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特開2023-114939カートン開函装置及びカートン搬送装置並びにカートン開函方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023114939
(43)【公開日】2023-08-18
(54)【発明の名称】カートン開函装置及びカートン搬送装置並びにカートン開函方法
(51)【国際特許分類】
   B65B 43/30 20060101AFI20230810BHJP
   B31B 50/78 20170101ALI20230810BHJP
   B31B 50/80 20170101ALI20230810BHJP
【FI】
B65B43/30 B
B31B50/78
B31B50/80
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022017551
(22)【出願日】2022-02-07
(71)【出願人】
【識別番号】000206093
【氏名又は名称】大森機械工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092598
【弁理士】
【氏名又は名称】松井 伸一
(72)【発明者】
【氏名】曽根 大順
【テーマコード(参考)】
3E030
3E075
【Fターム(参考)】
3E030AA02
3E030AA10
3E030BB01
3E030BB02
3E030BC01
3E030CA01
3E030CA02
3E030CB02
3E030DA01
3E030DA02
3E030GA05
3E075AA05
3E075BA05
3E075CA07
3E075DA17
3E075DA23
3E075DA32
3E075DC23
3E075DC24
3E075DC45
3E075DC53
3E075DC55
3E075FA03
3E075FA05
3E075FA13
3E075FA19
3E075GA01
3E075GA03
(57)【要約】
【課題】 折り畳まれたピローボックスカートンを下側フラップが起き上がることなく開くカートン開函装置を提供する
【構成】 ピローボックスカートン9の上面部3を第1吸盤部23で吸着した状態で下降移動し、フラップ5,6を待機する折曲げガイド部材35の山型の上面351に押し付け、フラップを一緒に折り曲げて上向きに癖付けする。折り曲げガイド部材を下降させてその平坦な底面352をフラップに接触させて水平に戻す。この状態で下面部4を第2吸盤部40で吸着し、下面部を下方に引っ張ることで上面部と下面部が上下に膨らみ、胴体部2が枕状になり開口する。このとき上向きに折り癖付けられた下側フラップは、折曲げガイド部材の底面により上に曲がるのが抑止され、下面部の湾曲変形に追従して下に凸の状態に変形し、下側フラップが起き上がって開口部を閉じることなく開口するように構成する。
【選択図】 図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
折り畳まれた状態で製品を収納する胴体部を構成する第1面部と第2面部が重なるとともに、その両側縁同士は繋がっており、その繋がっていない前記第1面部の両端には第1フラップを有し、前記第2面部の両端には第2フラップを有し、前記第1面部と前記第1フラップとの境界並びに前記第2面部と前記第2フラップの境界が曲線状のカートンを取り出し、カートン搬送装置に供給する際に、前記カートンを開いて前記製品を収納可能な態様にするためのカートン開函装置であって、
前記第1面部を吸着する第1吸着手段と、
前記第1吸着手段で吸着した前記カートンを前記カートン搬送装置の搬入側に移動させる移動手段と、
前記第1フラップと前記第2フラップを、前記第1面部側に付勢して曲線状の前記境界に沿って一緒に折り曲げて仮折りする仮折り手段と、
前記搬入側で前記カートン搬送装置の搬送面と平行な姿勢で待機する前記カートンの前記第2面部を吸着する第2吸着手段と、
前記第1フラップに接触し、仮折りされた前記第1フラップの姿勢を前記搬送面と平行な姿勢に戻すガイド部材とを備え、
前記ガイド部材が前記第1フラップに接触した状態で前記第2吸着手段を移動させることで、前記第1吸着手段で吸着される前記第1面部と前記第2吸着手段で吸着される前記第2面部の間隔を広げて前記カートンを開口させるように構成したことを特徴とするカートン開函装置。
【請求項2】
前記仮折り手段は、前記第2フラップに接触する上面が、幅方向は中央が膨らむとともに先端下降傾斜状の曲面部位を有し、
その曲面部位が前記第2フラップに対し相対的に上昇して斜め上方に付勢するように構成したことを特徴とする請求項1に記載のカートン開函装置。
【請求項3】
前記第1面部の境界付近を抑える抑えガイド板部を備えることを特徴とする請求項1または2に記載のカートン開函装置。
【請求項4】
前記仮折り手段を構成する前記第2フラップに接触して上方に付勢する部材の底面が平坦となり前記ガイド部材を構成するようにした請求項1~3のいずれか1項に記載のカートン開函装置。
【請求項5】
前記仮折り手段は、前記両端に設けられた前記第1フラップと前記第2フラップを仮折りするようにし、
前記ガイド部材は前記製品を供給する側にのみ設けるようにした請求項1から4のいずれか1項に記載のカートン開函装置。
【請求項6】
前記カートン搬送装置は、前記第1面部と前記第2面部が繋がる前記側縁が前後に位置し、前記カートンの開口部が横に向いた姿勢で搬送するものであり、
前記カートンの前記胴体部を前後から把持する前フィンガーと後フィンガーを備え、
前記前フィンガーと前記後フィンガーの対向面に、それぞれ切り込み部を設け、
その切り込み部で前記側縁を把持するように構成し、
前記第2吸着手段とともに昇降し、前記側縁を挟み込んで把持する把持手段を備え、
前記把持手段は、前記前フィンガーと前記後フィンガーにより挟む込む間隔よりも狭い間隔で把持するように構成し、その把持手段により挟み込んだ状態で前記カートンを前記前フィンガーと前記後フィンガーの間に移動し、前記側縁を前記切り込み部の高さに位置させた状態で前記把持手段による把持を解除するように構成したことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載のカートン開函装置。
【請求項7】
製品を収納する胴体部を構成する第1面部と第2面部の両側縁同士は繋がっており、その繋がっていない前記第1面部の両端には第1フラップを有し、前記第2面部の両端には第2フラップを有し、前記第1面部と前記第1フラップとの境界並びに前記第2面部と前記第2フラップの境界が曲線状であって、前記第1面部と前記第2面部が湾曲して開いたカートンを、前記側縁が前後に位置し、前記カートンの開口部が横に向いた姿勢で搬送するカートン搬送装置であって、
前記カートンの前記胴体部を前後から把持する前フィンガーと後フィンガーを備え、
前記前フィンガーと前記後フィンガーの対向面に、それぞれ切り込み部を設け、
その切り込み部で前記側縁を把持するように構成したことを特徴とするカートン搬送装置。
【請求項8】
折り畳まれた状態で製品を収納する胴体部を構成する第1面部と第2面部が重なるとともに、その両側縁同士は繋がっており、その繋がっていない前記第1面部の両端には第1フラップを有し、前記第2面部の両端には第2フラップを有し、前記第1面部と前記第1フラップとの境界並びに前記第2面部と前記第2フラップの境界が曲線状のカートンを取り出し、カートン搬送装置に供給する際に、前記カートンを開いて前記製品を収納可能な態様にするカートン開函方法であって、
前記カートンを開く前に、前記第1フラップを前記境界に沿って折り曲げて仮折りする工程と、前記第2フラップを前記境界に沿って折り曲げて仮折りする工程を行い、
前記第1面部と前記第2面部をそれぞれ吸着する第1吸着手段と第2吸着手段を離反して前記第1面部と前記第2面部の間隔を広げて前記カートンを開く工程を有し、
前記カートンを開く際に、前下記仮折りした前記第1フラップと前記第2フラップを元に戻した状態で行うカートン開函方法。
【請求項9】
前記第1フラップを仮折りする工程と、前記第2フラップを仮折りする工程は、折り畳まれた状態で重なる前記第1フラップと前記第2フラップを一緒に折り曲げて仮折りする請求項8に記載のカートン開函方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カートン開函装置及びカートン搬送装置並びにカートン開函方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
製品を収納する箱は、多種多様のものがあり、そのうちの1つに、ピローボックス(「ピローケース」と称されることもある)がある。図1(a)に示すように、このピローボックス1は、製品を収納する胴体部2が上面部3と下面部4の側縁同士が繋がるとともに、上面部3と下面部4の非接続の両端が開口し、その開口側の上面部3の両端に繋がる上側フラップ5との接続部分の境界となる折り線7並びに開口側の下面部4の両端に繋がる下側フラップ6との接続部分の境界となる折り線7が曲線となり、製函して組み立てた状態では曲線に合わせて箱の表面が湾曲し、幅方向中央側が上下に膨らんだ枕状の形態となる。
【0003】
図1(b)は、ピローボックス1の展開図であり、図示の例では上面部3の一方の側縁に糊代片8を設ける。そして、上面部3と下面部4の境界の側縁を折り曲げるとともに、糊代片8を下面部4に貼り付けることで、図1(c)に示す折り畳まれたピローボックスカートン9が構成される。
【0004】
この種のピローボックス1に製品を収納する場合、通常、人手によりピローボックスカートン9内に製品を収納し、下側フラップ6及び上側フラップ5を倒して開口部を閉じるようにしている。よって、作業性が悪く、高速な箱詰め処理や長時間継続して行うことは難しい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第4562015号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ピローボックスカートンの自動箱詰め化を行おうとした場合、例えば、特許文献1に開示された袋に製品を供給する技術を転用することを考えると、以下に示す問題が生じる。まず、上面部3と下面部4にそれぞれ吸盤部で吸着し、離反させることで両端は開口するが、一旦筒状に開口すると、上面部3と上側フラップ5の境界、並びに下面部4と下側フラップ6の境界が曲線のため、各フラップを折り曲げることが出来なくなり、無理して折り曲げようとすると、折り線7以外の部分で曲がったり、表面がへこんだりしてしまう恐れがある。
【0007】
本発明者は、かかる問題を解決すべく、フラップを綺麗に折るために開く前の平坦な状態のときに事前に折り癖を付けることを考えた。しかし、そのように折り癖を付けると、製品供給のための開口部を形成する際は、折り癖によって、上側フラップ或いは下側フラップの一方が折れ開口部を塞いでしまい、製品供給できないという事態を生じることを発見した。
【0008】
また、自動箱詰めを行う場合、製品を供給したり、製品供給後に上側フラップ5や下側フラップ6を倒して開口部を塞いだりするために、ピローボックスカートン9の形状や姿勢を一定の状態を維持しながら搬送する必要がある。しかし、胴体部2が湾曲しているため、例えば水平等の決まった角度に維持することが難しく、また、一旦上面部3と下面部4を離反させて開いたとしても、復元力により元の折り畳まれた状態に戻ろうとする力が働き、胴体部2の側縁間の距離が長く、幅広になるように変形してしまい、製品供給等の処理を自動的に適切に行うことができないおそれもある。
【0009】
上述した課題はそれぞれ独立したものとして記載しているものであり、本発明は、必ずしも記載した課題の全てを解決できる必要はなく、少なくとも一つの課題が解決できればよい。またこの課題を解決するための構成についても単独で分割出願・補正等により権利取得する意思を有する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述した課題を解決するために、本発明のカートン開函装置は、(1)折り畳まれた状態で製品を収納する胴体部を構成する第1面部と第2面部が重なるとともに、その両側縁同士は繋がっており、その繋がっていない前記第1面部の両端には第1フラップを有し、前記第2面部の両端には第2フラップを有し、前記第1面部と前記第1フラップとの境界並びに前記第2面部と前記第2フラップの境界が曲線状のカートンを取り出し、カートン搬送装置に供給する際に、前記カートンを開いて前記製品を収納可能な態様にするためのカートン開函装置であって、前記第1面部を吸着する第1吸着手段と、前記第1吸着手段で吸着した前記カートンを前記カートン搬送装置の搬入側に移動させる移動手段と、前記第1フラップと前記第2フラップを、前記第1面部側に付勢して曲線状の前記境界に沿って一緒に折り曲げて仮折りする仮折り手段と、前記搬入側で前記カートン搬送装置の搬送面と平行な姿勢で待機する前記カートンの前記第2面部を吸着する第2吸着手段と、前記第1フラップに接触し、仮折りされた前記第1フラップの姿勢を前記搬送面と平行な姿勢に戻すガイド部材とを備え、前記ガイド部材が前記第1フラップに接触した状態で前記第2吸着手段を移動させることで、前記第1吸着手段で吸着される前記第1面部と前記第2吸着手段で吸着される前記第2面部の間隔を広げて前記カートンを開口させるように構成した。
【0011】
仮折り手段は、偏平に折り畳まれた状態で行われるので、第1フラップと第2フラップを第1面部側に付勢するので、曲線状の境界部分で容易かつ確実に第1フラップと第2フラップをそれぞれ折り曲げることができる。そして、このように第1面部側に折り癖が付けられているので、そのまま第1吸着手段で第1面部を吸着し、第2吸着手段で第2面部を吸着した状態のまま両吸着手段を相対的に離反させて第1面部と第2面部を開くとそれに伴い第2フラップは仮折りした方向の第1面部側に起きて開口部を閉じようとしてしまうが、ガイド部材で第1フラップを抑えて搬送面と平行すなわち第1面部の延長線上に位置させることで同様に第2フラップも第2面部の延長線上に位置する。よって、両吸着手段により第1面部と第2面部が開き始めた際に第2フラップが第1面部側に曲がるのをガイド部材により抑止されるので、第2面部が凸の状態に湾曲しようとすると、同一面状で繋がる第2フラップもそのまま同じ方向に凸の状態に湾曲し始める。少し凸の状態に湾曲すると、その状態から反対側に変移することはなく、第2面部と同様に開口する。このように、動き始めを水平にすることで、第2フラップが内側に折れてしまうのが抑止される。
【0012】
そして、第2フラップ並びに第1フラップで開口部が塞がれないので、その開口部から製品を自動供給することができる。また、仮折りにより境界部分で折り癖が出来ているので、製品を供給した後で、第1フラップを第2フラップ側に付勢したり、第2フラップを第1フラップ側に付勢したりすることで境界部分から折り曲げて開口部を閉じることができる。上述した構成のカートンを開き、自動箱詰め化が行える。
【0013】
なお、第1面部、第2面部、第1フラップ、第2フラップは、それぞれ実施形態では、上面部3、下面部4、上側フラップ5、下側フラップ6に対応する。
【0014】
(2)前記仮折り手段は、前記第2フラップに接触する上面が、幅方向は中央が膨らむとともに先端下降傾斜状の曲面部位を有し、その曲面部位が前記第2フラップに対し相対的に上昇して斜め上方に付勢するように構成するとよい。このようにすると、第2フラップ並びに第1フラップは、曲面部位に沿って湾曲され、曲面形状の境界部分に沿って折り癖が付けやすくなる。
【0015】
(3)前記第1面部の境界付近を抑える抑えガイド板部を備えるとよい。このようにすると、より確実かつ綺麗に境界部分に沿って折り曲げ、折り癖を付けることができる。
【0016】
(4)前記仮折り手段を構成する前記第2フラップに接触して上方に付勢する部材の底面が平坦となり前記ガイド部材を構成するとよい。このようにすると、仮折り手段とガイド部材を一体化できるので、構成簡単となるとともに、仮折り処理や、水平に戻す処理が簡単な制御・動作で行える。
【0017】
(5)前記仮折り手段は、前記両端に設けられた前記第1フラップと前記第2フラップを仮折りするようにし、前記ガイド部材は前記製品を供給する側にのみ設けるとよい。このようにすると、製品を供給する側は第1フラップも第2フラップも閉じずに開口し、反対側は上向きに仮折りされた第2フラップが立ち上がると、供給した製品が反対側から飛び出ることが可及的に抑止される。
【0018】
(6)前記カートン搬送装置は、前記第1面部と前記第2面部が繋がる前記側縁が前後に位置し、前記カートンの開口部が横に向いた姿勢で搬送するものであり、前記カートンの前記胴体部を前後から把持する前フィンガーと後フィンガーを備え、前記前フィンガーと前記後フィンガーの対向面に、それぞれ切り込み部を設け、その切り込み部で前記側縁を把持するように構成し、前記第2吸着手段とともに昇降し、前記側縁を挟み込んで把持する把持手段を備え、前記把持手段は、前記前フィンガーと前記後フィンガーにより挟む込む間隔よりも狭い間隔で把持するように構成し、その把持手段により挟み込んだ状態で前記カートンを前記前フィンガーと前記後フィンガーの間に移動し、前記側縁を前記切り込み部の高さに位置させた状態で前記把持手段による把持を解除するように構成するとよい。
【0019】
このようにすると、切り込み部を備えた前フィンガーと後フィンガーの間に、開いたカートンをスムーズかつ簡単にセットして移し替えることができる。移し替えの際にカートンに過大な負荷も掛からず、損傷することも抑制できる。
【0020】
(7)本発明に係るカートン搬送装置は、製品を収納する胴体部を構成する第1面部と第2面部の両側縁同士は繋がっており、その繋がっていない前記第1面部の両端には第1フラップを有し、前記第2面部の両端には第2フラップを有し、前記第1面部と前記第1フラップとの境界並びに前記第2面部と前記第2フラップの境界が曲線状であって、前記第1面部と前記第2面部が湾曲して開いたカートンを、前記側縁が前後に位置し、前記カートンの開口部が横に向いた姿勢で搬送するカートン搬送装置であって、前記カートンの前記胴体部を前後から把持する前フィンガーと後フィンガーを備え、前記前フィンガーと前記後フィンガーの対向面に、それぞれ切り込み部を設け、その切り込み部で前記側縁を把持するように構成するとよい。
【0021】
このようにすると、離脱することなく所望の形状に開いた姿勢のままカートンを搬送することができる。その結果、所望位置で一時停止し、搬送途中で製品を供給したり、第1フラップや第2フラップを畳んで開口部を閉じたりすることを自動的に行うことができ、自動箱詰め化が行える。
【0022】
(8)本発明に係るカートン開函方法は、折り畳まれた状態で製品を収納する胴体部を構成する第1面部と第2面部が重なるとともに、その両側縁同士は繋がっており、その繋がっていない前記第1面部の両端には第1フラップを有し、前記第2面部の両端には第2フラップを有し、前記第1面部と前記第1フラップとの境界並びに前記第2面部と前記第2フラップの境界が曲線状のカートンを取り出し、カートン搬送装置に供給する際に、前記カートンを開いて前記製品を収納可能な態様にするカートン開函方法であって、前記カートンを開く前に、前記第1フラップを前記境界に沿って折り曲げて仮折りする工程と、前記第2フラップを前記境界に沿って折り曲げて仮折りする工程を行い、前記第1面部と前記第2面部をそれぞれ吸着する第1吸着手段と第2吸着手段を離反して前記第1面部と前記第2面部の間隔を広げて前記カートンを開く工程を有し、前記カートンを開く際に、前下記仮折りした前記第1フラップと前記第2フラップを元に戻した状態で行うようにした。
【0023】
(9)前記第1フラップを仮折りする工程と、前記第2フラップを仮折りする工程は、折り畳まれた状態で重なる前記第1フラップと前記第2フラップを一緒に折り曲げて仮折りするとよい。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、例えば開口部を閉じる第1フラップ及び第2フラップと胴体部との境界が曲線状で組み立てた際に枕状の箱を構成するカートンを用い、製品供給側の上下フラップを確実に離間させて開口部を形成しつつカートンを開いたり、その開いた姿勢のままカートンを搬送したりすることができ、係るカートンを用いた自動箱詰め化が行える。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本発明が処理対象とするカートンの一例を示す図である。
図2】本発明に係るカートン開函装置及びカートン搬送装置が実装される自動箱詰め装置の好適な一実施形態を示す正面図である。
図3】その平面図である。
図4】本発明に係るカートン開函装置の一実施例を示す斜視図である。
図5】第1吸盤部でピローボックスカートンの上面部を吸着保持した状態を示す平面図である。
図6】カートン搬送装置の前フィンガーと後フィンガーでピローボックスカートンを把持する構成を示す模式図である。
図7】本発明に係るカートン開函装置の一実施例の一部を示す左側面図である。
図8】作用を説明する図である。
図9】本発明に係るカートン開函装置の一実施例の一部を示す正面図である。
図10】本発明に係るカートン開函装置の一実施例の一部を示す正面図である。
図11】本発明に係るカートン開函装置の一実施例の一部を示す拡大正面図である。
図12】本発明に係るカートン開函装置の一実施例の一部を示す拡大正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の好適な実施形態について図面に基づき、詳細に説明する。なお、本発明は、これに限定されて解釈されるものではなく、本発明の範囲を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づいて、種々の変更、修正、改良を加え得るものである。
【0027】
図2図3等は、本発明に係るカートン開函装置及びカートン搬送装置並びにそれらが実装されるピローボックスカートンの自動箱詰め装置の好適な一実施形態を示している。本実施形態の自動箱詰め装置10は、折り畳まれたピローボックスカートン9を起立姿勢で前後に並べた状態で一時収納するカートンストッカー11と、そのカートンストッカー11から取り出されたピローボックスカートン9を搬送するカートン搬送装置12と、カートンストッカー11内のピローボックスカートン9を先頭から1枚ずつ取り出すとともに、下方に配置されるカートン搬送装置12に供給するカートン供給装置13と、カートン搬送装置12の搬入側に配置され、折り畳まれたピローボックスカートン9を開くカートン開函装置15等を備える。さらに、カートン搬送装置12の搬送方向に沿って、搬送途中のピローボックスカートン9に対して各種の処理を行う各種装置・機器等が配置される。
【0028】
カートン供給装置13は、先端が上下移動するように垂直平面内で変移するアーム部材21と、そのアーム部材21の先端に片持ち状態で軸受け支持される支持部材22と、支持部材22に連結される第1吸盤部23等を備える。アーム部材21は、カートン搬送装置12の外側に近接した配置され、アーム部材21の基端側に連結された第1サーボモーターの出力を受けて、回転軸211を中心に所定角度範囲で正逆回転する。すなわち、図2中、点線で示すように先端が相対的に上方に位置してカートンストッカー11側にある第1位置と、実線で示すように先端が相対的に下方に位置してカートン搬送装置12側にある第2位置との間を変移する。
【0029】
支持部材22は、図4図5等に示すように、帯板状の第1板部材221の一端に直交状態で接続され、その第1板部材221をアーム部材21に軸受け支持させる第2板部材222等を備える。第1板部材221が、カートン搬送装置12におけるピローボックスカートン9の搬送方向に対して直交する方向に伸びるようにアーム部材21に取付けられる。また、第1板部材221は、長手方向に伸びるスリット2211が形成され、そのスリット2211に連結板部材223がスリット2211に沿って移動可能に取付けられる。そして、連結板部材223に、第1吸盤部23が取付けられる。また、連結板部材223は、固定レバー224の操作に伴い、第1板部材221に固定されたり、固定が解除されたりする。これにより、固定を解除した状態で連結板部材223をスリット2211に沿って移動し、所定位置で固定レバー224を操作し連結板部材223を第1板部材221に固定することで、第1吸盤部23を所望の位置に配置する。
【0030】
またアーム部材21の先端側には、第2サーボモーター24が実装され、その第2サーボモーター24の出力を受けて、支持部材22は正逆回転し、第1吸盤部23の吸着面の向きを変更可能としている。具体的には、アーム部材21が第1位置にある状態では、第1吸盤部23の吸着面をカートンストッカー11内に収納されたピローボックスカートン9に正対し、アーム部材21が第2位置にある状態では、第1吸盤部23の吸着面をカートン搬送装置12の搬送面に正対するように制御する。
【0031】
第1吸盤部23は、支持部材22の軸方向に沿って所定間隔をおいて左右に2個備え、カートンストッカー11内の先頭に位置して露出するピローボックスカートン9の胴体部2の上面部3における長手方向の左右両側を吸着するように構成する。
【0032】
また、連結板部材223には、抑えガイド板部25が取付けられる。この抑えガイド板部25は、ピローボックスカートン9の上面部3の長手方向の両端近傍を抑えるもので、先端縁部251は、ピローボックスカートン9の上面部3と上側フラップ5の境界に設けた折り線7の曲線に対応する形状とし、抑えガイド板部25が上面部3に接触した状態では、その先端縁部251が折り線7に沿うように近接或いは接するように位置調整がされる。また、抑えガイド板部25の所定位置には、上下に貫通する貫通孔252が設けられ、第1吸盤部23は、例えばその貫通孔252内を貫通し、第1吸盤部23の吸着面が、抑えガイド板部25の下方に突出或いは露出するように構成される。これにより、抑えガイド板部25がピローボックスカートン9の上面部3に接触した状態で、第1吸盤部23の吸着面がピローボックスカートン9の上面部3を吸着可能となる。
【0033】
そして、カートン供給装置13は、ピローボックスカートン9を吸着したアーム部材21が第2位置にある状態で第1吸盤部23の吸引を解除することで、ピローボックスカートン9を、カートン搬送装置12側に供給する。また、このカートン搬送装置12への供給箇所には、後述するカートン開函装置15が設置されており、カートン開函装置15によって、折り畳まれて偏平なピローボックスカートン9の上面部3と下面部4を離反させて開き、開口した筒状に形成する。以後、カートン搬送装置12により開いたピローボックスカートン9が搬送される。
【0034】
カートン搬送装置12は、カートン開函装置15により筒状に開いたピローボックスカートン9を、横向きの姿勢すなわち長手方向両端の開口部が左右に位置する姿勢で搬送する。そして、図2図3等に示すように、その構造は、搬送方向の左右それぞれの両側に、搬送方向の前後端並びに所定位置に配置した複数のスプロケット28と、そのスプロケット28に掛け渡したエンドレスチェーン29と、エンドレスチェーン29に対し所定ピッチで取付けた前フィンガー31及び後フィンガー32を備える。そして対を構成する前フィンガー31と後フィンガー32の間隔は、カートン開函装置15で開かれた状態のピローボックスカートン9の横幅に応じた長さに設定している。そして、左右一対の前フィンガー31と後フィンガー32で、ピローボックスカートン9の胴体部2の左右両側を搬送方向の前後から挟み込んで保持し、搬送する。
【0035】
図6に拡大して示すように、前フィンガー31は、上方の後面側に略V字状の切り込み部311を設け、同様に後フィンガー32は、上方の前面側に略V字状の切り込み部321を設ける。それぞれの切り込み部311,321の設置高さは等しくし、その前後の切り込み部321間で、ピローボックスカートン9の一対の長辺すなわち上面部3と下面部4が繋がる境界の側縁を挟み込んで支持するように構成する。
【0036】
切り込み部321は、略V字状で奥に向かって先細り状になっていることから、ピローボックスカートン9の側縁は、それぞれの切り込み部311,321の最深部に位置し、上方や下方へ移動するのが抑止される。これにより、上面部3と下面部4の折り返し部位となるピローボックスカートン9の両側縁が、前フィンガー31と後フィンガー32からそれぞれ離脱されることなく、その前フィンガー31と後フィンガー32に設けた切り込み部311,321の最深部間の距離を保った状態のまま搬送される。上面部3と下面部4の幅方向中央部位を離反させて筒状に開いた状態のピローボックスカートン9は、例えば、上面部3と下面部4の離反距離が短くなり、両側縁間の長さが長くなり元の偏平な形態に戻ろうとする力が働いたとしても、両側縁は切り込み部321の最深部に接していてその奥に移動すなわち水平方向でさらに広がる方向に離反することは出来ず、また、上記の戻ろうとする力により、側縁が前フィンガー31或いは後フィンガー32の上方或いは下方に移動しようとしても、V字状の切り込み部311,321の上下の傾斜面によりその移動が抑止される。これにより、前フィンガー31と後フィンガー32の切り込み部311,321の最深部間の間隔を適宜に設定することで、上面部3と下面部4の両端縁の折り線7の部分が湾曲し、ピローボックスカートン9の胴体部2の両端の開口部が所望の寸法形状で開いた状態を維持した状態で搬送される。
【0037】
V字状の切り込み部311,321の角度θは、搬送途中の開いた状態のピローボックスカートン9の側縁部位の角度θ1よりも広くしている。これにより、例えばピローボックスカートン9の両側縁の間隔をより短くして側縁部位の角度が広くなっても切り込み部311,321内に側縁を導くことができるようにしている。さらに、V字状の傾斜面としているので、スムーズに案内され、側縁を最深部に導くことができる。
【0038】
カートン開函装置15は、カートン供給装置13の第1吸盤部23並びに抑えガイド板部25等に加え、以下の構成を備える。カートン搬送装置12の左右両側に、上側フラップ5及び下側フラップ6を折り曲げる折曲げガイド部材35を配置する。なお、図4の一方(手前側)の折り曲げガイド35及びそれを取付けるL字プレート36は、図示省略している。この折曲げガイド部材35は、その上面351は湾曲した曲面形状を有し、底面352は平面形状を有し、先端縁部353は折り線7の曲面形状に符合した曲線としている。
【0039】
この折曲げガイド部材35は、先端縁部353と反対側の端面がL字プレート36の起立壁部361に取り付けられ、第1シリンダー37のシリンダロッド371の先端に、連結部材38を介して取り付けられる。シリンダロッド371は、上下方向に往復移動するように構成され、その往復移動に伴い、折曲げガイド部材35も昇降する。
【0040】
また、折曲げガイド部材35を第1シリンダー37に取り付けた状態では、折曲げガイド部材35の底面352は、水平面内に位置し、その姿勢を維持しながら昇降する。さらに、連結部材38に取り付けられるL字プレート36の底板部362には、切り込み部3621並びにスリット状のガイド孔3622が設けられる。固定ネジ39を緩めるとL字プレート36ひいては折曲げガイド部材35が搬送方向に対して直交する方向に前後進移動し、固定ネジ39を締めるとL字プレート36ひいては折曲げガイド部材35がその位置で固定される。そして、固定された折曲げガイド部材35の先端縁部353は、平面視で第2位置にあるカートン供給装置13の第1吸盤部23で吸着されるピローボックスカートン9の折り線7に近接するように設定する。
【0041】
係る構成において、第1シリンダー37を動作させ、折曲げガイド部材35を上方位置に位置させた状態を維持し、カートン供給装置13によりピローボックスカートン9を下降移動させ第2位置に位置させる(図8(a)→(b)参照)。この下降移動にともない、ピローボックスカートン9の上側フラップ5及び下側フラップ6は、折曲げガイド部材35の上面351に当たり、上方に付勢される。このとき、折曲げガイド部材35の先端縁部353は、ピローボックスカートン9の下面部4と下側フラップ6の間の折り線7の外側近傍に位置し、抑えガイド板部25の先端縁部251は、ピローボックスカートン9の上面部3と上側フラップ5の間の折り線7の内側近傍に位置していることも相まって、上側フラップ5と下側フラップ6は、折り線7に沿って一緒に折り曲げられて折り癖が付けられる。このように上側フラップ5と下側フラップ6は、上向きに仮折りされる(図8(c)参照)。
【0042】
さらにカートン開函装置15は、第2位置にあるアーム部材21の第1吸盤部23で吸着されているピローボックスカートン9の下面部4を吸着する第2吸盤部40を備える(図9等参照)。この第2吸盤部40は、移動ベース部材41の上面に取付けられる。移動ベース部材41は、カートン搬送装置12の横方向の中央部位において、上流側から下流側に伸びるように配置され、図示省略する駆動装置(例えばサーボモータ等)の駆動を受けて昇降移動し、この移動ベース部材41の昇降移動に伴い一体となって第2吸盤部40も昇降する。そして、上昇位置に至ると、第2吸盤部40の上端の吸着面がピローボックスカートン9の下面部4に接触し、吸着保持する。この第2吸盤部40が下面部4を吸着保持した状態で、下降移動し、第1吸盤部23に対して離反することで、ピローボックスカートン9の上面部3と下面部4は幅方向の中央部位が離れて、上下に開いて開口する。
【0043】
本実施形態では、上記の製品供給するための開口部を形成する場合、第2吸盤部40の下降移動を開始する前或いは開始する際に、第1シリンダー37を動作させて折曲げガイド部材35を下降させ、折曲げガイド部材35の平坦な底面352を上側フラップ5に接触させ、その接触させた状態で第2吸盤部40を下降移動させる(図7中実線、図8(d)参照)。このようにすると、上方に向けて仮折りされた上側フラップ5と下側フラップ6は、ともに水平な姿勢に戻り、その水平に保ったまま第2吸盤部40により胴体部2の下面部4を下側に引っ張ると、上側フラップ5と下側フラップ6が上に折れ曲がるのが抑止され、下面部4とともに下側フラップ6が下に凸の状態に湾曲変形する。よって、下側フラップ6が上に折れって開口部を塞ぐことがない。そして、一旦下に凸の状態になると、そのままその開きが拡大していく。
【0044】
さらに本実施形態では、移動ベース部材41の上面に、ピローボックスカートン9の胴体部2の一対の長辺を挟み込む一対の把持爪部材43を備える。この把持爪部材43は、所定角度範囲内で正逆回転し、先端の対向面側にV字状に切り込まれた把持部431を備え、図示省略する駆動源の動力を受け、図9中、実線で示す起立した姿勢と、点線で示す倒れた待機姿勢との間を変移する。例えば、移動ベース部材41の下面側に第2シリンダーを設置し、その第2シリンダーのシリンダロッドの往復動作をリンク機構や歯車等の動力伝達機構により両側の把持爪部材43が立ったり倒れたりする開閉動作を行えるように構成するとよい。
【0045】
そして、第1吸盤部23と第2吸盤部40により開口されるタイミングに合わせて、一対の把持爪部材43が起立し、ピローボックスカートン9の胴体部2の長辺を挟み込むように制御する。
【0046】
さらに、起立した姿勢では、一対の把持部431の間隔は、前フィンガー31と後フィンガー32の切り込み部311,321間の間隔よりも短くしている。これにより、第1吸盤部23と第2吸盤部40により相対的に上下に引っ張られて開口したピローボックスカートン9は、カートン搬送装置12の前フィンガー31と後フィンガー32の間隔よりも狭い間隔で把持し、開口したピローボックスカートン9の胴体部2の幅を、前フィンガー31と後フィンガー32の間隔よりも短い状態にする。また、一対の把持爪部材43でピローボックスカートン9を挟み込んだ後は、第1吸盤部23の吸引を解除し、アーム部材21は第1位置に復帰するように制御するとよい。
【0047】
次いで、移動ベース部材41を下降移動させ、一対の把持爪部材43で開口したピローボックスカートン9の胴体部2の長辺(側縁)を、前フィンガー31と後フィンガー32の切り込み部311,321の最深部と高さが一致するように制御する(図10参照)。そして、把持爪部材43を倒した姿勢にして把持を解除する。これに伴い、ピローボックスカートン9は復元力により、元の平坦な姿勢に戻ろうとし、両長辺間の距離、すなわちピローボックスカートン9の横幅が広がり、各長辺(側縁)は、前フィンガー31と後フィンガー32の切り込み部311,321に接触する。また、これにあわせて第2吸盤部40の吸引も解除する。これにより、ピローボックスカートン9はカートン搬送装置12側に受け渡され、移動ベース部材41を第2吸盤部40がピローボックスカートン9に接触しない位置に更に下降した後、カートン搬送装置12の間歇動作に伴い、間歇搬送される。
【0048】
さらに本実施形態では、図2図3に示すように、カートン搬送装置12には、その搬送方向に沿ってカートン開函装置15から順に、製品をピローボックスカートン9内に供給する製品供給装置(図示省略)、下側フラップ6を折り線7の部分で折り曲げて起立させる下側フラップ起し装置50、上側フラップ5を折り線7の部分で下向きに折り曲げて倒す上側フラップ倒し装置53等を備える。これら各装置により、製品が収納されたピローボックスカートン9の両側の開口部が、上側フラップ5と下側フラップ6により塞がれ、製函・箱詰めされる。
【0049】
下側フラップ起し装置50は、先端縁が折り線7に曲線に応じた曲線形状の平板状部材51を備え、この平板状部材51が例えばシリンダー等の駆動を受けて昇降することで、平板状部材51が下側フラップ6に接触して持ち上げるように動作するように構成する。平板状部材51の移動は、まっすぐに上昇するのではなく、リンク機構等により徐々にピローボックスカートン9の胴体部2側に近づくように上昇するとよい。
【0050】
上側フラップ倒し装置53は、円筒状で搬送方向に沿った方向の中間部位が膨らむ湾曲面を備えた本体部54を、搬送方向と平行な方向に延びる回転軸を中心に回転自在に軸受け支持するように構成し、この本体部54が例えばシリンダー等の駆動を受けて昇降することで本体部54が下降移動する際に上側フラップ5に接触しこれを押し下げて閉じるようにするとよい。これにより、本体部54が回転し、フラップを綺麗に折り曲げることができる。
【0051】
上述した実施形態では、折曲げガイド部材35を上方位置で待機させた状態で、第1吸盤部23等を下降移動することで上側フラップ5及び下側フラップ6を上方に付勢するようにしたが、例えば、第1吸盤部23は所定位置で待機させた状態で第1シリンダー37を動作させて折曲げガイド部材35を上昇移動させて上側フラップ5及び下側フラップ6を上方に付勢するようにしたり、両方を同時に移動させるようにしたりしてもよい。但し、本実施形態のように折曲げガイド部材35の昇降をシリンダーで行う場合、上方位置(待機)と、下方位置(底面121で上側フラップ5と下側フラップ6を水平に戻す)の2つの位置の移動制御が簡単なため、好ましい。
【0052】
また、上述したように実施形態では、上側フラップ5及び下側フラップ6を上向きに仮折りするための部材と、下側フラップ6を水平に抑える部材を折曲げガイド部材35の上面351と底面352を用いて共通化しているが、別部材に分けて構成してもよい。
【0053】
また、上述した実施形態では、ピローボックスカートン9の両側に第1シリンダー37を設けて折曲げガイド部材35を昇降するようにしたが、例えば、製品を供給する手前にのみ設け、奥側は昇降しない構成としてもよい。そのようにすると、例えば奥側は折曲げガイド部材35を固定設置することができ、構成が簡単になり、昇降しないので故障やメンテナンス作業も少なくなる。さらに、ピローボックスカートン9を開く際に奥側の下側フラップ6が立ち上がるため、例えば、勢いよく製品を供給しても奥側から飛び出る可能性を低減でき、別途ストッパー装置などが不要である。
【0054】
さらに本実施形態では、上述したように第1吸盤部23の位置を変更するだけでなく、例えば、移動ベース部材41に載せた第2吸盤部40と把持爪部材43をユニット化してユニット毎交換したり、抑えガイド板部25を交換したり、折曲げガイド部材35を第1シリンダー27に対して着脱するなどして別の寸法形状のものに交換することができる構成を取っている。また、カートン搬送装置は、例えば前フィンガー31と後フィンガー32の一方はチェーンに固定し、他方は前後方向に移動できるようにしたり、前フィンガー31と後フィンガー32を別々のエンドレスチェーンに取り付けて、エンドレスチェーン同士の位相・相対位置を変えるようにしたりして、前フィンガー31と後フィンガー32の間隔を変更可能にするとよい。これにより、異なる寸法形状のカートンに対して対応することが可能となる。
【0055】
サイズの異なるピローボックスカートンでは、ピローボックスカートンの開口部の大きさ(ピローボックスカートン9の上面部3、下面部4の膨らみ具合)に応じて移動ベース部材41の移動(下降)距離を変更するように構成するとよい。具体的には、例えば開口部が大きい程、移動ベース部材41の下降距離を長くするとよい。
【0056】
また、上述した実施形態では、上方に配置したカートンストッカー11内に収納されたピローボックスカートン9を取り出し、下降移動しながら上側フラップ5と下側フラップ6を仮折りし、その仮折りにより上方に曲げられた上側フラップ5と下側フラップ6の姿勢を水平に戻すとともに、ピローボックスカートン9を開き、下方に配置するカートン搬送装置12に開いたピローボックスカートン9をセットするようにしたが、本発明はこれに限ることはなく、例えばカートン搬送装置とカートンストッカーの上下を逆に配置し、ピローボックスカートン9を上昇移動させ、その途中でフラップを仮折り、次いで元に戻すとともにピローボックスカートンを開くようにしてもよい。
【0057】
また、例えば、カートンストッカーとカートン搬送装置を横に配置するなどして、ピローボックスカートンを水平方向・横方向に移動しながらフラップの仮折りと戻し処理や、ピローボックスカートンを開く処理を行うようにしてもよく、各処理を行う際のピローボックスカートンの移動方向か各種の方法に設定することができる。
【0058】
以上、本発明の様々な側面を実施形態を用いて説明してきたが、これらの実施形態や説明は、本発明の範囲を制限する目的でなされたものではなく、本発明の理解に資するために提供されたものであることを付言しておく。本発明の範囲は、明細書に明示的に説明された構成や製法に限定されるものではなく、本明細書に開示される本発明の様々な側面の組み合わせをも、その範囲に含むものである。本発明のうち、特許を受けようとする構成を、添付の特許請求の範囲に特定したが、現在の処は特許請求の範囲に特定されていない構成であっても、本明細書に開示される構成を、将来的に特許請求する可能性があることを、念のために申し述べる。
【符号の説明】
【0059】
1 :ピローボックス
2 :胴体部
3 :上面部
4 :下面部
5 :上側フラップ
6 :下側フラップ
7 :折り線
9 :ピローボックスカートン
10 :自動箱詰め装置
11 :カートンストッカー
12 :カートン搬送装置
13 :カートン供給装置
15 :カートン開函装置
23 :第1吸盤部
25 :抑えガイド板部
31 :前フィンガー
311 :切り込み部
32 :後フィンガー
321 :切り込み部
35 :折曲げガイド部材
351 :上面
352 :底面
40 :第2吸盤部
43 :把持爪部材
431 :把持部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12