(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023114888
(43)【公開日】2023-08-18
(54)【発明の名称】腕サポート台付きEMS運動器具
(51)【国際特許分類】
A63B 23/12 20060101AFI20230810BHJP
A61N 1/36 20060101ALI20230810BHJP
【FI】
A63B23/12
A61N1/36
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022017462
(22)【出願日】2022-02-07
(71)【出願人】
【識別番号】522002146
【氏名又は名称】加治 初彦
(74)【代理人】
【識別番号】110002882
【氏名又は名称】弁理士法人白浜国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】加治 初彦
【テーマコード(参考)】
4C053
【Fターム(参考)】
4C053JJ13
4C053JJ24
(57)【要約】
【課題】前腕屈筋群を簡単に鍛える操作性を向上し、握力を強化可能とする腕サポート台付きEMS運動器具を提供する。
【解決手段】腕サポート台が付いたEMS運動器具であって、腕サポート台1は、使用者の前腕をサポートする台であり、USB充電端子15を有する一体型の電気刺激装置であり、左右の前腕屈曲筋を2つの露出型の微小電極(領域エリア)9,10で切り替えて電気刺激する支持構造とした。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
腕サポート台が付いたEMS運動器具であって、前記腕サポート台は、使用者の前腕をサポートする台であり、USB充電端子を有する一体型の電気刺激装置であり、左右の前腕屈曲筋を2つの露出型の微小電極(領域エリア)で切り替えて電気刺激する支持構造とした腕サポート台付きEMS運動器具。
【請求項2】
前記腕サポート台は、使用者の腕の高さを調整可能な高さ調節部を有する請求項1記載の腕サポート台付きEMS運動器具。
【請求項3】
前記露出型の微小電極は、水分で湿らすことにより、粘着性パットを不要とした請求項1又は請求項2記載の腕サポート台付きEMS運動器具。
【請求項4】
前記USB充電端子は、パワーデリバリー対応のタイプCである請求項1から請求項3のいずれか一記載の腕サポート台付きEMS運動器具。
【請求項5】
前記一体型の電気刺激装置を、別体型とした請求項1記載の腕サポート台付きEMS運動器具。
【請求項6】
前記腕サポート台付きEMS運動器具は、所定時間使用すると、自動的に電源オフする請求項1から請求項5のいずれか一記載の腕サポート台付きEMS運動器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、EMS運動器具に関し、特に前腕屈筋群を簡単に鍛えるのに好適な腕サポート台付きEMS運動器具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、主に筋肉や運動神経への電気刺激により筋収縮を起こすことで、筋力増強や筋委縮の予防、痙縮抑制などを目的に行われるEMS運動器具(EMSトレーニング器具)が知られている。
【0003】
EMS運動器具としては、例えば、お腹周りを効率的に鍛えるもの、腹筋を集中的に鍛えるもの、気になる部位(ウエスト・腕・脚)を効率的に鍛えるもの、腕を集中的に鍛えるもの、脚を集中的に鍛えるものなどが市販されている。例えば、SIXPAD(登録商標)など。また、顔面筋を鍛えるものなども市販されている。これらのEMS運動器具は専用の導電性ジェルシートを使用するものが多く、装着に手間がかかり、ある程度の期間使用すると肌粘着性が低下するため、交換しなければならず、消耗品にかかるコストも高かった。
【0004】
例えば、ボルダリングやゴルフなどでは、握力(グリップ力を含む)が重要なスポーツであり、握力を鍛えることにより、スポーツの上達や成績(記録)の向上が図れることが知られている。
【0005】
前腕屈折筋の筋力強化を簡単に行えるEMS運動器具として、市販されているものはほとんどないが、関連する特許文献としては、例えば、特表2008-518689号公報(特許文献1)が挙げられる。
【0006】
一方、実際に運動器具による訓練や練習を行い、握力強化する特許文献としては、特開2003-290388号公報(特許文献2)や(実用新案登録第3153597号公報(特許文献3)が挙げられる。特許文献1は、ハンドグリップ型のトレーニング用器具であり、使用者がハンドグリップを握る動作訓練を繰り返すことにより、握力を強化することができる。また、特許文献3は、グローブ(手袋)の各指部分にゴム紐を内蔵させ、ゴルフのスイング練習において、握力を強化するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特表2008-518689号公報
【特許文献2】特開2003-290388号公報
【特許文献3】実用新案登録第3153597号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記特許文献1は、バンドタイプのEMS運動器具で、手で握る握り器と、その握り器に筋肉電気刺激を与える筋肉刺激装置と、腕部分に使い捨て電極をバンドで巻く構成とし、電気刺激が手、手首および前腕の運動を電気的に増強させることを可能とする。上記特許文献1のEMS運動器具は、使用者に対する設置作業が面倒で簡単に使用者が一人で使用できるものではなかった。
【0009】
上記文献2は、使用者が意図的に訓練しないと効果が上げられない器具であり、継続的に訓練する意思を必要とするものであった。
【0010】
上記文献3は、手軽な握力強化用運動用具であるが、ゴム紐の強さにより訓練効果が変わり、使用時間経過と共に、ゴム紐が伸びて効果がなくなっていくという問題もあった。
【0011】
上述したような課題を解決するため、本発明の目的は、前腕屈筋群を簡単に鍛える操作性を向上し、握力を強化可能とする腕サポート台付きEMS運動器具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するため、本発明の腕サポート台付きEMS運動器具は、以下の構成である。
【0013】
腕サポート台が付いたEMS運動器具であって、前記腕サポート台は、使用者の前腕をサポートする台であり、USB充電端子を有する一体型の電気刺激装置であり、左右の前腕屈曲筋を2つの露出型の微小電極(領域エリア)で切り替えて電気刺激する支持構造とした(請求項1対応)。
【0014】
前記構成に加え、前記腕サポート台は使用者の腕の高さを調整可能な高さ調節部を有する(請求項2対応)。
【0015】
前記構成に加え、前記露出型の微小電極は、水分で湿らすことにより、粘着性パットを不要とした(請求項3対応)。
【0016】
前記USB充電端子は、パワーデリバリー対応のタイプCである(請求項4対応)。
【0017】
前記一体型の電気刺激装置を、別体型とした(請求項5対応)。
【0018】
前記腕サポート台付きEMS運動器具は、所定時間使用すると、自動的に電源オフする(請求項6対応)。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、前腕屈筋群を簡単に鍛える操作性を向上し、握力を強化可能とする腕サポート台付きEMS運動器具を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図面は、本開示に係る本発明の特定の実施の形態を示し、発明の不可欠な構成ばかりでなく、選択的及び好ましい実施の形態を含む。
【
図1】本実施形態の腕サポート台付きEMS運動器具の斜視図。
【
図2】本実施形態の腕サポート台付きEMS運動器具の背面図。
【
図3】本実施形態の腕サポート台付きEMS運動器具の右前腕使用状態説明図。
【
図4】(a)は本実施形態の腕サポート台付きEMS運動器具における腕装着前の状態説明図。(b)は本実施形態の腕サポート台付きEMS運動器具における腕装着後の状態説明図。
【
図5】本実施形態の腕サポート台付きEMS運動器具の左前腕使用状態説明図。
【
図6】本実施形態の腕サポート台付きEMS運動器具の水噴霧図。
【
図7】本実施形態の腕サポート台付きEMS運動器具の機能ブロック図。
【
図8】本実施形態の腕サポート台付きEMS運動器具の腕左右切替え時の説明図。
【
図9】本実施形態の腕サポート台付きEMS運動器具に手指置台を付加した図。
【
図10】本実施形態の腕サポート台付きEMS運動器具の充電動作フロー図。
【
図11】本実施形態の腕サポート台付きEMS運動器具の運動動作フロー図。
【
図12】本実施形態の腕サポート台付きEMS運動器具の高さ調節部の一例を示す図。
【
図13】
図12の腕サポート台付きEMS運動器具の右前腕使用状態説明図。
【
図14】本実施形態の手指置台一体構造の腕サポート台付きEMS運動器具の一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0021】
添付の図面を参照し、本発明に係る腕サポート台付きEMS運動器具の詳細を説明すると、以下のとおりである。また、以下の実施形態は、本発明の欠くことのできない要件を含む他に、選択的に採用することのできる要件及び適宜に組み合わせることのできる要件を含んでいる。
【0022】
<実施形態>
本実施形態は、腕サポート台付きEMS運動器具であって、前記腕サポート台は、使用者の前腕をサポートする台であり、一体型のUSB充電端子付きの電気刺激装置であり、左右の前腕屈曲筋を2つの露出型形微小電極(領域エリア)で切り替えて電気刺激する支持構造としたものである。この構造により、使用者は腕サポート台に前腕を乗せて、EMS運動器具の電源スイッチを入れ、所定時間(例えば、10分間)待っているだけで、前腕屈筋群の筋肉トレーニングが実施できる。前腕屈筋群に電気刺激を与えて手や手首の筋肉を収縮させるので、結果的に握力が鍛えられる。
【0023】
<構成>
本実施形態の腕サポート台付きEMS運動器具は、
図1、
図2、
図3に示すように、腕サポート台1と、腕サポート台支持部材2と、EMS運動器具のベース3と、パルス強度ダイヤル4と、電源スイッチ5と、左前腕切替スイッチ6と、右前腕切替スイッチ7と、充電インジケータ8と、右前腕屈筋用電極9と、左前腕屈筋用電極10と、を有する。この腕サポート台付きEMS運動器具は、使用者16により机・テーブルなどの置台17に設置される。前記EMS運動器具を使用する際、充電式電池(後記
図7参照)に充電しておく。充電は、
図2に示すように、USBケーブル12の一端にあるUSBタイプCコネクタ11を、腕サポート台付きEMS運動器具本体のUSB充電端子(例えば、USBタイプC)15に接続し、USBケーブル12の他端にあるUSBコネクタ13をUSB電源変換アダプタ14に接続し、そのUSB電源変換アダプタ14を図示しない商用電源コンセントに接続して行う。
そして、使用者16が前腕を腕サポート台1に乗せるだけで、前腕屈筋群の全体箇所の筋肉トレーニングができる。
【0024】
<構成の説明>
腕サポート台付きEMS運動器具は、使用者16が
図3に示すような状態で、腕サポート台1に前腕全体を乗せて使用する。実際には、腕サポート台1上には、
図2に示すような右前腕屈曲筋用電極(露出形微小EMS電極)9と、左前腕屈曲筋用電極(露出形微小EMS電極)10とが設けられている。この腕サポート台1を45度又は90度回転させ、右前腕屈曲筋用電極9と左前腕屈曲筋用電極10とを切り替えて、使用者16の左右の前腕屈筋群の筋力(筋肉)トレーニングを行う。使用者16は特に意識的にトレーニングをする必要がなく、テレビを見ながら、音楽を聴きながら、リラックス状態で休憩しながら、筋力トレーニングができる。
【0025】
腕サポート台1は、使用者16の前腕をサポート(支持)する台である。腕サポート台1上には、露出形の微小電極(EMS電極)(9、10)が設けられており、露出形の微小電極にアトマイザーで霧状の水を噴きかけて、導電性を向上させて使用する。水に濡れてもタオルでさっと一拭きすれば、アルコール除菌などが簡単に行える材料であることが望ましい。例えば、レザーや合成樹脂などのカバーが使用できる。また、使用者は所定時間の間、前腕を乗せておくので、疲労軽減対策としてカバー内に薄厚のクッション(弾性体)を入れておくのが望ましい。腕サポート台1自体は、超弾性部材(超弾性材料等が使用される。
【0026】
アルコール除菌を行う理由は、昨今、新型コロナ感染症が拡大されており、老人施設やリハビリテーションセンター、デイサービスセンターなどでの利用を想定した場合は、感染防止対策上重要だからである。家庭内で使用する場合でも、衛生上アルコール除菌を行っても良い。
【0027】
ベース3は、腕サポート台1に乗せた使用者16の前腕を支えるので、倒立状態を安定させる重量を有し、使用者16が腕サポート台1に前腕を乗せた状態で、操作系が見えるように設置面の大きさを確保する。また、ベース3は、上面に操作系の各部材が設けられている。図示しないベース3の裏面から充電式電池(例えば、リチウムイオン電池、ニッケル水素電池等)を収納し、腕サポート台1に設けられた右前腕屈曲筋用電極(露出形微小EMS電極)9、左前腕屈曲筋用電極(露出形微小EMS電極)10に電源供給を行う。
【0028】
パルス強度ダイヤル4は、右前腕屈曲筋用電極(露出形微小EMS電極)9および、左前腕屈曲筋用電極(露出形微小EMS電極)10に供給するパルスの強度を変更するロータリスイッチである。
図1の例では、「弱」・「中」・「強」などの切替モードがあり、パルス強度ダイヤル4を回転させるだけで、簡単に電気刺激強度を変更できるので、機器に不慣れな者が使用したとしても、簡単に操作することができる。
【0029】
電源スイッチ5は、ボタンを押下することにより、電源ON又はOFFすることができる。使用状態を示すLED表示機能を設けても良い。LED表示は、常時点灯又は点滅など、種々の表示形態を採用することができる。電源スイッチ5の状態を示すため、ON・OFFインジケータを備えても良い。ON・OFFインジケータは、電源ON又はOFFの状態を視認できるように、LEDランプなどを備え、ランプ消灯、点灯表示、点滅表示などさせる。例えば、点灯表示で電源ON状態を示し、消灯で電源OFF状態を使用者に知らせる。
【0030】
左前腕切替スイッチ6は、左前腕の前腕屈曲筋の筋肉トレーニングを行うための切替スイッチである。現在、EMS運動器具を使用中か否かを示すため、左前腕切替スイッチ6の上面をLED表示しても良い。または、アップダウンボタン構成とし、使用中のモードでは、ボタンがダウン状態(ボタンがへこんでいる状態)とし、使用してない場合はボタンがアップ状態(ボタンが飛び出している状態)と識別するように構成しても良い。
【0031】
右前腕切替スイッチ7は、右前腕の前腕屈曲筋の筋肉トレーニングを行うための切替スイッチである。右前腕切替スイッチ7の上面のLED表示や、アップダウンボタン構成については、上述した右前腕切替スイッチ6と同様であるので、説明を省略する。
【0032】
充電インジケータ8は、充電式電池(後記
図7参照)に充電中はLEDランプを点滅表示させ、充電完了になったとき、LEDランプを消灯させる。LEDランプの表示形態は、適宜変更して使用しても良い。例えば、充電中は点滅表示させ、充電完了で連続表示にさせたりしても良い。
【0033】
置台17は、腕サポート台付きEMS運動器具を設置する台である。ダイニングテーブルや居間のテーブルなどが利用できる。テーブルの高さは、腕サポート台付きEMS運動器具を設置し、使用者16の前腕を腕サポート台1に乗せたとき、ちょうどフィットする高さが望ましい。例えば、居間などで前腕屈筋群の筋肉トレーニングを行う場合、テレビなどがあれば、テレビを視聴しながら、トレーニングを行うことができる。
【0034】
使用者16は、スポーツの握力強化補助具として使用できるので、男性、女性に限らず、大人や子供、高齢者でも使用できる。ただし、子供の場合はEMS運動器具を適切に操作できる能力がある10歳前後であれば、利用できる。
【0035】
電極9、10は露出形のEMS電極(微小金属電極)であり、電極は露出タイプのものを使用する。導電性ジェルパットを使用すると、消耗品代がかかり、コスト高になるので、本実施形態では、露出タイプの電極を使用している。導電性を向上させるため、電極を水で濡らしたりする。使用者16の前腕を腕サポート台1に乗せてセットするだけで、超弾性材料の作用で、使用者の右前腕または左前腕の前腕屈曲筋の筋力トレーニングが簡単できるので、トレーニングの継続性に寄与することができる。
【0036】
使用者16の前腕の腕サポート台1へのセット方法について説明する。
図4(a)に示すように、使用者は指を開いた状態で、かつ、手18の甲が見える状態で、腕サポート台1aに前腕(右前腕または左前腕:
図4(a)では右前腕の例を示す)を押し込むと、超弾性部材の作用で、一旦腕サポート台1aが開き、
図4(b)に示すように反発力で閉じる。これにより、右前腕または左前腕の前腕屈曲筋と、右前腕屈曲筋用電極(露出形微小EMS電極)9または左前腕屈曲筋用電極(露出形微小EMS電極)10とがぴったり接触することになる。これで、セット完了となる。すなわち、右前腕または左前腕の前腕屈曲筋に電気刺激を与え、筋肉トレーニングが行えるようになる。
【0037】
使用者の前腕の太さは、個人差によってバラツキがあるので、適宜超弾性部材の強度を変える(筋肉トレーニングに支障がない範囲で変更する)ことによって吸収するか、ある程度標準的なサイズの腕サポート台を作製し、S、M、Lなどのサイズを取り揃える等して、対応する。前記電極9、10が前腕屈筋群の全体をワンタッチで切り替えて同時支持構造を実現した。これにより、使用者の筋力トレーニングが簡単できるので、トレーニングの継続性に寄与することができる。
この右前腕屈曲筋用電極(露出形微小EMS電極)9または左前腕屈曲筋用電極(露出形微小EMS電極)10へのパルス供給は、EMS運動器具の支持部材2内にケーブルを通してEMS運動器具のベース3にある充電池と接続し、充電済の充電池から行われる。
【0038】
USB電源変換アダプタ14は、
図2に示すような形状をしており、AC電源の交流電圧を直流電圧、例えば5V電圧などに変換して、充電池への電源供給を行う。USBタイプCコネクタ11は、パワーデリバリー対応のタイプCであり、複数の電圧を使用できる。
【0039】
USBケーブル12の一端には24ピンのUSBタイプCコネクタ11を備えており、他端は通常のUSBコネクタ13を備えている。
【0040】
以下、
図10を用いて本実施形態の腕サポート台付きEMS運動器具の充電動作について説明する。
【0041】
<腕サポート台付きEMS運動器具の充電動作>
まず、
図3、
図4に示すように、腕サポート台付きEMS運動器具本体のUSBタイプCコネクタ充電端子15(
図2参照)にUSBケーブル12の一端のUSBタイプCコネクタ11を接続し、他端のUSBコネクタ13をUSB電源変換アダプタ14に接続し、USB電源変換アダプタ14を図示しない商用電源コンセントに差し込むと(ステップ101)、充電が開始される(ステップ102)。充電中は充電インジケータ8のLEDランプが点滅表示される。充電が完了すると、充電インジケータ8が消灯したり、常時点灯させることにより、充電完了を使用者に知らせて確認する(ステップ103)。これにより、充電が完了し、EMS運動器具が使用できるようになる。
【0042】
以下、
図11を用いて本実施形態の腕サポート台付きEMS運動器具の運動(トレーニング)動作について説明する。
【0043】
<腕サポート台付きEMS運動器具の運動動作>
まず、
図11に示すように、腕サポート台付きEMS運動器具の事前準備を行う(ステップ111)。予め、充電されたEMS運動器具を用意しておくものとする。
図6に示すように、使用者16が水を入れたアトマイザー19を手18に持ち、水20を噴霧して電極9、10を湿らせる。
【0044】
図3又は
図5に示すように、使用者16が腕サポート台1に右前腕または左前腕を上述したようなセット方法でセットして乗せる(ステップ112)。右前腕または左前腕をセットした腕と反対の腕(図示省略)を伸ばして電源スイッチ5をオンすると、電源オンとなる(ステップ113)。パルス強度ダイヤル4を回してEMSモード設定を行う(ステップ114)。例えば、
図3の例では、「中」ダイヤルとなっている。すなわち、電気刺激が中程度のモードとなっている。所定時間(例えば、10分間)動作し(ステップ115)、筋力強化運動(トレーニング)を行い、右前腕または左前腕の前腕屈曲筋群が鍛えられる。所定時間経過すると、自動電源オフとなる(ステップ116)。右前腕と左前腕の筋肉トレーニングは、
図8に示すように、腕サポート台1を45度または90度回転させて行う。これにより、右前腕の前腕屈曲筋群と左前腕の前腕屈曲筋群の筋力トレーニングを切り替えて行える。
【0045】
図9は、本実施形態の他の例を示す腕サポート台付きEMS運動器具に着脱自在の手置台31と手置台31を固定する固定具32(例えば、ネジ等)である。腕サポート台1に手置台を装着することにより、前腕装着の安定性を向上させることができる。
【0046】
図12は、本実施形態の他の例を示す腕サポート台付きEMS運動器具の側面図である。
図13に腕サポート台付きEMS運動器具に左前腕筋を装着した状態を示す。
図14に手置台を着脱自在ではなく、固定式に設置した例を示す。
【0047】
図12、
図13、
図14の例では、腕サポート台付きEMS運動器具の腕サポート台1に高さ調節部33を設けた以外は、上述した実施形態と同様であるので、説明を省略する。腕サポート台1の高さ調節部33を設けて、腕サポート台1の高さを調節(例えば、最大10cm程度)できるので、座高の高さに合わせて腕を乗せる腕サポート台の高さを適切に調節できる。調節できる高さは、腕サポート台付きEMS運動器具を置く置台の高さと使用者の前腕の位置との相対的なものであり、置台の高さによっては、数cm程度の高さを調節できるものでも良い。これにより、1つのEMS運動器具で大人から子供まで前腕屈筋群の筋力トレーニングが簡単にできる。このEMS運動器具は、ボルダリングやゴルフのスポーツに重要な役割を果たす握力を簡単に鍛えることができる。
【0048】
図7は、本実施形態の腕サポート台付きEMS運動器具の機能ブロック図である。
【0049】
図7に示すように、腕サポート台付きEMS運動器具は、操作部21と、制御部22と、通知部23と、電源部24と、パルス発生部25と、電極パット部と、充電端子26と、充電式電池27と、充電制御部28と、ACアダプタ29とを有する。これらの機能は、公知の手段と同様なものを使用できる。
【0050】
このように、本実施形態によれば、前腕屈筋群を簡単に鍛える操作性を向上し、握力を強化可能とする腕サポート台付きEMS運動器具を実現することができる。
【符号の説明】
【0051】
1、1a 腕サポート台
2 支持部材
3 ベース
4 パルス強度ダイヤル
5 電源スイッチ
6 左前腕切替スイッチ
7 右前腕切替スイッチ
8 充電インジケータ
9 右前腕屈筋用電極
10 左前腕屈筋用電極
11 USBタイプCコネクタ
12 USBケーブル
13 USBコネクタ
14 USB電源変換アダプタ
15 USB充電端子
16 使用者
17 置台