(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023114540
(43)【公開日】2023-08-18
(54)【発明の名称】運動用手袋
(51)【国際特許分類】
A41D 19/015 20060101AFI20230810BHJP
A41D 19/00 20060101ALI20230810BHJP
【FI】
A41D19/015 120
A41D19/00 P
A41D19/015 210A
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022016890
(22)【出願日】2022-02-07
(71)【出願人】
【識別番号】722000324
【氏名又は名称】小野 俊哉
(72)【発明者】
【氏名】小野 俊哉
【テーマコード(参考)】
3B033
【Fターム(参考)】
3B033AA05
3B033AA29
3B033AA30
3B033AA31
3B033AB02
3B033AB04
3B033AB06
3B033AC03
3B033AC04
(57)【要約】
【課題】運動用手袋の、なかでも硬式野球、軟式野球、ソフトボールを含む野球競技において投手、捕手、野手が投球、送球をおこなう側の手に着用する手袋を一例として取り上げるが、投手、捕手、野手が投球、送球をする側の手に着用することによって投球、送球をする側の指を傷害(つまりは血マメが出来る、血マメの皮が破れる、指の皮がむける、爪が割れる、爪が指に食い込むなど)から保護し、投球、送球をする際に指先と球を滑りにくくし、投手であれば打球から、捕手であればファウルチップなどから、野手であればイレギュラーバウンドなどから手や指を守り、通気性を保ち快適さを有する手袋を提供する。
【解決手段】運動用の手袋であって、中央部と腕部と五本の指部を有する編み物製の手袋本体と、五本の指部の先端部に設けられたゴム製のサック部を備えている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
中央部と腕部と五本の指部を有する編み物製の手袋本体と、五本の指部の先端部に設けられたゴム製のサック部を備えたことを特徴とする運動用手袋。
【請求項2】
前記の手袋本体のそれぞれの指部は、指先を覆う先端部を有し、前記のゴム製のサック部は、それぞれの指部の先端部の表面にはめつけられ固定されている請求項1記載の運動用手袋。
【請求項3】
前記の手袋本体のそれぞれの指部は、指先を覆う先端部を有しない形状のものであり、前記のゴム製のサック部は、それぞれの指部の先端縁部に固定されていることを特徴とする請求項1記載の運動用手袋。
【請求項4】
前記の手袋本体のそれぞれの指部の先端部裏側には、ゴム製のサック状裏あてが設けられ固定されている請求項2記載の運動用手袋。
【請求項5】
前記の手袋本体のそれぞれの指部の先端部の表面側はゴムで形成され、前記ゴム製のサック部は、先端部のゴムの表面に取り外し可能な状態ではめつけられている請求項2または4記載の運動用手袋。
【請求項6】
前記の手袋本体のそれぞれの指部の先端縁部に固定されたゴム製のサック部には、さらに、ゴム製のサック状部材が取り外し可能な状態ではめつけられている請求項3記載の運動用手袋。
【請求項7】
前記の手袋本体の中央部の手の平側の編地表面には、複数のゴムがすき間を有して配置され固定されていることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の運動用手袋。
【請求項8】
前記複数のゴムは、指尖球と有鈎骨鈎および豆状骨を覆うように配置されている請求項7に記載の運動用手袋。
【請求項9】
前記の手袋本体の中央部の手の甲側の編地表面には、複数のゴムがすき間を有して配置され固定されていることを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の運動用手袋。
【請求項10】
前記複数のゴムは、五本の指の中手骨と中手骨骨頭と第一中手骨基部および手根骨を覆うように配置されている請求項9に記載の運動用手袋。
【請求項11】
前記の手袋本体の五本の指部の腹側の編地表面に、帯状のゴムがすき間を有して配置され固定されている請求項1から10のいずれかに記載の運動用手袋。
【請求項12】
前記の手袋本体の五本の指部の腹部の編地裏面に、帯状のゴムがすき間を有して配置され固定されている請求項1から11のいずれかに記載の運動用手袋。
【請求項13】
前記の手袋本体の五本の指部の背部に、帯状のゴムがすき間を有して配置され固定されている請求項1から12のいずれかに記載の運動用手袋。
【請求項14】
前記ゴムは、第二指、第三指、第四指、第五指の第二関節の背面を覆うように配置されている請求項13記載の運動用手袋。
【請求項15】
前記の手袋本体の腕部に取り付け用の面ファスナーを有する請求項1から14のいずれかに記載の運動用手袋。
【請求項16】
前記の手袋本体の中央部の掌外沿部と第一指間腔部に、メッシュ組織のマチ部を有する請求項1から15のいずれかに記載の運動用手袋。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、運動用手袋であり、球技における選手が球を投球、送球する側の手に着用する手袋に関するものである。
【背景技術】
【0002】
硬式野球、軟式野球、ソフトボールを含む野球競技において投手、捕手、野手が投球、送球する側の手はルールにより素手であるが、投球、送球することによって選手が被る指先の傷害を防止することは急務であり、投球、打球を素手に受けることなどによる怪我を防止し、選手の健康を守ること、および野球競技の衛生面が管理されることは時代の要求である。
ところが、試合の現行ルールでは野球競技において投手、捕手、野手が投球、送球する側の手に手袋を着用することは禁じられているため、選手が投球、送球をおこなう側の手に着用し投球、送球することを目的とした手袋は販売されておらず、したがって選手は練習でも投球、送球する側の手に手袋をすることはほとんどない。
例えば、硬式野球の現行ルールによると、投手については公認野球規則の6.02 (c)(7)項目の禁止事項によって、手袋の着用は禁止されており、また捕手、野手についても、公認野球規則の3.01によれば、プレーヤーが故意にボールを汚すことは禁じられているから、選手が送球をおこなう側の手に手袋を着用する習慣が野球界にはないのが実状である。
【0003】
しかしながら、選手は素手である手の指先から球を激しく押し出して投球、送球を繰り返すために、指先や指の腹に血マメが出来る、血マメの皮が破れる、指の皮がむける、爪が割れる、爪が指に食い込む(つまりは爪が爪甲側縁に食い込む)などの傷害に悩まされる場合が観察されるのが現状である。
例えば、投手の指先の血マメが破れた場合、傷めた患部からにじみ出た血液や体液が球の表面に付着することになり、その球を打者が打てば球に付着した血液や体液がバットに付着する可能性があり、ファウルフライになればその球を観客が手に取ることもあれば、また選手はプレー中にその球をミット、グラブで捕球し、投球、送球する側の手で取って送球、投球するため、やはり球に付着した血液や体液がミットやグラブ、送球、投球する側の手に付着する可能性があり、衛生面で問題が指摘されている。
【0004】
またさらに、投手に限っては打球が投手へ向かってきた場合、投手は投球動作を終えた直後は片足で立っているため、不安定で打球をグラブで捕球できる体勢が間に合わず、投球した側の手を打球が直撃する場合があり、また投球した側の手で打球を反射的に捕球しようとしたり、叩き落とそうとするケースが観察されるが、フィールド内では投手が打者にもっとも近い位置であるから、打球は時速160キロ以上に達する場合があるなど、素手のために手や指の打撲、裂傷、骨折といった怪我に見舞われやすい問題を回避できなかった。
【0005】
その上さらに、捕手であれば、ミットをはめていない側の手にファウルチップやワンバウンドの投球が直接当たった場合や、本塁クロスプレーで走者のシューズやスパイク部が手に接触した場合、野手であれば、ミット、グラブをはめていない側の手にイレギュラーバウンドの打球を受けた場合など、素手のためにやはり手や指の裂傷、打撲、骨折といった怪我を負いやすい問題を回避できなかった。
【0006】
例えば、特許文献1には、手袋用皮革の一方の面の一部に、発泡剤を含んだ発泡樹脂を印刷し乾燥・硬化させ加熱して発泡させ、これにより、一方の面における発泡樹脂の印刷部位に張力を発生させることで、手袋用皮革の他方の面において一方の面における発泡樹脂の印刷部位に対応する部位に凹部を形成したゴルフ、野球、テニスなどのスポーツ手袋が記載されている。特許文献2には、手袋本体に、人差し指袋、中指袋、薬指袋及び小指袋を有し、各指袋は、手の平側を覆う裁断片と手甲側を覆う裁断片との一方又は両方の側面に、伸縮素材からなるマチが形成され、該マチの裏面に滑り止め用突起が形成されたことを特徴とする手袋が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2010-031441号公報
【特許文献2】実登3156957号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
例えば、特許文献1と2に示される手袋はゴルフクラブ、野球競技のバット、テニスのラケットなどスポーツ用具の棒状部を把持するのを目的としているため、野球競技において投手、捕手、野手が投球、送球をする側の手に着用し、球を投球、送球する手袋としては適さない。なぜなら、指先から球を強く押し出して投球、送球をする際、選手は正確に球をコントロールする必要があるが、例えば特許文献1と2に示される手袋で投球、送球すると、手袋の指先と球が滑ってしまい、球をコントロールすることが難しく、また指先部の機械的な強度に不安があると同時に、指を傷害から守ることにもなっていないからである。また、打球、送球を手に受けた場合に骨折など傷害を受けやすい特有の箇所を特に保護しておらず、さらに通気性も考慮されていない。
【0009】
そこで本発明は、運動用手袋の一例として、硬式野球、軟式野球、ソフトボールを含む野球競技の投手、捕手、野手が投球、送球をおこなう側の手に着用することによって、投球、送球をする側の指を傷害(つまりは血マメが出来る、血マメの皮が破れる、指の皮がむける、爪が割れる、爪が指に食い込むなど)から保護し、投球、送球をする際に指先と球を滑りにくくし、投手であれば打球から、捕手であればファウルチップなどから、野手であればイレギュラーバウンドなどから手や指を守り、通気性を保ち快適さを有する手袋を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る運動用手袋は、中央部と腕部と五本の指部を有する編み物製の手袋本体と、五本の指部の先端部に設けられたゴム製のサック部を備えることを特徴とする。
【0011】
前記の手袋本体のそれぞれの指部は、指先を覆う先端部を有し、前記のゴム製のサック部は、それぞれの指部の先端部の表面にはめつけられている。
【0012】
前記の手袋本体のそれぞれの指部は、指先を覆う先端部を有しない形状の場合、前記のゴム製のサック部は、それぞれの指部の先端縁部に固定されている。上記の手袋は、指先の構造が簡単であるため、手袋の生産コストを抑えることができる。
【0013】
前記の手袋本体のそれぞれの指部が指先を覆う先端部を有している場合、手袋本体のそれぞれの指部の先端部裏側にはゴム製のサック状裏あてが設けられている。
【0014】
前記の手袋本体のそれぞれの指部が指先を覆う先端部を有している場合は、手袋本体のそれぞれの指部の先端部の表面側はゴムで形成されているが、さらに、ゴム製のサック状部材がその先端部のゴムの表面に取り外し可能な状態ではめつけられている。
上記により、サック状部材が取り外し可能であるから、摩耗したサック状部材だけを交換することにより、手袋本体を経済的に利用することができる。
【0015】
前記の手袋本体のそれぞれの指部が指先を覆う先端部を有しない形状の場合は、ゴム製のサック部はそれぞれの指部の先端縁部に固定されているが、さらに、ゴム製のサック状部材が先端部のゴムの表面に取り外し可能な状態ではめつけられている。上記により、サック状部材が取り外し可能であるから、摩耗したサック状部材だけを交換することにより、手袋本体を経済的に利用することができる。
【0016】
前記の手袋本体の中央部の手の平側の編地表面には、複数のゴムがすき間を有して配置され固定されている。
【0017】
前記の手袋本体の中央部の手の平側の編地表面には、複数のゴムがすき間を有して配置され固定されているが、特に指尖球(つまりは第二指、第三指、第四指、第五指の付け根の手の平側に位置する膨らみを持つ部位)と有鈎骨鈎および豆状骨を覆うように配置されている。
【0018】
前記の手袋本体の中央部の手の甲側の編地表面には、複数のゴムがすき間を有して配置され固定されている。
【0019】
前記の手袋本体の中央部の手の甲側の編地表面には、複数のゴムがすき間を有して配置され固定されているが、特に五本の指の中手骨と中手骨骨頭と第一中手骨基部および手根骨を覆うように配置されている。
【0020】
前記の手袋本体の五本の指部の腹側(つまり指の指腹と指側をさす)の編地表面に、帯状のゴムがすき間を有して配置され固定されている。
【0021】
前記の手袋本体の五本の指部の腹部の編地裏面に、帯状のゴムがすき間を有して配置され固定されている。上記により、指の編地が投球、送球動作によって指からずれ動くことを防止することができる。
【0022】
前記の手袋本体の五本の指部の背部に、帯状のゴムがすき間を有して配置され固定されている。
【0023】
前記の手袋本体の五本の指部の背部に、帯状のゴムがすき間を有して配置され固定されているが、特に第二指、第三指、第四指、第五指の第二関節の背面を覆うように配置されている。
【0024】
前記の手袋本体の腕部は、取り付け用の面ファスナーを有する。
【0025】
前記の手袋本体は、手袋本体の中央部の手の平部と手の甲部の間の掌外沿部と第一指間腔部に、メッシュ組織のマチ部を有する。
【発明の効果】
【0026】
本発明の手袋によれば、五本の指部の先端部に設けられたゴム製のサック部を有するため指先の傷害を防止することができ、指先の傷害を防止することができるから競技の衛生管理が可能となり、手袋本体が編み物製であるから通気性を確保することができ、手の平部、手の甲部、指腹部、指背部にゴムまたは樹脂部材を設ける場合、打球、送球を手に受けても怪我を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】本発明の一実施形態に係る手袋の手の平側の図である。
【
図4】
図1とは指先部の構造が異なる手袋の手の平側の図である。
【
図6】
図1、
図4とは指先部の構造が異なる別の手袋の手の平側の図である。
【
図8】
図1、
図4、
図6とは指先部の構造が異なる別の手袋の手の平側の図である 。
【
図10】
図1の第二指を側面から見た概略拡大図である。
【
図11】
図10とは指側部が異なる第二指を側面から見た概略拡大図である。
【
図13】手袋の掌外沿部と第一指間腔部にマチ部を持つ手袋の手の甲側の図である 。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本発明は運動用手袋であり、なかでも硬式野球、軟式野球、ソフトボールを含む野球競技において投手、捕手、野手が投球、送球をおこなう側の手に着用する手袋を一例として取り上げ、以下に説明していく。
【0029】
本発明における実施形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。ただし、これらの実施形態はあくまで本発明の一例にすぎず、本発明の技術的範囲を限定的に解釈させるものではなく、発明の趣旨に沿う適度な変更を加えて実施される場合も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0030】
以下の実施形態は、右手用の手袋についての説明である。しかし、本発明においては、左手用の手袋についても適用可能であり、左右どちらの手袋であっても作用効果は同じであるから、左手用の手袋については、実施形態の説明を省略する。なお、左手用の手袋は、右手用の手袋をミラー反転した形状を有する。
【0031】
本発明の手袋の実施形態として、手袋1~手袋4の4種類の手袋を示す。この4種類の手袋は、ゴムまたは樹脂部材で構成された五本の指の指サック部の構造は異なるが、指サック部を除いた指部、中央部である手の平部と手の甲部、腕部は材料、構造が同じである。手袋1~手袋4の4種類の手袋の異なる指サック部の構造は、手袋1は
図3のA-A´線の断面図に、手袋2は
図5のB-B´線の断面図に、手袋3は
図7のC-C´線の断面図に、手袋4は
図9のD-D´線の断面図にそれぞれ概略構造を示した。手袋1~手袋4は、指サック部の他には、指部の編地の形状が異なり、手袋1と手袋3の指部の編地は指先を有する編地50であるが、手袋2と手袋4の指部の編地は編地90を使用しており、編地90は指先を有せず、五本の指の第一関節付近または第一関節と第二関節の間のいずれかから指無しの編地のことである。
【0032】
手袋1は
図1で手の平側を、
図2で手の甲側を示しており、本来は、手袋2~手袋4も手の平側と手の甲側の両者を示すことによって、手袋の全体像をあらわすことになるが、手袋1~手袋4の4種類の手袋は、指サック部を除いた指部、中央部である手の平部と手の甲部、腕部について、その材料と構造は同じであるから、手袋2~手袋4は
図4、
図6、
図8に、その手の平側の図を示すにとどめ、手の甲側の図はいずれも省略する。
図4、図
6、
図8の符号は、指サック部を除いては
図1と同じ符号を付している。
【0033】
手袋1は
図1~
図3を参照しながら、指サック部と指サック部を除いた指部と中央部である手の平部と手の甲部と腕部を説明する。手袋2~手袋4については、指サック部がいずれも手袋1と異なるから指サック部の説明をするが、指サック部を除いた指部と中央部である手の平部と手の甲部と腕部は説明を省略する。なぜなら、手袋1~手袋4の4種類の手袋は、指サック部を除いた指部、中央部である手の平部と手の甲部、腕部は同じであり、手袋1を
図1と
図2によって説明することによって説明済みとみなすことが出来るからである。
【0034】
(手袋の編地の通気度と引っ張り荷重について)
図1は手袋1の手の平側の図であり、
図2は手袋1の手の甲側の図である。手の平部の生地10と手の甲部の生地20、および第一指、第二指、第三指、第四指、第五指の生地50は継ぎ目なく製作された同一生地であっても、別々に製作されたものであってもよい。上記記載の生地が別々に製作された場合や、それらが複数の布地を組み合わせて構成されている場合は接合する必要が生じるが、その方法は縫製、溶着、接着などが考えられる。
【0035】
手の平部の生地10と手の甲部の生地20および第一指、第二指、第三指、第四指、第五指の生地50は、編物であることが好ましい。編物であることにより、上記記載の生地は伸縮性を得るため、手の平や指の動きに応じて生地が伸縮するため手と指にストレスを与えにくくなり、また生地50は指と密着しやすくなるから、指と手袋の指先の間に隙間が出来ることを防止することができる。
【0036】
手の平部の生地10と手の甲部の生地20および第一指、第二指、第三指、第四指、第五指の生地50の通気度はJIS L1096 通気性A法(フラジール法)によって計測される20cm3/cm2/S以上であり、上記記載の生地の10%伸長時の引っ張り荷重は0.5N以下である。上記記載の生地の通気度が20cm3/cm2/S以上であることにより、手袋1に通気性を与え、手の平と手の甲および指の熱のこもりを防止することができる。また、上記記載の生地の10%伸長時の引っ張り荷重が0.5N以下であることにより、手袋1に伸縮性を与え、指の曲げ伸ばしを楽にし、つっぱり感を防止できる。
【0037】
手の平部の生地10と手の甲部の生地20および第一指、第二指、第三指、第四指、第五指の生地50の通気度は20cm3/cm2/S以上あればよいが、30cm3/cm2/S以上であることが好ましく、40cm3/cm2/S以上であることがより好ましく、50cm3/cm2/S以上であることがさらに好ましく、60cm3/cm2/S以上であることがよりさらに好ましく、70cm3/cm2/S以上であることが特に好ましい。
上記記載の生地の通気度の下限値を上記の範囲とすることにより、手袋1は手の熱を逃がし易くなり、着用者が快適さを追求しやすくなる。また、上記記載の生地の通気度の上限値は、例えば、200cm3/cm2/S以下、150cm3/cm2/S以下、100cm3/cm2/S以下とすることができる。
【0038】
手の平部の生地10と手の甲部の生地20および第一指、第二指、第三指、第四指、第五指の生地50の10%伸長時の引っ張り荷重は0.5N以下であればよいが、0.45N 以下であることが好ましく、0.4N以下であることがより好ましく、0.35N以下であることがさらに好ましく、0.3N以下であることがよりさらに好ましく、0.25N以下であることが特に好ましい。
上記記載の生地の10%伸長時の引っ張り荷重の上限値を上記の範囲とすることにより、上記記載の生地は伸縮性が得られるため、手袋1の指先が緩んで指と手袋の指先に隙間が出来ることを防止できると同時に、指の曲げ伸ばしを楽にしながらつっぱり感も防止できる。また、上記記載の生地の引っ張り荷重の下限値は、例えば0.02N以上、0.04N 以上、0.06N以上とすることができる。
【0039】
(手袋の手の平部について)
図1における手袋1の手の平部の生地10は、ゴムまたは樹脂部材30および指尖球(つまりは第二指、第三指、第四指、第五指の付け根の手の平側に位置する膨らみを持つ部位)に位置するゴムまたは樹脂部材31、32、33、34と、有鈎骨鈎および豆状骨を覆うように配置されたゴムまたは樹脂部材35を持ち、手の平部の面積に対してゴムまたは樹脂部材30、31、32、33、34、35による被覆面積率は75%以下であることが好ましい。手の平部の生地10にゴムまたは樹脂部材30、31、32、33、34、35を固定する方法は溶着、接着、縫製などが考えられる。
手の平部の生地10がゴムまたは樹脂部材30、31、32、33、34、35を持つことにより、手袋1の着用者は打球、投球、送球などを手の平で受けた場合に手の平が受ける衝撃の度合いを和らげ、手の平が被る可能性のある傷害を無くすか傷害の度合いを軽減させることができる。ゴムまたは樹脂部材30、31、32、33、34、35による手の平部の生地10の被覆面積率が75%以下であることにより、手の平部の生地10は通気性を確保することができる。
【0040】
図1における手袋1の手の平部の生地10のゴムまたは樹脂部材30、31、32、33、34、35の被覆面積率を75%以下とするためには、ゴムまたは樹脂部材30、31、32、33、34、35に貫通孔を持たせることや、複数のゴムまたは樹脂部材30を間隙を有するように手の平部の生地10に配置するなどの方法が考えられる。
中でも、
図1に示すように、手の平部の生地10に複数のゴムまたは樹脂部材30を間隙を有するように配置することが好ましい。手の平部の生地10に複数のゴムまたは樹脂部材30を間隙を有するように配置することにより、手袋1の手の平部の生地10におけるゴムまたは樹脂部材30による被覆面積率を調節しやすくなり、また手袋1の生地10は着用者の手の平の動きに対応して伸縮しやすくなる。
【0041】
図1における手袋1の手の平部の生地10のゴムまたは樹脂部材30、31、32、33、34、35の被覆面積率は75%以下であればよいが、70%以下であることが好ましく、65%以下であることがより好ましく、60%以下であることがさらに好ましい。手の平部の生地10のゴムまたは樹脂部材30、31、32、33、34、35による被覆面積率の上限値を上記の範囲とすることにより、手の平部の生地10は通気性を確保しやすくなり、手袋1を快適にすることができる。
また、手の平部の生地10のゴムまたは樹脂部材30、31、32、33、34、35による被覆面積率は30%以上であることが好ましく、35%以上であることがより好ましく、40%以上であることがさらに好ましく、45%以上であることがよりさらに好ましく、50%以上であることが特に好ましい。手の平部の生地10のゴムまたは樹脂部材30、31、32、33、34、35による被覆面積率の下限値を上記の範囲とすることにより、手袋1の着用者は打球、投球、送球などを手の平で受けた場合に手の平が受ける衝撃の度合いを和らげ、手の平が被る可能性のある傷害を無くすか傷害の度合いを軽減させることができる。
【0042】
図1における手袋1の手の平部の生地10のゴムまたは樹脂部材30、31、32、33、34、35の厚みは300μm以上3000μm(3mm)以下であることが好ましい。手の平部の生地10のゴムまたは樹脂部材30、31、32、33、34、35の厚みを300μm以上とすることにより、手袋1の着用者が打球、投球、送球を手の平で受けた場合に手の平が受ける衝撃の度合いを和らげ、手の平が被る可能性のある傷害を無くすか傷害の度合いを軽減させることができ、また厚みを3000μm(3mm)以下とすることにより、手袋1を軽量化することが出来ると同時に、手袋1の着用者は球を把持したときの感覚を素手で球を把持したときの感覚により近づけることができる。
【0043】
図1における手袋1の手の平部の生地10のゴムまたは樹脂部材30、31、32、33、34、35の厚みは300μm以上あればよいが、600μm以上であることが好ましく、1000μm(1mm)以上であることがより好ましく、1500μm(1.5mm)以上であることがさらに好ましい。手の平部の生地10のゴムまたは樹脂部材30、31、32、33、34、35の厚みの下限値を上記の範囲とすることにより、手袋1の着用者が打球、投球、送球などを手の平で受けた場合に手の平が受ける衝撃の度合いを和らげ
、手の平が被る可能性のある傷害を無くすか傷害の度合いを軽減させることができる。
また、手の平部の生地10のゴムまたは樹脂部材30、31、32、33、34、35の厚みは3000μm(3mm)以下であればよいが、2500μm(2.5mm)以下が好ましく、2000μm(2mm)以下がより好ましい。手の平部の生地10のゴムまたは樹脂部材30、31、32、33、34、35の厚みの上限値を上記の範囲とすることにより、手袋1を軽量化することが出来ると同時に手袋1の着用者は球を把持したときの感覚を素手で球を把持したときの感覚により近づけることができる。
なお、ゴムまたは樹脂部材30、31、32、33、34、35の厚みは全体に均一とする必要はなく、例えば手の平の中央付近の厚みを他よりも薄くしてもよい。手の平の中央付近の厚みを他よりも薄くすることにより、手袋1の着用者は手の平を動かしやすくすることができる。
【0044】
図1における手袋1の手の平部の生地10のゴムまたは樹脂部材30、31、32、33、34、35を構成する材料は、例えば天然ゴム、合成天然ゴム、シリコンゴム、ウレタンゴム、ポリウレタン樹脂、塩化ビニル樹脂、本革などが挙げられる。それらの材料を選択することにより、使用される球の表面に傷をつけることを回避できる。
中でも、手の平部の生地10のゴムまたは樹脂部材30、31、32、33、34、35を構成する材料がシリコンゴムを含んでいることが好ましい。手の平部の生地10のゴムまたは樹脂部材30、31、32、33、34、35を構成する材料がシリコンゴムを含んでいることにより、手の平部の生地10のゴムまたは樹脂部材30、31、32、33、34、35は弾力性を得るため、手袋1は滑り止めの効果を高め、着用者が球を把持しやすくなり、また着用者の手の平の動きに応じて生地10が自由に伸縮することを妨げにくくする。
【0045】
図1における手袋1の手の平部の生地10のゴムまたは樹脂部材30が複数にまたがる場合、それら複数の樹脂部材30の形状は、四角などの多角形ないし多角形の角を丸めた形状、円形、楕円形、および曲線と直線を組み合わせた形状などが考えられる。また樹脂部材30の形状は単数ないし複数の穴を開けた形状とする部分があってもよく、穴の形状は四角などの多角形ないし多角形の角を丸めた形状、円形、楕円形、および曲線と直線を組み合わせた形状などが考えられ、球を把持したときの滑り止め効果をもたらし好ましい。また、ゴムまたは樹脂部材30の表面にエンボス加工、凹凸模様、溝、皺などを施すことも滑り止め効果をもたらし好ましい。さらに、ゴムまたは樹脂部材30のなかには表面から手の平へ垂直方向に切れ目を設ける箇所が存在してもかまわない。切れ目を設けることにより、生地10の動きをより滑らかなものとすることができる。
【0046】
図1における手袋1の手の平部の生地10のゴムまたは樹脂部材30が複数にまたがる場合、それら複数の樹脂部材30の配置は、手の平の母指球皮線、近位手掌皮線、遠位手掌皮線に相当する部分に沿って生地が露出するようゴムまたは樹脂部材30による被覆を避けた2mmないし3mm程度の幅を持つ露出線36、37、38を設けることが好ましい。
手の平の母指球皮線、近位手掌皮線、遠位手掌皮線に相当する部分に沿った露出線36、37、38を設けることにより、手の平の動きに応じて容易に手の平の生地10を曲がりやすくすることができる。露出線36、37、38は曲線であるため、樹脂部材30が複数にまたがる場合、樹脂部材30はすべてが同じ形状、同じ大きさである必要はない。同じ形状、同じ大きさでないことにより、露出線36、37、38を露出しやすくできる。
【0047】
図1における手袋1の手の平部の生地10の第二指、第三指、第四指、第五指の各指の指尖球を覆うよう配置されたゴムまたは樹脂部材31、32、33、34は、例えば、一辺が12mmから18mm程度の四角形ないし四角形の角を丸めた形状、一辺が12mmから18mm程度の四角形と同等の面積を持つ多角形ないし多角形の角を丸めた形状ないし円形、楕円形、および曲線と直線を組み合わせた形状とするのが好ましい。
投手、捕手、野手が投球、送球の前に球を把持する方法について考察すると、第二指、第三指、第四指、第五指の指腹や指側で球を握り、指尖球に球を押し付け安定させ、球が落ちないように親指を添える方法が一般的である。であるから、ゴムまたは樹脂部材31、32、33、34に上記記載の面積を持たせることにより滑り止めの効果を高め、手袋1の着用者は球を楽に把持することが出来る。
また、ゴムまたは樹脂部材31、32、33、34の表面にエンボス加工、凹凸模様、溝、皺などを施すと滑り止め効果を高め好ましく、さらにゴムまたは樹脂部材31、32、33、34に表面から手の平へ垂直方向に切れ目を設けて生地10の動きをより滑らかなものとする箇所があってもよい。切れ目を設けることにより、生地10の動きをより滑らかなものとすることができる。
【0048】
図1における手袋1の手の平部の生地10の有鈎骨鈎および豆状骨を覆うよう配置されたゴムまたは樹脂部材35は、例えば3cm
2から4cm
2程度の面積を持つ多角形ないし多角形の角を丸めた形状や円形、楕円形、曲線と直線を組み合わせた形状とするのが好ましい。手の平の有鈎骨鈎および豆状骨は手根骨のなかでも骨折などの傷害を受けやすく、上記記載の面積を持つゴムまたは樹脂部材で保護することにより打球、投球、送球などが当たった場合の衝撃の度合いを和らげ、有鈎骨鈎および豆状骨が被る可能性のある傷害を無くすか傷害の度合いを軽減させることができる。
また、ゴムまたは樹脂部材35の表面にエンボス加工、凹凸模様、溝、皺などを施すと滑り止め効果を高め好ましく、さらに、ゴムまたは樹脂部材35に表面から手の平へ垂直方向に切れ目を設けて生地10の動きをより滑らかなものとする箇所があってもよい。切れ目を設けることにより、生地10の動きをより滑らかなものとすることができる。
【0049】
(手袋の手の甲部について)
図2における手袋1の手の甲部の生地20は、第一指中手骨、第二指中手骨、第三指中手骨、第四指中手骨、第五指中手骨と手根骨などを覆う複数のゴムまたは樹脂部材70を持ち、第一指中手骨骨頭、第二指中手骨骨頭、第三指中手骨骨頭、第四指中手骨骨頭、第五指中手骨骨頭を覆うゴムまたは樹脂部材71、72、73、74、75を持ち、第一中手骨基部を覆うゴムまたは樹脂部材76を持つ。生地20にゴムまたは樹脂部材70、71、72、73、74、75、76を固定する方法は溶着、接着、縫製などが考えられる。手の甲部の面積に対してゴムまたは樹脂部材である70、71、72、73、74、75、76による被覆面積率は75%以下であることが好ましい。被覆面積率が75%以下であることにより、手の甲部の生地20は通気性を確保しながら、手袋1の着用者が打球、投球、送球などを手の甲で受けた場合に手の甲が受ける衝撃の度合いを和らげ、手の甲が被る可能性のある傷害を無くすか傷害の度合いを軽減させることができる。
【0050】
図2における手袋1の手の甲部の生地20のゴムまたは樹脂部材70、71、72、73、74、75、76による被覆面積率を75%以下とするためには、樹脂部材70、71、72、73、74、75、76に貫通孔を持たせることや、複数のゴムまたは樹脂部材70を間隙を有するように手の甲部の生地20に配置するなどの方法が考えられる。
中でも、
図2に示すように、手の甲部の生地20に複数のゴムまたは樹脂部材70を間隙を有するように配置することが好ましい。手の甲部の生地20に複数のゴムまたは樹脂部材70を間隙を有するように配置することにより、手袋1の手の平部の生地20におけるゴムまたは樹脂部材70による被覆面積率を調節しやすくなる。また、複数のゴムまたは樹脂部材70に間隙を設けることにより、手袋1の生地20は伸縮しやすくなり、手袋1の着用後の突っ張り感を防止することができる。
【0051】
図2における手袋1の手の甲部の生地20のゴムまたは樹脂部材70、71、72、73、74、75、76による被覆面積率は75%以下であればよいが、70%以下であることが好ましく、65%以下であることがより好ましく、60%以下であることがさらに好ましい。手の甲部の生地20のゴムまたは樹脂部材70、71、72、73、74、75、76による被覆面積率の上限値を上記の範囲とすることにより、手の甲部の生地20は通気性を確保しやすくなり、手袋1を快適にすることができる。
また、手の甲部の生地20のゴムまたは樹脂部材70、71、72、73、74、75、76による被覆面積率は30%以上であることが好ましく、35%以上であることがより好ましく、40%以上であることがさらに好ましく、45%以上であることがよりさらに好ましく、50%以上であることが特に好ましい。手の甲部の生地20のゴムまたは樹脂部材70、71、72、73、74、75、76による被覆面積率の下限値を上記の範囲とすることにより、手袋1の着用者が打球、投球、送球などを手の甲で受けた場合に手の甲が受ける衝撃の度合いを和らげ、手の甲が被る可能性のある傷害を無くすか傷害の度合いを軽減させることができる。
【0052】
図2における手袋1の手の甲部の生地20のゴムまたは樹脂部材70、71、72、73、74、75、76の厚みは300μm以上3000μm(3mm)以下であることが好ましい。手の甲部の生地20のゴムまたは樹脂部材70、71、72、73、74、75、76の厚みを300μm以上とすることにより、手袋1の着用者が打球、投球、送球などを手の甲で受けた場合に手の甲が受ける衝撃の度合いを和らげ、手の甲が被る可能性のある傷害を無くすか傷害の度合いを軽減させることができ、また厚みを3000μm(3mm)以下とすることにより、手袋1を軽量化することが出来る。
【0053】
図2における手袋1の手の甲部の生地20のゴムまたは樹脂部材70、71、72、73、74、75、76の厚みは300μm以上あればよいが、600μm以上であることが好ましく、1000μm(1mm)以上であることがより好ましく、1500μm(1.5mm)以上であることがさらに好ましい。手の平部の生地10のゴムまたは樹脂部材70、71、72、73、74、75、76の厚みの下限値を上記記載とすることにより、手袋1の着用者が打球、投球、送球などを手の甲で受けた場合に手の甲が受ける衝撃の度合いを和らげ、手の甲が被る可能性のある傷害を無くすか傷害の度合いを軽減させることができる。
また、手の甲部の生地20のゴムまたは樹脂部材70、71、72、73、74、75、76の厚みは3000μm(3mm)以下であればよいが、2500μm(2.5mm)以下が好ましく、2000μm(2mm)以下がより好ましい。手の平部の生地10のゴムまたは樹脂部材70、71、72、73、74、75、76の厚みの上限値を上記記載とすることにより、手袋1を軽量化することが出来る。
【0054】
図2における手袋1の手の甲部の生地20のゴムまたは樹脂部材70、71、72、73、74、75、76を構成する材料は、例えば天然ゴム、合成天然ゴム、シリコンゴム、ウレタンゴム、ポリウレタン樹脂、塩化ビニル樹脂、本革などが考えられる。それらの材料を選択することにより、使用される球が接触した場合に球の表面に傷をつけることを回避できる。
中でも、手の甲部の生地20のゴムまたは樹脂部材70、71、72、73、74、75、76を構成する材料がシリコンゴムを含んでいることが好ましい。手の甲部の生地20のゴムまたは樹脂部材70、71、72、73、74、75、76を構成する材料がシリコンゴムを含んでいることにより、手の甲部の生地20のゴムまたは樹脂部材70、71、72、73、74、75、76は弾力性を得るため、手袋1は着用後の手の甲の突っ張り感を防止することができる。
【0055】
図2における手袋1の手の甲部の生地20の複数のゴムまたは樹脂部材70の形状は、四角などの多角形ないし多角形の角を丸めた形状、円形、楕円形、および曲線と直線を組み合わせた形状などが考えられる。中でも、第一指中手骨、第二指中手骨、第三指中手骨、第四指中手骨、第五指中手骨を覆う部位は、
図2のように例えば一辺が8mmから10mm程度の四角形ないし四角形の角を丸めた形状、一辺が8mmから10mm程度の四角形と同等の面積を持つ多角形ないし多角形の角を丸めた形状、ないし円形、楕円形、および曲線と直線を組み合わせた形状などのゴムまたは樹脂部材を1mmないし2mm以上程度の間隔を置いて複数個配置するのが好ましい。上記記載の形状を持つゴムまたは樹脂部材70を上記の間隔を置いてそれぞれの中手骨の上に配置することにより、傷害を受けやすい中手骨を打球、投球、送球などから保護することができ、手の甲部の生地20の通気性、伸縮性を確保することもできる。
さらに、手根骨を覆うゴムまたは樹脂部材70は、
図2のように例えば一辺が6mmから8mm程度の三角形ないし三角形の角を丸めた形状、一辺が6mmから8mm程度の三角形と同等の面積を持つ多角形ないし多角形の角を丸めた形状、円形、楕円形、および曲線と直線を組み合わせた形状などのゴムまたは樹脂部材を、1mmないし2mm以上程度の間隔を置いて複数個配置するのが好ましい。上記記載の形状を持つゴムまたは樹脂部材70を上記記載の間隔を置いて手根骨の上に配置することにより、傷害を受けやすい手根骨を打球、投球、送球などから保護することができ、手の甲部の生地20の通気性、伸縮性を確保することもできる。
【0056】
図2における手袋1の手の甲部の生地20の第一指中手骨骨頭、第二指中手骨骨頭、第三指中手骨骨頭、第四指中手骨骨頭、第五指中手骨骨頭を覆うよう配置されたゴムまたは樹脂部材71、72、73、74、75は、例えば2cm
2から3cm
2程度の面積を持つ多角形ないし多角形の角を丸めた形状や円形、楕円形、曲線と直線を組み合わせた形状とするのが好ましい。手の甲の中手骨骨頭は骨折などの傷害を受けやすく、上記記載の面積を持つゴムまたは樹脂部材で保護することにより打球、投球、送球が当たった場合の衝撃の度合いを和らげ、それぞれの中手骨骨頭が被る可能性のある傷害を無くすか傷害の度合いを軽減させることができる。
【0057】
図2における手袋1の手の甲部の生地20の第一指中手骨基部を覆うよう配置されたゴムまたは樹脂部材76は、例えば3cm
2から5cm
2程度の面積を持つ多角形ないし多角形の角を丸めた形状や楕円形、曲線と直線を組み合わせた形状とするのが好ましい。手の甲の第一指中手骨基部は骨折などの傷害を受けやすく、上記記載の面積を持つゴムまたは樹脂部材76で第一指中手骨基部を保護することにより、打球、投球、送球が当たった場合の衝撃の度合いを和らげ、第一指中手骨基部が被る可能性のある傷害を無くすか傷害の度合いを軽減させることができる。
【0058】
(手袋の指先部について)
図1における手袋1の指部の生地50は、第一指、第二指、第三指、第四指、第五指の指先から第一関節付近まで、または指先から第一関節と第二関節の間のいずれかまでを覆うゴムまたは樹脂部材で構成された指サック41a、42a、43a、44a、45aを持つ。
図3は、
図1における手袋1の第二指のA―A´線の断面を概略構造断面図として示している。なお、第一指、第三指、第四指、第五指の同様の断面図は、
図3と同じ構造のため省略する。生地50に指サック41a、42a、43a、44a、45aを固定する方法は溶着、接着、縫製などが考えられる。
指部の生地50が指サック41a、42a、43a、44a、45aを持つことにより、手袋1の着用者は投球、送球をすることによって引き起こされる指先や指の腹に血マメが出来る傷害、血マメの皮が破れる傷害、指の皮がむける傷害、爪が割れる傷害、爪が指に食い込む(爪が爪甲側縁に食い込む)傷害などを回避することができる。さらに、上記記載の傷害を回避することができるから、傷害を負った場合に予想される指先の患部から染み出す血液や体液が球の表面に付着することも防止できる。また、捕手であればワンバウンド投球や打球のファウル、ファウルチップを指先に受けた場合などの爪の割れや爪の剥離などの怪我を防止することができ、野手であれば打球のイレギュラーバウンドなどを指先に受けた場合の爪の割れや指の裂傷などの怪我を防止することができる。
【0059】
図1における手袋1の指部の生地50は、第一指、第二指、第三指、第四指、第五指の指先から第一関節付近まで、または指先から第一関節と第二関節の間のいずれかまでの裏面にゴムまたは樹脂部材である指サック41b、42b、43b、44b、45bを持つことが好ましい。生地50の裏面に指サック41b、42b、43b、44b、45bを固定する方法は溶着、接着、縫製などが考えられる。生地50が指サック41b、42b、43b、44b、45bを裏面に持つことにより、投球、送球時に手袋1の指先と着用者の指先が滑る現象を防止することができる。
【0060】
図1における手袋1のゴムまたは樹脂部材で構成された指サック41a、42a、43a、44a、45aは、エンボス加工を施し表面にエンボスを持たせることが好ましく、また指サック41b、42b、43b、44b、45bにも、指と直接接する面にエンボス加工を施しエンボスを持たせることが好ましい。
そのエンボスは、密度が1cm
2当たり100個以上150個以下、高さ50μm以上80μm以下であることが好ましく、また指サック41a、42a、43a、44a、45aは直径1mm以上2mm以下程度の貫通孔を1cm
2当たり均等に1~3箇所程度を有することが好ましく、ただし指先の先端から第一関節までの指腹の領域には貫通孔を作らないことが好ましい。なお、上記記載の貫通孔とは生地50と指サック41b、42b、43b、44b、45bを同時に貫いて指の地肌を露出させる貫通孔を意味する。
指サック41a、42a、43a、44a、45aにエンボス加工を施し表面にエンボスを持たせることにより、手袋1の指先と球が密着し、投球、送球時に手袋1の指先と球が滑る現象を回避することができ、また指サック41b、42b、43b、44b、45bの指と直接接する面にエンボス加工を施すことにより、手袋1の指先の裏面と指先が密着し、投球、送球時に手袋1の指先の裏面と指先が滑りにくくすることができる。
また、ゴムまたは樹脂部材で構成された指サック41a、42a、43a、44a、45aに貫通孔を持たせることにより、通気性を確保し指先に生じる熱のこもりを防止することができる。指先の先端から第一関節までの指腹の領域には貫通孔を作らないことが好ましい理由は、指先の指腹は投球、送球の際に球を押し出す力が集中する箇所であるため、ゴムまたは樹脂部材の機械的強度を保つためである。
また、指サック41a、42a、43a、44a、45aは、指先の爪の先端の中央に直径1mm~2mm程度の空気抜きのための貫通孔を1箇所持つことが好ましい。
【0061】
図1における手袋1のゴムまたは樹脂部材で構成された指サック41a、42a、43a、44a、45aとその裏面である指サック41b、42b、43b、44b、45bに施されるエンボス加工のエンボスが、密度が1cm
2当たり100個以上150個以下、高さ50μm以上80μm以下であることが好ましい理由は、上記の数値が示す領域であれば、投球、送球時に手袋1の指先と球が滑る現象を回避することができ、また、手袋1の指先の裏面と指先が滑ることを防止することができる領域であることを、実際の投球試験を行い、滑りにくさを官能評価し確かめたことによる。
しかしながら、エンボスの密度が1cm
2当たり100個未満である指サックやエンボス加工をまったく施さない表面の滑らかな指サックであっても、選手の投げ方によっては球が滑ることがない場合が観察されることから、手袋1を着用する選手の趣向によってエンボスの密度が1cm
2当たり100個未満である指サックや、エンボス加工をまったく施さない表面の滑らかな指サックが用意されてもかまわない。
また、エンボス加工のエンボスの代わりに、滑り止めとして例えば溝の深さが50μmから80μm程度の格子模様や凹凸の深さが50mから80μm程度の皺加工が、指サック
41a、42a、43a、44a、45aとその裏面である指サック41b、42b、4
3b、44b、45bに施されてもかまわない。
【0062】
図1における手袋1のゴムまたは樹脂部材で構成された指サック41a、42a、43a、44a、45aとその裏面である指サック41b、42b、43b、44b、45bの厚みはエンボス加工によるエンボスの高さを除いた厚みとして、それぞれが100μm以上1000μm(1mm)以下であることが好ましい。ゴムまたは樹脂部材で構成された指サック41a、42a、43a、44a、45aとその裏面である指サック41b、42b、43b、44b、45bの厚みがエンボス加工によるエンボスの高さを除いた厚みとして、それぞれが100μm以上とすることにより、投球、送球時に球を指先で押し出す衝撃にゴムまたは樹脂部材が繰り返し耐えて機械的強度を保つことができる。
また、ゴムまたは樹脂部材で構成された指サック41a、42a、43a、44a、45aとその裏面である指サック41b、42b、43b、44b、45bの厚みがエンボス加工によるエンボスの高さを除いた厚みとして、それぞれを1000μm(1mm)以下とすることにより、手袋1の着用者は素手で投球、送球する場合に近い指先の感覚を維持したうえで投球、送球を実施することが出来る。
【0063】
図1における手袋1のゴムまたは樹脂部材で構成された指サック指サック41a、42a、43a、44a、45aとその裏面である指サック41b、42b、43b、44b、45bの厚みはエンボス加工によるエンボスの高さを除いた厚みとして、それぞれが100μm以上あればよいが、200μm以上が好ましく、300μm以上がより好ましく、400μm以上がよりさらに好ましい。上記記載のような下限値を設けることにより、ゴムまたは樹脂部材の機械的強度が増すため、より指先を保護することができる。
また、ゴムまたは樹脂部材で構成された指サック41a、42a、43a、44a、45aとその裏面である指サック41b、42b、43b、44b、45bの厚みはエンボス加工によるエンボスの高さを除いた厚みとしてそれぞれが1000μm(1mm)以下であればよいが、800μm以下が好ましく、700μm以下がより好ましく、600μm以下がさらに好ましい。上記記載のような上限値を設けることにより手袋1の着用者は素手による投球、送球の場合により近い指先の感覚を維持したうえで投球、送球を実施することが出来る。
なお、ゴムまたは樹脂部材で構成された指サック41a、42a、43a、44a、45aとその裏面である指サック41b、42b、43b、44b、45bの厚みは、エンボス加工によるエンボスの高さを除いた厚みとして、すべての部位において均一である必要はなく、例えば指先の先端から第一関節方向へ2cm程度の指腹部分を指先を含めて他より厚めにすれば、指先を傷害からより保護することができる。
【0064】
図1における手袋1のゴムまたは樹脂部材で構成された指サック41a、42a、43a、44a、45aとその裏面である指サック41b、42b、43b、44b、45bの硬度は、JIS K6253 デュロメータタイプA(シェアA)によって計測される値としてA30°以上A70°以下であることが好ましい。
ゴムまたは樹脂部材で構成された指サックであるゴムまたは樹脂部材で構成された指サック41a、42a、43a、44a、45aとその裏面である指サック41b、42b、43b、44b、45bの硬度がJIS K6253 デュロメータタイプA(シェアA)によって計測される値としてA30°以上であることにより、投球、送球をおこなう際に指サックがより変形しにくく、指先を傷害から保護することができる。
また、ゴムまたは樹脂部材で構成された指サック41a、42a、43a、44a、45aとその裏面である指サック41b、42b、43b、44b、45bの硬度がJIS
K6253 デュロメータタイプA(シェアA)によって計測される値としてA70°以下であることにより、指サックの表面が球に密着しやすく、同時に裏面は指先に密着しやすくなり、投球、送球時に球が滑りにくくすることができる。なお、指サック41a、42a、43a、44a、45aとその裏面である指サック41b、42b、43b、44b、45bは、すべて同じ硬度を選択する必要はなく、手袋1の着用者が投球、送球をしやすいように指ごとに硬度を選んでよい。
【0065】
図1における手袋1の指サック41a、42a、43a、44a、45aとその裏面である指サック41b、42b、43b、44b、45bを構成する材料は、例えば天然ゴム、合成天然ゴム、シリコンゴム、ウレタンゴム、ポリウレタン樹脂、塩化ビニル樹脂、本革などが考えられる。上記記載の材料を選択することにより、使用される球の表面および指に傷をつけることを回避できる。
中でも、指サック41a、42a、43a、44a、45aとその裏面である指サック41b、42b、43b、44b、45bを構成する材料がウレタンゴムまたはシリコンゴムを含んでいることが好ましい。ウレタンゴムまたはシリコンゴムを含んでいることにより、指サック41a、42a、43a、44a、45aとその裏面である指サック41b、42b、43b、44b、45bは、弾力性を得るため、表面は球に密着しやすく、裏面は指先に密着しやすくなり、投球、送球時に球がより滑りにくくすることができ、使用される球の表面および指に傷をつけることも回避できる。公認野球規則の6.02(c)(5)項目では、投手の禁止事項として、どんな方法であっても、ボールに傷をつけることを禁止しているから、その規則に合致させることができる。
【0066】
図1における手袋1のゴムまたは樹脂部材で構成された指サック41a、42a、43a、44a、45aが、例えばウレタンゴムまたはシリコンゴムを含むことによって、投球、送球時に球を滑りにくくすることができれば、投手は滑り止めのために、従来使用されてきたロジン(炭酸マグネシウムと松ヤニが主成分である白い粉)を不要とすることができる。例えばプロ野球においては、マウンド付近に置かれているロジンバッグのロジンを両チームの投手が共用して使用することになっており、衛生面で問題を指摘されているが、その問題を解消することができる。また、プロ野球において、投手がマウンドから離れた位置であれば、投球する側の手の指をなめる行為(唾液を滑り止めにすると考えられる)は認められているが、はやり衛生面で問題を指摘されており、その問題も解消することができる。
【0067】
(指部の生地が指先無しの形状のものを用いる場合について)
第一指、第二指、第三指、第四指、第五指の指先に、ゴムまたは樹脂部材で構成された別の指サックを持たせた手袋2を
図4に示す。第一指、第二指、第三指、第四指、第五指の指先から各第一関節まで、または指先から第一関節と第二関節の間のいずれかまでのゴムまたは樹脂部材で構成された指サック81、82、83、84、85を用意し、また指の編地90は編地の指先が各指の第一関節付近または第一関節と第二関節の間のいずれかまでで切り取られた指無し形状とし、指サック81、82、83、84、85を指の編地90の各先端から、例えば、5mm~10mm程度が重なるよう被せて、重なった部分を溶着、接着、縫製などにより、指サックを編地90に固定する手袋である。重ね方は、指サック81、82、83、84、85が編地90を包み込むように重ねるのが好ましい。
図5は
図4における手袋2の第二指のB―B´線の断面を概略構造断面図として示した。なお第一指、第三指、第四指、第五指の同様の断面図は、
図5と同じ構造のため省略する。
【0068】
図4における手袋2のゴムまたは樹脂部材である指サック81、82、83、84、85には、その表面と裏面にエンボス加工を施しエンボスを持たせることが好ましく、そのエンボスは密度が1cm
2当たり100個以上150個以下、高さ50μm以上80μm以下であることが好ましく、また直径1mm程度の貫通孔を1cm
2当たり均等に1~3箇所程度を有することが好ましく、ただし指先の先端から第一関節までの指腹の領域には貫通孔を作らないことが好ましい。
指サック81、82、83、84、85の球に接する表の面にエンボス加工を施しエンボスを持たせることにより、手袋2の指先と球が密着し、投球、送球時に手袋1の指先と球が滑る現象を回避することができ、また指サック81、82、83、84、85の裏面にエンボス加工を施すことにより、手袋2の指先の裏面と指先が密着し、投球、送球時に手袋1の指先の裏面と指先が滑りにくくすることができる。
また、指サック81、82、83、84、85に貫通孔を持たせることにより、通気性を確保し指先に生じる熱のこもりを防止することができる。ただし指先の先端から第一関節までの指腹の領域には貫通孔を作らないことが好ましい理由は、指先の指腹は投球、送球の際に球を押し出す力が集中する箇所であるため、ゴムまたは樹脂部材の機械的強度を保つためである。
また、指サック81、82、83、84、85は、指先の爪の先端の中央に直径1mm~2mm程度の空気抜きのための貫通孔を1箇所持つことが好ましい。
【0069】
図4における手袋2のゴムまたは樹脂部材で構成された指サック81、82、83、84、85に施されるエンボス加工のエンボスが密度が1cm
2当たり100個以上150個以下、高さ50μm以上80μm以下であることが好ましい理由は、上記の数値が示す領域であれば、投球、送球時に手袋2の指先と球が滑る現象を回避することができ、また、手袋2の指先の裏面と指先が滑ることを防止することができる領域であることを実際の投球試験を行い、滑りにくさを官能評価し確かめたことによる。
しかしながら、エンボスの密度が1cm
2当たり100個未満である場合やエンボス加工をまったく施さない表面の滑らかな指サックであっても、選手の投げ方によっては球が滑ることがない場合が観察されることから、選手の趣向によってエンボスの密度が1cm
2当たり100個未満である場合やエンボス加工をまったく施さない表面の滑らかな指サック部が用意されてもかまわない。
また、エンボス加工のエンボスの代わりに、滑り止めとして例えば溝の深さが50μmから80μmなどの格子模様や、凹凸の深さが50μmから80μmなどの皺加工が指サック81、82、83、84、85に施されてもかまわない。
【0070】
図4における手袋2のゴムまたは樹脂部材で構成された指サック81、82、83、84、85の厚みは、エンボス加工によるエンボスの高さを除いた厚みとして200μm以上2000μm(2mm)以下であることが好ましい。指サック81、82、83、84、85の厚みがエンボス加工によるエンボスの高さを除いた厚みとして200μm以上とすることにより、投球、送球時に球を指先で押し出す衝撃にゴムまたは樹脂部材が繰り返し耐えて機械的強度を保つことができる。
また、ゴムまたは樹脂部材で構成された指サック81、82、83、84、85の厚みがエンボス加工によるエンボスの高さを除いた厚みとして2000μm(2mm)以下とすることにより、手袋2の着用者は素手で投球、送球する場合に近い指先の感覚を維持したうえで投球、送球を実施することが出来る。
【0071】
図4における手袋2のゴムまたは樹脂部材で構成された指サック81、82、83、84、85の厚みは、エンボス加工によるエンボスの高さを除いた厚みとして200μm以上あればよいが、400μm以上が好ましく、600μm以上がより好ましく、800μm以上がさらに好ましい。上記のような下限値を設けることにより、ゴムまたは樹脂部材がより機械的強度を増すため、着用者が投球、送球時に球を指先で押し出す衝撃に耐えることができる。
また、指サック81、82、83、84、85の厚みはエンボス加工によるエンボスの高さを除いた厚みとして2000μm(2mm)以下であればよいが、1600μm(1.6mm)以下が好ましく、1400μm(1.4mm)以下がより好ましく、1200μ m(1.2mm)以下がさらに好ましい。
上記のような上限値を設けることにより、手袋1の着用者は素手による投球、送球の場合により近い指先の感覚を維持したうえで投球、送球を実施することが出来る。なお、指サック81、82、83、84、85の厚みはエンボス加工によるエンボスの高さを除いた厚みとして、すべての部位において均一である必要はなく、例えば指先の先端から第一関節方向へ2cm程度の指腹を指先を含めて他より厚めにすれば、指先を傷害からより保護することができる。
【0072】
図4における手袋2のゴムまたは樹脂部材で構成された指サック81、82、83、84、85の硬度はJIS K6253 デュロメータタイプA(シェアA)によって計測される値としてA30°以上A70°以下であることが好ましい。ゴムまたは樹脂部材で構成された指サック81、82、83、84、85の硬度がJIS K6253 デュロメータタイプA(シェアA)によって計測される値としてA30°以上であることにより、着用者が投球、送球をおこなう際に指サック81、82、83、84、85がより変形しにくく、指先を傷害から保護することができる。また指サック81、82、83、84、85の硬度がJIS K6253 デュロメータタイプA(シェアA)によって計測される値としてA70°以下であることにより、指サック81、82、83、84、85の表面は球に密着しやすく、裏面は指先に密着しやすくなり、投球、送球時に球が滑りにくくすることができる。なお指サック81、82、83、84、85はすべて同じ硬度を選択する必要はなく、手袋2の着用者が投球、送球をしやすいように指ごとに硬度を選んでよい。
【0073】
図4における手袋2の指サック81、82、83、84、85を構成する材料は、例えば天然ゴム、合成天然ゴム、シリコンゴム、ウレタンゴム、ポリウレタン樹脂、塩化ビニル樹脂、本革などが考えられる。それらの材料を選択することにより、使用される球の表面および指に傷をつけることを回避できる。中でも指サック81、82、83、84、85を構成する材料がウレタンゴムまたはシリコンゴムを含んでいることが好ましい。指サック81、82、83、84、85を構成する材料がウレタンゴムまたはシリコンゴムを含んでいることにより、指サック81、82、83、84、85は弾力性を得るため、表面は球に密着しやすく、裏面は指先に密着しやすくなり、投球、送球時に球がより滑りにくくすることができる。
【0074】
(指部の生地が指先有りで、指サック部を交換可能とする場合について)
図1の手袋1におけるゴムまたは樹脂部材で構成された指サック41a、42a、43a、44a、45aは、投球、送球の繰り返しによって、五本の指のひとつでも摩耗してしまうと使い捨てにするしかない。そこで摩耗した指サックの表皮のみ外して取替えられるように、指サック41a、42a、43a、44a、45aに代えて、指の編地50にゴムまたは樹脂部材である指サック基礎部41c、42c、43c、44c、45cを固定し持たせ、交換可能なゴムまたは樹脂部材である指サック41d、42d、43d、44d、45dを指サック基礎部41c、42c、43c、44c、45cにはめ込んで使用し、指サック41d、42d、43d、44d、45dのいずれかが摩耗したら、手袋の着用者がその摩耗した指サックを個別に選んで、新しいものと交換する構造を持たせてもよい。
上記記載の構造を持つ手袋が手袋3であり、手袋3の手の平側の図が
図6である。
図7は手袋3の第二指のC―C´線の断面を概略構造断面図として示した。なお第一指、第三指、第四指、第五指の同様の断面図は、
図7と同じ構造のため省略する。指サック基礎部41c、42c、43c、44c、45cを編地50に固定する方法は溶着、接着、縫製などが考えられる。指サック41d、42d、43d、44d、45dを交換できる構造を持たせることにより、摩耗した指サック41d、42d、43d、44d、45dのいずれかを交換することで、手袋3の着用者は手袋本体を繰り返し利用できるため廃棄物を削減させることができると同時に、着用者の経済的な負担も軽くすることができる。つまり手袋1を着用した場合、指サック41a、42a、43a、44a、45aのいずれかが摩耗したと同時に手袋1は廃棄することになるが、それと比較して廃棄物を削減させることができると同時に、一部分の摩耗により手袋1を使い捨てるより経済的に負担を軽くすることができる。
【0075】
図6における手袋3の指の編地50に固定された指サックの基礎部41c、42c、43c、44c、45cと交換可能な指サック41d、42d、43d、44d、45dは、第一指、第二指、第三指、第四指、第五指の指先から各第一関節付近まで、または指先から第一関節と第二関節の間のいずれかまでの長さを持つ。また指サックの基礎部41c、42c、43c、44c、45cの表面と、指サック41d、42d、43d、44d、45dの裏面は、いずれも表面に加工を施さず表面を滑らかな平坦とするのが好ましい。指サックの基礎部41c、42c、43c、44c、45cの表面と交換可能な指サック41d、42d、43d、44d、45dの裏面を滑らかな平坦とすることにより、交換可能な指サック41d、42d、43d、44d、45dを装着したときの密着度が高まり、投球、送球時に交換可能な指サック41d、42d、43d、44d、45dが指サックの基礎部41c、42c、43c、44c、45cからずれることを防止することができる。
【0076】
図6における手袋3の指サックの基礎部41c、42c、43c、44c、45cと交換可能な指サック41d、42d、43d、44d、45dは、金型を使用した量産品を使用するが、指サックの基礎部の表面と交換可能な指サックの裏面の表面状態は、その部分の金型の表面処理に依存し、その表面処理は鏡面仕上げ(例えば#3000~#5000による研磨)が好ましい。しかしながら、鏡面仕上げでは金型コストの高騰を招くことから(つまりは、指サックの生産コストが高くなる)、金型の研磨は#1000~#2000などの極細目でもかまわない。
ゴムまたは樹脂の表面は滑らかな平坦に見えても、実際にはミクロな凹凸が存在しており、このミクロな凹凸を持つ面が合わさると、互いに凹凸が追随して密着する性質があるために、真の接触面積が極めて大きくなり静止摩擦係数が増大すると考えられる。
指サックの基礎部の表面と交換可能な指サックの裏面の部分の金型の表面処理が、極細目(例えば#1000~#2000などによる研磨)か、または鏡面仕上げ(例えば#3000~#5000による研磨)であれば、選手が強く投球、送球をした際に、交換可能な指サックが指サック基礎部からずれることはない。これは試作品による投球の試験を実際におこない、ずれないことを検証したことによる。
【0077】
図6における手袋3の指サックの基礎部41c、42c、43c、44c、45cと交換可能な指サック41d、42d、43d、44d、45dを生産する金型コストを抑えるためには、例えば#800などの細目で研磨した金型を使用してもかまわない。しかし、その場合は、指サックの基礎部と交換可能な指サックの長さについて、指先から第一関節と第二関節の真ん中か第二関節に近いところまで長くすることが好ましく、また、交換可能な指サックを指サックの基礎部にはめ込む前に、滑り止めスプレー(打者がバットのグリップへ使用する主にロジン入りのスプレー)などを指サックの基礎部に軽く吹きかけてから、はめ込むことが好ましい。
指サックの基礎部と交換可能な指サックの長さをなるべく長く取ることにより、接触面積を増加させ、交換可能な指サックが投球、送球をした際にずれる現象をより防ぐことができる。また、滑り止めスプレーを使用することで、指サックの基礎部と交換可能な指サックの密着を強くするため、ずれを防ぐ効果が高まり、これも試作品による投球の試験を実際におこない、滑り止めスプレーの使用によってずれないことを検証したことによる。
なお、たとえ鏡面仕上げの金型を使用した指サックであっても、交換可能な指サックを取り付けるとき、例えば、球場における砂ぼこりの多いコンディション下などで細かな砂などが付着してしまうと、指サックの基礎部と交換可能な指サックの密着を阻害する被膜をつくることになり、密着度が薄れてしまう可能性があるが、水などで洗い流して拭き取る時間がない場合などは、滑り止めスプレーを軽く吹き付けてからはめ込むことで、密着度を高め、ずれを防止することができる。
なお、上記の滑り止めスプレーに含まれる炭化水素系溶剤は、指サックに使用するゴムまたは樹脂を溶剤種類によっては劣化させる可能性があり、含まれる炭化水素系溶剤には注意が必要である。ちなみに、滑り止めスプレーに含まれる炭化水素系溶剤がアセトンである場合、指サックの材質が天然ゴムであれば劣化することはないと考えられ、またシリコンゴムであっても、ほとんど劣化することはないと考えられる。
【0078】
図6における手袋3の指の編地50に固定された指サック基礎部41c、42c、43c、44c、45cと交換可能な指サック41d、42d、43d、44d、45dは、同じ位置に直径1mm程度の貫通孔を1cm
2当たり均等に1~3箇所程度を有することが好ましく、ただし指先の先端から第一関節までの指腹の領域には貫通孔を作らないことが好ましい。なお上記記載の指サックの基礎部41c、42c、43c、44c、45cの貫通孔とは、生地50と指サック41b、42b、43b、44b、45bを同時に貫いて指の地肌を露出させる貫通孔を意味する。指サックの基礎部41c、42c、43c、44c、45cと交換可能な指サック41d、42d、43d、44d、45dに同じ位置に貫通孔を持たせることにより、通気性を確保し指先に生じる熱のこもりを防止することができる。指先の先端から第一関節までの指腹の領域に貫通孔を作らないことが好ましい理由は、指先の指腹は投球、送球の際に球を押し出す力が集中する箇所であるため、ゴムまたは樹脂部材の機械的強度を保つためである。
また、指サックの基礎部41c、42c、43c、44c、45cと交換可能な指サック41d、42d、43d、44d、45dは、指先の爪の先端の中央に直径1mm~2mm程度の空気抜きのための穴を1箇所持つことが好ましい。
【0079】
図6における手袋3の交換可能な指サックを指サックの基礎部にはめ込んだとき、交換可能な指サックの貫通孔が、指サックの基礎部と同じ位置にこない場合があるため、それを防止するため、交換可能な指サックの貫通孔は直径1mm程度の穴でよいが、指サックの基礎部の貫通孔については、直径2mm~3mm程度の穴とすることが好ましい。なお交換可能な指サックを指サックの基礎部にはめ込む際に、貫通孔の位置が横ずれしないよう、手袋3の着用者は指先の爪の先端中央の空気抜きの穴をマーカーとして利用すればよいし、さらに空気抜きの穴から第一関節方向へ5mmほど黒いマーカー線などを爪側へ印刷しておき、それをマーカーとして利用してもよい。交換可能な指サックの爪の先端中央の空気抜きの穴を、指サックの基礎部の爪先端に位置決めし、黒いマーカー線が爪の中央にくるように、交換可能な指サックをはめ込むことで横ずれを防止できる。
【0080】
図6における手袋3の交換可能な指サック41d、42d、43d、44d、45dには、その球と接する表の面にエンボス加工を施しエンボスを持たせることが好ましく、そのエンボスは密度が1cm
2当たり100個以上150個以下、高さ50μm以上80μm以下であることが好ましい。交換可能な指サック41d、42d、43d、44d、45dの球に接する表の面にエンボス加工を施しエンボスを持たせることにより、手袋3の指先と球が密着し、投球、送球時に手袋3の指先と球が滑る現象を回避することができる。
【0081】
図6における手袋3の交換可能な指サック41d、42d、43d、44d、45dに施されるエンボス加工のエンボスが密度が1cm
2当たり100個以上150個以下、高さ50μm以上80μm以下であることが好ましい理由は、上記の数値が示す領域であれば、投球、送球時に手袋1の指先と球が滑る現象を回避することができ、また手袋1の指先の裏面と指先が滑ることを防止することができる領域であることを実際の投球試験を行い、滑りにくさを官能評価し確かめたことによる。
しかしながら、エンボスの密度が1cm
2当たり100個未満である場合やエンボス加工をまったく施さない指サックであっても、選手の投げ方によっては球が滑ることがない場合が観察されることから、選手の趣向によってエンボスの密度が1cm
2当たり100個未満である場合やエンボス加工をまったく施さない指サック部が用意されてもかまわない。またエンボス加工のエンボスの代わりに、滑り止めとして例えば溝の深さが50μmから80μmなどの格子模様や凹凸の深さが50mから80μmなどの皺加工が交換可能な指サック41d、42d、43d、44d、45dに施されてもかまわない。
【0082】
図6における手袋3の指サックの基礎部41c、42c、43c、44c、45cと交換可能な指サック41d、42d、43d、44d、45dの厚みはエンボス加工によるエンボスの高さを除いた厚みとして、それぞれ100μm以上1000μm(1mm)以下であることが好ましい。ゴムまたは樹脂部材で構成された指サックの基礎部41c、42c、43c 、44c、45cと交換可能な指サック41d、42d、43d、44d、45dの厚みがエンボス加工によるエンボスの高さを除いた厚みとしてそれぞれ100μm以上とすることにより投球、送球時に球を指先で押し出す衝撃にゴムまたは樹脂部材が繰り返し耐えて機械的強度を保つことができる。またゴムまたは樹脂部材で構成された指サックの基礎部41 c、42c、43c、44c、45cと交換可能な指サック41d、42d、43d、44d、45dの厚みがエンボス加工によるエンボスの高さを除いた厚みとしてそれぞれ1000μ m(1mm)以下とすることにより手袋1の着用者は素手で投球、送球する場合に近い指先の感覚を維持したうえで投球、送球を実施することが出来る。
【0083】
図6における手袋3の指サックの基礎部41c、42c、43c、44c、45cと交換可能な指サック41d、42d、43d、44d、45dの厚みはエンボス加工によるエンボスの高さを除いた厚みとしてそれぞれ100μm以上あればよいが、200μm以上が好ましく、300μm以上がより好ましく、400μm以上がさらに好ましい。上記のような下限値を設けることにより、ゴムまたは樹脂部材がより機械的強度を増すため、着用者が投球、送球時に球を指先で押し出す衝撃に耐えることができる。また指サックの基礎部41 c、42c、43c、44c、45cと交換可能な指サック41d、42d、43d、44d、45dの厚みがエンボス加工によるエンボスの高さを除いた厚みとしてそれぞれ1000μ m(1mm)以下であればよいが、800μm以下が好ましく、700μm以下がより好ましく、600μm以下がさらに好ましい。上記のような上限値を設けることにより手袋1の着用者は素手による投球、送球の場合により近い指先の感覚を維持したうえで投球、送球を実施することが出来る。なお指サックの基礎部41c、42c、43c、44c、45 cと交換可能な指サック41d、42d、43d、44d、45dの厚みがエンボス加工によるエンボスの高さを除いた厚みとして、すべての部位において均一である必要はなく、例えば指先の先端から第一関節方向へ2cm程度の指腹を指先を含めて他より厚めにすれば、指先を傷害からより保護することができる。
【0084】
図6における手袋3の指サックの基礎部41c、42c、43c、44c、45cと交換可能な指サック41d、42d、43d、44d、45dの硬度はJIS K6253 デュロメータタイプA(シェアA)によって計測される値としてA30°以上A70°以下であることが好ましい。指サックの基礎部41c、42c、43c、44c、45cと交換可能な指サック41d、42d、43d、44d、45dの硬度がJIS K6253 デュロメータタイプA(シェアA)によって計測される値としてA30°以上であることにより、着用者が投球、送球をおこなう際に指サック部がより変形しにくく、指先を傷害から保護することができる。また指サックの基礎部41c、42c、43c、44c、45cと交換可能な指サック41d、42d、43d、44d、45dの硬度がJIS K6253 デュロメータタイプA(シェアA)によって計測される値としてA70°以下であることにより、指サック部の表面は球に密着しやすくなり投球、送球時に球が滑りにくくすることができる。なお指サックの基礎部41c、42c、43c、44c、45cと交換可能な指サック41d、42d、43d、44d、45dはすべて同じ硬度を選択する必要はなく、手袋3の着用者が投球をしやすいように指ごとに硬度を選んでよい。
【0085】
図6における手袋3の指サックの基礎部41c、42c、43c、44c、45cと交換可能な指サック41d、42d、43d、44d、45dを構成する材料は、例えば天然ゴム、合成天然ゴム、シリコンゴム、ウレタンゴム、ポリウレタン樹脂、塩化ビニル樹脂、本革などが考えられる。それらの材料を選択することにより、使用される球の表面および指に傷をつけることを回避できる。中でも指サックの基礎部41c、42c、43c、44c、45 cと交換可能な指サック41d、42d、43d、44d、45dを構成する材料がウレタンゴムまたはシリコンゴムを含んでいることが好ましい。指サックの基礎部41c、42c、43c、44c、45cと交換可能な指サック41d、42d、43d、44d、45dを構成する材料がウレタンゴムまたはシリコンゴムを含んでいることにより、指サックの基礎部41 c、42c、43c、44c、45cと交換可能な指サック41d、42d、43d、44d、45dは弾力性を得るため、表面が球に密着しやすく投球、送球時に球がより滑りにくくすることができる。
【0086】
(指部の生地が指先無しで、指サック部を交換可能とする場合について)
図4の手袋2におけるゴムまたは樹脂部材で構成された指サック81、82、83、84、85は投球、送球の繰り返しによって、五本の指のひとつでも摩耗してしまうと使い捨てにするしかない。そこで摩耗した指サックの表皮のみ外して取替えられるように、指サック81、82、83、84、85に代えて、ゴムまたは樹脂部材である指サック基礎部81a、82a、83a、84a、85aを編地90に固定し持たせ、交換可能なゴムまたは樹脂部材である指サック81b、82b、83b、84b、85bを指サック基礎部81a、82a、83a、84a、85aにはめ込んで使用し、指サック81b、82b、83b、84b、85bのいずれかが摩耗したら、手袋の着用者がその摩耗した指サックを個別に新しいものと交換する構造を持たせてもよい。
上記記載の構造を持つ手袋が手袋4であり、手袋4の手の平側の図が
図8である。
図9は手袋4の第二指のD―D´線の断面を概略拡大断面図として示した。なお第一指、第三指、第四指、第五指の同様の断面図は、
図9と同じ構造のため省略する。指サック基礎部81a、82a、83a、84a、85aを編地90に固定する方法は溶着、接着、縫製などが考えられる。指サック81b、82b、83b、84b、85bを交換できる構造を持たせることにより、摩耗した指サック81b、82b、83b、84b、85bのいずれかを交換することで、手袋4の着用者は手袋本体を繰り返し利用できるため廃棄物を削減させることができると同時に、着用者の経済的な負担も軽くすることができる。つまり手袋2を着用した場合、指サック81、82、83、84、85のいずれかが摩耗したと同時に手袋2は廃棄することになるが、それと比較して廃棄物を削減させることができると同時に、一部分の摩耗により手袋2を使い捨てるより経済的に負担を軽くすることができる。
【0087】
図8における手袋4の指の編地90に固定された指サックの基礎部81a、82a、83a、84a、85aと交換可能な指サック81b、82b、83b、84b、85bは、第一指、第二指、第三指、第四指、第五指の指先から各第一関節付近まで、または指先から第一関節と第二関節の間のいずれかまでの長さを持つ。また指サックの基礎部81a、82a、83a、84a、85aの表面と、交換可能な指サック81b、82b、83b、84b、85bの裏面は、いずれも表面に加工を施さず表面を滑らかな平坦とするのが好ましい。81a、82a、83a、84a、85aの表面と、交換可能な指サック81b、82b、83b、84b、85bの裏面を滑らかな平坦とすることにより、交換可能な指サック81b、82b、83b、84b、85bを装着したときの密着度が高まり投球、送球時に交換可能な指サック81b、82b、83b、84b、85bが指サックの基礎部81a、82a、83a、84a、85aからずれることを防止することができる。
【0088】
図8における手袋4の指サックの基礎部81a、82a、83a、84a、85aと交換可能な指サック81b、82b、83b、84b、85bは、金型を使用した量産品を使用するが、指サックの基礎部の表面と交換可能な指サックの裏面の表面状態は、その部分の金型の表面処理に依存し、その表面処理は鏡面仕上げ(例えば#3000~#5000による研磨)が好ましい。しかしながら、鏡面仕上げでは金型コストの高騰を招くことから(つまりは、指サックの生産コストが高くなる)、金型の研磨は#1000~#2000などの極細目でもかまわない。
ゴムまたは樹脂の表面は滑らかな平坦に見えても、実際にはミクロな凹凸が存在しており、このミクロな凹凸を持つ面が合わさると、互いに凹凸が追随して密着する性質があるために、真の接触面積が極めて大きくなり静止摩擦係数が増大すると考えられる。
指サックの基礎部の表面と交換可能な指サックの裏面の部分の金型の表面処理が、極細目(例えば#1000~#2000などによる研磨)か、または鏡面仕上げ(例えば#3000~#5000による研磨)であれば、選手が強く投球、送球をした際に、交換可能な指サックが指サック基礎部からずれることはない。これは試作品による投球の試験を実際におこない、ずれないことを検証したことによる。
【0089】
図8における手袋4の指サックの基礎部81a、82a、83a、84a、85aと交換可能な指サック81b、82b、83b、84b、85bを生産する金型コストを抑えるためには、例えば#800などの細目で研磨した金型を使用してもかまわない。しかし、その場合は、指サックの基礎部と交換可能な指サックの長さについて、指先から第一関節と第二関節の真ん中か第二関節に近いところまで長くすることが好ましく、また、交換可能な指サックを指サックの基礎部にはめ込む前に、滑り止めスプレー(打者がバットのグリップへ使用する主にロジン入りのスプレー)などを指サックの基礎部に軽く吹きかけてから、はめ込むことが好ましい。
指サックの基礎部と交換可能な指サックの長さをなるべく長く取ることにより、接触面積を増加させ、交換可能な指サックが投球、送球をした際にずれる現象をより防ぐことができる。また、滑り止めスプレーを使用することで、指サックの基礎部と交換可能な指サックの密着を強くするため、ずれを防ぐ効果が高まり、これも試作品による投球の試験を実際におこない、滑り止めスプレーの使用によってずれないことを検証したことによる。
なお、たとえ鏡面仕上げの金型を使用した指サックであっても、交換可能な指サックを取り付けるとき、例えば、球場における砂ぼこりの多いコンディション下などで細かな砂などが付着してしまうと、指サックの基礎部と交換可能な指サックの密着を阻害する被膜をつくることになり、密着度が薄れてしまう可能性があるが、水などで洗い流して拭き取る時間がない場合などは、滑り止めスプレーを軽く吹き付けてからはめ込むことで、密着度を高め、ずれを防止することができる。
なお、上記の滑り止めスプレーに含まれる炭化水素系溶剤は、指サックに使用するゴムまたは樹脂を溶剤種類によっては劣化させる可能性があり、含まれる炭化水素系溶剤には注意が必要である。ちなみに、滑り止めスプレーに含まれる炭化水素系溶剤がアセトンである場合、指サックの材質が天然ゴムであれば劣化することはないと考えられ、またシリコンゴムであっても、ほとんど劣化することはないと考えられる。
【0090】
図8における手袋4の指の編地90に固定された指サックの基礎部81a、82a、83a、84a、85aと、交換可能な指サック81b、82b、83b、84b、85bは、同じ位置に直径1mm程度の貫通孔を1cm
2当たり均等に1~3箇所程度を有することが好ましく、ただし指先の先端から第一関節までの指腹の領域には貫通孔を作らないことが好ましい。指サックの基礎部81a、82a、83a、84a、85aと、換可能な指サック81b、82b、83b、84b、85bに同じ位置に貫通孔を持たせることにより、通気性を確保し熱のこもりを防止することができる。指先の先端から第一関節までの指腹の領域に貫通孔を作らないことが好ましい理由は、指先の指腹は投球、送球の際に球を押し出す力が集中する箇所であるためゴムまたは樹脂部材の機械的強度を保つためである。
また、指サックの基礎部81a、82a、83a、84a、85aと換可能な指サック81b、82b、83b、84b、85bは、指先の爪の先端の中央に直径1mm~2mm程度の空気抜きのための穴を1箇所持つことが好ましい。
【0091】
図8における手袋4の交換可能な指サックを指サックの基礎部にはめ込んだとき、交換可能な指サックの貫通孔が、指サックの基礎部と同じ位置にこない場合があるため、それを防止するため、交換可能な指サックの貫通孔は直径1mm程度の穴でよいが、指サックの基礎部の貫通孔については、直径2mm~3mm程度の穴とすることが好ましい。なお交換可能な指サックを指サックの基礎部にはめ込む際に、貫通孔の位置が横ずれしないよう、手袋4の着用者は指先の爪の先端中央の空気抜きの穴をマーカーとして利用すればよいし、さらに空気抜きの穴から第一関節方向へ5mmほど黒いマーカー線などを爪側へ印刷しておき、それをマーカーとして利用してもよい。交換可能な指サックの爪の先端中央の空気抜きの穴を、指サックの基礎部の爪先端に位置決めし、黒いマーカー線が爪の中央にくるように、交換可能な指サックをはめ込むことで横ずれを防止できる。
【0092】
図8における手袋4の交換可能な指サック81b、82b、83b、84b、85bには、その表面にエンボス加工を施しエンボスを持たせることが好ましく、そのエンボスは密度が1cm
2当たり100個以上150個以下、高さ50μm以上80μm以下であることが好ましい。交換可能な指サック81b、82b、83b、84b、85bの球に接する表の面にエンボス加工を施しエンボスを持たせることにより、手袋4の指先と球が密着し、投球、送球時に手袋4の指先と球が滑る現象を回避することができる。
【0093】
図8における手袋4の交換可能な指サック81b、82b、83b、84b、85bに施されるエンボス加工のエンボスが密度が1cm
2当たり100個以上150個以下、高さ50μm以上80μm以下であることが好ましい理由は、上記の数値が示す領域であれば、投球、送球時に手袋4の指先と球が滑る現象を回避することができ、また手袋4の指先の裏面と指先が滑ることを防止することができる領域であることを実際の投球試験を行い、滑りにくさを官能評価し確かめたことによる。しかしながらエンボスの密度が1cm
2当たり100個未満である場合やエンボス加工をまったく施さない指サックであっても、選手の投げ方によっては球が滑ることがない場合が観察されることから、選手の趣向によってエンボスの密度が1cm
2当たり100個未満である場合やエンボス加工をまったく施さない指サック部が用意されてもかまわない。またエンボス加工のエンボスの代わりに、滑り止めとして例えば溝の深さが50μmから80μmなどの格子模様や凹凸の深さが50mから80μmなどの皺加工が交換可能な指サック81b、82b、83b、84b、85bに施されてもかまわない。
【0094】
図8における手袋4の指サックの基礎部81a、82a、83a、84a、85aと交換可能な指サック81b、82b、83b、84b、85bの厚みはエンボス加工によるエンボスの高さを除いた厚みとして、それぞれ100μm以上1000μm(1mm)以下であることが好ましい。指サックの基礎部81a、82a、83a、84a、85aと交換可能な指サック81b、82b、83b、84b、85bの厚みがエンボス加工によるエンボスの高さを除いた厚みとしてそれぞれ100μm以上とすることにより投球、送球時に球を指先で押し出す衝撃にゴムまたは樹脂部材が繰り返し耐えて機械的強度を保つことができる。また指サックの基礎部81a、82a、83a、84a、85aと交換可能な指サック81b、82b、83b、84b、85bの厚みがエンボス加工によるエンボスの高さを除いた厚みとしてそれぞれ1000 μm(1mm)以下とすることにより手袋1の着用者は素手で投球、送球する場合に近い指先の感覚を維持したうえで投球、送球を実施することが出来る。
【0095】
図8における手袋4の指サックの基礎部81a、82a、83a、84a、85aと交換可能な指サック81b、82b、83b、84b、85bの厚みはエンボス加工によるエンボスの高さを除いた厚みとしてそれぞれ100μm以上あればよいが、200μm以上が好ましく、300μm以上がより好ましく、400μm以上がさらに好ましい。上記のような下限値を設けることにより、ゴムまたは樹脂部材がより機械的強度を増すため、着用者が投球、送球時に球を指先で押し出す衝撃に耐えることができる。また指サックの基礎部81a、82a、83a、84a、85aと交換可能な指サック81b、82b、83b、84b、85bの厚みがエンボス加工によるエンボスの高さを除いた厚みとしてそれぞれ1000μm(1mm)以下であればよいが、800μm以下が好ましく、700μm以下がより好ましく、600μm以下がさらに好ましい。上記のような上限値を設けることにより手袋1の着用者は素手による投球、送球の場合により近い指先の感覚を維持したうえで投球、送球を実施することが出来る。なお指サックの基礎部81a、82a、83a、84a、85aと交換可能な指サック81b、82b、83b、84b、85bの厚みがエンボス加工によるエンボスの高さを除いた厚みとして、すべての部位において均一である必要はなく、例えば、指先の先端から第一関節方向へ2cm程度の指腹を指先を含めて他より厚めにすれば、指先を傷害からより保護することができる。
【0096】
図8における手袋4の指サックの基礎部81a、82a、83a、84a、85aと交換可能な指サック81b、82b、83b、84b、85bの硬度はJIS K6253 デュロメータタイプA(シェアA)によって計測される値としてA30°以上A70°以下であることが好ましい。指サックの基礎部81a、82a、83a、84a、85aと交換可能な指サック81b、82b、83b、84b、85bの硬度がJIS K6253 デュロメータタイプA(シェア A)によって計測される値としてA30°以上であることにより、着用者が投球、送球をおこなう際に指サック部がより変形しにくく、指先を傷害から保護することができる。また指サックの基礎部81a、82a、83a、84a、85aと交換可能な指サック81b、82b、83b、84b、85bの硬度がJIS K6253 デュロメータタイプA(シェアA)によって計測される値としてA70°以下であることにより、指サック部の表面は球に密着しやすくなり投球、送球時に球が滑りにくくすることができる。なお指サックの基礎部81 a、82a、83a、84a、85aと交換可能な指サック881b、82b、83b、84b、85bはすべて同じ硬度を選択する必要はなく、手袋4の着用者が投球をしやすいように指ごとに硬度を選んでよい。
【0097】
図8における手袋4の指サックの基礎部81a、82a、83a、84a、85aと交換可能な指サック81b、82b、83b、84b、85bを構成する材料は、例えば天然ゴム、合成天然ゴム、シリコンゴム、ウレタンゴム、ポリウレタン樹脂、塩化ビニル樹脂、本革などが考えられる。それらの材料を選択することにより、使用される球の表面および指に傷をつけることを回避できる。中でも指サックの基礎部81a、82a、83a、84a、85aと交換可能な指サック81b、82b、83b、84b、85bを構成する材料がウレタンゴムまたはシリコンゴムを含んでいることが好ましい。指サックの基礎部81a、82a、83a、84a、85aと交換可能な指サック81b、82b、83b、84b、85bを構成する材料がウレタンゴムまたはシリコンゴムを含んでいることにより、指サックの基礎部81a、82a、83 a、84a、85aと交換可能な指サック81b、82b、83b、84b、85bは弾力性を得るため、表面が球に密着しやすく投球、送球時に球がより滑りにくくすることができる。
【0098】
(手袋の指部の、指サックでない部分を覆うゴムまたは樹脂部材について)
図1における手袋1の指部の生地50は、指サック41a、42a、43a、44a、45aでない部分(おおむね、第一指では第一関節から第二関節まで、第二指、第三指、第四指、第五指では第一関節から第三関節までの区間)に、指腹と指側を覆う複数のゴムまたは樹脂部材60を持つ。
【0099】
図1における手袋1の指部の生地50は、ゴムまたは樹脂部材60による5本の指の指腹部における被覆面積率は70%以下であることが好ましく、複数のゴムまたは樹脂部材60の形状は、例えば指腹と指側を覆う幅が3mmから8mm程度の帯状であることが好ましい。指部の生地50をゴムまたは樹脂部材60で上記記載の箇所を覆う部分を持つことにより、手袋1の着用者は球を把持したときの滑り止め効果を得ることができ、また手袋1の着用者が打球、投球、送球などを指に受けた場合にその衝撃の度合いを和らげ、指が被る可能性のある傷害を無くすか、傷害の度合いを軽減させることができる。
図1の指部の生地50の指の指腹部における樹脂部材60による被覆面積率が70%以下であることにより、指部の生地50は通気性を確保することができる。
図10に手袋1の第二指を側面から観た概略図を示す。
【0100】
図1における手袋1の指部の生地50は指腹と指側を覆う複数のゴムまたは樹脂部材60を持つが、5本の指の指腹における樹脂部材60による被覆面積率は70%以下であればよいが、65%以下であることが好ましく、60%以下であることがより好ましく、55%以下であることがさらに好ましく、50%以下であることがよりさらに好ましい。指部の生地50の指腹におけるゴムまたは樹脂部材60による被覆面積率の上限値を上記記載とすることにより、指部の生地50は通気性を確保しやすくなる。また、
図1の指部の生地50のゴムまたは樹脂部材60の被覆面積率は30%以上であることが好ましく、35%以上であることがより好ましく、40%以上であることがさらに好ましい。指部の生地50のゴムまたは樹脂部材60の被覆面積率の下限値を上記記載とすることにより、手袋1の着用者が打球、投球、送球などを指腹に受けた場合に指腹が受ける衝撃の度合いを和らげ、指腹が被る可能性のある傷害を無くすか傷害の度合いを軽減させることができる。
【0101】
図1における手袋1の指部の生地50を覆う複数のゴムまたは樹脂部材60は、例えば指腹と指側を覆う幅が3mmから8mm程度の帯状であることが好ましいが、それを例えば2mmから3mm程度の間隔を空けて平行に配置されることが好ましい。複数の帯状のゴムまたは樹脂部材60が例えば2mmから3mm程度の間隔を空けて平行に配置されることにより、指の生地50に通気性を与え熱のこもりを防止することができると同時に、指部の生地50は伸縮性を維持し指の曲げ伸ばしを楽にさせることができる。またゴムまたは樹脂部材60の表面にエンボス加工、凹凸模様、溝、皺などを施すと滑り止め効果を高め好ましい。
また、ゴムまたは樹脂部材60は、例えば直径2mmから3mm程度の円形エンボスないし直径2mmから3mm程度の円形と同等の面積を持つ多角形ないし直線と曲線を組み合わせた形状のものを複数配置するのでもよい。その場合の複数のゴムまたは樹脂部材60の配置は、例えば1mmから3mm程度の間隔を空けて均等に配置されることが好ましく、均等に配置されることにより、指の生地50に偏りなく通気性を与え熱のこもりを防止することができると同時に、指の生地50は伸縮性を維持し指の曲げ伸ばしを楽にさせることができる。
【0102】
図1における手袋1の指部の生地50には、例えば指腹と指側を覆う幅が3mmから8mm程度の帯状ゴムまたは樹脂部材60を配置するが、手袋1の着用者が投手であり、例えばその投手がフォークボールを投じる場合、その投手は第二指と第三指の間に球を挟むと考えられるが、球と接する第二指と第三指の指側部のゴムまたは樹脂部は、例えば
図11のような形状とし、なるべく面積を大きく取る形状とすることが好ましいし、例えばスライダーを投じる投手が球を把持する場合、第四指の第三指側の指側で球を支える握り方が一般的だが、したがってスライダーを投じる投手用にはゴムまたは樹脂部材60の第四指の第三指側の指側部を、例えば
図11のような形状とし、なるべく面積を大きく取ることが好ましい。球と接する指側のゴムまたは樹脂部60の面積をなるべく大きく取ることにより、球の滑り止め効果を強化できるため、手袋1の着用者は安定して球を把持することができる。
また、投手が変化球を投じるときの球の握り方は、その投手固有の握り方であることが多く、他の指側部についても握り方によっては球と接するゴムまたは樹脂部60を例えば
図11のような形状とし、なるべく面積を大きく取る指側部があってよい。そのいっぽうでその投手の球の握り方の特徴として球と接触しない指側(例えば第四指の第五指側の指側)がある場合は、ゴムまたは樹脂部60はその指側部にゴムまたは樹脂部を配置しない形状としてよく、それによって生地50はより通気性を確保でき好ましい。
【0103】
図1における手袋1の指部の生地50のゴムまたは樹脂部材60の厚みは、800μm以下であることが好ましい。指部の生地50のゴムまたは樹脂部材60の厚みの上限値を上記とすることにより、手袋1の着用者は素手に近い感覚を維持したうえで球を把持しやすくなる。また、手袋1の着用者が投手である場合、指側で球を挟む握り方をする場合に、ゴムまたは樹脂部材60の厚みを薄く抑えることにより、指への負担を軽くし、特に指側で球を挟んだ状態から投球をする場合に、球を抜けやすくすることができる。
【0104】
図1における手袋1の指部の生地50のゴムまたは樹脂部材60の厚みは、800μm以下であることが好ましく、500μm以下であることがより好ましく、300μm以下であることがさらに好ましく、200μm以下であることがよりさらに好ましく、100μm以下であることが特に好ましい。指部の生地50のゴムまたは樹脂部材60の厚みの上限値を上記とすることにより、手袋1の着用者は素手に近い感覚を維持することが可能となり、また指側で球を挟む握り方をする場合の指への負担を軽くし、特に指側で球を挟んだ状態から投球をする場合に球を抜けやすくすることができる。
また、指部の生地50のゴムまたは樹脂部材60の厚みは均一である必要はなく、指腹部の厚みを指側部より厚くすれば、手袋1の着用者が打球を手の平側で受けた場合に指が受ける衝撃の度合いを和らげ、指が被る可能性のある傷害を無くすか、傷害の度合いをより軽減させることができる。
【0105】
図2における手袋1の指部の生地50は、指サック41a、42a、43a、44a、45aでない部分(おおむね、第一指では第一関節から第二関節まで、第二指、第三指、第四指、第五指では第一関節から第三関節までの区間)に、指の背面を覆う複数のゴムまたは樹脂部材61と、第二指、第三指、第四指、第五指の第二関節の背面を覆うゴムまたは樹脂部材62、63、64、65を持つ。
【0106】
図2における手袋1の指部の生地50を覆う複数のゴムまたは樹脂部材61の形状は、例えば長さが8mmから15mm程度、幅が3mmから8mm程度の長方形ないし角を丸めた長方形であることが好ましい。また第二指、第三指、第四指、第五指の第二関節の背面を覆うゴムまたは樹脂部材62、63、64、65部位の形状は、例えば1cm
2から3cm
2程度の面積を持つ多角形ないし多角形の角を丸めた形状や円形、楕円形、曲線と直線を組み合わせた形状とするのが好ましい。
指部の生地50が上記のようなゴムまたは樹脂部材61、62、63、64、65で指の背面を覆う部分を持つことにより、手袋1の着用者は打球、投球、送球などを指の背面に受けた場合にその衝撃の度合いを和らげ、指が被る可能性のある傷害を無くすか、傷害の度合いを軽減させることができる。
【0107】
図2における手袋1の指部の生地50を覆う複数のゴムまたは樹脂部材61は、例えば2mmから3mm程度の間隔を空けて平行に配置されることが好ましい。複数のゴムまたは樹脂部材61が例えば2mmから3mm程度の間隔を空けて平行に配置されることにより、指の生地50に通気性を与え熱のこもりを防止することができると同時に、指の生地50は伸縮性を維持し指の曲げ伸ばしを楽にさせることができる。
また、ゴムまたは樹脂部材61は、例えば直径2mmから3mm程度の円形エンボスないし直径2mmから3mm程度の円形と同等の面積を持つ多角形ないし直線と曲線を組み合わせた形状のものを複数配置するのでもよい。その場合の複数のゴムまたは樹脂部材61の配置は、1mmから3mm程度の間隔を空けて均等に配置されることが好ましく、均等に配置されることにより、指の生地50に偏りなく通気性を与え熱のこもりを防止することができると同時に、指の生地50は伸縮性を維持し指の曲げ伸ばしを楽にさせることができる。
【0108】
図2における手袋1の指部の生地50のゴムまたは樹脂部材61,62、63、64、65の厚みは、300μm以上3000μm(3mm)以下であることが好ましい。指部の生地50のゴムまたは樹脂部材61,62、63、64、65の厚みを300μm以上とすることにより、手袋1の着用者が打球、投球、送球などを指の背面に受けた場合に指が受ける衝撃の度合いを和らげ、指が被る可能性のある傷害を無くすか傷害の度合いを軽減させることができ、また厚みを3000μm(3mm)以下とすることにより、手袋1を軽量化することが出来る。
【0109】
図2における手袋1の指部の生地50のゴムまたは樹脂部材61,62、63、64、
65の厚みは300μm以上あればよいが、600μm以上であることが好ましく、1000μm(1mm)以上であることがより好ましく、1500μm(1.5mm)以上であることがさらに好ましい。指部の生地50のゴムまたは樹脂部材61,62、63、64、65の厚みの下限値を上記とすることにより、手袋1の着用者が打球、投球、送球などを指の背面で受けた場合に指が受ける衝撃の度合いを和らげ、指が被る可能性のある傷害を無くすか傷害の度合いを軽減させることができる。また指部の生地50のゴムまたは樹脂部材61,62、63、64、65の厚みは3000μm(3mm)以下であればよいが、2500μm(2.5mm)以下が好ましく、2000μm(2mm)以下がより好ましい。指部の生地50のゴムまたは樹脂部材61,62、63、64、65の厚みの上限値を上記とすることにより、手袋1を軽量化することが出来る。
【0110】
図2における手袋1の指部の生地50のゴムまたは樹脂部材61,62、63、64、65を構成する材料は、例えば天然ゴム、合成天然ゴム、シリコンゴム、ウレタンゴム、ポリウレタン樹脂、塩化ビニル樹脂、本革などが考えられる。それらの材料を選択することにより、使用される球が接触した場合に球の表面に傷をつけることを回避できる。中でも指部の生地50のゴムまたは樹脂部材61,62、63、64、65を構成する材料はシリコンゴムを含んでいることが好ましい。指部の生地50のゴムまたは樹脂部材61,62、63、64、65を構成する材料がシリコンゴムを含んでいることにより、指部の生地50のゴムまたは樹脂部材61,62、63、64、65は弾力性を得るため、手袋1は着用後の指の突っ張り感を防止することができる。
【0111】
(手袋の指部の、指サックでない部分の裏面を覆うゴムまたは樹脂部材について)
図1における手袋1の指部の生地50は、指と接する面(すなわち生地の裏面)に、指サック41a、42a、43a、44a、45aでない部分(おおむね、第一指では第一関節から第二関節まで、第二指、第三指、第四指、第五指では第一関節から第三関節までの区間)に、指腹のみを覆う複数のゴムまたは樹脂部材100を持つことが好ましい。ゴムまたは樹脂部材100は、表面の複数のゴムまたは樹脂部材60の指腹部分と同じ形状、同じ寸法を持つことが好ましく、ゴムまたは樹脂部材60の指腹部分と重なるよう同じ位置に配置されることが好ましい。ゴムまたは樹脂部材100は、
図1における手袋1の第二指のA-A´線における概略構造断面図である
図3に示す。
なお、指部の生地50の裏面にゴムまたは樹脂部材100を固定する方法は溶着、接着、縫製などが考えられる。
【0112】
図1における手袋1の指部の生地50が裏面に指腹のみを覆う複数のゴムまたは樹脂部材100を持つことにより、指部の生地50が手袋1の着用者の指にしっかりと固定されるため、投球、送球の動作により指部の生地50が指からずれ動くことを防止することができる。
さらに、生地50の裏面のゴムまたは樹脂部材100が、表面の複数のゴムまたは樹脂部材60の指腹部分と同じ形状、同じ寸法を持ち、ゴムまたは樹脂部材60の指腹部分と重なるよう同じ位置に配置されることにより、生地50は通気性を確保し熱のこもりを防止することができると同時に、生地50は伸縮性を維持し指の曲げ伸ばしを楽にさせることができる。
またさらに、ゴムまたは樹脂部材100は、指と接する面にエンボス加工、凹凸模様、格子模様、皺などを施すと滑り止め効果を高め好ましい。エンボス加工のエンボスは密度が1cm
2当たり100個以上150個以下、高さ50μm以上80μm以下であることが好ましく、凹凸模様、溝、皺であれば、それら凹凸模様、溝、皺の深さは50μm以上100μm以下程度が好ましい。
【0113】
図4における手袋2の指部の生地90、
図6における手袋3の指部の生地50、
図8における手袋4の指部の生地90も、指と接する面(すなわち生地の裏面)に、手袋1と同じく指サックでない区間に、指腹のみを覆う複数のゴムまたは樹脂部材100を持つことが好ましく、それぞれの手袋の第二指の概略構造断面図である
図5、
図7、
図9にゴムまたは樹脂部材100を示す。
【0114】
手袋1の手の甲側の
図2のE―E´線と、手袋1の第二指の側面から観た
図10のE―E´線は同じ線であるが、このE―E´線における概略構造断面図が
図12であり、ゴムまたは樹脂部材100が指腹だけを覆う様子を示す。ゴムまたは樹脂部材100が指側を覆わない理由は、ゴムまたは樹脂部材100が指腹のみを覆うだけで必要な摩擦力をもたらすからで、生地50が手袋1の着用者の指に固定され、投球、送球の動作により指部の生地50が指からずれ動くことはないためである。
【0115】
図1における手袋1の指部の生地50の裏面に配置された複数のゴムまたは樹脂部材100の厚みは、100μm以上1000μm(1mm)以下であることが好ましい。指部の生地50の裏面に配置された複数のゴムまたは樹脂部材100の厚みを100μm以上1000μm(1mm)以下とすることにより、指の生地50の伸縮性を阻害せずに指の曲げ伸ばしを楽にさせることができる。
【0116】
図1における手袋1の指部の生地50の裏面に配置された複数のゴムまたは樹脂部材1
00の厚みは、エンボス加工を施した場合にはエンボスの高さを除き、100μm以上あればよいが、200μm以上であることが好ましく、300μm以上であることがより好ましい。ゴムまたは樹脂部材100の厚みの下限値を上記とすることにより、ゴムまたは樹脂部材100の機械的強度を維持することができ、投球、送球の動作により指部の生地50が指からずれ動くことを防止する目的を果たすことができる。また、指部の生地50の裏面に配置された複数のゴムまたは樹脂部材100の厚みは1000μm(1mm)以下であればよいが、800μm以下が好ましく、600μm以下がより好ましく、500μm以下がさらに好ましい。ゴムまたは樹脂部材100の厚みの上限値を上記とすることにより、手袋1を着用したときの指への圧迫感を軽減することができ、また着脱を楽にすることが出来る。
【0117】
図1における手袋1の指部の生地50の裏面に配置された複数のゴムまたは樹脂部材100は、例えば直径2mmから3mm程度の円形エンボスないし直径2mmから3mm程度の円形と同等の面積を持つ多角形ないし直線と曲線を組み合わせた形状のものを複数配置するものでもよい。その場合の複数のゴムまたは樹脂部材100の配置は、例えば1mmから3mm程度の間隔を空けて均等に配置されることが好ましく、均等に配置されることにより、指の生地50に偏りなく通気性を与え熱のこもりを防止することができると同時に、指の生地50は伸縮性を維持し指の曲げ伸ばしを楽にさせることができる。
【0118】
図1における手袋1の指部の生地50の裏面に配置された複数のゴムまたは樹脂部材100を構成する材料は、例えば天然ゴム、合成天然ゴム、シリコンゴム、ウレタンゴム、ポリウレタン樹脂、塩化ビニル樹脂、本革などが考えられる。ゴムまたは樹脂部材100がそれらの材料を選択することにより、接する指に傷をつけることを回避できる。中でも指部の生地50の裏面に配置された複数のゴムまたは樹脂部材100を構成する材料がシリコンゴムを含んでいることが好ましい。指部の生地50の裏面に配置された複数のゴムまたは樹脂部材100を構成する材料がシリコンゴムを含んでいることにより、ゴムまたは樹脂部材100は弾力性を得るため、手袋1は着用後の指の突っ張り感を防止することができる。
【0119】
図1における手袋1の指部の生地50の裏面に配置された複数のゴムまたは樹脂部材100は、指腹だけでなく指側まで覆う形状を持ってもかまわない。しかし、指腹だけでなく指側まで覆う形状を持つ場合は、ゴムまたは樹脂部材100の指側の厚みは、エンボス加工を施した場合はエンボスの高さを除き、100μmから300μmの間程度とするなど、指への圧迫感を軽減させるため、なるべく厚みを抑える仕様とするのが好ましい。
【0120】
(手袋の腕部である、面ファスナーを含むリストバンド部について)
手袋1は手の平側の
図1および手の甲側の
図2に示すように、手袋を手首で固定するための装備を含むリストバンド部80を腕部(手首)に持つ。リストバンド部80の長さ(手首から肘の方向への長さ)は3cmから5cm程度あればよく、リストバンド部80の装備が手袋1を手首で固定することにより、手袋1の着用者が投球、送球を実施する際、手袋にかかる遠心力によって手袋が投げる方向へずれるのを防止することが出来る。特に、
図1における手袋1の指部の生地50が、裏面に複数のゴムまたは樹脂部材100を持たない場合には、リストバンド部80の装備は手袋のずれを防止するのに有効である。
なかでも、手袋1を手首で固定するリストバンド部80の装備には、面ファスナーを採用することが好ましい。面ファスナーの雄側、雌側をリストバンド部80へ固定する方法は、縫製、溶着、接着などが考えられる。
【0121】
手袋1のリストバンド部80の装備に面ファスナーを採用することにより、手袋1の着用者は、手首の締め付けの度合いをすばやく簡単に微調整することができる。また、面ファスナーは手首の尺骨茎上突起および橈骨茎状突起を覆うように配置されることが好ましい。手首の尺骨茎上突起および橈骨茎状突起は、打球や送球、投球を受けた場合など打撲、骨折を起こしやすく、リストバンド部80の面ファスナーが、手首の尺骨茎上突起および橈骨茎状突起を覆うように配置されることにより、面ファスナーの厚みによって手袋1の着用者の手首を傷害から保護することができる。
また、バックル付きの伸縮素材部分を持つベルトに面ファスナーの雄側、雌側を取り付け、締め付けを微調節できる装備として、リストバンド部80に取り付けてもよい。このベルトによって手首の尺骨茎上突起および橈骨茎状突起を覆うことが好ましく、ベルトの厚みによって手袋1の着用者の手首を傷害から保護することができる。
【0122】
手袋1のリストバンド部80は、手袋1の手の平側の
図1の生地10または手の甲側の
図2の生地20と同じ編地でもかまわないが、例えば、ゴム糸あるいはスパンデックスなどの弾性糸を織り込んだ弾性編地によって構成されることが好ましい。手首のリストバンド部80が弾性編地によって構成されることにより、手袋1の着用者は、手首を傷めることなく、手袋1を面ファスナーなどの装備によって、手首で固定することができる。
【0123】
手袋1のリストバンド部80の装備として、面ファスナー以外では、ボタン、ファスナー、チャック、ホック、紐などが考えられる。
さらに、面ファスナーを含めたそれらの装備は、手首のリストバンド部80でなく、例えばファスナーを掌外沿部や手の平部、手の甲部へ採用するデザインなどで代用するケースが考えられ、その場合、手首の保護は弾性編地だけになるが、装備を省くことにより手袋1を軽量化することができるメリットが得られる。
【0124】
手袋1の指部の生地50が裏面に複数のゴムまたは樹脂部材100を持っていれば、リストバンド部80は面ファスナーやボタン、ファスナー、チャック、ホック、紐などの装備を持たなくてもよい。なぜなら、手袋1の指部の生地50が裏面に複数のゴムまたは樹脂部材100を持つことにより、ずれ動いては困る指サック部は指先にすでに固定されているからである。リストバンド部80の面ファスナーなどの装備がなくても、リストバンド部80が例えば弾性編地によって構成されていれば、手の平部の編地10および手の甲部の編地20のずれを防止することは可能であり、その場合、手首の保護は弾性編地だけになるが、装備を省くことにより手袋1の生産コストを抑えることができるメリットが得られる。
【0125】
(手袋1の生地を構成する材料について)
手袋1の手の平側の
図1の生地10と手の甲側の
図2の生地20および指部の生地50を構成する材料は、例えばナイロン、ポリウレタン、ポリエステルなどの合成繊維、綿、麻などの天然繊維などが考えられるが、手の平部の生地10と手の甲部の生地20および指部の生地50を構成する材料は、ナイロンを50%以上含んでいることが好ましい。手の平部の生地10と手の甲部の生地20および指部の生地50を構成する材料がナイロンを50%以上含んでいることにより、手袋1を軽量化でき、柔軟性および耐久性を与えることができる。
なお
図4における手袋2、
図6における手袋3、
図8における手袋4も手の平部の生地10と手の甲部の生地20および指部の生地50ないし指部の生地90を構成する材料は、手袋1と同じである。同じであるから、手袋2~手袋4についての手の平部の生地10と手の甲部の生地20および指部の生地50ないし指部の生地90は、その説明を省略する。
【0126】
手袋1の手の平側の
図1の生地10と手の甲側の
図2の生地20および指部の生地50は編地であることが好ましく、編地はベア天竺組織であることが好ましい。手の平部の生地10と手の甲部の生地20および指部の生地50の編地がベア天竺組織であることにより、手の平部の生地10と手の甲部の生地20および指部の生地50は伸縮性を得ることができる。
【0127】
手袋1の手の平側の
図1の生地10と手の甲側の
図2の生地20および指部の生地50は、ナイロンを50%以上含んでいることが好ましいが、60%以上含んでいることがより好ましく、70%以上含んでいることがさらに好ましく、80%以上含んでいることがよりさらに好ましく、ポリウレタンを5%以上含んでいることが好ましく、10%以上含んでいることがさらに好ましい。手袋1の手の平部の生地10と手の甲部の生地20および指部の生地50のナイロン、ポリウレタンの配合比率を上記記載とすることにより、材料の持つ熱伝導性の良さを手袋1に応用することが可能となり、手袋1の着用者は手に冷感を感じることができる。
【0128】
(手袋のマチ部について)
手袋1は例えば、手の平部の生地10と手の甲部の生地20の間の掌外沿部と第一指間腔にマチ部生地110、111を持っていてもかまわない。マチ部生地110、111は手袋1の手の甲側の
図13に示す。手袋1がマチ部生地110、マチ部生地111を有することにより、手袋1がより立体的になるため着用後に手が受ける圧迫感を軽減させることができる。
【0129】
手袋1が手の平部の生地10と手の甲部の生地20の間の掌外沿部と第一指間腔にマチ部生地110、111を持つ場合、上記記載のマチ部生地は編地であることが好ましく、メッシュ組織であることが好ましい。メッシュ組織を採用することにより、手袋1は手にいっそうの通気性を与えることができる。
【0130】
手袋1が手の平部の生地10と手の甲部の生地20の間の掌外沿部と第一指間腔にマチ部生地110、111を持つ場合、マチ部生地110、111の材料は、例えばナイロン、ポリウレタン、ポリエステルなどの合成繊維、綿、麻などの天然繊維などが考えられる。なかでもマチ部生地110,111の材料はポリエステルを50%以上含んでいることが好ましい。マチ部生地110,111を構成する材料がポリエステルを50%以上含んでいることにより、マチ部生地110,111は耐久性と速乾性を得ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0131】
(野球用以外の手袋)
本発明の手袋は運動用手袋であり、球技において選手が球を投球、送球する側の手に着用する手袋に関するものであるから、例えば、ハンドボール、ラグビー、アメリカンフットボールなど野球以外のスポーツにおいても、球を投げる側の手に着用する手袋に応用されるものである。
【符号の説明】
【0132】
1~4 手袋
10 手の平部の生地
20 手の甲部の生地
31~35 手の平部の樹脂部材
36 手の母指球皮線に沿った露出線
37 手の近位手掌皮線に沿った露出線
38 手の遠位手掌皮線に沿った露出線
41a~45a 指サック
41b~45b 裏側の指サック
41c~45c 指サック基礎部
41d~45d 交換可能な指サック
50 指部の生地
60 指部の指腹と指側を覆う樹脂部材
61~65 指部の指背を覆う樹脂部材
70 手の甲部の樹脂部材
71~75 手の甲の中手骨骨頭を覆う樹脂部材
76 第一中手骨基部を覆う樹脂部材
80 腕部の面ファスナーを含むリストバンド部
81~85 手袋2の指サック
81a~85a 手袋4の指サック基礎部
81b~85b 手袋4の交換可能な指サック
90 手袋2の指部の生地
100 指部の指腹の裏側を覆う樹脂部材
110 掌外沿部のマチ部生地
111 第一指間腔のマチ部生地