(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023114838
(43)【公開日】2023-08-18
(54)【発明の名称】バルコニー
(51)【国際特許分類】
E04B 1/00 20060101AFI20230810BHJP
E04D 13/04 20060101ALI20230810BHJP
E04F 15/00 20060101ALI20230810BHJP
【FI】
E04B1/00 501M
E04D13/04 J
E04F15/00 G
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022017377
(22)【出願日】2022-02-07
(71)【出願人】
【識別番号】504093467
【氏名又は名称】トヨタホーム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】亀山 太一
【テーマコード(参考)】
2E220
【Fターム(参考)】
2E220AA08
2E220AB04
2E220CA02
2E220DB09
2E220GA25X
2E220GB22X
2E220GB46X
(57)【要約】
【課題】簡易な構成で所望の水勾配を確保できるバルコニーを提供する。
【解決手段】建物の躯体(柱12)から跳ね出した2本の片持ち梁24と、2本の片持ち梁24の先端に架け渡されたトラス梁26と、2本の片持ち梁24の間において、建物の外周面(梁14)に固定された複数の内側受金物32と、内側受金物32と異なる高さにおいて、トラス梁26に固定された複数の外側受金物34と、内側受金物32及び外側受金物34に支持された床パネル40と、を備える。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物の躯体から跳ね出した2本の片持ち梁と、
前記2本の片持ち梁の先端に架け渡されたトラス梁と、
前記2本の片持ち梁の間において、前記建物の外周面に固定された複数の内側受金物と、
前記内側受金物と異なる高さにおいて、前記トラス梁に固定された複数の外側受金物と、
前記内側受金物及び前記外側受金物に支持された床パネルと、
を備えたバルコニー。
【請求項2】
前記内側受金物及び前記外側受金物において、前記床パネルが設置される設置面には、等しい角度の勾配が形成されている、
請求項1に記載のバルコニー。
【請求項3】
前記床パネルは、
鋼材を組み合わせて形成された枠状のフレームと、
前記フレームの上面に配置された面材と、
を備えている、請求項1又は2に記載のバルコニー。
【請求項4】
前記フレームは、水下側に前記鋼材のせいが他の部分より小さい凹部を備え、
前記床パネルは、前記凹部の上方が切り欠かれて形成されており、
前記凹部には排水管が接続可能とされている、
請求項3に記載のバルコニー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バルコニーに関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、建物のベランダ又はバルコニーに用いる防水ユニットの製造方法が示されている。この防水ユニットを構成するベース部は、ベース部本体の上面に板材を取付けて形成されている。そして、ベース部本体は、勾配を備えた複数の部材を組み合わせて形成されている。これにより、防水ユニットにおける板材の表面には水勾配が形成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1の防水ユニットのように、板材を支持する部材自体に施した勾配によって水勾配を形成する場合、所定の勾配角度を確保する加工や、部材を所定の位置に配置する施工に、高い精度が要求される。すなわち、水勾配を確保するための加工及び施工管理が煩雑である。
【0005】
本発明は、上記事実を考慮して、簡易な構成で所望の水勾配を確保できるバルコニーを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第一態様のバルコニーは、建物の躯体から跳ね出した2本の片持ち梁と、前記2本の片持ち梁の先端に架け渡されたトラス梁と、前記2本の片持ち梁の間において、前記建物の外周面に固定された複数の内側受金物と、前記内側受金物と異なる高さにおいて、前記トラス梁に固定された複数の外側受金物と、前記内側受金物及び前記外側受金物に支持された床パネルと、を備えている。
【0007】
第一態様のバルコニーは、2本の片持ち梁にトラス梁が架け渡されている。トラス梁は、同じ部材量の梁と比較して撓みを抑制できる。このため、片持ち梁の間の中間梁を省略できる。
【0008】
中間梁を省略すると床パネルを支持できる構造体が減るが、このバルコニーでは、片持ち梁の間に、複数の内側受金物及び外側受金物が設けられている。これにより、中間梁を用いずに床パネルを支持できる。
【0009】
また、床パネルを支持する内側受金物及び外側受金物は、それぞれ高さが異なる位置に固定されている。これにより、床パネルに水勾配を形成できる。すなわち、高さが異なる内側受金物及び外側受金物といった簡易的な構成で、所望の水勾配を確保できる。
【0010】
第二態様のバルコニーは、第一態様のバルコニーにおいて、前記内側受金物及び前記外側受金物において、前記床パネルが設置される設置面には、等しい角度の勾配が形成されている。
【0011】
第二態様のバルコニーは、内側受金物及び外側受金物の設置面に、等しい角度の勾配が形成されている。このため、これらの金物と床パネルとの間でがたつきが生じ難い。
【0012】
第三態様のバルコニーは、第一態様又は第二態様のバルコニーにおいて、前記床パネルは、鋼材を組み合わせて形成された枠状のフレームと、前記フレームの上面に配置された面材と、を備えている。
【0013】
第三態様のバルコニーは、床パネルが、枠状のフレーム及び面材を組み合わせて形成されている。このため、フレーム及び面材が互いに補剛し合うことで、床パネルの面剛性を高めることができる。
【0014】
第四態様のバルコニーは、第三態様のバルコニーにおいて、前記フレームは、水下側に前記鋼材のせいが他の部分より小さい凹部を備え、前記床パネルは、前記凹部の上方が切り欠かれて形成されており、前記凹部には排水管が接続可能とされている。
【0015】
第四態様のバルコニーは、フレームに、排水管を接続可能な凹部が形成されている。すなわち、排水管を接続できる凹部が、床パネルにユニット化されている。これにより、例えば排水管を接続するための凹部を、建物の建設現場で部材を加工して形成する必要がない。
【発明の効果】
【0016】
本発明によると、簡易な構成で所望の水勾配を確保できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の実施形態に係るバルコニーを形成する片持ちスラブの構成を示す斜視図である。
【
図2】本発明の実施形態に係るバルコニーの片持ち梁及び内側受金物を示す斜視図である。
【
図3】本発明の実施形態に係るバルコニーのトラス梁を示す斜視図である。
【
図4】本発明の実施形態に係るバルコニーの固定フレームの構成を示す断面図である。
【
図5】本発明の実施形態に係るバルコニーの固定フレームの構成を示す平面図である。
【
図6】本発明の実施形態に係るバルコニーの固定フレームに床パネルを取付けている状態を示す斜視図である。
【
図7】本発明の実施形態に係るバルコニーの凹部に排水管が接続された状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本開示の実施形態に係るバルコニーについて、図面を参照しながら説明する。各図面において同一の符号を用いて示される構成要素は、同一の構成要素であることを意味する。但し、明細書中に特段の断りが無い限り、各構成要素は一つに限定されず、複数存在してもよい。
【0019】
また、各図面において重複する構成及び符号については、説明を省略する場合がある。なお、本開示は以下の実施形態に限定されるものではなく、本開示の目的の範囲内において構成を省略する又は異なる構成と入れ替える等、適宜変更を加えて実施することができる。
【0020】
各図において矢印X、Yで示す方向は水平面に沿う方向であり、互いに直交している。また、矢印Zで示す方向は鉛直方向(上下方向)に沿う方向である。各図において矢印X、Y、Zで示される各方向は、互いに一致するものとする。
【0021】
以下の説明において、矢印Xに沿う方向を、バルコニー20の長手方向と称す場合がある。また、矢印Yに沿う方向を、バルコニー20の奥行き方向と称す場合がある。
【0022】
<バルコニー>
図1には、バルコニー20を形成する主要部材が斜視図で描かれている。バルコニー20は、片持ちスラブ22を含む構造部材である。「片持ち」とは、一方の端部が固定され、他方の端部が自由端とされた構造を示している。本実施形態における片持ちスラブ22は、バルコニー20の奥行き方向における一方の端部が図示しない建物に固定され、他方の端部が自由端とされた床材である。
【0023】
片持ちスラブ22は、建物の外周面に沿って配置された2本の柱12及び互いに隣り合う柱12に架け渡された梁14に支持されて、建物10の屋外側へ突出している。
【0024】
片持ちスラブ22は、2本の片持ち梁24、トラス梁26、受金物30及び床パネル40を含んで構成されている。なお、床パネル40は、フレーム42及び面材44が互いに接合されて形成されているが、構成を説明する便宜上、
図1等においては分離して図示されている。
【0025】
また、バルコニー20は、片持ちスラブ22の上方に、手摺が固定されて形成されるが、各図において、この手摺の図示は省略されている。
【0026】
(柱、梁)
図2に示すように、柱12は角型鋼管で形成された建物の構造躯体である。なお、
図2では、柱12において片持ち梁24が接合される部分以外の部分は、図示が省略されている。
【0027】
柱12には鋼製の梁14が架け渡されている。バルコニー20の長手方向は、この梁14の延設方向に沿う方向である。梁14は、
図4にも示されるように、チャンネル材によって形成されている。
【0028】
なお、各図において柱12及び梁14は露出して描かれているが、これらの柱12及び梁14は、図示しない建物の外壁の内部に隠ぺいして配置される。また、建物が木造の場合、この柱12及び梁14は木製としてもよい。
【0029】
(片持ち梁)
片持ち梁24は、柱12に対してジョイント部材24Aを介して接合されている。ジョイント部材24Aは鋼製のチャンネル材であり、フランジの端部が柱12に溶接され、ウェブに片持ち梁24がボルト固定されることにより、片持ち梁24を柱12に固定する。
【0030】
片持ち梁24は、直方体形状の鋼材であり、バルコニー20の長手方向における一面が開放して形成されている。開放している一面は、隣り合う片持ち梁24と対向する面である。また、片持ち梁24には、後述するフレーム42(
図1等参照)を接合するための固定部材24Bが固定されている。固定部材24Bは、クランク形状の曲げ鋼板である。
【0031】
(トラス梁)
図3に示すように、トラス梁26は、上弦材26A、下弦材26B、束材26C及び斜材26Dを備えて形成されている。上弦材26A及び下弦材26Bはバルコニー20の長手方向に沿って延設された部材であり、互いに上下方向に隣り合って配置されている。
【0032】
束材26Cは、上弦材26Aと下弦材26Bとを連結する部材であり、バルコニー20の長手方向に沿って所定の間隔を空けて複数配置されている。斜材26Dは、互いに隣り合う束材26Cの間において、上弦材26Aから下弦材26Bに亘って斜め方向に架け渡された部材である。
【0033】
このトラス梁26は、バルコニー20の長手方向に沿う両端部が、それぞれ片持ち梁24の先端に固定されている。本実施形態においては、トラス梁26の中間部分において、バルコニー20の奥行き方向に沿う中間梁は設けられていない。
【0034】
(受金物)
受金物30は、内側受金物32及び外側受金物34を備えている。
図2に示すように、内側受金物32は、梁14に対してジョイント部材32Aを介して接合されている。ジョイント部材32Aは鋼製のチャンネル材であり、フランジの端部が梁14に溶接され、ウェブに内側受金物32がボルト固定されることにより、内側受金物32を梁14に固定する。
【0035】
図3に示すように、外側受金物34は、トラス梁26における束材26Cのそれぞれにボルト固定されている。これにより、外側受金物34は、バルコニー20の長手方向に沿って所定の間隔を空けて複数配置される。
【0036】
なお、
図5に示すように、バルコニー20の長手方向において、外側受金物34と内側受金物32は同じ位置(基準線X1、X2、X3上)に配置されている。すなわち、内側受金物32も、バルコニー20の長手方向に沿って所定の間隔を空けて複数配置される。
【0037】
また、
図4に示すように、内側受金物32と外側受金物34とは、異なる高さに配置されている。具体的には、外側受金物34が、内側受金物32より低い位置に配置されている。なお、
図4は、
図5におけるA-A線断面図である。
【0038】
内側受金物32及び外側受金物34の上面32U及び34Uは、後述する床パネル40が設置される設置面である。上面32U及び34Uには、等しい角度の勾配が形成されている。
【0039】
この勾配は、バルコニー20の奥行き方向において、梁14側から屋外側に向かって下向きに傾斜する勾配である。また、この勾配は、床パネル40に形成する水勾配と等しい角度の勾配である。さらに、上面32U及び34Uは、同一平面上に形成される。換言すると、上面32Uの延長線Lに、上面34Uが配置される。
【0040】
なお、片持ち梁24における固定部材24Bは、後述する接合面24BHの少なくとも一部が、延長線Lより上方に配置される。
【0041】
以上説明した片持ち梁24、トラス梁26、受金物30によって、
図4及び
図5に示すように、固定フレーム22Aが形成される。固定フレーム22Aには、以下に説明する床パネル40が固定される。
【0042】
(床パネル)
図6に示すように、床パネル40は、フレーム42及び面材44を含んで形成されている。床パネル40の施工にあたっては、フレーム42を固定フレーム22Aに設置した後、フレーム42に面材44を固定してもよい。あるいは、フレーム42に面材44を固定した後、フレーム42を固定フレーム22Aに設置してもよい。
【0043】
フレーム42は、鋼材を組み合わせて枠状に形成されている。具体的には、フレーム42は、枠材42A及び42B、根太材42C、凹部42Dを備えている。
【0044】
枠材42A及び42Bは、バルコニー20の長手方向に沿う鋼製の部材である。このうち、枠材42Aは、内側受金物32に固定される。一方、枠材42Bは、外側受金物34に固定される。
【0045】
根太材42Cは、バルコニー20の奥行き方向に沿う部材であり、枠材42A及び42Bに架け渡されている。また、根太材42Cは、バルコニー20の長手方向に沿って所定の間隔で、複数設けられている。根太材42Cにおいて、バルコニー20の長手方向における端部に配置された部材は、固定部材24Bの接合面24BHに固定される。
【0046】
凹部42Dは、フレーム42における角部(バルコニー20の長手方向の端部、かつ、バルコニー20の奥行き方向における先端側の角部)に配置され、その他の部分を形成する鋼材より「せい」が小さい鋼材を枠状に組み付けて形成された部分である。
【0047】
なお、枠材42A及び42B、根太材42C、凹部42Dを形成する鋼材は、例えば軽量鉄骨としてもよい。あるいは、これらの部材は、鋼材に代えて、木材で形成してもよい。
【0048】
面材44は、パーチクルボードや構造用合板等を用いて形成される板材であり、平面視での外形が、フレーム42の外形と略一致する。面材44において、凹部42Dの上方に配置される部分には、切欠き44Vが形成されている。なお、面材44は、ALCパネルなどを用いて形成してもよい。
【0049】
図7に示すように、凹部42Dには、排水管50が接続可能とされている。具体的には、凹部42Dには、貫通孔が形成された下地材52が載置されている。下地材52の貫通孔には、排水管50が接続されるドレン部材54が嵌め込まれる。
【0050】
また、下地材52及び面材44の上方には、防水シート56が敷設されている。防水シート56は、ドレンキャップ58によって下方へ押さえられている。なお、防水シート56はドレン部材54によって下方へ押さえてもよい。
【0051】
さらに、凹部42Dには、カバー材60が配置されている。カバー材60は、ドレンキャップ58を上方から覆い、かつ、凹部42Dに嵌め込まれた状態で配置される。
【0052】
<作用及び効果>
本発明の実施形態に係るバルコニー20では、
図3に示すように、2本の片持ち梁24にトラス梁26が架け渡されている。トラス梁26は、同じ部材量の梁と比較して撓みを抑制できる。このため、片持ち梁24の間の中間梁を省略できる。
【0053】
中間梁を省略すると、
図6に示す床パネル40を支持できる構造体が減るが、このバルコニー20では、片持ち梁24の間に、複数の内側受金物32及び外側受金物34が設けられている。これにより、中間梁を用いずに床パネル40を支持できる。
【0054】
トラス梁26は、同じ部材量の梁と比較して梁せいが大きい。このため、例えばトラス梁26の梁せいの範囲内で、排水管50を横引きして、かつ、水勾配を確保することができる。これにより、排水性能を確保し易い。
【0055】
また、バルコニー20の下方に1階の窓を配置する場合、この窓に設けるシャッターボックスの一部または全部を、トラス梁26の梁せいの範囲内に納めることができる。これにより、建物の外観の意匠性を向上できる。
【0056】
また、床パネル40を支持する内側受金物32及び外側受金物34は、それぞれ高さが異なる位置に固定されている。これにより、床パネル40における面材44に水勾配を形成できる。すなわち、高さが異なる内側受金物32及び外側受金物34といった簡易的な構成で、所望の水勾配を確保できる。
【0057】
なお、内側受金物32及び外側受金物34を同じ高さに配置した場合(比較例)において床パネル40に水勾配を確保する構成としては、次のような構成が考えられる。
【0058】
例えば、面材44自体の厚みを、バルコニー20の奥行き方向において漸増又は漸減させる。例えば、面材44とフレーム42との間に、バルコニー20の長手方向に沿う複数の根太材を配置する。この根太材は、それぞれ異なる高さとする。例えば、面材44とフレーム42との間に、勾配形成用の面材を配置する。この面材は、バルコニー20の奥行き方向において、厚みを漸増又は漸減させる。
【0059】
これらの各構成は、内側受金物32及び外側受金物34の高さが異なることにより水勾配が形成される構成と比較して、簡易的ではない。
【0060】
なお、本実施形態においては、外側受金物34が内側受金物32より低い位置に配置されているため、水勾配はバルコニー20の奥行方向における外側(トラス梁26側)が水下となるように形成されているが、本発明の実施形態はこれに限らない。
【0061】
例えば外側受金物34を内側受金物32より高い位置に配置して、バルコニー20の奥行方向における内側(梁14側)が水下となるように形成してもよい。
【0062】
また、バルコニー20においては、
図4に示すように、内側受金物32及び外側受金物34において、床パネル40の接地面である上面32U及び34Uに、等しい角度の勾配が形成されている。このため、これらの金物と床パネル40との間でがたつきが生じ難い。
【0063】
なお、上面32U及び34Uと床パネル40との間には、図示しないパッキンを適宜追加してもよい。これによりがたつき抑制効果を高めることができる。また、パッキンを追加することにより、例えば上面32U及び34Uに勾配を設けない構成を採用することができる。
【0064】
また、バルコニー20においては、
図6に示すように、床パネル40が、枠状のフレーム42及び面材44を組み合わせて形成されている。このため、フレーム42及び面材44が互いに補剛し合うことで、床パネル40の面剛性を高めることができる。
【0065】
また、バルコニー20においては、フレーム42に、
図7に示す排水管50を接続可能な凹部44Vが形成されている。すなわち、排水管50を接続できる凹部44Vが、床パネル40にユニット化されている。これにより、例えば排水管50を接続するための凹部を、建物の建設現場で部材を加工して形成する必要がない。
【0066】
なお、本実施形態において、凹部44Vは、フレーム42における角部(バルコニー20の長手方向の端部、かつ、バルコニー20の奥行き方向における先端側の角部)に設けられているが、本発明の実施形態はこれに限らない。例えば凹部は、フレーム42において、バルコニー20の奥行き方向における先端側に沿って帯状に形成してもよい。
すなわち、本発明における凹部は、水勾配の水下側に形成すれば、その形状は特に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0067】
12 柱(躯体)
20 バルコニー
24 片持ち梁
26 トラス梁
32 内側受金物
32U 上面(設置面)
34 外側受金物
34U 上面(設置面)
40 床パネル
42 フレーム
42D 凹部
44 面材
44V 切欠き
50 排水管