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特開2023-114454駐車軌道を動的に計画変更するための方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023114454
(43)【公開日】2023-08-17
(54)【発明の名称】駐車軌道を動的に計画変更するための方法
(51)【国際特許分類】
   B60W 30/06 20060101AFI20230809BHJP
【FI】
B60W30/06
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023015048
(22)【出願日】2023-02-03
(31)【優先権主張番号】10 2022 201 184.8
(32)【優先日】2022-02-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(71)【出願人】
【識別番号】322007626
【氏名又は名称】コンチネンタル・オートナマス・モビリティ・ジャーマニー・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【弁理士】
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【弁理士】
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100191835
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 真介
(74)【代理人】
【識別番号】100221981
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 大成
(72)【発明者】
【氏名】ユ・ヨンホ
(72)【発明者】
【氏名】ベネディクト・ヴァルトゥシュ
(72)【発明者】
【氏名】ヘンドリク・ドイシュ
(72)【発明者】
【氏名】ニコラス・シュタイン
【テーマコード(参考)】
3D241
【Fターム(参考)】
3D241BA22
3D241BB03
3D241CD02
3D241CE01
3D241CE05
3D241DB01Z
3D241DC31Z
3D241DC33Z
(57)【要約】      (修正有)
【課題】変化した駐車状況に対応でき、高い駐車快適性及び高いユーザアクセプト性を有する駐車軌道を動的に計画変更する方法を提供する。
【解決手段】第一ターゲットポジションZ1に向かう車両1のポジショニングにとって、駐車スペースに進入して初めて認識されるオブジェクトOは、邪魔であるが、車両が移動中にオブジェクトOと第三車両3との間にポジショニングされる第二ターゲットポジションZ2を設定して、第一駐車軌道P1から第二駐車軌道P2に計画変更する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下のステップを包含することを特徴とする、
少なくとも部分的に自動的に実施される駐車プロセス中、且つ、第一ターゲットポジション(Z1)へ第一駐車軌道上を車両(1)が移動している間に、車両(1)の第一駐車軌道(P1)を動的に計画変更するための方法:
- 第一駐車軌道(P1)上を車両(1)が移動している間に、第一駐車軌道(P1)の計画変更が必要であり、第一ターゲットポジション(Z1)とは異なる第二駐車軌道(P2)を用いて車両(1)を新しいターゲットポジション(Z2)へと導かれなければならなくなったと言う情報を受診するステップ(S10);
- 車両(1)の現在地(P)からは離れているが、第一駐車軌道(P1)上にある開始ポジション(A)から新しいターゲットポジション(Z2)へワンステップの駐車マヌーバによって到達できる第二駐車軌道(P2)を計画するステップ(S11)、但し、該第二駐車軌道(P2)は、様々な軌道タイプを包含している軌道ライブラリを基にして計画される、但し、該軌道タイプは、一本の、或いは、複数本の軌道セグメント(S1-S5)を包含している、但し、各軌道セグメント(S1-S5)は、直線、円弧セグメント、又は、クロソイドである、但し、該第二駐車軌道(P2)は、第一と第二駐車軌道(P1,P2)との間、並びに、第二駐車軌道(P2)の互いにつながっている軌道セグメント(S1-S5)間がそれぞれ連続したカーブ移行となる様に計画される;
- その間車両を停止させることなく、開始ポジション(A)までは第一駐車軌道(P1)に基づき、開始ポジション(A)から新しいターゲットポジション(Z2)までは第二駐車軌道(P2)に基づいて、ワンステップの駐車プロセスを実施するステップ(S12)。
【請求項2】
車両(1)の現在地(P)が、第二駐車軌道(P2)の計画プロセスの開始時の車両ポジション(P)であり、開始ポジション(A)は、第二駐車軌道(P2)の計画プロセスが、車両(1)が第一駐車軌道(P1)上を走行中に開始ポジション(A)に到達する前に、及び/或いは、車両(1)の制御手段が、カーブ前制御用に曲率値を使用する未来の時点に達する前に完了できるように、選択されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
駐車スペース(PL)へ車両(1)を進入させている間に、及び/或いは、車両(1)が少なくとも部分的に駐車スペース(PL)内に進入した車両ポジションにおいて、新しいターゲットポジション(Z2)が、得られることを特徴とする請求項1或いは2に記載の方法。
【請求項4】
軌道ライブラリの軌道タイプに基づいて、時間的に順々に、或いは、時間的に並行して第二駐車軌道(P2)の計画が実施されることを特徴とする先行請求項のうち何れか一項に記載の方法。
【請求項5】
第二駐車軌道(P2)の計画は、駐車状況、及び/或いは、第一ターゲットポジション(Z1)に対する新しいターゲットポジション(Z2)の相対的な位置を考慮することなく、軌道ライブラリの軌道タイプに基づいて実施されることを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項6】
駐車状況、及び/或いは、新しいターゲットポジション(Z2)の第一ターゲットポジション(Z1)に対する相対的な位置が評価され、評価結果に基づいて軌道タイプのシーケンス順位が、第二駐車軌道(P2)の計画を基にして時間的に順々に異なる軌道タイプを用いて作成されることを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項7】
該軌道ライブラリが、車両(1)の走行方向(FR)に、直線、クロソイド、及び、円弧セグメントの軌道セグメントが組み合わされている第一軌道タイプを包含していることを特徴とする先行請求項のうち何れか一項に記載の方法。
【請求項8】
該軌道ライブラリが、車両(1)の走行方向(FR)に、クロソイド、円弧セグメント、及び、クロソイドの軌道セグメントが組み合わされている第二軌道タイプを包含していることを特徴とする先行請求項のうち何れか一項に記載の方法。
【請求項9】
該軌道ライブラリが、車両(1)の走行方向(FR)に、第一半径を有する円弧セグメント、クロソイド、及び、第二半径を有する円弧セグメントの軌道セグメントが組み合わされている、但し、第一及び第二半径は異なっている、第三軌道タイプを包含していることを特徴とする先行請求項のうち何れか一項に記載の方法。
【請求項10】
該軌道ライブラリが、車両(1)の走行方向(FR)に、円弧セグメント、クロソイド、直線、クロソイド、及び、円弧セグメントの軌道セグメントが組み合わされている第四軌道タイプを包含していることを特徴とする先行請求項のうち何れか一項に記載の方法。
【請求項11】
該駐車プロセスが、斜め駐車プロセス、或いは、直角駐車プロセスであることを特徴とする先行請求項のうち何れか一項に記載の方法。
【請求項12】
第一及び第二駐車軌道(P1,P2)を合わせて10m未満の長さを有していることを特徴とする先行請求項のうち何れか一項に記載の方法。
【請求項13】
第二駐車軌道(P2)が4m未満の長さを有していることを特徴とする先行請求項のうち何れか一項に記載の方法。
【請求項14】
第一及び第二駐車軌道(P1,P2)をトレース中の車両(1)の速度は、0.2m/sから3m/sの間であることを特徴とする先行請求項のうち何れか一項に記載の方法。
【請求項15】
演算ユニット(2)を包含するドライバーアシストシステムであって、少なくとも部分的に自動的に実施される駐車プロセス中、且つ、第一ターゲットポジション(Z1)へ第一駐車軌道(P1)上を車両(1)が移動している間に、車両(1)の第一駐車軌道(P1)を動的に計画変更するための、以下のステップを実施できるように該演算ユニット(2)が構成されていることを特徴とするドライバーアシストシステム:
- 第一駐車軌道(P1)上を車両(1)が移動している間に、第一駐車軌道(P1)の計画変更が必要であり、第二駐車軌道(P2)を用いて車両(1)を新しいターゲットポジション(Z2)へと導かれなければならなくなったと言う情報を受診するステップ;
- 車両(1)の現在地(P)からは離れているが、第一駐車軌道(P1)上にある開始ポジション(A)から新しいターゲットポジション(Z2)へワンステップの駐車マヌーバによって到達できる第二駐車軌道(P2)を計画するステップ、但し、該第二駐車軌道(P2)は、様々な軌道タイプを包含している軌道ライブラリを基にして計画される、但し、該軌道タイプは、一本の、或いは、複数本の軌道セグメント(S1-S5)を包含している、但し、各軌道セグメント(S1-S5)は、直線、円弧セグメント、又は、クロソイドである、但し、該第二駐車軌道(P2)は、第一と第二駐車軌道(P1,P2)との間、並びに、第二駐車軌道(P2)の互いにつながっている軌道セグメント(S1-S5)間がそれぞれ連続したカーブ移行となる様に計画される;
- その間車両(1)を停止させることなく、開始ポジション(A)までは第一駐車軌道(P1)に基づき、開始ポジション(A)から新しいターゲットポジション(Z2)までは第二駐車軌道(P2)に基づいて、ワンステップの駐車プロセスを実施するステップ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも部分的に自動的に実施される駐車プロセス用の駐車軌道を動的に計画変更するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の技術では、駐車軌道を計画する方法は、既知である。特に、円弧セグメント、直線、及び/或いは、クロソイドを組み合わせることによって駐車スペース内にあるターゲットポジションに到達する駐車軌道を割り出す幾何学的計画方法が複数既知である。
【0003】
少なくとも部分的に自動的な駐車プロセスの実施中、車両のドライバーアシストシステムから提供される周辺モデルには、変化が起こり得る。周辺モデルの変化には、様々な原因があるが、例えば、周辺捕捉が、駐車プロセス中は、速度が(駐車スペースを通過した際の捕捉と比較して)低く、より正確であり、駐車スペースに進入した際、駐車スペースを通過した際には、車両のセンサ手段によって認識されなかった新しい周辺詳細が、捕捉される、及び/或いは、例えば、駐車スペースの縁に入ってきた歩行者による、周辺状況の経時変化などが挙げられる。
【0004】
要するに、前もって割り出した駐車軌道は、接触無しに実施できなくなっていることもあり得る。
【0005】
従来の技術より既知な駐車アシストシステムは、この様な状況においては、駐車プロセスを、少なくとも、車両を停止し、接触無しに到達できる第二ターゲットポジションへの代案的駐車軌道が算出されるが、これには、多くのケースにおいて、切り返しが必要となる、即ち、車両は、ワンステップではなく、複数のステップを必要とする駐車軌道を走行することになる。
【0006】
この様な計画変更は、搭乗者から、快適でないと感じられる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
これを起点とした本発明の課題は、変化した駐車状況に対応でき、且つ、高い駐車快適性及び高いユーザアクセプト性を有する駐車軌道を動的に計画変更するための方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この課題は、独立請求項1記載の特徴を持つ方法によって達成される。好ましい実施形態は、従属請求項の対象である。車両の駐車軌道を動的に計画変更するドライバーアシストシステムは、並列独立請求項15の対象である。
【0009】
第一アスペクトによれば、本発明は、少なくとも部分的に自動的に実施される駐車プロセス中、且つ、第一ターゲットポジションへ第一駐車軌道上を車両が移動している間に、車両の第一駐車軌道を動的に計画変更するための方法に関する。本方法は、以下のステップを包含している:
【0010】
先ず、第一駐車軌道上を車両が移動している間、駐車プロセスのために計画された第一駐車軌道の計画変更が必要か否かに関する情報が受信される。例えば、該情報は、車両周りの周辺領域の周辺モデルを生成するコンポーネントなどの、該車両のドライバーアシストシステムのコンポーネントから提供されることができる。
該情報は、該車両は、第一ターゲットポジションとは異なる新しいターゲットポジションへと動くべきであると言うことも示し得る。
【0011】
この場合、車両の現在地からは離れているが第一駐車軌道上にはある開始ポジションから新しいターゲットポジションへのワンステップの駐車マヌーバを実施できる第二駐車軌道が計画される。第二駐車軌道は、複数の異なる軌道タイプを含む軌道ライブラリに基づいて計画される。これらの軌道タイプは、一つの、或いは、複数の軌道セグメントを包含しているが、一つの軌道セグメントは、直線、円弧セグメント、或いは、クロソイドである。言い換えれば、軌道ライブラリは、特に好ましくは、多数の異なる軌道タイプが保存されている軌道リストである。軌道ライブラリは、例えば、車両の中央制御手段上に保存されている。そこに全ての軌道セグメントが効率的に用意される軌道ライブラリを用いることにより、少ない計算量、堅牢、且つ、短い反応時間において、第二駐車軌道の保証された計画が達成される。
【0012】
第二駐車軌道は、第一及び第二駐車軌道との間、及び、それぞれに続く第二駐車軌道の軌道セグメント間が、各々連続的なカーブ移行となる様に計画される。加えて、該第二駐車軌道は、第一及び第二駐車軌道との間、及び、それぞれに続く軌道セグメント間が、連続的な速度プロファイルとなる様に計画されることが好ましい。
【0013】
第二駐車軌道の割出し後、ワンステップの駐車プロセスが、その間車両を停止させることなく、開始ポジションまでは第一駐車軌道に基づき、開始ポジションからターゲットポジションまでは第二駐車軌道に基づいて、実施される。
【0014】
本発明に係る方法の技術的長所は、搭乗者にとって快適な、ワンステップで、即ち、車両を停止したり、切り返ししたりすることなく実施可能な、駐車軌道の計画変更である。加えて、軌道ライブラリを用いることにより、少ない計算負荷において、且つ、ユーザが想定できる、即ち、自動化された駐車プロセスが搭乗者にとって自然であると感じ得る、軌道ルートを有する第二駐車軌道の算出が可能になる。
【0015】
ある実施例によれば、車両の現在地は、第二駐車軌道の計画プロセスを開始する車両ポジションである。該開始ポジションは、第二駐車軌道の計画プロセスを、第一駐車軌道上における車両が、開始ポジションに到達する前に、及び/或いは、車両の制御手段が、カーブ前制御用に曲率値を使用する未来の時点に達する前に完了できるように、選択される。カーブ前制御を担う制御手段は、例えば、第一駐車軌道の複数の曲率値を、軌道の急激な変化が、望まれない帰還制御挙動につながることを回避するために車両制御のために用いるが、そのためには、開始ポジションは、第二駐車軌道において変化した曲率値を、制御手段が、逐次的に、カーブ前制御において考慮するのに十分な時間を有することができる様に選択されなければならない。
【0016】
ある実施例によれば、駐車スペースへ車両を進入させている間に、及び/或いは、車両が少なくとも部分的に駐車スペース内に進入した車両ポジションにおいて、駐車軌道の計画変更のための情報が、及び/或いは、新しいターゲットポジションが、得られる。要するに、計画変更のための情報を受信した時点において、第一駐車軌道の一部を既に通過している。
【0017】
ある実施例によれば、軌道ライブラリの軌道タイプに基づいて、時間的に順々に、或いは、時間的に並行して第二駐車軌道の計画が実施される。計算ユニットの計算キャパシティに余裕がある場合、複数の第二駐車軌道の計画を並行して実施することができる。その際、軌道タイプ毎に、それぞれ少なくとも一つの軌道計画が、実施される。これにより、時間的効率よく、軌道ライブラリの各々の軌道タイプ用に、該軌道タイプに基づいて、新しいターゲットポジションへの第二駐車軌道を見つけることができるか否かを割り出すことができる。
【0018】
代案的には、検証は、シーケンシャルに、即ち、軌道ライブラリの各々の軌道タイプ毎に、時間的に順々に、該軌道タイプに基づいて、新しいターゲットポジションへの第二駐車軌道を見つけることができるか否かが検証される。
【0019】
ある実施例によれば、第二駐車軌道の計画は、駐車状況、及び/或いは、第一ターゲットポジションに対する新しいターゲットポジションの相対的な位置を考慮することなく、軌道ライブラリの軌道タイプに基づいて実施される。言い換えれば、新しいターゲットポジションにどの軌道タイプを用いると最善に到達できるのかと各々の駐車状況に依存して決断されるのではなく、第二駐車軌道が見つかるまで、複数の軌道タイプが、時間的に並行して、或いは、時間的に順々に、第二駐車軌道を割り出すために、使用される。
【0020】
ある実施例によれば、駐車状況、及び/或いは、新しいターゲットポジションの第一ターゲットポジションに対する相対的な位置が評価され、評価結果に基づいて軌道タイプのシーケンス順位が、第二駐車軌道の計画を基にして時間的に順々に異なる軌道タイプを用いて作成される。計画は、例えば、ある一つの軌道タイプに基づいて第二駐車軌道が発見された時点において終了される。この様にすることで、駐車状況に応じて、目的に適った軌道計画が実施できる。
【0021】
ある実施例によれば、軌道ライブラリは、車両の走行方向に、直線、クロソイド、及び、円弧セグメントの軌道セグメントが組み合わされている第一軌道タイプを包含している。この軌道セグメントは、直接的に互いにつながっている。
【0022】
ある実施例によれば、軌道ライブラリは、車両の走行方向に、クロソイド、円弧セグメント、及び、クロソイドの軌道セグメントが組み合わされている第二軌道タイプを包含している。この軌道セグメントも、直接的に互いにつながっている。
【0023】
ある実施例によれば、軌道ライブラリは、車両の走行方向に、第一半径を有する円弧セグメント、クロソイド、及び、第二半径を有する円弧セグメントの軌道セグメントが組み合わされている、但し、第一及び第二半径は異なっている、第三軌道タイプを包含している。この軌道セグメントも、直接的に互いにつながっている。
【0024】
ある実施例によれば、軌道ライブラリは、車両の走行方向に、円弧セグメント、クロソイド、直線、クロソイド、及び、円弧セグメントの軌道セグメントが組み合わされている第四軌道タイプを包含している。この軌道セグメントも、直接的に互いにつながっている。第四軌道タイプにより、S字状の駐車軌道を得ることができる。
【0025】
ある実施例によれば、該駐車プロセスは、斜め駐車プロセス、或いは、直角駐車プロセスである。この様な駐車プロセスでは、駐車区画が深く、駐車スペースの通過時の駐車状況の第一捕捉が頻繁に不十分であり、少なくとも部分的に駐車スペースに進入した際に、周辺モデルの更新が実施され、第一駐車軌道の計画変更が必要となることが特徴である。
【0026】
ある実施例によれば、第一及び第二駐車軌道を合わせて10m未満の長さを有している。この様に駐車軌道の全長は、比較的短いため、車両が動いている場合、軌道ライブラリを用いた迅速且つ時間効率の良い駐車軌道の計画変更が必要となる。
【0027】
ある実施例によれば、第二駐車軌道は、4m未満である。第二駐車軌道が短いにもかかわらず、軌道ライブラリの軌道タイプを用いれば、駐車軌道の動的な計画変更が可能である。
【0028】
ある実施例によれば、第一及び第二駐車軌道をトレース中の車両の速度は、0.2m/sから3m/sの間である。車両が低速であるため、第二駐車軌道は、比較的小さなカーブ半径を有することができ、第二駐車軌道が短いにもかかわらず、新しいターゲットポジションに到達することができる。
【0029】
ある更なるアスペクトによれば、本発明は、少なくとも部分的に自動的に実施される駐車プロセス中、且つ、第一ターゲットポジションへ第一駐車軌道上を車両が移動している間に、車両の第一駐車軌道を動的に計画変更するための演算ユニットを備えたドライバーアシストシステムに関する。該演算ユニットは、以下のステップを実施できる様に構成されている:
- 第一駐車軌道上を車両が移動している間に、第一駐車軌道の計画変更が必要であり、第二駐車軌道を用いて車両を新しいターゲットポジションへと導かれなければならなくなったと言う情報を受診するステップ;
- 車両の現在地からは離れているが、第一駐車軌道上にある開始ポジションから新しいターゲットポジションへワンステップの駐車マヌーバによって到達できる第二駐車軌道を計画するステップ、但し、該第二駐車軌道は、様々な軌道タイプを包含している軌道ライブラリを基にして計画される、但し、該軌道タイプは、一本の、或いは、複数本の軌道セグメントを包含している、但し、各軌道セグメントは、直線、円弧セグメント、又は、クロソイドである、但し、該第二駐車軌道は、第一と第二駐車軌道との間、並びに、第二駐車軌道の互いにつながっている軌道セグメント間がそれぞれ連続したカーブ移行となる様に計画される;
- その間車両を停止させることなく、開始ポジションまでは第一駐車軌道に基づき、開始ポジションから新しいターゲットポジションまでは第二駐車軌道に基づいて、ワンステップの駐車プロセスを実施するステップ;
【0030】
本発明に係る「軌道ライブラリ」とは、複数の軌道タイプのセットであると解釈できるが、該軌道タイプは、異なる形状を有しており、それにより、様々な計画変更シチュエーションに適している。該軌道ライブラリを用いることにより、駐車軌道の算出を回避することができる。
【0031】
本発明の発展形態、長所、及び、応用範囲は、実施例と図面に関する以下の説明によって示される。その際、全ての記述されている、及び/或いは、図示されている特徴は、それぞれにおいて、並びに、任意な組み合わせにおいて、各請求項、或いは、その参照元との組み合わせからは独立して、本発明の対象である。尚、請求項の内容も明細書の構成要素とする。
【0032】
以下本発明を、図面と実施例に基づいて詳しく説明する。図の説明:
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1図1は、駐車スペース内にオブジェクトがあるために駐車軌道の計画変更が必要となった直角駐車プロセスの模式的な描写例であり、
図2図2は、元来計画されていた第一駐車軌道と、車両の第一ターゲットポジションの代わりに、新しいターゲットポジションへ到達するための第二駐車軌道を有する駐車状況の模式的な描写例であり、
図3図3は、第二駐車軌道を計画するために用いることができる第一軌道タイプの模式的な描写例であり、
図4図4は、第二駐車軌道を計画するために用いることができる第二軌道タイプの模式的な描写例であり、
図5図5は、第二駐車軌道を計画するために用いることができる第三軌道タイプの模式的な描写例であり、
図6図6は、第二駐車軌道を計画するために用いることができる第四軌道タイプの模式的な描写例であり、
図7図7は、計画方法を実施するためのステップを図解するフローチャート例であり、そして、
図8図8は、第一駐車軌道の動的に計画変更するための方法の方法ステップを明確にする、ブロック図の例である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
本発明は、車両が、ドライバーアシストシステム、特に、駐車アシストシステムによって第一駐車軌道上を移動している間に、該車両の駐車軌道を動的に計画変更するための方法に関する。ここで言う「動的な計画変更」とは、車両が、計画変更中も、第一駐車軌道上を動いており、新しいターゲットポジションを有する、変化した車両の周辺状況を考慮した第二駐車軌道の割出し後は、第二駐車軌道に沿って車両が継続的に走行することを意味している。尚、この際、第一及び第二駐車軌道間において、連続的な移行が実施されることが好ましい。計画変更のトリガは、例えば、車両のセンサ手段によって、駐車状況が変化し、車両が、新しいターゲットポジションへ向かわなければならないことが認識された場合に、車両の演算ユニットによって、自動的に生成されることができる。この様な駐車状況の変化とは、例えば、現在の駐車プロセスによって駐車されるべき駐車スペースが、拡張した乃至縮小した場合、当初認識されていなかったオブジェクトが、駐車スペースを制限している場合、或いは、駐車スペースの向きを当初誤って想定していた場合などである。
【0035】
図1は、車両の元々の走行方向FRに対して垂直な駐車スペースPLに後進して駐車(垂直駐車プロセス)しようとしている車両1の駐車プロセスを模式的に例示している。該駐車スペースは、例えば、示されている実施例では、第三車両3,4であるオブジェクトによって両側が制限されている。ここでは、少なくとも半自動的に実施される駐車プロセス、即ち、駐車アシストシステムが、駐車軌道の計画と駐車プロセス中、少なくとも部分的に車両1の制御を担当することが想定されている。
【0036】
駐車スペースPLの前を車両1が通過する際、該駐車スペースPLは、車両のセンサ手段によって捕捉され、車両1に設けられている演算ユニット2により、駐車スペース周辺のモデルが作成され、これを基に、軌道計画が実施される。この様に、第一駐車軌道が作成され、これを基に、車両は、第一ターゲットポジションZ1へと導かれる。車両1の該センサ手段は、例えば、以下のセンサタイプから一つの、或いは、複数のセンサを有していることができる:超音波センサ、カメラ、レーダセンサ、ライダセンサ。
【0037】
駐車スペースPL前を通過する車両1の速度、及び/或いは、駐車スペースPLに対する車両1の間隔に応じて、駐車軌道が、実際の駐車状況にそぐわない周辺モデルの足側において計画されることもあり得る。要するに、図1に示されている実施例では、第一ターゲットポジションに向かう車両1のポジショニングにとって邪魔であり、第一駐車軌道P1を、第二駐車軌道P2に計画変更せざるを得なくするオブジェクトOは、駐車スペースに進入して初めて認識されることができる。
【0038】
第二駐車軌道P2を用いれば、車両1は、第一ターゲットポジションZ1とは異なる第二ターゲットポジションZ2へと運転されることができる。示されている実施例では、第二ターゲットポジションZ2は、第一ターゲットポジションZ1に対して横方向にシフトしており、車両1は、オブジェクトOと接触することなく、オブジェクトOと第三車両3との間にポジショニングされる。
【0039】
第二駐車軌道P2は、第一及び第二駐車軌道P1,P2の移行部が連続的、特に好ましくは、連続的なカーブ移行ととなるように算出される。加えて、第二駐車軌道P2は、車両1が移動している間に計算され、該第二駐車軌道P2は、第一駐車軌道P1上にある開始ポジションからスタートし、車両1の連続的な動きにおいて、駐車スペース内へ、停止したり、切り返ししたりすることなく導かれることを可能にする。
【0040】
図2は、第一及び第二駐車軌道P1,P2をつないだ全駐車軌道をより詳しく示しているが、これを基に、第一駐車軌道の動的な計画変更の方法を更に説明する。
【0041】
上述の如く第一駐車軌道P1は、駐車プロセスを始める前に作成された周辺モデルを基に生成される。駐車プロセスの開始後、車両1が、ドライバーアシストシステムによって、第一駐車軌道P1上を動いている時に、車両1が、第一ターゲットポジションZ1ではなく、それとは異なる新しいターゲットポジションZ2へと導かれるべき、或いは、そこへと導かれなければならなくなったために駐車軌道の計画変更が必要であると言う情報が受信される。この情報を受信した時点に車両がある位置は、図2では、符号P1Aで示されている。
【0042】
この情報を基に、車両1の演算ユニット2、第二駐車軌道P2が算出される。第二駐車軌道P2の計算に計算時間が必要であるが、車両1の動きは、中断されない様にしたいため、即ち、該車両は、駐車軌道の計画変更を要求する情報を受信後も、走行し続けるようにしたいため、第一駐車軌道P1上の位置P1Aと新しいターゲットポジションP2の間にある第二駐車軌道P2を開始する開始ポジションAが選択される。車両1は、継続的に第一駐車軌道P1上を、開始ポジションAに到達するまで動き続ける。この開始ポジションAから車両1は、第二駐車軌道P2上を新しいターゲットポジションZ2へ導かれることができる。
【0043】
この際、第二駐車軌道P2は、開始ポジションAにおいて、連続的なカーブ推移を有する連続的な軌道移行部となる様に選択される。
【0044】
該第二駐車軌道P2は、(既知の汎用的な計画方法とは異なる)幾何学的な計画方法によって割り出されることが好ましい。該第二駐車軌道P2は、複数の軌道セグメントから構成されている。該軌道セグメントは、直線、円弧セグメント、或いは、クロソイドであることができる。該第二駐車軌道P2は、この際、走行方向FRに向かって直接的につながっている複数の軌道セグメントから構成されている、即ち、これらの軌道セグメントがつながることにより、一本の第二駐車軌道P2を得、これを用いることにより、車両は、連続的なカーブ推移において開始ポジションから第二ターゲットポジションZ2へ走行することができる。
【0045】
僅かな計算負荷で第二駐車軌道P2を割り出すことができるように、様々な軌道タイプを包含している軌道ライブラリが使用される。ここで言う「軌道タイプ」とは、予め定められている軌道セグメントの一定のシーケンスのことを示している。これらの軌道セグメントは、それぞれ、直線、円弧セグメント、或いは、クロソイドであることができるが、各々軌道セグメントの推移や長さは、状況に応じて調整されることができる。軌道ライブラリからは、これらを用いることによって、第一から第二駐車軌道P1,P2への連続的な移行、即ち、新しいターゲットポジションへ、ワンステップな駐車プロセスによって、要するに、切り返しすることなく、到達できる第二駐車軌道P2を割り出すことを試行できる軌道タイプのセットが、提供される。
【0046】
図3から6は、それらを用いて第二駐車軌道P2を割出すことができる複数の軌道タイプを模式的に例示している。
【0047】
図3に示されている第一軌道タイプは、三つの軌道セグメントから構成されているが、走行方向に向かって、第一軌道セグメントS1は、直線、第二軌道セグメントS2は、クロソイド、そして、第三軌道セグメントS3は、円弧セグメントである。クロソイド(軌道セグメントS2)により、軌道セグメントS1とS3との間の連続的なカーブ移行が達成されている。
【0048】
図4に示されている第二軌道タイプも、三つの軌道セグメントから構成されているが、走行方向に向かって、第一軌道セグメントS1は、第一クロソイド、第二軌道セグメントS2は、円弧セグメント、そして、第三軌道セグメントS3は、第二クロソイドである。第一クロソイドによれば、前置の第一駐車軌道P1のセクションから円弧セグメントへの曲率調整を該クロソイドが担うことで、第二軌道セグメントS2への連続的なカーブ移行が達成される。第二クロソイドによれば、その向きを調整することで、新しいターゲットポジションZ2において、望まれる向きになる様に、車両を、新しいターゲットポジションZ2へと導くことができる。
【0049】
図5に示されている第三軌道タイプも、三つの軌道セグメントから構成されているが、走行方向に向かって、第一軌道セグメントS1は、第一半径を有する第一円弧セグメント、第二軌道セグメントS2は、クロソイド、そして、第三軌道セグメントS3は、第二半径を有する第二円弧セグメントである。第一及び第二半径は、異なっており、双方の円弧セグメントをつないでいるクロソイドは、第一円弧セグメントから第二円弧セグメントへのカーブ移行が連続的となる様に選択される。
【0050】
図6に示されている第四軌道タイプは、S字状の第二駐車軌道を可能にするために、五つの軌道セグメントS1-S5から構成されている。走行方向FRに向かって、第一軌道セグメントS1は、第一半径を有する第一円弧セグメント、第二軌道セグメントS2は、第一クロソイド、第三軌道セグメントS3は、直線、第四軌道セグメントS4は、第二クロソイド、そして、第五軌道セグメントS3は、第二半径を有する第二円弧セグメントである。第一及び第二円弧セグメント、並びに、第一及び第二クロソイドは、対象に選択されている、即ち、同じ長さ、同じ半径、乃至、同じカーブ推移を有していることも可能である。第一及び第二円弧セグメントと第一及び第二クロソイドが対称な場合、車両1は、道程2d分、横方向にシフトされるが、この場合、各々、通過した第二駐車軌道P2の半分毎に道程d分の横方向シフトが発生する。代案的には、第一及び第二円弧セグメント、並びに、第一及び第二クロソイドは、非対称に選択されていても良い。
【0051】
幾何学的な計画方法により、各々の軌道セグメントの長さ、半径、及び、カーブ推移は、開始ポジションから第二ターゲットポジションZ2へ、ここの軌道セグメントが、直接的に互いにつながり、連続的なカーブ推移を有する第二駐車軌道P2が得られる様に選択される。
【0052】
図7は、第二駐車軌道P2の計画の方法ステップ例をより明確にするフローチャートを示している。
【0053】
先ず、計画変更情報が、受信される(S1)。この計画変更情報が、周辺モデルが変化したため、第一ターゲットポジションZ1への駐車プロセスを終了できないことを示している。該計画変更情報は、第一ターゲットポジションZ1の代わりになるべき新しいターゲットポジションZ2の情報を包含していることができる。
【0054】
続いて、第一駐車軌道P1上の車両1の現在地Aと第一ターゲットポジションZ1との間において、開始ポジションAが割出される。
【0055】
この開始ポジションAを起点に、新しいターゲットポジションZ2への第二駐車軌道P2が、計画される(S2)。該計画は、幾何学的な計画方法を用いて、複数の異なる軌道タイプを包含している軌道ライブラリを基に実施される。その際、個々の軌道タイプは、時間的に並行して、或いは、時間的に順々に、車両1の現在地Aと第一ターゲットポジションZ1との間に第二駐車軌道P2を見つけることが可能か否か、即ち、第一駐車軌道P1から開始ポジションAまで、並びに、該開始ポジションAから新しいターゲットポジションZ2までの第二駐車軌道P2からなる全軌道上を、連続的なカーブでワンステップに走破できるかが、確認される。
【0056】
個々の軌道タイプの回帰的な検証の際は、前もって、駐車状況が割り出され、これに応じて個々の軌道タイプの試行順序が、選択される。
【0057】
続いて、それを用いることで、開始ポジションAから新しいターゲットポジションZ2へワンステップで到達できる第二駐車軌道P2を、見つけることができるか否かが検証される(S3)。
【0058】
見つけることができる場合は、駐車プロセスは、開始ポジションAに至るまでは第一駐車軌道P1に基づいて、開始ポジションAから新しいターゲットポジションZ2までは、第二駐車軌道P2に基づいて実施される(S4)。
【0059】
しかしながら、ステップS3において第二駐車軌道P2を割出すことができなかった場合は、ステップS5において、中止条件に達したか否かが、検証される。該中止条件は、例えば、第二駐車軌道P2を割出すために既に実施された試行の回数であることができる。
【0060】
中止条件に達していない場合は、ステップS6において、開始ポジションAが変更される。この場合、該開始ポジションは、走行方向FRへ、或いは、走行方向FRとは逆方向へ、車両1の現在地と開始ポジションAとの間隔が、第二駐車軌道を算出するために十分となるまで、シフトされる。
【0061】
開始ポジションAの変更後、改めてステップS2が、要するに、新しい開始ポジションから新しいターゲットポジションZ2に到達できる第二駐車軌道P2を割出す試行が、実施される。
【0062】
ステップS5において、中止条件に達したことが確定した場合、ステップS7では、それを用いて新しいターゲットポジションZ2に到達できる複数ステップの駐車軌道が割出される。
【0063】
前述の方法は、好ましくは、直角乃至斜め駐車状況に適している。駐車軌道の全長(即ち、駐車プロセスの開始地点から開始ポジションAへの到達までの第一駐車軌道P1と開始ポジションAから新しいターゲットポジションZ2までの第二駐車軌道P2の合計)は、10m未満であることが好ましい。第二駐車軌道Z2の長さは、好ましくは、5m未満、特に好ましくは、4m未満である。即ち、駐車軌道の全長、及び、特に第二駐車軌道P2の長さは、短いものである。第一及び/或いは、第二駐車軌道P1,P2をトレース中の車両1の速度は、好ましくは、3m/s未満、より好ましくは、1.5m/s未満、特に好ましくは、0.2m/sから1.5m/sの間である。車両速度が低速であるため、ワンステップな第二駐車軌道によって、停車することなく、或いは、切り返しすることなく、第二ターゲットポジションZ2に到達するために、カーブ半径が小さい駐車軌道も選択できる。
【0064】
図8は、少なくとも半自動的に実施されている駐車プロセス中における第一駐車軌道を動的に計画変更するための方法の流れを図解する概略的なブロック図を示している。
【0065】
第一駐車軌道上を車両が移動している間に、第一駐車軌道の計画変更が必要である、即ち、車両は、第二駐車軌道によって、第一ターゲットポジションとは異なる新しいターゲットポジションへと導かれなければならなくなったと言う情報が受信された(S10)。
【0066】
これに基づいて、車両の現在地からは離れているが第一駐車軌道上にはある開始ポジションから新しいターゲットポジションへのワンステップの駐車マヌーバを実施できる第二駐車軌道が計画される。第二駐車軌道は、複数の異なる軌道タイプを含む軌道ライブラリに基づいて計画されるが、該軌道タイプは、一つの、或いは、複数の軌道セグメントを包含している。その際、各軌道セグメントは、直線、円弧セグメント、或いは、クロソイドであることができる。該第二駐車軌道は、第一及び第二駐車軌道との間、及び、それぞれに続く第二駐車軌道の軌道セグメント間が、各々連続的なカーブ移行となる様に計画される(S11)。
【0067】
最後に、その間車両を停止させることなく、開始ポジションまでは第一駐車軌道に基づき、開始ポジションから新しいターゲットポジションまでは第二駐車軌道に基づいて、ワンステップの駐車プロセスが実施される(S12)。
【0068】
本発明は、上記実施例によって説明された。しかしながら、特許請求項に定義されている請求範囲を逸脱することなく、数多くの変更やヴァリエーションが可能であることは、言うまでも無いことである。
【符号の説明】
【0069】
1 車両
2 演算ユニット
3 第三車両
4 第三車両
A 開始ポジション
FR 走行方向
O オブジェクト
P 現在地
P1 第一駐車軌道
P2 第二駐車軌道
PL 駐車スペース
S1-S5 軌道セグメント
Z1 第一ターゲットポジション
Z2 新しいターゲットポジション
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【手続補正書】
【提出日】2023-02-03
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0068
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0068】
本発明は、上記実施例によって説明された。しかしながら、特許請求項に定義されている請求範囲を逸脱することなく、数多くの変更やヴァリエーションが可能であることは、言うまでも無いことである。
なお、本願は、特許請求の範囲に記載の発明に関するものであるが、他の観点として以下も含む。
1.
以下のステップを包含することを特徴とする、
少なくとも部分的に自動的に実施される駐車プロセス中、且つ、第一ターゲットポジション(Z1)へ第一駐車軌道上を車両(1)が移動している間に、車両(1)の第一駐車軌道(P1)を動的に計画変更するための方法:
- 第一駐車軌道(P1)上を車両(1)が移動している間に、第一駐車軌道(P1)の計画変更が必要であり、第一ターゲットポジション(Z1)とは異なる第二駐車軌道(P2)を用いて車両(1)を新しいターゲットポジション(Z2)へと導かれなければならなくなったと言う情報を受診するステップ(S10);
- 車両(1)の現在地(P)からは離れているが、第一駐車軌道(P1)上にある開始ポジション(A)から新しいターゲットポジション(Z2)へワンステップの駐車マヌーバによって到達できる第二駐車軌道(P2)を計画するステップ(S11)、但し、該第二駐車軌道(P2)は、様々な軌道タイプを包含している軌道ライブラリを基にして計画される、但し、該軌道タイプは、一本の、或いは、複数本の軌道セグメント(S1-S5)を包含している、但し、各軌道セグメント(S1-S5)は、直線、円弧セグメント、又は、クロソイドである、但し、該第二駐車軌道(P2)は、第一と第二駐車軌道(P1,P2)との間、並びに、第二駐車軌道(P2)の互いにつながっている軌道セグメント(S1-S5)間がそれぞれ連続したカーブ移行となる様に計画される;
- その間車両を停止させることなく、開始ポジション(A)までは第一駐車軌道(P1)に基づき、開始ポジション(A)から新しいターゲットポジション(Z2)までは第二駐車軌道(P2)に基づいて、ワンステップの駐車プロセスを実施するステップ(S12)。
2.
車両(1)の現在地(P)が、第二駐車軌道(P2)の計画プロセスの開始時の車両ポジション(P)であり、開始ポジション(A)は、第二駐車軌道(P2)の計画プロセスが、車両(1)が第一駐車軌道(P1)上を走行中に開始ポジション(A)に到達する前に、及び/或いは、車両(1)の制御手段が、カーブ前制御用に曲率値を使用する未来の時点に達する前に完了できるように、選択されることを特徴とする上記1に記載の方法。
3.
駐車スペース(PL)へ車両(1)を進入させている間に、及び/或いは、車両(1)が少なくとも部分的に駐車スペース(PL)内に進入した車両ポジションにおいて、新しいターゲットポジション(Z2)が、得られることを特徴とする上記1或いは2に記載の方法。
4.
軌道ライブラリの軌道タイプに基づいて、時間的に順々に、或いは、時間的に並行して第二駐車軌道(P2)の計画が実施されることを特徴とする上記1~3のうち何れか一つに記載の方法。
5.
第二駐車軌道(P2)の計画は、駐車状況、及び/或いは、第一ターゲットポジション(Z1)に対する新しいターゲットポジション(Z2)の相対的な位置を考慮することなく、軌道ライブラリの軌道タイプに基づいて実施されることを特徴とする上記4に記載の方法。
6.
駐車状況、及び/或いは、新しいターゲットポジション(Z2)の第一ターゲットポジション(Z1)に対する相対的な位置が評価され、評価結果に基づいて軌道タイプのシーケンス順位が、第二駐車軌道(P2)の計画を基にして時間的に順々に異なる軌道タイプを用いて作成されることを特徴とする上記4に記載の方法。
7.
該軌道ライブラリが、車両(1)の走行方向(FR)に、直線、クロソイド、及び、円弧セグメントの軌道セグメントが組み合わされている第一軌道タイプを包含していることを特徴とする上記1~6のうち何れか一つに記載の方法。
8.
該軌道ライブラリが、車両(1)の走行方向(FR)に、クロソイド、円弧セグメント、及び、クロソイドの軌道セグメントが組み合わされている第二軌道タイプを包含していることを特徴とする上記1~7のうち何れか一つに記載の方法。
9.
該軌道ライブラリが、車両(1)の走行方向(FR)に、第一半径を有する円弧セグメント、クロソイド、及び、第二半径を有する円弧セグメントの軌道セグメントが組み合わされている、但し、第一及び第二半径は異なっている、第三軌道タイプを包含していることを特徴とする上記1~8のうち何れか一つに記載の方法。
10.
該軌道ライブラリが、車両(1)の走行方向(FR)に、円弧セグメント、クロソイド、直線、クロソイド、及び、円弧セグメントの軌道セグメントが組み合わされている第四軌道タイプを包含していることを特徴とする上記1~9のうち何れか一つに記載の方法。
11.
該駐車プロセスが、斜め駐車プロセス、或いは、直角駐車プロセスであることを特徴とする上記1~10のうち何れか一つに記載の方法。
12.
第一及び第二駐車軌道(P1,P2)を合わせて10m未満の長さを有していることを特徴とする上記1~11のうち何れか一つに記載の方法。
13.
第二駐車軌道(P2)が4m未満の長さを有していることを特徴とする上記1~12のうち何れか一つに記載の方法。
14.
第一及び第二駐車軌道(P1,P2)をトレース中の車両(1)の速度は、0.2m/sから3m/sの間であることを特徴とする上記1~13のうち何れか一つに記載の方法。
15.
演算ユニット(2)を包含するドライバーアシストシステムであって、少なくとも部分的に自動的に実施される駐車プロセス中、且つ、第一ターゲットポジション(Z1)へ第一駐車軌道(P1)上を車両(1)が移動している間に、車両(1)の第一駐車軌道(P1)を動的に計画変更するための、以下のステップを実施できるように該演算ユニット(2)が構成されていることを特徴とするドライバーアシストシステム:
- 第一駐車軌道(P1)上を車両(1)が移動している間に、第一駐車軌道(P1)の計画変更が必要であり、第二駐車軌道(P2)を用いて車両(1)を新しいターゲットポジション(Z2)へと導かれなければならなくなったと言う情報を受診するステップ;
- 車両(1)の現在地(P)からは離れているが、第一駐車軌道(P1)上にある開始ポジション(A)から新しいターゲットポジション(Z2)へワンステップの駐車マヌーバによって到達できる第二駐車軌道(P2)を計画するステップ、但し、該第二駐車軌道(P2)は、様々な軌道タイプを包含している軌道ライブラリを基にして計画される、但し、該軌道タイプは、一本の、或いは、複数本の軌道セグメント(S1-S5)を包含している、但し、各軌道セグメント(S1-S5)は、直線、円弧セグメント、又は、クロソイドである、但し、該第二駐車軌道(P2)は、第一と第二駐車軌道(P1,P2)との間、並びに、第二駐車軌道(P2)の互いにつながっている軌道セグメント(S1-S5)間がそれぞれ連続したカーブ移行となる様に計画される;
- その間車両(1)を停止させることなく、開始ポジション(A)までは第一駐車軌道(P1)に基づき、開始ポジション(A)から新しいターゲットポジション(Z2)までは第二駐車軌道(P2)に基づいて、ワンステップの駐車プロセスを実施するステップ。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下のステップを包含することを特徴とする、
少なくとも部分的に自動的に実施される駐車プロセス中、且つ、第一ターゲットポジション(Z1)へ第一駐車軌道上を車両(1)が移動している間に、車両(1)の第一駐車軌道(P1)を動的に計画変更するための方法:
- 第一駐車軌道(P1)上を車両(1)が移動している間に、第一駐車軌道(P1)の計画変更が必要であり、第一ターゲットポジション(Z1)とは異なる第二駐車軌道(P2)を用いて車両(1)を新しいターゲットポジション(Z2)へと導かれなければならなくなったと言う情報を受診するステップ(S10);
- 車両(1)の現在地(P)からは離れているが、第一駐車軌道(P1)上にある開始ポジション(A)から新しいターゲットポジション(Z2)へワンステップの駐車マヌーバによって到達できる第二駐車軌道(P2)を計画するステップ(S11)、但し、該第二駐車軌道(P2)は、様々な軌道タイプを包含している軌道ライブラリを基にして計画される、但し、該軌道タイプは、一本の、或いは、複数本の軌道セグメント(S1-S5)を包含している、但し、各軌道セグメント(S1-S5)は、直線、円弧セグメント、又は、クロソイドである、但し、該第二駐車軌道(P2)は、第一と第二駐車軌道(P1,P2)との間、並びに、第二駐車軌道(P2)の互いにつながっている軌道セグメント(S1-S5)間がそれぞれ連続したカーブ移行となる様に計画される;
- その間車両を停止させることなく、開始ポジション(A)までは第一駐車軌道(P1)に基づき、開始ポジション(A)から新しいターゲットポジション(Z2)までは第二駐車軌道(P2)に基づいて、ワンステップの駐車プロセスを実施するステップ(S12)。
【請求項2】
車両(1)の現在地(P)が、第二駐車軌道(P2)の計画プロセスの開始時の車両ポジション(P)であり、開始ポジション(A)は、第二駐車軌道(P2)の計画プロセスが、車両(1)が第一駐車軌道(P1)上を走行中に開始ポジション(A)に到達する前に、及び/或いは、車両(1)の制御手段が、カーブ前制御用に曲率値を使用する未来の時点に達する前に完了できるように、選択されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
駐車スペース(PL)へ車両(1)を進入させている間に、及び/或いは、車両(1)が少なくとも部分的に駐車スペース(PL)内に進入した車両ポジションにおいて、新しいターゲットポジション(Z2)が、得られることを特徴とする請求項1或いは2に記載の方法。
【請求項4】
軌道ライブラリの軌道タイプに基づいて、時間的に順々に、或いは、時間的に並行して第二駐車軌道(P2)の計画が実施されることを特徴とする請求項1或いは2に記載の方法。
【請求項5】
第二駐車軌道(P2)の計画は、駐車状況、及び/或いは、第一ターゲットポジション(Z1)に対する新しいターゲットポジション(Z2)の相対的な位置を考慮することなく、軌道ライブラリの軌道タイプに基づいて実施されることを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項6】
駐車状況、及び/或いは、新しいターゲットポジション(Z2)の第一ターゲットポジション(Z1)に対する相対的な位置が評価され、評価結果に基づいて軌道タイプのシーケンス順位が、第二駐車軌道(P2)の計画を基にして時間的に順々に異なる軌道タイプを用いて作成されることを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項7】
該軌道ライブラリが、車両(1)の走行方向(FR)に、直線、クロソイド、及び、円弧セグメントの軌道セグメントが組み合わされている第一軌道タイプを包含していることを特徴とする請求項1或いは2に記載の方法。
【請求項8】
該軌道ライブラリが、車両(1)の走行方向(FR)に、クロソイド、円弧セグメント、及び、クロソイドの軌道セグメントが組み合わされている第二軌道タイプを包含していることを特徴とする請求項1或いは2に記載の方法。
【請求項9】
該軌道ライブラリが、車両(1)の走行方向(FR)に、第一半径を有する円弧セグメント、クロソイド、及び、第二半径を有する円弧セグメントの軌道セグメントが組み合わされている、但し、第一及び第二半径は異なっている、第三軌道タイプを包含していることを特徴とする請求項1或いは2に記載の方法。
【請求項10】
該軌道ライブラリが、車両(1)の走行方向(FR)に、円弧セグメント、クロソイド、直線、クロソイド、及び、円弧セグメントの軌道セグメントが組み合わされている第四軌道タイプを包含していることを特徴とする請求項1或いは2に記載の方法。
【請求項11】
該駐車プロセスが、斜め駐車プロセス、或いは、直角駐車プロセスであることを特徴とする請求項1或いは2に記載の方法。
【請求項12】
第一及び第二駐車軌道(P1,P2)を合わせて10m未満の長さを有していることを特徴とする請求項1或いは2に記載の方法。
【請求項13】
第二駐車軌道(P2)が4m未満の長さを有していることを特徴とする請求項1或いは2に記載の方法。
【請求項14】
第一及び第二駐車軌道(P1,P2)をトレース中の車両(1)の速度は、0.2m/sから3m/sの間であることを特徴とする請求項1或いは2に記載の方法。
【請求項15】
演算ユニット(2)を包含するドライバーアシストシステムであって、少なくとも部分的に自動的に実施される駐車プロセス中、且つ、第一ターゲットポジション(Z1)へ第一駐車軌道(P1)上を車両(1)が移動している間に、車両(1)の第一駐車軌道(P1)を動的に計画変更するための、以下のステップを実施できるように該演算ユニット(2)が構成されていることを特徴とするドライバーアシストシステム:
- 第一駐車軌道(P1)上を車両(1)が移動している間に、第一駐車軌道(P1)の計画変更が必要であり、第二駐車軌道(P2)を用いて車両(1)を新しいターゲットポジション(Z2)へと導かれなければならなくなったと言う情報を受診するステップ;
- 車両(1)の現在地(P)からは離れているが、第一駐車軌道(P1)上にある開始ポジション(A)から新しいターゲットポジション(Z2)へワンステップの駐車マヌーバによって到達できる第二駐車軌道(P2)を計画するステップ、但し、該第二駐車軌道(P2)は、様々な軌道タイプを包含している軌道ライブラリを基にして計画される、但し、該軌道タイプは、一本の、或いは、複数本の軌道セグメント(S1-S5)を包含している、但し、各軌道セグメント(S1-S5)は、直線、円弧セグメント、又は、クロソイドである、但し、該第二駐車軌道(P2)は、第一と第二駐車軌道(P1,P2)との間、並びに、第二駐車軌道(P2)の互いにつながっている軌道セグメント(S1-S5)間がそれぞれ連続したカーブ移行となる様に計画される;
- その間車両(1)を停止させることなく、開始ポジション(A)までは第一駐車軌道(P1)に基づき、開始ポジション(A)から新しいターゲットポジション(Z2)までは第二駐車軌道(P2)に基づいて、ワンステップの駐車プロセスを実施するステップ。
【外国語明細書】