(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023114330
(43)【公開日】2023-08-17
(54)【発明の名称】収納構造
(51)【国際特許分類】
A47B 55/00 20060101AFI20230809BHJP
A47B 81/00 20060101ALI20230809BHJP
【FI】
A47B55/00
A47B81/00 G
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022016638
(22)【出願日】2022-02-04
(71)【出願人】
【識別番号】000204985
【氏名又は名称】大建工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】弁理士法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】谷口 雄祐
(72)【発明者】
【氏名】内村 恵美
【テーマコード(参考)】
3B067
【Fターム(参考)】
3B067AB00
3B067EA01
3B067EA02
3B067EA06
(57)【要約】
【課題】収納空間内における収納の自由度を向上させる。
【解決手段】収納構造は、収納空間に設けられる。収納構造は、横材15と、形成部材20とを備える。横材15は、収納空間内において水平方向に延びる。形成部材20は、収納空間内において横材15とともに新たな収納空間を形成する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
収納空間に設けられる収納構造であって、
前記収納空間内において水平方向に延びる横材と、
前記収納空間内において前記横材とともに新たな収納空間を形成する形成部材とを備える
ことを特徴とする収納構造。
【請求項2】
請求項1の収納構造において、
前記形成部材は、収納物を前記横材とともに囲むことができるように構成された保持具であり、
前記横材と前記保持具とに囲まれた空間内に前記収納物が収納されることにより、前記収納物が保持される
ことを特徴とする収納構造。
【請求項3】
請求項2の収納構造において、
前記保持具は、
U字状またはL字状に形成された保持具本体と、
前記保持具本体の一端部に設けられ前記横材に取り付けられる第1取付部とを有する
ことを特徴とする収納構造。
【請求項4】
請求項3の収納構造において、
前記保持具は、前記保持具本体の他端部に設けられ前記横材に取り付けられる第2取付部を有する
ことを特徴とする収納構造。
【請求項5】
請求項2~4のいずれか1つの収納構造において、
前記保持具は、前記横材に対して着脱可能である
ことを特徴とする収納構造。
【請求項6】
請求項2~5のいずれか1つの収納構造において、
前記保持具は、前記横材の延伸方向に沿う方向における長さが調整可能である
ことを特徴とする収納構造。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか1つの収納構造において、
前記横材を支持する支持部を備え、
前記支持部は、前記収納空間内における前記横材の高さ方向における位置および前記横材の延伸方向と前記高さ方向との両方と直交する方向における位置の少なくとも一方を調整可能に構成される
ことを特徴とする収納構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、収納構造に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、開口部を有する収納空間の収納構造が開示されている。この収納構造は、衣類を吊すためのハンガーパイプを備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の収納構造では、収納空間内に設けられたハンガーパイプに衣類を吊して収納するくらいしかできないので、収納空間内における収納の自由度を向上させることが困難である。
【0005】
本発明は斯かる点に鑑みてなされたもので、その目的は、収納空間内における収納の自由度を向上させることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の発明は、収納空間に設けられる収納構造であって、前記収納空間内において水平方向に延びる横材と、前記収納空間内において前記横材とともに新たな収納空間を形成する形成部材とを備える。
【0007】
第1の発明では、横材と形成部材とにより新たな収納空間を既存の収納空間内に形成することができる。これにより、収納空間内における収納の自由度を向上させることができる。
【0008】
第2の発明は、第1の発明の収納構造において、前記形成部材は、収納物を前記横材とともに囲むことができるように構成された保持具であり、前記横材と前記保持具とに囲まれた空間内に前記収納物が収納されることにより、前記収納物が保持されることを特徴とする収納構造である。
【0009】
第2の発明では、横材と保持具との間に「収納物を保持可能な空間」を形成することができる。
【0010】
第3の発明は、第2の発明の収納構造において、前記保持具は、U字状またはL字状に形成された保持具本体と、前記保持具本体の一端部に設けられ前記横材に取り付けられる第1取付部とを有することを特徴とする収納構造である。
【0011】
第3の発明では、第1取付部を横材に取り付けることにより、横材と保持具本体との間に「収納物を保持可能な空間」を形成することができる。
【0012】
第4の発明は、第3の発明の収納構造において、前記保持具は、前記保持具本体の他端部に設けられ前記横材に取り付けられる第2取付部を有することを特徴とする収納構造である。
【0013】
第4の発明では、第1および第2取付部を横材に取り付けることにより、第1取付部のみを横材に取り付ける場合よりも、横材に対する保持具の取り付けを堅固にすることができる。
【0014】
第5の発明は、第2~第4の発明のいずれか1つの収納構造において、前記保持具は、前記横材に対して着脱可能であることを特徴とする収納構造である。
【0015】
第5の発明では、収納物を横材に立て掛けた後に、収納物が横材と保持具とに囲まれるように保持具を横材に取り付けることができる。これにより、収納物を横材と保持具とで囲う作業を容易にすることができる。
【0016】
第6の発明は、第2~第5の発明のいずれか1つの収納構造において、前記保持具は、前記横材の延伸方向に沿う方向における長さが調整可能であることを特徴とする収納構造である。
【0017】
第6の発明では、保持具の長さ(横材の延伸方向に沿う方向における長さ)を「収納物の幅に応じた長さ」にすることができる。これにより、収納物を適切に保持することができる。
【0018】
第7の発明は、第1~第6の発明のいずれか1つの収納構造において、前記横材を支持する支持部を備え、前記支持部は、前記収納空間内における前記横材の高さ方向における位置および前記横材の延伸方向と前記高さ方向との両方と直交する方向における位置の少なくとも一方を調整可能に構成されることを特徴とする収納構造である。
【0019】
第7の発明では、収納空間内における横材の位置を調整することにより、横材と形成部材とで形成される新たな収納空間の位置を調整することができる。これにより、収納空間内における収納の自由度を向上させることができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、収納空間内における収納の自由度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】実施形態の収納ユニットの構成を例示する正面図である。
【
図2】実施形態の収納ユニットの構成を例示する断面図である。
【
図3】横材を支持する支持具と棚柱の構成を例示する斜視図である。
【
図4】実施形態の保持具の構成を例示する斜視図である。
【
図5】実施形態の保持具の構成を例示する平面図である。
【
図6】実施形態の保持具の構成を例示する断面図である。
【
図7】その他の実施形態の保持具の構成を例示する斜視図である。
【
図8】その他の実施形態の保持具の別の構成を例示する断面図である。
【
図9】その他の実施形態の収納箱の構成を例示する斜視図である。
【
図10】その他の実施形態の収納箱の別の構成を例示する斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を参照して実施の形態を詳しく説明する。なお、図中同一または相当部分には同一の符号を付しその説明は繰り返さない。
【0023】
(収納ユニット)
図1および
図2は、実施形態の収納ユニット10の構成を例示する。
図2は、
図1のII-II線における断面図である。この例では、収納ユニット10は、住宅の玄関スペースに設けられ、玄関スペースの床(玄関床)から離れた状態で、玄関スペースの壁(玄関壁)に固定される。
【0024】
なお、以下では、説明の便宜上、
図1の上側、下側、左側、右側をそれぞれ、「上」、「下」、「左」、「右」として説明する。また、
図1の紙面と直交する方向において、手前側を「前」とし、奥側を「後」として説明する。これらの方向は、設置された収納ユニット10を正面からみた場合の方向に対応する。
【0025】
また、左右方向および前後方向は、水平方向の一例である。例えば、前後方向(または左右方向)は、左右方向(または前後方向)と直交し且つ水平方向に沿う方向である。上下方向は、左右方向および前後方向の両方と直交する方向である。
【0026】
また、以下では、収納ユニット10に収納される収納物が「長物100」である場合を例に挙げて説明する。長物100の例としては、ゴルフバッグ、スキー板、釣り竿などが挙げられる。
【0027】
〔収納ユニットの詳細〕
収納ユニット10は、第1側板11と、第2側板12と、天板13と、棚板14とを備える。第1側板11と第2側板12と天板13と棚板14は、木製であってもよいし、金属製であってもよいし、樹脂製であってもよい。金属の例としては、アルミニウム、スチール、ステンレスなどが挙げられる。
【0028】
第1側板11および第2側板12は、左右方向において間隔を空けて互いに対向する。第1側板11および第2側板12の各々は、上下方向に延びる矩形板状に形成され、その厚み方向が左右方向を向くように配置される。第1側板11および第2側板12は、玄関床から離れた状態で、玄関壁に固定されている。例えば、第1側板11および第2側板12は、L字金具(図示省略)により玄関壁に固定される。
【0029】
また、第1側板11の内面には、第1棚柱11aと第2棚柱11bとが設けられる。第1棚柱11aと第2棚柱11bは、前後方向に並んで配置され、上下方向に延びる。第1棚柱11aは、第1側板11の前端部に沿うように上下方向に延び、第2棚柱11bは、第1側板11の後端部に沿うように上下方向に延びる。
【0030】
第1棚柱11aには、第1棚受具14aが着脱可能に取り付けられる。第2棚柱11bには、第2棚受具14bが着脱可能に取り付けられる。第1棚受具14aおよび第2棚受具14bの取り付け位置を変更することにより、第1棚受具14aおよび第2棚受具14bの高さ位置(高さ方向における位置)を変更することができる。
【0031】
同様に、第2側板12の内面には、第3棚柱12aと第4棚柱12bとが設けられる。第3棚柱12aと第4棚柱12bは、前後方向に並んで配置され、上下方向に延びる。第3棚柱12aは、第2側板12の前端部に沿うように上下方向に延び、第4棚柱12bは、第2側板12の後端部に沿うように上下方向に延びる。
【0032】
第3棚柱12aには、第3棚受具14cが着脱可能に取り付けられる。第4棚柱12bには、第4棚受具14dが着脱可能に取り付けられる。第3棚受具14cおよび第4棚受具14dの取り付け位置を変更することにより、第3棚受具14cおよび第4棚受具14dの高さ位置を変更することができる。
【0033】
また、第1側板11の下端部には、第1側板11を支持する第1アジャスタ11cが設けられる。第2側板12の下端部には、第2側板12を支持する第2アジャスタ12cが設けられる。第1アジャスタ11cおよび第2アジャスタ12cは、上下方向の長さを調整可能である。
【0034】
天板13は、第1側板11の上端部と第2側板12の上端部との間に掛け渡される。天板13は、左右方向に延びる矩形板状に形成され、その厚み方向が上下方向を向くように配置される。
【0035】
棚板14は、第1側板11の下端部と第2側板12の下端部との間に掛け渡される。棚板14は、左右方向に延びる矩形板状に形成され、その厚み方向が上下方向を向くように配置される。棚板14は、4つの棚受具14a~14dに支持される。4つの棚受具14a~14dの高さ位置を変更することにより、棚板14の高さ位置を変更することができる。
【0036】
また、棚板14には、起立した状態の長物100が載置される。
【0037】
〔収納空間〕
以上のような構成により、収納ユニット10内には、第1側板11と第2側板12と玄関壁とに囲まれた収納空間が形成される。この収納空間は、水平方向において互いに対向する第1および第2側面と背面とに囲まれた収納空間の一例である。第1側板11の内面は、収納空間に面する第1側面の一例である。第2側板12の内面は、収納空間に面する第2側面の一例である。玄関壁の壁面は、収納空間に面する背面の一例である。
【0038】
〔収納構造〕
収納ユニット10内の収納空間には、収納構造が設けられる。この収納構造は、横材15と、保持具20とを備える。この例では、収納構造は、横材15と保持具20とに加えて、第1支持部151と、第2支持部152とを備える。
【0039】
〔横材〕
横材15は、収納空間内において水平方向に延びる。この例では、横材15は、収納空間内において、玄関壁の壁面と間隔を空けた状態で、第1側板11の内面と第2側板12の内面との間を左右方向に延びる。例えば、横材15は、衣類を吊すためのハンガーパイプであり、金属製の棒状部材である。なお、横材15は、樹脂製であってもよい。
【0040】
また、この例では、横材15は、その断面(延伸方向と直交する断面)が長円形状に形成され、その断面の長径方向が上下方向を向くように配置される。言い換えると、横材15は、第1平面部と、第2平面部と、第1曲面部と、第2曲面部とを有する。
【0041】
第1平面部および第2平面部は、横材15の延伸方向に延びる矩形状の面部であり、横材15の延伸方向と直交する方向(第1方向)において互いに対向する。第1平面部および第2平面部は、第1平面部および第2平面部の対向方向に対して垂直な面を構成する。
【0042】
第1曲面部および第2曲面部は、横材15の中心線から遠ざかる方向に凸となるように湾曲(具体的には半円状に湾曲)する面部であり、横材15の延伸方向と第1方向(第1平面部および第2平面部の対向方向)の両方と直交する方向(第2方向)において互いに対向する。第1曲面部は、第1平面部および第2平面部の各々の第2方向における一端部を接続する。第2曲面部は、第1平面部および第2平面部の各々の第2方向における他端部を接続する。
【0043】
そして、横材15は、第1方向(第1平面部および第2平面部の対向方向)が前後方向を向き、且つ、第2方向(第1曲面部および第2曲面部の対向方向)が上下方向を向くように配置される。例えば、横材15の第1平面部が前面部となり、横材15の第2平面部が後面部となり、横材15の第1曲面部が上面部となり、横材15の第2曲面部が下面部となる。
【0044】
〔支持部〕
第1支持部151は、横材15の一端部を支持する。第2支持部152は、横材15の他端部を支持する。第1支持部151および第2支持部152は、横材15を支持する支持部の一例である。また、第1支持部151および第2支持部152は、収納空間内における横材15の高さ位置(高さ方向における位置)および前後位置(前後方向における位置)の少なくとも一方を調整可能に構成される。
【0045】
この例では、第1支持部151および第2支持部152は、収納空間内における横材15の高さ位置および前後位置の両方を調整可能に構成される。具体的には、第1支持部151は、第1棚柱11aおよび第2棚柱11bと、第1支持具16とを有する。第2支持部152は、第3棚柱12aおよび第4棚柱12bと、第2支持具17とを有する。
【0046】
第1支持具16は、第1棚柱11aまたは第2棚柱11bに着脱可能に取り付けられ、横材15の一端部を支持する。第2支持具17は、第3棚柱12aまたは第4棚柱12bに着脱可能に取り付けられる。
図1の例では、第1支持具16は、第2棚柱11bに取り付けられ、第2支持具17は、第4棚柱12bに取り付けられている。
【0047】
図3に示すように、第1支持具16は、固定部161と受け部162とを有する。固定部161は、板状に形成される。固定部161には、ビス160を挿通可能な挿通孔161aが設けられる。受け部162は、固定部161の一端面側に設けられ、横材15の端部を嵌め込むことが可能なU字状に形成される。第2棚柱11bには、第2棚柱11bの延伸方向に並ぶ複数の取付孔110が設けられる。
【0048】
図3の例では、固定部161の挿通孔161aと第2棚柱11bの取付孔110とに挿通されたビス160を第1側板11にねじ込むことにより、第1支持具16が第2棚柱11bに取り付けられる。そして、第2棚柱11bに取り付けられた第1支持具16の受け部162に横材15の端部を嵌め込むことにより、横材15の端部が第1支持具16に支持される。また、ビス160のねじ込みを解除することにより、第1支持具16が第2棚柱11bから取り外される。
【0049】
なお、第1棚柱11aの構成は、第2棚柱11bと同様である。また、第2支持具17の構成は、第1支持具16の構成と同様であり、第3棚柱12aおよび第4棚柱12bの構成は、第1棚柱11aおよび第2棚柱11bの構成と同様である。
【0050】
第1棚柱11a(または第2棚柱11b)における第1支持具16の取り付け位置および第3棚柱12a(または第4棚柱12b)における第2支持具17の取り付け位置を変更することにより、第1支持具16および第2支持具17の高さ位置を変更することができ、その結果、横材15の高さ位置を変更することができる。
【0051】
また、第1支持具16を取り付ける棚柱(第1棚柱11aおよび第2棚柱11bのいずれか1つ)および第2支持具17を取り付ける棚柱(第3棚柱12aおよび第4棚柱12bのいずれか1つ)を変更することにより、第1支持具16および第2支持具17の前後位置を変更することができ、その結果、横材15の前後位置を変更することができる。
【0052】
なお、第1棚柱11aおよび第2棚柱11bは、第1側板11の内面において前後方向に並設される複数の第1柱部材の一例である。第1支持具16は、複数の第1柱部材の各々に対して着脱可能である。第3棚柱12aおよび第4棚柱12bは、第2側板12の内面において前後方向に並設される複数の第2柱部材の一例である。第2支持具17は、複数の第2柱部材の各々に対して着脱可能である。なお、前後方向は、横材15の延伸方向と高さ方向との両方と直交する方向の一例である。
【0053】
〔保持具〕
保持具20は、収納空間内において横材15とともに新たな収納空間を形成する形成部材の一例である。保持具20は、起立した状態の長物100を横材15とともに囲むことができるように構成される。横材15と保持具20とに囲まれた空間内に起立した状態の長物100が収納されることにより、長物100が起立した状態で保持される。
【0054】
例えば、保持具20は、金属製である。なお、保持具20は、樹脂製であってもよい。また、傷防止などを目的として、保持具20の表面に保護部材が設けられてもよい。保護部材を構成する素材の例としては、ゴム、軟質樹脂、皮、布などが挙げられる。
【0055】
図4,
図5,
図6は、保持具20の構成を例示する。
図5では、保持具20の一部が切り欠かれている。
図6は、
図5のVI-VI線における断面図に対応する。保持具20は、保持具本体30と、第1取付部40と、第2取付部50とを備える。
【0056】
保持具本体30は、U字状に延びる。第1取付部40は、保持具本体30の一端部に設けられ、横材15に取り付けられる。第2取付部50は、保持具本体30の他端部に設けられ、横材15に取り付けられる。起立した状態の長物100が横材15と保持具本体30とに囲まれることにより、長物100が起立した状態で保持される。
【0057】
〈保持具本体の詳細〉
この例では、保持具本体30は、第1取付部40および第2取付部50の対向方向における長さが調整可能である。具体的には、保持具本体30は、第1本体部材31と、第2本体部材32とを有する。
【0058】
第1本体部材31および第2本体部材32の各々は、L字状に延びる管部材である。第1本体部材31の一端部は、第2本体部材32の一端部に挿入される。第1本体部材31の他端部には、第1取付部40が設けられ、第2本体部材32の他端部には、第2取付部50が設けられる。第1本体部材31の一部(第2本体部材32に挿入可能な部分)を第2本体部材32に出し入れすることにより、保持具本体30の長さ(第1取付部40および第2取付部50の対向方向における長さ)が変化し、その結果、保持具20の長さ(横材15の延伸方向に沿う方向における長さ)が変化する。すなわち、この例では、保持具20は、横材15の延伸方向に沿う方向における長さが調整可能である。
【0059】
〈取付部の詳細〉
第1取付部40および第2取付部50は、横材15に対して着脱可能である。また、第1取付部40および第2取付部50は、横材15に取り付けられた状態で横材15の延伸方向に摺動可能である。なお、第1取付部40および第2取付部50は、保持具本体30が横材15から前方(水平方向)に突き出した状態で維持されるように、横材15に対して回転不可に取り付けられる。すなわち、保持具20は、横材15に対して着脱可能である。また、保持具20は、横材15に取り付けられた状態で横材15の延伸方向に摺動可能である。なお、保持具20は、保持具20が横材15から前方(水平方向)に突き出した状態で維持されるように、横材15に対して回転不可に取り付けられる。
【0060】
この例では、第1取付部40には、第1凹部41が設けられる。第2取付部50には、第2凹部51が設けられる。第1凹部41および第2凹部51には、横材15を嵌め込むことが可能である。
【0061】
具体的には、第1凹部41および第2凹部51の各々は、その断面(第1取付部40と第2取付部50との対向方向と直交する方向の断面)の形状が横材15の断面形状に対応するU字状に形成され、横材15の長径方向が第1凹部41および第2凹部51の各々の深さ方向に沿うように横材15を嵌め込むことが可能である。
【0062】
また、第1取付部40および第2取付部50は、第1凹部41および第2凹部51が下方を向く場合に保持具本体30が水平方向に突き出した状態となるように、保持具本体30の一端部および他端部に設けられる。
【0063】
以上のような構成により、第1凹部41および第2凹部51を下方に向けた状態で、第1取付部40および第2取付部50を横材15の上方から横材15へ向けて下方に移動させ、第1凹部41および第2凹部51に横材15を嵌め込むことで、第1取付部40および第2取付部50が横材15に取り付けられる。
【0064】
また、第1凹部41の両側面には、第1滑止部材42が設けられる。例えば、第1滑止部材42は、ゴム製のシート部材である。このような構成により、第1凹部41に横材15が嵌め込まれた状態を維持する力(グリップ力)を向上させることができる。
【0065】
これと同様に、第2凹部51の両側面には、第2滑止部材52が設けられる。例えば、第2滑止部材52は、ゴム製のシート部材である。このような構成により、第2凹部51に横材15が嵌め込まれた状態を維持する力(グリップ力)を向上させることができる。
【0066】
なお、第1滑止部材42および第2滑止部材52は、ゴムに限らず、軟質樹脂、皮、布などで構成されてもよい。
【0067】
また、この例では、横材15は、第1曲面部(または第2曲面部)が上面部となるように配置されている。そのため、保持具20の第1取付部40および第2取付部50を横材15の上方から横材15へ向けて下方に移動させて第1凹部41および第2凹部51に横材15を嵌め込む際に、第1凹部41および第2凹部51を横材15の上面部となる第1曲面部(または第2曲面部)と接触させながら保持具20の第1取付部40および第2取付部50を下方に移動させることができる。これにより、第1凹部41および第2凹部51の内部に横材15を案内することができるので、第1凹部41および第2凹部51に対する横材15の嵌め込みを容易にすることができる。
【0068】
また、この例では、横材15は、横材15の延伸方向と直交する方向(具体的には前後方向)において互いに対向する第1平面部および第2平面部を有する。そのため、第1凹部41および第2凹部51に横材15が嵌め込まれた保持具20が横材15を軸として回転しようとすると、第1凹部41および第2凹部51の壁部が横材15の第1平面部または第2平面部と接触することで保持具20の回転が阻止される。これにより、保持具20を横材15に対して回転不可に取り付けることができる。
【0069】
〔取り付け作業〕
次に、長物100を起立した状態で保持するために横材15に保持具20を取り付ける作業について説明する。
【0070】
まず、作業者は、玄関壁(収納空間の背面)と長物100とを接触させないように、起立した状態の長物100を横材15に立て掛ける。
【0071】
次に、作業者は、横材15に立て掛けられた長物100の幅(横材15の延伸方向における長さ)に応じた長さとなるように、保持具本体30の長さ(第1取付部40と第2取付部50との対向方向における長さ)を調整する。例えば、保持具本体30の長さは、横材15に立て掛けられた長物100を保持具本体30が囲うことができ、且つ、横材15に立て掛けられた長物100が左右方向(横材の延伸方向)に倒れないようにすることができる長さに設定される。
【0072】
次に、作業者は、起立した状態の長物100が横材15と保持具本体30とに囲まれるように、第1取付部40および第2取付部50を横材15に取り付ける。具体的には、作業者は、第1取付部40の第1凹部41および第2取付部50の第2凹部51を下方に向けた状態で、第1取付部40および第2取付部50を横材15の上方から横材15へ向けて移動させ、第1凹部41および第2凹部51に横材15を嵌め込むことで、第1取付部40および第2取付部50を横材15に取り付ける。
【0073】
以上の作業により、起立した状態の長物100が横材15と保持具本体30とに囲まれる。このように、起立した状態の長物100が横材15と保持具本体30とに囲まれることにより、長物100が起立した状態で保持される。
【0074】
なお、取り付け作業は、次のように行われてもよい。例えば、保持具20(具体的には第1取付部40および第2取付部50)を横材15に取り付けた後に、横材15と保持具20とに囲まれた空間に長物100を挿入し、その後、玄関壁(収納空間の背面)と長物100とを接触させないように、起立した状態の長物100を横材15に立て掛けてもよい。
【0075】
〔取り外し作業〕
次に、横材15から保持具20を取り外す作業について説明する。
【0076】
作業者は、横材15が嵌め込まれた第1取付部40および第2取付部50を上方に移動させ、第1取付部40および第2取付部50から横材15を外すことで、第1取付部40および第2取付部50を横材15から取り外す。
【0077】
以上の作業により、横材15から保持具20が取り外され、横材15に立て掛けられた長物100を取り出すことができるようになる。
【0078】
〔実施形態の効果〕
以上のように、実施形態では、収納構造は、収納空間内において水平方向に延びる横材15と、収納空間内において横材15とともに新たな収納空間を形成する保持具20(形成部材の一例)とを備える。
【0079】
上記の構成では、横材15と保持具20とにより新たな収納空間を既存の収納空間内に形成することができる。これにより、収納空間内における収納の自由度を向上させることができる。例えば、収納物に合わせて収納空間を区切ることができる。
【0080】
また、実施形態では、保持具20は、起立した状態の長物100を横材15とともに囲むことができるように構成される。そして、横材15と保持具20とに囲まれた空間内に起立した状態の長物100が収納されることにより、長物100が起立した状態で保持される。
【0081】
上記の構成では、横材15と保持具20との間に「長物100を起立した状態で保持可能な空間」を形成することができる。これにより、既存の収納空間内に「長物100を起立した状態で保持可能な空間」を形成することができ、収納空間内における収納の自由度を向上させることができる。
【0082】
また、実施形態では、保持具20は、U字状に延びる保持具本体30と、保持具本体30の一端部に設けられ横材15に取り付けられる第1取付部40と、保持具本体30の他端部に設けられ横材15に取り付けられる第2取付部50とを有する。
【0083】
上記の構成では、保持具20の第1取付部40および第2取付部50を横材15に取り付けることにより、横材15と保持具本体30との間に「長物100を起立した状態で保持可能な空間」を形成することができる。また、第1取付部40のみを横材15に取り付ける場合よりも、横材15に対する保持具20の取り付けを堅固にすることができる。
【0084】
また、実施形態では、横材15は、水平方向において互いに対向する第1側面および第2側面と背面とに囲まれた収納空間内において、背面と間隔を空けた状態で、第1側面と第2側面との間を水平方向に延びる。
【0085】
上記の構成では、起立した状態の長物100を横材15と保持具本体30とで囲うことにより、収納空間の背面から離れた位置において長物100を保持することができる。これにより、収納空間の背面と長物100とを接触させないように長物100を保持することを容易にすることができる。
【0086】
このように、収納空間の背面と長物100とを接触させないように長物100を保持することを容易にすることができるので、収納空間の背面と長物100との接触による弊害の発生を回避または抑制することができる。なお、収納空間の背面と長物100との接触による弊害の例としては、収納空間の背面を構成する部材の汚損が挙げられる。
【0087】
また、実施形態では、保持具20(具体的には第1取付部40および第2取付部50)は、横材15に対して着脱可能である。
【0088】
上記の構成では、起立した状態の長物100を横材15に立て掛けた後に、起立した状態の長物100が横材15と保持具20(具体的には保持具本体30)とに囲まれるように保持具20を横材15に取り付けることができる。これにより、起立した状態の長物100を横材15と保持具20とで囲う作業を容易にすることができる。
【0089】
また、保持具20が不要となった場合に、保持具20を横材15から取り外すことができるので、収納空間を有効に利用することができる。
【0090】
また、実施形態では、保持具20(具体的には第1取付部40および第2取付部50)は、横材15に取り付けられた状態で横材15の延伸方向に摺動可能である。
【0091】
上記の構成では、長物100を保持する位置(起立した状態の長物100を横材15と保持具本体30とで囲う位置)を変更することができる。これにより、長物100を保持する位置の選択自由度を向上させることができる。
【0092】
また、実施形態では、保持具20は、横材15の延伸方向に沿う方向における長さが調整可能である。具体的には、保持具本体30は、第1取付部40および第2取付部50の対向方向における長さが調整可能である。
【0093】
上記の構成では、保持具20の長さ(横材15の延伸方向に沿う方向における長さ)を「起立した状態の長物100の幅に応じた長さ」にすることができる。これにより、長物100を起立した状態で適切に保持することができる。
【0094】
また、実施形態では、保持具20(具体的には第1取付部40および第2取付部50)は、保持具20(具体的には保持具本体30)が横材15から水平方向に突き出した状態で維持されるように、横材15に対して回転不可に取り付けられる。
【0095】
上記の構成では、横材15と保持具20とに囲まれる長物100(起立した状態の長物100)を保持具20により強固に支えることができる。これにより、長物100を起立した状態に維持することを容易にすることができる。
【0096】
また、実施形態では、横材15を支持する支持部(具体的には第1支持部151および第2支持部152)は、収納空間内における横材15の高さ方向における位置および横材15の前後方向(横材15の延伸方向と高さ方向との両方と直交する方向の一例)における位置の少なくとも一方を調整可能に構成される。
【0097】
上記の構成では、収納空間内における横材15の位置を調整することにより、横材15と保持具20(形成部材の一例)とで形成される新たな収納空間の位置を調整することができる。これにより、収納空間内における収納の自由度を向上させることができる。
【0098】
(その他の実施形態)
なお、以上の説明では、保持具20(具体的には第1取付部40と第2取付部50)が横材15に対して着脱可能である場合を例に挙げたが、これに限定されない。保持具20は、横材15に対して着脱不可であってもよい。
【0099】
また、以上の説明では、保持具20(具体的には第1取付部40と第2取付部50)が横材15に取り付けられた状態で横材15の延伸方向に摺動可能である場合を例に挙げたが、これに限定されない。保持具20は、摺動不可であってもよい。
【0100】
また、以上の説明では、保持具20の長さ(横材15の延伸方向に沿う方向における長さ、具体的には、保持具本体30の第1取付部40および第2取付部50の対向方向における長さ)が調整可能である場合を例に挙げたが、これに限定されない。保持具20の長さは、調整不可であってもよい。
【0101】
また、以上の説明では、保持具20(具体的には第1取付部40と第2取付部50)が横材15に対して回転不可に取り付けられる場合を例に挙げたが、これに限定されない。保持具20は、横材15に対して回転可能に取り付けられてもよい。保持具20は、横材15を軸として回転可能であってもよい。
【0102】
また、以上の説明では、保持具本体30の長さ(第1取付部40および第2取付部50の対向方向における長さ)を調整することができる構成の例として、第1本体部材31を第2本体部材32に出し入れする構成を挙げたが、これに限定されない。例えば、保持具本体30は、第1取付部40および第2取付部50の対向方向に伸縮可能な蛇腹構造を有してもよい。また、保持具本体30は、第1取付部40および第2取付部50の対向方向に延びる直線部分を取り替え可能に構成されてもよい。この場合、保持具本体30の直線部分を構成する棒状部材を「長さが異なる別の棒状部材」に取り替えることで、保持具本体30の長さを変更することができる。
【0103】
また、以上の説明において、保持具本体30は、第1取付部40および第2取付部50の対向方向と直交する方向における長さ(横材15から突出する方向における長さ)が調整可能であってもよい。このような構成により、保持具本体30の奥行き長さ(横材15から突出する方向における長さ)を「起立した状態の長物100の前後方向における長さに応じた長さ」にすることができる。これにより、長物100を起立した状態で保持することを容易にすることができる。
【0104】
また、以上の説明では、第1凹部41および第2凹部51を下方に向けた状態で、第1取付部40および第2取付部50を横材15の上方から横材15へ向けて移動させ、第1凹部41および第2凹部51に横材15を嵌め込むことで、第1取付部40および第2取付部50を横材15に取り付ける場合を例に挙げたが、これに限定されない。例えば、第1凹部41および第2凹部51を上方に向けた状態で、第1取付部40および第2取付部50を横材15の下方から横材15へ向けて移動させ、第1凹部41および第2凹部51に横材15を嵌め込むことで、第1取付部40および第2取付部50を横材15に取り付けるようになっていてもよい。
【0105】
また、以上の説明では、保持具本体30がU字状に形成される場合を例に挙げたが、これに限定されない。また、保持具本体30の一端部および他端部に第1取付部40および第2取付部50が設けられる場合を例に挙げたが、これに限定されない。例えば、
図7に示すように、保持具本体30は、L字状に形成されてもよい。また、保持具本体30の他端部に第2取付部50が設けられなくてもよい。
【0106】
また、以上の説明では、保持具20が横材15から水平方向に突き出した状態で維持されるように、保持具20が横材15に対して回転不可に取り付けられる場合を例に挙げたが、これに限定されない。例えば、
図8に示すように、保持具20(具体的には第1取付部40および第2取付部50)は、保持具20(具体的には保持具本体30)が横材15から斜め下方に突き出した状態で維持されるように、横材15に対して回転不可に取り付けられてもよい。
【0107】
また、以上の説明では、横材15とともに新たな収納空間を形成する形成部材の例として「保持具20」を挙げたが、これに限定されない。例えば、
図9および
図10に示すように、収納構造は、保持具20の代わりに、収納箱60を備えてもよい。収納箱60は、形成部材の一例である。
【0108】
図9の例では、収納箱60は、1つの横材15に取り付けられる。収納箱60は、箱本体70と、取付部80とを有する。箱本体70は、一面が開口する直方体型の箱状に形成される。取付部80は、箱本体70の側壁(具体的には側壁の開口端部)に設けられ、横材15に取り付けられる。このような構成により、収納箱60は、箱本体70の開口面が上面となるように、横材15に取り付けられる。
【0109】
なお、取付部80は、横材15に対して着脱可能であってもよいし、横材15に対して着脱不可であってもよい。取付部80は、取付部80が横材15に取り付けられた状態で横材15の延伸方向に摺動可能であってもよいし、摺動不可であってもよい。取付部80は、横材15に対して回転可能に取り付けられてもよいし、横材15に対して回転不可に取り付けられてもよい。
【0110】
図10の例では、収納箱60は、2つの横材15に取り付けられる。収納箱60は、箱本体70と、第1取付部81と、第2取付部82とを有する。第1取付部81は、箱本体70の第1側壁(具体的には第1側壁の開口端部)に設けられ、2つの横材15の一方に取り付けられる。第2取付部82は、箱本体70の第1側壁と対向する第2側壁(具体的には第2側壁の開口端部)に設けられ、2つの横材15の他方に設けられる。このような構成により、収納箱60は、箱本体70の開口面が上面となるように、2つの横材15に取り付けられる。
【0111】
なお、第1取付部81および第2取付部82は、横材15に対して着脱可能であってもよいし、横材15に対して着脱不可であってもよい。第1取付部81および第2取付部82は、第1取付部81および第2取付部82が横材15に取り付けられた状態で横材15の延伸方向に摺動可能であってもよいし、摺動不可であってもよい。第1取付部81および第2取付部82は、横材15に対して回転可能に取り付けられてもよいし、横材15に対して回転不可に取り付けられてもよい。
【0112】
また、以上の説明では、収納ユニット10に収納される収納物の例として「長物」を挙げたが、これに限定されない。収納物は、長物ではない他の物品であってもよい。
【0113】
また、以上の説明では、収納ユニット10が住宅の玄関スペースに設けられる場合を例に挙げたが、これに限定されない。例えば、収納ユニット10は、住宅の居室、その他の場所に設けられてもよい。
【0114】
また、以上の説明では、収納構造が設けられる収納空間の例として収納ユニット10内の収納空間を例に挙げたが、これに限定されない。収納構造は、収納ユニット10内の収納空間ではない他の収納空間に設けられてもよい。
【0115】
また、以上の実施形態を適宜組み合わせて実施してもよい。以上の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
【産業上の利用可能性】
【0116】
以上説明したように、本発明は、収納構造として有用である。
【符号の説明】
【0117】
10 収納ユニット
11 第1側板
12 第2側板
13 天板
15 横材
20 保持具(形成部材)
30 保持具本体
40 第1取付部
50 第2取付部
60 収納箱(形成部材)
70 箱本体
80 取付部
81 第1取付部
82 第2取付部