(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023114353
(43)【公開日】2023-08-17
(54)【発明の名称】容器
(51)【国際特許分類】
B65D 77/20 20060101AFI20230809BHJP
【FI】
B65D77/20 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022016674
(22)【出願日】2022-02-04
(71)【出願人】
【識別番号】000003296
【氏名又は名称】デンカ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100128381
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 義憲
(74)【代理人】
【識別番号】100185591
【弁理士】
【氏名又は名称】中塚 岳
(74)【代理人】
【識別番号】100133307
【弁理士】
【氏名又は名称】西本 博之
(72)【発明者】
【氏名】森本 駿平
(72)【発明者】
【氏名】兼子 敏明
【テーマコード(参考)】
3E067
【Fターム(参考)】
3E067AB01
3E067BA10A
3E067BB14A
3E067CA24
3E067EA06
3E067EB27
3E067EE39
3E067FA01
3E067FC01
(57)【要約】
【課題】フランジ部に裂けが生じても、その裂けが開口まで伝播するのを防止し、破損の拡大を抑えることができる容器を提供することを目的とする。
【解決手段】開口Mを有する容器本体2と、開口Mを閉じる蓋体3と、容器本体2と蓋体3とを接合している接合部13と、を備え、容器本体2は、開口Mの周縁Maに沿って設けられた本体側フランジ5を備え、蓋体3は、本体側フランジ5に積層される蓋側フランジ6を備え、接合部13は、本体側フランジ5と蓋側フランジ6との積層領域Aに設けられ、本体側フランジ5及び蓋側フランジ6の積層領域Aには、接合部13と開口Mとの間に配置され、且つ、開口Mの周縁Maに沿った第1リブ71,第3リブ81が設けられている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口を有する容器本体と、
前記開口を閉じる蓋体と、
前記容器本体と前記蓋体とを接合している接合部と、を備え、
前記容器本体は、前記開口の周縁に沿って設けられた本体側フランジを備え、
前記蓋体は、前記本体側フランジに積層される蓋側フランジを備え、
前記接合部は、前記本体側フランジと前記蓋側フランジとの積層領域に設けられ、
前記積層領域には、前記接合部と前記開口との間に配置され、且つ、前記開口の周縁に沿った堰き止めリブが設けられている、容器。
【請求項2】
前記堰き止めリブは、前記蓋側フランジの前記積層領域に設けられている、請求項1記載の容器。
【請求項3】
前記堰き止めリブは、前記蓋側フランジ及び前記本体側フランジに設けられている、請求項1記載の容器。
【請求項4】
前記蓋側フランジは、前記本体側フランジに対面する蓋側積層内面と、前記蓋側積層内面の反対側である蓋側積層外面と、を備え、
前記本体側フランジは、前記蓋側フランジに対面する本体側積層内面と、前記本体側積層内面の反対側である本体側積層外面と、を備え、
前記堰き止めリブは、前記蓋側積層外面及び前記本体側積層外面の少なくとも一方から突出するように設けられている、請求項1~3のいずれか一項記載の容器。
【請求項5】
前記蓋側フランジ及び前記本体側フランジには、前記堰き止めリブに接続された補強リブが設けられている、請求項1~4のいずれか一項記載の容器。
【請求項6】
前記蓋側フランジは、前記開口の前記周縁に沿って延在する第1のフランジ片部と、前記開口の前記周縁に沿って延在する第2のフランジ片部と、前記第1のフランジ片部と前記第2のフランジ片部との間に配置された摘み部と、を備えており、
前記堰き止めリブは、前記第1のフランジ片部と前記第2のフランジ片部とに設けられている、請求項1~5のいずれか一項記載の容器。
【請求項7】
容器本体の開口を閉じる蓋体を備えた容器であって、
前記容器本体は、前記開口の周縁に沿って設けられた本体側フランジを備え、
前記蓋体は、前記本体側フランジに積層される蓋側フランジを備え、
前記本体側フランジの前記蓋側フランジに積層される予定の積層予定領域及び前記蓋側フランジの前記本体側フランジに積層される予定の積層予定領域の少なくとも一方には、前記開口の周縁に沿って設けられた堰き止めリブが設けられている、容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食品等の内容物を収納する容器に関する。
【背景技術】
【0002】
食品等の内容物を収納して包装する容器として、例えば、発泡樹脂製の容器や、樹脂製のシート材から成形された容器が知られている。この容器は、食品等を出し入れするための開口を備えた容器本体と、容器本体に装着されて開口を閉じる蓋体と、を備えている。蓋体と容器本体とは、互いに重なり合うフランジ部を備えている。フランジ部は、例えば超音波振動を用いた発熱によって溶融接合されている(特許文献1~4参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000-185752号公報
【特許文献2】特開2013-199292号公報
【特許文献3】特開2013-199293号公報
【特許文献4】特開2013-199294号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述の容器では、フランジ部の平坦な面同士が溶融接合されているために接合力は強くなり、開封し難くなる。その結果、蓋体の開封のために力を込めてフランジ部同士を引き剥がそうとすると、フランジ部が裂け、さらに、その裂けが伝播して破損が拡大し易い。
【0005】
本発明は、上記の課題を解決することを目的としており、フランジ部に裂けが生じても、その裂けが開口まで伝播するのを防止し、破損の拡大を抑えることができる容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、開口を有する容器本体と、開口を閉じる蓋体と、容器本体と蓋体とを接合している接合部と、を備え、容器本体は、開口の周縁に沿って設けられた本体側フランジを備え、蓋体は、本体側フランジに積層される蓋側フランジを備え、接合部は、本体側フランジと蓋側フランジとの積層領域に設けられ、積層領域には、接合部と開口との間に配置され、且つ、開口の周縁に沿った堰き止めリブが設けられている。
【0007】
上述の容器では、接合部が設けられる本体側フランジ及び蓋側フランジの積層領域に、堰き止めリブが設けられている。堰き止めリブは、接合部と開口との間に配置され、且つ、開口の周縁に沿って設けられている。つまり、蓋体を容器本体から開封する際に裂けが生じても、その裂けの伝播は開口に到達する前に堰き止めリブによって阻止され、開口まで到達しない。その結果、破損の拡大を防止することができる。
【0008】
上記の容器において、堰き止めリブは、蓋側フランジの積層領域に設けられていてもよい。蓋体に裂けが生じた場合に、その裂けの伝播を堰き止めリブで阻止することができる。
【0009】
上記の容器において、堰き止めリブは、蓋側フランジ及び本体側フランジに設けられていてもよい。蓋体及び容器本体の一方あるいは両方に裂けが生じた場合に、その裂けの伝播を堰き止めリブで阻止することができる。
【0010】
上記の容器において、蓋側フランジは、本体側フランジに対面する蓋側積層内面と、蓋側積層内面の反対側である蓋側積層外面と、を備え、本体側フランジは、蓋側フランジに対面する本体側積層内面と、本体側積層内面の反対側である本体側積層外面と、を備え、堰き止めリブは、蓋側積層外面及び本体側積層外面の少なくとも一方から突出するように設けられていてもよい。蓋側積層内面または本体側積層内面ではなく、蓋側積層外面または本体側積層外面から突出させるように堰き止めリブを設けることで、蓋側積層内面と本体側積層内面との接合には影響を与え難くなり、接合性の観点で有利になる。
【0011】
上記の容器において、蓋側フランジ及び本体側フランジには、堰き止めリブに接続された補強リブが設けられていてもよい。補強リブを設けることで、蓋体を開封する際の裂けを防止し易くなる。
【0012】
上記の容器において、蓋側フランジは、開口の周縁に沿って延在する第1のフランジ片部と、開口の周縁に沿って延在する第2のフランジ片部と、第1のフランジ片部と第2のフランジ片部との間に配置された摘み部と、を備えており、堰き止めリブは、第1のフランジ片部と第2のフランジ片部とに設けられていてもよい。摘み部を摘まんで蓋体を容器本体から引き剥がす際に裂けが生じても、その裂けは第1のフランジ片部及び第2のフランジ片部の両方の堰き止めリブによって阻止されるので、裂けの伝播を抑え、破損の拡大を防止できる。
【0013】
本発明は、容器本体の開口を閉じる蓋体を備えた容器であって、容器本体は、開口の周縁に沿って設けられた本体側フランジを備え、蓋体は、本体側フランジに積層される蓋側フランジを備え、本体側フランジの蓋側フランジに積層される予定の積層予定領域及び蓋側フランジの本体側フランジに積層される予定の積層予定領域の少なくとも一方には、開口の周縁に沿って設けられた堰き止めリブが設けられている。
【0014】
上述の容器では、本体側フランジ及び蓋側フランジの少なくとも一方の積層予定領域に堰き止めリブが設けられている。つまり、接合部と開口との間に堰き止めリブが配置されるように、積層予定領域で本体側フランジと蓋側フランジとを接合した場合、蓋体を容器本体から開封する際に裂けが生じても、その裂けの伝播は開口に到達する前に堰き止めリブによって阻止され、開口まで到達しない。その結果、破損の拡大を防止することができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明により、開封の際に裂けが生じても、その裂けが開口まで伝播するのを防止し、破損の拡大を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の第1の実施形態に係り、蓋体が本体容器に接合されている容器を示す斜視図である。
【
図2】蓋体が本体容器に接合されている容器を示す平面図である。
【
図3】
図2で示す容器の一部分を拡大して示す平面図であり、蓋体の一部を破断して示す図である。
【
図5】蓋体が開いた状態の容器を示す斜視図である。
【
図6】蓋体が開いた状態の容器を示す平面図である。
【
図7】本体側フランジ及び蓋側フランジの変形例を示し、(a)図は第1の変形例に係る本体側フランジ及び蓋側フランジの断面図であり、(b)図は第2の変形例に係る本体側フランジ及び蓋側フランジの断面図である。
【
図8】第2の実施形態に係る容器を示し、(a)図は蓋体を開いた状態の平面図であり、(b)図は蓋体を閉じた状態の平面図である。
【
図9】第3の実施形態に係る容器を示し、(a)図は蓋体を開いた状態の容器の平面図であり、(b)図は蓋体を開いた状態の容器の側面図である。
【
図10】超音波シール機の一例を模式的に示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態に係る容器について図面を参酌しつつ説明する。なお、本発明の容器は、この実施形態のみに限定されるものではない。
【0018】
第1の実施形態の容器1は、主として食品を収容して包装する食品包装容器である。但し、容器1の内容物としては、食品に限定されず、食事する際に使用される箸やスプーンなどの用具類その他の対象物が含まれる。なお、後述の第2、第3の実施形態に係る容器1A、1Bも同様であり、内容物としては、食品に限定されず、その他の対象物が含まれる。
【0019】
図1及び
図5に示されるように、容器1は、容器本体2と、蓋体3と、容器本体2と蓋体3とを開閉可能に接続するヒンジ部4と、を備えている。容器本体2は、内容物を出し入れするための開口Mを有する。蓋体3は、開口Mを開閉可能となるようにヒンジ部4を介して容器本体2に接続されている。つまり、容器1は、蓋体3と容器本体2とがヒンジ部4によって一体にシート成型された樹脂製のフードパックである。
【0020】
なお、本実施形態では、容器本体2の深さに比べて蓋体3の深さは浅く、実質的に蓋体3で内容物を保持することはできない。従って、容器本体2と蓋体3とを明確に区別することができる。しかしながら、容器本体2と蓋体3との両方で内容物を保持できる形態にすることも可能であり、その場合には、一方を容器本体2として把握し、他方を蓋体3として把握することも可能である。
【0021】
容器1は、合成樹脂製シートからなり、所定の金型を用いた真空成形によって製造される。容器1の素材である合成樹脂は、容器1内の内容物を目視で確認できるように、透明な合成樹脂を使用することが好ましい。透明な合成樹脂としては、ポリスチレン系、ポリエチレン系、ポリプロピレン系、ポリエステル系の合成樹脂を挙げることができる。本実施形態では、例えばポリスチレンシートが使用されている。なお、容器1は、半透明、あるいは不透明であってもよい。
【0022】
また、容器1に使用する合成樹脂シートは合成樹脂の分子が配向するよう延伸加工して製造された延伸シートであることが、成形された容器1の機械的強度の面で好ましい。また延伸シートは、一軸延伸シートよりも二軸延伸シートの方が物性バランスに優れており、より好ましい。特にポリスチレン系樹脂の二軸延伸シートは、剛性、耐熱性、透明性、環境性、加工性においてバランスのとれた性能を有しており、容器1の素材として適している。本実施形態では、例えばポリスチレン系樹脂の二軸延伸シートが使用されている。
【0023】
次に、容器本体2及び蓋体3の構造を説明する。
図5及び
図6に示されるように、開いた状態の容器本体2の概略形状は、平面視で横長の略矩形状である。容器本体2の上部は開放されて開口Mが形成されている。容器本体2は、開口Mとは反対側となる下部に設けられた底部21と、底部21の周縁から立設された側壁22とを備えている。底部21には、凹凸が設けられており、内部に収容された食品等の内容物を僅かに持ち上げた状態で支持する。側壁22には、複数の縦リブ22aが設けられている。
【0024】
容器本体2は、蓋体3に接合される本体側フランジ5を備えている。本体側フランジ5は、側壁22の上端から屈曲し、外方に張り出すように設けられている。ここで、外方とは、開口Mを基準にして内容物を収容する内側(内方)に対して、反対側となる外側の方向である。本体側フランジ5は、ヒンジ部4を避けて開口Mの周縁Maの一部に沿うように設けられている。例えば、本実施形態に係る開口Mの周縁Maは略矩形状である。開口Mの周縁Maの四辺のうち、一つの辺部分に沿うようにヒンジ部4が設けられており、その他の辺部分に沿うように本体側フランジ5が設けられている。
【0025】
図1、
図2、
図5及び
図6に示されるように、蓋体3は、カバー部31と、カバー部31の周縁31aから張り出すように設けられた蓋側フランジ6と、を備えている。カバー部31は、蓋体3がヒンジ部4で折り返されて容器本体2に装着された際に開口Mを覆う。蓋側フランジ6は、カバー部31で開口Mを覆った際、つまり、蓋体3で開口Mを閉じた際に本体側フランジ5に積層される。したがって、開いた状態の蓋側フランジ6は、本体側フランジ5に積層される予定の積層予定領域Ayを備えており、本体側フランジ5は、蓋側フランジ6に積層される予定の積層予定領域Axを備えている。積層予定領域Ayと積層予定領域Axとが重なり合うことで形成される領域は積層領域Aである。
【0026】
カバー部31は、平面視において開口Mの形状に倣った形状を有し、本実施形態では、略矩形状の開口Mに倣った略矩形状である。カバー部31は、開口Mを閉じた状態で容器本体2に対して反対側に奥行き(膨らみ)を有するような立体面形状に形成されている。
【0027】
蓋側フランジ6は、ヒンジ部4を避けてカバー部31の周縁31aの一部に沿うように設けられている。カバー部31の周縁31aは、開口Mの周縁Ma形状に倣った略矩形であり、四辺のうち、一つの辺部分にはヒンジ部4が接続されている。蓋側フランジ6は、カバー部31で開口Mを覆った際に本体側フランジ5に積層される。つまり、蓋側フランジ6は、蓋体3で開口Mを閉じた際に、本体側フランジ5同様に開口Mの周縁Maの一部に沿うように設けられている。
【0028】
次に、
図3及び
図4を参照し、本体側フランジ5及び蓋側フランジ6の構造について説明する。
図3は、容器1の一部分を拡大して示す平面図であり、主に、本体側フランジ5及び蓋側フランジ6の積層領域Aの一部を示している。また、
図4は、
図3で示された容器1の断面図である。
【0029】
蓋体3で開口Mを閉じた際、本体側フランジ5と蓋側フランジ6とは互いに積層される。本体側フランジ5は蓋側フランジ6に対面する内面(本体側積層内面5a)と、本体側積層内面5aに対して反対側である外面(本体側積層外面5b)とを備えている。蓋側フランジ6は本体側フランジ5に対面する内面(蓋側積層内面6a)と、蓋側積層内面6aに対して反対側である外面(蓋側積層外面6b)とを備えている。
【0030】
本体側積層内面5aと蓋側積層内面6aとが重なり合う領域は、本体側フランジ5及び蓋側フランジ6の積層領域Aである。積層領域A内で溶融接合等が行われた結果、本体側フランジ5と蓋側フランジ6とを接合する接合部13が形成される。
【0031】
本体側フランジ5は、本体側積層外面5bから突出するように設けられたリブ構造7を備えている。リブ構造7は、開口Mの周縁Maに沿うように設けられた複数の第1リブ71と、第1リブ71に接続されるように設けられた複数の第2リブ72とを備えている。開いた状態の容器1を想定すると、第1リブ71及び第2リブ72は積層予定領域Axに設けられている。また、閉じた状態の容器1を想定すると、第1リブ71及び第2リブ72は積層領域Aに設けられている。第2リブ72は、開封の際の裂けの発生を防止する補強リブの一例である。第1リブ71は、裂けが発生した場合に、その裂けの伝播を阻止する堰き止めリブの一例である。なお、本実施形態に係るリブ構造7は、本体側積層外面5bから突出するように設けられているが、接合部13を避けるようにして本体側積層内面5aから突出するようにリブ構造7を設けることも可能である。
【0032】
第1リブ71は、一方向に延在する突条部である。第1リブ71は、長手方向が周縁Maに沿うように延在している。複数の第1リブ71は、開口Mの周縁Maに沿った線状に並ぶように設けられており、ヒンジ部4に沿った部分を除いて周縁Maを囲むように設けられている(
図1及び
図2参照)。例えば、矩形の周縁Maのうち、対向する短辺部分にそれぞれ単一の第1リブ71が設けられており、ヒンジ部4に対向する長辺部分に複数の第1リブ71が設けられている。また、周縁Maの角部分には第1リブ71は設けられていない。これらの第1リブ71は、積層領域Aに設けられており、接合部13と開口Mとの間となるように、周縁Maに近接して設けられている。
【0033】
各第1リブ71には、それぞれ複数の第2リブ72が枝分かれするように設けられている。第2リブ72は、一方向に延在する突条部であり、第2リブ72の長手方向は、第1リブ71の長手方向に対して傾斜するように設けられている。第1リブ71に対する第2リブ72の傾斜角度αは、30°以上で、70°以下が望ましく、40°以上で、50°以下がさらに望ましい。
【0034】
蓋側フランジ6は、蓋側積層外面6bから突出するように設けられたリブ構造8を備えている。リブ構造8は、蓋体3を閉じた際に、開口Mの周縁Maに沿うように設けられた複数の第3リブ81と、第3リブ81に接続されるように設けられた複数の第4リブ82とを備えている。開いた状態の容器1を想定すると、第3リブ81及び第4リブ82は積層予定領域Ayに設けられている。また、閉じた状態の容器1を想定すると、第3リブ81及び第4リブ82は積層領域Aに設けられている。第4リブ82は、開封の際の裂けの発生を防止する補強リブの一例である。第3リブ81は、裂けが発生した場合に、その裂けの伝播を阻止する堰き止めリブの一例である。なお、本実施形態に係るリブ構造8は、蓋側積層外面6bから突出するように設けられているが、接合部13を避けるようにして蓋側積層内面6aから突出するようにリブ構造8を設けることも可能である。
【0035】
図3では、蓋体3の一部を破断し、本体側フランジ5に設けられた第3リブ81及び第4リブ82を本体側積層内面5a側から示している。
図3に示されるように、第3リブ81は、一方向に延在する突条部であり、蓋体3を閉じた際に、長手方向が周縁Maに沿うように延在している。複数の第3リブ81は、複数の第1リブ71に対応するように設けられており、蓋体3を閉じた際に、それぞれ第1リブ71に重なるように配置されている。第3リブ81は、積層領域Aに設けられており、蓋体3を閉じた際に、接合部13と開口Mとの間となるように設けられている。
【0036】
各第3リブ81には、それぞれ複数の第4リブ82が枝分かれするように設けられている。第4リブ82は、一方向に延在する突条部であり、第4リブ82の長手方向は、第3リブ81の長手方向に対して傾斜するように設けられている。第3リブ81に対する第4リブ82の傾斜角度αは、30°以上で、70°以下が望ましく、40°以上で、50°以下がさらに望ましい。蓋体3を閉じた状態において、第4リブ82と第2リブ72とは、平面視で、例えばX字状となるように交差して配置されている。
【0037】
容器1は、合成樹脂製シートの真空成形によって形成されており、本体側フランジ5の本体側積層外面5bに形成されたリブ構造7に対応し、本体側積層内面5aには凹み構造9が形成されている(
図4参照)。つまり、リブ構造7の裏面が凹み構造9になっている。また、蓋側フランジ6の蓋側積層外面6bに形成されたリブ構造8に対応し、蓋側積層内面6aには凹み構造10が形成されている。つまり、リブ構造8の裏面が凹み構造10になっている。
【0038】
上述の実施形態に係る容器1の場合、堰き止めリブとして機能する第1リブ71または第3リブ81は、本体側フランジ5及び蓋側フランジ6の両方に設けられている。これに対し、堰き止めリブは、本体側フランジ5及び蓋側フランジ6のいずれか一方に設けることもできる。例えば、
図7の(a)図は本体側フランジ5及び蓋側フランジ6の第1の変形例を示す断面図であり、
図7の(b)図は第2の変形例を示す断面図である。第1の変形例で示されるように、本体側フランジ5にリブ構造7を設けることなく、蓋側フランジ6に第3リブ81を備えたリブ構造8を設けてもよい。また、第2の変形例で示されるように、蓋側フランジ6にリブ構造8を設けることなく、本体側フランジ5に第1リブ71を備えたリブ構造7を設けてもよい。
【0039】
図3及び
図4に示されるように、本体側フランジ5及び蓋側フランジ6の積層領域Aには、スポット的に複数の接合部13が設けられている。接合部13は、例えば溶融接合によって形成されている。ここで、
図10を参照し、本体側フランジ5及び蓋側フランジ6の接合方法について説明する。
図10は、超音波シール機100を模式的に示す説明図である。
【0040】
超音波シール機100は、コンベア部101、押圧ローラ102、及び超音波ホーン103を備えている。開口Mを閉じるように蓋体3を容器本体2に装着した容器1は、コンベア部101によって一方向に搬送される。押圧ローラ102と超音波ホーン103とは、容器1の本体側フランジ5及び蓋側フランジ6の移動軌跡上に配置されている。押圧ローラ102と超音波ホーン103とは、互いに重なり合う本体側フランジ5及び蓋側フランジ6を挟んで対向するように配置されている。
【0041】
超音波ホーン103は蓋側フランジ6に当接して振動する振動面103aを備えている。押圧ローラ102は、本体側フランジ5に当接しながら回転する歯車部102aを備えている。歯車部102aと振動面103aとは、蓋側フランジ6及び本体側フランジ5を挟持する。振動面103aから蓋側フランジ6及び本体側フランジ5に付与された超音波振動は、蓋側フランジ6及び本体側フランジ5の内部に伝搬することで接合面が発熱し、軟化溶融現象が生じて蓋側フランジ6及び本体側フランジ5が接合される。
【0042】
本体側フランジ5及び蓋側フランジ6の接合面の形状は、例えば、押圧ローラ102の歯車部102aの形状に依存し、様々な態様で形成できる。例えば、接合面の大きさや範囲は、歯車部102aの振動面103aに対向する凸部の大きさや形状に依存する。また、複数の接合面同士の間隔は、歯車部102aのピッチに依存する。
【0043】
次に、
図8を参照し、第2の実施形態に係る容器1Aを説明する。容器1Aは、第1の実施形態に係る容器1と共通する構造を備えている。したがって、以下の説明では、相違点を中心に説明し、実質的に容器1と共通する構造については、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。なお、
図8の(a)図は蓋体3Aを開いた状態を示し、
図8の(b)図は蓋体3Aで開口Mを閉じた状態を示している。
【0044】
容器1Aは、平面視で略円形の開口Mを有する容器本体2A、開口Mを閉じる蓋体3A、及び容器本体2Aと蓋体3Aとを接続するヒンジ部4を備えている。容器本体2Aは、開口Mの周縁Maに沿って設けられた本体側フランジ5Aを備え、蓋体3Aは、本体側フランジ5Aに積層される蓋側フランジ6Aを備えている。接合部13Aは、本体側フランジ5Aと蓋側フランジ6Aとの積層領域Aに設けられている。
【0045】
本体側フランジ5Aには第1リブ71Aが設けられている。第1リブ71Aは、本体側フランジ5Aの本体側積層外面5bから突出するように設けられている。なお、
図8の(a)図では、便宜的に本体側フランジ5Aの本体側積層内面5aから第1リブ71Aを示している。第1リブ71Aは、本体側フランジ5A及び蓋側フランジ6Aの積層領域Aに設けられている。第1リブ71Aは、接合部13と開口Mとの間に配置されており、開口Mの周縁Maに沿うように延在している。
【0046】
蓋側フランジ6Aには第3リブ81Aが設けられている。第3リブ81Aは、蓋側フランジ6Aの本体側積層外面5bから突出するように設けられている。なお、
図8の(a)図では、便宜的に蓋側フランジ6Aの蓋側積層内面6aから第3リブ81Aを示している。第3リブ81Aは、本体側フランジ5A及び蓋側フランジ6Aの積層領域Aに設けられている。第3リブ81Aは、蓋体3を閉じた状態において、接合部13と開口Mとの間に配置されており、開口Mの周縁Maに沿うように延在している。なお、本実施形態では、本体側フランジ5A及び蓋側フランジ6Aに補強リブは設けられていないが、いずれか一方または両方に、第1リブ71Aまたは第3リブ81Aに接続された補強リブを設けることもできる。
【0047】
蓋側フランジ6Aは、開口Mの周縁Maに沿って湾曲しながら延在する第1のフランジ片部61と、開口Mの周縁Maに沿って湾曲しながら延在する第2のフランジ片部62と、第1のフランジ片部61と第2のフランジ片部62との間に配置された摘み部63と、を備えている。摘み部63は、ヒンジ部4に対向する位置に設けられている。第1のフランジ片部61の一方の端部は摘み部63に接続され、他方の端部はヒンジ部4まで達して第2のフランジ片部62に接続されている。第2のフランジ片部62の一方の端部は摘み部63に接続され、他方の端部はヒンジ部4まで達して第1のフランジ片部61に接続されている。堰き止めリブとして機能する第3リブ81Aは、第1のフランジ片部61と第2のフランジ片部62とに設けられている。
【0048】
なお、容器1Aは、蓋体3Aが開いた状態、つまり接合前の状態において、本体側フランジ5は積層予定領域Axを備えており、蓋側フランジ6は積層予定領域Ayを備えている。積層予定領域Axには、開口Mの周縁Maに沿うように第1リブ71Aが設けられており、積層予定領域Ayには、蓋体3Aを閉じた状態において、開口Mの周縁Maに沿うように第1リブ71Aが設けられている。また、積層予定領域Axには、第1リブ71Aに接続された第2リブ72Aが設けられており、積層予定領域Ayには、第3リブ81Aに接続された第4リブ82Aが設けられている。
【0049】
次に、
図9を参照し、第3の実施形態に係る容器1Bを説明する。容器1Bは、第1の実施形態に係る容器1と共通する構造を備えている。したがって、以下の説明では、相違点を中心に説明し、容器1と共通する構造については、同一の符号を付して詳細の説明を省略する。なお、
図9の(a)図では、便宜的に、本体側積層内面5a及び蓋側積層内面6aから第1リブ71、第2リブ72、第3リブ81及び第4リブ82を示している。
【0050】
容器1Bは、開口Mを有する容器本体2B、開口Mを閉じる蓋体3B、及び容器本体2Bと蓋体3Bとを接続するヒンジ部4を備えている。容器本体2Bと蓋体3Bとは実質的に同一の形状である。つまり、同一の形状の二つの容器部分を備えていると考えることもでき、この場合には、食品等を収容する一方の容器部分が容器本体2Bとなり、他方は蓋体3Bとなる。なお、食品等を収容していない状態においても、便宜的に一方を容器本体2Bと決めることができれば、他方は蓋体3Bである。本実施形態では、
図9に示されている左側の容器部分は容器本体2Bであり、右側の容器部分は蓋体3Bである。
【0051】
容器本体2Bには本体側フランジ5Bが設けられ、蓋体3Bには、蓋側フランジ6Bが設けられている。本体側フランジ5Bは、本体側積層外面5bから突出するように設けられたリブ構造7を備えている。リブ構造7は、開口Mの周縁Maに沿うように設けられた複数の第1リブ71と、第1リブ71に接続されるように設けられた複数の第2リブ72とを備えている。第2リブ72は、開封の際の裂けの発生を防止する補強リブの一例である。第1リブ71は、裂けが発生した場合に、その裂けの伝播を阻止する堰き止めリブの一例である。なお、図示は省略するが、本体側フランジ5Bと蓋側フランジ6Bとが積層されることで形成される領域は積層領域Aであり、第1リブ71及び第2リブ72は積層領域A内となる位置に形成されている。
【0052】
蓋側フランジ6Bは、蓋側積層外面6bから突出するように設けられたリブ構造8を備えている。リブ構造8は、蓋体3を閉じた際に、開口Mの周縁Maに沿うように設けられた複数の第3リブ81と、第3リブ81に接続されるように設けられた複数の第4リブ82とを備えている。第4リブ82は、開封の際の裂けの発生を防止する補強リブの一例である。第3リブ81は、裂けが発生した場合に、その裂けの伝播を阻止する堰き止めリブの一例である。なお、図示は省略するが、本体側フランジ5Bと蓋側フランジ6Bとが積層されることで形成される領域は積層領域Aであり、第3リブ81及び第4リブ82は積層領域A内となる位置に形成されている。
【0053】
なお、容器1Bは、蓋体3Bが開いた状態、つまり接合前の状態において、本体側フランジ5Bは積層予定領域Axを備えており、蓋側フランジ6Bは積層予定領域Ayを備えている。積層予定領域Axには、開口Mの周縁Maに沿うように第1リブ71が設けられており、積層予定領域Ayには、蓋体3を閉じた状態において、開口Mの周縁Maに沿うように第3リブ81が設けられている。また、積層予定領域Axには、第1リブ71に接続された第2リブ72が設けられており、積層予定領域Ayには、第3リブ81に接続された第4リブ82が設けられている。
【0054】
次に、容器1,1A,1Bの作用、効果について説明する。容器1,1A,1Bは、本体側フランジ5,5A,5B及び蓋側フランジ6,6A,6Bを備え、本体側フランジ5,5A,5Bと蓋側フランジ6,6A,6Bとの積層領域Aには接合部13,13Aが設けられている。積層領域Aには、堰き止めリブとして機能する第1リブ71,71A及び第3リブ81,81Aが設けられている。第1リブ71,71A及び第3リブ81,81Aは、接合部13,13Bと開口Mとの間に配置され、且つ、開口Mの周縁Maに沿って設けられている。つまり、蓋体3を容器本体2から開封する際に裂けが生じても、その裂けの伝播は開口Mに到達する前に第1リブ71,71Aまたは第3リブ81,81Aによって阻止され、開口Mまで到達しない。その結果、破損の拡大を防止することができる。
【0055】
また、第1リブ71,71Aは本体側フランジ5,5Aに設けられているため、本体側フランジ5,5Aで生じた裂けの伝播を第1リブ71,71Aで阻止することができる。また、第3リブ81,81Aは蓋側フランジ6,6Aに設けられているため、蓋側フランジ6,6Aで生じた裂けの伝播を第3リブ81,81Aで阻止することができる。
【0056】
また、第3リブ81,81Aは蓋側積層外面6bから突出するように設けられており、第1リブ71,71Aは本体側積層外面5bから突出するように設けられている。つまり、蓋側積層内面6aと本体側積層内面5aとの接合には影響を与え難くなり、接合性の観点で有利になる。
【0057】
また、容器1,1Bは、補強リブとして機能する第2リブ72及び第4リブ82を備えている。複数の第2リブ72または第4リブ82を設けることで、蓋体3を開封する際の裂けを防止し易くなる。
【0058】
また、第2の実施形態に係る容器1Bの蓋側フランジ6Bは、第1のフランジ片部61、第2のフランジ片部62及び摘み部63を備えている。摘み部63は、第1のフランジ片部61と第2のフランジ片部62との間に配置されている。第3リブ81Aは、第1のフランジ片部61と第2のフランジ片部62とに設けられている。したがって、摘み部63を摘まんで蓋体3を容器本体2から引き剥がす際に裂けが生じても、その裂けは第1のフランジ片部61及び第2のフランジ片部62の両方に設けられた第3リブ81によって阻止される。その結果、摘み部63での引っ張りを契機として生じる裂けの伝播を抑え、破損の拡大を防止できる。
【0059】
また、蓋体3が開いた状態の容器1,1A,1B、つまり接合前の容器1,1A,1Bは、本体側フランジ5及び蓋側フランジ6を備えている。本体側フランジ5は、蓋側フランジ6に積層される積層予定領域Axを備えており、蓋側フランジ6は、本体側フランジ5に積層される積層予定領域Ayを備えている。積層予定領域Axには、開口Mの周縁Maに沿うように第1リブ71,71Aが設けられており、積層予定領域Ayには、蓋体3を閉じた状態において、開口Mの周縁Maに沿うように第3リブ81,81Aが設けられている。例えば、積層予定領域Ax,Ayで本体側フランジ5と蓋側フランジ6とを接合し、さらに接合部13と開口Mとの間に第1リブ71,71A及び第3リブ81,81Aが配置されるようにする。この場合、蓋体3を容器本体2から開封する際に裂けが生じても、その裂けの伝播は開口Mに到達する前に第1リブ71,71A及び第3リブ81,81Aによって阻止され、開口Mまで到達しない。その結果、破損の拡大を防止することができる。
【0060】
また、上述の容器1,1A,1Bは、例えば、延伸したポリスチレンシートによってシート成形することができる。ポリスチレンシートを使用した場合、透明性、剛性、耐熱性等の特性バランスがよい。一方で、延伸したポリスチレンシートは剛性を有するために割れ易い側面があり、裂けの伝播を防止する利益は大きくなる。
【実施例0061】
以下、実施例により本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。各実施例及び比較例では、容器のサンプルを用意し、開封性を評価した。
【0062】
(実施例1)
実施例1に係る容器は、蓋側フランジに補強リブを設けなかった点を除き、基本的に第1の実施形態に係る容器に基づいて形成した。実施例1に係る容器は、ポリスチレンシートを真空形成することで形成された。容器は、開口を有する容器本体と、開口を閉じる蓋体と、容器本体と蓋体とを接合する接合部と、を備えている。容器本体は、開口の周縁に沿って設けられた本体側フランジを備え、蓋体は、本体側フランジに積層される蓋側フランジを備えている。また、接合部は、本体側フランジと蓋側フランジとの積層領域に設けられている。また、実施例1では、本体側フランジ及び蓋側フランジの両方に堰き止めリブを設けた。また、実施例1では、本体側フランジに補強リブを設け、蓋側フランジに補強リブを設けなかった。
【0063】
(実施例2)
実施例2に係る容器は、第1の実施形態に係る容器に基づいて形成した。つまり、本体側フランジ及び蓋側フランジの両方に補強リブを設けた点を除き、実施例1と共通の構造とした。
【0064】
(比較例1)
比較例1に係る容器は、堰き止めリブ及び補強リブを設けなかった点を除き、実施例1と共通の構造とした。
【0065】
実施例1に係る容器を複数用意し、蓋体を容器本体から引き剥がすようにして開封した。実施例2に係る容器を複数用意し、蓋体を容器本体から引き剥がすようにして開封した。比較例1に係る容器を複数用意し、蓋体を容器本体から引き剥がすようにして開封した。その結果、表1に示されるように、比較例1に比べても実施例1及び実施例2の接合性に影響は無く、良好な接合を確認できた。つまり、堰き止めリブ及び補強リブを設けても接合性に不利に働くことはないことを確認した。
【0066】
実施例1に係る容器の場合、蓋体を開封する際に蓋側フランジで裂けが生じても、その裂けの伝播を堰き止めリブで抑えることができたので、裂け防止性を「良」と評価した。また、実施例2に係る容器の場合、蓋側フランジ及び容器側フランジのいずれ一方で裂けが生じても、その裂けの伝播を堰き止めリブで抑えることができたので、裂け防止性を「優」と評価した。一方で、比較例1に係る容器の場合、蓋体を開封する際に生じた裂けの伝播を抑えることはできず、裂け防止性は「不良」と評価した。
【0067】
【0068】
以上、本発明を実施形態及び実施例に基づいて説明したが、本発明は上記の実施形態や実施例のみに限定して解釈されるものではなく、他の形態であってもよい。例えば、蓋側フランジ及び本体側フランジの両方に補強リブを設けず、一方または両方に堰き止めリブのみを設けた態様であってもよい。また、上記の各実施形態では、堰き止めリブや補強リブを本体側積層外面から突出するように設けた態様、あるいは蓋側積層外面から突出するように設けた態様を例示したが、例えば、接合部を避けるようにして本体側積層内面あるいは蓋側積層内面から突出するように設けることも可能である。
1,1A,1B…容器、2,2A,2B…容器本体、3,3A,3B…蓋体、5,5A,5B…本体側フランジ、5a…本体側積層内面、5b…本体側積層外面、6,6A,6B…蓋側フランジ、6a…蓋側積層内面、6b…蓋側積層外面、13,13A,13B…接合部、61…第1のフランジ片部、62…第2のフランジ片部、63…摘み部、71,71A…第1リブ(堰き止めリブ)、72,72A…第2リブ(補強リブ)、81,81A…第3リブ(堰き止めリブ)、82,82A…第4リブ(補強リブ)、A…積層領域、Ay…積層予定領域、Ax…積層予定領域、M…開口、Ma…周縁。