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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023114797
(43)【公開日】2023-08-18
(54)【発明の名称】電子デバイス
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/00 20060101AFI20230810BHJP
   H02J 50/90 20160101ALI20230810BHJP
   H02J 7/02 20160101ALI20230810BHJP
   H02J 50/20 20160101ALN20230810BHJP
   H02J 50/10 20160101ALN20230810BHJP
   H02J 50/12 20160101ALN20230810BHJP
   H02J 50/30 20160101ALN20230810BHJP
【FI】
H02J7/00 301D
H02J50/90
H02J7/02 U
H02J50/20
H02J50/10
H02J50/12
H02J50/30
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022017312
(22)【出願日】2022-02-07
(71)【出願人】
【識別番号】000241463
【氏名又は名称】豊田合成株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】杉原 淳志
(72)【発明者】
【氏名】婦木 慎一郎
(72)【発明者】
【氏名】徳山 雄生
(72)【発明者】
【氏名】大澤 亮
(72)【発明者】
【氏名】河村 知史
【テーマコード(参考)】
5G503
【Fターム(参考)】
5G503AA01
5G503BA01
5G503BB02
5G503BB03
5G503CA01
5G503CA10
5G503CA11
5G503DA04
5G503EA01
5G503EA05
5G503GB08
5G503GB09
5G503GD03
5G503GD06
(57)【要約】
【課題】供給電力が不足して、受電装置及び駆動部が停止する可能性が高まっている場合に、そのことをユーザに認識させる。
【解決手段】電子デバイス20は、電力伝送信号を用いた非接触給電により送電装置11から送電される電力を受電する受電装置21と、受電装置21で受電した電力を蓄電する受電蓄電部31と、受電蓄電部31に蓄電された電力により受電装置21とともに作動する駆動部32とを備える。電子デバイス20は、受電蓄電部31での電力の状態を音で通知する音発生部35と、受電蓄電部31から受電装置21及び駆動部32へ供給し得る電力である供給電力を測定する第1電力測定部25と、受電装置21及び駆動部32で消費される電力である消費電力を測定する第2電力測定部33とを備える。電子デバイス20の通知制御部27は、供給電力及び消費電力の大小関係に基づいて、音発生部35での音の発生態様を変更する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電力伝送信号を用いた非接触給電により送電装置から送電される電力を受電する受電装置と、
前記受電装置で受電した前記電力を蓄電する受電蓄電部と、
前記受電蓄電部に蓄電された前記電力により前記受電装置とともに作動する駆動部と
を備える電子デバイスであって、
前記受電蓄電部での前記電力の状態を通知する通知部と、
前記受電蓄電部から前記受電装置及び前記駆動部へ供給し得る電力である供給電力を測定する第1電力測定部と、
前記受電装置及び前記駆動部で消費される電力である消費電力を測定する第2電力測定部と、
前記第1電力測定部で測定された前記供給電力、及び前記第2電力測定部で測定された前記消費電力の大小関係に基づいて、前記通知部での通知態様を変更する通知制御部と
をさらに備えている電子デバイス。
【請求項2】
前記供給電力には、前記受電装置から前記受電蓄電部に供給される電力が含まれている請求項1に記載の電子デバイス。
【請求項3】
前記供給電力には、前記受電蓄電部に残っている電力がさらに含まれている請求項2に記載の電子デバイス。
【請求項4】
前記通知部は、警告音を発生する音発生部を備え、
前記通知制御部は、前記供給電力が前記消費電力よりも小さいことを条件に、前記音発生部に前記警告音を発生させる請求項1~3のいずれか1項に記載の電子デバイス。
【請求項5】
前記通知制御部は、前記音発生部による前記警告音の発生中に、前記供給電力が前記消費電力以上になると、前記音発生部に前記警告音の発生を停止させる請求項4に記載の電子デバイス。
【請求項6】
前記通知部は、第1表示態様及び第2表示態様で表示する表示部を備え、
前記通知制御部は、前記供給電力が前記消費電力よりも小さいと、前記表示部に前記第1表示態様で表示を行なわせ、前記供給電力が前記消費電力以上であると、前記表示部に前記第2表示態様で表示を行なわせる請求項1~5のいずれか1項に記載の電子デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力伝送信号を用いた非接触給電にて送電装置から送電される電力によって作動する電子デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
送電装置から受電装置に対して、電力伝送信号を用いた非接触給電を行なう非接触給電システムが知られている(例えば、特許文献1参照)。このシステムが適用された電子デバイスは、受電装置、受電蓄電部及び駆動部を備える。受電装置は、非接触給電により送電装置から送電される電力を受電する。受電蓄電部は、受電装置で受電した電力を蓄電する。駆動部は、受電蓄電部に蓄電された電力により受電装置とともに作動する。この電子デバイスによれば、送電装置から離れた箇所にいても、受電蓄電部に蓄電することが可能である。そのため、電子デバイスは、自由に移動されることが可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第6725531号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、送電装置から遠ざかるに従い、空間伝送損失により受電蓄電部へ供給される電力が低下する。そのため、受電装置への非接触給電を行うためには、電子デバイスのユーザは、その電子デバイスを、送電装置の送電可能領域内に位置させる必要がある。
【0005】
しかし、ユーザは、送電装置から送電される電力伝送信号(電波)を目視できず、同送電装置の送電可能領域を視認できない。そのため、電子デバイスは、送電可能領域を越えて移動されるおそれがある。その結果、受電蓄電部へ供給される電力が低下する。受電蓄電部から受電装置及び駆動部へ供給される供給電力が、極端な場合、零となり、不意に(知らぬ間に)受電装置及び駆動部が停止する可能性が高くなる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決する電子デバイスは、電力伝送信号を用いた非接触給電により送電装置から送電される電力を受電する受電装置と、前記受電装置で受電した前記電力を蓄電する受電蓄電部と、前記受電蓄電部に蓄電された前記電力により前記受電装置とともに作動する駆動部とを備える電子デバイスであって、前記受電蓄電部での前記電力の状態を通知する通知部と、前記受電蓄電部から前記受電装置及び前記駆動部へ供給し得る電力である供給電力を測定する第1電力測定部と、前記受電装置及び前記駆動部で消費される電力である消費電力を測定する第2電力測定部と、前記第1電力測定部で測定された前記供給電力、及び前記第2電力測定部で測定された前記消費電力の大小関係に基づいて、前記通知部での通知態様を変更する通知制御部とをさらに備えている。
【0007】
上記の構成によれば、受電蓄電部から受電装置及び駆動部へ供給し得る電力である供給電力が、第1電力測定部によって測定される。受電装置及び駆動部で消費される電力である消費電力が、第2電力測定部によって測定される。そして、測定された両電力の大小関係に基づき、通知部での通知態様が、通知制御部によって変更される。
【0008】
電子デバイスが送電可能領域を越えて移動されようとした場合、上記通知態様が変化し得る。ユーザは、通知態様の変化を認識することにより、電子デバイスが送電可能領域を越えて移動されようとしていることに気付くことが可能である。このように、ユーザは、通知部での通知態様を認識することで、送電装置の送電可能領域を間接的に把握することが可能となる。
【0009】
また、ユーザは、通知部での通知態様を認識することで、あるいは、送電可能領域の変化を認識することで、供給電力が不足して、受電装置及び駆動部が停止するおそれがあるのか、ないのかを把握することが可能となる。そして、供給電力が不足していることを認識したユーザは、電子デバイスの向きを調整したり、電子デバイスを送電装置に近付く側へ移動させたりすることで、給電性能を改善して供給電力の不足を解消することが可能となる。ユーザは、供給電力の不足に起因する、受電装置及び駆動部の不意な停止を回避することが可能となる。
【0010】
上記電子デバイスにおいて、前記供給電力には、前記受電装置から前記受電蓄電部に供給される電力が含まれていることが好ましい。
上記の構成によれば、受電装置から受電蓄電部に供給される電力が、受電蓄電部から受電装置及び駆動部への供給電力として、第1電力測定部によって測定される。
【0011】
上記電子デバイスにおいて、前記供給電力には、前記受電蓄電部に残っている電力がさらに含まれていることが好ましい。
上記の構成によれば、受電装置から受電蓄電部に供給される電力だけでなく、受電蓄電部に残っている電力も含まれた電力が、供給電力として第1電力測定部によって測定される。そのため、受電装置から受電蓄電部に供給される電力のみが供給電力として第1電力測定部によって測定される場合に比べ、供給電力をより高い精度で測定することが可能となる。
【0012】
上記電子デバイスにおいて、前記通知部は、警告音を発生する音発生部を備え、前記通知制御部は、前記供給電力が前記消費電力よりも小さいことを条件に、前記音発生部に前記警告音を発生させることが好ましい。
【0013】
上記の構成によれば、供給電力が消費電力よりも小さい場合、音発生部から警告音が発生される。この警告音により、供給電力が消費電力よりも小さいことが、ユーザに対し聴覚的に通知される。
【0014】
そのため、ユーザは、警告音を聞くことで、送電可能領域を間接的に把握することが可能となる。また、ユーザは、警告音を聞くことで、供給電力が不足していて、受電装置及び駆動部が停止する可能性が高まっていることに気付く。ユーザは、警告音が停止するように、電子デバイスの向きを調整したり、電子デバイスを送電装置に近づく側へ移動させたりすることで、受電装置及び駆動部の不意な停止を回避することが可能となる。
【0015】
特に、上記電子デバイスが、ポケット、バッグ等に入れて持ち運ばれることが多いデバイスの場合には、警告音による通知とすることで、ユーザは通知部に特別に意識を向けていなくても、供給電力の不足に気付くことが可能である。
【0016】
上記電子デバイスにおいて、前記通知制御部は、前記音発生部による前記警告音の発生中に、前記供給電力が前記消費電力以上になると、前記音発生部に前記警告音の発生を停止させることが好ましい。
【0017】
上記の構成によれば、音発生部で発生された警告音を聞いたユーザが、電子デバイスの向きを調整したり、電子デバイスを送電装置に近づく側へ移動させたりすると、給電性能が改善して供給電力が増加し、警告音が停止する場合がある。この停止により、ユーザに対し、供給電力の低下に起因する、受電装置及び駆動部の停止の可能性が低くなったことを通知可能である。また、発生していた警告音が止む、すなわち、警告音の発生態様が変化することから、ユーザに送電可能領域を認識させることが可能である。
【0018】
上記電子デバイスにおいて、前記通知部は、第1表示態様及び第2表示態様で表示する表示部を備え、前記通知制御部は、前記供給電力が前記消費電力よりも小さいと、前記表示部に前記第1表示態様で表示を行なわせ、前記供給電力が前記消費電力以上であると、前記表示部に前記第2表示態様で表示を行なわせることが好ましい。
【0019】
上記の構成によれば、供給電力が消費電力よりも小さい場合、表示部が第1表示態様で表示される。この第1表示態様での表示により、供給電力が消費電力よりも小さいことが、ユーザに対し視覚的に通知される。これに対し、供給電力が消費電力以上である場合、表示部が第2表示態様で表示される。この第2表示態様での表示により、供給電力が消費電力以上であることが、ユーザに対し視覚的に通知される。
【0020】
そのため、ユーザは、表示部を見て表示態様を確認することで、送電可能領域を間接的に把握することが可能となる。ユーザは、表示部を見ることで、電子デバイスが送電可能領域の内に位置しているのか外に位置しているのかを知ることが可能である。ユーザは、供給電力の不足が原因で、受電装置及び駆動部が停止する可能性が高まっているかどうかを知ることが可能である。
【0021】
ユーザは、表示部での表示態様が第1表示態様である場合には、第2表示態様に切り替わるように、電子デバイスの向きを調整したり、電子デバイスを送電装置に近づく側へ移動させたりする。こうすることで、給電性能を改善して供給電力を増加させ、受電装置及び駆動部の停止の可能性を低くすることが可能となる。
【発明の効果】
【0022】
上記電子デバイスによれば、供給電力が不足して、受電装置及び駆動部が停止する可能性が高まっている場合に、そのことをユーザに認識させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】電子デバイスの第1実施形態を示す図であり、非接触給電システムの概略構成図である。
図2】第1実施形態において、通知制御部によって実行される通知態様変更ルーチンを説明するフローチャートである。
図3】電子デバイスの第2実施形態を示す図であり、(a)は第1表示態様で表示が行なわれた表示部を示す説明図であり、(b)は第2表示態様で表示が行なわれた表示部を示す説明図である。
図4】第2実施形態において、通知制御部によって実行される通知態様変更ルーチンを説明するフローチャートである。
図5】(a)は第2実施形態における表示部による第1表示態様の変更例を示す説明図であり、(b)は第2表示態様の変更例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
(第1実施形態)
以下、電子デバイスの第1実施形態について、図1及び図2を参照して説明する。
図1に示すように、電子デバイス20は、ユーザが身に付ける、又は携帯することができ、かつ無線によって供給された電力によって作動するデバイスである。電子デバイス20としては、例えば、スマートフォン、ウェアラブル端末等が挙げられる。
【0025】
電子デバイス20は、受電装置21、受電蓄電部31、駆動部32及び通知部を備えている。受電装置21は、電力伝送信号を用いた非接触給電を行なう非接触給電システム10の一部を構成する。
【0026】
受電蓄電部31は、受電装置21及び駆動部32の電力源である。受電蓄電部31の満充電時の電力容量は、例えば、受電装置21及び駆動部32に対して、十分に電力を給電可能な電力容量に設定されている。受電蓄電部31としては、例えば、リチウムイオン蓄電池等の二次電池、又はキャパシタを用いることができる。受電蓄電部31は、後述する受電変換部24によって変換された電力の一部又は全部を蓄電する。
【0027】
受電蓄電部31は、図示しないBMS:Battery Management System を備えている。BMSは、受電蓄電部31の充電状態(SOC:State of Charge )に関する情報を把握可能である。充電状態には、受電蓄電部31に残っている電力量の容量(蓄電残量)が含まれている。受電蓄電部31には、受電装置21及び駆動部32で消費される電力である消費電力を測定する第2電力測定部33が設けられている。
【0028】
駆動部32は、電子デバイス20が有する機能を発揮する部分である。第2電力測定部33は、電流測定回路及び電圧測定回路を備えている。第2電力測定部33では、電流測定回路によって測定された電流と、電圧測定回路によって測定された電圧とが乗算されることによって、消費電力が求められる。
【0029】
通知部は、受電蓄電部31での電力の状態をユーザに通知するためのものであり、警告音を発生する音発生部35によって構成されている。第1実施形態では、音発生部35として、単一の音からなる警告音を発生するブザーが用いられている。音発生部35は、電子デバイス20において、外部に向けて警告音を発することのできる箇所に設けられている。
【0030】
[非接触給電システム10の全体構成]
非接触給電システム10は、上記受電装置21を1又は複数備えている。非接触給電システム10は、上記受電装置21に加え、送電装置11を備えている。非接触給電システム10で用いられる電力伝送信号は、無線信号として、送電装置11から受電装置21に向けて伝送される。電力伝送信号は、マイクロ波を含む。マイクロ波とは、1mm~1m(300MHz~300GHz)の波長を有する電磁波である。
【0031】
なお、非接触給電システム10に適用される無線による電力伝送方式(非接触電力伝送方式)は、マイクロ波方式に限られず、電磁誘導方式、磁界共鳴方式、電界共鳴方式、レーザ等を利用した方式であってもよい。
【0032】
ここで、受電装置21に対して電力伝送信号を適切に送信するため、送電装置11は、同送電装置11に対する受電装置21の向きや、受電装置21までの距離に基づいて、送信する電力伝送信号の位相を適切に設定することを求められる。これに伴い、受電装置21は、同受電装置21が給電を要求する対象である送電装置11に対して、位相変更情報を含むビーコン信号を、所定の時間間隔毎に送信する。送電装置11は、受電装置21から受信したビーコン信号に含まれる位相変更情報に基づいて、その受電装置21に対して給電する。
【0033】
[送電装置11の構成]
送電装置11は、送電アンテナ12、送電変換部13、送電通信部15及び送電制御部16を備えている。
【0034】
送電アンテナ12は、受電装置21との各種通信に用いられる。送電アンテナ12は、例えば、電力伝送信号に係る通信と、ビーコン信号に係る通信と、各種情報の送受信に係る情報通信とにおいて共用される。
【0035】
送電変換部13は、受電装置21への給電に際し、電力源14から供給される電力を電力伝送信号に変換し、これを送電アンテナ12によって送信する。
送電通信部15は、受電装置21との通信に係る各種制御を行う。送電通信部15は、例えば、送電アンテナ12を制御することで、受電装置21が送信するビーコン信号を受信したり、受電装置21と各種情報を送受信したりする。各種情報の送受信に係る情報通信は、例えば、Bluetooth(登録商標)、Wi-Fi、ZigBee(登録商標)等により実現される。
【0036】
送電制御部16は、送電装置11が備える各部を制御する。送電制御部16は、例えば、CPU(Central Processing Unit )等のハードウェアプロセッサがプログラム(ソフトウェア)を実行することにより実現される。また、これらの構成要素のうち一部又は全部は、LSI(Large Scale Integration)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、GPU(Graphics Processing Unit)等のハードウェア(回路部;circuitryを含む)によって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアとの協働によって実現されてもよい。プログラムは、送電装置11が備えるHDD(Hard Disk Drive )、フラッシュメモリ等の非一過性の記憶媒体を備える記憶装置(図示略)に予め格納されていてもよい。
【0037】
送電制御部16は、例えば、送電通信部15により受信されたビーコン信号に基づいて、送電アンテナ12の位相を調整する。また、送電制御部16は、送電アンテナ12を制御することで送電電力を制御(調整)可能である。送電電力の調整は、送電変換部13の制御を通じて送電アンテナ12に入力される電力を調整することによって行われてもよい。
【0038】
[受電装置21の構成]
受電装置21は、上述したように電子デバイス20の一部を構成するとともに、非接触給電システム10の一部を構成している。受電装置21は、受電アンテナ22、受電通信部23、受電変換部24及び受電制御部26を備えている。
【0039】
受電アンテナ22は、送電装置11との各種通信に用いられる。受電アンテナ22は、例えば、電力伝送信号に係る通信と、ビーコン信号に係る通信と、各種情報の送受信に係る情報通信とにおいて共用される。
【0040】
受電通信部23は、送電装置11との通信に係る各種制御を行う。受電通信部23は、例えば、受電アンテナ22を制御することで、送電装置11に対してビーコン信号を送信したり、送電装置11と各種情報を送受信したりする。
【0041】
受電変換部24は、受電アンテナ22によって受信された電力伝送信号を直流電力に変換する。受電変換部24の具体的態様は任意である。受電変換部24は、例えば整流回路、平滑回路等を含んでいる。
【0042】
受電変換部24には、受電蓄電部31から受電装置21及び駆動部32へ供給し得る電力である供給電力を測定する第1電力測定部25が設けられている。この供給電力には、受電変換部24から受電蓄電部31に供給される電力が含まれている。第1実施形態では、第1電力測定部25は、受電変換部24から受電蓄電部31に供給される電力を、供給電力として測定する。
【0043】
第1電力測定部25は、電流測定回路及び電圧測定回路を備えている。第1電力測定部25では、電流測定回路によって測定された電流と、電圧測定回路によって測定された電圧とが乗算されることにより、供給電力が求められる。
【0044】
受電制御部26は、上記送電制御部16と同様の構成を有しており、受電装置21が備える各構成部材を制御する。また、受電制御部26は、上記音発生部35を制御する通知制御部27を備えている。通知制御部27は、第1電力測定部25で測定された供給電力に関する情報と、第2電力測定部33で測定された消費電力に関する情報とを取得可能に構成されている。通知制御部27は、取得した供給電力及び消費電力の大小関係に基づいて、音発生部35での音の発生態様を、第1通知態様から第2通知態様に変更、又はその逆に、第2通知態様から第1通知態様に変更する。通知部が音発生部35によって構成される第1実施形態の場合、警告音の発生及び停止が、通知態様となる。また、警告音が発生される態様が第1通知態様に該当し、警告音が停止される態様が第2通知態様に該当する。
【0045】
[動作フロー]
図2のフローチャートは、通知制御部27が音発生部35での音の発生態様を変更する通知態様変更ルーチンを示している。このルーチンは、電子デバイス20の作動中、所定の制御周期をもって、例えば、所定時間経過毎に繰り返し実行される。
【0046】
このルーチンが開始されると、通知制御部27は、まず、ステップS1において、上記供給電力を示す情報と、上記消費電力を示す情報とを取得する。両情報から、供給電力が消費電力よりも小さいかどうかを判定する。
【0047】
ステップS1の判定条件が満たされていないと、通知態様変更ルーチンを終了する。この場合には、音発生部35から警告音が発生されない。
これに対し、ステップS1の判定条件が満たされていると、ステップS2へ移行し、音発生部35を作動させて警告音を発生させる。この警告音により、供給電力が低下していて、受電装置21及び駆動部32が停止する可能性が高まっていることをユーザに通知する。
【0048】
続いて、ステップS3において、供給電力が消費電力以上であるかどうかを判定する。すなわち、上記警告音を聞いたユーザが、電子デバイス20の向きを調整したり、同電子デバイス20を、送電装置11に近づく側へ移動させたりして、給電性能が改善して供給電力が増加し、上記ステップS1の判定条件が満たされなくなったかどうかを判定する。
【0049】
ステップS3の判定条件が満たされていないと、すなわち、依然として供給電力が消費電力よりも小さいと、上記ステップS2に戻る。従って、この場合には、警告音の発生が継続されることとなる。
【0050】
これに対し、ステップS3の判定条件が満たされていると、供給電力が増大して、受電装置21及び駆動部32が停止する可能性が低くなっているとして、ステップS4へ移行する。ステップS4では、音発生部35を停止させて、警告音の発生を停止する。
【0051】
ステップS4の実行後に、通知態様変更ルーチンを終了する。
上記通知態様変更ルーチンにおいては、ステップS1の判定条件が満たされない場合に、警告音を発生させない処理と、満たされる場合に警告音を発生させる処理(ステップS2)とが、警告音の発生態様(通知態様)を変更する処理に該当する。
【0052】
次に、上記のように構成された第1実施形態の作用について説明する。また、作用に伴い生ずる効果についても併せて説明する。
(1)図1に示すように、送電装置11から非接触給電により送電された電力は、受電装置21によって受電され、受電蓄電部31に蓄電される。受電装置21及び駆動部32は、受電蓄電部31に蓄電された電力によって作動する。受電装置21及び駆動部32の作動に伴い電力が消費される。
【0053】
一方で、電子デバイス20を所持又は携帯したユーザは、送電装置11から送電される電力伝送信号(電波)を目視できず、同送電装置11の送電可能領域を視認できない。そのため、ユーザは、送電装置11の送電可能領域を越えようとした場合、そのことに気付かない。
【0054】
電子デバイス20が送電装置11の送電可能領域を越えると、受電装置21から受電蓄電部31に供給される電力が低下する。極端な場合、供給電力が零となり、受電装置21及び駆動部32が不意に停止する可能性が高まる。
【0055】
(1-1)この点、第1実施形態では、受電装置21から受電蓄電部31に供給される電力が、受電蓄電部31から受電装置21及び駆動部32へ供給し得る供給電力として、第1電力測定部25によって測定される。受電装置21及び駆動部32で消費される消費電力が、第2電力測定部33によって測定される。
【0056】
第1電力測定部25によって測定された供給電力と、第2電力測定部33によって測定された消費電力との大小関係が判定される(ステップS1)。供給電力が消費電力よりも小さい場合、音発生部35から警告音が発生される(ステップS2)。これに対し、供給電力が消費電力以上の場合、音発生部35から警告音が発生されない。
【0057】
そのため、ユーザは、音発生部35から警告音が発生されているかどうかを確認することで、送電可能領域を間接的に把握することが可能となる。
(1-2)ユーザが電子デバイス20を、送電可能領域を越えて移動させようとした場合、上記警告音の発生態様が変化し得る。この場合、警告音が発生され得る。ユーザは、警告音の発生態様の変化を認識することにより、すなわち、警告音を聞くことにより、送電可能領域を越えて移動しようとしていることに気付くことができる。
【0058】
また、ユーザは、警告音を聞くことで、あるいは送電可能領域の変化を認識することで、供給電力が不足して、受電装置21及び駆動部32が停止する可能性が高まっているかどうかを把握することが可能となる。
【0059】
(1-3)ここで、上述したように、警告音の発生態様の変更(警告音の発生・停止)は、電子デバイス20での供給電力と消費電力との大小関係に基づいて行なわれる。このことから、上記送電可能領域は、送電装置11の給電能力のみを考慮したものではなく、以下の事項が考慮された、より実質的なものとなる。
【0060】
・送電装置11から電子デバイス20までの距離の変化。
・電子デバイス20の障害物との相対的な位置の変化に伴う電力の減衰。
・電子デバイス20毎に異なる消費電力。
【0061】
送電可能領域は、上記事項等、又は上記事項の変化に伴い変化する。そのため、ユーザは、上記事項を変化等させることで、送電可能領域の経時的な変化を認識しやすくなる。
(1-4)音発生部35での警告音の発生により、供給電力が消費電力よりも小さいことを、ユーザに対し聴覚的に通知することができる。
【0062】
特に、上記電子デバイス20が、ポケット、バッグ等に入れて持ち運ばれることが多いデバイスの場合には、警告音による通知とすることで、供給電力が消費電力よりも小さいことをユーザに効果的に通知することが可能である。ユーザは音発生部35に特別に意識を向けていなくても、供給電力の不足に気付くことができる。
【0063】
(1-5)そして、供給電力が不足していることを認識したユーザは、電子デバイス20の向きを調整したり、電子デバイス20を、送電装置11に近付く側へ移動させたりすることで、給電性能を改善することができる。供給電力を増加させ、供給電力の不足を解消することができる。ユーザは、供給電力の不足に起因する、受電装置21及び駆動部32の不意な停止を回避することができる。
【0064】
また、このときには、警告音が停止する。この停止により、ユーザに対し、供給電力の低下に起因する、受電装置21及び駆動部32の停止が回避されたことを通知することが可能である。また、発生していた警告音が止む(警告音の発生態様が変化する)ことから、ユーザに送電可能領域を認識させることが可能である。
【0065】
(第2実施形態)
次に、電子デバイス20の第2実施形態について、図1図3及び図4を参照して説明する。
【0066】
図1に示すように、第2実施形態は、通知部が、可視光を発生する表示部(インジケータ)36によって構成されている点で第1実施形態と異なっている。表示部36は、電子デバイス20において、ユーザが視認可能な箇所に設けられている。
【0067】
表示部36は、例えば、発光ダイオード(LED:Light Emitted Device)等の発光素子であって、発光色を変更可能に構成されたものを光源として備えている。
通知制御部27は、供給電力及び消費電力の大小関係に基づいて、表示部36での表示態様を、第1通知態様から第2通知態様に変更、又はその逆に、第2通知態様から第1通知態様に変更する。通知部が表示部36によって構成される第2実施形態の場合、表示部36で表示される2種類の表示態様が、通知態様となる。図3(a)で示す第1表示態様が、通知部での第1通知態様に該当する。図3(b)で示す第2表示態様が、通知部での第2通知態様に該当する。第1表示態様での表示は、供給電力が消費電力よりも小さいときに行なわれ、第2表示態様での表示は、供給電力が消費電力以上のときに行なわれる。第1表示態様と第2表示態様とは、電波を模擬した同一の図柄37で表示されるが、発光色が異なっている。
【0068】
通知部が音発生部35から表示部36に変更されることに伴い、通知制御部27による通知部での通知態様の変更処理、この場合、表示部36での表示態様の変更処理が、第1実施形態と異なっている。
【0069】
[動作フロー]
図4のフローチャートは、第1実施形態の図2に対応するものであり、通知制御部27による通知態様変更ルーチンを示している。
【0070】
このルーチンが開始されると、通知制御部27は、まず、ステップS11において、第1実施形態のステップS1と同様の処理、すなわち、供給電力が消費電力よりも小さいかどうかを判定する。
【0071】
ステップS11の判定条件が満たされていると、ステップS12へ移行し、図3(a)に示すように、表示部36を第1表示態様で表示させる。第1表示態様での表示により、供給電力が低下していて、受電装置21及び駆動部32が停止する可能性が高まっていることをユーザに通知する。
【0072】
これに対し、ステップS11の判定条件が満たされていないと、ステップS13へ移行し、図3(b)に示すように、表示部36を第2表示態様で表示させる。第2表示態様での表示により、供給電力が不足しておらず、受電装置21及び駆動部32が停止する可能性が低いことをユーザに通知する。
【0073】
そして、上記ステップS12又はステップS13の処理を実行した後に、通知態様変更ルーチンを終了する。
上記通知態様変更ルーチンにおいては、ステップS11~S13の処理が、供給電力と消費電力との大小関係に応じて表示態様(通知態様)を変更する処理に該当する。
【0074】
従って、第2実施形態によると、通知の手段(表示部36)及び態様の種類(表示態様)が第1実施形態と異なるものの、同第1実施形態と同様の効果が得られる。
特に、第2実施形態では、供給電力と消費電力と大小関係が、表示部36を通じて、ユーザに対し視覚的に通知される。
【0075】
そのため、ユーザは、表示部36を見て表示態様を確認することで、送電可能領域を間接的に把握することが可能となる。ユーザは、表示部36を見ることで、電子デバイス20が送電可能領域の内に位置するのか外に位置するのかを知ることが可能である。また、ユーザは、供給電力の不足が原因で、受電装置21及び駆動部32が停止する可能性が高まっているかどうかを知ることが可能である。
【0076】
ユーザは、表示部36での表示態様が第1表示態様である場合には、第2表示態様に切り替わるように、電子デバイス20の向きを調整したり、電子デバイス20を、送電装置11に近づく側へ移動させたりする。こうすることで、給電性能を改善して供給電力を増加させ、受電装置21及び駆動部32の停止を回避することが可能となる。
【0077】
[変更例]
なお、上記実施形態は、これを以下のように変更した変更例として実施することもできる。上記実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
【0078】
<供給電力及び消費電力の測定について>
・電流測定回路によって測定される電流と、電圧測定回路によって測定される電圧との間には相関関係が見られる。電流測定回路によって電流が測定されれば、電圧測定回路によって電圧が測定されなくても、電圧をある程度推測可能である。そのため、測定された電流と、推測される電圧とによって電力(供給電力、消費電力)を推測することができる。表現を変えると、電流測定回路のみによって電力測定部(第1電力測定部25、第2電力測定部33)を構成することができる。
【0079】
同様に、電圧測定回路によって電圧が測定されれば、電流測定回路によって電流が測定されなくても、電流をある程度推測可能である。そのため、測定された電圧と、推測される電流とによって電力(供給電力、消費電力)を推測することができる。表現を変えると、電圧測定回路のみによって電力測定部(第1電力測定部25、第2電力測定部33)を構成することができる。
【0080】
・供給電力は、電子デバイス20の作動中、第1電力測定部25によって常時測定されてもよいし、一定の時間間隔毎に測定されてもよい。
同様に、消費電力は、電子デバイス20の作動中、第2電力測定部33によって常時測定されてもよいし、一定の時間間隔毎に測定されてもよい。
【0081】
<供給電力と消費電力との大小関係の判定について>
・供給電力と消費電力との大小関係の判定は、供給電力及び消費電力の偏差と、閾値とを比較することによってなされてもよい。
【0082】
この判定が、1つの閾値によって行なわれると、偏差が閾値の近くで変動した場合、通知部での通知態様が頻繁に切り替わるおそれがある。この現象は、音発生部35及び表示部36のいずれを通知部とした場合にも起り得る。
【0083】
対策として、制御ヒステリシスが設定されてもよい。すなわち、閾値として、第1閾値と、それよりも大きな第2閾値とが設定されてもよい。
この場合、上記偏差が増加していき、第2閾値を越えるときに、通知態様が第1通知態様から第2通知態様に切り替わる。しかし、第2通知態様から第1通知態様に戻るのは、偏差が減少して、第1閾値を下回るときとなる。このようにすることで、通知態様が頻繁に切り替わる現象を抑制することができる。
【0084】
上記第1閾値及び第2閾値としては、予め定められた値(固定値)が用いられてもよい。これに代えて、通知態様変更ルーチンの実施中に、供給電力又は消費電力に基づいて第1閾値及び第2閾値が生成されてもよい。この場合、第1閾値及び第2閾値は可変値となる。例えば、電力伝送信号を変換することによって得られる供給電力が変動する場合には、可変値を用いることが有効である。
【0085】
<通知部での通知について>
・音発生部35で警告音を発生する条件として、電子デバイス20が送電可能領域に位置すること、すなわち、受電装置21が送電装置11から電力を受信していることが加えられてもよい。
【0086】
これは、電子デバイス20が送電可能領域に位置していなければ、本来、受電装置21に対し給電が行なわれないからである。
<通知態様の変更について>
・供給電力及び消費電力の大小関係が変化して、通知部の通知態様が変更された場合、その変更から一定時間が経過するまでは、大小関係の変化に拘わらず、その通知態様での通知が維持されてもよい。対象となる通知部は、音発生部35及び表示部36の両者である。このようにすると、通知態様が頻繁に切り替わるのを抑制することができる。
【0087】
<音発生部35について>
・通知部としての音発生部35は、受電装置21の構成部材とされてもよい。
・音発生部35が、ブザーに代えてスピーカによって構成されてもよい。この場合には、通知が、単一音で行なわれてもよいし、合成音、例えば合成音声によって行なわれてもよい。
【0088】
・第1実施形態とは異なり、供給電力が消費電力以上のときにも、音発生部35から音が発生されてもよい。ただし、この場合、供給電力が消費電力よりも小さいときとは異なる態様で、音が発生される。
【0089】
・第1実施形態において、受電蓄電部31に残っている電力(蓄電残量)に応じて、警告音の大きさが変化されてもよい。例えば、上記電力が小さくなるに従い、警告音が段階的に大きくされてもよい。
【0090】
また、上記電力(蓄電残量)に応じて、警告音の種類が変化されてもよい。警告音の種類としては、例えば、連続音、間欠音等である。
・供給電力が消費電力よりも小さい場合、供給電力と消費電力との偏差に応じて、警告音の大きさ(音量)が変化させられてもよい。例えば、偏差が大きくなるに従い、警告音が段階的に大きくされてもよい。
【0091】
また、上記偏差に応じて、警告音の種類が変化されてもよい。警告音の種類としては、例えば、連続音、間欠音等である。
・一定時間における供給電力の平均値と、一定時間における消費電力の平均値とが比較され、前者が後者よりも小さい場合に警告音が発生されてもよい。
【0092】
・警告音を強制的に停止させる手段が設けられてもよい。例えば、電源ボタン、停止ボタン等である。これらのボタンがユーザによって操作された場合に、警告音が停止されてもよい。
【0093】
・供給電力が消費電力よりも小さい状況が一定時間継続した場合に、警告音が発生されてもよい。
・非接触給電システム10では、1つの送電装置11から複数の受電装置21に対し送電される場合、基本的には電力が、受電装置21の数に応じて等分される。電力が互いに等しい割合で各受電装置21に送電される。
【0094】
このような状況のもと、特定の受電装置21においてのみ警告音が一定時間以上発生された場合、その受電装置21から送電装置11に対し、他の受電装置21よりも多くの給電を要求する情報を含む要求信号が送信されてもよい。
【0095】
上記要求信号が送電装置11によって受け付けられた場合、同送電装置11では、上記要求信号を送信した受電装置21に対し、他の受電装置21に対するよりも、大きな割合で電力が配分されてもよい。この変更例によると、要求信号を送信した受電装置21に対し、優先的に多く給電することができる。
【0096】
また、上記要求信号が送電装置11によって受け付けられない場合には、警告音の大きさ、種類等が変化されてもよい。
<表示部36について>
・通知部としての表示部36は、受電装置21の構成部材とされてもよい。
【0097】
・第2実施形態において、表示部36の光源として、白熱灯、蛍光灯、レーザ光源等が用いられてもよい。
・表示部36での表示態様が、上述した図3(a),(b)とは異なる表示態様に変更されてもよい。図5(a),(b)はその一例を示している。この変更例の表示態様では、図3(a),(b)の図柄37に加え、文字38,41と記号39,42とが表示される。より詳しくは、第1表示態様では、図5(a)に示すように、電波を模擬した図柄37と、文字(「Bad」)38と、記号(「×」)39とが表示部36で表示される。第2表示態様では、図5(b)に示すように、電波を模擬した図柄37と、文字(「Good」)41と、記号(「レ」)42とが表示部36で表示される。
【0098】
なお、図示はしないが、図柄37、文字38,41及び記号39,42の少なくとも1種が、図5(a),(b)とは異なる形態に変更されてもよい。
また、図柄37、文字38,41及び記号39,42の組み合わせのうち、文字38,41及び記号39,42のいずれか一方が省略されてもよい。
【0099】
さらに、第1表示態様(図5(a))と第2表示態様(図5(b))とで色が異ならせられてもよい。
・供給電力と消費電力との偏差の大きさに応じて、3つ以上の表示態様が設定されてもよい。そして、偏差の変化に伴い、表示態様が変更されてもよい。
【0100】
・第2表示態様は、図3(b)及び図5(b)に示すものに代えて、光源が消灯して、表示が停止されること(表示されないこと)とされてもよい。
・表示部36として、複数の発光素子を並べた状態で配置されたものが採用されてもよい。この場合、複数の発光素子によって記号等が表現される。そして、発光素子の発光態様(発光の有無を含む)が変化させられることによって、表示される記号の種類等が変更されてもよい。
【0101】
・表示部36として、液晶ディスプレイ等のディスプレイが用いられてもよい。この場合、供給電力と消費電力との大小関係を、通知メッセージ、通知画像等によって表示されること、又は通知されないことで、ユーザに通知されてもよい。
【0102】
また、供給電力が消費電力よりも小さい場合、両電力の偏差に応じて、表示部36での表示態様が変化させられてもよい。例えば、偏差が大きくなるに従い、目立つ態様の通知メッセージ、通知画像等がディスプレイに表示されてもよい。
【0103】
<通知部のその他の事項について>
・通知部としては、音発生部35(第1実施形態)及び表示部36(第2実施形態)のほかにも、振動部が挙げられる。
【0104】
振動部は、振動モータ等を振動源として振動する。そして、供給電力と消費電力との大小関係を、振動の有無、振動の強度等によってユーザに触覚的に通知する。
そのため、ユーザは、振動源から出力される振動を感ずることで、送電可能領域を間接的に把握することが可能となる。ユーザは、振動を感ずることで、供給電力が不足していて、受電装置21及び駆動部32が停止する可能性が高まっていることに気付く。ユーザは、振動が停止するように、電子デバイス20の向きを調整したり、電子デバイス20を送電装置11に近づく側へ移動させたりすることで、受電装置21及び駆動部32の停止を回避することが可能となる。
【0105】
特に、上記電子デバイス20が、ポケット、バッグ等に入れて持ち運ばれることが多いデバイスの場合には、振動による通知とすることで、上述した聴覚による通知と同様、供給電力が消費電力よりも小さいことをユーザに効果的に通知することができる。ユーザは通知部、この場合、振動部に特別に意識を向けていなくても、供給電力の不足に気付くことが可能である。
【0106】
供給電力が消費電力よりも小さい場合、両者の偏差に応じて、振動部での振動態様が変化させられてもよい。例えば、偏差が大きくなるに従い、振動部が強く振動されてもよい。
【0107】
・通知部は、音発生部35、表示部36及び振動部のうち、少なくとも1つによって実現されればよく、2つ又は3つが組み合わされて実現されてもよい。
<通知制御部27について>
・通知制御部27は、受電制御部26に代えて、駆動部32を制御する制御装置(図示略)に設けられてもよい。そして、この通知制御部27によって、第1電力測定部25から供給電力が取得され、第2電力測定部33から消費電力が取得され、両電力の大小関係が判定されてもよい。
【0108】
<受電装置21に関する事項>
・受電装置21が複数設けられる場合、その受電装置21の数の上限が設けられてもよい。上限は、例えば、送電装置11が給電可能な電力に応じて設定されてもよい。
【0109】
・第1実施形態では、警告音が発生されるとき、すなわち、供給電力が不足しているとき、位相変更情報を含むビーコン信号が、所定の時間間隔毎に送信される必要がない。受電装置21がビーコン信号を所定の時間間隔毎に送信されると、ビーコン信号の送信による電力消費が増加する。
【0110】
そこで、警告音が発生している期間は、ビーコン信号の送信間隔が大きくされてもよい。この変更例によると、ビーコン信号の送信による電力消費を抑制することができる。
なお、第2実施形態において、表示部36が第1表示態様で表示されるときにも、供給電力が不足していることから、ビーコン信号の送信間隔について、上記と同様の変更が行なわれてもよい。
【0111】
<アンテナについて>
・送電装置11及び受電装置21の間で、各種情報の送受信に係る情報通信が頻繁に行われると、送電アンテナ12及び受電アンテナ22は、電力伝送信号の送受信や、ビーコン信号の送受信を適切に行えなくなるおそれがある。
【0112】
そこで、送電装置11及び受電装置21は、電力伝送信号に係る通信と、ビーコン信号に係る通信と、各種情報の送受信に係る情報通信とのそれぞれに用いられるアンテナを別体で備えてもよい。こうすることにより、ある通信が他の通信の妨げになるのを抑制できる。
【0113】
<送電装置11について>
・複数の非接触給電システム10が連携されてもよい。この連携により、送電装置11が、他の非接触給電システム10が備える送電装置11から送信された電力伝送信号によって給電され、作動してもよい。
【0114】
<その他>
・上記第1及び第2実施形態では、受電変換部24から受電蓄電部31に供給される電力が供給電力とされたが、受電蓄電部31に残っている電力(蓄電残量)がさらに加えられたものが、供給電力とされてもよい。なお、受電蓄電部31に残っている電力は、受電蓄電部31のBMSから取得可能である。
【0115】
この場合、第1電力測定部25では、電流測定回路によって測定された電流と、電圧測定回路によって測定された電圧の積に、受電蓄電部31に残っている電力が加算されることにより、供給電力が求められる。
【0116】
この変更例によると、受電装置21から受電蓄電部31に供給される電力だけでなく、受電蓄電部31に残っている電力も含まれた電力が供給電力として第1電力測定部25によって測定される。そのため、受電装置21から受電蓄電部31に供給される電力のみが供給電力として第1電力測定部25によって測定される場合に比べ、供給電力をより高い精度で測定することができる。
【0117】
従って、通知制御部27による通知態様変更ルーチンのステップS1,S11では、供給電力の低下に起因する、受電装置21及び駆動部32の作動停止の可能性を、より高い精度で判定することができる。これに伴い、第1実施形態では、受電装置21及び駆動部32の作動停止の可能性がより高い場合に、音発生部35で警告音を発生させることができる。第2実施形態では、受電装置21及び駆動部32の作動停止の可能性がより高い場合に、表示部36を第1表示態様で表示させることができる。
【符号の説明】
【0118】
11…送電装置
20…電子デバイス
21…受電装置
25…第1電力測定部
27…通知制御部
31…受電蓄電部
32…駆動部
33…第2電力測定部
35…音発生部(通知部)
36…表示部(通知部)
図1
図2
図3
図4
図5