特開 2023-11444 圧縮空気供給装置

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】公開特許公報(A)

(11)【公開番号】P2023011444

(43)【公開日】2023-01-24

(54)【発明の名称】圧縮空気供給装置

(51)【国際特許分類】

   F15B 11/06 20060101AFI20230117BHJP

   B25J 19/00 20060101ALI20230117BHJP

【ＦＩ】

F15B11/06 Z

B25J19/00 E

【審査請求】未請求

【請求項の数】5

【出願形態】ＯＬ

(21)【出願番号】P 2021115297

(22)【出願日】2021-07-12

(71)【出願人】

【識別番号】000145611

【氏名又は名称】株式会社コガネイ

(74)【代理人】

【識別番号】110002066

【氏名又は名称】弁理士法人筒井国際特許事務所

(72)【発明者】

【氏名】堀川 昭芳

(72)【発明者】

【氏名】竹林 悠

(72)【発明者】

【氏名】藤井 陸太

【テーマコード（参考）】

3C707

3H089

【Ｆターム（参考）】

3C707CS04

3C707CY13

3C707HS14

3C707JS02

3C707WA16

3H089AA02

3H089BB27

3H089DB33

3H089DB43

3H089DB75

3H089DB76

3H089GG03

(57)【要約】      （修正有）

【課題】移動装置に組み込まれた空圧機器に対して外部から圧縮空気を供給することができる簡単な構造の圧縮空気供給装置を提供する。
【解決手段】圧縮空気供給装置は、接続面１４に対向する対向面２７が設けられた空気供給ヘッド２７ａと、突出面３３が対向面２７よりも突出する突出位置と突出面３３が突出位置よりも後退する後退位置との間を往復動可能に空気供給ヘッド２６ａに配置される給気ロッド３２と、突出面３３が接続面１４から離れているときに圧縮空気供給源４１と空気案内路３７との連通を遮断し、接続面１４が突出面３３に突き当てられたときに圧縮空気供給源４１と空気流入路１６とを空気案内路３７を介して連通させる開閉弁３６と、を有している。
【選択図】図３Ｂ

【特許請求の範囲】

【請求項1】

移動装置に搭載された受圧機器に当該受圧機器に連通する空気流入路の流入口から圧縮空気を供給する圧縮空気供給装置であって、
前記流入口が設けられた接続面に対向する対向面が設けられ、支持部材に装着される空気供給ヘッドと、
突出面が前記対向面よりも突出する突出位置と前記突出面が前記突出位置よりも後退する後退位置との間を往復動可能に前記空気供給ヘッドに配置される給気ロッドと、
前記給気ロッドに形成され、前記突出面に流出口が設けられた空気案内路と、
前記突出面が前記接続面から離れているときに圧縮空気供給源と前記空気案内路との連通を遮断し、前記接続面が前記突出面に突き当てられたときに前記圧縮空気供給源と空気流入路とを前記空気案内路を介して連通させる開閉弁と、
を有する圧縮空気供給装置。

【請求項2】

請求項１に記載の圧縮空気供給装置において、
前記開閉弁を前記給気ロッドに設け、
前記接続面に向かう押圧力を加えるばね部材を前記給気ロッドに設け、
前記開閉弁は、前記給気ロッドが前記突出位置のときに圧縮空気供給源と前記空気案内路との連通を遮断し、前記接続面が前記突出面に突き当てられて前記給気ロッドが前記後退位置となったときに前記圧縮空気供給源と前記空気流入路とを前記空気案内路を介して連通させる、圧縮空気供給装置。

【請求項3】

請求項２に記載の圧縮空気供給装置において、
前記空気供給ヘッドに形成されたシリンダ孔に移動可能に装着される突出ピストンを有し、
前記給気ロッドが移動可能に組み込まれる中空の突出ロッドを前記突出ピストンに設け、
前記突出ピストンに形成され前記ばね部材が収容されるばね室と、前記シリンダ孔に形成された前進用の空気圧室とを連通させる連通孔を前記突出ピストンに形成し、
前記突出ピストンにより前記給気ロッドを前記接続面に向けて駆動する、圧縮空気供給装置。

【請求項4】

請求項１に記載の圧縮空気供給装置において、
前記空気供給ヘッドに形成されたシリンダ孔に移動可能に装着され、前記給気ロッドが一体に設けられる給気ピストンを有し、
前記給気ロッドの前記空気案内路に接続される空気供給路に前記開閉弁を設け、
前記給気ピストンは前記給気ロッドを前記接続面に向けて駆動し、前記給気ロッドに前記接続面に向かう押付力を加える、圧縮空気供給装置。

【請求項5】

請求項１～４のいずれか１項に記載の圧縮空気供給装置において、
前記接続面と前記突出面の少なくともいずれか一方に突き当てシール部材を設けた、圧縮空気供給装置。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

本発明は、移動装置に組み込まれた受圧機器に圧縮空気を供給するための圧縮空気供給装置に関する。

【背景技術】

【0002】

被加工物を搬送するための自走式台車（ＡＧＶ）には、被加工物を把持するためのエアハンド等の空気圧作動機器が設けられたタイプのものがある。また、被加工物を移動したり、溶接作業等の各種の作業を行ったりする作業用ロボットには、ロボットアーム、エアハンドを駆動するための空気圧作動機器が設けられたタイプのものがある。空気圧作動機器が組み込まれた自走式台車等の移動装置にエアタンクを設けると、空気圧作動機器に対して圧縮空気を供給することができる。エアタンク内の圧縮空気の残量が低下した場合には、圧縮空気供給装置によりエアタンク内に圧縮空気が供給される。一方、エアタンクを備えていない移動装置には、空気圧作動機器を作動させるときに、圧縮空気供給装置により圧縮空気が空気圧作動機器に直接供給される。

【0003】

特許文献１は、自動車生産工場における無人搬送車に電気エネルギーと空気エネルギーとを供給するための供給装置を開示している。供給装置はガイドレールに案内されて無人搬送車に沿って移動自在であり、供給装置のコネクタには同期バーとガイド穴が設けられている。無人搬送車のコネクタには、同期バーが挿入される同期穴とガイド穴に挿入されるガイドバーが設けられている。さらに、無人搬送車のコネクタには供給装置の供給カプラからエアエネルギーを受給する受給カプラが設けられており、供給装置から無人搬送車にエアエネルギーを供給するときには、受給カプラが供給カプラに挿入される。受給カプラは、無人搬送車に搭載された受圧機器であるアキュムレータに接続されている。

【0004】

特許文献２は、作業ロボットが搭載された走行台車を、磁気テープの誘導により複数の作業ステーションに移動させるようにした作業システムを開示している。走行台車のアタッチメントにはエアが供給される雄カップリングと受電機器として磁気吸着型の端子コネクタとが設けられ、作業ステーションにガイドレールに沿って移動可能に設けられたスライドボックスには、エア供給用の雌カップリングと、給電機器として磁気吸着型の端子コネクタとが設けられている。スライドボックスを作業台車に向けて接近させることにより雄カップリングが雌カップリングに挿入され、作業台車に搭載された作業ロボットの空気圧作動機器に対して圧縮空気が供給される。

【先行技術文献】

【特許文献】

【0005】

【特許文献1】実開昭６３－９７７９１号公報

【特許文献2】特開２０１５－２１１９９７号公報

【発明の概要】

【発明が解決しようとする課題】

【0006】

特許文献１に記載される供給装置においては、供給カプラと受給カプラとの位置決めを行うために、同期バーを同期穴に挿入し、続いてガイドバーをガイド穴に挿入するようにしており、位置決め機構が複雑となる。さらに、供給装置のコネクタに同期バーとガイド穴とを設け、無人搬送車のコネクタに同期穴とガイドバーとを設けると、それぞれのコネクタの大型化が避けられない。

【0007】

特許文献２に記載される作業システムにおいては、走行ロボットがスライドボックスを自身のアタッチメントに引き寄せることにより雌カップリングと雄カップリングとを接続してエア供給と信号接続とを行うようにしている。また、雌カップリングと雄カップリングとを分離する場合にも、走行ロボットがスライドボックスをアタッチメントから離脱させるようにしている。この作業システムにおいては、雌雄のカップリングの接続と分離とを、磁気テープにより誘導されるロボット操作により行うようにしており、ロボットを備えていない自走式台車においては、アタッチメントとスライドボックスとの位置決めや、磁石を引き離してスライドボックスを離脱させることはできない。

【0008】

本発明の目的は、移動装置に組み込まれた受圧機器に対して外部から圧縮空気を供給することができる簡単な構造の圧縮空気供給装置を提供することにある。

【課題を解決するための手段】

【0009】

本発明の圧縮空気供給装置は、移動装置に搭載された受圧機器に当該受圧機器に連通する空気流入路の流入口から圧縮空気を供給する圧縮空気供給装置であって、前記流入口が設けられた接続面に対向する対向面が設けられ、支持部材に装着される空気供給ヘッドと、突出面が前記対向面よりも突出する突出位置と前記突出面が前記突出位置よりも後退する後退位置との間を往復動可能に前記空気供給ヘッドに配置される給気ロッドと、前記給気ロッドに形成され、前記突出面に流出口が設けられた空気案内路と、前記突出面が前記接続面から離れているときに圧縮空気供給源と前記空気案内路との連通を遮断し、前記接続面が前記突出面に突き当てられたときに前記圧縮空気供給源と空気流入路とを前記空気案内路を介して連通させる開閉弁と、を有する。

【発明の効果】

【0010】

移動装置に接続面から圧縮空気を供給する空気供給ヘッドは、給気ロッドが移動可能に設けられたシリンダ本体を有し、シリンダ本体には接続面に対向する対向面が設けられている。給気ロッドを接続面に向けて移動すると、給気ロッドに形成された空気案内路の流出口は流入路の流入口に対して位置決めされる。移動装置の接続面に給気ロッドを突き当てて圧縮空気を移動装置に供給することができるので、簡単な構造の装置によって、移動装置に対して圧縮空気を供給することができる。

【図面の簡単な説明】

【0011】

【図1】移動装置である軌道走行車とこれに設けられた受圧機器に対して圧縮空気を供給する圧縮空気供給装置の一例を示す斜視図である。

【図2A】軌道走行車が圧縮空気供給装置に接近した状態を示す正面図である。

【図2B】圧縮空気供給装置が軌道走行車に接触した状態を示す正面図である。

【図3A】一実施の形態である圧縮空気供給装置の空気供給ヘッドが軌道走行車に対向した状態を示す断面図である。

【図3B】圧縮空気供給装置の空気供給ヘッドが軌道走行車に突き当てられた状態を示す断面図である。

【図4A】他の実施の形態である圧縮空気供給装置の空気供給ヘッドを示す断面図である。

【図4B】図４Ａに示した空気供給ヘッドから軌道走行車の受圧機器に圧縮空気を供給している状態を示す断面図である。

【図5】他の実施の形態である圧縮空気供給装置の空気供給ヘッドを示す断面図である。

【発明を実施するための形態】

【0012】

以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。図面に示されるそれぞれの実施の形態において、共通性を有する部材には同一の符号が付されている。

【0013】

図１に示されるように、圧縮空気供給装置２０は、移動装置つまり移動物体としての軌道走行車１０に設けられた受圧機器に対して圧縮空気を供給するために適用される。軌道走行車１０はレール１１の上を走行する車輪１２を有し、車輪１２は軌道走行車１０の内部に組み込まれたバッテリを動力源とする電動モータにより駆動される。図２Ａおよび図２Ｂに示されるように、受圧機器としてのエアタンク１３が軌道走行車１０内に設けられており、エアタンク１３に注入された圧縮空気を駆動源とする空気圧作動機器が、他の受圧機器として軌道走行車１０に設けられる。空気圧作動機器としては、被加工物を掴むチャックやハンドを駆動するためのシリンダや被加工物を吸着保持するバキュームカップ等である。ただし、空気圧作動機器は図示省略されている。

【0014】

軌道走行車１０の側面の接続面１４には流入口１５が設けられており、流入口１５は図２Ａ、図２Ｂに示されるように、軌道走行車１０の内部に設けられた空気流入路１６を介して受圧機器としてのエアタンク１３に連通している。逆止弁１７が空気流入路１６に設けられており、逆止弁１７は流入口１５からエアタンク１３に向かう圧縮空気の流れを許容し、逆方向の流れを遮断する。

【0015】

圧縮空気供給装置２０は支持部材２１に取り付けられた空気圧シリンダ２２を有している。リニアガイド２３が空気圧シリンダ２２に移動可能に搭載されており、リニアガイド２３は空気圧シリンダ２２のロッド２４に連結されている。支持板２５がリニアガイド２３に取り付けられ、空気供給ヘッド２６ａが支持板２５に取り付けられており、空気供給ヘッド２６ａは空気圧シリンダ２２により軌道走行車１０に向けて接近離反移動することができる。

【0016】

空気供給ヘッド２６ａは空気圧シリンダにより形成されており、先端側の端面は軌道走行車１０の接続面１４に対向される平坦な対向面２７である。軌道走行車１０は、空気供給ヘッド２６ａに設けられた空気の流出口に流入口１５を向き合わせるように、走行制御装置によってレール１１の上の所定位置で正確に停止される。したがって、図２Ａに示されるように、軌道走行車１０を空気供給ヘッド２６ａによる空気供給位置に停止させた状態のもとで、空気圧シリンダ２２を駆動して空気供給ヘッド２６ａを軌道走行車１０に向けて移動させると、空気供給ヘッド２６ａの空気流出口を流入口１５に連通させることができる。

【0017】

図３Ａおよび図３Ｂに示されるように、空気供給ヘッド２６ａはシリンダ本体２８を有し、対向面２７に開口するガイド孔３１がシリンダ本体２８に形成され、ガイド孔３１に軸方向に往復動可能に給気ロッド３２が装着されている。給気ロッド３２は、図３Ａに示されるように、給気ロッド３２の先端面つまり突出面３３が対向面２７から突出する突出位置と、この突出位置よりも突出面３３が後退した後退位置との間を移動する。ガイド孔３１に径方向の段差面３４を介して連通するばね室３５がシリンダ本体２８に形成されており、ばね室３５の内径はガイド孔３１の内径よりも大径である。開閉弁３６が給気ロッド３２の後端部に設けられた大径部により形成されており、開閉弁３６はばね室３５内を開閉移動する。

【0018】

給気ロッド３２に軸方向に延びて空気案内路３７が形成されており、空気案内路３７の流出口３８が突出面３３に形成されている。ばね室３５は空気供給路３９により圧縮空気供給源４１に接続されており、ばね室３５には圧縮空気が供給される。給気ロッド３２の基端部とシリンダ本体２８との間で連通路４２が形成され、連通路４２によりばね室３５と空気案内路３７とが連通される。

【0019】

ばね部材としての圧縮コイルばね４３がばね室３５に収容され、圧縮コイルばね４３の先端は開閉弁３６の端面つまり給気ロッド３２の後端面に当接し、圧縮コイルばね４３の後端はシリンダ本体２８の底壁に当接している。圧縮コイルばね４３により給気ロッド３２には突出面３３が対向面２７よりも突出する方向のばね力が加えられる。開閉弁シール部材４４が開閉弁３６と段差面３４との間に配置されており、圧縮コイルばね４３により開閉弁シール部材４４を介して開閉弁３６が段差面３４に押し付けられ、ばね室３５と空気案内路３７との連通が遮断される。このときには、図３Ａに示されるように、給気ロッド３２の突出面３３が対向面２７から突出する。一方、突出面３３が軌道走行車１０の接続面１４により押し付けられると、図３Ｂに示されるように、開閉弁３６がばね力に抗して後退移動し、連通路４２を開放して連通路４２を介してばね室３５と空気案内路３７とが連通される。

【0020】

給気ロッド３２の外周面とガイド孔３１の内周面との間は、給気ロッド３２の外周部に設けられたシール部材４５によりシールされる。給気ロッド３２の突出面３３と接続面１４との間は、給気ロッド３２の先端部に設けられた突き当てシール部材４６によりシールされる。したがって、図３Ｂに示されるように、給気ロッド３２の突出面３３が接続面１４に突き当てられて後退移動すると、ばね室３５と空気案内路３７とが連通路４２を介して連通状態となるとともに、突出面３３と接続面１４との間が突き当てシール部材４６によりシールされて、圧縮空気供給源４１から供給される圧縮空気が空気流入路１６を介して受圧機器としてのエアタンク１３に供給される。

【0021】

このように、開閉弁３６は、給気ロッド３２が突出位置のときには圧縮空気供給源４１と空気案内路３７との連通を遮断し、接続面１４が突出面３３に突き当てられて給気ロッド３２が後退位置となったときには圧縮空気供給源４１と空気流入路１６とを空気案内路３７を介して連通させる。

【0022】

空気供給ヘッド２６ａを備えた圧縮空気供給装置２０においては、図２Ａに示されるよう軌道走行車１０が空気供給ヘッド２６ａに接近して停止される。これにより、軌道走行車１０の流入口１５が空気供給ヘッド２６ａの流出口３８と同軸となるように、停止位置が設定される。この状態のもとで、空気圧シリンダ２２によりリニアガイド２３が駆動されて空気供給ヘッド２６ａは軌道走行車１０の接続面１４に向けて前進駆動され、突出面３３は接続面１４に接触する。

【0023】

図２Ｂおよび図３Ｂは、空気供給ヘッド２６ａの対向面２７が軌道走行車１０の接続面１４に突き当てられた状態を示しており、給気ロッド３２がシリンダ本体２８に対して後退移動することにより、開閉弁３６は連通路４２を開放する。これにより、圧縮空気供給源４１から吐出された圧縮空気は、空気案内路３７から空気流入路１６に流入し、軌道走行車１０に設けられた受給機器としてのエアタンク１３に圧縮空気が供給される。このときには、圧縮コイルばね４３のばね力が給気ロッド３２に接続面１４に向かう押圧力として加えられるので、突き当てシール部材４６は接続面１４に密着し、接続面１４と突出面３３との間から圧縮空気の漏れが防止される。

【0024】

このように、給気ロッド３２が設けられた空気圧シリンダからなる空気供給ヘッド２６ａにより、開閉弁３６を備えた簡単な構造の圧縮空気供給装置２０が形成される。開閉弁３６を開閉する圧縮コイルばね４３は突出面３３を接続面１４に押し付けるための押圧力を加えることができる。

【0025】

図４Ａおよび図４Ｂは、他の実施の形態である圧縮空気供給装置２０の空気供給ヘッド２６ｂを示す断面図であり、これらの図においては、上述した空気供給ヘッド２６ａを構成する部材と共通性を有する部材については同一の符号が付されている。

【0026】

シリンダ孔５１がシリンダ本体２８に形成され、シリンダ孔５１に連通する小径のガイド孔５２がシリンダ本体２８に形成されており、ガイド孔５２は対向面２７に開口している。突出ピストン５３がシリンダ孔５１に往復移動可能に装着されており、突出ピストン５３に設けられた中空の突出ロッド５４がガイド孔５２に摺動可能に挿入されている。図４Ａは、突出ピストン５３が後退限位置に移動した状態を示しており、このときには突出ロッド５４の先端面５５は対向面２７とほぼ同一面となっている。一方、図４Ｂは突出ピストン５３が前進移動した状態を示しており、突出ピストン５３により給気ロッド３２は接続面１４に突き当てられる。

【0027】

シリンダ孔５１に接触するシール部材５６が突出ピストン５３に設けられており、シリンダ孔５１内に設けられた突出ピストン５３により前進用の空気圧室５７と後退用の空気圧室５８とが形成されており、前進用の空気圧室５７には前進用の空気供給路３９ａが接続され、後退用の空気圧室５８には後退用の空気供給路３９ｂが接続されている。両方の空気供給路３９ａ、３９ｂと圧縮空気供給源４１との間には流路切換弁５９が設けられている。流路切換弁５９を介して圧縮空気供給源４１の圧縮空気を後退用の空気圧室５８に供給すると、図４Ａに示されるように、突出ピストン５３は後退限位置になる。一方、圧縮空気供給源４１の圧縮空気を前進用の空気圧室５７に供給すると、図４Ｂに示されるように、突出ピストン５３は前進限位置になる。なお、シール部材４５ａがガイド孔５２の内周面に設けられ、突出ロッド５４の外周面とガイド孔５２の内周面との間はシールされる。

【0028】

ガイド孔３１とばね室３５が突出ロッド５４に形成されており、給気ロッド３２がガイド孔３１に同軸となって移動可能に組み込まれ、給気ロッド３２の基端部に設けられた開閉弁３６がばね室３５に配置されている。ばね室３５は突出ピストン５３に形成された連通孔６０により、前進用の空気圧室５７に連通し、ばね室３５は空気圧室５７を介して圧縮空気供給源４１に連通される。

【0029】

図４Ａに示されるように、突出ピストン５３が後退限位置に設定され、給気ロッド３２がばね力により駆動されて突出面３３が対向面２７より突出した状態のもとで、図２Ａに示されるように、軌道走行車１０が空気供給ヘッド２６ｂに接近し、空気流入路１６の流入口１５は、空気案内路３７の流出口３８に対向する位置決めされる。この状態のもとで、前進用の空気圧室５７に圧縮空気を供給すると、図４Ｂに示されるように、突出ピストン５３が前進移動して突出ロッド５４が突出駆動される。これにより、突出ロッド５４の先端面５５が接続面１４に突き当てられるとともに、給気ロッド３２の突出面３３が接続面１４に突き当てられる。

【0030】

突出面３３が接続面１４に突き当てられて給気ロッド３２が後退移動すると、開閉弁３６がばね室３５と空気案内路３７とを連通路４２を介して連通させる。これにより、圧縮空気供給源４１から前進用の空気圧室５７に供給された圧縮空気は、連通孔６０、ばね室３５、連通路４２および空気案内路３７を介して、空気流入路１６に供給される。

【0031】

このように、給気ロッド３２が突出ロッド５４に組み込まれた形態においては、突出面３３の接続面１４への突出動作と押付動作を、空気圧シリンダ２２のロッド２４に代えて突出ピストン５３により行うことができる。この空気供給ヘッド２６ｂは、給気ロッド３２を突出ロッド５４の内部に同軸に配置することによって、圧縮空気供給源４１からの空気圧により給気ロッド３２を突出駆動することができるとともに、軌道走行車１０内の受圧機器に圧縮空気を供給できる。したがって、簡単な構造により、突出面３３の位置決め機構を備えた圧縮空気供給装置の小型化が達成される。ただし、空気圧シリンダ２２のロッド２４と突出ピストン５３の両方を駆動して突出面３３に接続面１４に対する押付力を加えるようにすることもできる。

【0032】

突出ロッド５４の先端面５５にさらにシール部材を装着すると、給気ロッド３２の突出面に設けられた突き当てシール部材４６とともに接続面１４からの空気の漏れを防止することができる。

【0033】

図５は、さらに他の実施の形態である圧縮空気供給装置２０の空気供給ヘッド２６ｃを示す断面図である。

【0034】

空気供給ヘッド２６ｃのシリンダ本体２８は両ロッド型であり、シリンダ孔６１がシリンダ本体２８に形成されている。シリンダ孔６１に連通する小径のガイド孔６２がシリンダ本体２８の前端壁部に形成され、シリンダ孔６１に連通する小径のガイド孔６３がシリンダ本体２８の後端壁部に形成されており、両方のガイド孔６２、６３とシリンダ孔６１は同軸である。給気ピストン６４がシリンダ孔６１に往復動可能に装着されており、ガイド孔６２に摺動可能に装着される給気ロッド３２ａが給気ピストン６４の前面側に設けられ、ガイド孔６３に摺動可能に装着される給気ロッド３２ｂが給気ピストン６４の後面側に設けられている。給気ピストン６４と給気ロッド３２ａ、３２ｂは一体に形成されている。シリンダ孔６１に接触するシール部材６５が給気ピストン６４に設けられ、給気ロッド３２ａに接触するシール部材６６がシリンダ本体２８に設けられ、給気ロッド３２ｂに接触するシール部材６７がシリンダ本体２８に設けられている。

【0035】

給気ロッド３２ａの端面は突出面３３であり、給気ロッド３２ｂの端面６８と突出面３３との間を空気案内路３７が貫通している。圧縮空気供給源４１に接続される空気供給路６９が給気ロッド３２ｂに接続されており、開閉弁７１が空気供給路６９に設けられている。開閉弁７１は、空気供給路６９を開放して圧縮空気供給源４１から吐出される圧縮空気を空気案内路３７に供給する状態と、空気供給路６９を遮断する状態とに切り換える。したがって、この開閉弁７１は、突出面３３が接続面１４から離れているときに圧縮空気供給源４１と空気案内路３７との連通を遮断する。一方、接続面１４が突出面３３に突き当てられたときに、開閉弁７１は、軌道走行車１０の受圧機器に対して圧縮空気を供給するために、圧縮空気供給源４１と空気流入路１６とを空気案内路３７を介して連通させる。

【0036】

シリンダ孔６１内に設けられた給気ピストン６４により前進用の空気圧室７２と後退用の空気圧室７３が形成されており、前進用の空気圧室７２には前進用の空気供給路３９ａが接続され、後退用の空気圧室７３には後退用の空気供給路３９ｂが接続されている。両方の空気供給路３９ａ、３９ｂと圧縮空気供給源４１との間には流路切換弁５９が設けられている。流路切換弁５９を介して圧縮空気供給源４１の圧縮空気を後退用の空気圧室７３に供給すると、図５に示されるように、給気ピストン６４は後退限位置になる。一方、圧縮空気供給源４１の圧縮空気を前進用の空気圧室７２に供給すると、給気ピストン６４は前進限位置になり、給気ロッド３２ａの突出面３３は図５に示される位置よりも対向面２７の前方に突出する。

【0037】

このように、給気ピストン６４に給気ロッド３２ａ、３２ｂが設けられた形態においては、突出面３３の接続面１４への突出動作を、空気圧シリンダ２２のロッド２４に代えて給気ピストン６４により行うことができる。この空気供給ヘッド２６ｃは、両ロッド型の給気ピストン６４をシリンダ本体２８に配置することによって、簡単な構造により、突出面３３の位置決め機構を備えた圧縮空気供給装置の小型化が達成され、圧縮空気供給源４１からの空気圧によって軌道走行車１０内の受圧機器に圧縮空気を供給できるとともに、給気ロッド３２を突出駆動して給気ロッド３２ａに対して接続面１４に向かう押付力を加えることができる。ただし、空気圧シリンダ２２のロッド２４と突出ピストン５３の両方を駆動して突出面３３を接続面１４に押し付けることも可能である。

【0038】

接続面１４と突出面３３との間をシールする突き当てシール部材４６は、上述した形態と相違して、接続面１４に設けられている。つまり、接続面１４に形成された環状溝に突き当てシール部材４６が設けられている。上述したそれぞれの形態の空気供給ヘッド２７ａ、２７ｂにおいても、接続面１４に突き当てシール部材４６を設けるようにしてもよい。

【0039】

本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。圧縮空気供給装置２０は、軌道走行車１０の流入口１５を空気供給ヘッドの流出口３８の位置に移動させて、軌道走行車１０の受圧機器に圧縮空気を供給するようにしているが、軌道走行車１０に限られることなく、流入口１５を流出口３８の位置に位置決めすることかできれば、空気圧により作動する機器が搭載された移動する物体に対して圧縮空気を供給する場合であれば、どのようなものに対しても本発明を適用することができる。また、圧縮空気が供給される受圧機器としては、空気圧作動機器に対して圧縮空気を供給するためのエアタンクのみならず、空気圧作動機器を受圧機器としてこれに直接圧縮空気を供給するようにしてもよい。

【符号の説明】

【0040】

１０ 軌道走行車
１１ レール
１２ 車輪
１３ エアタンク
１４ 接続面
１５ 流入口
１６ 空気流入路
２０ 圧縮空気供給装置
２１ 支持部材
２６ａ～２６ｃ 空気供給ヘッド
２７ 対向面
２８ シリンダ本体
３１ ガイド孔
３２ 給気ロッド
３３ 突出面
３６ 開閉弁
３７ 空気案内路
３８ 流出口
３９ 空気供給路
４１ 圧縮空気供給源
４２ 連通路
５３ 突出ピストン
５４ 突出ロッド
５５ 先端面
６４ 給気ピストン
６９ 空気供給路
７１ 開閉弁

【図1】

【図2A】

【図2B】

【図3A】

【図3B】

【図4A】

【図4B】

【図5】

【手続補正書】

【提出日】2021-07-20

【手続補正1】

【補正対象書類名】特許請求の範囲

【補正対象項目名】請求項１

【補正方法】変更

【補正の内容】

【請求項1】

移動装置に搭載された空圧機器に当該空圧機器に連通する空気流入路の流入口から圧縮空気を供給する圧縮空気供給装置であって、
前記流入口が設けられた接続面に対向する対向面が設けられ、支持部材に装着される空気供給ヘッドと、
突出面が前記対向面よりも突出する突出位置と前記突出面が前記突出位置よりも後退する後退位置との間を往復動可能に前記空気供給ヘッドに配置される給気ロッドと、
前記給気ロッドに形成され、前記突出面に流出口が設けられた空気案内路と、
前記突出面が前記接続面から離れているときに圧縮空気供給源と前記空気案内路との連通を遮断し、前記接続面が前記突出面に突き当てられたときに前記圧縮空気供給源と空気流入路とを前記空気案内路を介して連通させる開閉弁と、
を有する圧縮空気供給装置。

【手続補正2】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】０００１

【補正方法】変更

【補正の内容】

【0001】

本発明は、移動装置に組み込まれた空圧機器に圧縮空気を供給するための圧縮空気供給装置に関する。

【手続補正3】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】０００２

【補正方法】変更

【補正の内容】

【0002】

工場内でのワークや被加工物を搬送するための自走式台車（ＡＧＶ）には、被加工物を把持するためのエアハンド等の空気圧アクチュエータや、空気圧アクチュエータを制御する空気圧制御機器が設けられたタイプのものがある。また、被加工物を移動したり、溶接作業等の各種の作業を行ったりする作業用ロボットには、ロボットアーム、エアハンドを駆動するための空気圧アクチュエータや、空気圧アクチュエータを制御する空気圧制御機器が設けられたタイプのものがある。自走式台車の上で空気圧アクチュエータや空気圧制御機器を使用する場合、空気圧縮機を設けるか、エアタンクを搭載し、外部から圧縮空気を供給しなければならない。空気圧アクチュエータや空気圧制御機器が組み込まれた自走式台車等の移動装置にエアタンクを設けると、空気圧アクチュエータや空気圧制御機器に対して圧縮空気を供給することができる。エアタンク内の圧縮空気の残量が低下した場合には、圧縮空気供給装置によりエアタンク内に圧縮空気が供給される。一方、エアタンクを備えていない移動装置には、空気圧アクチュエータや空気圧制御機器を作動させるときに、圧縮空気供給装置により圧縮空気が空気圧アクチュエータや空気圧制御機器に直接供給される。

【手続補正4】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】０００３

【補正方法】変更

【補正の内容】

【0003】

特許文献１は、自動車生産工場における無人搬送車に電気エネルギーと空気エネルギーとを供給するための供給装置を開示している。供給装置はガイドレールに案内されて無人搬送車に沿って移動自在であり、供給装置のコネクタには同期バーとガイド穴が設けられている。無人搬送車のコネクタには、同期バーが挿入される同期穴とガイド穴に挿入されるガイドバーが設けられている。さらに、無人搬送車のコネクタには供給装置の供給カプラからエアエネルギーを受給する受給カプラが設けられており、供給装置から無人搬送車にエアエネルギーを供給するときには、受給カプラが供給カプラに挿入される。受給カプラは、無人搬送車に搭載された空圧機器であるアキュムレータに接続されている。

【手続補正5】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】０００４

【補正方法】変更

【補正の内容】

【0004】

特許文献２は、作業ロボットが搭載された走行台車を、磁気テープの誘導により複数の作業ステーションに移動させるようにした作業システムを開示している。走行台車のアタッチメントにはエアが供給される雄カップリングと受電機器として磁気吸着型の端子コネクタとが設けられ、作業ステーションにガイドレールに沿って移動可能に設けられたスライドボックスには、エア供給用の雌カップリングと、給電機器として磁気吸着型の端子コネクタとが設けられている。スライドボックスを作業台車に向けて接近させることにより雄カップリングが雌カップリングに挿入され、作業台車に搭載された作業ロボットの空気圧アクチュエータや空気圧制御機器に対して圧縮空気が供給される。

【手続補正6】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】０００７

【補正方法】変更

【補正の内容】

【0007】

特許文献２に記載される作業システムにおいては、走行ロボットがスライドボックスを自身のアタッチメントに引き寄せることにより雌カップリングと雄カップリングとを接続してエア供給と信号接続とを行うようにしている。また、雌カップリングと雄カップリングとを分離する場合にも、走行ロボットがスライドボックスをアタッチメントから離脱させるようにしている。この作業システムにおいては、雌雄のカップリングの接続と分離とを、磁気テープにより誘導されるロボット操作により行うようにしており、ロボットを備えていない自走式台車においては、アタッチメントとスライドボックスとの位置決めや、磁石を引き離してスライドボックスを離脱させることはできない。また、自走式台車に空気圧縮機を搭載することも考えられるが、空気圧縮装置の重量が増して、自走式台車の蓄電池が消耗される。

【手続補正7】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】０００８

【補正方法】変更

【補正の内容】

【0008】

本発明の目的は、移動装置に組み込まれた空圧機器に対して、移動装置の蓄電池エネルギーを使うことなく、外部から圧縮空気を供給することができる簡単な構造の圧縮空気供給装置を提供することにある。

【手続補正8】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】０００９

【補正方法】変更

【補正の内容】

【0009】

本発明の圧縮空気供給装置は、移動装置に搭載された空圧機器に当該空圧機器に連通する空気流入路の流入口から圧縮空気を供給する圧縮空気供給装置であって、前記流入口が設けられた接続面に対向する対向面が設けられ、支持部材に装着される空気供給ヘッドと、突出面が前記対向面よりも突出する突出位置と前記突出面が前記突出位置よりも後退する後退位置との間を往復動可能に前記空気供給ヘッドに配置される給気ロッドと、前記給気ロッドに形成され、前記突出面に流出口が設けられた空気案内路と、前記突出面が前記接続面から離れているときに圧縮空気供給源と前記空気案内路との連通を遮断し、前記接続面が前記突出面に突き当てられたときに前記圧縮空気供給源と空気流入路とを前記空気案内路を介して連通させる開閉弁と、を有する。

【手続補正9】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】００１１

【補正方法】変更

【補正の内容】

【0011】

【図1】移動装置である軌道走行車とこれに設けられた空圧機器に対して圧縮空気を供給する圧縮空気供給装置の一例を示す斜視図である。

【図2A】軌道走行車が圧縮空気供給装置に接近した状態を示す正面図である。

【図2B】圧縮空気供給装置が軌道走行車に接触した状態を示す正面図である。

【図3A】一実施の形態である圧縮空気供給装置の空気供給ヘッドが軌道走行車に対向した状態を示す断面図である。

【図3B】圧縮空気供給装置の空気供給ヘッドが軌道走行車に突き当てられた状態を示断面図である。

【図4A】他の実施の形態である圧縮空気供給装置の空気供給ヘッドを示す断面図である。

【図4B】図４Ａに示した空気供給ヘッドから軌道走行車の空圧機器に圧縮空気を供給している状態を示す断面図である。

【図5】他の実施の形態である圧縮空気供給装置の空気供給ヘッドを示す断面図である。

【手続補正10】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】００１３

【補正方法】変更

【補正の内容】

【0013】

図１に示されるように、圧縮空気供給装置２０は、移動装置つまり移動物体としての軌道走行車１０に設けられた空圧機器に対して圧縮空気を供給するために適用される。軌道走行車１０はレール１１の上を走行する車輪１２を有し、車輪１２は軌道走行車１０の内部に組み込まれたバッテリを動力源とする電動モータにより駆動される。図２Ａおよび図２Ｂに示されるように、空圧機器としてのエアタンク１３が軌道走行車１０内に設けられており、エアタンク１３に注入された圧縮空気を駆動源とする空気圧アクチュエータや、空気圧アクチュエータを制御する空気圧制御機器が、他の空圧機器として軌道走行車１０に設けられる。空気圧アクチュエータとしては、被加工物を掴むチャックやハンドを駆動するためのシリンダや被加工物を吸着保持するバキュームカップ等である。空気圧制御機器としては、開閉弁や流路切換弁等である。ただし、空気圧アクチュエータや空気圧制御機器は図示省略されている。

【手続補正11】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】００１４

【補正方法】変更

【補正の内容】

【0014】

軌道走行車１０の側面の接続面１４には流入口１５が設けられており、流入口１５は図２Ａ、図２Ｂに示されるように、軌道走行車１０の内部に設けられた空気流入路１６を介して空圧機器としてのエアタンク１３に連通している。逆止弁１７が空気流入路１６に設けられており、逆止弁１７は流入口１５からエアタンク１３に向かう圧縮空気の流れを許容し、逆方向の流れを遮断する。

【手続補正12】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】００２０

【補正方法】変更

【補正の内容】

【0020】

給気ロッド３２の外周面とガイド孔３１の内周面との間は、給気ロッド３２の外周部に設けられたシール部材４５によりシールされる。給気ロッド３２の突出面３３と接続面１４との間は、給気ロッド３２の先端部に設けられた突き当てシール部材４６によりシールされる。したがって、図３Ｂに示されるように、給気ロッド３２の突出面３３が接続面１４に突き当てられて後退移動すると、ばね室３５と空気案内路３７とが連通路４２を介して連通状態となるとともに、突出面３３と接続面１４との間が突き当てシール部材４６によりシールされて、圧縮空気供給源４１から供給される圧縮空気が空気流入路１６を介して空圧機器としてのエアタンク１３に供給される。

【手続補正13】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】００３１

【補正方法】変更

【補正の内容】

【0031】

このように、給気ロッド３２が突出ロッド５４に組み込まれた形態においては、突出面３３の接続面１４への突出動作と押付動作を、空気圧シリンダ２２のロッド２４に代えて突出ピストン５３により行うことができる。この空気供給ヘッド２６ｂは、給気ロッド３２を突出ロッド５４の内部に同軸に配置することによって、圧縮空気供給源４１からの空気圧により給気ロッド３２を突出駆動することができるとともに、軌道走行車１０内の空圧機器に圧縮空気を供給できる。したがって、簡単な構造により、突出面３３の位置決め機構を備えた圧縮空気供給装置の小型化が達成される。ただし、空気圧シリンダ２２のロッド２４と突出ピストン５３の両方を駆動して突出面３３に接続面１４に対する押付力を加えるようにすることもできる。

【手続補正14】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】００３５

【補正方法】変更

【補正の内容】

【0035】

給気ロッド３２ａの端面は突出面３３であり、給気ロッド３２ｂの端面６８と突出面３３との間を空気案内路３７が貫通している。圧縮空気供給源４１に接続される空気供給路６９が給気ロッド３２ｂに接続されており、開閉弁７１が空気供給路６９に設けられている。開閉弁７１は、空気供給路６９を開放して圧縮空気供給源４１から吐出される圧縮空気を空気案内路３７に供給する状態と、空気供給路６９を遮断する状態とに切り換える。したがって、この開閉弁７１は、突出面３３が接続面１４から離れているときに圧縮空気供給源４１と空気案内路３７との連通を遮断する。一方、接続面１４が突出面３３に突き当てられたときに、開閉弁７１は、軌道走行車１０の空圧機器に対して圧縮空気を供給するために、圧縮空気供給源４１と空気流入路１６とを空気案内路３７を介して連通させる。

【手続補正15】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】００３７

【補正方法】変更

【補正の内容】

【0037】

このように、給気ピストン６４に給気ロッド３２ａ、３２ｂが設けられた形態においては、突出面３３の接続面１４への突出動作を、空気圧シリンダ２２のロッド２４に代えて給気ピストン６４により行うことができる。この空気供給ヘッド２６ｃは、両ロッド型の給気ピストン６４をシリンダ本体２８に配置することによって、簡単な構造により、突出面３３の位置決め機構を備えた圧縮空気供給装置の小型化が達成され、圧縮空気供給源４１からの空気圧によって軌道走行車１０内の空圧機器に圧縮空気を供給できるとともに、給気ロッド３２を突出駆動して給気ロッド３２ａに対して接続面１４に向かう押付力を加えることができる。ただし、空気圧シリンダ２２のロッド２４と突出ピストン５３の両方を駆動して突出面３３を接続面１４に押し付けることも可能である。

【手続補正16】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】００３９

【補正方法】変更

【補正の内容】

【0039】

本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。圧縮空気供給装置２０は、軌道走行車１０の流入口１５を空気供給ヘッドの流出口３８の位置に移動させて、軌道走行車１０の空圧機器に圧縮空気を供給するようにしているが、軌道走行車１０に限られることなく、流入口１５を流出口３８の位置に位置決めすることかできれば、空気圧により作動する機器が搭載された移動する物体に対して圧縮空気を供給する場合であれば、どのようなものに対しても本発明を適用することができる。また、圧縮空気が供給される空圧機器としては、空気圧アクチュエータや空気圧制御機器に対して圧縮空気を供給するためのエアタンクのみならず、空気圧アクチュエータや空気圧制御機器を空圧機器としてこれに直接圧縮空気を供給するようにしてもよい。