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特開2023-114381映像配信システム、テレビ受信機、映像配信方法およびテレビゲートウエイ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023114381
(43)【公開日】2023-08-17
(54)【発明の名称】映像配信システム、テレビ受信機、映像配信方法およびテレビゲートウエイ
(51)【国際特許分類】
   H04N 21/235 20110101AFI20230809BHJP
   H04N 21/24 20110101ALI20230809BHJP
   H04H 20/20 20080101ALI20230809BHJP
   H04H 20/28 20080101ALI20230809BHJP
   H04H 40/18 20080101ALI20230809BHJP
   H04H 60/82 20080101ALI20230809BHJP
【FI】
H04N21/235
H04N21/24
H04H20/20
H04H20/28
H04H40/18
H04H60/82
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022016715
(22)【出願日】2022-02-04
(71)【出願人】
【識別番号】000214984
【氏名又は名称】TVS REGZA株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】安木 成次郎
(72)【発明者】
【氏名】本沢 邦朗
【テーマコード(参考)】
5C164
【Fターム(参考)】
5C164FA11
5C164GA01
5C164MB11S
5C164SA51S
5C164SB06P
5C164SB41P
5C164TA04S
5C164TA05S
5C164TA08S
5C164UB10S
5C164UB41S
5C164UD12S
5C164YA21
5C164YA30
(57)【要約】
【課題】放送波により送信されている映像コンテンツを、ネットワークにより配信される映像コンテンツに切り替える際に、コンテンツの送信と配信サービスの違いで生じるユーザー視聴者に対して不都合を起こすことなく、スムースに切り動作を完了する。
【解決手段】本発明は、放送波により送信されている映像コンテンツが受信不能となった際に、ネットワークにより配信される映像コンテンツに切り替えるサーバシステムとテレビ受信機に関する。本発明によるサーバシステムはテレビゲートウエイと称し、テレビゲートウエイにより提供されるメタデータで、地域を限定した視聴機能を提供し、更に、放送波の電界強度測定により、切り替えを自動化する。また、放送での受信契約をネットワークによる配信へ自動的に継承することで、視聴者に対して不都合を起こすことなく、スムースに切り動作を完了する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
放送波或いは通信により送信されてくる映像音声コンテンツを受信可能なテレビ受信機と、視聴領域毎に異なるメタデータを送信する映像配信システムと、当該メタデータを映像配信システムから受信して保存するテレビゲートウエイと、当該テレビゲートウエイは、視聴領域ごとに対応するメタデータに変換してテレビへ送信するよって番組選択画面を提示することで、地域ごとに視聴制御を行うことを特徴とした映像配信システム。
【請求項2】
放送波或いは通信により送信されてくる映像コンテンツを受信可能なテレビ受信機において、放送波の電界強度が低下した際に、放送波で送信されてくる映像コンテンツを通信により取得される映像コンテンツに自動的に切り替えることを特徴としたテレビ受信機。
【請求項3】
請求項2に記載の該切り替えは、視聴者に切り替えを促す信号を提示することを特徴とするテレビ受信機。
【請求項4】
通信により送信されてくる映像コンテンツを受信可能なテレビ受信機において、契約情報確認信号を受信し、あらかじめ搭載されている契約状況判定器により、視聴可能かどうかを確認することで、送信さえてくる映像信号の視聴の可否を制御することを特徴とする映像配信システム。
【請求項5】
請求項4に記載の該契約情報は、衛星放送受信契約であることを特徴とした映像配信システム。
【請求項6】
放送波或いは通信により送信されてくる映像音声コンテンツを受信可能なテレビ受信機と、視聴領域毎に異なるメタデータを送信する映像配信システムと、当該メタデータを映像配信システムから受信して保存するテレビゲートウエイと、当該テレビゲートウエイは、視聴領域ごとに対応するメタデータに変換してテレビへ送信するよって番組選択画面を提示することで、地域ごとに視聴制御を行うことを特徴とした映像配信方法。
【請求項7】
テレビ受信機と視聴領域毎に異なるメタデータを送信する映像配信システムとを接続するテレビゲートウエイにおいて、
テレビゲートウエイに当該テレビゲートウエイは該映像配信システムからの該メタデータを映像配信システムから受信して保存し、視聴領域ごとに対応するメタデータに変換してテレビへ送信するよって番組選択画面を提示することを特徴とするテレビゲートウエイ。
【請求項8】
テレビゲートウエイを介してテレビ受信機にメタデータを送信する映像配信システムにおいて、
該映像配信システムは視聴領域ごとに対応するメタデータを該テレビゲートウエイに送信するよって番組選択画面を提示することを特徴とする映像配信システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、映像を配信するサーバシステムと、放送波により映像を送信する中継器と、その両者の映像コンテンツを受信する受信端末と、サーバシステムと受信端末の間に位置するサーバ(以下ゲートウエイと称する)により構成され、放送及び通信により配信されるコンテンツを適切に提示を制御する方法に関する。以下、映像コンテンツとは、映像及び音声によって構成される動画を示す。
【背景技術】
【0002】
近年、ネットワークの進化により、動画配信サービスが多数実施されるようになった。特に、大型、大画面のテレビ受信機は、これまでの様に放送を受信するだけでなく、ネットワークに接続され、配信されてくる動画を再生することで、より高画質で臨場感のある映像を楽しむことが出来るようになった。これは、ネットワークの高速化、テレビ受像機の処理性能の向上よって可能となっており、今後は、更にネットワークより提供される様々な映像コンテンツをテレビ受像機で表示、操作する機会が増加すると考えられる。
【0003】
一方で、地上デジタル放送は、2003年に開始され既に長い時間が経っており、地上デジタル放送のインフラの老朽化が進んでいる。地上デジタル放送は、UHF帯を使った放送方式であるが、親局から中規模中継局、更には、小規模中継局により全国の世帯に放送コンテンツを送信している。放送インフラの中でも、特に、小規模中継局は、維持が難しい状況となっており、一部、小規模中継局を廃止し、ネットワークにより配信する案が検討されている。
【0004】
このように、地上デジタル放送で配信されている映像コンテンツをネットワークにより配信に切り替えるためには、放送波で伝送される映像コンテンツを同時にネットワークにも配信することが必要となり、現在、このような同時配信の実施も検討が進んでいる。しかしながら、この様な放送波で送信されているいわゆる放送コンテンツをネットに切り替える場合、様々な問題が生じる。
【0005】
例えば、同時配信が開始されたとしても、小規模中継局が機能を停止して、ネットワーク配信に切り替えるタイミングでは、地上デジタル放送のコンテンツを視聴している視聴者は、突然、映像が表示されなくなることが考えられる。
【0006】
また、放送では、視聴エリアという概念があり、ローカル局が一定の範囲をカバーしており、そのエリアでは他のエリアと異なるコンテンツが送信されている。ところが、ネットワークによる配信では、視聴エリアという制約が無く、全国どこへでも配信が可能となる。
【0007】
さらには、放送受信のために、受信料を支払っていた場合、放送波による受信が無くなり、ネットによる受信が切替わった後も、受信料を支払っている視聴者にのみ、視聴を限定するような要件も発生する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2013-46279号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明では、放送波から通信による配信に切り替える際に生じる、これらの課題を解決する方法を提供する。
【0010】
本発明は、放送波により送信されている映像コンテンツを、ネットワークにより配信される映像コンテンツに切り替える際に、電波塔から送出されてくる電波を受信する機能と、ネットワークより入力されるコンテンツを受信する通信機能を有するテレビ受信機において、視聴者に対して不都合を起こすことなく、スムースに切り得ることができるサーバシステム(テレビゲートウエイ)及びテレビ受信機の制御に関する。
【0011】
放送波により送信されている映像コンテンツを、ネットワークにより配信される映像コンテンツに切り替える際に生じる課題を説明するため、従来の構成例を第8図に示す。
放送局101、放送局102、放送局103が、放送波により中継器111に向けて映像コンテンツを送信している。放送波を受けた中継器111は、放送波を次の中継器である112へ伝送する。このようにして、地上デジタル放送では、映像コンテンツを電波によって、バケツリレー方式で様々な地域へ伝送している。本例では、最終的に、中継器112がテレビ141~145に向けて放送波を送信している。ここで、テレビ141~145は、それぞれ異なる地域に設置されているとする。
【0012】
一方では、放送局101、放送局102、放送局103は、同時配信として、放送と同じ映像コンテンツをネット配信サーバ121へ送信している。ネット配信サーバ121は、光ファイバや無線など通信網を通して映像コンテンツをテレビ141~145へ配信している。
【0013】
通常は、テレビ141~145は、中継器112からの放送波を受信しているが、老朽化等の理由により中継器112がその能力を維持できなくなった場合、テレビ141~145は放送受信が不可能となる。その際には、ネット配信サーバ121より配信される映像コンテンツをテレビ141~145が受信することになる。
【0014】
この切替の際に下記の様な問題が生じる。
1)放送から通信に切り替えるために、放送波により送信されている映像コンテンツとまったく同様の内容の映像コンテンツをネットワークを使って配信する。小規模中継局と言えども、多数の世帯をカバーしており、
小規模中継局が機能を停止して、ネットワーク配信に切り替える際には地上デジタル放送のコンテンツを視聴していた視聴者は、突然、映像が表示されなくなることが考えられる。その際に、切り替え操作を視聴者に対してあらかじめ告知する必要があるが、切り替えが生じる全世帯に知らせることは極めて困難であり、また、知らせることができたとしても、視聴者に対して不要な操作を強制することになる。
【0015】
2)放送では、視聴エリアがあらかじめ決められている。例えば、県域視聴エリアでは、県単位での放送をその県内に存在するローカル放送局が担当し、所定の映像コンテンツを放送している。更に、これらローカル放送局が一定の範囲をカバーして放送する映像コンテンツは、他の視聴エリアで放送されているコンテンツとは異なる場合がある。ところが、ネットワークによる配信では、視聴エリアという制約が無く、全国どこへでも配信が可能となり、放送で決められている視聴エリアを構成できない。
【0016】
3)公共放送では、通常、受信料を支払うことで放送受信が可能となる。従って、ネットワークで放送の替わりに映像コンテンツを配信された場合も、受信料の支払いをしている視聴者に映像コンテンツの表示を限定することが予想される。ところが、受信料は、地上デジタル放送の場合は、アンテナの存在、或いは、放送を受けるテレビの存在を頼りに視聴料を徴収しているのが現状であり、ネットワークでの映像配信では、アンテナが不要となるため、受信料の徴収が極めて難しくなる。現時点では、放送での受信契約をネットワークによる配信時にも継承する方法が無いため、制度的な課題もあるものの、技術的な解決手段が必要となる。
【0017】
以上の様に、同時配信による放送からネット配信への切り替えにおいては、放送とネットワークの性質の違いから問題が生じる。特に、前述の3つの点は、重大な問題である。
【0018】
そこで、本発明では、映像コンテンツの同時配信を行う配信サーバとテレビ受信機の間にテレビゲートウエイを設置し、テレビゲートウエイの機能を使って放送と通信での性質の違いを吸収し、上記3つの問題を解決する。
【課題を解決するための手段】
【0019】
映像配信システムは、放送波或いは通信により送信されてくる映像音声コンテンツを受信可能なテレビ受信機と、視聴領域毎に異なるメタデータを送信する映像配信システムと、当該メタデータを映像配信システムから受信して保存するテレビゲートウエイと、当該テレビゲートウエイは、視聴領域ごとに対応するメタデータに変換してテレビへ送信するよって番組選択画面を提示することで、地域ごとに視聴制御を行う。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1図1は、本発明に基づく第1の実施例の説明図。
図2図2は、本発明に基づく第1の実施例のコンテンツの選択画面の構成図。
図3図3は、本発明に基づく第1の実施例の動作説明図。
図4図4は、本発明に基づくテレビ受信機の構成例。
図5図5は、本発明に基づくテレビ受信機の第2の構成例。
図6図6は、本発明に基づくネット配信サーバの構成例。
図7図7は、本発明に基づくテレビゲートウエイの構成例。
図8図8は、従来の構成例。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明に関わる実施形態に関して、図面を参照して、詳細に説明する。
【0022】
(第1実施形態)
本発明に関わる第1の実施例を第1図に示す。従来の構成例との差は、テレビゲートウエイ131が配置されている点である。テレビゲートウエイ131は、メタデータをテレビに送信するサーバであり、メタデータを受信したテレビは番組選択画面を表示する。番組選択画面の表示は、テレビに搭載されているブラウザ等の表示ソフトウエアにより実施される。
【0023】
放送局101、放送局102、放送局103は従来の構成例と同様に、放送波を中継器111に向けて伝送し、映像コンテンツを送信している。放送波を受けた中継器111は、放送波を次の中継器である112へ伝送する。このようにして、地上デジタル放送は、映像コンテンツを電波によって、様々な地域へ伝送している。本例では、中継器112がテレビ141~145に向けて放送波を送信している。
【0024】
一方で、放送局101、放送局102、放送局103は、同時配信の機能を有し、放送と同じ映像コンテンツをネット配信サーバ121へ送信している。ネット配信サーバ121は、光ファイバや無線など通信網を通して映像コンテンツをテレビ141~145へ配信している。
【0025】
通常は、テレビ141~145は、中継器112からの放送波を受信しているが、老朽化等の理由により中継器112の機能が維持できなくなった場合、テレビ141~145は放送受信が不可能となる。その際には、テレビ141~145は、ネット配信サーバ121より配信される映像コンテンツを受信することになる。
【0026】
従来の構成では、テレビ141~145は直接ネット配信サーバの映像コンテンツを受信するが、本発明では、映像コンテンツを受信する前に、テレビゲートウエイ131より送信されるメタデータをテレビ141~145が受信する。テレビゲートウエイ131から送信されるメタデータにより、テレビは番組の選択画面を構成する。テレビ141~145は、メタデータによって構成された番組選択画面を提示し、視聴者は番組の選択を行い所望の映像コンテンツを受信する。その際に、テレビゲートウエイ131は、あらかじめ、放送局101~103により送信されるメタデータを保存しており、テレビ141~145の設置されている地域情報に対応したメタデータを選択し、テレビ141~145へ送信する。このメタデータを基に地域毎に異なる番組選択画面を提示することにより、テレビ141~145はそれぞれ設置された地域に応じた映像コンテンツを受信する。
【0027】
第2図に、テレビゲートウエイ131から送信されたメタデータによりテレビ141~145が番組選択画面を構成する例を示す。放送局101~103より送信されるメタデータ204には、タイムテーブル201、コンテンツメタデータ202、バナーデータ203が含まれている。ここで、タイムテーブル201は映像コンテンツが送信される時刻を示し、番組表の時刻表示に使用され、コンテンツメタデータ202は、映像ストリームを送信するネット配信サーバ121の映像コンテンツの出力位置、例えばURLが記載されている。なお、バナーデータ203は、番組表を構成する際のサムネイルなどの表示部品が含まれる。ここで、メタデータにより、番組選択画面210が構成され、視聴者に所望の番組を選択することが可能となる。番組選択画面は、縦軸に番組の再生時間、横軸にチャンネル番号が示されている。それぞれのセルには、番組名が示されている。
【0028】
このメタデータは、視聴エリアごとに作成され、地域A用メタデータ211、地域B用メタデータ212、地域C用メタデータ213の様に、まとめてテレビゲートウエイ131に置かれる。それぞれの地域ごとのメタデータには、タイムテーブル、コンテンツメタデータ、バナーデータにより構成されている。
【0029】
第3図に、第1の実施例の動作を示す。
本例では、テレビ141は地域Aに、テレビ142は地域Bに、テレビ143は地域Cに設置されているとする。放送局101は、自身のメタデータ301を視聴地域毎に作成し、テレビゲートウエイ131に配置する。本実施例では、地域A、地域B、地域Cの3つの地域に対してメタデータを作成している。また、放送局102は、自身のメタデータ302を視聴地域毎に作成し、テレビゲートウエイ131に配置する。同様に、放送局103は、自身のメタデータ303を視聴地域毎に作成し、テレビゲートウエイ131に配置する。
【0030】
ここで、テレビ141の視聴者は自身の住所を基に、地域A用設定データ321をテレビ141に設定する。テレビ141は、設定された地域A用設定データ321により、テレビゲートウエイ131に地域A用のメタデータを要求する。ここで、テレビゲートウエイ131は、放送局101のメタデータ301、放送局102のメタデータ302、放送局103のメタデータ303より、地域A用のメタデータを抽出し、テレビ141に送信する。テレビゲートウエイ131が送出するメタデータ351は放送局101から提供されたメタデータであり、メタデータ352は放送局102から提供されたメタデータであり、メタデータ353は放送局103から提供されたメタデータである。このように、テレビゲートウエイ131は、地域に対応して、それぞれの放送局のメタデータを選択しまとめてテレビへ送信する。
【0031】
テレビ141は、地域A用のメタデータより、放送局101、102、103の地域Aに対応した番組を番組選択画面に提示する。この動作により、テレビ141は視聴者の存在する視聴エリアに対して、受信可能な映像コンテンツだけを受信する。
【0032】
同様の動作を、地域B用設定データ322をテレビ142に設定することで、テレビゲートウエイ131は、地域B用のメタデータを収集し、テレビ142へ送信する。テレビゲートウエイ131が送出するメタデータ361は放送局101から提供されたメタデータであり、メタデータ362は放送局102から提供されたメタデータであり、メタデータ363は放送局103から提供されたメタデータである。
【0033】
同様に、地域C用設定データ323をテレビ143に設定することで、テレビゲートウエイ131は、地域C用のメタデータを収集し、テレビ143へ送信する。テレビゲートウエイ131が送出するメタデータ371は放送局101から提供されたメタデータであり、メタデータ372は放送局102から提供されたメタデータであり、メタデータ373は放送局103から提供されたメタデータである。
【0034】
地域A用設定データ321の設定には、視聴者がリモコン331を使ってテレビに出されるユーザーインターフェース画面に従って設定することができる。同様に、地域B用、地域C用に関してもリモコン332、333を使って設定が可能である。以上の動作で、放送では、あらかじめ決められている視聴エリアがネットワークでの映像配信で実現することが可能となる。
【0035】
更に、第4図により更に本発明に基づくテレビ受信機の構成例を示す。
テレビ受信機401は、中継器112より放送波を受信し、ネット配信サーバ121より配信されてくる映像コンテンツを受信している。放送波は、放送受信チューナ411で受信され、復調された映像コンテンツをスイッチ421へ出力する。一方、配信されてくる映像コンテンツは通信受信モジュール412で受信され、映像コンテンツをスイッチ421へ出力している。ここで、スイッチ421は、電界強度測定器402により制御される。電界強度測定器402は、常に放送受信チューナ411に入力される放送波の電力値を測定することで、放送波が到来しているかを検出することができる。中継器の維持ができなくなり、放送波が届かなくなった場合は、電界強度測定器402は、放送波が到達していないことを検出し、通常は放送受信チューナ411を選択しているスイッチ421を通信受信モジュール412の選択に切り替える。この動作により、テレビ受信機401は、視聴者に負担を与えることなく、放送波受信から通信により配信される映像コンテンツに自動で切り替えることができる。本実施例では、電界強度を測定しているが、チューナのPLLのロック状態、或いは、CN(キャリア対ノイズ)比の測定によって代替することも可能である。
【0036】
通信受信モジュール412は、テレビゲートウエイ131からメタデータを受信し、メタデータを制御回路431へ入力する。制御回路は、メタデータにより所定の動作をすることで、番組表表示425により、番組選択画面を映像表示パネル423に表示する。番組選択が実施されると、ネット配信サーバ121より送信される映像コンテンツが通信受信モジュール412、スイッチ421を経由して、映像音声デコーダ422により圧縮されていた映像音声が復元され、番組選択画面の替わりに映像表示パネル423に動画を再生する。また、復元された音声はスピーカ424により音声が再生される。
【0037】
視聴者は、リモコン432を使用し、制御回路にコマンドを送信することで、テレビ受信機の操作が可能である。また、地域の設定情報は、リモコンの入力結果をメモリ433に保存されており、テレビゲートウエイ131から地域ごとのメタデータを取得する際に使用される。
【0038】
以上の動作により、従来困難であった、視聴地域の制御と放送から同時配信されるコンテンツのへの自動切り替えが同時に実現可能となる。
【0039】
第5図に本発明に基づくテレビ受信機の第2の構成例を示す。
第4図の構成例に対して、衛星511、契約サーバ522、衛星放送受信チューナ501、契約状況判定器502が追加となっている。本実施例は、公共放送で衛星放送受信のための受信料契約を締結している視聴者に限定し、ネット配信映像コンテンツ視聴を可能とする例である。つまり、ネット配信映像コンテンツの視聴に対する受信料契約を、衛星放送の契約情報による限定受信の機能で代用するものである。
【0040】
本例では公共の衛星放送を受信可能な視聴者の情報は、契約サーバ522に格納されている。衛星511より送信されてくる放送波は、衛星放送受信チューナ501で受信され、契約状況判定器502により、受信の契約がされているかどうか判定される。受信契約がされている場合は、衛星放送受信チューナ501の出力は、スイッチ421に入力され、スイッチ421により衛星放送受信チューナ501が選択され視聴が可能となる。
【0041】
本実施例では、衛星放送の受信契約を行っている視聴者に対しては、ネット配信される映像コンテンツを視聴可能とし、受信契約を行っていない視聴者に対しては、ネットコンテンツ視聴のために、新たに受信契約を促すことが可能である。通常、衛星放送では、契約情報確認信号512が映像コンテンツに多重されており、その内容と契約状況判定器502によって契約の有無を判断している。
【0042】
本例では、契約情報確認信号512がテレビゲートウエイ131からテレビ受信機401の通信受信モジュール412を介して、契約状況判定器502に入力される。契約状況判定器502は、スイッチ421を制御することで、衛星放送受信チューナ501の出力を選択する。この動作により、衛星放送契約者は、ネットワークで配信される映像コンテンツを視聴することが可能となる。
【0043】
仮に衛星の契約をしていなかった場合は、テレビゲートウエイ131により、契約を促すユーザーインターフェース画面を提示することが可能であり、ネットワークで配信される映像コンテンツの視聴を望む場合は、受信料契約を結び、テレビゲートウエイ131へ契約情報をアップする。テレビゲートウエイ131は、契約サーバ522に契約情報を登録することで、受信契約を締結する。視聴時は、契約サーバ522から契約情報確認信号512をテレビゲートウエイ131を通して、契約状況判定器502により契約を確認する。契約状況判定器502は、ネットワークから送信されてきた契約情報確認信号512を得て、スイッチ421を制御し、通信受信モジュール412を選択することでネットワークで配信されてきた映像コンテンツを視聴することが可能となる。
【0044】
第6図に本発明に関わるビデオプラットフォームの構成図を示す。CPU602は、メモリ601及びストレージ装置603に接続されており、制御プログラムを実行する。操作部605により操作者が動作を制御する。通信インターフェース604は、ネットワークに接続されており、動画コンテンツの入出力、動画の配信、コンテンツ選択情報の入出力を行う。なお、映像処理部606は入力された映像コンテンツをエンコードし暗号化等の処理を行い、映像コンテンツ配信用のストリームを生成する。
【0045】
第7図に本発明に関わるテレビゲートウエイの構成図を示す。
CPU702は、メモリ701及びストレージ装置703に接続されており、所定の処理プログラムが動作する。インターフェース704は、ビデオプラットフォームからの入出力及びテレビクラウドへの入出力を行う。なお、操作者は、操作部705により動作を制御する。メタデータや契約情報確認信号等は、ストレージ装置703に保存され、所定のタイミングで読みだされる。
【0046】
[付記]
付記1
放送波或いは通信により送信されてくる映像音声コンテンツを受信可能なテレビ受信機と、視聴領域毎に異なるメタデータを送信する映像配信システムと、当該メタデータを映像配信システムから受信して保存するテレビゲートウエイと、当該テレビゲートウエイは、視聴領域ごとに対応するメタデータに変換してテレビへ送信するよって番組選択画面を提示することで、地域ごとに視聴制御を行うことを特徴とした映像配信システム。
【0047】
付記2
放送波或いは通信により送信されてくる映像コンテンツを受信可能なテレビ受信機において、放送波の電界強度が低下した際に、放送波で送信されてくる映像コンテンツを通信により取得される映像コンテンツに自動的に切り替えることを特徴としたテレビ受信機。
【0048】
付記3
付記2記載の該切り替えは、視聴者に切り替えを促す信号を提示することを特徴とするテレビ受信機。
【0049】
付記4
通信により送信されてくる映像コンテンツを受信可能なテレビ受信機において、契約情報確認信号を受信し、あらかじめ搭載されている契約状況判定器により、視聴可能かどうかを確認することで、送信さえてくる映像信号の視聴の可否を制御することを特徴とする映像配信システム。
【0050】
付記5
付記4記載の該契約情報は、衛星放送受信契約であることを特徴とした映像配信システム。
【0051】
付記6
放送波或いは通信により送信されてくる映像音声コンテンツを受信可能なテレビ受信機と、視聴領域毎に異なるメタデータを送信する映像配信システムと、当該メタデータを映像配信システムから受信して保存するテレビゲートウエイと、当該テレビゲートウエイは、視聴領域ごとに対応するメタデータに変換してテレビへ送信するよって番組選択画面を提示することで、地域ごとに視聴制御を行うことを特徴とした映像配信方法。
【0052】
付記7
テレビ受信機と視聴領域毎に異なるメタデータを送信する映像配信システムとを接続するテレビゲートウエイにおいて、テレビゲートウエイに当該テレビゲートウエイは該映像配信システムからの該メタデータを映像配信システムから受信して保存し、視聴領域ごとに対応するメタデータに変換してテレビへ送信するよって番組選択画面を提示することを特徴とするテレビゲートウエイ。
【0053】
付記8
テレビゲートウエイを介してテレビ受信機にメタデータを送信する映像配信システムにおいて、該映像配信システムは視聴領域ごとに対応するメタデータを該テレビゲートウエイに送信するよって番組選択画面を提示することを特徴とする映像配信システム。
【産業上の利用可能性】
【0054】
放送波により送信されている映像コンテンツを、ネットワークにより配信される映像コンテンツに切り替える際に、コンテンツの送信と配信サービスの違いで生じるユーザー視聴者に対して不都合を起こすことなく、スムースに切り動作を完了することができる。
【符号の説明】
【0055】
401…テレビ受信機、402…電界強度測定器、411…放送受信チューナ、412…通信受信モジュール、421…スイッチ、422…映像音声デコーダ、423…映像表示パネル、424…スピーカ、425…番組表表示
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8