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  • 特開-ミキサー用ホイッパー 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023114405
(43)【公開日】2023-08-17
(54)【発明の名称】ミキサー用ホイッパー
(51)【国際特許分類】
   A47J 43/044 20060101AFI20230809BHJP
【FI】
A47J43/044
【審査請求】有
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022016761
(22)【出願日】2022-02-04
(71)【出願人】
【識別番号】391020470
【氏名又は名称】関東混合機工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100148792
【弁理士】
【氏名又は名称】三田 大智
(72)【発明者】
【氏名】木村 昌博
【テーマコード(参考)】
4B053
【Fターム(参考)】
4B053AA01
4B053BA14
4B053BB01
4B053BE14
4B053BH02
4B053BL01
4B053BL03
(57)【要約】
【課題】 作業者が容易に持ち上げたり動かしたりすることができ、且つ、衛生的に作業を行うことができるミキサー用ホイッパーの提供。
【解決手段】 本発明に係るミキサー用ホイッパー1は、ミキサーの駆動部と連結する連結軸部2と、該連結軸部2の下端に固定されるフランジ部3と、該フランジ部3に両端部を固定されると共に中途部を湾曲された複数本のワイヤー5aを鳥かご状に組み合わせて成るワイヤー部5とを備えるホイッパーであって、上記フランジ部3に該フランジ部3の外縁よりも外方に張り出すバー状のハンドル部4を設けたことにより、作業者は該ハンドル部4を把持して連結作業等を行うことができ、食品に触れる上記ワイヤー部5を把持する必要がなくなる。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ミキサーの駆動部と連結する連結軸部と、該連結軸部の下端に固定されるフランジ部と、該フランジ部に両端部を固定されると共に中途部を湾曲された複数本のワイヤーを鳥かご状に組み合わせて成るワイヤー部とを備えるホイッパーであって、上記フランジ部に該フランジ部の外縁よりも外方に張り出すバー状のハンドル部を設けたことを特徴とするミキサー用ホイッパー。
【請求項2】
上記ハンドル部を一対設け、該各ハンドル部を互いに逆向きに上記フランジ部の外縁から張り出して設けたことを特徴とする請求項1記載のミキサー用ホイッパー。
【請求項3】
上記ハンドル部に屈曲部を設け、該屈曲部によって該ハンドル部の自由端部を下向きに配したことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のミキサー用ホイッパー。
【請求項4】
上記ハンドル部の屈曲部における屈曲角度は45度~75度であることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れかに記載のミキサー用ホイッパー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、業務用ミキサー、たとえば縦型ミキサーの駆動部に連結することにより、回転や首振りを行い、食品の泡立てに供するホイッパーに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のホイッパーは、下記特許文献1,2に示すように、ミキサーの駆動部と連結する連結軸部と、該連結軸部の下端に固定されるフランジ部と、該フランジ部に両端部を固定されると共に中途部を湾曲された複数本のワイヤーを鳥かご状に組み合わせて成るワイヤー部とを備え、該ワイヤー部が食品に接触した状態で回転や首振りなどを行うことによって、食品を泡立てることができる。
【0003】
この種ホイッパーは、使用の際には、ミキサーの駆動部に上記連結軸部を介して連結する作業が必要となる一方、使用後には、ボウルからの食品の取り出しのためや当該ホイッパー自身の洗浄のために、ミキサーの駆動部から上記連結軸部を取り外す作業が必要となる。
【0004】
また、上記ワイヤー部の内部空間に食品が入り込んでしまった際には、ホイッパー自体を振動させて当該食品を取り除く作業を行う場合もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実用新案登録第3138259号公報
【特許文献2】実用新案登録第3098436号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述した連結作業や取り外し作業、振動作業は人手により行うのが一般的であるが、従来ホイッパーにあっては、作業者が把持する部分が設けられておらず、作業者は上記連結軸部と上記ワイヤー部を把持してこれら作業を行っていた。
【0007】
当然に、上記ワイヤー部は食品に直接触れるところであるから、できるだけ把持することは避けたいところである。しかしながら、この種のミキサー用ホイッパーは、片手で把持することは難しいほどの重量があり、両手で把持することは勿論のこと、把持箇所をある程度離さなければ、安定して持ち上げたり、動かしたりすることはできないため、上記連結軸部と、その対極位置にある上記ワイヤー部を把持することを余儀なくされていた。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上述した従来ホイッパーが抱える問題点を有効に解決した、作業者が容易に持ち上げたり動かしたりすることができ、且つ、衛生的に作業を行うことができるミキサー用ホイッパーを提供する。
【0009】
要述すると、本発明に係るミキサー用ホイッパー(以下、単に「ホイッパー」という。)は、ミキサーの駆動部と連結する連結軸部と、該連結軸部の下端に固定されるフランジ部と、該フランジ部に両端部を固定されると共に中途部を湾曲された複数本のワイヤーを鳥かご状に組み合わせて成るワイヤー部とを備えるホイッパーであって、上記フランジ部に該フランジ部の外縁よりも外方に張り出すバー状のハンドル部を設けたことにより、作業者は該ハンドル部を把持して連結作業等を行うことができ、食品に触れる上記ワイヤー部を把持する必要がなくなる。
【0010】
また、上記ハンドル部を一対設け、該各ハンドル部を互いに逆向きに上記フランジ部の外縁から張り出して設けることにより、作業者が両手で把持しやすくなり、安定した作業を行うことができる。
【0011】
好ましくは、上記ハンドル部に屈曲部を設け、該屈曲部によって該ハンドル部の自由端部を下向きに配したことにより、作業者がホイッパーを持ち上げたり動かしたりしやすくなり、さらに作業性を向上させることができる。
【0012】
より好ましくは、上記ハンドル部の屈曲部における屈曲角度は45度~75度とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係るホイッパーによれば、食品に触れることがない位置にハンドル部を設けることによって、作業者がワイヤー部に触れることなく、ホイッパーを持ち上げたり動かしたりすることができるため、連結作業等の作業を効率良く行うことができると共に衛生的に行うことができる。
【0014】
また、本発明に係るホイッパーは、ハンドル部をボウルの縁などに引っかけて保持することができるため、ボウル内の食品の中に沈んだりすることなく衛生的に保持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明に係るホイッパーの正面図である。
図2】作業者がハンドルを把持して、本発明に係るホイッパーを持ち上げた状態を示す説明図である。
図3】本発明に係るホイッパーで食品の泡立てを行っている様子を示す説明図である。
図4】ハンドルによって本発明に係るホイッパーをボウルの縁に掛けた様子を示す説明図である。
図5】ハンドル形状の他例を示す図であり、(A)は屈曲部を有しないハンドル形状、(B)は屈曲部を有し、該屈曲部の屈曲角度が直角であるハンドル形状を示すものである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明に係るホイッパーの最適な実施例を図1乃至図5に基づき説明する。
【0017】
本発明に係るホイッパー1は、図3に示すように、ミキサーMの駆動部に連結して使用するものであり、回転や首振りによってボウルB内の生クリーム等の食品Fを泡立てることができる。
【0018】
<基本構成>
図1に示すように、本発明に係るホイッパー1は、ミキサーの駆動部と連結する連結軸部2と、該連結軸部2の下端に固定される円盤状のフランジ部3と、該フランジ部3の下面から垂下するワイヤー部5とを備える基本構成を有している。ワイヤー部5は、鳥かご状に組み合わせた複数本のワイヤー5aから成り、各ワイヤー5aの中途部が湾曲されると共に両端部がフランジ部3に固定されている。なお、連結軸部2、フランジ部3及びワイヤー部5は金属から成り、好ましくは、ホイップ対象の食品に影響を与えないように、ステンレス等の酸化し難い金属から成る。
【0019】
ワイヤー部5のワイヤー5aについては、ホイップ対象の食品への空気の入り方等を考慮して、湾曲形状、太さ、断面形状、硬さ、本数等を適宜調整することができると共に、必要に応じて、固定リング5bによって、所望の位置で隣接間隔を固定することができると共にワイヤー5aを保護することができる。
【0020】
≪ハンドル構成≫
本発明にあっては、上述した基本構成を備えるホイッパー1に対して、作業者が容易に且つ安定して把持することができるハンドル部4を設けたことを特徴とし、食品に接触するワイヤー部5を把持する必要なく、持ち上げたり動かしたりすることができる。該ハンドル部4も、既述した連結軸部2、フランジ部3及びワイヤー部5と同様に、食品に影響を与えないように、ステンレス等の酸化し難い金属で構成することが望ましい。
【0021】
詳述すると、本発明に係るホイッパー1にあっては、図1に示すように、フランジ部3に該フランジ部3の外縁よりも外方に張り出すバー状のハンドル部4を設ける。このように食品に接触することのないフランジ部3にハンドル部4を設けることにより、衛生的に持ち上げたり動かしたりすることができる。該ハンドル部4は、作業者が把持しやすいように、図示の如く、断面円形のバー状部材で構成するのが望ましいが、多角形状等の円形以外の断面形状とすることも実施に応じ任意である。また、太さは適宜調整することができる。
【0022】
ハンドル部4は、図1に示すように、好ましくは一対として設け、該各ハンドル部4を互いに逆向きにフランジ部3の外縁から張り出して設けることにより、図2に示すように、作業者が両手で把持しやすくなり、安定した作業を行うことができる。ただし、本発明はハンドル部4を単数又は三つ以上設けることを排除しない。また、ハンドル部4がフランジ部3の外縁から張り出す向きは自由に設定できる。
【0023】
また、ハンドル部4は、基端部4bをフランジ部3の上面に固定する一方、自由端部4aをフランジ部3の外縁よりも突出するように設ける。基端部4bの固定方法は、既知の溶接による固定の他、図示の如く、ボルトによって固定することができる。また、基端部4bから自由端部4aまでの長さは、後述する屈曲部4cの有無や、ワイヤー部5の大きさや形状等により調整できるが、自由端部4aがホイップ対象の食品に触れなければ特に制限はない。
【0024】
好ましくは、図1に示すように、ハンドル部4に屈曲部4cを設け、すなわち、バー状のハンドル部4の中途部を屈曲させて、該屈曲部4bによって自由端部4aを斜め下向きに配したことにより、図2に示すように、作業者が両手でハンドル部4を把持しやすくなると共に、該ハンドル部4を把持した手を安定して且つ自在に動かすことができる。よって、ひいてはホイッパー1を安定して持ち上げたり動かしたりすることができ、ミキサー駆動部への連結作業や、その取り外し作業、またワイヤー部5の内部に食品が挟まったときに当該食品を落とすために振動作業を容易に且つ衛生的に行うことができる。
【0025】
図1に示すように、屈曲部4bにおける屈曲角度θは好ましくは45度~75度とし、より好ましくは60度とする。作業者が両手で把持しやすく、しかも力を入れやすいようにするためである。
【0026】
なお、本発明にあっては、図5(A)に示すように、ハンドル部4に屈曲部4cを形成しないようにして、基端部4bから自由端部4aまで直線状に延びる構成としても良い。又は、図5(B)に示すように、直角に屈曲した屈曲部4cを形成することも実施に応じ任意である。
【0027】
以上のとおり、本発明に係るホイッパー1は、図2に示すように、ハンドル部4を作業者が両手で容易に把持することができるので、安定して持ち上げることができると共に自在に動かすことができる。しかも、作業者が食品に接するワイヤー部5に触れることがないので衛生的である。
【0028】
加えて、本発明に係るホイッパー1は、実際にミキサーに連結する場合と同様に縦にして(上から順に連結軸部2、フランジ部3、ワイヤー部5を垂直方向に並べる方向にして)持ち上げることができるので、連結作業や取り外し作業を頗る効率的に行うことができる。
【0029】
また、図3に示すように、本発明に係るホイッパー1のハンドル部4はホイップ作業のときにも食品Fに接することがなく、衛生的である。
【0030】
また、図4に示すように、本発明に係るホイッパー1は、ハンドル部4をボウルBの縁などに引っかけて保持することができるため、ボウルB内の食品Fの中に沈んでいくようなことはなく、衛生的に保持することができる。
【符号の説明】
【0031】
1…ホイッパー、
2…連結軸部、
3…フランジ部、
4…ハンドル部、4a…自由端部、4b…基端部、4c…屈曲部、
5…ワイヤー部、5a…ワイヤー、5b…ワイヤー固定リング、
θ…屈曲角度、B…ボウル、M…ミキサー、F…食品。
図1
図2
図3
図4
図5
【手続補正書】
【提出日】2023-05-15
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ミキサーの駆動部と連結する連結軸部と、該連結軸部の下端に固定されるフランジ部と、該フランジ部に両端部を固定されると共に中途部を湾曲された複数本のワイヤーを鳥かご状に組み合わせて成り、食品と接触するワイヤー部とを備えるホイッパーであって、食品と接触しない上記フランジ部に該フランジ部の外縁よりも外方に張り出すバー状のハンドル部を一対設け、該各ハンドル部を互いに逆向きに上記フランジ部の外縁から張り出すように配すると共に、該各ハンドル部に屈曲部を設け、該屈曲部によって該ハンドル部の自由端部を下向きに配することを特徴とするミキサー用ホイッパー。
【請求項2】
上記ハンドル部の屈曲部における屈曲角度は45度~75度であることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れかに記載のミキサー用ホイッパー。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0009】
要述すると、本発明に係るミキサー用ホイッパー(以下、単に「ホイッパー」という。)は、ミキサーの駆動部と連結する連結軸部と、該連結軸部の下端に固定されるフランジ部と、該フランジ部に両端部を固定されると共に中途部を湾曲された複数本のワイヤーを鳥かご状に組み合わせて成り、食品と接触するワイヤー部とを備えるホイッパーであって、食品と接触しない上記フランジ部に該フランジ部の外縁よりも外方に張り出すバー状のハンドル部を一対設け、該各ハンドル部を互いに逆向きに上記フランジ部の外縁から張り出すように配すると共に、該各ハンドル部に屈曲部を設け、該屈曲部によって該ハンドル部の自由端部を下向きに配することにより、作業者は該ハンドル部を把持して連結作業等を行うことができ、食品に触れる上記ワイヤー部を把持する必要がなくなると共に、作業者が両手で把持しやすくなり、安定した作業を行うことができる。また、作業者がホイッパーを持ち上げたり動かしたりしやすくなり、さらに作業性を向上させることができる。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】削除
【補正の内容】