(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023114616
(43)【公開日】2023-08-18
(54)【発明の名称】設備データ収集システム、方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
H04L 12/28 20060101AFI20230810BHJP
G05B 23/02 20060101ALI20230810BHJP
【FI】
H04L12/28 500A
G05B23/02 301V
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022017034
(22)【出願日】2022-02-07
(71)【出願人】
【識別番号】000233295
【氏名又は名称】株式会社日立情報通信エンジニアリング
(74)【代理人】
【識別番号】110002066
【氏名又は名称】弁理士法人筒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】増田 陸
(72)【発明者】
【氏名】中島 正光
【テーマコード(参考)】
3C223
【Fターム(参考)】
3C223AA01
3C223BA03
3C223CC02
3C223DD03
3C223EB01
3C223FF13
3C223FF15
3C223FF16
3C223FF33
3C223FF42
3C223GG01
3C223HH08
(57)【要約】
【課題】収集周期内での複数回の設備設定操作も許容して漏れ無く設備データが収集できる等、より好適な設備データ収集が実現できる技術を提供する。
【解決手段】設備データ収集システムは、顧客環境内で設備の設備データを記憶および管理している制御機器に対して通信で接続され、制御機器から設備データを収集して記憶するゲートウェイ装置を備える。設備データは、設備状態データと、設備設定データとを有する。ゲートウェイ装置は、所定の周期ごとに、制御機器から、設備状態データを収集(S1)して記憶し(S2)、周期ごとに、制御機器から、設定変更時刻を収集し(S3)、収集された設定変更時刻と記憶されている設定変更時刻とを比較して変化の有無を確認し(S4)、1つ前の周期で設定データをサーバ装置1へ通知済みか否かを確認し(S5)、通知済みか否かに応じた処理を行う。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
顧客環境内の設備の設備データを収集する設備データ収集システムであって、
前記顧客環境内で前記設備の前記設備データを記憶および管理している制御機器に対して通信で接続され、前記制御機器から前記設備データを収集して記憶する通信装置を備え、
前記設備データは、前記設備の状態を表す設備状態データと、前記設備の設定を表す設備設定データと、を有し、
前記通信装置は、
所定の周期ごとに、前記制御機器から、前記設備状態データを収集して記憶し、
前記周期内において前記設備の設定変更操作が複数回行われて前記設備設定データが複数回更新されている場合に、次の前記周期内では、前記制御機器から、更新されている最新の前記設備設定データを収集し、収集された前記設備状態データと、収集された前記設備設定データとを記憶する、
設備データ収集システム。
【請求項2】
顧客環境内の設備の設備データを収集する設備データ収集システムであって、
前記顧客環境内で前記設備の前記設備データを記憶および管理している制御機器に対して通信で接続され、前記制御機器から前記設備データを収集し、収集された前記設備データをサーバ装置へ通知するゲートウェイ装置を備え、
前記設備データは、前記設備の状態を表す設備状態データと、前記設備の設定を表す設備設定データと、を有し、
前記設備設定データは、前記設定が変更された時刻を表す設定変更時刻と、前記設定の内容を表す設定データと、を有し、
前記ゲートウェイ装置は、
所定の周期ごとに、前記制御機器から、前記設備状態データを収集して記憶し、
前記周期ごとに、前記制御機器から、前記設定変更時刻を収集し、
収集された設定変更時刻と、記憶されている設定変更時刻とを比較して変化の有無を確認し、
1つ前の前記周期で前記設定データを前記サーバ装置へ通知済みか否かを確認し、
前記変化が有りで前記通知済みである場合(A)、および、前記変化が無しで前記通知済みである場合(C)には、前記制御機器から、すべての前記設定データを収集し、収集された前記設備状態データと、収集されたすべての前記設定データとを前記サーバ装置へ通知し、収集された前記設定変更時刻と、収集されたすべての前記設定データとを記憶する、
設備データ収集システム。
【請求項3】
請求項2記載の設備データ収集システムにおいて、
前記ゲートウェイ装置は、
前記変化が有りで前記通知済みではない場合(B)には、前記制御機器から、前記変化が有る一部の前記設定データを収集し、収集された前記設備状態データと、収集された一部の前記設定データとを前記サーバ装置へ通知し、収集された前記設定変更時刻と、収集された一部の前記設定データとを記憶し、
前記変化が無しで前記通知済みではない場合(D)には、前記制御機器から、収集された前記設備状態データを前記サーバ装置へ通知する、
設備データ収集システム。
【請求項4】
請求項3記載の設備データ収集システムにおいて、
前記ゲートウェイ装置は、
前記変化が有る場合には、第1フラグの値を1として記録し、前記変化が無い場合には、前記第1フラグの値を0として記録し、
前記第1フラグの値が1で第2フラグの値が1の場合には、前記変化が有りで前記通知済みである場合(A)の処理を行って、前記第2フラグの値を1として記憶し、
前記第1フラグの値が1で前記第2フラグの値が0の場合には、前記変化が有りで前記通知済みではない場合(B)の処理を行って、前記第2フラグの値を1として記憶し、
前記第1フラグの値が0で前記第2フラグの値が1の場合には、前記変化が無しで前記通知済みである場合(C)の処理を行って、前記第2フラグの値を0として記憶し、
前記第1フラグの値が1で前記第2フラグの値が1の場合には、前記変化が無しで前記通知済みではない場合(D)の処理を行って、前記第2フラグの値を0として記憶する、
設備データ収集システム。
【請求項5】
顧客環境内の設備の設備データを収集する設備データ収集方法であって、
前記顧客環境内で前記設備の前記設備データを記憶および管理している制御機器に対して通信で接続され、前記制御機器から前記設備データを収集し、収集された前記設備データをサーバ装置へ通知するゲートウェイ装置が実行するステップを有し、
前記設備データは、前記設備の状態を表す設備状態データと、前記設備の設定を表す設備設定データと、を有し、
前記設備設定データは、前記設定が変更された時刻を表す設定変更時刻と、前記設定の内容を表す設定データと、を有し、
前記ゲートウェイ装置が実行するステップとして、
所定の周期ごとに、前記制御機器から、前記設備状態データを収集して記憶するステップと、
前記周期ごとに、前記制御機器から、前記設定変更時刻を収集するステップと、
収集された設定変更時刻と、記憶されている設定変更時刻とを比較して変化の有無を確認するステップと、
1つ前の前記周期で前記設定データを前記サーバ装置へ通知済みか否かを確認するステップと、
前記変化が有りで前記通知済みである場合(A)、および、前記変化が無しで前記通知済みである場合(C)には、前記制御機器から、すべての前記設定データを収集し、収集された前記設備状態データと、収集されたすべての前記設定データとを前記サーバ装置へ通知し、収集された前記設定変更時刻と、収集されたすべての前記設定データとを記憶するステップと、
を有する、設備データ収集方法。
【請求項6】
請求項5記載の設備データ収集方法において、
前記ゲートウェイ装置が実行するステップとして、
前記変化が有りで前記通知済みではない場合(B)には、前記制御機器から、前記変化が有る一部の前記設定データを収集し、収集された前記設備状態データと、収集された一部の前記設定データとを前記サーバ装置へ通知し、収集された前記設定変更時刻と、収集された一部の前記設定データとを記憶するステップと、
前記変化が無しで前記通知済みではない場合(D)には、前記制御機器から、収集された前記設備状態データを前記サーバ装置へ通知するステップと、
を有する、設備データ収集方法。
【請求項7】
顧客環境内の設備の設備データを収集する処理をコンピュータに実行させるための設備データ収集プログラムであって、
前記顧客環境内で前記設備の前記設備データを記憶および管理している制御機器に対して通信で接続され、前記制御機器から前記設備データを収集し、収集された前記設備データをサーバ装置へ通知するゲートウェイ装置に処理を実行させるプログラムを有し、
前記設備データは、前記設備の状態を表す設備状態データと、前記設備の設定を表す設備設定データと、を有し、
前記設備設定データは、前記設定が変更された時刻を表す設定変更時刻と、前記設定の内容を表す設定データと、を有し、
前記ゲートウェイ装置に、
所定の周期ごとに、前記制御機器から、前記設備状態データを収集して記憶する処理と、
前記周期ごとに、前記制御機器から、前記設定変更時刻を収集するステップと、
収集された設定変更時刻と、記憶されている設定変更時刻とを比較して変化の有無を確認する処理と、
1つ前の前記周期で前記設定データを前記サーバ装置へ通知済みか否かを確認する処理と、
前記変化が有りで前記通知済みである場合(A)、および、前記変化が無しで前記通知済みである場合(C)には、前記制御機器から、すべての前記設定データを収集し、収集された前記設備状態データと、収集されたすべての前記設定データとを前記サーバ装置へ通知し、収集された前記設定変更時刻と、収集されたすべての前記設定データとを記憶する処理と、
を実行させるための、設備データ収集プログラム。
【請求項8】
請求項7記載の設備データ収集プログラムにおいて、
前記ゲートウェイ装置に、
前記変化が有りで前記通知済みではない場合(B)には、前記制御機器から、前記変化が有る一部の前記設定データを収集し、収集された前記設備状態データと、収集された一部の前記設定データとを前記サーバ装置へ通知し、収集された前記設定変更時刻と、収集された一部の前記設定データとを記憶する処理と、
前記変化が無しで前記通知済みではない場合(D)には、前記制御機器から、収集された前記設備状態データを前記サーバ装置へ通知する処理と、
を実行させるための、設備データ収集プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、設備の設備データを収集するコンピュータシステム等の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
顧客環境(例えば工場や店舗)の所定の設備を対象として設備データを収集するコンピュータシステム(設備データ収集システムと記載する場合がある)がある。例えば、設備の運転、停止、異常、エラー等の状態や、設定の状態を管理するために、設備データを収集して蓄積し、監視や分析などを行うシステムが挙げられる。設備データの収集は、例えば顧客環境内に設置されたゲートウェイ(ゲートウェイ装置と記載する場合もある)などの通信機器によって行われる。
【0003】
なお、ゲートウェイは、ネットワーク間の通信を中継する仕組み(ハードウェアおよびソフトウェアを含む)の総称である。通常、顧客環境におけるLANなどを含むシステムは、セキュリティなどを確保するために、閉じた環境として構築される。その顧客環境のLANと外部(WANなど)との境界にはゲートウェイが配置される。
【0004】
例えば、特開2010-237920号公報(特許文献1)には、施設管理装置等として、状態変化発生の原因判断の材料となる収集データを増やし、原因診断を速やかに行うことが可能な施設管理装置等を提供する旨が記載されている。特許文献1には、監視ポイントの状態が変化すると、コントローラを介して施設管理装置へ状態変化情報が通知される旨、施設管理装置は、状態変化が発生した監視ポイントに対応する関連監視ポイントが登録されている設定データを有する旨、状態変化情報受信手段が状態変化情報を受信すると、関連情報要求手段がその設定データを参照して、受信した状態変化情報通知元の監視ポイントに対応する関連監視ポイントから状態情報を収集し、状態変化情報に関連付けて情報蓄積手段に蓄積する旨、が記載されている。
【0005】
例えば、特開2012-19438号公報(特許文献2)には、報告側の手段によって報告されるアラーム情報を収集側の手段の指示でメモリから読み出して収集する際に、各手段の取り扱う共有情報を少なくし、より確実な収集が可能なアラーム収集装置等を提供する旨が記載されている。特許文献2には、管理手段側のアラーム情報格納手段は、アラーム情報入力手段にアラーム情報が入力されるたびに、報告用メモリに格納位置を指定して格納する旨、収集指示手段は、アラーム情報の収集に関する情報を管理手段から取得して報告用メモリから読み出すか、読み出させる旨、が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2010-237920号公報
【特許文献2】特開2012-19438号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1では、コントローラ経由で、設備の運転、停止等の状態遷移を監視しており、一定周期でコントローラから設備状態を収集する。特許文献1では、収集の際には、設備状態とあわせて設備関連情報を記録し、これにより、一定周期内に複数回の状態遷移が発生した際には、状態遷移を漏れ無く収集可能となる。
【0008】
特許文献2では、複数のネットワークのアラーム情報を共通の報告用メモリに格納し、収集装置から一定周期で報告用メモリにポーリングを行い、アラーム情報を収集する。特許文献2では、ポーリング時には、報告用メモリからすべてのアラーム情報を収集することによって、周期内での複数回のアラーム情報の変化に対応できる。
【0009】
従来技術例の設備データ収集システムは、収集の周期が一定周期である場合において、一定周期内に複数回の設備設定操作(設定変更操作と記載する場合がある)が行われた場合に、その複数回のうちの最新の設備設定操作に対応した最新の設備設定データが収集できない場合がある。言い換えると、従来技術例の設備データ収集システムは、ある一定周期内で複数回の設定変更があった場合に、そのうちの1回の設定変更に対応した最新ではない設備設定データしか収集できない場合がある。また、言い換えると、従来技術例の設備データ収集システムは、設備の設定の時間分解能と、設備データの収集の時間分解能とが同じ(すなわち上記一定周期)である。時間分解能は、設定や収集などの動作が許容される最も短い時間間隔、周期に相当する。
【0010】
そのため、従来技術例の設備データ収集システムでは、一定周期内に複数回の設備設定操作を行わないように、運用の制限が設けられている。
【0011】
上記のような課題に対し、設備データ収集システムとしては、収集の周期が一定周期である場合において、一定周期内に複数回の設備設定操作が行われた場合にも、最新の設備設定操作に対応した最新の設備設定データが収集できることが望ましい。言い換えると、最新の設備設定データを含む設備データを漏れ無く収集できる技術を実現したい。この実現により、上記運用の制限も解除できる。
【0012】
上記課題への対処案としては、以下も挙げられる。まず、設定変更時刻の時間分解能を設備データ収集の収集周期よりも高める方法が挙げられる。例えば、収集周期を分単位とした場合に、設備の設定を変更できる時間分解能を秒単位とすることである。
【0013】
しかしながら、そのような方法を実装する場合には、設備を設定し制御する制御機器と、設備データを収集するゲートウェイとの両方で、その方法の実装のための仕様変更が必要である。特に、顧客環境の制御機器の仕様変更は、コストが大きく、望ましくない場合がある。
【0014】
また、一般的に、ゲートウェイは、ネットワーク(例えばLANとWAN)に接続されているため、ゲートウェイに対しては、リモートでの仕様変更(例えばソフトウェアの更新プログラムのダウンロード、インストール)も可能である。しかし、顧客環境の制御機器は、リモートでの仕様変更の適用が不可能である場合が多い。制御機器の仕様変更は、現地対応が必要となるため、負担が大きい。
【0015】
また、顧客環境の制御機器と、ゲートウェイとは、対応するベンダーが異なる場合が多い。制御機器とゲートウェイとのベンダー間で協調して仕様変更することや、ベンダー間で仕様変更の適用タイミングを合わせること等が難しい。また、両方の仕様変更の適用が完了するまでは、インタフェースの相違により、通信が不可能となる。よって、その間は、既設の設備の計測運用(言い換えると設備データ収集)が停止することから、マイナスの影響が大きい。
【0016】
従来の設備データ収集システムの仕様変更として、収集周期内での複数回の設備設定操作も許容して漏れ無く設備データが収集できる機能を備えるシステムを実現したい。また、そのシステムのための仕様変更の際に、顧客環境の制御機器の現地対応での仕様変更については不要とし、既設の設備の運用へのマイナスの影響を抑え、リモートで更新可能なゲートウェイの仕様変更のみで対応できるようにしたい。
【0017】
本発明の目的は、上記設備データ収集システムの技術に関して、収集周期内での複数回の設備設定操作も許容して漏れ無く設備データが収集できる等、より好適な設備データ収集が実現できる技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本開示のうち代表的な実施の形態は以下に示す構成を有する。実施の形態の設備データ収集システムは、顧客環境内の設備の設備データを収集する設備データ収集システムであって、前記顧客環境内で前記設備の前記設備データを記憶および管理している制御機器に対して通信で接続され、前記制御機器から前記設備データを収集して記憶する通信装置を備える。前記設備データは、前記設備の状態を表す設備状態データと、前記設備の設定を表す設備設定データと、を有する。前記通信装置は、所定の周期ごとに、前記制御機器から、前記設備状態データを収集して記憶し、前記周期内において前記設備の設定変更操作が複数回行われて前記設備設定データが複数回更新されている場合に、次の前記周期内では、前記制御機器から、更新されている最新の前記設備設定データを収集し、収集された前記設備状態データと、収集された前記設備設定データとを記憶する。
【0019】
実施の形態の設備データ収集システムは、前記顧客環境内で前記設備の前記設備データを記憶および管理している制御機器に対して通信で接続され、前記制御機器から前記設備データを収集し、収集された前記設備データをサーバ装置へ通知するゲートウェイ装置を備える。前記設備データは、前記設備の状態を表す設備状態データと、前記設備の設定を表す設備設定データと、を有し、前記設備設定データは、前記設定が変更された時刻を表す設定変更時刻と、前記設定の内容を表す設定データと、を有する。前記ゲートウェイ装置は、所定の周期ごとに、前記制御機器から、前記設備状態データを収集して記憶し、前記周期ごとに、前記制御機器から、前記設定変更時刻を収集し、収集された設定変更時刻と、記憶されている設定変更時刻とを比較して変化の有無を確認し、1つ前の前記周期で前記設定データを前記サーバ装置へ通知済みか否かを確認する。
【0020】
前記ゲートウェイ装置は、前記変化が有りで前記通知済みである場合(A)、および、前記変化が無しで前記通知済みである場合(C)には、前記制御機器から、すべての前記設定データを収集し、収集された前記設備状態データと、収集されたすべての前記設定データとを前記サーバ装置へ通知し、収集された前記設定変更時刻と、収集されたすべての前記設定データとを記憶する。
【0021】
前記ゲートウェイ装置は、前記変化が有りで前記通知済みではない場合(B)には、前記制御機器から、前記変化が有る一部の前記設定データを収集し、収集された前記設備状態データと、収集された一部の前記設定データとを前記サーバ装置へ通知し、収集された前記設定変更時刻と、収集された一部の前記設定データとを記憶し、前記変化が無しで前記通知済みではない場合(D)には、前記制御機器から、収集された前記設備状態データを前記サーバ装置へ通知する。
【発明の効果】
【0022】
本開示のうち代表的な実施の形態によれば、上記設備データ収集システムの技術に関して、収集周期内での複数回の設備設定操作も許容して漏れ無く設備データが収集できる等、より好適な設備データ収集が実現できる。上記した以外の課題、構成および効果等については、発明を実施するための形態において示される。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】実施の形態1の設備データ収集システムの全体の構成を示す。
【
図2】実施の形態1で、制御機器が保持する設備状態データの構成例を示す。
【
図3】実施の形態1で、制御機器が保持する設備設定データの構成例を示す。
【
図4】実施の形態1で、ゲートウェイ装置のコンピュータシステムとしての構成例を示す。
【
図5】実施の形態1で、ゲートウェイ装置の主な処理フローの第1部分を示す。
【
図6】実施の形態1で、ゲートウェイ装置の主な処理フローの第2部分として各ケースの処理フローを示す。
【
図7】実施の形態1で、ゲートウェイ装置のより詳しい処理フローの構成例を示す。
【
図8】実施の形態1で、装置間のシーケンス例(1-1)を示す。
【
図9】実施の形態1で、装置間のシーケンス例(1-2)を示す。
【
図10】実施の形態1で、装置間のシーケンス例(1-3)を示す。
【
図11】実施の形態1で、装置間のシーケンス例(1-4)を示す。
【
図12】実施の形態1で、装置間のシーケンス例(2-1)を示す。
【
図13】実施の形態1で、装置間のシーケンス例(2-2)を示す。
【
図14】比較例の設備データ収集システムの構成を示す。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、図面を参照しながら本開示の実施の形態を詳細に説明する。図面において、同一部には原則として同一符号を付し、繰り返しの説明を省略する。
【0025】
説明上、プログラムによる処理について説明する場合に、プログラムや機能や処理部等を主体として説明する場合があるが、それらについてのハードウェアとしての主体は、プロセッサ、あるいはそのプロセッサ等で構成されるコントローラ、装置、計算機、システム等である。計算機は、プロセッサによって、適宜にメモリや通信インタフェース等の資源を用いながら、メモリ上に読み出されたプログラムに従った処理を実行する。これにより、所定の機能や処理部等が実現される。プロセッサは、例えばCPUやGPU等の半導体デバイス等で構成される。プロセッサは、所定の演算が可能な装置や回路で構成される。処理は、ソフトウェアプログラム処理に限らず、専用回路でも実装可能である。専用回路は、FPGA、ASIC、CPLD等が適用可能である。
【0026】
プログラムは、対象計算機に予めデータとしてインストールされていてもよいし、プログラムソースから対象計算機にデータとして配布されてもよい。プログラムソースは、通信網上のプログラム配布サーバでもよいし、非一過性のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体(例えばメモリカード)でもよい。プログラムは、複数のモジュールから構成されてもよい。コンピュータシステムは、複数台の装置によって構成されてもよい。コンピュータシステムは、クライアントサーバシステム、クラウドコンピューティングシステム、IoTシステム等で構成されてもよい。各種のデータや情報は、例えばテーブルやリスト等の構造で構成されるが、これに限定されない。識別情報、識別子、ID、名、番号等の表現は互いに置換可能である。
【0027】
[課題の解決手段について]
後述する実施の形態1の設備データ収集システム(
図1)は、前提としては、制御機器3が、設備4の状態および設定を設備データD3として記憶し、ゲートウェイ装置2が、制御機器3と通信して制御機器3から設備データD3(設備状態データD31や設定データD32B)を収集し設備データD2(設備状態データD21や設定データD22B)として記憶する。ゲートウェイ装置2は、収集した設備データD3の内容を、サーバ1へ通知し、サーバ1は、通知された設備データを蓄積などする。
【0028】
実施の形態1の設備データ収集システムにおけるゲートウェイ装置2は、設備データD3として、設備状態データD31については一定周期(収集周期とも記載する)で毎回収集し、他方で設備設定データD32については一定周期で毎回収集するのではなく、設備データD3の設定の変化時、言い換えると当該設定の操作に対応した設定変更時刻D32Aの変化時にのみ収集する方式とする。なお、方式とは、装置、方法、プログラム等の総称である。ゲートウェイ装置2は、制御機器3から、設定変更時刻D32Aを参照し、設定変更時刻D32Aに変化があるかを確認し(後述の
図5のステップS4)、変化の有無に応じて場合分けで処理を行う。
【0029】
さらに、実施の形態1の設備データ収集システムにおけるゲートウェイ装置2は、現在の収集周期と前の収集周期との対比で、前の収集周期に設備データD3のうちの設定データD32Bを収集済みか、言い換えるとその設定データD32Bをサーバ1へ通知済みかを確認するステップ(
図5のステップS5やS6)が追加されており、その確認結果に応じて場合分けで処理を行う。
【0030】
実施の形態1の設備データ収集システムは、
図5のステップS4の判断と、ステップS5やS6の判断との組合せで、場合分けで処理を行う。具体的には、A~Dの4つのケースに分けられる。
【0031】
ゲートウェイ装置2は、設備設定データD32を収集する処理の際に、1つ前の周期で設定データD32Bを収集していたか否か、言い換えるとサーバ1へ通知していたか否かを判定する(
図5のステップS5やS6)。1つ前の周期で設定データD32Bを収集していた場合(すなわち通知済みである場合)には、AケースやCケースに相当する。AケースやCケースでは、ゲートウェイ装置2は、制御機器3から最新のすべての設定データD32Bを収集し(
図6のステップSA1やSC1)、サーバ1へ通知する。
【0032】
ゲートウェイ装置2は、1つ前の周期で設定データD32Bを収集していなかった場合(すなわち通知済みでない場合)には、BケースやDケースに相当する。BケースやDケースでは、ゲートウェイ装置2は、後述の
図14の比較例のシステムと同様の処理を行う。すなわち、ゲートウェイ装置2は、設定変更が有る場合(Bケース)には、その設定変更が有る部分に対応した一部の設定データD32Bと、設備状態データD31とを収集して(
図6のステップSB1)、サーバ1へ通知する。ゲートウェイ装置2は、設定変更が無い場合(Dケース)には、設備状態データD31のみを収集してサーバ1へ通知する処理を行う(
図6のステップSD1)。
【0033】
これにより、実施の形態1のシステムは、一定周期内に複数回の設備設定操作が行われた場合(例えば後述の
図12、
図13)でも、最新の設定データD32Bを収集でき、従来の運用制限も解除できる。本システムは、顧客環境の側での仕様変更および現地対応は不要であり、事業者側のゲートウェイ装置2の仕様変更(リモートでのプログラム更新等)のみで対応可能であり、現地対応の負担が削減できる。本システムは、制御機器3とゲートウェイ装置2とのベンダーの違いによる仕様変更のタイミング等の考慮も不要となり、仕様変更の完了までの運用停止時間を削減できる。
【0034】
[比較例]
図14は、比較例の設備データ収集システムであるシステム100Aの構成を示す。なお、実施の形態のシステム100は、比較例のシステム100Aと一部共通の構成を有し、比較例のシステム100Aに対し、一部の機能が追加・修正されているシステムに相当する。
【0035】
図14の比較例のシステム100Aは、ゲートウェイ装置であるゲートウェイ92が、制御機器93から、設備94の設備データA3を収集する。設備データA3は、設備状態データA31と設備設定データA32とを有する。ゲートウェイ92は、制御機器93から、収集周期として一定周期で設備状態データA31を収集し、事業者のサーバ91へ通知する。設備設定データA32は、データ量が大きい場合があり、制御機器93とゲートウェイ92との間のトラフィックの増大による帯域の圧迫や、ゲートウェイ92の処理負荷増大が懸念される。
【0036】
そのため、このシステム100Aは、設備設定データA32と比べてデータ量が小さい、設定変更時刻A33を用いる。設定変更時刻A33は、例えば設備設定データA32の一部として有する。ゲートウェイ92は、設備状態データA31の収集周期と同じ一定周期で、設定変更時刻A33を収集して参照し、設定変更時刻の変化の有無、すなわち設定変更の有無を確認する。これにより、システム100Aは、設備設定データA32の変化(言い換えると設定変更)を検知する。ゲートウェイ92は、この変化の発生時のみ、設備設定データA32(設定変更時刻以外の部分の設定データ)自体を収集し、収集した設備設定データをサーバ91へ通知し、設備設定データA22として記憶する。
【0037】
図14で、通信b1は、ゲートウェイ92と制御機器93との間での、一定周期(収集周期)での設備状態データA31の収集を示す。通信b2は、ゲートウェイ92と制御機器93との間での、設定変更時刻A33の変化時の、設備設定データA32(設定変更時刻A33を除く設定データの部分)の収集を示す。通信b3は、ゲートウェイ92と制御機器93との間での、設定変更時刻A33の収集・参照、および変化の検知を示す。
【0038】
ゲートウェイ92の設備設定データ収集処理としては、初回起動時、言い換えると初回の周期に、設備状態データA31を収集した後、設定変更時刻A33とすべての設備設定データA32(設定変更時刻を除く部分)を収集してサーバ91に通知し、自身のデータベース(DB)内に記憶する。
【0039】
ゲートウェイ92は、以降の周期では、一定周期毎の設備状態データA31の収集後、設定変更時刻A33を収集し、DBに記憶されている設定変更時刻A23と比較する。ゲートウェイ92は、比較した結果、設定変更時刻に差分が有る場合、すなわち設定変更が有る場合には、差分が有る設備設定データA32のみを収集してサーバ91へ通知する。その後、ゲートウェイ92は、収集した設定変更時刻A33を設定変更時刻A23として自身のDB内に記憶し、収集した設備状態データA31を設備状態データA21として自身のDB内に記憶する。ゲートウェイ92は、設定変更時刻に差分が無い場合、すなわち設定変更が無い場合には、設備設定データA32の収集および通知を行わない。
【0040】
比較例のシステム100Aの方式では、設定変更時刻A33の時間分解能を超える頻度で一定周期(収集周期)内に設備設定操作が複数回行われた場合には、設定変更時刻A33の差分を検知できない。言い換えると、設備設定データA32の変化、設定変更有りを検知できない。そのため、その場合には、ゲートウェイ92で、設定変更時刻A33に差分が無い場合の処理が実行される。すなわち、上記のように、ゲートウェイ92は、設備設定データA32の収集・通知をせず、設備状態データA31のみを収集・通知することとなる。そのため、その場合、比較例では、最後の設備設定操作に対応した最新の設備設定データA32については収集できず、サーバ91へ通知できない。
【0041】
<実施の形態1>
図1以降を用いて、本開示の実施の形態1の設備データ収集システムおよび方法などについて説明する。実施の形態1の設備データ収集システムは、ゲートウェイ装置が設備の制御機器から設備データを収集し、サーバへ通知するシステムである。実施の形態1の設備データ収集方法は、実施の形態1の設備データ収集システムにおいてゲートウェイ装置が実行するステップを有する方法である。実施の形態1の設備データ収集プログラムは、実施の形態1の設備データ収集システムのゲートウェイ装置に処理を実行させるプログラムである。
【0042】
図1に示す実施の形態1の設備データ収集システムであるシステム100は、
図14の比較例のシステム100Aの設備データ収集処理に対し、所定の処理などが追加・修正されている。すなわち、システム100では、「制御機器から設定データを収集しサーバへ通知したこと」を検知・確認する処理、が追加されている。この処理は、後述の
図5の処理フローで、ステップS5やステップS6における「前の周期で設定データをサーバへ通知済みか?」という確認・判断処理が相当する。
【0043】
システム100は、
図5のステップS4の設定変更時刻の変化に関する判断処理に加え、ステップS5やS6の判断処理を行い、これらの判断処理の結果、A~Dに示す各ケースに場合分けし、
図6のような各ケースに応じた処理フローを実行する。このシステム100では、比較例に対し、特にAケースおよびCケースの処理が追加されている。
【0044】
[設備データ収集システム]
図1は、実施の形態1の設備データ収集システムであるシステム100の全体の構成概要を示す。システム100は、サーバ1と、ゲートウェイ装置であるゲートウェイ2と、制御機器3と、設備4とを有し、これらの構成要素は、通信などを含むインタフェースで相互に接続されている。
【0045】
顧客環境内における設備4、制御機器3、およびゲートウェイ2は、例えばLANを介して、所定の通信インタフェースで接続されている。制御機器3と設備4は、所定の通信インタフェースの通信C3で接続される。制御機器3とゲートウェイ2は、所定の通信インタフェースの通信C2で接続される。ゲートウェイ2とサーバ1は、例えばWAN(広域通信網)を介して、所定の通信インタフェースの通信C1で接続される。
【0046】
所定の顧客環境、例えば工場や店舗などの所定のシステム内において、1つ以上の設備4(本例では#1~#4で示す4台)、制御機器3、およびゲートウェイ2が設置されている。顧客環境における例えば閉じたLANにおいて、設備4および制御装置3が配置されている。また、顧客環境のLAN内に、事業者のゲートウェイ2が配置されている。本例では、4台の設備4に対し1つの制御機器3が接続され、1つの制御機器3に対し1つのゲートウェイ2が接続される場合を示しているが、これに限定されない。
【0047】
設備4は、顧客環境の所定のシステムを構成する設備であり、ソフトウェアやハードウェアの構成を特に限定しない。一例を挙げれば、設備4は、工場の機械や、店舗のコンピュータである。
【0048】
制御機器3は、設備4を制御や管理するための機能が実装された機器(言い換えるとコントローラ)であり、ソフトウェアやハードウェアの構成を特に限定しない。制御機器3は、ソフトウェアプログラム処理または専用回路などによって実装されている。制御機器3は、ソフトウェアプログラム処理または専用回路などによって実装された制御部31を備える。制御部31は、プロセッサやメモリ等を備え、設備4を制御する。制御部31は、設備4から通信C3で設備データに係わるデータ・情報を取得し、設備データD3として、メモリ等の記憶資源に保持する。通信a5は、制御機器3と設備4との間での、設備データの取得に係わる通信である。
【0049】
制御機器3は、各々の設備4から、設備データとして、特に、設備状態データを取得し、設備状態データD31として記憶する。設備状態データは、後述するが、設備4の状態を表すデータである。
【0050】
また、制御機器3は、顧客のユーザU2からの設定変更操作に基づいて、各々の設備4の設定を、設備設定データD32として記憶する。設備設定データは、後述するが、設備4の設定を表すデータである。実施の形態では、設備の状態と、設備の設定とは、区別される。
【0051】
サーバ1とゲートウェイ2は、設備データ収集に係わる事業者が管轄する装置である。事業者は、顧客に対し、設備データ収集などに係わるサービスを提供する。ゲートウェイ2は、制御機器3から設備データD3を収集し、サーバ1に通知する。サーバ1は、収集・蓄積された設備データを用いて、所定の処理(例えば監視や分析)を行う装置であり、詳細を限定しない。サーバ1は、例えばクラウドコンピューティングシステムのサーバ群として実現されてもよい。
【0052】
ゲートウェイ2は、所定のハードウェアおよびソフトウェアで実装された機能ブロックとして、設備データ収集部21を備える。ゲートウェイ2のプロセッサが、プログラムに従った処理を実行することにより、設備データ収集部21が実現される。設備データ収集部21は、制御機器3から設備データD3を収集し、サーバ1へ通知し、自身のデータベース(DB)22内に設備データD2として記憶する処理などを行う。
【0053】
ゲートウェイ2は、設備データD3に対応した設備データD2を記憶・管理するためのデータベース(DB)22を有する。DB22は、言い換えると、設備データ記憶部である。DB22は、所定のハードウェアおよびソフトウェアを用いて実現される。
【0054】
サーバ1は、所定のハードウェアおよびソフトウェアで実装された機能ブロックとして、設備データ蓄積部11を備える。設備データ蓄積部11は、ゲートウェイ2からの通知a1によって取得した設備状態データ、および、ゲートウェイ2からの通知a2によって取得した設定データ(設備設定データのうちの設定変更時刻を除く部分)を、記憶資源(例えばデータベース)に蓄積する。
【0055】
ゲートウェイ2は、制御機器3から、所定の周期である収集周期で、設備状態データD31を収集する。収集a3は、ゲートウェイ2と制御機器3との間での、設備状態データD31の収集の通信を示す。ゲートウェイ2は、収集した設備状態データD31の内容を、サーバ1へ通知する。通知a1は、ゲートウェイ2とサーバ1との間での、設備状態データD31の内容の通知の通信を示す。ゲートウェイ2は、収集した設備状態データD31の内容を、自身のDB22内に設備状態データD21として記憶する。
【0056】
また、ゲートウェイ2は、制御機器3から、所定の周期である収集周期で、設定変更時刻D32Aを収集して確認する。ゲートウェイ2は、収集した設定変更時刻D32Aと、自身のDB22内に記憶している設定変更時刻D22Aとを比較して差分が有るか、変化が有るかを確認する。ゲートウェイ2は、設定変更時刻に変化が有る場合、制御機器3から、設定データD32Bを収集する。収集a4は、ゲートウェイ2と制御機器3との間での、設定変更時刻D32Aや設定データD32Bの収集の通信を示す。
【0057】
ゲートウェイ2は、後述の場合分けに従って、必要な時のみ、収集した設定データD32Bの内容を、サーバ1へ通知する。通知a2は、ゲートウェイ2とサーバ1との間での、設定データD32Bの内容の通知の通信を示す。ゲートウェイ2は、収集した設定変更時刻D32Aの内容を、自身のDB22内に設定変更時刻D22Aとして記憶し、収集した設定データD32Bの内容を、自身のDB22内に設定データD22Bとして記憶する。
【0058】
事業者のユーザU1(例えば管理者)は、クライアント端末6を操作する。クライアント端末6は、一般的なPCなどを適用でき、入力装置や表示装置を内蔵しているか、それらが外部接続されている。事業者のユーザU1は、クライアント端末6から、WAN5などを介した、リモートの通信で、サーバ1やゲートウェイ2(特にサーバ機能)に対し、アクセス・接続ができ、リモートでの指示a6を与えることができる。サーバ1やゲートウェイ2は、クライアント端末6から受信したリモートの指示a6に応じて動作する。言い換えると、事業者のユーザU1は、クライアント端末6から、クライアント・サーバ通信を介して、サーバ1やゲートウェイ2の機能を利用することができる。
【0059】
サーバ1やゲートウェイ2は、クライアント端末6に対し、例えばWebページ等の態様で画面データを提供する。クライアント端末6は、サーバ1やゲートウェイ2から受信した画面データに基づいて、表示装置の表示画面に、システム100の機能に係わる画面を表示する。この画面は、グラフィカル・ユーザ・インタフェース(GUI)を含む。
【0060】
事業者の管理者などのユーザU1は、例えばクライアント端末6、あるいはプログラム配布サーバから、WAN5を介して、顧客環境内のゲートウェイ2に通信でアクセスできる。クライアント端末6あるいはプログラム配布サーバからは、ゲートウェイ2に、ゲートウェイ2のプログラム(実施の形態の設備データ収集プログラムを含む)のデータを通信で配布し、ゲートウェイ2にインストールやプログラム更新することができる。
【0061】
このため、事業者のユーザU1が、顧客環境の制御機器3およびゲートウェイ2の場所まで出向いて、プログラムのインストールや更新の作業、保守などの作業を行うことは、省略可能であり、従来よりも作業を低減できる。
【0062】
顧客環境内の設備4および制御機器3は、ゲートウェイ2の事業者とは別のベンダーにより製造・管理されているとする。実施の形態1では、事業者のゲートウェイ2は、顧客環境の設備4および制御機器3の仕様に合わせるように、プログラム(ゲートウェイ2の機能を構成するプログラム)を含む仕様が構成されている。本システム100の設備データ収集機能では、顧客環境の設備4および制御機器3は、既設の物が使用でき、ゲートウェイ2側と合わせるための仕様変更やソフトウェア更新などは不要である。言い換えると、制御機器3には、既設の物の状態から、設備データ収集のための特別なプログラムなどのインストールや更新などは不要である。すなわち、顧客側は低コストでシステム100を利用できる。
【0063】
顧客のユーザU2は、例えばクライアント端末7を操作する。クライアント端末7は、一般的なPCなどを適用でき、入力装置や表示装置を内蔵しているか、それらが外部接続されている。顧客のユーザU2は、クライアント端末7から、LANなどを介した通信で、制御機器3(特にサーバ機能)に対し、アクセス・接続ができ、指示a7を与えることができる。制御機器3は、クライアント端末7から受信した指示a7に応じて動作する。言い換えると、顧客のユーザU2は、クライアント端末7から、クライアント・サーバ通信を介して、制御機器3の機能を利用することができる。
【0064】
制御機器3は、クライアント端末7に対し、例えばWebページ等の態様で画面データを提供する。クライアント端末7は、制御機器3から受信した画面データに基づいて、表示装置の表示画面に、設備4の設定や管理などの機能に係わるGUIを含む画面を表示する。
【0065】
顧客のユーザU2は、クライアント端末7の画面(特に設定画面)で、制御機器3に対し、通信(指示a7)を通じて、設定操作を行うことができる。この設定操作は、設備4の設定に係わる操作であり、後述の設定変更操作を含む。この設定操作を受けた制御機器3は、その設定操作に従って設備4の設定を行い、設定情報を設備設定データD32の特に設定データD32Bとして保持する。設定変更時刻D32Aは、そのような設定変更操作を受けた時刻(言い換えると設定が変更された時刻)を表すデータ・情報である。
【0066】
制御機器3において記憶されている設備データD3は、大別して、設備状態データD31と、設備設定データD32とを有する。設備データD3は、例えば、設備4の運転データ、警報履歴、設定データ、設備4の型式や製造番号、制御機器3の型式や製造番号、等のデータ・情報がある。具体例は後述する。
【0067】
ゲートウェイ2は、例えばLANを介した通信C2上で、収集周期毎のタイミングで、制御機器3から、設備状態データD31を収集する。収集a3は、例えば両方向の通信を含む。収集a3の際、例えば、ゲートウェイ2は、制御機器3へ、設備状態データD31の収集に係わる要求または指示を送信する。制御機器3は、ゲートウェイ2からその要求または指示を受信すると、応答などのデータをゲートウェイ2に送信する。応答は、例えば、設備状態データD31の内容を伴う応答である。収集a4も同様に両方向の通信を含む。
【0068】
[設備データの設定および収集の時間分解能について]
一般的に、設備データ収集システムでは、例えば
図14の比較例にも示したように、制御機器で扱う設備データ(設備状態データや設備設定データ)についての時間分解能は、ゲートウェイから制御機器の設備データを収集する際の収集周期と合わせられる。この時間分解能は、設備との間での設備データの更新の頻度などを指す。言い換えると、ゲートウェイから制御機器の設備データを収集する際の収集周期は、制御機器での設備データの設定の時間分解能と合わせられる。
【0069】
図1の実施の形態1のシステム100では、例として、ゲートウェイ2による制御機器3からの設備データD3、特に設備状態データD31の収集周期を、分単位とする。
図1では、収集a3や通知a1は、この分単位の収集周期で行われる。このことから、実施の形態1では、制御機器3で扱う設備状態データD31についての時間分解能も、基本的に分単位となる。
【0070】
他方、設備設定データD32(特に設定データD32B)は、扱うデータ量が大きい場合があるため、トラフィック増大によりネットワーク帯域を圧迫する可能性がある。また、設備設定データD32は、ゲートウェイ2での処理負荷が大きい。更に、設備設定データD32は、設備状態データD31と比較して更新頻度が少ない。そのため、設備設定データD32についての収集を、設備状態データD31と同じ毎周期(例えば分単位の収集周期)の収集にする場合、毎回同じ設定データが授受される等、無駄が多い。
【0071】
これらのことから、実施の形態1では、ゲートウェイ2による制御機器3からの設備設定データD32(特に設定データD32B)の収集の時間分解能については、設定変更時刻D32Aの変化時のみの収集とする。設定変更時刻D32Aの変化時とは、ゲートウェイ2が管理用に記憶している設定変更時刻D22Aと、制御機器3から収集・参照した設定変更時刻D32Aとの比較で、変化・差分がある場合に相当する。言い換えると、設定変更時刻D32Aの変化時とは、設定データD32Bの変更がされているという条件を満たす場合に相当する。
【0072】
[設備データ:設備状態データ]
図2は、
図1のシステム100における制御機器3が保持する設備データD3のうちの、設備状態データD31の構成例を示す。
図2の設備状態データD31は、例えば、データD31a,D31b,D31c,D31d,D31eを有する。データD31aは、送信時刻であり、設備4が制御機器3に設備データを送信した時刻であり、データ形式例としては年/月/日/時/分の情報を有する。データD31bは、受信時刻であり、制御機器3が設備4から設備データを受信した時刻であり、データ形式例としては年/月/日/時/分の情報を有する。
【0073】
データD31cは、設備4の運転データであり、設備4の運転状態を表す所定のパラメータの各パラメータの数値データを有する。データD31dは、設備4の警報データであり、設備4から異常時/エラー時などに発される警報(アラート)に関する警報状態情報を有する。警報状態情報の内容は、例えば、警報無し、警報有り、警報有りの場合の各種警報内容、等が挙げられる。データD31eは、設備4の運転情報であり、設備4の機能の状態を表す機能状態情報を有する。機能状態情報の内容は、例えば、停止中、運転中、等が挙げられる。
【0074】
[設備データ:設備設定データ]
図3は、
図1のシステム100における制御機器3の保持する設備データD3のうちの、設備設定データD32の構成例を示す。設備設定データD32は、データD32AとデータD32Bとを有する。データD32Aは、設定変更時刻D32Aであり、時系列で各々の設定変更時刻の情報が保持される。各々の設定変更時刻の情報は、例えば、設定ID(例えば「設定1」,「設定2」,「設定3」等)と、設定変更時刻の年/月/日/時/分の情報とを有する。設定IDは、設備4の設定に関して各種類や各カテゴリ等の設定がある場合の各々の設定を識別するための情報である。設定変更時刻D32Aの例としては、例えば、ある設定変更操作に基づいて、「設定1」の設定変更時刻が「2022/01/01/12:00」とされ、次の設定変更操作に基づいて、「設定1」の設定変更時刻が「2022/01/01/12:01」とされる。
【0075】
データD32Bは、設定データD32Bであり、設定IDごとの設定データとして例えばデータD32B1,D32B2,D32B3を有する。データD32B1は、「設定1」の設定データであり、基本設定情報であり、例えば、接続台数、設備4の種類と用途の設定、設備4の設定値の変更、を有する。データD32B2は、「設定2」の設定データであり、警報に関する設定情報であり、例えば、警報の出力や条件の設定を有する。データD32B3は、「設定3」の設定データであり、設備4の機能に関する設定情報であり、例えば、機能の実行、キャンセル等の設定を有する。
【0076】
[ゲートウェイ装置]
図4は、ゲートウェイ装置であるゲートウェイ2のコンピュータシステムとしてのハードウェアおよびソフトウェアの構成例を示す。ゲートウェイ2は、プロセッサ201、メモリ202、通信インタフェース装置203、入出力インタフェース装置204等を備え、これらの構成要素はバス209等を通じて相互に接続されている。
【0077】
プロセッサ201は、例えばCPU、ROM、RAM等を備え、制御プログラム211に従った処理を実行する。これにより、所定の機能、少なくとも、ゲートウェイ機能221、および設備データ収集機能222が実現される。ゲートウェイ機能221は、ネットワーク間(例えばLANとWANとの間)での通信を制御する機能やセキュリティを確保する機能等の公知の機能である。設備データ収集機能222は、
図1の設備データ収集部21に相当する機能である。
【0078】
メモリ202は、不揮発性記憶装置等を用いて構成される。メモリ202には、制御プログラム211、設定情報212、処理データ213、DB22などが記憶される。制御プログラム211は、設備データ収集機能222を含むゲートウェイ2の機能を実現するための各種のプログラムである。設定情報212は、制御プログラム211(言い換えるとゲートウェイ2の機能)に関するシステム設定情報やユーザ設定情報である。処理データ213は、ゲートウェイ2による処理過程で発生する各種のデータである。DB22は、
図1の設備データ記憶部22に相当し、設備データD2などを記憶する部分である。なお、DB22は、メモリ202上の構成に限らず、他の記憶手段、例えばゲートウェイ2内外の他の記憶装置、ゲートウェイ2外のDBサーバなどを用いて構成されてもよい。
【0079】
通信インタフェース装置203は、通信インタフェースが実装された装置であり、
図1のサーバ1との通信インタフェース、制御機器3との通信インタフェース、クライアント端末6との通信インタフェース等に対応している。入出力インタフェース装置204は、入出力インタフェースが実装された装置であり、入力装置205や出力装置206が外部接続可能である。
【0080】
図4での制御プログラム211、すなわちゲートウェイ2の設備データ収集機能222等を構成するプログラムは、前述のクライアント端末6、あるいはプログラム配布サーバ等から、リモートでダウンロード、インストール、更新等が可能である。
【0081】
実施の形態1の変形例の設備データ収集システムとして、
図1のゲートウェイ2およびサーバ1の代わりに、他のコンピュータシステムや通信装置を用いた構成も可能である。変形例のシステムは、ゲートウェイ機能を有さないコンピュータや通信装置が、制御機器3から設備データを収集し、記憶手段に蓄積する。そのコンピュータや通信装置の処理フローとしては、後述の
図5などを同様に適用できる。
【0082】
[処理フロー]
図5および
図6は、実施の形態1の設備データ収集システムにおけるゲートウェイ2(特に設備データ収集部21)のプロセッサによる主な処理のフローを示す。以下、フローでの主体は、主にゲートウェイ2の設備データ収集部21(
図1)やプロセッサ201(
図4)であるが、記載を省略する場合がある。処理フローの概要は以下の通りである。
【0083】
図5のステップS4の判断は、
図14の比較例のシステム100Aでの設定変更時刻に関する変化の検知・確認と同様の処理である。システム100のゲートウェイ2は、ステップS4で、一定周期(収集周期)毎に、
図1の設定変更時刻D32Aに関する変化を確認する。
【0084】
図5のステップS5やS6の判断は、
図14の比較例のシステム100Aに対し、新たに追加されている異なるステップである。システム100のゲートウェイ2は、ステップS5やS6では、現在の周期に対し1つ前の周期で設定データD32Bを収集してサーバ1へ通知済みかを確認する。
【0085】
図5のフローでは、システム100は、ステップS4の設定変更時刻に関する判断と、ステップS5やS6の判断との2種類の判断の組み合わせに基づいて、図示のA~Dに示す4つのケース(言い換えるとパターン等)に分岐、分類する。
図5に続く
図6のフローでは、A~Dの各ケースに対応した処理フローを示している。
【0086】
本システム100は、比較例に対し、AケースおよびCケースの処理フローが追加されている。AケースおよびCケースは、前周期で設定データD32Bを収集してサーバ1へ通知済みである場合である。BケースおよびDケースは、前周期で設定データD32Bを収集せずサーバ1へ通知済みではない場合である。
図6で、破線枠で囲ったAケースおよびCケースの処理フローは、
図14の比較例に対し異なる部分である。
【0087】
BケースおよびDケースでは、
図14の比較例のシステム100Aと同様の処理が行われる。すなわち、Bケースでは、ゲートウェイ装置2は、設定変更時刻の変化有りに対応した一部の設定データD32Bを収集してサーバ1へ通知する等の処理を行う。Dケースでは、ゲートウェイ2は、設定変更時刻の変化無しに対応して、設備状態データD31のみをサーバ1へ通知する処理を行う。
【0088】
AケースおよびCケースでは、追加された処理フローが行われる。前の周期で設定データA32をサーバ1へ通知済みと判定された場合(
図5のS5-Y、または、S6-Y)、ゲートウェイ2は、前の周期の次の周期である現在の周期では、無条件にすべての設定データD32Bを収集してサーバ1へ通知する処理を行う(
図6でのSA1やSC1など)。
図6でのAケースの処理フローと、Cケースの処理フローとは、内容としては同じである。
【0089】
これにより、本システム100では、設定変更時刻の時間分解能を超える頻度で収集周期内に複数回の設備設定操作が行われた場合(後述の
図12等)でも、次の周期で最新の設定データD32Bを収集してサーバ1へ通知することができる。
【0090】
まず、
図5において、ステップS1で、ゲートウェイ2は、制御機器3から、所定の周期(すなわち収集周期)ごとのタイミングで、設備状態データD31(
図1、
図2)を収集する(
図1での収集a3)。
【0091】
ステップS2で、ゲートウェイ2は、ステップS1で収集した設備状態データD31を、DB22内に設備状態データD21として記憶する。
【0092】
ステップS3で、ゲートウェイ2は、制御機器3から、設定変更時刻D32A(
図1、
図3)を収集・取得する(
図1での収集a4)。
【0093】
ステップS4で、ゲートウェイ2は、ステップS3で収集・取得した設定変更時刻D32Aについて、DB22内に記憶されている設定変更時刻D22A(
図1)と比較する。DB22内に記憶されている設定変更時刻D22Aは、過去の周期で記憶されたものである。ステップS4では、比較の結果、収集された設定変更時刻D32Aが、記憶された設定変更時刻D22Aから変化、言い換えると差分が有るか無いかが判定される。設定変更時刻に変化・差分が有る場合(S4-Y)にはステップS5へ進み、設定変更時刻に変化・差分が無い場合(S4-N)にはステップS6へ進む。
【0094】
ステップS5では、ゲートウェイ2は、現在の収集周期に対し1つ前の周期で、設定データD32Bを収集してサーバ1に通知済みであるか否かを確認する。通知済みである場合(S5-Y)にはAケースへ進み、通知済みでない場合(S5-N)にはBケースへ進む。
【0095】
同様に、ステップS6では、ゲートウェイ2は、現在の収集周期に対し1つ前の周期で、設定データD32Bを収集してサーバ1に通知済みであるか否かを確認する。通知済みである場合(S6-Y)にはCケースへ進み、通知済みでない場合(S6-N)にはDケースへ進む。
【0096】
A~Dケースについて整理すると以下の通りである。Aケースは、設定変更時刻に変化有り、かつ、前周期で設定データを通知済みの場合である。Bケースは、設定変更時刻に変化有り、かつ、前周期で設定データを通知済みではない場合である。Cケースは、設定変更時刻に変化無し、かつ、前周期で設定データを通知済みの場合である。Dケースは、設定変更時刻に変化無し、かつ、前周期で設定データを通知済みではない場合である。また、言い換えると、「設定変更時刻に変化有り」とは、設定変更有りに相当する。「前周期で設定データを通知済み」とは、1つ前の周期で設定データを収集済みに相当する。
【0097】
次に、
図6において、Aケースの場合では、ステップSA1~SA3の処理が行われる。ステップSA1で、ゲートウェイ2は、制御機器3から、すべての設定データD32B(
図3)を収集する。ステップSA2で、ゲートウェイ2は、
図5のステップS1で収集しステップS2で記憶した設備状態データD21(
図1)と、ステップSA1で収集したすべての設定データD32Bとを、サーバ1へ通知する(
図1での通知a1および通知a2)。ステップSA3で、ゲートウェイ2は、
図5のステップS3で収集した設定変更時刻D32Aを、設定変更時刻D22A(
図1)として記憶し、ステップSA1で収集したすべての設定データD32Bを、設定データD22B(
図1)として記憶する。
【0098】
Cケースの場合では、ステップSC1~SC3の処理が行われ、Aケースの処理フローと同様となる。ステップSC1で、ゲートウェイ2は、制御機器3から、すべての設定データD32Bを収集する。ステップSC2で、ゲートウェイ2は、
図5のステップS1で収集しステップS2で記憶した設備状態データD21と、ステップSC1で収集したすべての設定データD32Bとを、サーバ1へ通知する。ステップSC3で、ゲートウェイ2は、ステップS3で収集した設定変更時刻D32Aを、設定変更時刻D22Aとして記憶し、ステップSC1で収集したすべての設定データD32Bを、設定データD22Bとして記憶する。
【0099】
Bケースの場合では、ステップSB1~SB3の処理が行われる。ステップSB1で、ゲートウェイ2は、制御機器3から、すべてではなく、設定変更時刻D32Aに変化が有る部分に対応した一部の設定データD32B(
図3)を収集する。例えば、「設定1」に関して、第1時刻での「設定1:A」から第2時刻での「設定1:B」に変更されていた場合、その「設定1:A」から「設定1:B」への差分に対応する一部の設定データD32Bのみが収集される。
【0100】
ステップSB2で、ゲートウェイ2は、
図5のステップS1で収集しステップS2で記憶した設備状態データD21(
図1)と、ステップSB1で収集した一部の設定データD32Bとを、サーバ1へ通知する(
図1での通知a1および通知a2)。ステップSB3で、ゲートウェイ2は、
図5のステップS3で収集した設定変更時刻D32Aを、設定変更時刻D22A(
図1)として記憶し、ステップSB1で収集した一部の設定データD32Bを、設定データD22B(
図1)として記憶する。
【0101】
Dケースの場合では、ステップSD1の処理が行われる。ステップSD1で、ゲートウェイ2は、
図5のステップS1で収集しステップS2で記憶した設備状態データD21(
図1)のみを、サーバ1へ通知する。
【0102】
上記
図5および
図6の処理フローのように、本システム100では、ゲートウェイ2は、制御機器3から所定の周期で設備状態データD21と設定変更時刻D22Aとを収集し、収集された設定変更時刻と記憶されている設定変更時刻とを比較して変化が有るかを確認する(ステップS4)。ゲートウェイ2は、前の周期で設定データをサーバ1へ通知していた場合(AケースおよびCケース)には、無条件にすべての設定データを収集・通知し、収集した設定変更時刻およびすべての設定データを記憶する。ゲートウェイ2は、前の周期で設定データをサーバ1へ通知していなかった場合(BケースおよびDケース)には、比較例(
図14)と同様の設備データ収集処理を行う。
【0103】
[処理フロー(2)]
実施の形態1の変形例を説明する。
図7のフローは、
図5のフローのステップS5およびステップS6の判断に関する詳細構成例を示し、前の周期で設定データをサーバ1へ通知済みかどうかを判断するためのより具体的な処理例を示す。
図7で、ステップS4までは
図5と同様である。ステップS4の判断で、変化有りの場合(Y)には、ステップS51に進み、変化無しの場合(N)には、ステップS61に進む。
【0104】
ステップS51では、ゲートウェイ2は、メモリに、設定変更時刻の差分有り(変化有り)を表すフラグ(第1フラグとする)であるフラグAの値として例えばA=1を記録し、ステップS52に進む。第1フラグであるフラグAは、ステップS4に係わる設定変更時刻の差分の有無を記録するフラグである。
【0105】
ステップS61では、ゲートウェイ2は、メモリに、設定変更時刻の差分無し(変化無し)を表すフラグの値として例えばA=0を記録し、ステップS62に進む。
【0106】
ステップS52では、ゲートウェイ2は、メモリに記録されている別のフラグ(第2フラグとする)としてフラグBを参照して値がB=1であるかを確認する。フラグBは、フラグAと対応させて、最後のステップS7で記録されるフラグである。フラグBは、前周期で設定が変更されていたかを判断するフラグである。ステップS52でフラグB=1である場合(Y)にはAケースへ進み、フラグB=0である場合(N)にはBケースへ進む。
【0107】
同様に、ステップS62では、ゲートウェイ2は、メモリに記録されているフラグBを参照して値がB=1であるかを確認する。ステップS62でフラグB=1である場合(Y)にはCケースへ進み、フラグB=0である場合(N)にはDケースへ進む。
【0108】
A~Dの各ケースの処理は
図6と同じであり省略する。各ケースの処理後、ステップS7に進む。ステップS7では、ゲートウェイ2は、ステップS51またはステップS52でメモリに記録したフラグAの値を、フラグBの値として記憶する。すなわち、AやBケースからステップS7に遷移した場合では、ステップS51でA=1として記録されているため、フラグBもB=1として記憶される。CやDケースからステップS7に遷移した場合では、ステップS61でA=0として記録されているため、フラグBもB=0として記憶される。
【0109】
上記処理例では、ステップS52やS62でフラグB=1である場合(AやCケース)は、前の周期で設定データをサーバ1へ通知済みであることと対応している。ゲートウェイ2は、収集した設定データを記憶する際に、ステップS7で、記録されているフラグAの値をフラグBの値として記憶する。
【0110】
ゲートウェイ2は、次の周期では、ステップS52やS62で、前の周期でのステップS7で記憶されたフラグBの値を用いて、前の周期で設定変更されたかどうかを判断する。フラグBの値は、設定変更時刻の差分有り(すなわち設定変更された設定データ有り)の場合には、A=1に基づいてB=1となり、設定変更時刻の差分無し(すなわち設定変更された設定データ無し)の場合にはA=0に基づいてB=0となる。
【0111】
上記フラグ(A,B)は、実装例としては、ゲートウェイ2におけるメモリ202やレジスタを用いればよい。
【0112】
[シーケンス(1)]
図8~
図11は、実施の形態1の設備データ収集システムであるシステム100における処理シーケンス例を示す。横軸には、
図1での制御機器3、ゲートウェイ2、およびサーバ1を示している。縦軸には時間軸を示している。
図8~
図11のシーケンスでは、所定の一周期(収集周期)内に設備4の設定変更操作が1回のみ行われるか、1回も行われない場合の処理シーケンス例を示す。
図8~
図11では、前述のA~Dの各ケースの処理例を示す。収集周期は、例えば1分単位であるとする。
【0113】
[シーケンス(1-1)]
図8は、収集周期に関するある回(時点T1から時点T2までの第1周期とする)での処理シーケンス例を示す。
図8の例は、Bケースに相当する。時点t101で、ゲートウェイ2は、ある回(第1周期)での設備データ収集処理を開始する。時点t101から時点t111までの処理は、所定の周期での周期処理である。時点t102で、DB22には、前回までの周期での処理に応じた結果の状態として、設備設定データD22と、前回に記録したフラグB=0とが格納されているとする。設備設定データD22は、前回に記憶した設定変更時刻D22Aと、前回に記憶した設定データD22Bとを有する。
【0114】
時点t103では、顧客環境のユーザU2が、制御機器3に対し、設備4の設定の設定変更操作を行ったとする。この設定変更操作により、制御機器3での設備データD3(設定変更時刻D32Aおよび設定データD32B)が更新される。
【0115】
時点t104で、ゲートウェイ2が、制御機器3から、設備状態データD31の収集処理を行う。時点t105で、ゲートウェイ2は、収集した設備状態データD31を設備状態データD21としてDB22内に記憶する。
【0116】
時点t106で、ゲートウェイ2が、制御機器3から、設定変更時刻D32Aの収集を行う。時点t107で、ゲートウェイ2は、収集した設定変更時刻D32Aと、DB22内に記憶されている設定変更時刻D22Aとを比較し、差分が有るかを判断する(
図5でのステップS4)。本例では、収集された設定変更時刻D32Aと記憶された設定変更時刻D22Aとが不一致であり差分が有る。ゲートウェイ2は、差分有り(変化有り)を、フラグA=1として記録する。時点t104から時点t107までの処理は、毎周期(収集周期)に取得する処理である。
【0117】
時点t108で、ゲートウェイ2は、前の周期で設定データD32Bをサーバ1へ通知済みかを判断する(
図5でのステップS5)。本例では、記憶されたフラグB=0であり、これは、前周期では通知しておらず、前周期で設定変更された設定データが無いことを表している。
【0118】
時点t107で「設定変更時刻の差分有り」、かつ、時点t108で「前周期で設定変更された設定データ無し」(通知済みではない)であったため、これは、
図5のフローでのBケースに対応する。そのため、ゲートウェイ2は、時点t109では、制御機器3から、設定変更時刻に差分が有る一部の設定データD32Bのみを収集する(
図6でのステップSB1)。時点t110では、ゲートウェイ2は、設備状態データD21と、収集された一部の設定データD32Bとを、サーバ1に通知する。時点t111で、ゲートウェイ2は、DB22内に、上記収集した設定変更時刻D32Aおよび上記収集した設定データD32Bを、設定変更時刻D22Aおよび設定データD22Bとして記憶し、上記記録されたフラグA=1を、フラグB(B=1)として記憶する。
【0119】
[シーケンス(1-2)]
図9は、
図8のシーケンスの続きであり、時点T2から時点T3までの第2周期を示す。時点t201で、ゲートウェイ2は、第2周期の設備データ収集処理を開始する。時点t202で、DB22には、前回(第1周期)に記憶された設備設定データD22として、前回に記憶された設定変更時刻D22Aおよび前回に記憶された設定データD22Bが格納されている。また、DB22には、前回に記憶されたフラグB=1が格納されている。
【0120】
時点t203では、顧客環境のユーザU2が、制御機器3に対し、設備4の設定の設定変更操作を行ったとする。この設定変更操作により、制御機器3での設備データD3が更新される。
【0121】
時点t204で、ゲートウェイ2が、制御機器3から、設備状態データD31の収集処理を行う。時点t205で、ゲートウェイ2は、収集された設備状態データD31を設備状態データD21としてDB22に記憶する。
【0122】
時点t206で、ゲートウェイ2が、制御機器3から、設定変更時刻D32Aの収集を行う。時点t207で、ゲートウェイ2は、収集された設定変更時刻D32Aと、記憶されている設定変更時刻D22Aとを比較する。本例では、収集された設定変更時刻D32Aと記憶された設定変更時刻D22Aとが不一致であり差分が有る。ゲートウェイ2は、差分有り(変化有り)を、フラグA=1として記録する。時点t204から時点t207までの処理は、毎周期に取得する処理である。
【0123】
時点t208で、ゲートウェイ2は、前の周期で設定データD32Bをサーバ1へ通知済みかを判断する(ステップS5)。本例では、記憶されたフラグB=1であり、これは、前周期で通知済みであり、前周期で設定変更された設定データが有ることを表している。
【0124】
時点t207で「設定変更時刻の差分有り」、かつ、時点t208で「前周期で設定変更された設定データ有り」(通知済み)であったため、これは、
図5のフローではAケースに対応する。そのため、ゲートウェイ2は、時点t209では、制御機器3から、すべての設定データD32Bを収集する(ステップSA1)。時点t210では、ゲートウェイ2は、設備状態データD31と、収集されたすべての設定データD32Bとを、サーバ1に通知する。時点t211で、ゲートウェイ2は、DB22に、上記収集された設定変更時刻D32A、および上記収集された設定データD32Bを記憶し、上記記録されたフラグA=1を、フラグB(B=1)として記憶する。
【0125】
[シーケンス(1-3)]
図10は、
図9のシーケンスの続きであり、時点T3から時点T4までの第3周期を示す。時点t301で、ゲートウェイ2は、第3周期の設備データ収集処理を開始する。時点t302で、DB22には、前回(第2周期)に記憶された設備設定データD22として、前回に記憶された設定変更時刻D22Aおよび前回に記憶された設定データD22Bが格納されている。また、DB22には、前回に記憶されたフラグB=1が格納されている。
【0126】
時点t303では、前述の例とは異なり、顧客環境のユーザU2が、制御機器3に対し、設定変更操作を行っていないとする。言い換えると、今回の第3周期内では、設定変更が行われないとする。
【0127】
時点t304で、ゲートウェイ2が、制御機器3から、設備状態データD31の収集処理を行う。時点t205で、ゲートウェイ2は、収集された設備状態データD31を設備状態データD21としてDB22に記憶する。
【0128】
時点t306で、ゲートウェイ2が、制御機器3から、設定変更時刻D32Aの収集を行う。時点t307で、ゲートウェイ2は、収集された設定変更時刻D32Aと、記憶されている設定変更時刻D22Aとを比較する。本例では、収集された設定変更時刻D32Aと記憶された設定変更時刻D22Aとが一致であり差分が無い。ゲートウェイ2は、差分無し(変化無し)を、フラグA=0として記録する。時点t304から時点t307までの処理は、毎周期に取得する処理である。
【0129】
時点t308で、ゲートウェイ2は、前の周期で設定データをサーバ1へ通知済みかを判断する(ステップS6)。本例では、記憶されたフラグB=1であり、これは、前周期で通知済みであり、前周期で設定変更された設定データが有ることを表している。
【0130】
時点t307で「設定変更時刻の差分無し」、かつ、時点t308で「前周期で設定変更された設定データ有り」(通知済み)であったため、これは、
図5のフローではCケースに対応する。そのため、ゲートウェイ2は、時点t309では、制御機器3から、すべての設定データD32Bを収集する(ステップSC1)。時点t310では、ゲートウェイ2は、設備状態データD21と、収集されたすべての設定データD32Bとを、サーバ1に通知する。時点t311で、ゲートウェイ2は、DB22に、上記収集された設定変更時刻D32A、および上記収集された設定データD32Bを記憶し、上記記録されたフラグA=0を、フラグB(B=0)として記憶する。
【0131】
[シーケンス(1-4)]
図11は、
図10のシーケンスの続きであり、時点T4から時点T5までの第4周期を示す。時点t401で、ゲートウェイ2は、第4周期の設備データ収集処理を開始する。時点t402で、DB22には、前回(第3周期)に記憶された設備設定データD22として、設定変更時刻D22Aおよび設定データD22Bが格納されている。また、DB22には、前回に記憶されたフラグB=0が格納されている。
【0132】
時点t403では、顧客環境のユーザU2が、制御機器3に対し、設定変更操作を行っていないとする。言い換えると、今回の第4周期内では、設定変更が行われないとする。
【0133】
時点t404で、ゲートウェイ2が、制御機器3から、設備状態データD31の収集処理を行う。時点t205で、ゲートウェイ2は、収集された設備状態データD31を設備状態データD21としてDB22に記憶する。
【0134】
時点t406で、ゲートウェイ2が、制御機器3から、設定変更時刻D32Aの収集を行う。時点t407で、ゲートウェイ2は、収集された設定変更時刻D32Aと、記憶されている設定変更時刻D22Aとを比較する。本例では、収集された設定変更時刻D32Aと記憶された設定変更時刻D22Aとが一致であり差分が無い。ゲートウェイ2は、差分無し(変化無し)を、フラグA=0として記録する。
【0135】
時点t408で、ゲートウェイ2は、前の周期で設定データD32Bをサーバ1へ通知済みかを判断する(ステップS6)。本例では、記憶されたフラグB=0であり、これは、前周期で通知済みではなく、前周期で設定変更された設定データが無いことを表している。
【0136】
時点t407で「設定変更時刻の差分無し」、かつ、時点t408で「前周期で設定変更された設定データ無し」(通知済みではない)であったため、これは、
図5のフローではDケースに対応する。そのため、ゲートウェイ2は、時点t409では、制御機器3から設定データD32Bを収集せず、時点t410で、設備状態データD31のみをサーバ1に通知する(ステップSD1)。時点t411で、ゲートウェイ2は、DB22に、記憶された設定変更時刻D22Aおよび設定データD22Bのままとし、上記記録されたフラグA=0を、フラグB(B=0)として記憶する。
【0137】
[シーケンス(2)]
図12~
図13は、実施の形態1の設備データ収集システムであるシステム100における他の処理シーケンス例を示す。
図12~
図13では、所定の一周期(収集周期)内に設備4の設定変更操作が複数回行われた場合の処理シーケンス例を示す。
図12~
図13では、前述のB,Cの各ケースの処理例を示す。収集周期は同様に1分単位であるとする。
【0138】
[シーケンス(2-1)]
図12は、収集周期に関するある回(時点T1から時点T2までの第1周期とする)での処理シーケンス例を示す。
図12での例はBケースに相当する。例えば、時点T1は、現在時刻として12時1分(「12:01」)であるとする。本例では、過去に、「11:59」に対応する2つ前の周期で、設備4の設定変更操作が行われており、例えば設定データが「設定1:A」、設定変更時刻が「11:59」になっているとする。また、次の「12:00」に対応する1つ前の周期では、設定変更操作が行われておらず、設定変更時刻に差分が無いので、フラグB=0となっているとする。
【0139】
時点t501で、ゲートウェイ2は、ある回(第1周期)での設備データ収集処理を開始する。時点t501から時点t511までの処理は、所定の周期での周期処理である。時点t502で、DB22には、上述のように、前回の周期までの処理の結果に応じた状態として、設備設定データD22として、前回に記憶された設定変更時刻D22A、および前回に記憶された設定データD22Bと、前回に記録されたフラグB=0とが格納されている。前回に記憶された設定変更時刻D22Aは、例えば「設定1」が「11:59」である。前回に記憶された設定データD22Bは、例えば「設定1:A」である。なお、この設定データ値「設定1:A」は、
図3での設定データD32B1の「設定1」について、値(基本設定値)として、ある値A(言い換えると、ある状態A)に設定されていることを表す。
【0140】
時点t503で、ゲートウェイ2が、制御機器3から、設備状態データD31の収集処理を行う。時点t504で、ゲートウェイ2は、収集された設備状態データD31を設備状態データD21としてDB22に記憶する。
【0141】
ここで、時点t505(例えば第1周期内で1回目、12時1分X秒「12:01:X」)では、顧客環境のユーザU2が、制御機器3に対し、設備4の設定の設定変更操作を行ったとする。例えば、「設定1:A」から「設定1:B」に変更されたとする。この設定変更操作により、制御機器3での設備データD3が更新される。
【0142】
時点t506で、ゲートウェイ2が、制御機器3から、設定変更時刻D32Aの収集を行う。設定変更時刻D32Aとして、例えば、「設定1」の「12:01」が収集される。制御機器3での設定変更時刻の時間分解能は分単位であるため、ここでは「12:01」が収集される。
【0143】
時点t507で、ゲートウェイ2は、収集された設定変更時刻D32Aと、記憶されている設定変更時刻D22Aとを比較して差分が有るかを判断する。本例では、収集された設定変更時刻D32A(「12:01」)と記憶された設定変更時刻D22A(「11:59」)とが不一致であり差分が有る。ゲートウェイ2は、差分有り(変化有り)を、フラグA=1として記録する。
【0144】
時点t508で、ゲートウェイ2は、前の周期で設定データをサーバ1へ通知済みかを判断する(ステップS5)。本例では、記憶されたフラグB=0であり、これは、前周期では通知しておらず、前周期で設定変更された設定データが無いことを表している。
【0145】
時点t507で「設定変更時刻の差分有り」、かつ、時点t508で「前周期で設定変更された設定データ無し」(通知済みではない)であったため、これは、
図5のフローではBケースに対応する。そのため、ゲートウェイ2は、時点t509では、制御機器3から、設定変更時刻D32Aに差分が有る一部の設定データD32Bのみを収集する(ステップSB1)。本例では、差分に対応した一部の設定データD32Bとして、「設定1:B」が収集される。
【0146】
時点t510では、ゲートウェイ2は、設備状態データD21と、収集された一部の設定データD32B(「設定1:B」)とを、サーバ1に通知する。時点t511で、ゲートウェイ2は、DB22に、上記収集された設定変更時刻D32A(「12:01」)、および上記収集された設定データD32B(「設定1:B」)を記憶し、上記記録されたフラグA=1を、フラグB(B=1)として記憶する。
【0147】
一方、本例では、時点t509よりも後である時点t512(例えば第1周期内で2回目、12時1分Y秒「12:01:Y」)では、顧客環境のユーザU2が、制御機器3に対し、設備4の設定の設定変更操作を行ったとする。例えば、「設定1:B」から「設定1:C」に変更されたとする。この設定変更操作により、制御機器3での設備データD3が更新される。そのため、それよりも後の時点t511では、DB22に、まだ最新の設定データ「設定1:C」は収集・反映されておらず、サーバ1へ通知されていない。この反映は次の周期で行われる。
【0148】
[シーケンス(2-2)]
図13は、
図12に続くシーケンスであり、時点T2(「12:02」)から時点T3(「12:03」)までの第2周期での処理シーケンス例を示す。
図13の例は、Cケースに相当する。時点t601で、ゲートウェイ2は、第2周期での設備データ収集処理を開始する。時点t602で、DB22には、前回の第1周期での処理の結果に応じた状態として、設備設定データD22として、前回に記憶された設定変更時刻D22A(「12:01」)、および前回に記憶された設定データD22B(「設定1:B」)と、前回に記録されたフラグB=1とが格納されている。
【0149】
時点t603で、ゲートウェイ2が、制御機器3から、設備状態データD31の収集処理を行う。時点t604で、ゲートウェイ2は、収集された設備状態データD31を設備状態データD21としてDB22に記憶する。
【0150】
本例では、第2周期内では、設定変更操作が行われておらず、「設定1:C」のままであるとする。
【0151】
時点t605で、ゲートウェイ2が、制御機器3から、設定変更時刻D32Aの収集を行う。設定変更時刻D32Aとして、例えば、「設定1」の「12:01」が収集される。
【0152】
時点t606で、ゲートウェイ2は、収集された設定変更時刻D32A(「12:01」)と、記憶されている設定変更時刻D22A(「12:01」)とを比較する。本例では、収集された設定変更時刻D32A(「12:01」)と記憶された設定変更時刻D22A(「12:01」)とが一致であり差分が無い。ゲートウェイ2は、差分無し(変化無し)を、フラグA=0として記録する。
【0153】
時点t607で、ゲートウェイ2は、前の周期で設定データをサーバ1へ通知済みかを判断する(ステップS6)。本例では、記憶されたフラグB=1であり、これは、前周期では通知済みであり、前周期で設定変更された設定データが有ることを表している。
【0154】
時点t606で「設定変更時刻の差分無し」、かつ、時点t607で「前周期で設定変更された設定データ有り」(通知済み)であったため、これは、
図5のフローではCケースに対応する。そのため、ゲートウェイ2は、時点t608では、制御機器3から、すべての設定データD32Bを収集する(ステップSC1)。本例では、すべての設定データD32Bとして、前周期の2回目の設定変更(
図12の時点t512)の後に対応した最新の設定である「設定1:C」が収集される。
【0155】
時点t609では、ゲートウェイ2は、設備状態データD21と、収集されたすべての設定データD32B(「設定1:C」)とを、サーバ1に通知する。時点t610で、ゲートウェイ2は、DB22に、上記収集された設定変更時刻D32A(「12:01」)、および上記収集された設定データD32B(「設定1:C」)を記憶し、上記記録されたフラグA=0を、フラグB(B=0)として記憶する。
【0156】
これにより、実施の形態1のシステム100では、第2周期で、ゲートウェイ2は、第1周期での2回目の設定変更に対応した最新の設定データD32B「設定1:C」を収集でき、サーバ1に通知できる。すなわち、システム100では、所定の周期内で複数回の設定変更操作が行われた場合でも、すぐに、漏れ無く最新の設定を収集することができる。
【0157】
以上説明したように、実施の形態1の設備データ収集システムによれば、収集周期内での複数回の設備設定操作も許容して漏れ無く設備データが収集できる等、より好適な設備データ収集が実現できる。
【0158】
以上、本発明を実施の形態に基づいて具体的に説明したが、本発明は前述の実施の形態に限定されず、要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。各実施の形態は、必須構成要素を除き、構成要素の追加・削除・置換などが可能である。特に限定しない場合、各構成要素は、単数でも複数でもよい。各実施の形態を組み合わせた形態も可能である。
【符号の説明】
【0159】
1…サーバ、2…ゲートウェイ、3…制御機器、4…設備、5…WAN、6…クライアント端末、7…クライアント端末、D3…設備データ、D31…設備状態データ、D32…設備設定データ、D32A…設定変更時刻、D32B…設定データ。