(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023011474
(43)【公開日】2023-01-24
(54)【発明の名称】熱交換装置の制御方法
(51)【国際特許分類】
F25B 1/00 20060101AFI20230117BHJP
F25B 27/00 20060101ALI20230117BHJP
F25B 30/06 20060101ALI20230117BHJP
【FI】
F25B1/00 399Y
F25B27/00 P
F25B30/06 T
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2021134427
(22)【出願日】2021-07-12
(71)【出願人】
【識別番号】501250555
【氏名又は名称】株式会社エコ・プランナー
(72)【発明者】
【氏名】安本 悟司
(72)【発明者】
【氏名】寺▲崎▼ 寛章
(57)【要約】 (修正有)
【課題】熱交換装置の制御方法において、熱源枯渇をすること無く、従来以上に効率的な熱交換装置の制御方法を提供する。
【解決手段】負荷側の負荷に合わせ、熱源とヒートポンプの負荷バランスを最適に制御することで、双方の効率を上げ、電力消費を最小にする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱媒液が内部を流れる流路が設けられており、該流路は、負荷側となる第2の熱交換部との間で熱交換を行う第1の熱交換部を有した熱媒液循環流路を具え、該熱媒液循環流路には一定量の第1の熱媒液が循環する如くなされており、前記熱媒液循環流路には、前記第1の熱交換部の入口端が存する側で、前記第1の熱交換部の出口端における前記第1の熱媒液の検出温度が所要設定温度を維持するように、前記第1の熱媒液の温度と温度差を有する第2の熱媒液を保有する熱源より、前記第1の熱交換部が必要とする熱量を付与し得る必要量の前記第2の熱媒液を供給すると共に、前記第1の熱交換部の前記出口端が存する側で、供給された前記第2の熱媒液と同量の前記第1の熱媒液を排出させることを特徴とする熱交換器装置において、
前記負荷側の負荷が設定負荷に対し著しく低減している場合に、前記熱源の余剰熱量を前記第1の熱交換部に供給するために、前記第1の熱交換部の出口端における前記第1の熱媒液の検出温度に関わらず、前記第2の熱媒液の供給量を増量制御する熱交換装置の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地中熱などの熱源を効率的に利用し得るヒートポンプに関連する熱交換装置の制御方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
熱源として地中熱を利用した熱交換装置の効果的な制御方法として、例えば特開2019-052845号が開示するものが提案されていた。この熱交換装置は、第2の熱交換部との間で熱交換を行う第1の熱交換部を有した熱媒液循環流路に第1の熱媒液を循環させると共に、該第1の熱媒液の温度と温度差を有する第2の熱媒液を保有する熱源より、前記第1の熱交換部が必要とする熱量を前記第1の熱交換部の出口端における前記第1の熱媒液の検出温度が所要設定温度を
維持するように付与し得る必要量の該第2の熱媒液を前記熱媒液循環流路に供給することによって前記第1の熱交換部と前記第2の熱交換部との間で熱交換を行わせるため、前記熱源における熱エネルギーを有効活用できる。(
図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、従来の制御方法では、次のような欠点があった。
前記第2の熱媒液を保有する前記熱源が、熱源の枯渇を防ぐため、前記熱交換装置の前記第1の熱媒液の温度制御により、ヒートポンプの運転効率(COP)を犠牲にする側面があった。その制御の状態で前記負荷側の負荷が設定負荷に対し著しく低減した場合に、前記熱源の所有熱量が、負荷側の最大を想定した熱源規模に適正化されていることから、過度に温存され、ヒートポンプに負荷をかけ、運転効率を落としていた。
【0004】
本発明は、かかる従来のヒートポンプに関連する熱交換装置の制御方法における、前記問題点に鑑みて開発されたものであり、熱源枯渇をすること無く、従来以上に効率的な熱交換装置の制御方法を課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題を解決するため、本発明は以下の如き手段を採用する。
即ち本発明の熱交換装置の制御方法は、熱媒液が内部を流れる流路が設けられており、該流路は、負荷側となる第2の熱交換部との間で熱交換を行う第1の熱交換部を有した熱媒液循環流路を具え、該熱媒液循環流路には一定量の第1の熱媒液が循環する如くなされており、前記熱媒液循環流路には、前記第1の熱交換部の入口端が存する側で、前記第1の熱交換部の出口端における前記第1の熱媒液の検出温度が所要設定温度を維持するように、前記第1の熱媒液の温度と温度差を有する第2の熱媒液を保有する熱源より、前記第1の熱交換部が必要とする熱量を付与し得る必要量の前記第2の熱媒液を供給すると共に、前記第1の熱交換部の前記出口端が存する側で、供給された前記第2の熱媒液と同量の前記第1の熱媒液を排出させることを特徴とするが、前記負荷側として複数台を連結するヒートポンプにおいて、前記負荷側の一部台数が停止或いは負荷が著しく低量である場合に、その後、前記負荷側が全台数稼働し得る範囲の熱量を残し、前記熱源の余剰熱量を、稼働中の前記ヒートポンプの前記第1の熱交換部に供給するために、前記第2の熱媒体の供給量を増量制御する。もって、前記ヒートポンプの負荷を低減させ運転効率を向上させる。
【発明の効果】
【0006】
本発明によるときは、負荷側を複数台持つヒートポンプの運転効率と熱源側の熱供給負荷を、それぞれに過度の負荷や余裕を与えないようバランスよく制御し、トータルで最大効率となるように熱交換装置を制御するものである。
以下、これを具体的に説明する。
【0007】
本発明の熱交換装置の制御では、前記熱媒液循環流路における前記第1の熱交換部の出口端における前記第1の熱媒液の検出温度が所要設定温度を維持するように、前記第1の熱媒液の温度と温度差を有する第2の熱媒液を保有する前記熱源より、前記第1の熱交換部が必要とする熱量を付与し得る必要量の前記第2の熱媒液を供給する。この場合、前記熱源が過負荷にならないような設定温度を定めている。
【0008】
しかし、負荷側を複数台持つヒートポンプの負荷側の一部を停止した場合には、前記熱源の熱容量に余裕が生まれる。そこで、運転中の負荷側に、その余裕分を振り向けることで、前記ヒートポンプの熱交換効率(COP)を向上させることができ、電力量が削減できる。
【発明を実施するための形態】
以下、本発明の実施の形態を、図面に基づいて説明する。
【実施例0009】
図1において本発明に係るヒートポンプと熱交換装置と熱源(地中熱交換器)を示す。
熱交換装置1は、熱源11から第2の熱媒液10を供給されている。熱交換装置1において、前記第1の熱交換部の出口端16における前記第1の熱媒液の検出温度が所要設定温度を維持するように、混合三方バルブ26により循環する第1の熱媒液に前記第2の熱媒液の混合量を制御している。この制御は、熱源11にて採熱及び貯蔵された前記第2の熱媒液の所有する熱量が負荷側(室内機)全台の運転に対し枯渇しないように制御されている。
【0010】
しかし、負荷側(室内機)の運転台数を人為的に制限して稼働する場合には、前記熱源の熱量が全台稼働を想定した熱源規模に適正化されていることから、過度に温存され、代わりに、ヒートポンプ29の熱交換効率は一定を保ち、全体の運転効率を落としていた。
【0011】
そこで、負荷側(室内機)(1号機~4号機)の運転台数負荷に応じて、熱源11にて採熱及び貯蔵された前記第2の熱媒液の所有する熱量が、ヒートポンプの運転中に枯渇しないように、ヒートポンプの運転負荷を低減させるようにバランスを考慮した制御を行う。