(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023114949
(43)【公開日】2023-08-18
(54)【発明の名称】捕虫器用ケース
(51)【国際特許分類】
A01M 23/16 20060101AFI20230810BHJP
A01M 1/02 20060101ALI20230810BHJP
【FI】
A01M23/16
A01M1/02 T
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022017568
(22)【出願日】2022-02-07
(71)【出願人】
【識別番号】512239491
【氏名又は名称】笠井 美彩子
(74)【代理人】
【識別番号】100110560
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 恵三
(74)【代理人】
【識別番号】100182604
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 二美
(72)【発明者】
【氏名】笠井 美彩子
【テーマコード(参考)】
2B121
【Fターム(参考)】
2B121AA12
2B121BA12
2B121BA42
2B121BA52
2B121DA29
2B121DA34
2B121EA01
2B121FA01
2B121FA15
(57)【要約】
【課題】 虫の捕獲手段を使用状態であるときに、捕獲された虫が視認できる状態にあり、使用者に不快感を与えてしまうこと。また、当該捕獲手段を廃棄する際には、使用者の手指が捕獲手段の粘着面に触れてしまい不衛生であるということ。
【解決手段】 問題点を解決するため、本発明に係る捕虫器用ケースは、虫の侵入口を有する筐体と、粘着性物質を用いて前記虫を捕獲する捕獲手段を、前記筐体の内部に固定するための固定手段と、使用状態において前記筐体の回転を抑制する姿勢維持手段と、前記侵入口の大きさに対応し、且つ、使用状態においては、前記侵入口の一辺に延設された状態である遮蔽板を備える。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
虫の侵入口を有する筐体と、
粘着性物質を用いて前記虫を捕獲する捕獲手段を、前記筐体の内部に固定するための固定手段と、
前記筐体の両端近傍に設けた差込孔と、当該差込孔に連結された紐状体とから構成され、使用状態における前記筐体の回転を抑制する姿勢維持手段と、
を備えることを特徴とする捕虫器用ケース。
【請求項2】
前記侵入口の大きさに対応し、且つ、使用状態においては、前記侵入口の一辺に延設された状態である遮蔽板を備えることを特徴とする請求項1に記載の捕虫器用ケース。
【請求項3】
前記筐体の内部に、前記虫を誘引する誘因手段をさらに有することを特徴とする請求項1又は2に記載の捕虫器用ケース。
【請求項4】
前記筐体の任意の筐体面には、ミウラ折状の折込線、蛇腹折状の折込線、又は、長手方向の折込線が設けられ、当該折込線に従って展開することにより、前記筐体が組み立てられることを特徴とする請求項1乃至3に記載の捕虫器用ケース。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粘着性物質を用いて虫を捕獲する捕虫器を内部に備える、捕虫器用ケースに関するものである。
【背景技術】
【0002】
ハエやゴキブリ、蚊などのいわゆる衛生害虫は、一般家庭やオフィスビル、飲食店等の居住環境の中で、人間に対して衛生的な害を与えている。また、衛星害虫の多くは汚物に集まる習性を有することから、これらの衛生害虫に対して心的ストレスを抱く人間も少なくない。
特に、飲食店においては、大量の生ゴミを排出し、湿度および温度の高い厨房を有するため、ハエやゴキブリ等が発生しやすい環境であり、また、人の出入りも多いため、蚊などが店内に侵入しやすい。食べ物を提供する飲食店にとって、衛生管理をすること、及び、清潔感を保つことは必要最低限のことであり、これらの徹底の度合いが店舗の集客に影響を与えることは想像に難くない。そのため、ハエなどの衛生害虫が店内を飛びまわらないよう、駆除することは大きな課題であった。飲食店では、食品を取り扱う性質上、殺虫剤は極力使用しないことが望ましく、衛生害虫の駆除には殺虫剤以外の様々な方法が試されてきた。その方法の一つとして、従来から知られている、粘着性物質を塗布した油紙や合成フィルムを天井から吊るし、飛んでいるハエなどを捕獲する、いわゆるハエ取り紙を使用することが多かった。
【0003】
しかし、上述のハエ取り紙は、粘着面が露出した状態であり、捕獲されたハエなどが直に見えるため、使用者等の中には不快に感じる者も多く、特に、飲食店などでは、食事中にハエなどの衛生害虫の死骸が視界に入るため、食事の雰囲気を壊し、客の気分を害することとなっていた。また、粘着面にハエなどが付着した状態で放置されるため、衛生的な問題があり、さらに、天井の高さによっては人間の衣服や手が粘着面に触れるとういう問題があった。そこで、下記の特許文献1の捕虫器が提供されている。
【0004】
前記特許文献1の捕虫器は、側面にハエ等が侵入可能な径の円形の侵入孔を有する筐体と、筐体の内部に着脱自在に取り付けられたハエ取り紙とから構成される。筐体は、一枚のシートを折込み、差込み構造のみで固定し、正四角柱体に組み立てられ、ハエ取り紙は、筐体の側面と離間して、筐体の内部に吊下げられた状態に取付けられる。当該捕虫器は、粘着面が露出していないため、捕獲された虫が直に見え難く、また、衣類や手等が直接粘着面に触れることも少なくなるため、使用者等の不快感が減少し、衛生的に使用できるものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、前記特許文献1の捕虫器は、筐体に設けられた侵入孔が常に使用者の視認できる角度に開かれた状態であるため、捕獲された虫が直に見え難くはあるものの、依然として捕獲された虫が視認できる状態にあり、不快感を与えてしまうという問題点があった。
また、当該捕虫器を廃棄する際には、捕虫器を潰す等して立体形状から平面形状にしてから廃棄するのが一般的であるが、当該捕虫器には、筐体に設けられた侵入孔を塞ぐ手段が備えられていないため、捕虫器を潰した際に、使用者等の手指が粘着面に触れてしまい不衛生であるという問題点があった。
本発明は、これらの問題点に鑑みてなされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記問題点を解決するため、本発明に係る捕虫器用ケースは、虫の侵入口を有する筐体と、粘着性物質を用いて前記虫を捕獲する捕獲手段を、前記筐体の内部に固定するための固定手段と、前記筐体の両端近傍に設けた差込孔と、当該差込孔に連結された紐状体とから構成され、使用状態における前記筐体の回転を抑制する姿勢維持手段と、を備えることを特徴とする。
【0008】
また、上記発明において、本発明に係る捕虫器用ケースは、前記侵入口の大きさに対応し、且つ、使用状態においては、前記侵入口の一辺に延設された状態である遮蔽板を備えることを特徴とする。
【0009】
また、上記発明において、本発明に係る捕虫器用ケースは、前記筐体の内部に、前記虫を誘引する誘因手段をさらに有することを特徴とする。
【0010】
また、上記発明において、本発明に係る捕虫器用ケースは、前記筐体の任意の筐体面には、ミウラ折状の折込線、蛇腹折状の折込線、又は、長手方向の折込線が設けられ、当該折込線に従って展開することにより、前記筐体が組み立てられることを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の実施の形態1に係る捕虫器用ケース100の構成を示す斜視図である。
【
図2】捕虫器用ケース100の左端付近の要部拡大斜視図である。
【
図3】捕虫器用ケース100の右端付近の要部拡大斜視図である。
【
図5】捕虫器用ケース100の立てた状態での使用例を示す斜視図である。
【
図6】本発明の実施の形態2に係る捕虫器用ケース200の構成を示す斜視図である。
【
図8】捕虫器用ケース200の立てた状態での使用例を示す斜視図である。
【
図9】本発明の実施の形態3に係る捕虫器用ケース300の構成を示す斜視図である。
【
図10】本発明の実施の形態4に係る捕虫器用ケース400の構成を示す斜視図である。
【
図11】本発明の捕虫器用ケースに係る誘引手段の実施例を示す構成図である。
【
図12】本発明の実施の形態3に係る捕虫器用ケース300の構成を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る捕虫器用ケース100の構成を示す斜視図である。
図2は、捕虫器用ケース100の左端付近の要部拡大斜視図である。
図3は、捕虫器用ケース100の右端付近の要部拡大斜視図である。
当該捕虫器用ケース100は、全体が四角柱体に形成された筐体10と、当該筐体10の所望の各側面に設けられた虫の侵入口20と、捕虫器用ケース100の使用状態において当該筐体10が意図せず回転することを抑制するための姿勢維持手段30とから構成される。
【0013】
筐体10は、紙製素材により構成されるが、その他、合成樹脂や木材、金属等も採用可能である。なお、捕虫器用ケース100は、照明器具等の熱源の近傍にての使用が想定されるため、筐体10には、耐熱素材や難燃素材を採用し、又は、耐熱加工や難燃加工を施すことが好ましい。筐体10の形状は、四角柱体にて形成されるが、その他の多角柱体や円柱体等も採用可能である。
【0014】
筐体10の内部一端には、虫の捕獲手段Tを固定するための固定部11が設けられる。当該虫の捕獲手段Tは、リボンに粘着性物質が塗布された所謂ハエ取り紙である。当該固定部11は、虫の捕獲手段Tを内部に収納し得る箱形状であり、当該固定部11の一面には、リボンの先端を引き出すための孔12が設けられる。そして、当該孔12の円周上に三角形状のストッパー13が複数延設される。当該ストッパー13により虫の捕獲手段Tが固定されることにより、使用者がリボンを引き出す際、虫の捕獲手段Tが固定部11より脱落することを防ぐ。また、虫の捕獲手段Tを、筐体10内部の所望の側面に、直に接着することで固定部11とすることも可能である。
【0015】
図4は、捕虫器用ケース100の六面図であり、(a)が正面図、(b)が平面図、(c)が背面図、(d)が右側面図、(e)が左側面図、(f)が底面図である。侵入口20は、矩形状であり、前記筐体10の所望の各側面に複数設けられる。例えば、天井照明の近傍にて捕虫器用ケース100を使用する場合、筐体側面10a、10b、10dに侵入口20を設け、筐体側面10cには侵入口20を設けない(
図1及び
図4)。このような構成とすることで、捕獲後の虫の死骸等を使用者から視認し難くすることが可能となる。
【0016】
侵入口20の形状は、円形や楕円形、多角形、星型等も採用できる。また、侵入口20の数は、使用環境に応じて適宜決定可能である。なお、侵入口20の大きさは、捕獲対象の虫が侵入可能な大きさであれば足り、例えば、捕獲対象の虫がハエの場合には、一辺が1cm以上の侵入口20を設けることが好ましい。
【0017】
姿勢維持手段30は、前記筐体10の両端側面に設けられたスリット状の差込孔31と、当該2つの差込孔31に連結される紐32とから構成される。当該差込孔31は、筐体10の両端側面の中央に設けられた孔31aと、当該孔31aから鉛直上方向に設けられたスリット31bから形成される(
図3)。紐32の両端を前記孔31aに挿通し、その後、スリット31b方向に移動させて固定することで、姿勢維持手段30となる。紐32は、布製のほか、針金等も採用可能である。
【0018】
捕虫器用ケース100の使用状態においては、風などの影響により、筐体10が意図せず回転し、使用者が、前記侵入口20を通して捕獲後の虫の死骸などを、視認できる状態になってしまうことが想定される。捕虫器用ケース100は、姿勢維持手段30を備えることにより、筐体10の回転を抑制し、側面10b及び側面10dに設けられた侵入口20を、常に略水平方向(80°以上100°以下、又は、170°以上190°以下)へ向けることが可能となり、使用者から虫の死骸などが視認し難い状態を維持する。
【0019】
図5に示すように、捕虫器用ケース100を立てた状態で使用する場合には、筐体10の一端の差込孔31と紐32を連結して使用する。
【0020】
以下に、捕虫器用ケース100の使用方法を記す。
まず、使用者は、筐体10の一端に設けられた固定部11に収納されたハエ取り紙のリボンを孔12より引き出し、筐体10の他端近傍に固定する。この際の固定手段は、スリット31bに差し込んでも良いし、ステープラー等で固定しても良い(図示省略)。次に、使用者は、姿勢維持手段30の紐32を、天井照明の金具等に引っ掛けて、捕虫器用ケース100を設置する。捕獲手段T(ハエ取り紙)の使用期限が過ぎた後は、設置時の逆の手順にてハエ取り紙を交換し、再度、設置して使用することも可能である。
【0021】
当該捕虫器用ケース100によれば、使用状態において、使用者に不快感を与えずに対象の虫を捕獲することが可能となる。すなわち、捕虫器用ケース100は、姿勢維持手段30を備えることにより、使用状態において、使用者が虫の侵入口20を通して、捕獲後の虫の死骸などを視認し難い状態を維持し、使用者に不快感を与えずに捕獲手段T(ハエ取り紙)を使用することを可能にする。
【0022】
また、上記使用方法のほか、捕虫器用ケース100は、捕獲手段T(ハエ取り紙)を露出させない構造であるため、棚上や床に直に置いて使用することも可能である。
【0023】
(実施の形態2)
図6は、本発明の実施の形態2に係る捕虫器用ケース200の構成を示す斜視図である。捕虫器用ケース200は、前記虫の侵入口20の大きさに対応する遮蔽板40を備えること以外の構成要素は、実施の形態1に係る捕虫器用ケース100と共通するため、同一の構成要素には同一の記号を付して説明を省略する。
【0024】
図7は、捕虫器用ケース200の六面図であり、(a)が正面図、(b)が平面図、(c)が背面図、(d)が右側面図、(e)が左側面図、(f)が底面図である。遮蔽板40は、前記筐体10に設けられた侵入口20の大きさに対応するよう設けられる。詳細には、遮蔽板40は、侵入口20の各辺(20a、20b、20c、20d)に、それぞれ破線(切り取り線)により接合されて設けられる。遮蔽板40は、使用状態においては侵入口20の一辺に延設された状態となる。すなわち、使用者は、捕虫器用ケース200を使用する際に、下方向(底面方向)となる辺20c以外の、各辺(20a、20b、20d)を切断し、筐体10の外側方向に遮蔽板40を倒すよう展開する(
図6)。なお、使用状態において上方向(平面)となる筐体側面10aに設けられた遮蔽40については、任意の一辺に延設された状態となるよう展開する。
【0025】
また、
図8に示すように、捕虫器用ケース200を立てた状態で使用する場合には、辺20d以外の各辺(20a、20b、20c)を切断し、筐体10の外側方向に遮蔽板40を倒すよう展開する。
【0026】
遮蔽板40を筐体10の外側方向に展開することで、前記侵入口20の一辺に延設された状態となる。すなわち、遮蔽板40が使用者からの視界を遮り、捕虫器用ケース200の使用状態において、使用者が虫の侵入口を通して、捕獲後の虫の死骸などを、より一層視認し難い状態を維持することが可能となる。
【0027】
また、捕獲手段T(ハエ取り紙)の使用期限が過ぎた後、捕虫器用ケース200を廃棄する場合には、遮蔽板40を切断前の位置に戻してから、捕虫器用ケース200を平面状に潰す。このようにすることで、捕虫器用ケース200を衛生的に廃棄することができる。
【0028】
捕虫器用ケース200によれば、使用者からの視界を遮る遮蔽板40を備えることにより、捕虫器用ケース200の使用状態において、使用者が虫の侵入口20を通して、捕獲後の虫の死骸などを、より一層視認し難い状態を維持することが可能となる。そのため、使用者に不快感を与えずに対象の虫を捕獲することが可能となる。
【0029】
また、捕虫器用ケース200によれば、捕虫器用ケース200を廃棄する際、遮蔽板40を展開前の状態に戻して、侵入口20を塞いでから廃棄作業を行うことにより、捕獲手段T(ハエ取り紙)の粘着性物質に使用者の手指が接触してしまうことを防ぎ、衛生的に廃棄作業を行うことが可能となる。
【0030】
(実施の形態3)
図9は、本発明の実施の形態3に係る捕虫器用ケース300の構成を示す斜視図であり、(a)は保管時の状態を示し、(b)は使用時の状態を示す。捕虫器用ケース300は、筐体50以外の構成要素は、実施の形態1に係る捕虫器用ケース100と共通するため、同一の構成要素には同一の記号を付して説明を省略する。
【0031】
筐体50は、紙製素材により構成されるが、その他、合成樹脂や木材、金属等も採用可能である。なお、捕虫器用ケース300は、照明器具等の熱源の近傍にての使用が想定されるため、筐体50には、耐熱素材や難燃素材を採用し、又は、耐熱加工や難燃加工を施すことが好ましい。筐体50の形状は、四角柱体にて形成されるが、その他の多角柱体や円柱体等も採用可能である。
【0032】
また、筐体50は、各筐体面にミウラ折状または蛇腹状の折込線Aが施された状態で形成される。この構造により、捕虫器用ケース300を使用する時以外は、省スペースでの保管が可能となる。捕虫器用ケース300を使用する際には、前記折込線Aに従って筐体50全体を展開して使用する。そして、捕虫器用ケース300を廃棄する際には、筐体50の両端を把持して前記折込線Aに従い畳むことで、捕獲手段T(ハエ取り紙)に使用者の手指が触れることなく廃棄作業を行うことが可能となる。また、ミウラ折状または蛇腹状に限らず、
図12に示すように、筐体50の長手方向の側面に折込線Bを施すことで(
図12(a))、保管時には筐体50を平たく潰して保管することも可能である(
図12(b))。当然、平たく潰した捕虫器用ケース300を、更に二つ又は三つ折り(図示省略)にすることで、より省スペースでの保管が可能となる。
【0033】
捕虫器用ケース300によれば、実施の形態1に係る捕虫器用ケース100の奏する効果のほか、保管の際の省スペース化、及び、廃棄作業を衛生的に行うことが可能となる。
【0034】
(実施の形態4)
図10は、本発明の実施の形態4に係る捕虫器用ケース400の構成を示す斜視図である。当該捕虫器用ケース400は、全体が提灯型に形成された筐体60と、当該筐体60の所望の位置に設けられた虫の侵入口70とから構成される。実施の形態1に係る捕虫器用ケース100と同一の構成要素には同一の記号を付して説明を省略する。
【0035】
筐体60は、全体が提灯型の形状であって、紙製素材により構成される。なお、捕虫器用ケース400は、照明器具等の熱源の近傍にての使用が想定されるため、筐体60には、耐熱加工や難燃加工を施すことが好ましい。筐体60の上端には、公知の提灯吊り下げ手段が設けられる。また、筐体60の下端の内部には、虫の捕獲手段Tを固定するための固定部11が設けられる。
【0036】
侵入口70は、円形であり、前記筐体60の所望の位置に複数設けられる。侵入口70の形状は、矩形や楕円形、多角形、星型等も採用できる。また、侵入口70の数は、使用環境に応じて適宜決定可能である。なお、侵入口70の大きさは、捕獲対象の虫が侵入可能な大きさであれば足り、例えば、捕獲対象の虫がハエの場合には、直径が1cm以上の侵入口70を設けることが好ましい。
【0037】
図10に示すように、捕虫器用ケース400は、所望の箇所に吊り下げ式にて使用される。捕虫器用ケース400によれば、筐体60が提灯型をしていることにより、景観を損ねることなく、且つ、使用者に不快感を与えることなく対象の虫を捕獲することが可能となる。また、この提灯型の構造により、捕虫器用ケース400を使用する時以外は、省スペースでの保管が可能となる。そして、捕虫器用ケース400を廃棄する際には、筐体60の上端および下端を把持して畳むことで、捕獲手段T(ハエ取り紙)に使用者の手指が触れることなく廃棄作業を行うことが可能となる。
【0038】
本発明に係る捕虫器用ケースは、上記の実施の形態に限られるものではない。
筐体の内部に、捕獲手段T(ハエ取り紙)に加えて、更に誘引手段Rを備える構造としてもよい。詳細には、誘引手段Rとして、筐体内部を光反射塗料または蓄光塗料により着色をすることで、光(赤外線など)に集まる習性を持つ虫の捕獲可能性を高めることが可能となる。
【0039】
また、誘引手段Rとして、筐体内部に、LEDや電球などの光源を設けることで、光(赤外線など)に集まる習性を持つ虫の捕獲可能性を高めることが可能となる(
図11)。
【符号の説明】
【0040】
10 筐体
11 固定部
20 侵入口
30 姿勢維持手段
40 遮蔽板
100 捕虫器用ケース
T 捕獲手段
R 誘引手段