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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023114484
(43)【公開日】2023-08-18
(54)【発明の名称】空気調和システム
(51)【国際特許分類】
   F24F 1/008 20190101AFI20230810BHJP
   F24F 1/0355 20190101ALI20230810BHJP
   F24F 8/30 20210101ALI20230810BHJP
   F24F 11/52 20180101ALI20230810BHJP
   F24F 11/526 20180101ALI20230810BHJP
   F24F 11/79 20180101ALI20230810BHJP
   F24F 1/0076 20190101ALI20230810BHJP
   F24F 1/0353 20190101ALI20230810BHJP
   A61L 9/22 20060101ALI20230810BHJP
   F24F 11/74 20180101ALI20230810BHJP
   F24F 110/60 20180101ALN20230810BHJP
   F24F 110/80 20180101ALN20230810BHJP
   F24F 110/10 20180101ALN20230810BHJP
【FI】
F24F1/008
F24F1/0355
F24F8/30
F24F11/52
F24F11/526
F24F11/79
F24F1/0076
F24F1/0353
A61L9/22
F24F11/74
F24F110:60
F24F110:80
F24F110:10
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022016789
(22)【出願日】2022-02-07
(71)【出願人】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147304
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 知哉
(74)【代理人】
【識別番号】100148493
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 浩二
(72)【発明者】
【氏名】吉田 圭佑
【テーマコード(参考)】
3L051
3L260
4C180
【Fターム(参考)】
3L051BC05
3L260AB18
3L260BA09
3L260BA64
3L260CA02
3L260CA17
3L260EA07
3L260FA07
3L260FA08
3L260FC25
3L260FC28
3L260GA17
3L260GA24
3L260JA07
3L260JA18
4C180AA02
4C180CA10
4C180HH01
4C180HH05
4C180KK01
4C180KK02
4C180LL06
4C180LL15
4C180LL20
4C180MM08
(57)【要約】
【課題】イオンを必要とする領域にイオンを供給することができる空気調和システムを提供する。
【解決手段】空気調和システムは、イオンを検知して検知結果を出力するイオン検知部を備える端末と、前記検知結果を取得する取得部と、前記イオンを発生するイオン発生部と、を備える空気調和機と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
イオンを検知して検知結果を出力するイオン検知部を備える端末と、
前記検知結果を取得する取得部と、前記イオンを発生するイオン発生部と、を備える空気調和機と、
を備える空気調和システム。
【請求項2】
前記取得部は、前記端末の位置を取得する
請求項1に記載の空気調和システム。
【請求項3】
前記空気調和機は、
風向を調整する風向調整部と、
前記検知結果に応じて前記風向調整部に前記風向を変更させる風向制御部と、
を備える
請求項1又は2に記載の空気調和システム。
【請求項4】
前記空気調和機は、
風量を調整する送風部と、
前記検知結果に応じて前記送風部に前記風量を変更させる風量制御部と、
を備える
請求項1から3までのいずれかに記載の空気調和システム。
【請求項5】
前記空気調和機は、
前記検知結果に応じて前記イオン発生部に前記イオンの発生量を変更させる発生量制御部を備える
請求項1から4までのいずれかに記載の空気調和システム。
【請求項6】
前記端末は、
匂いを検知して前記匂いの検知結果を出力する匂い検知部
を備え、
前記取得部は、前記匂いの検知結果を取得する
請求項1から5までのいずれかに記載の空気調和システム。
【請求項7】
前記空気調和機は、
前記端末が設置された場所への前記イオンの供給を調整する供給調整部と、
室内温度を検知する温度センサと、
前記室内温度と設定温度との差が基準以内となった後に前記供給調整部に前記供給を調整させる供給制御部と、
を備える
請求項1から6までのいずれかに記載の空気調和システム。
【請求項8】
前記端末は、
報知部と、
前記報知部に前記検知結果を報知させる報知制御部と、
を備える
請求項1から7までのいずれかに記載の空気調和システム。
【請求項9】
前記空気調和機は、
前記イオンの供給量が条件に満たない位置を前記端末に通知する通知部
を備える
請求項1から8までのいずれかに記載の空気調和システム。
【請求項10】
前記端末は、
報知部と、
前記イオンの供給量が条件に満たない場合に、前記イオンを発生するイオン発生装置を設置することの提案を前記報知部に報知させる報知制御部と、
を備える
請求項1から9までのいずれかに記載の空気調和システム。
【請求項11】
前記空気調和機は、
風向を調整する風向調整部と、
前記風向調整部に前記風向を調整させる風向制御部と、
を備え、
前記報知制御部は、前記風向調整部が風向を複数の風向の各々にした後に前記提案を前記報知部に報知させる
請求項10に記載の空気調和システム。
【請求項12】
前記端末は、
特定の操作を受け付ける操作部
を備え、
前記空気調和機は、
前記端末が設置された場所への前記イオンの供給を調整する供給調整部と、
前記操作部が前記特定の操作を受け付けた場合に、前記供給調整部に前記場所への前記イオンの供給量を調整させる供給制御部と、
を備える
請求項1から11までのいずれかに記載の空気調和システム。
【請求項13】
匂いを検知して検知結果を出力する匂い検知部を備える端末と、
前記検知結果を取得する取得部と、前記イオンを発生するイオン発生部と、を備える空気調和機と、
を備える空気調和システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、空気調和システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、空気調和機を開示する。当該空気調和機においては、イオン発生装置から発生したイオンが室内に放出される(段落0019)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-132251号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示された空気調和機は、イオンを必要とする領域にイオンを供給することができない場合があるという問題を有する。
【0005】
本開示は、この問題に鑑みてなされた。本開示の一態様は、イオンを必要とする領域にイオンを供給することができる空気調和システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様の空気調和システムは、イオンを検知して検知結果を出力するイオン検知部を備える端末と、前記検知結果を取得する取得部と、前記イオンを発生するイオン発生部と、を備える空気調和機と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】第1実施形態の空気調和システムを模式的に図示する図である。
図2】第1実施形態の空気調和システムに備えられる空気調和機を模式的に図示するブロック図である。
図3】第1実施形態の空気調和システムに備えられる端末を模式的に図示するブロック図である。
図4】第1実施形態の空気調和システムにより行われる、イオンの供給量の調整の流れを示すフローチャートである。
図5】第1実施形態の空気調和システムに備えられる空気調和機及び端末の間に障害物が存在しない場合の、イオンの供給量が調整される前の室内の状態の例を模式的に図示する平面図である。
図6】第1実施形態の空気調和システムに備えられる空気調和機及び端末の間に障害物が存在しない場合の、イオンの供給量が調整された後の室内の状態の例を模式的に図示する平面図である。
図7】第1実施形態の空気調和システムにより行われる、イオン発生装置を設置することの提案の報知の流れを示すフローチャートである。
図8】第1実施形態の空気調和システムに備えられる空気調和機及び端末の間に障害物が存在する場合の、室内の状態の例を模式的に図示する平面図である。
図9】第2実施形態の空気調和システムが設置された室内の状態の例を模式的に図示する平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本開示の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、図面については、同一又は同等の要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0009】
1 第1実施形態
1.1 空気調和システム
図1は、第1実施形態の空気調和システムを模式的に図示する図である。
【0010】
図1に図示される第1実施形態の空気調和システム1は、室内11の空気を調和し、室内11にイオンを供給する。また、空気調和システム1は、室内11の特定の場所のイオン又は匂いの状態に応じて当該場所へのイオンの供給を調整する。例えば、空気調和システム1は、当該場所のイオンの濃度が低い場合は、当該場所へのイオンの供給量を増やす。又は、空気調和システム1は、当該場所の匂いが強い場合は、当該場所へのイオンの供給量を増やす。
【0011】
図1に図示されるように、空気調和システム1は、リモートコントローラ(リモコン)21、端末22及び空気調和機23を備える。
【0012】
リモコン21は、操作を受け付ける。リモコン21は、空気調和機23と赤外線通信を行う。リモコン21は、赤外線通信により、受け付けた操作を示す操作情報31を空気調和機23へ送信する。リモコン21が、赤外線通信以外の通信を行ってもよい。
【0013】
端末22は、イオン及び匂いを検知する。端末22は、イオンを検知する際に、イオンの濃度を検知し、匂いを検知する際に、匂いの強さを検知する。端末22は、端末22が設置された場所へのイオンの供給を要求する操作を受け付ける。端末22は、空気調和機23と無線通信を行う。端末22は、無線通信により、イオンの検知結果32及び匂いの検知結果33を空気調和機23へ送信する。端末22は、イオンの供給を要求する操作を受け付けた場合に、無線通信により、イオン供給要求34を空気調和機23へ送信する。無線通信は、Wi-Fi(登録商標)、Bluetooth(登録商標) Low Energy等により行われる。端末22は、直接的に空気調和機23と通信を行ってもよいし、アクセスポイント、ルータ、サーバ等の機器を経由して空気調和機23と通信を行ってもよい。端末22が、無線通信以外の通信を行ってもよい。端末22は、空気調和機23に固定されておらず、可搬性を有し、清潔にしたい領域又は匂いを消したい領域に置かれる。
【0014】
空気調和機23は、室内11の空気を調和する。空気調和機23は、冷房、暖房、送風、加湿、除湿、空気清浄等を行う。空気調和機23は、赤外線通信により操作情報31をリモコン21から受信し、受信した操作情報31にしたがって室内11の空気を調和する。
【0015】
また、空気調和機23は、室内11にイオンを供給する。空気調和機23は、無線通信によりイオンの検知結果32、匂いの検知結果33及びイオン供給要求34を端末22から受信し、受信したイオンの検知結果32、匂いの検知結果33及びイオン供給要求34にしたがって室内11にイオンを供給する。空気調和機23は、イオンの検知結果32及び匂いの検知結果33から端末22が設置された場所のイオンの状態及び匂いの状態をそれぞれ取得し、取得したイオンの状態又は匂いの状態に応じて当該場所へのイオンの供給を調整する。例えば、空気調和機23は、当該場所のイオンの濃度が低い場合は、当該場所へのイオンの供給量を増やす。又は、空気調和機23は、当該場所の匂いが強い場合は、当該場所へのイオンの供給量を増やす。これにより、イオンを必要とする、清潔にしたい領域又は匂いを消したい領域にイオンを供給することができる。
【0016】
端末22の機能がリモコン21に実装されてもよい。空気調和システム1が、複数の端末22を備えてもよい。
【0017】
1.2 空気調和機
図2は、第1実施形態の空気調和システムに備えられる空気調和機を模式的に図示するブロック図である。
【0018】
図2に図示されるように、空気調和機23は、通信部51、通信制御部52、温度センサ53、空気調和部54及びパターン制御部55を備える。
【0019】
通信部51は、リモコン21及び端末22と通信を行う。
【0020】
図2に図示されるように、通信部51は、赤外線通信部57及び無線通信部58を備える。
【0021】
赤外線通信部57は、リモコン21と赤外線通信を行う。赤外線通信部57は、赤外線通信により、操作情報31をリモコン21から受信する。
【0022】
無線通信部58は、端末22と無線通信を行う。無線通信部58は、無線通信により、イオンの検知結果32、匂いの検知結果33及びイオン供給要求34を端末22から受信し、イオンの供給量が条件に満たない位置36を端末22へ送信する。
【0023】
通信制御部52は、通信部51を制御する。
【0024】
図2に図示されるように、通信制御部52は、取得部61及び通知部62を備える。
【0025】
取得部61は、赤外線通信部57により受信された操作情報31を取得し、無線通信部58により受信されたイオンの検知結果32、匂いの検知結果33及びイオン供給要求34を取得する。
【0026】
また、取得部61は、端末22の位置35を取得する。取得部61は、無線通信に用いられた無線信号の強度、到来方向等を無線通信部58から取得し、取得した強度、到来方向等から位置35を取得する。端末22が衛星測位装置等の測位装置を備える場合は、測位装置が位置35を測定し、無線通信部58が、無線通信により、測定された位置35を端末22から受信し、取得部61が、受信された位置35を無線通信部58から取得してもよい。
【0027】
取得部61は、イオンの検知結果32、匂いの検知結果33及び端末22が設置された位置35を取得することにより、位置35のイオンの状態及び匂いの状態を取得することができる。
【0028】
通知部62は、イオンの供給量が条件に満たない位置36を端末22に通知する。通知部62は、下述する供給制御部92から風量を示す風量情報37、風向を示す風向情報38及びイオンの発生量を示す発生量情報39を取得し、取得した風量情報37、風向情報38及び発生量情報39に基づいて位置36を特定し、無線通信部58に、特定した位置36を無線通信により端末22へ送信させる。これにより、端末22は、位置35へのイオンの供給量が条件に満たない場合に、それに応じた動作を行うことができる。
【0029】
温度センサ53は、室内温度40を検知する。
【0030】
空気調和部54は、室内11の空気を調和する。
【0031】
図2に図示されるように、空気調和部54は、送風部71、風向調整部72、イオン発生部73及び冷凍サイクル74を備える。
【0032】
送風部71は、室内11に風を送る。送風部71は、送る風の風量を調整する。送風部71は、ファン、ファンを回転させるファンモータ等を備える。送風部71は、ファンモータがファンの回転速度を調整することにより、風量を調整する。
【0033】
風向調整部72は、室内11に送られる風の風向を調整する。風向調整部72は、ルーバ、ルーバを駆動するルーバモータ等を備える。風向調整部72は、ルーバモータがルーバの姿勢を調整することにより、風向を調整する。
【0034】
イオン発生部73は、イオンを発生し、発生したイオンを室内11に送られる風により流される空気に含める。これにより、室内11にイオンが供給される。供給されるイオンは、イオンが供給される場所を清潔にし、当該場所の匂いを消す。イオン発生部73は、イオンの発生量を調整する。イオン発生部73は、電極、電極間に電圧を印加して電極間に放電を発生させる電源等を備える。イオン発生部73は、電源が電極間に印加する電圧の電圧値、印加時間、印加回数等を調整することにより、イオンの発生量を調整する。
【0035】
冷凍サイクル74は、室内11に送られる風により流される空気を加熱又は冷却する。冷凍サイクル74は、当該空気の温度を調整する。
【0036】
パターン制御部55は、空気調和部54を制御して、空気調和部54に、運転のパターンにしたがって空気を調和させる。運転のパターンは、風量を示す風量情報37、風向を示す風向情報38、イオンの発生量を示す発生量情報39及び温度を示す温度情報の組で表される。
【0037】
図2に図示されるように、パターン制御部55は、風量制御部81、風向制御部82、発生量制御部83及び温度制御部84を備える。
【0038】
風量制御部81は、風量情報37にしたがって送風部71に風量を調整させる。
【0039】
風向制御部82は、風向情報38にしたがって風向調整部72に風向を調整させる。
【0040】
発生量制御部83は、発生量情報39にしたがってイオン発生部73にイオンの発生量を調整させる。
【0041】
温度制御部84は、温度情報にしたがって冷凍サイクル74に空気の温度を調整させる。
【0042】
端末22が設置された場所へのイオンの供給は、室内11に送られる風の風量及び風向並びにイオンの発生量に依存する。このため、風量を調整する送風部71、風向を調整する風向調整部72及びイオン発生量を調整するイオン発生部73は、当該供給を調整する供給調整部91を構成する。また、送風部71に風量を調整させる風量制御部81、風向調整部72に風向を調整させる風向制御部82及びイオン発生部73にイオンの発生量を調整させる発生量制御部83は、供給調整部91に当該供給を調整させる供給制御部92を構成する。
【0043】
供給制御部92は、イオンの検知結果32又は匂いの検知結果33に応じて、供給調整部91に、端末22が設置された場所へのイオンの供給を調整させる。例えば、風量制御部81は、イオンの検知結果32又は匂いの検知結果33に応じて、送風部71に風量を変更させる。また、風向制御部82は、イオンの検知結果32又は匂いの検知結果33に応じて、風向調整部72に風向を変更させる。また、発生量制御部83は、イオンの検知結果32又は匂いの検知結果33に応じて、イオン発生部73にイオンの発生量を変更させる。
【0044】
供給制御部92は、端末22が設置された場所へのイオンの供給量が少ない場合は、当該場所へのイオンの供給量が増えるように、供給調整部91にイオンの供給を調整させる。例えば、風量制御部81は、当該供給量が少ない場合は、当該場所へ風が向かうように送風部71に風量を変更させる。また、風向制御部82は、当該供給量が少ない場合は、当該場所へ風が向かうように風向調整部72に風向を変更させる。また、発生量制御部83は、当該供給量が少ない場合は、空気に含められるイオンが増えるようにイオン発生部73にイオンの発生量を変更させる。これらにより、当該場所へのイオンの供給を確実にすることができる。また、イオン発生部73が必要以上のイオンを発生させて劣化することを抑制することができる。
【0045】
又は、供給制御部92は、端末22が設置された場所の匂いの強さが強いときは、当該場所へのイオンの供給量が増えるように、供給調整部91にイオンの供給を変更させる。例えば、風量制御部81は、当該強さが強い場合は、当該場所へ風が向かうように送風部71に風量を変更させる。また、風向制御部82は、当該強さが強い場合は、当該場所へ風が向かうように風向調整部72に風向を変更させる。また、発生量制御部83は、当該強さが強い場合は、空気に含められるイオンが増えるようにイオン発生部73にイオンの発生量を変更させる。これらにより、当該場所へのイオンの供給を確実にすることができる。また、イオン発生部73が必要以上のイオンを発生させて劣化することを抑制することができる。
【0046】
通信制御部52及びパターン制御部55は、プロセッサ、メモリ及びインターフェースを備えるマイクロコントローラにより構成される。マイクロコントローラは、制御プログラムを実行して通信制御部52及びパターン制御部55として動作する。通信制御部52及びパターン制御部55の全部又は一部が専用回路により構成されてもよい。
【0047】
1.3 端末
図3に図示されるように、端末22は、イオン検知部101、匂い検知部102、記憶部103、操作部104、通信部105、報知部106及び報知制御部107を備える。
【0048】
イオン検知部101は、イオンを検知してイオンの検知結果32を出力する。検知されるイオンは、空気調和機23により供給されるイオンである。出力されるイオンの検知結果32は、端末22が設置された場所のイオンの状態を示す。イオンの状態は、イオンの濃度等である。イオン検知部101は、電極間に流れ込んだイオンによる電極間に流れる電流の変化を検知するセンサによりイオンを検知してもよいし、その他のセンサによりイオンを検知してもよい。
【0049】
匂い検知部102は、匂いを検知して匂いの検知結果33を出力する。出力される匂いの検知結果33は、例えば、端末22が設置された場所の匂いの状態を示す。匂いの状態は、匂いの強さ等である。匂い検知部102は、例えば、半導体への臭気成分の吸着による半導体の抵抗値の変化を検知するセンサにより匂いを検知してもよいし、振動子への臭気成分の吸着による振動子の共振周波数の変化を検知するセンサにより匂いを検知してもよいし、その他のセンサにより匂いを検知してもよい。
【0050】
記憶部103は、出力されたイオンの検知結果32及び匂いの検知結果33を記憶する。
【0051】
操作部104は、操作を受け付ける。図3に図示されるように、操作部104は、イオン要求ボタン111を備える。
【0052】
通信部105は、空気調和機23と無線通信を行う。
【0053】
通信部105は、無線通信によりイオンの検知結果32及び匂いの検知結果33を空気調和機23へ送信する。通信部105は、イオンの検知結果32が出力されるたびにイオンの検知結果32を空気調和機23へ送信してもよいし、記憶部103に記憶された複数のイオンの検知結果32をまとめて空気調和機23へ送信してもよい。匂いの検知結果33についても、同様である。通信部105は、操作部104により特定の操作が受け付けられた場合に、無線通信によりイオン供給要求34を空気調和機23へ送信する。特定の操作は、イオン要求ボタン111を押す操作等である。通信部105は、無線通信によりイオンの供給量が条件に満たない位置36を受信する。
【0054】
報知部106は、報知を行う。報知部106は、ディスプレイ、ランプ、スピーカ、ブザー、バイブレータ等を備える。ディスプレイは、文字、図形、記号等により報知を行う。ランプは、光により報知を行う。スピーカ及びブザーは、音により報知を行う。バイブレータは、振動により報知を行う。
【0055】
報知制御部107は、報知部106を制御して報知部106に報知を行わせる。報知制御部107は、出力されたイオンの検知結果32及び匂いの検知結果33を報知部106に報知させる。これにより、端末22が設置された場所のイオンの状態及び匂いの状態をユーザに認識させることができる。報知制御部107は、イオンの供給量が条件に満たない位置36を報知部106に報知させる。これにより、端末22が設置された場所にイオンが供給されているか否かをユーザに認識させることができる。
【0056】
報知制御部107は、プロセッサ、メモリ及びインターフェースを備えるマイクロコントローラにより構成される。マイクロコントローラは、制御プログラムを実行して報知制御部107として動作する。報知制御部107の全部又は一部が専用回路により構成されてもよい。
【0057】
1.4 イオンの供給量の調整
図4は、第1実施形態の空気調和システムにより行われる、イオンの供給量の調整の流れを示すフローチャートである。
【0058】
イオンの供給量の調整においては、図4に示されるステップS101からS103までが実行される。
【0059】
ステップS101においては、供給調整部91が、取得部61によりイオン供給要求34が取得されたか否かを判定する。イオン供給要求34が取得されていないと判定された場合は、再びステップS101が実行される。イオン供給要求34が取得されたと判定された場合は、ステップS102が実行される。
【0060】
ステップS102においては、供給制御部92が、温度センサ53により取得された室内温度40と設定温度との差が基準以内であるか否かを判定する。当該差が基準以内でないと判定された場合は、再びステップS102が実行される。当該差が基準以内であると判定された場合は、ステップS103が実行される。
【0061】
ステップS103においては、供給制御部92が、供給調整部91に、端末22が設置された場所へのイオンの供給量を調整させる。供給制御部92は、その際に、取得部61により取得された、端末22が設置された位置35のイオンの濃度が基準より多くなるように、供給調整部91に、位置35へのイオンの供給量を調整させる。供給制御部92が供給調整部91に当該供給量を調整させる際には、風量制御部81が送風部71に風量を変更させること、風向制御部82が風向調整部72に風向を変更させること、及び発生量制御部83がイオン発生部73にイオンの発生量を変更させることの全部又は一部が行われる。風量制御部81が送風部71に風量を変更させる際には、例えば、風量が強くされる。風向制御部82が風向調整部72に風向を変更させる際には、例えば、風向が、風が位置35へ直接的又は間接的に向かう方向に近づけられる。発生量制御部83がイオン発生部73にイオンの発生量を変更させる際には、例えば、イオンの発生量が多くされる。
【0062】
ステップS101からS103までにより、供給調整部91は、イオン供給要求34が取得されるまで、供給調整部91に、端末22が設置された場所へのイオンの供給量を調整させずに待機し、イオン供給要求34が取得された後に、供給調整部91に当該供給量を調整させる。これにより、供給制御部92は、端末22の操作部104によりイオン要求ボタン111を押す操作等の特定の操作が受け付けられた場合に、供給調整部91に、当該場所へのイオンの供給量を調整させる。これにより、ユーザが端末22の操作部104に特定の操作を行った場所にイオンを積極的に供給することができる。イオン供給要求34の取得以外をきっかけとして供給量の調整が行われてもよい。例えば、供給量の調整が前回行われてから設定された時間が経過した場合に供給量の調整が再び行われてもよい。
【0063】
また、供給制御部92は、温度センサ53により取得された室内温度40と設定温度との差が基準以内となるまで、供給調整部91に、端末22が設置された場所へのイオンの供給量を調整させずに待機し、当該差が基準以内となった後に、供給調整部91に当該供給量を調整させる。これにより、イオンの供給量の調整よりも室内温度の調整を優先することができる。
【0064】
図5は、第1実施形態の空気調和システムに備えられる端末及び空気調和機の間に障害物が存在しない場合の、イオンの供給量が調整される前の室内の状態の例を模式的に図示する平面図である。図6は、第1実施形態の空気調和システムに備えられる端末及び空気調和機の間に障害物が存在しない場合の、イオンの供給量が調整された後の室内の状態の例を模式的に図示する平面図である。
【0065】
端末22及び空気調和機23の間に障害物121が存在しない場合は、空気調和機23により送り出される風122の風向及び風量を調整することにより、室内11の状態を、図5に図示される、端末22が設置された場所へのイオンの供給量が基準より少ない状態から、図6に図示される、当該供給量が基準より多い状態へ変化させることができる。このとき、風122の風向は、風が端末22が設置された場所へ直接的に向かう方向にされており、風122の風量は、強くされている。
【0066】
1.5 イオン発生装置を設置することの提案の報知
図7は、第1実施形態の空気調和システムにより行われる、イオン発生装置を設置することの提案の報知の流れを示すフローチャートである。
【0067】
イオン発生装置を設置することの提案の報知においては、図7に図示されるステップS111からS114までが実行される。
【0068】
ステップS111においては、風向制御部82が、風向調整部72に、風向を、候補となる複数の風向から選択した風向にさせる。候補となる複数の風向は、風が端末22が設置された場所へ直接的に向かう風向、及び風が当該場所へ間接的に向かう風向を含みうる。
【0069】
続くステップS112においては、供給制御部92が、取得部61により取得されたイオンの検知結果32が条件を満たすか否かを判定する。イオンの検知結果32が条件を満たすと判定された場合は、イオン発生装置を設置することの提案を報知するため処理が終了する。イオンの検知結果32が条件を満たさないと判定された場合は、ステップS113が実行される。
【0070】
ステップS113においては、供給制御部92が、候補となる複数の風向の全部を既に選択しているか否かを判定する。候補となる複数の風向の全部が既に選択されていると判定された場合は、ステップS114が実行される。候補となる複数の風向の全部が選択されていないと判定された場合は、再びステップS111が実行される。
【0071】
ステップS111からS113までにより、候補となる複数の風向からイオンの検知結果32が条件を満たす風向を特定することができるまで、又は、候補となる複数の風向の全部が調べられるまで、候補となる風向が、イオンの検知結果32が条件を満たす風向きであるか否かが調べられる。
【0072】
ステップS114においては、通知部62が、イオンの検知結果32が条件を満たす風向を特定することができなかったことを端末22に通知し、報知制御部107が、イオンを発生するイオン発生装置を設置することの提案を報知部106に報知させる。
【0073】
これにより、候補となる複数の風向の全部を調べてもイオンの検知結果32が条件を満たす風向きを特定することができない場合に、イオン発生装置を設置することの提案を報知することができる。したがって、報知制御部107は、風向調整部72が風向を候補となる複数の風向の各々にした後に当該提案を報知部106に報知させる。これにより、端末22が設置された場所へのイオンの供給量が条件に満たない場合に、当該供給量が条件を満たすようにするためにはイオン発生装置を設置しなければならないことをユーザに認識させることができる。
【0074】
図8は、第1実施形態の空気調和システムに備えられる端末及び空気調和機の間に障害物が存在する場合の、室内の状態の例を模式的に図示する平面図である。
【0075】
端末22及び空気調和機23の間に障害物121が存在する場合は、空気調和機23により送り出される風122の風向及び風量を調整しても、室内11の状態を、図8に図示される、端末22が設置された場所へのイオンの供給量が基準より少ない状態から、当該供給量が基準より多い状態へ変化させることができない。このため、先述したように、イオンを発生するイオン発生装置を設置することの提案が報知される。
【0076】
2 第2実施形態
以下では、第2実施形態が第1実施形態と相違する点が説明される。説明されない点については、第1実施形態において採用される構成と同様の構成が第2実施形態においても採用される。
【0077】
図9は、第2実施形態の空気調和システムが設置された室内の状態を模式的に図示する平面図である。
【0078】
第1実施形態においては、空気調和システム1が、ひとつの端末22を備える。また、供給制御部92が、イオンの検知結果32により示される、ひとつの端末22が設置された位置35のイオンの濃度が基準より多くなるように、供給調整部91に、位置35へのイオンの供給量を調整させる。これにより、主に位置35の周辺にイオンを供給することができる。
【0079】
これに対して、第2実施形態においては、図9に図示されるように、空気調和システム1が、複数の端末22を備える。また、供給制御部92が、複数の端末22がそれぞれ設置された複数の位置35のイオンの濃度が均一になるように、供給調整部91に、複数の位置35へのイオンの供給量を調整させる。これにより、室内11の全体に均一にイオンを供給することができる。
【0080】
本開示は、上記実施の形態に限定されるものではなく、上記実施の形態で示した構成と実質的に同一の構成、同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成で置き換えてもよい。
【符号の説明】
【0081】
1 空気調和システム、11 室内、21 リモートコントローラ(リモコン)、22 端末、23 空気調和機、31 操作情報、32 イオンの検知結果、33 匂いの検知結果、34 イオン供給要求、35 位置、36 位置、37 風量情報、38 風向情報、39 発生量情報、40 室内温度、51 通信部、52 通信制御部、53 温度センサ、54 空気調和部、55 パターン制御部、61 取得部、62 通知部、71 送風部、72 風向調整部、73 イオン発生部、74 冷凍サイクル、81 風量制御部、82 風向制御部、83 発生量制御部、84 温度制御部、91 供給調整部、92 供給制御部、101 イオン検知部、102 匂い検知部、103 記憶部、104 操作部、105 通信部、106 報知部、107 報知制御部、111 イオン要求ボタン、121 障害物、122 風
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