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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023114889
(43)【公開日】2023-08-18
(54)【発明の名称】定量噴射型エアゾール製品
(51)【国際特許分類】
   B65D 83/52 20060101AFI20230810BHJP
   B05B 9/04 20060101ALI20230810BHJP
【FI】
B65D83/52
B05B9/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022017463
(22)【出願日】2022-02-07
(71)【出願人】
【識別番号】000207584
【氏名又は名称】大日本除蟲菊株式会社
(72)【発明者】
【氏名】原田 悠耶
(72)【発明者】
【氏名】小林 洋子
(72)【発明者】
【氏名】中山 幸治
【テーマコード(参考)】
3E014
4F033
【Fターム(参考)】
3E014PA01
3E014PB01
3E014PB02
3E014PB08
3E014PD02
3E014PE01
3E014PF10
4F033RA02
4F033RB08
4F033RC01
4F033RC03
(57)【要約】
【課題】噴射量の減少を抑制することができ、一定量のエアゾール組成物が安定して噴射される定量噴射型エアゾール製品を提供すること。
【解決手段】エアゾール組成物と、そのエアゾール組成物が封入されるエアゾール容器とからなり、前記エアゾール容器が定量噴射バルブを備えた定量噴射型エアゾール製品であって、前記エアゾール組成物がエアゾール原液、及び噴射剤を含み、前記エアゾール原液の20℃における粘度は、1.0~50.0cPに調整されており、前記噴射剤は、液化ガスを含み、前記エアゾール原液(L)と前記噴射剤(G)の容量比率は、L/G≦60/40に調整されている、定量噴射型エアゾール製品。
【選択図】なし

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアゾール組成物と、そのエアゾール組成物が封入されるエアゾール容器とからなり、
前記エアゾール容器が定量噴射バルブを備えた定量噴射型エアゾール製品であって、
前記エアゾール組成物がエアゾール原液、及び噴射剤を含み、
前記エアゾール原液の20℃における粘度は、1.0~50.0cPに調整されており、
前記噴射剤は、液化ガスを含み、
前記エアゾール原液(L)と前記噴射剤(G)の容量比率は、L/G≦60/40に調整されている、定量噴射型エアゾール製品。
【請求項2】
前記噴射剤は、液化ガスからなる、請求項1に記載の定量噴射型エアゾール製品。
【請求項3】
前記液化ガスの20℃における蒸気圧は、0.10~0.60MPaである、請求項1又は2に記載の定量噴射型エアゾール製品。
【請求項4】
前記定量噴射バルブの1回当たりの規定噴射容量は、0.08~3.0mLに設定されている、請求項1~3のいずれか1項に記載の定量噴射型エアゾール製品。


















【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、定量噴射型エアゾール製品に関する。
【0002】
近年、エアゾール製品は各種用途に使用されており、その用途に応じて様々なエアゾール製品が開発されている。1プッシュで所定量の内容物を噴射する定量噴射型のエアゾール製品もその1つであり、このようなエアゾール製品は、例えば、芳香剤、殺虫剤等で広く使用されている(特許文献1、2参照)。
【0003】
本出願人らは、このような定量噴射型エアゾール製品であって、定量噴射機能を有するエアゾールバルブを備えたものは、製品を開封した後や長時間使用しなかった後の1回目の噴射における噴射量が所定量より小さくなることがあることを認識し、いつ操作しても1回目の噴射における噴射量が一定である定量噴射エアゾール製品に関する特許出願を行っている(特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005-272012号公報
【特許文献2】特開2001-335083号公報
【特許文献3】特許5537978号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明者らは、定量噴射型エアゾール製品の定量噴射機能に関して検討をさらに行った。その過程で、定量噴射機能を有する定量噴射バルブを備えた場合であっても、噴射量が所定量より少なくなることがあるという課題があることが分かった。これは製品を開封した後や長時間使用しなかった後の1回目の噴射であるか否かに関わらず見られるものである。本発明は、このような課題を解決するためのものであり、噴射量の減少を抑制することができ、一定量のエアゾール組成物が安定して噴射される定量噴射型エアゾール製品を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、鋭意検討を行った結果、エアゾール原液の粘度を特定の範囲に調整し、エアゾール原液(L)と噴射剤(G)の容量比率を特定の範囲に調整することで前記課題を解決できることを見出した。
すなわち、本発明は以下に関する。
(1)エアゾール組成物と、そのエアゾール組成物が封入されるエアゾール容器とからなり、
前記エアゾール容器が定量噴射バルブを備えた定量噴射型エアゾール製品であって、
前記エアゾール組成物がエアゾール原液、及び噴射剤を含み、
前記エアゾール原液の20℃における粘度は、1.0~50.0cPに調整されており、
前記噴射剤は、液化ガスを含み、
前記エアゾール原液(L)と前記噴射剤(G)の容量比率は、L/G≦60/40に調整されている、定量噴射型エアゾール製品。
(2)前記噴射剤は液化ガスからなる、(1)に記載の定量噴射型エアゾール製品。
(3)前記液化ガスの20℃における蒸気圧は、0.10~0.60MPaである、(1)又は(2)に記載の定量噴射型エアゾール製品。
(4)前記定量噴射バルブの1回当たりの規定噴射容量は、0.08~3.0mLに設定されている、(1)~(3)のいずれか1に記載の定量噴射型エアゾール製品。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、噴射量の減少を抑制することができ、一定量のエアゾール組成物が安定して噴射される定量噴射型エアゾール製品を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の定量噴射型エアゾール製品について説明する。ただし、本発明は、以下に説明する実施形態に記載される構成に限定されることを意図しない。また、本明細書において、含有量の単位「w/v%」は、「g/100ml」と同義である。なお、本明細書における範囲を示す表記「~」がある場合は、上限と下限を含有するものとする。
【0009】
<定量噴射エアゾール製品>
本発明の一実施形態である定量噴射型エアゾール製品は、エアゾール組成物と、そのエアゾール組成物が封入されるエアゾール容器とからなり、前記エアゾール容器が定量噴射バルブを備え、前記エアゾール組成物がエアゾール原液、及び噴射剤を含み、前記エアゾール原液の20℃における粘度は、1.0~50.0cPに調整されており、前記噴射剤は、液化ガスを含み、前記エアゾール原液(L)と前記噴射剤(G)の容量比率は、L/G≦60/40に調整されているものである。以下、各構成について詳細に説明する。
【0010】
(エアゾール組成物)
本発明のエアゾール組成物は、エアゾール原液、及び噴射剤を含む。
本発明のエアゾール原液は、有効成分を溶剤に溶解したもの、溶剤そのもの、あるいは有効成分そのものであり、大気中に噴射されると微細な霧状になるものである。また、用途や目的に応じて界面活性剤等のその他成分が適宜配合される。
【0011】
前記エアゾール原液の有効成分としては、例えば、殺虫成分、害虫忌避成分、ダニ防除成分、カビ防除成分、細菌防除成分、ウイルス防除成分、花粉防除成分、ハウスダスト防除成分、芳香消臭成分、安定剤、香料、賦形剤等が挙げられる。
前記の有効成分は、単独又は複数種類を混合して使用することができる。例えば、殺虫成分を複数種類混合して使用することもできるし、殺虫成分とカビ防除成分を複数種類混合して使用することもできる。なお、有効成分において、不斉炭素に基づく光学異性体や二重結合に基づく幾何異性体が存在する場合、それらの各々や任意の混合物も本発明に包含される。
【0012】
前記殺虫成分としては、特に限定されないが、トランスフルトリン、メトフルトリン、プロフルトリン、テラレスリン、フラメトリン、エンペントリン、モンフルオロトリン、ジメフルトリン、メパフルトリン、ヘプタフルトリン、フェノトリン、シフェノトリン、ペルメトリン、シペルメトリン、シフルトリン、ビフェントリン、フェンプロパトリン、デルタメトリン、トラロメトリン、エトフェンプロックス、イミプロトリン、アレスリン、フタルスリン、プラレトリン、レスメトリン、ピレトリンI、ピレトリンII、シネリンI、シネリンII、ジャスモリンI、ジャスモリンII、及び天然ピレトリン類(ピレトリンI、ピレトリンII、シネリンI、シネリンII、ジャスモリンI、ジャスモリンIIの混合物)等のピレスロイド系化合物、シラフルオフェン等のケイ素系化合物、ジクロルボス、及びフェニトロチオン等の有機リン系化合物、プロポクスル等のカーバメート系化合物、ジノテフラン、イミダクロプリド、及びクロチアニジン等のネオニコチノイド系化合物、フィプロニル、インドキサカルブ、ブロフラニリド並びにメトキサジアゾン等が挙げられる。このうち、殺虫効力と安全性の点からピレスロイド系化合物が好ましい。これらは1種類の成分であっても、2種類以上の成分の混合物であっても構わない。
【0013】
前記害虫忌避成分としては、特に限定されないが、ディート、ブチルアセチルアミノプロピオン酸エチル(IR3535)、p-メンタン-3,8-ジオール(PMD)及びイカリジン等が挙げられる。これらは1種類の成分であっても、2種類以上の成分の混合物であっても構わない。
【0014】
前記ダニ防除成分としては、特に限定されないが、アミドフルメト、安息香酸ベンジル、サリチル酸フェニル、サリチル酸ベンジル、セバシン酸ジブチル、セバシン酸ジプロピル、アジピン酸ジブチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジプロピル、フタル酸ジブチル、p-メンタン-3,8-ジオール(PMD)、3-ヨード-2-プロピニルブチルカーバメート(IPBC)、フェノトリン、イカリジン、ブチルアセチルアミノプロピオン酸エチル(IR3535)及びディート等が挙げられる。これらは1種類の成分であっても、2種類以上の成分の混合物であっても構わない。
【0015】
前記カビ防除成分としては、特に限定されないが、イソプロピルメチルフェノール(IPMP)、カルバクロール、チモール、トリクロサン、メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、ブチルパラベン、4-クロロ-3,5-ジメチルフェノール、オルトフェニルフェノール、о-クレゾール、m-クレゾール、及びp-クレゾール等のフェノール系カビ防除成分、ベンザルコニウムクロライド、ベンザルコニウムメトサルフェート、ベンザルコニウム有機酸塩等のベンザルコニウム塩、ベンゼトニウムクロライド、ベンゼトニウムメトサルフェート、ベンゼトニウム有機酸塩等のベンゼトニウム塩、セチルピリジニウムクロライド、セチルピリジニウムメトサルフェート、セチルピリジニウム有機酸塩等のセチルピリジニウム塩、ジデシルジメチルアンモニウムクロライド、デシルジメチルアンモニウムメトサルフェート等のジデシルジメチルアンモニウム塩、ジラウリルジメチルアンモニウムクロライド、ジラウリルジメチルアンモニウムメトサルフェート等のジラウリルジメチルアンモニウム塩、ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド、ジステアリルジメチルアンモニウムメトサルフェート等のジステアリルジメチルアンモニウム塩、及び1,4-ビス[3,3´-(1-デシルピリジニウム)メチルオキシ]ブタンジブロマイド、1,4-ビス[3,3´-(1-デシルピリジニウム)メチルオキシ]ブタンジクロライド、1,4-ビス[3,3´-(1-デシルピリジニウム)メチルオキシ]ブタンジメトサルフェート等の1,4-ビス[3,3´-(1-デシルピリジニウム)メチルオキシ]ブタン塩等のカチオン界面活性剤系カビ防除成分、ビグワナイド系カビ防除成分、テブコナゾール、エニルコナゾール等のアゾール系カビ防除成分、グレープフルーツ種子抽出物、カキ種子抽出物、ブドウ種子抽出物等の果物種子抽出物系カビ防除成分、モノラウリン、モノカプリン、モノカプリリン等のグリセリンモノ脂肪酸エステル系カビ防除成分、クロルヘキシジングルコン酸塩、クロルヘキシジン塩酸塩等のクロルヘキシジン塩やクロルヘキシジン等のクロルヘキシジン系カビ防除成分、オクタデシルジメチル(3-トリエトキシシリルプロピル)アンモニウムクロライド、ドデシルジメチル(3-トリエトキシシリルプロピル)アンモニウムクロライド、ドデシルジイソプロピル(3-トリエトキシシリルプロピル)アンモニウムクロライド、テトラデシルジメチル(3-トリエトキシシリルプロピル)アンモニウムクロライド、テトラデシルジエチル(3-トリエトキシシリルプロピル)アンモニウムクロライド、テトラデシルジ-n-プロピル(3-トリエトキシシリルプロピル)アンモニウムクロライド、ペンタデシルジメチル(3-トリエトキシシリルプロピル)アンモニウムクロライド、ペンタデシルジエチル(3-トリエトキシシリルプロピル)アンモニウムクロライド、ペンタデシルジ-n-プロピル(3-トリエトキシシリルプロピル)アンモニウムクロライド、ヘキサデシルジメチル(3-トリエトキシシリルプロピル)アンモニウムクロライド、ヘキサデシルジエチル(3-トリエトキシシリルプロピル)アンモニウムクロライド、ヘキサデシルジ-n-プロピル(3-トリエトキシシリルプロピル)アンモニウムクロライド、オクタデシルジエチル(3-トリエトキシシリルプロピル)アンモニウムクロライド、オクタデシルジ-n-プロピル(3-トリエトキシシリルプロピル)アンモニウムクロライド等のケイ素系カビ防除成分、安息香酸、サリチル酸、ソルビン酸、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、グリシン、アルキルジエチルアミノグリシン、ポリリジン等のカルボン酸系カビ防除成分又はそれらの塩、その他、デヒドロ酢酸、クロラミン、3-ヨード-2-プロピル-N-ブチルカルバメート(IPBC)、フェノキシエタノール、銀ゼオライト等銀系カビ防除成分、ジンクピリチオン、チアミンラウリル硫酸塩、白子たんぱく質、ヒドロキシアルキルキトサン又はその塩、防カビ香料等が挙げられ、イソプロピルメチルフェノール(IPMP)、カルバクロール、チモール、ベンザルコニウムクロライド、1,4-ビス[3,3´-(1-デシルピリジニウム)メチルオキシ]ブタンジブロマイド、モノカプリン、モノカプリリン、テブコナゾールが好ましい。これらは1種類の成分であっても、2種類以上の成分の混合物であっても構わない。
【0016】
前記細菌防除成分としては、特に限定されないが、イソプロピルメチルフェノール(IPMP)、カルバクロール、チモール、トリクロサン、メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、ブチルパラベン、4-クロロ-3,5-ジメチルフェノール、オルトフェニルフェノール、о-クレゾール、m-クレゾール、及びp-クレゾール等のフェノール系細菌防除成分、ベンザルコニウムクロライド、ベンザルコニウムメトサルフェート、ベンザルコニウム有機酸塩等のベンザルコニウム塩、ベンゼトニウムクロライド、ベンゼトニウムメトサルフェート、ベンゼトニウム有機酸塩等のベンゼトニウム塩、セチルピリジニウムクロライド、セチルピリジニウムメトサルフェート、セチルピリジニウム有機酸塩等のセチルピリジニウム塩、ジデシルジメチルアンモニウムクロライド、デシルジメチルアンモニウムメトサルフェート等のジデシルジメチルアンモニウム塩、ジラウリルジメチルアンモニウムクロライド、ジラウリルジメチルアンモニウムメトサルフェート等のジラウリルジメチルアンモニウム塩、ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド、ジステアリルジメチルアンモニウムメトサルフェート等のジステアリルジメチルアンモニウム塩、及び1,4-ビス[3,3´-(1-デシルピリジニウム)メチルオキシ]ブタンジブロマイド、1,4-ビス[3,3´-(1-デシルピリジニウム)メチルオキシ]ブタンジクロライド、1,4-ビス[3,3´-(1-デシルピリジニウム)メチルオキシ]ブタンジメトサルフェート等の1,4-ビス[3,3´-(1-デシルピリジニウム)メチルオキシ]ブタン塩等のカチオン界面活性剤系細菌防除成分、ビグワナイド系細菌防除成分、テブコナゾール、エニルコナゾール等のアゾール系細菌防除成分、グレープフルーツ種子抽出物、カキ種子抽出物、ブドウ種子抽出物等の果物種子抽出物系細菌防除成分、モノラウリン、モノカプリン、モノカプリリン等のグリセリンモノ脂肪酸エステル系細菌防除成分、クロルヘキシジングルコン酸塩、クロルヘキシジン塩酸塩等のクロルヘキシジン塩やクロルヘキシジン等のクロルヘキシジン系細菌防除成分、オクタデシルジメチル(3-トリエトキシシリルプロピル)アンモニウムクロライド、ドデシルジメチル(3-トリエトキシシリルプロピル)アンモニウムクロライド、ドデシルジイソプロピル(3-トリエトキシシリルプロピル)アンモニウムクロライド、テトラデシルジメチル(3-トリエトキシシリルプロピル)アンモニウムクロライド、テトラデシルジエチル(3-トリエトキシシリルプロピル)アンモニウムクロライド、テトラデシルジ-n-プロピル(3-トリエトキシシリルプロピル)アンモニウムクロライド、ペンタデシルジメチル(3-トリエトキシシリルプロピル)アンモニウムクロライド、ペンタデシルジエチル(3-トリエトキシシリルプロピル)アンモニウムクロライド、ペンタデシルジ-n-プロピル(3-トリエトキシシリルプロピル)アンモニウムクロライド、ヘキサデシルジメチル(3-トリエトキシシリルプロピル)アンモニウムクロライド、ヘキサデシルジエチル(3-トリエトキシシリルプロピル)アンモニウムクロライド、ヘキサデシルジ-n-プロピル(3-トリエトキシシリルプロピル)アンモニウムクロライド、オクタデシルジエチル(3-トリエトキシシリルプロピル)アンモニウムクロライド、オクタデシルジ-n-プロピル(3-トリエトキシシリルプロピル)アンモニウムクロライド等のケイ素系細菌防除成分、安息香酸、サリチル酸、ソルビン酸、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、グリシン、アルキルジエチルアミノグリシン、ポリリジン等のカルボン酸系細菌防除成分またはそれらの塩、デヒドロ酢酸、クロラミン、3-ヨード-2-プロピル-N-ブチルカルバメート(IPBC)、フェノキシエタノール、銀ゼオライト等銀系細菌防除成分、ジンクピリチオン、チアミンラウリル硫酸塩、白子たんぱく質、ヒドロキシアルキルキトサン又はその塩等が挙げられ、イソプロピルメチルフェノール(IPMP)、カルバクロール、チモール、ベンザルコニウムクロライド、1,4-ビス[3,3´-(1-デシルピリジニウム)メチルオキシ]ブタンジブロマイド、モノカプリン、モノカプリリン、テブコナゾールが好ましい。これらは1種類の成分であっても、2種類以上の成分の混合物であっても構わない。
【0017】
前記ウイルス防除成分としては、特に限定されないが、イソプロピルメチルフェノール(IPMP)、カルバクロール、チモール、トリクロサン、メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、ブチルパラベン、4-クロロ-3,5-ジメチルフェノール、オルトフェニルフェノール、о-クレゾール、m-クレゾール、及びp-クレゾール等のフェノール系ウイルス防除成分、ベンザルコニウムクロライド、ベンザルコニウムメトサルフェート、ベンザルコニウム有機酸塩等のベンザルコニウム塩、ベンゼトニウムクロライド、ベンゼトニウムメトサルフェート、ベンゼトニウム有機酸塩等のベンゼトニウム塩、セチルピリジニウムクロライド、セチルピリジニウムメトサルフェート、セチルピリジニウム有機酸塩等のセチルピリジニウム塩、ジデシルジメチルアンモニウムクロライド、デシルジメチルアンモニウムメトサルフェート等のジデシルジメチルアンモニウム塩、ジラウリルジメチルアンモニウムクロライド、ジラウリルジメチルアンモニウムメトサルフェート等のジラウリルジメチルアンモニウム塩、ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド、ジステアリルジメチルアンモニウムメトサルフェート等のジステアリルジメチルアンモニウム塩、及び1,4-ビス[3,3´-(1-デシルピリジニウム)メチルオキシ]ブタンジブロマイド、1,4-ビス[3,3´-(1-デシルピリジニウム)メチルオキシ]ブタンジクロライド、1,4-ビス[3,3´-(1-デシルピリジニウム)メチルオキシ]ブタンジメトサルフェート等の1,4-ビス[3,3´-(1-デシルピリジニウム)メチルオキシ]ブタン塩等のカチオン界面活性剤系ウイルス防除成分、ビグワナイド系ウイルス防除成分、テブコナゾール、エニルコナゾール等のアゾール系細菌防除成分、グレープフルーツ種子抽出物、カキ種子抽出物、ブドウ種子抽出物等の果物種子抽出物系ウイルス防除成分、モノラウリン、モノカプリン、モノカプリリン等のグリセリンモノ脂肪酸エステル系ウイルス防除成分、クロルヘキシジングルコン酸塩、クロルヘキシジン塩酸塩等のクロルヘキシジン塩やクロルヘキシジン等のクロルヘキシジン系ウイルス防除成分、オクタデシルジメチル(3-トリエトキシシリルプロピル)アンモニウムクロライド、ドデシルジメチル(3-トリエトキシシリルプロピル)アンモニウムクロライド、ドデシルジイソプロピル(3-トリエトキシシリルプロピル)アンモニウムクロライド、テトラデシルジメチル(3-トリエトキシシリルプロピル)アンモニウムクロライド、テトラデシルジエチル(3-トリエトキシシリルプロピル)アンモニウムクロライド、テトラデシルジ-n-プロピル(3-トリエトキシシリルプロピル)アンモニウムクロライド、ペンタデシルジメチル(3-トリエトキシシリルプロピル)アンモニウムクロライド、ペンタデシルジエチル(3-トリエトキシシリルプロピル)アンモニウムクロライド、ペンタデシルジ-n-プロピル(3-トリエトキシシリルプロピル)アンモニウムクロライド、ヘキサデシルジメチル(3-トリエトキシシリルプロピル)アンモニウムクロライド、ヘキサデシルジエチル(3-トリエトキシシリルプロピル)アンモニウムクロライド、ヘキサデシルジ-n-プロピル(3-トリエトキシシリルプロピル)アンモニウムクロライド、オクタデシルジエチル(3-トリエトキシシリルプロピル)アンモニウムクロライド、オクタデシルジ-n-プロピル(3-トリエトキシシリルプロピル)アンモニウムクロライド等のケイ素系ウイルス防除成分、安息香酸、サリチル酸、ソルビン酸、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、グリシン、アルキルジエチルアミノグリシン、ポリリジン等のカルボン酸系ウイルス防除成分又はそれらの塩、その他、デヒドロ酢酸、クロラミン、3-ヨード-2-プロピル-N-ブチルカルバメート(IPBC)、フェノキシエタノール、銀ゼオライト等銀系ウイルス防除成分、ジンクピリチオン、チアミンラウリル硫酸塩、白子たんぱく質、ヒドロキシアルキルキトサン又はその塩等が挙げられ、イソプロピルメチルフェノール(IPMP)、カルバクロール、チモール、ベンザルコニウムクロライド、1,4-ビス[3,3´-(1-デシルピリジニウム)メチルオキシ]ブタンジブロマイド、モノカプリン、モノカプリリン、テブコナゾールが好ましい。これらは1種類の成分であっても、2種類以上の成分の混合物であっても構わない。
【0018】
前記花粉防除成分やハウスダスト防除成分としては、特に限定されないが、ポリ2-(メタ)アクリロイロキシアルキルホスホリルコリン、2-(メタ)アクリロイロキシアルキルホスホリルコリン-(メタ)アクリル酸共重合体、2-(メタ)アクリロイロキシアルキルホスホリルコリン-(メタ)アクリル酸-(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体、2-(メタ)アクリロイロキシアルキルホスホリルコリン-(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体、2-(メタ)アクリロイロキシアルキルホスホリルコリン-1-(メタ)アクリロイロキシ2-ヒドロキシアルキル3-トリアルキルアンモニウム共重合体、N-(メタ)アクリロイロキシアルキルN,N-ジアルキルアンモニウム-α-N-(アルキル)カルボキシベタイン(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体、N-ホスホリルコリン-N’-アルキレンジオキシ-ビス-アルキルアクリルアミド-N-イソアルキルアクリルアミド共重合体、ポリN,N-ジ(アルキル)アンモニウム-α-N-アルキルスルホベタイン(メタ)アクリル酸、ヒドロキシアルキルキトサン又はその塩、酸化チタン等が挙げられる。これらは1種類の成分であっても、2種類以上の成分の混合物であっても構わない。
【0019】
前記芳香消臭成分としては、特に限定されないが、オレンジ油、レモン油、ラベンダー油、ペパーミント油、ユーカリ油、シトロネラ油、ライム油、ユズ油、ジャスミン油、檜油、緑茶精油、リモネン、α-ピネン、リナロール、ゲラニオール、フェニルエチルアルコール、アミルシンナミックアルデヒド、クミンアルデヒド、ベンジルアセテート、「緑の香り」と呼ばれる青葉アルコールや青葉アルデヒド等が挙げられる。これらは1種類の成分であっても、2種類以上の成分の混合物であっても構わない。
【0020】
前記エアゾール原液の溶剤としては、特に限定されないが、例えば、エタノール、及びイソプロパノール(IPA)等の炭素数が2~3の低級アルコール、ノルマルパラフィン(例えば、ネオチオゾール等)、及びイソパラフィン等の炭化水素系溶剤、ミリスチン酸イソプロピル(IPM)等の炭素数が16~20の高級脂肪酸エステル、炭素数3~10のグリコールエーテル系溶剤、ケトン系溶剤、並びに水等が挙げられる。これらは1種類の成分であっても、2種類以上の成分の混合物であっても構わない。
【0021】
本発明において、エアゾール原液が有効成分と溶剤を含有する場合、エアゾール原液中の有効成分の含有量は、特に限定されないが、0.1~80w/v%であることが好ましく、0.5~75w/v%であることがより好ましい。
【0022】
エアゾール原液には、上記成分に加え、界面活性剤、安定化剤、帯電防止剤、消泡剤、共力剤、及び賦形剤等のその他成分を適宜配合することもできる。
【0023】
前記界面活性剤としては、特に限定されないが、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル類、及びポリオキシエチレンアルキルアミノエーテル類等のエーテル類、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類、及びポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル類等の脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンスチレン化フェノール、並びに脂肪酸のポリアルカロールアミド等のノニオン界面活性剤等が挙げられる。なお、本発明において、有効成分として記載されている化合物は、界面活性剤として扱わないものとする。
【0024】
前記エアゾール原液の20℃における粘度は、1.0~50.0cPに調整されており、1.1~30.0cPに調整されていることが好ましく、1.2~20.0cPに調整されていることがより好ましく、1.5~15.0cPに調整されていることがさらに好ましい。エアゾール原液の20℃における粘度が前記範囲にあることにより、噴射量の減少を抑制することができ、一定量のエアゾール組成物が安定して噴射されるものとなる。エアゾール原液の粘度は、粘度計により測定することができる。本実施形態では、ビーカーに入れたエアゾール原液を恒温水槽(IWAKI製)で20℃に調整し、B型粘度計(東京計器株式会社製、ローターNo.1)を使用し、各温度における粘度(測定条件:60rpm、30秒)を測定した。
【0025】
本発明の噴射剤は、液化ガスを含むものであり、中でも液化ガスからなることが好ましい。
このような液化ガスとしては、特に限定されないが、プロパンやブタン等の液化石油ガス(LPG)、ノルマルペンタン、イソペンタン、ジメチルエーテル(DME)、及びHFO1234ze等のハイドロフルオロオレフィン等が挙げられ、液化石油ガス(LPG)、ジメチルエーテル(DME)、ハイドロフルオロオレフィンからなる群より選択される1種又は2種以上からなることが好ましく、液化石油ガス(LPG)からなることがより好ましい。化ガスの20℃における飽和蒸気圧は0.10~0.60MPaであることが好ましく、0.10~0.55MPaであることがより好ましく、0.15~0.50MPaであることがさらに好ましい。これらは1種類の成分であっても2種類以上の成分の混合物であっても構わない。
【0026】
本発明の噴射剤は、圧縮ガスを含んでもよい。圧縮ガスとしては、特に限定されないが、窒素ガス、酸素ガス、炭酸ガス、亜酸化窒素、圧縮空気等が挙げられる。これらは1種類の成分であっても2種類以上の成分の混合物であっても構わない。
【0027】
本発明のエアゾール組成物において、エアゾール原液(L)と噴射剤(G)の容量比率は、L/G≦60/40に調整されており、1/99≦L/G≦50/50に調整されていることが好ましく、5/95≦L/G≦40/60に調整されていることがより好ましい。エアゾール原液(L)と噴射剤(G)の容量比率が前記範囲にあることにより、噴射量の減少を抑制することができ、一定量のエアゾール組成物が安定して噴射されるものとなる。
【0028】
(エアゾール容器)
本発明のエアゾール容器は、エアゾール組成物が封入される耐圧容器であり、定量噴射バルブを備えている。エアゾール容器は、エアゾール原液及び噴射剤を含有するエアゾール組成物が充填され、定量噴射バルブによりその開口を閉止される。なお、通常は、(1)エアゾール容器にエアゾール原液(L)をまず充填し、続いて噴射剤(G)を充填し、定量噴射バルブにより開口を閉止する、もしくは、(2)エアゾール容器にエアゾール原液(L)をまず充填し、定量噴射バルブにより開口を閉止し、続いて噴射剤(G)を充填する。
【0029】
エアゾール容器は、有底円筒形状又は有底略円筒形状をなし、ポリエチレンテレフタレート等の樹脂又はアルミニウムやブリキ等の金属等により形成されている。貯留部は透明、半透明、非透明のいずれでも構わない。定量噴射バルブの一回当たりの規定噴射容量は、0.08~3.0mLに設定され、0.1~2.0mLが好ましく、0.2~1.0mLがより好ましい。
【0030】
エアゾール容器の容積は、特に限定されないが、20~500mLが好ましく、20~250mLがより好ましい。
【0031】
(噴射部材)
定量噴射型エアゾール製品は、定量噴射バルブに取り付けられた噴射部材を有しており、係る噴射部材の噴射口は、噴射口径が0.2~3.0mmであることが好ましく、0.2~2.0mmであることがより好ましく、0.2~1.2mmであることがさらに好ましい。噴射口の形状(断面形状)は特に限定されないが、円形、四角形等の多角形、楕円形等が挙げられ、円形であることが好ましい。ここで、噴射口径は、噴射口の形状が楕円形である場合は楕円形の長径を意味し、噴射口の形状が多角形状である場合は多角形の外接円の直径を意味する。また、噴射口は1個であってもよく、2個以上であってもよい。
【0032】
本発明の定量噴射型エアゾール製品の噴射口は、水平面に対する噴射口の仰角が、0~60°に設定されていることが好ましい。なお、噴射口を2個有するノズル又はアクチュエータの水平面に対する噴射口の仰角については、各噴射口の中心を結んだ線分の垂直二等分線の水平面に対する仰角とする。噴射口を3個以上有するノズル又はアクチュエータについては、水平面に対する噴射口の仰角を以下のように定める。ノズル又はアクチュエータの噴射部の中央に噴射口が存在するものについては、その中央の噴射口の中心を通る直交線の水平面に対する仰角とする。ノズル又はアクチュエータの噴射部の中央に噴射口が存在しないものについては、各噴射口の中心を結ぶ多角形の外接円の中心を通る直交線の水平面に対する仰角とする。
【0033】
本発明の定量噴射型エアゾール製品のノズルについて、特に限定されないが、斜め上方向きのノズルを備えていることが好ましい。また、本発明の定量噴射型エアゾール製品の操作ボタンについても、特に限定されないが、プッシュダウンタイプのボタンやトリガータイプのボタンであってもよい。
【0034】
本発明の定量噴射型エアゾール製品は、20℃におけるエアゾール容器の内圧は特に限定されないが、液化ガスの20℃における飽和蒸気圧よりも高いように設定される(例えば、液化ガスの20℃における飽和蒸気圧よりも0.3MPa以下高いように設定されることが好ましく、0.05MPa以下高いように設定されることがより好ましく、0.04MPa以下高いように設定されることがさらに好ましく)、又は液化ガスの20℃における飽和蒸気圧以下であるように設定されることが好ましく、液化ガスの20℃における飽和蒸気圧以下であるように設定されることがより好ましい。具体的には、20℃におけるエアゾール容器の内圧は20℃において0.60MPa以下に設定されることが好ましく、0.10~0.60MPaがより好ましく、0.10~0.55MPaがさらに好ましく、0.15~0.50MPaがとりわけ好ましい。なお、本実施形態では、定量噴射型エアゾール製品のエアゾール容器の内圧を以下の手順により測定した。
(1)定量噴射型エアゾール製品を20±0.5℃の恒温水槽に30分間浸漬する。
(2)次いで、定量噴射型エアゾール製品を直立の状態とし、エアゾール容器のステムを圧力計の挿入口に気密に差し込み、測定圧を小数点第2位まで読みとる。
(3)前記の測定は1回行い、測定値を丸めることなく、読みとった値を内圧値とする。
【0035】
定量噴射型エアゾール製品は、25℃における噴射口からの距離が15cmの位置において、噴射力が0.8~50.0gfであることが好ましく、1.0~40.0gfであることがより好ましく、2.0~35.0gfであることがさらに好ましく、3.0~30.0gfであることがとりわけ好ましい。
【0036】
本発明の定量噴射型エアゾール製品において、噴射部材を作動してエアゾール容器内のエアゾール原液を噴射したときに形成される噴射粒子は、25℃における噴射口から距離30cmにおける体積積算分布での50%粒子径が8~120μm以上に調整されることが好ましく、15~120μmに調整されることがより好ましく、17~120μmに調整されることがさらに好ましく、19~115μmに調整されることがとりわけ好ましく、23~95μmに調整されることが特に好ましい。噴射粒子の体積積算分布での50%粒子径は、エアゾール原液(L)の組成、噴射剤(G)の成分、噴射剤(G)の比率、エアゾール容器の内圧、噴射口の形状やノズル長等により適宜調整することができる。
【0037】
なお、本発明において、噴射粒子の体積積算分布での50%粒子径は、粒度分布測定装置により測定され、自動演算処理装置により解析された体積平均粒子径(Dv50)を意味する。具体的には、噴射粒子の体積積算分布での50%粒子径は、25℃において、レーザー粒度分布測定装置(SPRAYTEC model STP5321、Malvern社製)を用い、レーザー光発光部より受光部に照射されるレーザービームと、定量噴射型エアゾール製品の噴射口との距離が30cmとなるように、かつ、噴射粒子がレーザービームを垂直に通過するようにエアゾールの位置を調整する。そして、エアゾールの噴射中に測定を行い、噴射粒子の粒度分布を自動演算処理装置により解析し、噴霧粒子の体積積算分布での50%粒子径を求めることができる。
【0038】
本発明の定量噴射型エアゾール製品は、1度の操作で1回以上噴射(1プッシュ以上)するように設定されていることが好ましく、1度の操作で2回以上噴射(2プッシュ以上)するように設定されていることがより好ましく、1度の操作で3回以上噴射(3プッシュ以上)するように設定されていることがさらに好ましい。
【実施例0039】
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
【0040】
本発明の定量噴射型エアゾール製品について、噴射量減少抑制効果を確認するため、本発明の特徴構成を備えた複数の定量噴射型エアゾール製品(実施例1~23)を準備し、噴射量減少抑制効果確認試験を実施した。また、比較のため、本発明の特徴構成を備えていない定量噴射型エアゾール製品(比較例1~4)を準備し、同様の噴射量減少抑制効果確認試験を実施した。
【0041】
実施例1~23として表1、表2に示すように、組成及び条件を各実施例に応じて定量噴射型エアゾール製品を調製し、下記に示す試験を行った。比較例1~4についても、表2に示す組成及び条件にて定量噴射型エアゾール製品を調製し、実施例と同様の試験を行った。試験結果を表3に示す(なお、表1、表2において、IPAはイソプロパノールを表わし、IPMはミリスチン酸イソプロピルを表わし、化合物Aは1,4-ビス[3,3´-(1-デシルピリジニウム)メチルオキシ]ブタンジブロマイドを表わす。)。
【0042】
(1)噴射量減少抑制効果確認試験
定量噴射型エアゾール製品を調製後、内容液の導通のため、事前に2回噴射して水平面に静置した。その後、定量噴射型エアゾール製品を連続3回噴射し(3プッシュ)し、この間の定量噴射型エアゾール製品の重量の減少量を比重換算し、1回噴射(1プッシュ)あたりのエアゾール組成物の噴射量(容量)を求めた。各定量噴射型エアゾール製品について試験を5度繰り返して平均値を算出し、各平均噴射量(エアゾール組成物の平均噴射量(容量))に応じて、噴射量減少抑制効果を以下の基準により評価した。
(評価基準)
A:平均噴射量が定量噴射バルブの1回当たりの規定噴射容量の90%以上
B:平均噴射量が定量噴射バルブの1回当たりの規定噴射容量の85%以上90%未満
C:平均噴射量が定量噴射バルブの1回当たりの規定噴射容量の70%以上85%未満
D:平均噴射量が定量噴射バルブの1回当たりの規定噴射容量の70%未満
【0043】
【表1】
【0044】
【表2】
【0045】
【表3】
【0046】
試験の結果、エアゾール原液の20℃における粘度が、1.0~50.0cPに調整されており、エアゾール原液(L)と噴射剤(G)の容量比率が、L/G≦60/40に調整されている定量噴射型エアゾール製品である実施例1~23はいずれも、噴射量減少抑制効果がB以上であり、噴射量の減少を抑制することができ、一定量のエアゾール組成物が安定して噴射されることが分かった。中でも、エアゾール原液(L)と噴射剤(G)の容量比率が、5/95≦L/G≦40/60に調整されている定量噴射型エアゾール製品である実施例2~7、9~14、及び16~23では、噴射量減少抑制効果がA以上であり、噴射量の減少を特に抑制することができることが分かった。
【0047】
一方、エアゾール原液(L)が過剰量となり、エアゾール原液(L)と噴射剤(G)の容量比率が、L/G≦60/40を満たさない比較例1~3や、エアゾール原液の20℃における粘度が、50.0cPを上回る比較例4では、噴射量減少抑制効果がDとなり不十分な結果となることが分かった。