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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023011432
(43)【公開日】2023-01-24
(54)【発明の名称】ポンプ
(51)【国際特許分類】
   F04D 29/58 20060101AFI20230117BHJP
   F04D 29/00 20060101ALI20230117BHJP
   F04D 29/42 20060101ALI20230117BHJP
【FI】
F04D29/58 A
F04D29/58 E
F04D29/58 F
F04D29/00 B
F04D29/42 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021115274
(22)【出願日】2021-07-12
(71)【出願人】
【識別番号】000220505
【氏名又は名称】日本電産トーソク株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100188673
【弁理士】
【氏名又は名称】成田 友紀
(74)【代理人】
【識別番号】100179833
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 将尚
(74)【代理人】
【識別番号】100189348
【弁理士】
【氏名又は名称】古都 智
(72)【発明者】
【氏名】雫 修通
(72)【発明者】
【氏名】片岡 慈裕
(72)【発明者】
【氏名】八幡 考恒
(72)【発明者】
【氏名】レ ティ タン タオ
(72)【発明者】
【氏名】グエン ティ タン タム
【テーマコード(参考)】
3H130
【Fターム(参考)】
3H130AA03
3H130AB22
3H130AB42
3H130AC30
3H130BA32A
3H130BA32D
3H130BA33H
3H130CA21
3H130CA22
3H130CA27
3H130DA03X
3H130DD04X
3H130DF01X
3H130EA02A
3H130EA02G
3H130EC02A
3H130EC17A
3H130ED01A
3H130ED02A
(57)【要約】      (修正有)
【課題】ポンプの大型化を抑制しつつ回路基板を効率的に冷却できるポンプを提供する。
【解決手段】本発明のポンプの一つの態様は、中心軸線を中心として回転可能なロータと、ロータの径方向外側に位置しロータを囲むステータと、ロータの軸方向一方側に繋がるポンプ部と、ステータの軸方向他方側に配置される回路基板と、ステータの径方向内側に位置しロータを内部に収容するロータ収容部を有する支持部材と、ロータを回転可能に支持する固定シャフトと、を備える。ロータ収容部は、ロータを軸方向他方側から覆う蓋部と、径方向においてロータとステータとの間に位置し、軸方向一方側に開口する筒状部と、を有する。固定シャフトは、蓋部に保持され、蓋部に対して軸方向他方側に露出し回路基板と対向する露出部を有する。露出部と回路基板との間には、熱伝導材が挟まれる。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
中心軸線を中心として回転可能なロータと、
前記ロータの径方向外側に位置し前記ロータを囲むステータと、
前記ロータの軸方向一方側に繋がるポンプ部と、
前記ステータの軸方向他方側に配置される回路基板と、
前記ステータの径方向内側に位置し前記ロータを内部に収容するロータ収容部を有する支持部材と、
前記ロータを回転可能に支持する固定シャフトと、を備え、
前記ロータ収容部は、
前記ロータを軸方向他方側から覆う蓋部と、
径方向において前記ロータと前記ステータとの間に位置し、軸方向一方側に開口する筒状部と、を有し、
前記固定シャフトは、前記蓋部に保持され、前記蓋部に対して軸方向他方側に露出し前記回路基板と対向する露出部を有し、
前記露出部と前記回路基板との間には、熱伝導材が挟まれる、
ポンプ。
【請求項2】
前記ポンプ部は、液体を吸入する吸入口、および液体を吐出する吐出口を有し、
前記固定シャフトは、前記吸入口から流入する液体と接触する、
請求項1に記載のポンプ。
【請求項3】
前記回路基板は、前記中心軸線に直交する平面に沿う基板本体と、前記基板本体の軸方向他方側の面に実装される発熱素子と、を有し、
軸方向から見て、前記発熱素子と前記熱伝導材と前記露出部とは、互いに重なる、
請求項1又は2に記載のポンプ。
【請求項4】
前記回路基板は、前記中心軸線に直交する平面に沿う基板本体と、前記基板本体の軸方向一方側の面に実装される発熱素子と、を有し、
前記熱伝導材は、前記発熱素子に接触する、
請求項1又は2に記載のポンプ。
【請求項5】
前記固定シャフトは、軸方向に延びるシャフト本体部と、前記シャフト本体部の軸方向他方側に配置され前記蓋部に固定された保持部材と、を有し、
前記シャフト本体部は、前記保持部材に固定される、
請求項1~4の何れか一項に記載のポンプ。
【請求項6】
前記保持部材は、前記シャフト本体部に対して径方向外側に延びるフランジ部を有し、
前記フランジ部は、前記蓋部に埋め込まれる、
請求項1~5の何れか一項に記載のポンプ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポンプに関する。
【背景技術】
【0002】
モータ部とポンプ部と制御部とが予め一体となった電動ポンプの開発が進められている。このようなポンプでは、制御部の基板の放熱性を高めるために、ケースカバーにヒートシンクを設けたものが知られている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-203389号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来技術のように、基板を冷却するヒートシンクを設ける場合、ヒートシンクを外気に露出させる必要が生じ、ポンプが大型化する。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みて、ポンプの大型化を抑制しつつ回路基板を効率的に冷却できるポンプを提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のポンプの一つの態様は、中心軸線を中心として回転可能なロータと、前記ロータの径方向外側に位置し前記ロータを囲むステータと、前記ロータの軸方向一方側に繋がるポンプ部と、前記ステータの軸方向他方側に配置される回路基板と、前記ステータの径方向内側に位置し前記ロータを内部に収容するロータ収容部を有する支持部材と、前記ロータを回転可能に支持する固定シャフトと、を備える。前記ロータ収容部は、前記ロータを軸方向他方側から覆う蓋部と、径方向において前記ロータと前記ステータとの間に位置し、軸方向一方側に開口する筒状部と、を有する。前記固定シャフトは、前記蓋部に保持され、前記蓋部に対して軸方向他方側に露出し前記回路基板と対向する露出部を有する。前記露出部と前記回路基板との間には、熱伝導材が挟まれる。
【発明の効果】
【0007】
本発明の一つの態様によれば、ポンプの大型化を抑制しつつ回路基板を効率的に冷却できるポンプを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、一実施形態のポンプの斜視図である。
図2図2は、一実施形態のポンプの断面図である。
図3図3は、図2の部分拡大図である。
図4図4は、図2の部分拡大図である。
図5図5は、図2の部分拡大図である。
図6図6は、図2の部分拡大図である。
図7図7は、一実施形態のステータアッシーの斜視図である。
図8図8は、変形例のポンプの部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
各図には、以下に説明する実施形態のポンプ1における中心軸線Jを仮想的に示している。以下の説明においては、中心軸線Jの軸方向を単に「軸方向」と呼ぶ。中心軸線Jを中心とする径方向を単に「径方向」と呼ぶ。中心軸線Jを中心とする周方向を単に「周方向」と呼ぶ。各図に示すZ軸は、中心軸線Jが延びる方向を示している。以下の説明においては、軸方向のうちZ軸の矢印が向く側(+Z側)を「上側」と呼び、軸方向のうちZ軸の矢印が向く側と逆側(-Z側)を「下側」と呼ぶ。
【0010】
本実施形態において、下側は「軸方向一方側」に相当し、上側は「軸方向他方側」に相当する。なお、上側および下側とは、単に各部の相対位置関係を説明するための名称であり、実際の配置関係等は、これらの名称で示される配置関係等以外の配置関係等であってもよい。
【0011】
図1は、ポンプ1の斜視図である。図2は、ポンプ1の断面図である。図3図4図5、および図6は、それぞれ図2の一部を拡大する拡大図である。なお、図2では、説明のために、中心軸線Jを挟んだ左右両側のそれぞれにおいて異なる周方向位置の断面を示している。
【0012】
図2に示すように、本実施形態のポンプ1は、モータ3と、ポンプ部60と、支持部材10と、固定シャフト40と、回路基板80と、ケース2と、を備える。モータ3は、中心軸線Jを中心として回転可能なロータ50と、ロータ50の径方向外側に位置しロータ50を囲むステータアッシー75と、を有する。すなわち、ポンプ1は、ロータ50とステータアッシー75とを備える。
【0013】
本実施形態のポンプ1は、水を送るウォータポンプである。ポンプ1は、モータ3によってポンプ部60を回転させることで、流入管26から吸入した水(液体)を流出管27(図1参照)から吐出する。
【0014】
図2に示すように、ケース2は、モータ3、ポンプ部60、支持部材10、固定シャフト40、および回路基板80を収容する。ケース2の内部には、水(液体)が通過する流路領域A2と、水から封止される防水領域A1と、に区分される。流路領域A2には、ロータ50、固定シャフト40、およびポンプ部60が配置される。防水領域A1には、ステータアッシー75、および回路基板80が配置される。流路領域A2と防水領域A1とは、支持部材10によって区画される。
【0015】
ケース2は、樹脂ハウジング(モータハウジング)30と基板カバー28とポンプカバー20とを有する。すなわち、ポンプ1は、樹脂ハウジング30と基板カバー28とポンプカバー20とを備える。基板カバー28は、樹脂ハウジング30の上端部に接合される。一方で、ポンプカバー20は、樹脂ハウジング30の下端部に接合される。これにより、樹脂ハウジング30、基板カバー28、およびポンプカバー20は、互いに固定される。
【0016】
樹脂ハウジング30は、ステータアッシー75および支持部材10をモールドして埋め込む埋込部32を有する。すなわち、樹脂ハウジング30は、ステータアッシー75および支持部材10をインサートするインサート成形によって形成される。これにより、樹脂ハウジング30は、ステータアッシー75および支持部材10を保持する。樹脂ハウジング30は、ステータ70、ロータ50およびロータ収容部12を径方向外側から囲む。
【0017】
図1に示すように、樹脂ハウジング30の外周面30aは、軸方向から見て円形である。樹脂ハウジング30の外周面30aには、コネクタ部39が設けられる。すなわち、樹脂ハウジング30は、コネクタ部39を有する。コネクタ部39は、外部装置7に接続されるターミナル端子8を保護する。
【0018】
図2に示すように、樹脂ハウジング30の上端部には、上側を向くハウジング上面30gと、上面30gの外縁から上側に延び出る包囲筒部38と、が設けられる。一方で、樹脂ハウジング30の下端部には、中心軸線Jを中心とする筒状の保持筒部31が設けられる。樹脂ハウジング30は、包囲筒部38において基板カバー28に接合され、保持筒部31においてポンプカバー20に接合される。
【0019】
ハウジング上面30gは、回路基板80と上下方向において対向する。ハウジング上面30gには、回路基板80を下側から支持するボスが設けられる。包囲筒部38は、中心軸線Jを中心とする円筒状である。包囲筒部38は、径方向外側から回路基板80を囲む。
【0020】
基板カバー28は、中心軸線Jと直交する平面に沿って延びる板状のカバー本体28aと、カバー本体28aの下面に設けられるガイドリブ28bと、を有する。カバー本体28aは、中心軸線Jを中心とする円形である。カバー本体28aの外径は、樹脂ハウジング30の外径と略一致する。ガイドリブ28bは、周方向に沿って延びる。ガイドリブ28bは、カバー本体28aの外縁より若干径方向内側に配置される。ガイドリブ28bの外周面は、樹脂ハウジング30の包囲筒部38の内周面に嵌る。これにより基板カバー28は、樹脂ハウジング30に対して位置決めされる。
【0021】
カバー本体28aの下面においてガイドリブ28bより径方向外側に位置する領域は、樹脂ハウジング30の包囲筒部38の上端面と接触する。カバー本体28aの下面と包囲筒部38の上端面とは、互いに溶着される。
【0022】
溶着工程において、基板カバー28は、樹脂ハウジング30に対し、下面を押し付けられながら回転させられる。溶着工程では、基板カバー28と樹脂ハウジング30との接触部を摩擦熱によって溶融させ固化させて接合する。すなわち、基板カバー28と樹脂ハウジング30とは、スピン溶着によって接合される。なお、基板カバー28と樹脂ハウジング30とは、超音波溶着、レーザ溶着などの他の溶着手段で溶着されていてもよい。
【0023】
回路基板80は、ステータアッシー75の上側(軸方向他方側)に配置される。すなわち、回路基板80は、ステータ70の上側に配置される。回路基板80は、樹脂ハウジング30の包囲筒部38の径方向内側、ハウジング上面30g、並びに基板カバー28に囲まれる空間に収容される。
【0024】
回路基板80は、中心軸線Jに直交する平面に沿う板状の基板本体81と、基板本体81の上面81a(軸方向他方側の面)に実装される発熱素子82と、を有する。また、回路基板80は、発熱素子82以外に、基板本体81の上面81a又は下面81bに実装される素子(図示略)を複数有する。
【0025】
基板本体81には、厚さ方向に貫通する第1スルーホール(スルーホール)81hおよび第2スルーホール81kを有する。すなわち、回路基板80には、第1スルーホール81hおよび第2スルーホール81kが設けられる。第1スルーホール81hには、ステータアッシー75から上側に延び出るコイル線73aが挿入され、基板本体81に半田接続される。第2スルーホール81kには、ターミナル端子8の第1端部8aが挿入され、基板本体81に半田接続される。第1スルーホール81hおよび第2スルーホール81kは、基板本体81に複数設けられる。
【0026】
発熱素子82は、中心軸線J上に配置される。発熱素子82とは、基板本体81に実装される素子のうち動作時に熱を発し高温となる素子を意味する。回路基板80が複数の素子を有する場合、発熱素子82は他の素子と比較して発熱量が大きい。発熱素子82としては、スイッチング素子、コンデンサ、電界効果トランジスタ、電界効果トランジスタ駆動用ドライバ集積回路、および電源用集積回路などが例示される。
【0027】
支持部材(シールド部材)10は、非磁性体製である。本実施形態において支持部材10は、樹脂製である。支持部材10は、ロータ収容部12とフランジ部11とを有する。
【0028】
ロータ収容部12は、ステータアッシー75の径方向内側に位置する。すなわち、ロータ収容部12は、ステータ70の径方向内側に位置する。ロータ収容部12は、中心軸線Jを囲み、下側に開口する円筒状である。ロータ収容部12は、ロータ50を内部に収容する。ロータ収容部12は、ロータ50を上側から覆う蓋部12aと、蓋部12aから下側に延びる筒状部12bと、を有する。
【0029】
蓋部12aは、中心軸線Jを中心とする円板状である。蓋部12aは、ロータ50を上側(軸方向他方側)から覆う。軸方向から見て蓋部12aの中央には、保持部12cが設けられる。保持部12cは、固定シャフト40の上側の端部を保持する部分である。保持部12cは、蓋部12aの他の部分よりも下側に突出している。
【0030】
筒状部12bは、蓋部12aの径方向外周縁部から下側に延びて、フランジ部11の径方向内周縁部に繋がっている。筒状部12bは、径方向においてロータ50とステータアッシー75との間に位置する。すなわち、筒状部12bは、径方向においてロータ50とステータ70との間に位置する。筒状部12bは、下側に開口している。
【0031】
本実施形態によれば、ロータ収容部12は、ロータ50を内部に収容する。また、ロータ収容部12は、ロータ50を上側から覆う蓋部12aと、ロータ50の周囲を囲み下側に開口する筒状部12bと、を有する。これにより、ロータ収容部12は、ロータ50の下側にポンプ部60を繋げる構造を確保しつつ、ロータ50とステータ70との間を隔ててシールすることができ、ポンプ部60によって送られる液体(水)が、ステータ70に接触することを抑制できる。
【0032】
フランジ部11は、中心軸線Jを囲む円環状である。フランジ部11は、ロータ収容部12の下側(軸方向一方側)の端部から径方向外側に延びる。フランジ部11は、ステータ70の下側に位置する。フランジ部11の下側を向く面(後述する第3接触面10f)は、ポンプカバー20に溶着される。
【0033】
フランジ部11の外周面は、樹脂ハウジング30の保持筒部31によって覆われる。すなわち、保持筒部31は、内周面の少なくとも一部でフランジ部11の外周面に接触する。本実施形態において、支持部材10は、ステータアッシー75とともに樹脂ハウジング30に埋め込まれる。
【0034】
フランジ部11は、上面の一部、および外周面において樹脂ハウジング30に埋め込まれ、下面において樹脂ハウジング30から露出する。樹脂ハウジング30は、フランジ部11の上面を埋め込む部分に、段差面32aを有する。すなわち、樹脂ハウジング30は、フランジ部11の上面(軸方向他方側を向く面)に接触する段差面32aを有する。樹脂ハウジング30は、段差面32aにおいてフランジ部11を軸方向に支持する。
【0035】
図1に示すように、フランジ部11の外周面には、周方向に沿って並ぶ複数の凸部11eが設けられる。保持筒部31の内周面には、それぞれ凸部11eが挿入される複数の凹部31eが設けられる。凹部31eは、樹脂ハウジング30のモールド時に、溶融樹脂がフランジ部の外周面を包囲して凸部11e同士の充填されることで成形される。このため、凸部11eと凹部31eとは、互いに密着する。
【0036】
フランジ部11の下面(軸方向一方側を向く面)には、位置決めリブ11dが設けられる。位置決めリブ11dは、フランジ部11の下面から下側に突出する。位置決めリブ11dは、中心軸線Jを中心として周方向に沿って延びる。位置決めリブ11dの径方向外側を向く外周面は、ポンプカバー20の内周面に嵌る。位置決めリブ11dは、ポンプカバー20と支持部材10とを相対的に軸合わせする。なお、位置決めリブ11dの外周面とポンプカバー20の内周面との間には、若干の隙間が設けられていてもよい。この場合、ポンプカバー20と支持部材10とは、隙間の範囲内の組み立て誤差を許容しつつ、軸合わせされる。
【0037】
図2に示すように、固定シャフト40は、軸方向に延びている。固定シャフト40は、中心軸線Jを中心として軸方向に延びる円柱状のシャフト本体部41と、シャフト本体部41の軸方向他方側に配置される保持部材42と、を有する。シャフト本体部41および保持部材42は、熱伝導性に優れた金属材料から構成される。
【0038】
シャフト本体部41の下端面には、ネジ穴41hが設けられる。ネジ穴41hは、中心軸線Jを中心として軸方向に延びる。ネジ穴41hには、抜け止めネジ69が挿入される。抜け止めネジ69は、ポンプ部60が下側に離脱することを抑制する。
【0039】
ポンプ部60の中央には、抜け止め凹部61が設けられる。抜け止め凹部61は、下側に向かって開口する。抜け止め凹部61は、底面として下側を向く抜け止め面61pを有する。抜け止め凹部61の内部には、上述した抜け止めネジ69が配置される。抜け止めネジ69の頭部の座面とポンプ部60の抜け止め凹部61の抜け止め面61pとは、ワッシャ68を介して軸方向に対向する。
【0040】
シャフト本体部41の下端面、抜け止めネジ69、およびワッシャ68は、ポンプ部60が圧送する流体の流路中に露出する。したがって、固定シャフト40、抜け止めネジ69、およびワッシャ68は、ポンプ部60内に流入する水(液体)と接触し、水冷される。このため、回路基板80から固定シャフト40に伝わる熱を水に放出して回路基板80を効率的に冷却できる。
【0041】
図5に示すように、保持部材42は、シャフト本体部41の上側(軸方向他方側)に配置される。保持部材42は、保持部材本体42bと、保持部材本体42bから径方向外側に延びる保持部材フランジ部(フランジ部)42fと、を有する。保持部材本体42bには、下側に開口する保持穴部42hが設けられる。保持穴部42hには、シャフト本体部41の上端部が嵌合される。これにより、シャフト本体部41は、保持部材42に固定される。
【0042】
本実施形態によれば、固定シャフト40は、互いに固定されるシャフト本体部41と保持部材42とを有する。このため、別々に作製されたシャフト本体部41と保持部材42とを組み付けて固定シャフト40を製造することができ、固定シャフト40を安価に製造することができる。
【0043】
保持部材42は、支持部材10の蓋部12aにインサート成形によって埋め込まれる。より具体的には、保持部材42の保持部材フランジ部42fは、蓋部12aの保持部12cに埋め込まれる。これにより、固定シャフト40は、蓋部12aに支持される。本実施形態によれば、保持部材フランジ部42fが保持部12cに埋め込まれることで、保持部12cに対して保持部材フランジ部42fが軸方向に大きな面積で引っ掛かる。これにより、保持部材フランジ部42fが保持部12cから下側に抜けることを抑制できる。
【0044】
保持部材フランジ部42fは、シャフト本体部41に対して径方向外側に延びる。保持部材フランジ部42fは、表面処理がされることで、保持部12cを構成する樹脂材料との密着性が高められている。これにより、保持部材42と保持部12cとの界面への水分の浸入が抑制される。したがって、水分は、ロータ収容部12の内部から蓋部12aの上側に達しない。
【0045】
保持部材42は、蓋部12aに対して上側(軸方向他方側)に露出する露出部42aを有する。すなわち、固定シャフト40は、露出部42aを有する。露出部42aは、保持部材本体42bの上面であって中心軸線Jと直交する平面に沿って延びる。露出部42aは、中心軸線Jと直交する平面に沿って延びる。露出部42aは、蓋部12aの上側に位置する回路基板80と対向する。
【0046】
露出部42aと回路基板80との間には、熱伝導材9が挟まれる。本実施形態の熱伝導材9は、シート状の放熱シートである。熱伝導材9の材質としては、シリコン系材料などが用いられる。なお、熱伝導材9は、放熱グリス、又は放熱ジェルであってもよい。
【0047】
熱伝導材9は、露出部42aと接触する。また、熱伝導材9は、回路基板80の基板本体81の下面81bに接触する。熱伝導材9は、回路基板80の熱を固定シャフト40に移動させる。
【0048】
本実施形態によれば、熱伝導材9は、回路基板80において生じた熱を、熱伝導材9を介して固定シャフト40に伝える。固定シャフト40は、発熱素子82および基板本体81と比較して十分に熱容量が大きい。また、固定シャフト40は、ポンプ部60によって吐出される水(液体)に接触して冷却される。このため本実施形態によれば、回路基板80を効果的に冷却することができ、回路基板80の動作の信頼性を高めることができる。
【0049】
本実施形態によれば、ポンプ1の内部に設けられる固定シャフト40を用いて、回路基板80を冷却する。このため、回路基板80の上側にヒートシンクも用いる場合と比較して、ポンプ1全体を軸方向に小型化できる。加えて、ヒートシンクを用いる場合と比較して、ヒートシンク周りのシール構造を省略することができ、製造コストを削減できる。
【0050】
本実施形態において、発熱素子82と熱伝導材9と露出部42aとは、軸方向から見て、互いに重なる。このため、発熱素子82で発生した熱を基板本体81、および熱伝導材9を介して固定シャフト40の露出部42aに最短距離で伝えることができ、固定シャフト40によって発熱素子82を効率的に冷却できる。
【0051】
本実施形態では、発熱素子82が基板本体81の上面81aに実装される場合について説明した。この場合、発熱素子82の熱は、回路基板を介して熱伝導材9に伝わる。これに対して、図8に変形例として示すように、発熱素子82が基板本体81の下面81b(軸方向一方側の面)に実装されていてもよい。この変形例では、熱伝導材109は、発熱素子に直接的に接触する。このため、発熱素子の熱を直接的に熱伝導材109に伝えることができ、発熱素子82の冷却効率を高めることができる。
【0052】
図2に示すように、ロータ50は、ロータ収容部12の内部に収容されている。ロータ50は、中心軸線Jを中心として回転可能である。ロータ50は、ロータコア51と、マグネット52と、第1被覆部54と、樹脂部53と、を有する。
【0053】
ロータコア51は、中心軸線Jを囲む環状である。ロータコア51の径方向内側には固定シャフト40が軸方向に通されている。マグネット52は、ロータコア51に固定されている。本実施形態においてマグネット52は、ロータコア51の外周面に配置されている。マグネット52は、例えば、周方向に間隔を空けて複数設けられている。第1被覆部54は、ロータコア51および複数のマグネット52を互いに固定する。第1被覆部54、ロータコア51、およびマグネット52は、ロータアッシー55を構成する。
【0054】
樹脂部53は、中心軸線Jを囲み、軸方向に延びる円筒状である。樹脂部53の径方向内側には、固定シャフト40が軸方向に通されている。樹脂部53の径方向内側には、固定シャフト40が挿入されている。固定シャフト40は、樹脂部53の内周面を支持することで、ロータ50を回転可能に支持している。
【0055】
樹脂部53は、ロータアッシー55を埋め込んで保持する第2被覆部53aと、第2被覆部53aから下側に延びる延伸部53bと、を有する。第2被覆部53aは、径方向において固定シャフト40とロータコア51との間に位置する部分を有する。延伸部53bの下側の端部は、ロータ収容部12よりも下側に突出している。延伸部53bの下端部には、抜け止め凹部61が設けられる。上述したように、抜け止め凹部61の内側には、ロータ50およびポンプ部60の離脱を抑制する抜け止めネジ69が配置される。
【0056】
樹脂部53の外周面は、ロータ50の外周面である。樹脂部53の外周面は、ロータ収容部12の内周面から径方向内側に離れて位置する。第2被覆部53aの外周面は、ロータ収容部12の内周面と僅かな隙間を介して対向している。
【0057】
ポンプ部60は、ロータ50の下側(軸方向一方側)に繋がる。本実施形態においてポンプ部60は、インペラである。ポンプ部60は、樹脂製である。
【0058】
ポンプ部60は、ロータ50の延伸部53bの下端部に繋がるインペラ本体部62を有する。樹脂部53とインペラ本体部62とは、同一の単一部材の一部である。樹脂部53とインペラ本体部62とを含む樹脂製の部分は、例えば、ロータアッシー55をインサート部材とするインサート成形によって作られている。
【0059】
インペラ本体部62は、ベース板部62aとシュラウド板部62bと、複数の羽根部62cと、円筒部62dと、を有する。
【0060】
ベース板部62aおよびシュラウド板部62bは、軸方向から見て円形である。ベース板部62aは、延伸部53bの外周面から径方向外側に広がる。シュラウド板部62bは、ベース板部62aの下側で、ベース板部62aの板面に沿って径方向外側に広がる。
【0061】
円筒部62dは、中心軸線Jを中心として軸方向に沿って延びる。円筒部62dは、延伸部53bを径方向外側から囲む。円筒部62dの内部は、ベース板部62aとシュラウド板部62bとの間の空間に連なる。羽根部62cは、ベース板部62aとシュラウド板部62bとの間を繋ぐ。羽根部62cは、径方向に沿って延びる。ポンプ部60が回転することで複数の羽根部62cは、羽根部62c同士の間の液体を径方向外側に送る。
【0062】
ポンプ部60は、水(液体)を吸入する吸入口64と、水(液体)を吐出する吐出口65と、を有する。吸入口64は、下側を向き、軸方向において流入管26と対向する。一方で、吐出口65は、径方向外側を向き、径方向において流出管27(図1参照)と対向する。
【0063】
吸入口64は、円筒部62dの下側の端部に設けられる。吸入口64は、下側に開口する。一方で、吐出口65は、軸方向においてベース板部62aとシュラウド板部62bとの間に設けられる。吐出口65は、径方向外側に開口している。ポンプ部60は、ロータ50によって中心軸線J回りに回転させられることで、吸入口64から水を内部に吸入し、吐出口65から吐出することで水を送る。ポンプ部60によって送られる水は、ロータ収容部12の内側にも流入する。
【0064】
図3に示すように、ステータアッシー75は、環状のステータコア71と、ステータコア71に装着される複数のコイル73と、ステータコア71と複数のコイル73との間に介在する複数のインシュレータ72と、ステータカバー90と、を有する。また、ステータ70は、ステータコア71、複数のコイル73、および複数のインシュレータ72は、ステータ70を構成する。すなわち、ステータアッシー75は、ステータ70とステータカバー90とを有する。
【0065】
ステータ70は、ロータ50の径方向外側に位置しロータ50を囲む。ステータ70は、ロータ収容部12の径方向外側においてロータ収容部12およびロータ50を囲む環状である。ステータ70は、ステータコア71と、ステータコア71に取り付けられたインシュレータ72と、インシュレータ72を介してステータコア71に取り付けられた複数のコイル73と、を有する。
【0066】
ステータコア71は、ロータ収容部12の径方向外側に位置し、ロータコア51を囲んでいる。ステータコア71は、ロータコア51を囲む円環状のコアバック71aと、コアバック71aから径方向内側に延びる複数のティース71bと、を有する。図示は省略するが、複数のティース71bは、周方向に沿って並んで配置されている。
【0067】
複数のティース71bの径方向内側の端部は、ロータ収容部12における筒状部12bの外周面と僅かな隙間を介して対向している。つまり、本実施形態においてステータ70は、筒状部12bの外周面と非接触の状態で配置されている。
【0068】
図4に示すようにコイル73は、コイル線73aをティース71bに巻き付けて構成される。コイル73とティース71bとの間には、インシュレータ72が介在する。コイル線73aの端部は、コイル73から上側に延び出る。延び出たコイル線73aは、回路基板80に接続される。ステータ70に設けられるコイル73の数は、ティース71bと同数である。
【0069】
図3に示すようにインシュレータ72は、ティース71bに取り付けられる。インシュレータ72は、ティース71bの外周面を覆う。本実施形態のインシュレータ72は、上下方向に分割可能である。インシュレータ72は、ティース71bに対して上下方向から組み付けられる。本実施形態のインシュレータ72は、ティース71b毎に取り付けられる。ステータ70に設けられるインシュレータ72の数は、ティース71bと同数である。
【0070】
インシュレータ72は、コイル73とティース71bとの間に配置される包囲部72dと、コイル73の径方向外側に位置する外壁部72bと、コイル73の径方向内側に位置する内壁部72cと、を有する。包囲部72dは、ティース71bの外周面を覆う角筒状である。外壁部72bおよび内壁部72cは、コイル73を径方向両側から挟む。
【0071】
図7は、本実施形態のステータアッシー75の斜視図である。
図3および図7に示すように、外壁部72bの径方向外側を向く外側面には段差部72aが設けられる。段差部72aは、ステータコア71の上側および下側にそれぞれ設けられる。段差部72aは、外壁部72bの外側面に対して径方向内側に窪む。段差部72aは、ステータコア71側を向く段差面をする。
【0072】
図3に示すように、段差部72aは、1つのインシュレータ72に2つ設けられる。2つの段差部72aのうち、一方はステータコア71の下側に位置し、他方はステータコア71の上側に位置する。図7に示すように、複数のインシュレータ72は、周方向に並ぶ。したがって、複数の段差部72aは、ステータコア71の上側および下側で、周方向に等間隔に並ぶ。
【0073】
図3に示すように、ステータカバー90は、複数のコイル73を覆う。上述したように、コイル73は、インシュレータ72の外壁部72bおよび内壁部72cの間に配置されている。また、コイル73は、インシュレータ72に対して上側および下側に露出する。ステータカバー90は、インシュレータ72の外壁部72bおよび内壁部72cの間に跨るように配置される。
【0074】
ステータカバー90は、コイル73を下側(軸方向一方側)から覆う環状の第1カバー体91と、コイル73を上側(軸方向他方側)から覆う環状の第2カバー体92と、を有する。
【0075】
本実施形態によれば、ステータカバー90がコイル73を覆うことで、樹脂ハウジング30のモールド時に、溶融した樹脂材料からコイル73を保護することができる。一般的にコイル線73aの表面には、絶縁被膜が設けられる。本実施形態によれば、樹脂ハウジング30のモールド時の溶融樹脂の熱および射出圧によって、コイル線73aの絶縁被膜に損傷が生じることを抑制できる。
【0076】
本実施形態において、ステータカバー90とコイル73との間には隙間Gが設けられる。すなわち、本実施形態によれば、樹脂ハウジング30とコイル73との間に空気層が設けられ、モールド時の溶融樹脂の熱がコイル73に伝わり難い。これにより、コイル線73aの絶縁被膜の損傷をより確実に抑制できる。
【0077】
一般的に、コイル73は、コイル線73aを巻線することで構成されるため、外形が安定しにくい。本実施形態によれば、ステータカバー90とコイル73との間に隙間Gが設けられることで、コイル73の形状に依存することなく、ステータカバー90をステータ70に組み付けることができる。
【0078】
コイル73の表面は、コイル線73aの外形が露出しているため、複雑な凹凸形状となる。このため、コイル73の表面を樹脂ハウジング30でモールドする場合に、コイル線73a同士の間の隙間に溶融樹脂が回り込み難く、樹脂ハウジング30の内部にヒケなど生じやすくなる。また、コイル73の表面が複雑な凹凸形状を有するために、樹脂ハウジング30の肉厚の制御が困難となり、寸法精度が安定し難いという問題がある。
【0079】
本実施形態によれば、樹脂ハウジング30は、コイル73の表面を覆うことがなく、ステータカバー90を覆う。すなわち、モールド樹脂が複雑な凹凸形状を被覆する必要がなく、樹脂ハウジング30のヒケを抑制し、寸法精度を安定させることができる。
【0080】
本実施形態によれば、樹脂ハウジング30のモールド時に、溶融した樹脂材料がステータカバー90およびステータコア71の表面を覆う。これにより、ステータ70の各部を外部から封止することができる。さらに、ステータカバー90がステータコア71に対して強固に固定され、ステータカバー90によるコイル73の保護の信頼性を高めることができる。
【0081】
本実施形態によれば、ステータカバー90は、コイル73を下側および上側からそれぞれ覆う一対のカバー体91、92を備える。このため、ステータカバー90は、ステータ70に容易に組み付けることができる。また、ステータカバー90は、一対のカバー体91、92によって、コイル73の露出する部分を上下方向から効果的に覆うことができる。
【0082】
図7に示すように、第1カバー体91および第2カバー体92は、環状本体部93と、外筒部95と、内筒部96と、複数の係止部94aと、複数の封止壁部94fと、をそれぞれ有する。また、第2カバー体92は、さらに、複数の柱状部97と、ターミナル保持部98と、を有する。すなわち、ステータカバー90は、環状本体部93、外筒部95、内筒部96、係止部94a、封止壁部94f、柱状部97、およびターミナル保持部98を有する。
【0083】
環状本体部93は、中心軸線Jを中心とする環状である。環状本体部93は、複数の肉抜き部93aを有する。肉抜き部93aは、環状本体部93のステータコア71と反対側を向く面に開口する。第1カバー体91の環状本体部93はコイル73の下側に位置し、第2カバー体92の環状本体部93はコイル73の上側に位置する。
【0084】
図4に示すように、外筒部95は、環状本体部93の外縁からステータコア71側に延びる。外筒部95および内筒部96は、それぞれ中心軸線Jを中心とする円筒状である。一方で、内筒部96は、環状本体部93の内縁からステータコア71側に延びる。第1カバー体91の外筒部95および内筒部96は、環状本体部93から上側に延びる。第2カバー体92の外筒部95および内筒部96は、環状本体部93から下側に延びる。以下の説明において、外筒部95又は内筒部96の先端部とは、軸方向におけるステータコア71側の端部を意味する。
【0085】
内筒部96は、軸方向から見てインシュレータ72の内壁部72cに重なる。内筒部96の先端部は、内壁部72cの軸方向を向く端面に接触する。内筒部96は、コイル73の径方向内側に位置する。内筒部96の径方向内側を向く内周面は、内壁部72cの径方向内側を向く内側面に連なる。内筒部96の内周面と内壁部72cの内側面は、ロータ収容部12の筒状部12bの外周面に嵌る。
【0086】
本実施形態によれば、内筒部96には、支持部材10の筒状部12bの外周面が嵌る。内筒部96と筒状部12bとの間の隙間は、モールド時の溶融樹脂が通過しない程度に十分に小さい。このため、樹脂ハウジング30のモールド時に、溶融樹脂が内筒部96の径方向内側からコイル73側(すなわち、隙間G)に流入することを抑制できる。結果的に、コイル73を樹脂ハウジング30から離間させて、コイル73を保護することができる。
【0087】
外筒部95は、インシュレータ72の外壁部72bの径方向外側に配置される。外筒部95は、外壁部72bの外側面の上端部近傍を径方向外側から覆う。外筒部95の先端部は、ステータコア71の端面と隙間を介して対向する。
【0088】
図3に示すように、係止部94aは、外筒部95の先端部からステータコア71側に延びる。第1カバー体91の係止部94aは、外筒部95の上端部から上側に延びる。第2カバー体92の係止部94aは、外筒部95の下端部から下側に延びる。
【0089】
係止部94aは、インシュレータ72の外壁部72bに沿って延びる。係止部94aの先端部には、爪部94aaが設けられる。爪部94aaは、外壁部72bの外側面に設けられる段差部72aに係止される。すなわち、カバー体91、92は、ステータコア71側に向かって延びてインシュレータ72に係止される複数の爪部94aaを有する。
【0090】
図7に示すように、係止部94aは周方向に沿って等間隔に沿って等間隔に並ぶ。本実施形態の第1カバー体91および第2カバー体92には、それぞれインシュレータ72と同数の係止部94aが設けられる。それぞれの係止部94aは、インシュレータ72に設けられる1つの段差部72aに係止される。
【0091】
本実施形態によれば、第1カバー体91、および第2カバー体92は、ステータ70に対して上下方向から組み付けられる。係止部94aは、スナップフィットとして機能する。このため、組み付け工程において、係止部94aは、組み付け工程において爪部94aaが段差部72aに達するまで、径方向外側に弾性変形する。係止部94aの外側面には補強リブ94abが設けられる。補強リブ94abは、係止部94aの径方向外側への弾性率を確保しつつ、係止部94aを補強する。
【0092】
本実施形態によれば、第1カバー体91および第2カバー体92が、ステータ70に係止されて固定される。これにより、樹脂ハウジング30のモールド時に、第1カバー体91および第2カバー体92ステータ70に対して位置ずれすることを抑制できる。また、本実施形態によれば、第1カバー体91および第2カバー体92は、スナップフィットによってステータ70に固定されるため、ステータアッシー75の組み立て工程を簡素化できる。
【0093】
封止壁部94fは、外筒部95の先端部からステータコア71側に延びる。第1カバー体91の封止壁部94fは、外筒部95の上端部から上側に延びる。第2カバー体92の封止壁部94fは、外筒部95の下端部から下側に延びる。
【0094】
封止壁部94fは、径方向を厚さ方向とする板状である。封止壁部94fは、周方向に隣り合う係止部94a同士の間に配置される。すなわち、封止壁部94fは、周方向において爪部94aaの間に配置される。上述したように、インシュレータ72は、周方向に並ぶ。1つのインシュレータ72の外壁部72bは、軸方向から見て周方向に沿って円弧状に延びる。周方向に並ぶインシュレータ72の外壁部72bは、周方向に連なる。これにより、複数のインシュレータ72の外壁部72bは、円筒形状を構成する。封止壁部94fは、封止壁部94fは、周方向に並ぶインシュレータ72の外壁部72b同士の間の隙間を覆う。
【0095】
本実施形態によれば、封止壁部94fは、周方向に隣接するインシュレータ72の間を径方向外側から覆う。このため、樹脂ハウジング30のモールド時に、溶融樹脂がインシュレータ72同士の間の隙間からコイル73側(すなわち、隙間G)に流入することを抑制できる。結果的に、コイル73を樹脂ハウジング30から離間させて、コイル73を保護することができる。
【0096】
樹脂ハウジング30のモールド時に、第1カバー体91および第2カバー体92には、溶融樹脂の樹脂圧によってステータコア71側に押し付けられる。第1カバー体91および第2カバー体92の係止部94aは、係止時に円滑に弾性変形させるために強度が低い。本実施形態において、封止壁部94fの軸方向を向く先端面は、ステータコア71に接触する。このため、封止壁部94fは、第1カバー体91および第2カバー体92に付与される樹脂圧に起因する力を受けて係止部94aの損傷を抑制できる。
【0097】
柱状部97は、第2カバー体92の環状本体部93の上面から上側に延びる。柱状部97は、第2カバー体92に3つ設けられる。3つの、柱状部97は周方向に沿って並ぶ。柱状部97の上面には、貫通孔(コイル保持部)97hが開口する。すなわち、貫通孔97hは、第2カバー体92に設けられる。本実施形態において、1つの柱状部97には、2つの貫通孔97hが開口する。
【0098】
図4に示すように、貫通孔97hは、軸方向に直線状に延びる。貫通孔97hは、第2カバー体92において、環状本体部93と柱状部97を跨って延びる。
【0099】
貫通孔97hには、コイル73から上側に延びるコイル線73aが挿通される。貫通孔97hは、コイル線73aを保持するコイル保持部として機能する。すなわち、ステータカバー90は、コイル線を保持するコイル保持部(貫通孔97h)を有する。
【0100】
本実施形態において、コイル線73aを保持するとは、コイル線73aを軸方向に沿って支持してコイル線73aの姿勢および位置を維持させることを意味する。貫通孔97hの内周面は、コイル線73aに密着していてもよい。貫通孔97hの孔径は、コイル線73aの線径の1.5倍以下であることが好ましい。
【0101】
なお、本実施形態では、コイル73を保持するコイル保持部が貫通孔97hであるため、コイル線73aの外周の全体を囲むことができ、コイル線73aを安定的に保持できる。しかしながら、コイル保持部は、第2カバー体92の外周部から径方向内側に窪むように設けた切欠き等であってもよい。
【0102】
貫通孔97hには、断面積が上側(軸方向他方側)に向かうに従い小さくなるテーパ部97tが設けられる。本実施形態において、テーパ部97tは、貫通孔97hの下側の端部に位置する。貫通孔97hの断面形状は、テーパ部97tを含む全長において円形である。本実施形態によれば、ステータカバー90の組み付け時において、コイル線73aの端部を貫通孔97hの内部に導きやすくなり、ステータアッシー75の組み立て工程を容易にすることができる。
【0103】
本実施形態において、ステータカバー90は、貫通孔97hにおいてコイル73から引き出されて回路基板80に接続されるコイル線73aを保持する。これにより、ステータカバー90は、コイル線73aを位置決めしてコイル線73aを回路基板80に対する接続工程を容易にすることができる。
【0104】
本実施形態において、貫通孔97hは、ケース2の内部においてコイル73が収容される空間と回路基板80が収容される空間との間を繋ぐ。このため、樹脂ハウジング30のモールド時に、溶融樹脂が、コイル73から引き出されるコイル線73aに接触することがない。すなわち、ステータカバー90は、貫通孔97hにおいて、引き出されたコイル線73aを溶融樹脂から保護することができる。
【0105】
本実施形態の貫通孔97hは、軸方向から見て回路基板80の第1スルーホール81hと重なる。このため、貫通孔97hから上側に延び出るコイル線73aを回路基板80の第1スルーホール81hに円滑に挿入できる。また、コイル線73aは、貫通孔97hによって保持されるため、コイル線73aを第1スルーホール81hに対して安定的に半田接続することができ、コイル線73aと回路基板80との接続の信頼性を高めることができる。
【0106】
本実施形態の貫通孔97hは、柱状部97の内部を軸方向に延びる。また、柱状部97は、軸方向に沿って延びて樹脂ハウジング30を軸方向に貫通する。このため、貫通孔97hを長く確保することができ、貫通孔97hによるコイル線73aの保持の確実性を高めることができる。
【0107】
柱状部97の上端面(先端面)97aは、樹脂ハウジング30に対し上側に露出する。樹脂ハウジング30のモールド時に、金型によって覆われる。柱状部97の上端面97aは、回路基板80と対向し、貫通孔97hの開口が設けられる。このため、樹脂ハウジング30のモールド時に、溶融樹脂が貫通孔97hの内部に侵入することがなく、コイル線73aをより確実に保護できる。
【0108】
図7に示すように、ターミナル保持部98は、第2カバー体92の環状本体部93の上面に配置される。ターミナル保持部98は、第2カバー体92に対し径方向外側に延びる径方向延在部98aと、径方向延在部98aの径方向外側の端部から上側に延びる上側突出部98bと、を有する。ターミナル保持部98は、内部に複数(本実施形態では3つ)のターミナル端子8を埋め込んで保持する。第2カバー体92は、ターミナル端子8をインサートするインサート成形によって形成される。
【0109】
ターミナル端子8は、径方向に沿って延びる基部8cと、基部8cの径方向内側の端部から上側に延びる第1端部8aと、基部8cの径方向外側の端部から上側に延びる第2端部8bと、を有する。基部8cは、ターミナル保持部98の径方向延在部98aの内部において径方向に沿って延びる。第1端部8aは、径方向延在部98aから上側に突出する。第2端部8bは、上側突出部98bに沿って上側に延び、上側突出部98bの上端面から上側に突出する。
【0110】
図2に示すように、ターミナル端子8の第1端部8aは、樹脂ハウジング30の内部を通過してハウジング上面30gから上側に突出する。第1端部8aは、回路基板80の第2スルーホール81kに挿入され回路基板80に半田によって接続される。
【0111】
ターミナル端子8の第2端部8bは、樹脂ハウジング30のコネクタ部39において上側に突出する。コネクタ部39は、ターミナル端子8の第2端部8bを露出させて周囲を囲む。第2端部8bは、コネクタ部39に連結される外部装置7に接続される。外部装置7は、ターミナル端子8を介して回路基板80に電力を供給する。また、回路基板80は、コイル線73aからコイル73に電力を供給する。
【0112】
本実施形態によれば、ステータカバー90がターミナル保持部98を有するため、ターミナル端子8をステータカバー90に予め保持させることができる。このため、樹脂ハウジング30の成形時に、ターミナル端子8を容易に樹脂ハウジング30の内部に埋め込むことができ、製造工程を簡素化することができる。
【0113】
ポンプカバー20は、ケース2の下端部を構成する。ポンプカバー20は、モータ3、樹脂ハウジング30、および支持部材10の下側(軸方向一方側)に位置する。ポンプカバー20は、ポンプ部60を覆う。ポンプカバー20は、ポンプ包囲部22と上端筒状部21と流入管26と流出管27(図1参照)とを有する。ポンプ包囲部22は、ポンプ部60を径方向外側および下側から覆う。
【0114】
ポンプ包囲部22の内部には、水(液体)が流動する流路が設けられる。上端筒状部21は、ポンプ包囲部22の上端部から上側に延びる。上端筒状部21は、中心軸線Jを中心とする筒状である。上端筒状部21は、樹脂ハウジング30の保持筒部31の外周面を囲む。
【0115】
図1に示すように、流入管26は、ポンプ包囲部22の下端部から下側に延びる。また、流出管27は、ポンプ包囲部22の外周部から径方向外側に延びる。流入管26および流出管27は、ポンプ包囲部22の内部空間に繋がる。
【0116】
ポンプカバー20は、樹脂ハウジング30、および支持部材10と溶着によって接合される。以下、ポンプカバー20と樹脂ハウジング30および支持部材10との接合構成について説明する。ポンプカバー20は、スピン溶着によって、樹脂ハウジング30および支持部材10に溶着される。
【0117】
図6に示すように、ポンプカバー20は、環状の第1接触面20fを有する。第1接触面20fは、上側(軸方向他方側)を向く主領域20aと、径方向内側を向く副領域20bと、を有する。主領域20aは、ポンプ包囲部22の上端面である。副領域20bは、上端筒状部21の内周面に位置する。主領域20aと副領域20bとは、互いに直交して繋がっている。主領域20aおよび副領域20bは、ともに中心軸線Jを中心として周方向に沿って環状に延びる。
【0118】
樹脂ハウジング30は、下端部に第2接触面30fと第4接触面30eとを有する。第2接触面30fは、下側(軸方向他方側)を向く平坦面である。一方で第4接触面30eは、径方向外側を向く湾曲面である。第2接触面30fおよび第4接触面30eは、中心軸線Jを中心として周方向に沿って環状に延びる。第2接触面30fは、保持筒部31の下端面である。一方で第4接触面30eは、保持筒部31外周面に位置する。すなわち、第2接触面30fおよび第4接触面30eは、保持筒部31に設けられる。第2接触面30fは、上下方向において第1接触面20fの主領域20aと接触し溶着される。一方で第4接触面30eは、径方向において第1接触面20fの副領域20bと接触し溶着される。
【0119】
支持部材10は、下端部に第3接触面10fを有する。第3接触面10fは、下側(軸方向他方側)を向く平坦面である。第3接触面10fは、中心軸線Jを中心として周方向に沿って環状に延びる。第3接触面10fは、フランジ部11の下端面である。すなわち、第3接触面10fは、フランジ部11に設けられる。第3接触面10fは、上下方向において第1接触面20fの主領域と接触し溶着される。第3接触面10fは、第2接触面30fの径方向内側に隣接して配置される。第2接触面30fと第3接触面10fとは、中心軸線Jと直交する同一平面上に配置される。
【0120】
本実施形態によれば、ポンプカバー20の第1接触面20fが、樹脂ハウジング30の第2接触面30f、および支持部材10の第3接触面10fに溶着される。第1接触面20fが第2接触面30fに溶着されることで、ケース2の内部の防水領域A1および流路領域A2と、ケース2の外部に対して封止することができる。また、第1接触面20fが第3接触面10fに溶着されることで、ケース2の内部において、防水領域A1と流路領域A2とを互いに封止することができる。これにより、Oリングなどの封止部材を用いることなく、ポンプ1の封止を実現することができ、部品点数を減少させ、安価かつ信頼性の高いポンプ1を製造することができる。
【0121】
加えて、本実施形態によれば、樹脂ハウジング30および支持部材10が、ポンプカバー20の一つの接触面(第1接触面20f)に溶着される。このため、一回の溶着工程で、樹脂ハウジング30および支持部材10の二部材をポンプカバー20に接合することが可能となり、溶着工程を簡素化できる。
【0122】
本実施形態によれば、第1接触面20fが環状であるため、溶着部を環状に配置することができ、溶着部の内側の領域と外側の領域とを互いにシールすることができる。加えて、第1接触面20fを環状とすることで、ポンプカバー20を、樹脂ハウジング30および支持部材10に対して回転させて接触面同士を溶着するスピン溶着を採用することが可能となり、溶着工程の作業効率を高めることができる。
【0123】
なお、本実施形態では、ポンプカバー20、樹脂ハウジング30、および支持部材10をスピン溶着で接合する場合について、例示するが、他の溶着手段を採用してもよい。一例として、ポンプカバー20、樹脂ハウジング30、および支持部材10は、超音波溶着、レーザ溶着などで溶着されていてもよい。
【0124】
本実施形態によれば、第1接触面20fは上側を向き、当該第1接触面20fに溶着される第2接触面30fおよび第3接触面10fは、下側を向く。このため、第1接触面20fと第2接触面30fおよび第3接触面10fとの接触部分に軸方向の応力を付与しながら溶着を行うことができ、スピン溶着を採用する場合の溶着効率を高めることができる。
【0125】
上述したように、支持部材10は、樹脂ハウジング30によってモールドされる。このため、支持部材10と樹脂ハウジング30とは、互いに密着しているが、接合されているわけではない。したがって、支持部材10と樹脂ハウジング30との間には、微小な隙間が設けられる。
【0126】
本実施形態において、樹脂ハウジング30の第2接触面30fと支持部材10の第3接触面10fとは、径方向において隣接して配置される。このため、溶着工程において溶融した樹脂材料の一部が、支持部材10と樹脂ハウジング30との間の微小な隙間に入り込んで固化する。これにより、支持部材10と樹脂ハウジング30との間の封止が可能となり、より信頼性の高い封止構造を実現できる。
【0127】
図1を基に上で説明したように、フランジ部11の外周面に設けられる凸部11eは、保持筒部31の凹部31eに嵌る。本実施形態によれば、凸部11eおよび凹部31eは、支持部材10と樹脂ハウジング30との間の回転止めとして機能する。これにより、スピン溶着による溶着工程において、樹脂ハウジング30と支持部材10とが相対的に回転することを抑制できる。
【0128】
本実施形態によれば、凸部11eおよび凹部31eは、それぞれ周方向に沿って並び、互いに嵌り合う。このため、支持部材10と樹脂ハウジング30との間の微小な隙間は、周方向に沿って波状に延びる。スピン溶着によって溶融する樹脂材料は、スピン溶着時の回転によって第1接触面20fと第2接触面30fおよび第3接触面10fとの界面を周方向に広がる。本実施形態によれば、支持部材10と樹脂ハウジング30との間の隙間を、周方向に沿って波状に配置することで、スピン溶着時に溶融する樹脂材料を隙間に効果的に侵入させ固化させて、信頼性の高い封止構造を実現できる。
【0129】
図6に示すように、本実施形態のポンプカバー20は、第1接触面20fの副領域20bにおいて、樹脂ハウジング30の第4接触面に溶着される。本実施形態によれば、溶着面の面積を広く確保して封止の信頼性をさらに高めることができる。加えて、溶着面を入り組んだラビンリンス構造とすることができ封止の確実性を高めるとともに溶着部の剛性を高めることができる。
【0130】
本実施形態において、ポンプカバー20は、上端筒状部21の上端に位置する上端面21aを有する。上端面21aは、上側(軸方向他方側)を向く環状の平坦面である。樹脂ハウジング30の外周面30aの下端部には、下側および径方向内側に凹む段差部30dが設けられる。段差部30dには、ポンプカバー20の上端筒状部21が嵌め込まれる。
【0131】
段差部30dは、下側を向く対向面32bを有する。すなわち、樹脂ハウジング30は、対向面32bを有する。対向面32bは、上端筒状部21の上端面21aと隙間を介して対向する。本実施形態によれば、対向面32bと上端面21aとの間に隙間が設けられることで、溶着工程において第1接触面20fおよび第2接触面30fの一部が溶融し、ポンプカバー20と樹脂ハウジング30とが軸方向に相対的に近づいた場合であっても、対向面32bと上端面21aとが干渉することを抑制できる。
【0132】
本実施形態において、互いに溶着される樹脂ハウジング30、ポンプカバー20、および支持部材10は、同種の樹脂材料から構成されることが好ましい。同様に、互いに溶着される樹脂ハウジング30、および基板カバー28は、同種の樹脂材料から構成されることが好ましい。溶着される部材同士を同種の樹脂材料から構成することで、強固な溶着を実現することができるとともに、溶着後にも熱歪が生じ難く溶着部に損傷が生じることを抑制できる。
【0133】
以上に、本発明の様々な実施形態を説明したが、各実施形態における各構成およびそれらの組み合わせ等は一例であり、本発明の趣旨から逸脱しない範囲内で、構成の付加、省略、置換およびその他の変更が可能である。また、本発明は実施形態によって限定されることはない。
【0134】
例えば、本発明が適用されるポンプの用途は、特に限定されない。ポンプは、どのような機器に搭載されてもよい。ポンプは、例えば、車両に搭載されてもよい。ポンプは、どのような流体を送るポンプであってもよい。ポンプは、オイルを送るオイルポンプであってもよい。なお、以上に、本明細書において説明した各構成は、相互に矛盾しない範囲内において、適宜組み合わせることができる。
【符号の説明】
【0135】
1…ポンプ、3…モータ、7…外部装置、8…ターミナル端子、8a…第1端部、8b…第2端部、9,109…熱伝導材、10…支持部材、10f…第3接触面、11…フランジ部、11d…位置決めリブ、11e…凸部、12…ロータ収容部、12a…蓋部、12b…筒状部、12c…保持部、20…ポンプカバー、20a…主領域、20b…副領域、20f…第1接触面、30…樹脂ハウジング(モータハウジング)、30a…外周面、30e…第4接触面、30f…第2接触面、31…保持筒部、31e…凹部、32a…段差面、32b…対向面、39…コネクタ部、40…固定シャフト、41…シャフト本体部、42…保持部材、42a…露出部、42f…保持部材フランジ部(フランジ部)、50…ロータ、60…ポンプ部、64…吸入口、65…吐出口、70…ステータ、71…ステータコア、72…インシュレータ、73…コイル、73a…コイル線、75…ステータアッシー、80…回路基板、81…基板本体、81h…第1スルーホール(スルーホール)、82…発熱素子、90…ステータカバー、91…第1カバー体(カバー体)、92…第2カバー体(カバー体)、94aa…爪部、94f…封止壁部、96…内筒部、97…柱状部、97a…上端面(先端面)、97h…貫通孔(コイル保持部)、97t…テーパ部、98…ターミナル保持部、G…隙間、J…中心軸線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8