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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023114932
(43)【公開日】2023-08-18
(54)【発明の名称】システム及び方法
(51)【国際特許分類】
   A45D 44/02 20060101AFI20230810BHJP
   A45D 19/00 20060101ALI20230810BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20230810BHJP
   A61K 8/00 20060101ALN20230810BHJP
【FI】
A45D44/02 Z
A45D19/00 Z
G06Q50/10
A61K8/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022017533
(22)【出願日】2022-02-07
(71)【出願人】
【識別番号】314006042
【氏名又は名称】株式会社ソフトブレイン
(74)【代理人】
【識別番号】110001782
【氏名又は名称】弁理士法人ライトハウス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】川原 和紀
(72)【発明者】
【氏名】田代 裕也
(72)【発明者】
【氏名】細野 太一
【テーマコード(参考)】
4C083
5L049
【Fターム(参考)】
4C083BB21
4C083BB60
4C083CC36
4C083FF04
5L049CC11
(57)【要約】
【課題】
顧客の要望に応じたヘアカラーリングを行うことができるシステム及び方法を提供することを目的とする。
【解決手段】
少なくとも1のコンピュータ装置を備えるシステムであって、染髪に用いるヘアカラーリング剤を構成する第1剤及び第2剤の配合比、又は、第1剤及び第2剤のそれぞれの使用量を特定するための選択肢を選択する選択手段と、選択された選択肢に応じて、染髪に用いる第1剤と第2剤の配合比、又は、第1剤及び第2剤のそれぞれの使用量を特定する使用量等特定手段とを備える、システム。
【選択図】 図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1のコンピュータ装置を備えるシステムであって、
染髪に用いるヘアカラーリング剤を構成する第1剤及び第2剤の配合比、又は、第1剤及び第2剤のそれぞれの使用量を特定するための選択肢を選択する選択手段と、
選択された選択肢に応じて、染髪に用いる第1剤と第2剤の配合比、又は、第1剤及び第2剤のそれぞれの使用量を特定する使用量等特定手段と
を備える、システム。
【請求項2】
前記選択肢と、第1剤と第2剤の配合比、又は、第1剤及び第2剤のそれぞれの使用量を関連付けて記憶する第1記憶手段と
を備え、
使用量等特定手段が、選択された選択肢に応じて、第1剤と第2剤の配合比、又は、第1剤と第2剤のそれぞれの使用量を特定する、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
使用量等特定手段において、選択肢に応じて特定される第1剤と第2剤の使用量の総量がいずれの選択肢の場合も同じである、請求項1又は2に記載のシステム。
【請求項4】
染髪後の毛髪の色味及び/又は明るさを関連付けて、第1剤と第2剤の配合比、又は、第1剤及び第2剤のそれぞれの使用量を関連付けて記憶する第2記憶手段と
を備え、
使用量等特定手段が、利用者により入力された染髪後の毛髪の色味及び/又は明るさに応じて、第1剤と第2剤の配合比、又は、第1剤及び第2剤のそれぞれの使用量を特定する、請求項1~3のいずれかに記載のシステム。
【請求項5】
白髪染めの場合又はオシャレ染めにおいて染髪前にくらべ染髪後の毛髪を暗くする場合に、第1剤及び第2剤の配合比、又は、第1剤及び第2剤のそれぞれの使用量を特定するための選択肢が表示される、請求項1~4のいずれかに記載のシステム。
【請求項6】
第1剤が染色材料であり、第2剤が酸化剤である、請求項1~5のいずれかに記載のシステム。
【請求項7】
少なくとも1のコンピュータ装置を備えるシステムにおいて実行される方法であって、
染髪に用いるヘアカラーリング剤を構成する第1剤及び第2剤の配合比、又は、第1剤及び第2剤のそれぞれの使用量を特定するための選択肢を選択する選択ステップと、
選択された選択肢に応じて、染髪に用いる第1剤と第2剤の配合比、又は、第1剤及び第2剤のそれぞれの使用量を特定する使用量等特定ステップと
を有する、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、システム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、美容院やヘアカラーリングの専門店などで、ヘアカラーリング剤を用いて染髪が行われている。カラーリングは、顧客の要望に応じて、異なるヘアカラーリング剤を用いることで、異なる色へ染髪することが可能となる。しかし、どのヘアカラーリング剤をどのように使用するかは、美容院やヘアカラーリングの専門店の店員に委ねられており、顧客の要望どおりにならない場合があった。また、ヘアカラーリング剤の適切な使用量は、毛髪の長さにより異なるが、適切な使用量で使用されないため、ヘアカラーリング剤の無駄が発生する、という問題もあった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、このような課題を解決するためのものである。
【0004】
すなわち、本発明の目的は、顧客に応じたヘアカラーリングを行うことができるシステム及び方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の課題は、
[1]少なくとも1のコンピュータ装置を備えるシステムであって、染髪に用いるヘアカラーリング剤を構成する第1剤及び第2剤の配合比、又は、第1剤及び第2剤のそれぞれの使用量を特定するための選択肢を選択する選択手段と、選択された選択肢に応じて、染髪に用いる第1剤と第2剤の配合比、又は、第1剤及び第2剤のそれぞれの使用量を特定する使用量等特定手段とを備える、システム;
[2]前記選択肢と、第1剤と第2剤の配合比、又は、第1剤及び第2剤のそれぞれの使用量を関連付けて記憶する第1記憶手段とを備え、使用量等特定手段が、選択された選択肢に応じて、第1剤と第2剤の配合比、又は、第1剤と第2剤のそれぞれの使用量を特定する、前記[1]に記載のシステム;
[3]使用量等特定手段において、選択肢に応じて特定される第1剤と第2剤の使用量の総量がいずれの選択肢の場合も同じである、前記[1]又は[2]に記載のシステム;
[4]染髪後の毛髪の色味及び/又は明るさを関連付けて、第1剤と第2剤の配合比、又は、第1剤及び第2剤のそれぞれの使用量を関連付けて記憶する第2記憶手段とを備え、使用量等特定手段が、利用者により入力された染髪後の毛髪の色味及び/又は明るさに応じて、第1剤と第2剤の配合比、又は、第1剤及び第2剤のそれぞれの使用量を特定する、前記[1]~[3]のいずれかに記載のシステム;
[5]白髪染めの場合又はオシャレ染めにおいて染髪前にくらべ染髪後の毛髪を暗くする場合に、第1剤及び第2剤の配合比、又は、第1剤及び第2剤のそれぞれの使用量を特定するための選択肢が表示される、前記[1]~[4]のいずれかに記載のシステム;
[6]第1剤が染色材料であり、第2剤が酸化剤である、前記[1]~[5]のいずれかに記載のシステム;
[7]少なくとも1のコンピュータ装置を備えるシステムにおいて実行される方法であって、染髪に用いるヘアカラーリング剤を構成する第1剤及び第2剤の配合比、又は、第1剤及び第2剤のそれぞれの使用量を特定するための選択肢を選択する選択ステップと、選択された選択肢に応じて、染髪に用いる第1剤と第2剤の配合比、又は、第1剤及び第2剤のそれぞれの使用量を特定する使用量等特定ステップとを有する、方法;
により達成することができる。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、顧客に応じたヘアカラーリングを行うことができるシステム及び方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明の実施の形態にかかるヘアカラーリング剤特定システムの構成を示すブロック図である。
図2】本発明の実施の形態にかかる店舗端末の構成を示すブロック図である。
図3】本発明の実施の形態にかかるサーバ装置の構成を示すブロック図である。
図4】本発明の実施の形態にかかるヘアカラーリング剤特定処理のフローチャートを表す図である。
図5】本発明の実施の形態にかかる毛髪を模した図形の一例を示す図である。
図6】本発明の実施の形態にかかるヘアカラーリング剤テーブルの一例を示す図である。
図7】本発明の実施の形態にかかる配合比調整処理のフローチャートを表す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施の形態について説明をするが、本発明の趣旨に反しない限り、本発明は以下の実施の形態に限定されない。
【0009】
図1は、本発明の実施の形態にかかるヘアカラーリング剤特定システムの構成を示すブロック図である。図示するように、ヘアカラーリング剤特定システムは、店舗端末1と、サーバ装置2と、通信ネットワーク3とから構成されている。例えば、店舗端末1は、美容院やヘアカラーリング専門店などの顧客のヘアカラーリングを行う店舗に設置され、店舗の店員により操作される。店舗端末1は、通信ネットワーク3を介してサーバ装置2と通信接続が可能である。また、ヘアカラーリング剤特定システムは、複数の店舗端末1を備えていてもよい。なお、本実施の形態では、ヘアカラーリング剤特定システムは、店舗の店員が操作する店舗端末1と、サーバ装置2とを備える構成としたが、これに限定されるものではなく、例えば、店舗端末1に代えて、店員以外の人が操作するコンピュータ装置を備えてもよい。ヘアカラーリング剤特定システムは、店舗店員以外の利用者が利用することもできる。
【0010】
店舗端末1は、表示画面と入力部を有するコンピュータ装置であれば特に限定されない。店舗端末1は、据え置き型で、店舗に設置されたものでもよく、携帯型で店舗店員が移動する際に携帯することができるものであってもよい。店舗端末1としては、例えば、従来型の携帯電話、タブレット型端末、スマートフォン、デスクトップ型・ノート型のパーソナルコンピュータなどが挙げられる。
【0011】
図2は、本発明の実施の形態にかかる店舗端末の構成を示すブロック図である。店舗端末1は、制御部11、メインメモリ12、ストレージ部13、入力装置14、表示装置15及び通信インタフェース16を備え、それぞれバスにより接続されている。
【0012】
制御部11は、CPUやROMから構成される。制御部11は、ストレージ部13に格納されたプログラムを実行し、店舗端末1の制御を行なう。メインメモリ12としては、例えばRAMが用いられる。メインメモリ12は、制御部11のワークエリアである。ストレージ部13は、プログラムやデータを保存するための記憶領域である。制御部11は、メインメモリ12から読みだしたプログラム及びデータ、並びに、入力装置14にて入力されたデータをもとに、演算処理を行なう。
【0013】
表示装置15は表示画面を有している。制御部11は、演算処理の結果に応じて、表示画面に画像を表示するためのビデオ信号を出力する。ここで、表示画面はタッチセンサを備えるタッチパネルであってもよい。この場合、タッチパネルが入力装置14として機能する。
【0014】
通信インタフェース16は無線又は有線により通信ネットワーク3に接続が可能であり、通信ネットワーク3を介して、サーバ装置2又はPOSレジ5とデータを送受信することが可能である。通信インタフェース16を介して受信したデータは、メインメモリ12にロードされ、制御部11により演算処理が行われる。
【0015】
図3は、本発明の実施の形態にかかるサーバ装置の構成を示すブロック図である。サーバ装置2は、制御部21、メインメモリ22、ストレージ部23及び通信インタフェース24を備え、それぞれバスにより接続されている。
【0016】
制御部21は、CPUやROMから構成され、ストレージ部23に格納されたプログラムを実行し、サーバ装置2の制御を行う。また、制御部21は時間を計時する内部タイマを備えている。メインメモリ22は、制御部21のワークエリアである。ストレージ部23は、プログラムやデータを保存するための記憶領域である。制御部21は、プログラム及びデータをメインメモリ22から読み出し、店舗端末1又はPOSレジ5から受信した情報等をもとに、プログラム実行処理を行う。
【0017】
次に、ヘアカラーリング剤特定システムにおけるヘアカラーリング剤特定処理について、説明する。図4は、本発明の実施の形態にかかるヘアカラーリング剤特定システムにおけるヘアカラーリング剤特定処理のフローチャートを表す図である。まず、店舗店員は、店舗端末1にダウンロードされたアプリケーションプログラムを起動し、サーバ装置2へアクセスすることで、ヘアカラーリング剤特定システムにログインをする(ステップS1)。
【0018】
本発明のヘアカラーリング剤特定システムは、白髪ではない毛髪(例えば、黒色や有色)を染髪する、いわゆる「オシャレ染め」だけでなく、白髪を黒色や他の有色に染髪する「白髪染め」の場合に適用することも可能である。店舗店員は「白髪染め」にするか、或いは「オシャレ染め」にするかを、染髪対象者である顧客から聞き出してもよい。店舗店員は、顧客の要望を聞き出し、又は、顧客の毛髪の状態を確認したうえで、店舗端末1の入力部に、「白髪染め」と「オシャレ染め」のいずれを行うのかを入力する(ステップS2)。
【0019】
店舗店員は、店舗端末1の入力部に、染髪をする毛髪の範囲について、「全体染め」、「根元染め」、「部分染め」のいずれであるかを入力する(ステップS3)。「全体染め」は、毛髪全体を染めるものであり、「根元染め」は、毛髪の根元部分のみを染めるものである。「部分染め」は、もみあげや分け目など、毛髪を部分的に染めるものである。染髪の対象となる毛髪の範囲によって、ステップS6の毛髪の長さの入力において、図形50の各領域に対応して入力する部分を限定することもできる。例えば、「根元染め」の場合、図5の「記号1」に対応する領域のみを入力することとしてもよい。また、「部分染め」の場合、10cm以上の毛髪の長さを選択できないようにしてもよい。
【0020】
店舗店員は、店舗端末1を操作して、染髪対象者である顧客の毛髪に相当する毛髪の型(タイプ)を入力する(ステップS4)。店舗端末1では、複数の毛髪の型が選択肢として表示され、店舗端末1を操作することで、そのいずれかの型を選択することができる。図5は、本発明の実施の形態にかかる毛髪を模した図形の一例を示す図である。図形50は毛髪を模した図形であり、三角形状で表されることが好ましい。三角形の底辺のある側を毛髪の根元側、三角形の頂点のうち底辺に対向する位置にある頂点のある側を毛髪の毛先側として、図形を認識することができ、毛髪の根元側と毛先側とを一目で区別することができる。ここで、三角形の底辺とは、図形50のような二等辺三角形を形成する三辺のうち、もっとも短い辺である。
【0021】
また、図形50は、三角形の底辺と平行な直線により、複数の領域51に区切られるのが好ましい。図形50は、少なくとも1以上の領域51(領域51a、51b、51c・・・)及び記号52(記号52a、52b、52c・・・)を有する。各領域51には、記号52が対応付けて記載されている。例えば、領域51a内に記号52aが記載されるように、所定の記号が所定の領域内に配置される。図5において○印の中に1~3の数字が表示された記号を、本明細書では、それぞれ「記号1」、「記号2」、「記号3」と表記する。
【0022】
図形50は、毛髪の部位(頭皮近傍の毛髪の根元部分であるか、中央部分であるか、毛先であるか等)とその特性によって、複数の領域51に分けられる。ここでは、図形50は、毛髪の部位と、既染色であるか(既染毛であるか)又は未染色であるか(新生毛であるか)とによって、複数の領域51に分けられる。図5(a)では、「記号1」に対応する領域51a(つまり毛髪の根元)が斜線で表示されており、未染色である。また、図5(a)では、「記号2」に対応する領域51b(つまり毛髪の中央部分)及び「記号3」に対応する領域51c(つまり毛髪の毛先)が白色で表示されており、既染色である。一方、図5(b)では、「記号1」に対応する領域51a、「記号2」に対応する領域51bが斜線で表示されており、未染色である。また、図5(b)では、「記号3」に対応する領域51cが白色で表示されており、既染色である。さらに、図5(c)では、「記号1」に対応する領域51a、「記号2」に対応する領域51b、「記号3」に対応する領域51cが斜線で表示されており、未染色である。ステップS4では、図5(a)~(c)のような異なる毛髪の型から、店舗端末1を操作することで、顧客の毛髪に相当する毛髪の型(タイプ)を入力することができる。なお、図5では、図形50は、3つの領域から構成されることとしたが、図形50は、1つの領域、2つの領域、又は、4つの領域から構成されていてもよい。また、図形50は、図5で示した以外でも、すべての領域が新生毛であってもよい。
【0023】
店舗店員は、色見本等を参照しながら、どのような色に染髪するかについて、顧客の要望を聞き出す。店舗店員は、顧客の要望する染髪後の色味と明るさを聞き出し、店舗端末1の入力部に、顧客から聞き出した色味と明るさを入力する(ステップS5)。ここで、色味としては、特に限定されないが、例えば、ブラウン、オレンジ、イエロー、パープル、バイオレット、レッドなどがあげられる。明るさも、複数のレベルが設けられている。例えば、明るさを10のレベルに分類する場合、色味がレッドである場合を「R」と表すとすると、明るさが最も明るいものを「R1」とし、最も暗いものを「R10」と表すことができる。「R1」、「R2」、「R3」といったように、数字が大きくなるにつれて、暗い色となる。
【0024】
次に、店舗店員は、店舗端末1を操作して、図形50の各領域に対応する部分の毛髪の長さを入力する(ステップS6)。例えば、ステップS4にて図5(a)の図形を選択した場合、領域51a~51cのそれぞれの領域に対応する部分の毛髪の長さを入力する。領域51毎に、同じ毛髪の長さを入力することもできるし、異なる毛髪の長さを入力することができる。毛髪の長さは、正確な長さを入力する必要なく、例えば、「0~2cm」、「2~5cm」、「5~10cm」、「10~15cm」、「15~20cm」、「20~25cm」、「25~30cm」などの複数の選択肢の中から選択することができる。なお、頭皮の近傍部分の毛髪の長さ(図5の領域51aに相当する毛髪の長さ)については、一番短い長さである「0~2cm」で固定をしてもよい。このように図形の各領域に対応する部分の毛髪の長さを入力することで、毛髪のうちの新生毛の長さや、既染毛の長さを特定することができる。
【0025】
次に、店舗店員は、店舗端末1を操作して、アンダーカラーを入力する(ステップS7)。ここで、アンダーカラーとは、既染色の毛髪の色味及び/又は明るさである。既染色の毛髪は、過去に染毛を行ったことにより、本来の顧客の毛髪とは異なる色味や明るさとなった毛髪である。ステップS7のアンダーカラーの入力は、ステップS4にて、既染色の領域のある型を入力した場合に、入力が必要となる。ステップS7では、店舗店員は、顧客の毛髪の既染色の部分を観察し、店舗端末1を操作して、既染色の部分の色味と明るさを入力する。ここで、色味としては、特に限定されないが、例えば、ブラウン、オレンジ、イエロー、パープル、バイオレット、レッドなどがあげられる。明るさも、複数のレベルが設けられている。例えば、明るさを10のレベルに分類する場合、色味がレッドである場合を「R」と表すとすると、明るさが最も明るいものを「R1」とし、最も暗いものを「R10」と表すことができる。「R1」、「R2」、「R3」といったように、数字が大きくなるにつれて、暗い色となる。染髪対象者である顧客の毛髪が新生毛だけである場合は、ステップS7は省略することができる。
【0026】
店舗店員は、顧客の毛髪に相当する毛髪の型、要望する染髪後の色味と明るさ、毛髪の各領域の長さの他、染髪対象者の毛髪の染まりやすさの傾向を入力することもできる。髪質等によっては、染色されやすい毛髪と、染色されにくい毛髪があるため、これらの情報をもとに、使用するヘアカラーリング剤を変更することができる。毛髪の染まりやすさの傾向は、例えば、「染まりやすい」、「普通」、「染まりにくい」の3段階で入力することができる。なお、ここでは、店舗端末1の入力部に入力することとしたが、例えば、サーバ装置2において、顧客ごとに過去の利用履歴とあわせて、毛髪の染まりやすさの傾向を記憶しておき、サーバ装置2に記憶された毛髪の染まりやすさの傾向に関する情報をもとに、使用するヘアカラーリング剤を変更することもできる。
【0027】
次に、店舗店員は、店舗端末1の入力部に、ヘアカラーリング剤の色味の濃さ(染髪後の色味の濃さ)を入力する(ステップS8)。髪質や染髪前と染髪後の明るさの差等によっては、希望どおりに染色されにくい場合があるため、店舗店員は、適宜ヘアカラーリング剤の色味の濃さを変更することで、染髪後の色味の濃さを調整することができる。なお、ヘアカラーリング剤の色味の濃さの入力は、白髪染めの場合又はオシャレ染めのトーンダウンの場合に、入力が必要となる。オシャレ染めの場合でトーンダウンでないときは、ステップS8によるヘアカラーリング剤の色味の濃さの入力を不可とすることもできる。オシャレ染めのトーンダウンとは、オシャレ染めにおいて、染髪前の毛髪の明るさよりも染髪後の毛髪の明るさが暗いことを指す。
【0028】
ここで、本発明のヘアカラーリング剤特定システムにおけるヘアカラーリング剤は、1剤と2剤を混合して用いるものであれば、特に限定されないが、例えば、1剤と2剤が混合されることにより酸化染料が発色するヘアカラーリング剤である。1剤は、毛髪の色味を決める染色材料であり酸化染料及びアルカリ剤を含む。2剤は、1剤を酸化する酸化剤の役割を担うものであり、例えば、過酸化酸素を含む。すなわち、ヘアカラーリング剤中の1剤と2剤との配合比(又は使用量)を調整することにより、ヘアカラーリング剤の色味の濃さを調整することができる。すなわち、ヘアカラーリング剤の色味の濃さの入力は、1剤と2剤との配合比(又は使用量)を特定するための入力ともいえる。ヘアカラーリング剤の色味の濃さの入力は、例えば、「基準」、「濃く」、「より濃く」の3段階で入力することができる。つまり、染髪に用いるヘアカラーリング剤を構成する1剤及び2剤の配合比や、1剤及び2剤のそれぞれの使用量を特定するための選択肢として、「基準」、「濃く」、「より濃く」の3つの選択肢を設けることができる。また、1剤と2剤の配合比について、1剤の割合を「基準」、「多く」、「より多く」の3段階で入力するとしてもよいし、2剤の割合を「基準」、「少なく」、「より少なく」の3段階で入力するとしてもよい。なお、ここでは、店舗端末1の入力部に入力することとしたが、例えば、サーバ装置2において、顧客ごとに過去の利用履歴とあわせて、毛髪の染まりやすさの傾向を記憶しておき、サーバ装置2に記憶された毛髪の染まりやすさの傾向に関する情報をもとに、ヘアカラーリング剤の色味の濃さの入力をすることもできる。また、毛髪の染まりやすさの傾向に関する情報を店舗端末1も表示させ、店舗店員の判断の補助としてもよい。
【0029】
なお、ヘアカラーリング剤の色味の濃さは、「薄く」するものであってもよい。この場合、カラーリング剤の色味の濃さの入力は、オシャレ染めのトーンアップの場合に、入力されるのが好ましい。オシャレ染めのトーンアップとは、オシャレ染めにおいて、染髪前の毛髪の明るさよりも染髪後の毛髪の明るさが明るいことを指す。
【0030】
店舗端末1にて、ステップS2~S8にて、必要な事項が入力されると、これらの情報がサーバ装置2へ送信され、サーバ装置2にて、使用されるヘアカラーリング剤の種類及び使用量が特定される(ステップS9)。ステップS9では、ステップS4にて入力された毛髪の型に応じて、毛髪の頭皮の近傍部分、中央部分、毛先部分のそれぞれの部分について、異なるヘアカラーリング剤の種類及び使用量が特定される。
【0031】
図6は、本発明の実施の形態にかかるヘアカラーリング剤テーブルの一例を示す図である。サーバ装置2のストレージ部13には、ヘアカラーリング剤テーブル30が記憶されている。図6(a)のヘアカラーリング剤テーブル30は、染髪後の色味と明るさ31と関連付けて、毛髪の頭皮近傍の未染色の部分(新生毛)を染髪するためのヘアカラーリング剤32、毛髪の頭皮近傍以外の未染色の部分(新生毛)を染髪するためのヘアカラーリング剤33が記憶されている。また、ヘアカラーリング剤32、ヘアカラーリング剤33のそれぞれには、1剤又は2剤の配合比34、1剤及び2剤の配合比35が記憶されている。図6(a)において、カラーリング剤A及びBが1剤を示し、カラーリング剤C及びDが2剤を示す。また、ヘアカラーリング剤32、ヘアカラーリング剤33のそれぞれには、1種類のヘアカラーリング剤のみが記憶されていてもよく、複数のヘアカラーリング剤の種類、銘柄、品番等と、その配合比が記憶されていてもよい。
【0032】
ステップS9では、ヘアカラーリング剤テーブル30を参照することで、入力された顧客の要望する色味と明るさに対応する、毛髪の頭皮近傍の新生毛を染髪するためのヘアカラーリング剤の種類とその配合比、及び、毛髪の頭皮近傍以外の新生毛を染髪するためのヘアカラーリング剤の種類とその配合比を特定することができる。
【0033】
なお、染髪対象者の体温の影響で、毛髪の頭部近傍部分(例えば、毛髪の根元から約2~3cm以内の部分)は染色しやすくなるため、毛髪の頭皮近傍の新生毛を染髪するためのヘアカラーリング剤32は、毛髪の頭皮近傍以外の新生毛を染髪するためのヘアカラーリング剤33と比べて、同じ色味ではあるが、明るさの異なるヘアカラーリング剤の種類と配合比が、ヘアカラーリング剤テーブル30に登録されている。ヘアカラーリング剤32の方が、ヘアカラーリング剤33よりも、毛髪の同じ部分に塗布した場合に、同じ色味で暗い色へと染色されるようなヘアカラーリング剤の種類と配合比が登録されていることが好ましい。
【0034】
例えば、ステップS5にて、染髪後の色味と明るさとして「R5」を入力した場合、毛髪の頭皮近傍の新生毛を染髪するためのヘアカラーリング剤として、1剤がヘアカラーリング剤A及びBであり、2剤がヘアカラーリング剤Cであると特定される。また、ヘアカラーリング剤の全量に対して、1剤及び2剤の配合比が1対2として特定される。また、1剤の全量に対して70質量%のヘアカラーリング剤A、30質量%のヘアカリーリング剤Bが特定される。また、毛髪の頭皮近傍以外の新生毛を染髪するためのヘアカラーリング剤として、1剤がヘアカラーリング剤A及びBであり、2剤がヘアカラーリング剤Dであると特定される。また、ヘアカラーリング剤の全量に対して、1剤及び2剤の配合比が1対2として特定される。また、1剤の全量に対して65質量%のヘアカラーリング剤A、35質量%のヘアカリーリング剤Bが特定される。
【0035】
一方で、色味と明るさとして「R6」を入力した場合、毛髪の頭皮近傍の新生毛を染髪するためのヘアカラーリング剤として、1剤がヘアカラーリング剤A及びBであり、2剤がヘアカラーリング剤Cであると特定される。また、ヘアカラーリング剤の全量に対して、1剤及び2剤の配合比が1対2として特定される。また、1剤の全量に対して75質量%のヘアカラーリング剤A、25質量%のヘアカリーリング剤Bが特定される。また、毛髪の頭皮近傍以外の新生毛を染髪するためのヘアカラーリング剤として、1剤がヘアカラーリング剤A及びBであり、2剤がヘアカラーリング剤Dであると特定される。また、ヘアカラーリング剤の全量に対して、1剤及び2剤の配合比が1対2として特定される。また、1剤の全量に対して70質量%のヘアカラーリング剤A、30質量%のヘアカリーリング剤Bが特定される。
【0036】
また、入力した染まりやすさに応じて、ステップS9にて特定されるヘアカラーリング剤を変更してもよい。例えば、染まりやすさが「普通」の場合で、ステップS5にて、色味と明るさとして「R5」を入力した場合は、毛髪の頭皮近傍の新生毛を染髪するためのヘアカラーリング剤として、1剤がヘアカラーリング剤A及びBであり、2剤がヘアカラーリング剤Cであり、ヘアカラーリング剤の全量に対して、1剤及び2剤の配合比が1対2として特定される。また、1剤の全量に対して70質量%のヘアカラーリング剤A、30質量%のヘアカリーリング剤Bが特定される。毛髪の頭皮近傍以外の新生毛を染髪するためのヘアカラーリング剤として、1剤がヘアカラーリング剤A及びBであり、2剤がヘアカラーリング剤Dであり、ヘアカラーリング剤の全量に対して、1剤及び2剤の配合比が1対2として特定される。また、1剤の全量に対して65質量%のヘアカラーリング剤A、45質量%のヘアカリーリング剤Bが特定される。一方で、例えば、染まりやすさが「染まりやすい」の場合で、ステップS5にて、色味と明るさとして「R5」を入力した場合は、同じ条件であれば同じ色味で暗い色に染まる配合が特定される。この場合、例えば、一段階、暗い色となる「R6」の「普通」の場合と同じ配合のヘアカラーリング剤が特定される。例えば、染まりやすさが「染まりにくい」の場合で、ステップS5にて、色味と明るさとして「R5」を入力した場合は、同じ条件であれば同じ色味で明るい色に染まる配合が特定される。この場合、例えば、一段階、明るい色となる「R4」の「普通」の場合と同じ配合のヘアカラーリング剤が特定される。
【0037】
図6(b)のヘアカラーリング剤テーブル40は、アンダーカラーの色味と明るさ41及び染髪後の色味と明るさ42と関連付けて、毛髪の頭皮近傍の既染色の部分(既染毛)を染髪するためのヘアカラーリング剤43、毛髪の頭皮近傍以外の既染色の部分(既染毛)を染髪するためのヘアカラーリング剤44が記憶されている。また、ヘアカラーリング剤43、ヘアカラーリング剤44のそれぞれには、1剤又は2剤の配合比45、1剤及び2剤の配合比46が記憶されている。図6(b)において、カラーリング剤A及びBが1剤を示し、カラーリング剤C及びDが2剤を示す。また、ヘアカラーリング剤43、ヘアカラーリング剤44のそれぞれには、1種類のヘアカラーリング剤のみが記憶されていてもよく、複数のヘアカラーリング剤の種類、銘柄、品番等と、その配合比が記憶されていてもよい。
【0038】
なお、ヘアカラーリング剤テーブルは、アンダーカラーの色味又は明るさのいずれかと、染髪後の色味と明るさと関連付けて、毛髪の頭皮近傍の既染色の部分(既染毛)を染髪するためのヘアカラーリング剤、毛髪の頭皮近傍以外の既染色の部分(既染毛)を染髪するためのヘアカラーリング剤を記憶するものでもよい。
【0039】
ステップS9では、ヘアカラーリング剤テーブル40を参照することで、入力された顧客の要望する色味と明るさに対応する、毛髪の頭皮近傍の既染毛を染髪するためのヘアカラーリング剤の種類とその配合、及び、毛髪の頭皮近傍以外の既染毛を染髪するためのヘアカラーリング剤の種類とその配合比を特定することができる。
【0040】
ヘアカラーリング剤の使用量は、ステップS6にて入力された、図形50の各領域に対応する部分の毛髪の長さをもとに、毛髪の頭皮の近傍部分、中央部分、毛先部分のそれぞれの部分ごとに、ヘアカラーリング剤の使用量を特定することができる。ステップS6では、「0~2cm」、「2~5cm」、「5~10cm」、「10~15cm」、「15~20cm」、「20~25cm」、「25~30cm」などの選択肢の中から、毛髪の長さを特定することができるが、これらの長さの選択肢毎にヘアカラーリング剤の使用量を予め定めておくことができる。例えば、「2~5cm」の場合であれば、ヘアカラーリング剤の使用量の全量は30g、「5~10cm」の場合であれば、ヘアカラーリング剤の使用量の全量は40g、「10~15cm」の場合であれば、ヘアカラーリング剤の使用量の全量は50gといったように、毛髪の長さと使用量の対応関係を予め定めておくことができる。この対応関係は、毛髪の長さが長くなるにつれて、使用量が増加していればよく、比例の関係であっても、比例の関係でなくてもよい。このほか、所定の関係式にしたがって、毛髪の長さをもとに使用量を計算してもよい。
【0041】
さらに、図形50の各領域に対応する部分によって、必要なヘアカラーリング剤の使用量を異ならせてもよい。例えば、毛髪の頭皮の近傍部分の「0~2cm」の場合であれば、ヘアカラーリング剤の使用量の全量は30g、毛先部分の「0~2cm」の場合であれば、ヘアカラーリング剤の使用量の全量は15gといったように、毛髪の部分、毛髪の長さ、及び使用量の対応関係を予め定めておいてもよい。
【0042】
毛髪の頭皮の近傍部分、中央部分、毛先部分のそれぞれの部分ごとに、ヘアカラーリング剤の使用量が特定されると、そして、図6のようなヘアカラーリング剤テーブルから導き出されるカラーリング剤の配合比と、ヘアカラーリング剤の使用量の全量から、各ヘアカラーリング剤の使用量を算出することができる。例えば、毛髪のある部分の長さが「2~5cm」であり、ヘアカラーリング剤の使用量の全量が30gで特定されたような場合であって、1剤及び2剤の配合比が1対2であり、1剤がヘアカラーリング剤A及びB、2剤がヘアカラーリング剤Cであり、1剤の配合比について、ヘアカラーリング剤Aが75質量%、ヘアカラーリング剤Bが25質量%である場合は、ヘアカラーリング剤Aの使用量が7.5gで、ヘアカラーリング剤Bの使用量が2.5gで、ヘアカラーリング剤Cの使用量が20gとなる。
【0043】
さらに、ステップS8にて入力したヘアカラーリング剤の色味の濃さに応じて、ステップS9により特定されるヘアカラーリング剤の1剤及び2剤の配合比又は1剤及び2剤のそれぞれの使用量を変更することができる。ヘアカラーリング剤特定システムにおける配合比調整処理について、説明する。図7は、本発明の実施の形態にかかるヘアカラーリング剤の使用量特定処理のフローチャートを表す図である。まず、上で述べたように、図6等に示したヘアカラーリング剤テーブルを参照することにより、ステップS2~S7により入力された情報をもとに、ヘアカラーリング剤の種類及びヘアカラーリング剤の基準となる使用量(以下、基準量ともいう)を特定する(ステップS21)。次に、ステップS8にて入力されたヘアカラーリング剤の濃さをもとに、1剤及び2剤の配合比を特定する(ステップS22)。特定された1剤及び2剤の配合比を基に、施術に用いるヘアカラーリング剤の使用量を特定する(ステップS23)。
【0044】
サーバ装置2には、染髪に用いる1剤及び2剤の配合比、1剤及び2剤のそれぞれの使用量を特定するための選択肢ごとに、1剤と2剤との配合比、又は、1剤と2剤のそれぞれの使用量を予め記憶しておく。例えば、カラーリング剤の色味の濃さとして「濃く」を入力した場合、1剤及び2剤の配合比において、1剤の配合比を所定の値だけ増加させる。カラーリング剤の色味の濃さとして「より濃く」を入力した場合、1剤及び2剤の配合比において、1剤の配合比をさらに所定の値だけ増加させる。また、基準量のヘアカラーリング剤の総量と、ステップS23において特定される1剤及び2剤の使用量の総量とは、同量である。なお、基準量のヘアカラーリング剤の総量と、ステップS22において特定される1剤及び2剤の使用量の総量は、必ずしも同量である必要はなく、基準量のヘアカラーリング剤の総量に対して、ステップS22において特定される1剤及び2剤の使用量の総量が、例えば、95%~105%、或いは、90%~110%など、所定の割合の範囲内であってもよい。
【0045】
基準量のヘアカラーリング剤として、ヘアカラーリング剤の総量が40gであり、1剤及び2剤の配合比が1対3であり、1剤として60質量%のヘアカラーリング剤A、及び40質量%のヘアカリーリング剤Bが、2剤としてヘアカラーリング剤Cが特定されるとする。基準量のカラーリング剤の色味の濃さは「基準」である。カラーリング剤の色味の濃さとして「濃く」を入力した場合、具体的には、1剤の濃度を5質量%増加させた配合のヘアカラーリング剤が特定されるため、1剤及び2剤の配合比が3対7であり、1剤の60質量%のヘアカラーリング剤A、40質量%のヘアカリーリング剤Bが特定され、2剤としてヘアカラーリング剤Cが特定される。
【0046】
これにより、1剤のヘアカラーリング剤の配合比及びヘアカラーリング剤全体の使用量を変えることなく、ヘアカラーリング剤全体の色味の濃さの調整が可能となる。すなわち、ヘアカラーリング剤の色相を変えることなく、色味の濃さの調節が可能となる。
【0047】
なお、ここでは、基準量をもとに、入力されたヘアカラーリング剤の濃さに応じた、1剤と2剤の配合比、又は、1剤と2剤のそれぞれの使用量を特定することとしたが、例えば、染髪後の毛髪の色味及び/又は明るさ、並びに、ヘアカラーリング剤の濃さ(前記選択肢)に関連付けて、第1剤と第2剤の配合比、又は、第1剤及び第2剤のそれぞれの使用量をデータテーブルとして記憶し、データテーブルを参照したうえで、端末に入力された情報をもとに、第1剤と第2剤の配合比、又は、第1剤と第2剤のそれぞれの使用量を特定することもできる。また、アンダーカラー、染髪後の毛髪の色味及び/又は明るさ、並びに、ヘアカラーリング剤の濃さ(前記選択肢)に関連付けて、第1剤と第2剤の配合比、又は、第1剤及び第2剤のそれぞれの使用量をデータテーブルとして記憶し、データテーブルを参照したうえで、端末に入力された情報をもとに、第1剤と第2剤の配合比、又は、第1剤と第2剤のそれぞれの使用量を特定することもできる。さらには、染髪後の毛髪の色味及び/又は明るさ、毛髪の長さ、並びに、ヘアカラーリング剤の濃さ(前記選択肢)に関連付けて、第1剤及び第2剤のそれぞれの使用量をデータテーブルとして記憶し、データテーブルを参照したうえで、端末に入力された情報をもとに、第1剤と第2剤のそれぞれの使用量を特定することもできる。
【0048】
ステップS9又は配合比調整処理において、サーバ装置2にて、使用されるヘアカラーリング剤が特定されると、サーバ装置2から店舗端末1へ、特定されたヘアカラーリング剤の種類と使用量が送信され、店舗端末1の表示画面にて、特定されたヘアカラーリング剤の種類と使用量が表示される(ステップS10)。なお、特定されたヘアカラーリング剤の使用量は目安であり、店舗店員は、それよりも少ない使用量、又は、多い使用量を採用することもできる。
【0049】
特定されたヘアカラーリング剤の使用量を増減させる場合、特定されたヘアカラーリング剤の種類と配合比を維持して行われることが好ましい。例えば、使用量を増加させる入力をすると、ヘアカラーリング剤の種類と配合比を維持して、全量を5g単位で増加させたときのヘアカラーリング剤の使用量を表示できるようにしてもよい。また、特定されたヘアカラーリング剤の種類と使用量とともに、前回施術したデータを表示することで、それを参考に、店舗店員は、使用量を決定することもできる。
【0050】
ステップS2~S8にて入力された情報、及び、ステップS9にて特定されたヘアカラーリング剤の種類と使用量は、顧客ごとに履歴として、店舗の利用日とともに、店舗端末1又はサーバ装置2にて記憶される(ステップS11)。なお、店舗店員が実際に染髪に使用したヘアカラーリング剤の使用量が、ステップS9にて特定されたヘアカラーリング剤の使用量と異なる場合もあるため、実際に染髪に使用したヘアカラーリング剤の使用量を、店舗端末1にて入力すれば、入力された使用量を店舗端末1又はサーバ装置2にて記憶することもできる。
【0051】
ここで、毛髪の既染色の部分とは、過去にカラーリングにより染髪された部分である。過去に染髪された部分は、染髪されてから日数が経過することにより変色し、もとの色よりも明るくなる場合もあれば、暗くなる場合もある。そのため、店舗店員が、染髪対象者の既染色部分の毛髪の状態を見て判断する。通常、毛髪の既染色の部分は、毛髪の頭部近傍から離れた部分であり、染髪の際に、染髪対象者の体温の影響は受けにくい。そのため、既染色の部分が元の色よりも明るくなっている場合は、毛髪の頭皮近傍以外の既染毛を染髪するためのヘアカラーリング剤は、毛髪の頭皮近傍以外の新生毛を染髪するためのヘアカラーリング剤を参考に特定することができる。例えば、ステップS9にて「R5」に対応するヘアカラーリング剤を特定した場合で、染髪対象者の既染色部分の毛髪が元の色よりも明るくなっている場合は、「R5」よりも暗い色となる「R6」に対応するヘアカラーリング剤をおすすめとして表示し、染髪対象者の既染色部分の毛髪が元の色よりも暗くなっている場合は、「R5」よりも明るい色となる「R4」に対応するヘアカラーリング剤をおすすめとして表示することができる。
【0052】
ステップS1~S11の処理により、ヘアカラーリング剤特定処理は終了する。店舗店員は、店舗端末1の表示画面を確認しながら、毛髪の頭皮近傍の新生毛を染髪するためのヘアカラーリング剤、毛髪の頭皮近傍以外の新生毛を染髪するためのヘアカラーリング剤、及び、毛髪の頭皮近傍の既染毛を染髪するためのヘアカラーリング剤、及び、毛髪の頭皮近傍以外の既染毛を染髪するためのヘアカラーリング剤を選択し、調合することができる。このようなヘアカラーリング剤特定システムを利用することで、美容師の感覚に依存してきたヘアカラーリング剤の調合を、正確に行うことができるため、顧客が要望する色に染髪されてしまう、又は、染髪された毛髪に色ムラができるなどの問題を防ぐことができる。
【0053】
上の実施の形態では、ヘアカラーリング剤特定システムは、店舗端末1と、サーバ装置2と、通信ネットワーク3とから構成され、ヘアカラーリング剤特定処理は、店舗端末1とサーバ装置2にて実行されることとしたが、例えば、ヘアカラーリング剤特定システムが1のコンピュータ装置から構成され、ヘアカラーリング剤特定処理が該1のコンピュータ装置にて実行される構成とすることもできる。
【符号の説明】
【0054】
1 店舗端末、 2 サーバ装置、 3 通信ネットワーク、
11 制御部、 12 メインメモリ、 13 ストレージ部、 14 入力装置、
15 表示装置、 16 通信インタフェース、 21 制御部、 22 RAM、
23 ストレージ部、 24 通信インタフェース、
30 ヘアカラーリング剤テーブル、 31 染髪後の色味、明るさ、
32 毛髪の頭皮近傍の新生毛を染髪するためのヘアカラーリング剤、
33 毛髪の頭皮近傍以外の新生毛を染髪するためのヘアカラーリング剤、
34 1剤又は2剤の配合比、 35 1剤及び2剤の配合比、
40 ヘアカラーリング剤テーブル、 41 アンダーカラーの色味、明るさ、
42 染髪後の色味、明るさ、
43 毛髪の頭皮近傍の既染毛を染髪するためのヘアカラーリング剤、
44 毛髪の頭皮近傍以外の既染毛を染髪するためのヘアカラーリング剤、
50 毛髪を模した図形、
51 領域、 52 記号
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7