(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023114569
(43)【公開日】2023-08-18
(54)【発明の名称】物干し装置
(51)【国際特許分類】
D06F 57/12 20060101AFI20230810BHJP
E06B 7/28 20060101ALI20230810BHJP
E04F 10/04 20060101ALI20230810BHJP
【FI】
D06F57/12 A
D06F57/12 L
E06B7/28 Z
E04F10/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022016956
(22)【出願日】2022-02-07
(71)【出願人】
【識別番号】504163612
【氏名又は名称】株式会社LIXIL
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【弁理士】
【氏名又は名称】正林 真之
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【弁理士】
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【弁理士】
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100160794
【弁理士】
【氏名又は名称】星野 寛明
(72)【発明者】
【氏名】師岡 聖
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 祐騎
【テーマコード(参考)】
2E105
【Fターム(参考)】
2E105DD06
2E105DD23
2E105DD26
2E105EE04
2E105EE07
2E105FF22
2E105FF34
2E105GG01
2E105GG21
(57)【要約】
【課題】窓の障子や網戸の開閉時に干渉したり、未使用時の窓外の眺望を悪化させたりすることなく、窓に物品を干す機能を持たせることが可能な物干し装置を提供すること。
【解決手段】上枠、下枠及び縦枠を有する窓の枠体に対して取り付け可能な窓取付部と、窓取付部に設けられる物干し機能部と、を備え、窓取付部は、窓の見付方向の外側に向けて延出する枠体の外縁部を室内外方向に挟着する挟着部を有する、物干し装置である。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上枠、下枠及び縦枠を有する窓の枠体に対して取り付け可能な窓取付部と、前記窓取付部に設けられる物干し機能部と、を備え、
前記窓取付部は、前記窓の見付方向の外側に向けて延出する前記枠体の外縁部を室内外方向に挟着する挟着部を有する、物干し装置。
【請求項2】
前記物干し機能部は、前記窓取付部に対して着脱可能に設けられる、請求項1に記載の物干し装置。
【請求項3】
前記窓取付部は、前記窓の前記縦枠の前記外縁部の上端部に係止する係止部を有する、請求項1又は2に記載の物干し装置。
【請求項4】
前記物干し機能部は、靴を引っ掛けるフックである、請求項1~3のいずれか1項に記載の物干し装置。
【請求項5】
前記物干し機能部は、物干し竿を受ける竿受けである、請求項1~3のいずれか1項に記載の物干し装置。
【請求項6】
前記物干し機能部は、上下方向に揺動可能に設けられる枠状部材と、前記枠状部材に設けられる物干し竿部と、を有する、請求項1~3のいずれか1項に記載の物干し装置。
【請求項7】
前記物干し機能部は、前記枠状部材に掛けられて前記物干し竿部の上方を被覆可能な可撓幕を有する、請求項6に記載の物干し装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物干し装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、建物の窓に取り付けられる物干し装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。この物干し装置は、伸縮自在な支持柱に物品を支持する物品支持手段を備え、支持柱の両端にサッシ上下枠の凸条部を嵌め込むことによって、窓の上下枠に亘って取り付けられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の物干し装置は、支持柱を窓の上下枠に亘って取り付けるため、支持柱が障子や網戸の開閉時に干渉するおそれがあり、未使用時の窓外の眺望も悪化する。
【0005】
そのため、窓の障子や網戸の開閉時に干渉したり、未使用時の窓外の眺望を悪化させたりすることなく、窓に物品を干す機能を持たせることが求められている。
【0006】
本開示は、窓の障子や網戸の開閉時に干渉したり、未使用時の窓外の眺望を悪化させたりすることなく、窓に物品を干す機能を持たせることが可能な物干し装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の物干し装置は、窓の枠体に対して取り付け可能な窓取付部と、前記窓取付部に設けられる物干し機能部と、を備え、前記窓取付部は、前記窓の見付方向の外側に向けて延出する前記枠体の縁部を室内外方向に挟着する挟着部を有する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】第1実施形態の物干し装置を取り付けた窓を示す斜視図である。
【
図2】第1実施形態の物干し装置を分解して示す斜視図である。
【
図3】第1実施形態の物干し装置を窓の縦枠に取り付け状態を示す平面図である。
【
図4】第1実施形態の物干し装置の使用状態を示す側面図である。
【
図5】第2実施形態の物干し装置を取り付けた窓を示す斜視図である。
【
図6】第2実施形態の物干し装置を分解して示す斜視図である。
【
図7】第2実施形態の物干し装置を窓の縦枠に取り付けた状態を示す斜視図である。
【
図8】第3実施形態の物干し装置を分解して示す斜視図である。
【
図9】第4実施形態の物干し装置を取り付けた窓を示す斜視図である。
【
図10】第4実施形態の物干し装置の展開状態を示す斜視図である。
【
図11】第4実施形態の物干し装置の折り畳み状態を示す斜視図である。
【
図12】日除け装置を取り付けた窓を示す斜視図である。
【
図13】日除け装置の折り畳み状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示の物干し装置の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
図1は、窓1の枠体10の室外側に、2つの物干し装置2を取り付けた状態を示す。窓1は、上枠11、下枠12及び左右の縦枠13を矩形に枠組みすることによって構成されるアルミ製の枠体10の内側に、2枚の障子14を左右方向にスライド移動可能に納めた引き違い窓である。
【0010】
ここで、図中の両端矢印で示す窓1の方向について次のとおり定義する。X1方向は、窓1の室外側の方向を示す。X2方向は、窓1の室内側の方向を示す。窓1において、縦枠13の延び方向に沿う上下方向及び上枠11、下枠12の延び方向に沿う左右方向が窓1の見付方向である。見付方向の外側とは、窓1から外側方に向けて離れる側である。見付方向の内側とは、窓1の中央部(障子14の中央部)に向かう側である。
【0011】
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る靴干し用の物干し装置2を示している。物干し装置2は、窓1の枠体10のうちの左右の縦枠13の下端部近傍にそれぞれ取り付けられている。物干し装置2は、
図2に示すように、それぞれ金属板材によって形成される窓取付部3と物干し機能部4とを有する。窓取付部3と物干し機能部4とは別体に形成される。物干し機能部4は、2本の取付けねじSC1によって、窓取付部3に着脱可能に固定されている。
【0012】
窓取付部3は、窓1の枠体10に取り付けられる部位である。窓取付部3は、上下を逆にすることによって、左右の縦枠13に共通に使用可能な部品である。
図3は、窓1を室外側から見たときの左側の縦枠13に取り付けられた状態の物干し装置2の平面図である。縦枠13の室外側には、窓1の見付方向の外側(
図3における左側)に向けて延出する外縁部131が形成されている。外縁部131の先端は、室内側に向けてL型に屈曲している。窓取付部3は、この外縁部131を室内外方向に挟着することによって縦枠13に取り付けられる。窓取付部3は、取付部本体31と、可動部材32と、によって構成される。
【0013】
取付部本体31は、窓取付部3が窓1の枠体10に取り付けられた際に、室外側に面して配置される基板311と、基板311から室内側に向けて延びる第1ガイド板312と、第1ガイド板312から窓1の見付方向の内側に向けて延びる第1挟着片313と、を有する。
【0014】
基板311は、物干し機能部4を取り付ける部位であり、縦枠13に沿って長い矩形板状に形成される。基板311には、3つのねじ穴311aと、2つのねじ挿通穴311bと、を有する。ねじ穴311aの内周面には、物干し機能部4を取付部本体31に固定するための取付けねじSC1を螺合させる雌ねじが設けられる。ねじ挿通穴311bは、取付部本体31に可動部材32を移動可能に組み付けるための締付けねじSC2の軸部を挿通可能に設けられる。ねじ穴311aとねじ挿通穴311bとは、基板311の長さ方向に沿って1列に配列されている。ねじ穴311aとねじ挿通穴311bとは、両端にねじ穴311aが配置されるように、基板311の長さ方向に沿って交互に配置されている。
【0015】
第1ガイド板312は、後述する可動部材32の室内外方向の移動を円滑に案内するためのガイド面を構成する。第1ガイド板312は、基板311における窓1の見付方向の外側の端部を室内側に向けて直角に折り曲げることによって形成される。第1ガイド板312は、2つの切り欠き部312aを有する。切り欠き部312aは、後述の可動部材32の螺合板323が挿通可能且つ室内外方向に移動可能な矩形の貫通穴からなる。切り欠き部312aは、第1ガイド板312と基板311との接続部に隣接する部位、且つ基板311のねじ挿通穴311bに近接する部位にそれぞれ配置される。
【0016】
第1挟着片313は、第1ガイド板312の室内側の端部の一部、具体的には、第1ガイド板312の室内側の端部の中央部を、窓1の見付方向の内側に向けて直角に折り曲げることによって形成される。第1挟着片313は、第1ガイド板312から基板311と同一方向に延びている。第1挟着片313は、基板311と平行に配置される。
【0017】
可動部材32は、取付部本体31とは別体に形成され、取付部本体31に対して室内外方向に沿って移動可能に設けられる。可動部材32は、室内外方向に延びる第2ガイド板321と、第2ガイド板321の室内側の端部に設けられる第2挟着片322と、第2挟着片322よりも室外側に配置される2つの螺合板323と、を有する。
【0018】
第2ガイド板321は、取付部本体31の第1ガイド板312の外側に配置され、第1ガイド板312に沿って平行に延びている。第2ガイド板321は、取付部本体31の第1ガイド板312の外側に沿う移動を案内するガイド面を構成する。可動部材32は、第1ガイド板312と第2ガイド板321とが互いに重なり合った状態で移動することによって、取付部本体31に対して室内外方向に円滑に移動可能である。
【0019】
第2挟着片322は、挟着部322aと、屈曲部322bと、を有する。挟着部322aは、第2ガイド板321の室内側の端部を、窓1の見付方向の内側に向けて直角に折り曲げることによって形成される。屈曲部322bは、挟着部322aの先端を、さらに室外側に向けて直角に折り曲げることによって形成される。挟着部322aは、取付部本体31の第1挟着片313に対して平行に配置される。挟着部322aの折り曲げ方向の幅は、第1挟着片313の折り曲げ方向の幅の略半分である。屈曲部322bの室内外方向の長さは、第2ガイド板321の室内外方向の長さに比べて十分に短い。そのため、取付部本体31と可動部材32とが組み付けられたとき、屈曲部322bの先端は、
図3に示すように、第1挟着片313の室内側の面に対向するように配置される。
【0020】
螺合板323は、取付部本体31の切り欠き部312aの位置に対応する第2ガイド板321の室外側の端部を矩形に切り欠いて、窓1の見付方向の内側に向けて直角に折り曲げることによって形成される。螺合板323は、取付部本体31の切り欠き部312aに対して、窓1の見付方向の外側から挿入される。これによって、取付部本体31に可動部材32が装着され、第1ガイド板312と第2ガイド板321とが互いに重なり合う。螺合板323には、それぞれ内周面に雌ねじを有するねじ穴323aが設けられる。
【0021】
取付部本体31の切り欠き部312aに挿入された螺合板323のねじ穴323aに、取付部本体31のねじ挿通穴311bに室外側から挿通される締付けねじSC2が螺合することによって、取付部本体31と可動部材32とが組み付けられる。締付けねじSC2が締め付け方向に回転操作されると、螺合板323が、締付けねじSC2の軸部に沿って、切り欠き部312a内を室外側の基板311に向けて移動する。これに伴って、可動部材32が、第1ガイド板312に沿って円滑に案内されながら室外側に向けて移動する。これによって、第2挟着片322が、取付部本体31の第1挟着片313に接近し、第2挟着片322と第1挟着片313との間で外縁部131を室内外方向に挟着し、窓取付部3が縦枠13に取り付けられる。第1挟着片313と第2挟着片322とは、窓取付部3における挟着部を構成する。
【0022】
物干し機能部4は、
図4に示すように、靴100を引っ掛けて干すためのフックからなる。詳しくは、物干し機能部4は、
図2に示すように、窓取付部3の基板311の室外側の面に当接する平板状の当接板41と、当接板41から室外側に向けて突出する平板状のフック部42と、を有する。
【0023】
当接板41には、物干し機能部4を窓取付部3の基板311の室外側の面に固定するための取付けねじSC1の軸部を挿通させる2つのねじ挿通穴411aと、2つのねじ挿通穴411aの間に配置され、締付けねじSC2の頭部を挿通させる1つのねじ挿通穴411bと、が設けられる。本実施形態の当接板41の下端に配置される1つのねじ挿通穴411aは、下方に開放する溝によって形成されるが、通常の丸穴であってもよい。本実施形態の当接板41は、
図2における窓取付部3の基板311の上下方向の長さよりも短いため、最上部の締付けねじSC2は、当接板41よりも上方に配置されている。当接板41は、基板311と同じ長さを有してもよい。その場合、当接板41には、最上部の締付けねじSC2の頭部を挿通させるねじ挿通穴が設けられる。
【0024】
フック部42は、当接板41の下端側を室外側に向けて直角に折り曲げ、さらにその先端側を斜め上方に向けて折り曲げることによって、当接板41と一体に形成される。フック部42は、当接板41と同じ幅を有するが、当接板41に面する部位には切り欠き部421が設けられることによって部分的に細幅に形成されている。これによって、当接板41の室外側が開放され、取付けねじSC1及び締付けねじSC2のための作業スペースが形成される。したがって、取付けねじSC1及び締付けねじSC2の挿入及び締め付け作業を、フック部42に邪魔されることなく、室外側から容易に行うことができる。
【0025】
本実施形態の物干し機能部4は、左右の縦枠13において左右対称形状を有するが、左右の縦枠13で共通の形状を有するものであってもよい。
【0026】
物干し機能部4は、一つの取付例として、縦枠13に取り付けられた窓取付部3の基板311に、取付けねじSC1によって取り付けられる。物干し機能部4は、他の取付例として、縦枠13に取り付けられる前の窓取付部3の基板311に、取付けねじSC1によって取り付けられてもよい。
【0027】
靴干し用の物干し装置2は、左右の縦枠13にそれぞれ取り付けられるものに限らず、いずれか一方の縦枠13のみに取り付けられてもよい。物干し装置2の取り付け位置は、縦枠13の下端部近傍に限らない。物干し装置2は、窓1の大きさ等に応じて、縦枠13の上端部近傍や中央部等、縦枠13の任意の位置に取り付け可能である。
【0028】
物干し装置2は、縦枠13に取り付けられることによって、窓1の室外側に、靴を引っ掛けて干すための靴干し部を形成する。物干し装置2は縦枠13に配置されるため、窓1の障子14や網戸(図示せず)の開閉操作に支障を来たすことはなく、窓外の眺望を損ねることもない。
【0029】
本実施形態の物干し装置2の窓取付部3は、図示しないが、長さ方向を横向きにすることによって、上枠11及び下枠12の外縁部にも同様に取り付け可能である。この場合、当接板41に対するフック部42は、
図2に示すフック部42の向きに対して90°変更した向きに設けられる。本実施形態の物干し装置2において、物干し機能部4と窓取付部3とは別体であるため、当接板41に対するフック部42の向きが異なる物干し機能部4を予め用意しておくことによって、枠体10に対する物干し装置2の取り付け位置に応じて、フック部42の向きが最適な物干し機能部4を選択して使用することができる。
【0030】
但し、物干し装置2の別の実施形態として、図示しないが、物干し機能部4の当接板41は、窓取付部3の基板311と共通であってもよい。すなわち、物干し機能部4のフック部42は、基板311に一体に折り曲げ形成されてもよい。
【0031】
物干し装置2において、フック部42は、当接板41から窓1の見付方向の外側に向けて横方向に延びるように設けられてもよい。物干し装置2が縦枠13に取り付けられる場合に、フック部42に引っ掛けられた靴100が室内側から目視されにくくなり、干された靴100が窓外の眺望を損なうことがない。
【0032】
物干し装置2において、フック部42は、当接板41に2つ設けられてもよい。これによって、1つの物干し装置2で1足分の靴100を引っ掛けて干すことができる。
【0033】
(第2実施形態)
図5は、第2実施形態に係る物干し装置2Aが取り付けられた窓1を示す。第1実施形態に係る物干し装置2と同一符号の部位は同一構成の部位を示すため、それらの説明は上記説明を援用し、以下の説明では省略する。この物干し装置2Aの物干し機能部5は、物干し竿200の端部を受ける竿受けであり、窓1の左右の縦枠13の上端部近傍にそれぞれ取り付けられている。
【0034】
物干し装置2Aは、
図6に示すように、上下に配置される2つの窓取付部3A,3と、竿受けとして機能する1つの物干し機能部5と、を有する。
【0035】
2つの窓取付部3A,3のうち、下側に配置される窓取付部3は、第1実施形態に係る物干し装置2の窓取付部3と同一構成であるが、上側に配置される窓取付部3Aは、窓取付部3に対して係止部324が付加されている。
【0036】
係止部324は、
図6及び
図7に示すように、窓取付部3の可動部材32に一体に設けられる。係止部324は、第2挟着片322の屈曲部322bの先端から室外側に向けて突出するように設けられる。係止部324の先端は、下方に向けてL型に屈曲している。
図7に示すように、窓取付部3Aが縦枠13の上端部に取り付けられた際に、係止部324は、縦枠13の外縁部131の上端部131aに対して上方から係止する。これによって、窓取付部3Aは、縦枠13の上部に対して位置決めされて下方にずれることが阻止されると同時に、下方向への耐荷重性が向上する。
【0037】
物干し機能部5は、上下2つの窓取付部3A,3に亘って取り付けられる。物干し機能部5は、
図6に示すように、竿受け基部51と、竿受け本体部52と、を有する。
【0038】
竿受け基部51は、上下方向に長い取付板部511と、取付板部511の左右両端部から室外側に向けて延出する一対の側板部512と、を有する。
【0039】
取付板部511は、2つの窓取付部3A,3の各基板311に対して当接して取り付ける部位である。取付板部511の上下方向の長さは、2つの窓取付部3A,3の各基板311の上下方向の長さを足した長さよりも長い。取付板部511の左右方向の幅は、窓取付部3A,3の各基板311の左右方向の幅に略等しい。取付板部511には、窓取付部3A,3に対して2つずつの取付けねじSC1の軸部を挿通させる4つのねじ挿通穴511aと、窓取付部3A,3に対して2つずつの締付けねじSC2の頭部を挿通させる4つのねじ挿通穴511bと、が設けられる。
【0040】
一対の側板部512は、略矩形状の金属板の左右両端部側を、中央部に取付板部511を残して、室外側に向けて直角に折り曲げることによって形成される。これによって、取付板部511と一対の側板部512との間には、竿受け本体部52の収容空間が形成される。
【0041】
竿受け本体部52は、取付板部511と一対の側板部512との間に収容可能な矩形の金属板からなる。竿受け本体部52の基端側は、一対の側板部512の間に挟持され、一対の側板部512と竿受け本体部52とに亘って貫通する回動軸53を中心にして、竿受け基部51に対して上下方向に揺動可能に取り付けられる。
【0042】
竿受け本体部52の先端近傍には、物干し竿22を挿通させる竿通し穴521が設けられる。竿受け基部51の一対の側板部512の上端部近傍には、竿受け本体部52が上方に回動して一対の側板部512の間に収容された際に、物干し竿200との干渉を避けるための凹部512aがそれぞれ形成されている。竿受け本体部52には、竿通し穴521に代えて、物干し竿22を受ける受け溝を設けてもよい。
【0043】
図6に示すように、竿受け本体部52において、竿受け基部51に収容された際に取付板部511に対向する側縁の略中央部には、凸部522が形成されている。凸部522は、竿受け本体部52が竿受け基部51に収容された際に、取付板部511において取付けねじSC1及び締付けねじSC2が配置されない上下方向中央部の室外側の面に当接することによって、竿受け本体部52が取付けねじSC1及び締付けねじSC2の頭部と干渉することを防止する。
【0044】
物干し装置2Aは、2つの窓取付部3A,3によって、左右の縦枠13の上端部近傍の同じ高さ位置にそれぞれ取り付けられる。その後、
図5に示すように、2つの物干し装置2Aの竿受け本体部52の竿通し穴521に亘って物干し竿200を通すことによって、窓1の室外側に、洗濯物をハンガー等によって吊り下げて干すための物干し部が形成される。物干し装置2Aは縦枠13の上端部近傍に配置されるため、窓1の障子14や網戸(図示せず)の開閉操作に支障を来たすことはない。物干し装置2Aは、未使用時には、竿受け本体部52を上方に揺動させて竿受け基部51の内部に収容することができるため、窓外の眺望を損ねることはない。
【0045】
(第3実施形態)
図8は、第3実施形態に係る物干し装置2Bを示す。第2実施形態に係る物干し装置2Aと同一符号の部位は同一構成の部位を示すため、それらの説明は上記説明を援用し、以下の説明では省略する。この物干し装置2Bは、第2実施形態に係る物干し装置2Aの2つの窓取付部3A,3を一体化した1つの窓取付部3Bを有する。
【0046】
窓取付部3Bは、第2実施形態に係る物干し装置2Aの2つの窓取付部3A,3の各基板311,311を共通にして一体化したものである。基板311以外の構成は、第2実施形態に係る物干し装置2Aの2つの窓取付部3A,3の基板311以外の構成と同一である。この物干し装置2Bによれば、上下の挟着部の間隔がずれることがなく、縦枠13に対する窓取付部3Bの取り付け作業を楽に行うことができる。
【0047】
(第4実施形態)
図9は、第4実施形態に係る物干し装置2Cが取り付けられた窓1を示す。第1実施形態に係る物干し装置2と同一符号の部位は同一構成の部位を示すため、それらの説明は上記説明を援用し、以下の説明では省略する。この物干し装置2Cは、左右の縦枠13にそれぞれ取り付けられる窓取付部3に亘って設けられる。窓取付部3は、第2実施形態に係る物干し装置2Aと同様に、各縦枠13について上下方向に2つずつ配置されている。
【0048】
物干し装置2Cの物干し機能部6は、第1の枠状部材61と、第2の枠状部材62と、物干し竿部63と、可撓幕64と、を有する。
【0049】
第1の枠状部材61は、金属製の角棒材からなり、上下方向に延びる平行な一対の縦側枠部611と、金属製の丸棒材からなり、左右方向に延びる横側枠部612と、によって下方が開放したコ型に形成される。横側枠部612は、コーナージョイント61aを介して、左右の縦側枠部611の上端部に亘って設けられる。各縦枠13について上下方向に2つずつ配置される窓取付部3は、各縦側枠部611の下端部近傍の室内側の面にそれぞれ取り付けられている。
【0050】
第2の枠状部材62は、金属製の丸棒材からなる平行な一対の支持枠部621と、金属製の丸棒材からなる横枠部622と、によって形成される。支持枠部621の基端側は、縦側枠部611の下端部近傍にそれぞれ取り付けられた取付部材61bに、上下方向に揺動可能に取り付けられている。横枠部622は、コーナージョイント62aを介して、左右の支持枠部621の先端部に亘って設けられる。
【0051】
物干し竿部63は、金属製の丸棒材からなり、支持枠部621の中央部付近にそれぞれ設けられたT型ジョイント63aを介して、左右の支持枠部621に亘って設けられる。物干し竿部63は、洗濯物をハンガー等によって吊り下げて干すための物干し部である。
【0052】
可撓幕64は、
図10に示すように、第2の枠状部材62が下方に揺動して室外側に向けて突出するように配置された使用状態において、第1の枠状部材61の横側枠部612と、第2の枠状部材62の横枠部622と、に亘って掛け渡されている。可撓幕64は、樹脂シート、布等によって形成される。可撓幕64は、
図10に示す使用状態において、物干し竿部63の上方を被覆する。そのため、使用状態の物干し機能部6は、日除け及び雨除けとしても機能する。
【0053】
物干し装置2Cは、第1の枠状部材61の一対の縦側枠部611に取り付けられる2つずつの窓取付部3によって、左右の縦枠13の上端部近傍に取り付けられる。物干し装置2Cは縦枠13の上端部近傍に配置されるため、窓1の障子14や網戸(図示せず)の開閉操作に支障を来たすことはない。物干し装置2Cは、
図11に示すように、未使用時には、物干し機能部6の第2の枠状部材62を上方に揺動させ、可撓幕64を折り畳むことによって、窓1の上部に収納されるため、未使用時に窓外の眺望を損なうことはない。上方に揺動した第2の枠状部材62は、縦側枠部611にそれぞれ設けられた保持部材61cに嵌合することによって保持される。
【0054】
物干し装置2Cにおいて、物干し機能部6の物干し竿部63は、左右の支持枠部621に亘って複数本設けられてもよい。物干し装置2Cにおいて、可撓幕64は必ずしも設けられなくてもよい。その場合、第2の枠状部材62の横枠部622も、物干し部として使用することができる。
【0055】
物干し装置2Cの一対の縦側枠部611にそれぞれ取り付けられる上下2つの窓取付部3は、
図8に示した窓取付部3Bと同様に、基板311によって一体化されていてもよい。物干し装置2Cにおいて、上側の窓取付部3は、縦枠13の上端部に取り付けられてもよい。その場合、上側の窓取付部3には、
図6及び
図7に示したように、係止部324が設けられてもよい。
【0056】
(日除け装置)
図12は、日除け装置2Dが取り付けられた窓1を示す。第4実施形態に係る物干し装置2Cと同一符号の部位は同一構成の部位を示すため、それらの説明は上記説明を援用し、以下の説明では省略する。この日除け装置2Dは、物干し装置2Cと同様に、左右の縦枠13にそれぞれ取り付けられる窓取付部3に亘って設けられる。
【0057】
日除け装置2Dは、物干し装置2Cにおける物干し竿部63を有していない以外、物干し装置2Cと同一の構成を有する。この日除け装置2Dによれば、窓1の障子14や網戸(図示せず)の開閉操作に支障を来たすことなく、窓1に日除け及び雨除け機能を容易に付加することができる。日除け装置2Dは、
図13に示すように、未使用時には、第2の枠状部材62を上方に揺動させ、可撓幕64を折り畳むことによって、窓1の上部に収納されるため、未使用時に窓外の眺望を損なうことはない。
【0058】
以上のとおり、物干し装置は以下の効果を奏する。すなわち、物干し装置2,2A,2B,2Cは、上枠11、下枠12及び縦枠13を有する窓1の枠体10に対して取り付け可能な窓取付部3,3A,3Bと、窓取付部3,3A,3Bに設けられる物干し機能部4,5,6と、を備え、窓取付部3,3A,3Bは、窓1の見付方向の外側に向けて延出する枠体10の外縁部(縦枠13の外縁部131)を室内外方向に挟着する挟着部(第1挟着片313,第2挟着片322)を有する。これによれば、窓1の障子14や網戸の開閉時に干渉したり、未使用時の窓外の眺望を悪化させたりすることなく、窓1に物品を干す機能を持たせることが可能である。挟着部は、枠体10の外縁部を室内外方向に挟着するため、物干し時の耐荷重性が向上する。
【0059】
物干し機能部4,5,6は、窓取付部3,3A,3Bに対して着脱可能に設けられてもよい。これによれば、窓取付部3,3A,3Bを共通にして、干したい物品に応じて、物干し機能部を適宜選択して使用することができる。
【0060】
窓取付部3Aは、窓1の縦枠13の外縁部131の上端部131aに係止する係止部324を有してもよい。これによれば、物干し時の耐荷重性がさらに向上する。
【0061】
物干し機能部4は、靴を引っ掛けるフックであってもよい。これによれば、窓1の室外側に靴を干すことができる。
【0062】
物干し機能部5は、物干し竿200を受ける竿受けであってもよい。これによれば、窓1の室外側に物干し竿200を受ける容易に設置することができる。
【0063】
物干し機能部6は、上下方向に揺動可能に設けられる枠状部材(第2の枠状部材62)と、枠状部材に設けられる物干し竿部63と、を有するものであってもよい。これによれば、窓1の室外側に上下揺動可能な物干し竿を容易に設置することができる。
【0064】
物干し機能部6は、枠状部材に掛けられて物干し竿部63の上方を被覆可能な可撓幕64を有してもよい。これによれば、物干し装置2Cに日除け及び雨除け機能を付加することができる。
【符号の説明】
【0065】
1 窓、 10 枠体、 11 上枠、 12 下枠、 13 縦枠、 131 外縁部、 131a 上端部、 2,2A,2B,2C 物干し装置、 3,3A,3B 窓取付部、 313 第1挟着片(挟着部)、 322 第2挟着片322(挟着部)、 324 係止部、 4,5,6 物干し機能部、 61 第1の枠状部材、 62 第2の枠状部材、 63 物干し竿部、 64 可撓幕、 100 靴、 200 物干し竿