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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023114626
(43)【公開日】2023-08-18
(54)【発明の名称】スタンド装置
(51)【国際特許分類】
   F16M 11/08 20060101AFI20230810BHJP
   G10K 15/04 20060101ALI20230810BHJP
【FI】
F16M11/08 Z
G10K15/04 301A
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022017049
(22)【出願日】2022-02-07
(71)【出願人】
【識別番号】518133201
【氏名又は名称】富士通クライアントコンピューティング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】天野 洋
(57)【要約】
【課題】設置時に、設置対象体とスタンド装置との現在の相対的な回動角度の把握がし易く、また、設置時に回動角度が不適切で修正が必要な場合に、その修正作業が容易にできるスタンド装置を提供する。
【解決手段】スタンド装置は、載置対象体を固定支持可能な載置面と逆側の第1面を有する第1スタンドと、第1面に対向する第2面を有し、第1面と第2面が対向する第1方向と略直交する第2方向に少なくとも回動可能な状態で第1スタンドに接続される第2スタンドと、第2スタンドに対する第1スタンドの相対位置を変化させるときに、第2スタンドに対する第1スタンドの回動位置に応じて異なる回数の識別音を発生可能な識別音発生部と、を備える。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
載置対象体を固定支持可能な載置面と逆側の第1面を有する第1スタンドと、
前記第1面に対向する第2面を有し、前記第1面と前記第2面が対向する第1方向と略直交する第2方向に少なくとも回動可能な状態で前記第1スタンドに接続される第2スタンドと、
前記第2スタンドに対する前記第1スタンドの相対位置を変化させるときに、前記第2スタンドに対する前記第1スタンドの回動位置に応じて異なる回数の識別音を発生可能な識別音発生部と、
を備える、スタンド装置。
【請求項2】
前記第1スタンドは、前記第1面に凹部を有し、
前記第2スタンドは、前記第2面に前記凹部と係合して前記第2スタンドを前記第1方向に摺動可能に係合させる軸部を有し、
前記軸部は、当該軸部の外周面に、前記第1方向に沿って前記第1スタンドの前記回動位置に対応して周方向の長さが異なる複数の溝部を備え、
前記凹部は、当該凹部の内壁面に、前記溝部と係脱可能な突起部を備え、
前記識別音発生部は、前記第2スタンドが前記第1スタンドに対して前記第1方向に摺動する際に前記溝部と前記突起部との係脱によって前記識別音を発生する、
請求項1に記載のスタンド装置。
【請求項3】
前記第1面と前記第2面のうちいずれか一方の面は、前記第1スタンドを回動可能に支持する支持軸を中心に円環状に配置され、前記第1スタンドの回動位置に対応して径方向の長さが異なる複数の第1係合部を備え、
前記第1面と前記第2面のうち他方の面は、前記径方向の異な位置でかつ前記径方向と略直交する方向にずれた位置に前記第1係合部と係脱可能な複数の第2係合部を備え、
前記識別音発生部は、前記第1スタンドが前記第2スタンドに対して前記第2方向に回動する際に前記第1係合部と前記第2係合部との係脱によって前記識別音を発生する、
請求項1に記載のスタンド装置。
【請求項4】
前記第2係合部は、前記径方向の長さが異なる複数の棒状部材の一端側にそれぞれ設けられ、前記棒状部材の他端側は、前記他方の面に固定されている、請求項3に記載のスタンド装置。
【請求項5】
前記第1面と前記第2面のうちいずれか一方の面は、前記第1スタンドを回動可能に支持する支持軸を中心に、前記第1スタンドの回動位置に対応して周方向の長さが異なる複数の円弧溝部を径方向に配列して備え、
前記第1面と前記第2面のうち他方に面は、前記径方向に延在して一端側が前記他方に面に固定され、他端側が前記一方の面に向かって傾斜するとともに前記円弧溝部と係脱可能な棒形状の接触体を備え、
前記識別音発生部は、前記第2スタンドが前記第1スタンドに対して前記第1方向に接離する際に前記接触体と前記円弧溝部との係脱によって前記識別音を発生する、
請求項1に記載のスタンド装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、スタンド装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、載置固定された載置対象体の向きを左右方向に動かせる機能、いわゆる「スイーベル機能」を備えるスタンド装置が知られている。スタンド装置に載置可能な載置対象体としては、例えば、表示装置一体型の情報処理装置(パーソナルコンピュータ)や表示装置(ディスプレイ装置やモニタ装置等)の電子機器等である。そして、このような載置対象体(電子機器等)は、スイーベル機能を備えるスタンド装置の一部(例えば回転テーブル)と実質的に一体化されている場合が多い。このようなスイーベル機能を備えるスタンド装置においては、左右方向の回動が行われた場合に、載置対象体(電子機器等)に接続された付属品(例えば、電源ケーブルや信号ケーブル等)に過度のテンションが付与されたり、その過度のテンションにより抜け落ちたりしないようにするため、回動角度を制限するストッパ等が設けられたものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014-224842号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述したように、電子機器等の載置対象体と実質的に一体化されたスイーベル機能を備えるスタンド装置は、例えば机等の上に設置された後に、また、設置対象体の利用時等に、当該載置対象体(電子機器等)の左右方向の角度調整が行われる場合がある。このような場合、設置対象体とスタンド装置との相対的な回動角度が既に左右いずれか一方の最大調整角度に到達している場合がある。このような場合、設置してから既に回動済みの方向について、それ以上の回動調整ができず、設置のやり直し作業が強いられ、ユーザに煩わしさを与えてしまう場合がある、という問題があった。また、上述のように角度調整が一方側で十分にできない場合に、設置対象体とスタンド装置との相対的な回動角度を中立角度(左右の最大調整角度の中間位置)に調整し直そうとする場合、中立位置が認識し難く、ユーザに煩わしさを与えてしまうという問題があった。
【0005】
従って、本発明が解決する課題の一例は、設置時に、設置対象体とスタンド装置との相対的な回動角度の把握がし易く、また、設置時に回動角度が不適切で修正が必要な場合に、その修正作業が容易にできるスタンド装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1態様に係るスタンド装置は、載置対象体を固定支持可能な載置面と逆側の第1面を有する第1スタンドと、前記第1面に対向する第2面を有し、前記第1面と前記第2面が対向する第1方向と略直交する第2方向に少なくとも回動可能な状態で前記第1スタンドに接続される第2スタンドと、前記第2スタンドに対する前記第1スタンドの相対位置を変化させるときに、前記第2スタンドに対する前記第1スタンドの回動位置に応じて異なる回数の識別音を発生可能な識別音発生部と、を備える。
【0007】
また、前記第1スタンドは、前記第1面に凹部を有し、前記第2スタンドは、前記第2面に前記凹部と係合して前記第2スタンドを前記第1方向に摺動可能に係合させる軸部を有し、前記軸部は、当該軸部の外周面に、前記第1方向に沿って前記第1スタンドの前記回動位置に対応して周方向の長さが異なる複数の溝部を備え、前記凹部は、当該凹部の内壁面に、前記溝部と係脱可能な突起部を備え、前記識別音発生部は、前記第2スタンドが前記第1スタンドに対して前記第1方向に摺動する際に前記溝部と前記突起部との係脱によって前記識別音を発生するようにしてもよい。
【0008】
また、前記第1面と前記第2面のうちいずれか一方の面は、前記第1スタンドを回動可能に支持する支持軸を中心に円環状に配置され、前記第1スタンドの回動位置に対応して径方向の長さが異なる複数の第1係合部を備え、前記第1面と前記第2面のうち他方の面は、前記径方向の異な位置でかつ前記径方向と略直交する方向にずれた位置に前記第1係合部と係脱可能な複数の第2係合部を備え、前記識別音発生部は、前記第1スタンドが前記第2スタンドに対して前記第2方向に回動する際に前記第1係合部と前記第2係合部との係脱によって前記識別音を発生するようにしてもよい。
【0009】
また、前記第2係合部は、前記径方向の長さが異なる複数の棒状部材の一端側にそれぞれ設けられ、前記棒状部材の他端側は、前記他方の面に固定されているようにしてもよい。
【0010】
また、前記第1面と前記第2面のうちいずれか一方の面は、前記第1スタンドを回動可能に支持する支持軸を中心に、前記第1スタンドの回動位置に対応して周方向の長さが異なる複数の円弧溝部を径方向に配列して備え、前記第1面と前記第2面のうち他方に面は、前記径方向に延在して一端側が前記他方に面に固定され、他端側が前記一方の面に向かって傾斜するとともに前記円弧溝部と係脱可能な棒形状の接触体を備え、前記識別音発生部は、前記第2スタンドが前記第1スタンドに対して前記第1方向に接離する際に前記接触体と前記円弧溝部との係脱によって前記識別音を発生するようにしてもよい。
【発明の効果】
【0011】
本発明の上記態様によれば、第2スタンドに対する第1スタンドの相対位置を変化させるときに、第2スタンドに対する第1スタンドの回動位置に応じて異なる回数の識別音が発生する。その結果、設置時に第1スタンド(または、載置対象体)の第2スタンドに対する回動位置が認識し易くなる。また、回動位置が不適当な場合でも発生した識別音の数に基づき現在の回動角度が容易に認識できるので、回動位置の修正を容易に行い易くなる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、実施形態にかかるスタンド装置と載置対象体とが一体化された設置状態を示す例示的かつ模式的な正面図である。
図2図2は、第1実施形態にかかるスタンド装置を構成する第1スタンドと第2スタンドの設置後の第1方向に関する位置関係を示す例示的かつ模式的な断面図である。
図3図3は、第1実施形態にかかるスタンド装置を構成する第1スタンドの形状を示す例示的かつ模式的な断面図である。
図4図4は、第1実施形態にかかるスタンド装置を構成する第1スタンドと第2スタンドの設置前の第1方向に関する位置関係を示す例示的かつ模式的な断面図である。
図5図5は、第1実施形態にかかるスタンド装置の第2スタンドの軸部と溝部を示す例示的かつ模式的な斜視図である。
図6図6は、第1実施形態にかかるスタンド装置の第1スタンドの凹部と突起部を示す例示的かつ模式的な断面図である。
図7図7は、第1実施形態にかかるスタンド装置の第1スタンドに対して第2スタンドが第1方向に位置関係を変化させた場合に識別音が発生することを示す例示的かつ模式的な断面図である。
図8図8は、第2実施形態にかかるスタンド装置を構成する第1スタンドと第2スタンドとが第1方向に対面した状態を示す例示的かつ模式的な断面図である。
図9図9は、第2実施形態にかかるスタンド装置の第2スタンドに形成された第1係合部を示す例示的かつ模式的な平面図である。
図10図10は、第2実施形態にかかるスタンド装置の第1スタンドに形成された第2係合部を示す例示的かつ模式的な図である。
図11図11は、第2実施形態にかかるスタンド装置の第1スタンドに対して第2スタンドが第2方向に位置関係を変化させた場合に識別音が発生することを示す例示的かつ模式的な図である。
図12図12は、第3実施形態にかかるスタンド装置を構成する第1スタンドと第2スタンドの設置前の第1方向に関する位置関係を示す例示的かつ模式的な断面図である。
図13図13は、第3実施形態にかかるスタンド装置の第2スタンドに形成され円弧溝部を示す例示的かつ模式的な平面図である。
図14図14は、第3実施形態にかかるスタンド装置の第2スタンドに形成され円弧溝部を示す例示的かつ模式的な断面図である。
図15図15は、第3実施形態にかかるスタンド装置の第1スタンドに対して第2スタンドが第1方向に位置関係を変化させた場合に識別音が発生することを示す例示的かつ模式的な断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の例示的な実施形態が開示される。以下に示される実施形態の構成、ならびに当該構成によってもたらされる作用、結果、および効果は、一例である。本発明は、以下の実施形態に開示される構成以外によっても実現可能であるとともに、基本的な構成に基づく種々の効果や、派生的な効果のうち、少なくとも一つを得ることが可能である。
【0014】
図1は、実施形態にかかるスタンド装置10(10A,10B)が、載置対象体としての例えば表示装置一体型の情報処理装置12(例えばパーソナルコンピュータ)を固定支持している設置状態を示す例示的かつ模式的な正面図である。なお、スタンド装置10(10A.10B)は、情報処理装置12の表示画面12aを支持する支柱部12bをスタンド装置10(10A,10B)を構成する回転テーブル(以下に示す第1スタンド)上で固定支持して、実質的に一体化されている。
【0015】
スタンド装置10(10A,10B)は、情報処理装置12と一体化された状態で、設置場所(例えば、机の上)等に設置され、情報処理装置12の表示画面12aの正面を左右方向(矢印S方向、後述する第2方向)に、回動調整可能な左右調整機構、いわゆる「スイーベル機能」を備えている。なお、図示を省略しているが、スタンド装置10(10A,10B)には、回動角度の制限機構として、ストッパ等が設けられ、正面位置を基準とした場合、左右方向に例えば各180°(全体で360°)まで回動できるように構成されている。その結果、情報処理装置12に接続された電源ケーブルや信号ケーブルに過度のテンションがかかり難くしたり、そのテンションによりケーブルが抜け落ちたりし難いように構成されている。なお、この回動角度の制限値は、ケーブル等に過度のテンションがかかることが抑制できる角度範囲で適宜変更可能である。また、スタンド装置10(10A,10B)は、表示画面12aを上向き方向または下向き方向に調整するチルト機能を備えてもよい。チルト機能に関しては、周知の構造が適用可能であり、その説明は省略する。
【0016】
上述のようなスイーベル機能を実現するための機構は、意匠性の向上のため、スタンド装置10(10A,10B)の一部に覆われている場合が多く、回動角度の目視がし難い構造になっている場合が多い。そこで、以下に示す各実施形態では、情報処理装置12に対する現在の相対的な回動角度の把握がし易く、また、情報処理装置12(スタンド装置10,10A,10B)の設置時に回動角度が不適切で修正が必要な場合に、その修正作業が容易にできる機構を備えるスタンド装置10(10A,10B)について説明する。なお、以下に示す第1実施形態のスタンド装置を「スタンド装置10」、第2実施形態のスタンド装置を「スタンド装置10A」、第3実施形態のスタンド装置を「スタンド装置10B」として説明する。したがって、第2実施形態を説明する際には、構成の符号に「A」を適宜付加して示し、第3実施形態を説明する際には、構成に符号に「B」を適宜付加して示す。
【0017】
<第1実施形態>
図2は、第1実施形態にかかるスタンド装置10が設置面G(例えば、机の天板等)に設置された状態で、スタンド装置10を構成する第1スタンド14と第2スタンド16とを示す例示的かつ模式的な図である。第1スタンド14と第2スタンド16は、上面視で例えば円盤形状の部材である。そして、例えば、第1スタンド14は第2スタンド16より大径であり、第1スタンド14は第2スタンド16を実質的に覆い隠し、外部からは見えないようにして、意匠性の向上に寄与している。つまり、第1スタンド14と第2スタンド16との相対的な位置関係(回転状態)の目視は難しい構成になっている。
【0018】
第1スタンド14は、図2図3に示されるように、情報処理装置12(支柱部12b)の載置面14aと逆側の第1面14bに、略円筒状の凹部18が開口している。凹部18は、第1面14bに近い側の小口径部18aと、当該小口径部18aに連通し小口径部18aより大径の大口径部18bとで構成されている。したがって、小口径部18aと大口径部18bの接続部分には段部18cが形成される。
【0019】
第2スタンド16は、図2図4に示されるように、第1面14bに対向する第2面16aを有する。なお、実施形態において、第1面14bと第2面16aの対向方向を便宜上、第1方向(Z方向:上向き方向を+Z方向、下向き方向を-Z方向)とする。
【0020】
第2スタンド16は、第2面16aに凹部18と係合して第2スタンド16を第1方向Zに摺動可能に係合させる軸部20を有する。軸部20は、第1スタンド14の小口径部18aに沿ってZ方向に摺動可能な軸本体部20aと当該軸本体部20aの先端(+Z方向の先端)に形成され、第1スタンド14の大口径部18b内でZ方向に移動可能なフランジ部20bとで構成されている。したがって、スタンド装置10が設置面Gから離間している状態(持ち上げられている状態)では、軸部20が-Z方向に摺動して、フランジ部20bが段部18cに引っ掛かる状態になる。つまり、図4に示されるように、スタンド装置10の設置前の状態(設置面Gから浮いた状態)では、第2スタンド16が第1スタンド14よりやや沈下する構造になる。逆に、スタンド装置10が設置面Gに設置された場合には、図2に示されるように、第2スタンド16が第1スタンド14に対して+Z方向に移動して、第1スタンド14に対して第2スタンド16が正規の使用状態位置に戻り、第1面14bと第2面16aとが実質的に接触する。その結果、スタンド装置10として安定した支持状態を実現する。なお、図2に示される状態で、凹部18内部で軸部20が回動可能である。つまり、第2スタンド16が設置面Gに設置(接地)された状態で、第1スタンド14が第1方向と略直交する第2方向(矢印S方向)に回動(図1の表示画面12aを左右方向の回動)する、「スイーベル機能」を実現する。
【0021】
図5は、スタンド装置10の第2スタンド16の軸部20と、当該軸部20煮え規制される溝部22を示す例示的かつ模式的な斜視図である。第1スタンド14に対して第1方向(Z方向)に摺動可能な第2スタンド16の軸部20(軸本体部20a)の外周面20cには、第1方向(+Z方向、-Z方向)に沿って、複数の溝部22(例えば、3本の溝部22a~22c)が設けられている。この溝部22は、第2スタンド16に対する第1スタンド14の回動位置に対応して、軸本体部20aの周方向の長さが異なる。図5の場合、角度「0°」を、スタンド装置10において図1に示す表示画面12aが正面を向く角度とする。すなわち、基準位置「0°」とする。なお、この場合、表示画面12aは、第1方向(Z方向)に対して略直交するY方向(+Y方向、-Y方向)とする場合、+Y方向を向いている。
【0022】
この場合、溝部22aは、軸本体部20aにおいて、角度0°から反時計回り方向の135°の位置から「0°」の逆側の「180°」の位置を通り、角度0°から時計回り方向の-135°の位置まで延びる第1長さを有する。また、溝部22bは、軸本体部20aにおいて、角度0°から反時計回り方向の90°の位置から「180°」の位置を通り、角度0°から時計回り方向の-90°の位置まで延びる第2長さを有する。また、溝部22cは、軸本体部20aにおいて、角度0°から反時計回り方向の45°の位置から「180°」の位置を通り、角度0°から時計回り方向の-45°の位置まで延びる第3長さを有する。各溝部22の第1方向(Z方向)の幅およびその深さは、後述する凹部18の小口径部18aの内壁面に形成された、突起部24と系脱することにより、識別音(例えば,クリック音)を発生可能な幅および深さに適宜設定される。
【0023】
図6に示されるように、第1スタンド14における凹部18の小口径部18aの内壁面18dには、上述した各溝部22と係脱可能な突起部24が設けられている。図6の場合、突起部24は、表示画面12aが正面を向いた場合に、小口径部18aにおいて奥側(背面側)、すなわち、軸本体部20aの「0°」に対応する位置に形成されている。突起部24は、図6に示されるように、軸部20が存在しない状態で内壁面18dから突出するように形成され、軸部20が存在する場合には、後述する図7に示されるように、-Y方向に形成された内壁凹部18eの内部に退避するように弾性的に撓む板ばね部24aの開放端側(先端部側)に設けられている。
【0024】
図7は、第1実施形態にかかるスタンド装置10の第1スタンド14に対して第2スタンド16が第1方向(+Z方向、-Z方向)に関して、位置関係を変化させた場合を示す例示的かつ模式的な断面図である。図7は、表示画面12aが、正面(角度0°)の位置から180回動した場合を示す。つまり、表示画面12aが、ユーザが通常使用する正面位置ではなく、180°回動した真後ろを向いてしまっている状態が示されている。つまり、3本の溝部22(22a~22c)が突起部24に接触可能な状態である。この場合、情報処理装置12に対してスタンド装置10は、左右いずれかの方向に回動限界である180°まで回動してしまっている状態である。この状態で、情報処理装置12(表示画面12a)の角度調整を行おうとしても、回動限界まで回動してしまっている方向には、それ以上に回動できないことになる。
【0025】
図7に示されるように、第1スタンド14の凹部18に第2スタンド16の軸部20(軸本体部20a)が配置された場合、突起部24は、板ばね部24aの撓み動作により内壁凹部18eに退避する。図7の状態は、第1スタンド14に対して第2スタンド16が第1方向(-Z方向)に移動した状態、つまり、図4に示すように設置前の状態(第2スタンド16が第1スタンド14から垂れ下がっている状態)である。この状態から図2に示す設置後の状態に移行する過程(第2スタンド16が設置面Gに接触し+Z方向に移動する過程)で、溝部22と突起部24とが順次係脱を繰り返す。図7の場合、軸本体部20aが+Z方向に移動する過程で、突起部24は溝部22a、溝部22b、溝部22cの順に3回係脱を繰り返す。その場合、突起部24は板ばね部24aによって+Y方向および-Y方向の振動を繰り返すことにより、識別音(例えば、クリック音)が発生する。つまり、スタンド装置10の場合、第1方向(Z方向)に相対移動する溝部22と、突起部24とによって識別音発生部Mを構成する。したがって、スタンド装置10(情報処理装置12)の設置者は、3回の識別音を確認することで、スタンド装置10(第1スタンド14)に対して情報処理装置12(第2スタンド16)が正面位置(正規の0°の位置)から左右方向(第2方向)のいずれかに135°以上回動してしまっている状態であることを認識する。その結果、設置者は、このままの状態では、設置後に情報処理装置12(表示画面12a)の回動調整に大きな制限を受けてしまう可能性があることを、設置作業中(設置した瞬間)に認識可能となり、設置のやり直しを迅速行うことができる。つまり、第1スタンド14と第2スタンド16との回動角度を最適な角度(基準角度0°)に修正することができる。
【0026】
また、スタンド装置10(第1スタンド14)に対して情報処理装置12(第2スタンド16)が正面位置から第2方向に90°(-90°)以上、135°(-135°)未満の範囲で回動してしまっている状態の場合、突起部24は、溝部22b、溝部22cと接触可能となる。つまり、軸本体部20aが+Z方向に移動する過程で、突起部24は溝部22b、溝部22cの順に2回係脱を繰り返す。設置者は、2回の識別音を確認することで、スタンド装置10(第1スタンド14)に対して情報処理装置12(第2スタンド16)が正面位置(正規の0°の位置)から左右方向(第2方向)のいずれかに90°以上、135°未満の範囲で回動してしまっている状態であることを認識する。設置者は、このままの状態では、設置後に情報処理装置12(表示画面12a)の回動調整にある程度の制限を受けてしまう可能性を認識可能となり、設置のやり直しを検討することができる。つまり、第1スタンド14と第2スタンド16との回動角度を最適な角度(基準角度0°)に修正することを検討することができる。
【0027】
同様に、スタンド装置10(第1スタンド14)に対して情報処理装置12(第2スタンド16)が正面位置から第2方向に45°(-45°)以上、90°(-90°)未満の範囲で回動してしまっている状態の場合、突起部24は、溝部22cのみと接触可能となる。つまり、軸本体部20aが+Z方向に移動する過程で、突起部24は溝部22cに1回係脱するのみとなる。設置者は、1回の識別音を確認することで、スタンド装置10(第1スタンド14)に対して情報処理装置12(第2スタンド16)が正面位置(正規の0°の位置)から左右方向(第2方向)のいずれかに45°以上、90°未満の範囲で回動してしまっている状態であることを認識する。つまり、設置者は、このままの状態では、設置後に情報処理装置12(表示画面12a)の回動調整にある程度の制限を受けてしまう可能性があると認識可能となり、この場合も設置のやり直しを検討することができる。
【0028】
また、スタンド装置10(第1スタンド14)に対して情報処理装置12(第2スタンド16)が正面位置から第2方向に45°(-45°)未満の範囲で回動してしまっている状態の場合、突起部24は、溝部22と接触しない。つまり、軸本体部20aが+Z方向に移動する過程で、突起部24と溝部22との係脱による識別音は発生しない。設置者は、識別音が確認できないことで、情報処理装置12(スタンド装置10)の設置後に情報処理装置12(表示画面12a)の回動調整を概ね自由に行うこと可能であると認識可能となり、設置を完了することができる。
【0029】
なお、識別音の回数の認識により、設置者は、スタンド装置10に対して情報処理装置12が現在どの程度回動してしまっているか認識することが可能である。したがって、設置のやり直しの際に、スタンド装置10に対する情報処理装置12の角度調整を容易に行うことができる。また、角度調整した後に、スタンド装置10(情報処理装置12)を作業し易い位置に仮置きして、第1スタンド14に対して第2スタンド16を+Z方向に移動させることで、識別音が発生するか否かを確認できる。例えば、スタンド装置10に対して情報処理装置12を少しずつ角度調整して、識別音が発生しなくなる角度を探すことができる。その結果、識別音が発生しないスタンド装置10に対する情報処理装置12の適正な位置を容易に見付けることが可能となり、適正な設置作業をより効率的に行うことができる。
【0030】
なお、図6に示されるように、突起部24は、+Z方向および-Z方向のいずれの方向においても、曲面を有するR加工が施されている。したがって、突起部24は、第2スタンド16が第1スタンド14に対して+Z方向と-Z方向のいずれの方向に移動しても、溝部22と係脱する際にはスムーズに移動しながら識別音を発生することができる。その結果、回動角度の修正作業を行う場合には、第1スタンド14に対して第2スタンド16を+Z方向と-Z方向とのいずれの方向に移動させても識別音の発生が可能、回動角度の確認作業を効率的に行うことができる。
【0031】
上述した例では、3種類の長さの溝部22を軸本体部20aに設ける例を示したが、溝部22の設定数は適宜変更可能であり増減してもよい。例えば、溝部22の本数を増加すれば、回動角度に応じて識別音の発生がより細かく行うことが可能になる。例えば、4本の場合は、回動角度36°ごと、5本の場合は回動角度30°ごとの識別音の発生が可能になる。また、基準点(0°)を挟んで、左右方向で、異なる本数の溝部22を設定することにより回動方向の識別も可能になる。例えば、一方側(0°~45°~90°~180側)は、図5と同様に、長さの異なる3本の溝部22を設ける。そして、他方側(0°~-45°~-90°~180側)は、溝部22aを1本、溝部22bを1本、溝部22cを4本(合計6本)設ける。その結果、-135°以上回動してしまっている場合は6回の識別音、-90°以上、-135°未満の場合は5回の識別音、-45°以上、-90°未満の場合は4回の識別音が発生するようにできて、一方側と容易に識別することができる。
【0032】
<第2実施形態>
図8は、第2実施形態にかかるスタンド装置10Aが設置面G(例えば、机の天板等)に設置された状態で、スタンド装置10Aを構成する第1スタンド14Aと第2スタンド16Aとを示す例示的かつ模式的な図である。スタンド装置10Aの場合、情報処理装置12(スタンド装置10A)を設置した後に、第2スタンド16Aに対して第1スタンド14A(情報処理装置12)のスイーベル機能を用いて僅かに回動させることにより、第2スタンド16Aに対する第1スタンド14A(情報処理装置12)の現在の回動角度を認識できる識別音発生部Mを備える。
【0033】
第1スタンド14Aと第2スタンド16Aは、上面視で例えば円盤形状の部材である。第1スタンド14Aは、図2に示す第1実施形態の第1スタンド14と同様に、情報処理装置12の支柱部12b(図1参照)の載置面14Aaと逆側の第1面14Abを備える。また、第2スタンド16Aは、第1面14Ab対面する第2面16Aaを備える。そして、第1スタンド14Aは第2スタンド16Aより大径であり、第1スタンド14Aは第2スタンド16Aを実質的に覆い隠され、外部からは見えないようにして、意匠性の向上に寄与している。つまり、第1スタンド14Aと第2スタンド16Aとの相対的な位置関係(回転状態)の目視は難しい構成になっている。
【0034】
図9は、第2スタンド16Aの例示的かつ模式的な平面図である。図9に示されるように、円盤形状の第2スタンド16Aの中心位置には、第1スタンド14Aを回動可能に支持する軸部16AAが形成されている。したがって、円盤形状の第1スタンド14Aにおいて第1面14Abの中央部には、軸部16AAと係合する軸受部(不図示)が形成されている。この軸部16AAと軸受部および回動角度を制限するストッパ(不図示)とで、スタンド装置10Aにおいて、第1スタンド14Aの回動調整を可能にするスイーベル機能を実現している。なお、スタンド装置10Aの場合、第1実施形態のスタンド装置10と異なり、第1方向(+Z方向、-Z方向)の摺動する構成は必須ではない。
【0035】
スタンド装置10Aの場合、第1面14Abと第2面16Aaのうちいずれか一方の面は、第1スタンド14Aを回動可能に支持する支持軸(第2スタンド16Aの軸部16AA)を中心に円環状に配置され、第1スタンド14Aの回動位置に対応して径方向rの長さが異なる複数の第1係合部を備える。また、第1面14Abと第2面16Aaのうち他方の面は、径方向rの異な位置でかつ径方向rと略直交する方向にずれた位置に第1係合部と係脱可能な複数の第2係合部を備える。スタンド装置10Aの場合、第1スタンド14Aが第2スタンド16Aに対して、第1方向と略直交する第2方向(図1の矢印S方向)に回動(スイーベル機能を用いて図1の表示画面12aを左右方向の回動)する際に第1係合部と前記第2係合部との係脱によって識別音を発生する。
【0036】
図8の場合、一方の面を第2面16Aaとし、他方の面を第1面14Abとする場合を示している。したがって、第2スタンド16Aの第2面16Aa上には、例えば、矩形突形状(例えば直方体)の第1係合部26が設けられている。また、第1スタンド14Aの第1面14Abには、第1係合部26が設けられた第2スタンド16Aを受け入れる凹部28が形成されている。また、この凹部28の一部には、例えば突形状の第2係合部30を先端に支持する板ばね部32を退避可能な内壁凹部28aが形成されている。上述したように、第1係合部26は、第1スタンド14Aの回動位置に対応して径方向rの長さが異なる。また、複数形成された第2係合部30は、径方向rの異な位置でかつ径方向rと略直交する方向にずれた位置で第1係合部26と係脱可能である。したがって、第2スタンド16Aに対して第1スタンド14Aがスイーベル機能を用いて回動する場合、長さの異なる第1係合部26と複数の第2係合部30とが順次係脱を繰り返し識別音が発生可能となる。つまり、第2実施形態のスタンド装置10Aの場合、第1係合部26と第2係合部30とで、識別音発生部Mを構成することになる。
【0037】
図9は、スタンド装置10Aの第2スタンド16Aに形成された第1係合部26の形状と配置とを示す例示的かつ模式的な平面図である。前述したように、第1係合部26は、第1スタンド14Aを回動可能に支持する支持軸(第2スタンド16Aの軸部16AA)を中心に円環状に配置されている。そして、第1係合部26は、第2スタンド16Aに対する第1スタンド14Aの回動位置に対応して径方向rの長さが異なる。図9の場合、径方向rの長さが異なる例えば3種類の第1係合部26(26a~26c)が示されている。
【0038】
図9の場合、角度「0°」を、スタンド装置10Aにおいて図1に示す表示画面12aが正面を向く角度とする。すなわち、基準位置「0°」とする。図9に示す第2スタンド16Aの第2面16Aaの場合、角度0°から時計回り方向45°まで、および角度0°から反時計回り方向-45°までの範囲E0には、第1係合部26は形成されていない。また、角度0°から時計回り方向45°~90°の範囲+E1とし、反時計回り方向-45°~-90°の範囲-E1として、径方向rの長さが最も短い第1係合部26aが、例えば3本周方向に等間隔で配置されている。同様に、角度0°から時計回り方向90°~135°の範囲+E2とし、反時計回り方向-90°~-135°の範囲-E2として、径方向rの長さが第1係合部26aの次に長い第1係合部26bが、例えば3本周方向に等間隔で配置されている。また、角度0°から時計回り方向135°以上および反時計回り方向-135°以上の範囲E3には、径方向rの長さが第1係合部26bよりさらに長い第1係合部26cが、例えば6本周方向に等間隔で配置されている。
【0039】
一方、図10は、スタンド装置10Aの第1スタンド14Aの凹部28に設けられる第2係合部30および板ばね部32の形状および配置を示す例示的かつ模式的な図である。前述したように、第1スタンド14Aの載置面14Aaには、径方向rの異な位置でかつ径方向と略直交する方向qにずれた位置に第1係合部26(26a~26cのいずれか)と係脱可能な複数の第2係合部30(30a~30c)が配置されている。各第2係合部30(30a~30c)は、板ばね部32(32a~32c)の自由端側の先端にそれぞれ固定されている。各板ばね部32の他端側は、内壁凹部28aの端部を始端として載置面14Aaに固定されている。
【0040】
そして、第2係合部30aは、第2スタンド16Aに設けられた第1係合部26a~26cのいずれとも係脱可能なように、径方向rの長さが最も長い板ばね部32aによって片持ち状態で支持されている。また、第2係合部30bは、第1係合部26bおよび第1係合部26cと係脱可能なように、径方向rの長さが板ばね部32aより短い板ばね部32bによって片持ち状態で支持されている。同様に、第2係合部30cは、第1係合部26cのみと係脱可能なように、径方向rの長さが板ばね部32bより短い板ばね部32cによって片持ち状態で支持されている。
【0041】
したがって、スタンド装置10Aにおいて、第2スタンド16Aに対する第1スタンド14Aの回動状態が、図1に示す表示画面12aがほぼ正面を向く状態の場合、つまり、表示画面12aの向いている方向が図9における範囲E0に含まれる場合、各第2係合部30はいずれの第1係合部26にも接触しない。つまり、情報処理装置12(スタンド装置10A)の設置後、情報処理装置12(第1スタンド14)を僅かに回動させても識別音は発生されない。なお、僅かに回動とは、少なくとも3本の板ばね部32(3個の第2係合部30)がある第1係合部26を通過する回動量である。スタンド装置10A(情報処理装置12)の設置者は、識別音が確認できないことに基づき、情報処理装置12(スタンド装置10A)は、スイーベル機能を十分に利用できる(第2方向の回動調整が十分にできる)状態で設置されていると認識できる。
【0042】
また、表示画面12aの向いている方向が図9における範囲E1または範囲-E1に含まれる場合、情報処理装置12(スタンド装置10A)の設置後、情報処理装置12(第1スタンド14)を僅かに回動させた場合、第2係合部30aのみが第1係合部26aと係脱可能になる。そのため、情報処理装置12(第1スタンド14)を僅かに回動させた場合、1回の識別音が発生する。つまり、設置者は、識別音が1回確認できたことを認識することにより、情報処理装置12(スタンド装置10A)は、第2スタンド16Aに対して45°~90°(-45°~-90°)の範囲で回動している状態で設置されてしまっていると認識できる。つまり、設置者は、このままの状態では、情報処理装置12の使用時に表示画面12aの回動調整にある程度の制限を受けてしまう可能性があると認識可能となり、設置のやり直しを検討することができる。つまり、第1スタンド14Aと第2スタンド16Aとの回動角度を最適な角度(基準角度0°)に修正することを検討することができる。
【0043】
また、表示画面12aの向いている方向が図9における範囲E2または範囲-E2に含まれる場合、情報処理装置12(スタンド装置10A)の設置後、情報処理装置12(第1スタンド14)を僅かに回動させた場合、第2係合部30aと第2係合部30bが第1係合部26bと係脱可能になる。図10に示されるように、第2係合部30aと第2係合部30bは、方向qにおいてずれて配置されているため、情報処理装置12(第1スタンド14)を僅かに回動させた場合、第2係合部30aと第2係合部30bとが第1係合部26bに僅かな時間差で係脱し、連続した2回の識別音が発生する。つまり、設置者は、連続した2回の識別音が確認できたことを認識することにより、情報処理装置12(スタンド装置10A)は、第2スタンド16Aに対して90°~135°(-90°~-135°)の範囲で回動している状態で設置されてしまっていると認識できる。設置者は、このままの状態では、情報処理装置12の使用時に表示画面12aの回動調整に制限を受けてしまう可能性があると認識可能となる。その結果、設置のやり直し(第1スタンド14Aと第2スタンド16Aとの回動角度を最適な角度(基準角度0°)に修正すること)を検討することができる。
【0044】
また、表示画面12aの向いている方向が図9における範囲E3に含まれる場合、情報処理装置12(スタンド装置10A)の設置後、情報処理装置12(第1スタンド14)を僅かに回動させた場合、第2係合部30aと第2係合部30bと第2係合部30cが第1係合部26cと係脱可能になる。図10に示されるように、第2係合部30aと第2係合部30bと第2係合部30cは、方向qにおいてずれて配置されている。その結果、情報処理装置12(第1スタンド14)を僅かに回動させた場合、第2係合部30a、第2係合部30b、第2係合部30cが第1係合部26cに僅かな時間差で係脱し、連続した3回の識別音が発生する。つまり、設置者は、連続した3回の識別音が確認できたことを認識することにより、情報処理装置12(スタンド装置10A)は、第2スタンド16Aに対して135°(-135°)以上回動している状態で設置されてしまっていると認識できる。つまり、設置者は、このままの状態では、情報処理装置12の使用時に表示画面12aの回動調整ができない可能性があると認識可能となり、設置を直ちにやり直す(第1スタンド14Aと第2スタンド16Aとの回動角度を最適な角度(基準角度0°)に修正する)ことができる。
【0045】
なお、スタンド装置10Aの場合も識別音の回数の認識により、設置者は、スタンド装置10に対して情報処理装置12がどの程度回動してしまっているか認識することが可能である。したがって、設置のやり直しの際に、スタンド装置10Aに対する情報処理装置12の角度調整を容易に行うことができる。また、角度調整した後に、スタンド装置10A(情報処理装置12)を作業し易い位置で仮置きして、第2スタンド16Aに対して第1スタンド14Aを回動させることにより、識別音が発生するか否か確認することができる。例えば、スタンド装置10A(第2スタンド16A)に対して情報処理装置12(第1スタンド14A)を少しずつ角度調整して、識別音が発生しなくなる角度を探すことができる。その結果、識別音が発生しないスタンド装置10Aに対する情報処理装置12の適正な位置を容易に見付けることが可能となり、適正な設置作業をより効率的に行うことができる。
【0046】
上述した例では、3種類の長さの第1係合部26を第2スタンド16Aの周方向に設ける例を示したが、第1係合部26の種類と第2係合部30の設置位置数は宜変更可能であり、適宜増減してもよい。例えば、第1係合部26の種類および第2係合部30の設置位置数を増加すれば、より詳細に回動角度に応じて識別音の発生が可能になる。
【0047】
なお、図10に示されるように、第2係合部30(30a~30c)は、径方向rの長さが異なる棒部材である複数の板ばね部32の一端側にそれぞれ設けられている。この場合、第2係合部30aが26a~26cのいずれかと係脱して発生する識別音の音質は、他の第2係合部30の係脱に比べて(最も)低くなる。また、第2係合部30bが第1係合部26bまたは第1係合部26cと係脱して発生する識別音の音質は、第2係合部30aの径脱に比べて少し高くなり、第2係合部30cが第1係合部26cと係脱して発生する識別音の音質は、さらに高くなる。このように、各第2係合部30の係脱時の音質が異なるため、識別音が複数回連続して発生する場合でも、各識別音の識別が容易になり、識別音の回数のカウントをより正確かつ容易に行うことが可能になる。その結果、スタンド装置10A(第2スタンド16A)に対する情報処理装置12(第1スタンド14A)の回動角度の認識がより正確かつ容易になる。
【0048】
なお、上述した第1係合部26は、第2面16Aaから突出した、略直方体の突起形状とする例を示した。別の実施形態では、第1係合部26を溝形状としてもよい。溝形状とした場合の径方向の長さおよび周方向の幅は、突起形状とした場合の径方向の長さおよび周方向の幅と同じとすることができる。この場合も溝形状の第1係合部26と突起形状の第2係合部30とが係脱して、上述した場合と同様に、識別音の発生が可能で同様の効果を得ることができる。
【0049】
<第3実施形態>
図12図15に第3実施形態のスタンド装置10B(第1スタンド14Bおよび第2スタンド16B)を示す。スタンド装置10Bは、第1実施形態のスタンド装置10の変形例であり、スタンド装置10Bを構成する第1スタンド14Aと第2スタンド16Bとは、第1方向(Z方向)に摺動可能である。第1スタンド14Bと第2スタンド16Bは、上面視で例えば円盤形状の部材である。そして、第1スタンド14Bは第2スタンド16Bより大径であり、第1スタンド14Bは第2スタンド16Bを実質的に覆い外部からは見えないようにして、意匠性の向上に寄与している。つまり、第1スタンド14Bと第2スタンド16Bとの相対的な位置関係(回転状態)の目視は難しい構成になっている。
【0050】
第1スタンド14Bは、図12に示されるように、情報処理装置12(支柱部12b)の載置面14Baと逆側の第1面14Bbに略円筒状の凹部34が開口している。凹部34は、第1面14Bbに近い側の小口径部34aと、当該小口径部34aに連通し小口径部34aより大径の大口径部34bとで構成されている。したがって、小口径部34aと大口径部34bの接続部分には段部34cが形成される。
【0051】
第2スタンド16Bは、図12に示されるように、第1面14Bbに対向する第2面16Baを有する。
【0052】
第2スタンド16Bは、第2面16Baに凹部34と係合して第2スタンド16Bを第1方向Zに摺動可能に係合させる軸部36を有する。軸部36は、第1スタンド14Bの小口径部34aに沿ってZ方向に摺動可能な軸本体部36aと当該軸本体部36aの先端(+Z方向の先端)に形成され、第1スタンド14Bの大口径部34b内でZ方向に移動可能なフランジ部36bとで構成されている。したがって、スタンド装置10Bが設置面Gから離間している状態(持ち上げられている状態)では、軸部36が-Z方向に摺動して、フランジ部36bが段部34cに引っ掛かる状態になる。つまり、図12に示されるように、スタンド装置10Bの設置前の状態(設置面Gから浮いた状態)では、第2スタンド16Bが第1スタンド14Bよりやや沈下する構造になる。逆に、スタンド装置10Bが設置面Gに設置された場合には、図15に示されるように、第2スタンド16Bが第1スタンド14Bに対して+Z方向に移動して、第1スタンド14Bに対して第2スタンド16Bが正規の使用状態位置に戻り、第1面14Bbと第2面16Baとが接近して、第2スタンド16Bのフランジ部36bが第1スタンド14Bを実質的に支持することになる。その結果、スタンド装置10Bとして安定した支持状態を実現する。なお、図15に示される状態で、凹部34(大口径部34b)内部で軸部36が回動可能である。つまり、第2スタンド16Bが設置面Gに設置(接地)された状態で、第1スタンド14Bが第1方向(Z方向)と略直交する第2方向(矢印S方向)に回動(図1の表示画面12aを左右方向の回動)する、「スイーベル機能」を実現する。
【0053】
そして、第1面14Bbと第2面16Baのうちいずれか一方の面は、第1スタンド14Bを回動可能に支持する支持軸(第2スタンド16Bの軸部36)を中心に、第2スタンド16Bに対する第1スタンド14Bの回動位置に対応して周方向の長さが異なる複数の円弧溝部を径方向に配列している。また、第1面14Bbと第2面16Baのうち他方に面は、径方向に延在して一端側が他方に面に固定され、他端側が一方の面に向かって傾斜するとともに円弧溝部と係脱可能な棒形状の接触体を備える。スタンド装置10Bの場合、第2スタンド16が第1スタンド14に対して第1方向(Z方向)に接離する際に接触体と円弧溝部との係脱によって識別音を発生する。
【0054】
図12の場合、一方の面を第2面16Baとし、他方の面を第1面14Bbとする場合を示している。したがって、第2スタンド16Bは、第1スタンド14Bを回動可能に支持する支持軸(第2スタンド16Bの軸部36)を中心に、第1スタンド14Bの回動位置に対応して周方向の長さが異なる複数の円弧溝部38を径方向rに配列している。また、第1スタンド14Bは、第1面14Bbにおいて、径方向rに延在して一端側が第1面14Bbに固定され、他端側が第2面16Baに向かって傾斜するとともに円弧溝部38と係脱可能な棒形状の接触体40を備えている。
【0055】
図13は、スタンド装置10Bの第2スタンド16Bに形成された円弧溝部38の形状と配置とを示す例示的かつ模式的な平面図である。また、図14は、図13の線分P-Pにおける断面図である。前述したように、円弧溝部38は、第1スタンド14Bを回動可能に支持する軸部36を中心に、第1スタンド14Bの回動位置に対応して周方向(矢印S方向)の長さが異なるように、径方向rに所定間隔を空けて複数本が配置されている。図13の場合、周方向の長さが異なる例えば3種類の円弧溝部38(38a~38c)が示されている。
【0056】
図13の場合、角度「0°」を、スタンド装置10Bにおいて図1に示す表示画面12aが正面を向く角度とする。すなわち、基準位置「0°」とする。図13に示す第2スタンド16Bの第2面16Baの場合、角度0°から時計回り方向45°まで、および角度0°から反時計回り方向-45°までの範囲EL0には、円弧溝部38は形成されていない。また、時計回り方向45°から角度0°の逆側の180°を通過し、反時計回り方向-45°までの範囲EL1に対応する周方向の長さが最も長い円弧溝部38aが配置されている。図14に示されるように、円弧溝部38aの内径側には、時計回り方向90°から角度0°の逆側の180°を通過し、反時計回り方向-90°までの範囲EL2に対応する長さの円弧溝部38bが配置されている。さらに、円弧溝部38bの内径側には、時計回り方向135°から角度0°の逆側の180°を通過し、反時計回り方向-135°までの範囲EL3に対応する最も短い長さの円弧溝部38cが配置されている。なお、各円弧溝部38の径方向rの間隔は、例えば同じである。
【0057】
また、図12図15に示されるように、第1スタンド14Bにおいける第1面14Bbには、前述したように、径方向rに延在して一端側が第1面14Bbに固定され、他端側が第2面16Baに向かって傾斜する(図12の場合、外径側が第2面16Baに接近するような傾斜する)接触体40が設けられている。接触体40は、円弧溝部38と係脱可能な爪部40aと、当該爪部40aを先端に支持する弾性変形可能な棒形状の板ばね部40bで構成されている。
【0058】
前述したように、スタンド装置10Bは、設置面Gに設置される際に、第1スタンド14Bに対して第2スタンド16Bが第1方向(+Z方向)に移動する。つまり、第2スタンド16Bの第2面16Baが第1スタンド14Bの第1面14Bbに接近する。その結果、第2面16Baに向かって傾斜する接触体40は、第1面14Bbに平行になるように姿勢を矢印Q方向に移行させる。また、このとき爪部40aの位置は、第2面16Ba上を摺動しながら外径方向(径方向rの外側方向)に移動する。この際に第2面16Ba上に円弧溝部38が存在すれば、爪部40aと円弧溝部38とが係脱し、その際に、識別音(例えばクリック音)が発生する。
【0059】
したがって、スタンド装置10Bにおいて、第2スタンド16Bに対する第1スタンド14Bの回動状態が、図1に示す表示画面12aがほぼ正面を向く状態の場合、つまり、表示画面12aの向いている方向が図13における範囲E0に含まれる場合、スタンド装置10B(情報処理装置12)を設置する際に第2面16Baが第1面14Bbに接近しても接触体40(爪部40a)は、円弧溝部38と係脱することがない。つまり、識別音は発生されない。スタンド装置10B(情報処理装置12)の設置者は、識別音が確認できないことに基づき、情報処理装置12(スタンド装置10B)は、スイーベル機能を十分に利用できる(第2方向の回動調整が十分にできる)状態で設置されていると認識し、設置作業を終了することができる。
【0060】
また、表示画面12aの向いている方向が、図13における45°~90°の範囲E1または-45°~-90°の範囲-E1に含まれる場合、スタンド装置10B(情報処理装置12)を設置する際に第2面16Baが第1面14Bbに接近すると、接触体40(爪部40a)は、円弧溝部38aのみと係脱する。つまり、1回の識別音がする。設置者は、識別音が1回確認できたことを認識することにより、情報処理装置12(スタンド装置10B)は、第2スタンド16Bに対して45°~90°(-45°~-90°)の範囲で回動している状態で設置されてしまっていると認識できる。つまり、設置者は、このままの状態では、情報処理装置12の使用時に表示画面12aの回動調整にある程度の制限を受けてしまう可能性があると認識し、設置のやり直し(第1スタンド14Bと第2スタンド16Bとの回動角度を最適な角度(基準角度0°)に修正すること)を検討することができる。
【0061】
また、表示画面12aの向いている方向が、図13における90°~135°の範囲E2または-90°~-135°の範囲-E2に含まれる場合、スタンド装置10B(情報処理装置12)を設置する際に第2面16Baが第1面14Bbに接近すると、接触体40(爪部40a)は、円弧溝部38bに続き円弧溝部38aと係脱する。つまり、2回の連続した識別音がする。つまり、設置者は、識別音が2回確認できたことを認識することにより、情報処理装置12(スタンド装置10B)は、第2スタンド16Bに対して90°~135°(-90°~-135°)の範囲で回動している状態で設置されてしまっていると認識できる。つまり、設置者は、このままの状態では、情報処理装置12の使用時に表示画面12aの回動調整に制限を受けてしまう可能性があると認識可能となる。そして、設置のやり直し(第1スタンド14Bと第2スタンド16Bとの回動角度を最適な角度(基準角度0°)に修正すること)を検討することができる。
【0062】
また、表示画面12aの向いている方向が図13における135°~-135°の範囲E3に含まれる場合、スタンド装置10B(情報処理装置12)を設置する際に第2面16Baが第1面14Bbに接近すると、接触体40(爪部40a)は、円弧溝部38c、円弧溝部38b、円弧溝部38aの順に係脱する。つまり、3回の連続した識別音がする。設置者は、識別音が3回確認できたことを認識することにより、情報処理装置12(スタンド装置10B)は、第2スタンド16Bに対して135°(-135°)以上回動している状態で設置されてしまっていると認識できる。設置者は、このままの状態では、情報処理装置12の使用時に表示画面12aの回動調整ができない可能性があると認識可能となり、設置を直ちにやり直す(第1スタンド14Bと第2スタンド16Bとの回動角度を最適な角度(基準角度0°)に修正する)ことができる。
【0063】
なお、スタンド装置10Bの場合も識別音の回数の認識により、設置者は、スタンド装置10B(第1スタンド14B)に対して情報処理装置12(第2スタンド16B)がどの程度回動してしまっているか認識することが可能である。その結果、設置のやり直しの際に、スタンド装置10Bに対する情報処理装置12の角度調整を容易に行うことができる。また、角度調整した後に、スタンド装置10B(情報処理装置12)を作業し易い位置で仮置きして、第1スタンド14Bに対して第2スタンド16Bを+Z方向に移動させることで、識別音が発生するか否か確認することができる。例えば、スタンド装置10Bに対して情報処理装置12を少しずつ角度調整して、識別音が発生しなくなる角度を探すことができる。その結果、識別音が発生しないスタンド装置10Bに対する情報処理装置12の適正な位置を容易に見付けることが可能となり、適正な設置作業をより効率的に行うことができる。
【0064】
上述した例では、周方向の長さが異なる3種類の円弧溝部38を第2スタンド16Bの径方向に設ける例を示したが、円弧溝部38の周方向の長さと、径方向の配置本数は宜変更可能であり、増減してもよい。例えば、円弧溝部38の周方向の長さの種類に応じて径方向の配置本数を増加すれば、より詳細に回動角度に応じて識別音の発生が可能になる。
【0065】
なお、上述した円弧溝部38は、第2面16Baに設け、接触体40を第1面14Bbに設ける例を示した。別の実施形態では、接触体40を第2面16Baに設け、円弧溝部38を第1面14Bbに設けてもよく、同様の効果を得ることができる。
【0066】
<まとめ>
このように本実施形態のスタンド装置10(10A,10B)は、第1スタンド14(14A,14B)と、第2スタンド16(16A,16B)と、識別音発生部Mとを備える。第1スタンド14(14A、14B)は、載置対象体である例えば12を固定支持可能な載置面14a(14Aa,14Ba)と逆側の第1面14b(14Ab,14Bb)を有する。第2スタンド16(16A,16B)は、第1面14b(14Ab,14Bb)に対向する第2面16a(16Aa,16Ba)を有し、第1面14b(14Ab,14Bb)と第2面16a(16Aa,16Ba)が対向する第1方向と略直交する第2方向に少なくとも回動可能な状態で第1スタンド14(14A,14B)に接続される。識別音発生部Mは、第2スタンド16(16A,16B)に対する第1スタンド14(14A,14B)の相対位置を変化させるときに、第2スタンド16(16A,16B)に対する第1スタンド14(14A,14B)の回動位置に応じて異なる回数の識別音を発生可能である。したがって、第2スタンド16(16A,16B)に対する第1スタンド14(14A,14B)の相対位置を変化させるときに、第2スタンド16(16A,16B)に対する第1スタンド14(14A,14B)の回動位置に応じて異なる回数の識別音が発生する。その結果、設置時に第1スタンド14(14A,14B)または、載置対象体の第2スタンド16(16A,16B)に対する回動位置が認識し易くなる。また、回動位置が不適当な場合でも発生する識別音の数に基づき、回動位置の修正を容易に行い易くなる。
【0067】
また、スタンド装置10の第1スタンド14は、第1面14bに凹部18をする。また、スタンド装置10の第2スタンド16は、第2面16aに凹部18と係合して第2スタンド16を第1方向に摺動可能に係合させる軸部20を有する。軸部20は、当該軸部20の外周面20cに、第1方向に沿って第1スタンド14の回動位置に対応して周方向の長さが異なる複数の溝部22を備える。凹部18は、当該凹部18の内壁面18dに、溝部22と係脱可能な突起部24を備える。識別音発生部Mは、第2スタンド16が第1スタンド14に対して第1方向に摺動する際に溝部22と突起部24との係脱によって識別音を発生する。したがって、例えば、設置作業等のときに、第2スタンド16に対する第1スタンド14の第1方向への相対位置を変化させることにより、第2スタンド16に対する第1スタンド14の回動位置に応じて異なる回数の識別音が発生する。その結果、設置時に第1スタンド14または、載置対象体の第2スタンド16に対する回動位置が認識し易くなる。また、回動位置が不適当な場合でも発生する識別音の数に基づき、回動位置の修正を容易に行い易くなる。
【0068】
また、スタンド装置10Aの第1面14Abと第2面16Aaのうちいずれか一方の面は、第1スタンド14Aを回動可能に支持する支持軸を中心に円環状に配置され、第1スタンド14Aの回動位置に対応して径方向の長さが異なる複数の第1係合部26を備える。第1面14Abと第2面16Aaのうち他方の面は、径方向の異な位置でかつ径方向と略直交する方向にずれた位置に第1係合部26と係脱可能な複数の第2係合部30を備える。識別音発生部Mは、第1スタンド14Aが第2スタンド16に対して第2方向に回動する際に第1係合部26と第2係合部30との係脱によって識別音を発生する。しがたって、例えば、設置後に第2スタンド16に対する第1スタンド14の第2方向へ相対位置を変化させることにより、第2スタンド16に対する第1スタンド14の回動位置に応じて異なる回数の識別音が発生する。その結果、第1スタンド14または、載置対象体の第2スタンド16に対する回動位置が認識し易くなる。また、回動位置が不適当な場合でも発生する識別音の数に基づき、回動位置の修正を容易に行い易くなる。
【0069】
また、スタンド装置10Aの第2係合部30は、径方向の長さが異なる複数の板ばね部32(棒状部材)の一端側にそれぞれ設けられ、板ばね部32の他端側は、他方の面に固定されている。したがって、識別音発生部Mは、第1係合部26と第2係合部30とが係脱する際に板ばね部32の長さに応じた異なる音質の音が発生し、識別音が連続して発生する際に、その識別がより容易になり識別音の回数の認識をより正確に行わせることができる。
【0070】
また、スタンド装置10Bの第1面14Bbと第2面16Baのうちいずれか一方の面は、第1スタンド14Bを回動可能に支持する支持軸を中心に、第1スタンド14Bの回動位置に対応して周方向の長さが異なる複数の円弧溝部38を径方向に配列して備える。第1面14Bbと第2面16Baのうち他方に面は、径方向に延在して一端側が他方に面に固定され、他端側が一方の面に向かって傾斜するとともに円弧溝部38と係脱可能な棒形状の接触体40を備える。識別音発生部Mは、第2スタンド16Bが第1スタンド14Bに対して第1方向に接離する際に接触体40と円弧溝部38との係脱によって識別音を発生する。したがって、例えば、設置作業等のときに、第2スタンド16Bに対する第1スタンド14Bの第1方向への相対位置を変化させることにより、第2スタンド16Bに対する第1スタンド14Bの回動位置に応じて異なる回数の識別音が発生する。その結果、設置時に第1スタンド14Bまたは、載置対象体の第2スタンド16Bに対する回動位置が認識し易くなる。また、回動位置が不適当な場合でも発生する識別音の数に基づき、回動位置の修正を容易に行い易くなる。
【0071】
なお、上述した各実施形態において、スタンド装置10(10A,10B)等が載置固定された載置対象体として、表示装置一体型の情報処理装置12を一例として示したが、載置角度の調整が必要な機器であればよい。例えば、表示装置単体を載置対象体としてもよいし、表示画面12aが存在せず、例えば、インジケータやスイッチ類等を備える機器でもよい。このように、操作者に対して視認方向や操作方向の調整ができれば望ましい機器を載置対象体としてもよい。これらの場合も上述した各実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0072】
なお、スタンド装置10の構成にスタンド装置10Aの構成を組み合わせてもよい。また、スタンド装置10Aの構成とスタンド装置10Bの構成を組み合わせてもよい。つまり、設置作業時に識別音を発生させることが可能な構成と、設置後に回動することで識別音を発生させることが可能な構成の両方を備えてもよい。この場合、設置作業時および設置後にスタンド装置10(第2スタンド16)に対する情報処理装置12(第1スタンド14)の回動角度の確認が容易になり、設置作業や回動角度の確認を効率的に行うことができる。
【0073】
本発明の実施形態及び変形例を説明したが、これらの実施形態及び変形例は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0074】
10,10A,10B…スタンド装置、12…情報処理装置(載置対象体)、14,14A,14B…第1スタンド、14b,14Ab、14Bb…第1面、16,16A,16B…第2スタンド、16a,16Aa,16Ba…第2面、18…凹部、20…軸部、20c…外周面、22,22a,22b,22c…溝部、24…突起部、26,26a,26b,26c…第1係合部、30,30a,30b,30c…第2係合部、38,38a,38b,38c…円弧溝部、40…接触体、M…識別音発生部。
図1
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