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特開2023-114321車載機器用ケースおよびケースセット
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023114321
(43)【公開日】2023-08-17
(54)【発明の名称】車載機器用ケースおよびケースセット
(51)【国際特許分類】
   B60R 11/02 20060101AFI20230809BHJP
   B60R 16/02 20060101ALI20230809BHJP
   H05K 7/00 20060101ALI20230809BHJP
   H05K 5/02 20060101ALI20230809BHJP
   H05K 5/06 20060101ALI20230809BHJP
【FI】
B60R11/02 Z
B60R16/02 610B
H05K7/00 L
H05K5/02 L
H05K5/06 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022016626
(22)【出願日】2022-02-04
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 令和3年11月24日に中発販売株式会社に納品。 令和3年11月24日に自社ウェブサイト((オプション一覧)https://www.e-comtec.co.jp/0_recorder/re_op/re_op.html。(オプション製品説明)https://www.e-comtec.co.jp/0_recorder/hdrop-fk1/hdrop-fk1.html)に公開。 令和3年12月8日に自社ウェブサイト((取扱説明書)https://www.e-comtec.co.jp/manual/op/hdropfk1.pdf)に公開。
(71)【出願人】
【識別番号】391019681
【氏名又は名称】株式会社コムテック
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】景山 慶
【テーマコード(参考)】
3D020
4E352
4E360
【Fターム(参考)】
3D020BA20
3D020BB01
3D020BC02
3D020BD05
4E352BB02
4E352BB10
4E352BB15
4E352CC52
4E352CC53
4E352CC56
4E352DD06
4E352DR19
4E352DR38
4E352GG04
4E360AB02
4E360AB12
4E360AB33
4E360BA02
4E360BB22
4E360BD03
4E360BD05
4E360CA02
4E360EA03
4E360ED02
4E360ED03
4E360GA29
4E360GB99
4E360GC02
4E360GC08
4E360GC14
(57)【要約】
【課題】車載電子機器を屋外で使用する場合に、車載電子機器の破損を抑制できる車載機器用ケースおよびケースセットを提供する。
【解決手段】車載機器用ケース1は、筐体11と、配線挿通部13と、を備える。筐体は、車載電子機器51を収容する収容空間11cを備え、外部から収容空間へ水が浸入しない防水構造に構成される。配線挿通部は、収容空間から筐体の外部にかけて配線が挿通されるように構成された配線挿通部は、配線の外表面の全周にわたり当接するように構成される。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車載機器用ケースであって、
車載電子機器を収容する収容空間を備え、外部から前記収容空間へ水が浸入しない防水構造に構成された筐体と、
前記収容空間から前記筐体の外部にかけて配線が挿通されるように構成された配線挿通部であって、前記配線の外表面の全周にわたり当接するように構成された配線挿通部と、
を備える
車載機器用ケース。
【請求項2】
請求項1に記載の車載機器用ケースであって、
前記車載電子機器は、前記車載電子機器の設置場所に設けられる固定部に装着可能に構成された機器取付部を備えており、
前記車載機器用ケースは、前記筐体の外部において、前記機器取付部と同じ形態で構成されたケース取付部を備える、
車載機器用ケース。
【請求項3】
請求項2に記載の車載機器用ケースであって、
前記ケース取付部は、前記収容空間に収容された前記車載電子機器の前記機器取付部に対して平行な位置に形成されている、
車載機器用ケース。
【請求項4】
請求項2または請求項3に記載の車載機器用ケースであって、
前記固定部を備え、
前記固定部は、車両との接続部位から前記機器取付部または前記ケース取付部との接続部位に至る領域の少なくとも一部において、板状の金属部材を備える、
車載機器用ケース。
【請求項5】
請求項1から請求項4のうちいずれか一項に記載の車載機器用ケースであって、
前記筐体において、前記収容空間から前記筐体の外部にかけて設けられた通気部であって、水は通過しないが空気は通過するように構成された通気部を備える、
車載機器用ケース。
【請求項6】
請求項1から請求項5のうちいずれか一項に記載の車載機器用ケースであって、
前記筐体において、前記筐体の外部から前記収容空間に向けて弾性変形するように構成された弾性部材を備える、
車載機器用ケース。
【請求項7】
請求項1から請求項6のうちいずれか一項に記載の車載機器用ケースであって、
前記筐体において、前記筐体の外部から前記収容空間にかけて貫通するように構成された挿通穴であって、前記車載電子機器に装着される記憶媒体を挿通できる大きさに形成された挿通穴と、
前記挿通穴を介して水が通過しないように前記挿通穴を覆うように構成された穴カバーと、
を備える車載機器用ケース。
【請求項8】
請求項1から請求項7のうちいずれか一項に記載の車載機器用ケースであって、
前記筐体は、
前記収容空間の一部を形成するように構成された第1筐体部材と、
前記第1筐体部材に嵌め合わされて、前記第1筐体部材とともに前記収容空間を形成するように構成された第2筐体部材と、
前記第1筐体部材および前記第2筐体部材が嵌め合わされた状態で、前記第1筐体部材の一部と前記第2筐体部材の一部とを一体に保持するように構成された連結部材と、
を備える、車載機器用ケース。
【請求項9】
請求項7に従属する請求項8に記載の車載機器用ケースであって、
前記穴カバーは、前記連結部材と一体に形成されている、
車載機器用ケース。
【請求項10】
請求項1から請求項9のうちいずれか一項に記載の車載機器用ケースであって、
前記車載電子機器は、映像を撮影するように構成された撮影部を備えており、
前記筐体は、前記収容空間に収容された前記車載電子機器の前記撮影部に対応する位置に、透明に形成された第1透明部を備える、
車載機器用ケース。
【請求項11】
請求項1から請求項10のうちいずれか一項に記載の車載機器用ケースであって、
前記車載電子機器は、情報を表示する表示部を備えており、
前記筐体は、前記収容空間に収容された前記車載電子機器の前記表示部に対応する位置に、透明に形成された第2透明部を備える、
車載機器用ケース。
【請求項12】
第1車載電子機器を収容するように構成された第1ケースと、第2車載電子機器を収容するように構成された第2ケースと、を備えるケースセットであって、
前記第1ケースは、請求項1から請求項11のうちいずれか一項に記載の車載機器用ケースであり、
前記第2ケースは、請求項1から請求項11のうちいずれか一項に記載の車載機器用ケースであり、
前記第1車載電子機器は、配線を介して前記第2車載電子機器と接続されている、
ケースセット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、車載機器用ケースおよびケースセットに関する。
【背景技術】
【0002】
車両に備えられる車載電子機器がある。車載電子機器の一例としては、ドライブレコーダ、レーダー探知機などがある。
車両としては、車室を備える車両と、車室を備えない車両と、がある。車載電子機器は、車室を備える車両では、一般的には車室内に設置される。車室を備えない車両においては、車載電子機器は屋外に晒される状態で車両に設置される。
【0003】
車室を備えない車両としては、例えば、フォークリフトが挙げられる。特許文献1,2は、フォークリフト用のドライブレコーダを開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2013-056736号公報
【特許文献2】特開2017-132298号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
車室を備えない車両に設置された車載電子機器は、風雨に晒されて水や埃などの異物が車載電子機器の内部に浸入して車載電子機器が破損する可能性がある。このような破損を抑制する手法の一例としては、車載電子機器を防水構造にする方法が考えられる。
【0006】
しかし、車載電子機器を防水構造にするためには、車載電子機器の構造が複雑になり、価格が高くなるという問題がある。また、防水構造の車載電子機器は、車室内に設置する用途においては、防水構造は無駄な機能となる。
【0007】
そこで、本開示の一局面は、車載電子機器を屋外で使用する場合に、車載電子機器の破損を抑制できる車載機器用ケースおよびケースセットを提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の一態様は、車載機器用ケースであって、筐体と、配線挿通部と、を備える。筐体は、車載電子機器を収容する収容空間を備える。筐体は、外部から収容空間へ水が浸入しない防水構造に構成される。配線挿通部は、収容空間から筐体の外部にかけて配線が挿通されるように構成されている。配線挿通部は、配線の外表面の全周にわたり当接するように構成される。
【0009】
このような車載機器用ケースは、水や埃などの異物が収容空間に浸入することを抑制しつつ、収容空間に収容された車載電子機器を配線を介して外部機器と接続できる。よって、この車載機器用ケースは、車載電子機器を屋外で使用する場合に、車載電子機器の破損を抑制できる。
【0010】
次に、車載電子機器は、機器取付部を備えていてもよい。機器取付部は、固定部に装着可能に構成されてもよい。固定部は、車載電子機器の設置場所に設けられてもよい。車載機器用ケースは、筐体の外部において、機器取付部と同じ形態で構成されたケース取付部を備えてもよい。
【0011】
この車載機器用ケースは、固定部の形態を変更することなく、ケース取付部を用いて固定部に装着できる。これにより、車載機器用ケースに収容された状態の車載電子機器を、車両に設置できる。
【0012】
次に、ケース取付部は、収容空間に収容された車載電子機器の機器取付部に対して平行な位置に形成されていてもよい。このような車載機器用ケースは、ケース取付部が固定部に装着されることで、収容空間に収容された車載電子機器を、本来の設置位置から平行移動した位置に設置できる。よって、この車載機器用ケースは、車載電子機器の設置位置が大幅に変更されるのを抑制できる。
【0013】
次に、車載機器用ケースは、固定部を備えてもよい。固定部は、板状の金属部材を備えてもよい。金属部材は、固定部のうち、車両との接続部位から機器取付部またはケース取付部との接続部位に至る領域の少なくとも一部に備えられてもよい。このような車載機器用ケースは、金属部材の弾性変形により、車両から車載電子機器へ伝達される振動の大きさを低減できる。
【0014】
次に、車載機器用ケースは、通気部を備えてもよい。通気部は、筐体において、収容空間から筐体の外部にかけて設けられてもよい。通気部は、水は通過しないが空気は通過するように構成されてもよい。これにより、車載機器用ケースは、収容空間への水の浸入を抑制しつつ、収容空間の気圧が大気圧から大きく乖離することを抑制できる。
【0015】
次に、車載機器用ケースは、弾性部材を備えてもよい。弾性部材は、筐体において、筐体の外部から収容空間に向けて弾性変形するように構成されてもよい。この車載機器用ケースは、使用者が弾性部材を収容空間に向けて弾性変形させることで、収容空間に配置された車載電子機器に弾性部材を当接させることができる。これにより、使用者は、車載機器用ケースに収容された状態の車載電子機器の操作ボタンを、弾性部材を介して操作できる。
【0016】
次に、車載機器用ケースは、挿通穴と、穴カバーと、を備えてもよい。挿通穴は、筐体において、筐体の外部から収容空間にかけて貫通するように構成されてもよい。挿通穴は、車載電子機器に装着される記憶媒体を挿通できる大きさに形成されてもよい。穴カバーは、挿通穴を介して水が通過しないように挿通穴を覆うように構成されてもよい。
【0017】
この車載機器用ケースは、穴カバーを挿通穴から取り外すことで、挿通穴を介した車載電子機器に対する記憶媒体の装着作業および取外し作業を可能にする。これにより、使用者は、車載機器用ケースに収容された状態の車載電子機器に対して、記憶媒体の装着作業および取外し作業を実行できる。
【0018】
次に、筐体は、第1筐体部材と、第2筐体部材と、連結部材と、を備えてもよい。第1筐体部材は、収容空間の一部を形成するように構成されてもよい。第2筐体部材は、第1筐体部材に嵌め合わされて、第1筐体部材とともに収容空間を形成するように構成されてもよい。連結部材は、第1筐体部材および第2筐体部材が嵌め合わされた状態で、第1筐体部材の一部と第2筐体部材の一部とを一体に保持するように構成されてもよい。
【0019】
この車載機器用ケースは、第1筐体部材および第2筐体部材が互いに組み付けられた状態を連結部材によって保持できるため、第1筐体部材および第2筐体部材が互いに離れてしまうのを抑制できる。これにより、車載機器用ケースから車載電子機器を取り出す作業において、第1筐体部材または第2筐体部材が脱落するのを抑制できる。
【0020】
次に、穴カバーは、連結部材と一体に形成されていてもよい。この車載機器用ケースは、穴カバーと連結部材とを単一の部材で実現できるため、車載機器用ケースを構成する構成部品の点数が増加することを抑制できる。これにより、車載機器用ケースの構成を簡素化できる。
【0021】
次に、車載電子機器は、映像を撮影するように構成された撮影部を備えていてもよい。筐体は、透明に形成された第1透明部を備えてもよい。第1透明部は、収容空間に収容された車載電子機器の撮影部に対応する位置に形成されてもよい。この車載機器用ケースは、収容空間に収容された車載電子機器が第1透明部を介して車載機器用ケースの外部の映像を撮影することを可能にする。
【0022】
次に、車載電子機器は、情報を表示する表示部を備えていてもよい。筐体は、透明に形成された第2透明部を備えてもよい。第2透明部は、収容空間に収容された車載電子機器の表示部に対応する位置に形成されてもよい。この車載機器用ケースは、収容空間に収容された状態の車載電子機器に関して、使用者が第2透明部を介して表示部を見ることを可能にする。
【0023】
次に、本開示の他の一態様は、第1ケースと、第2ケースと、を備えるケースセットである。第1ケースは、第1車載電子機器を収容するように構成されている。第1ケースは、上述のいずれかの車載電子機器用ケースである。第2ケースは、第2車載電子機器を収容するように構成されている。第2ケースは、上述のいずれかの車載電子機器用ケースである。第1車載電子機器は、配線を介して第2車載電子機器と接続されている。
【0024】
このようなケースセットは、収容空間に収容された第1車載電子機器および第2車載電子機器に、水や埃などの異物が浸入することを抑制しつつ、第1車載電子機器および第2車載電子機器を配線を介して接続できる。よって、ケースセットは、配線で接続された第1車載電子機器および第2車載電子機器を屋外で使用する場合に、第1車載電子機器および第2車載電子機器の破損を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】第1透明部を備える側から見たときの第1車載機器用ケースの外観を表した斜視図である。
図2】ケース取付部を備える側から見たときの第1車載機器用ケースの外観を表した斜視図である。
図3】第1車載機器用ケースの分解斜視図である。
図4】第1車載電子機器および固定部とともに表した第1車載機器用ケースの分解斜視図である。
図5】固定部に装着された第1車載機器用ケースの外観を表した斜視図である。
図6】第2車載電子機器および第2固定部とともに表した第2車載機器用ケースの分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本開示が適用された実施形態について、図面を用いて説明する。
尚、本開示は、以下の実施形態に何ら限定されるものではなく、本開示の技術的範囲に属する限り種々の形態を採り得ることはいうまでもない。
【0027】
[1.第1実施形態]
[1-1.全体構成]
図1図6に示すように、第1実施形態の車載機器用ケースセット1(以下、ケースセット1ともいう)は、車載電子機器2を収容するように構成されている。
【0028】
ケースセット1は、第1車載機器用ケース10(以下、第1ケース10ともいう)と、第2車載機器用ケース101(以下、第2ケース101ともいう)と、を備える。車載電子機器2は、第1車載電子機器51(以下、第1機器51ともいう)と、第2車載電子機器151(以下、第2機器151ともいう)と、を備える。第2機器151は、第1機器51と配線59(詳細には、信号配線59b)を介して接続されるように構成されている。
【0029】
図4に示すように、第1ケース10は、第1機器51を収容するように構成されている。図6に示すように、第2ケース101は、第2機器151を収容するように構成されている。
【0030】
第1機器51および第2機器151は、それぞれ、周囲を撮影して映像を記録するように構成されたドライブレコーダである。同一車両において、第1機器51および第2機器151をそれぞれ異なる位置に設置することで、車両の周囲におけるより広い範囲の映像を記録することができる。例えば、第1機器51を車両の前方領域を主に撮影できる位置に設置し、第2機器151を車両の後方領域を主に撮影できる位置に設置してもよい。
【0031】
第1ケース10は、車室を備えない車両に第1機器51を搭載する場合に、雨や埃などの異物が第1機器51に浸入するのを抑制する用途に用いられる。第1ケース10は、屋外に晒される状態で車両の運転席周辺に設置される。車室を備えない車両は、例えば、フォークリフトなどの作業用車両、ホイールローダなどの工事用車両などを含む。
【0032】
第2ケース101は、第1ケース10と同様に、埃などの異物が第2機器151に浸入するのを抑制する用途に用いられる。第2ケース101は、第1ケース10と同様に、屋外に晒される状態で車両の運転席周辺に設置される。なお、第2ケース101は、第1ケース10とは異なる位置に設置される。
【0033】
[1-2.車載電子機器]
上述のように、車載電子機器2は、第1機器51と、第2機器151と、を備える。
図4に示すように、第1機器51は、機器取付部53と、撮影部55と、表示部57と、配線59と、操作ボタン61と、記憶媒体装着部63と、を備える。
【0034】
機器取付部53は、固定部71に装着可能に構成されている。
固定部71は、装着部73と、両面テープ75と、ステー部77と、両面テープ79と、を備える。装着部73は、板状に形成されている。装着部73は、4つの突出係合部73aを備えている。ステー部77は、金属製の板材で形成されている。ステー部77は、固定部71のうち、車両との接続部位から機器取付部53との接続部位に至る領域の少なくとも一部に備えられている。装着部73は、両面テープ75によってステー部77に固定される。ステー部77は、両面テープ79によって車両に固定される。このような固定部71は、車両における第1機器51の設置場所に固定される。
【0035】
機器取付部53は、4つの係合溝部53aを備えている。4つの係合溝部53aは、4つの突出係合部73aに係合するように構成されている。機器取付部53は、4つの係合溝部53aが4つの突出係合部73aに係合することで、装着部73に装着されるように構成されている。これにより、機器取付部53は、車両における第1機器51の設置場所に固定された固定部71に装着できる。
【0036】
撮影部55は、水平方向の360°全方位の映像を撮影できるように構成された全方位カメラを備える。つまり、撮影部55は、水平方向の視野角が360°であり、第1機器51が装着された車両の前側、後側、左側、右側のそれぞれの映像を撮影できる。
【0037】
表示部57は、第1機器51の外表面のうち、機器取付部53が設けられている面とは反対側の面に設けられている。表示部57は、情報を表示するように構成されている。情報は、撮影部55で撮影した映像を含む。情報は、第1機器51の状態(例えば、撮影モードの設定状態など)に関する情報を含む。表示部57は、例えば、液晶パネルを備えてもよい。なお、表示部57の詳細についての図示を省略する。
【0038】
配線59は、電源配線59aおよび信号配線59bを備えている。電源配線59aは、電源に接続されるように構成されている。電源は、第1機器51および第2機器151が動作するための電力を供給する。電源は、例えば、車両に備えられたシガーソケットであってもよい。信号配線59bは、第1機器51と第2機器151とを接続するように構成されている。信号配線59bは、各種信号(映像信号、指令信号など)を送受信するように構成されている。信号配線59bは、第1機器51から第2機器151へ電力供給するように構成されている。
【0039】
操作ボタン61は、第1機器51に対して指令を入力するために使用者によって操作されるように構成されている。操作ボタン61は、第1機器51の外表面のうち、機器取付部53が設けられている面とは反対側の面に設けられている。操作ボタン61は、例えば、戻るボタン、音消しボタン、下移動ボタン、上移動ボタンなどを備えてもよい。なお、操作ボタン61の詳細についての図示を省略する。
【0040】
記憶媒体装着部63は、記憶媒体を離脱可能に装着するように構成されている。記憶媒体装着部63は、記憶媒体への情報の書き込み動作と、記憶媒体からの情報の読み取り動作と、を行うように構成されている。記憶媒体は、例えば、不揮発性メモリであってもよい。なお、記憶媒体装着部63の詳細についての図示を省略する。
【0041】
次に、図6に示すように、第2機器151は、第2機器取付部153と、第2撮影部155と、第2表示部157と、配線59と、を備える。
第2機器取付部153は、第2固定部171に装着可能に構成されている。
【0042】
第2固定部171は、第2装着部173と、両面テープ175と、を備える。第2装着部173は、台座部173aと、軸部173bと、を備える。台座部173aは、軸部173bの中央部分が露出する状態で、軸部173bの両端を支持するように構成されている。台座部173aは、両面テープ175によって車両に固定される。このような第2固定部171は、車両における第2機器151の設置場所に固定される。
【0043】
第2機器取付部153は、第2機器151において第2機器151から突出する形態で形成されている。第2機器取付部153は、第2機器取付部153を貫通している穴部153aを備える。穴部153aは、軸部173bを挿通できるように構成されている。第2機器取付部153は、穴部153aに軸部173bが挿通された状態で第2装着部173に支持されるように構成されている。これにより、第2機器取付部153は、車両における第2機器151の設置場所に固定された第2固定部171に装着できる。
【0044】
第2撮影部155は、水平方向の所定角度範囲(例えば、120°)を撮影できるように構成されたカメラを備える。つまり、第2撮影部155は、水平方向の視野角が所定角度範囲に対応している。第2撮影部155が車両の後方に向けて設置された場合には、第2撮影部155は、第2機器151が装着された車両の後側を撮影できる。
【0045】
第2表示部157は、第2機器151の外表面のうち、第2撮影部155が設けられている面とは反対側の面に設けられている。第2表示部157は、第2撮影部155で撮影した映像を表示できるように構成されている。第2表示部157は、第2機器151の状態(例えば、撮影モードの設定状態など)を表示してもよい。第2表示部157は、例えば、液晶パネルを備えてもよい。
【0046】
第2機器151から延設される配線59は、信号配線59bである。上述したように、信号配線59bは、第1機器51と第2機器151とを接続して、第1機器51と第2機器151との間で各種信号(映像信号、指令信号など)を送受信する。
【0047】
[1-3.第1車載機器用ケース]
図1図3に示すように、第1ケース10は、筐体11と、配線挿通部13と、ケース取付部15と、を備える。
【0048】
筐体11は、第1筐体部材11aと、第2筐体部材11bと、連結カバー部材23と、を備える。筐体11は、収容空間11cを内部に備えている。収容空間11cは、第1機器51を収容できる形態に形成されている。
【0049】
第1筐体部材11aは、収容空間11cの一部を形成するように構成されている。この収容空間11cの一部は、第1機器51の撮影部55および表示部57が配置される部分である。
【0050】
図3に示すように、筐体11は、挿通穴21を備える。挿通穴21は、筐体11の外部から収容空間11cにかけて貫通するように構成されている。挿通穴21は、第1筐体部材11aに形成されている。挿通穴21は、第1機器51に装着される記憶媒体を挿通できる大きさに形成されている。
【0051】
第2筐体部材11bは、第1筐体部材11aに嵌め合わされるように構成されている。第2筐体部材11bは、第1筐体部材11aとともに収容空間11cを形成するように構成されている。第2筐体部材11bは、収容空間11cのうち、第1機器51の機器取付部53が配置される部分を形成する。
【0052】
図3に示すように、第1筐体部材11aは、第1突出部11a1を備える。第1突出部11a1は、第1筐体部材11aの縁部分から、外向きに突出するように形成されている。第1筐体部材11aの縁部分は、第2筐体部材11bと当接する部分に対応する。
【0053】
第2筐体部材11bは、第2突出部11b1を備える。第2突出部11b1は、第2筐体部材11bの縁部分から、外向きに突出するように形成されている。第2筐体部材11bの縁部分は、第2筐体部材11bと当接する部分に対応する。第2突出部11b1は、第1筐体部材11aおよび第2筐体部材11bが嵌め合わされることに応じて、第1突出部11a1に重なる位置に形成されている。
【0054】
連結カバー部材23は、穴カバー部23aと、連結部23bと、を備える。連結カバー部材23は、弾性材料(樹脂、ゴムなど)で形成されている。連結カバー部材23は、弾性変形するように構成されている。
【0055】
穴カバー部23aは、筐体11の挿通穴21を覆うように構成されている。穴カバー部23aは、挿通穴21を覆うことで、挿通穴21を介して筐体11の収容空間11cに水が通過することを抑制する。
【0056】
第1ケース10は、穴カバー部23aを挿通穴21から取り外すことで、挿通穴21を介した第1機器51に対する記憶媒体の装着作業および取外し作業を可能にする。これにより、使用者は、第1ケース10に収容された状態の第1機器51に対して、記憶媒体の装着作業および取外し作業を実行できる。
【0057】
連結部23bは、環状形状に形成されている。連結部23bは、重ねられた第1突出部11a1と第2突出部11b1とを束ねることで、第1突出部11a1と第2突出部11b1とを一体に保持する。
【0058】
配線挿通部13は、弾性材料(樹脂、ゴムなど)で形成されている。図3に示すように、配線挿通部13は、第1挿通部材13aと、第2挿通部材13bと、帯状部材13cと、を備える。配線挿通部13は、第1筐体部材11aと第2筐体部材11bとの間に配置される。配線挿通部13は、第1筐体部材11aと第2筐体部材11bとの間に隙間が生じるのを抑制するように構成されている。
【0059】
第1挿通部材13aおよび第2挿通部材13bは、互いに重なり合う状態で、第1筐体部材11aと第2筐体部材11bとの間に配置されるように構成されている。第1挿通部材13aは、第2挿通部材13bに対向する面に、2つの第1挿通溝部13a1を備える。第2挿通部材13bは、第1挿通部材13aに対向する面に、2つの第2挿通溝部13b1を備える。第1挿通部材13aおよび第2挿通部材13bは、第1挿通溝部13a1および第2挿通溝部13b1に配線59を配置した状態で重ね合わされる。このとき、第1挿通溝部13a1の内面および第2挿通溝部13b1の内面は、それぞれ、配線59の外表面に当接する。
【0060】
つまり、配線挿通部13は、収容空間11cから筐体11の外部にかけて配線59が挿通されるように構成されている。配線挿通部13は、配線59の外表面の全周にわたり当接するように構成されている。
【0061】
帯状部材13cは、第1筐体部材11aと第2筐体部材11bとの当接面の全周にわたり配置されるように形成されている。帯状部材13cは、第2挿通部材13bと一体に形成されている。帯状部材13cは、第1筐体部材11aと第2筐体部材11bとの間の隙間を埋めるように構成されている。
【0062】
このように、配線挿通部13は、収容空間11cから筐体11の外部にかけて配線59が挿通するとともに、第1筐体部材11aと第2筐体部材11bとの間に隙間が生じるのを抑制する。
【0063】
図4に示すように、筐体11は、複数のネジ37を備える。複数のネジ37は、互いに嵌め合わされた第1筐体部材11aと第2筐体部材11bとを固定する。第2筐体部材11bは、複数のネジ貫通穴11b2を備える。ネジ貫通穴11b2は、ネジ37を挿通可能な大きさに形成されている。複数のネジ37は、それぞれ、複数のネジ貫通穴11b2に挿通された状態で、第1筐体部材11aに螺合する。これにより、第1筐体部材11aおよび第2筐体部材11bは、複数のネジ37によって互いに固定される。
【0064】
第1ケース10は、第1筐体部材11aおよび第2筐体部材11bが互いに組み付けられた状態を、連結カバー部材23の連結部23bによって保持できる。このため、第1ケース10は、ネジ37を取り外した際に、第1筐体部材11aおよび第2筐体部材11bが互いに離れてしまうのを抑制できる。これにより、第1ケース10から第1機器51を取り出す作業において、第1筐体部材11aまたは第2筐体部材11bが脱落するのを抑制できる。
【0065】
次に、図2に示すように、第2筐体部材11bは、ケース取付部15を備える。ケース取付部15は、筐体11の外部に形成されている。ケース取付部15は、機器取付部53と同じ形態で構成されている。ケース取付部15は、4つのケース係合溝部15aを備える。4つのケース係合溝部15aは、機器取付部53の4つの係合溝部53aと同様の形態で構成されている。つまり、ケース取付部15は、固定部71に装着可能に構成されている。
【0066】
このため、第1ケース10は、固定部71の形態を変更することなく、ケース取付部15を用いて固定部71に装着できる。これにより、第1ケース10に収容された状態の第1機器51を車両に設置できる。
【0067】
ケース取付部15は、収容空間11cの特定位置に対して平行に形成されている。特定位置は、収容空間11cに第1機器51が収容された場合に機器取付部53が配置される位置に対応する。換言すれば、ケース取付部15は、収容空間11cに収容された第1機器51の機器取付部53に対して平行な位置に形成されている。このため、第1ケース10は、ケース取付部15が固定部71に装着されることで、収容空間11cに収容された第1機器51を、本来の設置位置から平行移動した位置に設置できる。よって、第1ケース10は、第1機器51の設置位置が大幅に変更されるのを抑制できる。
【0068】
次に、図1図5に示すように、筐体11は、通気部17を備える。通気部17は、フィルタ31を備える。通気部17は、第1通気部17a、第2通気部17b、第3通気部17cを備える。第1通気部17a、第2通気部17b、第3通気部17cは、それぞれ複数の細長形状の貫通穴を備えている。第1通気部17aおよび第2通気部17bは、第1筐体部材11aに形成されている。第3通気部17cは、第2筐体部材11bに形成されている。
【0069】
フィルタ31は、微細孔を有する多孔質膜を備えている。フィルタ31は、水や埃は通過せず、空気は通過するように構成されている。フィルタ31は、第1フィルタ31a、第2フィルタ31b、第3フィルタ31cを備える。第1フィルタ31a、第2フィルタ31b、第3フィルタ31cは、それぞれ、第1通気部17a、第2通気部17b、第3通気部17cに配置されている。
【0070】
このような通気部17は、水は通過しないが空気は通過するように構成されている。これにより、第1ケース10は、収容空間11cへの水の浸入を抑制しつつ、収容空間11cの気圧が大気圧から大きく乖離することを抑制できる。
【0071】
次に、図3に示すように、筐体11は、弾性部材19と、パッキン35と、を備える。弾性部材19は、弾性材料(樹脂、ゴムなど)を用いて形成されている。弾性部材19は、第1筐体部材11aに備えられる。第1筐体部材11aは、操作開口部11a2を備える。操作開口部11a2は、第1筐体部材11aの外部から収容空間11cにかけて貫通するように構成されている。操作開口部11a2は、第1筐体部材11aのうち第1機器51の操作ボタン61に対向する位置に形成されている。パッキン35は、操作開口部11a2の周縁に沿った形状に形成されている。弾性部材19は、操作開口部11a2を覆う状態で、パッキン35を介して第1筐体部材11aに当接するように配置される。
【0072】
つまり、弾性部材19は、筐体11の外部から収容空間11cに向けて弾性変形する。これにより、第1ケース10において、使用者が弾性部材19を収容空間11cに向けて弾性変形させることで、収容空間11cに配置された第1機器51に弾性部材19を当接させることができる。これにより、使用者は、第1ケース10に収容された状態の第1機器51の操作ボタン61を、弾性部材19を介して操作できる。
【0073】
弾性部材19は、第1操作領域19a、第2操作領域19b、第3操作領域19c、第4操作領域19dを備える。第1操作領域19a、第2操作領域19b、第3操作領域19c、第4操作領域19dは、それぞれ、操作ボタン61における、戻るボタン、音消しボタン、下移動ボタン、上移動ボタンに対応して備えられてもよい。
【0074】
次に、図1図3図4に示すように、筐体11は、第1透明部25を備える。第1透明部25は、第1筐体部材11aに形成されている。第1透明部25は、筐体11のうち、収容空間11cに収容された第1機器51の撮影部55に対応する位置に形成されている。第1透明部25は、収容空間11cから筐体11の外部を撮影できるように透明に形成されている。
【0075】
よって、第1ケース10は、第1透明部25を備えることで、収容空間11cに収容された第1機器51が第1透明部25を介して第1ケース10の外部の映像を撮影することを可能にする。
【0076】
次に、図1図3図4に示すように、筐体11は、第2透明部27を備える。第2透明部27は、第1筐体部材11aに形成されている。第2透明部27は、筐体11のうち、収容空間11cに収容された第1機器51の表示部57に対応する位置に形成されている。第2透明部27は、筐体11の外部から収容空間11cを視認できるように透明に形成されている。
【0077】
よって、第1ケース10は、第2透明部27を備えることで、収容空間11cに収容された第1機器51の表示部57を、第1ケース10の外部から使用者が視認することを可能にする。
【0078】
[1-4.第2車載機器用ケース]
図6に示すように、第2ケース101は、第2筐体111と、第2配線挿通部113と、第2ケース取付部115と、を備える。
【0079】
第2筐体111は、第3筐体部材111aと、第4筐体部材111bと、を備える。第2筐体111は、第2収容空間111cを内部に備えている。第2収容空間111cは、第2機器151を収容できる形態に形成されている。
【0080】
第3筐体部材111aは、第2収容空間111cの一部を形成するように構成されている。この第2収容空間111cの一部は、第2機器151の第2撮影部155および第2表示部157が配置される部分である。
【0081】
第4筐体部材111bは、第3筐体部材111aに嵌め合わされるように構成されている。第4筐体部材111bは、第3筐体部材111aとともに第2収容空間111cを形成するように構成されている。第4筐体部材111bは、第2収容空間111cのうち、第2機器151の第2機器取付部153が配置される部分を形成する。
【0082】
第2配線挿通部113は、弾性材料(樹脂、ゴムなど)で形成されている。第2配線挿通部113は、第3挿通部材113aと、第4挿通部材113bと、第2帯状部材113cと、を備える。第2配線挿通部113は、第3筐体部材111aと第4筐体部材111bとの間に配置される。第2配線挿通部113は、第3筐体部材111aと第4筐体部材111bとの間に隙間が生じるのを抑制するように構成されている。
【0083】
第3挿通部材113aおよび第4挿通部材113bは、互いに重なり合う状態で、第3筐体部材111aと第4筐体部材111bとの間に配置されるように構成されている。第3挿通部材113aは、第4挿通部材113bに対向する面に、1つの第3挿通溝部(図示省略)を備える。第4挿通部材113bは、第3挿通部材113aに対向する面に、1つの第4挿通溝部113b1を備える。第3挿通部材113aおよび第4挿通部材113bは、第3挿通溝部および第4挿通溝部113b1に配線59を配置した状態で重ね合わされる。このとき、第3挿通溝部の内面および第4挿通溝部113b1の内面は、それぞれ、配線59の外表面に当接する。
【0084】
第4挿通溝部113b1は、2つの第2突条部113b2を備える。2つの第2突条部113b2は、それぞれ、第4挿通溝部113b1の内面から突出する形態で構成されている。同様に、第3挿通溝部は、2つの第1突条部(図示省略)を備える。2つの第1突条部は、それぞれ、第3挿通溝部の内面から突出する形態で構成されている。第3挿通溝部および第4挿通溝部113b1により形成される配線挿通孔は、第1突条部および第2突条部113b2が形成される部分の内径が小さく形成される。これにより、第1突条部および第2突条部113b2が配線59の外面により強く密着する状態となる。
【0085】
つまり、第2配線挿通部113は、第2収容空間111cから第2筐体111の外部にかけて配線59が挿通されるように構成されている。第2配線挿通部113は、配線59の外表面の全周にわたり当接するように構成されている。第2配線挿通部113は、第1突条部および第2突条部113b2を備えることで、より一層、第2配線挿通部113と配線59との間に隙間が生じることを抑制できる。
【0086】
第2帯状部材113cは、第3筐体部材111aと第4筐体部材111bとの当接面の全周にわたり配置されるように形成されている。第2帯状部材113cは、第4挿通部材113bと一体に形成されている。第2帯状部材113cは、第3筐体部材111aと第4筐体部材111bとの間の隙間を埋めるように構成されている。
【0087】
このように、第2配線挿通部113は、第2収容空間111cから第2筐体111の外部にかけて配線59が挿通するとともに、第3筐体部材111aと第4筐体部材111bとの間に隙間が生じるのを抑制する。
【0088】
第2筐体111は、複数の第2ネジ137を備える。複数の第2ネジ137は、互いに嵌め合わされた第3筐体部材111aと第4筐体部材111bとを固定する。第3筐体部材111aは、複数のネジ受け部111a1を備える。第4筐体部材111bは、複数のネジ貫通穴111b1を備える。ネジ貫通穴111b1は、第2ネジ137を挿通可能な大きさに形成されている。複数の第2ネジ137は、それぞれ、複数のネジ貫通穴111b1に挿通された状態で、第3筐体部材111aのネジ受け部111a1に螺合する。これにより、第3筐体部材111aおよび第4筐体部材111bは、複数の第2ネジ137によって互いに固定される。
【0089】
第3筐体部材111aは、複数の係合凹部111a2を備える。第4筐体部材111bは、複数の係合凸部111b2を備える。第3筐体部材111aおよび第4筐体部材111bが互いに嵌め合わされた場合に、係合凹部111a2は、係合凸部111b2と係合するように構成されている。このため、複数の第2ネジ137の全てがネジ受け部111a1から取り外された場合でも、係合凹部111a2と係合凸部111b2との係合によって、第3筐体部材111aおよび第4筐体部材111bが嵌め合わされた状態を維持できる。これにより、第2ケース101から第2機器151を取り出す作業において、第3筐体部材111aまたは第4筐体部材111bが脱落するのを抑制できる。
【0090】
次に、第4筐体部材111bは、第2ケース取付部115を備える。第2ケース取付部115は、第2筐体111の外部に形成されている。第2ケース取付部115は、第2機器取付部153と同じ形態で構成されている。第2ケース取付部115は、第2筐体111において第2筐体111から突出する形態で形成されている。第2ケース取付部115は、第2ケース取付部115を貫通している穴部115aを備える。穴部115aは、第2装着部173の軸部173bを挿通できるように構成されている。第2ケース取付部115は、穴部115aに軸部173bが挿通された状態で第2装着部173に支持されるように構成されている。これにより、第2ケース取付部115は、車両における第2機器151の設置場所に固定された第2固定部171に装着できる。
【0091】
このため、第2ケース101は、第2固定部171の形態を変更することなく、第2ケース取付部115を用いて第2固定部171に装着できる。これにより、第2ケース101に収容された状態の第2機器151を車両に設置できる。
【0092】
第2ケース取付部115は、第2収容空間111cの特定位置に対して平行に形成されている。特定位置は、第2収容空間111cに第2機器151が収容された場合に第2機器取付部153が配置される位置に対応する。換言すれば、第2ケース取付部115は、第2収容空間111cに収容された第2機器151の第2機器取付部153に対して平行移動した位置に形成されている。このため、第2ケース101は、第2ケース取付部115が第2固定部171に装着されることで、第2収容空間111cに収容された第2機器151を、本来の設置位置から平行移動した位置に設置できる。よって、第2ケース101は、第2機器151の設置位置が大幅に変更されるのを抑制できる。
【0093】
次に、第2筐体111は、第3透明部125を備える。第3透明部125は、第3筐体部材111aに形成されている。第3透明部125は、第2筐体111のうち、第2収容空間111cに収容された第2機器151の第2撮影部155に対応する位置に形成されている。第3透明部125は、第2収容空間111cから第2筐体111の外部を撮影できるように透明に形成されている。
【0094】
よって、第2ケース101は、第3透明部125を備えることで、第2収容空間111cに収容された第2機器151が第3透明部125を介して第2ケース101の外部の映像を撮影することを可能にする。
【0095】
次に、第2筐体111は、第4透明部127を備える。第4透明部127は、第4筐体部材111bに形成されている。第4透明部127は、第2筐体111のうち、第2収容空間111cに収容された第2機器151の第2表示部157に対応する位置に形成されている。第4透明部127は、第2筐体111の外部から第2収容空間111cを視認できるように透明に形成されている。
【0096】
よって、第2ケース101は、第4透明部127を備えることで、第2収容空間111cに収容された第2機器151の第2表示部157を、第2ケース101の外部から使用者が視認することを可能にする。
【0097】
[1-5.効果]
以上説明したように、本実施形態のケースセット1は、収容空間11cに収容された第1機器51および第2収容空間111cに収容された第2機器151に、水や埃などの異物が浸入することを抑制しつつ、第1機器51および第2機器151を配線59を介して接続できる。よって、ケースセット1は、配線59で接続された第1機器51および第2機器151を屋外で使用する場合に、第1機器51および第2機器151の破損を抑制できる。
【0098】
次に、第1ケース10は、ステー部77を備える固定部71に装着可能に構成されている。ステー部77は、固定部71のうち、車両との接続部位から機器取付部53またはケース取付部15との接続部位に至る領域の少なくとも一部に備えられている。このような第1ケース10は、ステー部77の弾性変形により、車両から第1機器51へ伝達される振動の大きさを低減できる。
【0099】
次に、第1ケース10において、穴カバー部23aは、連結部23bと一体に形成されている。第1ケース10は、穴カバー部23aと連結部23bとを単一の部材(連結カバー部材23)で実現できるため、第1ケース10を構成する構成部品の点数が増加することを抑制できる。これにより、本開示は、第1ケース10の構成を簡素化できる。
【0100】
[1-6.文言の対応関係]
ここで、文言の対応関係について説明する。
ステー部77が、本開示における金属部材の一例に相当し、連結部23bが連結部材の一例に相当し、穴カバー部23aが穴カバーの一例に相当する。
【0101】
[2.他の実施形態]
以上、本開示の実施形態について説明したが、本開示は上記実施形態に限定されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲において、様々な態様にて実施することが可能である。
【0102】
(a)上記実施形態では、ケース取付部15(または第2ケース取付部115)が、収容空間11c(または第2収容空間111c)に配置された機器取付部53(第2機器取付部153)に対して平行移動した位置に形成されている形態について説明した。しかし、本開示の車載機器用ケースは、このような形態に限られることはない。例えば、本開示の車載機器用ケースは、ケース取付部が、収容空間に配置された機器取付部に対して平行ではない形態で形成されてもよい。
【0103】
(b)上記実施形態では、穴カバー部23aと連結部23bとが一体に形成された連結カバー部材23を備える第1ケース10について説明したが、本開示の車載機器用ケースは、このような形態に限られることはない。例えば、本開示の車載機器用ケースは、穴カバーと連結部材とがそれぞれ個別に備えられる形態であってもよい。
【0104】
(c)上記実施形態では、第1ケース10および第2ケース101を備えるケースセット1について説明したが、本開示は、このような形態に限られることはない。例えば、第1機器51および第2機器151がそれぞれ単独で使用される場合には、第1ケース10のみあるいは第2ケース101のみを用いて第1機器51および第2機器151をそれぞれ個別に保護してもよい。
【0105】
(d)上記実施形態は、第2ケース101が通気部を備えない形態について説明したが、第2ケース101は、第1ケース10と同様に、通気部を備えてもよい。
(e)上記実施形態における1つの構成要素が有する機能を複数の構成要素として分散させたり、複数の構成要素が有する機能を1つの構成要素に統合させたりしてもよい。また、上記実施形態の構成の少なくとも一部を、同様の機能を有する公知の構成に置き換えてもよい。また、上記実施形態の構成の一部を省略してもよい。また、上記実施形態の構成の少なくとも一部を、他の上記実施形態の構成に対して付加又は置換してもよい。なお、特許請求の範囲に記載した文言のみによって特定される技術思想に含まれるあらゆる態様が本開示の実施形態である。
【符号の説明】
【0106】
1…車載機器用ケースセット(ケースセット)、2…車載電子機器、10…第1車載機器用ケース(第1ケース)、11…筐体、11a…第1筐体部材、11a1…第1突出部、11a2…操作開口部、11b…第2筐体部材、11b1…第2突出部、11c…収容空間、13…配線挿通部、13a…第1挿通部材、13a1…第1挿通溝部、13b…第2挿通部材、13b1…第2挿通溝部、15…ケース取付部、17…通気部、19…弾性部材、21…挿通穴、23…連結カバー部材、23a…穴カバー部、23b…連結部、25…第1透明部、27…第2透明部、31…フィルタ、51…第1車載電子機器(第1機器)、53…機器取付部、53a…係合溝部、55…撮影部、57…表示部、59…配線、61…操作ボタン、63…記憶媒体装着部、71…固定部、73…装着部、73a…突出係合部、77…ステー部、101…第2車載機器用ケース(第2ケース)、111…第2筐体、111a…第3筐体部材、111b…第4筐体部材、111c…第2収容空間、113…第2配線挿通部、113a…第3挿通部材、113b…第4挿通部材、115…第2ケース取付部、125…第3透明部、127…第4透明部、137…第2ネジ、151…第2車載電子機器(第2機器)、153…第2機器取付部、155…第2撮影部、157…第2表示部、171…第2固定部、173…第2装着部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6