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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023114403
(43)【公開日】2023-08-17
(54)【発明の名称】電源回路
(51)【国際特許分類】
   H02H 7/00 20060101AFI20230809BHJP
   H02P 4/00 20060101ALI20230809BHJP
   G03B 30/00 20210101ALI20230809BHJP
   H02H 7/20 20060101ALI20230809BHJP
   H02H 9/04 20060101ALI20230809BHJP
   H02J 1/00 20060101ALI20230809BHJP
【FI】
H02H7/00 A
H02P4/00
G03B30/00
H02H7/20 A
H02H9/04 B
H02J1/00 309H
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022016758
(22)【出願日】2022-02-04
(71)【出願人】
【識別番号】000223182
【氏名又は名称】TOA株式会社
(72)【発明者】
【氏名】安田 尚樹
(72)【発明者】
【氏名】近藤 大介
【テーマコード(参考)】
5G013
5G053
5G165
5H501
【Fターム(参考)】
5G013AA09
5G013BA02
5G013CB02
5G013DA05
5G053AA01
5G053BA09
5G053CA05
5G053EA01
5G053EA03
5G053EA09
5G053EB02
5G053EC03
5G053FA04
5G165BB01
5G165DA07
5G165EA01
5G165GA01
5G165HA06
5G165LA01
5G165MA07
5G165NA05
5H501AA17
5H501BB06
5H501CC06
5H501DD06
5H501FF01
5H501FF05
5H501HA07
5H501HA08
(57)【要約】
【課題】
本発明は、電源回路に関する。
【解決手段】
本発明は、電子機器の内部にある駆動部によって起こる逆起電力を抑える電源回路であって、前記電子機器の内部にある前記駆動部への電力供給をON/OFFするON/OFFスイッチング回路と、前記ON/OFFスイッチング回路後段に、所望の時間通りに時間を制御する時定数回路と、前記ON/OFFスイッチング回路をOFFしたときに前記駆動部への電圧の立ち下り方を、前記時定数回路の制御通りに遅延させるように前記ON/OFFスイッチング回路と駆動部に接続された電圧制御回路とで構成される。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子機器の内部にある駆動部によって起こる逆起電力を抑える電源回路であって、
前記電子機器の内部にある前記駆動部への電力供給をON/OFFするON/OFFスイッチング回路と、
前記ON/OFFスイッチング回路後段に、所望の時間通りに時間を制御する時定数回路と、
前記ON/OFFスイッチング回路をOFFしたときに前記駆動部への電圧の立ち下りを、前記時定数回路の制御通りに遅延させるように前記ON/OFFスイッチング回路と駆動部に接続された電圧制御回路とを備えた電源回路。
【請求項2】
前記電圧制御回路は、MOSFETである請求項1に記載の電源回路。
【請求項3】
前記MOSFETのソース側に前記駆動部が接続される請求項2に記載の電源回路。
【請求項4】
前記コンデンサと抵抗によって構成される時定数回路は、一端が前記MOSFETのゲート側に接続され、もう一端がグランドに接続されている請求項2又は3に記載の電源回路。
【請求項5】
前記ON/OFFスイッチング回路は、前記駆動部の立ち上がりを制御するロード・スイッチである請求項1~4のいずれか1項に記載の電源回路。
【請求項6】
前記駆動部は、モーターである請求項1~5のいずれか1項に記載の電源回路。
【請求項7】
前記電子機器は、ワンケーブルを使用したアナログカメラである請求項1~6のいずれか1項に記載の電源回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電源回路に関する。
【背景技術】
【0002】
監視カメラにはズーム・フォーカス機能を搭載した機種がある。それらズーム・フォーカス機能は、通常スティッピングモーターの制御により実現するが、このモーター駆動部に常時電流が流れないよう、回路上でモーター電源をON/OFFするスイッチを設ける場合がある。
【0003】
このON/OFFスイッチには、半導体であるトランジスタを使用することがあり、そのトランジスタを使用して突入電流などを抑えるために緩やかに立ち上がるようにすることがある。この場合、一例としてロード・スイッチを用いることがある(非特許文献)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
TEXAS INSTRUMENTS社、“TPS22918 5.5-V, 2-A, 52-mΩ On-Resistance Load Switch データシート (Rev. C)”、P11「7 Parameter Measurement Information」-P15、[online]、2017年6月14日、[2022年1月28日]、インターネット、(https://www.ti.com/jp/lit/ds/symlink/tps22918.pdf?ts=1643324135341&ref_url=https%253A%252F%252Fwww.ti.com%252Fproduct%252Fja-jp%252FTPS22918)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、ON/OFFスイッチを切り替える際に、電源・モーター間の電流が急激に変動することでモーターのコイルに溜まった電荷が自己誘導によって逆起電力を発生させ、それがカメラ内で電源を介して伝わることで、映像信号に影響を与える場合がある。
【0006】
例えば、監視カメラと電源供給機との間を1本の同軸ケーブル上で電源と映像信号を重畳してやり取りする、ワンケーブルと呼ばれる配線方式がある。このワンケーブルに対応したカメラでは、上記の逆起電力によるノイズがカメラ・電源供給機の配線まで伝わることで、映像ノイズとして発現することがある。
【0007】
上記問題を解決するために本発明は、回路上でモーター電源をON/OFスイッチをOFFしたときに電源・モーター間の電流が急激に変動することで起こる逆起電力を制御することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、電子機器の内部にある駆動部によって起こる逆起電力を抑える電源回路であって、前記電子機器の内部にある前記駆動部への電力供給をON/OFFするON/OFFスイッチング回路と、前記ON/OFFスイッチング回路後段に、所望の時間通りに時間を制御する時定数回路と、前記ON/OFFスイッチング回路をOFFしたときに前記駆動部への電圧の立ち下り方を、前記時定数回路の制御通りに遅延させるように前記ON/OFFスイッチング回路と駆動部に接続された電圧制御回路とで構成される。
【発明の効果】
【0009】
本発明により、電子機器内で駆動部などを設け、それらの電源を切る際に起こる逆起電力を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、本発明の回路構成を含むカメラシステム1を示した図である。
図2図2は、本発明の回路構成を示した図である。
図3図3は、立ち上げ用回路を示した図である。
図4図4は、本発明の回路構成を用いた場合のMOSFET311のゲート222とソース223の電圧の変化を示した簡易図である。
図5図5は、本発明の回路構成を用いた場合の時間とモーター32のゲート222の電圧の変化を示した図である。
図6図6は、本発明の実施例2の図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例0011】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。図1は、本発明の回路構成を含むカメラシステムを示した一例の図(以下、カメラシステム1)である。カメラシステム1は、カメラ2と、カメラ2と電源供給機5を結ぶ伝送路であるワンケーブル4と、カメラ2にワンケーブル4を用いて電源供給とカメラ2からの映像信号をレコーダー6に出力する電源供給機5と、電源供給機5から映像を受信して録画行うレコーダー6を備えたカメラシステム1である。カメラシステム1は例えば、ワンケーブルを使用して監視カメラなどの映像の出力と電源供給を同時におこない、その後映像のみ取り出して確認するような場合に用いられる。
【0012】
カメラ2は、映像・電源重畳回路23と、DC/DCコンバーター24と、立ち上げ/立ち下げ回路及び駆動部3と、図示していないが撮影した映像を電気信号に変換する撮像素子を含む映像信号処理部25を有する、常設されているアナログの監視カメラである。
【0013】
映像・電源重畳回路23は、ワンケーブル4を用いて電源供給機5から電源が供給され、電源ライン22を介してDC/DCコンバーター24への電源供給と、撮影した映像を映像信号処理25から映像ライン21を経由して受信し、ワンケーブル4を用いて電源供給機5に伝送するために電源と映像信号を重畳する。
【0014】
DC/DCコンバーター24は、映像・電源重畳回路23からの電源を、駆動部32などに必要な電圧にするための電圧の変更をおこなう。また立ち上げ/立ち下げ回路及び駆動部3へ電源ライン21を経由して電源供給をおこなう。
【0015】
立ち上げ/立ち下げ回路及び駆動部3は、立ち上げ/立ち下げ回路31と駆動部32からなる。立ち上げ/立ち下げ回路31は駆動部32の駆動の立ち上げと立ち下げをおこなう。詳細は図2で説明する。
【0016】
ワンケーブル4は、電源供給機5に映像・電源重畳回路23で重畳された映像信号の伝送と、電源を駆動部等に供給する。
【0017】
電源供給機5は、商用電源からの電力をワンケーブル4を経由して伝送し、駆動部32を含むカメラ2全体への電源供給を行う。またワンケーブル4を経由した映像・電源重畳回路23からの映像信号を受信してレコーダー6への出力を行う。
【0018】
レコーダー6は、映像ライン51を経由して電源供給機5から出力された映像の録画・再生を行う。
【0019】
図2は、カメラシステム1で説明した立ち上げ/立ち下げ回路及び駆動部3の詳細について説明する。立ち上げ/立ち下げ回路及び駆動部3は、DC/DCコンバーター24を介してVin26から電源が入力され、立ち上げ/立ち下げ用回路31を介して駆動部32が駆動するように構成されている。
【0020】
立ち上げ/立ち下げ用回路31は、駆動部32のON/OFFを制御する信号を送信する駆動部ON/OFF信号スイッチ224と、駆動部32の立ち上がりが緩やかになるように制御するためのコンデンサ315と立ち上げ用回路314と、電源の立ち下がりが緩やかになるように制御して駆動部32が逆起電力を発生させないようにするためのMOSFET311とコンデンサ312と抵抗313によって構成されている。
【0021】
まず、立ち上がりを緩やかに制御するための説明をする。コンデンサ315と立ち上げ用回路314は、駆動部ON/OFF信号スイッチ224からON信号が入力されたときにコンデンサ315に電荷が溜まり、立ち上がり用回路314内は図示していない電圧制御回路によりVin26の電源の入力を制御している。またその電圧制御回路は、コンデンサ315の電圧が上がれば、その電圧に合わせて徐々に電圧制御回路が駆動するようになっている。これによりMOSFET311のゲート222に電圧が印加される。またMOSFET311のソース223の電圧もゲート222の電圧に合わせて徐々に上がって駆動するようになっているため、駆動部32の電圧の立ち上がりが緩やかになるように制御している。なお、立ち上がり用回路314が駆動してMOSFET311が駆動するとともにコンデンサ312も電荷を溜める。立ち上げ用回路314の詳細については図3で説明する。
【0022】
次に立ち下がりを緩やかに制御するための説明をする。立ち下がりを緩やかに制御するためMOSFET311とコンデンサ312と抵抗313で構成される。MOSFET311は今回一例としてN型のMOSFETを使用する。従ってVin26側がドレイン221となり、MOSFET311を駆動させるための電圧が印加されるのはゲート222となり、駆動部32と接続されているのがソース223となる。ゲート222には、立ち上げ用回路314との間にコンデンサ312と抵抗313が並列に接続され、それぞれグランド317、318に接続されている。このように接続することで、駆動部ON/OFF信号スイッチ224からOFF信号が入力されたときにコンデンサ312に溜まっている電荷がMOSFET311に流れることなく、抵抗313と立ち上げ用回路314を通ってグランド318に抜けるようなっているため、コンデンサ312の容量と抵抗313の値により所望の時間で電荷が緩やかに抜けるように制御でき、それに合わせてゲート222に印加された電圧もコンデンサ312に合わせて所望の時間で緩やかに立ち下がるようになっている。
【0023】
次に駆動部32について説明する。なお今回は駆動部32の一例として、駆動部32をモーターとして説明する(以下、モーター32)。モーター32の一端にはソース223が接続され、もう一端にはグランド322が接続されている。このように接続されることで、モーター32を駆動させるためにソース223にも電圧が印加されるようになっている。なお一般的にMOSFETは、ソース側に負荷などを接続するとソース側にも電圧がかかるようになっている。このような接続をした場合にMOSFETは、ソース側の電圧がゲートの電圧を追従する性質がある。この機能をソースフォロワという。このようにMOSFETの性質を利用して、ソース223の電圧がゲート222の電圧を追従するソースフォロワ機能を発揮できるように接続して、ゲート222の電圧の立ち下がりを緩やかにすることでソース223の電圧も緩やかに立ち下がるようにする。これにより急激な電圧差が生じず、モーター32に溜まった電荷による逆起電力が生じることなくグランド322に抜けていく。
【0024】
図3は、立ち上げ用回路の詳細について説明する。なお、図3の立ち上げ用回路314は一例としてロード・スイッチを使用しているため、今回は具体例としてTEXAS INSTRUMENTS社のTPS22918を用いて説明する。立ち上げ用回路314は、チャージポンプ340とコントロールロジック342とN型のMOSFET341,343で構成されている。コントロールロジック342は、駆動部ON/OFF信号スイッチ224からONの信号が入力されたとき、MOSFET341を駆動させるように制御する。この時コンデンサ315が電荷を溜め始め、その電荷の溜まるスピードに合わせて緩やかにMOSFET341のゲート352の電圧も上がるようになっているため、ソース353の電圧も緩やかに上がる。これにより、ソース353に接続されているMOSFET311の電圧の立ち上がりも緩やかになる。
【0025】
また駆動部ON/OFF信号スイッチ224からOFFの信号が入力されたとき、コントロールロジック342はMOSFET341の駆動を止め、MOSFET343を駆動させるように制御する。このようにMOSFET341の駆動が止まったことで、コンデンサ315に溜まっていた電荷はグランド316に抜けていく。
【0026】
MOSFET343が駆動すると、コンデンサ312に溜まった電荷が抵抗313を通ってグランド318に抜けていく。このようにコンデンサ312に溜まった電荷が抵抗313を通るため、自由放電とは違い、抵抗313の値とコンデンサ312の容量で決まった時間をかけて緩やかにグランド318に抜けてゆく。この時MOSFET311のゲート222の電圧は、コンデンサ312の電圧の立ち下がりに合わせて立ち下がる。これによりMOSFET311のソース223の電圧もゲート222の電圧に合わせて立ち下がる。なお、MOSFET343も抵抗と考える事ができるが、今回は非常に小さい抵抗となるため、立ち下がりの時間には影響しないとして説明している。
【0027】
チャージポンプ340は、ソース353の電圧をドレイン351の電圧と同じようにするため、ゲート352の電圧を調整している。そもそもMOSFETの特性上駆動時に電圧を消費するため、ドレイン351の電圧に比べてMOSFET341で消費した電圧分ソース353の電圧が下がってしまう。そこでチャージポンプ340は、ソース353の電圧が下がるのを防ぐため、ゲート352の電圧を上げてソース353の電圧がドレイン351の電圧と同じ電圧になるように調整している。
【0028】
図4は、本発明のMOSFET311のゲート222とソース223の電圧の変化を示した図である。より詳細には、先述したようにMOSFETの性質上駆動時に電圧を消費するため、ゲートの電圧よりソースの電圧が低くなってしまうこと表した図になる。また本発明は、先述したようにソースフォロワ機能を発揮できるような回路構成にしているため、ゲート222の電圧にソース223の電圧が追従するようなことも表した図となっている。なお、VSはソース223の電圧、VGはゲート223の電圧、VGSはMOSFET311の消費電圧を指す。
【0029】
本発明はゲート222の電圧を所望の時間で立ち下がるようにするため、ゲート222と立ち上げ用回路314の間にコンデンサ312及び抵抗313が並列に接続され、またそれぞれのコンデンサ312及び抵抗313がグランド317、318に接続されることで実現しているが、コンデンサ312と抵抗313の並列に接続されればよく、どのような順番で接続してもよい。なお、ゲート222とソース223の電圧はVS=VG-VGSで求めることができる。
【0030】
以下、図についてもう少し詳細に説明をする。
駆動部ON/OFF信号スイッチ224からON信号が入力されると、立ち上がり用回路314によってMOSFET311のVGは緩やかに立ち上がっていき、同時にVSもVGに追従して立ち上がっていく。その後一定時間経過後、VGが一定の電圧で安定したとき、VSも同時に電圧が安定する。ただし、VSは先述したようにMOSFETの特性によりVGSを引いた分の電圧となる。
【0031】
次に駆動部ON/OFF信号スイッチ224からOFF信号が入力されると、コンデンサ312の電圧に合わせてVGも変動し、コンデンサ312の電荷は抵抗313を通ってグランド318に抜けるようになっているため、コンデンサ312と抵抗313の時定数により所望の時間で緩やかにVGが立ち下がるようになっている。VGが立ち下がるのと同時にVSも追従して立ち下がる。このようにコンデンサ312と抵抗313の時定数により所望の時間で立ち下がるようにソース電圧223を制御することで、モーター32に溜まった電荷は緩やかにグランド322に抜けていき、逆起電力が生じない。
【0032】
図5は、本発明を使用した場合の時間とモーター32のゲート222の電圧の変化を示した簡易図である。駆動部ON/OFFスイッチ224からON信号が入力されると立ち上がり用回路314によって緩やか電圧が立ち上がっていく。その後一定時間経過後電圧は安定し、駆動部ON/OFFスイッチ信号224からOFF信号が入力されると、MOSFET311とコンデンサ312と抵抗313によって緩やかに電圧が立ち下がっていく。なお本発明は、立ち上がり用回路314とは別で立ち下がり用回路が存在するため、立ち下がり時間を立ち上がりに掛かる時間とは異なるようにコンデンサ312と抵抗313によって設定できる。従って今回は、立ち上がり時間よりもさらに緩やかに立ち下がるようにした場合を表現している。
【実施例0033】
図6は、本発明の別の実施例である。より詳細には、実施例1のMOSFET311とは別のMOSFET331を使用している。なお、実施例1と同じ符号は実施例1と同じものを指すため、詳細な説明は割愛する。本発明は先述したように、実施例1のMOSFET311とは別のMOSFET331を使用しており、MOSFET311はN型のMOSFETで、MOSFET331はP型のMOSFETを使用している。これらは周知のトランジスタのため詳細な説明は割愛するが、大きな違いとしてはソースとドレインの位置が逆になることである。また実施例1とは違い、Vin26とMOSFET331の間にモーター32が存在し、MOSFET331とグランド319の間にはモーター32が存在しない。
【0034】
以下、もう少し詳細に説明する。
本実施例のMOSFET331は、Vin26とMOSFET331の間がソース226となる。また、MOSFET331とグランド319の間がドレイン224となる。なお、ゲート225の位置は変わらない。つまり実施例1と同様にソース224にモーター32が接続されているため、実施例1と同様にソースフォロワ機能を発揮できる。また、ゲート225には実施例1と同様にコンデンサ312と抵抗313が接続されている。また、コンデンサ312と抵抗313も実施例1と同様の接続がされているため、実施例1と同様にゲート225の電圧を所望の時間で立ち下げることができる。
【0035】
以上のように、本発明の例示として各実施形態を説明した。しかし、本発明は本出願の形態や構成に限定されず、適宜、変更、置き換え、付加や省略等をおこなった実施形態にも適用可能である。
【0036】
例えば、抵抗313が立ち下げ時に立ち上げ用回路314を通ってグランド318に電荷が抜けるようにしているが、立ち上げ用回路314を通らずにグランド318に接続してもよい。
【0037】
また本発明では、トランジスタをMOSFET311,331としているが、ソースフォロワ機能を発揮できる電界効果トランジスタであればよい。
【0038】
また本発明では、駆動部をモーターとしているが、インピーダンスが低く逆起電力を起こしやすいものであればよい。
【0039】
また本発明では、一例として立ち上げ用回路にTEXAS INSTRUMENTS社のTPS22918を用いて説明したが、TEXAS INSTRUMENTS社のTPS22918のトランジスタに限られず半導体を使用していればよい。
【0040】
また本発明は、以下のような形態で実施するのが望ましい。
例えば、電源電圧を高く取ることが出来ない場合に使用するのが望ましい。本発明は、駆動部からの逆起電力によるノイズがDC/DCコンバーターで大きなノイズとなる。そのため、もともと電源電圧が低いとDC/DCコンバーターで大きなノイズとなることによってノイズの影響を受けやすくなるため、電源電圧を高く取ることが出来ない場合に本発明がより効果的になる。
【0041】
また本発明では、寄生型のダイオードで逆起電力を押さえることが出来ないような場合に使用するのが望ましい。寄生型のダイオードで逆起電力を抑える場合は、電圧によって寄生型のダイオードを駆動させるために一定の電圧が必要だが、その一定の電圧より低い場合は寄生型のダイオードが駆動しないことがある。このような場合、本発明は逆起電力そのものを抑えるので効果的である。
【0042】
また本発明は、ワンケーブルを使用したアナログカメラが望ましい。ワンケーブルを使用するような場合は映像信号と電源を重畳することになるので、電源ラインで起きたノイズがそのまま映像信号にも乗ることがあるため、ワンケーブルを使用しているものに効果的である。また、アナログカメラは、映像信号をフーリエ変換して周波数帯域でみると、非常に広く帯域を使用するため、ちょっとしたノイズでも映像が使用する帯域へ影響を与えてしまう。そのため、本発明はアナログカメラのような広い周波数帯域を使用する場合にノイズが乗るのを抑えたい場合に効果的である。
【0043】
また本発明は、既に駆動部への電力供給のために立ち上げ用回路を使用している場合でも、立ち下げ時に逆起電力などのノイズが起こる場合はアドオンすることができる。以上のように、本発明の例示した各実施形態や構成に限定されず、適宜、変更、置き換え、付加や省略等をおこなった実施形態にも適用可能である。
【符号の説明】
【0044】
1 本発明を含むシステムの全体図
2 カメラ
3 立ち上げ/立ち下げ回路及び駆動部
4 ワンケーブル
5 電源供給機
6 レコーダー
21、51 映像ライン
22 電源ライン
23 映像・電源重畳回路
24 DC/DCコンバーター
25 映像信号処理部
26 Vin
31 立ち上げ・立ち下げ電源回路
32 駆動部/モーター
221、224、351 ドレイン
222、225、352 ゲート
223、226、353 ソース
311、321、323、341、343 MOSFET(N型)
312、315 コンデンサ
313 抵抗
314 立ち上げ用回路
316、317、318、322 グランド
331 MOSFT(P型)
340 チャージポンプ
342 コントロールロジック
図1
図2
図3
図4
図5
図6