(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023114578
(43)【公開日】2023-08-18
(54)【発明の名称】電子帳票作成支援装置、方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/10 20230101AFI20230810BHJP
【FI】
G06Q10/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022016969
(22)【出願日】2022-02-07
(71)【出願人】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(71)【出願人】
【識別番号】317015294
【氏名又は名称】東芝エネルギーシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001380
【氏名又は名称】弁理士法人東京国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】笹川 剛
(72)【発明者】
【氏名】高倉 啓
(72)【発明者】
【氏名】尾崎 健司
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 良三
(72)【発明者】
【氏名】池田 芳朗
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA20
(57)【要約】 (修正有)
【課題】人為的な作業を削減し、人的労力やコストの軽減に寄与する電子帳票作成支援装置、電子帳票作成支援方法及び電子帳票作成支援プログラムを提供する。
【解決手段】電子帳票作成支援装置10は、第1データベース31に保存されている複数の中から帳票フォーム25を取得する取得部11と、入力データ23の入力セル26を帳票フォーム25から抽出する抽出部12と、入力データ23の属性情報27を入力セル26に設定する設定部15と、入力セル26に属性情報27を定義し帳票フォーム25を定義済帳票28にする定義部16と、定義済帳票28に入力した入力データ23を入力セル26に対応する属性情報27に紐付けて登録する登録部18と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の中から帳票フォームを取得する取得部と、
入力データの入力セルを前記帳票フォームから抽出する抽出部と、
前記入力データの属性情報を前記入力セルに設定する設定部と、
前記入力セルに前記属性情報を定義し前記帳票フォームを定義済帳票にする定義部と、
前記定義済帳票に入力する前記入力データを、前記入力セルに対応する前記属性情報へ紐付けて登録する登録部と、を備える電子帳票作成支援装置。
【請求項2】
請求項1に記載の電子帳票作成支援装置において、
前記抽出部は、前記帳票フォームを領域分割して成す複数の分割セルの各々を第1特徴解析に基づき判定したうえで、前記入力セルを抽出する電子帳票作成支援装置。
【請求項3】
請求項2に記載の電子帳票作成支援装置において、
前記第1特徴解析は、前記分割セルにおける、入力値の有無、背景色、罫線、特定の文字列の少なくとも一つの条件に基づいて判定される電子帳票作成支援装置。
【請求項4】
請求項3に記載の電子帳票作成支援装置において、
前記第1特徴解析における前記条件を記述した判定モデルを使用する電子帳票作成支援装置。
【請求項5】
請求項3又は請求項4に記載の電子帳票作成支援装置において、
前記設定部は、前記分割セルのうち前記入力セルの周囲に位置する周囲セルの第2特徴解析に基づいて前記属性情報を設定する電子帳票作成支援装置。
【請求項6】
請求項5に記載の電子帳票作成支援装置において、
前記第2特徴解析は、前記周囲セルから取得した入力値が、予め登録されている登録値に一致するか否かに基づく電子帳票作成支援装置。
【請求項7】
請求項6に記載の電子帳票作成支援装置において、
前記第2特徴解析における前記登録値を記述した設定モデルを使用する電子帳票作成支援装置。
【請求項8】
請求項5から請求項7のいずれか1項に記載の電子帳票作成支援装置において、
前記属性情報は、前記入力セルへの入力方式及び管理情報の入力ラベルの組み合わせにより規定される電子帳票作成支援装置。
【請求項9】
請求項8に記載の電子帳票作成支援装置において、
前記入力方式は、選択入力、カレンダー入力、テキスト入力、数値入力、及び、チェック入力の少なくとも一つに基づき、
前記入力ラベルは、ロケーション番号、立合年月日、検査者、検査結果、判定、及び、備考の少なくとも一つに基づく電子帳票作成支援装置。
【請求項10】
請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の電子帳票作成支援装置において、
前記定義済帳票における前記入力セルの抽出及び前記属性情報の設定を修正する修正部を備える電子帳票作成支援装置。
【請求項11】
請求項7を引用する請求項10に記載の電子帳票作成支援装置において、
修正前の前記定義済帳票と修正後の前記定義済帳票との差分に基づいて、前記判定モデル及び前記設定モデルを更新する更新部を備える電子帳票作成支援装置。
【請求項12】
請求項1から請求項11のいずれか1項に記載の電子帳票作成支援装置において、
入力済帳票から既に入力されている前記入力データを読み出して前記属性情報に紐付けて登録させる読出部を備える電子帳票作成支援装置。
【請求項13】
請求項12に記載の電子帳票作成支援装置において、
前記属性情報をキーとして前記入力データの履歴を閲覧させる履歴閲覧部を備える電子帳票作成支援装置。
【請求項14】
複数の中から帳票フォームを取得するステップと、
入力データの入力セルを前記帳票フォームから抽出するステップと、
前記入力データの属性情報を前記入力セルに設定するステップと、
前記入力セルに前記属性情報を定義し前記帳票フォームを定義済帳票にするステップと、
前記定義済帳票に入力する前記入力データを前記入力セルに対応する前記属性情報へ紐付けて登録するステップと、を含む電子帳票作成支援方法。
【請求項15】
コンピュータに、
複数の中から帳票フォームを取得するステップ、
入力データの入力セルを前記帳票フォームから抽出するステップ、
前記入力データの属性情報を前記入力セルに設定するステップ、
前記入力セルに前記属性情報を定義し前記帳票フォームを定義済帳票にするステップ、
前記定義済帳票に入力する前記入力データを前記入力セルに対応する前記属性情報へ紐付けて登録するステップ、を実行させる電子帳票作成支援プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、電子帳票の作成を支援する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、紙の帳票に代わり、電子化した帳票(以下「電子帳票」という)により、タブレット等の電子端末を用いデータ管理する事例が増えている。ここで帳票とは、例えばデスクワークで使用される申込票や、発電所や工場の点検作業で使用される点検表等が挙げられる。企業では、これら帳票に入力したデータを、顧客のトレンド分析や機器の保守管理に活用している。
【0003】
電子端末で管理される電子帳票では、データの入力欄(以下、「入力セル」と呼ぶ)の各々に、属性情報が設定されている。ここで属性情報としては、データを電子端末で入力する際の入力方式や、入力したデータを管理・運用するデータベースへの登録に必要なラベル情報等が挙げられる。
【0004】
このような属性情報の設定を、通常は人為的に、電子帳票に含まれる入力セルの位置を特定する作業と、各々の入力セルに属性情報を設定する作業とを、行っている。このような人的労力やコストを軽減するために、電子帳票の入力セルに属性情報を設定する作業の自動化を促進する技術が検討されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記の特許文献では、企業における人事・労務管理や顧客管理に関連した情報処理技術が開示されている。そして上記の公知技術は、異なる形式の複数のテンプレートで既に入力された個人情報、雇用契約、賃金といった従業員情報を利用し、これらを自動で部分抽出し結合したり表示方法を変更したりすることで、目的に合致する所望のフォーマットの従業員情報を、自動的に作成することを目的としている。
【0007】
このために、上記の公知技術は、発電所や工場の点検作業で使用される数百から数千にわたる多種多様の様式を持つ点検表等の帳票に適用するようなことは念頭にない。このため上記の公知技術では、電子帳票に配置される入力セルの抽出作業に関する言及はなく、むしろ人為的に行うのが合理的といえる。
【0008】
本発明の実施形態は、上述した課題を解決するためになされたものであり、人為的な作業を削減し、人的労力やコストの軽減に寄与する電子帳票作成支援技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
実施形態に係る電子帳票作成支援装置において、複数の中から帳票フォームを取得する取得部と、入力データの入力セルを前記帳票フォームから抽出する抽出部と、前記入力データの属性情報を前記入力セルに設定する設定部と、前記入力セルに前記属性情報を定義し前記帳票フォームを定義済帳票にする定義部と、前記定義済帳票に入力する前記入力データを前記入力セルに対応する前記属性情報へ紐付けて登録する登録部と、を備えている。
【発明の効果】
【0010】
本発明の実施形態により、人為的な作業を削減し、人的労力やコストの軽減に寄与する電子帳票作成支援技術が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の第1実施形態に係る電子帳票作成支援装置のブロック図。
【
図2】各実施形態における電子帳票作成支援装置の抽出部のルーチンを説明するフローチャート。
【
図3】各実施形態の抽出部の第1特徴解析におけるサブルーチンを説明するフローチャート。
【
図4】各実施形態における電子帳票作成支援装置の設定部のルーチンを説明するフローチャート。
【
図5】各実施形態の設定部の第2特徴解析におけるサブルーチンを説明するフローチャート。
【
図6】入力セルに属性情報(入力方式,入力ラベル)が定義された定義済帳票の説明図。
【
図7】本発明の第2実施形態に係る電子帳票作成支援装置のブロック図。
【
図8】第2実施形態における電子帳票作成支援装置の更新部におけるルーチンを説明するフローチャート。
【
図9】本発明の第3実施形態に係る電子帳票作成支援装置のブロック図。
【
図10】各実施形態に係る電子帳票作成支援方法の工程及び電子帳票作成支援プログラムのアルゴリズムを説明するフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(第1実施形態)
以下、本発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。
図1は本発明の第1実施形態に係る電子帳票作成支援装置10A(10)のブロック図である。このように電子帳票作成支援装置10は、第1データベース31に保存されている複数の中から帳票フォーム25を取得する取得部11と、入力データ23の入力セル26(
図6参照)を帳票フォーム25から抽出する抽出部12と、入力データ23の属性情報27(27a,27b)を入力セル26に設定する設定部15と、入力セル26に属性情報27を定義し帳票フォーム25を定義済帳票28にする定義部16と、定義済帳票28に入力する入力データ23を入力セル26に対応する属性情報27へ紐付けて登録する登録部18と、を備えている。
【0013】
原子力施設の現場点検では、タブレット端末等の外部端末20の表示部22に電子化した検査成績書(定義済帳票28)を表示させる(
図6参照)。そして、外部端末20の入力部21から点検結果の入力データ23が、入力セル26に入力される。
【0014】
原子力施設の現場点検で使用する検査成績書(帳票)は、点検対象となる機器毎に異なるため、数千枚規模である。さらに、同一の機器の検査成績書であっても、時代経過とともに検査成績書(帳票)の版が更新され、複数のフォーマットが存在している場合もある。さらには、過去に遡って、紙ベースで運用されていた時代の検査成績書(帳票)はスキャンデータで管理されている。
【0015】
第1データベース31には、上述したようにフォーマットが異なる複数の帳票フォーム25が保存されている。この帳票フォーム25は、その入力セル26における入力データ23が未入力(空欄)であるものを意味する。
【0016】
取得部11では、第1データベース31に保存されている複数の帳票フォーム25のうちいずれか一つが、ユーザ操作の任意選択により取得される。この帳票フォーム25(
図6参照)には、入力データ23の入力領域である入力セル26が、帳票フォーム25の座標系における座標情報で規定されている。
【0017】
抽出部12は、帳票フォーム25を領域分割して成す複数の分割セル(図示略)の各々を第1特徴解析に基づき判定したうえで、自動的に入力セル26を抽出する。この第1特徴解析は、入力値の有無、背景色、罫線、特定の文字列の少なくとも一つの条件に基づいて、分割セル(図示略)が入力セル26であるか否かを判定する。これら第1特徴解析の条件は、内部の修正・変更・追加・削除が可能な判定モデル35に記述されている。
【0018】
図2のフローチャートに基づいて抽出部12のルーチンを説明する。まず、帳票フォーム25を読み込み(S11)、その領域を複数の分割セルに分ける(S12)。そして、いずれか一つの分割セルを選択し第1特徴解析(
図3のサブルーチン参照)を実行し(S13)、選択された分割セルが入力セル26で有るか否かを判定する(S14)。
【0019】
そして、分割セルが入力セル26で有ると判定された場合(S14;Yes)、帳票フォーム25におけるその位置情報が出力される(S15)。一方で分割セルが入力セル26で無いと判定された場合(S14;No)、その位置情報は出力されない。そして、全ての分割セルに対する第1特徴解析(S13)が終了するまで(S12)~(S15)のフローが繰り返される(S16;No、Yes、END)。
【0020】
図3のフローチャートに基づいて抽出部12の第1特徴解析におけるサブルーチンを説明する。まず、選択した分割セルが(S21)、入力値や斜線等が設定されていて空欄で無いと判定された場合(S22;No)、入力セル26であることが否定される(S26;RETURN)。一方、空欄で有ると判定された場合(S22;Yes)、この分割セルの背景色が入力データ23の入力を許容するもので有るか否かが判断される(S23)。そして、入力を許容するもので無いと判断された場合(S23;No)、入力セル26であることが否定される(S26;RETURN)。
【0021】
一方、入力を許容するもので有ると判断された場合(S23;Yes)、この分割セルが罫線で四方が包囲されたもので有るか否か判断される(S24)。そして、罫線で四方が包囲されたもので有ると判断された場合(S24;Yes)、入力セル26であることが肯定される(S27;RETURN)。
【0022】
一方、罫線で四方が包囲されたもので無いと判断された場合であっても(S24;No)、特定の文字列に隣接するもので有ると判定された場合(S25;Yes)、入力セル26であることが肯定される(S27;RETURN)。他方で、特定の文字列に隣接するもので無いと判定された場合(S25;No)、入力セル26であることが否定される(S26;RETURN)。
【0023】
図1に戻って説明を続ける。設定部15は、入力セル26の周囲に位置する分割セル(「周囲セル」という)を第2特徴解析に基づき判定したうえで、この入力セル26の属性情報27を自動的に設定する。この第2特徴解析は、周囲セルから取得した入力値が、予め登録されている登録値(図示略)に一致するか否かに基づいて、入力セル26の属性情報27を設定する。これら第2特徴解析における登録値は、内部の修正・変更・追加・削除が可能な設定モデル36に記述されている。
【0024】
図4のフローチャートに基づいて各実施形態における設定部15のルーチンを説明する。まず、読み込んだ帳票フォーム25(S31)から抽出されたいずれか一つの入力セル26を選択する(S32)。そして選択された入力セル26の周囲セルに対し、第2特徴解析(
図5のサブルーチン参照)を実行し(S33)、入力セル26の属性情報27を設定する(S34)。そして、全ての入力セル26の属性情報27の設定が終了するまで(S32)~(S34)のフローが繰り返される(S35;No、Yes、END)。
【0025】
図5のフローチャートに基づいて設定部15における第2特徴解析のサブルーチンを説明する。まず、入力セル26の周囲セルの入力値が取得される(S41)。属性情報27に関連付けして予め登録された登録値と周囲セルの入力値とを照合し、一致するものが無ければ(S42;No)、この入力セル26に属性情報27は設定されない。
【0026】
一方で、照合した結果、周囲セルの入力値に一致する登録値が有れば(S42;Yes)、この登録値に関連付けられた属性情報27が入力セル26に設定される。なお、この属性情報27は、入力セル26への入力方式27a及び管理情報の入力ラベル27bの組み合わせにより規定されており、入力方式27a(S43)と入力ラベル27b(S44)とがそれぞれ設定される(RETURN)。
【0027】
なお、第2特徴解析は、属性情報27に関連付けして予め登録された登録値(辞書登録された単語等)を利用するものを例示したが、任意の解析手法を利用できる。例えば機械学習モデルを使用する場合は、周囲セルの入力値だけでなく、罫線、セルの大きさといったセルの特徴を学習し、入力方式27a及び入力ラベル27bを設定することができる。
【0028】
図6は入力セルに属性情報27(入力方式27a,入力ラベル27b)が定義された定義済帳票28の説明図である。このように定義部16(
図1)において、各々の入力セル26に属性情報27が定義される。そして、属性情報27が定義された帳票フォーム25は、定義済帳票28となって、第2データベース32(
図1)に蓄積される。
【0029】
属性情報27のうち、入力セル26への入力方式27aは、選択入力、カレンダー入力、テキスト入力、数値入力、及び、チェック入力等が例示されている。そして、属性情報27のうち管理情報の入力ラベル27bは、ロケーション番号、立合年月日、検査者、検査結果、判定、及び、備考等が例示されている。
【0030】
図1に戻って説明を続ける。登録部18には、定義済帳票28に入力した入力データ23が、入力セル26に対応する属性情報27に紐付いて登録されている。これにより、外部端末20で入力された入力データ23は、テキストデータとして、定義済帳票28の画像データから独立して、登録部18において管理される。
【0031】
割付部17は、属性情報27に紐付いた入力データ23を登録部18から入力し、定義済帳票28の対応する入力セル26に割り付ける。このようにして入力データ23が割り付けられた定義済帳票28は、外部端末20の表示部22に表示される。また、外部端末20の入力部21から入力された入力データ23は、定義済帳票28の入力セル26の属性情報27を伴って、登録部18に登録される。この外部端末20は、電子帳票作成支援装置10にインターネットやLAN等の情報ネットワークを介して接続されている他に、直接接続される場合もある。
【0032】
(第2実施形態)
次に
図7を参照して本発明における第2実施形態について説明する。
図7は本発明の第2実施形態に係る電子帳票作成支援装置10B(10)のブロック図である。なお、
図7において
図1と共通の構成又は機能を有する部分は、同一符号で示し、重複する説明を省略する。
【0033】
第2実施形態の電子帳票作成支援装置10Bは、第1実施形態の電子帳票作成支援装置10A(
図1)の構成に加え、さらに、定義済帳票28における入力セル26の抽出及び属性情報27の設定を修正する修正部45を備えている。さらに第2実施形態の電子帳票作成支援装置10Bは、修正前の定義済帳票28と修正後の定義済帳票28との差分に基づいて、判定モデル35及び設定モデル36を更新する更新部46を備えている。
【0034】
図8のフローチャートに基づいて第2実施形態における電子帳票作成支援装置10Bの更新部46におけるルーチンを説明する(適宜、
図7参照)。まず、抽出部12及び設定部15で帳票フォーム25に自動的に定義した入力セル26及び属性情報27に誤りがあれば、この誤りを修正端末40から手動で修正する(S51)。そして、修正前の定義済帳票28と修正後の定義済帳票28との差分を検出する(S52)。
【0035】
そして、差分が検出された入力セル26を特定し(S53)、この入力セル26の第1特徴解析の結果と設定された属性情報27とが収集される(S54)。さらに、この入力セル26の周囲に位置する周囲セルの第2特徴解析の結果も収集される(S55)。そして、保存部37から判定モデル35及び設定モデル36を収集し、修正する(S56)。これにより、帳票フォーム25に対する入力セル26の抽出及び属性情報27の設定の精度が向上する。
【0036】
(第3実施形態)
次に
図9を参照して本発明における第3実施形態について説明する。
図9は本発明の第3実施形態に係る電子帳票作成支援装置10C(10)のブロック図である。なお、
図9において
図1と共通の構成又は機能を有する部分は、同一符号で示し、重複する説明を省略する。
【0037】
第3実施形態の電子帳票作成支援装置10Cは、第1実施形態の電子帳票作成支援装置10A(
図1)の構成に加え、さらに、入力済帳票49から既に入力されている入力データ23を読み出して、属性情報27に紐付けて、登録させる読出部47を備えている。ここで入力済帳票49とは、紙ベースで運用されている帳票のスキャンデータ等のように、入力データ23が帳票フォーム25と一体化して画像データ化されたものである。
【0038】
読出部47は、入力済帳票49を外部入力し、この入力済帳票49に対応する定義済帳票28を第2データベース32から取得する。そして、定義済帳票28の入力セル26に対応する入力済帳票49の領域の記載を文字認識し入力データ23として出力する。このようにして、紙ベースの入力済帳票49からも、文字認識した入力データ23を、登録部18で管理できる。
【0039】
さらに第3実施形態の電子帳票作成支援装置10Cは、属性情報27をキーとして入力データ23の履歴を閲覧させる履歴閲覧部48を備えている。これにより、時間をかけて蓄積された膨大な電子帳票から、保守管理に関するトレンド分析をすることができる。
【0040】
図10のフローチャートに基づいて各実施形態に係る電子帳票作成支援方法の工程及び電子帳票作成支援プログラムのアルゴリズムを説明する(適宜、
図1、
図7、
図9参照)。まず、第1データベース31に保存されている複数の中から帳票フォーム25を取得する(S11)。そして、入力データ23の入力セル26(
図6参照)を帳票フォーム25から抽出する(S12)。さらに、入力データ23の属性情報27を入力セル26に設定する(S13)。
【0041】
次に、入力セル26に属性情報27を定義し帳票フォーム25を定義済帳票28にして第2データベース32に蓄積する(S14)。このように、自動的に定義された定義済帳票28に誤りが含まれる場合は(S15 Yes)、入力セル26及びその属性情報27を手動で修正して再定義する(S16)。
【0042】
そして外部端末20に定義済帳票28を呼び出して表示させ(S15 No,S17)、外部端末20から入力データ23が入力される(S18)。すると、入力セル26に対応する属性情報27に紐付いて、入力データ23が登録部18に登録される(S19)。
【0043】
さらに、紙ベースで運用され画像データ化された入力済帳票49を管理する場合(S20 Yes)、対応する定義済帳票28を参照し(S21)、入力済帳票49から入力データ23を読み出して(S22)、属性情報27に紐付けて登録する(S23)。
【0044】
そして、入力データ23の履歴を閲覧する場合は(S24 Yes)、キーとする属性情報27を選択し(S25)、登録部18に蓄積されている入力データ23を抽出し外部端末20に表示させる(S26)。そして、第1データベース31に保存されている帳票フォーム25から必要な定義済帳票28を生成し第2データベース32に保存するまで、(S11)から(S26)のフローが繰り返される(S27 No Yes、END)。
【0045】
以上述べた少なくともひとつの実施形態の電子帳票作成支援装置によれば、帳票フォームから自動抽出した入力セルに属性情報を自動設定し、この属性情報に入力データが紐付けて登録される。これにより、電子帳票の作成にあたり、人為的な作業を削減し、人的労力やコストを軽減することが可能となる。
【0046】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更、組み合わせを行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【0047】
以上説明した電子帳票作成支援装置は、専用のチップ、FPGA(Field Programmable Gate Array)、GPU(Graphics Processing Unit)、又はCPU(Central Processing Unit)などのプロセッサを高集積化させた制御装置と、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)などの記憶装置と、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)などの外部記憶装置と、ディスプレイなどの表示装置と、マウスやキーボードなどの入力装置と、通信I/Fとを、備えており、通常のコンピュータを利用したハードウェア構成で実現できる。このため電子帳票作成支援装置の構成要素は、コンピュータのプロセッサで実現することも可能であり、電子帳票作成支援プログラムにより動作させることが可能である
【0048】
また電子帳票作成支援プログラムは、ROM等に予め組み込んで提供される。もしくは、このプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD-ROM、CD-R、メモリカード、DVD、フレキシブルディスク(FD)等のコンピュータで読み取り可能な記憶媒体に記憶されて提供するようにしてもよい。
【0049】
また、本実施形態に係る電子帳票作成支援プログラムは、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせて提供するようにしてもよい。また、電子帳票作成支援装置は、構成要素の各機能を独立して発揮する別々のモジュールを、ネットワーク又は専用線で相互に接続し、組み合わせて構成することもできる。
【符号の説明】
【0050】
10(10A,10B,10C)…電子帳票作成支援装置、11…取得部、12…抽出部、15…設定部、16…定義部、17…割付部、18…登録部、20…外部端末、21…入力部、22…表示部、23…入力データ、25…帳票フォーム、26…入力セル、27(27a,27b)…属性情報、27a…入力方式、27b…入力ラベル、28…定義済帳票、31…第1データベース、32…第2データベース、35…判定モデル、36…設定モデル、37…保存部、40…修正端末、45…修正部、46…更新部、47…読出部、48…履歴閲覧部、49…入力済帳票。