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特開2023-114667食材発注支援システム、食材発注支援方法、及び食材発注支援プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023114667
(43)【公開日】2023-08-18
(54)【発明の名称】食材発注支援システム、食材発注支援方法、及び食材発注支援プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/087 20230101AFI20230810BHJP
   G06Q 30/0601 20230101ALI20230810BHJP
   G06Q 50/12 20120101ALI20230810BHJP
【FI】
G06Q10/08 330
G06Q30/06 340
G06Q50/12
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022017108
(22)【出願日】2022-02-07
(71)【出願人】
【識別番号】500175565
【氏名又は名称】株式会社ぐるなび
(74)【代理人】
【識別番号】100167302
【弁理士】
【氏名又は名称】種村 一幸
(74)【代理人】
【識別番号】100181869
【弁理士】
【氏名又は名称】大久保 雄一
(72)【発明者】
【氏名】行武 耕司
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA16
5L049BB58
5L049CC24
(57)【要約】
【課題】複数の部位を有する食材の発注を効率よく行うことが可能な食材発注支援システム、食材発注支援方法、及び食材発注支援プログラムを提供すること。
【解決手段】本発明に係る食材発注支援システムは、食材に含まれる複数の部位のそれぞれの在庫に関する在庫情報を取得する取得処理部と、前記取得処理部により取得される前記在庫情報に基づいて、前記食材の発注方法を、少なくとも2つの前記部位を含む第1単位ごとに発注する第1発注方法と、前記第1単位に含まれる部位の数よりも少なく、且つ少なくとも1つの前記部位を含む第2単位ごとに発注する第2発注方法とのいずれかに決定する決定処理部と、前記決定処理部により決定される前記発注方法を出力する出力処理部と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の部位を有する食材を発注する食材発注支援システムであって、
前記食材に含まれる前記複数の部位のそれぞれの在庫に関する在庫情報を取得する取得処理部と、
前記取得処理部により取得される前記在庫情報に基づいて、前記食材の発注方法を、少なくとも2つの前記部位を含む第1単位ごとに発注する第1発注方法と、前記第1単位に含まれる部位の数よりも少なく、且つ少なくとも1つの前記部位を含む第2単位ごとに発注する第2発注方法とのいずれかに決定する決定処理部と、
前記決定処理部により決定される前記発注方法を出力する出力処理部と、
を備える食材発注支援システム。
【請求項2】
前記取得処理部は、前記食材の現在の在庫量である現在庫量を取得し、
前記決定処理部は、前記現在庫量が所定量以上の場合に前記第2発注方法に決定し、前記現在庫量が前記所定量未満の場合に前記第1発注方法に決定する、
請求項1に記載の食材発注支援システム。
【請求項3】
前記取得処理部は、飲食施設で利用者に提供する料理の予測提供数量に基づく前記食材の未来の在庫量である未来在庫量を取得し、
前記決定処理部は、前記未来在庫量が所定量以上の場合に前記第2発注方法に決定し、前記未来在庫量が前記所定量未満の場合に前記第1発注方法に決定する、
請求項1又は2に記載の食材発注支援システム。
【請求項4】
前記決定処理部は、発注対象の複数の前記部位を含む前記第1単位の必要発注量の仕入価格と、発注対象の複数の前記部位を含む前記第2単位の必要発注量の仕入価格との比較結果に基づいて、前記発注方法を決定する、
請求項1~3のいずれかに記載の食材発注支援システム。
【請求項5】
前記取得処理部は、前記食材の全体に対する消費可能な部位の割合を示す消費率を取得し、
前記決定処理部は、発注対象の食材の前記消費率が所定値以上の場合に前記第1発注方法に決定し、発注対象の食材の前記消費率が前記所定値未満の場合に前記第2発注方法に決定する、
請求項1~4のいずれかに記載の食材発注支援システム。
【請求項6】
前記食材の前記消費率と前記食材の全体重量とに基づいて発注量を算出する、
請求項5に記載の食材発注支援システム。
【請求項7】
部位ごとの必要な発注量を合計した必要発注量を算出し、
前記第1単位に含まれる前記必要発注量の割合を示す必要部位比率を算出し、
前記決定処理部は、前記必要部位比率が所定比率以上の場合に前記第1発注方法に決定し、前記必要部位比率が所定比率未満の場合に前記第2発注方法に決定する、
請求項1~6のいずれかに記載の食材発注支援システム。
【請求項8】
前記決定処理部は、前記在庫情報及び前記発注方法に基づいて、発注対象の前記食材の産地、品種、及び大きさの少なくともいずれかを決定する、
請求項1~7のいずれかに記載の食材発注支援システム。
【請求項9】
複数の部位を有する食材を発注する食材発注支援方法であって、
一又は複数のプロセッサーが、
前記食材に含まれる前記複数の部位のそれぞれの在庫に関する在庫情報を取得する取得ステップと、
前記取得ステップにおいて取得される前記在庫情報に基づいて、前記食材の発注方法を、少なくとも2つの前記部位を含む第1単位ごとに発注する第1発注方法と、前記第1単位に含まれる部位の数よりも少なく、且つ少なくとも1つの前記部位を含む第2単位ごとに発注する第2発注方法とのいずれかに決定する決定ステップと、
前記決定ステップにおいて決定される前記発注方法を出力する出力ステップと、
を実行する食材発注支援方法。
【請求項10】
複数の部位を有する食材を発注する食材発注支援プログラムであって、
前記食材に含まれる前記複数の部位のそれぞれの在庫に関する在庫情報を取得する取得ステップと、
前記取得ステップにおいて取得される前記在庫情報に基づいて、前記食材の発注方法を、少なくとも2つの前記部位を含む第1単位ごとに発注する第1発注方法と、前記第1単位に含まれる部位の数よりも少なく、且つ少なくとも1つの前記部位を含む第2単位ごとに発注する第2発注方法とのいずれかに決定する決定ステップと、
前記決定ステップにおいて決定される前記発注方法を出力する出力ステップと、
を一又は複数のプロセッサーに実行させるための食材発注支援プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食材の発注を支援する食材発注支援システム、食材発注支援方法、及び食材発注支援プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
飲食店等の施設では、スタッフが食材の在庫量を確認したり、料理の注文数を予測したりすることによって、必要な食材の発注量を計算して発注する業務を行っている。従来、スタッフの業務負担の軽減化を図る食材発注システムが提案されている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010-218427号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、食材の中には、肉、魚など複数の部位を有し、部位ごとに料理に使用可能な食材がある。前記食材を発注する場合、食材の全体を発注(例えば牛を一頭買い)する方法と、部位ごとに発注(例えば部位買い)する方法とが考えられる。このような発注方法は、スタッフの判断により決定されるため、スタッフの業務負担となり効率化することが困難である。このように、従来の技術では、複数の部位を有する食材の発注を効率的に行うことが困難である。
【0005】
本発明の目的は、複数の部位を有する食材の発注を効率よく行うことが可能な食材発注支援システム、食材発注支援方法、及び食材発注支援プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る食材発注支援システムは、複数の部位を有する食材を発注するシステムである。前記食材発注支援システムは、前記食材に含まれる前記複数の部位のそれぞれの在庫に関する在庫情報を取得する取得処理部と、前記取得処理部により取得される前記在庫情報に基づいて、前記食材の発注方法を、少なくとも2つの前記部位を含む第1単位ごとに発注する第1発注方法と、前記第1単位に含まれる部位の数よりも少なく、且つ少なくとも1つの前記部位を含む第2単位ごとに発注する第2発注方法とのいずれかに決定する決定処理部と、前記決定処理部により決定される前記発注方法を出力する出力処理部と、を備える。
【0007】
本発明に係る食材発注支援方法は、複数の部位を有する食材を発注する方法である。前記食材発注支援方法では、一又は複数のプロセッサーが、前記食材に含まれる前記複数の部位のそれぞれの在庫に関する在庫情報を取得する取得ステップと、前記取得ステップにおいて取得される前記在庫情報に基づいて、前記食材の発注方法を、少なくとも2つの前記部位を含む第1単位ごとに発注する第1発注方法と、前記第1単位に含まれる部位の数よりも少なく、且つ少なくとも1つの前記部位を含む第2単位ごとに発注する第2発注方法とのいずれかに決定する決定ステップと、前記決定ステップにおいて決定される前記発注方法を出力する出力ステップと、を実行する。
【0008】
本発明に係る食材発注支援プログラムは、複数の部位を有する食材を発注するプログラムである。前記食材発注支援プログラムは、前記食材に含まれる前記複数の部位のそれぞれの在庫に関する在庫情報を取得する取得ステップと、前記取得ステップにおいて取得される前記在庫情報に基づいて、前記食材の発注方法を、少なくとも2つの前記部位を含む第1単位ごとに発注する第1発注方法と、前記第1単位に含まれる部位の数よりも少なく、且つ少なくとも1つの前記部位を含む第2単位ごとに発注する第2発注方法とのいずれかに決定する決定ステップと、前記決定ステップにおいて決定される前記発注方法を出力する出力ステップと、を一又は複数のプロセッサーに実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、複数の部位を有する食材の発注を効率よく行うことが可能な食材発注支援システム、食材発注支援方法、及び食材発注支援プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、本発明の実施形態に係る食材発注支援システムの構成を示すブロック図である。
図2図2は、本発明の実施形態に係る食材発注支援システムで使用される食材情報の一例を示す図である。
図3図3は、本発明の実施形態に係る食材発注支援システムで使用される部位情報の一例を示す図である。
図4図4は、本発明の実施形態に係る食材発注支援システムで使用される在庫情報の一例を示す図である。
図5図5は、本発明の実施形態に係る施設端末に表示される発注ページの一例を示す図である。
図6図6は、本発明の実施形態に係る食材発注支援システムで実行される食材発注支援処理の手順の一例を示すフローチャートである。
図7図7は、本発明の実施形態に係る食材発注支援システムで実行される食材発注支援処理の手順の他の例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下添付図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明し、本発明の理解に供する。なお、以下の実施形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0012】
[食材発注支援システム1]
図1に示されるように、本発明の実施形態に係る食材発注支援システム1は、食材発注支援装置2と利用者端末3と施設端末4とを含む。食材発注支援装置2、利用者端末3、及び施設端末4は、インターネット、LAN、WAN、又は公衆電話回線などの通信網N1を介して通信可能である。
【0013】
食材発注支援装置2は、飲食物を提供する飲食施設の予約を受け付けたり、飲食施設の食材を管理したり、飲食施設において提供する料理に使用される食材の発注を行ったりするサーバーである。例えば、食材発注支援装置2は、利用者端末3から飲食施設の予約を受け付けたり、施設端末4から食材の発注指示を受け付けたりすることが可能である。なお、前記飲食施設は、飲食店に限定されず、飲食物を利用者に提供することが可能な各種の施設(娯楽施設、宿泊施設など)であってもよい。また、前記飲食施設は、食材を調理して調理済みの料理を一又は複数の店舗に提供(配送)する調理施設(調理センター)であってもよいし、食材を小売りする小売店又は卸売店などであってもよい。
【0014】
利用者端末3は、前記飲食施設の検索及び予約を要求する利用者によって操作される情報処理装置である。施設端末4は、前記飲食施設に対応して配置され、前記飲食施設の予約、料理のメニュー、食材などを管理する情報処理装置である。食材発注支援システム1には、一又は複数の利用者端末3と、施設ごとに配置される複数の施設端末4とが含まれる。
【0015】
本実施形態では、食材発注支援装置2単体が本発明に係る食材発注支援システムに相当するが、本発明に係る食材発注支援システムは、食材発注支援装置2、利用者端末3、及び施設端末4のうち一又は複数の構成要素を含むものであってもよい。例えば、食材発注支援装置2、利用者端末3、及び施設端末4の構成要素が協働して後述する食材発注支援処理(図6及び図7参照)を分担して実行する場合には、その処理を実行する複数の構成要素を含むシステムを本発明に係る食材発注支援システムとして捉えることが可能である。例えば、食材発注支援装置2及び施設端末4が本発明に係る食材発注支援システムを構成してもよい。また、施設端末4単体が本発明に係る食材発注支援システムを構成してもよい。
【0016】
[食材発注支援装置2]
図1に示されるように、食材発注支援装置2は、制御部21、記憶部22、操作表示部23、及び通信I/F24などを備えるサーバーである。なお、食材発注支援装置2は、1台のコンピュータに限らず、複数台のコンピュータが協働して動作するコンピュータシステムであってもよい。また、食材発注支援装置2で実行される各種の処理を、一又は複数のプロセッサーが分散して実行してもよい。
【0017】
通信I/F24は、食材発注支援装置2を有線又は無線で通信網N1に接続し、通信網N1を介して利用者端末3、施設端末4などの外部機器との間で所定の通信プロトコルに従ったデータ通信を実行するための通信インターフェースである。
【0018】
操作表示部23は、各種の情報を表示する液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイのような表示部と、操作を受け付けるマウス、キーボード、又はタッチパネルのような操作部とを備えるユーザーインターフェースである。
【0019】
記憶部22は、各種の情報を記憶するHDD(Hard Disk Drive)又はSSD(Solid State Drive)などの不揮発性の記憶部である。具体的に、記憶部22には、食材情報D1、部位情報D2、在庫情報D3などのデータが記憶される。
【0020】
食材情報D1には、飲食施設で使用する食材ごとの部位の情報が含まれる。図2には、特定の飲食施設である飲食施設T1の食材情報D1の一例を示している。図2に示すように、食材情報D1には、「食材」及び「部位」の情報が含まれる。前記食材には、肉類、魚類、野菜類、フルーツ類など種々の材料が含まれる。前記部位は、前記食材に含まれる一又は複数の部分であり、飲食施設T1で提供される料理に利用される。例えば牛肉には、ネック、肩ロース、肩、リブロース、サーロイン、ヒレ、バラ、モモなどが含まれる。また豚肉には、肩ロース、肩、ロース、ヒレ、バラ、モモなどが含まれる。図2の食材F1は例えば牛肉であり、部位A1,B1,C1,D1はそれぞれネック、肩ロース、肩、リブロースである。制御部21は、食材に関する情報を管理及び提供するサーバーから食材情報D1を取得してもよいし、食材を提供する食材業者から食材情報D1を取得してもよい。
【0021】
部位情報D2には、食材の発注単位ごとの部位別重量の情報が含まれる。図3には、部位情報D2の一例を示している。図3に示すように、部位情報D2には、「発注単位」及び「部位別重量」の情報が含まれる。図3には、牛肉(食材F1)に対応する部位情報D2を例示している。前記発注単位は、食材を発注する際の最小単位である。図3に示す例では、牛を一頭ごとに発注(一頭買い)する場合の発注単位である「一頭」、牛を枝肉ごとに発注(枝肉買い)する場合の発注単位である「枝肉」などが含まれる。発注単位「一頭」には、例えば部位A1、部位B1、部位C1、及び部位D1が含まれ、発注単位「枝肉」には、例えば部位A1及び部位D1が含まれる。前記部位別重量は、各部位の重量を示す。制御部21は、食材に関する情報を管理及び提供するサーバーから部位情報D2を取得してもよいし、食材を提供する食材業者から部位情報D2を取得してもよい。
【0022】
在庫情報D3には、部位ごとの在庫情報が含まれる。図4には、飲食施設T1に対応する在庫情報D3の一例を示している。図4に示すように、在庫情報D3には、「部位」、「現在庫量」、「未来在庫量」、「保管許容量」、「賞味期限」などの情報が含まれる。前記現在庫量は、飲食施設T1に現在在庫している部位の量を示す情報である。前記未来在庫量は、飲食施設T1で利用者に提供する料理の予測提供数量に基づく部位の在庫量を示す情報である。例えば、制御部21は、利用者の予約情報から料理の予測提供数量を算出し、予測提供数量に基づいて部位の使用予定量を算出する。そして、制御部21は、現在庫量から前記使用予定量を減算した残りの量を前記未来在庫量として在庫情報D3に登録する。前記保管許容量は、飲食施設T1に保管可能な食材(部位)の量を示す情報である。前記保管許容量は、飲食施設T1に設置される保管庫の空き容量であってもよい。前記賞味期限は、部位ごとに定められた賞味期限である。なお、前記賞味期限に代えて消費期限が在庫情報D3に含まれてもよい。
【0023】
なお、他の実施形態として、食材情報D1、部位情報D2、及び在庫情報D3の一部又は全部が、食材発注支援装置2から通信網N1を介してアクセス可能な他のサーバーに記憶されてもよい。この場合、食材発注支援装置2の制御部21は、前記他のサーバーから前記情報を取得して、後述の食材発注支援処理(図6及び図7参照)などの各処理を実行してもよい。また、記憶部22には、飲食施設T1を利用する利用者の予約情報、飲食施設T1が利用者に提供可能な料理のメニュー情報、飲食施設T1が食材を発注する食材業者の情報などが含まれてもよい。
【0024】
また、記憶部22には、施設端末4に表示される食材発注サイトに含まれる発注ページP1(図5参照)などの各種のウェブページを生成するためのレイアウトデータ及び画像データなども記憶される。また、記憶部22には、利用者端末3に表示される予約サイトに含まれる検索ページ、予約ページなどの各種のウェブページを生成するためのレイアウトデータ及び画像データなどが記憶されてもよい。なお、本実施形態において、食材発注支援装置2の制御部21は、前記各種のウェブページを生成してそのウェブページの情報を利用者端末3及び施設端末4に送信することにより、利用者端末3及び施設端末4に前記各種のウェブページを表示させることが可能である。また、他の実施形態として、食材発注支援装置2の制御部21は、利用者端末3及び施設端末4に前記各種のウェブページを表示するために必要なデータを送信することにより、利用者端末3の制御部31及び施設端末4の制御部41に前記各種のウェブページの表示を実行させてもよい。
【0025】
さらに、記憶部22には、制御部21に後述の食材発注支援処理(図6及び図7参照)を実行させるための食材発注支援プログラムなどの制御プログラムが記憶されている。例えば、前記食材発注支援プログラムは、CD又はDVDなどのコンピュータ読取可能な記録媒体に非一時的に記録されており、食材発注支援装置2が備えるCDドライブ又はDVDドライブなどの読取装置(不図示)で読み取られて記憶部22に記憶される。
【0026】
制御部21は、CPU、ROM、及びRAMなどの制御機器を有する。前記CPUは、各種の演算処理を実行するプロセッサーである。前記ROMは、前記CPUに各種の演算処理を実行させるためのBIOS及びOSなどの制御プログラムが予め記憶される不揮発性の記憶部である。前記RAMは、各種の情報を記憶する揮発性又は不揮発性の記憶部であり、前記CPUが実行する各種の処理の一時記憶メモリー(作業領域)として使用される。そして、制御部21は、前記ROM又は記憶部22に予め記憶された各種の制御プログラムを前記CPUで実行することにより食材発注支援装置2を制御する。
【0027】
ところで、食材の中には、肉、魚など複数の部位を有し、部位ごとに料理に使用可能な食材がある。前記食材を発注する場合、食材の全体を発注(例えば牛を一頭買い)する方法と、部位ごとに発注(例えば部位買い)する方法とが考えられる。このような発注方法は、スタッフの判断により決定されるため、スタッフの業務負担となり効率化することが困難である。このように、従来の技術では、複数の部位を有する食材の発注を効率的に行うことが困難である。これに対して、本実施形態に係る食材発注支援装置2では、複数の部位を有する食材の発注を効率よく行うことが可能である。
【0028】
具体的には、制御部21は、図1に示されるように、取得処理部211、算出処理部212、決定処理部213、出力処理部214、発注処理部215などの各種の処理部を含む。なお、制御部21は、前記CPUで前記食材発注支援プログラムに従った各種の処理を実行することによって前記各種の処理部として機能する。また、一部又は全部の前記処理部が電子回路で構成されていてもよい。なお、前記食材発注支援プログラムは、複数のプロセッサーを前記処理部として機能させるためのプログラムであってもよい。以下では、飲食施設T1を例に挙げて説明する。
【0029】
取得処理部211は、食材の在庫に関する在庫情報を取得する。具体的には、取得処理部211は、飲食施設T1の在庫情報D3(図4参照)を取得する。例えば、取得処理部211は、飲食施設T1の食材の現在の在庫量である現在庫量を取得する。また、取得処理部211は、部位ごとに現在庫量を取得する。例えば、取得処理部211は、食材の発注量及び入荷量と当該食材の使用量(消費量)とに基づいて現在庫量を算出してもよいし、飲食施設T1のスタッフが在庫量を確認して入力した情報を現在庫量として取得してもよい。
【0030】
他の実施形態として、取得処理部211は、食材の未来の在庫量である未来在庫量を取得してもよい。例えば、取得処理部211は、飲食施設T1において、利用者の予約情報から料理の予測提供数量を算出し、予測提供数量に基づいて当該料理に使用する部位の使用予定量を算出する。そして、取得処理部211は、現在庫量から前記使用予定量を減算した残りの量を前記未来在庫量として算出する。なお、取得処理部211は、飲食施設T1のスタッフが在庫量及び予約情報を確認して入力した情報を未来在庫量として取得してもよい。
【0031】
算出処理部212は、食材の必要発注量を算出する。具体的には、算出処理部212は、前記在庫情報に基づいて食材の必要発注量を算出する。例えば、算出処理部212は、部位の現在庫量が閾値未満の場合に、閾値と現在庫量との差を部位の必要発注量として算出する。また例えば、算出処理部212は、部位の未来在庫量が閾値未満の場合に、閾値と未来在庫量との差を部位の必要発注量として算出する。前記閾値は、飲食施設T1において予め設定された量であってもよいし、前記保管許容量(空き容量)に基づく量であってもよい。
【0032】
他の実施形態として、算出処理部212は、賞味期限が経過する在庫量(現在庫量又は未来在庫量)を除外して前記必要発注量を算出してもよい。
【0033】
決定処理部213は、食材の発注方法を決定する。具体的には、決定処理部213は、取得処理部211により取得される在庫情報に基づいて、食材の発注方法を、少なくとも2つの部位を含む第1単位ごとに発注する第1発注方法と、第1単位に含まれる部位の数よりも少なく、且つ少なくとも1つの部位を含む第2単位ごとに発注する第2発注方法とのいずれかに決定する。また、決定処理部213は、在庫量(現在庫量又は未来在庫量)が所定量以上の場合に前記第2発注方法に決定し、在庫量が前記所定量未満の場合に前記第1発注方法に決定する。
【0034】
例えば、前記食材が牛肉の場合、前記第1発注方法は、少なくとも2つの部位を含む牛一頭単位(第1単位)ごとに発注する発注方法(「一頭買い」)であり、前記第2発注方法は、牛一頭に含まれる部位(第2単位)ごとに発注する発注方法(「部位買い」)である。
【0035】
他の例として、前記食材が牛肉の場合、前記第1発注方法は、少なくとも2つの部位を含む牛一頭単位(第1単位)ごとに発注する発注方法(「一頭買い」)であり、前記第2発注方法は、牛一頭に含まれる枝肉(第2単位)ごとに発注する発注方法(「枝肉買い」)である。
【0036】
他の例として、前記食材が牛肉の場合、前記第1発注方法は、少なくとも2つの部位を含む枝肉単位(第1単位)ごとに発注する発注方法(「枝肉買い」)であり、前記第2発注方法は、枝肉に含まれる部位(第2単位)ごとに発注する発注方法(「部位買い」)である。
【0037】
例えば、決定処理部213は、前記現在庫量が第1所定量以上の場合に前記第2発注方法(例えば、部位買い)に決定し、前記現在庫量が前記第1所定量未満の場合に前記第1発注方法(例えば、一頭買い)に決定する。また例えば、決定処理部213は、前記現在庫量が第2所定量以上の場合に前記第2発注方法(例えば、枝肉買い)に決定し、前記現在庫量が前記第2所定量未満の場合に前記第1発注方法(例えば、一頭買い)に決定する。また例えば、決定処理部213は、前記現在庫量が第3所定量以上の場合に前記第2発注方法(例えば、部位買い)に決定し、前記現在庫量が前記第3所定量未満の場合に前記第1発注方法(例えば、枝肉買い)に決定する。前記第1所定量、前記第2所定量、及び前記第3所定量のそれぞれは、同一の値に設定されてもよいし、異なる値に設定されてもよい。
【0038】
また、決定処理部213は、「一頭買い」、「枝肉買い」、及び「部位買い」のうちいずれかの発注方法に決定してもよい。例えば、決定処理部213は、前記現在庫量が第1所定量未満の場合に第1発注方法(例えば、一頭買い)に決定し、前記現在庫量が前記第1所定量以上且つ前記第2所定量未満の場合に第2発注方法(例えば、枝肉買い)に決定し、前記現在庫量が前記第2所定量以上の場合に第3発注方法(例えば、部位買い)に決定してもよい。但し、この場合、前記第1所定量<前記第2所定量の関係を満たす。
【0039】
他の実施形態として、決定処理部213は、前記未来在庫量が第1所定量以上の場合に前記第2発注方法(例えば、部位買い)に決定し、前記未来在庫量が前記第1所定量未満の場合に前記第1発注方法(例えば、一頭買い)に決定する。また例えば、決定処理部213は、前記未来在庫量が第2所定量以上の場合に前記第2発注方法(例えば、枝肉買い)に決定し、前記未来在庫量が前記第2所定量未満の場合に前記第1発注方法(例えば、一頭買い)に決定する。また例えば、決定処理部213は、前記未来在庫量が第3所定量以上の場合に前記第2発注方法(例えば、部位買い)に決定し、前記未来在庫量が前記第3所定量未満の場合に前記第1発注方法(例えば、枝肉買い)に決定する。前記第1所定量、前記第2所定量、及び前記第3所定量のそれぞれは、同一の値に設定されてもよいし、異なる値に設定されてもよい。
【0040】
また、決定処理部213は、「一頭買い」、「枝肉買い」、及び「部位買い」のうちいずれかの発注方法に決定してもよい。例えば、決定処理部213は、前記未来在庫量が第1所定量未満の場合に第1発注方法(例えば、一頭買い)に決定し、前記未来在庫量が前記第1所定量以上且つ前記第2所定量未満の場合に第2発注方法(例えば、枝肉買い)に決定し、前記未来在庫量が前記第2所定量以上の場合に第3発注方法(例えば、部位買い)に決定してもよい。但し、この場合、前記第1所定量<前記第2所定量の関係を満たす。
【0041】
なお、前記在庫量は、部位ごとの在庫量であってもよいし、複数の部位のそれぞれの在庫量を合計した合計在庫量(例えば、牛肉の在庫量)であってもよい。また、前記所定量は、部位ごとに対応する所定量であってもよいし、合計在庫量に対応する所定量であってもよい。
【0042】
他の実施形態として、決定処理部213は、発注対象の複数の部位を含む第1単位(例えば牛一頭又は枝肉)の必要発注量の仕入価格と、発注対象の複数の部位を含む第2単位(例えば枝肉又は部位)の必要発注量の仕入価格との比較結果に基づいて、食材の発注方法を決定してもよい。例えば、発注対象の部位が部位A1及び部位D1の場合に、決定処理部213は、部位A1及び部位D1を含む牛一頭の仕入価格と、部位A1及び部位D1を含む枝肉の仕入価格とを比較し、仕入価格が安い発注方法(例えば、枝肉買い)を決定する。また、例えば、発注対象の部位が部位A1、部位B1、及び部位D1の場合に、決定処理部213は、部位A1、部位B1、及び部位D1を含む牛一頭の仕入価格と、部位A1及び部位D1を含む枝肉の仕入価格及び部位B1のみの仕入価格の合計価格とを比較し、仕入価格が安い発注方法(例えば、一頭買い)を決定する。前記第1単位及び前記第2単位は、牛一頭、枝肉、及び部位のうちいずれか一つの単位であってもよいし、これらのうち少なくともいずれか2つを組み合わせた単位であってもよい。
【0043】
また他の実施形態として、決定処理部213は、保管許容量(図4参照)に基づいて食材の発注方法を決定してもよい。例えば、決定処理部213は、保管許容量が所定許容量以上の場合に「一頭買い」に決定し、保管許容量が所定許容量未満の場合に「枝肉買い」又は「部位買い」に決定する。なお、前記保管許容量は、部位ごとの保管許容量を合計した量であってもよい。
【0044】
また他の実施形態として、決定処理部213は、さらに納期を考慮して食材の発注方法を決定してもよい。
【0045】
出力処理部214は、決定処理部213により決定される前記発注方法を出力(提示)する。例えば、出力処理部214は、決定処理部213により決定される前記発注方法(推奨発注方法)を、発注ページP1(図5参照)に表示させる。このようにして、出力処理部214は、前記発注方法を飲食施設T1のスタッフに提示する。
【0046】
発注処理部215は、所定の発注方法により食材を発注する。具体的には、発注処理部215は、出力処理部214により出力(提示)される前記発注方法に対してスタッフが発注指示(発注操作)した場合に、算出処理部212により算出された必要発注量の食材を当該発注方法により発注する。例えば、発注処理部215は、食材F1(牛肉)について、スタッフの発注指示に基づいて、「一頭買い」、「枝肉買い」、「部位買い」のいずれかの発注方法により、算出処理部212により算出される必要発注量の食材を食材業者に発注する。また、発注処理部215は、出力処理部214により出力(提示)される前記発注方法に対してスタッフが変更指示(変更操作)した場合には、変更後の発注方法により食材を発注する。なお、発注処理部215は、スタッフの選択操作に基づいて食材業者を決定してもよい。
【0047】
例えば、制御部21は、発注ページP1を飲食施設T1の施設端末4に表示させる。図5は発注ページP1の一例を示す図である。出力処理部214は、発注ページP1に、算出処理部212により算出された必要発注量と、決定処理部213により決定された発注方法(推奨発注方法)とを表示させる。飲食施設T1のスタッフは、発注ページP1において、必要発注量及び発注方法を確認して発注指示(発注操作)を行う。スタッフが発注ページP1において「発注する」のボタンを押下すると、発注処理部215は、必要発注量に表示された量を発注量として決定し、推奨発注方法に表示された方法を発注方法として決定して、前記発注処理を実行する。
【0048】
また、スタッフは、発注ページP1において前記必要発注量及び前記発注方法のそれぞれを変更することが可能である。ここで、スタッフが前記必要発注量を変更した場合に、決定処理部213は、変更後の前記必要発注量に応じて前記発注方法を変更してもよい。例えば、前記発注方法として「一頭買い」が決定された後にスタッフが前記必要発注量を減らした場合に、決定処理部213は、前記発注方法を「枝肉買い」又は「部位買い」に変更してもよい。発注処理部215は、変更された前記発注方法により前記発注処理を実行する。
【0049】
他の実施形態として、発注処理部215は、決定処理部213により決定される発注方法に基づいて食材を自動発注してもよい。具体的には、発注処理部215は、算出処理部212が必要発注量を算出し、決定処理部213が発注方法を決定すると、スタッフの指示に依らず、前記必要発注量の食材を前記発注方法により自動発注する。なお、発注処理部215は、前記発注方法と実際に発注する発注量とに基づいて食材業者を決定してもよい。
【0050】
発注処理部215は、前記発注処理を行うと発注完了通知を施設端末4に送信する。
【0051】
制御部21は、上述の処理に加えて、利用者から飲食施設T1の予約を受け付ける予約処理を実行する。また、制御部21は、飲食施設T1が所定日(来店日)に提供する料理に対する利用者の予約を受け付ける。例えば、利用者は、利用者端末3に表示される予約ページにおいて、飲食施設T1の来店日時、利用人数、料理メニューなどを入力して予約要求を行う。制御部21は、利用者端末3から予約要求を取得すると、飲食施設T1の予約状況を参照して予約枠がある場合に予約を受け付けて確定させる。制御部21は、予約を受け付けると予約に関する情報を飲食施設T1の施設端末4に送信する。また、制御部21は、予約が確定すると予約完了通知を予約要求元の利用者端末3に送信する。
【0052】
制御部21は、前記予約に関する情報に基づいて料理の予測提供数量を算出し、予測提供数量に基づいて当該料理の食材に含まれる各部位の未来在庫量を予測する。制御部21は、予測した未来在庫量を在庫情報D3(図4参照)に登録する。制御部21は、予約情報、料理の提供数、スタッフの入力操作などに基づいて、在庫情報D3の前記現在庫量及び前記未来在庫量を更新する。
【0053】
[利用者端末3]
図1に示されるように、利用者端末3は、制御部31、記憶部32、操作表示部33、及び通信I/F34などを備える。利用者端末3は、例えば携帯電話、スマートフォン、タブレット端末、又はパーソナルコンピューターのような情報処理装置である。
【0054】
通信I/F34は、利用者端末3を有線又は無線で通信網N1に接続し、通信網N1を介して食材発注支援装置2、施設端末4などの外部機器との間で所定の通信プロトコルに従ったデータ通信を実行するための通信インターフェースである。
【0055】
操作表示部33は、各種のウェブページなどの情報を表示する液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイのような表示部と、操作を受け付けるマウス、キーボード、又はタッチパネルのような操作部とを備えるユーザーインターフェースである。
【0056】
記憶部32は、各種の情報を記憶するHDD、SSD又はフラッシュメモリーなどの不揮発性の記憶部である。例えば、記憶部32には、ブラウザプログラム等の制御プログラムが記憶される。具体的に、前記ブラウザプログラムは、HTTP(Hypertext Transfer Protocol)などの通信プロトコルに従って食材発注支援装置2などの外部装置との間で通信処理を制御部31に実行させるための制御プログラムである。また、前記ブラウザプログラムは、食材発注支援装置2との間で予め定められた通信プロトコルに従って通信処理を実行するための専用アプリケーションであることも考えられる。
【0057】
制御部31は、CPU、ROM、及びRAMなどの制御機器を有する。前記CPUは、各種の演算処理を実行するプロセッサーである。前記ROMは、前記CPUに各種の処理を実行させるためのBIOS及びOSなどの制御プログラムが予め記憶された不揮発性の記憶部である。前記RAMは、各種の情報を記憶する揮発性又は不揮発性の記憶部であり、前記CPUが実行する各種の処理の一時記憶メモリー(作業領域)として使用される。そして、制御部31は、前記ROM又は記憶部32に予め記憶された各種の制御プログラムを前記CPUで実行することにより利用者端末3を制御する。
【0058】
具体的に、制御部31は、記憶部32に記憶されている前記ブラウザプログラムに従って各種の処理を実行することによりブラウザ処理部311として機能する。ブラウザ処理部311は、食材発注支援装置2から通信網N1を介して提供されるウェブページを操作表示部33に表示させ、操作表示部33に対する操作を食材発注支援装置2に入力するブラウザ処理を実行することが可能である。すなわち、利用者端末3は、制御部31によって前記ブラウザプログラムが実行されることにより、食材発注支援装置2の操作用端末として機能することが可能である。なお、制御部31に含まれる一部又は全部の処理部は電子回路で構成されていてもよい。
【0059】
例えば、利用者端末3では、食材発注支援システム1で提供される予約サービスの前記予約サイトに対応する所定のURLへのアクセス要求を行うためのユーザー操作が行われた場合に、制御部31が、食材発注支援装置2から前記予約サイトのウェブページのデータを取得して、操作表示部33に前記予約サイトのウェブページを表示させる。なお、例えば前記所定のURLへのアクセス要求は、予め登録されたウェブサイトの一覧からの選択操作、情報検索サイトにおける検索結果からの選択操作、又はテキスト入力操作などによって行われる。また、利用者端末3に食材発注支援装置2に対応する専用アプリケーションがインストールされている場合には、利用者端末3の利用者が当該専用アプリケーションを起動する操作を行うことにより操作表示部33に前記予約サイトのウェブページが表示される。
【0060】
利用者は、利用者端末3を操作することにより、前記予約サイトの予約ページ(不図示)において飲食施設、来店日時、利用人数、料理メニューなどを入力して予約の申し込み(予約要求)を行うことができる。予約情報は、在庫情報D3(図4参照)に利用される。例えば、食材発注支援装置2の制御部21は、利用者端末3を介して予約された予約情報に基づいて、料理の提供予定数を算出し、在庫情報D3を更新する。
【0061】
[施設端末4]
図1に示されるように、施設端末4は、制御部41、記憶部42、操作表示部43、及び通信I/F44などを備える。施設端末4は、例えば、タブレット端末又はパーソナルコンピューターのような情報処理装置である。なお、施設端末4は、食材発注支援装置2と同一の機能をさらに備えてもよいし、食材発注支援装置2と一体の情報処理装置であってもよい。
【0062】
通信I/F44は、施設端末4を有線又は無線で通信網N1に接続し、通信網N1を介して食材発注支援装置2、利用者端末3などの外部機器との間で所定の通信プロトコルに従ったデータ通信を実行するための通信インターフェースである。
【0063】
操作表示部43は、各種のウェブページなどの情報を表示する液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイのような表示部と、操作を受け付けるマウス、キーボード、又はタッチパネルのような操作部とを備えるユーザーインターフェースである。
【0064】
記憶部42は、各種の情報を記憶するHDD、SSD又はフラッシュメモリーなどの不揮発性の記憶部である。例えば、記憶部42には、ブラウザプログラム等の制御プログラムが記憶される。具体的に、前記ブラウザプログラムは、HTTPなどの通信プロトコルに従って食材発注支援装置2などの外部装置との間で通信処理を制御部41に実行させるための制御プログラムである。また、前記ブラウザプログラムは、食材発注支援装置2との間で予め定められた通信プロトコルに従って通信処理を実行するための専用アプリケーションであることも考えられる。
【0065】
また、記憶部42には、飲食施設に対応する予約を管理する予約管理情報(不図示)が記憶される。前記予約管理情報には、来店日、予約者名、予約人数、テーブル、料理などの情報が含まれる。
【0066】
また、記憶部42には、食材情報D1(図2参照)、部位情報D2(図3参照)、在庫情報D3(図4参照)などの情報が記憶されてもよい。
【0067】
制御部41は、CPU、ROM、及びRAMなどの制御機器を有する。前記CPUは、各種の演算処理を実行するプロセッサーである。前記ROMは、前記CPUに各種の処理を実行させるためのBIOS及びOSなどの制御プログラムが予め記憶された不揮発性の記憶部である。前記RAMは、各種の情報を記憶する揮発性又は不揮発性の記憶部であり、前記CPUが実行する各種の処理の一時記憶メモリー(作業領域)として使用される。そして、制御部41は、前記ROM又は記憶部42に予め記憶された各種の制御プログラムを前記CPUで実行することにより施設端末4を制御する。
【0068】
具体的に、制御部41は、記憶部42に記憶されている前記ブラウザプログラムに従って各種の処理を実行することによりブラウザ処理部411として機能する。ブラウザ処理部411は、食材発注支援装置2から通信網N1を介して提供されるウェブページを操作表示部43に表示させ、操作表示部43に対する操作を食材発注支援装置2に入力するブラウザ処理を実行することが可能である。すなわち、施設端末4は、制御部41によって前記ブラウザプログラムが実行されることにより、食材発注支援装置2の操作用端末として機能することが可能である。なお、制御部41に含まれる一部又は全部の処理部は電子回路で構成されていてもよい。
【0069】
例えば、制御部41は、発注ページP1(図5参照)を操作表示部43に表示させる。また制御部41は、発注ページP1においてスタッフの操作を受け付ける。スタッフは、発注ページP1において、発注ボタンを押下して発注指示(発注操作)を行うことが可能である。またスタッフは、発注ページP1において、前記必要発注量及び前記発注方法のそれぞれを変更することが可能である。また、スタッフは、施設端末4を操作することにより、食材情報D1、部位情報D2、在庫情報D3などの情報を登録及び更新することができる。
【0070】
[食材発注支援処理]
以下、図6を参照しつつ、食材発注支援システム1において実行される食材発注支援処理について説明する。具体的に、本実施形態では、食材発注支援装置2の制御部21によって前記食材発注支援処理が実行される。ここでは、一例として、飲食施設T1に対応する食材発注支援処理を例に挙げて説明する。
【0071】
なお、本発明は、前記食材発注支援処理に含まれる一又は複数のステップを実行する食材発注支援方法の発明として捉えることができる。また、ここで説明する前記食材発注支援処理に含まれる一又は複数のステップは適宜省略されてもよい。なお、前記食材発注支援処理における各ステップは同様の作用効果を生じる範囲で実行順序が異なってもよい。さらに、ここでは制御部21が前記食材発注支援処理における各ステップを実行する場合を例に挙げて説明するが、一又は複数のプロセッサーが当該食材発注支援処理における各ステップを分散して実行する食材発注支援方法も他の実施形態として考えられる。
【0072】
先ず、ステップS11において、制御部21は、在庫情報を取得する。具体的には、制御部21は、飲食施設T1で使用する食材の在庫情報D3(図4参照)を取得する。制御部21は、食材の発注量及び入荷量と当該食材の使用量とに基づいて算出した現在庫量を取得してもよいし、飲食施設T1のスタッフが在庫量を確認して入力した現在庫量を取得してもよい。また、制御部21は、利用者の予約情報に基づいて算出した未来在庫量を取得してもよいし、飲食施設T1のスタッフが在庫量及び予約情報を確認して入力した未来在庫量を取得してもよい。
【0073】
次にステップS12において、制御部21は、食材の必要発注量を算出する。例えば、制御部21は、部位の現在庫量が閾値未満の場合に、閾値と現在庫量との差を部位の必要発注量として算出する。また例えば、制御部21は、部位の未来在庫量が閾値未満の場合に、閾値と未来在庫量との差を部位の必要発注量として算出する。前記閾値は、例えば、飲食施設T1が在庫量として最低限確保すべき量に設定される。また、前記閾値は、食材ごと及び部位ごとに異なる量に設定される。
【0074】
なお、制御部21は、スタッフの操作に応じて前記必要発注量を算出する処理を実行してもよい。例えば、スタッフは、食材の現在庫量が減少して前記閾値未満になったことを確認すると、施設端末4において前記必要発注量を算出する指示を入力する。制御部21は、施設端末4から指示を受け付けると、前記必要発注量を算出する処理を実行する。
【0075】
また、制御部21は、スタッフが入力した前記必要発注量を取得してもよい。例えば、スタッフが施設端末4において前記必要発注量を入力すると、制御部21は、施設端末4から前記必要発注量を取得する。
【0076】
制御部21は、算出した前記必要発注量を、施設端末4の発注ページP1(図5参照)に表示させる。
【0077】
次にステップS13において、制御部21は、在庫量(現在庫量又は未来在庫量)が所定量以上であるか否かを判定する。例えば、制御部21は、食材F1の現在庫量(部位ごとの在庫量を合計した合計在庫量)が所定量以上であるか否かを判定する。他の実施形態として、制御部21は、食材F1の部位の現在庫量が所定量以上であるか否かを判定してもよい。制御部21は、在庫量が所定量以上である場合(S13:Yes)、処理をステップS14に移行させる。一方、制御部21は、在庫量が所定量未満である場合(S13:No)、処理をステップS31に移行させる。
【0078】
制御部21は、ステップS14において発注方法を「部位買い」(第2発注方法)に決定し、ステップS31において発注方法を「一頭買い」(第1発注方法)に決定する。制御部21は、決定した発注方法を、施設端末4の発注ページP1(図5参照)に表示させる。他の実施形態として、制御部21は、ステップS14において発注方法を「枝肉買い」(第2発注方法)に決定し、ステップS31において発注方法を「一頭買い」(第1発注方法)に決定してもよい。また、制御部21は、ステップS14において発注方法を「部位買い」(第2発注方法)に決定し、ステップS31において発注方法を「枝肉買い」(第1発注方法)に決定してもよい。
【0079】
次にステップS15において、制御部21は、発注指示を取得したか否かを判定する。例えば、施設端末4の発注ページP1において、飲食施設T1のスタッフが「発注する」のボタンを押下すると、制御部21は前記発注指示を取得する。制御部21は、前記発注指示を取得すると(S15:Yes)、発注量及び発注方法を決定し、処理をステップS16に移行させる。一方、制御部21は、前記発注指示を取得しない場合(S15:No)、処理をステップS51に移行させる。
【0080】
ステップS51では、制御部21は、スタッフから前記必要発注量及び前記発注方法の少なくいずれかを変更する変更指示を取得したか否かを判定する。例えば、スタッフは、発注ページP1(図5参照)において、算出された発注対象の部位の前記必要発注量を変更する操作を行う。また例えば、スタッフは、発注ページP1において、決定(推奨)された前記発注方法を変更する操作を行う。スタッフが前記変更操作を行うと、制御部21は前記変更指示を取得する。制御部21は、変更指示を取得すると(S51:Yes)、処理をステップS52に移行させる。制御部21は、変更指示を取得しない場合(S51:No)、処理をステップS15に移行させる。
【0081】
ステップS52では、制御部21は、スタッフの前記変更操作に応じて、前記必要発注量及び前記発注方法の少なくいずれかを変更する変更処理を実行する。制御部21は、ステップS52の後、処理をステップS15に移行させる。制御部21は、前記発注指示を取得するまでステップS51,S52の処理を繰り返す(S15:No)。
【0082】
ステップS16において、制御部21は、前記必要発注量(決定した発注量)の食材を前記発注方法により発注する。例えば、制御部21は、食材F1(牛肉)について、「一頭買い」、「枝肉買い」、「部位買い」のいずれかの発注方法により、必要発注量の食材を食材業者に発注する。
【0083】
なお、図5に示す例では、制御部21は牛一頭を発注する。なお、制御部21は、発注ページP1に、発注量として牛の頭数を表示させてもよい。また、図5に示す例において、発注方法を「枝肉買い」に変更した場合、制御部21は、部位Aと部位Bと部位Cとを含む枝肉を、必要発注量以上となる数だけ発注する。また、図5に示す例において、発注方法を「部位買い」に変更した場合、制御部21は、「100g」以上の部位Aと、「300g」以上の部位Bと、「200g」以上の部位Cとを発注する。
【0084】
以上説明したように、本実施形態に係る食材発注支援装置2は、食材に含まれる複数の部位のそれぞれの在庫に関する在庫情報を取得し、前記在庫情報に基づいて、食材の発注方法を、少なくとも2つの部位を含む第1単位ごとに発注する第1発注方法と、第1単位に含まれる部位の数よりも少なく、且つ少なくとも1つの部位を含む第2単位ごとに発注する第2発注方法とのいずれかに決定し、決定した発注方法を出力する。この構成によれば、飲食施設T1において牛肉を発注する場合に、在庫状況に応じて、牛一頭ごとに発注したり、複数の部位を含む枝肉ごとに発注したり、部位ごと発注したりするなど、最適な発注方法により発注することができる。よって、複数の部位を有する食材の発注を効率よく行うことが可能となる。
【0085】
また、食材発注支援装置2は、前記在庫状況に応じて発注タイミング及び発注間隔を調整することができる。よって、食材の発注業務の効率化を図ることが可能となり、さらに発注処理に関する通信トラフィックの低減、及びコンピュータリソースの有効利用が可能となる。
【0086】
本発明の食材発注支援システムは、上述の実施形態に限定されない。本発明の他の実施形態について以下に説明する。
【0087】
例えば、制御部21(取得処理部211)は、食材の全体に対する消費可能な部位の割合を示す消費率を取得し、制御部21(決定処理部213)は、発注対象の食材の前記消費率が所定値以上の場合に第1発注方法に決定し、発注対象の食材の前記消費率が前記所定値未満の場合に第2発注方法に決定してもよい。例えば、牛一頭に含まれる、客に提供可能な部位(食肉)の割合(消費率)が所定値以上である場合に、制御部21は、「一頭買い」に決定する。また例えば、一つの枝肉に含まれる部位の割合(消費率)が所定値以上である場合に、制御部21は、「枝肉買い」に決定する。また例えば、一つの枝肉に含まれる部位の割合(消費率)が所定値未満である場合に、制御部21は、「部位買い」に決定する。制御部21は、発注対象の牛ごと又は枝肉ごとに消費率を取得して発注方法を決定してもよい。
【0088】
なお、前記消費率は、食材の全体に対する、消費可能な部位のうち飲食施設T1で必要な部位(提供可能な料理に使用する部位)の割合であってもよい。
【0089】
また、制御部21は、食材の前記消費率と食材(例えば、牛一頭又は枝肉)の全体重量とに基づいて発注量を算出してもよい。例えば、制御部21は、前記全体重量に前記消費率を乗じて消費重量を算出し、消費重量に基づいて食材の発注量(牛の頭数、枝肉の数など)を算出する。制御部21は、算出した前記発注量が前記必要発注量を上回るように食材を発注する。
【0090】
[食材発注支援処理の他の例]
また、本発明の他の実施形態として、制御部21は、食材に含まれる部位の比率に基づいて発注方法を決定してもよい。具体的には、制御部21(算出処理部212)は、部位ごとの必要な発注量を合計した必要発注量を算出し、第1単位(例えば、牛一頭又は枝肉)に含まれる前記必要発注量の割合を示す必要部位比率を算出する。そして、制御部21(決定処理部213)は、前記必要部位比率が所定比率以上の場合に第1発注方法に決定し、前記必要部位比率が所定比率未満の場合に第2発注方法に決定する。この構成に対応する食材発注支援処理の一例を、図7を参照しつつ以下に説明する。
【0091】
先ず、ステップS21において、制御部21は、在庫情報を取得する。具体的には、制御部21は、飲食施設T1で使用する食材の在庫情報D3(図4参照)を取得する。
【0092】
次にステップS22において、制御部21は、部位ごとの必要発注量を算出する。例えば、制御部21は、部位Aについて「100g」、部位Bについて「300g」、部位Cについて「200g」のそれぞれの必要発注量を算出する。
【0093】
次にステップS23において、制御部21は、発注単位ごとに必要部位比率を算出する。ここでは、前記発注単位は、「牛一頭」と「枝肉」である。具体的には、制御部21は、牛一頭のうち、ステップS22において算出した部位ごとの必要発注量の合計が占める割合を、「牛一頭」(例えば第1単位)に対応する必要部位比率として算出する。また、制御部21は、枝肉のうち、ステップS22において算出した部位ごとの必要発注量の合計が占める割合を、「枝肉」(例えば第2単位)に対応する必要部位比率として算出する。
【0094】
次にステップS24において、制御部21は、「牛一頭」に対応する前記必要部位比率が牛一頭の50%(第1比率)以上であるか否かを判定する。制御部21は、「牛一頭」に対応する前記必要部位比率が牛一頭の50%以上である場合(S24:Yes)、処理をステップS25に移行させる。一方、制御部21は、「牛一頭」に対応する前記必要部位比率が牛一頭の50%未満である場合(S24:No)、処理をステップS41に移行させる。なお、前記50%は、本発明の第1比率の一例であり、前記第1比率はこれに限定されない。前記第1比率は、食材の産地、品種(ランク)、大きさなどに応じて決定されてもよい。
【0095】
ステップS41では、制御部21は、「枝肉」に対応する前記必要部位比率が枝肉の70%(第2比率)以上であるか否かを判定する。制御部21は、「枝肉」に対応する前記必要部位比率が枝肉の70%以上である場合(S41:Yes)、処理をステップS42に移行させる。一方、制御部21は、「枝肉」に対応する前記必要部位比率が枝肉の70%未満である場合(S41:No)、処理をステップS43に移行させる。なお、前記70%は、本発明の第2比率の一例であり、前記第2比率はこれに限定されない。前記第2比率は、食材の産地、品種(ランク)、大きさなどに応じて決定されてもよい。
【0096】
制御部21は、ステップS25において発注方法を「一頭買い」に決定し、ステップS42において発注方法を「枝肉買い」に決定し、ステップS43において発注方法を「部位買い」に決定する。制御部21は、決定した発注方法(推奨発注方法)を、施設端末4の発注ページP1(図5参照)に表示させる。制御部21は、ステップS25,S42,S43の後、処理をステップS26に移行させる。
【0097】
ステップS26において、制御部21は、発注指示を取得したか否かを判定する。例えば、施設端末4の発注ページP1において、飲食施設T1のスタッフが「発注する」のボタンを押下すると、制御部21は前記発注指示を取得する。制御部21は、前記発注指示を取得すると(S26:Yes)、発注量及び発注方法を決定し、処理をステップS27に移行させる。一方、制御部21は、前記発注指示を取得しない場合(S26:No)、処理をステップS61に移行させる。
【0098】
ステップS61では、制御部21は、スタッフから前記必要発注量及び前記発注方法の少なくいずれかを変更する変更指示を取得したか否かを判定する。例えば、スタッフは、発注ページP1(図5参照)において、算出された発注対象の部位の前記必要発注量を変更する操作を行う。また例えば、スタッフは、発注ページP1において、決定(推奨)された前記発注方法を変更する操作を行う。スタッフが前記変更操作を行うと、制御部21は前記変更指示を取得する。制御部21は、変更指示を取得すると(S61:Yes)、処理をステップS62に移行させる。制御部21は、変更指示を取得しない場合(S61:No)、処理をステップS26に移行させる。
【0099】
ステップS62では、制御部21は、スタッフの前記変更操作に応じて、前記必要発注量及び前記発注方法の少なくいずれかを変更する変更処理を実行する。制御部21は、ステップS62の後、処理をステップS26に移行させる。制御部21は、前記発注指示を取得するまでステップS61,S62の処理を繰り返す(S26:No)。
【0100】
ステップS27において、制御部21は、前記必要発注量(決定した発注量)の食材を前記発注方法により発注する。例えば、制御部21は、食材F1(牛肉)について、「一頭買い」、「枝肉買い」、「部位買い」のいずれかの発注方法により、必要発注量の食材を食材業者に発注する。
【0101】
上述のように、制御部21は、例えば牛一頭に必要発注量が占める割合が大きい場合に「一頭買い」で発注し、牛一頭に必要発注量が占める割合が小さい場合に「枝肉買い」で発注する。また、制御部21は、例えば枝肉に必要発注量が占める割合が大きい場合に「枝肉買い」で発注し、枝肉に必要発注量が占める割合が小さい場合に「部位買い」で発注する。このように、制御部21は、第1単位(牛一頭)又は第2単位(枝肉)に占める必要発注量の割合に基づいて発注方法を決定してもよい。
【0102】
なお、例えば牛一頭に必要発注量が占める割合を算出する場合、制御部21は、牛一頭のうち消費可能な重量を算出し、当該重量のうち必要発注量が占める割合を算出してもよい。
【0103】
また、本発明の他の実施形態として、制御部21(決定処理部213)は、前記在庫情報及び前記発注方法に基づいて、発注対象の食材の産地、品種(ランク)、及び大きさの少なくともいずれかを決定してもよい。例えば牛肉の場合、牛の産地、品種、大きさに応じて、消費可能な部位の比率が異なる。このため、制御部21は、必要発注量に近い量を確保可能な牛の産地、品種、大きさなどを決定して提示してもよい。
【0104】
また、本発明の他の実施形態として、制御部21(算出処理部212)は、前記在庫情報及び前記発注方法に基づいて食材の発注量を算出してもよい。例えば、食材F1の部位A1,B1,C1,D1のそれぞれの現在庫量が所定量以上で、且つ、前記発注方法が「部位買い」に決定された場合に、制御部21は、部位ごとの発注量(重量)を算出する。例えば、制御部21は、未来在庫量、保管許容量、賞味期限などの情報(図4参照)に基づいて、部位ごとの発注量を算出してもよい。
【0105】
また、例えば、食材F1の部位A1,B1,C1,D1のそれぞれの現在庫量が所定量未満で、且つ、前記発注方法が「一頭買い」に決定された場合に、制御部21は、発注量(頭数又は重量)を算出してもよい。例えば、制御部21は、牛一頭に含まれる部位の量(部位別重量)(図3参照)に基づいて前記発注量を算出してもよい。また、制御部21は、前記部位別重量に加えて、未来在庫量、保管許容量、賞味期限などの情報(図4参照)に基づいて前記発注量を算出してもよい。
【0106】
また、例えば、食材F1の部位A1,B1,C1,D1のそれぞれの現在庫量が所定量未満で、且つ、前記発注方法が「枝肉買い」に決定された場合に、制御部21は、発注量(枝肉の数又は重量)を算出してもよい。例えば、制御部21は、枝肉に含まれる部位の量(部位別重量)(図3参照)に基づいて前記発注量を算出してもよい。
【符号の説明】
【0107】
1 :食材発注支援システム
2 :食材発注支援装置
3 :利用者端末
4 :施設端末
21 :制御部
211 :取得処理部
212 :算出処理部
213 :決定処理部
214 :出力処理部
215 :発注処理部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7