は、実施形態に係る欠損判定部による欠損判定方法を説明する図である。
図18図18は、実施形態に係る欠損判定部による欠損判定方法を説明する図である。
図19図19は、実施形態に係る健全判定フレームの一例を示す図である。
図20図20は、実施形態に係る欠損判定フレームの一例を示す図である。
図21図21は、実施形態に係る表示装置に表示されるバケットツースを示すシンボルの一例を示す図である。
図22図22は、実施形態に係る欠損判定フレームと警告の形態との関係を示す図である。
図23図23は、実施形態に係る判定基準を説明する図である。
図24図24は、実施形態に係る警告基準を説明する図である。
図25図25は、実施形態に係る判定基準及び警告基準の設定画面の一例を示す図である。
図26図26は、実施形態に係る作業機の欠損監視方法を示すフローチャートである。
図27図27は、実施形態に係る地面の転石監視方法を示すフローチャートである。
図28図28は、実施形態に係る出力装置の一例を示す図である。
図29図29は、実施形態に係る出力装置の一例を示す図である。
図30図30は、実施形態に係るコンピュータシステムを示すブロック図である。
図31図31は、別の実施形態に係る作業機械の動作を説明する図である。
図32図32は、別の実施形態に係る監視システムを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示に係る実施形態について図面を参照しながら説明するが、本開示は実施形態に限定されない。以下で説明する実施形態の構成要素は、適宜組み合わせることができる。また、一部の構成要素を用いない場合もある。
【0010】
[作業機械]
図1は、実施形態に係る作業機械1を示す側面図である。図2は、実施形態に係る作業機械1を示す上面図である。図3は、実施形態に係る作業機械1を示す正面図である。
【0011】
作業機械1は、作業現場において作業する。実施形態において、作業機械1は、アーティキュレート作業機械の一種であるホイールローダである。作業機械1は、掘削対象を掘削する掘削作業、及び掘削作業により掘削した掘削物を積込対象に積み込む積込作業を実施する。
【0012】
図1図2、及び図3に示すように、作業機械1は、車体2と、運転台3と、走行装置4と、フロントフェンダ7と、支持部材8と、ハウジング9と、作業機10とを備える。
【0013】
車体2は、前部車体2Fと、後部車体2Rとを含む。前部車体2Fと後部車体2Rとは、関節機構2Aを介して連結される。
【0014】
運転台3は、車体2に支持される。運転台3に運転室が設けられる。運転室に運転席が設けられる。作業機械1は、運転台3に搭乗した運転者に操作される。
【0015】
走行装置4は、車体2を支持して作業現場の地面200を走行する。走行装置4は、車輪5と、タイヤ6とを有する。タイヤ6は、車輪5に装着される。車輪5は、前部車体2Fに支持される前輪5Fと、後部車体2Rに支持される後輪5Rとを含む。タイヤ6は、前輪5Fに装着される前タイヤ6Fと、後輪5Rに装着される後タイヤ6Rとを含む。
【0016】
前輪5F及び前タイヤ6Fは、回転軸FXを中心に回転可能である。後輪5R及び後タイヤ6Rは、回転軸RXを中心に回転可能である。
【0017】
実施形態において、前輪5Fの回転軸FXに平行な方向を適宜、車幅方向、と称する。地面200に接触する前タイヤ6Fの接地面に直交する方向を適宜、上下方向、と称する。車幅方向及び上下方向の両方に直交する方向を適宜、前後方向、と称する。作業機械1の車体2が直進状態で走行するとき、回転軸FXと回転軸RXとは平行である。
【0018】
また、実施形態において、作業機械1の車幅方向において作業機械1の中心CLに近い位置又は方向を適宜、車幅方向の内側、と称し、中心CLから遠い位置又は方向を適宜、車幅方向の外側、と称する。
【0019】
車幅方向において作業機械1の中心CLよりも一方側は、左であり、左の逆側は、右である。前後方向において運転台3の運転席を基準として作業機10に近い位置又は方向は、前であり、前の逆側は、後である。上下方向において前タイヤ6Fの接地面に近い位置又は方向は、下であり、下の逆側は、上である。
【0020】
後部車体2Rは、前部車体2Fよりも後側に配置される。前部車体2Fは、後部車体2Rに対して左側及び右側のそれぞれに屈曲する。後輪5Rは、前輪5Fよりも後側に配置される。後タイヤ6Rは、前タイヤ6Fよりも後側に配置される。前輪5F及び前タイヤ6Fは、作業機械1の車幅方向において作業機械1の中心CLよりも左側及び右側のそれぞれに配置される。後輪5R及び後タイヤ6Rは、作業機械1の車幅方向において作業機械1の中心CLよりも左側及び右側のそれぞれに配置される。
【0021】
タイヤ6は、地面200に接触した状態で回転する回転部材である。タイヤ6の回転により、作業機械1が地面200を走行する。前タイヤ6Fは、地面200に接触した状態で回転する前側回転部材である。後タイヤ6Rは、前タイヤ6Fよりも後側に配置され、地面200に接触した状態で回転する後側回転部材である。
【0022】
フロントフェンダ7は、作業機械1の走行において地面200から飛散した土砂が車体2及び運転台3に当たることを抑制する。フロントフェンダ7の一部は、前タイヤ6Fの上側に配置される。フロントフェンダ7の一部は、前タイヤ6Fの後側に配置される。フロントフェンダ7は、作業機械1の車幅方向において作業機械1の中心CLよりも左側及び右側のそれぞれに配置される。左側のフロントフェンダ7は、前部車体2Fの左部に取り付けられる。右側のフロントフェンダ7は、前部車体2Fの右部に取り付けられる。
【0023】
支持部材8は、棒状の部材である。支持部材8の下端部は、前部車体2Fに固定される。支持部材8は、上方に向かって前側且つ車幅方向の外側に傾斜する。支持部材8は、作業機械1の車幅方向において作業機械1の中心CLよりも左側及び右側のそれぞれに配置される。左側の支持部材8の下端部は、前部車体2Fの左部に固定される。左側の支持部材8は、上方に向かって前側且つ左側に傾斜する。右側の支持部材8の下端部は、前部車体2Fの右部に固定される。右側の支持部材8は、上方に向かって前側且つ右側に傾斜する。
【0024】
ハウジング9は、支持部材8の上端部に固定される。ハウジング9は、支持部材8を介して前部車体2Fに支持される。前後方向において、ハウジング9は、関節機構2Aと前部車体2Fの前端部との間に配置される。上下方向において、ハウジング9は、運転台3の上端部と前部車体2Fの上端部との間に配置される。ハウジング9は、作業機械1の車幅方向において作業機械1の中心CLよりも左側及び右側のそれぞれに配置される。左側のハウジング9は、左側の支持部材8の上端部に固定される。右側のハウジング9は、右側の支持部材8の上端部に固定される。左側のハウジング9は、左側のフロントフェンダ7の上側に配置される。右側のハウジング9は、右側のフロントフェンダ7の上側に配置される。
【0025】
作業機10は、掘削作業及び積込作業において動作する。作業機10は、前部車体2Fに連結される。作業機10の少なくとも一部は、前輪5Fよりも前側に配置される。作業機10は、ブーム11と、バケット12と、ベルクランク15と、バケットリンク16とを有する。
【0026】
ブーム11は、前部車体2Fに回動可能に連結される。ブーム11は、前部車体2Fとバケット12とを連結する。ブーム11は、ブームシリンダ13が発生する駆動力により動作する。ブームシリンダ13は、油圧シリンダである。ブームシリンダ13の一端部は、前部車体2Fに連結される。ブームシリンダ13の他端部は、ブーム11に連結される。ブームシリンダ13は、作業機械1の車幅方向において作業機械1の中心CLよりも左側及び右側のそれぞれに配置される。
【0027】
バケット12は、掘削対象を掘削する。バケット12は、ブーム11の先端部に回動可能に連結される。バケット12は、前輪5Fよりも前側に配置される。バケット12は、バケットシリンダ14が発生する駆動力により動作する。バケットシリンダ14は、油圧シリンダである。ベルクランク15の中央部がブーム11に回転可能に連結される。バケットシリンダ14の一端部は、前部車体2Fに連結される。バケットシリンダ14の他端部は、ベルクランク15の一端部に連結される。ベルクランク15の他端部は、バケットリンク16を介してバケット12に連結される。バケットシリンダ14は、車幅方向の中央部に1つ配置される。
【0028】
バケット12は、バケット本体17と、バケットツース18と、ツース間プロテクタ19とを有する。
【0029】
バケット本体17は、掘削物を保持する。バケット本体17は、底板部17Aと、上板部17Bと、左板部17Cと、右板部17Dとを含む。底板部17Aと上板部17Bと左板部17Cと右板部17Dとにより、掘削物が収容される保持空間が形成される。底板部17Aの先端部及び上板部17Bの先端部のそれぞれは、車幅方向に延伸する。左板部17Cの先端部及び右板部17Dの先端部のそれぞれは、上下方向又は前後方向に延伸する。底板部17Aの先端部と上板部17Bの先端部と左板部17Cの先端部と右板部17Dの先端部とにより、バケット12の開口部12Mが規定される。掘削物は、開口部12Mを介してバケット12の保持空間に入ることができる。
【0030】
図2及び図3に示すように、バケット本体17の車幅方向の両側の端部12Eは、タイヤ6よりも車幅方向の外側に配置される。左側の端部12Eと右側の端部12Eとの車幅方向の距離は、左側のタイヤ6の左側面と右側のタイヤ6の右側面との車幅方向の距離よりも大きい。
【0031】
バケットツース18は、バケット12の刃先を構成する。バケットツース18は、バケット本体17に取り付けられる。バケットツース18は、底板部17Aの先端部に取り付けられる。バケットツース18は、バケット本体17に複数取り付けられる。複数のバケットツース18は、車幅方向に間隔をあけて配置される。
【0032】
バケットツース18は、バケット本体17に交換可能に取り付けられる交換部材である。バケットツース18は、例えばボルトによりバケット本体17に固定される。ボルトによる固定が解除されることにより、バケットツース18は、バケット本体17から離れることができる。
【0033】
実施形態において、バケットツース18は、車幅方向に間隔をあけて8個配置される。バケットツース18は、最も左側に配置されるバケットツース181と、バケットツース181に次いで左側に配置されるバケットツース182と、バケットツース182に次いで左側に配置されるバケットツース183と、バケットツース183に次いで左側に配置されるバケットツース184と、バケットツース184に次いで左側に配置されるバケットツース185と、バケットツース185に次いで左側に配置されるバケットツース186と、バケットツース186に次いで左側に配置されるバケットツース187と、最も右側に配置されるバケットツース188と、を含む。
【0034】
ツース間プロテクタ19は、底板部17Aの先端部を保護する。ツース間プロテクタ19は、バケット本体17に取り付けられる。ツース間プロテクタ19は、相互に隣り合う一対のバケットツース18の間に配置される。ツース間プロテクタ19は、底板部17Aの先端部に取り付けられる。ツース間プロテクタ19は、バケット本体17に複数取り付けられる。複数のツース間プロテクタ19は、車幅方向に間隔をあけて配置される。
【0035】
ツース間プロテクタ19は、バケット本体17に交換可能に取り付けられる交換部材である。ツース間プロテクタ19は、例えばボルトによりバケット本体17に固定される。ボルトによる固定が解除されることにより、ツース間プロテクタ19は、バケット本体17から離れることができる。
【0036】
実施形態において、ツース間プロテクタ19は、車幅方向に間隔をあけて7個配置される。ツース間プロテクタ19は、最も左側に配置されるツース間プロテクタ191と、ツース間プロテクタ191に次いで左側に配置されるツース間プロテクタ192と、ツース間プロテクタ192に次いで左側に配置されるツース間プロテクタ193と、ツース間プロテクタ193に次いで左側に配置されるツース間プロテクタ194と、ツース間プロテクタ194に次いで左側に配置されるツース間プロテクタ195と、ツース間プロテクタ195に次いで左側に配置されるツース間プロテクタ196と、最も右側に配置されるツース間プロテクタ197と、を含む。
【0037】
[運転室]
図4は、実施形態に係る運転台3の運転室を示す図である。図4は、運転室の運転席に着座した運転者から見た景色を模式的に示す図である。
【0038】
運転室には、運転操作装置20、操作パネル21、モニタ装置22、リアビューモニタ装置23、出力装置24、及び入力装置25が配置される。運転操作装置20は、運転者に操作される。運転操作装置20は、アクセルペダル20A及び一対のブレーキペダル20Bを含む。また、不図示であるが、運転操作装置20は、ステアリングレバー、シフトレバー、前後進切換スイッチ、及び作業レバーを含む。アクセルペダル20Aが操作されることにより、作業機械1の走行速度が上昇する。ブレーキペダル20Bが操作されることにより、作業機械1の走行速度が低下したり作業機械1の走行が停止したりする。ステアリングレバーが操作されることにより、作業機械1が旋回する。シフトレバーが操作されることにより、作業機械1の速度段が変更される。前後進切換スイッチが操作されることにより、作業機械1の進行方向が前進方向と後進方向とに切り換えられる。作業レバーが操作されることにより、作業機10が動作する。
【0039】
出力装置24は、運転者に出力データを提供する。出力データは、警告を含む。出力装置24は、表示装置24Aと、発音装置24Bとを含む。
【0040】
表示装置24Aは、出力データとして運転者に表示データを提供する。表示装置24Aとして、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)又は有機ELディスプレイ(OELD:Organic Electroluminescence Display)のようなフラットパネルディスプレイが例示される。
【0041】
発音装置24Bは、出力データとして運転者に音声データを提供する。発音装置24Bとして、ブザー又はスピーカが例示される。
【0042】
入力装置25は、運転者に操作されることにより入力データを生成する。入力装置25として、ボタン又はキーボードが例示される。なお、入力装置25は、例えばタッチパネルを含んでもよい。
【0043】
運転室の前部にフロントガラスが設けられる。フロントガラスは、運転室のピラー27に取り付けられる。実施形態において、出力装置24は、ピラー27に支持される。
【0044】
[計測装置]
図5は、実施形態に係る作業機械1の一部を拡大した正面図である。図3及び図5に示すように、作業機械1は、前照灯28と、ウインカーランプ29と、第1計測装置31と、第2計測装置32とを有する。
【0045】
前照灯28は、照明光を前方に射出して、前部車体2Fよりも前方の照明範囲を照明する。前照灯28は、ハウジング9に保持される。前照灯28は、作業機械1の車幅方向において作業機械1の中心CLよりも左側及び右側のそれぞれに配置される。左側の前照灯28は、左側のハウジング9に保持される。右側の前照灯28は、右側のハウジング9に保持される。
【0046】
ウインカーランプ29は、点灯又は点滅することにより、作業機械1の旋回方向を表示する。ウインカーランプ29は、ハウジング9に保持される。ウインカーランプ29は、作業機械1の車幅方向において作業機械1の中心CLよりも左側及び右側のそれぞれに配置される。左側のウインカーランプ29は、左側のハウジング9に保持される。右側のウインカーランプ29は、右側のハウジング9に保持される。作業機械1の車幅方向において、ウインカーランプ29は、前照灯28よりも外側に配置される。
【0047】
第1計測装置31は、作業機10を計測する。第1計測装置31は、作業機10の計測データを取得する。実施形態において、第1計測装置31は、作業機10を撮像する撮像装置である。作業機10の計測データは、作業機10の画像データを含む。以下の説明において、第1計測装置31を適宜、第1撮像装置31、と称する。
【0048】
第2計測装置32は、作業機械1が走行する地面200を計測する。第2計測装置32は、地面200の計測データを取得する。実施形態において、第2計測装置32は、地面200を撮像する撮像装置である。地面200の計測データは、地面200の画像データを含む。以下の説明において、第2計測装置32を適宜、第2撮像装置32、と称する。
【0049】
第1撮像装置31及び第2撮像装置32のそれぞれは、光学系と、光学系を通過した光が入射するイメージセンサとを有する。イメージセンサとして、CCD(Couple Charged Device)イメージセンサ又はCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサが例示される。
【0050】
第1撮像装置31及び第2撮像装置32のそれぞれは、ハウジング9に配置される。作業機械1の車幅方向において、第1撮像装置31及び第2撮像装置32のそれぞれは、前照灯28よりも外側に配置される。ハウジング9において、第2撮像装置32は、第1撮像装置31よりも上方に配置される。
【0051】
第1撮像装置31は、作業機械1の車幅方向において作業機械1の中心CLよりも左側及び右側のそれぞれに配置される。第1撮像装置31は、左側のハウジング9及び右側のハウジング9のそれぞれに配置される。第1撮像装置31は、中心CLよりも左側に配置される第1撮像装置31Lと、中心CLよりも右側に配置される第1撮像装置31Rとを含む。
【0052】
第2撮像装置32は、作業機械1の車幅方向において作業機械1の中心CLよりも左側及び右側のそれぞれに配置される。第2撮像装置32は、左側のハウジング9及び右側のハウジング9のそれぞれに配置される。第2撮像装置32は、中心CLよりも左側に配置される第2撮像装置32Lと、中心CLよりも右側に配置される第2撮像装置32Rとを含む。
【0053】
[駆動システム]
図6は、実施形態に係る作業機械1の駆動システム40を示す図である。駆動システム40は、エンジン41と、燃料噴射装置42と、パワーテイクオフ43(PTO:Power Take Off)と、トランスミッション44と、フロントアクスル45Fと、リヤアクスル45Rと、油圧ポンプ46と、制御弁47と、駆動コントローラ48とを有する。
【0054】
エンジン41は、例えばディーゼルエンジンである。燃料噴射装置42は、エンジン41のシリンダに燃料を噴射する。燃料噴射装置42からエンジン41に噴射される燃料量が調整されることにより、エンジン41の駆動力が調整される。
【0055】
パワーテイクオフ43は、エンジン41の駆動力をトランスミッション44と油圧ポンプ46とに分配する。エンジン41の駆動力は、パワーテイクオフ43を介してトランスミッション44及び油圧ポンプ46のそれぞれに伝達される。
【0056】
トランスミッション44は、エンジン41の駆動力が入力される入力軸と、入力軸に入力された駆動力を変速して出力する出力軸とを有する。トランスミッション44の入力軸は、パワーテイクオフ43に接続される。トランスミッション44の出力軸は、フロントアクスル45F及びリヤアクスル45Rのそれぞれに接続される。エンジン41の駆動力は、パワーテイクオフ43及びトランスミッション44を介してフロントアクスル45F及びリヤアクスル45Rのそれぞれに伝達される。
【0057】
トランスミッション44は、作業機械1の進行方向を前進方向と後進方向とに切り換える。トランスミッション44は、前進ギヤ44Fと、後進ギヤ44Rとを有する。前進ギヤ44Fが入ることにより、作業機械1の進行方向が前進方向に決定される。後進ギヤ44Rが入ることにより、作業機械1の進行方向が後進方向に決定される。
【0058】
フロントアクスル45Fは、トランスミッション44から伝達された駆動力を前輪5Fに伝達する。前輪5Fは、フロントアクスル45Fから伝達された駆動力に基づいて回転する。
【0059】
リヤアクスル45Rは、トランスミッション44から伝達された駆動力を後輪5Rに伝達する。後輪5Rは、リヤアクスル45Rから伝達された駆動力に基づいて回転する。
【0060】
前進ギヤ44Fが入ることにより、作業機械1は、前進可能な状態になる。前進ギヤ44Fが入った状態で、アクセルペダル20Aが操作され、エンジン41の駆動力がトランスミッション44を介してフロントアクスル45F及びリヤアクスル45Rのそれぞれに伝達されることにより、作業機械1が前進する。なお、前進ギヤ44Fが入った状態においても、例えばブレーキペダル20Bが操作されている状態においては、作業機械1は前進しない。
【0061】
後進ギヤ44Rが入ることにより、作業機械1は、後進可能な状態になる。後進ギヤ44Rが入った状態で、アクセルペダル20Aが操作され、エンジン41の駆動力がトランスミッション44を介してフロントアクスル45F及びリヤアクスル45Rのそれぞれに伝達されることにより、作業機械1が後進する。なお、後進ギヤ44Rが入った状態においても、例えばブレーキペダル20Bが操作されている状態においては、作業機械1は後進しない。
【0062】
油圧ポンプ46は、作動油を吐出する。油圧ポンプ46は、可変容量型油圧ポンプである。油圧ポンプ46は、エンジン41の駆動力に基づいて駆動する。油圧ポンプ46から吐出された作動油は、制御弁47を介してブームシリンダ13及びバケットシリンダ14の少なくとも一方に供給される。
【0063】
制御弁47は、ブームシリンダ13及びバケットシリンダ14それぞれに供給される作動油の流量及び方向を制御する。作業機10は、制御弁47を介して油圧ポンプ46から供給される作動油により動作する。
【0064】
駆動コントローラ48は、運転操作装置20から出力された操作信号に基づいて、作業機械1を制御する。駆動コントローラ48は、コンピュータシステムを含む。
【0065】
[作業機の動作]
図7は、実施形態に係る作業機10の動作を説明する図である。実施形態において、作業機10は、掘削作業においてバケット12の開口部12Mが前方を向くフロントローディング方式の作業機である。
【0066】
ブームシリンダ13が伸縮することにより、ブーム11が上げ動作又は下げ動作する。
【0067】
ブーム11の上げ動作とは、ブーム11の先端部が地面200から離隔するようにブーム11が回動する動作をいう。ブームシリンダ13が伸びることにより、ブーム11が上げ動作する。
【0068】
ブーム11の下げ動作とは、ブーム11の先端部が地面200に接近するようにブーム11が回動する動作をいう。ブームシリンダ13が縮むことにより、ブーム11が下げ動作する。
【0069】
バケットシリンダ14が伸縮することにより、バケット12がチルト動作又はダンプ動作する。
【0070】
バケット12のチルト動作とは、バケット12の開口部12Mが上方を向いた状態でバケット12の先端部が地面200から離隔するようにバケット12が回動する動作をいう。バケットシリンダ14が伸びることにより、ベルクランク15の上端部が前方に移動し、ベルクランク15の下端部が後方に移動するように、ベルクランク15が回動する。ベルクランク15の下端部が後方に移動すると、バケット12は、バケットリンク16により後方に引かれ、チルト動作する。バケット12がチルト動作することにより、掘削対象がバケット12によって掬い取られ、掘削物がバケット12に保持される。
【0071】
バケット12のダンプ動作とは、バケット12の開口部12Mが下方を向いた状態でバケット12の先端部が地面200に接近するようにバケット12が回動する動作をいう。バケットシリンダ14が縮むことにより、ベルクランク15の上端部が後方に移動し、ベルクランク15の下端部が前方に移動するように、ベルクランク15が回動する。ベルクランク15の下端部が前方に移動すると、バケット12は、バケットリンク16により前方に押され、ダンプ動作する。バケット12がダンプ動作することにより、バケット12に保持されている掘削物がバケット12から排出される。
【0072】
[作業機械の動作]
図8は、実施形態に係る作業機械1の動作を説明する図である。作業機械1は、作業現場において掘削作業及び積込作業を実施する。
【0073】
掘削作業は、掘削対象を掘削する作業である。掘削対象として、地山又は岩山が例示される。地山は、地面200に置かれた土砂により構成される山である。岩山は、地面200に置かれた岩又は石により構成される山である。実施形態において、掘削対象は、地山210である。掘削物は、バケット12に掘削され保持された地山210の一部である。
【0074】
積込作業は、掘削作業により掘削した掘削物を積込対象に積み込む作業である。積込対象として、運搬車両、ホッパ、又はベルトコンベヤが例示される。実施形態において、積込対象は、運搬車両の一種であるダンプトラック220のダンプボディ230である。
【0075】
作業機械1は、一連の作業モードを繰り返すサイクル作業を実施するように運転者に操作される。サイクル作業は、相互に関連する複数の作業モードにより構成される。サイクル作業は、走行装置4の走行及び作業機10の動作を含む。
【0076】
実施形態において、サイクル作業は、6つの作業モードにより構成される。実施形態において、作業機械1の一連の作業モードは、空荷前進モードと、掘削モードと、積荷後進モードと、積荷前進モードと、積込モードと、空荷後進モードとを含む。
【0077】
一連の作業モードの順序は、決められている。空荷前進モードが実施された後に、掘削モードが実施される。掘削モードが実施された後に、積荷後進モードが実施される。積荷後進モードが実施された後に、積荷前進モードが実施される。積荷前進モードが実施された後に、積込モードが実施される。積込モードが実施された後に、空荷後進モードが実施される。
【0078】
空荷前進モードは、バケット12に掘削物が保持されていない状態で作業機械1が掘削対象に接近するように前進する作業モードである。空荷前進モードにおいて、作業機械1は、バケット12に掘削物が保持されていない状態で、図8の矢印M1で示すように、地山210に接近するように前進する。
【0079】
掘削モードは、作業機10のバケット12で掘削対象を掘削する作業モードである。掘削モードにおいて、掘削作業が実施される。バケット12の少なくとも一部が地山210に挿入された状態で、バケット12がチルト動作することにより、地山210がバケット12により掘削され、バケット12に掘削物が保持される。
【0080】
積荷後進モードは、バケット12に掘削物が保持されている状態で作業機械1が掘削対象から離隔するように後進する作業モードである。積荷後進モードにおいて、作業機械1は、バケット12に掘削物が保持されている状態で、図8の矢印M2で示すように、地山210から離隔するように後進する。
【0081】
積荷前進モードは、バケット12に掘削物が保持されている状態で作業機械1が積込対象に接近するように前進する作業モードである。積荷前進モードにおいて、作業機械1は、バケット12に掘削物が保持されている状態で、図8の矢印M3で示すように、ダンプトラック220に向かって旋回しながら前進する。作業機械1がダンプトラック220に向かって前進している状態において、バケット12がダンプボディ230の上方に配置されるようにブーム11が上げ動作する。
【0082】
積込モードは、作業機10のバケット12に保持されている掘削物を積込対象に積み込む作業モードである。積込モードにおいて、積込作業が実施される。バケット12がダンプボディ230の上方に配置された後、バケット12がダンプ動作することにより、バケット12に保持されている掘削物がバケット12から排出され、ダンプボディ230に積み込まれる。
【0083】
空荷後進モードは、バケット12に掘削物が保持されていない状態で作業機械1が積込対象から離隔するように後進する作業モードである。作業機械1は、バケット12に掘削物が保持されていない状態で、図8の矢印M4で示すように、ダンプトラック220から離隔するように旋回しながら後進する。
【0084】
作業機械1は、掘削物がダンプボディ230に目標積載量で積み込まれるまで、空荷前進モード、掘削モード、積荷後進モード、積荷前進モード、積込モード、及び空荷後進モードを含むサイクル作業を繰り返す。
【0085】
[計測範囲]
図9は、実施形態に係る積込作業を実施する作業機械1を示す側面図である。図10は、実施形態に係る積込作業を実施する作業機械1を示す上面図である。
【0086】
図9及び図10に示すように、ダンプトラック220のダンプボディ230に掘削物を積み込む場合、作業機械1は、バケット12がダンプボディ230の上方に配置されるようにブーム11の上げ動作を実施する。ブーム11が上げ動作し、バケット12がダンプボディ230の上方に配置された後、作業機械1は、バケット12をダンプ動作させる。バケット12は、ブーム11が上げ動作した状態で、バケット12に保持された掘削物がダンプトラック220のダンプボディ230に排出されるようにダンプ動作する。第1撮像装置31は、少なくとも掘削物をダンプボディ230に排出するためにダンプ動作するバケット12を撮像する。バケット12のダンプ動作により、バケット12に保持されている掘削物がバケット12から排出され、ダンプボディ230に積み込まれる。
【0087】
第1撮像装置31の計測範囲Raは、第1撮像装置31の撮像範囲を含む。計測範囲Raは、第1撮像装置31の光学系の画角を示す第1画角αに基づいて定められる。第1撮像装置31は、掘削物をダンプボディ230に排出するためにダンプ動作するバケット12を撮像する。第1撮像装置31は、ブーム11が上げ動作し、且つ、バケット12がダンプ動作したときに、バケットツース18が計測範囲Raに配置されるように、ハウジング9に固定される。
【0088】
第2撮像装置32の計測範囲Rbは、第2撮像装置32の撮像範囲を含む。計測範囲Rbは、第2撮像装置32の光学系の画角を示す第2画角βに基づいて定められる。第2撮像装置32は、少なくともタイヤ6の進行方向の地面200を撮像する。実施形態において、第2撮像装置32は、作業機械1が前進するとき、前タイヤ6Fの前方の地面200を撮像する。第2撮像装置32は、作業機械1が前進するとき、少なくとも前タイヤ6Fの前方の地面200が計測範囲Rbに配置されるように、ハウジング9に固定される。実施形態において、第2撮像装置32は、前タイヤ6Fの前端部、前タイヤ6Fの前方の地面200、及び前タイヤ6Fよりも車幅方向の外側の地面200のそれぞれが計測範囲Rbに配置されるように、ハウジング9に固定される。前タイヤ6Fの前方の地面200は、前後方向において、前タイヤ6Fの前端部とバケット12の後端部との間の地面200を含む。
【0089】
実施形態において、第2撮像装置32の第2画角βは、第1撮像装置31の第1画角αよりも広い。
【0090】
図10に示すように、中心CLよりも左側の第1撮像装置31Lは、作業機10のバケット12の少なくとも左部分を撮像する。中心CLよりも右側の第1撮像装置31Rは、作業機10のバケット12の少なくとも右部分を撮像する。バケット12の左部分は、バケット12の左側の端部12Eと中心CLとの間のバケット12の一部分である。バケット12の右部分は、バケット12の右側の端部12Eと中心CLとの間のバケット12の一部分である。
【0091】
図10に示す例において、中心CLよりも左側の第1撮像装置31Lは、ブーム11が上げ動作し、且つ、バケット12がダンプ動作したときに、バケットツース181,182,183,184,185が計測範囲Raに配置されるように、左側のハウジング9に固定される。中心CLよりも右側の第1撮像装置31Rは、ブーム11が上げ動作し、且つ、バケット12がダンプ動作したときに、バケットツース184,185,186,187,188が計測範囲Raに配置されるように、右側のハウジング9に固定される。
【0092】
図10に示すように、中心CLよりも左側の第2撮像装置32Lは、中心CLよりも左側の前タイヤ6Fの前方の地面200を撮像する。中心CLよりも右側の第2撮像装置32Rは、中心CLよりも右側の前タイヤ6Fの前方の地面200を撮像する。
【0093】
図10に示す例において、中心CLよりも左側の第2撮像装置32Lは、左側の前タイヤ6Fの前端部と、左側の前タイヤ6Fの前方の地面200と、左側の前タイヤ6Fの左方の地面200とが計測範囲Rbに配置されるように、左側のハウジング9に固定される。中心CLよりも右側の第2撮像装置32Rは、右側の前タイヤ6Fの前端部と、右側の前タイヤ6Fの前方の地面200と、右側の前タイヤ6Fの右方の地面200とが計測範囲Rbに配置されるように、右側のハウジング9に固定される。
【0094】
図11は、実施形態に係る左側の第1撮像装置31Lにより撮像された画像データの一例を示す図である。図12は、実施形態に係る左側の第2撮像装置32Rにより撮像された画像データの一例を示す図である。
【0095】
図11に示すように、第1撮像装置31Lは、掘削物がダンプボディ230に排出されるようにダンプ動作するバケット12を下から見上げるように撮像する。これにより、図11に示すように、第1撮像装置31Lは、複数のバケットツース18を同時に撮像することができる。図11に示す例においては、第1撮像装置31の計測範囲Raに、バケットツース181,182,183,184,185,186が配置される。
【0096】
図12に示すように、第2撮像装置32Lは、前タイヤ6Fの前方の地面200及び左方の地面200を上から見下ろすように撮像する。これにより、第2撮像装置32Lは、前タイヤ6Fの周囲の地面200を撮像することができる。例えば、前タイヤ6Fの周囲の地面200に転石240が存在する場合、第2撮像装置32Lは、地面200の転石240を撮像することができる。
【0097】
[監視システム]
図13は、実施形態に係る監視システム30を示す機能ブロック図である。作業機械1は、監視システム30を有する。監視システム30は、作業機10及び作業機械1が走行する地面200を監視する。
【0098】
監視システム30は、第1撮像装置31と、第2撮像装置32と、出力装置24と、入力装置25と、監視コントローラ33とを有する。第1撮像装置31は、中心CLよりも左側に配置される第1撮像装置31Lと、中心CLよりも右側に配置される第1撮像装置31Rとを含む。第2撮像装置32は、中心CLよりも左側に配置される第2撮像装置32Lと、中心CLよりも右側に配置される第2撮像装置32Rとを含む。
【0099】
第1撮像装置31、第2撮像装置32、出力装置24、及び入力装置25のそれぞれは、監視コントローラ33に接続される。第1撮像装置31により撮像された画像データは、監視コントローラ33に入力される。第2撮像装置32により撮像された画像データは、監視コントローラ33に入力される。入力装置25により生成された入力データは、監視コントローラ33に入力される。
【0100】
実施形態において、第1撮像装置31及び第2撮像装置32のそれぞれは、所定のサンプリングレート(SPS:samples per second)で計測データを取得する。計測データは、画像データを含む。サンプリングレートは、フレームレート(FPS:frames per second)を含む。第1撮像装置31及び第2撮像装置32のそれぞれは、所定のフレームレートで画像データを撮像する。第1撮像装置31が所定のフレームレートで画像データを撮像することにより、動画が撮影される。第2撮像装置32が所定のフレームレートで画像データを撮像することにより、動画が撮影される。
【0101】
監視コントローラ33は、欠損監視部34と、転石監視部35とを有する。
【0102】
欠損監視部34は、第1撮像装置31により撮像された画像データに基づいて、作業機10の欠損の有無を認識する。作業機10の欠損を認識した場合、欠損監視部34は、作業機10に欠損が有ることを示す警告を出力装置24から出力させる。作業機10の欠損は、バケット12の欠損を含む。バケット12の欠損は、交換部材であるバケットツース18の欠損を含む。バケットツース18の欠損は、バケット本体17からのバケットツース18の脱落を含む。
【0103】
転石監視部35は、第2撮像装置32により撮像された撮像データに基づいて、作業機械1が走行する地面200の転石240の有無を認識する。地面200の転石240を認識した場合、転石監視部35は、地面200に転石240が有ることを示す警告を出力装置24から出力させる。地面200の転石240は、前タイヤ6Fの進行方向の地面200の転石240を含む。前タイヤ6Fの進行方向の地面200の転石240は、作業機械1が前進するときの前タイヤ6Fの前方の地面200の転石240を含む。
【0104】
<欠損監視部>
欠損監視部34は、第1計測データ取得部34Aと、欠損判定部34Bと、カウント部34Cと、第1警告制御部34Dとを有する。
【0105】
第1計測データ取得部34Aは、作業機10の計測データを所定のサンプリングレートで第1撮像装置31から取得する。実施形態において、作業機10の計測データは、第1撮像装置31により撮像された作業機10の画像データを含む。サンプリングレートは、フレームレートを含む。第1計測データ取得部34Aは、作業機10の画像データを所定のフレームレートで第1撮像装置31から取得する。
【0106】
欠損判定部34Bは、第1計測データ取得部34Aにより取得された画像データに基づいて、作業機10の欠損の有無を判定する。欠損判定部34Bは、画像データにおいて作業機10の欠損の有無を判定する。実施形態において、欠損判定部34Bは、画像データにおいてバケット本体17からのバケットツース18の脱落の有無を判定する。
【0107】
図14図15図16図17、及び図18のそれぞれは、実施形態に係る欠損判定部34Bによる欠損判定方法を説明する図である。以下、一例として、中心CLよりも左側の第1撮像装置31Lにより撮像された画像データに基づいて、バケットツース18の欠損の有無を判定する方法について説明する。
【0108】
図14に示すように、第1撮像装置31Lは、掘削物をダンプボディ230に排出するためにダンプ動作するバケット12を撮像する。第1計測データ取得部34Aは、第1撮像装置31Lからバケット12の画像データを取得する。画像データの認識範囲50に、複数のバケットツース18(181,182,183,184,185)が配置される。複数のバケットツース18のそれぞれは、バケット本体17から突出するようにバケット本体17に取り付けられる。
【0109】
欠損判定部34Bは、第1計測データ取得部34Aにより取得された画像データの認識範囲50において複数のバケットツース18のそれぞれを認識する。
【0110】
複数のバケットツース18を認識した後、図15に示すように、欠損判定部34Bは、複数のバケットツース18のそれぞれの根本51の位置及び刃先52の位置を推定する。根本51は、バケットツース18の基端部である。根本51は、バケットツース18とバケット本体17との境界を含む。刃先52は、バケットツース18の先端部である。実施形態において、欠損判定部34Bは、入力データをアルゴリズムにより解析して出力データを出力する人工知能(AI:Artificial Intelligence)を利用して、根本51及び刃先52を推定する。欠損判定部34Bは、入力データに基づいて根本51及び刃先52の確からしさの確率を出力する人工知能を利用し、確率が所定の閾値以上の中心を根本51の位置及び刃先52の位置と推定してもよい。また、欠損判定部34Bは、入力データに基づいて根本51の位置及び刃先52の位置を直接推定する人工知能を利用してもよい。
【0111】
少なくとも4個のバケットツース181,182,183,184のそれぞれの根本51の位置及び刃先52の位置を推定した後、図16に示すように、欠損判定部34Bは、バケットツース181の根本51とバケットツース182の根本51との距離G1、バケットツース182の根本51とバケットツース183の根本51との距離G2、及びバケットツース183の根本51とバケットツース184の根本51との距離G3を算出する。距離G1,G2,G3を算出した後、欠損判定部34Bは、距離G1,G2,G3に基づいて、基準ツース間距離Gを算出する。実施形態において、基準ツース間距離Gは、距離G1,G2,G3の中央値である。
【0112】
基準ツース間距離Gを算出した後、図17に示すように、欠損判定部34Bは、根本51に対応する刃先52を探索する。根本51と根本51に対応する刃先52とは、1個のバケットツース18の基端部と先端部とを構成する。実施形態において、欠損判定部34Bは、根本51を基準として探索範囲53を設定し、探索範囲53において刃先52を探索する。探索範囲53は、画像データにおいて四角形状に設定される。図17に示すように、画像データにおける縦方向の探索範囲53の寸法が[γ×G]に定められ、画像データにおける横方向の探索範囲53の寸法が[δ×G]に定められる。γ及びδは、予め定められた固定値である。
【0113】
なお、第1撮像装置31Lとバケット12との距離が短いときに第1撮像装置31Lにより撮像された画像データにおいて、バケット12は、大きく映る。第1撮像装置31Lとバケット12との距離が長いときに第1撮像装置31Lにより撮像された画像データにおいて、バケット12は、小さく映る。画像データにおいてバケット12の大きさが異なると、欠損判定部34Bは、根本51に対応する刃先52を探索できない可能性がある。実施形態においては、基準ツース間距離Gに基づいて探索範囲53が設定される。これにより、欠損判定部34Bは、第1撮像装置31Lとバケット12との距離によらず、根本51に対応する刃先52を探索することができる。
【0114】
複数の根本51のそれぞれに対応する刃先52を探索した後、図18に示すように、欠損判定部34Bは、バケットツース181の根本51と刃先52との距離L1、バケットツース182の根本51と刃先52との距離L2、バケットツース183の根本51と刃先52との距離L3、及びバケットツース184の根本51と刃先52との距離L4を算出する。距離L1は、バケット本体17からのバケットツース181の突出量に相当する。距離L2は、バケット本体17からのバケットツース182の突出量に相当する。距離L3は、バケット本体17からのバケットツース183の突出量に相当する。距離L4は、バケット本体17からのバケットツース184の突出量に相当する。距離L1,L2,L3,L4を算出した後、欠損判定部34Bは、距離L1,L2,L3,L4に基づいて、基準ツース長Lを算出する。実施形態において、基準ツース長Lは、距離L1,L2,L3,L4の中央値である。なお、欠損判定部34Bは、中心CLよりも右側の第1撮像装置31Rにより撮像された画像データに基づいて、4本のバケットツース185,186,187,188のそれぞれに対応する距離L5,L6,L7,L8を同様の方法により算出し、距離L1,L2,L3,L4,L5,L6,L7,L8に基づいて、基準ツース長Lを算出してもよい。
【0115】
基準ツース長Lを算出した後、欠損判定部34Bは、基準ツース長Lに基づいて、バケット本体17からのバケットツース18の突出量に係る寸法閾値を定める。実施形態において、寸法閾値は、[ε×L]に定められる。εは、予め定められた固定値である。このように、実施形態において、欠損判定部34Bは、バケット本体17からの複数のバケットツース18(181,182,183,184)の突出量(L1,L2,L3,L4)に基づいて、寸法閾値を定める。
【0116】
欠損判定部34Bは、寸法閾値に基づいて、バケットツース18(181,182,183,184)に欠損が有るか否かを判定する。欠損判定部34Bは、バケット本体17からのバケットツース18の突出量が寸法閾値未満である場合、バケットツース18に欠損が有ると判定する。欠損判定部34Bは、バケット本体17からのバケットツース18の突出量が寸法閾値以上である場合、バケットツース18に欠損が無いと判定する。実施形態において、欠損判定部34Bは、バケットツース18の突出量が寸法閾値未満である場合、バケット本体17からバケットツース18が脱落していると判定し、バケットツース18の突出量が寸法閾値以上である場合、バケット本体17からバケットツース18が脱落していないと判定する。
【0117】
なお、第1撮像装置31Lとバケット12との距離が短いときに第1撮像装置31Lにより撮像された画像データにおいて、バケット12は、大きく映る。第1撮像装置31Lとバケット12との距離が長いときに第1撮像装置31Lにより撮像された画像データにおいては、バケット12は、小さく映る。画像データにおいてバケット12の大きさが異なると、欠損判定部34Bは、バケットツース18に欠損が有るか否かを正しく判定できない可能性がある。実施形態においては、基準ツース長Lに基づいて寸法閾値が定められる。これにより、欠損判定部34Bは、第1撮像装置31Lとバケット12との距離によらず、バケットツース18に欠損が有るか否かを判定することができる。
【0118】
カウント部34Cは、欠損判定部34Bの判定に基づいて、計測データを複数のサンプルに分類する。カウント部34Cは、欠損が無いと判定された計測データを健全判定サンプルに分類する。カウント部34Cは、欠損が有ると判定された計測データを欠損判定サンプルに分類する。カウント部34Cは、欠損判定部34Bがバケットツース18を認識できなかった計測データを未判定サンプルに分類する。カウント部34Cは、欠損が無いと判定された計測データを示す健全判定サンプルの数をカウントする。カウント部34Cは、欠損が有ると判定された計測データを示す欠損判定サンプルの数をカウントする。カウント部34Cは、バケットツース18を認識できなかった計測データを示す未判定サンプルの数をカウントする。実施形態において、計測データは、画像データであり、カウント部34Cに分類されるサンプルは、フレームである。以下の説明において、健全判定サンプルを適宜、健全判定フレーム、と称し、欠損判定サンプルを適宜、欠損判定フレーム、と称し、未判定サンプルを適宜、未判定フレーム、と称する。
【0119】
図19は、実施形態に係る健全判定フレームの一例を示す図である。図19に示すように、バケットツース181の突出量を示す距離L1、バケットツース182の突出量を示す距離L2、バケットツース183の突出量を示す距離L3、及びバケットツース184の突出量を示す距離L4のそれぞれが、寸法閾値以上である。この場合、欠損判定部34Bは、バケットツース18が欠損していないと判定する。カウント部34Cは、欠損が無いと判定された画像データを健全判定フレームに分類する。
【0120】
図20は、実施形態に係る欠損判定フレームの一例を示す図である。図20に示す例において、バケットツース182の突出量を示す距離L2が、寸法閾値未満である。この場合、欠損判定部34Bは、バケットツース182が欠損していると判定する。カウント部34Cは、欠損が有ると判定された画像データを欠損判定フレームに分類する。
【0121】
以上、中心CLよりも左側の第1撮像装置31Lにより撮像された画像データに基づいて、バケットツース18の脱落の有無を判定する方法について説明した。中心CLよりも右側の第1撮像装置31Rにより撮像された画像データに基づいて、バケットツース18の脱落の有無を判定する方法も同様である。欠損判定部34Bは、第1計測データ取得部34Aが第1撮像装置31Rから取得した画像データに基づいて、4本のバケットツース185,186,187,188の脱落の有無を判定する。
【0122】
第1警告制御部34Dは、バケットツース18を示すシンボル60を表示装置24Aに表示させる。第1警告制御部34Dは、バケットツース18の欠損の有無に基づいて、シンボル60の表示形態を変更する。
【0123】
図21は、実施形態に係る表示装置24Aに表示されるバケットツース18を示すシンボル60の一例を示す図である。図21に示すように、欠損判定部34Bが画像データにおいてバケットツース18を認識できない場合、第1警告制御部34Dは、認識できないバケットツース18を示すシンボル60を第1表示形態で表示装置24Aに表示させる。画像データにおいてバケットツース18の欠損が無いと欠損判定部34Bにより判定された場合、第1警告制御部34Dは、欠損が無いと判定されたバケットツース18を示すシンボル60を第2表示形態で表示装置24Aに表示させる。画像データにおいてバケットツース18の欠損が有ると欠損判定部34Bにより判定された場合、第1警告制御部34Dは、欠損が有ると判定されたバケットツース18を示すシンボル60を第3表示形態で表示装置24Aに表示させる。
【0124】
実施形態において、第1警告制御部34Dは、欠損判定部34Bが認識できないバケットツース18を示すシンボル60を第1色彩で表示する。第1色彩は、例えば灰色である。第1警告制御部34Dは、欠損が無いと判定されたバケットツース18を示すシンボル60を第2色彩で表示する。第2色彩は、例えば緑色である。第1警告制御部34Dは、欠損が有ると判定されたバケットツース18を示すシンボルを第3色彩で表示する。第3色彩は、例えば赤色である。
【0125】
第1警告制御部34Dは、欠損判定フレームが存在する場合、欠損判定フレームが存在することを示す警告を出力装置24から出力させる。また、第1警告制御部34Dは、カウント部34Cによりカウントされた欠損判定フレームの数に基づいて、出力装置24から出力させる警告の形態を変更する。
【0126】
第1警告制御部34Dは、欠損判定フレームの数がサンプル閾値未満である場合、出力装置24から第1形態で警告を出力させ、欠損判定フレームの数がサンプル閾値以上である場合、出力装置24から第2形態で警告を出力させる。サンプル閾値は、予め定められた値である。
【0127】
出力装置24は、バケットツース18を示すシンボル60を表示する表示装置24Aと、警告音を発生する発音装置24Bとを含む。第1警告制御部34Dは、欠損判定フレームの数がサンプル閾値未満である場合、表示装置24Aに第1形態で表示データを表示させ、欠損判定フレームの数がサンプル閾値以上である場合、表示装置24Aに第2形態で表示データを表示させてもよい。第1警告制御部34Dは、欠損判定フレームの数がサンプル閾値未満である場合、発音装置24Bに第1形態で警告音を発生させ、欠損判定フレームの数がサンプル閾値以上である場合、発音装置24Bに第2形態で警告音を発生させてもよい。
【0128】
図22は、実施形態に係る欠損判定フレームと警告の形態との関係を示す図である。欠損判定フレームの有無の判定は、所定のフレームレートで実施される。図22に示す例において、欠損判定フレームの有無の判定は、0.2[sec.]間隔で実施される。図22において、「通常」フレームは、健全判定フレーム又は未判定フレームを示す。図22において、「欠損」フレームは、欠損判定フレームを含む。図22に示す例において、サンプル閾値は、2である。
【0129】
図22に示すように、第1撮像装置31により撮影された動画が未判定フレーム及び健全判定フレームの一方又は両方で構成される場合、発音装置24Bから警告音は出力されない。第1撮像装置31により撮影された動画が未判定フレームのみで構成される場合、表示装置24Aには、認識できないバケットツース18を示すシンボル60が第1表示形態で表示される。第1撮像装置31により撮影された動画が健全判定フレームのみで構成される場合、表示装置24Aには、欠損が無いと判定されたバケットツース18を示すシンボル60が第2表示形態で表示される。
【0130】
バケットツース18は、バケット本体17に複数取り付けられる。実施形態において、バケットツース18は、車幅方向に間隔をあけて8個配置される。表示装置24Aは、複数のバケットツース18のそれぞれの位置に基づいて、複数のシンボル60を表示する。表示装置24Aには、複数のバケットツース181,182,183,184,185,186,187,188の位置に合わせて、8個のシンボル60が間隔をあけて表示される。動画が未判定フレームのみで構成される場合、8個のシンボル60の全部が第1表示形態で表示される。動画が健全判定フレームのみで構成される場合、8個のシンボル60の全部が第2表示形態で表示される。
【0131】
図22に示すように、動画に欠損判定フレームが1つ存在する場合、第1警告制御部34Dは、発音装置24Bから第1警告音を出力させる。第1撮像装置31により撮影された動画に欠損判定フレームが2つ存在する場合、第1警告制御部34Dは、発音装置24Bから第2警告音を出力させる。
【0132】
実施形態において、第1警告制御部34Dは、第1計測データ取得部34Aに連続して取得されたサンプル閾値未満の数の画像データのそれぞれが欠損判定フレームであると判定された場合、出力装置24から第1形態で警告を出力させ、第1計測データ取得部34Aに連続して取得されたサンプル閾値以上の数の画像データのそれぞれが欠損判定フレームであると判定された場合、出力装置24から第2形態で警告を出力させる。
【0133】
例えばサンプル閾値が2である場合、第1計測データ取得部34Aに連続して取得された2未満の数の画像データのそれぞれが欠損判定フレームであると判定された場合、第1警告制御部34Dは、発音装置24Bから第1警告音を出力させる。つまり、欠損判定フレームの前後に取得された画像データが健全判定フレーム又は未判定フレームである場合、第1警告制御部34Dは、発音装置24Bから第1警告音を出力させる。第1計測データ取得部34Aに連続して取得された2以上の数の画像データのそれぞれが欠損判定フレームであると判定された場合、第1警告制御部34Dは、発音装置24Bから第2警告音を出力させる。つまり、欠損判定フレームが少なくとも2回連続する場合、第1警告制御部34Dは、発音装置24Bから第2警告音を出力させる。
【0134】
なお、欠損判定フレームが2回連続しなくても、第1撮像装置31により撮影された単位時間当たりの動画に欠損判定フレームが少なくとも2つ存在する場合、第1警告制御部34Dは、発音装置24Bから第2警告音を出力させてもよい。
【0135】
なお、サンプル閾値は、任意である。サンプル閾値は、例えば3以上の任意の数でもよい。
【0136】
警告の形態は、警告音の音量を含む。第1形態で警告を出力させることは、発音装置24Bから第1音量で警告音を発生させることを含む。第2形態で警告を出力させることは、発音装置24Bから第1音量よりも大きい第2音量で警告音を発生させることを含む。図22に示す例において、第2警告音の音量は、第1警告音の音量よりも大きい。
【0137】
また、第1撮像装置31により撮影された動画に欠損判定フレームが有る場合、表示装置24Aには、欠損が有ると判定されたバケットツース18を示すシンボル60が第3表示形態で表示される。第1警告制御部34Dは、欠損が有ると判定されたバケットツース18を示すシンボル60と、欠損が無いと判定されたバケットツース18を示すシンボル60とを、異なる表示形態で表示する。図22に示す例において、バケットツース184に欠損が有ると判定され、バケットツース181,182,183,185,186,187,188に欠損が無いと判定された場合、第1警告制御部34Dは、欠損が有ると判定されたバケットツース184を示すシンボルを第3表示形態で表示させ、欠損が無いと判定されたバケットツース181,182,183,185,186,187,188を示すシンボルを第2表示形態で表示させる。
【0138】
<転石監視部>
転石監視部35は、第2計測データ取得部35Aと、判定基準設定部35Bと、警告基準設定部35Cと、標準値記憶部35Dと、入力データ取得部35Eと、運転状態取得部35Fと、転石判定部35Gと、第2警告制御部35Hとを有する。
【0139】
第2計測データ取得部35Aは、地面200の計測データを所定のサンプリングレートで第2撮像装置32から取得する。上述のように、地面200の計測データは、第2撮像装置32により撮像された地面200の画像データを含む。サンプリングレートは、フレームレートを含む。第2計測データ取得部35Aは、地面200の画像データを所定のフレームレートで第2撮像装置32から取得する。第2計測データ取得部35Aは、前タイヤ6Fの前方の地面200の画像データを取得する。
【0140】
判定基準設定部35Bは、画像データにおいて地面200の転石240の有無を判定するときの判定基準を設定する。
【0141】
図23は、実施形態に係る判定基準を説明する図である。実施形態において、判定基準は、画像データの転石240の寸法を含む。転石240の寸法は、画像データにおける転石240のピクセル数を含む。画像データにおいて転石240の寸法に係る閾値が設定される。転石240の寸法に係る閾値は、横方向の転石240の寸法に係る閾値Pxと、縦方向の転石240の寸法に係る閾値Pyとを含む。標準値記憶部35Dには、判定基準に係る標準値(初期値)が記憶されている。標準値は、転石240の寸法に係る閾値に係る推奨値である。判定基準設定部35Bは、標準値に基づいて、判定基準を設定する。実施形態において、判定基準設定部35Bは、標準値に基づいて、転石240の寸法に係る閾値を設定する。閾値は、標準値である。
【0142】
警告基準設定部35Cは、出力装置24から警告を出力させるときの警告基準を設定する。
【0143】
図24は、実施形態に係る警告基準を説明する図である。実施形態において、警告基準は、地面200の少なくとも一部に設定される警告エリア36を含む。
【0144】
警告基準の設定は、警告エリア36の寸法の設定を含む。警告エリア36の寸法は、画像データにおける警告エリアのピクセル数を含む。図24に示すように、画像データにおいて横方向の警告エリア36の寸法Qxと、縦方向の警告エリア36の寸法Qyとが設定される。
【0145】
また、警告エリア36の設定は、警告エリア36の位置の設定を含む。警告エリア36の位置の設定は、画像データにおける警告エリア36の位置の設定を含む。警告基準設定部35Cは、前タイヤ6Fの前方の地面200の一部に警告エリア36を設定する。標準値記憶部35Dには、警告基準に係る標準値(初期値)が記憶されている。標準値は、警告エリア36の寸法及び位置に係る推奨値である。警告基準設定部35Cは、標準値に基づいて、警告基準を設定する。実施形態において、警告基準設定部35Cは、標準値に基づいて、画像データにおける警告エリア36の寸法及び位置を設定する。
【0146】
入力データ取得部35Eは、入力装置25からの入力データを取得する。運転者は、入力装置25を操作して、判定基準の設定を変更したり、警告基準の設定を変更したりすることができる。判定基準設定部35Bは、入力データに基づいて、判定基準を設定する。警告基準設定部35Cは、入力データに基づいて、警告基準を設定する。
【0147】
図25は、実施形態に係る判定基準及び警告基準の設定画面の一例を示す図である。図25に示すように、判定基準設定部35Bは、判定基準の設定画面を表示装置24Aに表示させる。警告基準設定部35Cは、警告基準の設定画面を表示装置24Aに表示させる。運転者は、設定画面を視認しながら、入力装置25を操作して、判定基準の設定の変更、及び警告基準の設定の変更の少なくとも一方を実施することができる。
【0148】
運転状態取得部35Fは、駆動システム40の状態を示す状態データを取得する。駆動コントローラ48は、駆動システム40の状態を示す状態データを監視コントローラ33に入力する。運転状態取得部35Fは、駆動コントローラ48からの状態データに基づいて、駆動システム40の状態を判定する。
【0149】
実施形態において、駆動システム40の状態は、トランスミッション44の作動状態を含む。トランスミッション44は、作業機械1の進行方向を前進方向と後進方向とに切り換える。トランスミッション44は、作業機械1を前進させるために作動する前進ギヤ44Fと、作業機械1を後進させるために作動する後進ギヤ44Rとを含む。
【0150】
転石判定部35Gは、第2計測データ取得部35Aにより取得された画像データに基づいて、地面200の転石240の有無を判定する。転石判定部35Gは、画像データにおいて地面200の転石240の有無を判定する。実施形態において、転石判定部35Gは、画像データにおいて前タイヤ6Fの前方の地面200の転石240の有無を判定する。
【0151】
転石判定部35Gは、例えば入力データをアルゴリズムにより解析して出力データを出力する人工知能(AI:Artificial Intelligence)を利用して、転石240の有無を判定してもよい。転石判定部35Gは、例えばパターンマッチング法を利用して、転石240の有無を判定してもよい。
【0152】
実施形態において、転石判定部35Gは、判定基準に基づいて、画像データにおいて地面200の転石240の有無を判定する。転石判定部35Gは、転石240の寸法が閾値(Px,Py)を上回る場合、転石240が有ると判定し、転石240の寸法が閾値(Px,Py)以下である場合、転石240が無いと判定する。転石判定部35Gは、転石240の寸法が閾値Px及び閾値Pyの一方を上回る場合、転石240が有ると判定してもよい。転石判定部35Gは、転石240の寸法が閾値Px及び閾値Pyの両方を上回る場合、転石240が有ると判定してもよい。
【0153】
実施形態において、転石判定部35Gは、ブーム11が上げ動作している状態及び下げ動作している状態の両方において、転石240の有無を判定する。転石判定部35Gは、図8を参照して説明したサイクル作業において転石240の有無の判定を常時実施する。
【0154】
第2警告制御部35Hは、前タイヤ6Fの前方の地面200の転石240の有無に基づいて、出力装置24から警告を出力させる。第2警告制御部35Hは、転石判定部35Gによる転石240の有無の判定と、転石240と警告基準との関係とに基づいて、出力装置24から警告を出力させる。警告基準は、地面200の少なくとも一部に設定される警告エリア36を含む。警告エリア36は、前タイヤ6Fの前方の地面200の一部に設定される。第2警告制御部35Hは、転石240が有ると判定された場合、転石240と警告エリア36との位置関係に基づいて、出力装置24から警告を出力させる。第2警告制御部35Hは、警告エリア36に転石240が有ると判定された場合、警告エリア36に転石240が存在することを示す警告を出力装置24から出力させる。
【0155】
実施形態において、第2警告制御部35Hは、運転状態取得部35Fにより取得された駆動システム40の状態を示す状態データに基づいて、出力装置24を制御する。駆動システム40の状態は、トランスミッション44の作動状態を含む。トランスミッション44は、作業機械1の進行方向を前進方向と後進方向とに切り換える。第2警告制御部35Hは、トランスミッション44により決定された作業機械1の進行方向の地面200に転石240が有ると判定された場合、警告を出力させる。例えばトランスミッション44がニュートラル状態又は後進ギヤ44Rが入っている状態の場合、前タイヤ6Fの前方の地面200に転石240が有ると判定されても、第2警告制御部35Hは、転石240が有ることを示す警告を出力させない。前タイヤ6Fの前方の地面200に転石240が有ると判定された状態で、例えばトランスミッション44がニュートラル状態から前進ギヤ44Fが入った状態に変化した時点において、転石240が有ることを示す警告の出力が開始される。実施形態において、前タイヤ6Fの前方の地面200に転石240が有ると判定された状態で、前進ギヤ44Fが入った場合、作業機械1が走行してなくても、第2警告制御部35Hは、転石240が有ることを示す警告を出力させる。
【0156】
[欠損監視方法]
図26は、実施形態に係る作業機10の欠損監視方法を示すフローチャートである。
【0157】
第1計測データ取得部34Aは、第1撮像装置31から作業機10の画像データを取得する(ステップSA1)。
【0158】
図15を参照して説明したように、欠損判定部34Bは、第1計測データ取得部34Aにより取得された画像データにおいてバケットツース18を認識した後、複数のバケットツース18のそれぞれの根本51と刃先52とを推定する(ステップSA2)。
【0159】
ステップSA2において、バケットツース18を認識し根本51と刃先52とを推定した場合(ステップSA2:Yes)、図16を参照して説明したように、欠損判定部34Bは、相互に隣り合う一対のバケットツース18の距離G1,G2,G3を算出する。欠損判定部34Bは、距離G1,G2,G3が等間隔か否かを判定する(ステップSA3)。
【0160】
ステップSA3において、距離G1,G2,G3が等間隔であると判定した場合(ステップSA3:Yes)、図17を参照して説明したように、欠損判定部34Bは、探索範囲53を設定して、根本51に対応する刃先52を探索する。欠損判定部34Bは、刃先52を探索できたか否かを判定する(ステップSA4)。
【0161】
ステップSA4において、刃先52が探索できたと判定した場合(ステップSA4:Yes)、図18を参照して説明したように、欠損判定部34Bは、距離L1,L2,L3,L4に基づいて、寸法閾値を定める。欠損判定部34Bは、寸法閾値に基づいて、バケットツース18の欠損の有無を判定する(ステップSA5)。
【0162】
ステップSA5において、画像データにおいてバケットツース18に欠損が有ると判定された場合(ステップSA5:Yes)、カウント部34Cは、欠損が有ると判定された画像データを欠損判定フレームに分類する(ステップSA6)。
【0163】
ステップSA5において、画像データにおいてバケットツース18に欠損が無いと判定された場合(ステップSA5:No)、カウント部34Cは、欠損が無いと判定された画像データを健全判定フレームに分類する(ステップSA7)。
【0164】
ステップSA2において、画像データにおいてバケットツース18を認識できない場合(ステップSA2:No)、ステップSA3において、画像データにおいて距離G1,G2,G3が等間隔でないと判定した場合(ステップSA3:No)、及びステップSA4において、画像データにおいて刃先52を探索できないと判定した場合(ステップSA5:No)、カウント部34Cは、それらの画像データを未判定フレームに分類する(ステップSA8)。
【0165】
カウント部34Cは、分類された画像データを時系列処理する(ステップSA9)。
【0166】
カウント部34Cは、欠損判定フレームが有るか否かを判定する(ステップSA10)。
【0167】
ステップSA10において、欠損判定フレームが無いと判定された場合(ステップSA10:No)、出力装置24から警告は出力されない(ステップSA11)。
【0168】
ステップSA10において、欠損判定フレームが有ると判定した場合(ステップSA10:Yes)、カウント部34Cは、欠損判定フレームがサンプル閾値以上有るか否かを判定する。実施形態において、カウント部34Cは、欠損判定フレームが少なくとも2回連続しているか否かを判定する(ステップSA12)。
【0169】
ステップSA12において、欠損判定フレームが2回連続していないと判定された場合(ステップSA12:No)、第1警告制御部34Dは、第1形態で警告を出力させる。図22を参照して説明したように、実施形態において、第1警告制御部34Dは、発音装置24Bから第1音量の第1警告音を出力させる(ステップSA13)。
【0170】
ステップSA12において、欠損判定フレームが少なくとも2回連続していると判定された場合(ステップSA12:Yes)、第1警告制御部34Dは、第2形態で警告を出力させる。図22を参照して説明したように、実施形態において、第1警告制御部34Dは、発音装置24Bから第1音量よりも大きい第2音量の第2警告音を出力させる(ステップSA14)。
【0171】
欠損監視部34は、欠損監視処理を終了するか否かを判定する(ステップSA15)。
【0172】
ステップSA15において、欠損監視処理を継続すると判定された場合(ステップSA15:No)、ステップSA1の処理に戻る。
【0173】
ステップSA15において、欠損監視処理を終了と判定された場合(ステップSA15:Yes)、欠損監視処理が終了する。
【0174】
ステップSA1からステップSA15の処理は、所定のフレームレートで実施される。
【0175】
[転石監視方法]
図27は、実施形態に係る地面200の転石監視方法を示すフローチャートである。
【0176】
判定基準設定部35Bは、地面200の転石240の有無を判定するときの判定基準を設定する。判定基準設定部35Bは、標準値記憶部35Dに記憶されている標準値に基づいて、転石240の寸法に係る閾値Px及び閾値Pyを設定する。運転者が入力装置25を操作した場合、判定基準設定部35Bは、入力データに基づいて、閾値Px及び閾値Pyを設定する(ステップSB1)。
【0177】
警告基準設定部35Cは、出力装置24から警告を出力させるときの警告基準を設定する。警告基準設定部35Cは、標準値記憶部35Dに記憶されている標準値に基づいて、警告エリア36を設定する。警告エリア36の設定は、寸法Qx及び寸法Qyの設定、及び警告エリア36の位置の設定を含む。運転者が入力装置25を操作した場合、警告基準設定部35Cは、入力データに基づいて、警告エリア36を設定する。(ステップSB2)。
【0178】
第2計測データ取得部35Aは、第2撮像装置32から地面200の画像データを取得する。第2計測データ取得部35Aは、前タイヤ6Fの前方の地面200の画像データを取得する(ステップSB3)。
【0179】
運転状態取得部35Fは、トランスミッション44の状態データを取得する(ステップSB4)。
【0180】
転石判定部35Gは、トランスミッション44により決定された作業機械1の進行方向の地面200に転石240が有るか否かを判定する。前進ギヤ44Fが入っている場合、転石判定部35Gは、前タイヤ6Fの前方の地面200に転石240が有るか否かを判定する。転石判定部35Gは、作業機械1が前進するようにトランスミッション44が作動した状態で、前タイヤ6Fの前方の地面200に転石240が有るか否かを判定する(ステップSB5)。
【0181】
ステップSB5において、前タイヤ6Fの前方の地面200に転石240が有ると判定された場合(ステップSB5:Yes)、第2警告制御部35Hは、出力装置24から警告を出力させる。第2警告制御部35Hは、作業機械1が前進するようにトランスミッション44が作動した状態で、前タイヤ6Fの前方の地面200に転石240が有ると判定された場合、出力装置24から警告を出力させる(ステップSB6)。
【0182】
ステップSB5において、前タイヤ6Fの前方の地面200に転石240が無いと判定された場合(ステップSB5:Yes)、出力装置24から警告が出力されない。
【0183】
転石監視部35は、転石監視処理を終了するか否かを判定する(ステップSB7)。
【0184】
ステップSB7において、転石監視処理を継続すると判定された場合(ステップSB7:No)、ステップSB3の処理に戻る。
【0185】
ステップSB7において、転石監視処理を終了と判定された場合(ステップSB7:Yes)、転石監視処理が終了する。
【0186】
ステップSB3からステップSB7の処理は、所定のフレームレートで実施される。
【0187】
[表示装置]
図28は、実施形態に係る表示装置24Aの一例を示す図である。図28に示すように、第2警告制御部35Hは、第2計測データ取得部35Aにより取得された画像データに基づいて生成された地面200を示す対象画像37を表示装置24Aに表示させる。対象画像37は、左側の第2撮像装置32Lにより撮像された画像データを示す対象画像37Lと、右側の第2撮像装置32Rにより撮像された画像データを示す対象画像37Rとを含む。対象画像37Lと対象画像37Rとは、表示装置24Aの表示画面に並べて表示される。対象画像37Lと対象画像37Rとは、表示装置24Aの表示画面に同時に表示される。対象画像37Lは、表示装置24Aの表示画面の左領域に表示される。対象画像37Rは、表示装置24Aの表示画面の右領域に表示される。
【0188】
第2警告制御部35Hは、警告エリア36を示すエリア画像360を表示装置24Aに表示させる。第2警告制御部35Hは、対象画像37にエリア画像360を重畳させて表示装置24Aに表示させる。左側の前タイヤ6Fの前方の地面200を含むように設定された警告エリア36を示すエリア画像360は、対象画像37Lに重畳した状態で表示装置24Aに表示される。右側の前タイヤ6Fの前方の地面200を含むように設定された警告エリア36を示すエリア画像360は、対象画像37Rに重畳した状態で表示装置24Aに表示される。
【0189】
第2警告制御部35Hは、前タイヤ6Fを示すシンボル70を表示装置24Aに表示させる。シンボル70は、左側の前タイヤ6Fを示すシンボル70Lと、右側の前タイヤ6Fを示すシンボル70Rとを含む。
【0190】
第2警告制御部35Hは、前タイヤ6Fの前方の地面200に転石240が有ることを示す警告を出力装置24に出力させる。出力装置24に警告を出力させることは、前タイヤ6Fの前方の地面200に転石240が有ることを示す警告画像を表示装置24Aに表示させることを含む。出力装置24に警告を出力させることは、前タイヤ6Fの前方の地面200に転石240が有ることを示す警告音を発音装置24Bから発生させることを含む。
【0191】
実施形態において、警告画像は、対象画像37において転石240を囲むように表示されるフレーム画像80と、対象画像37の周縁部に表示されるフレーム画像81と、シンボル70の背景画像82とを含む。
【0192】
第2警告制御部35Hは、転石240が強調されるようにフレーム画像80を表示装置24Aに表示させる。
【0193】
図28に示す例において、対象画像37Lの転石240は、警告エリア36の外側に配置される。第2警告制御部35Hは、転石240が警告エリア36の外側に存在すると転石判定部35Gにより判定された場合、第1形態のフレーム画像80Lを表示装置24Aに表示させる。
【0194】
図28に示す例において、対象画像37Rの転石240の少なくとも一部は、警告エリア36の内側に配置される。第2警告制御部35Hは、転石240が警告エリア36の内側に存在すると転石判定部35Gにより判定された場合、第1形態とは異なる第2形態のフレーム画像80Rを表示装置24Aに表示させる。
【0195】
第2警告制御部35Hは、警告エリア36の内側に配置される転石240が警告エリア36の外側に配置される転石240よりも強調されるように、フレーム画像80L及びフレーム画像80Rのそれぞれを表示装置24Aに表示させる。図28に示す例において、フレーム画像80Rが実線で表示され、フレーム画像80Lが点線で表示させる。なお、フレーム画像80Rが第1色彩で表示され、フレーム画像80Lが第2色彩で表示されてもよい。第1色彩として、赤色が例示される。第2色彩として、緑色が例示される。
【0196】
第2警告制御部35Hは、転石240の少なくとも一部が警告エリア36の内側に存在する対象画像37が強調されるようにフレーム画像81を表示装置24Aに表示させる。
【0197】
図28に示す例において、対象画像37Rに表示される転石240の少なくとも一部は、警告エリア36の内側に存在する。対象画像37Lに表示される転石240は、警告エリア36の外側に存在する。第2警告制御部35Hは、対象画像37Rが対象画像37Lよりも強調されるように、フレーム画像81を表示装置24Aに表示させる。
【0198】
第2警告制御部35Hは、転石240の上を通過する可能性が高い前タイヤ6Fが強調されるように背景画像82を表示装置24Aに表示させる。
【0199】
図28に示す例において、右側の前タイヤ6Fは、転石240の上を通過する可能性が高い。すなわち、作業機械1の前進により、右側の前タイヤ6Fは、転石240を踏む可能性が高い。第2警告制御部35Hは、転石240の上を通過する可能性が高い右側の前タイヤ6Fが強調されるように、シンボル70Rの背景画像82を表示装置24Aに表示させる。
【0200】
なお、図28に示す例において、左側の前タイヤ6Fが転石240の上を通過する可能性が高い場合、第2警告制御部35Hは、転石240の上を通過する可能性が高い左側の前タイヤ6Fが強調されるように、シンボル70Lの背景画像82を表示装置24Aに表示させることができる。
【0201】
第1警告制御部34Dは、バケットツース18を示すシンボル60を表示装置24Aに表示させる。第1警告制御部34Dは、複数のバケットツース18のそれぞれの位置に基づいて、複数のシンボル60を表示する。シンボル60は、バケットツース181を示すシンボル61と、バケットツース182を示すシンボル62と、バケットツース183を示すシンボル63と、バケットツース184を示すシンボル64と、バケットツース185を示すシンボル65と、バケットツース186を示すシンボル66と、バケットツース187を示すシンボル67と、バケットツース188を示すシンボル68と、を含む。
【0202】
複数のシンボル60は、表示装置24Aの表示画面の上領域に表示される。複数のシンボル60のうち、シンボル61は、最も左側に表示され、シンボル62は、シンボル61に次いで左側に配置され、シンボル63は、シンボル62に次いで左側に配置され、シンボル64は、シンボル63に次いで左側に配置され、シンボル65は、シンボル64に次いで左側に配置され、シンボル66は、シンボル65に次いで左側に配置され、シンボル67は、シンボル66に次いで左側に配置され、シンボル68は、最も右側に配置される。
【0203】
図28は、欠損判定部34Bが8個のバケットツース18を認識できず、8個のシンボル60が第1表示形態で表示されている例を示す。
【0204】
図29は、実施形態に係る表示装置24Aの一例を示す図である。なお、図29は、表示装置24Aの上領域を抽出した図である。
【0205】
図29は、欠損判定部34Bが8個のバケットツース18のそれぞれの欠損の有無を判定したときのシンボル60の一例を示す。図29に示すように、第1警告制御部34Dは、バケットツース18の欠損の有無に基づいて、シンボル60の表示形態を変更する。第1警告制御部34Dは、欠損が有ると判定されたバケットツース18を示すシンボル60と、欠損が無いと判定されたバケットツース18を示すシンボル60とを、異なる表示形態で表示する。図29に示すように、バケットツース184に欠損が有ると判定され、バケットツース181,182,183,185,186,187,188に欠損が無いと判定された場合、第1警告制御部34Dは、欠損が有ると判定されたバケットツース184を示すシンボル64を第3表示形態で表示させ、欠損が無いと判定されたバケットツース181,182,183,185,186,187,188を示すシンボル61,62,63,65,66,67,68を第2表示形態で表示させる。第1警告制御部34Dは、シンボル64を第3色彩で表示装置24Aに表示させ、シンボル61,62,63,65,66,67,68を第2色彩で表示装置24Aに表示させる。第3色彩は、例えば赤色である。第2色彩は、例えば緑色である。
【0206】
[コンピュータシステム]
図30は、実施形態に係るコンピュータシステム1000を示すブロック図である。上述の監視コントローラ33及び駆動コントローラ48のそれぞれは、コンピュータシステム1000を含む。コンピュータシステム1000は、CPU(Central Processing Unit)のようなプロセッサ1001と、ROM(Read Only Memory)のような不揮発性メモリ及びRAM(Random Access Memory)のような揮発性メモリを含むメインメモリ1002と、ストレージ1003と、入出力回路を含むインターフェース1004とを有する。上述の監視コントローラ33及び駆動コントローラ48のそれぞれの機能は、コンピュータプログラムとしてストレージ1003に記憶されている。プロセッサ1001は、コンピュータプログラムをストレージ1003から読み出してメインメモリ1002に展開し、プログラムに従って上述の処理を実行する。なお、コンピュータプログラムは、ネットワークを介してコンピュータシステム1000に配信されてもよい。
【0207】
コンピュータプログラム又はコンピュータシステム1000は、上述の実施形態に従って、作業機械1が有する作業機10の計測データを所定のサンプリングレートで取得することと、計測データにおいて作業機10の欠損の有無を判定することと、欠損が有ると判定された計測データを示す欠損判定サンプルの数をカウントすることと、欠損判定サンプルの数に基づいて、出力装置24から出力させる警告の形態を変更することと、を実行することができる。
【0208】
[効果]
以上説明したように、実施形態によれば、監視システム30は、作業機械1が有する作業機10の画像データを所定のフレームレートで取得する第1計測データ取得部34Aと、作業機10の画像データにおいて作業機10の欠損の有無を判定する欠損判定部34Bと、欠損が有ると判定された画像データを示す欠損判定フレームの数をカウントするカウント部34Cと、欠損判定フレームの数に基づいて、出力装置24から出力させる警告の形態を変更する第1警告制御部34Dと、を備える。これにより、監視システム30は、作業機械1の作業中に、作業機10の欠損を監視することができる。
【0209】
第1警告制御部34Dは、欠損判定フレームの数が例えば1つである場合、出力装置24から第1形態で警告を出力させ、欠損判定フレームの数が例えば2つ以上である場合、出力装置24から第2形態で警告を出力させる。欠損判定フレームの数が多いほど、作業機10が欠損している確率が高い。作業機10が欠損している確率に基づいて、警告の形態が変更される。これにより、運転者は、作業機10が欠損している確率を認識することができる。
【0210】
実施形態においては、欠損判定フレームが少なくとも2回連続する場合、第1警告制御部34Dは、出力装置24から第2形態で警告を出力させる。欠損判定フレームが2つでも、2つの欠損判定フレームが非連続である場合、第1警告制御部34Dは、出力装置24から第1形態で警告を出力させる。欠損判定フレームが少なくとも2回連続する場合、作業機10が欠損している確率が高い。運転者は、警告の形態に基づいて、作業機10が欠損している確率を認識することができる。
【0211】
出力装置24は、警告音を発生する発音装置24Bを含む。第1形態で警告を出力させることは、発音装置24Bから第1音量で警告音を発生させることを含む。第2形態で警告を出力させることは、発音装置24Bから第1音量よりも大きい第2音量で警告音を発生させることを含む。これにより、運転者は、警告音の音量に基づいて、作業機10が欠損している確率を認識することができる。
【0212】
作業機10は、バケット本体17と、バケット本体17に取り付けられるバケットツース18とを含む。欠損は、バケットツース18の欠損を含む。監視システム30は、作業機械1の作業中に、バケットツース18の欠損を監視することができる。
【0213】
バケットツース18の欠損は、バケット本体17からのバケットツース18の脱落を含む。例えば積込作業においてバケット本体17からバケットツース18がダンプボディ230に脱落すると、積荷とともにバケットツース18がダンプトラック220に運搬されてしまう可能性がある。積荷が例えばダンプボディ230からクラッシャに投入される場合、バケットツース18が積荷と一緒にクラッシャに投入されてしまう可能性がある。監視システム30は、作業機械1の作業中に、バケットツース18の脱落の有無を監視することができる。そのため、例えばバケットツース18が積荷と一緒にクラッシャに投入されてしまう事象を未然に防ぐことができる。
【0214】
バケットツース18は、バケット本体17から突出するようにバケット本体17に取り付けられる。欠損判定部34Bは、バケットツース18の突出量が寸法閾値未満である場合、欠損が有ると判定することができる。
【0215】
欠損判定部34Bは、複数のバケットツース18のそれぞれの突出量に基づいて、寸法閾値を適正に定めることができる。
【0216】
出力装置24は、バケットツース18を示すシンボル60を表示する表示装置24Aを含む。第1警告制御部34Dは、バケットツース18の欠損の有無に基づいて、シンボル60の表示形態を変更する。これにより、運転者は、バケットツース18の欠損の有無を認識することができる。
【0217】
表示装置24Aは、複数のバケットツース18のそれぞれの位置に基づいて、複数のシンボル60を表示する。第1警告制御部34Dは、欠損が有ると判定されたバケットツース18を示すシンボル60と、欠損が無いと判定されたバケットツース18を示すシンボル60とを、異なる表示形態で表示する。これにより、運転者は、どのバケットツース18に欠損が有るかを認識することができる。
【0218】
第1撮像装置31及び第2撮像装置32のそれぞれは、ハウジング9に配置される。これにより、第1撮像装置31は、作業機10の画像データを適正に撮像でき、第2撮像装置32は、地面200の画像データを適正に撮像できる。
【0219】
作業機械1の車幅方向において、第1撮像装置31及び第2撮像装置32のそれぞれは、前照灯28よりも外側に配置される。これにより、前照灯28の照明機能と、第1撮像装置31の撮像機能と、第2撮像装置32の撮像機能とのそれぞれが適正に発揮される。
【0220】
第1撮像装置31は、作業機械1の車幅方向において作業機械1の中心CLよりも左側及び右側のそれぞれに配置される。左側の第1撮像装置31Lは、作業機10の左部分を撮像し、右側の第1撮像装置31Rは、作業機10の右部分を撮像する。これにより、死角の発生が抑制され、作業機10の画像データが適正に取得される。
【0221】
第1撮像装置31は、少なくともダンプ動作するバケット12を撮像できるように、作業機械1に設けられる。これにより、第1撮像装置31は、バケットツース18を撮像することができる。
【0222】
[別の実施形態]
上述の実施形態において、第1撮像装置31及び第2撮像装置32のそれぞれが、前照灯28を保持するハウジング9に配置されることとした。第1撮像装置31及び第2撮像装置32の少なくとも一方は、ハウジング9とは異なる作業機械1の部位に配置されてもよい。
【0223】
上述の実施形態において、第2撮像装置32は、第1撮像装置31よりも上方に配置されることとした。上下方向において、第2撮像装置32の少なくとも一部は、第1撮像装置31と同じ位置に配置されてもよい。第2撮像装置32は、第1撮像装置31よりも下方に配置されてもよい。
【0224】
上述の実施形態において、欠損監視部34は、図8を参照して説明したサイクル作業においてダンプ動作するバケット12の画像データに基づいて、バケット12の欠損の有無を判定することとした。第1撮像装置31は、サイクル作業とは別の作業においてダンプ動作するバケット12を撮像してもよい。欠損監視部34は、サイクル作業とは別の作業においてダンプ動作するバケット12の画像データに基づいて、バケット12の欠損の有無を判定してもよい。また、第1撮像装置31により撮像されるバケット12の画像データは、ダンプ動作するバケット12の画像データでなくてもよく、欠損監視部34がバケット12の欠損を認識できる画像データであればよい。
【0225】
上述の実施形態において、バケットツース18の欠損は、バケット本体17からのバケットツース18の脱落であることとした。バケットツース18の欠損は、バケットツース18の摩耗でもよいし、バケットツース18の折損でもよい。
【0226】
上述の実施形態において、欠損監視部34は、交換部材としてバケットツース18の欠損を監視することとした。欠損監視部34は、交換部材としてツース間プロテクタ19の欠損を監視してもよい。ツース間プロテクタ19の欠損は、バケット本体17からのツース間プロテクタ19の脱落、ツース間プロテクタ19の摩耗、及びツース間プロテクタ19の折損を含む。
【0227】
上述の実施形態において、警告基準の設定は、警告エリア36の寸法の設定と警告エリア36の位置の設定とを含むこととした。警告基準の設定は、警告エリア36の寸法の設定及び警告エリア36の位置の設定のいずれか一方の設定でもよい。例えば、警告エリア36の位置が予め定められた固定値であり、警告エリア36の寸法のみが設定されてもよい。また、警告エリア36の寸法が予め定められた固定値であり、警告エリア36の位置のみが設定されてもよい。
【0228】
上述の実施形態において、転石監視部35は、判定基準に基づいて、地面200の転石240の有無を判定し、転石240と警告基準との関係とに基づいて、出力装置24から警告を出力させることとした。転石監視部35は、判定基準及び警告基準の両方を満たした場合に、転石240が有ると判定してもよい。この場合、転石監視部35は、警告基準を判定基準として用いてもよい。また、転石監視部35は、判定基準によらず、地面200の転石240の有無を判定し、判定基準及び警告基準の両方を満たした場合に、警告を出力させるようにしてもよい。この場合、転石監視部35は、判定基準を警告基準として用いてもよい。
【0229】
上述の実施形態において、第2警告制御部35Hは、警告エリア36を示すエリア画像360を表示装置24Aに表示することとした。第2警告制御部35Hは、警告エリア36を示すエリア画像360を表示装置24Aに表示しなくてもよい。第2警告制御部35Hは、転石240が有ると判定された場合に、警告エリア36を示すエリア画像360を表示装置24Aに表示するようにしてもよい。第2警告制御部35Hは、警告エリア36内に転石240が有ると判定された場合に、警告エリア36を示すエリア画像360を表示装置24Aに表示するようにしてもよい。
【0230】
上述の実施形態において、第2警告制御部35Hは、作業機械1が前進するようにトランスミッション44が作動した状態で、前タイヤ6Fの前方の地面200に転石240が有ると判定された場合、出力装置24から警告を出力させることとした。また、前タイヤ6Fの前方の地面200に転石240が有ると判定された状態で前進ギヤ44Fが入ることにより、作業機械1の前進が開始されていなくても、出力装置24から警告が出力されることとした。第2警告制御部35Hは、トランスミッション44の状態によらずに、前タイヤ6Fの進行方向の地面200に転石240が有ると判定された状態で、作業機械1が進行方向に進行している場合、出力装置24から警告を出力させてもよい。例えば、タイヤ6の回転方向を検出する回転センサが作業機械1に設けられている場合、運転状態取得部35Fは、回転センサの検出データに基づいて作業機械1が進行方向に進行しているか否かを判定することができる。第2警告制御部35Hは、作業機械1が進行方向に進行していると運転状態取得部35Fにより判定され、且つ、進行方向の地面200に転石240が有ると転石判定部35Gにより判定された場合、出力装置24から警告を出力させてもよい。例えば、作業機械1が下り坂に存在する場合、トランスミッション44がニュートラル状態又は後進ギヤ44Rが入っている状態においても、例えば重力の作用により、作業機械1が前進する可能性がある。第2警告制御部35Hは、前タイヤ6Fの前方の地面200に転石240が有ると判定された状態で、作業機械1が前進していることを回転センサにより検出された場合、出力装置24から警告を出力させてもよい。
【0231】
上述の実施形態においては、作業機械1が前進可能な状態又は前進している状態で、前タイヤ6Fの前方の地面200に転石240が有ると判定された場合、第2警告制御部35Hは、出力装置24から警告を出力させることとした。作業機械1が後進可能な状態又は後進している状態で、後タイヤ6Rの後方の地面200に転石240が有ると判定された場合、第2警告制御部35Hは、出力装置24から警告を出力させてもよい。
【0232】
図31は、別の実施形態に係る作業機械1の動作を示す図である。図31に示すように、作業機械1は、後タイヤ6Rの後方の地面200を撮像する第2撮像装置32を有する。第2計測データ取得部35Aは、後タイヤ6Rの後方の地面200の画像データを第2撮像装置32から取得する。第2警告制御部35Hは、作業機械1が後進するようにトランスミッション44が作動した状態で、後タイヤ6Rの後方の地面200に転石240が有ると判定された場合、出力装置24から警告を出力させてもよい。また、第2警告制御部35Hは、トランスミッション44の状態によらずに、作業機械1が後方に進行していると判定され、且つ、後タイヤ6Rの後方の地面200に転石240が有ると判定された場合、出力装置24から警告を出力させてもよい。
【0233】
上述の実施形態において、出力装置24は、作業機械1の運転室に配置されることとした。出力装置24は、作業機械1の外部に配置されてもよい。
【0234】
図32は、別の実施形態に係る監視システム300を示す図である。図32に示す例において、作業機械1は、作業機械1の遠隔地に設けられている運転操作装置20Fによって遠隔操作される。
【0235】
上述の実施形態と同様、第1撮像装置31及び第2撮像装置32のそれぞれが作業機械1に設けられる。また、作業機械1の前方を撮像する遠隔操作用撮像装置(不図示)が作業機械1に設けられる。遠隔操作用撮像装置は、図4に示したような、運転室の運転席に着座した運転者がフロントガラスを介して見る景色と同様の作業機械1の前方の景色の画像データを撮像する。
【0236】
作業機械1の遠隔地に設けられている遠隔操作施設に、出力装置24F、入力装置25F、監視コントローラ33F、及び運転操作装置20Fの一部又は全部が配置される。出力装置24F、入力装置25F、監視コントローラ33F、及び運転操作装置20Fのそれぞれは、作業機械1とは別体で設けられる。また、遠隔操作施設に、遠隔操作用撮像装置が撮像した画像データを表示する遠隔操作用表示装置が設けられる。
【0237】
作業機械1と監視コントローラ33Fとは、無線通信システムを介して無線通信する。作業機械1には無線通信システムの無線通信機301が設けられ、監視コントローラ33Fには無線通信システムの無線通信機302が接続される。なお、作業機械1の無線通信機301と監視コントローラ33Fの無線通信機302とは、他の機器を経由して通信してもよい。
【0238】
遠隔操作用撮像装置により撮像された画像データは、無線通信システムを介して遠隔操作用表示装置に送信される。遠隔操作施設の運転者は、遠隔操作用表示装置に表示された画像データを見ながら、運転操作装置20Fを操作することができる。運転操作装置20Fが操作されることにより生成された操作信号は、無線通信システムを介して作業機械1に送信される。これにより、作業機械1が遠隔操作される。
【0239】
監視コントローラ33Fは、図13を参照して説明したような、欠損監視部34と、転石監視部35とを有する。
【0240】
第1撮像装置31及び第2撮像装置32により撮像された画像データは、無線通信システムを介して作業機械1から監視コントローラ33Fに送信される。監視コントローラ33Fの欠損監視部34は、第1撮像装置31により撮像された画像データに基づいて、バケットツース18の欠損の有無を判定することができる。また、監視コントローラ33Fの欠損監視部34は、バケットツース18の欠損が有ることを示す警告を出力装置24Fに出力させることができる。監視コントローラ33Fの転石監視部35は、第2撮像装置32により撮像された画像データに基づいて、地面200の転石240の有無を判定することができる。また、監視コントローラ33Fの転石監視部35は、地面200の転石240が有ることを示す警告を出力装置24Fに出力させることができる。
【0241】
上述の実施形態において、第1計測装置31及び第2計測装置32のそれぞれが撮像装置であることとした。第1計測装置31及び第2計測装置32の少なくとも一方は、レーザ装置でもよい。第1計測装置31及び第2計測装置32の少なくとも一方は、レーダ装置でもよい。レーザ装置は、計測対象にレーザ光を照射して、計測対象の計測データを取得する。レーダ装置は、計測対象に音波を照射して、計測対象の計測データを取得する。レーザ装置は、作業機10にレーザ光を照射して、所定のサンプリングレートで作業機10の計測データを取得することができる。レーダ装置は、作業機10に音波を照射して、所定のサンプリングレートで作業機10の計測データを取得することができる。欠損監視部34は、作業機10に欠損が有ると判定された計測データを示す欠損判定サンプルの数に基づいて、出力装置24から出力させる警告の形態を変更することができる。
【0242】
上述の実施形態において、作業機械1は、ホイールローダであることとした。作業機械1は、ブルドーザ及び油圧ショベル等の他の作業機械でもよい。ブルドーザ及び油圧ショベルのそれぞれは、作業機と、地面200に接触した状態で回転する履帯とを有する。履帯は、地面200に接触した状態で回転する回転部材である。履帯が回転することにより、作業機械が走行する。
【符号の説明】
【0243】
1…作業機械、2…車体、2A…関節機構、2F…前部車体、2R…後部車体、3…運転台、4…走行装置、5…車輪、5F…前輪、5R…後輪、6…タイヤ、6F…前タイヤ、6R…後タイヤ、7…フロントフェンダ、8…支持部材、9…ハウジング、10…作業機、11…ブーム、12…バケット、12E…端部、12M…開口部、13…ブームシリンダ、14…バケットシリンダ、15…ベルクランク、16…バケットリンク、17…バケット本体、17A…底板部、17B…上板部、17C…左板部、17D…右板部、18…バケットツース、19…ツース間プロテクタ、20…運転操作装置、20A…アクセルペダル、20B…ブレーキペダル、20F…運転操作装置、21…操作パネル、22…モニタ装置、23…リアビューモニタ装置、24…出力装置、24A…表示装置、24B…発音装置、24F…出力装置、25…入力装置、25F…入力装置、27…ピラー、28…前照灯、29…ウインカーランプ、30…監視システム、31…第1撮像装置(第1計測装置)、31L…第1撮像装置、31R…第1撮像装置、32…第2撮像装置(第2計測装置)、32L…第2撮像装置、32R…第2撮像装置、33…監視コントローラ、33F…監視コントローラ、34…欠損監視部、34A…第1計測データ取得部、34B…欠損判定部、34C…カウント部、34D…第1警告制御部、35…転石監視部、35A…第2計測データ取得部、35B…判定基準設定部、35C…警告基準設定部、35D…標準値記憶部、35E…入力データ取得部、35F…運転状態取得部、35G…転石判定部、35H…第2警告制御部、36…警告エリア、37…対象画像、37L…対象画像、37R…対象画像、40…駆動システム、41…エンジン、42…燃料噴射装置、43…パワーテイクオフ、44…トランスミッション、44F…前進ギヤ、44R…後進ギヤ、45F…フロントアクスル、45R…リヤアクスル、46…油圧ポンプ、47…制御弁、48…駆動コントローラ、50…認識範囲、51…根本、52…刃先、53…探索範囲、60…シンボル、61…シンボル、62…シンボル、63…シンボル、64…シンボル、65…シンボル、66…シンボル、67…シンボル、68…シンボル、70…シンボル、70L…シンボル、70R…シンボル、80…フレーム画像、80L…フレーム画像、80R…フレーム画像、81…フレーム画像、82…背景画像、181…バケットツース、182…バケットツース、183…バケットツース、184…バケットツース、185…バケットツース、186…バケットツース、187…バケットツース、188…バケットツース、191…ツース間プロテクタ、192…ツース間プロテクタ、193…ツース間プロテクタ、194…ツース間プロテクタ、195…ツース間プロテクタ、196…ツース間プロテクタ、197…ツース間プロテクタ、200…地面、210…地山、220…ダンプトラック、230…ダンプボディ、240…転石、300…監視システム、301…無線通信機、302…無線通信機、360…エリア画像、1000…コンピュータシステム、1001…プロセッサ、1002…メインメモリ、1003…ストレージ、1004…インターフェース、CL…中心、FX…回転軸、G…基準ツース間距離、G1…距離、G2…距離、G3…距離、L…基準ツース長、L1…距離、L2…距離、L3…距離、L4…距離、M1…矢印、M2…矢印、M3…矢印、M4…矢印、Px…閾値、Py…閾値、Qx…寸法、Qy…寸法、Ra…計測範囲、Rb…計測範囲、RX…回転軸、α…第1画角、β…第2画角。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32